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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-05
(45)【発行日】2024-08-14
(54)【発明の名称】光源装置およびプロジェクター
(51)【国際特許分類】
   G03B 21/14 20060101AFI20240806BHJP
   G03B 21/00 20060101ALI20240806BHJP
   H04N 9/31 20060101ALI20240806BHJP
【FI】
G03B21/14 A
G03B21/00 E
H04N9/31 500
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2022167782
(22)【出願日】2022-10-19
(65)【公開番号】P2024060421
(43)【公開日】2024-05-02
【審査請求日】2023-07-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100114937
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 裕幸
(74)【代理人】
【識別番号】100196058
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 彰雄
(72)【発明者】
【氏名】安松 航
【審査官】西田 光宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-128689(JP,A)
【文献】特開2003-241136(JP,A)
【文献】国際公開第2021/149573(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0138516(US,A1)
【文献】特開2019-138940(JP,A)
【文献】特開2013-231940(JP,A)
【文献】特開2012-212099(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21K 9/00-9/90
F21S 2/00-45/70
F21V 1/00-15/04
G02B 5/00-5/136
G02B 27/00-30/60
G03B 21/00-21/10
G03B 21/12-21/30
G03B 21/56-21/64
G03B 33/00-33/16
H01S 5/00-5/50
H04N 9/31
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1波長帯の第1光束を射出する第1光源部と、
前記第1波長帯とは異なる第2波長帯の第2光束を射出する第2光源部と、
前記第1波長帯および前記第2波長帯とは異なる第3波長帯の第3光束を射出する第3光源部と、
前記第1光束の光束幅を拡大するとともに、前記第1光束と前記第2光束とを合成して第1合成光束を生成する第1光合成素子と、
前記第1合成光束と前記第3光束とを合成して第2合成光束を生成する第2光合成素子と、
前記第3光源部から射出される前記第3光束の光束幅を縮小する光束幅縮小素子と、
を備え、
前記第2光合成素子で生成された前記第2合成光束において各光束が合成された際に互いに重なり合う側の幅を光束幅としたとき、
前記第1光源部から射出される前記第1光束の光束幅は、前記第2光源部から射出される前記第2光束の光束幅よりも小さく、
前記第1光源部から射出される前記第1光束の光束幅は、前記第3光源部から射出される前記第3光束の光束幅よりも小さく、
前記第2光源部から射出される前記第2光束の光束幅は、前記第3光源部から射出される前記第3光束の光束幅よりも小さく、
前記第1光合成素子は、前記第1光合成素子から射出される前記第1光束の光束幅を、前記第2光束の光束幅に近付けるように、前記第1光合成素子に入射する前記第1光束の光束幅よりも大きくし、
前記光束幅縮小素子は、前記光束幅縮小素子から射出される前記第3光束の光束幅を、前記第2光束の光束幅に近付けるように、前記光束幅縮小素子に入射する前記第3光束の光束幅よりも小さくする、
光源装置。
【請求項2】
前記光束幅縮小素子は、前記第3光源部と前記第2光合成素子との間の前記第3光束の光路上に設けられている、請求項に記載の光源装置。
【請求項3】
前記光束幅縮小素子は、アフォーカル光学素子を有する、請求項または請求項に記載の光源装置。
【請求項4】
前記第1光合成素子は、
前記第1光束の一部の光束を第1方向に向けて透過し、前記第1光束の他の一部の光束を前記第1方向とは交差する第2方向に向けて反射し、前記第2光束を前記第2方向に向けて透過する第1反射部と、
前記第1反射部を透過する前記第1光束の一部の光束を前記第2方向に向けて反射し、前記第2光束を前記第2方向に向けて透過する第2反射部と、
を備える、請求項1または請求項2に記載の光源装置。
【請求項5】
前記第1光合成素子は、前記第1反射部と前記第2反射部との間で前記第1光束を導光する導光部材をさらに備え、
前記第1反射部と前記第2反射部とは、前記導光部材に設けられている、請求項に記載の光源装置。
【請求項6】
前記第1光合成素子と前記第2光合成素子との間に設けられ、前記第1合成光束を拡散する第1拡散素子と、
前記第3光源部と前記第2光合成素子との間に設けられ、前記第3光束を拡散する第2拡散素子と、
前記第2光合成素子の光射出側に設けられ、前記第2合成光束を拡散する第3拡散素子と、をさらに備える、請求項1または請求項2に記載の光源装置。
【請求項7】
前記第1光源部は、前記第1光束を構成する第1光を射出する第1発光素子と、前記第1発光素子を支持する第1面を有する第1基板と、を備え、
前記第2光源部は、前記第2光束を構成する第2光を射出する第2発光素子と、前記第2発光素子を支持する第2面を有する第2基板と、を備え、
前記第3光源部は、前記第3光束を構成する第3光を射出する第3発光素子と、前記第3発光素子を支持する第3面を有する第3基板と、を備え、
前記第1面と前記第2面とは、互いに同一の仮想平面上に配置され、
前記第3面は、前記仮想平面に交差して配置されている、請求項に記載の光源装置。
【請求項8】
前記第1光源部から射出される前記第1光束を反射して前記第1反射部に導く第3反射部をさらに備え、
前記第3光源部から射出される前記第3光束の射出方向に沿って見たとき、前記第3反射部で反射した前記第1光束の光路は、前記第3面と重なる、請求項に記載の光源装置。
【請求項9】
前記第1光束は青色光束であり、前記第2光束は緑色光束であり、前記第3光束は赤色光束である、請求項1または請求項2に記載の光源装置。
【請求項10】
第1波長帯の第1光束を射出する第1光源部と、
前記第1波長帯とは異なる第2波長帯の第2光束を射出する第2光源部と、
前記第1波長帯および前記第2波長帯とは異なる第3波長帯の第3光束を射出する第3光源部と、
前記第1光束および前記第2光束の光束幅を拡大するとともに、前記第1光束と前記第2光束と前記第3光束とを合成した第1合成光束を射出する第1光合成素子と、
前記第1光束の一部と前記第2光束の一部と前記第3光束の一部とを合成した第2合成光束を前記第1光合成素子に入射させる第2光合成素子と、
を備え、
前記第2光合成素子で生成された前記第2合成光束において各光束が合成された際に互いに重なり合う側の幅を光束幅としたとき、
前記第1光源部から射出される前記第1光束の光束幅は、前記第2光源部から射出される前記第2光束の光束幅と同じであり、
前記第1光源部から射出される前記第1光束の光束幅および前記第2光源部から射出される前記第2光束の光束幅は、前記第3光源部から射出される前記第3光束の光束幅よりも小さく、
前記第2光合成素子は、前記第1光束の一部と前記第2光束の一部と透過して前記第1光合成素子に入射させるとともに、前記第3光束の一部を反射して前記第1光合成素子に入射させ、
前記第1光合成素子は、前記第1光合成素子から射出される前記第1光束の光束幅および前記第2光束の光束幅を、前記第1光合成素子から射出される前記第3光束の光束幅に近付けるように、前記第1光合成素子に入射する前記第1光束の光束幅および前記第2光束の光束幅よりも大きくするとともに、前記第1光束の他の一部と前記第2光束の他の一部と前記第3光束の他の一部と前記第2合成光束とを合成して前記第1合成光束を生成する、光源装置。
【請求項11】
第1波長帯の第1光束を射出する第1光源部と、
前記第1波長帯とは異なる第2波長帯の第2光束を射出する第2光源部と、
前記第1波長帯および前記第2波長帯とは異なる第3波長帯の第3光束を射出する第3光源部と、
前記第1光束の光束幅を拡大するとともに、前記第1光束と前記第2光束とを合成して第1合成光束を生成する第1光合成素子と、
前記第1合成光束と前記第3光束とを合成して第2合成光束を生成する第2光合成素子と、
を備え、
前記第2光合成素子で生成された前記第2合成光束において各光束が合成された際に互いに重なり合う側の幅を光束幅としたとき、
前記第1光源部から射出される前記第1光束の光束幅は、前記第2光源部から射出される前記第2光束の光束幅よりも小さく、
前記第1光源部から射出される前記第1光束の光束幅は、前記第3光源部から射出される前記第3光束の光束幅よりも小さく、
前記第1光合成素子は、前記第1光合成素子から射出される前記第1光束の光束幅を、前記第2光束の光束幅および前記第3光束の光束幅の少なくとも一方に近付けるように、前記第1光合成素子に入射する前記第1光束の光束幅よりも大きくし、
前記第2合成光束における前記第1光束の光束幅と前記第2光束の光束幅との差は、前記第1光源部から射出される前記第1光束の光束幅と前記第2光源部から射出される前記第2光束の光束幅との幅の差よりも小さく、
前記第2合成光束における前記第1光束の光束幅と前記第3光束の光束幅との差は、前記第1光源部から射出される前記第1光束の光束幅と前記第3光源部から射出される前記第3光束の光束幅との幅の差よりも小さい、光源装置。
【請求項12】
第1波長帯の第1光束を射出する第1光源部と、
前記第1波長帯とは異なる第2波長帯の第2光束を射出する第2光源部と、
前記第1波長帯および前記第2波長帯とは異なる第3波長帯の第3光束を射出する第3光源部と、
前記第1光束の光束幅および前記第2光束の光束幅を拡大するとともに、前記第1光束と前記第2光束とを合成して第1合成光束を生成する第1光合成素子と、
前記第1合成光束と前記第3光束とを合成して第2合成光束を生成する第2光合成素子と、
を備え、
前記第2光合成素子で生成された前記第2合成光束において各光束が合成された際に互いに重なり合う側の幅を光束幅としたとき、
