(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-05
(45)【発行日】2024-08-14
(54)【発明の名称】信号処理システム、信号処理装置、及び信号処理方法
(51)【国際特許分類】
G10K 15/02 20060101AFI20240806BHJP
【FI】
G10K15/02
(21)【出願番号】P 2022553371
(86)(22)【出願日】2020-10-01
(86)【国際出願番号】 JP2020037409
(87)【国際公開番号】W WO2022070379
(87)【国際公開日】2022-04-07
【審査請求日】2023-04-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000004075
【氏名又は名称】ヤマハ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100134359
【氏名又は名称】勝俣 智夫
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100206391
【氏名又は名称】柏野 由布子
(72)【発明者】
【氏名】入山 達也
【審査官】渡邊 正宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-129800(JP,A)
【文献】特開2006-047755(JP,A)
【文献】特開2015-185019(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 13/00
G10K 15/00-15/12
G10L 15/00-17/26
H04M 3/00
H04M 3/16- 3/20
H04M 3/38- 3/58
H04M 7/00- 7/16
H04M 9/00- 9/10
H04M 11/00-11/10
H04N 7/10
H04N 7/14- 7/173
H04N 7/20- 7/56
H04N 21/00-21/858
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ストリーミングデータを受信する第1の端末装置及び第2の端末装置を少なくとも含む複数の装置と、前記複数の装置との間で通信可能なコミュニケーションシステムと、に接続する信号処理システムであって、
前記ストリーミングデータを受信した前記第1の端末装置から得られる第1音データの指定と、前記ストリーミングデータを受信した前記第2の端末装置から得られる第2音データの指定とを受け付ける受付部と、
前記第1音データと前記第2音データとを取得し、前記第1音データに基づく第1音信号と、前記第2音データに基づく第2音信号とを混合した第3音信号を生成する信号処理部と、
前記コミュニケーションシステムと前記第1の端末装置とが接続された通信回線を通じて、前記第3音信号を前記コミュニケーションシステムに送信する送信部と
を備える信号処理システム。
【請求項2】
前記信号処理部は、前記第1の端末装置と接続された収音部が収音した第4音信号と、前記第3音信号とを混合して、第5音信号を生成し、
前記送信部は、前記第5音信号を、前記コミュニケーションシステムの前記ストリーミングデータの配信元に送信する
請求項1に記載の信号処理システム。
【請求項3】
前記信号処理部は、前記受付部が前記第1の端末装置及び前記第2の端末装置のうちの同一の端末装置から重複して複数の音データの指定を受け付けた場合に、指定された前記複数の音データに基づく複数の音信号を混合した前記第3音信号を生成する
請求項1又は請求項2に記載の信号処理システム。
【請求項4】
前記受付部によって指定可能な音データを記憶する音データ記憶部を備え、
前記信号処理部は、前記音データ記憶部から前記第1音データと前記第2音データとを取得する
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の信号処理システム。
【請求項5】
前記受付部は、音データの指定を受け付けた場合に、当該指定の音データを取得し、取得した当該指定の音データに基づく指定の音信号を、前記第1の端末装置及び前記第2の端末装置のうちの指定元の端末装置に送信して、前記指定元の端末装置に当該指定の音信号を出力させる
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の信号処理システム。
【請求項6】
前記受付部を備え、前記受付部が前記第1音データの指定、又は前記第2音データの指定を受け付けた場合に、前記第1音データ又は前記第2音データが指定されたことを示すコマンドを生成するサーバ装置を備え、
前記信号処理部は、前記サーバ装置が生成した前記コマンドを取得し、取得した前記コマンドに基づいて、前記第1音データと前記第2音データとを取得し、前記第1音データに基づく第1音信号と、前記第2音データに基づく第2音信号とを混合した第3音信号を生成する
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の信号処理システム。
【請求項7】
前記受付部は、
指定可能な音データを示す音データ情報と、当該音データの再生時間を視認可能に示す再生バーであって、前記再生時間に対応した長さの再生バーとを含む指定メニュー画像を、前記第1の端末装置及び前記第2の端末装置に表示させる
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の信号処理システム。
【請求項8】
ストリーミングデータを受信する第1の端末装置及び第2の端末装置を少なくとも含む複数の装置と、前記複数の装置との間で通信可能なコミュニケーションシステムと、に接続する信号処理装置であって、
前記ストリーミングデータを受信した前記第1の端末装置から得られる第1音データの指定と、前記ストリーミングデータを受信した前記第2の端末装置から得られる第2音データの指定とを受け付ける受付部と、
前記第1音データと前記第2音データとを取得し、前記第1音データに基づく第1音信号と、前記第2音データに基づく第2音信号とを混合した第3音信号を生成する信号処理部と、
前記コミュニケーションシステムと前記第1の端末装置とが接続された通信回線を通じて、前記第3音信号を前記コミュニケーションシステムに送信する送信部と
を備える信号処理装置。
【請求項9】
ストリーミングデータを受信する第1の端末装置及び第2の端末装置を少なくとも含む複数の装置と、前記複数の装置との間で通信可能なコミュニケーションシステムと、に接続する信号処理システムの信号処理方法であって、
受付部が、前記ストリーミングデータを受信した前記第1の端末装置から得られる第1音データの指定と、前記ストリーミングデータを受信した前記第2の端末装置から得られる第2音データの指定とを受け付け、
信号処理部が、前記第1音データと前記第2音データとを取得し、前記第1音データに基づく第1音信号と、前記第2音データに基づく第2音信号とを混合した第3音信号を生成し、
送信部が、前記コミュニケーションシステムと前記第1の端末装置とが接続された通信回線を通じて、前記第3音信号を前記コミュニケーションシステムに送信する
