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特許7533525電子機器、学習支援システム、学習処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-05
(45)【発行日】2024-08-14
(54)【発明の名称】電子機器、学習支援システム、学習処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G09B 19/00 20060101AFI20240806BHJP
   G09B 7/04 20060101ALI20240806BHJP
   G09B 19/04 20060101ALI20240806BHJP
   G09B 19/06 20060101ALI20240806BHJP
   G09B 17/00 20060101ALI20240806BHJP
   G06Q 50/20 20120101ALI20240806BHJP
   G10L 15/00 20130101ALI20240806BHJP
【FI】
G09B19/00 H
G09B7/04
G09B19/04
G09B19/06
G09B17/00
G06Q50/20 300
G10L15/00 200E
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2022084542
(22)【出願日】2022-05-24
(65)【公開番号】P2023046232
(43)【公開日】2023-04-03
【審査請求日】2023-03-22
(31)【優先権主張番号】P 2021154457
(32)【優先日】2021-09-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2022047166
(32)【優先日】2022-03-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】増茂 良紀
(72)【発明者】
【氏名】溝上 大志
【審査官】西村 民男
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-043312(JP,A)
【文献】特開2019-159318(JP,A)
【文献】特開2009-300573(JP,A)
【文献】特開2006-301066(JP,A)
【文献】特開2002-175095(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第109545244(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0027731(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09B 1/00- 9/56
17/00-19/26
G06Q 50/20
G10L 15/00-17/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが文章を音読したときの音声について音声認識処理を実行して、前記文章に含まれる単語について発音の正誤判定を実行し、
前記正誤判定の結果として前記発音が誤りと判定した単語を前記文章から抽出し、
前記抽出された単語を対象にして実行可能な学習方法をリスト化した学習方法リストを出力し、
前記学習方法リストから選択された学習方法による学習機能を実行する制御部を備え、
さらに前記制御部は、
前記ユーザが文章を音読した音声について音声認識することで得られた単語が、予め登録された音声認識の対象とする単語に含まれない場合には、前記予め登録された音声認識の対象とする単語を前記発音が誤りと判定した単語とするように前記正誤判定を実行する、電子機器。
【請求項2】
前記制御部は、
音読の対象とする文章の文章データを他の機器から受信し、
前記文章データと前記文章を音読したときの音声について音声認識した結果とを比較することにより、前記文章に含まれる単語について発音の正誤判定をし、
前記発音が誤りと判定した単語を前記他の機器に送信する、請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記制御部は、
前記音声に含まれる単語の発音の誤り判定を含む音声認識処理を外部電子機器によって実行させ、
前記外部電子機器による判定結果をもとに前記学習方法リストを出力する、請求項1に記載の電子機器。
【請求項4】
前記制御部は、
前記学習方法リストから選択された学習方法による学習機能を、前記発音が誤りと判定た単語を処理対象にして実行する、請求項1に記載の電子機器。
【請求項5】
前記制御部は、
前記学習方法リストから選択された学習方法に含まれる、複数のコンテンツのいずれかを対象として学習機能を実行する、請求項1~請求項4のいずれかに記載の電子機器。
【請求項6】
前記制御部は、
前記学習機能を実行したとき、前記コンテンツの前記発音が誤りと判定た単語を含む部分を表示装置に表示させる、請求項5に記載の電子機器。
【請求項7】
前記制御部は、
前記文章を音読した音声について音声認識することで得られた単語が、前記予め登録された音声認識の対象とする単語であって、且つ、前記音声認識することで得られた単語との一致度が予め設定された基準値以下となる場合、前記予め登録された音声認識の対象とする単語を前記発音が誤りと判定した単語とするように前記正誤判定を実行する、請求項に記載の電子機器。
【請求項8】
前記音声認識処理は、
複数の異なる言語により発音された前記音声について、言語毎に音声認識する処理を含む、請求項2または請求項4に記載の電子機器。
【請求項9】
ユーザが文章を音読したときの音声について音声認識処理を実行して、前記文章に含まれる単語について発音の正誤判定を実行し、
前記正誤判定の結果として前記発音が誤りと判定した単語を前記文章から抽出し、
前記抽出された単語を対象にして実行可能な学習方法をリスト化した学習方法リストを出力し、
前記学習方法リストから選択された学習方法による学習機能を実行する制御部を備え、
さらに前記制御部は、
前記ユーザが文章を音読した音声について音声認識することで得られた単語が、予め登録された音声認識の対象とする単語に含まれない場合には、前記予め登録された音声認識の対象とする単語を前記発音が誤りと判定した単語とするように前記正誤判定を実行する、学習支援システム。
【請求項10】
第1制御部を有した第1電子機器と、
第2制御部を有した第2電子機器と、
を備え、
前記第1制御部は、
ユーザが文章を音読したときの音声について音声認識処理を実行して、前記文章に含まれる単語について発音の正誤判定を実行し、
前記正誤判定の結果として前記発音が誤りと判定した単語を前記文章から抽出し、
前記抽出された単語を対象にして実行可能な学習方法をリスト化した学習方法リストを出力し、
前記学習方法リストから選択された学習方法による学習機能を実行し、
さらに前記第1制御部は、
前記ユーザが文章を音読した音声について音声認識することで得られた単語が、予め登録された音声認識の対象とする単語に含まれない場合には、前記予め登録された音声認識の対象とする単語を前記発音が誤りと判定した単語とするように前記正誤判定を実行し、
前記第2制御部は、
音読の対象とする前記文章を表示装置に表示させ、
前記文章の文章データを前記第1電子機器に送信し、
前記第1電子機器の前記第1制御部が前記文章中の発音が誤りと判定た単語を示す単語データを受信し、
前記単語データに基づいて、前記発音が誤りと判定た単語について他と異なる表示形態により表示させる、
学習支援システム。
【請求項11】
制御部を有する電子機器における学習処理方法であって、
前記制御部は、
ユーザが文章を音読したときの音声について音声認識処理を実行して、前記文章に含まれる単語について発音の正誤判定を実行し、
前記正誤判定の結果として前記発音が誤りと判定した単語を前記文章から抽出し、
前記抽出された単語を対象にして実行可能な学習方法をリスト化した学習方法リストを出力し、