前記第1光源部から射出される前記第1光束の光束幅は、前記第2光源部から射出される前記第2光束の光束幅と同じであり、
前記第1光源部から射出される前記第1光束の光束幅は、前記第3光源部から射出される前記第3光束の光束幅よりも小さく、
前記第1光合成素子は、前記第1光合成素子から射出される前記第1光束の光束幅および前記第2光束の光束幅を、前記第3光束の光束幅に近付けるように、前記第1光合成素子に入射する前記第1光束の光束幅および前記第2光束の光束幅よりも大きくする、光源装置。
【請求項13】
第1波長帯の第1光束を射出する第1光源部と、
前記第1波長帯とは異なる第2波長帯の第2光束を射出する第2光源部と、
前記第1波長帯および前記第2波長帯とは異なる第3波長帯の第3光束を射出する第3光源部と、
前記第1光束の光束幅と前記第2光束の光束幅と前記第3光束の光束幅とのうちの少なくとも1つの光束幅を拡大するとともに、前記第1光束と前記第2光束と前記第3光束とを合成する第1光合成光学系と、
を備え、
前記第1光合成光学系は、前記第1光束と前記第2光束とを合成して第1合成光束を生成する第1光合成素子を含み、
前記第1光合成光学系で生成された前記第1合成光束において各光束が合成された際に互いに重なり合う側の幅を光束幅としたとき、
前記第1光源部から射出される前記第1光束の光束幅は、前記第2光源部から射出される前記第2光束の光束幅よりも小さく、
前記第2光源部から射出される前記第2光束の光束幅は、前記第3光源部から射出される前記第3光束の光束幅よりも小さく、
前記第1光合成光学系は、前記第1光合成素子から射出される前記第1光束の光束幅または前記第3光源部から射出される前記第3光束の光束幅のうちの少なくとも一方を他方に近付けるように調整し、
前記第1光合成光学系は、前記第1光束の光束幅と前記第2光束の光束幅とを互いに遠ざけない、光源装置。
【請求項14】
請求項1または請求項2に記載の光源装置と、
前記光源装置から射出される前記第2合成光束を含む光を画像情報に応じて変調する光変調装置と、
前記光変調装置により変調される光を投写する投写光学装置と、
を備える、プロジェクター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源装置およびプロジェクターに関する。
【背景技術】
【0002】
例えばプロジェクターに用いる照明装置として、レーザー光源と蛍光体とを利用した照明装置が提案されている。下記の特許文献1に、青色レーザー光源と赤色レーザー光源と緑色蛍光体とを有する照明光学系と、照明光学系からの青色光、赤色光、および緑色光のそれぞれを変調する液晶パネルと、投写光学系と、を備えた投写装置が開示されている。この投写装置において、青色レーザー光源からの青色光は、ハーフミラーで分岐し、分岐した青色光の一方が青色光用液晶パネルに入射し、他方が励起光として緑色蛍光体に入射する。緑色蛍光体で発生した緑色の蛍光光は、緑色光用液晶パネルに入射する。赤色レーザー光源からの赤色光は、赤色光用液晶パネルに入射する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-65414号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の投写装置において、蛍光光からなる緑色光は、ランバートな配光分布を有している。そのため、緑色光の光束幅は、レーザー光からなる赤色光および青色光の光束幅よりも大きい。また、青色レーザー光源と赤色レーザー光源とでは出力パワーが異なるため、光量バランスを取るために、レーザー光源の個数を互いに異ならせる必要がある。その結果、赤色光の光束幅と青色光の光束幅とは互いに異なる。このように、互いに光束幅が異なる色光を集光して表示パネルに照射し、画像を投写すると、色むらが生じる、という課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するために、本発明の一つの態様の光源装置は、第1波長帯の第1光束を射出する第1光源部と、前記第1波長帯とは異なる第2波長帯の第2光束を射出する第2光源部と、前記第1波長帯および前記第2波長帯とは異なる第3波長帯の第3光束を射出する第3光源部と、前記第1光束の光束幅を拡大するとともに、前記第1光束と前記第2光束とを合成して第1合成光束を生成する第1光合成素子と、前記第1合成光束と前記第3光束とを合成して第2合成光束を生成する第2光合成素子と、を備える。前記第1光束の光束幅は、前記第2光束の光束幅と同じ、または前記第2光束の光束幅よりも小さく、前記第1光束の光束幅は、前記第3光束の光束幅よりも小さい。前記第1光合成素子は、前記第1光合成素子から射出される前記第1光束の光束幅を、前記第2光束の光束幅および前記第3光束の光束幅の少なくとも一方に近付けるように、前記第1光合成素子に入射する前記第1光束の光束幅よりも大きくする。
【0006】
本発明の他の態様の光源装置は、第1波長帯の第1光束を射出する第1光源部と、前記第1波長帯とは異なる第2波長帯の第2光束を射出する第2光源部と、前記第1波長帯および前記第2波長帯とは異なる第3波長帯の第3光束を射出する第3光源部と、前記第1光束および前記第2光束の光束幅を拡大するとともに、前記第1光束と前記第2光束と前記第3光束とを合成した第1合成光束を射出する第1光合成素子と、前記第1光束の一部と前記第2光束の一部と前記第3光束の一部とを合成した第2合成光束を前記第1光合成素子に入射させる第2光合成素子と、を備え、前記第1光源部から射出される前記第1光束の光束幅は、前記第2光源部から射出される前記第2光束の光束幅と同じであり、前記第1光源部から射出される前記第1光束の光束幅および前記第2光源部から射出される前記第2光束の光束幅は、前記第3光源部から射出される前記第3光束の光束幅よりも小さく、前記第2光合成素子は、前記第1光束の一部と前記第2光束の一部と透過して前記第1光合成素子に入射させるとともに、前記第3光束の一部を反射して前記第1光合成素子に入射させ、前記第1光合成素子は、前記第1光合成素子から射出される前記第1光束の光束幅および前記第2光束の光束幅を、前記第1光合成素子から射出される前記第3光束の光束幅に近付けるように、前記第1光合成素子に入射する前記第1光束の光束幅および前記第2光束の光束幅よりも大きくするとともに、前記第1光束の他の一部と前記第2光束の他の一部と前記第3光束の他の一部と前記第2合成光束とを合成して前記第1合成光束を生成する。
【0007】
本発明の一つの態様のプロジェクターは、本発明の一つの態様の光源装置と、前記光源装置から射出される前記第2合成光束を含む光を画像情報に応じて変調する光変調装置と、前記光変調装置により変調された光を投写する投写光学装置と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態のプロジェクターの概略構成図である。
図2】第1実施形態の光源装置の概略構成図である。
図3】青色光束の複数の位置における断面の照度分布を示す図である。
図4】緑色光束の複数の位置における断面の照度分布を示す図である。
図5】赤色光束の複数の位置における断面の照度分布を示す図である。
図6】第2実施形態の光源装置の概略構成図である。
図7】第3実施形態の光源装置の概略構成図である。
図8】第4実施形態の光源装置の概略構成図である。
図9】第5実施形態の光源装置の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について、図1図5を用いて説明する。
本実施形態のプロジェクターは、半導体レーザーを用いた光源装置を備える液晶プロジェクターの一例である。
なお、以下の各図面においては各構成要素を見やすくするため、構成要素によって寸法の縮尺を異ならせて示すことがある。
【0010】
本実施形態のプロジェクター10は、スクリーン(被投写面)SCR上にカラー画像を表示する投写型の画像表示装置である。プロジェクター10は、赤色光束LR、緑色光束LG、および青色光束LBの各色の光束に対応した3つの光変調装置を備える。
【0011】
図1は、本実施形態のプロジェクター10の概略構成図である。
図1に示すように、プロジェクター10は、光源装置100と、色分離導光光学系200と、赤色光用光変調装置400Rと、緑色光用光変調装置400Gと、青色光用光変調装置400Bと、クロスダイクロイックプリズム500と、投写光学装置600と、を備える。
【0012】
本実施形態において、光源装置100は、赤色光束LR、緑色光束LG、および青色光束LBを含む白色の第2合成光束LWを射出する。光源装置100の具体的な構成については、後述する。
【0013】
色分離導光光学系200は、ダイクロイックミラー210と、ダイクロイックミラー220と、反射ミラー230と、反射ミラー240と、反射ミラー250と、リレーレンズ260と、リレーレンズ270と、を備える。色分離導光光学系200は、光源装置100から射出される第2合成光束LWを赤色光束LRと緑色光束LGと青色光束LBとに分離し、赤色光束LRを赤色光用光変調装置400Rに導き、緑色光束LGを緑色光用光変調装置400Gに導き、青色光束LBを青色光用光変調装置400Bに導く。
【0014】
色分離導光光学系200と赤色光用光変調装置400Rとの間には、フィールドレンズ300Rが配置されている。色分離導光光学系200と緑色光用光変調装置400Gとの間には、フィールドレンズ300Gが配置されている。色分離導光光学系200と青色光用光変調装置400Bとの間には、フィールドレンズ300Bが配置されている。
【0015】
ダイクロイックミラー210は、赤色光成分を透過し、緑色光成分および青色光成分を反射する。ダイクロイックミラー220は、緑色光成分を反射して、青色光成分を透過する。反射ミラー230は、赤色光成分を反射する。反射ミラー240および反射ミラー250のそれぞれは、青色光成分を反射する。
【0016】
赤色光用光変調装置400R、緑色光用光変調装置400G、および青色光用光変調装置400Bのそれぞれは、各光変調装置に入射された各色の光束を画像情報に応じて変調して画像を形成する液晶パネルから構成されている。
【0017】
図示を省略したが、フィールドレンズ300Rと赤色光用光変調装置400Rとの間、フィールドレンズ300Gと緑色光用光変調装置400Gとの間、フィールドレンズ300Bと青色光用光変調装置400Bとの間には、入射側偏光板がそれぞれ配置されている。また、赤色光用光変調装置400Rとクロスダイクロイックプリズム500との間、緑色光用光変調装置400Gとクロスダイクロイックプリズム500との間、青色光用光変調装置400Bとクロスダイクロイックプリズム500との間には、射出側偏光板がそれぞれ配置されている。
