(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-05
(45)【発行日】2024-08-14
(54)【発明の名称】端末装置及び第1ネットワーク装置
(51)【国際特許分類】
H04W 36/14 20090101AFI20240806BHJP
H04W 12/45 20210101ALI20240806BHJP
H04W 36/18 20090101ALI20240806BHJP
H04W 76/27 20180101ALI20240806BHJP
【FI】
H04W36/14
H04W12/45
H04W36/18
H04W76/27
(21)【出願番号】P 2022552398
(86)(22)【出願日】2020-03-02
(86)【国際出願番号】 CN2020077468
(87)【国際公開番号】W WO2021174388
(87)【国際公開日】2021-09-10
【審査請求日】2022-10-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】ワン ガン
【審査官】松▲崎▼ 祐季
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-504125(JP,A)
【文献】国際公開第2014/000650(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0282019(US,A1)
【文献】特開平10-23517(JP,A)
【文献】Huawei, HiSilicon,Solution for KI#3: RAN Based UE Initiated Release Request[online],3GPP TSG SA WG2 #136AH S2-2000480,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_sa/WG2_Arch/TSGS2_136AH_Incheon/Docs/S2-2000480.zip>,2020年01月07日
【文献】3rd Generation Partnership Project; Technical Specification Group Radio Access Network; Radio Resource Control (RRC); Protocol specification (Release 12),3GPP TS 25.331 V12.5.0,Internet<https://portal.3gpp.org/desktopmodules/Specifications/SpecificationDetails.aspx?specificationId=1180>,2015年,1,79,166-169,342-344,888-890,1876-1879頁
【文献】Huawei, HiSilicon, CTC,Discussion on dual registration and issues in LTE[online],3GPP TSG RAN WG2 #103 R2-1812618,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_103/Docs/R2-1812618.zip>,2018年08月10日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4、6
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置であって、
第1ネットワークから第2ネットワークへの切替を決定する手段と、
前記
端末装置が好むギャップを示す第1の要求であって、記端末装置が前記第1ネットワークで接続状態を維持しながら前記第2ネットワークに切替をするための第1ギャップパターンを示す第1情報を
含む前記第1の要求を、第1のUEAssistanceInformationを介して前記第1ネットワークに送信する手段と、
前記端末装置がもはや前記ギャップを好まない旨の決定に基づいて、ギャップパターンを示す情報を含めずに第2のUEAssistanceInformationを前記第1ネットワークに送信する手段と、
を有し、
前記第1ネットワークと前記第2ネットワークはそれぞれの汎用加入者識別モジュール(USIM)に関連付けられて
いる、
端末装置。
【請求項2】
前記
第1の要求を送信する手段は、
タイマが動作中であるか否かを決定する手段と、
前記タイマが動作していないと決定したことに従って、前記第1
の要求を送信する手段と、
を含む、
請求項1に記載の端末装置。
【請求項3】
前記第1
の要求を送信することに応じて、前記タイマを起動する手段をさらに有する、
請求項2に記載の端末装置。
【請求項4】
RRCメッセージにおいて、前記第1ネットワークから前記タイマの値を受信する手段をさらに有する、
請求項
2または3に記載の端末装置。
【請求項5】
前記第1のUEAssistanceInformationはさらに、マルチUSIMのためにリリースされるべき、1以上のサービングセ
ルまたはセカンダリノードに属するセ
ルを示す、
請求項1から
4のいずれか1項に記載の端末装置。
【請求項6】
前記第1ネットワークによって前記第1情報に基づき決定された、マルチUSIMのための第2ギャップパターンを示す第2情報を、前記第1ネットワークから受信する手段を更に有する、
請求項1から5のいずれか1項に記載の端末装置。
【請求項7】
前記第1ギャップパターンは、
前記第1ギャップパターンが非周期的である場合におけるギャップの開始システムフレーム番号(SFN)と長さ、又は、
前記第1ギャップパターンが周期的である場合におけるギャップの周期性と、時間領域オフセットと、長さ、
を示す、
請求項1から
6のいずれか1項に記載の端末装置。
【請求項8】
前記第2ギャップパターンは、
前記第2ギャップパターンが非周期的である場合におけるギャップの開始システムフレーム番号(SFN)と長さ、又は、
前記第2ギャップパターンが周期的である場合におけるギャップの周期性と、時間領域オフセットと、長さ、
を示す、
請求項
6に記載の端末装置。
【請求項9】
第1ネットワークの第1ネットワーク装置であって、
端末装置が好むギャップを示す第1の要求であって、記端末装置が前記第1ネットワークで接続状態を維持しながら第2ネットワークに切替をするための第1ギャップパターンを示す第1情報を
含む前記第1の要求を、第1のUEAssistanceInformationを介して前記端末装置から受信する手段と、
前記端末装置がもはや前記ギャップを好まない旨の決定に基づいて、ギャップパターンを示す情報を含まない第2のUEAssistanceInformationを前記端末装置から受信する手段と、
を有し、
前記第1ネットワークと前記第2ネットワークは、それぞれの汎用加入者識別モジュール(USIM)に関連付けられて
いる、
第1ネットワーク装置。
【請求項10】
RRCメッセージにおいて、前記端末装置にタイマの値を送信する手段をさらに有する、
請求項
9に記載の第1ネットワーク装置。
【請求項11】
前記タイマに対応する時間内に、前記第1
の要求に対する応答を送信する手段をさらに有する、
請求項
10に記載の第1ネットワーク装置。
【請求項12】
前記第1のUEAssistanceInformationは、さらに、マルチUSIMのためにリリースされるべき、1以上のサービングセ
ルまたはセカンダリノードに属するセ
ルを示す、
請求項
9から11のいずれか1項に記載の第1ネットワーク装置。
【請求項13】
前記第1情報に基づいて、マルチUSIMのための第2ギャップパターンを示す第2情報を決定する手段と、
前記第2情報を前記端末装置へ送信する手段を更に有する、
請求項9から12のいずれか1項に記載の第1ネットワーク装置。
【請求項14】
前記第1ギャップパターンは、
前記第1ギャップパターンが非周期的である場合におけるギャップの開始システムフレーム番号(SFN)と長さ、又は、
前記第1ギャップパターンが周期的である場合におけるギャップの周期性と、時間領域オフセットと、長さ、
を示す、
請求項
9から13のいずれか1項に記載の第1ネットワーク装置。
【請求項15】
前記第2ギャップパターンは、
前記第2ギャップパターンが非周期的である場合におけるギャップの開始システムフレーム番号(SFN)と長さ、又は、
前記第2ギャップパターンが周期的である場合におけるギャップの周期性と、時間領域オフセットと、長さ、
を示す、
請求項
13に記載の第1ネットワーク装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は一般に、電気通信の分野に関し、特に、通信ネットワーク間の切替中の通信の方法、装置及びコンピュータ記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、マルチ汎用加入者識別モジュール(USIM:universal subscriber identity module)の端末装置は市場で大きなシェアを占めている。2つのUSIMカードは、ロングタームエボリューション(LTE:Long Term Evolution)、New Radio(NR)等の同一又は異なる通信規格に準拠してもよい。また、端末装置の無線周波数(RF)能力は、1つの送信ポート(Tx)/1つの受信ポート(Rx)、1Tx/2Rx、2Tx/2Rx等であってもよい。しかしながら、マルチUSIM端末装置の性能を向上させるための仕様強化は行われていない。
【0003】