前記学習方法リストから選択された学習方法による学習機能を実行し、
さらに前記制御部は、
前記ユーザが文章を音読した音声について音声認識することで得られた単語が、予め登録された音声認識の対象とする単語に含まれない場合には、前記予め登録された音声認識の対象とする単語を前記発音が誤りと判定した単語とするように前記正誤判定を実行する、学習処理方法。
【請求項12】
コンピュータを、
ユーザが文章を音読したときの音声について音声認識処理を実行して、前記文章に含まれる単語について発音の正誤判定を実行し、
前記正誤判定の結果として前記発音が誤りと判定した単語を前記文章から抽出し、
前記抽出された単語を対象にして実行可能な学習方法をリスト化した学習方法リストを出力し、
前記学習方法リストから選択された学習方法による学習機能を実行するように機能させ、
さらに前記コンピュータを、
文章を音読した音声について音声認識することで得られた単語が、予め登録された音声認識の対象とする単語に含まれない場合には、前記予め登録された音声認識の対象とする単語を前記発音が誤りと判定した単語とするように前記正誤判定を実行するように機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器、学習支援システム、学習処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子辞書やパーソナルコンピュータなどの電子機器には、外国語の言語を学習することを目的とした学習機能が実装されたものがある。言語の学習では、例えば辞書を利用して単語の学習をする機能(例えば、特許文献1参照)、辞書に掲載された例文等を利用して文法について学習する機能、外国語の言語により読み上げられる文章の聞き取りをするリスニング学習の機能、外国語の言語を正しく発音できるようにするためのスピーキング学習の機能などがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2021-047769号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように従来の電子機器では、言語の学習のための複数の学習機能が存在するが、同じ言語について学習するにしても、目的によって学習方法が異なるコンテンツを使用している。従って、ユーザは、学習の目的にあったコンテンツを使用する機能を複数の学習機能から選択し、学習対象(例えば、単語)を指定して、学習機能を実行させる必要があった。従って、言語の学習の際は、コンテンツ単体での学習になりがちであった。
【0005】
本発明は、前記のような課題に考慮してなされたもので、複数の学習機能を効果的に使用して言語の学習をすることができる電子機器、学習支援システム、学習処理方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の実施形態に係る電子機器は、ユーザが文章を音読したときの音声について音声認識処理を実行して、前記文章に含まれる単語について発音の正誤判定を実行し、前記正誤判定の結果として前記発音が誤りと判定した単語を前記文章から抽出し、前記抽出された単語を対象にして実行可能な学習方法をリスト化した学習方法リストを出力し、前記学習方法リストから選択された学習方法による学習機能を実行する制御部を備え、さらに前記制御部は、前記ユーザが文章を音読した音声について音声認識することで得られた単語が、予め登録された音声認識の対象とする単語に含まれない場合には、前記予め登録された音声認識の対象とする単語を前記発音が誤りと判定した単語とするように前記正誤判定を実行する
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、複数の学習機能を効果的に使用して言語の学習をすることができる電子機器、学習支援システム、学習処理方法及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態に係る学習支援システムの模式図。
図2】本実施形態における電子辞書の外観構成を示す正面図。
図3】本実施形態の実施形態に係る、電子辞書と通信により接続して使用される他の電子機器の電子回路の構成を示す機能ブロック図。
図4】本実施形態における電子辞書の動作を示すフローチャート。
図5】本実施形態におけるタブレットPC(デジタル教科書)の動作を示すフローチャート。
図6】本実施形態におけるタブレットPCのタッチパネル式表示部に表示される教科書画面の一例を示す図。
図7】本実施形態における電子辞書において表示される抽出単語リストの一例を示す図。
図8】本実施形態におけるタブレットPCのタッチパネル式表示部に表示される教科書画面の一例を示す図。
図9】本実施形態における電子辞書に表示される学習方法リストの一例を示す図。
図10】本実施形態における学習方法リストから「単語学習」が選択された場合の学習機能の実行画面の一例を示す図。
図11】本実施形態における学習方法「単語学習」に応じて実行される単語帳登録機能の実行画面を示す図。
図12】本実施形態における学習方法リストから「発音トレーニング」が選択された場合の学習機能の実行画面の一例を示す図。
図13】本実施形態における学習方法リストから「例文学習」が選択された場合の例文検索機能の実行画面の一例を示す図。
図14】本発明の実施形態に係る学習支援システムの模式図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面により本発明の実施の形態について説明する。
【0010】
図1は、本発明の実施形態に係る学習支援システムの模式図である。学習支援システム1は、電子機器(第1電子機器)としての電子辞書10と、電子機器(第2電子機器)としてのタブレットPC20と、を備えている。さらに、学習支援システム1は、サーバ30を含むことができる。サーバ30は、ネットワークNを通じて、タブレットPC20などにデジタル教科書データを含む画像やテストのデータを提供する。図1では、電子辞書10の電子回路の構成を示す機能ブロック図を示している。
【0011】
本実施形態では、電子機器を例えば電子辞書10として構成した例について示す。なお、電子機器は、電子辞書10の他、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレットPC、ゲーム装置などの各種の電子機器により実現することが可能である。
【0012】
電子辞書10は、複数種類の辞書コンテンツが辞書データとして記録されている。辞書コンテンツでは、複数の見出し語とする単語等のそれぞれと対応づけて、少なくとも1つの語義に関する情報が登録されている。電子辞書10に搭載されている辞書コンテンツは、一般に出版社などによって作成され、紙媒体などによっても出版されたものを含んでおり信頼性が高い。従って、信頼性の高い辞書コンテンツを学習に有効利用することで、正しく効果的な学習の効果を期待することができる。
【0013】
なお、辞書コンテンツは、英語などの外国語系や国語系などの言語に関する辞書に限らず、百科事典、学習参考書、問題集、文学作品、解説書などのコンテンツなどを含む。
【0014】
辞書コンテンツは、辞書検索機能によって利用するだけでなく、言語学習をするための学習コンテンツとして利用することができる。
【0015】
電子辞書10は、各種の記録媒体に記録されたプログラム、又は、伝送されたプログラムを読み込んで、その読み込んだプログラムによって動作が制御されるコンピュータの構成を有し、その電子回路には、CPU(central processing unit)11が備えられる。
【0016】
CPU11は、電子辞書10の全体を制御する制御部として機能する。CPU11は、メモリ12内に予め記憶された制御プログラム、あるいはROMカードなどの記録媒体13から記録媒体読取部14を介してメモリ12に読み込まれた制御プログラム、あるいはインターネット等のネットワークNを通じて、外部装置(サーバ等)からダウンロードされてメモリ12に読み込まれた制御プログラムに応じて、回路各部の動作を制御する。