【0018】
クロスダイクロイックプリズム500は、赤色光用光変調装置400R、緑色光用光変調装置400G、青色光用光変調装置400Bのそれぞれから射出された各画像光を合成してカラー画像を形成する。クロスダイクロイックプリズム500は、4つの直角プリズムを貼り合わせた平面視略正方形状をなし、直角プリズム同士を貼り合わせた略X字状の界面に誘電体多層膜が設けられた構成を有する。
【0019】
クロスダイクロイックプリズム500から射出されたカラー画像は、投写光学装置600によってスクリーンSCRなどの被投写面上に拡大投写される。投写光学装置600は、複数のレンズによって構成されている。
【0020】
図2は、光源装置100の概略構成図である。
以下の説明においては、座標軸としてXYZ直交座標系を用いる。光源装置100から第2合成光束LWが射出される方向をY軸の正方向とし、後述する第3光源部13から赤色光束LRが射出される方向をX軸の負方向とし、X軸およびY軸と垂直で紙面の手前から奥へ向かう方向をZ軸の正方向とする。
【0021】
本実施形態の光源装置100は、第1光源部11と、第2光源部12と、第3光源部13と、第1光合成素子15と、第2光合成素子16と、光束幅縮小素子17と、第1拡散板19と、第2拡散板20と、拡散装置21と、集光素子22と、ピックアップ素子23と、インテグレーター光学素子24と、偏光変換素子25と、重畳レンズ26と、第1ヒートシンク27と、第2ヒートシンク28と、を備える。
【0022】
第1光源部11は、第1発光素子31と、コリメーターレンズ32と、第1基板33と、を備える。第1発光素子31は、直線偏光の青色光LB1を射出する青色半導体レーザーから構成されている。第1発光素子31は、第1波長帯の青色光LB1を+Y方向に射出する。第1波長帯は、例えば455nm±10nmの青色波長帯である。
【0023】
コリメーターレンズ32は、第1発光素子31の光射出側に設けられている。コリメーターレンズ32は、第1発光素子31に対応して設けられた1つの凸レンズから構成されている。コリメーターレンズ32は、第1発光素子31から射出される青色光LB1を平行化する。
【0024】
第1基板33は、第1発光素子31を支持する第1面33aを有する。すなわち、第1発光素子31は、第1基板33に支持されている。第1面33aは、XZ平面と平行に延在する。図2には、1個の第1発光素子31が示されているが、実際には複数の第1発光素子31、例えば4個の第1発光素子31が紙面に垂直な方向(Z軸方向)に1列に並んで設けられている。なお、第1発光素子31の個数は特に限定されない。したがって、第1光源部11は、複数の青色光LB1を含む青色光束LBを射出する。以下、本明細書では、複数の発光素子から射出される複数の光の全体を一括して示す場合に「光束」と称する。
本実施形態の青色光束LBは、特許請求の範囲の第1光束に対応する。
【0025】
第2光源部12は、第2発光素子34と、コリメーターレンズ35と、第2基板36と、を備える。第2発光素子34は、直線偏光の緑色光LG1を射出する緑色半導体レーザーから構成されている。第2発光素子34は、第2波長帯の緑色光LG1を+Y方向に射出する。第2波長帯は、例えば532nm±10nmの緑色波長帯である。
【0026】
コリメーターレンズ35は、第2発光素子34の光射出側に設けられている。コリメーターレンズ35は、第2発光素子34に対応して設けられた1つの凸レンズから構成されている。コリメーターレンズ35は、第2発光素子34から射出される緑色光LG1を平行化する。
【0027】
第2基板36は、第2発光素子34を支持する第2面36aを有する。すなわち、第2発光素子34は、第2基板36に支持されている。第2面36aは、XZ平面と平行に延在する。図2には、2個の第2発光素子34が示されているが、実際には、例えば8個の第2発光素子34がZ軸方向に4個ずつ2列に並んで設けられている。なお、第2発光素子34の個数は特に限定されない。したがって、第2光源部12は、複数の緑色光LG1を含む緑色光束LGを射出する。第2光源部12から射出される緑色光束LGの中心軸を光軸AX2と定義する。
本実施形態の緑色光束LGは、特許請求の範囲の第2光束に対応する。
【0028】
第3光源部13は、第3発光素子37と、コリメーターレンズ38と、第3基板39と、を備える。第3発光素子37は、直線偏光の赤色光LR1を射出する赤色半導体レーザーから構成されている。第3発光素子37は、第3波長帯の赤色光LR1を-X方向に射出する。したがって、第3発光素子37は、第1発光素子31および第2発光素子34の光の射出方向に対して直交する方向に赤色光LR1を射出する。第3波長帯は、例えば640nm±10nmの赤色波長帯である。
【0029】
コリメーターレンズ38は、第3発光素子37の光射出側に設けられている。コリメーターレンズ38は、第3発光素子37に対応して設けられた1つの凸レンズから構成されている。コリメーターレンズ38は、第3発光素子37から射出される赤色光LR1を平行化する。
【0030】
第3基板39は、第3発光素子37を支持する第3面39aを有する。すなわち、第3発光素子37は、第3基板39に支持されている。第3面39aは、YZ平面と平行に延在する。図2には、7個の第3発光素子37が示されているが、実際には、例えば14個の第3発光素子37がZ軸方向に2個ずつ7列に並んで設けられている。なお、第3発光素子37の個数は特に限定されない。したがって、第3光源部13は、複数の赤色光LR1を含む赤色光束LRを射出する。第3光源部13から射出される赤色光束LRの中心軸を光軸AX3と定義する。
本実施形態の赤色光束LRは、特許請求の範囲の第3光束に対応する。
【0031】
本明細書において、光束幅は、各光束の中心軸方向から各光束を見たとき、最外周に位置する複数の色光に外接する矩形の一辺の長さと定義する。上記の矩形が正方形である場合、光束幅は、最外周に位置する複数の色光に外接する正方形の一辺の長さである。矩形が長方形である場合、光束幅は、最外周に位置する複数の色光に外接する長方形の長辺の長さまたは短辺の長さである。例えば第3光源部13の場合、赤色光束LRの中心軸方向(光軸AX3方向)から見て、2本ずつ7列に並んだ14本の赤色光LR1に外接する長方形の長辺の長さまたは短辺の長さである。本実施形態では、長辺の長さを採用するが、詳しくは後で説明する。
【0032】
一般に、青色光源、緑色光源および赤色光源の全てにレーザー光源が用いられた場合、レーザー光源以外の光源が用いられた場合に比べて、合成光束の色域が大きく広がる。3色の中では緑色の色域が特に大きく広がるため、ホワイトバランスを調整するためには、赤色光束の光量を他の光束の光量に対して増やす必要がある。一例として各色のレーザー光源の個数を試算する。一般にレーザー光源の発光効率、1個あたりの出力、光学系の効率等が色によって異なるため、これらを考慮して試算すると、必要なレーザー光源の個数は、青が2個、緑が10個、赤が21個となる。この場合、複数のレーザー光源の全体の出力は、青が8W、緑が10W、赤が32Wとなる。ここで、仮にレーザー光源1個あたりの出力が4Wで全ての色で同じであったとしても、必要なレーザー光源の個数は、青が2個、緑が3個、赤が8個となる。いずれにしても、必要なレーザー光源の個数は、青が最も少なく、赤が最も多くなる。
【0033】
本実施形態の場合、第1光源部11は、4個の第1発光素子31から射出される4本の青色光LB1からなる青色光束LBを射出する。第2光源部12は、8個の第2発光素子34から射出される8本の緑色光LG1からなる緑色光束LGを射出する。第3光源部13は、14個の第3発光素子37から射出される14本の赤色光LR1からなる赤色光束LRを射出する。そのため、第1光源部11から射出される青色光束LBの光束幅WBは、第2光源部12から射出される緑色光束LGの光束幅WGよりも小さい。第2光源部12から射出される緑色光束LGの光束幅WGは、第3光源部13から射出される赤色光束LRの光束幅WLよりも小さい。この構成によれば、光源装置100から射出される第2合成光束LWのホワイトバランスを適切に調整することができる。
【0034】
上述したように、各光束の断面は矩形状であるため、光束幅には長軸方向の光束幅と短軸方向の光束幅とが考えられる。しかし、上記のように光束幅同士を比較する場合、3つの光束が合成された際に互いに重なり合う側の光束幅に着目する。本実施形態では、第2合成光束LWのX軸方向の光束幅に対応する側の光束幅に着目する。したがって、比較対象の光束幅は、第1光源部11から射出される青色光束LBおよび第2光源部12から射出される緑色光束LGではX軸方向の光束幅であり、第3光源部13から射出される赤色光束LRではY軸方向の光束幅である。
【0035】
第1光合成素子15は、導光部材40と、第1反射部41と、第2反射部42と、第3反射部43と、を備える。本実施形態の場合、第1反射部41と第2反射部42と第3反射部43とは、導光部材40に設けられている。すなわち、第1光合成素子15は、第1反射部41、第2反射部42、第3反射部43、および導光部材40が一体となった1つの部材から構成されている。
【0036】
導光部材40は、光学ガラス、石英等の透光性材料からなる略四角柱状の形状を有する。導光部材40は、第1光源部11と第2光源部12とに対向する光入射面40aを有する。導光部材40は、第3反射部43と第1反射部41との間、および第1反射部41と第2反射部42との間で青色光束LBを導光する。
【0037】
第1反射部41は、導光部材40において、第2光源部12の第1光源部11に近い側の第2発光素子34に対向する位置に設けられている。第1反射部41は、光入射面40aに対して45度の角度をなす向きに設けられている。第1反射部41は、導光部材40の内部に設けられた誘電体多層膜から構成されている。第1反射部41は、青色光束LBの一部の光束を-X方向に向けて透過し、青色光束LBの他の一部の光束を-X方向と交差する+Y方向に向けて反射し、緑色光束LGを+Y方向に向けて透過する。本実施形態の場合、第1反射部41は、第1反射部41に入射する青色光束LBの50%を透過し、50%を反射する。このように、第1反射部41は、青色光束LBに対するハーフミラーとして機能する。
本実施形態の-X方向は、特許請求の範囲の第1方向に対応する。本実施形態の+Y方向は、特許請求の範囲の第2方向に対応する。
【0038】
第2反射部42は、導光部材40において、第2光源部12の第1光源部11から遠い側の第2発光素子34に対向する位置に設けられている。第2反射部42は、光入射面40aに対して45度の角度をなし、第1反射部41と平行な向きに設けられている。第2反射部42は、第1反射部41と同様、導光部材40の内部に設けられた誘電体多層膜から構成されている。第2反射部42は、第1反射部41を透過する青色光束LBを+Y方向に向けて反射し、緑色光束LGを+Y方向に向けて透過する。したがって、第2反射部42は、青色反射・緑色透過ダイクロイックミラーとして機能する。