信号処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、信号処理システム、信号処理装置、及び信号処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、Webアプリケーションを利用した電子会議システムなどのコミュニケーションシステムが知られている(例えば、特許文献1を参照)。このようなコミュニケーションシステムでは、例えば、講演やプレゼンテーションなどのストリーミングデータをネットワークを経由して複数の利用者に配信して、複数の利用者の間でコミュニケーションを行うことが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述のようなコミュニケーションシステムでは、例えば、プレゼンテーションなどのストリーミングデータを、配信先の利用者からの音信号などの通信を行わずに、利用者に配信した場合に、配信元では、配信先の利用者のリアクションなどの反応がわからずに、話し難く感じることがある。
そのため、上述のようなコミュニケーションシステムでは、ストリーミングデータを配信する場合に、配信先の利用者の反応を適切に知ることが困難であった。
また、コミュニケーションシステムには、「拍手」ボタンを押すことで、拍手の絵の表示ができるシステムがある。しかし、絵の表示では臨場感に欠ける。
【0005】
本発明は、上記問題を解決すべくなされたもので、その目的は、ストリーミングデータを配信する場合に、配信先の利用者の反応を適切に知ることができる信号処理システム、信号処理装置、及び信号処理方法を提供することにある。さらに、利用者が臨場感を感じる信号処理システム、信号処理装置、及び信号処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題を解決するために、本発明の一態様は、ストリーミングデータを受信する第1の端末装置及び第2の端末装置を少なくとも含む複数の装置と、前記複数の装置との間で通信可能なコミュニケーションシステムと、に接続する信号処理システムであって、前記ストリーミングデータを受信した前記第1の端末装置から得られる第1音データの指定と、前記ストリーミングデータを受信した前記第2の端末装置から得られる第2音データの指定とを受け付ける受付部と、前記第1音データと前記第2音データとを取得し、前記第1音データに基づく第1音信号と、前記第2音データに基づく第2音信号とを混合した第3音信号を生成する信号処理部と、前記コミュニケーションシステムと前記第1の端末装置とが接続された通信回線を通じて、前記第3音信号を前記コミュニケーションシステムに送信する送信部とを備える信号処理システムである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ストリーミングデータを配信する場合に、配信先の利用者の反応を適切に知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1の実施形態による信号処理システムの一例を示すブロック図である。
【
図2】第1の実施形態における音データ記憶部のデータ例を示す図である。
【
図3】第1の実施形態における履歴情報記憶部のデータ例を示す図である。
【
図4】第1の実施形態における音データの指定のための指定メニュー画面の一例を示す図である。
【
図5】第1の実施形態による信号処理システムの動作の一例を説明する図である。
【
図6】第1の実施形態による信号処理システムの複数の端末装置から音データを指定する動作の一例を示す図である。
【
図7】第1の実施形態おける指定される音データの一例を示す図である。
【
図8】第1の実施形態おける指定された音データを混合した混合音信号の一例を示す図である。
【
図9】第1の実施形態による信号処理システムの1つの端末装置から複数の音データを指定する動作の一例を示す図である。
【
図10】第2の実施形態による信号処理システムの一例を示すブロック図である。
【
図11】第2の実施形態による信号処理システムの動作の一例を説明する図である。
【
図12】第2の実施形態による信号処理システムの複数の端末装置から音データを指定する動作の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態による信号処理システム、信号処理装置、及び信号処理方法について、図面を参照して説明する。
【0010】
[第1の実施形態]
図1は、本実施形態による信号処理システム1の一例を示すブロック図である。
信号処理システム1は、コミュニケーションシステム200と、端末装置20及び端末装置30とを少なくとも含む複数の装置と、に接続するシステムであって、アプリホスト装置10を備える。
【0011】
コミュニケーションシステム200は、通信回線を通じて複数の装置の間で通信を行うシステムであり、例えば、電子会議システムや動画配信システムなどである。コミュニケーションシステム200は、例えば、ネットワークNW1を介して、信号処理システム1に接続される。本実施形態では、コミュニケーションシステム200は、配信者PUが、プレゼンテーションや講演などのストリーミングデータを、ネットワークNW1を介して、端末装置20及び端末装置30に配信する例について説明する。
コミュニケーションシステム200は、コミュニケーションシステムサーバ210と、配信元装置220と、マイク230と、スピーカ240とを備え、端末装置20及び端末装置30を少なくとも含む複数の装置と接続可能である。
【0012】
コミュニケーションシステムサーバ210は、例えば、コミュニケーションシステム200を管理するサーバ装置である。コミュニケーションシステムサーバ210は、ネットワークNW1を介して、ストリーミングデータ、画像データ、音信号などの情報を、各種装置から受信し、ネットワークNW1を介して、接続先の装置に、ストリーミングデータなどの情報を送信(配信)する。
【0013】
配信元装置220は、例えば、配信者PUがプレゼンテーションや講演などのストリーミングデータをリアルタイムで配信する端末装置である。配信元装置220は、マイク230及びスピーカ240が接続されている。また、配信元装置220は、例えば、ストリーミングデータをライブ配信するためのカメラ(不図示)を内蔵しているものとする。ここで、配信者PUとは、例えば、ストリーミングデータを配信するコミュニケーションシステム200の利用者である。配信元装置220は、ネットワークNW1を介して、コミュニケーションシステムサーバ210に、ストリーミングデータを送信する。
【0014】
マイク230は、配信元装置220の周辺の音を収音し、音信号を配信元装置220に出力する。
スピーカ240は、コミュニケーションシステムサーバ210から配信される音信号を出力する。また、スピーカ240は、例えば、後述する端末装置20及び端末装置30から指定された拍手などの音データに基づく音信号を出力する。
【0015】
端末装置20(第1の端末装置の一例)は、通信回線を通じてコミュニケーションシステム200に接続され、コミュニケーションシステム200からストリーミングデータが配信される。端末装置20は、例えば、パーソナルコンピュータや、タブレット端末装置、スマートフォンなどである。端末装置20は、コミュニケーションシステム200により、配信元装置220から配信されたストリーミングデータを受信して、ストリーミングデータに基づく映像信号及び音信号を、利用者AU1に対して出力する。
【0016】
また、端末装置20は、例えば、拍手などの音データを、配信元装置220に送信するためのアプリケーション(以下、アプリということがある)を実行することで、アプリホスト装置10に対して、音データの指定を行う。
