IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ フジテック株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-ロープテスタ支持治具 図1
  • 特許-ロープテスタ支持治具 図2
  • 特許-ロープテスタ支持治具 図3
  • 特許-ロープテスタ支持治具 図4
  • 特許-ロープテスタ支持治具 図5
  • 特許-ロープテスタ支持治具 図6
  • 特許-ロープテスタ支持治具 図7
  • 特許-ロープテスタ支持治具 図8
  • 特許-ロープテスタ支持治具 図9
  • 特許-ロープテスタ支持治具 図10
  • 特許-ロープテスタ支持治具 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-05
(45)【発行日】2024-08-14
(54)【発明の名称】ロープテスタ支持治具
(51)【国際特許分類】
   B66B 5/00 20060101AFI20240806BHJP
   B66B 7/12 20060101ALI20240806BHJP
【FI】
B66B5/00 D
B66B7/12 Z
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2023113744
(22)【出願日】2023-07-11
【審査請求日】2023-07-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000112705
【氏名又は名称】フジテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 功一
(72)【発明者】
【氏名】金子 元樹
(72)【発明者】
【氏名】孫 暁
【審査官】太田 義典
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-258001(JP,A)
【文献】国際公開第2009/063548(WO,A1)
【文献】特開2005-089172(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0239708(US,A1)
【文献】特開2008-024454(JP,A)
【文献】実公昭49-013352(JP,Y2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 5/00ー 5/28
B66B 7/00- 7/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査対象のロープを磁化させて磁束を検出するセンサヘッドを支持するロープテスタ支持治具であって、
第1方向に並べられた複数の前記ロープを同時に検査するために複数の前記センサヘッドが固定される本体部を備え、
前記本体部は、複数の前記センサヘッドが第1方向に並べられて取り付けられる取付部を備え、
前記取付部は、複数の前記センサヘッドの少なくとも一つを第1方向に複数の位置で取り付け可能であり、
前記本体部は、板状部を備え、
前記センサヘッドは、前記板状部の前面に固定される、ロープテスタ支持治具。
【請求項2】
前記取付部は、前記板状部に第1方向に沿って形成された長穴を備える、請求項に記載のロープテスタ支持治具。
【請求項3】
前記板状部の後面側から操作される取付具を備え、
前記センサヘッドは、前記取付具によって前記取付部に取り付けられる、請求項に記載のロープテスタ支持治具。
【請求項4】
検査対象のロープを磁化させて磁束を検出するセンサヘッドを支持するロープテスタ支持治具であって、
第1方向に並べられた複数の前記ロープを同時に検査するために複数の前記センサヘッドが固定される本体部を備え、
前記本体部は、複数の前記センサヘッドが第1方向に並べられて取り付けられる取付部を備え、
前記取付部は、複数の前記センサヘッドの少なくとも一つを第1方向に複数の位置で取り付け可能であり、
前記センサヘッドは、前記ロープに接触して検査する検査部と、前記検査部を挟んで前記ロープと対向するように前記検査部に連結される把持部と、を備え、