【0039】
第3反射部43は、導光部材40において、第1光源部11の第1発光素子31に対向する位置に設けられている。第3反射部43は、光入射面40aに対して45度の角度をなし、第1反射部41および第2反射部42と平行な向きに設けられている。第3反射部43は、光入射面40aに対して45度の角度をなすように形成された導光部材40の端面から構成されている。第3反射部43は、導光部材40を構成する硝材と空気との界面における全反射によって第1光源部11から射出される青色光束LBを反射し、第1反射部41に導く。なお、第3反射部43は、導光部材40の端面に反射膜が設けられた構成を有していてもよい。
【0040】
以上の構成により、第1光合成素子15は、青色光束LBを2つの光束に分割することで青色光束LBの光束幅を拡大するとともに、青色光束LBと緑色光束LGとを合成して第1合成光束LCを生成する。第1合成光束LCは、第1光合成素子15から+Y方向に射出される。第1光合成素子15の詳細な作用については後述する。
【0041】
本実施形態の場合、第1光合成素子15がX軸方向に互いに間隔をおいて設けられた第1反射部41および第2反射部42を有するため、第1反射部41と第2反射部42との間隔を変更することによって青色光束LBの光束幅WBを調整することができる。また、第1反射部41と第2反射部42とが導光部材40によって一体化されているため、第1反射部41と第2反射部42との相対的な位置精度を容易に向上させやすい。さらに、この構成によれば、第1反射部41と第2反射部42とを支持するための支持部材が不要になるため、光源装置100の小型化に寄与できる。
【0042】
第2光合成素子16は、第1光合成素子15と拡散装置21との間の光軸AX2上に設けられている。第2光合成素子16は、光軸AX2と光軸AX3とが互いに交差する位置に、光軸AX2および光軸AX3のそれぞれと45度の角度をなす向きに配置されている。第2光合成素子16は、赤色光束LRを反射し、青色光束LBおよび緑色光束LGを透過するダイクロイックミラーから構成されている。以上の構成により、第2光合成素子16は、青色光束LBと緑色光束LGとを含む第1合成光束LCと、赤色光束LRと、を合成して第2合成光束LWを生成する。第2合成光束LWは、第2光合成素子16から+Y方向に射出される。
【0043】
光束幅縮小素子17は、第3光源部13と第2光合成素子16との間の光軸AX3上に設けられている。光束幅縮小素子17は、第3光源部13から射出される赤色光束LRの光束幅WRを縮小する。具体的には、光束幅縮小素子17は、光束幅縮小素子17から射出される赤色光束LRの光束幅WRを、緑色光束LGの光束幅WGに近付けるように、光束幅縮小素子17に入射する赤色光束LRの光束幅WRよりも小さくする。光束幅縮小素子17は、アフォーカル光学素子から構成されている。本実施形態のアフォーカル光学素子は、1つの凸レンズと1つの凹レンズとから構成されているが、レンズの数は特に限定されない。光束幅縮小素子17がアフォーカル光学素子から構成されているため、光束幅縮小素子17に入射する赤色光束LRは、平行光束のまま光束幅縮小素子17から射出される。また、光束幅縮小素子17がアフォーカル光学素子から構成されることにより、光束幅縮小素子17の構成を簡易にできる。
【0044】
また、光束幅縮小素子17が第2光合成素子16の前段に設けられているため、光束幅が縮小された後の赤色光束LRが第2光合成素子16に入射する。この構成によれば、第2光合成素子16を小型化することができ、光源装置100を小型化することができる。
【0045】
第1拡散板19は、第1光合成素子15と第2光合成素子16との間の光軸AX2上に設けられている。第1拡散板19は、第1光合成素子15から射出される第1合成光束LCを拡散する。
本実施形態の第1拡散板19は、特許請求の範囲の第1拡散素子に対応する。
【0046】
第2拡散板20は、第3光源部13と第2光合成素子16との間の光軸AX3上に設けられている。第2拡散板20は、第3光源部13から射出される赤色光束LRを拡散する。本実施形態の第2拡散板20は、特許請求の範囲の第2拡散素子に対応する。
【0047】
拡散装置21は、第2光合成素子16とインテグレーター光学素子24の間、すなわち第2光合成素子16の光射出側の光軸AX2上に設けられている。拡散装置21は、第3拡散板45と、回転軸46を中心として第3拡散板45を回転させるモーター47と、を備える。第3拡散板45は、第2光合成素子16から射出される第2合成光束LWを拡散する。
本実施形態の第3拡散板45は、特許請求の範囲の第3拡散素子に対応する。
【0048】
第1拡散板19、第2拡散板20、および第3拡散板45のそれぞれは、互いに同様の構成を有する。図示を省略するが、これらの拡散板の一方の面には、拡散板に入射する光束を拡散させるための凹凸構造が設けられている。凹凸構造は、不規則な形状および大きさを有する複数の凹部および凸部が形成された構成であってもよいし、複数のマイクロレンズが配列された構成であってもよい。なお、拡散板のその他の形態として、磨りガラス、ホログラフィックディフューザー、ブラスト処理が施された透明基板、散乱材が分散された透明基板などが用いられてもよい。これらの拡散板は、拡散板に入射する光束を透過しつつ拡散する透過型の拡散板から構成されている。なお、第1拡散板19および第2拡散板20も、第3拡散板45と同様、回転可能となっていてもよい。
【0049】
このように、本実施形態の光源装置100は、第1合成光束LCを拡散する第1拡散板19と、赤色光束LRを拡散する第2拡散板20と、第2合成光束LWを拡散する第3拡散板45と、を備える。この構成によれば、各色の光束の照度分布を均一化できるため、画像の色むらを低減できる。また、半導体レーザーから射出されるコヒーレンス光である各色の光束が拡散するため、プロジェクター10に適用した際の画像のスペックルノイズを抑制することができる。また、第2合成光束LWが第3拡散板45によって拡散されるため、インテグレーター光学素子24に入射する第2合成光束LWの照射領域が拡大し、光変調装置の画像形成領域における第2合成光束LWの重畳性を高めることができる。これにより、画像の色むらを効率良く抑制することができる。
【0050】
集光素子22は、第2光合成素子16と第3拡散板45との間の光軸AX2上に設けられている。本実施形態の場合、集光素子22は、1つの凸レンズで構成されているが、レンズの個数は特に限定されない。集光素子22は、第2光合成素子16から射出される第2合成光束LWを第3拡散板45に向けて集光する。
【0051】
ピックアップ素子23は、第3拡散板45とインテグレーター光学素子24との間の光軸AX2上に設けられている。本実施形態の場合、ピックアップ素子23は、2つの凸レンズで構成されているが、レンズの個数は特に限定されない。ピックアップ素子23は、第3拡散板45によって拡散される第2合成光束LWを平行化し、後段の光学系に向けて射出する。
【0052】
インテグレーター光学素子24は、第1マルチレンズアレイ49と、第2マルチレンズアレイ50と、を備える。第1マルチレンズアレイ49は、第2合成光束LWを複数の光束に分割するための複数の第1レンズを有する。
【0053】
第1マルチレンズアレイ49のレンズ面、すなわち第1レンズの表面と、各色光用の光変調装置400R,400G,400Bの各々の画像形成領域とは、互いに共役の関係である。そのため、光軸AX2の方向から見て、第1レンズの各々の形状は、光変調装置400R,400G,400Bの画像形成領域の形状と略相似形の矩形状である。これにより、第1マルチレンズアレイ49から射出された複数の光束の各々は、光変調装置400R,400G,400Bの画像形成領域にそれぞれ効率良く入射する。
【0054】
第2マルチレンズアレイ50は、第1マルチレンズアレイ49の複数の第1レンズに対応する複数の第2レンズを有する。第2マルチレンズアレイ50は、重畳レンズ26とともに、第1マルチレンズアレイ49の各第1レンズの像を各光変調装置400R,400G,400Bの各々の画像形成領域の近傍に結像させる。
【0055】
インテグレーター光学素子24を透過した第2合成光束LWは、偏光変換素子25に入射する。偏光変換素子25は、図示しない偏光分離膜と反射膜および位相差板とをアレイ状に配列した構成を有する。偏光変換素子25は、第2合成光束LWの偏光方向を所定の方向に揃える。具体的には、偏光変換素子25は、第2合成光束LWの偏光方向を光変調装置400R,400G,400Bの入射側偏光板の透過軸の方向に揃える。
【0056】
これにより、偏光変換素子25を透過した第2合成光束LWから分離される赤色光束LR、緑色光束LG、および青色光束LBの偏光方向は、各光変調装置400R,400G,400Bの入射側偏光板の透過軸方向に一致する。したがって、赤色光束LR、緑色光束LG、および青色光束LBは、入射側偏光板でそれぞれ吸収されることなく、光変調装置400R,400G,400Bの画像形成領域にそれぞれ入射する。
【0057】
偏光変換素子25を透過した第2合成光束LWは、重畳レンズ26に入射する。重畳レンズ26は、インテグレーター光学素子24と協働して、被照明領域である光変調装置400R,400G,400Bの各々の画像形成領域における照度分布を均一化する。
【0058】
本実施形態の場合、第1光源部11の第1基板33の第1面33aと、第2光源部12の第2基板36の第2面36aとは、XZ平面に平行であって、互いに同一の仮想平面K1上に配置されている。第1光源部11と第2光源部12とは、互いに共通の第1ヒートシンク27上に設けられている。第1ヒートシンク27は、第1光源部11および第2光源部12で発生する熱を外部に放出し、第1光源部11および第2光源部12を冷却する。また、第3光源部13の第3基板39の第3面39aは、YZ平面に平行であって、第1面33aおよび第2面36aが配置される仮想平面K1に交差して配置されている。第3光源部13は、第2ヒートシンク28上に設けられている。第2ヒートシンク28は、第3光源部13で発生する熱を外部に放出し、第3光源部13を冷却する。
【0059】
上述したように、本実施形態の光源装置100は、第1光源部11から射出される青色光束LBを反射して第1反射部41に導く第3反射部43を備える。