単一のTxを有するマルチUSIM端末装置が、1つより多いネットワーク、例えばUSIM Aのネットワーク(以下、第1ネットワークとも称する)とUSIM Bのネットワーク(以下、第2ネットワークとも称する)に登録されており、端末装置が第1ネットワークでは接続を確立したが、第2ネットワークではアイドル状態又は非アクティブ状態を維持していると仮定する。現在、端末装置が第2ネットワークでデータ送信を行う必要がある場合、端末装置は第1ネットワークに通知することなく、第1ネットワークとの接続を解除するだけである。この場合、第1ネットワークは端末装置を接続失敗とみなすため、誤ったネットワーク性能が記録されることになる。したがって、マルチUSIM端末装置の性能を保証することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
概して、本開示の実施形態は、通信のための方法、装置、及びコンピュータ記憶媒体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の態様において、通信の方法が提供される。当該方法は、端末装置において、第1通信ネットワークの第1ネットワーク装置から第2通信ネットワークの第2ネットワーク装置への切替が実行されるか否かを決定することであって、前記第1通信ネットワークと第2通信ネットワークがそれぞれ前記端末装置の第1アイデンティティ(identity)と第2アイデンティティに関連付けられていることと、切替が実行されると決定したことに応じて、前記第1ネットワーク装置から前記第2ネットワーク装置への切替についての要求を、前記第1ネットワーク装置に送信することと、を含む。
【0006】
第2の態様において、通信の方法が提供される。当該方法は、第1通信ネットワークの第1ネットワーク装置において、前記第1ネットワーク装置から第2通信ネットワークの第2ネットワーク装置への切替についての要求を、端末装置から受信することを含む。前記第1通信ネットワークと第2通信ネットワークは、それぞれ前記端末装置の第1アイデンティティと第2アイデンティティに関連付けられている。
【0007】
第3の態様では、端末装置が提供される。端末装置は、プロセッサと、プロセッサに結合されたメモリとを含む。メモリには命令が格納されており、前記命令は、プロセッサにより実行される場合、端末装置に、本開示の第1の態様にかかる方法を実行させる。
【0008】
第4の態様では、ネットワーク装置が提供される。ネットワーク装置は、プロセッサと、プロセッサに結合されたメモリとを含む。メモリには命令が格納されており、前記命令は、プロセッサにより実行される場合、ネットワーク装置に、本開示の第2の態様にかかる方法を実行させる。
【0009】
第5の態様において、命令が格納されているコンピュータ可読媒体が提供される。前記命令は、少なくとも1つのプロセッサ上で実行される場合、前記少なくとも1つのプロセッサに、本開示の第1の態様にかかる方法を実行させる。
【0010】
第6の態様において、命令が格納されているコンピュータ可読媒体が提供される。前記命令は、少なくとも1つのプロセッサ上で実行される場合、前記少なくとも1つのプロセッサに、本開示の第2の態様にかかる方法を実行させる。
【0011】
本開示のその他の特徴は、以下の説明により容易に理解できるはずである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図面において本開示のいくつかの実施形態をさらに詳細に説明することで、本開示の上述及びその他の目的、特徴及び有益な効果がさらに明らかになるはずである。
【0013】
【
図1】本開示のいくつかの実施形態を実施可能な例示的な通信シナリオを示す。
【0014】
【
図2】本開示のいくつかの実施形態にかかる第1ネットワークから第2ネットワークへの切替中の通信プロセスを説明する模式図を示す。
【0015】
【
図3】本開示のいくつかの実施形態にかかる、端末装置で実施される例示的な通信方法を示す。
【0016】
【
図4】本開示のいくつかの実施形態にかかる、端末装置で実施される別の例示的な通信方法を示す。
【0017】
【
図5】本開示のいくつかの実施形態にかかる、端末装置で実施される別の例示的な通信方法を示す。
【0018】
【
図6】本開示のいくつかの実施形態にかかる、端末装置で実施される別の例示的な通信方法を示す。
【0019】
【
図7】本開示のいくつかの実施形態にかかる、端末装置で実施される別の例示的な通信方法を示す。
【0020】
【
図8】本開示のいくつかの実施形態にかかる、ネットワーク装置で実施される例示的な通信方法を示す。
【0021】
【
図9】本開示のいくつかの実施形態にかかる、ネットワーク装置で実施される別の例示的な通信方法を示す。
【0022】
【
図10】本開示のいくつかの実施形態にかかる、ネットワーク装置で実施される別の例示的な通信方法を示す。
【0023】
【
図11】本開示の実施形態を実施するのに適した装置の概略ブロック図である。
【0024】
全ての図において、同一又は類似の図面符号は、同一又は類似の要素を示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、いくつかの例示的な実施形態を参照して、本開示の原理を説明する。理解すべき点として、これらの実施形態は、単に説明を目的とし、当業者が本開示を理解し実施する際の助けとなるものであり、本開示の範囲に対する何らかの限定を示唆するものではない。本明細書で説明する開示内容は、以下に説明する方法以外に、さまざまな方法で実施可能である。
【0026】
以下の説明及び請求項において、別に定義がある場合を除き、文中で使用される全ての技術用語・科学用語は、本開示が属する分野の当業者が通常理解するものと同じ意味を有する。
【0027】
文中で使用される用語「端末装置」は、無線又は有線での通信能力を有する全ての装置を指す。端末装置の例には、ユーザ装置(UE)、パーソナルコンピュータ、デスクトップコンピュータ、移動電話、携帯電話、スマートフォン、携帯情報端末(PDA)、携帯コンピュータ、タブレット、ウェアラブル装置、モノのインターネット(IoT)装置、すべてのインターネット(IoE)装置、マシンタイプコミュニケーション(MTC)装置、V2X通信用の車載装置(Xは歩行者、車両又はインフラ/ネットワークを表す)、デジタルカメラのような画像取込装置、ゲーム機器、音楽保存再生装置、又は無線若しくは有線によるインターネットへのアクセス・閲覧を可能にするインターネットツール等が含まれるが、これらに限定されない。「端末装置」という用語は、UE、移動局、加入者局、移動端末、ユーザ端末又は無線装置と互換的に使用することができる。また、用語「ネットワーク装置」は、端末装置が通信可能なセル又はカバレッジを、提供又は管理可能な装置を指す。ネットワーク装置の例には、ノードB(NodeB又はNB)、進化型NodeB(eNodeB又はeNB)、次世代NodeB(gNB)、送信/受信ポイント(TRP)、リモートラジオユニット(RRU)、無線ヘッド(RH)、リモート無線ヘッド(RRH)、例えばフェムトノード、ピコノード等の低電力ノードが含まれるが、これらに限定されない。
【0028】
1つの実施形態において端末装置は、第1ネットワーク装置及び第2ネットワーク装置と接続してもよい。第1ネットワーク装置及び第2ネットワーク装置のうち、一方はマスターノードであり、他方はセカンダリノードであり得る。第1ネットワーク装置と第2ネットワーク装置は、異なる無線アクセス技術(RAT)を使用することができる。1つの実施形態において第1ネットワーク装置は、第1RAT装置であり、第2ネットワーク装置は、第2RAT装置であり得る。1つの実施形態では、第1RAT装置はeNBであり、第2RAT装置はgNBである。異なるRATに関する情報は、第1ネットワーク装置及び第2ネットワーク装置の少なくとも1つから端末装置に送信されてもよい。1つの実施形態において、第1情報は、第1ネットワーク装置から端末装置に送信されてもよく、第2情報は、第2ネットワーク装置から、直接又は第1ネットワーク装置を介して端末装置に送信されてもよい。1つの実施形態では、第2ネットワーク装置によって設定された、端末装置についての設定に関する情報が、第2ネットワーク装置から第1ネットワーク装置を介して送信されてもよい。また、第2ネットワーク装置によって設定された、端末装置についての再設定に関する情報が、第2ネットワーク装置から、直接又は第1ネットワーク装置を介して端末装置に送信されてもよい。
【0029】
文中で使用される場合、文脈の中で他に明記していない限り、単数形式である「1つ」、「1つの」及び「当該」は、複数形式を含むことを意味する。用語「含む」及びその変形は、「…を含むが、これらに限定されない」という意味の、開放式の用語であると解釈される。用語「…に基づいて」は、「少なくとも部分的に基づく」と解釈される。用語「1つの実施形態」及び「実施形態」は、「少なくとも1つの実施形態」と解釈される。用語「別の実施形態」は、「少なくとも1つの別の実施形態」と解釈される。用語「第1」、「第2」等は、異なるか又は同一の対象を指してもよい。以下の説明では、その他の定義も、明確及び暗黙のものとして含まれ得る。
【0030】
いくつかの例示において、値、プロセス又は装置は、「最適」、「最低」、「最高」、「最小」、「最大」等と称される。理解すべき点として、こうした説明は、使用される複数の機能のオプションから、選択可能であると示すことを意図しており、こうした選択は、他の選択と比べて、より優れていたり、より小さかったり、より高かったり、又はより好ましかったりする必要はない。
