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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-05
(45)【発行日】2024-08-14
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/26 20060101AFI20240806BHJP
   G08G 1/00 20060101ALI20240806BHJP
【FI】
G01C21/26 P
G08G1/00 D
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2023516971
(86)(22)【出願日】2021-04-28
(86)【国際出願番号】 JP2021017048
(87)【国際公開番号】W WO2022230132
(87)【国際公開日】2022-11-03
【審査請求日】2023-10-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000486
【氏名又は名称】弁理士法人とこしえ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】三好 健宏
(72)【発明者】
【氏名】千葉 光太郎
(72)【発明者】
【氏名】費 霄霄
【審査官】▲高▼木 真顕
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/194456(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/130056(WO,A1)
【文献】特開2020-098610(JP,A)
【文献】特開2002-073756(JP,A)
【文献】特開2006-058089(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/00 - 21/36
G08G 1/00 - 99/00
G09B 29/00 - 29/14
G06Q 10/00 - 10/30
G06Q 30/00 - 30/08
G06Q 50/00 - 50/20
G06Q 50/26 - 99/00
G16Z 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの移動計画を示す移動計画データを生成する移動計画生成部と、
前記移動計画に含まれるユーザ滞在地における滞在時間が所定時間以上である場合には、前記ユーザ滞在地における本来の体験とは別の体験を抽出し、前記ユーザ滞在地に移動して前記ユーザに前記体験を提供できる体験提供元を特定する提供元特定部と、
前記体験提供元が提供できる前記体験の情報を含む体験情報データを前記ユーザに送信する送信部を備え、
前記移動計画生成部は、前記ユーザが前記別の体験を受けることで前記滞在時間が長くなる場合には前記滞在時間を算出し、
前記送信部は、前記算出された滞在時間の情報を含む移動計画のデータを前記ユーザに送信する情報処理装置。
【請求項2】
請求項1記載の情報処理装置において、
前記ユーザ滞在地に移動する車両を前記体験提供元及び/又は前記ユーザに配車する配車部を備える情報処理装置。
【請求項3】
請求項2記載の情報処理装置において、
前記ユーザの現在位置を示す位置データを受信する受信部を備え、
前記送信部は、前記車両に対して前記位置データを送信する情報処理装置。
【請求項4】
ユーザの移動計画を示す移動計画データを生成する移動計画生成部と、
前記移動計画に含まれるユーザ滞在地における滞在時間が所定時間以上である場合には、前記滞在時間内で体験可能な体験を抽出し、前記ユーザ滞在地に移動して前記ユーザに前記体験を提供できる体験提供元を特定する提供元特定部と、
前記体験提供元が提供できる前記体験の情報を含む体験情報データを前記ユーザに送信する送信部と、
前記ユーザ滞在地に移動する車両を前記体験提供元及び/又は前記ユーザに配車する配車部を備え、
前記提供元特定部は、前記体験提供元を複数特定し、複数の前記体験提供元の種別に応じて前記ユーザに前記体験を提供する順番を決定し、
前記配車部は、前記車両が前記順番で前記ユーザ滞在地に到着するように前記車両を配車する情報処理装置。
【請求項5】
請求項1~3のいずれか一項に記載の情報処理装置において、
前記提供元特定部は、前記体験提供元を複数特定し、複数の前記体験提供元の種別に応じて前記ユーザに前記体験を提供する順番を決定し、
前記送信部は、前記体験が前記順番で提供できること示す時間情報を、前記ユーザの端末機に表示させるための制御信号を送信する情報処理装置。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載の情報処理装置において、
前記送信部は、前記体験情報データを前記ユーザの端末機に表示させるための制御信号を送信する情報処理装置。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一項に記載の情報処理装置において、
ユーザが希望する体験に関する体験希望データを取得する取得部を備え、
前記移動計画生成部は前記体験希望データに基づき、前記ユーザが希望する前記体験を提供可能な場所を前記ユーザ滞在地に設定し、
前記送信部は、前記ユーザ滞在地の情報を含むデータを前記ユーザに送信する情報処理装置。
【請求項8】
ユーザの移動計画を示す移動計画データを生成する移動計画生成部と、
前記移動計画に含まれるユーザ滞在地における滞在時間が所定時間以上である場合には、前記滞在時間内で体験可能な体験を抽出し、前記ユーザ滞在地に移動して前記ユーザに前記体験を提供できる体験提供元を特定する提供元特定部と、