前記把持部のうち前記検査部と反対側の端面が、前記本体部に固定される、ロープテスタ支持治具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、ロープテスタ支持治具に関する。
【背景技術】
【0002】
エレベータ用ロープは、例えば、ロープテスタで検査される。下記特許文献1では、複数並べられたエレベータ用ロープを効率よく検査するために、複数のセンサヘッドを用いて同時に検査している。
【0003】
特許文献1では、複数のセンサヘッドは、ロープの並び方向に延びる軸部材が貫通されて固定される。そして、隣り合うセンサヘッド同士の間に形成される間隙にスペーサ部材を挿入することで、複数のセンサヘッドの位置決めをしている。しかしながら、特許文献1の構造は、複数のセンサヘッドを互いの間隔を変更して固定することが難しい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2012-56717号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、課題は、複数のセンサヘッドを互いの間隔を容易に変更して固定することができるロープテスタ支持治具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
ロープテスタ支持治具は、検査対象のロープを磁化させて磁束を検出するセンサヘッドを支持するロープテスタ支持治具であって、
第1方向に並べられた複数の前記ロープを同時に検査するために複数の前記センサヘッドが固定される本体部を備え、
前記本体部は、複数の前記センサヘッドが第1方向に並べられて取り付けられる取付部を備え、
前記取付部は、複数の前記センサヘッドの少なくとも一つを第1方向に複数の位置で取り付け可能である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態に係るロープテスタ支持治具及びセンサヘッドの斜視図
図2】同実施形態に係るセンサヘッドの斜視図
図3】同実施形態に係るロープテスタ支持治具の斜視図
図4】同実施形態に係る本体部の背面図
図5】同実施形態に係る本体部の分解斜視図
図6】同実施形態に係る基台部の背面図
図7】他の実施形態に係るロープテスタ支持治具の要部を示す側面図
図8】他の実施形態に係る本体部の背面図
図9】他の実施形態に係る本体部の背面図
図10】他の実施形態に係る本体部の背面図
図11】他の実施形態に係る本体部の斜視図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、ロープテスタ支持治具における一実施形態について、図1図6を参照しながら説明する。なお、各図(図7図11も同様)において、図面の寸法比と実際の寸法比とは、必ずしも一致しておらず、また、各図面の間での寸法比も、必ずしも一致していない。
【0009】
図1に示すように、ロープテスタ支持治具1は、複数のセンサヘッド9A,9Bを支持し、支持したセンサヘッド9A,9Bによってエレベータ用ロープ(以下、単に「ロープ」ともいう)X1~X6を検査するために用いられる。なお、ロープX1~X6は、第1方向D1に複数(個数は、特に限定されない)並べられている。特に限定されないが、本実施形態においては、6本のロープX1~X6のうち隣り合う2本のロープX1,X2を2つのセンサヘッド9A,9Bを用いて同時に検査している。
【0010】
各図において、第1方向D1は、ロープX1~X6が並ぶ並び方向D1といい、第2方向D2は、ロープX1~X6が延びる延び方向D2といい、第3方向D3は、並び方向D1及び延び方向D2にそれぞれ直交する直交方向D3という。また、ロープテスタ支持治具1及びセンサヘッド9A,9Bが各方向D1~D3を用いて説明されている場合は、特に記載がない限り、各方向D1~D3は、センサヘッド9A,9BがロープX1~X6を検査している際の方向D1~D3である。
【0011】
センサヘッド9Aは、図2に示すように、ベース部91と、ベース部91に連結され、ロープX1,X2を検査する検査部92と、を備えている。なお、センサヘッド9Bは、センサヘッド9Aと同じ形状をしている。
【0012】
