(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-05
(45)【発行日】2024-08-14
(54)【発明の名称】施工管理システム及びアスファルトフィニッシャ
(51)【国際特許分類】
E01C 19/48 20060101AFI20240806BHJP
【FI】
E01C19/48 Z
(21)【出願番号】P 2022507272
(86)(22)【出願日】2021-03-11
(86)【国際出願番号】 JP2021009707
(87)【国際公開番号】W WO2021182556
(87)【国際公開日】2021-09-16
【審査請求日】2023-09-12
(31)【優先権主張番号】P 2020041584
(32)【優先日】2020-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2020041586
(32)【優先日】2020-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】502246528
【氏名又は名称】住友建機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】美濃 寿保
【審査官】高橋 雅明
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-229605(JP,A)
【文献】特開2016-224963(JP,A)
【文献】特開2010-073031(JP,A)
【文献】特開2002-324295(JP,A)
【文献】特開2003-346024(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01C 19/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダンプトラックに搭載された記憶装置に記憶されている
情報である、前記ダンプトラックの荷台に積み込まれた舗装材の重量を含む情報を、近距離無線通信を介して、前記ダンプトラックからアスファルトフィニッシャへ送信する、前記ダンプトラックに搭載されたコントローラを有する、
施工管理システム。
【請求項2】
前記アスファルトフィニッシャに搭載されているカメラにより前記ダンプトラックの識別番号を認識する、
請求項1に記載の施工管理システム。
【請求項3】
前記舗装材の重量を含む情報は、前記ダンプトラックの識別番号を含み、
前記カメラにより認識した前記ダンプトラックの識別番号と、前記ダンプトラックから送信された前記ダンプトラックの識別番号とを照合する、
請求項2に記載の施工管理システム。
【請求項4】
前記ダンプトラックから送信される前記舗装材の重量を含む情報に基づき、前記アスファルトフィニッシャに供給された前記舗装材の重量を算出し、算出した重量が所定値以上となった場合に前記アスファルトフィニッシャのメンテナンスを促す、
請求項1に記載の施工管理システム。
【請求項5】
ダンプトラックの荷台に積み込まれた舗装材の重量を算出するとともに、該舗装材の重量を含む情報を、近距離無線通信を介して、プラントから
前記ダンプトラックへ送信する、前記プラントに設置されたコントローラを有する、
施工管理システム。
【請求項6】
前記プラントに設置されたカメラにより前記ダンプトラックの識別番号を認識し、前記識別番号と前記舗装材の重量とを関連付ける、
請求項5に記載の施工管理システム。
【請求項7】
前記舗装材の重量は、前記ダンプトラック毎に合計された前記舗装材の重量である、
請求項6に記載の施工管理システム。
【請求項8】
トラクタと、
前記トラクタの前側に設置されたホッパと、
前記ホッパ内の舗装材を前記トラクタの後側へ搬送するコンベアと、
前記コンベアによって搬送されて路面上に撒かれた舗装材を車幅方向に敷き拡げるスクリュと、
前記スクリュによって敷き拡げられた舗装材を前記スクリュの後側で敷き均すスクリードと、
ダンプトラックに搭載されたコントローラによって近距離無線通信を介して前記ダンプトラックから送信された、前記ダンプトラックに搭載された記憶装置に記憶されている
情報である、前記ダンプトラックの荷台に積み込まれた舗装材の重量を含む情報を受信する通信装置と、を備える、
アスファルトフィニッシャ。
【請求項9】
カメラを備え、
前記カメラにより前記ダンプトラックの識別番号を認識する、
請求項8に記載のアスファルトフィニッシャ。
【請求項10】
前記舗装材の重量を含む情報は、前記ダンプトラックの識別番号を含み、
前記カメラにより認識した前記ダンプトラックの識別番号と、前記ダンプトラックから送信された前記ダンプトラックの識別番号とを照合する、
請求項9に記載のアスファルトフィニッシャ。
【請求項11】
前記ダンプトラックから送信される前記舗装材の重量を含む情報に基づき、供給された前記舗装材の重量を算出し、算出した重量が所定値以上となった場合にメンテナンスを促す、
請求項8に記載のアスファルトフィニッシャ。
【請求項12】
前記舗装材の重量を含む情報は、プラントから前記ダンプトラックへ送信された情報である、
請求項8に記載のアスファルトフィニッシャ。
【請求項13】
前記舗装材の重量を含む情報は、前記プラントに設置されたカメラにより認識された前記ダンプトラックの識別番号に関連付けられている、
請求項12に記載のアスファルトフィニッシャ。
【請求項14】
前記舗装材の重量は、前記ダンプトラック毎に合計された前記舗装材の重量である、
請求項13に記載のアスファルトフィニッシャ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、道路の施工を管理する施工管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、サーバを介してプラント及びアスファルトフィニッシャの間でデータを送受信できるようにしたシステムが知られている(特許文献1参照。)。このシステムでは、プラントは、サーバを介して、作製した舗装材の温度、量、及び、ダンプトラックに特定量の舗装材が積み込まれた時点に関する情報をアスファルトフィニッシャに送信できるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述のシステムでは、アスファルトフィニッシャは、各ダンプトラックからアスファルトフィニッシャに供給された舗装材の重量に関する情報を、各ダンプトラックから受け取ることはない。また、上述のシステムでは、ダンプトラックは、荷台に積み込まれた舗装材の重量に関する情報をプラントから受け取ることはない。