本実施形態において、例えば、第1光源部11と第2光源部12と第1光合成素子15と第1拡散板19とを+Y方向にシフトして配置してもよい。この場合、第3光源部13から射出される赤色光束LRの射出方向(X軸方向)に沿って見たとき、第3反射部43で反射された後の青色光束LBの光路が第3光源部13の第3基板39の第3面39aと重なる。この構成によれば、最も多くの発光素子が設けられた第3光源部13の第3基板39の延在方向(Y軸方向)における光源装置100の大型化を抑制することができる。
【0060】
以下、各光源部から射出される光の振る舞いについて説明する。
第1光源部11から+Y方向に射出される青色光束LBは、第1光合成素子15の第3反射部43で反射し、導光部材40の内部を-X方向に向かって進み、第1反射部41に入射する。第1反射部41に入射する青色光束LBのうち、50%の青色光束LBは、第1反射部41で反射し、+Y方向に向かって進み、第1光合成素子15から射出される。他の50%の青色光束LBは、第1反射部41を透過し、-X方向に向かって進み、第2反射部42に入射する。第2反射部42に入射する青色光束LBは、第2反射部42で反射し、+Y方向に向かって進み、第1光合成素子15から射出される。
【0061】
このように、第1光源部11から射出される青色光束LBは、第1光合成素子15によって2つの青色光束LBに分割され、2つの青色光束LBは、第1反射部41と第2反射部42との間の間隔をおいて、+Y方向に向かって互いに平行に射出される。これにより、第1光合成素子15から射出された後の青色光束LBの光束幅WBは、第1光合成素子15に入射する前の青色光束LBの光束幅WBよりも大きくなり、緑色光束LGの光束幅WGと略同じになる。
【0062】
また、第2光源部12の2列の第2発光素子34から+Y方向に射出される2列の緑色光束LGのうち、左側の列の緑色光束LGは第1反射部41を透過し、右側の列の緑色光束LGは第2反射部42を透過し、ともに第1光合成素子15から+Y方向に射出される。そのため、第2光源部12から射出される緑色光束LGの光束幅WGは、緑色光束LGが第1光合成素子15を透過する前後でほとんど変化しない。このように、青色光束LBと緑色光束LGとは、第1光合成素子15によって合成され、第1合成光束LCとして第1光合成素子15から射出される。
【0063】
これに対して、第3光源部13から-X方向に射出される赤色光束LRは、光束幅縮小素子17に入射する。光束幅縮小素子17は、光束幅縮小素子17から射出される赤色光束LRの光束幅WRを、緑色光束LGの光束幅WGに近付けるように、光束幅縮小素子17から射出される赤色光束LRの光束幅WRよりも小さくする。これにより、光束幅縮小素子17から射出される赤色光束LRの光束幅WRは、緑色光束LGの光束幅WGと略同じになる。
【0064】
第1光合成素子15から射出される第1合成光束LCは、第1拡散板19によって拡散された後、第2光合成素子16を透過し、+Y方向に向かって進む。一方、光束幅縮小素子17から射出される赤色光束LRは、第2拡散板20によって拡散された後、第2光合成素子16で反射し、+Y方向に向かって進む。このように、第1合成光束LCと赤色光束LRとは、第2光合成素子16によって合成され、白色の第2合成光束LWとなって+Y方向に進む。
【0065】
以下、各色の光束の光束幅の変化について説明する。
図3は、青色光束LBの複数の位置における断面の照度分布を示す図である。図4は、緑色光束LGの複数の位置における断面の照度分布を示す図である。図5は、赤色光束LRの複数の位置における断面の照度分布を示す図である。図3図5において、左端の図は、各光源部11,12,13から射出された直後の各光束の断面を示す。中央の図は、第1拡散板19または第2拡散板20に入射する直前の各光束の断面を示す。右端の図は、第3拡散板45から射出されてピックアップ素子23に入射する直前の各光束の断面を示す。図3および図4において、横軸はX軸方向の長さを示し、縦軸はZ軸方向の長さを示す。赤色光束LRについては、第2光合成素子16の入射前後で進行方向が90度曲がるため、図5において、左端および中央の図は、横軸がY軸方向の長さを示し、縦軸がZ軸方向の長さを示す。右端の図は、横軸がX軸方向の長さを示し、縦軸はZ軸方向の長さを示す。
【0066】
[青色光束の光束幅の変化]
図3の左端の図に示すように、第1光源部11から射出された直後の青色光束LBは、4本の青色光LB1が1列に並んだ構成を有する。青色光束LBの光束幅WB1は、3つの光束の中で最も小さい。その後、青色光束LBが第1光合成素子15によってX軸方向に2つの青色光束LBに分割されるため、図3の中央の図に示すように、青色光束LBは、4本の青色光LB1が2列に並んだ構成に変化する。これにより、青色光束LBの光束幅は、WB1からWB2に拡大し、緑色光束LGの光束幅WG2と略等しくなる。その後、青色光束LBは、第3拡散板45によって拡散されるため、図3の右端の図に示すように、各青色光LB1の照度分布が広がった状態となる。ただし、青色光束LBの光束幅WB3は、WB2からそれ程変化しない。
【0067】
[緑色光束の光束幅の変化]
図4の左端の図に示すように、第2光源部12から射出された直後の緑色光束LGは、8本の緑色光LG1が4本ずつ2列に並んだ構成を有する。緑色光束LGの光束幅WG1は、3つの光束の中で2番目に小さい。緑色光束LGは、第1光合成素子15を透過してそのまま直進するだけであり、青色光束LBのように分割されることはない。そのため、図4の中央の図に示すように、第1拡散板19に入射する直前の緑色光束LGの光束幅WG2は、第2光源部12から射出された直後の緑色光束LGの光束幅WG1からほとんど変化しない。その後、緑色光束LGは、第3拡散板45によって拡散され、図4の右端の図に示すように、各緑色光LG1の照度分布が広がった状態となる。緑色光束LGの光束幅WG3は、WG2からそれ程変化しない。
【0068】
[赤色光束の光束幅の変化]
図5の左端の図に示すように、第3光源部13から射出された直後の赤色光束LRは、14本の赤色光LR1が2本ずつ7列に並んだ構成を有する。赤色光束LRの光束幅WR1は、3つの光束の中で最も大きい。その後、図5の中央の図に示すように、赤色光束LRの光束幅は、光束幅縮小素子17によってWR1からWR2に縮小され、緑色光束LGの光束幅WG2と略等しくなる。その後、赤色光束LRは、第3拡散板45によって拡散され、図5の右端の図に示すように、各赤色光LR1の照度分布が広がって繋がった状態となる。赤色光束LRの光束幅WR3は、WR2からそれ程変化しない。
【0069】
以上のように、第2合成光束LWを構成する青色光束LB、緑色光束LGおよび赤色光束LRは、互いに略等しい光束幅を有する。図3図5において、横方向(X軸方向)は、光変調装置400R,400G,400Bの画像形成領域の横方向に対応する。縦方向(Z軸方向)は、光変調装置400R,400G,400Bの画像形成領域の縦方向に対応する。青色光束LB、緑色光束LGおよび赤色光束LRの光束幅は、横方向、縦方向のいずれを等しくしてもよいが、横方向を等しくすることが望ましい。その理由は、横方向は例えば偏光変換素子25のストライプ状の遮光板が並ぶ方向であるため、縦方向よりも表示特性への影響が大きいからである。本実施形態の場合、図3図5の右側の図に示すように、青色光束LB、緑色光束LGおよび赤色光束LRの光束幅を、横方向、縦方向の双方ともに等しくしており、最も望ましい。
【0070】
[第1実施形態の効果]
本実施形態の光源装置100は、青色光束LBを射出する第1光源部11と、緑色光束LGを射出する第2光源部12と、赤色光束LRを射出する第3光源部13と、青色光束LBの光束幅WBを拡大するとともに、青色光束LBと緑色光束LGとを合成して第1合成光束LCを生成する第1光合成素子15と、第1合成光束LCと赤色光束LRとを合成して第2合成光束LWを生成する第2光合成素子16と、第3光源部13から射出される赤色光束LRの光束幅WRを縮小する光束幅縮小素子17と、を備える。青色光束LBの光束幅WBは、緑色光束LGの光束幅WGよりも小さく、赤色光束LRの光束幅WRよりも小さい。第1光合成素子15は、第1光合成素子15から射出される青色光束LBの光束幅WBを、緑色光束LGの光束幅WGに近付けるように、第1光合成素子15に入射する青色光束LBの光束幅WBよりも大きくする。光束幅縮小素子17は、光束幅縮小素子17から射出される赤色光束LRの光束幅WRを、緑色光束LGの光束幅WGに近付けるように、光束幅縮小素子17に入射する赤色光束LRの光束幅WRよりも小さくする。
【0071】
この構成によれば、青色光束LBの光束幅WB、緑色光束LGの光束幅WG、および赤色光束LRの光束幅WRを、互いに略等しく揃えることができる。これにより、光源装置100をプロジェクター10に適用した場合に、画像の色むらを抑制することができる。また、第1光合成素子15が青色光束LBを分割する機能と、青色光束LBと緑色光束LGとを合成する機能と、を兼ね備えているため、部品点数の削減が図れ、光源装置100を小型化することができる。
【0072】
特に本実施形態の場合、最も小さい青色光束LBの光束幅WBを緑色光束LGの光束幅WGに合わせ、最も大きい赤色光束LRの光束幅WRを緑色光束LGの光束幅WGに合わせている。この構成によれば、光源装置100を効率良く小型化することができる。その理由は、仮に緑色光束LGおよび赤色光束LRの光束幅を最も小さい青色光束LBの光束幅に合わせるとすると、光束幅縮小素子17を構成するアフォーカル光学素子の光路長を長くする必要があり、光源装置100の小型化が難しくなるからである。また、仮に青色光束LBおよび緑色光束LGの光束幅を最も大きい赤色光束LRの光束幅に合わせるとすると、最終的に射出される第2合成光束LWの光束幅が大きくなるため、光源装置100が全体的に大型化するからである。
【0073】
本実施形態のプロジェクター10は、本実施形態の光源装置100と、光源装置100から射出される第2合成光束LWを含む光を画像情報に応じて変調する光変調装置400R,400G,400Bと、光変調装置400R,400G,400Bにより変調される光を投写する投写光学装置600と、を備える。
【0074】
この構成によれば、画像の色むらが少なく、表示品質に優れるプロジェクター10を提供することができる。
【0075】
[第2実施形態]
以下、本発明の第2実施形態について、図6を用いて説明する。
第2実施形態のプロジェクターの基本構成は第1実施形態と同様であり、光源装置の構成が第1実施形態と異なる。そのため、プロジェクターの基本構成の説明は省略する。
【0076】
図6は、第2実施形態の光源装置120の概略構成図である。
図6において、第1実施形態で用いた図2と共通の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0077】