【0017】
メモリ12に記憶された制御プログラムは、キー入力部16からのユーザ操作に応じた入力信号、表示部としてのタッチパネル式表示部17からのユーザ操作に応じた入力信号、あるいは記録媒体読取部14を介して接続されるEEPROM(登録商標),RAM,ROMなどの外部記録媒体13との接続通信信号に応じて起動される。
【0018】
CPU11には、メモリ12、記録媒体読取部14、通信部15、キー入力部16、タッチパネル式表示部17(ディスプレイ)、音声入力部(マイク)18、音声出力部(スピーカ)19などが接続される。一実施形態では、表示部は、タッチパネルとしての機能を有さなくても良い。例えば、表示部としてタッチパネル式表示部17の代わりにLCD(Liquid Crystal Display)を用いても良い。
【0019】
メモリ12に記憶される制御プログラムとしては、辞書制御プログラム12a、音声認識プログラム12b、学習方法処理プログラム12cなどが含まれる。辞書制御プログラム12aは、電子辞書10の全体の動作制御するためのプログラムである。また、辞書制御プログラム12aは、入力部(キー入力部16、タッチパネル式表示部17、音声入力部18)により入力された文字列をもとに辞書コンテンツを検索して情報を表示させる辞書検索機能を実現する。
【0020】
また、辞書制御プログラム12aは、辞書コンテンツを検索して情報を表示させる辞書検索機能だけでなく、外国語の言語の学習に利用できる複数の異なる学習機能を実現する。外国語の言語としては、例えば英語、中国語、韓国語、ドイツ語、フランス語など、複数の言語を対象とすることができる。複数の学習機能には、例えば単語学習に有効な単語検索機能、例文学習に好適な例文検索機能、外国語の言語により読み上げられる文章や単語の聞き取りをするリスニング学習機能、外国語の言語の文章や単語を正しく発音できるように練習するためのスピーキング学習機能(発音トレーニング機能)、学習が必要な特定の単語等を登録しておく単語帳登録機能などを有している。さらに、文法や長文などを学習するための機能、外国語資格試験向け参考書の閲覧機能や試験問題を提示して回答させる試験問題機能などを設けることができる。なお、前述した学習機能は一例であって、その他の外国語の学習に利用可能な機能を設けることができる。
【0021】
各学習機能は、それぞれ複数のコンテンツを対象として処理を実行することができる。例えば、単語検索機能では、複数の検索対象とする辞書コンテンツを利用することができ、全てを検索対象としたり、いずれかを選択して検索対象としたりすることもできる。また、スピーキング学習機能では、文章の発音を練習するための文章コンテンツと、単語の発音を練習するための単語コンテンツなどを選択的に使用することができる。また、試験問題機能では、試験種類や問題レベルが異なる複数の試験問題コンテンツがあり、いずれかを対象として実行することができる。
【0022】
音声認識プログラム12bは、音声入力部18から入力される文章等を学習者が音読した音声について音声認識して、学習者が音読した文章等を出力する音声認識機能を実現するプログラムである。音声認識プログラム12bは、例えば英語、中国語、韓国語、ドイツ語、フランス語など、複数の言語を対象として音声認識することができる。音声認識プログラム12bによる音声認識では、例えば学習者が音読した音声の音声データに対して音響分析を実行し、音響分析結果と予め用意された言語毎の音声認識辞書(音響モデル、言語モデル、発音辞書などを含む)と照合することで発話された文章等を検出する。
【0023】
本実施形態における音声認識プログラム12bでは、音読の対象とする文章等のデータがある場合、文章等を音読した音声について音声認識した結果と、音読の対象とする文章等のデータを比較することにより、音読した文章等に含まれる単語について発音の正誤判定をすることができる。また、音読の対象とする文章等のデータがない場合、文章等を音読した音声について音声認識した結果から得られた単語が、予め登録された音声認識の対象とする単語(例えば、認識対象とする単語が登録されたデータベース)に含まれない場合に、発音を誤った単語として判定することができる。
【0024】
学習方法処理プログラム12cは、音声認識プログラム12bによる音声認識処理の結果を利用し、例えば発音を誤った単語について、辞書制御プログラム12aが提供する複数の学習機能から学習に利用できる学習機能(学習方法)を判別して、学習機能(学習方法)をリスト化した学習方法リストを提供する機能を実現する。
【0025】
メモリ12には、辞書データ12d、抽出単語データ12e、学習方法サーチデータ12f、学習コンテンツデータ12gなどが記憶される。
【0026】
辞書データ12dには、例えば、英和辞書、和英辞書、英英辞書、英漢辞書、国語辞書などの複数の辞書、複数種類の事典などの辞書コンテンツを集録したデータベースが含まれる。なお、英語系の辞書コンテンツだけでなく、他の言語の辞書コンテンツを含んでいても良い。辞書データ12dには、辞書毎に、各見出し語のそれぞれに対応する意味(語義)を説明する語義情報が対応づけられている。なお、辞書データ12dは、電子辞書10の本体に内蔵せずに、ネットワークNを通じてアクセス可能な外部装置(サーバ等)に記憶されていても良い。
【0027】
抽出単語データ12eは、音声認識プログラム12bによる音声認識による音声認識結果から抽出された、発音の正誤判定によって誤りと判定された単語を示すデータである。なお、抽出単語データ12eは、文章等が音読された音声について音声認識することで得られた、正誤判定に関係無く抽出された単語を示すデータとしても良い。
【0028】
学習方法サーチデータ12fは、抽出単語データ12eが示す発音が誤りと判定された単語を対象にして実行可能な学習機能を示すデータである。学習方法サーチデータ12fが示す学習機能は、学習方法処理プログラム12cによる処理によって、単語の学習に利用可能な学習方法としてリスト化されて、タッチパネル式表示部17における表示等によって出力される。
【0029】
学習コンテンツデータ12gは、辞書制御プログラム12aによる各種学習機能により利用されるコンテンツに関するデータである。
【0030】
通信部15は、インターネットやLAN(Local Area Network)などのネットワークNを介した、他の電子機器と通信する通信制御、あるいは近距離の他の電子機器(例えば、タブレットPC20)との間で、Bluetooth(登録商標)やWi-Fi(登録商標)などの近距離無線通信をする通信制御を実行する。
【0031】
電子辞書10は、通信部15を通じて他の電子機器(例えば、タブレットPC20)と通信により接続することで、他の電子機器と連携した処理を実行することができる。
【0032】
このように構成された電子辞書10は、CPU11が辞書制御プログラム12a、音声認識プログラム12b、学習方法処理プログラム12c等の各種プログラムに記述された命令に従い回路各部の動作を制御し、ソフトウエアとハードウエアとが協働して動作することにより、以下の動作説明で述べる機能を実現する。
【0033】
図2は、本実施形態における電子辞書10の外観構成を示す正面図である。
【0034】
図2における電子辞書10の場合、開閉される装置本体の下段側にCPU11、メモリ12、記録媒体読取部14、通信部15、音声入力部18、音声出力部19が内蔵されると共にキー入力部16が設けられ、上段側にタッチパネル式表示部17が設けられる。
【0035】
キー入力部16には、文字入力キー16a、各種の辞書や各種機能を選択することができる辞書選択キー16b、[訳/決定]キー16c、[戻る]キー16d、カーソルキー(上下左右キー)16e、削除キー16f、電源ボタン、その他の各種機能キーなどが備えられる。
【0036】
タッチパネル式表示部17には、各種機能の実行に応じて、各種メニューやボタン17aなどが表示される。タッチパネル式表示部17では、例えばペンを用いて、各種メニューやボタン17aを選択するタッチ操作、文字を入力するための手書き文字入力をすることができる。