ベース部91は、好ましくは、非磁性材料で形成される。ベース部91を非磁性材料で形成することで、センサヘッド9Aをベース部91を介してロープテスタ支持治具1に固定する際、検査部92とロープテスタ支持治具1の間に一定の距離を確保できるため、ロープテスタ支持治具1の金属材料がセンサヘッド9Aの検出能力に与える影響を低減できる。
【0013】
ベース部91は、検査員に把持される把持部91aを備えていてもよい。把持部91aには、直交方向D3に貫通する貫通孔91bが形成されている。貫通孔91bは、例えば、延び方向D2に2つ形成されている。
【0014】
検査部92は、ケース部92aと、ロープX1,X2を案内するロープ案内部92bと、を備えている。また、検査部92は、ロープX1,X2を磁化させる磁化部(図示していない)と、ロープX1,X2に起因する磁束を検出する磁束検出部(図示していない)と、を備えている。
【0015】
ケース部92aの直交方向D3の一方側は、ベース部91に連結されており、ケース部92aの直交方向D3の他方側は、ロープ案内部92bに連結されている。また、ケース部92aは、磁化部及び磁束検出部を内部に収容している。
【0016】
また、特に限定されないが、本実施形態においては、ロープ案内部92bは、延び方向D2に沿って連続して延びている。なお、ロープ案内部92bは、例えば、延び方向D2に複数並べられている、すなわち、延び方向D2に沿って断続して延びている、という構成でもよい。
【0017】
ロープ案内部92bは、図2に示すように、一部が開放された凹状面に形成されている。具体的には、ロープ案内部92bの並び方向D1の両側は、閉塞され、ロープ案内部92bの直交方向D3の一方側は、閉塞され、ロープ案内部92bの直交方向D3の他方側は、開放されている。
【0018】
ロープテスタ支持治具1は、複数のセンサヘッド9A,9Bが固定される本体部2と、本体部2を支持するアーム3と、アーム3を支持する基台部4と、を備えていてもよい。
【0019】
本体部2は、図4に示すように、複数のセンサヘッド9A,9Bが並び方向D1に並べられて取り付けられる取付部2aを備えている。本体部2は、例えば、金属材料で形成される。
【0020】
本体部2は、板状部20を備えていてもよい。板状部20は、横向きのH字状を呈していてもよい。板状部20をH字状とすることで、センサヘッド9A,9Bを板状部20に取り付ける際、センサヘッド9A,9Bの把持部91a、板状部20、雌ネジ材95(後述する)を同じ手で持ちやすくなり、雄ネジ材94(後述する)による取付作業を安定して行なうことができる。また、把持部91aを把持する際は、把持部91aに対して横から持つのが自然であるが、仮に板状部20が長方形だった場合、センサヘッド9A,9Bを板状部20の中央寄りに取り付ける際、把持部91aを把持することが難しくなる。
【0021】
板状部20の直交方向D3の一方側の面(前面ともいう)には、センサヘッド9A,9Bが並び方向D1に並べて固定される。板状部20の直交方向D3の他方側の面(後面ともいう)には、アーム3が連結されるブラケット21が備えられている。ブラケット21は、板状部20の並び方向D1及び延び方向D2の略中央に配置されている。
【0022】
板状部20は、並び方向D1に沿って形成された長穴22を備えている。長穴22は、例えば、延び方向D2に間隔をあけて一対形成されてもよい。
【0023】
センサヘッド9A,9Bは、取付具93によって長穴22に取り付けられる。取付具93は、図5に示すように、雄ネジ材94と雌ネジ材95によって構成されている。特に限定されないが、雄ネジ材94は、例えば、ローレットねじ、又は蝶ボルトである。斯かる構成によれば、センサヘッド9A,9Bの取付に工具を必要とせず、現場での作業性を向上させることができる。また、特に限定されないが、雌ネジ材95は、雌ネジ部95aが形成されたナットプレートである。一つの雌ネジ材95に対して、複数の雌ネジ部95aが形成されてもよい。本実施形態では、2つの雌ネジ部95aが、センサヘッド9A,9Bの2つの貫通孔91bと対向する位置に形成されている。
【0024】