図6に示すように、本実施形態の光源装置120は、第1光源部11と、第2光源部12と、第3光源部13と、第1光合成素子15と、第2光合成素子52と、光束幅縮小素子17と、第1拡散板19と、第2拡散板20と、拡散装置21と、集光素子22と、ピックアップ素子23と、インテグレーター光学素子24と、偏光変換素子25と、重畳レンズ26と、第1ヒートシンク27と、第2ヒートシンク28と、を備える。
【0078】
本実施形態においては、各光学素子の配置が第1実施形態とは異なる。第2光源部12、第1光合成素子15、第1拡散板19、および第2光合成素子52は、光軸AX2上に設けられている。第3光源部13、光束幅縮小素子17、第2拡散板20、第2光合成素子52、集光素子22、拡散装置21、ピックアップ素子23、インテグレーター光学素子24、偏光変換素子25、および重畳レンズ26は、光軸AX3上に設けられている。
【0079】
本実施形態の第2光合成素子52は、第1実施形態の第2光合成素子16とは逆の光学特性を有する。すなわち、第2光合成素子52は、青色光束LBおよび緑色光束LGを反射し、赤色光束LRを透過するダイクロイックミラーから構成されている。第2光合成素子52は、青色光束LBと緑色光束LGとを含む第1合成光束LCと赤色光束LRとを合成して第2合成光束LWを生成する。光源装置120のその他の構成は、第1実施形態と同様である。
【0080】
[第2実施形態の効果]
本実施形態においても、画像の色むらを抑制可能な小型の光源装置120を実現することができる、といった第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0081】
[第3実施形態]
以下、本発明の第3実施形態について、図7を用いて説明する。
第3実施形態のプロジェクターの基本構成は第1実施形態と同様であり、光源装置の構成が第1実施形態と異なる。そのため、プロジェクターの基本構成の説明は省略する。
【0082】
図7は、第3実施形態の光源装置130の概略構成図である。
図7において、第1実施形態で用いた図2と共通の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0083】
図7に示すように、本実施形態の光源装置130は、第1光源部11と、第2光源部62と、第3光源部13と、第1光合成素子63と、第2光合成素子16と、光束幅縮小素子17と、第1拡散板19と、第2拡散板20と、拡散装置21と、集光素子22と、ピックアップ素子23と、インテグレーター光学素子24と、偏光変換素子25と、重畳レンズ26と、第1ヒートシンク27と、第2ヒートシンク28と、を備える。
【0084】
本実施形態の場合、第1光合成素子63は、導光部材40と、第1反射部65と、第2反射部42と、第3反射部43と、第4反射部66と、第5反射部67と、を備える。また、第2光源部62の複数の第2発光素子34は、X軸方向に互いに間隔をおいて4列に並べられている。
【0085】
第1光合成素子63において、第1反射部65は、第1光源部11の側から数えて1列目の第2発光素子34に対向する位置に設けられている。第1反射部65は、青色光束LBの一部を-X方向に向けて透過し、青色光束LBの他の一部を-X方向と交差する+Y方向に向けて反射し、緑色光束LGを+Y方向に向けて透過する。本実施形態の場合、第1反射部65は、第1反射部65に入射する青色光束LBの25%を反射し、75%を透過する。
【0086】
第4反射部66は、第1光源部11の側から数えて2列目の第2発光素子34に対向する位置に設けられている。第4反射部66は、第1反射部65を透過する青色光束LBの一部を-X方向に向けて透過し、青色光束LBの他の一部を-X方向と交差する+Y方向に向けて反射し、緑色光束LGを+Y方向に向けて透過する。本実施形態の場合、第4反射部66は、第4反射部66に入射する青色光束LBの34%を反射し、66%を透過する。
【0087】
第5反射部67は、第1光源部11の側から数えて3列目の第2発光素子34に対向する位置に設けられている。第5反射部67は、第4反射部66を透過する青色光束LBの一部を-X方向に向けて透過し、青色光束LBの他の一部を-X方向と交差する+Y方向に向けて反射し、緑色光束LGを+Y方向に向けて透過する。本実施形態の場合、第5反射部67は、第5反射部67に入射する青色光束LBの50%を反射し、50%を透過する。
【0088】
第2反射部42は、第1光源部11の側から数えて4列目の第2発光素子34に対向する位置に設けられている。第2反射部42は、第5反射部67を透過する青色光束LBを+Y方向に向けて反射し、緑色光束LGを+Y方向に向けて透過する。
【0089】
このように、第1反射部65、第4反射部66、および第5反射部67のそれぞれは、当該反射部に入射する青色光束LBの一部を反射し、他の一部を透過する点では共通するが、反射率が上記のように互いに異なる。そのため、第1反射部65からは、第1反射部65に入射する青色光束LBの25%が反射され、+Y方向に射出される。第4反射部66からは、第1反射部65に入射する青色光束LBの25%(=75%×34%)が反射され、+Y方向に射出される。第5反射部67からは、第1反射部65に入射する青色光束LBの25%(=75%×66%×50%)が反射され、+Y方向に射出される。第2反射部42からは、第1反射部65に入射する青色光束LBの25%(=75%×66%×50%)が反射され、+Y方向に射出される。このように、第1光源部11から射出される青色光束LBは、第1光合成素子63によって4つの光束に均等に分割される。また、4つの光束に分割された青色光束LBの光束幅WBは、緑色光束LGの光束幅WGと略等しくなる。光源装置130のその他の構成は、第1実施形態と同様である。
【0090】
[第3実施形態の効果]
本実施形態においても、画像の色むらを抑制可能な小型の光源装置130を実現することができる、といった第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0091】
[第4実施形態]
以下、本発明の第4実施形態について、図8を用いて説明する。
第4実施形態のプロジェクターの基本構成は第1実施形態と同様であり、光源装置の構成が第1実施形態と異なる。そのため、プロジェクターの基本構成の説明は省略する。
【0092】
図8は、第4実施形態の光源装置140の概略構成図である。
図8において、第1実施形態で用いた図2と共通の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0093】
図8に示すように、本実施形態の光源装置140は、第1光源部71と、第2光源部72と、第3光源部73と、第1光合成素子75と、第2光合成素子16と、第1拡散板19と、第2拡散板20と、拡散装置21と、集光素子22と、ピックアップ素子23と、インテグレーター光学素子24と、偏光変換素子25と、重畳レンズ26と、第1ヒートシンク77と、第2ヒートシンク78と、を備える。
【0094】
本実施形態においては、各光学素子の配置が第1実施形態とは異なる。第1光源部71、第1光合成素子75、第1拡散板19、第2光合成素子16、集光素子22、拡散装置21、ピックアップ素子23、インテグレーター光学素子24、偏光変換素子25、および重畳レンズ26は、光軸AX4上に設けられている。なお、第2光合成素子16から射出される第2合成光束LWの中心軸を光軸AX4と定義する。第3光源部73、第2拡散板20、および第2光合成素子16は、光軸AX2上に設けられている。
【0095】
第1光源部71は、X軸方向に互いに間隔をおいて2列に並べられた複数の第1発光素子31を備える。第2光源部72は、Y軸方向に互いに間隔をおいて2列に並べられた複数の第2発光素子34を備える。第3光源部73は、Y軸方向に互いに間隔をおいて4列に並べられた複数の第3発光素子37を備える。したがって、本実施形態の場合、第1光源部71から射出される青色光束LBの光束幅WBは、第2光源部72から射出される緑色光束LGの光束幅WGと略同じである。第1光源部71から射出される青色光束LBの光束幅WBは、第3光源部73から射出される赤色光束LRの光束幅WRよりも小さい。
【0096】
第1実施形態の場合、第1光源部11の第1基板33の第1面33aと、第2光源部12の第2基板36の第2面36aとは、互いに同一の仮想平面K1上に配置され、第3光源部13の第3基板39の第3面39aは、仮想平面K1に交差して配置されていた。これに対して、本実施形態の場合、第2光源部72の第2基板36の第2面36aと第3光源部73の第3基板39の第3面39aとは、YZ平面に平行であって、互いに同一の仮想平面K2上に配置されている。第1光源部71の第1基板33の第1面33aは、仮想平面K2に交差して配置されている。すなわち、本実施形態の場合、第1実施形態とは異なり、第2光源部72は、第1光源部71と同じ側ではなく、第3光源部73と同じ側に配置されている。そのため、第1光源部71は、第1ヒートシンク77上に設けられている。第2光源部72と第3光源部73とは、互いに共通の第2ヒートシンク78上に設けられている。
【0097】
第1光合成素子75は、導光部材80と、第1反射部81と、第6反射部82と、を備える。本実施形態においては、第1実施形態と異なり、第1光合成素子75は、青色光束LBの光路を90度曲げるための第3反射部を備えていない。導光部材80の端面は、第2光源部72の2列の第2発光素子34に対向して配置されている。そのため、第2光源部72から射出される緑色光束LGは、-X方向に進み、導光部材80の端面から第1光合成素子75に入射する。
【0098】
第1反射部81は、光入射面80aに対して45度の角度をなす向きに設けられている。第1反射部81は、第1反射部81に入射する青色光束LBの一部を-X方向に向けて反射し、青色光束LBの他の一部を+Y方向に向けて透過し、-X方向に進む緑色光束LGの一部を-X方向に向けて反射し、緑色光束LGの他の一部を+Y方向に向けて透過する。本実施形態の場合、第1反射部81は、第1反射部81に入射する青色光束LBの50%を反射し、青色光束LBの50%を透過し、第1反射部81に入射する緑色光束LGの50%を反射し、緑色光束LGの50%を透過する。第1反射部81は、青色光束LBおよび緑色光束LGの双方に対するハーフミラーとして機能する。
【0099】
第6反射部82は、第1反射部81と平行であって、光入射面80aに対して45度の角度をなす向きに設けられている。第6反射部82は、第6反射部82に入射する光束を波長帯にかかわらず反射する。
【0100】