【0037】
図3は、本実施形態の実施形態に係る、電子辞書10と通信により接続して使用される他の電子機器(第2電子機器)の電子回路の構成を示す機能ブロック図である。本実施形態では、他の電子機器(第2電子機器)を例えばタブレットPC20として構成した例について示す。タブレットPC20は、例えばデジタル教科書として使用される機器である。なお、タブレットPC20に限らず、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、ゲーム装置などの各種の電子機器により実現することが可能である。
【0038】
タブレットPC20は、インターネット等を含むネットワークNを通じて接続されるサーバ30にアクセスして、サーバ30が提供するデジタル教科書データを含むWebページやテキストファイルなどを表示させて、ユーザに閲覧させることができる。
【0039】
タブレットPC20は、各種の記録媒体に記録されたプログラム、又は、伝送されたプログラムを読み込んで、その読み込んだプログラムによって動作が制御されるコンピュータの構成を有し、その電子回路には、CPU(central processing unit)21が備えられる。
【0040】
CPU21は、タブレットPC20の全体を制御する制御部として機能する。CPU21は、メモリ22内に予め記憶された制御プログラム、あるいはROMカードなどの記録媒体23から記録媒体読取部24を介してメモリ22に読み込まれた制御プログラム、あるいはインターネット等のネットワークNを通じて、外部装置(サーバ等)からダウンロードされてメモリ22に読み込まれた制御プログラムに応じて、回路各部の動作を制御する。
【0041】
メモリ22に記憶された制御プログラムは、ボタン入力部26からのユーザ操作に応じた入力信号、タッチパネル式表示部27からのユーザ操作に応じた入力信号、あるいは記録媒体読取部24を介して接続されるEEPROM(登録商標),RAM,ROMなどの外部記録媒体23との接続通信信号に応じて起動される。
【0042】
CPU21には、メモリ22、記録媒体読取部24、通信部25、ボタン入力部26、表示部としてのタッチパネル式表示部27、音声入力部(マイク)28、音声出力部(スピーカ)29などが接続される。
【0043】
メモリ22に記憶される制御プログラムとしては、タブレットPC20の全体の動作を司る基本プログラム22a(OS(Operating System))、教科書データをもとに教科書画面(テキスト、画像等を含む)などを表示させるための教科書処理プログラム22bなどがある。
【0044】
タブレットPC20は、基本プログラム22a及び教科書処理プログラム22bを実行することにより、タブレットPC20において表示対象とされる教科書データに含まれる例えば文章データ(テキストデータ)を通信により電子辞書10に送信する。
【0045】
メモリ22には、教科書処理プログラム22bによる表示対象とされる教科書データ22c、抽出単語データ22dなどが記憶される。
【0046】
教科書データ22cには、各種の教科書を表すテキストデータや画像データが含まれる。教科書データ22cは、教科書処理プログラム22bによる制御によりタッチパネル式表示部27に表示される。タブレットPC20が電子辞書10と接続されて連携した処理を実行する場合、タッチパネル式表示部27に表示された処理対象とするデータ(例えば、文章データ)が電子辞書10に送信される。
【0047】
抽出単語データ22dは、タブレットPC20が電子辞書10と接続されて連携した処理を実行する場合、電子辞書10から受信されるデータである。抽出単語データ22dは、処理対象とする文章データを電子辞書10に送信している場合に、この文章データに含まれる単語のうち、電子辞書10における音声認識による音声認識結果から抽出された、発音の正誤判定によって誤りと判定された単語を示すデータである。抽出単語データ22dに基づいて、教科書処理プログラム22bによる制御により、タッチパネル式表示部27に表示された文章中の抽出単語データ22dが示す単語が他と異なる表示形態により表示される。
【0048】
通信部25は、インターネットやLAN(Local Area Network)などのネットワークNを介した、他の情報処理装置(例えば、サーバ30)と通信する通信制御、あるいは近距離の他の電子機器(例えば、電子辞書10)との間で、Bluetooth(登録商標)やWi-Fi(登録商標)などの近距離無線通信をする通信制御を実行する。
【0049】
音声入力部28は、文章等を学習者が音読した音声などを入力する。音声出力部29は、CPU21による処理に伴って各種の音を出力する。
【0050】
次に、本実施形態における電子辞書10と第2電子機器としてのタブレットPC20(デジタル教科書)の動作について説明する。
【0051】
まず、電子辞書10とタブレットPC20とが連携して動作する場合について説明する。
【0052】
図4は、本実施形態における電子辞書10の動作を示すフローチャートである。図5は、本実施形態におけるタブレットPC20(デジタル教科書)の動作を示すフローチャートである。
【0053】
まず、ユーザは、電子辞書10とタブレットPC20に対して、無線通信により接続(リンク設定)するための処理を開始させる。電子辞書10のCPU11は、リンク設定の指示があると(ステップA1、Yes)、通信プログラムを実行して、通信部15を通じてタブレットPC20と無線通信する状態にする。また、タブレットPC20のCPU21は、リンク設定の指示があると(ステップB1、Yes)、通信プログラムを実行して、通信部25を通じて電子辞書10と無線通信する状態にする。これにより、電子辞書10とタブレットPC20は、それぞれ通信リンクを設定する処理を実行し(ステップA2,B2)、データ通信が可能な状態となる。
【0054】
タブレットPC20は、ユーザ操作に応じて教科書処理プログラム22bの実行が指示されると、メモリ22から教科書データ22cを読み出し(ステップB3)、教科書データ22cをもとにタッチパネル式表示部27に教科書画面(テキスト、画像等)を表示させる(ステップB4)。タブレットPC20は、タッチパネル式表示部27またはボタン入力部26に対する操作に応じて、教科書画面の表示内容を変更する。
【0055】
図6は、本実施形態におけるタブレットPC20のタッチパネル式表示部27に表示される教科書画面の一例を示している。図6(A)に示す教科書画面には、英語による会話内容を表す文章として、例えば「Did you enjoy your homestay in London?」が表示されている。
【0056】
タブレットPC20では、図6(A)に示すように文章を表示している場合に、電子辞書10が有する音声認識機能を利用して、文章データを音読した音声について音読判定させることができる。
【0057】
例えば、タブレットPC20のCPU21は、タッチパネル式表示部27に表示された文章に対して、タッチ操作などにより音読対象とするテキスト範囲が指定されると(ステップB5、Yes)、電子辞書10に対して、通信部25を通じて文章データ(テキストデータ)を送信する(ステップB6)。
【0058】
一方、電子辞書10のCPU11は、タブレットPC20から通信部15を通じて、音読の対象とするテキストデータを受信すると(ステップA3、Yes)、このテキストデータを一時的にメモリ12に記憶させる(ステップA4)。
【0059】
CPU11は、タブレットPC20からのテキストデータの受信に応じて音声認識プログラム12bを起動し、音声入力部18から入力される音声に対する音声認識機能による音声認識が可能な状態に移行する。
【0060】
ここで、ユーザは、電子辞書10に対して、例えばキー入力部16に対する操作により音読開始を指示すると共に、タブレットPC20において音読の対象として選択した文章(タブレットPC20から送信されたテキストデータ)の音読を開始する。
【0061】