【0005】
そのため、アスファルトフィニッシャは、各ダンプトラックから供給された舗装材の重量に関する情報を正確に取得できないおそれがある。また、ダンプトラックは、荷台に積み込まれた舗装材の重量に関する情報をアスファルトフィニッシャに向けて送信できない。
【0006】
そこで、各ダンプトラックからアスファルトフィニッシャに供給された舗装材の重量に関する情報をアスファルトフィニッシャがより正確に取得できるようにすること、又は、各ダンプトラックの荷台に積み込まれた舗装材の重量に関する情報を各ダンプトラックが取得できるようにすること等、舗装材の重量に関する情報をより容易に送受信できるようにすることが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態に係る施工管理システムは、ダンプトラックに搭載された記憶装置に記憶されている情報である、前記ダンプトラックの荷台に積み込まれた舗装材の重量を含む情報を、近距離無線通信を介して、前記ダンプトラックからアスファルトフィニッシャへ送信する、前記ダンプトラックに搭載されたコントローラを有する。また、本発明の一実施形態に係る施工管理システムは、舗装材の重量を算出するとともに、該舗装材の重量を含む情報を、近距離無線通信を介して、プラントからダンプトラックへ送信する、前記プラントに設置されたコントローラを有する。
【発明の効果】
【0008】
上述の手段により、施工管理システムは、舗装材の重量に関する情報をより容易に送受信できるようにする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】プラントからダンプトラックへ情報を送信する場面の説明図である。
【
図4A】ダンプトラックからアスファルトフィニッシャへ情報を送信する場面の説明図である。
【
図4B】ダンプトラックからアスファルトフィニッシャへ情報を送信する場面の説明図である。
【
図4C】ダンプトラックからアスファルトフィニッシャへ情報を送信する場面の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
最初に、
図1を参照しながら、本発明の一実施形態に係る施工管理システムSYSの構成について説明する。
図1は、施工管理システムSYSの構成例を示す図である。
【0011】
施工管理システムSYSは、主に、アスファルトフィニッシャ100、ダンプトラック200、及びプラント300で構成されている。
【0012】
アスファルトフィニッシャ100は、道路等の舗装に用いられる機械である。具体的には、アスファルトフィニッシャ100は、主に、トラクタ1、ホッパ2、及びスクリード3で構成されている。
【0013】
トラクタ1は、アスファルトフィニッシャ100を走行させるための機構である。
図1に示す例では、トラクタ1は、後輪走行用モータを用いて後輪5を回転させ、且つ、前輪走行用モータを用いて前輪6を回転させることによってアスファルトフィニッシャ100を移動させる。後輪走行用モータ及び前輪走行用モータは、油圧ポンプから作動油の供給を受けて回転する油圧モータである。トラクタ1は、車輪の代わりにクローラを備えていてもよい。また、トラクタ1には、コントローラC1及び通信装置T1が搭載されている。コントローラC1及び通信装置T1は、タブレットPC又はスマートフォン等の可搬性の装置に一体化されていてもよい。タブレットPC又はスマートフォン等の可搬性の装置は、アスファルトフィニッシャ100の操作者、アスファルトフィニッシャ100の周囲で作業している作業者、若しくは、その施工現場の管理者等が所持している装置であってもよい。
【0014】
コントローラC1は、アスファルトフィニッシャ100に搭載されている制御装置である。
図1に示す例では、コントローラC1は、CPU、揮発性記憶装置、及び不揮発性記憶装置を含むコンピュータであり、トラクタ1に搭載されている。そして、コントローラC1は、アスファルトフィニッシャ100の動きを制御できるように構成されている。コントローラC1の各種機能は、例えば、不揮発性記憶装置に記憶されたプログラムをCPUが実行することで実現される。コントローラC1が実現する各種機能は、例えば、油圧アクチュエータを駆動するための作動油を吐出する油圧ポンプの吐出量を制御する機能、及び、油圧アクチュエータと油圧ポンプとの間の作動油の流れを制御する機能を含む。なお、油圧アクチュエータは、油圧シリンダ及び油圧モータを含む。
【0015】
また、コントローラC1が実現する各種機能は、空間認識装置M1の出力に基づいてダンプトラック200を認識する機能、及び、無線通信を介してダンプトラック200に所定の情報を送信するように要求する機能等を含む。コントローラC1は、アスファルトフィニッシャ100とダンプトラック200との間の情報のやり取りに関する機能に特化した制御装置であってもよい。
【0016】
通信装置T1は、アスファルトフィニッシャ100と外部機器との間の通信を制御するように構成されている。
図1に示す例では、通信装置T1は、ダンプトラック200に搭載されている通信装置T2との間の無線通信を制御するように構成されている。但し、通信装置T1は、受信機能のみを備えた受信装置であってもよい。この場合、通信装置T1は、ダンプトラック200から送信される情報を受信するための装置として機能する。
【0017】
ホッパ2は、舗装材を受け入れるための機構である。舗装材は、例えば、アスファルト混合物(アスファルト合材)である。