以上の構成により、第1光源部71から射出される青色光束LBは、第1光合成素子75によって2つの光束に分割され、2つの光束は、第1反射部81と第6反射部82との間の間隔をおいて、+Y方向に向かって互いに平行に射出される。これにより、第1光合成素子75から射出される青色光束LBの光束幅WBは、第1光合成素子75に入射する青色光束LBの光束幅WBよりも大きくなる。同様に、第2光源部72から射出される緑色光束LGは、第1光合成素子75によって2つの光束に分割され、2つの光束は、第1反射部81と第6反射部82との間の間隔をおいて、+Y方向に向かって互いに平行に射出される。これにより、第1光合成素子75から射出される緑色光束LGの光束幅WGは、第1光合成素子75に入射する緑色光束LGの光束幅WGよりも大きくなる。これにより、青色光束LBの光束幅WBと緑色光束LGの光束幅WGとは略同じになる。
【0101】
第2光合成素子16は、第1実施形態と同様、赤色光束LRを反射し、青色光束LBおよび緑色光束LGを透過するダイクロイックミラーから構成されている。そのため、第2光合成素子16は、青色光束LBと緑色光束LGとを含む第1合成光束LCと、赤色光束LRと、を合成して第2合成光束LWを生成する。第1光合成素子75の第1反射部81と第6反射部82との間の間隔は、赤色光束LRの光束幅WRと略同じに設定されている。そのため、青色光束LBの光束幅WBおよび緑色光束LGの光束幅WGのそれぞれが第1光合成素子75によって拡大されることにより、赤色光束LRの光束幅WRと略同じに揃えられる。光源装置140のその他の構成は、第1実施形態と同様である。
【0102】
[第4実施形態の効果]
本実施形態においても、画像の色むらを抑制可能な小型の光源装置140を実現することができる、といった第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0103】
[第5実施形態]
以下、本発明の第5実施形態について、図9を用いて説明する。
第5実施形態のプロジェクターの基本構成は第1実施形態と同様であり、光源装置の構成が第1実施形態と異なる。そのため、プロジェクターの基本構成の説明は省略する。
【0104】
図9は、第5実施形態の光源装置150の概略構成図である。
図9において、第1実施形態で用いた図2と共通の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0105】
図9に示すように、本実施形態の光源装置150は、第1光源ユニット91と、第2光源ユニット92と、第1光合成素子93と、第2光合成素子94と、拡散装置21と、集光素子22と、ピックアップ素子23と、インテグレーター光学素子24と、偏光変換素子25と、重畳レンズ26と、第1ヒートシンク95と、第2ヒートシンク96と、を備える。
【0106】
第1~第4実施形態においては、同色の発光素子が1つの基板上に設けられ、特定の色の光束を射出する1つの光源部を構成していた。これに対して、本実施形態においては、互いに異なる色光を射出する発光素子が1つの基板上に混在して設けられ、1つの光源ユニットを構成している。第1光源ユニット91と第2光源ユニット92とは、互いに同じ構成を有する。
【0107】
第1光源ユニット91および第2光源ユニット92のそれぞれは、青色光束LBを射出する1列の第1発光素子31と、緑色光束LGを射出する1列の第2発光素子34と、赤色光束LRを射出する2列の第3発光素子37と、これらの発光素子を支持する基板85と、を備える。したがって、本実施形態では、第1~第4実施形態における第1~第3光源部が2つの光源ユニット91,92に分割されて設けられている。第1光源ユニット91から、青色光束LB、緑色光束LGおよび赤色光束LRを含む第1光線束L1が+Y方向に射出される。第2光源ユニット92から、青色光束LB、緑色光束LGおよび赤色光束LRを含む第2光線束L2が+X方向に射出される。第1光線束L1の中心軸を光軸AX5と定義し、第2光線束L2の中心軸を光軸AX6と定義する。
【0108】
第1光合成素子93は、第1光源ユニット91の各発光素子31,34,37と、第2光源ユニット92の第1発光素子31および第2発光素子34と、に対向する位置に設けられている。第1光合成素子93は、導光部材99と、第1反射部97と、第2反射部98と、を備える。第1光合成素子93は、青色光束LBの光束幅および緑色光束LGの光束幅を拡大するとともに、青色光束LBと緑色光束LGと赤色光束LRとを合成した第1合成光束LC1を射出する。
【0109】
第1反射部97は、第1光源ユニット91の第1発光素子31および第2発光素子34と、第2光源ユニット92の第1発光素子31および第2発光素子34と、に対向する位置に設けられている。第1反射部97は、光入射面99aに対して45度の角度をなす向きに設けられている。第1反射部97は、導光部材99の内部に設けられた誘電体多層膜から構成されている。第1反射部97は、青色光束LBの一部を透過し、青色光束LBの他の一部を反射し、緑色光束LGの一部を透過し、緑色光束LGの他の一部を反射し、赤色光束LRを透過する。第1反射部97は、第1反射部97に入射する青色光束LBおよび緑色光束LGの50%を透過し、50%を反射する。このように、第1反射部97は、青色光束LBおよび緑色光束LGに対するハーフミラーとして機能するとともに、赤色光束LRを透過する。
【0110】
第2反射部98は、第1光源ユニット91の2列の第3発光素子37と、第2光源ユニット92の第1発光素子31および第2発光素子34と、に対向する位置に設けられている。第2反射部98は、第1反射部97と平行であって、光入射面99aに対して45度の角度をなす向きに設けられている。第2反射部98は、青色光束LBおよび緑色光束LGを反射し、赤色光束LRを透過するダイクロイックミラーから構成されている。
【0111】
第2光合成素子94は、第1光源ユニット91の第1発光素子31および第2発光素子34と、第2光源ユニット92の2列の第3発光素子37と、に対向する位置に設けられている。第2光合成素子94は、第1反射部97と平行に設けられている。第2光合成素子94は、第2光源ユニット92の第3発光素子37から射出した赤色光束LRを反射し、第2光源ユニット92の第1発光素子31から射出した青色光束LBおよび第2光源ユニット92の第2発光素子34から射出した緑色光束LGを透過するダイクロイックミラーから構成されている。
【0112】
第1光源ユニット91の第1発光素子31から射出される青色光束LBは、第2光合成素子94を透過し、第1光合成素子93の第1反射部97に入射する。第1光源ユニット91の第2発光素子34から射出される緑色光束LGは、第2光合成素子94を透過し、第1光合成素子93の第1反射部97に入射する。第2光源ユニット92の第3発光素子37から射出された赤色光束LRは、第2光合成素子94で+Y方向に反射され、第1光合成素子93の第1反射部97に入射する。
【0113】
本実施形態の第2光合成素子94は、第1光源ユニット91および第2光源ユニット92が射出する青色光LBの一部と緑色光束LGの一部と赤色光束LRの一部とを合成した第2合成光束LW1を第1光合成素子93に入射させる。なお、青色光束LBの一部とは第1光源ユニット91における第1発光素子31から射出された青色光束LBに相当し、緑色光束LGの一部とは第1光源ユニット91における第2発光素子34から射出された緑色光束LGに相当し、赤色光束LRの一部とは第2光源ユニット92における第3発光素子37から射出された赤色光束LRに相当する。
【0114】
第2光源ユニット92における第1発光素子31から射出された青色光束LBと第2発光素子34から射出された緑色光束LGとは、第1光合成素子93の第1反射部97に入射する。第1反射部97に入射した青色光束LBおよび緑色光束LGの50%は、第1反射部97で+Y方向に反射される。青色光束LBおよび緑色光束LGにおける他の50%は、第1反射部97を透過して+X方向に進み、第2反射部98で反射され、+Y方向に向かって進む。
【0115】
第1反射部97に入射した第2合成光束LW1のうち青色光束LBおよび緑色光束LGの50%は、第1反射部97を透過して+Y方向に進む。青色光束LBおよび緑色光束LGにおける他の50%は、第1反射部97で反射されて+X方向に進み、第2反射部98で反射され、+Y方向に向かって進む。
【0116】
このようにして、各青色光束LBおよび緑色光束LGが第1光合成素子93の第1反射部97によって2つの光束に分割されることにより、第1光合成素子93から射出された後の青色光束LBおよび緑色光束LGの光束幅は、第1光合成素子93に入射する前の青色光束LBおよび緑色光束LGの光束幅に比べて、第1反射部97と第2反射部98との間隔だけ大きくなる。
【0117】
第1光源ユニット91における第3発光素子37から射出された赤色光束LRは第2反射部98を透過して+Y方向に進む。また、第1反射部97に入射した第2合成光束LW1のうち赤色光束LRは、第1反射部97を透過して+Y方向に進む。
【0118】
このようにして第1光合成素子93は、青色光束LBおよび緑色光束LGの光束幅を拡大して赤色光束LRの光束幅に揃えるとともに、青色光束LBの他の一部と緑色光束LGの他の一部と赤色光束LRの他の一部と第2合成光束LW1とを合成して白色の第1合成光束LC1を生成し、+Y方向に向かって射出する。
なお、青色光束LBの他の一部とは第2光源ユニット92における第1発光素子31から射出された青色光束LBに相当し、緑色光束LGの他の一部とは第2光源ユニット92における第2発光素子34から射出された緑色光束LGに相当し、赤色光束LRの他の一部とは第1光源ユニット91における第3発光素子37から射出された赤色光束LRに相当する。
【0119】
[第5実施形態の効果]
本実施形態においても、画像の色むらを抑制可能な小型の光源装置150を実現することができる、といった第1実施形態と同様の効果が得られる。特に本実施形態の構成は、3色の発光素子を備えた光源ユニットを用いる場合に好適である。
【0120】
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。また、本発明の一つの態様は、上記の各実施形態の特徴部分を適宜組み合わせた構成とすることができる。
【0121】
例えば第1光合成素子は、必ずしも第1反射部と第2反射部と導光部材とが一体化されたプリズム型の構造を有していなくてもよい。例えば、第1反射部と第2反射部とのそれぞれがプレート型の素子で構成されて任意の支持部材に支持されており、第1光合成素子が導光部材を有していなくてもよい。
【0122】