CPU11は、音読開始の指示が入力されると(ステップA5)、音声入力部18から入力される音声(ユーザが文章を音読する音声)の音声データに対して音声認識処理を実行する(ステップA6)。音声認識処理では、音読対象とする言語に応じた処理を実行する。例えば、英語のテキストが音読される場合には、予め言語を英語に指定しておくことで、英語用の音声認識辞書を用いた音声認識処理が実行されてもよい。同様にして、例えば中国語、韓国語、ドイツ語、フランス語などの言語を指定することで、それぞれの言語用の音声認識辞書を用いた言語毎の音声認識処理が実行されてもよい。
【0062】
また、予め言語を指定することなく言語毎の音声認識処理が実行されても良い。例えば、音声データに対して音響分析を実行し、音響分析結果と予め用意された言語毎の音声認識辞書(音響モデル、言語モデル、発音辞書などを含む)と照合することで言語を判定し、判定された言語用の音声認識辞書を用いた音声認識処理を実行する。また、AI(Artificial Intelligence)技術を利用した音声認識機能を設け、複数の言語を学習させることで、予め言語を指定することなく言語毎の音声認識処理を実行できるようにしても良い。
【0063】
CPU11は、入力された音声データに対する音声認識処理によって、音声認識結果とするテキストデータを出力する。さらに、CPU11は、音声認識結果とするテキストデータと、タブレットPC20から受信された文章データとを比較することにより、文章に含まれる単語について発音の正誤判定をする。すなわち、音声認識結果とするテキストデータと文章のテキストデータとを、単語単位で比較し、一致していれば発音が正しい単語と判定し、異なっていれば発音が誤りの単語と判定する。
【0064】
CPU11は、発音が誤りと判定した単語を誤読単語として抽出し、誤読単語と文章データの本来の単語とを対応づけて、抽出単語データ12eとしてメモリ12に記録する(ステップA7)。CPU11は、文章の音読に対する音声認識結果として、発音が誤りと判定した単語を示す抽出単語データ12eをタブレットPC20に送信する(ステップA8)。
【0065】
タブレットPC20のCPU21は、電子辞書10から抽出単語データ12eを受信すると(ステップB7、Yes)、メモリ22に記憶させる(抽出単語データ22d)。CPU21は、抽出単語データ22dに応じて、タッチパネル式表示部27に表示中の音読対象として選択した文章に対して、抽出単語データ22dが示す誤読単語に対応する単語、すなわち正しく発音できなかった単語を、他の文章の表示とは異なる表示形態によって表示させる(ステップB8)。
【0066】
図6(B)に示す教科書画面では、例えば「enjoy」と「homestay」の単語に対して表示形態が変更された例を示している。なお、単語に付される他と異なる表示形態としては、例えば文字色を変える、ハイライトを付す、下線を付す、などがある。その他の表示形態を用いることも可能である。
【0067】
このようにして、タブレットPC20では、電子辞書10と連携することで、電子辞書10が有している音声認識機能を利用して、タッチパネル式表示部27に表示中の文章について正しく発音できなかった単語(発音が誤りと判定された単語)の表示形態を変更する(音読判定を実行する)。これにより、ユーザは、発音が誤りと判定された単語を視覚的に容易に確認することができる。
【0068】
CPU21は、タッチパネル式表示部27に対する操作に応じて、教科書画面の表示内容を変更する指示が入力されると(ステップB9、No)、メモリ22から教科書データ22cを読み出し(ステップB3)、教科書データ22cをもとにタッチパネル式表示部27に変更された教科書画面を表示させる(ステップB4)。
【0069】
また、CPU21は、教科書画面の表示終了が指示されると(ステップB9、Yes)、処理を終了する。
【0070】
一方、電子辞書10は、抽出単語データ12eをメモリ12に記録すると共に、抽出単語データ12eが示す誤読した単語をリスト化(抽出単語リスト)して、タッチパネル式表示部17に表示させる(ステップA9)。
【0071】
なお、本実施形態では、抽出単語リストを作成して表示させるとしているが、辞書制御プログラム12aによる単語帳登録機能において単語を登録して、単語帳登録機能の登録単語を一覧表示する画面を表示させるようにしても良い。
【0072】
図7は、本実施形態における電子辞書10において表示される抽出単語リストの一例を示す図である。図7に示す抽出単語リストは、2つの単語「enjoy」「homestay」が表示された例を示す。
【0073】
図7に示す例では、タブレットPC20から受信した文章データ中の単語「enjoy」(図6(A)参照)が、例えば「enjoying」と音声認識され、同様にして、単語「homestay」(図6(A)参照)が、例えば「hamster」と音声認識されて、それぞれ発音が誤りと判定されたことを示している。
【0074】
なお、図6及び図7に示す例では、抽出単語リストを作成する場合に、文章データ中の単語の表記のままでリスト化しているが(「enjoy」「homestay」)、以下の説明のように、文章データ中の単語の表記を変更した単語をリスト化しても良い。
【0075】
図8(A)は、本実施形態におけるタブレットPC20のタッチパネル式表示部27に表示される教科書画面の一例を示している。図8(A)に示す教科書画面には、英語による会話内容を表す文章として、例えば「Are you enjoying your homestay in London?」が表示されている。
【0076】
前述と同様にして、図8(A)に示す文章について音読して、電子辞書10が有する音声認識機能を利用して、音読した音声について音読判定させる。この結果、文章データ中の単語「enjoying」が、例えば「join」と音声認識されて、発音が誤りと判定されたものとする(単語「homestay」については発音が正しいと判定されたものとする)。教科書画面では、図8(B)に示すように、単語「enjoying」が正しく発音できなかった単語として、表示形態が変更されて表示される。
【0077】
この場合、文章データ中の単語「enjoying」の表記のままでリスト化するのではなく、例えば、文章データ中の単語「enjoying」を原形に変更してリスト化する。すなわち、図7と同様にして、単語「enjoying」の原形の単語「enjoy」をリスト化して、抽出単語リストを表示させる。
【0078】
抽出単語リストには、同じ単語だけでなく、表記が異なる同じ単語(例えば「enjoying」「enjoy」)を重複して表示しないようにすることで、抽出単語リストから単語を選択する操作を容易にすることができる。
【0079】
なお、図8(A)に示す文章では、現在分詞形により表記された単語「enjoying」の例を示しているが、現在分詞形による表記に限らず、原形とは異なる表記がされた単語を対象とすることができる。
【0080】
例えば、三単現表記、過去形、過去分詞形、複数形、接頭語/接尾語が付加された表記などの単語についても同様にして、原形の単語の表記に変更して抽出単語リストを作成することができる。
【0081】
なお、単語の原形と、原形とは異なる表記の単語との関係が辞書データ12dに含まれていれば、辞書データ12dを参照することで、文章データ中の単語の表記を原形に変更する。また、辞書データ12dとは別に、単語の原形と、原形とは異なる表記の単語との関係を示すテーブルデータを用意しておき、このテーブルデータを参照することで、文章データ中の単語の表記を原形に変更することもできる。
【0082】
ここで、CPU11は、タッチパネル式表示部17に表示された抽出単語リスト中からいずれかの単語を選択する指示が入力されると(例えば、単語に対応するチェックボタンへのタッチ操作)(ステップA10)、単語に応じた学習方法の検索を実行し、学習方法リストをタッチパネル式表示部17に表示させる(ステップA11)。
【0083】
すなわち、CPU11は、辞書制御プログラム12aにより提供される複数の学習機能のうち、抽出単語リストから選択された単語について学習が可能な学習機能を検索する。例えば、それぞれの学習機能が処理対象とするコンテンツに、抽出単語リストから選択された単語が含まれる場合に、学習が可能(実行可能)な学習機能と判別することができる。