前記体験提供元が提供できる前記体験の情報を含む体験情報データを前記ユーザに送信する送信部を備え、
前記提供元特定部は、前記体験提供元を複数特定し、複数の前記体験提供元の種別に応じて前記ユーザに前記体験を提供する順番を決定する情報処理装置。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載の情報処理装置において、
前記送信部は、
前記ユーザが車両内にいる場合には、前記体験情報データを車載装置に表示させるための制御信号を前記車両に送信し、
前記ユーザが車両外にいる場合には、前記体験情報データをユーザ所有の端末機に表示させるための制御信号を前記端末機に送信する情報処理装置。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載の情報処理装置において、
前記提供元特定部は、前記滞在時間の長さに応じて前記体験を決定し、決定した前記体験を提供可能な提供元を前記体験提供元として特定する情報処理装置。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか一項に記載の情報処理装置において、
前記提供元特定部は、前記ユーザ滞在地の施設状況に応じて前記体験を決定し、決定した前記体験を提供可能な提供元を前記体験提供元として特定する情報処理装置。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか一項に記載の情報処理装置において、
前記提供元特定部は、前記ユーザ滞在地の属性に応じて前記体験を決定し、決定した前記体験を提供可能な提供元を前記体験提供元として特定する情報処理装置。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか一項に記載の情報処理装置において、
前記送信部は、前記体験提供元により提供可能な前記体験の情報を含む体験情報データを送信する情報処理装置。
【請求項14】
請求項1~12のいずれか一項に記載の情報処理装置において、
前記送信部は、前記提供元特定部により抽出された前記体験を承諾するか否を前記ユーザに選択させるための信号を送信する情報処理装置。
【請求項15】
請求項1記載の情報処理装置において、
車両を配車する配車部を備え、
前記送信部は、前記提供元特定部により抽出された前記体験を承諾するか否を前記ユーザに選択させるための信号を送信し、
前記配車部は、前記体験を承諾する旨を示す信号を受信した場合に、前記ユーザ滞在地に移動する前記車両を前記ユーザに配車する情報処理装置。
【請求項16】
ユーザに提供される体験の情報をサーバで処理する情報処理方法において、
前記ユーザの移動計画を示す移動計画データを生成し、
前記移動計画に含まれるユーザ滞在地における滞在時間が所定時間以上である場合には、前記ユーザ滞在地における本来の体験とは別の体験を抽出し、前記ユーザ滞在地に移動して前記ユーザに体験を提供できる体験提供元を特定し、
前記ユーザが前記別の体験を受けることで前記滞在時間が長くなる場合には前記滞在時間を算出し、
前記体験提供元が提供できる前記体験の情報を含む体験情報データと前記算出された滞在時間の情報を含む移動計画のデータを前記ユーザに送信する情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及び情報処理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
利用可能な立ち寄り地に関する情報を含む移動計画を車両で提供するための情報処理装置が知られている。例えば特許文献1記載の情報処理装置は、利用者が設定した目的地と目的地到着時間と移動目的を探索条件に含むルート探索要求を車両から受信し、ルート探索要求に基づき、目的地到着時間に対応する目的地までの移動ルートを、移動目的に応じた立ち寄り地候補を含めて探索して探索結果を車両に送信する。車両は、探索された移動ルートを利用者に提示する。さらに、利用者が立ち寄り地を選択したことに応じて、移動ルートや目的地への到着予想時間、立ち寄り地候補を動的に変更する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開2017/179285号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の情報処理装置は、立ち寄り地候補を含めた目的地までの移動ルートを検索するものであり、移動ルートに沿って移動するユーザは、複数の場所で、各場所に応じた体験を受けることになる。そのため、複数の体験をするためには、それぞれの体験場所に移動しなければならないという問題ある。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、ユーザの滞在地において複数の体験を提供することを可能とする情報処理を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、ユーザの移動計画を示す移動計画データを生成し、移動計画に含まれるユーザ滞在地における滞在時間が所定時間以上である場合には、滞在時間内で体験可能な体験又は前記ユーザ滞在地における本来の体験とは別の体験を抽出し、ユーザ滞在地に移動してユーザに体験を提供できる体験提供元を特定し、体験提供元が提供できる体験の情報を含む体験情報データ又は滞在時間の情報を含む移動計画のデータをユーザに送信することによって、上記課題を解決する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ユーザ滞在地において複数の体験をユーザに提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明に係る情報処理システムの一実施の形態を示すブロック図である。