その他、光源装置およびプロジェクターの各構成要素の形状、数、配置、材料等の具体的な記載については、上記実施形態に限らず、適宜変更が可能である。また、上記実施形態では、本発明による光源装置を、液晶パネルを用いたプロジェクターに搭載した例を示したが、これに限られない。本発明による光源装置を、光変調装置としてデジタルマイクロミラーデバイスを用いたプロジェクターに適用してもよい。また、プロジェクターは、複数の光変調装置を有していなくてもよく、1つの光変調装置のみを有する単板式のプロジェクターであってもよい。
【0123】
上記実施形態では、本発明の光源装置をプロジェクターに適用した例を示したが、これに限られない。本発明の光源装置は、照明器具や自動車のヘッドライト等にも適用することができる。
【0124】
[本開示のまとめ]
以下、本開示のまとめを付記する。
【0125】
(付記1)
第1波長帯の第1光束を射出する第1光源部と、
前記第1波長帯とは異なる第2波長帯の第2光束を射出する第2光源部と、
前記第1波長帯および前記第2波長帯とは異なる第3波長帯の第3光束を射出する第3光源部と、
前記第1光束の光束幅を拡大するとともに、前記第1光束と前記第2光束とを合成して第1合成光束を生成する第1光合成素子と、
前記第1合成光束と前記第3光束とを合成して第2合成光束を生成する第2光合成素子と、
を備え、
前記第1光源部から射出される前記第1光束の光束幅は、前記第2光源部から射出される前記第2光束の光束幅と同じ、または前記第2光源部から射出される前記第2光束の光束幅よりも小さく、
前記第1光源部から射出される前記第1光束の光束幅は、前記第3光源部から射出される前記第3光束の光束幅よりも小さく、
前記第1光合成素子は、前記第1光合成素子から射出される前記第1光束の光束幅を、前記第2光束の光束幅および前記第3光束の光束幅の少なくとも一方に近付けるように、前記第1光合成素子に入射する前記第1光束の光束幅よりも大きくする、光源装置。
【0126】
付記1の構成によれば、第1光束の光束幅が第2光束の光束幅および第3光束の光束幅の少なくとも一方に近付くため、画像の色むらを抑制可能な小型の光源装置を実現することができる。
【0127】
(付記2)
前記第1光源部から射出される前記第1光束の光束幅は、前記第2光源部から射出される前記第2光束の光束幅よりも小さく、
前記第2光源部から射出される前記第2光束の光束幅は、前記第3光源部から射出される前記第3光束の光束幅よりも小さい、付記1に記載の光源装置。
【0128】
付記2の構成によれば、各光源部がレーザー光源を有する場合に第2合成光束の色バランスを調整しやすい。
【0129】
(付記3)
前記第3光源部から射出される前記第3光束の光束幅を縮小する光束幅縮小素子をさらに備える、付記2に記載の光源装置。
【0130】
付記3の構成によれば、最も大きい第3光束の光束幅を縮小できるため、全ての光束の光束幅を揃えやすい。
【0131】
(付記4)
前記光束幅縮小素子は、前記第3光源部と前記第2光合成素子との間の前記第3光束の光路上に設けられている、付記3に記載の光源装置。
【0132】
付記4の構成によれば、第3光束の光束幅が第2光合成素子に入射する前に縮小されるため、第2光合成素子を小型化することができる。
【0133】
(付記5)
前記第1光合成素子は、前記第1光合成素子から射出される前記第1光束の光束幅を、前記第2光束の光束幅に近付けるように、前記第1光合成素子に入射する前記第1光束の光束幅よりも大きくし、
前記光束幅縮小素子は、前記光束幅縮小素子から射出される前記第3光束の光束幅を、前記第2光束の光束幅に近付けるように、前記光束幅縮小素子に入射する前記第3光束の光束幅よりも小さくする、付記3または付記4に記載の光源装置。
【0134】
付記5の構成によれば、最も小さい第1光束の光束幅と最も大きい第3光束の光束幅とのそれぞれを第2光束の光束幅に合わせるため、光源装置を効率良く小型化することができる。
【0135】
(付記6)
前記光束幅縮小素子は、アフォーカル光学素子を有する、付記3から付記5までのいずれか一項に記載の光源装置。
【0136】
付記6の構成によれば、光束幅縮小素子の構成を簡易にできる。
【0137】
(付記7)
前記第1光合成素子は、
前記第1光束の一部の光束を第1方向に向けて透過し、前記第1光束の他の一部の光束を前記第1方向とは交差する第2方向に向けて反射し、前記第2光束を前記第2方向に向けて透過する第1反射部と、
前記第1反射部を透過する前記第1光束の一部の光束を前記第2方向に向けて反射し、前記第2光束を前記第2方向に向けて透過する第2反射部と、
を備える、付記1から付記6までのいずれか一項に記載の光源装置。
【0138】
付記7の構成によれば、第1反射部と第2反射部との間隔を変更することによって、第1光束の光束幅を適切に調整することができる。
【0139】
(付記8)
前記第1光合成素子は、前記第1反射部と前記第2反射部との間で前記第1光束を導光する導光部材をさらに備え、
前記第1反射部と前記第2反射部とは、前記導光部材に設けられている、付記7に記載の光源装置。
【0140】
付記8の構成によれば、第1反射部と第2反射部とが導光部材に支持されるため、第1反射部と第2反射部との相対的な位置精度を容易に向上させやすい。さらに、第1反射部と第2反射部とを別途支持するための支持部材が不要になるため、光源装置の小型化に寄与できる。
【0141】
(付記9)
前記第1光合成素子と前記第2光合成素子との間に設けられ、前記第1合成光束を拡散する第1拡散素子と、
前記第3光源部と前記第2光合成素子との間に設けられ、前記第3光束を拡散する第2拡散素子と、
前記第2光合成素子の光射出側に設けられ、前記第2合成光束を拡散する第3拡散素子と、をさらに備える、付記1から付記8までのいずれか一項に記載の光源装置。
【0142】
付記9の構成によれば、この光源装置をプロジェクターに適用した場合の画像のスペックルノイズを抑制することができる。
【0143】
(付記10)
前記第1光源部は、前記第1光束を構成する第1光を射出する第1発光素子と、前記第1発光素子を支持する第1面を有する第1基板と、を備え、
前記第2光源部は、前記第2光束を構成する第2光を射出する第2発光素子と、前記第2発光素子を支持する第2面を有する第2基板と、を備え、
前記第3光源部は、前記第3光束を構成する第3光を射出する第3発光素子と、前記第3発光素子を支持する第3面を有する第3基板と、を備え、
前記第1面と前記第2面とは、互いに同一の仮想平面上に配置され、
前記第3面は、前記仮想平面に交差して配置されている、付記7または付記8に記載の光源装置。
【0144】
付記10の構成によれば、各光源部を効率良く配置することができ、光源装置の小型化を図ることができる。また、各光源部を冷却するヒートシンクを設ける場合、第1光源部と第2光源部とでヒートシンクの共通化を図ることができる。
【0145】
(付記11)
前記第1光源部から射出される前記第1光束を反射して前記第1反射部に導く第3反射部をさらに備え、
前記第3光源部から射出される前記第3光束の射出方向に沿って見たとき、前記第3反射部で反射した前記第1光束の光路は、前記第3面と重なる、付記10に記載の光源装置。
【0146】
付記11の構成によれば、特に第3面の延在方向における光源装置の小型化を図ることができる。
【0147】
(付記12)
前記第1光束は青色光束であり、前記第2光束は緑色光束であり、前記第3光束は赤色光束である、付記1から付記11までのいずれか一項に記載の光源装置。
【0148】
付記12の構成によれば、ホワイトバランスに優れる白色の第2合成光束を得ることができる。
【0149】
(付記13)
第1波長帯の第1光束を射出する第1光源部と、
前記第1波長帯とは異なる第2波長帯の第2光束を射出する第2光源部と、
前記第1波長帯および前記第2波長帯とは異なる第3波長帯の第3光束を射出する第3光源部と、
前記第1光束および前記第2光束の光束幅を拡大するとともに、前記第1光束と前記第2光束と前記第3光束とを合成した第1合成光束を射出する第1光合成素子と、
前記第1光束の一部と前記第2光束の一部と前記第3光束の一部とを合成した第2合成光束を前記第1光合成素子に入射させる第2光合成素子と、
を備え、
前記第1光源部から射出される前記第1光束の光束幅は、前記第2光源部から射出される前記第2光束の光束幅と同じであり、
前記第1光源部から射出される前記第1光束の光束幅および前記第2光源部から射出される前記第2光束の光束幅は、前記第3光源部から射出される前記第3光束の光束幅よりも小さく、
前記第2光合成素子は、前記第1光束の一部と前記第2光束の一部と透過して前記第1光合成素子に入射させるとともに、前記第3光束の一部を反射して前記第1光合成素子に入射させ、
前記第1光合成素子は、前記第1光合成素子から射出される前記第1光束の光束幅および前記第2光束の光束幅を、前記第1光合成素子から射出される前記第3光束の光束幅に近付けるように、前記第1光合成素子に入射する前記第1光束の光束幅および前記第2光束の光束幅よりも大きくするとともに、前記第1光束の他の一部と前記第2光束の他の一部と前記第3光束の他の一部と前記第2合成光束とを合成して前記第1合成光束を生成する、光源装置。
【0150】
付記13の構成によれば、第1光束および第2光束の光束幅が第3光束の光束幅に近付くため、画像の色むらを抑制可能な小型の光源装置を実現することができる。
【0151】
(付記14)
付記1から付記13までのいずれか一項に記載の光源装置と、
前記光源装置から射出される前記第2合成光束を含む光を画像情報に応じて変調する光変調装置と、
前記光変調装置により変調された光を投写する投写光学装置と、
を備える、プロジェクター。
【0152】
付記15の構成によれば、色むらが少ない画像を投写可能なプロジェクターを実現することができる。
【符号の説明】
【0153】
10…プロジェクター、11,71…第1光源部、12,62,72…第2光源部、13,73…第3光源部、15,63,75,93…第1光合成素子、16,52,94…第2光合成素子、17…光束幅縮小素子、19…第1拡散板(第1拡散素子)、20…第2拡散板(第2拡散素子)、31…第1発光素子、33…第1基板、33a…第1面、34…第2発光素子、36…第2基板、36a…第2面、37…第3発光素子、39…第3基板、39a…第3面、40,80,99…導光部材、41,65,81,97…第1反射部、42,98…第2反射部、43…第3反射部、45…第3拡散板(第3拡散素子)、100,120,130,140,150…光源装置、400B,400G,400R…光変調装置、600…投写光学装置、LB…青色光束(第1光束)、LG…緑色光束(第2光束)、LR…赤色光束(第3光束)、LC,LC1…第1合成光束、LW,LW1…第2合成光束、WB,WG,WR…光束幅、K1,K2…仮想平面。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9