雄ネジ材94を本体部2の長穴22及びセンサヘッド9A,9Bの貫通孔91bに挿通させた後、雄ネジ材94を雌ネジ材95の雌ネジ部95aに螺合させることで、センサヘッド9A,9Bが長穴22に取り付けられる。すなわち、長穴22は、取付部2aを構成している。また、取付部2aは、長穴22を備える、とも言える。特に限定されないが、取付部2aは、連続する一つの長穴22で構成されている。取付部2aは、長穴22で構成されているため、センサヘッド9A,9Bを並び方向D1の任意の位置に取り付けることができる。また、雄ネジ材94を緩めてセンサヘッド9A,9Bを長穴22に沿って並び方向D1へ移動させる場合、板状部20をH字状としていることで、センサヘッド9A,9Bが完全に板状部20の中央にあるとき以外は、把持部91aを持ってセンサヘッド9A,9Bを移動することができる。
【0025】
アーム3は、図3に示すように、長尺板状のアーム本体30と、アーム本体30の両端に固定されたジョイント31,32と、を備えていてもよい。特に限定されないが、アーム本体30は、長さ調整可能であってもよい。また、アーム本体30は、並び方向D1に複数備えられてもよい。
【0026】
ジョイント31は、本体部2のブラケット21に対して連結ピン31aを用いて回転可能に連結される。ジョイント32は、後述する基台部4のブラケット41に対して連結ピン32aを用いて回転可能に連結される。
【0027】
基台部4は、図3に示すように、ベースプレート40と、ベースプレート40の一方側の面に固定されたブラケット41と、ベースプレート40の他方側の面に固定された磁石42と、を備えている。ロープX1,X2を検査する際、基台部4は、磁石42によって、例えば、機械台に固定される。
【0028】
また、基台部4は、ベースプレート40の一方側の面に固定されたアーム固定部43を備えていてもよい。アーム固定部43は、ガイドレール44と、アーム3をガイドレール44に固定及び固定解除するアーム固定具45と、を備えている。ガイドレール44は、連結ピン32aを中心とした円弧状のガイド穴44aを備えている。
【0029】
アーム固定具45は、図6に示すように、アーム本体30に連結された連結部材45aと、連結部材45aに設けられたリング状部材45b及びカムレバー45cと、を備えている。連結部材45aは、例えば、円柱状のピン部材であり、ガイド穴44a及びアーム本体30を挿通する。連結部材45aの先端側には、ナット45dが螺合されており、連結部材45aは、アーム本体30から抜けないようになっている。
【0030】
リング状部材45bは、連結部材45aの基端側において連結部材45aの長手方向に移動可能に挿入されている。リング状部材45bの一方側の端面は、ガイドレール44に対向し、リング状部材45bの他方側の端面は、カムレバー45cのカム面に対向する。
【0031】
カムレバー45cは、例えば、連結部材45aと略直線状に配置される起立位置(図6に二点鎖線で示す)と、連結部材45aに対して略垂直に配置される倒伏位置との間で回動可能とされている。カムレバー45cのカム面は、カムレバー45cが起立位置にあるとき、ガイドレール44がアーム本体30から離れるように形成されている。そして、カムレバー45cのカム面は、カムレバー45cを起立位置から倒伏位置へ回動操作することで、リング状部材45bをガイドレール44に押し付け、さらにガイドレール44をアーム本体30に押し付けるように形成されている。これにより、カムレバー45cを回動操作することで、アーム3をガイドレール44に固定及び固定解除することができる。
【0032】
[1]
以上より、ロープテスタ支持治具1は、検査対象のロープX1,X2を磁化させて磁束を検出するセンサヘッド9A,9Bを支持するロープテスタ支持治具1であって、第1方向(本実施形態においては、並び方向)D1に並べられた複数の前記ロープX1,X2を同時に検査するために複数の前記センサヘッド9A,9Bが固定される本体部2を備え、前記本体部2は、複数の前記センサヘッド9A,9Bが第1方向D1に並べられて取り付けられる取付部2aを備え、前記取付部2aは、複数の前記センサヘッド9A,9Bの少なくとも一つ(本実施形態においては、センサヘッド9A,9Bの両方)を第1方向D1に複数の位置で取り付け可能である、という構成が好ましい。
【0033】
斯かる構成によれば、複数のセンサヘッド9A,9Bの少なくとも一つを取付部2aに対して第1方向D1に複数の位置で取り付けることができるため、ロープX1,X2の間隔に合わせて、複数のセンサヘッド9A,9Bを互いの間隔を容易に変更して固定することができる。