図2図1のデータベースに記憶されているユーザテーブルの一例を示す図である。
図3図1のデータベースに記憶されている提供元データのテーブルの一例を示す図である。
図4図1の情報処理システムにて実行される情報処理手順を示すフローチャートである。
図5図1の端末機のディスプレイに表示される表示画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る情報処理システムの一実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施の形態に係る情報処理システムを示すブロック図である。本実施形態のシステムは、サーバ1と、複数のユーザの端末機2と、電気通信回線網を構成するネットワーク3と、一又は複数の提供元4とを含む。本実施形態のシステムは、ユーザの滞在地とは異なる場所からユーザ滞在地に移動してユーザに体験を提供できる体験提供元を特定して、ユーザ滞在地における本来の体験と、本来の体験とは異なる体験をユーザ滞在地においてユーザに提供するものである。ユーザ滞在地は、ユーザの最終目的地に限らず、ユーザが各目的地を経由して最終目的地に移動する際の各目的地(移動経路上の経由地)であってもよく、ユーザが所定時間以上滞在する場所を示す。そして、情報処理システムは、ユーザ滞在地を訪問するユーザに対して体験を提供する機会があることを、体験の提供元に通知するものである。なお、以下の説明では、最終目的地及び/又は経由地を含むユーザ滞在地を総称して「目的地」として説明する。
【0010】
特に限定されるものではないが、本発明の理解を容易にするためにその一例を挙げると、ユーザは、パスタを食べたい、温泉に入りたい、本を購入したい等、特定の体験をしたいと思った場合に、従来であれば体験可能な施設や店舗などをスマートフォンなどの端末機を用いて店舗を検索し、体験可能な施設及び店舗それぞれに訪問して体験することが一般的である。また、従来のグルメサイトを使った店舗の検索では、場所と店舗名は表示されても、ユーザが店舗に行かなければ、店舗側は商品やサービスなどの体験をユーザに提供できない。そのため、本実施形態のシステムでは、ユーザが希望している体験を提供できる場所を目的地として特定し、当該目的地において複数の体験を提供できるよう提供元を特定するものである。これにより、ユーザは、目的地における本来の体験に加えて、本来の体験とは異なる体験を目的地において体験できる。つまり、ユーザは目的地において複数の体験を受けることができる。また提供元は、目的地を訪問するユーザに対して体験を提供する機会を得ることができる。
【0011】
本実施形態に係る「希望する体験」とは、ユーザ自身が経験したい事柄を意味し、上述した例でいえば「食事がしたい」、その中でも「パスタを食べたい」あるいは「アイスクリームを食べたい」という体験である。この種の食事をしたいという体験の他にも、買い物がしたい、公園を訪問したい、温泉に入りたいなどのサービスを受けたい、といったジャンルがあり、本実施形態のシステムでは、こうした多種の体験が含まれる。つまり、ユーザが希望する体験は、ユーザによる商品の購入及び/又はユーザが受けるサービスである。
【0012】
本実施形態のサーバ1は、ハードウェア及びソフトウェアを備えたコンピュータにより構成され、プログラムを格納したROMと、このROMに格納されたプログラムを実行するCPUと、アクセス可能な記憶装置として機能するRAMとから構成されている。なお、動作回路としては、CPUに代えて又はこれとともに、MPU、DSP、ASIC、FPGAなどを用いることができる。そして、図1に示すように、希望体験受付部11と、移動計画生成部12と、提供元特定部13と、配車部14とは、ROMに確立されたソフトウェアによって、後述する各機能を実現する。また、記憶ユニットとして、データベース15を備え、データベース15に記憶された情報を利用しながら、上述した希望体験受付部11と、移動計画生成部12と、提供元特定部13と、配車部14によって、後述する各機能を実現する。また、サーバ1は、各種機能で処理された情報及びデータベース15に記憶された情報を含むデータを、端末機2及び提供元4に送受信するために、送信部16及び受信部17を備えている。
【0013】
本実施形態のシステムの前提として、ユーザとなり得る複数の人間は、日常的に携帯又は使用する端末機2をそれぞれ所有する。この種の端末機2としては、スマートフォン、携帯電話機、可搬コンピュータなどを用いることができる。本実施形態の端末機2は、コンピュータ機能を備え、データを入力するための入力部と、入力したデータをサーバ1に送信するための通信機能と、端末機2の現在位置を検出するGPS受信機などの位置検出機能と、サーバ1から送信されたデータをディスプレイに表示するための表示機能を備える。そして、各端末機2は、自己のIDと、現在位置と、入力データとを、インターネットその他のネットワーク3(無線通信回線網)を介してサーバ1に送信する。
【0014】
提供元4は、サーバ1により特定される商品及び/又はサービスの提供場所において、ユーザに対して体験を提供する。提供元4は、実店舗をもつ商店、実店舗をもたず移動車両で商品/サービスを提供する業者、調理場のみで宅配用の商品のみを提供する業者、商品は提供せずに、所定場所で商品/サービスを提供するための施設を設営する業者などである。提供元4は、サーバ1から提供される情報に基づき、サーバで特定された場所において、商品/サービスを提供する。