【0084】
また、単語毎に、実行可能な学習機能(学習方法)が登録されたインデックスを予め作成しておき、このインデックスを抽出単語リストから選択された単語をもとに検索することで、単語に対応する実行可能な学習機能を判別するようにしても良い。
【0085】
図9は、本実施形態における電子辞書10に表示される学習方法リストの一例を示す図である。図9に示す学習方法リストは、例えば抽出単語リストから単語「enjoy」が選択された場合を例にしている。
【0086】
図9に示すように、学習方法リストでは、単語「enjoy」について、「単語学習」「例文学習」「発音トレーニング」「文法学習」による学習が可能なことを容易に認識することができる。学習方法リストには、単語「enjoy」について学習できない学習方法が含まれない。このため、学習方法リストを利用することにより、複数の学習方法から学習を実施可能な学習方法を効率的に選択することができる。また、学習方法リストに含まれる複数の学習方法を選択して実行することで、抽出単語リストから選択した単語(すなわち発音が誤りと判定された単語)について効果的に学習することができる。
【0087】
CPU11は、学習方法リストからいずれかの学習方法が選択されると(ステップA12、Yes)、抽出単語リストから選択した単語を処理対象として(選択した単語に基づいて)、選択された学習機能を実行し(ステップA13)、学習機能の実行画面をタッチパネル式表示部17に表示させる(ステップA14)。一実施形態では、上記実行画面は学習機能が処理対象とするコンテンツの少なくとも一部を含む。具体的には、実行画面は、処理対象とするコンテンツの処理対象とする単語を含む部分(例えば、辞書コンテンツにおける単語の説明文や、後述する例文検索機能を実行した場合は、処理対象とする単語を含む文章など)を含んでもよい。
【0088】
図10は、本実施形態における学習方法リストから「単語学習」が選択された場合の学習機能の実行画面の一例を示す図である。
【0089】
図10は、学習方法「単語学習」に応じて実行される単語検索機能の実行画面を示している。通常の単語検索機能の実行時には、見出し語入力エリア40が空白の状態で起動されるが、学習方法リストから選択された場合の起動時には、抽出単語リストから選択した単語を見出し語として単語検索を実行した結果を示す画面を表示する。
【0090】
これにより、学習機能を起動して、さらに学習対象とする単語を指定(見出し語として入力)するといった操作をする必要がないので、効率的に学習を実施することができる。
【0091】
なお、図10に示す単語検索機能の実行画面では、辞書データ12dに含まれる複数の異なる辞書(「G英和」「W英和」「O英和」など)に対する検索結果を示している。すなわち、単語検索機能が処理対象とする複数のコンテンツを処理対象としている。ここで、複数のコンテンツ(辞書)を対象にして単語検索機能を実行するだけでなく、いずれかの辞書(コンテンツ)を選択して単語検索機能を実行させるようにしても良い。
【0092】
また、前述した説明では、学習方法リストから「単語学習」が選択された場合には、単語検索機能を実行するとしているが、学習方法「単語学習」に対して複数の異なる学習機能が対応づけられていても良い。
【0093】
例えば、学習方法「単語学習」に対して単語検索機能の他、単語帳登録機能を対応づける。これにより、1つの学習方法に対して、処理対象とするコンテンツが異なる複数の学習機能から、ユーザが必要とする学習内容に応じていずれかを選択することもできる。
【0094】
図11は、本実施形態における学習方法「単語学習」に応じて実行される単語帳登録機能の実行画面を示している。図11に示すように、単語帳登録機能の実行画面では、抽出単語リストから選択した単語「enjoy」が登録済みの実行画面が表示される。
【0095】
図12は、本実施形態における学習方法リストから「発音トレーニング」が選択された場合の学習機能の実行画面の一例を示す図である。
【0096】
図12に示す学習方法「発音トレーニング」に応じて実行されるスピーキング学習機能の実行画面は、単語別に発音の練習する機能の実行画面を示している。スピーキング学習機能では、図12に示す単語別に発音の練習する機能だけでなく、抽出単語リストから選択した単語「enjoy」を含む文章単位で発音の練習する機能を実行することもできる。
【0097】
図13は、本実施形態における学習方法リストから「例文学習」が選択された場合の例文検索機能の実行画面の一例を示す図である。図13に示すように、例文検索機能の実行画面では、抽出単語リストから選択した単語「enjoy」をもとに、辞書データ12dに含まれる辞書(例えば、「G辞書」)に対して例文検索することにより得られた例文が一覧表示する実行画面が表示される。
【0098】
なお、学習方法リストから学習方法を選択していずれかの学習機能を実行した後、例えばキー入力部16の[戻る]キー16dの操作がされた場合(ステップA15、No)、CPU11は、学習機能を実行する前の学習方法リストをタッチパネル式表示部17に表示させた状態に戻る(この場合、学習方法の検索については不要)。以下、CPU11は、前述と同様の処理を実行する(ステップA11~A14)。
【0099】
これにより、抽出単語リストから選択した1つの単語について、学習方法リストから、順次、異なる学習機能を選択して実行することで、効果的な学習を実施することができる。また、本実施形態の学習支援システムによれば、ユーザは、正しく発音できなかった単語、すなわち学習の必要性が高い単語について効率的に学習することができる。
【0100】
CPU11は、処理の終了が指示されると(ステップA15、Yes)、音声認識処理の結果を利用した学習処理を終了する。
【0101】
次に、電子辞書10とタブレットPC20とが連携しない場合について説明する。
【0102】
この場合、タブレットPC20は、ユーザ操作に応じて教科書処理プログラム22bの実行が指示されると、メモリ22から教科書データ22cを読み出し(ステップB10)、教科書データ22cをもとにタッチパネル式表示部27に教科書画面(テキスト、画像等)を表示させる(ステップB11)。タブレットPC20は、タッチパネル式表示部27に対する操作に応じて、教科書画面の表示内容を変更する。
【0103】
ユーザは、電子辞書10の音声認識機能を利用する場合、電子辞書10に対して、例えばキー入力部16に対する操作により音読開始を指示すると共に、タブレットPC20のタッチパネル式表示部27に表示された文章等の音読を開始する。
【0104】
CPU11は、音読開始の指示が入力されると(ステップA5)、音声入力部18から入力される音声を入力し(ステップA6)、この音声データに対して音声認識処理を実行する(ステップA7)。音声認識処理では、前述と同様にして、音読対象とする言語に応じた処理を実行する。
【0105】
ただし、タブレットPC20と連携していない場合、音読の対象とする文章データを受信していないため、CPU11は、音声認識結果とするテキストデータに対して、例えば、認識対象とする単語が登録されたデータベースを参照し、このデータベースに存在しない単語が含まれる場合に、この単語について発音が誤りと判定する。音声認識された単語が上記データベースに含まれない場合、その音声認識の結果得られた単語は、存在しない単語とも言うことができる。
【0106】
この場合、CPU11は、音声認識の結果得られた単語と、予め登録された音声認識の対象とする複数の単語とを比較し、音声認識の結果得られた単語との一致度(認識の確度、すなわち認識の確からしさ)が予め設定された基準値以下となる予め登録された単語を、発音を誤った単語として判定してもよい。さらに一実施形態では、CPU11は、上記一致度が最も大きい予め登録された単語を、発音を誤った単語として判定してもよい。
【0107】