図1に示す例では、ホッパ2は、トラクタ1の前側に設置され、ホッパシリンダ2cによって車幅方向に開閉されるように構成されている。アスファルトフィニッシャ100は、通常、ホッパ2を全開状態にしてダンプトラック200の荷台50bから排出される舗装材を受け入れる。また、アスファルトフィニッシャ100は、ダンプトラック200の荷台から排出される舗装材を受け入れているときも、プッシュローラ2bを介してダンプトラック200を前方に押しながら走行を継続できる。アスファルトフィニッシャ100の操作者は、ホッパ2内の舗装材が減少すると、ホッパ2を閉じ、ホッパ2の内壁付近にあった舗装材をホッパ2の中央部に集めることができる。ホッパ2の底面中央部にあるコンベアがトラクタ1の後側に舗装材を搬送できるようにするためである。トラクタ1の後側に搬送された舗装材は、スクリュにより、トラクタ1の後側且つスクリード3の前側に位置する路盤上で車幅方向に敷き拡げられる。
【0018】
トラクタ1には、トラクタ1の前方の様子を監視するための空間認識装置M1が取り付けられている。空間認識装置M1は、例えば、単眼カメラ、ステレオカメラ、ミリ波レーダ、超音波センサ、レーザレーダ、又はLIDAR等である。
図1に示す例では、空間認識装置M1は、トラクタ1の前方の様子を撮像する単眼カメラである。この場合、コントローラC1は、例えば、空間認識装置M1としての単眼カメラが撮像した画像に基づいてダンプトラック200がアスファルトフィニッシャ100に接近しているか否か、或いは、ダンプトラック200がアスファルトフィニッシャ100に接触したか否か等を判定できる。
【0019】
スクリード3は、舗装材を敷き均すための機構である。
図1に示す例では、スクリード3は、主に、メインスクリード及び伸縮スクリードを含む。伸縮スクリードは、左伸縮スクリード及び右伸縮スクリードを含む。メインスクリード、左伸縮スクリード、及び右伸縮スクリードは、前後にずらして配置されている。具体的には、メインスクリードの後側に左伸縮スクリードが配置され、左伸縮スクリードの後側に右伸縮スクリードが配置されている。スクリード3は、トラクタ1によって牽引される浮動スクリードであり、レベリングアーム3aを介してトラクタ1に連結されている。スクリード3は、スクリードリフトシリンダ3bの伸縮によってレベリングアーム3aと共に上下に動かされる。
【0020】
ダンプトラック200は、アスファルトフィニッシャ100のホッパ2内に供給される舗装材を運搬する運搬車両の一例である。
図1に示す例では、ダンプトラック200は、可動式バンパーを備えた、舗装材の運搬のための専用のダンプトラックである。
【0021】
具体的には、ダンプトラック200は、主に、運転室50a及び荷台50bを有する。また、ダンプトラック200には、コントローラC2及び通信装置T2が搭載されている。コントローラC2及び通信装置T2は、タブレットPC又はスマートフォン等の可搬性の装置に一体化されていてもよい。タブレットPC又はスマートフォン等の可搬性の装置は、ダンプトラック200の運転者が所持している装置であってもよい。
【0022】
コントローラC2は、ダンプトラック200に搭載されている制御装置である。
図1に示す例では、コントローラC2は、CPU、揮発性記憶装置、及び不揮発性記憶装置を含むコンピュータであり、運転室50a内に搭載されている。そして、コントローラC2は、ダンプトラック200の動きを制御できるように構成されている。コントローラC2の各種機能は、例えば、不揮発性記憶装置に記憶されたプログラムをCPUが実行することで実現される。
【0023】
コントローラC2が実現する各種機能は、例えば、アスファルトフィニッシャ100からの要求に応じて情報をアスファルトフィニッシャ100に向けて送信する機能、及び、プラント300から受信した情報を不揮発性記憶装置に記憶する機能等を含む。コントローラC2は、アスファルトフィニッシャ100又はプラント300とダンプトラック200との間の情報のやり取りに関する機能に特化した制御装置であってもよい。
【0024】
通信装置T2は、ダンプトラック200と外部機器との間の通信を制御するように構成されている。
図1に示す例では、通信装置T2は、アスファルトフィニッシャ100に搭載されている通信装置T1、又は、プラント300に設置されている通信装置T3との間の無線通信を制御するように構成されている。但し、通信装置T2は、受信機能のみを備えた受信装置であってもよい。この場合、通信装置T2は、プラント300から送信される情報を受信するための装置として機能する。或いは、通信装置T2は、送信機能のみを備えた発信装置であってもよい。この場合、通信装置T2は、アスファルトフィニッシャ100に向けて情報を送信するための装置として機能する。送信される情報は、運転室50a内に設置されたメモリカードリーダ等のデータ読取装置(図示せず。)を介してコントローラC2の記憶装置に記憶されてもよい。
【0025】
プラント300は、舗装材の生産設備の一例である。
図1に示す例では、プラント300は、主に、ミキサ80、トロリ81、及びホットサイロ82等を有する。
【0026】
ミキサ80は、骨材、フィラー(石粉)、及びアスファルト等を均一に混合するための装置である。トロリ81は、ミキサ80から排出された混合物をホットサイロ82に搬送するための装置である。ホットサイロ82は、ミキサ80で製造された混合物を保温・貯蔵するための装置である。
【0027】
また、プラント300には、コントローラC3、空間認識装置M3、及び通信装置T3が設置されている。コントローラC3及び通信装置T3は、タブレットPC又はスマートフォン等の可搬性の装置に一体化されていてもよい。タブレットPC又はスマートフォン等の可搬性の装置は、ダンプトラック200の運転者、若しくは、プラント300で作業している作業者等が所持している装置であってもよい。
【0028】
コントローラC3は、プラント300に設置された制御装置である。
図1に示す例では、コントローラC3は、CPU、揮発性記憶装置、及び不揮発性記憶装置を含むコンピュータであり、プラント300に併設された建物内に配置されている。そして、コントローラC3は、空間認識装置M3及び通信装置T3を制御できるように構成されている。コントローラC3の各種機能は、例えば、不揮発性記憶装置に記憶されたプログラムをCPUが実行することで実現される。コントローラC3が実現する各種機能は、例えば、ミキサ80、トロリ81、及びホットサイロ82等の動きを制御する機能を含む。