【0015】
次にサーバ1における構成を説明する。希望体験受付部11は、複数のユーザがそれぞれ携帯する端末機2から送信される情報を、ネットワーク3を介して受け付ける。図2は、希望体験受付部11で取得される体験希望データである。体験希望データは、ユーザが希望する体験に関する情報を含んでおり、ユーザ属性とユーザ入力項目に分類されている。ユーザ属性は、本システムにおけるサービスを利用するための初期登録の際に、ユーザにより入力された情報により決まる。図2に示すようにユーザ属性は、氏名、性別、年代等の個人情報、及び、ユーザの好みを示す嗜好等を含んでいる。例えばユーザAは、性別「女性」、年代「20代」であり、「イタリアンが好き」という嗜好をもっている。
【0016】
ユーザは、本システムにおけるサービスを利用する際には、目的地を特定するために必要な目的地情報を入力する。目的地情報の入力は、目的地を特定できる情報であればよく、目的地の位置情報に限らず、訪問エリア、訪問目的等、曖昧な情報でもよい。また、目的地情報として、体験希望情報を入力してもよい。体験希望情報の入力は、例えば希望する体験が飲食に関するものであれば、「パスタ」、「アイスクリーム」など料理名でもよく、「中華料理」、「日本料理」など料理のジャンルでもよい。すなわち、体験情報の入力は、商品名やサービス名など具体的な名称に限らず、曖昧な情報でもよい。図2の例では、体験希望情報として「訪問場所」及び「訪問目的」の情報が入力される。またユーザの入力項目には、希望する体験に関する情報として、体験希望時間帯、予算等がある。また、体験希望データにはユーザの位置情報も含まれる。ユーザの位置は、端末機2のGPS受信機などの位置検出機能で検出される位置情報に相当する。
【0017】
体験希望時間は、本システムのサービスを利用して体験するための時間を表しており、移動計画における移動時間と目的地の滞在時間との合計時間に相当する。例えば、図2の例では、ユーザAは、15時30分から19時30分の間で、現在位置から体験するための目的地に移動して、目的地で希望する体験を受けて、ユーザ指定の地点まで移動したいことを表している。予算は、体験を受けるための費用である。
【0018】
希望体験受付部11は、ネットワーク3を介して端末機2から体験希望データを取得し、取得された体験希望データをデータベース15に記憶させる。データベース15は、各ユーザの体験希望データを、図2に示すようなテーブルとして格納している。
【0019】
移動計画生成部12は、地図データ及び体験希望データに基づき、体験を提供可能な目的地を特定し、目的地に移動するための移動計画を生成する。移動計画は、ユーザの現在位置から目的地に移動しユーザ指定の位置まで移動するまでの移動経路及び体験時間を含んでいる。また移動計画は、移動に必要な料金、目的地で消費する費用などの情報も含んでいる。移動経路の情報は、経路情報は必ずしも地図上のルートで表す必要はなく、例えば電車の乗降駅などの、ユーザが移動するために必要な最小限の情報を含んでいればよい。また移動計画は、車の走行経路、電車を使った移動経路、徒歩経路等である。さらに、目的地が複数ある場合には、移動経路は、各目的地を経由してユーザ指定の場所まで移動する経路である。
【0020】
ユーザにより入力された目的地情報が具体的な位置情報である場合には、移動計画生成部12は、位置情報で示される地点へ移動するための経路を演算する。一方、ユーザにより入力された目的地情報が、ユーザが希望する体験情報である場合には、ユーザが希望する体験を提供できる場所を目的地としてユーザに提案する。図2を参照しつつ、体験希望情報から目的地を特定する方法を説明する。図2の例では、ユーザAは、訪問場所として「а市」及び訪問目的として「観光」を入力している。移動計画生成部12は、「а市」のエリア内で「観光」に適した地点を特定する。移動計画生成部12は、ユーザの現在地から、提案した観光地点を経由して、ユーザ指定の場所に移動する経路を演算する。観光地点の特定及び経路演算の際には、観光地点の滞在時間及び移動時間がユーザAの指定する体験希望時間内になるよう、移動計画生成部12は移動計画を生成する。滞在時間は、移動計画生成部12による演算処理で特定してもよく、又は、ユーザが入力した体験希望データから特定してもよい。移動計画生成部12は、生成した移動計画のデータをユーザAに送信することで、移動計画をユーザAに提案する。ユーザAがサーバ1からの提案を承認すると、移動計画が確定する。
【0021】
提供元特定部13は、データベース15に記憶されているデータを参照し、ユーザに対して体験を提供する提供元を特定する。データベース15は、本システムにおけるサービスを受けるために、店舗又は施設情報が提供元データとして格納している。図3は、データベース15に記憶されている提供元データのテーブルである。提供元データは、提供できる体験の内容及び体験を提供できる場所に関する情報を含んでいる。提供元データは、本システムにおけるサービスを利用するための初期登録の際に、利用者により入力された情報により決まる。利用者は、主に体験を提供できる事業者である。図3に示すように、提供元データは、提供元の店舗名、ジャンル、代表メニュー、客層、価格帯、商品提供可能エリア、提供可能時間帯、提供形態等の情報を含んでいる。例えば、店舗名「店舗1」では、イタリアンの商品を提供し、代表メニューとしてパスタやピザがあり、「店舗1」を訪れる主要な客層は20~30代であり、客単価に相当する価格帯は1000~2000円である。これらの情報は、初期登録時に事業者により入力されてもよく、店舗における実績データ、グルメサイトなどの口コミ情報から抽出してデータベース15に記憶されてもよい。