一致度は、例えば、ユーザが音読した音声の入力データ(音声データ)を発音データ(発音記号)に変換し、音声データの発音データの配列と、予め登録された単語の発音データの配列を比較し、比較対象の単語を構成する文字の総数に対する正しく発音された文字の数の割合から算出される。予め登録された単語の発音データは、予め単語に対応付けてデータベースに登録される。上記一致度は、上述した発音の正誤判定に用いてもよい。
【0108】
さらに、CPU11は、音読された音声に対する音声認識処理によって抽出された全ての単語をタッチパネル式表示部17に表示させて、ユーザによって任意に選択させて抽出単語データ12eを生成することも可能である。すなわち、ユーザがタッチパネル式表示部17に表示された単語から誤読(誤認識)された単語を、発音が誤りとする単語として指定する。
【0109】
以下、CPU11は、発音が誤りと判定した単語を示す抽出単語データ12eをメモリ12に記録し、前述と同様の処理を実行する(ステップA9~A15)
このようにして、電子辞書10は、タブレットPC20と連携していない場合であっても、電子辞書10が有している音声認識機能を利用して、ユーザが音読した文章に対して音読判定を実行して、判定結果として発音が誤りと判定された単語に基づいて学習方法リストを表示させることができる。これにより、タブレットPC20と連携する場合と同様の効果を得ることができる。
【0110】
なお、前述した説明では、電子辞書10とタブレットPC20とを独立した電子機器として説明しているが、前述した電子辞書10とタブレットPC20(デジタル教科書)の機能を有していれば、1つの電子機器において、前述した電子辞書10とタブレットPC20の機能を実現することができる。
【0111】
また、前述した説明では、電子辞書10が音声認識結果とするテキストデータと、タブレットPC20から受信された文章データとを比較することにより、文章に含まれる単語について発音の正誤判定をしているが、タブレットPC20が発音の正誤判定を行ってもよい。この場合、タブレットPC20は、図示しない音声認識機能を有し、音声入力部28から入力される音声に対する正誤判定の結果、発音が誤りと判定された単語を示す単語データを電子辞書10に送信する。電子辞書10は、タブレットPC20から受信した単語データに基づいて、誤読した単語をリスト化する(抽出単語リストを作成する)。この場合、タブレットPC20は、音読対象とする文章データを電子辞書10に送信しなくてもよい。
【0112】
また、前述した説明において学習支援システムは、タブレットPC20が電子辞書10と接続されて連携した処理を実行するとしているが、電子辞書10とサーバとを協働させて前述と同様の処理を実行しても良いし、あるいは電子辞書10に代わってサーバのみと連携した処理を実行しても良い。
【0113】
図14は、本発明の他の実施形態に係る学習支援システムの模式図である。本実施形態の学習支援システム1は、サーバ40をさらに備えている。図14では、サーバ40の電子回路の構成を示す機能ブロック図を示している。特に説明しない本実施形態の構成および動作は、上述した実施形態と同じであるので、その重複する説明を省略する。
【0114】
サーバ40は、電子辞書10と同様に電子機器(外部電子機器)として設けられ、例えば電子辞書10と協働して、あるいは電子辞書10に代わって使用される。サーバ40に電子辞書10と同様に音声認識機能(音声認識プログラム)を設けることで、電子辞書10とサーバ40が協働することで実現される音声認識機能(単語の発音の誤り判定を含む)、あるいはサーバ40が有する音声認識機能のみを利用して、音読判定させることができる。
【0115】
サーバ40は、各種の記録媒体に記録されたプログラム、又は、伝送されたプログラムを読み込んで、その読み込んだプログラムによって動作が制御されるコンピュータの構成を有し、その電子回路には、CPU(central processing unit)41が備えられる。
【0116】
CPU41は、サーバ40の全体を制御する制御部として機能する。CPU41は、メモリ42内に予め記憶された制御プログラム、あるいはROMカードなどの記録媒体43から記録媒体読取部44を介してメモリ42に読み込まれた制御プログラム、あるいはインターネット等のネットワークNを通じて、外部装置(サーバ等)からダウンロードされてメモリ42に読み込まれた制御プログラムに応じて、回路各部の動作を制御する。
【0117】
CPU41には、メモリ42、記録媒体読取部44、通信部45などが接続される。メモリ42に記憶される制御プログラムとしては、辞書制御プログラム42a、音声認識プログラム42b、学習方法処理プログラム42cなどが含まれる。なお、図14に示すメモリ42に記憶されるプログラム及びデータは、図1に示す同じ名称のプログラム及びデータと実質同じものとして説明を省略する。
【0118】
また、サーバ40の各部は、図1に示す電子辞書10の同じ名称の各部と基本的に同様の機能を有するものとして説明を省略する。
【0119】
まず、電子辞書10とサーバ40とを協働させる場合について説明する。すなわち、電子辞書10のCPU11(制御部)とサーバ40のCPU41(制御部)とが、それぞれ各プログラムに基づいて協働することで、学習支援システムの制御部として機能させる。
【0120】
例えば、前述した説明では、電子辞書10の音声認識機能(音声認識プログラム12b)を用いて音声認識を実行しているが、サーバ40の音声認識機能(音声認識プログラム42b)を用いて音声認識を実行するようにしても良い。この場合、音声認識の対象とする学習者の音声を、前述と同様に、電子辞書10の音声入力部18から入力し、音声データとタブレットPC20から受信された音読の対象とするテキストデータとを電子辞書10からサーバ40に送信して音声認識処理(単語の発音の誤り判定を含む)を実行させることができる。あるいは、タブレットPC20において、音読対象とするテキスト範囲の指定と共に(図5、ステップB5,B6)、音声入力部28からテキストを音読した音声を入力するようにしても良い。この場合、音声入力部28から入力された音声の音声データは、音読の対象とするテキストデータと共に、電子辞書10を介してサーバ40に送信することで音声認識処理を実行させることができる。
【0121】
一般に、電子辞書10などの電子機器よりもサーバ40の処理能力の方が高いため、処理負荷の大きい音声認識処理をサーバ40に実行させることで、電子辞書10の負荷を大幅に軽減して、処理全体の処理効率を向上させることができる。
【0122】
また、音声認識処理だけに限らず、例えば電子辞書10の学習方法リストを提供する機能(学習方法処理プログラム12cの処理)を,サーバ40の学習方法処理プログラム42cによる機能を利用して実行させるようにしても良い。この場合、サーバ40の学習方法処理プログラム42cにより実行された処理結果を、電子辞書10を通じてタブレットPC20に送信して、処理結果とする学習方法リストを前述と同様にして表示させる。
【0123】
次に、電子辞書10に代わってサーバ40のみとタブレットPC20が連携する場合について説明する。この場合、タブレットPC20は、外部の電子機器50(例えばパーソナルコンピュータ)と連携して、電子機器50及びネットワークNを通じてサーバ40とリンクを設定する。電子機器50は、前述したサーバ40と協働する電子辞書10と同様にして機能し、サーバ40により実行される処理結果に応じた画面を表示させる。
【0124】
タブレットPC20は、音読対象とするテキスト範囲の指定と共に(図5、ステップB5,B6)、音声入力部28から音声認識の対象とする学習者の音声を入力し、範囲指定された文章の文章データと共に音声の音声データをサーバ40に送信する。これにより、サーバ40は、学習者が発話した音声に対して音声認識処理を実行することができる。
【0125】
なお、その他のサーバ40(CPU11)による処理は、図4に示すフローチャートと同様に実行されるものとして説明を省略する。
【0126】
