(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-05
(45)【発行日】2024-08-14
(54)【発明の名称】財布
(51)【国際特許分類】
A45C 13/02 20060101AFI20240806BHJP
A45C 1/08 20060101ALI20240806BHJP
【FI】
A45C13/02 D
A45C1/08
(21)【出願番号】P 2020208826
(22)【出願日】2020-11-30
【審査請求日】2023-02-02
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 Makuakeのウェブサイトでの公開
(73)【特許権者】
【識別番号】514010003
【氏名又は名称】舘 雅洋
(74)【代理人】
【識別番号】100115565
【氏名又は名称】遠山 敬一
(72)【発明者】
【氏名】舘 雅洋
【審査官】粟倉 裕二
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3201862(JP,U)
【文献】米国特許第02495931(US,A)
【文献】特開2019-130263(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45C 1/00-1/12、13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内面及び外面を有する本体部と、
前記本体部の前記内面に縫合されて設けられ、窪んだ平面形状の開口を有するポケット状の収容部と、
前記窪んだ平面形状部分を覆い、前記開口と係合する平面形状の係合部を有する蓋部と、
前記蓋部の前記係合部と反対側の端部に設けられ、前記蓋部を前記内面上で折り返し可能に支持する折り返し部と、
前記係合部から突出して設けられ、前記蓋部が前記開口を閉じたときに前記収容部内に挿入されることにより前記蓋部を固定する突出部と、を有する硬貨収納部を含
み、
前記収容部及び前記蓋部はファスナー又はホックを有さず、前記蓋部と前記収容部とが重なる部分を有さないように構成された財布。
【請求項2】
前記内面上の前記収容部及び前記蓋部の前記
本体部の長手方向における反対側端部には、カード収納部が設けられている請求項1に記載の財布。
【請求項3】
前記カード収納部は、前記内面上に縫合されて設けられた下地と、前記下地に縫合されたカバーピースとを有し、前記下地と前記カバーピースとの間の前記
本体部の長手方向における中心側にカードが挿入可能な開口が設けられている請求項2に記載の財布。
【請求項4】
前記カード収納部は、前記
本体部の長手方向においてカード幅よりも長い奥行きを有し、複数枚のカードをずらした状態で収納可能である請求
項3に記載の財布。
【請求項5】
前記本体部は、前記本体部の長手方向における中心において、前記内面側に二つ折りが可能である請求項
3又は4のいずれか一項に記載の財布。
【請求項6】
前記本体部の前記内面と前記収容部との間、及び前記内面と前記カード収納部の前記下地との間には、紙幣を収容可能な紙幣収納部が設けられている請求項
3~5のいずれか一項に記載の財布。
【請求項7】
前記
蓋部は、立体的な膨らみのある形状を有する請求項1~6のいずれか一項に記載の財布。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、財布に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、硬貨、紙幣およびカード等を収納するための折り畳み形式の財布が知られている。このような財布は、折り畳まれた部分を開くことにより硬貨や紙幣の収納部を露出させて各収納部から硬貨や紙幣等を取り出したり各収納部に硬貨や紙幣を収納したりして用いる(例えば、特許文献1参照)。例えば、このような折り畳み形式の財布として、2つ折りの財布や3つ折りの財布が広く用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の折り畳み形式の財布はファスナーやホックにより閉じられるようになっている。このような場合、生地の重なり部分が多くなり、また、ファスナーやホックの厚みのため、財布全体の厚さが厚くなってしまい、持ち運びやポケット等への収納に不便であるという問題があった。
【0005】