また、端末装置20は、NW(ネットワーク)通信部21と、入力部22と、表示部23と、マイク24と、スピーカ25と、端末制御部26とを備える。
【0017】
NW通信部21は、ネットワークNW1に接続可能なインターフェース部であり、ネットワークNW1を介して、コミュニケーションシステム200やアプリホスト装置10との間の通信を行う。
【0018】
入力部22は、例えば、キーボードやマウス、タッチパネルなどの入力装置であり、利用者AU1からの各種入力を受け付ける。入力部22は、例えば、コミュニケーションシステム200を使用する際の各種操作や、拍手などの音データの指定に用いられる。
表示部23は、例えば、液晶ディスプレイなどの表示装置であり、コミュニケーションシステム200により配信された画像や映像、及び、各種操作画面の画像などを表示する。
【0019】
マイク24(収音部の一例)は、端末装置20の周辺の音を収音して、音信号を生成し、端末制御部26に出力する。なお、マイク24は、端末装置20に内蔵された内蔵マイクであってもよいし、外付けマイクであってもよい。
スピーカ25は、コミュニケーションシステム200により配信された音データなどの音信号を出力する。なお、スピーカ25は、端末装置20に内蔵された内蔵スピーカであってもよいし、外付けスピーカであってもよい。
【0020】
端末制御部26は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などを含むプロセッサであり、端末装置20を制御する。端末制御部26は、コミュニケーション処理部261と、アプリ処理部262とを備える。
コミュニケーション処理部261は、NW通信部21を介して、コミュニケーションシステム200に接続し、他の装置との間で通信を行う。コミュニケーション処理部261は、配信元装置220が配信したストリーミングデータを、NW通信部21を介して受信し、ストリーミングデータに基づく映像信号を表示部23に表示させ、ストリーミングデータに基づく音信号をスピーカ25に出力させる。
【0021】
また、コミュニケーション処理部261は、後述するアプリホスト装置10からNW通信部21を介して受信した音信号(混合音信号)を、マイク34が収音した音データとミキシング(混合)して、NW通信部21を介して、コミュニケーションシステム200に送信する。
【0022】
アプリ処理部262は、NW通信部21を介して、アプリホスト装置10に接続し、拍手などの音データの指定を行う処理を実行する。アプリ処理部262は、アプリホスト装置10から送信された指定メニュー画面の画像を表示部23に表示させる。ここで、指定メニュー画面は、例えば、複数の音データの中から、コミュニケーションシステム200に送信する音データを選択して指定するためのメニュー画面である。また、アプリ処理部262は、入力部22を用いて、利用者AU1によって、指定メニュー画面から指定された音データの指定情報を、NW通信部21を介して、アプリホスト装置10に送信する。
【0023】
端末装置30(第2の端末装置の一例)は、通信回線を通じてコミュニケーションシステム200に接続され、コミュニケーションシステム200からストリーミングデータが配信される。端末装置30は、例えば、パーソナルコンピュータや、タブレット端末装置、スマートフォンなどである。端末装置30は、コミュニケーションシステム200により、配信元装置220から配信されたストリーミングデータを受信して、ストリーミングデータに基づく映像信号及び音信号を、利用者AU2に対して出力する。
【0024】
端末装置30は、例えば、拍手などの音データを、配信元装置220に送信するためのアプリケーションを実行することで、アプリホスト装置10に対して、音データの指定を行う。端末装置30は、NW通信部31と、入力部32と、表示部33と、マイク34と、スピーカ35と、端末制御部36とを備える。
【0025】
NW通信部31は、NW通信部21と同様の構成及び機能を含む。入力部32は、入力部22と同様の構成及び機能を含む。表示部33は、表示部23と同様の構成及び機能を有する。マイク34は、マイク24と同様の構成及び機能を有する。スピーカ35は、スピーカ25と同様の構成及び機能を有する。
端末制御部36は、端末制御部26と同様の構成及び機能を有する。端末制御部36は、コミュニケーション処理部361と、アプリ処理部362とを備える。
コミュニケーション処理部361は、コミュニケーション処理部261と同様の構成及び機能を有する。
アプリ処理部362は、アプリ処理部262と同様の構成及び機能を有する。
【0026】
なお、本実施形態において、端末装置20が、アプリホスト装置10が生成した混合音信号を、コミュニケーションシステム200に送信するのに対して、端末装置30は、混合音信号を、コミュニケーションシステム200に送信しない点が異なる。
また、
図1では、端末装置30が1つである場合を記載しているが、信号処理システム1が、複数の端末装置30を備えるようにしてもよい。
【0027】
アプリホスト装置10は、ネットワークNW1に接続されたサーバ装置であり、例えば、拍手などの音データの指定を行うWebサイトを実現するWebサーバである。アプリホスト装置10は、音データの指定を行うWebサイトを利用して、端末装置20及び端末装置30によって指定された音データを混合した混合音信号を生成する。アプリホスト装置10は、端末装置20の接続回線を通じて、コミュニケーションシステム200に混合音信号を送信する。
アプリホスト装置10は、NW通信部11と、記憶部12と、アプリ制御部13とを備える。
【0028】
NW通信部11(送信部の一例)は、ネットワークNW1に接続可能なインターフェース部であり、ネットワークNW1を介して、端末装置20及び端末装置30との間の通信を行う。
記憶部12は、アプリホスト装置10が利用する各種情報を記憶する。記憶部12は、音データ記憶部121と、履歴情報記憶部122とを備える。
【0029】
音データ記憶部121は、端末装置20及び端末装置30から指定可能な音データを記憶する。ここで、
図2を参照して、音データ記憶部121のデータ例について説明する。
【0030】
図2は、本実施形態における音データ記憶部121のデータ例を示す図である。
音データ記憶部121は、音データ名と、音データとを対応付けて記憶する。ここで、音データ名は、アプリホスト装置10において、指定可能な音データの名称であり、音データを識別する識別情報である。また、音データは、音データのファイル名を示している。このように、音データ記憶部121は、音データの識別情報と、音データとを対応付けて記憶する。
【0031】
例えば、
図2に示す例では、音データ記憶部121には、音データ名が、“拍手01”の音データとして、“clap-01.wav”が記憶されていることを示している。また、音データ記憶部121には、音データ名が、“拍手02”の音データとして、“clap-02.wav”が記憶されていることを示している。
【0032】
なお、音データは、例えば、種類の異なる拍手の音データの他に、“へえー”、“音が聞こえません”などの音声データ、プレゼンテーションの終了時刻を示すベルの音データなどであってもよい。
【0033】
図1の説明に戻り、履歴情報記憶部122は、端末装置20及び端末装置30から指定された音データの履歴情報を記憶する。ここで、
図3を参照して、履歴情報記憶部122のデータ例について説明する。
【0034】
図3は、本実施形態における履歴情報記憶部122のデータ例を示す図である。