また、前述した説明では、タブレットPC20において学習者の音声が入力されているが、電子機器50に音声入力部(マイク)が設けられていれば、前述した電子辞書10と同様にして、タブレットPC20において指定された文章の音声を電子機器50から入力されるようにしても良い。この場合、電子機器50は、タブレットPC20から受信される文章データと共に、入力された音声データをサーバ40に送信する。
【0127】
また、前述した説明では、タブレットPC20が外部の電子機器50を介してサーバ40とリンク設定するとしているが、電子機器50を介さずに、タブレットPC20がサーバ40とリンク設定しても良い。この場合、サーバ40は、前述した電子辞書10と同様に処理を実行し、処理結果とする画面をタブレットPC20の表示部(タッチパネル式表示部27)において表示させる。
【0128】
このようにして、本実施形態における学習支援システムでは、電子辞書10を利用して、また電子辞書10とサーバ40とを協働させて、あるいは電子辞書10に代えてサーバ40を利用して支援する処理を実行させることで、学習機能を効果的に使用して言語の学習をすることができる
なお、実施形態において記載した手法、すなわちフローチャートに示す処理等の各手法は、コンピュータに実行させることができるプログラムとして、メモリカード(ROMカード、RAMカード等)、磁気ディスク(フレキシブルディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD-ROM、DVD等)、半導体メモリ等の記録媒体に格納して配布することができる。そして、コンピュータは、外部記録媒体に記録されたプログラムを読み込み、このプログラムによって動作が制御されることにより、実施形態において説明した機能と同様の処理を実現することができる。
【0129】
また、各手法を実現するためのプログラムのデータは、プログラムコードの形態としてネットワーク(インターネット)上を伝送させることができ、このネットワークに接続されたコンピュータからプログラムデータを取り込み、前述した実施形態と同様の機能を実現することもできる。
【0130】
なお、本願発明は、実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。さらに、実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されたり、幾つかの構成要件が組み合わされても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除されたり組み合わされた構成が発明として抽出され得るものである。
【0131】
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
【0132】
[1]
ユーザが文章を音読したときの音声に含まれる単語のうち、発音が誤りと判定された単語を対象にして実行可能な学習方法をリスト化した学習方法リストを出力し、
前記学習方法リストから選択された学習方法による学習機能を実行する、制御部を有する電子機器。
【0133】
[2]
前記制御部は、
前記音声について音声認識処理を実行して、前記文章に含まれる単語について発音の正誤判定を実行し、
発音が誤りと判定した単語を抽出し、
前記抽出された単語を対象にして前記学習方法リストを出力する、[1]に記載の電子機器。
【0134】
[3]
前記制御部は、
音読の対象とする文章の文章データを他の機器から受信し、
前記文章データと前記文章を音読した音声について音声認識した結果とを比較することにより、単語について発音の正誤判定をし、
誤りと判定した単語を前記他の機器に送信する、[1]に記載の電子機器。
【0135】
[4]
前記制御部は、
前記音声に含まれる単語の発音の誤り判定を含む音声認識処理を外部電子機器によって実行させ、
前記外部電子機器による判定結果をもとに前記学習方法リストを出力する、[1]に記載の電子機器。
【0136】
[5]
前記制御部は、
前記学習方法リストから選択された学習方法による学習機能を、前記発音が誤りと判定された単語を処理対象にして実行する、[1]に記載の電子機器。
【0137】
[6]
前記制御部は、
前記学習方法リストから選択された学習方法に含まれる、複数のコンテンツのいずれかを対象として学習機能を実行する、[1]~[5]のいずれかに記載の電子機器。
【0138】
[7]
前記制御部は、
前記学習機能を実行したとき、前記コンテンツの前記発音が誤りと判定された単語を含む部分を表示装置に表示させる、[6]に記載の電子機器。
【0139】
[8]
前記制御部は、
文章を音読した音声について音声認識することで得られた単語が、予め登録された音声認識の対象とする単語に含まれない場合に、
前記音声認識することで得られた単語との一致度が予め設定された基準値以下となる、予め登録された単語について発音を誤った単語として判定する、[1]に記載の電子機器。
【0140】
[9]
前記音声認識処理は、
複数の異なる言語により発音された前記音声について、言語毎に音声認識する処理を含む、[2]または[4]のいずれかに記載の電子機器。
【0141】
[10]
制御部を有する電子機器において、
前記制御部は、
音読の対象とする文章を表示装置に表示させ、
前記文章の文章データを他の機器に送信し、
前記他の機器によって前記文章中の発音が誤りと判定された単語を示す単語データを受信し、
前記単語データに基づいて、前記発音が誤りと判定された単語について他と異なる表示形態により表示させる、電子機器。
【0142】
[11]
ユーザが文章を音読したときの音声に含まれる単語のうち、発音が誤りと判定された単語を対象にして実行可能な学習方法をリスト化した学習方法リストを出力し、
前記学習方法リストから選択された学習方法による学習機能を実行する、制御部を有する学習支援システム。
【0143】
[12]
第1制御部を有した第1電子機器と、
第2制御部を有した第2電子機器と、
を備え、
前記第1制御部は、
ユーザが文章を音読したときの音声に含まれる単語のうち、発音が誤りと判定された単語を対象にして実行可能な学習方法をリスト化した学習方法リストを出力し、
前記学習方法リストから選択された学習方法による学習機能を実行し、
前記第2制御部は、
音読の対象とする文章を表示装置に表示させ、
前記文章の文章データを前記第2電子機器に送信し、
前記第2電子機器によって前記文章中の発音が誤りと判定された単語を示す単語データを受信し、
前記単語データに基づいて、前記発音が誤りと判定された単語について他と異なる表示形態により表示させる、
学習支援システム。
【0144】
[13]
制御部を有する電子機器における学習処理方法であって、
前記制御部は、
ユーザが文章を音読したときの音声に含まれる単語のうち、発音が誤りと判定された単語を対象にして実行可能な学習方法をリスト化した学習方法リストを出力し、
前記学習方法リストから選択された学習方法による学習機能を実行する、学習処理方法。
【0145】
[14]
コンピュータを、
ユーザが文章を音読したときの音声に含まれる単語のうち、発音が誤りと判定された単語を対象にして実行可能な学習方法をリスト化した学習方法リストを出力し、
前記学習方法リストから選択された学習方法による学習機能を実行するように機能させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0146】
1…学習支援システム、10…電子辞書、11,21…CPU、12.22…メモリ、12a…辞書制御処理プログラム、12b…音声認識プログラム、12c…学習方法処理プログラム、12d…辞書データ、12e…抽出単語データ、12f…学習方法サーチデータ、12g…学習コンテンツデータ、13,23…外部記録媒体、14,24…記録媒体読取部、15,25…通信部、16…キー入力部、26…ボタン入力部、17,27…タッチパネル式表示部、18…音声入力部、19…音声出力部、20…タブレットPC、22a…基本プログラム、22b…教科書処理プログラム、22c…テキストデータ、22d…抽出単語データ、30,40…サーバ。
図1
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