【0029】
また、コントローラC3が実現する各種機能は、空間認識装置M3の出力に基づいてダンプトラック200を認識する機能、及び、無線通信を介してダンプトラック200に所定の情報を送信する機能等を含む。但し、コントローラC3は、ダンプトラック200とプラント300との間の情報のやり取りに関する機能に特化した制御装置であってもよい。
【0030】
空間認識装置M3は、プラント300において舗装材が積み込まれるダンプトラック200の様子を監視できるように構成されている。空間認識装置M3は、例えば、単眼カメラ、ステレオカメラ、ミリ波レーダ、超音波センサ、レーザレーダ、又はLIDAR等である。空間認識装置M3としてミリ波レーダ、超音波センサ、又はレーザレーダ等が利用される場合には、空間認識装置M3は、多数の信号(例えばレーザ光等)を物体に向けて発信し、その反射信号を受信するように構成されていてもよい。そして、空間認識装置M3は、その反射信号から、空間認識装置M3と物体との間の距離、及び、空間認識装置M3から見た物体の方向を検出するように構成されていてもよい。LIDAR等が発信した信号の反射信号を受信するように構成されている場合、空間認識装置M3は、ダンプトラック200のナンバープレートの表面における凹凸に基づいてナンバープレートに表示された文字を認識することによってダンプトラック200を識別してもよい。このように、コントローラC3は、空間認識装置M3を用い、ダンプトラック200の位置、形状、及び種類を判別できる。また、空間認識装置M3は、単眼カメラとLIDARとの組み合わせのように、2つ以上の装置の組み合わせで構成されていてもよい。
図1に示す例では、空間認識装置M3は、ミキサ80の下に停車したダンプトラック200の様子を撮像する単眼カメラである。この場合、コントローラC3は、例えば、空間認識装置M3としての単眼カメラが撮像した画像に基づいてダンプトラック200のナンバープレートに表示されたダンプトラック200の車両登録番号を認識できる。
【0031】
通信装置T3は、プラント300と外部機器との間の通信を制御するように構成されている。
図1に示す例では、通信装置T3は、ダンプトラック200に搭載されている通信装置T2との間の無線通信を制御するように構成されている。但し、通信装置T3は、送信機能のみを備えた発信装置であってもよい。
【0032】
次に、
図2及び
図3を参照し、プラント300からダンプトラック200への情報の送信に関する処理(以下、「第1送信処理」とする。)について説明する。
図2は、プラント300からダンプトラック200へ情報を送信する場面の説明図である。
図2は、ミキサ80の下にダンプトラック200の一例であるダンプトラック200Aが停車し、且つ、ホットサイロ82の下にダンプトラック200の別の一例であるダンプトラック200Bが停車している場面を示している。
図3は、第1送信処理の一例の流れを示すフローチャートである。プラント300に設置されているコントローラC3は、所定の制御周期で繰り返しこの第1送信処理を実行する。以下の説明は、プラント300からダンプトラック200Aへ情報を送信する場合に関するが、プラント300からダンプトラック200Bへ情報を送信する場合にも同様に適用される。
【0033】
最初に、コントローラC3は、ダンプトラック200Aを検知したか否かを判定する(ステップST1)。本実施形態では、コントローラC3は、空間認識装置M3の出力に基づき、ミキサ80の下方の所定位置にダンプトラック200Aが停車したか否かを判定する。
【0034】
ダンプトラック200Aを検知していないと判定した場合(ステップST1のNO)、コントローラC3は、今回の第1送信処理を終了させる。
【0035】
ダンプトラック200Aを検知したと判定した場合(ステップST1のYES)、コントローラC3は、ダンプトラック200Aの識別番号を取得する(ステップST2)。本実施形態では、ダンプトラック200Aの識別番号は、ダンプトラック200Aの前側ナンバープレート50cに表示されている車両登録番号である。
【0036】
具体的には、コントローラC3は、空間認識装置M3としての単眼カメラが撮像した前側ナンバープレート50cの画像に画像認識処理を施すことによってダンプトラック200Aの車両登録番号を識別番号として認識できる。なお、コントローラC3は、単眼カメラが撮像した後側ナンバープレート50dの画像に画像認識処理を施すことによってダンプトラック200Aの車両登録番号を識別番号として認識してもよい。
【0037】
或いは、コントローラC3は、空間認識装置M3以外の装置を利用してダンプトラック200Aの識別番号を取得してもよい。例えば、コントローラC3は、通信装置T3を利用してダンプトラック200Aの車両登録番号を識別番号として取得してもよい。具体的には、コントローラC3は、通信装置T3を介してダンプトラック200AのコントローラC2に送信要求を送信し、コントローラC2に記憶されている車両登録番号等の車両に関する情報をコントローラC2に送信させてもよい。
【0038】
その後、コントローラC3は、取得した識別番号と不揮発性記憶装置に予め記憶されている識別番号とを照合する。この照合により、コントローラC3は、ダンプトラック200が登録済みのダンプトラック200であるか否かを判定できるため、例えば、未登録のダンプトラック200に舗装材が積み込まれてしまうのを防止できる。或いは、コントローラC3は、特定のダンプトラック200に積み込まれるべき舗装材が別のダンプトラック200に積み込まれてしまうのを防止できる。或いは、コントローラC3は、ダンプトラック200に積み込まれるべき舗装材の重量と実際にダンプトラック200に積み込まれた舗装材の重量との間に過不足が生じてしまうのを防止できる。
【0039】
その後、コントローラC3は、舗装材の積み込みが完了したか否かを判定する(ステップST3)。本実施形態では、コントローラC3は、ミキサ80からの情報に基づいてミキサ80から所定重量の舗装材が排出されたことを検知した場合に、ダンプトラック200Aの荷台50bへの舗装材の積み込みが完了したと判定する。
【0040】