【0031】
上述したように、現在、端末装置が第2ネットワークでデータ送信を行う必要がある場合、端末装置は第1ネットワークに通知することなく、第1ネットワークとの接続を解除するだけである。この場合、第1ネットワークは端末装置を接続失敗とみなすため、誤ったネットワーク性能が記録されることになる。
【0032】
本開示の実施形態は、上述及びその他の問題を解決するために、第1ネットワークから第2ネットワークへの切替を通知するための解決手段を提供する。この解決手段は、誤ったネットワーク性能の記録を回避することができるとともに、端末装置の性能向上に役立つものである。以下、図面を参照し、本開示の原理及び実施について詳細に説明する。
【0033】
図1は、本開示の実施形態を実施可能な例示的な通信シナリオ100の模式図を示す。
図1に示すように、通信シナリオ100は、ネットワーク装置110(以下、第1ネットワーク装置110とも称する)と、第1のUSIMカード121及び第2のUSIMカード122を搭載した端末装置120とを含んでもよい。第1ネットワーク装置110は、第1のUSIMカード121及び第2のUSIMカード122のうちの少なくとも1つにサービスを提供してもよい。第1のUSIMカード121と第2のUSIMカード122は、同一又は異なるRATに適合していてもよい。これらのRATは、現在存在する、又は今後開発されるものである。留意すべき点として、端末装置120が搭載するUSIMカードの数は2つに限定されず、2つより多いUSIMカードが適用されてもよい。以下では便宜上、2つのUSIMカードを例に説明を行う。
【0034】
図1に示すように、通信シナリオ100はさらに、少なくとも1つの隣接するネットワーク装置111(以下、第2ネットワーク装置111とも称する)に関わっていてもよい。ここでは簡潔にするために、
図1において第2ネットワーク装置111のみを示している。また、隣接するネットワーク装置111は、第1のUSIMカード121及び第2のUSIMカード122うちの少なくとも1つのUSIMカードにサービスを提供してもよい。便宜上、別に説明がない限り、第1ネットワーク装置110が第1のUSIMカード121にサービスを提供し、第2ネットワーク装置111が第2のUSIMカード122にサービスを提供すると仮定して以下の説明を行う。しかし、これは説明のための例示にすぎず、本開示を限定するものではないことに留意されたい。例えば、第1のUSIMカード121と第2のUSIMカード122は、第1ネットワーク装置110又は第2ネットワーク装置111等の同一のネットワーク装置からサービスを受けてもよい。
【0035】
また、第1ネットワーク装置110は、無線通信チャネル等のチャネルを介して、端末装置120と通信してもよい。同様に、第2ネットワーク装置111も、無線通信チャネル等のチャネルを介して端末装置120と通信してもよい。
【0036】
理解すべき点として、
図1における装置の数は説明を目的として示されたものであり、本開示に対する何らかの限定を示唆するものではない。通信シナリオ100は、本開示の実施に適した任意の適切な数のネットワーク装置及び/又は端末装置を含んでもよい。
【0037】
通信シナリオ100の通信は、任意の適切な規格に適合していてもよい。任意の適切な規格には移動通信用グローバルシステム(GSM)、ロングタームエボリューション(LTE)、LTE-アドバンスト(LTE-A)、広帯域符号分割多元接続(WCDMA)、符号分割多元接続(CDMA)、GSM EDGE無線アクセスネットワーク(GERAN)、マシンタイプコミュニケーション(MTC)等が含まれるが、これらに限定されない。また、現在既知の又は将来開発される任意の世代の通信プロトコルに基づき、通信を実行してもよい。通信プロトコルの例として、第1世代(1G)、第2世代(2G)、2.5G、2.75G、第3世代(3G)、第4世代(4G)、4.5G、第5世代(5G)、第6世代(6G)或いはそれを超える通信プロトコルが含まれるが、これらに限定されない。
【0038】
便宜上、第1ネットワーク装置110と端末装置120との間に形成される通信ネットワークを第1ネットワーク(以下、第1通信ネットワークとも称する)と称し、第2ネットワーク装置111と端末装置120との間に形成される通信ネットワークを第2ネットワーク(第2通信ネットワークとも称する)と称する。
【0039】
1つの端末装置は、複数の通信ネットワークシステムでの複数のネットワークに関わってもよいことに留意されたい。いくつかの実施形態において、複数のネットワークは、端末装置の複数のアイデンティティに関連付けられてもよい。留意すべき点として、複数のネットワークは端末装置の他の面と関連付けられてもよく、本願はこれをついて限定しない。以下では、説明のために、端末装置の第1加入者識別モジュール及び第2加入者識別モジュールに関連付けられている第1ネットワーク及び第2ネットワークを例に記述する。
【0040】
図1に示すように、端末装置120が第1ネットワークにおける第1ネットワーク装置110との接続を確立し、第2ネットワークにおいてアイドル状態又は非アクティブ状態を維持している場合、端末装置120が第2ネットワークの第2ネットワーク装置111とデータ送信を実行する必要があれば、端末装置120は第1ネットワークの第1ネットワーク装置110から第2ネットワークの第2ネットワーク装置111への切替を実行する必要がある。
【0041】
本願の実施形態によれば、第1ネットワーク装置110から第2ネットワーク装置111への切替が実行されると決定した場合、端末装置120は、当該切替についての要求を第1ネットワーク装置110に送信する。こうすることで、ネットワーク装置に当該切替を通知することができ、誤ったネットワーク性能の記録を回避することができる。以下、
図2を参照してより多くの詳細について説明する。
【0042】
図2は、本開示の実施形態にかかる第1ネットワークから第2ネットワークへの切替中の通信プロセス200を説明する模式図を示す。議論を目的として、
図1を参照してプロセス200を説明する。プロセス200は、
図1に示す端末装置120、第1ネットワーク装置110及び第2ネットワーク装置111に関わってもよい。本実施形態では、端末装置120は、第1ネットワーク装置110の第1ネットワークにおいて接続状態にあり、第2ネットワーク装置111の第2ネットワークにおいてアイドル状態又は非アクティブ状態にあると仮定する。
【0043】
図2に示すように、端末装置120は、第1ネットワーク装置110から第2ネットワーク装置111への切替が実行されるか否かを決定する(210)。いくつかの実施形態において、端末装置120は、端末装置120と第2ネットワーク装置111との間でデータが送信されるかどうかを決定してもよく、データが送信されると決定した場合、端末装置120は、第1ネットワークにおいて進行中の緊急サービスがあるか否かを決定してもよい。第1ネットワークにおいて進行中の緊急サービスがないと決定した場合、端末装置120は、切替が実行されると決定してもよい。
【0044】
例えば、端末装置120が、第2ネットワーク装置111に送信すべきモバイル発信(MO:Mobile Originate)データを有し、且つ、第1ネットワークにおいて緊急サービスが実施されていない場合、端末装置120は切替が実行されると決定してもよい。或いは、端末装置120が第2ネットワーク装置111からページングメッセージを受信し、且つ、第1ネットワークにおいて進行中の緊急サービスがない場合、端末装置120は、切替が実行されると決定してもよい。第1ネットワークにおいて進行中の緊急サービスがあると決定した場合、端末装置120は、緊急サービスの中断を回避するために、ページング情報を無視する。こうすることで、緊急サービスの質が確保される。
【0045】
切替が実行されると決定した場合、端末装置120は、切替についての要求を第1ネットワーク装置110に送信する(220)。いくつかの実施形態において、端末装置120は、無線リソース制御(RRC)メッセージを介して要求を送信してもよい。例えば、端末装置120は、UE補助情報(UEssistanceInformation)メッセージを介して要求を送信してもよい。既存の、又は将来開発される任意の他のRRCメッセージを使用してもよく、本願はこれについて限定しないことに留意されたい。
【0046】
いくつかの実施形態において、要求には、第1通信ネットワークにおける期待されるRRC状態が含まれてもよい。例えば、期待されるRRCの状態には、アイドル状態、非アクティブ状態、又は接続状態が含まれてもよい。いくつかの代替又は追加の実施形態では、要求には、要求の理由が含まれてもよい。理由には、例えば、節電の場合についての節電が含まれる。別の例示として、理由には、第2ネットワークに切替をする場合についてのネットワーク切替が含まれてもよい。理由は、任意の他の適切な形でも可能であることに留意されたい。こうすることで、第1ネットワーク装置110が解除要求の理由を区別するのに役立つ。
【0047】
要求の理由がネットワーク切替を含むいくつかの実施形態では、要求は、第2通信ネットワークのサービス情報を含んでもよい。いくつかの実施形態では、サービス情報は、期待される切替期間又は不在パターンを含んでもよい。例えば、サービス情報には、期待される周期性、時間領域オフセット、及び周期ごとの不在時間が含まれてもよい。
【0048】