また、そのような問題を解決しようとして、小型化を図った財布も提案されているが、そのような場合、硬貨の収納スペースが不十分となり、別個にコインケースを用意する必要が生じ、財布自体は小型であっても、全体としては大きくなって持ち運びが却って不便になってしまうという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、小型・薄型を実現しつつ十分な硬貨収納容量を有する財布を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の一態様に係る財布は、内面及び外面を有する本体部と、
前記本体部の前記内面に縫合されて設けられ、窪んだ平面形状の開口を有するポケット状の収容部と、
前記窪んだ平面形状部分を覆い、前記開口と係合する平面形状の係合部を有する蓋部と、
前記蓋部の前記係合部と反対側の端部に設けられ、前記蓋部を前記内面上で折り返し可能に支持する折り返し部と、
前記係合部から突出して設けられ、前記蓋部が前記開口を閉じたときに前記収容部内に挿入されることにより前記蓋部を固定する突出部と、を有する硬貨収納部を含み、
前記収容部及び前記蓋部はホックを有さず、前記蓋部と前記収容部とが重なる部分を有さないように構成される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、硬貨収納部の厚さを薄くすることができるとともに、硬貨収納部の収容能力を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施形態に係る財布の一例を示した平面図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る財布の内面の蓋部が閉じた状態を示した平面図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る財布の硬貨収納部の蓋部の裏面を拡大して示した図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る財布のカード収納部の立体構成を示した断面図である。
【
図5】財布を折り畳んだ状態を示した斜視図である。
【
図6】本発明の実施形態に係る財布の使用状態の一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態の説明を行う。
【0011】
図1は、本発明の実施形態に係る財布の一例を示した平面図である。
図1(a)は、本実施形態に係る財布の内面側を示した平面図である。
図1(b)は、本実施形態に係る財布の外面側を示した平面図である。
【0012】
図1(a)、(b)に示されるように、本実施形態に係る財布は、本体部10と、硬貨収納部20と、内面カード収納部30と、紙幣収納部40と、外面カード収納部50とを有する。
【0013】
本体部10は、財布本体を構成する。本体部10は、内面11と外面12とを有する。内面上には、硬貨収納部20と内面カード収納部30とが設けられている。また、外面12には、外面カード収納部50が設けられている。本体部10は、紙幣を包含する面積を有する。本体部10の形状は、用途に応じて種々の形状とすることができるが、好ましくは、紙幣の形状に合わせて、長方形とすることが好ましい。
【0014】
硬貨収納部20は、硬貨60を収納するための領域である。硬貨収納部20は、内面の任意の箇所に設けることができるが、内面カード収納部30とともに内面11内に互いに重ならないように設ける必要があるため、内面11の端部に設けることが好ましい。
図1においては、硬貨収納部20を、内面11の端部に設けた例が挙げられている。
【0015】
硬貨収納部20は、ポケット状の収容部21と、蓋部23と、突出部26とを有する。また、収容部21は、開口22を有し、蓋部23は、係合部24と、折り返し部25と、突出部26とを有する。
【0016】
収容部21は、ポケット状又は袋状の形状を有するが、開口21の形状は、平面的に内側に窪んだ形状を有する。これは、蓋部22と平面的に係合する形状を有することが必要であるため、そのような窪んだ形状となっている。従来、ファスナーやホック等で蓋部と硬貨収容部とを固定する構成の財布が多く存在したが、そのような形状だと、蓋部と硬貨収容部の端部同士が重なって財布の厚さが増加してしまう。よって、本実施形態に係る財布では、蓋部23と収容部21とが重なる部分を有しないように、収容部21の開口22が内側(内面11内では端部方向)に窪んだ形状、蓋部23の係合部24が外側に突出した形状となっている。
【0017】