本実施形態では、プラント300は、バッチ式のプラントであり、例えば、1回のバッチ処理で1トンの舗装材を製造するように構成されている。そして、ダンプトラック200Aの荷台50bに積み込まれるべき舗装材の重量は、ダンプトラック200Aの識別番号に関連付けて事前に設定されている。そのため、コントローラC3は、例えば、ダンプトラック200に9トンの舗装材を積み込むように設定されている場合、ミキサ80からの情報に基づいて9回のバッチ処理が終了したことを検知したときに、舗装材の積み込みが完了したと判定できる。
【0041】
但し、コントローラC3は、ミキサ80からの情報以外の情報に基づいて舗装材の積み込みが完了したか否かを判定してもよい。例えば、コントローラC3は、空間認識装置M3としての単眼カメラが撮像した画像に画像認識処理を施すことによってミキサ80からダンプトラック200Aの荷台50bに向けて舗装材が落とされたこと、すなわち、バッチ処理が終了したことを認識してもよい。そして、コントローラC3は、所定回数のバッチ処理が終了したことを検知したときに、舗装材の積み込みが完了したと判定してもよい。
【0042】
或いは、コントローラC3は、台貫等の重量測定装置の出力に基づいて舗装材の積み込みが完了したか否かを判定してもよい。この場合、コントローラC3は、重量測定装置の出力に基づいてダンプトラック200の荷台50bに積み込まれた舗装材の重量を算出してもよい。
【0043】
舗装材の積み込みが完了していないと判定した場合(ステップST3のNO)、コントローラC3は、舗装材の積み込みが完了したと判定するまで、ステップST3の判定を繰り返す。そして、舗装材の積み込みが完了したと判定した場合(ステップST3のYES)、コントローラC3は、積込重量をダンプトラック200Aに送信する(ステップST4)。積込重量は、舗装材の重量に関する情報の一例である。具体的には、積込重量は、ダンプトラック200Aの荷台50bに積み込まれた舗装材の合計重量である。上述の例では、積込重量は、9回のバッチ処理によって荷台50bに積み込まれた舗装材の合計重量、すなわち、9トンである。
【0044】
本実施形態では、コントローラC3は、通信装置T3を介し、ダンプトラック200Aに搭載されている通信装置T2に向けて積込重量に関する情報を送信する。積込重量に関する情報は、舗装材の種類に関する情報、又は、舗装材の温度に関する情報等を含んでいてもよい。また、プラント300からダンプトラック200に送信される情報は、現在時刻、日付、現在位置、又はプラント300の識別番号等を含んでいてもよい。
【0045】
この第1送信処理により、プラント300に設置されたコントローラC3は、ダンプトラック200の荷台50bに積み込まれた舗装材の重量に関する情報を、ダンプトラック200に搭載されているコントローラC2に伝えることができる。この場合、ダンプトラック200は、コントローラC2における不揮発性記憶装置に舗装材の重量に関する情報を記憶できる。そのため、ダンプトラック200は、その後にアスファルトフィニッシャ100のホッパ2に舗装材を供給する際に、舗装材の重量に関する情報をアスファルトフィニッシャ100に直接伝えることができる。すなわち、衛星通信網又は携帯電話通信網等が利用できない場所であっても、ダンプトラック200は、Bluetooth(登録商標)又はWi-Fi(登録商標)等を利用した近距離無線通信を介して舗装材の重量に関する情報をアスファルトフィニッシャ100に直接伝えることができる。これにより、施工管理システムSYSは、ダンプトラック200による舗装材の移動とともに、ダンプトラック200に積み込まれた舗装材に関するデータも移動させることができる。すなわち、施工管理システムSYSは、ダンプトラック200に搭載されているコントローラC2における不揮発性記憶装置に記憶された舗装材に関するデータを、ダンプトラック200とともに物理的に移動させることができる。
【0046】
次に、
図4A~
図4C及び
図5を参照し、ダンプトラック200からアスファルトフィニッシャ100への情報の送信に関する処理(以下、「第2送信処理」とする。)について説明する。
図4A~
図4Cは、ダンプトラック200からアスファルトフィニッシャ100へ情報を送信する場面の説明図である。具体的には、
図4Aは、ダンプトラック200が後進しながらアスファルトフィニッシャ100に接近している場面を示す。
図4Bは、アスファルトフィニッシャ100のプッシュローラ2bを介してダンプトラック200とアスファルトフィニッシャ100とが接触している場面を示す。
図4Cは、ダンプトラック200が荷台50bを持ち上げて荷台50bにある舗装材をアスファルトフィニッシャ100のホッパ2内に移している場面を示す。
【0047】
図5は、第2送信処理の一例の流れを示すフローチャートである。アスファルトフィニッシャ100に搭載されているコントローラC1は、所定の制御周期で繰り返しこの第2送信処理を実行する。
【0048】
最初に、コントローラC1は、ダンプトラック200が所定位置に到着したか否かを判定する(ステップST11)。本実施形態では、コントローラC1は、空間認識装置M1の出力に基づき、アスファルトフィニッシャ100の前方の所定位置にダンプトラック200が到着したか否かを判定する。具体的には、コントローラC1は、空間認識装置M1としての単眼カメラが撮像した画像に画像認識処理を施すことにより、ダンプトラック200が所定位置に到着したことを認識できる。所定位置は、例えば、ダンプトラック200の後輪タイヤがアスファルトフィニッシャ100のプッシュローラ2bに接触したとき、すなわち、
図4Bに示すようにアスファルトフィニッシャ100とダンプトラック200とが接触したときのダンプトラック200の位置である。但し、所定位置は、アスファルトフィニッシャ100の前端とダンプトラック200の後端との間の距離が所定距離を下回ったとき、すなわち、
図4Aに示すようにアスファルトフィニッシャ100とダンプトラック200とが接触する前のダンプトラック200の位置であってもよい。
【0049】
ダンプトラック200が所定位置に到着していないと判定した場合(ステップST11のNO)、コントローラC1は、今回の第2送信処理を終了させる。
【0050】