使用される時分割多重化(TDM)パターンが端末装置120によって決定されるいくつかの実施形態では、要求は、TDMパターンの提案を含んでもよい。いくつかの実施形態において、要求は、TDMパターン候補リストを含んでもよい。この場合、第1ネットワーク装置110は、リストから1つのTDMパターンを選択してもよい。いくつかの実施形態では、要求においてTDMパターンの提案が送信されてもよい。例えば、端末装置120は、UE補助情報(UEAssistantInformation)メッセージを介して、要求においてTDMパターンの提案を送信してもよい。いくつかの代替的な実施形態では、TDMパターンの提案は、要求と別に送信されてもよい。例えば、端末装置120は、RRC確立完了(RRCSetupComplete)メッセージを介して、TDMパターンの提案を送信してもよい。
【0049】
本願の実施形態によれば、TDMパターン(本明細書では、切替ギャップとも称する)は、端末装置120が、第1ネットワークで接続状態を維持しながら、小規模データ送信のために一定期間内(例えば、短時間)に第2ネットワークに切替をするように設定されている。
【0050】
TDMパターンのオフ期間中、第1ネットワーク装置110は、端末装置120のスケジューリングを回避しなければならない。また、端末装置120のメディアアクセス制御(MAC)エンティティは、ランダムアクセス応答(RAR)ウィンドウ、msgB応答ウィンドウ又はコンテンション解決タイマが動作中でない限り、設定された全てのサービングセル又は特定のサービングセルにおいて、Msg3及びMsgA以外の何らかのアップリンク(UL)送信を実行せず、物理ダウンリンク制御チャンネル(PDCCH)の監視及びダウンリンク(DL)受信を実行しないようにしなければならない。
【0051】
いくつかの実施形態において、第1ネットワーク装置110は、TDMパターンをサポートするかどうかをシステム情報においてブロードキャストしてもよく、端末装置120は、システム情報に基づいて、第1ネットワーク装置110がTDMパターンをサポートするか否かを決定してもよい。第1ネットワーク装置110がTDMパターンをサポートすると決定した場合、端末装置120は、TDMパターンを決定し、切替についての要求にTDMパターンを組み込んでもよい。
【0052】
いくつかの実施形態において、TDMパターン情報は、切替の開始情報及び持続時間を含んでもよい。これは、1回(one shot)の切替ギャップとみなされてもよい。いくつかの実施形態において、開始情報は、システムフレーム番号(SFN)、スロット番号、直交周波数分割多重化(OFDM)シンボル番号のいずれかを含んでもよい。いくつかの代替的な実施形態では、TDMパターン情報は、当該切替の周期性、時間領域オフセット、及び、周期ごとの不在時間の長さを含んでもよい。これは、周期的な切替ギャップとみなされてもよい。
【0053】
要求は上述の例示に限定されず、第2通信ネットワークで実行されるデータ送信に関連付けられている任意の他の適切な情報も含まれることに留意されたい。こうすることで、第1ネットワーク装置10が、使用されるTDMパターンを決定するのに役立つ。
【0054】
端末装置120にデュアルコネクティビティ(DC:Dual Connectivity)が設定され、端末装置120が第1ネットワークにおいて接続状態の維持を所望するいくつかの実施形態では、要求は、第1通信ネットワークにおいて接続状態を維持しながらサービングセルの少なくとも一部を解放又は非アクティブ化することを含んでもよい。例えば、端末装置120は、期待されるRRC状態を接続状態に設定し、且つ、セカンダリノード(SN)全体を解放又は非アクティブ化することを示してもよい。或いは、端末装置120は、期待されるRRC状態を接続状態に設定し、SNの特定の1つ又は複数のサービングセルを解放又は非アクティブ化することを示してもよい。いくつかの実施形態において、DCは、LTE-DC、LET-NR DC(EN-DC)、次世代コアNR-LTE DC(NG EN-DC)、NR-LTE DC(NE-DC)又はNR-DCであってもよい。
【0055】
端末装置120にキャリアアグリゲーションが設定され、端末装置120が第1ネットワークにおいて接続状態の維持を所望するいくつかの実施形態では、要求は、第1通信ネットワークにおいて接続状態を維持しながらサービングセルの少なくとも一部を解放又は非アクティブ化する提案を含んでもよい。例えば、端末装置120は、期待されるRRC状態を接続状態に設定し、設定された全てのサービングセルを解放又は非アクティブ化することを示してもよい。或いは、端末装置120は、期待されるRRC状態を接続状態に設定し、特定の1つ又は複数のサービングセルの解放又は非アクティブ化を示してもよい。
【0056】
本願の実施形態によれば、ネットワーク切替のためのタイマが定義される。ここで
図2を参照すると、いくつかの実施形態において、要求を送信することに応じて(220)、端末装置120はタイマを開始してもよい(230)。いくつかの実施形態において、タイマの上限値は、第1ネットワーク装置110からのシステム情報によってブロードキャストされてもよい。或いは、タイマの上限値は、第1ネットワーク装置110からのRRCメッセージによって設定されてもよい。上限値について、任意の他の適切な形式で決定してもよいことに留意されたい。
【0057】
いくつかの実施形態では、タイマが動作していないと決定した場合に、端末装置120は、切替についての要求を送信してもよい。例えば、切替がまだ実行されておらず、且つタイマが動作中である場合、端末装置120と第1ネットワーク装置110との間で次のデータが実行されると決定したとしても、端末装置120は切替についての別の要求を送信してはならない。こうすることで、要求送信の重複を回避し、送信リソースを節約することができる。
【0058】
第1ネットワーク装置110が当該要求を無視し、当該要求に対する応答を与えないいくつかの実施形態において、端末装置120は、タイマが満了したときに、第2ネットワーク装置111への切替を自主的に実行してもよい(270)。切替を実行するためのいくつかの実施形態において、端末装置120は、第1ネットワークにおいてアイドル状態になるように、第1ネットワーク装置110との接続を解除し、第2ネットワークに切り替えてもよい。いくつかの代替的な実施形態において、端末装置120は、第1ネットワーク装置110との接続を維持し、TDMパターンを使用して、第1ネットワーク装置110と第2ネットワーク装置111との間の切替を実行してもよい。
【0059】
いくつかの代替的な実施形態では、
図2に示すように、切替についての要求を受信すると、第1ネットワーク装置110は、当該要求に対する応答を決定し(240)、タイマの上限値に対応する時間内に、当該応答を端末装置120に送信してもよい(250)。当該要求に対する応答を受信すると、端末装置120は、タイマを停止してもよい(260)。いくつかの実施形態において、当該応答はRRC解放(RRCRelease)メッセージにおいて送信されてもよい。或いは、当該応答は、切替ギャップ設定を有するRRC再設定(RRCReconfiguration)メッセージにおいて送信されてもよい。上述したものは例示にすぎず、当該応答は、既存の、又は将来開発される任意の他の適切なRRCメッセージにおいて送信されてもよいことに留意されたい。
【0060】
いくつかの実施形態において、第1ネットワーク装置110は、切替が拒否されたことを示す応答(以下、第1応答とも称する)を送信してもよい。いくつかの実施形態では、当該応答は、端末装置120が切替について別の要求を送信することが禁止される待機時間を含んでもよい。待機時間の間、第1ネットワーク装置110は、端末装置120との接続を維持することを期待する。また、端末装置120は、待機時間の間に別の切替要求を開始すべきではない。いくつかの代替又は追加の実施形態では、応答は拒否の理由を含んでもよい。例えば、理由は、端末装置120と第1ネットワーク装置110との間で重要なサービスが実行されることを示してもよい。応答には、任意の他の適切な内容が含まれてもよいことに留意されたい。理由には、任意の他の適切な内容が含まれてもよいことに留意されたい。
【0061】
いくつかの代替的な実施形態において、第1ネットワーク装置110は、切替が許可されたことを示す応答(以下、第2応答とも称する)を送信してもよい。第1ネットワーク装置110がTDMパターンをサポートするいくつかの実施形態では、応答は、第1ネットワーク装置110と第2ネットワーク装置111との間の切替で使用されるTDMパターンを含んでもよい。
【0062】
TDMパターンが第1ネットワーク装置110によって決定されるいくつかの実施形態において、第1ネットワーク装置110は、第2ネットワーク装置111のサービス情報と、TDMパターンの提案(要求から受信された場合)とに基づいてTDMパターンを決定し、TDMパターンを、要求に対する応答に組み込んでもよい。TDMパターンが端末装置120によって決定されるいくつかの実施形態では、第1ネットワーク装置110は、端末装置120のTDMパターンについての提案を拒否し、TDMパターンの提案を第2応答で提供してもよい。
【0063】
例えば、第1ネットワーク装置110は、例えば、切替ギャップ設定を有するRRCReleaseメッセージやRRCReconfigurationメッセージ等、当該要求を処理するRRCメッセージを、端末装置120に送信してもよい。RRCメッセージを受信すると、端末装置120はタイマを停止してもよい。既存の、又は将来開発される任意の他のRRCメッセージを使用してもよく、本願はこれについて限定しないことに留意されたい。
【0064】