【0034】
[2]
また、上記[1]のロープテスタ支持治具1においては、前記本体部2は、板状部20を備え、前記センサヘッド9A,9Bは、前記板状部20の前面に固定される、という構成が好ましい。
【0035】
斯かる構成によれば、複数のセンサヘッド9A,9Bを本体部2に別々に固定することができるため、複数のセンサヘッド9A,9Bを互いの間隔を容易に変更して固定することができる。
【0036】
[3]
また、上記[2]のロープテスタ支持治具1においては、前記取付部2aは、前記板状部20に第1方向D1に沿って形成された長穴22を備える、という構成が好ましい。
【0037】
斯かる構成によれば、取付部2aが長穴22で構成されているため、センサヘッド9A,9Bを並び方向D1の任意の位置に取り付けることができる。
【0038】
[4]
また、上記[2]又は[3]のロープテスタ支持治具1においては、前記板状部20の後面側から操作される取付具93を備え、前記センサヘッド9A,9Bは、前記取付具93によって前記取付部2aに取り付けられる、という構成が好ましい。
【0039】
斯かる構成によれば、センサヘッド9A,9Bを板状部20の後面側から取付部2aに取り付けることができるため、複数のセンサヘッド9A,9Bを互いの間隔を容易に変更して固定することができる。
【0040】
[5]
また、上記[1]~[4]の何れか1つのロープテスタ支持治具1においては、前記センサヘッド9A,9Bは、前記ロープX1,X2に接触して検査する検査部92と、前記検査部92を挟んで前記ロープX1,X2と対向するように前記検査部92に連結される把持部91aと、を備え、前記把持部91aのうち前記検査部92と反対側の端面が、前記本体部2に固定される、という構成が好ましい。
【0041】
斯かる構成によれば、センサヘッド9A,9Bの把持部91aを本体部2に固定することができるため、複数のセンサヘッド9A,9Bを互いの間隔を容易に変更して固定することができる。また、例えば、ロープX1~X6の設置場所によっては、ロープテスタ支持治具1に取り付けた状態のセンサヘッド9A,9BではロープX1~X6の検査をできない場合があるが、この場合、検査員は、センサヘッド9A,9Bの把持部91aを掴んでロープX1~X6を検査することができる。
【0042】
なお、ロープテスタ支持治具1は、上記した実施形態の構成に限定されるものではなく、また、上記した作用効果に限定されるものではない。また、ロープテスタ支持治具1は、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、下記する各種の変更例に係る構成や方法等を任意に一つ又は複数選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
【0043】
(A)上記実施形態に係るロープテスタ支持治具1においては、本体部2は、板状部20を備え、センサヘッド9A,9Bは、板状部20の前面に固定される、という構成である。しかしながら、ロープテスタ支持治具1は、斯かる構成に限られない。例えば、図7に示すように、本体部2は、並び方向D1に延びる棒状部23を備え、センサヘッド9A,9Bは、棒状部23の前面に固定される、という構成でもよい。一対の棒状部23は、不図示の連結部で連結されている。棒状部23は、センサヘッド9A,9Bの把持部91aに設けられた支持部材91cを貫通し、センサヘッド9A,9Bを並び方向D1にガイドするように構成されている。支持部材91cには、直交方向D3に貫通するねじ穴が形成され、このねじ穴に蝶ボルト96が螺着される。蝶ボルト96を締めることで、支持部材91cを棒状部23の任意の位置で固定することができる。
【0044】
また、上記実施形態に係るロープテスタ支持治具1においては、板状部20は、横向きのH字状を呈しているが、斯かる構成に限られない。例えば、板状部20は、矩形板状でもよい。
【0045】