【0022】
図3の例では、「店舗1」の提供元は、エリアа、b、c市にて商品を提供できる。なお、商品提供可能エリアは、初期登録時の入力で決まる、あるいは、店舗1の位置から所定範囲をエリアとしてもよい。提供形態は、体験となる商品やサービスを提供する形態である。例えば、図2の例では、「店舗1」は、提供形態「宅配」としており、宅配サービスを利用して店舗で作った商品を目的地まで届ける形態をとっている。また、図2の例では、「店舗2」は、提供形態「移動店舗」としており、店舗全体又は店舗の一部機能を搭載した車両を目的地まで移動させて、車両を店舗として利用して商品を提供する。
【0023】
提供元特定部13は、移動経路から定まる目的地において体験を提供できる体験提供元を特定する。また提供元特定部13は、希望体験受付部11で取得された体験希望データから、ユーザの嗜好、体験希望時間、予算を特定し、特定された情報から体験提供元を特定する。体験提供元は、目的地とは異なる場所から目的地に移動して、目的地における本来の体験とは別の体験を提供する。例えば、目的地が公園である場合には、提供元特定部13で特定される提供元は、公園の敷地内に設置されているレストランとかではなく、公園に移動して商品/サービスを提供できる業者である。なお、目的地とは異なる場所からの移動は、実店舗をもつ商店であれば、商店で提供している商品を宅配で運ぶような移動、実店舗をもたず移動車両による商品/サービスの移動、宅配による商品/サービスの移動を含んでいる。体験希望時間は、目的地におけるユーザの滞在時間に相当する。
【0024】
図2に示すユーザAが体験を希望する旨の申し込みを本システムに行った場合に、移動計画生成部12は、地図情報及び体験希望情報に基づき、体験を提供可能な目的地を特定した上で、移動経路を生成する。提供元特定部13は、移動経路で定まる目的地において、体験を提供できる提供元を特定する。例えばユーザAが申し込みを行った場合には、訪問場所である「а市」内の提供元を特定する。提供元特定部13は、データベース15に記憶されているユーザテーブルのうち、ユーザAの嗜好に関する情報を抽出する。ユーザAは「イタリアンが好き」という嗜好をもっているため、提供元特定部13は「イタリアン料理を食べる」という体験を、ユーザAへ提案する体験に決定し、当該体験を提供できる提供元を特定する。図3の例では、店舗1の「商品提供可能エリア」に「а市」が含まれているため「а市」内の目的地(観光地)であれば商品を提供でき、かつ、「パスタ」を提供できるため、店舗1を、ユーザAに提案する体験提供元として特定する。また、提供元特定部13は、ユーザAの目的地の滞在時間から、「パスタ」を食べた後に適した体験を提供できる提供元を特定する。例えば、「パスタ」を食べた後に適した体験は、「デザート」や「マッサージ」等である。図2の例では、店舗2の「商品提供可能エリア」に「а市」が含まれており、デザートとして「アイスクリーム」を提供できるため、店舗2を、ユーザAに提案する体験提供元として特定する。このように、提供元特定部13は、ある体験に付随して、別の体験を提供できる提供元を特定する。すなわち、提供元特定部13は、ユーザAの滞在時間内で体験可能な体験を抽出し、抽出した体験を提供可能な体験提供元を特定する。上記の例では、ユーザAの滞在時間内で体験可能な体験として、「パスタ」及び「アイスクリーム」が抽出され、「パスタ」を提供する店舗1及び「アイスクリーム」を提供する店舗2が体験提供元として特定する。
【0025】
なお、上記の説明では、ユーザの嗜好から提供元を特定する方法を説明したが、必ずしもユーザの嗜好に基づき体験提供元を特定しなくてもよい。例えば、ユーザの目的地への到着時刻が12時であり、滞在時間(体験希望時間)が12時から14時までの2時間である場合には、ユーザは目的地又は目的地付近で食事をする可能性が高い。このような場合には、提供元特定部13は、目的地の周囲の飲食店を体験提供元として特定してもよい。またユーザの体験希望情報に予算が含まれている場合には、提供元特定部は、予算内に収まるように体験提供元を特定してもよい。
【0026】
また提供元特定部13は、先に特定した提供元と体験内容が重複するような別の提供元は提供しなくてもよい。体験内容の重複は、体験内容が完全に一致する場合に限らず、体験内容のジャンルが同一である場合等、体験内容が類似する場合も含めてよい。例えば図2の例で、店舗1が体験提供元として特定された場合には、提供元特定部13は、昼食用の商品を提供する別の提供元は体験提供元として特定しない。ユーザは、「パスタ」を食べた後に、昼食用の他の商品(例えば、ハンバーガー)を食べる可能性が低いため、体験内容が重複する場合には、提供元特定部13は体験提供元として特定しない。
【0027】
また、提供元特定部13は、他のユーザの利用履歴から体験提供元を特定してもよい。ユーザが、サーバ1から提案された提供元の商品及び/又はサービスを利用した場合には、サーバ1は、利用履歴を目的地と対応しつつデータベース15に記憶する。提供元特定部13は、データベース15に記憶された利用履歴を参照し、移動計画に含まれる目的地において、過去に利用実績のある提供元を体験提供元として特定する。
【0028】
また提供元特定部13は、目的地の滞在時間の長さに応じて、ユーザに提案する体験を決定してもよい。例えば、飲食をする体験を提供する際に、滞在時間が長い場合には、提供元特定部13は、パスタやステーキ等、食事の時間を楽しめるような体験を提案体験として決定し、滞在時間が短い場合には、ハンバーガやアイスクリーム等、短時間で食べられるような体験を提案体験として決定する。
【0029】