いくつかの代替的な実施形態において、第1ネットワーク装置110との接続の再確立が開始されると決定した場合、端末装置120はタイマを停止してもよい。いくつかの代替的な実施形態において、第1ネットワーク装置110から第1通信ネットワークの第3ネットワーク装置へのハンドオーバー(handover)のメッセージを受信すると、端末装置120はタイマを停止してもよい。例えば、reconfigurationWithSyncを含むRRCReconfigurationメッセージを受信すると、端末装置120はタイマを停止してもよい。第1ネットワーク装置110が端末装置120に対する切替ギャップ設定を有するいくつかの実施形態では、切替ギャップ設定が、ハンドオーバー中に、ソースネットワーク装置としての第1ネットワーク装置110からターゲットネットワーク装置としての第3ネットワーク装置に渡されてもよい。例えば、ハンドオーバー準備情報(HandoverPreparationInformation)メッセージを介して、切替ギャップ設定が渡されてもよい。任意の他の適切なメッセージも可能であることに留意されたい。
【0065】
上述したように、端末装置120は、タイマ満了前に第1ネットワーク装置110から応答を受信した場合、タイマを停止してもよい(260)。その後、端末装置120は、要求に対する応答に基づいて、第2ネットワーク装置111への切替を実行してもよい(270)。いくつかの実施形態において、端末装置120は、第1ネットワークにおいてアイドル状態又は非アクティブ状態になるように、第1ネットワーク装置110との接続を解除し、第2ネットワークに切り替えてもよい。いくつかの代替的な実施形態において、端末装置120は、第1ネットワーク装置110との接続を維持し、TDMパターンを使用して、第1ネットワーク装置110と第2ネットワーク装置111との間の切替を実行してもよい。
【0066】
図2に示すように、端末装置120がTDMパターンの停止を所望するいくつかの実施形態では、端末装置120は、TDMパターンを停止するための指示を、関連するネットワーク装置に送信してもよい(280又は280’)。いくつかの実施形態において、端末装置120と第2ネットワーク装置111との間でデータが送信されないと決定した場合、端末装置120は、第1ネットワーク装置110に当該指示を送信してもよい(280)。いくつかの代替的な実施形態において、端末装置120と第1ネットワーク装置110との間でデータが送信されないと決定した場合、端末装置120は、第2ネットワーク装置111に当該指示を送信してよい(280’)。
【0067】
いくつかの実施形態において、端末装置120は、RRCシグナリングを介して指示を送信してもよい。いくつかの実施形態では、端末装置120は、暗黙的な方法で指示を送信してもよい。例えば、端末装置120は、期待されるRRC状態が接続状態でTDMパターン情報を有しないUEAssistanceInformationメッセージ等のRRCメッセージを送信してもよい。或いは、端末装置120は、明示的な方法で指示を送信してもよい。例えば、端末装置120は、明示的な指示(例えば、ビット値)を有するUEAssistanceInformationメッセージ等のRRCメッセージを送信してもよい。
【0068】
いくつかの代替的な実施形態において、端末装置120は、メディアアクセス制御(MAC)制御要素(CE)を介して指示を送信してもよい。このように、端末装置120は、MAC CEを使用して、TDMパターンをアクティブ化又は非アクティブ化することができる。
【0069】
端末装置120がTDMパターンの終了までに第1ネットワークに戻ることができないいくつかの実施形態において、端末装置120は、第1ネットワーク装置110との接続を解除し、アイドル状態になる手順を実行してもよい。或いは、端末装置120は何も行動を起こさなくてもよい。即ち、第1ネットワーク装置110との接続を維持するか否かは、端末装置120によって決まる。
【0070】
留意すべき点として、
図2に示す動作は、本開示の実施形態を実施するために必ずしも必須ではなく、必要に応じて、より多くの動作又はより少ない動作に変更してもよい。
図2に描かれたプロセスに対応して、本開示の実施形態は、端末装置及びネットワーク装置において実施される通信方法を提供する。以下、
図3~
図10を参照し、これらの方法について説明する。
【0071】
図3は、本開示のいくつかの実施形態にかかる、端末装置で実施される例示的な通信方法300を示す。方法300は例えば、
図1に示す端末装置120において実行されてもよい。議論を目的として、以下では
図1を参照して方法300を説明する。理解すべき点として、方法300は、示されていない追加のブロックを含んでもよく、且つ/又は、示されたいくつかのブロックを省略してもよく、この点において、本開示の範囲は限定されない。
【0072】
図3に示すように、ブロック310において、端末装置120は、第1ネットワーク装置110から第2ネットワーク装置111への切替が実行されるか否かを決定する。いくつかの実施形態において、第1ネットワーク装置110の第1ネットワークは、端末装置120の第1アイデンティティ(第1のUSIMカード121等)と関連付けられてもよく、第2ネットワーク装置111の第2ネットワークは、端末装置120の第2アイデンティティ(第2のUSIMカード122等)と関連付けられてもよい。第1ネットワークと第2ネットワークは、端末装置120のアイデンティティ以外の他の面で、互いに区別されてもよいことに留意されたい。
【0073】
切替が実行されることを決定すると、ブロック320において、端末装置120は、第1ネットワーク装置110から第2ネットワーク装置111への切替についての要求を、第1ネットワーク装置110に送信する。こうすることで、ネットワーク側に当該切替を通知することができ、誤ったネットワーク性能の記録を回避することができる。したがって、ネットワーク切替中の性能向上を実現することができる。
【0074】
本願のいくつかの実施形態によれば、端末装置120のネットワーク切替動作を規制するために、タイマが導入される。いくつかの実施形態において、端末装置120は、要求を送信することに応じてタイマを開始してもよい。第2ネットワーク装置111にデータが送信されると決定されるいくつかの実施形態において、端末装置120は、タイマが動作中か否かを決定し、タイマが動作中ではないと決定した場合、切替についての要求を送信してもよい。こうすることで、切替についての要求の送信の重複を効果的に回避することができる。
【0075】
いくつかの実施形態において、端末装置120は、タイマ満了時に切替を実行してもよい。いくつかの実施形態において、端末装置120は、前記第1ネットワーク装置110から前記要求に対する応答を受信したこと、第1ネットワーク装置110との接続の再確立が開始されると決定したこと、又は、第1ネットワーク装置110から第1ネットワークの第3ネットワーク装置へのハンドオーバーのメッセージを受信したことのうち、少なくとも1つに応じて、タイマを停止してもよい。以下、
図4~
図7を参照してより多くの詳細について説明する。
【0076】
図4は、本開示のいくつかの実施形態にかかる、端末装置で実施される別の例示的な通信方法400を示す。方法400は例えば、
図1に示す端末装置120において実行されてもよい。議論を目的として、以下では
図1を参照して方法400を説明する。理解すべき点として、方法400は、示されていない追加のブロックを含んでもよく、且つ/又は、示されたいくつかのブロックを省略してもよく、この点において、本開示の範囲は限定されない。
【0077】
図4に示すように、ブロック
401において、端末装置120は、端末装置120と第2ネットワーク装置111との間でデータが送信されるか否かを決定してもよい。いくつかの実施形態において、第2ネットワーク装置111に送信すべきMOデータがある場合、端末装置120は、データが送信されると決定してもよい。いくつかの代替的な実施形態において、第2ネットワーク装置111からページングメッセージを受信した場合、端末装置120は、データが送信されると決定してもよい。
【0078】
データが送信されると決定すると、ブロック402において、端末装置120は、端末装置120と第1ネットワーク装置110との間に進行中の緊急サービスがあるか否かを決定する。ブロック403において、端末装置120と第1ネットワーク装置110との間に進行中の緊急サービスがないと決定した場合、端末装置120は、第1ネットワーク装置110から第2ネットワーク装置111への切替についての要求を第1ネットワーク装置110に送信してもよい。こうすることで、緊急サービスの質を確保することができる。
【0079】
いくつかの実施形態において、端末装置120は、ネットワーク切替のためのタイマが動作中か否かを決定してもよい。また、タイマが動作中であると決定した場合、端末装置120は、当該要求を第1ネットワーク装置110に送信しない。一方、タイマが動作中ではないと決定した場合、端末装置120は、当該要求を第1ネットワーク装置110に送信する。このようにして、不要な要求の再送を回避することができる。
【0080】
いくつかの実施形態において、要求は、第1ネットワークでの期待されるRRC状態、要求の理由、第2ネットワークのサービス情報、TDMパターンの提案、及び、第1ネットワークで接続状態を維持しながらサービングセルの少なくとも一部を解放又は非アクティブ化する提案のうち、少なくとも1つを含んでもよい。要求の他の詳細については、
図2の動作220と結び付けて上述したものと同様であるため、ここでは繰り返さない。
【0081】