(B)上記実施形態に係るロープテスタ支持治具1においては、取付部2aは、板状部20に第1方向D1に沿って形成された長穴22を備える、という構成である。しかしながら、ロープテスタ支持治具1は、斯かる構成に限られない。例えば、図8に示すように、取付部2aは、丸穴24と、板状部20に第1方向D1に沿って形成された長穴22と、を備える、という構成でもよい。このとき、例えば、センサヘッド9Aは、丸穴24に取り付けられ、センサヘッド9Bは、長穴22に取り付けられる。取付部2aは、センサヘッド9Bを長穴22に沿って複数の位置で取り付け可能である。
【0046】
また、例えば、図9に示すように、取付部2aは、板状部20に第1方向D1に沿って形成された複数の長穴22を備える、という構成でもよい。取付部2aは、センサヘッド9A,9Bをそれぞれの長穴22に沿って複数の位置で取り付け可能である。
【0047】
また、例えば、図10に示すように、取付部2aは、板状部20に並び方向D1に沿って並べて形成された複数の丸穴24を備える、という構成でもよい。複数の丸穴24の中からセンサヘッド9A,9Bを取り付ける丸穴24を選択することで、センサヘッド9A,9Bの並び方向D1の取付位置を変更可能となっている。
【0048】
(C)長穴22は、図11に示すように、並び方向D1の一端が開放されていてもよい。特に限定されないが、図11に示す例では、上側の長穴22の並び方向D1の一端が開放されている。センサヘッド9A,9Bが重く、板状部20の後面側からでは取付作業が困難な場合、雌ネジ材95とセンサヘッド9A,9Bを先に一つの雄ネジ材94で仮固定し、上側の長穴22の開放端から板状部20に取り付け、最後に下側の長穴22に雄ネジ材94を挿通させて雌ネジ材95に螺合させることができる。長穴22の開放端は、ストッパ25で閉塞されてもよい。ストッパ25は、板状部20の後面に固定ネジ26で固定されており、長穴22を開放又は閉塞することができる。なお、上側の長穴22だけでなく、下側の長穴22の並び方向D1の一端も開放されていてもよい。
【0049】
(D)上記実施形態に係るロープテスタ支持治具1においては、板状部20の後面側から操作される取付具93を備え、センサヘッド9A,9Bは、取付具93によって取付部2aに取り付けられる、という構成である。しかしながら、ロープテスタ支持治具1は、斯かる構成に限られない。例えば、センサヘッド9A,9Bは、把持部91a側から操作される取付具によって取付部2aに取り付けられる、という構成でもよい。
【0050】
(E)上記実施形態に係るロープテスタ支持治具1においては、2つセンサヘッド9A,9Bを本体部2に固定しているが、3以上のセンサヘッドを本体部2に固定してもよい。すなわち、センサヘッドの数や間隔は、エレベータの仕様や現場の状況に応じて、適宜調整されてもよい。
【符号の説明】
【0051】
1…ロープテスタ支持治具、2…本体部、2a…取付部、3…アーム、4…基台部、9A…センサヘッド、9B…センサヘッド、20…板状部、21…ブラケット、22…長穴、23…棒状部、24…丸穴、25…ストッパ、26…固定ネジ、30…アーム本体、31…ジョイント、31a…連結ピン、32…ジョイント、32a…連結ピン、40…ベースプレート、41…ブラケット、42…磁石、43…アーム固定部、44…ガイドレール、44a…ガイド穴、45…アーム固定具、45a…連結部材、45b…リング状部材、45c…カムレバー、45d…ナット、91…ベース部、91a…把持部、91b…貫通孔、91c…支持部材、92…検査部、92a…ケース部、92b…ロープ案内部、93…取付具、94…雄ネジ材、95…雌ネジ材、95a…雌ネジ部、96…蝶ボルト、D1…並び方向、D2…延び方向、D3…直交方向、X1~X6…ロープ
【要約】
【課題】 複数のセンサヘッドを互いの間隔を容易に変更して固定することができるロープテスタ支持治具を提供する。
【解決手段】 検査対象のロープを磁化させて磁束を検出するセンサヘッドを支持するロープテスタ支持治具であって、第1方向に並べられた複数のロープを同時に検査するために複数のセンサヘッドが固定される本体部を備え、本体部は、複数のセンサヘッドが第1方向に並べられて取り付けられる取付部を備え、取付部は、複数のセンサヘッドの少なくとも一つを第1方向に複数の位置で取り付け可能である。
【選択図】 図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11