また提供元特定部13は、目的地の施設状況に応じて、ユーザに提案する体験を決定してもよい。目的地の施設状況は、座席がある、屋根がある、ゴミ捨て場があるなどである。例えば、飲食をする体験を提供する際に、目的地に座席がある場合には、提供元特定部13は、座って食べるような体験を提案体験として決定する。
【0030】
また提供元特定部13は、目的地の属性に応じて、ユーザに提案する体験を決定してもよい。目的地の属性は、滞在目的で区分けされており、観光、ビジネス、休憩などである。例えば、目的地の属性が観光である場合には、「土産を購入する」という体験が提供され、目的地の属性がビジネスである場合には、提供元特定部13は、飲食物の中でも、匂いの少ない飲食物を食べるような体験を提案体験として決定する。そして、提供元特定部13は上記の要領で決定した体験を提供できる提供元を体験提供元として特定する。
【0031】
そして、提供元特定部13により体験提供元が特定された場合には、体験提供元により提供される体験に関する情報は体験情報データに含まれて、ユーザ又は提供元に送信される。体験に関する体験情報は、目的地で体験できる情報であり、例えば、体験提供元の店舗名、提供される商品/サービスの名称、商品/サービスのジャンルなどである。また、体験情報には、体験提供元の広告情報を含めてもよい。
【0032】
配車部14は、目的地に移動する車両を提供元及び/又はユーザに配車する。提供元特定部13により特定された提供元の提供形態が宅配である場合には、店舗から目的地まで商品等を運ぶ必要がある。このような場合には、配車部14は、目的地へのユーザの到着に合わせて宅配用の車両を手配する。配車部14は、配車情報を提供元4に送信する。また、ユーザが、タクシーやレンタカー等、自己所有でない車両を利用して目的地に移動する場合には、配車部14は、目的地に移動する車両をユーザに配車する。
【0033】
なお、配車部14は、配車対象となる車両に対して、ユーザの現在位置を示す位置データを送信してもよい。配車車両は、位置データから、配車車両の到着地となる、ユーザの目的地へのユーザの到着時刻を確認できる。これにより、配車車両は、目的地へのユーザの到着に合わせて、体験に関する商品等を届けることができる。
【0034】
データベース15は、ユーザの体験希望データ及び提供元データをテーブルとして記憶する。データベース15は地図情報等も記憶している。データベース15に記憶される提供元テーブルは、少なくとも提供元の識別情報と商品提供可能エリアが対応するように、格納されている。提供元の識別情報は、図3のように店舗名やID等で示される。またデータベース15は、ユーザ及び提供元のこれまでの利用履歴も記憶している。
【0035】
送信部16は、ネットワーク3を介してユーザ端末機2及び提供元4の端末と接続している。送信部16は、体験に関する通知信号を提供元に送信する。通知信号は、ユーザが移動計画で示される目的地に訪問することを通知するための信号である。提供元はこの通知信号を受信することで、ユーザの目的地においてビジネスの機会があることを確認できる。また送信部16は、移動計画及び目的地で提供可能な体験提供元の情報を含むデータを、ユーザの端末機2に送信する。サーバ側で特定した体験内容や目的地がユーザの希望と合わない可能性もあるため、ユーザに事前に体験内容と目的地の情報を送ることとしている。
【0036】
受信部17はネットワーク3を介してユーザ端末機2及び提供元4の端末と接続している。受信部17は端末機2から送信されるデータ及び提供元4の端末から送信されるデータを受信する。
【0037】
次に、本実施形態のシステムにて実行される情報処理手順の概要を説明する。図4は、その情報処理手順を示すフローチャートである。
【0038】
まずステップS1において、ユーザが、端末機2を用いてサーバ1にアクセスすると、当該ユーザの端末機2には、上述した希望する体験に関する情報として、訪問場所、訪問目的、体験希望時間帯、予算などを入力できる画面が表示され、ユーザは、各項目に対して情報を入力する。また、端末機2に備えられたGPS受信機などの位置検出センサにより、緯度及び経度が検出され、この位置情報が、希望する体験に関する情報とともに、サーバ1に送信される。
【0039】
ステップS2において、サーバ1の希望体験受付部11は、所定の時間間隔(たとえば100msec)で、複数のユーザがそれぞれ携帯する端末機2から送信される上記の情報を、ネットワーク3を介して受け付ける。端末機2から送信される体験希望データとしては、図2に示すように、その端末機2を所有するユーザのIDに加えて、希望する体験に関する情報を含む。希望体験受付部11は、取得した体験希望データをデータベース15に記憶する。
【0040】
ステップS3において、サーバ1の移動計画生成部12は移動計画を生成する。ステップS3の制御処理で生成される移動計画は、提供元特定部13で特定される体験提供元の情報を含んでいない。移動計画生成部12は、ユーザにより指定された目的地の滞在時間を算出するために、体験提案の無い状態で、一旦、移動計画を生成する。
【0041】
ステップS4において、移動計画生成部12は移動計画における目的地の滞在時間を算出する。滞在時間は、例えば目的地が観光地であれば、標準的な観光モデルから決まる時間を用いて算出される。滞在時間の算出に使用される時間データは、目的地となり得る施設等と対応して、データベースに記憶されている。つまり、移動計画生成部12は、データベースに記憶されているデータを参照して、移動計画で定まる目的地ごとの滞在時間を算出する。なお、ユーザの出発時間と到着時間が決まっている場合には、移動計画生成部12は、出発時間から到着時間までの全体時間から移動時間を差し引いた残りの時間を、移動計画で定まる目的地ごとに適宜分配し、分配された時間を目的地ごとの滞在時間として算出してもよい。