蓋部23は、収容部21の開口22を閉じ、硬貨60を硬貨収納部20内に収納保持するための部材である。上述のように、収容部21の開口22と蓋部23の端部の係合部24とが互いに係合する形状を有し、蓋部23と収納部21とが平面的に重ならないように構成される。即ち、本実施形態に係る財布では、蓋部23と収容部21とが重なる部分を無くし、財布の厚さが薄くなるように構成している。
【0018】
蓋部23は、折り返し部25に沿って内面11の表面から突出するように設けられ、折り返し部25を中心にして回動可能に構成されている。つまり、蓋部23は、折り返し部25を回動軸として開閉動作する。なお、折り返し部25は、両端部のみが内面11に接続され、中央部分は紙幣70が挿入可能なようにスペースを有した状態となっている。
【0019】
蓋部23の先端には、突出部26が設けられている。突出部26は、舌のような形状をしているので、舌(タン)と呼んでもよい。突出部26は、蓋部23が閉じて開口22と係合したときに、収容部21の内部に入り込んで、蓋部22が開かないように固定するための固定部材、ストッパーとしての役割を果たす。
【0020】
なお、係合部24及び開口22の形状は、係合すれば種々の形状とすることができるが、係合部24が最も突出した先端部分に突出部26を設ける必要があるため、先端部分は折り返し部25と平行に幅方向に延びる直線部分を有することが好ましい。よって、例えば、
図1に示すような台形に構成されてもよい。
【0021】
しかしながら、係合部24の形状及び開口22の形状は、必ずしも台形に構成される必要はなく、先端に突出部26を設けることが可能な限り、用途に応じて種々の形状とすることができる。
【0022】
硬貨収納部20と内面11との間には、紙幣収納部41が設けられる。紙幣収納部41内に、紙幣70が挿入されて硬貨収納部20の背面と内面11との間に紙幣70が挟み込まれて固定される。
【0023】
なお、硬貨収納部20の長手方向の両端のみを内面11と縫合し、折り返し部25を内面11と縫合しない構成とすれば、そのような構成とすることができる。
【0024】
内面カード収納部30は、内面11においてカードを収納するための領域である。内面カード収納部30は、内面11上の任意の箇所に設けることができるが、十分なスペースを確保するため、硬貨収納部20の反対側の端部に設けることが好ましい。これにより、中央のスペースを空け、財布をスムーズに2つ折りにすることができる。
【0025】
内面カード収納部30は、カバー31と、下地32とを有する。下地32は、長方形の形状を有する。下地32と内面11との間は、紙幣収納部42を構成する。つまり、下地32の中央側端部は、内面11に縫合されずに開放され、紙幣70を挟持可能な開口とスペースを有する。
【0026】
このように、硬貨収納部20と内面11との間に紙幣収納部41、下地32と内面11との間に紙幣収納部42が形成され、紙幣収納部41と紙幣収納部42とで全体の紙幣収納部40が構成される。
【0027】
カバー31は、カード80、81を上方から覆い、下地32との間で挟持するための保持手段である。カバー31を構成するカバーピースの外側端部31aを本体部10の幅方向、長手方向両側端部31b、31cを本体部10の長手方向に沿って縫合することにより、カードを保持可能な袋状の形状を形成することができる。
【0028】
カバー31は、
図1(a)に示されるように、下地32の全てを覆う必要はなく、角部を切断して開放した形状であってもよい。具体的には、カバー31は、内側の角に切れ込み31d、切れ込み31dの対角線上の外側の角に切れ込み31eを有する。これにより、カード80、81を外から容易に確認することができ、カード80、81の配置の確認を容易に行うことができる。また、中央側においては、メインカード80を取り出し易くすることができ、使用の利便性を向上させることができる。
【0029】
内面カード収納部30は、通常のクレジットカードよりも大きなサイズを有し、クレジットカードを確実に収納できるように構成される。なお、本実施形態においては、通常のクレジットカードの一回り大きい大きさよりも更に大きく形成し、メインカード80とサブカード81とをずらして収納可能に構成している。これは、頻繁に使用するメインカード80を取り出しやすくし、あまり使用しないサブカード81を奥に配置して、使用の便宜を図るためである。
【0030】
しかしながら、このような内面カード収納部30を通常のカード入れよりも深くする構成は必須ではなく、用途に応じてサイズを調整することができる。しかしながら、使い勝手の利便性を向上させつつ、硬貨収納部20とのサイズバランスを良好にするため、内面カード収納部30は、複数枚のカードをずらして収納できる大きさを有することが好ましい。
【0031】