履歴情報記憶部122は、日時と、端末情報と、音データ名とを対応付けて記憶する。ここで、日時は、端末装置20及び端末装置30によって、音データが指定された日付及び時刻を示し、端末情報は、端末装置20及び端末装置30の識別情報を示している。また、音データ名は、端末装置20及び端末装置30によって指定された音データ名を示している。
【0035】
図3に示す例では、日時が“2020/7/20 10:00:00”に、“端末A”から音データ名“拍手01”の音データが指定されたことを示している。また、日時が“2020/7/20 10:00:15”に、“端末B”から音データ名“拍手02”の音データが指定されたことを示している。
【0036】
再び、
図1の説明に戻り、アプリ制御部13は、例えば、CPUなどを含むプロセッサであり、アプリホスト装置10を制御する。アプリ制御部13は、音データ受付部131と、信号処理部132とを備える。
【0037】
音データ受付部131(受付部の一例)は、端末装置20及び端末装置30からの音データの指定を受け付ける。音データ受付部131は、例えば、ストリーミングデータを受信した端末装置20から得られる第1音データの指定と、ストリーミングデータを受信した端末装置30から得られる第2音データの指定とを受け付ける。
【0038】
音データ受付部131は、例えば、音データを指定する指定メニュー画面を端末装置20及び端末装置30に表示させ、音データの指定を受け付ける。音データ受付部131は、例えば、
図4に示すような指定メニュー画面の画像を、NW通信部11を介して、端末装置20及び端末装置30に送信して表示させる。
【0039】
図4は、本実施形態における音データの指定のための指定メニュー画面の一例を示す図である。
音データ受付部131は、
図4に示すように、指定可能な音データを示す音データ情報と、当該音データの再生時間(再生期間)を視認可能に示す再生バーとを含む指定メニュー画面の画像(指定メニュー画像G1)を、端末装置20及び端末装置30に表示させる。ここで、再生バーは、再生時間(再生期間)に対応した長さになっている。なお、再生バーは、同一の長さにして、再生時間(再生期間)に応じて再生バーの移動速度(例えば、再生時間の逆数など)を変更するようにしてもよい。
【0040】
利用者AU1~AU3は、端末装置20の入力部22又は端末装置30の入力部32を操作して、指定メニュー画像G1における音データの部分を押下(クリック)することで、音データを指定する。
【0041】
音データ受付部131は、端末装置20及び端末装置30から音データの指定を受け付けた場合に、
図3に示すように、日時と、端末情報と、音データ名とを対応付けて履歴情報記憶部122に記憶させる。
【0042】
また、音データ受付部131は、音データの指定を受け付けた場合に、当該指定の音データを取得する。この場合、音データ受付部131は、指定の音データを音データ記憶部121から取得する。音データ受付部131は、取得した当該指定の音データに基づく指定の音信号を、端末装置20及び端末装置30のうちの指定元の端末装置に送信して、指定元の端末装置に当該指定の音信号を出力させる。
【0043】
信号処理部132は、音データ受付部131が端末装置20及び端末装置30から指定を受け付けた音データを、音データ記憶部121から取得し、指定された複数の音データに基づく音信号を混合(ミキシング)して混合音信号を生成する。信号処理部132は、例えば、端末装置20から指定された第1音データと、端末装置30から指定された第2音データとを音データ記憶部121から取得し、第1音データに基づく第1音信号と、第2音データに基づく第2音信号とを混合した混合音信号(第3音信号)を生成する。
【0044】
なお、信号処理部132は、履歴情報記憶部122が記憶する履歴情報を読み出すことで、音データ受付部131が受け付けた音データの指定を取得する。信号処理部132は、履歴情報記憶部122が記憶する履歴情報の音データ名を取得し、取得した音データ名に対応する音データを、音データ記憶部121から取得する。
【0045】
また、信号処理部132は、音データ受付部131が端末装置20及び端末装置30のうちの同一の端末装置から重複して複数の音データの指定を受け付けた場合に、指定された複数の音データに基づく複数の音信号を混合した混合音信号(第3音信号)を生成する。この場合、信号処理部132は、指定された複数の音データを音データ記憶部121から取得し、複数の音データを複数の音信号に変換して、当該複数の音信号を混合して混合音信号を生成する。
【0046】
信号処理部132は、生成した混合音信号(第3音信号)を、NW通信部11を介して、端末装置20に送信する。NW通信部11は、コミュニケーションシステム200と端末装置20とが接続された通信回線を通じて、混合音信号(第3音信号)をコミュニケーションシステム200に送信する。
【0047】
次に、図面を参照して、本実施形態による信号処理システム1について説明する。
図5は、本実施形態による信号処理システム1の動作の一例を説明する図である。また、
図6は、本実施形態による信号処理システム1の複数の端末装置(20、30)から音データを指定する動作の一例を示す図である。
【0048】
コミュニケーションシステム200及び信号処理システム1に、1台の端末装置20と、2台の端末装置30(30-1、30-2)とが接続されている場合の一例を示している。また、利用者AU1は、配信元装置220から配信されたストリーミングデータを視聴している端末装置20の利用者を示し、利用者AU2は、配信元装置220から配信されたストリーミングデータを視聴している端末装置30-1の利用者を示している。また、利用者AU3は、配信元装置220から配信されたストリーミングデータを視聴している端末装置30-2の利用者を示している。
【0049】
端末装置20は、通信回線RT1を通じて、コミュニケーションシステム200に接続されており、端末装置30-1は、通信回線RT2を通じて、コミュニケーションシステム200に接続されている。また、端末装置30-2は、通信回線RT3を通じて、コミュニケーションシステム200に接続されている。
【0050】
図6に示すように、まず、配信元装置220が、ストリーミングデータの収録を開始する(ステップS101)。配信元装置220は、接続されているマイク230及び内蔵カメラ(不図示)により、配信者PUの講演やプレゼンテーションなどのストリーミングデータを収録する。
【0051】
次に、配信元装置220は、収録したストリーミングデータを、コミュニケーションシステムサーバ210に送信する(ステップS102)。配信元装置220は、収録したストリーミングデータを、リアルタイムにコミュニケーションシステムサーバ210に送信する。
【0052】
次に、コミュニケーションシステムサーバ210は、端末装置20及び端末装置30(30-1、30-2)に、ストリーミングデータを配信する(ステップS103)。
【0053】
端末装置20は、コミュニケーションシステムサーバ210から配信されたストリーミングデータを再生開始する(ステップS104)。コミュニケーション処理部261は、通信回線RT1を通じて、ストリーミングデータを受信し、受信したストリーミングデータに基づく映像信号を表示部23に表示させ、ストリーミングデータに基づく音信号をスピーカ25に出力させる。
【0054】