ダンプトラック200Aが所定位置に到着したと判定した場合(ステップST11のYES)、コントローラC1は、ダンプトラック200の識別番号を取得する(ステップST12)。本実施形態では、ダンプトラック200の識別番号は、ダンプトラック200の後側ナンバープレート50dに表示されている車両登録番号である。
【0051】
具体的には、コントローラC1は、空間認識装置M1としての単眼カメラが撮像した後側ナンバープレート50dの画像に画像認識処理を施すことによってダンプトラック200の車両登録番号を識別番号として認識できる。
【0052】
或いは、コントローラC1は、空間認識装置M1以外の装置を利用してダンプトラック200の識別番号を取得してもよい。例えば、コントローラC1は、通信装置T1を利用してダンプトラック200の車両登録番号を識別番号として取得してもよい。具体的には、コントローラC1は、通信装置T1を介してダンプトラック200のコントローラC2に送信要求を送信し、コントローラC2に記憶されている車両登録番号等の車両に関する情報をコントローラC2に送信させてもよい。
【0053】
その後、コントローラC1は、取得した識別番号と不揮発性記憶装置に予め記憶されている識別番号とを照合する。この照合により、コントローラC1は、ダンプトラック200が登録済みのダンプトラック200であるか否かを判定できるため、例えば、未登録のダンプトラック200に積み込まれている舗装材がアスファルトフィニッシャ100に供給されてしまうのを防止できる。或いは、コントローラC1は、特定のアスファルトフィニッシャ100に供給されるべき舗装材が別のアスファルトフィニッシャ100に供給されてしまうのを防止できる。或いは、コントローラC1は、アスファルトフィニッシャ100に供給されるべき舗装材の重量と実際にアスファルトフィニッシャ100に供給された舗装材の重量との間に過不足が生じてしまうのを防止できる。
【0054】
その後、コントローラC1は、舗装材の供給が完了したか否かを判定する(ステップST13)。本実施形態では、コントローラC1は、空間認識装置M1としての単眼カメラが撮像した画像に画像認識処理を施すことによって、ダンプトラック200の荷台50bに積載されていた舗装材の全てがホッパ2内に移されたことを認識できる。そして、コントローラC1は、舗装材の全てが移されたことを認識できた場合、ホッパ2内への舗装材の供給が完了したと判定できる。
【0055】
舗装材の供給が完了していないと判定した場合(ステップST13のNO)、コントローラC1は、舗装材の供給が完了したと判定するまで、ステップST13の判定を繰り返す。
【0056】
そして、舗装材の供給が完了したと判定した場合(ステップST13のYES)、コントローラC1は、ダンプトラック200に情報の送信を要求する(ステップST14)。本実施形態では、コントローラC1は、通信装置T1を介してダンプトラック200のコントローラC2に送信要求を送信し、コントローラC2に記憶されている積込重量に関する情報をコントローラC2に送信させる。
【0057】
その後、コントローラC1は、ダンプトラック200から積込重量を受信する(ステップST15)。本実施形態では、コントローラC1は、通信装置T2を介してコントローラC2が送信する積込重量に関する情報を、通信装置T1を介して受信する。そして、コントローラC1は、受信した積込重量に関する情報を不揮発性記憶装置に記憶する。
【0058】
この段階で、コントローラC1は、供給重量を算出できる。供給重量は、アスファルトフィニッシャ100のホッパ2内に供給された舗装材の合計重量である。
【0059】
具体的には、コントローラC1は、アスファルトフィニッシャ100のホッパ2内に舗装材を供給した複数のダンプトラック200のそれぞれが送信した積込重量を積算することによって供給重量を算出できる。
【0060】
コントローラC1は、例えば、アスファルトフィニッシャ100の製造後にホッパ2内に供給された舗装材の合計重量(以下、「製造後合計重量」とする。)、特定の部品(例えばコンベアプレート又はスクリードプレート等)に関する直近のメンテナンス後にホッパ2内に供給された舗装材の合計重量(以下、「メンテナンス後合計重量」とする。)、又は、現在施工中の工事が開始された後にホッパ2内に供給された舗装材の合計重量(以下、「施工開始後合計重量」とする。)等を供給重量として算出してもよい。すなわち、コントローラC1は、任意の期間中にホッパ2内に供給された舗装材の合計重量を供給重量として算出してもよい。
【0061】
なお、コントローラC1は、ダンプトラック200の識別番号を取得するためにダンプトラック200に対して車両に関する情報の送信を要求する場合には、車両に関する情報と共に積込重量に関する情報をコントローラC2に送信させてもよい。この場合、コントローラC1は、ダンプトラック200からアスファルトフィニッシャ100への舗装材の供給が完了する前に、ダンプトラック200から積込重量に関する情報を受信できる。
【0062】
また、ダンプトラック200からアスファルトフィニッシャ100に送信される情報は、現在時刻、日付、又は現在位置等を含んでいてもよい。
【0063】
この第2送信処理により、ダンプトラック200に搭載されたコントローラC2は、ダンプトラック200の荷台50bに積み込まれている舗装材の重量である積込重量に関する情報を、アスファルトフィニッシャ100に搭載されているコントローラC1に直接伝えることができる。
【0064】