要求を送信することに応じて、ブロック404において、端末装置120は、タイマを開始してもよい。いくつかの実施形態において、端末装置120は、第1ネットワーク装置110からのシステム情報においてタイマの上限値を受信してもよい。或いは、端末装置120は、第1ネットワーク装置110からの専用のRRCメッセージにおいてタイマの上限値を受信してもよい。上限値に基づいて、端末装置120は、タイマのタイミングを管理することができる。
【0082】
ブロック405において、端末装置120は、タイマが満了したか否かを決定してもよい。タイマが満了していないと決定した場合、ブロック406において、端末装置120は、要求に対する応答が第1ネットワーク装置110から受信されたかどうかを決定してもよい。ブロック406で応答が受信されたと決定した場合、端末装置120は、ブロック407でタイマを停止してもよい。
【0083】
ブロック408において、端末装置120は、応答に基づいて、切替が許可されたか拒否されたかを決定してもよい。応答が切替拒否を示す場合(即ち、第1応答)、ブロック409において、端末装置120は、切替についての別の要求を待機時間内に送信できないようにしてもよい。待機時間が第1ネットワーク装置110によって設定されるいくつかの実施形態では、端末装置120は、応答から待機時間を取得してもよい。待機時間は任意の他の適切な方法で決定してもよいことに留意されたい。
【0084】
応答が切替許可を示す場合(即ち、第2応答)、ブロック410において、端末装置120は切替を実行してもよい。応答が受信されないとブロック406で決定した場合、端末装置120はブロック405に戻ってもよい。タイマが満了したとブロック405で決定した場合、端末装置120はブロック410に進み、切替を実行してもよい。
【0085】
切替を実行するためのいくつかの実施形態において、端末装置120は、第1ネットワーク装置110との第1接続を解除し、第2ネットワーク装置111との第2接続を確立してもよい。このようにして、端末装置120は、第1ネットワークではアイドル状態又は非アクティブ状態になり、第2ネットワークでは接続状態になってもよい。
【0086】
いくつかの代替的な実施形態において、端末装置120は、第1ネットワークと第2ネットワークとの間でTDMパターンを実行してもよい。このように、端末装置120は、第1ネットワークにおいて接続状態を維持しながら、第2ネットワークにおいて所望のデータ送信を実行してもよい。これについて、
図5と
図6を参照しながら詳しく説明する。
【0087】
図5は、本開示のいくつかの実施形態にかかる、端末装置で実施される別の例示的な通信方法500を示す。方法500は例えば、
図1に示す端末装置120において実行されてもよい。議論を目的として、以下では
図1を参照して方法500を説明する。理解すべき点として、方法500は、示されていない追加のブロックを含んでもよく、且つ/又は、示されたいくつかのブロックを省略してもよく、この点において、本開示の範囲は限定されない。本実施形態では、TDMパターンが端末装置120によって決定される。
【0088】
図5に示すように、ブロック510において、端末装置120は、切替に関連付けられているTDMパターンを決定してもよい。いくつかの実施形態において、端末装置120は、TDMパターンに対する第1ネットワーク装置110のサポートについての認識に基づいて、TDMパターンを使用すると決定してもよい。当該認識は、第1ネットワーク装置110がブロードキャストするシステム情報から取得されてもよい。いくつかの実施形態において、端末装置120は、切替の開始情報と持続時間(即ち1回の切替ギャップ)、又は、切替の周期性、時間領域オフセット及び周期ごとの不在時間の長さ(即ち周期的な切替ギャップ)のうち、少なくとも1つを決定することによって、TDMパターンを決定してもよい。
【0089】
ブロック520において、端末装置120は、TDMパターンに従って切替を実行してもよい。いくつかの実施形態において、端末装置120は、第1ネットワークと第2ネットワークとの間のTDMパターンに従って、第1ネットワークと第2ネットワークにおいてデータ送信を実行してもよい。
【0090】
ブロック530において、端末装置120は、第1ネットワーク装置110のためのTDMパターンの第1情報と、第2ネットワーク装置111のためのTDMパターンの第2情報とを生成してもよい。いくつかの実施形態では、第1情報及び第2情報を、第1ネットワーク及び第2ネットワークにおける対応する時間領域の要件を満たすように適応させてもよい。
【0091】
ブロック540において、端末装置120は、第1情報を第1ネットワーク装置110に送信してもよい。例えば、端末装置120は、UEAssistanceInformationメッセージを介して第1情報を送信してもよい。任意の他の適切なメッセージも可能であることに留意されたい。
【0092】
ブロック550において、端末装置120は、第2情報を第2ネットワーク装置111に送信してもよい。例えば、端末装置120は、RRCSetupCompleteメッセージを介して第2情報を送信してもよい。任意の他の適切なメッセージも可能であることに留意されたい。
【0093】
いくつかの代替的な実施形態において、第1ネットワーク装置110は、端末装置120とTDMパターンについて再交渉してもよい。いくつかの実施形態において、端末装置120は、第1ネットワーク装置110にTDMパターン候補リストを提供して、そこから1つを選択させてもよい。いくつかの実施形態では、端末装置120がTDMパターンを提供する場合、第1ネットワーク装置110は、当該TDMパターンを拒否し、TDMパターンの提案を端末装置120に提供してもよい。
【0094】
ここまで、TDMパターンが端末装置120によって決定される場合の実施形態について、
図5を参照して説明した。以下では
図6と結び付けて、TDMパターンが第1ネットワーク装置110によって決定される場合について説明する。
【0095】
図6は、本開示のいくつかの実施形態にかかる、端末装置で実施される別の例示的な通信方法600を示す。方法600は例えば、
図1に示す端末装置120において実行されてもよい。議論を目的として、以下では
図1を参照して方法600を説明する。理解すべき点として、方法600は、示されていない追加のブロックを含んでもよく、且つ/又は、示されたいくつかのブロックを省略してもよく、この点において、本開示の範囲は限定されない。
【0096】
図6に示すように、ブロック610において、端末装置120は、第1ネットワーク装置110から、切替に関連付けられているTDMパターンを受信してもよい。いくつかの実施形態において、端末装置120は、切替についての要求に対する応答の中から、TDMパターンを取得してもよい。当該応答は、第1ネットワーク装置110から受信される。いくつかの実施形態において、端末装置120は、切替の開始情報と持続時間(即ち1回の切替ギャップ)、又は、切替の周期性、時間領域オフセット及び周期ごとの不在時間の長さ(即ち周期的な切替ギャップ)のうち、少なくとも1つを取得してもよい。
【0097】
ブロック620において、端末装置120は、TDMパターンに従って切替を実行してもよい。いくつかの実施形態において、端末装置120は、第1ネットワークと第2ネットワークとの間のTDMパターンに従って、第1ネットワークと第2ネットワークにおいてデータ送信を実行してもよい。
【0098】
ブロック630において、端末装置120は、ネットワーク装置110から受信したTDMパターンに基づいて、第2ネットワーク装置111のためのTDMパターンの第2情報を生成してもよい。いくつかの実施形態では、第2情報を、第2ネットワークにおける時間領域の要件を満たすように適応させてもよい。
【0099】
ブロック640において、端末装置120は、第2情報を第2ネットワーク装置111に送信してもよい。例えば、端末装置120は、RRCSetupCompleteメッセージを介して第2情報を送信してもよい。任意の他の適切なメッセージも可能であることに留意されたい。
【0100】
ここまで、TDMパターンのアクティブ化について説明した。以下では、TDMパターンの非アクティブ化について説明する。
図7は、本開示のいくつかの実施形態にかかる、端末装置で実施される別の例示的な通信方法700を示す。方法700は例えば、
図1に示す端末装置120において実行されてもよい。議論を目的として、以下では
図1を参照して方法700を説明する。理解すべき点として、方法700は、示されていない追加のブロックを含んでもよく、且つ/又は、示されたいくつかのブロックを省略してもよく、この点において、本開示の範囲は限定されない。
【0101】
図7に示すように、ブロック710において、端末装置120は、端末装置120と、第1ネットワーク装置110及び第2ネットワーク装置111のうち一方のネットワーク装置との間でデータが送信されるか否かを決定してもよい。端末装置120と、第1ネットワーク装置110及び第2ネットワーク装置111のうち一方のネットワーク装置との間でデータが送信されないと決定すると、ブロック720において、端末装置120は、第1ネットワーク装置110及び第2ネットワーク装置111のうち他方のネットワーク装置に、TDMパターンを停止するための指示を送信してもよい。
【0102】
いくつかの実施形態において、端末装置120と第2ネットワーク装置111との間でデータが送信されないと決定した場合、端末装置120は、第1ネットワーク装置110に指示を送信してもよい。いくつかの実施形態において、端末装置120と第1ネットワーク装置110との間でデータが送信されないと決定した場合、端末装置120は、第2ネットワーク装置111に指示を送信してもよい。