また、端末装置30-1は、コミュニケーションシステムサーバ210から配信されたストリーミングデータを再生開始する(ステップS105)。端末装置30-1のコミュニケーション処理部361は、通信回線RT2を通じて、ストリーミングデータを受信し、受信したストリーミングデータに基づく映像信号を表示部33に表示させ、ストリーミングデータに基づく音信号をスピーカ35に出力させる。
【0055】
また、端末装置30-2は、コミュニケーションシステムサーバ210から配信されたストリーミングデータを再生開始する(ステップS106)。端末装置30-2のコミュニケーション処理部361は、通信回線RT2を通じて、ストリーミングデータを受信し、受信したストリーミングデータに基づく映像信号を表示部33に表示させ、ストリーミングデータに基づく音信号をスピーカ35に出力させる。
【0056】
次に、端末装置20は、音データの指定をアプリホスト装置10に送信する(ステップS107)。端末装置20のアプリ処理部262は、利用者AU1による入力部22の操作に応じて、拍手などの音データの指定を、アプリホスト装置10に送信する。
【0057】
また、端末装置30-1は、音データの指定をアプリホスト装置10に送信する(ステップS108)。端末装置30-1のアプリ処理部362は、利用者AU2による入力部22の操作に応じて、拍手などの音データの指定を、アプリホスト装置10に送信する。
【0058】
また、端末装置30-2は、音データの指定をアプリホスト装置10に送信する(ステップS109)。端末装置30-2のアプリ処理部362は、利用者AU3による入力部22の操作に応じて、拍手などの音データの指定を、アプリホスト装置10に送信する。
【0059】
次に、アプリホスト装置10は、音データの受け付け処理を実行する(ステップS110)。アプリホスト装置10の音データ受付部131は、端末装置20から指定された音データ(第1音データ)と、端末装置30-1及び端末装置30-2から指定された音データ(第2音データ)とを受け付ける。音データ受付部131は、音データの指定を受け付けた場合に、日時と、端末情報と、音データ名とを対応付けて履歴情報記憶部122に記憶させる。
【0060】
次に、アプリホスト装置10の音データ受付部131は、指定の音信号を端末装置20に送信する(ステップS111)。音データ受付部131は、端末装置20が指定した音データを、音データ記憶部121から取得し、取得した音データに基づく指定の音信号を端末装置20に送信する。これにより、端末装置20のアプリ処理部262は、受信した指定の音信号を、スピーカ25に出力する(
図5参照)。
【0061】
また、アプリホスト装置10の音データ受付部131は、指定の音信号を端末装置30-1に送信する(ステップS112)。音データ受付部131は、端末装置30-1が指定した音データを、音データ記憶部121から取得し、取得した音データに基づく指定の音信号を端末装置30-1に送信する。これにより、端末装置30-1のアプリ処理部362は、受信した指定の音信号を、スピーカ35に出力する(
図5参照)。
【0062】
また、アプリホスト装置10の音データ受付部131は、指定の音信号を端末装置30-2に送信する(ステップS113)。音データ受付部131は、端末装置30-2が指定した音データを、音データ記憶部121から取得し、取得した音データに基づく指定の音信号を端末装置30-2に送信する。これにより、端末装置30-2のアプリ処理部362は、受信した指定の音信号を、スピーカ35に出力する(
図5参照)。
【0063】
次に、アプリホスト装置10は、指定の全音信号を混合する(ステップS114)。アプリホスト装置10の信号処理部132は、履歴情報記憶部122から、指定された音データ名を全て取得し、取得した全ての音データ名に対応する全ての音データを音データ記憶部121から取得する。信号処理部132は、取得した全ての音データに基づく音信号を混合(ミキシング)して、混合音信号(第3音信号)を生成する。
【0064】
例えば、端末装置20が、“clap-01.wav”の音データを指定し、端末装置30-1が、“clap-02.wav”の音データを指定し、端末装置30-2が、“clap-03.wav”の音データを指定したとする。この場合、信号処理部132は、
図7に示すような、“clap-01.wav”、“clap-02.wav”、及び“clap-03.wav”の音信号を生成して書く音信号を混合して、
図8に示すような混合音信号を生成する。
【0065】
なお、信号処理部132は、
図8に示すように、混合音信号をモノラル音信号として生成してもよいし、ステレオ音信号として生成してもよい。また、信号処理部132は、例えば、所定の間隔(例えば、0.5秒間隔)でリアルタイムに混合処理を実行する。また、信号処理部132は、同一の音データが複数、且つ同時に指定された場合には、同一の音データを所定の期間ずらして音信号を生成して、混合音信号を生成してもよいし、同一の音データのテンポを変換して、音信号を生成して、混合音信号を生成してもよい。
【0066】
図6の説明に戻り、アプリホスト装置10は、混合音信号を端末装置20に送信する(ステップS115)。アプリホスト装置10のNW通信部11は、信号処理部132が生成した混合音信号を、端末装置20から通信回線RT1を通じて、コミュニケーションシステム200に送信させるために、端末装置20に送信する。
【0067】
次に、端末装置20は、受信した混合音信号と、マイク入力信号(入力音信号)とを混合する(ステップS116)。端末装置20のコミュニケーション処理部261は、
図5に示すように、ミキシング部263(混合部の一例)を備えており、ミキシング部263は、アプリホスト装置10から受信した混合音信号(第3音信号)と、マイク24が収音した入力音信号(第4音信号)とを混合(ミキシング)して、混合音信号(第5音信号)を生成する。なお、ミキシング部263は、マイク24から入力された音信号がない場合には、アプリホスト装置10から受信した混合音信号(第3音信号)を出力する。
なお、端末装置20は、マイク24が収音した入力音信号(第4音信号)との混合を行わない構成であってもよい。例えば、端末装置20は、マイク24から入力された音信号と混合音信号(第3音信号)とをスイッチで切り替える構成であってもよい。
【0068】
次に、端末装置20は、混合音信号を、コミュニケーションシステムサーバ210に送信する(ステップS117)。すなわち、コミュニケーション処理部261は、通信回線RT1を通じて、ミキシング部263から出力された混合音信号(第3音信号又は第5音信号)をコミュニケーションシステム200に送信する。ここで、通信回線RT1は、コミュニケーションシステム200と端末装置20とが接続された通信回線である。
【0069】
次に、コミュニケーションシステムサーバ210は、混合音信号を配信元装置220に送信する(ステップS118)。コミュニケーションシステムサーバ210は、端末装置20から受信した混合音信号(第3音信号又は第5音信号)を配信元装置220に送信する。
【0070】
次に、配信元装置220は、受信した混合音信号を再生する(ステップS119)。すなわち、配信元装置220は、端末装置20及び端末装置30(30-1、30-2)によって、利用者AU1~利用者AU3が指定した拍手などの混合音信号を、スピーカ240に出力する。
これにより、利用者AU1~利用者AU3の拍手などの反応を、講演やプレゼンテーションなど配信している配信者PUにリアルタイムで伝えることができる。
【0071】
次に、
図9を参照して、本実施形態による信号処理システム1の1つの端末装置から複数の音データを指定する動作について説明する。