すなわち、ダンプトラック200は、アスファルトフィニッシャ100のホッパ2内に舗装材を供給する際に、ホッパ2内に供給される舗装材の重量に関する情報をアスファルトフィニッシャ100に直接伝えることができる。そのため、衛星通信網又は携帯電話通信網等が利用できない場所においても、ダンプトラック200は、Bluetooth(登録商標)又はWi-Fi(登録商標)等を利用した近距離無線通信を介して舗装材の重量に関する情報をアスファルトフィニッシャ100に直接伝えることができる。これにより、施工管理システムSYSは、ダンプトラック200からアスファルトフィニッシャ100への舗装材の移動に伴い、ダンプトラック200に積み込まれた舗装材に関するデータもアスファルトフィニッシャ100へ移動させることができる。すなわち、施工管理システムSYSは、ダンプトラック200に搭載されているコントローラC2における不揮発性記憶装置に記憶された舗装材に関するデータを、アスファルトフィニッシャ100に搭載されているコントローラC1における不揮発性記憶装置に移動させることができる。そのため、アスファルトフィニッシャ100は、例えば、道路状況により施工現場に到着するダンプトラック200の順番が入れ替わっても、アスファルトフィニッシャ100へ供給される舗装材に関するデータを舗装材とともに正確に入手することができる。更に、ダンプトラック200とアスファルトフィニッシャ100との間の直接の通信を行うことで、トンネル内などの外部との通信ができない施工現場でも確実に通信を行うことができる。
【0065】
また、この第2送信処理により、アスファルトフィニッシャ100は、コントローラC1における不揮発性記憶装置に、複数のダンプトラック200のそれぞれから受信した積込重量に関する情報を記憶できる。
【0066】
また、コントローラC1は、複数のダンプトラック200のそれぞれから受信した積込重量に関する情報に基づき、アスファルトフィニッシャ100のホッパ2内に供給された舗装材の合計重量である供給重量を算出できる。そのため、アスファルトフィニッシャ100の操作者は、例えば、車載表示装置(図示せず。)の画面を用いて施工日毎又は施工現場毎の供給重量等を容易に確認できる。なお、車載表示装置は、例えば、トラクタ1又はスクリード3に設置された表示装置である。
【0067】
また、コントローラC1は、複数のダンプトラック200のそれぞれから受信した積込重量に関する情報等を含む情報を、通信装置T1を介して管理装置400(
図4B参照。)に送信してもよい。
【0068】
管理装置400は、通信センタ等の施設に設置されているサーバ装置である。本実施形態では、管理装置400は、CPU、揮発性記憶装置、及び不揮発性記憶装置を含むコンピュータであり、インターネット等の通信ネットワークを通じて通信装置T1~T3のそれぞれに接続されている。
【0069】
この場合、アスファルトフィニッシャ100の管理者、又は、アスファルトフィニッシャ100の製造者等は、インターネット等の通信ネットワークを通じて様々な情報を取得できるため、例えば、複数のアスファルトフィニッシャ100のそれぞれに関する施工日毎の供給重量、製造後合計重量、メンテナンス後合計重量、又は施工開始後合計重量等をリアルタイムで確認できる。また、管理者又は製造業者等は、施工現場毎の供給重量をリアルタイムで確認できる。また、アスファルトフィニッシャ100の管理者は、例えば、現時点でのメンテナンス後合計重量を確認することで、スクリードプレート又はコンベアプレート等の消耗部品の交換時期を推定できる。このように、上述の構成は、アスファルトフィニッシャ100の維持管理が容易になるという効果をもたらす。
【0070】
また、コントローラC1は、例えば、供給重量の一例であるスクリードプレートに関するメンテナンス後合計重量が所定重量を上回った場合に、その旨をアスファルトフィニッシャ100の操作者等に知らせてもよい。スクリードプレートの摩耗は、スクリードプレートに関するメンテナンス後合計重量に依存するためである。なお、スクリードプレートに関するメンテナンス後合計重量は、例えば、スクリードプレートが交換された後にホッパ2内に供給された舗装材の合計重量である。コンベアプレートについても同様である。
【0071】
また、供給重量は、これまでに供給された舗装材の種類に応じて補正されてもよい。スクリードプレート又はコンベアプレート等の部品の摩耗は、舗装材の種類にも依存するためである。
【0072】
具体的には、コントローラC1は、スクリードプレートの交換又はメンテナンス等を促すテキストメッセージ等の画像情報を車載表示装置の画面に表示させてもよい。或いは、コントローラC1は、スクリードプレートの交換又はメンテナンス等を促す音声を音出力装置(図示せず。)から出力させてもよい。音出力装置は、例えば、トラクタ1又はスクリード3に設置された車載スピーカである。
【0073】
上述のように、本発明の実施形態に係る施工管理システムSYSは、舗装材の重量に関する情報のプラント300からダンプトラック200への送信を制御するように構成されている。
【0074】
この構成により、各ダンプトラックは、舗装材に関する情報をプラント300から取得できる。舗装材に関する情報は、荷台50bに積み込まれた舗装材の重量に関する情報を含む。そのため、各ダンプトラックは、舗装材の重量に関する情報をアスファルトフィニッシャ100に直接伝えることができる。その結果、アスファルトフィニッシャ100は、アスファルトフィニッシャ100に供給された舗装材の重量をリアルタイムで集計できる。また、各ダンプトラックの運転者は、運転室50a内に設置された表示装置の画面において、荷台50bに積み込まれている舗装材の重量に関する情報を閲覧できる。そのため、各ダンプトラックの運転者は、舗装材の過積載をより確実に防止できる。
【0075】
また、舗装材に関する情報は、舗装材の種類に関する情報を含んでいてもよい。この場合、各ダンプトラックの運転者は、運転室50a内に設置された表示装置の画面において、荷台50bに積み込まれている舗装材の種類に関する情報を閲覧できる。そのため、各ダンプトラックの運転者は、舗装材の誤搬送をより確実に防止できる。
【0076】
また、アスファルトフィニッシャ100に供給された舗装材の量を管理する管理者は、伝票に記載された数値を合計することなく、アスファルトフィニッシャ100に供給された舗装材の重量をリアルタイムで管理できる。例えば、管理者は、当日の予定施工量に対する現時点での実施工量の割合を容易に把握できるため、工事の進捗を容易に管理でき、更には、舗装材の発注量の過不足を容易に判断できる。なお、当日の予定施工量は、当日にアスファルトフィニッシャ100に供給される予定の舗装材の重量を意味し、実施工量は、当日にアスファルトフィニッシャ100に既に供給された舗装材の重量を意味する。
【0077】