【0042】
ステップS5において、移動計画生成部12は、算出された滞在時間と滞在時間閾値とを比較する。滞在時間閾値は、目的地における本来の体験とは別の体験をユーザに提案するための時間上限値を示している。ユーザが目的地における本来の体験とは別の体験を受けることで、滞在時間が長くなる可能性があるため、長めの滞在時間を確保できる場合に、別の体験が提案される。なお滞在時間閾値は、目的地ごとで異なる時間としてもよい。
【0043】
滞在時間が滞在時間閾値未満である場合には、サーバ1は後述するステップS8の制御処理を実行する。滞在時間が滞在時間閾値以上である場合には、ステップS6において、提供元特定部13は、データベースに記憶されている提供元データを参照し、滞在時間内で体験可能な体験を抽出し、目的地で体験を提供できる体験提供元を特定する。
【0044】
ステップS7にて、移動計画生成部12は、体験提供元により提供可能な体験の情報を含めて移動計画を生成する。また、ユーザが提案された体験を受けることで滞在時間が長くなる場合には、移動計画生成部12は、滞在時間を算出して、滞在時間の情報を移動計画に含める。
【0045】
ステップS8にて、送信部16は、移動計画のデータ及び/又は体験情報を含む体験情報データを、ユーザの端末機2に送信する。ステップS6、S7の制御処理を実行してない場合には、送信部16から端末機2に送信される制御信号は、体験情報データを含んでいない。
【0046】
送信部16から端末機2に送信される制御信号が送信されると、端末機2は、制御信号に含まれる移動計画のデータを端末機2のディスプレイに表示する。また制御信号が体験情報データを含む場合には、端末機2は、移動計画に加えた体験情報を端末機2のディスプレイに表示する。さらに、制御信号は、提供元特定部13により抽出された体験や移動計画を承諾するか否かをユーザに対して求める場合には、端末機2は、承諾する否かの選択するための選択画面をディスプレイに表示する。つまり、制御信号は、移動計画を端末機2のディスプレイに表示させるための指令信号でもある。
【0047】
ここで、体験情報データを含んでいる場合のディスプレイの表示画面と、体験情報データを含んでいない場合のディスプレイの表示画面について、図5を参照して説明する。図5は端末機2のディスプレイの表示画面を表しており、(а)は体験情報データを含んでいない場合の表示画面を表しており、()は体験情報データを含んでいる場合の表示画面を表している。なお、図5の表示画面は、図2のユーザAの端末機2の表示画面を表している。ユーザAにより指定された訪問場所と訪問目的に対して、提供元特定部13は、観光のための目的地として「B公園」、「C商店」、「D商店」を特定する。ユーザAの出発時間、到着時間、観光のための目的地以外の主な立ち寄り地点、滞在時間は図に表す通りである。また、図5の表示画面において、車及び人のアイコンは移動手段を表している。図5の表示画面において、「これに行く」のボタン表示は、ユーザが移動計画及び/又は提案体験を承諾する否かの選択するために表示されている。またユーザが移動計画及び/又は提案体験を変更する場合には、ユーザは、図5の表示画面における「プランを変更する」のボタン表示を選択すればよい。
【0048】
図5(а)の例では、出発時間から到着時間までの時間が2時間であり、目的地「B公園」の滞在時間は20分となり、短くなっている。このような場合には、体験情報は表示されない。一方、図5(b)の例では、出発時間から到着時間までの時間が3時間30分であり、目的地「B公園」の滞在時間は70分となり、長くなっている。このような場合には、体験提供元が提供元特定部13により特定され、体験情報が端末機2のディスプレイに表示される。図5(b)において、画像200が体験情報を表している。ユーザAは、図5(b)の表示画面を確認することで、観光目的である公園を楽しみつつ、「パスタを食べる」及び/又は「アイスクリームを食べる」という体験ができることを、確認できる。
【0049】
ステップS9にて、ユーザは、端末機2のディスプレイに表示された画面において、「これに行く」のボタン表示を選択することで、移動計画及び/又は提案体験を承諾する。ステップS10にて、端末機2は承諾信号をサーバ1に送信する。
【0050】
ステップS11にて、提供元特定部13は、承諾信号を受信した後、顧客データを生成する。顧客データは、目的地に訪問するユーザの情報を含んでいる。図5の例では、顧客データは、ユーザAに関する情報を含んでいる。顧客データは、目的地の情報、ユーザ年齢層、ユーザ滞在時刻、ユーザの嗜好、希望商品、ユーザの予算などの情報を含んでいる。
【0051】
ステップS12にて、送信部16は、通知信号を提供元4の端末に送信する。通知信号は顧客データを含んでいる。ステップS13において、提供元4は通知信号を受信することで、目的地に到着するユーザの情報を取得する。図5の例では、提供元は、目的地「B公園」にユーザが到着する旨の情報、及び、ユーザAの属性情報を取得できる。提供元4は、通知信号に含まれるユーザ属性から、ユーザの嗜好等を確認できるため、ユーザに合わせた商品を準備できる。
【0052】
ステップS14にて、配車部14は提供元及び/又はユーザに目的地に到着する車両を配車する。そして、サーバ1は図4に示す制御処理のフローを終了する。
【0053】