図9は、本実施形態による信号処理システム1の1つの端末装置から複数の音データを指定する動作の一例を示す図である。
【0072】
図9において、ステップS201からステップS206までの処理は、上述した
図6に示すステップS101からステップS106までの処理と同様であるため、ここではその説明を省略する。
【0073】
ステップS207において、端末装置30-1は、音データの複数の指定をアプリホスト装置10に送信する。端末装置30-1のアプリ処理部362は、利用者AU2による入力部22の操作に応じて、例えば、“拍手01”~“拍手03”の3つの音データの指定を、アプリホスト装置10に送信する。
【0074】
次に、アプリホスト装置10は、音データの受け付け処理を実行する(ステップS208)。アプリホスト装置10の音データ受付部131は、端末装置30-1から指定された3つの音データ(第2音データ)とを受け付ける。音データ受付部131は、3つの音データの指定を受け付けた場合に、
図3に示すように、日時と、端末情報と、音データ名(例えば、“拍手01”~“拍手03”)とを対応付けて履歴情報記憶部122に記憶させる。
【0075】
次に、アプリホスト装置10の音データ受付部131は、指定の3つの音信号を端末装置20に送信する(ステップS209)。音データ受付部131は、端末装置30-1が指定した3つの音データ(例えば、“拍手01”~“拍手03”)を、音データ記憶部121から取得し、取得した3つの音データに基づく3つの指定の音信号を端末装置30-1に送信する。これにより、端末装置30-1のアプリ処理部362は、受信した3つの指定の音信号を、スピーカ25に出力する。
【0076】
次に、アプリホスト装置10は、指定の全音信号を混合する(ステップS210)。アプリホスト装置10の信号処理部132は、履歴情報記憶部122から、指定された3つの音データ名を全て取得し、取得した3つの音データ名に対応する3つの音データを音データ記憶部121から取得する。信号処理部132は、取得した3つの音データに基づく3つの音信号を混合(ミキシング)して、混合音信号(第3音信号)を生成する。
【0077】
次に、アプリホスト装置10は、混合音信号を端末装置20に送信する(ステップS211)。ステップS211からステップS215までの処理は、上述した
図6に示すステップS115からステップS119までの処理と同様であるため、ここではその説明を省略する。ステップS119において、配信元装置220は、端末装置30-1によって、利用者AU2が指定した3つの音データ(例えば、“拍手01”~“拍手03”)の混合音信号を、スピーカ240に出力する。
【0078】
以上説明したように、本実施形態による信号処理システム1は、ストリーミングデータを受信する端末装置20(第1の端末装置)及び端末装置30(第2の端末装置)を少なくとも含む複数の装置と、複数の装置との間で通信可能なコミュニケーションシステム200と、に接続するシステムであって、音データ受付部131(受付部)と、信号処理部132と、NW通信部11(送信部)とを備える。音データ受付部131は、ストリーミングデータを受信した端末装置20から得られる第1音データの指定と、ストリーミングデータを受信した端末装置30から得られる第2音データの指定とを受け付ける。信号処理部132は、第1音データと第2音データとを取得し、第1音データに基づく第1音信号と、第2音データに基づく第2音信号とを混合した第3音信号(混合音信号)を生成する。NW通信部11は、コミュニケーションシステム200と端末装置20とが接続された通信回線RT1を通じて、第3音信号をコミュニケーションシステム200に送信する。なお、送信部は、NW通信部11の代わりに、コミュニケーション処理部261又はNW通信部21であってもよい。
【0079】
このような構成により、本実施形態による信号処理システム1は、音データ受付部131により、端末装置20が指定した第1音データに基づく第1音信号と、端末装置30が指定した第2音データに基づく第1音信号とを混合した第3音信号(混合音信号)を、端末装置20が接続された通信回線RT1を通じて、コミュニケーションシステム200に送信する。そのため、本実施形態による信号処理システム1は、既存のコミュニケーションシステム200を変更せずに、端末装置20及び端末装置30が指定した音データ(拍手など)を、端末装置20が、他の端末装置が指定した音データも含めて取りまとめて、一か所から、例えば、ストリーミングデータの配信元などに送信することができる。これにより、本実施形態による信号処理システム1は、ストリーミングデータに対する利用者の反応を伝えることができる。よって、本実施形態による信号処理システム1は、ストリーミングデータを配信する場合に、配信先の利用者の反応を適切に知ることができる。本実施形態による信号処理システム1は、例えば、リアルに拍手が起こっている雰囲気をストリーミングデータの配信元(例えば、配信者PU)に伝えることができる。
【0080】
また、本実施形態による信号処理システム1は、音データ受付部131により指定した音データに基づく音信号を混合して送信するため、マイク(24、34)からの入力と異なり、ハウリングやエコーの発生を抑制することができる。
【0081】
また、本実施形態による信号処理システム1は、端末装置20と接続されたマイク24(収音部)が収音した第4音信号(入力音信号)と、第3音信号(混合音信号)とを混合して、第5音信号(混合音信号)を生成するミキシング部263(混合部)を備える。NW通信部11は、第5音信号(混合音信号)を、コミュニケーションシステム200のストリーミングデータの配信元(例えば、配信元装置220)を送信先にして送信させる。なお、ミキシング部263が、信号処理部132に含まれるものとしてもよい。すなわち、信号処理部132は、端末装置20と接続されたマイク24(収音部)が収音した第4音信号と、第3音信号とを混合して、第5音信号を生成し、コミュニケーション処理部261又はNW通信部21(送信部の一例)が、第5音信号を、コミュニケーションシステム200のストリーミングデータの配信元に送信するようにしてもよい。
【0082】
これにより、本実施形態による信号処理システム1は、1つの通信回線RT1でマイク入力(第4音信号)と指定した音データ(第1音信号及び第2音信号)とを混合して、送信できるとともに、ストリーミングデータに対する利用者の反応を、リアルタイムで配信元(例えば、配信元装置220)に伝えることができる。
【0083】
また、本実施形態では、信号処理部132は、音データ受付部131が端末装置20及び端末装置30のうちの同一の端末装置から重複して複数の音データの指定を受け付けた場合に、指定された複数の音データに基づく複数の音信号を混合した第3音信号(混合音信号)を生成する。
【0084】
これにより、本実施形態による信号処理システム1は、1つの端末装置(端末装置20又は端末装置30)から指定した複数の音データに基づく複数の音信号を混合して、ストリーミングデータの配信元に送信できるので、ストリーミングデータに対する拍手などの利用者の反応を、よりリアルに伝えることができ、臨場感を演出することができる。
【0085】
また、本実施形態による信号処理システム1は、音データ受付部131によって指定可能な音データを記憶する音データ記憶部121を備える(
図2参照)。信号処理部132は、音データ記憶部121から第1音データと第2音データとを取得する。
【0086】