【0103】
いくつかの実施形態において、端末装置120は、RRCメッセージを介して指示を送信してもよい。いくつかの実施形態では、端末装置120は、暗黙的な方法で指示を送信してもよい。例えば、端末装置120は、期待されるRRC状態が接続状態でTDMパターン情報を有しないUEAssistanceInformationメッセージ等のRRCメッセージを送信してもよい。或いは、端末装置120は、明示的な方法で指示を送信してもよい。例えば、端末装置120は、明示的な指示(例えば、ビット値)を有するUEAssistanceInformationメッセージ等のRRCメッセージを送信してもよい。
【0104】
いくつかの代替的な実施形態において、端末装置120は、メディアアクセス制御(MAC)制御要素(CE)を介して指示を送信してもよい。このように、端末装置120は、MAC CEを使用して、TDMパターンをアクティブ化又は非アクティブ化することができる。
【0105】
ブロック730において、端末装置120は、TDMパターンを停止し、第1ネットワーク装置110及び第2ネットワーク装置111のうち他方のネットワーク装置との接続を維持してもよい。
【0106】
端末装置120がTDMパターンの終了時までに第1ネットワークに戻ることができないいくつかの実施形態では、端末装置120は、第1ネットワーク装置110との接続を解除し、アイドル状態又は非アクティブ状態に移る手順を実行してもよい。或いは、端末装置120は何も行動を起こさなくてもよい。即ち、第1ネットワーク装置110との接続を維持するか否かは、端末装置120によって決まる。
【0107】
ここまで、端末装置で実施される通信方法について説明した。本願の実施形態では、対応して、ネットワーク装置で実施される通信方法がさらに提供される。これについて、
図8~
図10を参照しながら以下のとおり説明する。
【0108】
図8は、本開示のいくつかの実施形態にかかる、ネットワーク装置で実施される例示的な通信方法800を示す。方法800は例えば、
図1に示す第1ネットワーク装置110又は第2ネットワーク装置111において実行されてもよい。議論を目的として、以下では
図1の第1ネットワーク装置110を参照して方法800を説明する。理解すべき点として、方法800は、示されていない追加のブロックを含んでもよく、且つ/又は、示されたいくつかのブロックを省略してもよく、この点において、本開示の範囲は限定されない。
【0109】
図8に示すように、ブロック810において、第1ネットワーク装置110は、第1ネットワーク装置110から第2ネットワーク装置111への切替についての要求を、端末装置120から受信する。いくつかの実施形態において、第1ネットワーク装置110の第1ネットワークは、端末装置120の第1アイデンティティ(第1のUSIMカード121等)と関連付けられてもよく、第2ネットワーク装置111の第2ネットワークは、端末装置120の第2アイデンティティ(第2のUSIMカード122等)と関連付けられてもよい。第1ネットワークと第2ネットワークは、端末装置120のアイデンティティ以外の他の面で、互いに区別されてもよいことに留意されたい。
【0110】
いくつかの実施形態において、要求は、第1ネットワークでの期待されるRRC状態、要求の理由、第2ネットワークのサービス情報、TDMパターンの提案、及び、第1ネットワークで接続状態を維持しながらサービングセルの少なくとも一部を解放又は非アクティブ化する提案のうち、少なくとも1つを含んでもよい。
【0111】
いくつかの実施形態において、第1ネットワーク装置110は、要求に対する応答を提供しなくてもよい。いくつかの代替的な実施形態では、第1ネットワーク装置110は、要求に対する応答を一定時間内に送信してもよい。いくつかの実施形態において、当該時間は、端末装置120によって管理され要求の送信時に開始されるタイマの上限値に対応していてもよい。いくつかの実施形態において、第1ネットワーク装置110は、上限値を設定し、上限値を端末装置120に送信してもよい。例えば、システム情報において上限値をブロードキャストしてもよい。或いは、RRCメッセージにおいて上限値を設定してもよい。
【0112】
いくつかの実施形態において、第1ネットワーク装置110は、切替が拒否されたことを示す第1応答を送信してもよい。いくつかの実施形態では、第1応答は、切替について別の要求を送信することが禁止される待機時間を含んでもよい。こうすることで、切替要求の送信の重複を回避し、送信リソースを節約することができる。
【0113】
いくつかの実施形態において、第1ネットワーク装置110は、切替が許可されたことを示す第2応答を送信してもよい。いくつかの実施形態では、第2応答は、切替に関連付けられているTDMパターンを含んでもよい。こうすることで、切替についての要求の送信の重複を回避し、送信リソースを節約することができる。以下、
図9~
図10を参照してより多くの詳細について説明する。
【0114】
図9は、本開示のいくつかの実施形態にかかる、ネットワーク装置で実施される別の例示的な通信方法900を示す。方法900は例えば、
図1に示す第1ネットワーク装置110又は第2ネットワーク装置111において実行されてもよい。議論を目的として、以下では
図1の第1ネットワーク装置110を参照して方法900を説明する。理解すべき点として、方法900は、示されていない追加のブロックを含んでもよく、且つ/又は、示されたいくつかのブロックを省略してもよく、この点において、本開示の範囲は限定されない。本実施形態では、TDMパターンが第1ネットワーク装置110によって決定される。
【0115】
図9に示すように、ブロック910において、第1ネットワーク装置110は、切替に関連付けられているTDMパターンを決定してもよい。いくつかの実施形態において、第1ネットワーク装置110は、受信された要求から第2ネットワークのサービス情報を取得し、当該サービス情報に基づいてTDMパターンを決定してもよい。要求にTDMパターンの提案が含まれるいくつかの実施形態において、第1ネットワーク装置110は、受信された要求からサービス情報とTDMパターンの提案とを取得し、サービス情報とTDMパターンの提案とに基づいてTDMパターンを決定してもよい。
【0116】
いくつかの実施形態において、第1ネットワーク装置110は、切替の開始情報と持続時間、又は、切替の周期性、時間領域オフセット及び周期ごとの不在時間の長さのうち、少なくとも1つを決定することによって、TDMパターンを決定してもよい。
【0117】
ブロック920において、第1ネットワーク装置110は、端末装置120にTDMパターンを送信してもよい。いくつかの実施形態において、第1ネットワーク装置110は、第2応答において、端末装置120にTDMパターンを送信してもよい。或いは、第1ネットワーク装置110は、第2応答とは別にTDMパターンを送信してもよい。いくつかの実施形態では、RRCReconfigurationメッセージ等のRRCメッセージにおいてTDMパターンを送信してもよい。任意の他の適切なRRCメッセージも可能であることに留意されたい。
【0118】
以上、TDMパターンが第1ネットワーク装置110によって決定される場合の実施形態について説明した。以下では、TDMパターンが端末装置120によって決定される場合について説明する。
図10は、本開示のいくつかの実施形態にかかる、ネットワーク装置で実施される別の例示的な通信方法1000を示す。方法1000は例えば、
図1に示す第1ネットワーク装置110又は第2ネットワーク装置111において実行されてもよい。議論を目的として、以下では
図1の第1ネットワーク装置110を参照して方法1000を説明する。理解すべき点として、方法1000は、示されていない追加のブロックを含んでもよく、且つ/又は、示されたいくつかのブロックを省略してもよく、この点において、本開示の範囲は限定されない。
【0119】
図10に示すように、ブロック1010において、第1ネットワーク装置110は、端末装置120から、切替に関連付けられているTDMパターンを受信してもよい。いくつかの実施形態において、第1ネットワーク装置110は、切替の開始情報と持続時間、又は、切替の周期性、時間領域オフセット及び周期ごとの不在時間の長さのうち、少なくとも1つを受信してもよい。ブロック1020において、第1ネットワーク装置110は、第1ネットワークと第2ネットワークとの間のTDMパターンに従って、端末装置120とのデータ送信を実行してもよい。
【0120】
TDMパターンの間、第1ネットワーク装置110は、TDMパターンを停止するための指示を、端末装置120から受信してもよい。この場合、第1ネットワーク装置110は、ブロック1030に進んでもよい。ブロック1030において、第1ネットワーク装置110は、TDMパターンを停止するための指示が受信されたかどうかを決定してもよい。
【0121】
いくつかの実施形態において、第1ネットワーク装置110は、RRCメッセージを介して当該指示を受信してもよい。いくつかの実施形態では、第1ネットワーク装置110は、暗黙的な方法で指示を受信してもよい。例えば、期待されるRRC状態が接続状態でTDMパターン情報を有しないRRCメッセージ(UEAssistanceInformationメッセージ等)を受信した場合、第1ネットワーク装置110は、TDMパターンを停止するための指示が受信されたと決定してもよい。いくつかの代替的な実施形態では、端末装置120は、明示的な方法で指示を受信してもよい。例えば、明示的な指示を有するRRCメッセージ(例えばUEAssistanceInformationメッセージ)を受信し、当該明示的な指示が例えば、TDMパターンを停止すべきであることを示すビット値である場合、第1ネットワーク装置110は、TDMパターンを停止するための指示が受信されたと決定してもよい。