なお、カバー31の中心側が下地32と縫合されずに開口31fを形成し、ここからカード80、81を出し入れする。
【0032】
図1(b)は、本体部10の外面12の一例を示した平面図である。
図1(b)に示されるように、内面カード収納部30の反対面に外面カード収納部50が設けられている。
【0033】
外面カード収納部50は、外面12上に直接縫合される。つまり、外面カード収納部50の独立した下地は存在せず、外面12自体は下地として機能する。外面カード収納部50の外側端部50a、長手方向の沿った両側の側部50b、50cが外面12に縫合され、内側端部50dのみが縫合されないことにより、袋状の形状に構成される。内側端部50dは開口を構成し、サブカード82の出し入れが内側端部50dから行われる。
【0034】
外面カード収納部50の端部は、必要に応じて切り込み51を設けてよい。これにより、視認性を向上させ、サブカード82を確認し易くできる点は、内面カード収納部30と同様である。
【0035】
また、外面カード収納部50においては、中心側には切り込み51を設けていない。これは、外面12においては特にメインカード80を設ける必要がないことと、外面においては安全性を重視し、サブカード82を確実に保持できる構造としたためである。
【0036】
しかしながら、外面カード収納部50の形状は、
図1(b)の奥の角に切り込み51を設けた
図1(b)の形状に限定される訳ではなく、種々の形状とすることができる。
【0037】
図2は、本実施形態に係る財布の内面11の蓋部23が閉じた状態を示した平面図である。
図2に示されるように、蓋部23が閉じた場合、硬貨を飛び出させないように開口22と蓋部23とが隙間を発生させないように係合する。これにより、硬貨を硬貨収納部20内に確実の収納することができる。
【0038】
また、閉じた状態においては、突出部26は収容部21に収納され、外側からは見えない状態となる。硬貨収納部20が閉じている状態では、突出部26のみが収容部21と重なっており、その他の領域で蓋部23と収容部21とは全く重なっていないので、厚みを増加させることなく硬貨を収納することができる。また、硬貨収容部20は、スペース的なロスがなく、収容部21と蓋部23を合わせた長方形領域が全て硬貨収納部20として機能する。よって、余裕を持って硬貨を収納することができ、多くの硬貨を収納することができる。
【0039】
また、
図2にはセンターラインが示されているが、センターラインで2つ折りにすることにより、財布をコンパクトな状態にして携帯することができる。また、硬貨収納部20と内面カード収納部30とを同じ大きさとすることにより、2つ折りにしたときのバランスを良好にすることができる。
【0040】
なお、本体部10の構成要素は全てレザー(天然皮革、本革)で形成することができる。ここで、厚さ方向の階層としては、内面11が最も下層にあり、その上に下地32と収容部21が設けられ、下地32の上にカバー31、収容部21の開口22の領域に蓋部23が設けられる。よって、階層ごとにレザーの種類を変えてもよい。
【0041】
例えば、内面11には表面が滑らかさ薄いレザーを用い、下地32と収容部21に同じ色のレザーを用いるようにしてもよい。更に、蓋部23とカバー31に同じ色のレザーを使用するようにすれば、3色でバランスの良いデザインとすることができる。
【0042】
また、
図1(b)に示される外面12においては、外面12に下地32及び収容部21と同じ色のレザーを用い、外面カード収納部50にカバー31と同じ色のレザーを用いるようにすれば、内面カード収納部30と外面カード収納部50を同じ色とすることができ、内面11と外面12とでバランスのとれたデザインとすることができる。
【0043】
なお、本実施形態に係る財布は、レザー(天然皮革、本革)により構成することに限られる訳ではなく、他の素材を用いて構成することも可能であり、例えば、合成皮革、合成樹脂、布等で構成してもよい。
【0044】
図3は、本発明の実施形態に係る財布の硬貨収納部20の蓋部23の裏面を拡大して示した図である。
図3(a)は、蓋部23の裏面を示した図である。
【0045】
図3(a)に示されるように、蓋部23の裏面は、両側部23aと中央部23bとを有し、両側部23aと中央部23bとがステッチ23cにて縫合され、中央部23bと突出部26とがステッチ23dにて縫合された構成となっている。
【0046】
蓋部23の裏面を両側部23aと中央部23bとで構成したのは、蓋部23の裏面に膨らみを持たせ、中に硬貨を収納できる構成とするためである。即ち、両側部23aはやや斜め上方向に立ち、中央部23bを上で支持するようなドーム状の形状となっている。