これにより、音データ記憶部121に様々な音データを記憶することで、本実施形態による信号処理システム1は、様々な音データに基づく音信号をストリーミングデータの配信元に送信できることが可能になり、状況に応じた利用者の多様な反応を、ストリーミングデータの配信元に送信することができる。
【0087】
また、音データ受付部131は、音データの指定を受け付けた場合に、当該指定の音データを取得し、取得した当該指定の音データに基づく指定の音信号を、端末装置20及び端末装置30のうちの指定元の端末装置に送信して、指定元の端末装置に当該指定の音信号を出力させる。
これにより、本実施形態による信号処理システム1は、指定した音データを、指定した端末装置において、音信号で確認することができる。
【0088】
また、本実施形態では、音データ受付部131は、指定可能な音データを示す音データ情報と、当該音データの再生時間を視認可能に示す再生バーであって、再生時間に対応した長さの再生バーとを含む指定メニュー画像G1(指定メニュー画面の画像)を、端末装置20及び端末装置30に表示させる(
図4参照)。
これにより、本実施形態による信号処理システム1は、利用者が、音データの再生時間を考慮して、音データを選択することができる。よって、本実施形態による信号処理システム1は、利用者の利便性を向上させることができる。
【0089】
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態による信号処理システム1aについて説明する。第2の実施形態では、第1の実施形態におけるアプリホスト装置10の機能が、アプリホスト装置10aと、アプリ処理装置40とに分割されている点が、第1の実施形態と異なる。
【0090】
図10は、本実施形態による信号処理システム1aの一例を示すブロック図である。
信号処理システム1aは、コミュニケーションシステム200と、端末装置20及び端末装置30とを少なくとも含む複数の装置と、に接続するシステムであって、アプリホスト装置10aと、アプリ処理装置40とを備える。
なお、
図10において、上述した
図1と同一の構成には同一の符号を付与してその説明を省略する。
【0091】
アプリホスト装置10aは、ネットワークNW1に接続されたサーバ装置であり、例えば、拍手などの音データの指定を行うWebサイトを実現するWebサーバである。アプリホスト装置10aは、音データの指定を行うWebサイトを利用して、端末装置20及び端末装置30から、例えば、拍手などの音データの指定を受け付ける。アプリホスト装置10aは、音データ受付部131が端末装置20からの第1音データの指定、又は、端末装置30からの第2音データの指定を受け付けた場合に、第1音データ又は第2音データが指定されたことを示すコマンドを生成し、後述するアプリ処理装置40に送信する。
アプリホスト装置10aは、NW通信部11と、記憶部12と、アプリ制御部13aとを備える。
【0092】
アプリ制御部13aは、例えば、CPUなどを含むプロセッサであり、アプリホスト装置10aを制御する。アプリ制御部13aは、音データ受付部131と、コマンド処理部133とを備える。
【0093】
コマンド処理部133は、音データ受付部131が端末装置20からの第1音データの指定、又は、端末装置30からの第2音データの指定を受け付けた場合に、第1音データ又は第2音データが指定されたことを示すコマンドを生成する。コマンド処理部133は、例えば、履歴情報記憶部122が記憶する情報に基づいて、指定された音データを示す情報(例えば、音データ名など)を含むコマンドを生成する。コマンド処理部133は、生成したコマンドを、NW通信部11を介して、アプリ処理装置40に送信する。
【0094】
アプリ処理装置40は、指定された音データを取得して、取得した音データに基づく音信号を混合した混合音信号(第3信号)を生成する。アプリ処理装置40は、上述したアプリホスト装置10aのコマンド処理部133が生成したコマンドに基づいて、指定された音データ(例えば、第1音データ及び第2音データ)を取得し、取得した音データに基づく音信号(例えば、第1音信号及び第2音信号)を混合して、混合音信号(第3信号)を生成する。
アプリ処理装置40は、NW通信部41と、音データ記憶部42と、信号処理部43とを備える。
【0095】
NW通信部41(送信部の一例)は、ネットワークNW1に接続可能なインターフェース部であり、ネットワークNW1を介して、アプリホスト装置10a、及び端末装置20との間の通信を行う。NW通信部41は、コミュニケーションシステム200と端末装置20とが接続された通信回線RT1を通じて、混合音信号(第3音信号)をコミュニケーションシステム200に送信する。
【0096】
音データ記憶部42は、音データ記憶部121と同様に、音データ名と、音データとを対応付けて記憶する。
信号処理部43は、アプリホスト装置10aから受信したコマンドに基づいて、音データ受付部131が端末装置20及び端末装置30から指定を受け付けた音データを、音データ記憶部42から取得し、指定された複数の音データに基づく音信号を混合(ミキシング)して混合音信号を生成する。信号処理部43は、例えば、端末装置20から指定された第1音データと、端末装置30から指定された第2音データとを音データ記憶部121から取得し、第1音データに基づく第1音信号と、第2音データに基づく第2音信号とを混合した混合音信号(第3音信号)を生成する。
【0097】
また、信号処理部43は、アプリホスト装置10aから受信したコマンドに基づいて、音データ受付部131が端末装置20及び端末装置30のうちの同一の端末装置から重複して複数の音データの指定を受け付けた場合に、指定された複数の音データに基づく複数の音信号を混合した混合音信号(第3音信号)を生成する。
【0098】
信号処理部43は、生成した混合音信号(第3音信号)を、NW通信部41を介して、端末装置20に送信して、コミュニケーションシステム200と端末装置20とが接続された通信回線RT1を通じて、混合音信号(第3音信号)をコミュニケーションシステム200に送信させる。すなわち、NW通信部41は、コミュニケーションシステム200と端末装置20とが接続された通信回線RT1を通じて、混合音信号(第3音信号)をコミュニケーションシステム200に送信する。
【0099】
次に、
図11を参照して、本実施形態による信号処理システム1aの動作について説明する。
【0100】
図11において、アプリホスト装置10a及びアプリ処理装置40の動作が、第1の実施形態と異なる。その他の構成の動作は、
図5に示す第1の実施形態と同様である。
【0101】
アプリホスト装置10aのコマンド処理部133は、例えば、履歴情報記憶部122が記憶する情報に基づいて、指定された音データを示す情報(例えば、音データ名など)を含むコマンドを生成する。コマンド処理部133は、生成したコマンドを、NW通信部11を介して、アプリ処理装置40に送信する。
【0102】
また、アプリ処理装置40の信号処理部43は、アプリホスト装置10aから受信したコマンドに基づいて、指定された音データを、音データ記憶部42から取得し、取得した音データに基づく音信号を混合した混合音信号を生成する。そして、NW通信部41は、生成した混合音信号を、端末装置20に送信して、通信回線RT1を通じて、混合音信号(第3音信号)をコミュニケーションシステムサーバ210に送信させる。
【0103】
図12は、信号処理システム1aの複数の端末装置(20、30)から音データを指定する動作の一例を示す図である。