以上のとおり、本実施形態の情報処理システムによれば、サーバ1は、ユーザの移動計画を示す移動計画データを生成する移動計画生成部12と、滞在時間が所定時間以上である場合には、滞在時間内で体験可能な体験を抽出し、目的地(ユーザ滞在地)に移動してユーザに体験を提供できる体験提供元を特定する提供元特定部13と、体験提供元が提供できる体験の情報を含む体験情報データをユーザに送信する送信部16を備える。これにより、目的地において複数の体験をユーザに提供できる。すなわち、目的地における本来の体験と、本来の体験とは異なる体験を目的地においてユーザに提供できる。
【0054】
また本実施形態の情報処理システムによれば、配車部14は、目的地(ユーザ滞在地)に移動する車両を体験提供元及び/又はユーザに配車する配車部を備える。これにより、店舗を持たない業態であっても、本システムのサービスを利用できる。またユーザは目的地に車両で移動できる。
【0055】
また本実施形態の情報処理システムによれば、サーバ1はユーザの現在位置を示す位置データを受信する受信部17を備え、送信部16は車両に対してユーザの位置データを送信する。これにより、ユーザの位置データから、配車車両の到着地へのユーザの到着時刻を確認でき、配車車両は目的地へのユーザの到着に合わせた走行を可能とする。
【0056】
また本実施形態の情報処理システムによれば、送信部16は、体験情報データをユーザの端末機2に表示させるための制御信号を送信する。これにより、ユーザはサーバから提案される体験の情報を確認できる。
【0057】
また本実施形態の情報処理システムによれば、サーバ1はユーザが希望する体験に関する体験希望データを取得する希望体験受付部11を備え、移動計画生成部12は体験希望データに基づき、ユーザが希望する体験を提供可能な場所を目的地(ユーザ滞在地)に設定し、送信部16は目的地(ユーザ滞在地)の情報を含むデータをユーザに送信する。これにより、サーバ1は、ユーザの希望体験に合わせてユーザの目的地を提案できる。
【0058】
また本実施形態の情報処理システムによれば、提供元特定部13は、滞在時間の長さに応じて体験を決定し、決定した体験を提供可能な提供元を体験提供元として特定する。これにより、滞在時間の長さに合わせた体験をユーザに提供できる。
【0059】
また本実施形態の情報処理システムによれば、提供元特定部13は、目的地(ユーザ滞在地)の施設状況に応じて体験を決定し、決定した体験を提供可能な提供元を体験提供元として特定する。これにより、目的地の施設状況に合わせた体験をユーザに提供できる。
【0060】
また本実施形態の情報処理システムによれば、提供元特定部13は、目的地(ユーザ滞在地)の属性に応じて体験を決定し、決定した体験を提供可能な提供元を体験提供元として特定する。これにより、目的地の属性に合わせた体験をユーザに提供できる。
【0061】
また本実施形態の情報処理システムによれば、送信部16は、体験提供元により提供可能な体験の情報を含む体験情報データを送信する。これにより、ユーザは、体験可能な内容を確認できる。
【0062】
また本実施形態の情報処理システムによれば、送信部16は、提供元特定部13により抽出された体験を承諾するか否をユーザに選択させるための信号を送信する。これにより、ユーザは、目的地に到着する前に、体験を希望する/しないの意思表示をサーバに提示できる。
【0063】
また本実施形態の情報処理システムによれば、送信部16は、提供元特定部13により抽出された体験を承諾するか否をユーザに選択させるための信号を送信し、配車部14は、体験を承諾する旨を示す信号を受信した場合に、目的地(ユーザ滞在地)に移動する車両をユーザに配車する。これにより、ユーザは目的地に車両で移動した上で、希望する体験を受けることができる。
【0064】
なお、本実施形態の変形例に係るシステムにおいて、提供元特定部13は、複数の体験提供元を特定した場合には、複数の体験提供元の種別に応じて、ユーザに体験を提供する順番を決定してもよい。図2の例で、ユーザAに提案する体験提供元として店舗A及び店舗Bを特定した場合には、提供元特定部13は、「パスタ」の次に「アイスクリーム」がユーザAに提供されるよう、体験の提供順序を決める。すなわち、「パスタ」は昼食用の商品であり、「アイスクリーム」はデザート用の商品であるため、商品の種別から順序が決まる。他の例では、「パスタ」と「マッサージ」が体験に関する商品/サービスとして特定された場合には、「パスタを食べる」の次に「マッサージを受ける」の順になるよう、体験の提供順序が決まる。
【0065】
また本実施形態の変形例に係るシステムにおいて、配車部14は、配車車両が体験の提供順序で目的地に到着するよう車両を配車してもよい。これにより、ユーザが体験を受けるタイミングに合わせて、商品等を目的地に届けることができる。
【0066】
また本実施形態の変形例に係るシステムにおいて、送信部16は、体験が提供元特定部13により決定された順番で提供できることを示す時間情報を、ユーザの端末機のディスプレイに表示させるための制御信号に含めてユーザの端末機2に送信してもよい。ユーザは、端末機2のディスプレイの表示画面から、複数の体験の提供順序を確認できる。
【0067】
また本実施形態の変形例に係るシステムにおいて、送信部16は、ユーザが車両内にいる場合には、体験情報データを車載装置に表示させるための制御信号を車両に送信し、ユーザが車両外にいる場合には、体験情報データをユーザ所有の端末機に表示させるための制御信号を端末機2に送信してもよい。これにより、ユーザが視認できるディスプレイに合わせて、体験情報データを表示できる。上記希望体験受付部11が本発明に係る「取得部」に相当する。
【符号の説明】
【0068】
1…サーバ
2…ユーザ端末機(端末機)
3…ネットワーク
4…提供元
11…希望体験受付部
12…移動計画生成部
13…提供元特定部
14…配車部
15…データベース
16…送信部
17…受信部
図1
図2
図3
図4
図5