【0122】
いくつかの代替的な実施形態において、第1ネットワーク装置110は、MAC CEを介して指示を受信してもよい。例えば、TDMパターンを停止すべきであることを示すMAC CEを受信した場合、第1ネットワーク装置110は、TDMパターンを停止するための指示が受信されたと決定してもよい。
【0123】
指示が受信されたと決定した場合、ブロック1040において、第1ネットワーク装置110は、TDMパターンを停止し、端末装置120との接続を維持してもよい。
【0124】
図3~
図10に描かれた方法の実施は、基本的に
図2と結び付けて説明したプロセスに対応するため、ここではその他の詳細を繰り返さない。本開示の実施形態による方法300~1000を使用すると、ネットワーク切替中のネットワーク性能を向上させることができる。
【0125】
図11は、本開示の実施形態を実施するのに適した装置1100の概略ブロック図である。装置1100は、
図1に示す端末装置120又は第1ネットワーク装置110又は第2ネットワーク装置111の別の例示的な実現であるとみなすことができる。したがって、装置1100は、端末装置120若しくは第1ネットワーク装置110若しくは第2ネットワーク装置111で実現することができ、又は、それらの少なくとも一部として実現することができる。
【0126】
図に示すように、装置1100は、プロセッサ1110、プロセッサ1110に結合されるメモリ1120、プロセッサ1110に結合される適切な送信機(TX)及び受信機(RX)1140、並びにTX/RX1140に結合される通信インタフェースを含む。メモリ1120は、プログラム1130の少なくとも一部を格納する。TX/RX1140は双方向通信に用いられる。TX/RX1140は、通信のための少なくとも1つのアンテナを有し、実際には本願で述べたアクセスノードは、複数のアンテナを有してもよい。通信インタフェースは、他のネットワーク部材と通信を行う際に必要な任意のインタフェース、例えば、eNB間の双方向通信用のX2インタフェース、Mobility Management Entity(MME)/サービングゲートウェイ(S-GW)とeNBとの間の通信用のS1インタフェース、eNBと中継ノード(RN)との間の通信用のUnインタフェース、又はeNBと端末装置との間の通信用のUuインタフェースを表してもよい。
【0127】
プログラム1130がプログラム命令を含むと仮定すると、当該プログラム命令が、関連するプロセッサ1110により実行された場合、これにより、装置1100は、本明細書で
図1~
図10を参照して論じたように、本開示の実施形態に基づき操作を行うことができるようになる。本明細書の実施形態は、装置1100のプロセッサ1110が実行可能なコンピュータソフトウェアにより実施するか、ハードウェアにより実施するか、又はソフトウェア及びハードウェアの組合せにより実施してもよい。プロセッサ1110は、本発明の各実施形態を実施するように設定することができる。また、プロセッサ1110及びメモリ1120の組合せは、本開示の各実施形態を実施するのに適した処理手段1150を構成してもよい。
【0128】
メモリ1120は、ローカルの技術ネットワークに適した任意のタイプであってよく、任意の適切なデータ記憶技術により実現してもよい。例として、コンピュータが読み取り可能な非一時的記憶媒体、半導体による記憶装置、磁気記憶装置及びシステム、光学記憶装置及びシステム、固定メモリ及び取り外し可能メモリ等が挙げられるが、これらに限定されない。装置1100には1つのメモリ1120しか示されていないが、装置1100には複数の物理上異なるメモリモジュールを設置してもよい。例として、プロセッサ1110は、ローカルの技術ネットワークに適した任意のタイプであってよく、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、マイクロプロセッサ、デジタル信号処理器(DSP)、及びマルチコアプロセッサ構成に基づくプロセッサのうち、1つ又は複数を含んでもよいが、これらに限定されない。装置1100は複数のプロセッサ、例えば、マスタープロセッサを同期させるクロックに時間的に従属する特定用途向け集積回路チップを有してもよい。
【0129】
通常、本開示の各実施形態は、ハードウェア若しくは専用回路、ソフトウェア、論理、又はそれらの任意の組合せにおいて実施することができる。いくつかの態様はハードウェアによって実施し、他の態様はコントローラ、マイクロプロセッサ又は他のコンピュータ装置が実行するファームウェア又はソフトウェアによって実施してもよい。本開示の実施形態の各態様は、ブロック図、フローチャートとして図示されて説明され、又は他のいくつかの図形によって示されているが、理解すべき点として、本明細書に記載のブロック、装置、システム、技術又は方法は、例えば、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、専用回路若しくは論理、汎用ハードウェア若しくはコントローラ若しくは他のコンピュータ装置、又はそれらの組合せにおいて実現してもよいが、これらに限定されない。
【0130】
本開示はさらに、コンピュータが読み取り可能な非一時的記憶媒体に、有形記憶される少なくとも1つのコンピュータプログラム製品を提供する。コンピュータプログラム製品は、
図1~
図10を参考に上述したプロセス又は方法を実行するために、対象の実プロセッサ又は仮想プロセッサ上の装置において実行されプログラムモジュールに含まれる、コンピュータが実行可能な命令等を含む。一般的に、プログラムモジュールは、特定のタスクを実行するか、又は特定の抽象データタイプを実装するルーチン、プログラム、ライブラリ、オブジェクト、クラス、コンポーネント、データ構造等を含む。プログラムモジュールの機能は、各実施形態での必要に応じて、プログラムモジュール間で組み合わせるか、又は分割してもよい。プログラムモジュールのマシン可読命令は、ローカル装置又は分散型装置において実行してもよい。分散型装置において、プログラムモジュールはローカルの記憶媒体及びリモートの記憶媒体の両方に置いてもよい。
【0131】
本開示の方法を実行するためのプログラムコードは、1種類又は複数種類のプログラミング言語の任意の組合せにより記述してもよい。これらのプログラムコードは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ又はその他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ又はコントローラに提供してもよく、プログラムコードはプロセッサ又はコントローラによって実行されると、フローチャート及び/又はブロック図に指定された機能/操作を実施する。プログラムコードは全てマシン上で実行するか、部分的にマシン上で実行するか、独立したソフトウェアパッケージとして実行するか、マシン上で部分的に実行するとともにリモートのマシン上で部分的に実行するか、又は全てリモートのマシン若しくはサーバ上で実行してもよい。
【0132】
上述のプログラムコードは、マシン可読媒体上に含まれていてよく、当該マシン可読媒体は、命令実行システム、装置若しくは装置により使用されるプログラム、又は、命令実行システム、装置若しくは装置と結合して使用されるプログラムを含むか又は格納する任意の有形媒体であり得る。マシン可読媒体は、マシン可読信号媒体又はマシン可読記憶媒体であり得る。マシン可読媒体は、電子、磁気、光学、電磁気、赤外線若しくは半導体のシステム、装置若しくは装置、又は前述の任意の適切な組合せを含んでもよいが、これらに限定されない。マシン可読記憶媒体のより具体的な例には、1つ若しくは複数のケーブルの電気的接続、携帯用コンピュータ磁気ディスク、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、消去・書き込み可能なリードオンリーメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、光ファイバ、携帯型コンパクトディスクリードオンリーメモリ(CD-ROM)、光学的記憶装置、磁気記憶装置、又は前述の任意の適切な組合せが含まれる。
【0133】
なお、操作について、特定の順序で説明を行ったが、所望の結果を得るために、こうした操作を示された特定の順序で実行するか若しくは順に実行するか、又は、図示された全ての操作を実行することが求められる、と理解されるべきではない。いくつかの状況では、複数のタスク及び並行処理が有利である可能性がある。同様に、上述の議論では、いくつかの特定の実施の詳細が含まれるが、これらの詳細は本開示の範囲に対する限定であると解釈されるべきではなく、特定の実施形態が持つ特徴についての説明であると解釈されるべきである。個々の実施形態の文脈において説明されたいくつかの特徴は、ある1つの実施形態において組み合わせて実現されてもよい。逆に、1つの実施形態の文脈において説明された各種特徴は、複数の実施形態において単独で、又は任意の適切なサブ的な組合せにより、実現されてもよい。
【0134】
本開示について、構造的特徴及び/又は方法・動作の専門の言葉で説明したが、添付の請求項によって限定される本開示は、必ずしも上述の具体的な特徴又は動作に限定されないと理解されるべきである。上述の具体的な特徴や動作はむしろ、請求項を実現する例示的形態として開示されている。