【0047】
また、中央部23bからは、突出部26が突出している。突出部26は、ステッチ23dで中央部23bに縫合されている。突出部26の突出高さPは、蓋部23を閉めた時に収容部21から外れない限り、用途に応じて種々の値に設定されてよい。突出部26の突出高さPは、3~8mm、好ましくは4~6mmの範囲内に設定されてもよく、例えば5mmに設定されていてもよい。
【0048】
また、折り返し部25は、蓋部23の折り返しを可能とする箇所であり、支点として機能する。また、折り返し部25と収容部21の上端との間のスペースQは、5~12mm程度に設定されてもよく、好ましくは5~10mm程度に設定されてもよい。例えば、スペースQは、8mmに設定してもよい。
【0049】
図3(b)は、蓋部23の両側部23aと中央部23bの内側の面の構成を示した図である。
図3(b)に示されるように、両側部23aが両側から延び、中央で中央部23bとステッチ23cで縫合され、立体的な膨らみのある形状を実現している。このような加工により、蓋部23を袋状の構成とし、蓋部23の内部にも硬貨を収容できるようにしている。
【0050】
図4は、本発明の実施形態に係る財布のカード収納部30の立体構成を示した断面図である。
図4に示されるように、本体部10の内面11上に紙幣70が挿入収納される。紙幣の上には、内面カード収納部30の下地32が設けられ、内面11と下地32とで紙幣70を挟持する。また、下地32とカバー31との間にメインカード80及びサブカード81が挟持される。
図4に示されるように、サブカード81は奥に配置され、メインカード80は中央側に配置される。カバー31は、内側の角に切れ込み31dにより形成されたカード露出領域Bを有するため、切れ込み領域Bからメインカード80が露出し、取り出し易い状態となっている。また、サブカード81が奥に配置され、手前には段差空間Aが形成されている。なお、サブカード81が厚いのは、複数のサブカード81が積層収納されているからである。
【0051】
また、本体部10の外面12には、外面カード収納部50が設けられ、サブカード82が外面カード収納部50と外面12との間に収納されている。
【0052】
このように、本実施形態に係る財布は、薄型でありながら、紙幣70を折り曲げずに収納できるとともに、内面11及び外面12の両面にカード80~82を収納することができ、十分な収納が可能である。また、硬貨収容部20も、重なり部分を無くした薄型の形状でありながら、袋形状を収容部21と蓋部23の双方に設け、十分な収納容量を有する。
【0053】
図5は、財布を折り畳んだ状態を示した斜視図である。
図5に示される通り、非常に薄型の形状を有する。縦、横のサイズは、用途に応じて種々に設定できるが、例えば、横が90mm以上、縦が90mm未満となるように設定してもよい。ポケット等に携帯できる大きさに構成することが好ましい。
【0054】
厚さは、例えば、12mm以下に構成されてもよく、10mm程度に構成されてもよい。十分な収納量を確保しつつ、10mm程度の厚さで財布を構成することができれば、携帯の容易性と収納力という2つの相反する利点を両立させることができ、日常生活に極めて便利である。
【0055】
また、
図5に示されるように、本実施形態に係る財布は、端部に全てステッチが施されており、頑丈で長持ちするとともに、長く使用してもコンパクトな形状が崩れない構造となっている。
【0056】
図6は、本発明の実施形態に係る財布の使用状態の一例を示した図である。
図6に示されるように、硬貨収納部20には十分な硬貨収納容量があり、内面カード収納部30においては、メインカード80とサブカード81とがずれた状態で収納されている。
【0057】
片手で保持できる大きさであり、貨幣60及び紙幣70の出し入れも容易に行うことができ、コンパクトで優れた機能性を有する財布を実現することができる。
【0058】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳説したが、本発明は、上述した実施形態に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施形態に種々の変形及び置換を加えることができる。
【符号の説明】
【0059】
10 本体部
11 内面
12 外面
20 硬貨収納部
21 収容部
22 開口
23 蓋部
24 係合部
25 折り返し部
26 突出部
30 内面カード収納部
31 カバー
32 下地
40、41、42 紙幣収納部
50 外面カード収納部