また、施工管理システムSYSは、伝票を用いないため、伝票の紛失、又は、伝票に記載された数字の誤入力等により、アスファルトフィニッシャ100に供給された舗装材の重量が不正確になってしまうのを防止できる。
【0078】
また、施工管理システムSYSは、コンベアの回転数に基づいて舗装材の供給重量を推定する従来の構成に比べ、より正確に舗装材の供給重量を算出できる。なお、従来の構成は、具体的には、コンベアの幅、コンベア搬送通路の開口の高さ、及びコンベアの搬送速度に基づき、コンベアによって搬送される舗装材の体積を算出し、その体積に舗装材の比重を乗じて舗装材の重量を算出する。しかしながら、従来の構成によって算出される舗装材の重量は、舗装材の種類毎に搬送効率が異なること、或いは、舗装材の種類毎に比重が異なること等により、誤差が大きく不正確となる傾向を有する。施工管理システムSYSは、このような推定を行う必要がないため、より正確に舗装材の供給重量を算出できる。
【0079】
施工管理システムSYSは、プラント300に設置されたカメラによりダンプトラック200の識別番号を認識し、その認識した識別番号と、舗装材の重量に関する情報とを関連付けるように構成されていてもよい。舗装材の重量に関する情報は、例えば、プラント300におけるコントローラC3によって算出される情報である。具体的には、舗装材の重量に関する情報は、特定の一台のダンプトラック200の荷台50bに積み込まれた舗装材の重量に関する情報である。
【0080】
舗装材の重量に関する情報は、例えば、ダンプトラック毎に合計された舗装材の重量に関する情報である。具体的には、舗装材の重量に関する情報は、複数のダンプトラック200のそれぞれに関して別々に合計される舗装材の重量である。
【0081】
より具体的には、舗装材の重量に関する情報は、プラント300での1回の積み込み作業によって特定のダンプトラック200の荷台50bに積み込まれた舗装材の重量に関する情報である。例えば、舗装材の重量に関する情報は、9回のバッチ処理によって特定のダンプトラック200の荷台50bに積み込まれた舗装材の重量(9トン)である。
【0082】
また、施工管理システムSYSは、舗装材の重量に関する情報のダンプトラック200からアスファルトフィニッシャ100への送信を制御するように構成されている。
【0083】
この構成により、アスファルトフィニッシャ100は、ダンプトラック200から供給された舗装材の重量に関する情報をより正確に取得できる。アスファルトフィニッシャ100は、実際に舗装材をホッパ2内に供給したダンプトラック200からその舗装材の重量に関する情報を直接且つリアルタイムで取得できるためである。
【0084】
また、施工管理システムSYSは、アスファルトフィニッシャ100に搭載されているカメラによりダンプトラック200の識別番号を認識するように構成されていてもよい。
【0085】
この構成により、アスファルトフィニッシャ100は、ダンプトラック200が登録済みのダンプトラック200であることを確認した上で、ダンプトラック200から舗装材の供給を受けることができる。そのため、施工管理システムSYSは、例えば、供給を受けるべきではない舗装材がアスファルトフィニッシャ100のホッパ2内に誤って供給されてしまうのを防止できる。
【0086】
また、舗装材の重量に関する情報は、ダンプトラック200の識別番号に関する情報を含んでいてもよい。この場合、施工管理システムSYSは、カメラにより認識したダンプトラック200の識別番号と、ダンプトラック200から送信されたダンプトラック200の識別番号とを照合するように構成されていてもよい。
【0087】
この構成により、アスファルトフィニッシャ100は、ダンプトラック200のナンバープレートに表示された車両登録番号と、ダンプトラック200に搭載されているコントローラC2に記憶された車両登録番号とが一致していることを確認した上で、ダンプトラック200から舗装材の供給を受けることができる。すなわち、アスファルトフィニッシャ100は、コントローラC2に記憶されている情報が正確であるか否かを確認した上で、ダンプトラック200から舗装材の供給を受けることができる。そのため、施工管理システムSYSは、例えば、供給を受けるべきではない舗装材がアスファルトフィニッシャ100のホッパ2内に誤って供給されてしまうのを防止できる。
【0088】
また、施工管理システムSYSは、ダンプトラック200から送信される舗装材の重量に関する情報に基づき、アスファルトフィニッシャ100に供給された舗装材の重量を算出し、算出した重量が所定値以上となった場合にアスファルトフィニッシャ100のメンテナンスを促すように構成されていてもよい。
【0089】
この構成により、施工管理システムSYSは、スクリードプレート又はコンベアプレート等の消耗部品の交換時期を、アスファルトフィニッシャ100の管理者に適時に知らせることができる。
【0090】
以上、本発明の好ましい実施形態が説明された。しかしながら、本発明は、上述した実施形態に限定されることはない。上述した実施形態は、本発明の範囲を逸脱することなしに、種々の変形又は置換等が適用され得る。また、上述の実施形態を参照して説明された特徴のそれぞれは、技術的に矛盾しない限り、適宜に組み合わされてもよい。
【0091】
本願は、2020年3月11日に出願した日本国特許出願2020-041584号に基づく優先権、及び、2020年3月11日に出願した日本国特許出願2020-041586号に基づく優先権を主張するものであり、これらの日本国特許出願の全内容を本願に参照により援用する。
【符号の説明】
【0092】
1・・・トラクタ 2・・・ホッパ 2b・・・プッシュローラ 2c・・・ホッパシリンダ 3・・・スクリード 3a・・・レベリングアーム 3b・・・スクリードリフトシリンダ 5・・・後輪 6・・・前輪 50a・・・運転室 50b・・・荷台 50c・・・前側ナンバープレート 50d・・・後側ナンバープレート 80・・・ミキサ 81・・・トロリ 82・・・ホットサイロ 100・・・アスファルトフィニッシャ 200、200A、200B・・・ダンプトラック 300・・・プラント 400・・・管理装置 C1~C3・・・コントローラ M1、M3・・・空間認識装置 SYS・・・施工管理システム T1~T3・・・通信装置