図12において、ステップS301からステップS313までの処理は、上述した
図6に示すステップS101からステップS113までの処理と同様であるため、ここではその説明を省略する。
【0104】
次に、ステップS314において、アプリホスト装置10aは、指定の音信号の混合のコマンドを送信する。アプリホスト装置10aのコマンド処理部133は、履歴情報記憶部122が記憶する情報に基づいて、例えば、端末装置20、端末装置30-1、及び端末装置30-2のそれぞれが指定した音データに対応する音データ名を含むコマンドを、指定の音信号の混合のコマンドとして生成する。コマンド処理部133は、生成したコマンドを、NW通信部11を介して、アプリ処理装置40に送信する。
【0105】
次に、アプリ処理装置40は、指定の全音信号を混合する(ステップS315)。アプリ処理装置40の信号処理部43は、受信したコマンドに基づいて、指定された全ての音データ名に対応する全ての音データを音データ記憶部42から取得する。信号処理部43は、取得した全ての音データに基づく音信号を混合(ミキシング)して、混合音信号(第3音信号)を生成する。
【0106】
次に、アプリ処理装置40は、混合音信号を端末装置20に送信する(ステップS316)。アプリ処理装置40のNW通信部41は、信号処理部43が生成した混合音信号を、端末装置20から通信回線RT1を通じて、コミュニケーションシステム200に送信させるために、端末装置20に送信する。
【0107】
続く、ステップS317からステップS320までの処理は、上述した
図6に示すステップS116からステップS119までの処理と同様であるため、ここではその説明を省略する。
【0108】
以上説明したように、本実施形態による信号処理システム1aは、アプリホスト装置10a(サーバ装置)と、アプリ処理装置40とを備える。アプリホスト装置10aは、音データ受付部131を備え、音データ受付部131が第1音データの指定、又は第2音データの指定を受け付けた場合に、第1音データ又は第2音データが指定されたことを示すコマンドを生成する。また、アプリ処理装置40は、信号処理部43とNW通信部41(送信部)とを備える。信号処理部43は、アプリホスト装置10aが生成したコマンドを取得し、取得したコマンドに基づいて、端末装置20が指定した第1音データと、端末装置30が指定した第2音データとを取得し、第1音データに基づく第1音信号と、第2音データに基づく第2音信号とを混合した混合音信号(第3音信号)を生成する。NW通信部41は、コミュニケーションシステム200と端末装置20とが接続された通信回線RT1を通じて、混合音信号(第3音信号)をコミュニケーションシステム200に送信する.
【0109】
これにより、本実施形態による信号処理システム1aは、上述した第1の実施形態の信号処理システム1と同様の効果を奏し、ストリーミングデータを配信する場合に、配信先の利用者の反応を適切に知ることができる。また、本実施形態による信号処理システム1aは、アプリホスト装置10aでコマンドを生成して、アプリ処理装置40と処理を分割することで、アプリホスト装置10aの処理負荷を軽減することができる。
【0110】
なお、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
例えば、上記の各実施形態において、信号処理システム1(1a)は、音データ記憶部121(42)を備え、音データ記憶部121(42)から音データを取得する例を説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、外部のファイルサーバなどから音データを取得するようにしてもよい。
【0111】
また、上記の第1及び第2の実施形態において、端末装置20が、ミキシング部263を備える例を説明したが、これに限定されるものではなく、端末装置20の外部にミキシング部263を備えるようにしてもよい。また、信号処理システム1(1a)は、信号処理部132(43)の一部として、ミキシング部263を備えるようにしてもよいし、ミキシング部263を備えない構成であってもよい。
【0112】
また、上記の第1及び第2の実施形態において、ストリーミングデータを受信する端末装置20が、混合音信号をコミュニケーションシステム200に送信する例を説明したが、例えば、ストリーミングデータを受信しない専用端末が混合音信号をコミュニケーションシステム200に送信するようにしてもよい。また、コミュニケーションシステム200におけるストリーミングデータを受信するアカウント(例えば、所定のユーザID)を利用して、アプリホスト装置10又はアプリ処理装置40から混合音信号をコミュニケーションシステム200に直接送信するようにしてもよい。
【0113】
また、上記の各実施形態において、信号処理システム1(1a)は、指定された音信号の混合音信号を生成する際に、モノラル音信号で生成する例を説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、ステレオ音信号のような多チャンネル信号により生成するようにしてもよい。また、この場合、信号処理システム1(1a)は、例えば、ユーザIDごとに拍手などの音信号を温蔵定位させてもよい。また、信号処理システム1(1a)は、会議に参加しているユーザIDと会議室IDとの関連付けをしておき、会議室IDに基づいて音場調整してもよい。
【0114】
また、上記の各実施形態において、信号処理システム1(1a)は、指定された音信号の混合音信号を生成する際に、単純に音信号を混合(ミキシング)する例を説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、テンポ変換、イコライザによる音色変換、音量の変更、PAN(パン:定位)の変更、リバーブなどの音響効果の付与、予め作成した多人数用の音信号への差し替えなどを行って、混合音信号を生成するようにしてもよい。
【0115】
また、上記の各実施形態において、アプリホスト装置10(10a)は、例えば、
図6のステップS111からステップS113にように、音データの指定を受け付けた際に、指定の音信号を端末装置(20、30)に送信する例を説明したが、各端末装置(20、30)がアプリを起動した際に、アプリホスト装置10(10a)が、音データを予め送信するようにしてもよい。
【0116】
なお、上述の信号処理システム1(1a)が備える各構成は内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述した信号処理システム1(1a)が備える各構成の処理過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0117】
1,1a…信号処理システム、10,10a…アプリホスト装置、11,21,31,41…NW通信部、12…記憶部、13,13a…アプリ制御部、20,30,30-1,30-2,30a,30a―1,30a-2…端末装置、22,32…入力部、23,33…表示部、24,34,230…マイク、25,35,240…スピーカ、26,36…端末制御部、40…アプリ処理装置、42,121,121a…音データ記憶部、43,132…信号処理部、122…履歴情報記憶部、131…音データ受付部、133…コマンド処理部、200…コミュニケーションシステム、210…コミュニケーションシステムサーバ、220…配信元装置、261,361…コミュニケーション処理部、262,362…アプリ処理部、263…ミキシング部、PU…配信者、AU1,AU2,AU3…利用者