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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-05
(45)【発行日】2024-08-14
(54)【発明の名称】折り畳み式インターモーダルコンテナ
(51)【国際特許分類】
   B65D 88/12 20060101AFI20240806BHJP
【FI】
B65D88/12 N
【請求項の数】 11
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022144967
(22)【出願日】2022-09-13
(62)【分割の表示】P 2019536569の分割
【原出願日】2017-12-14
(65)【公開番号】P2022172372
(43)【公開日】2022-11-15
【審査請求日】2022-09-13
(31)【優先権主張番号】2017900426
(32)【優先日】2017-02-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(31)【優先権主張番号】2017900998
(32)【優先日】2017-03-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(73)【特許権者】
【識別番号】520349090
【氏名又は名称】スペクテイナー プロプライエタリー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】プレス,ニコラス オリヴァー
(72)【発明者】
【氏名】ティラー,ロバート ブルース
(72)【発明者】
【氏名】ヒル,スティーヴン リチャード
(72)【発明者】
【氏名】サーモン,ダニエル グレイアム
(72)【発明者】
【氏名】ヘルシュコヴィチ,リオル
【審査官】植前 津子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第03525451(US,A)
【文献】特開2002-264993(JP,A)
【文献】中国実用新案第203359247(CN,U)
【文献】米国特許出願公開第2014/0299596(US,A1)
【文献】特開2009-255985(JP,A)
【文献】米国特許第07823739(US,B2)
【文献】特表2016-507431(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 88/00-90/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
折り畳み式インターモーダルコンテナであって、
対向する第1側面壁部および第2側面壁部であって、前記第1側面壁部は前記第2側面壁部に対して実質的に平行に延び、前記第1側面壁部および前記第2側面壁部の各々が下方端部部分および上方端部部分を含む、第1側面壁部および第2側面壁部と、
前記第1側面壁部の前記上方端部部分に対してヒンジにより取り付けられた上方壁部と、
前記第2側面壁部の前記下方端部部分に対してヒンジにより取り付けられた下方壁部と、
を含み、
当該折り畳み式インターモーダルコンテナは、
製品を格納するための内部を画成するために前記第1側面壁部および前記第2側面壁部が第1距離だけ離間されるよう、前記上方壁部が、前記第1側面壁部の前記上方端部部分から前記第2側面壁部の前記上方端部部分まで延び、かつ、前記下方壁部が、前記第2側面壁部の前記下方端部部分から前記第1側面壁部の前記下方端部部分まで延びる、組み立て構成と、
前記第1側面壁部および前記第2側面壁部が前記第1距離よりも小さい第2距離だけ離間されるよう、前記上方壁部が前記第1側面壁部の前記上方端部部分から下向きに延び、かつ、前記下方壁部が前記第2側面壁部の前記下方端部部分から上向きに延びる、折り畳み構成と、
の間で構成可能であり、
当該折り畳み式インターモーダルコンテナは、前記内部への端部組立体をさらに含み、前記端部組立体は、前記第1側面壁部および前記第2側面壁部のうちの一方の側面壁部に対してヒンジにより取り付けられた周縁剛性フレームを含み、前記端部組立体はコーナーキャスティングを含み、
前記端部組立体は、
前記端部組立体が前記第1側面壁部および前記第2側面壁部のうちの一方の側面壁部から実質的に垂直に延びる閉止姿勢であって、前記周縁剛性フレームが、前記第1側面壁部および前記第2側面壁部を支持し、かつ、前記第1側面壁部と前記第2側面壁部との間の運動を制限することによって、当該折り畳み式インターモーダルコンテナを前記組み立て構成においてロックし、前記コーナーキャスティングは、前記第1側面壁部および前記第2側面壁部のうちの他方の側面壁部に対する前記端部組立体の係合のために係合部材が前記周縁剛性フレームの開口部に受容されたときに、前記第1側面壁部および前記第2側面壁部のうちの他方の側面壁部上に提供された前記係合部材に当接する、閉止姿勢と、
前記端部組立体が取り付けられた側面壁部の外側に前記コーナーキャスティングが隣接するように、前記第1側面壁部および前記第2側面壁部のうちの一方の側面壁部に対して前記端部組立体が実質的に平行に、かつ、近接した状態で延びる開放姿勢と、
の間で枢動可能であることを特徴とする、
折り畳み式インターモーダルコンテナ。
【請求項2】
前記組み立て構成から前記折り畳み構成に構成するときに、前記上方壁部は前記第1側面壁部に向かって枢動し、前記下方壁部は前記第2側面壁部に向かって枢動する、請求項1に記載の折り畳み式インターモーダルコンテナ。
【請求項3】
前記折り畳み構成では、前記上方壁部は実質的に前記下方壁部の近傍に位置し、前記上方壁部は前記下方壁部に対して実質的に平行に延びる、請求項1~請求項2のうちのいずれか1項に記載の折り畳み式インターモーダルコンテナ。
【請求項4】
前記組み立て構成では、前記上方壁部は前記下方壁部から離間し、前記上方壁部は前記下方壁部に対して実質的に平行に延びる、請求項1~請求項3のうちのいずれか1項に記載の折り畳み式インターモーダルコンテナ。
【請求項5】
前記第2側面壁部の前記上方端部部分に対してヒンジにより取り付けられた第1端部および前記上方壁部に対してヒンジにより取り付けられた第2端部を有する上方リンク部材をさらに含み、前記第1側面壁部の前記下方端部部分に対してヒンジにより取り付けられた第1端部および前記下方壁部に対してヒンジにより取り付けられた第2端部を有する下方リンク部材をさらに含む、請求項1~請求項4のうちのいずれか1項に記載の折り畳み式インターモーダルコンテナ。
【請求項6】
前記組み立て構成から前記折り畳み構成に構成するときに、前記上方リンク部材は前記第2側面壁部に向かって枢動し、前記下方リンク部材は前記第1側面壁部に向かって枢動する、請求項5に記載の折り畳み式インターモーダルコンテナ。
【請求項7】
複数の前記上方リンク部材および前記下方リンク部材をさらに含む、請求項5または請求項6に記載の折り畳み式インターモーダルコンテナ。
【請求項8】
前記組み立て構成では、前記閉止姿勢にある前記端部組立体は、当該折り畳み式インターモーダルコンテナを前記組み立て構成においてロックするために、前記第1側面壁部および前記第2側面壁部のうちの他方の側面壁部に対して係合可能である、請求項1~請求項7のうちのいずれか1項に記載の折り畳み式インターモーダルコンテナ。
【請求項9】
前記第1側面壁部および前記第2側面壁部のうちの他方の側面壁部に対する前記端部組立体の係合のために、前記第1側面壁部および前記第2側面壁部のうちの他方の側面壁部は前記上方端部部分および下方端部部分に前記係合部材を含み、前記端部組立体は前記第1側面壁部および前記第2側面壁部のうちの他方の側面壁部の前記係合部材をそれぞれ受容するためのさらなる開口部を画成する前記周縁剛性フレームを含み、それにより、前記第1側面壁部と前記第2側面壁部との間の運動は実質的に制限され、前記第1側面壁部および前記第2側面壁部は前記周縁剛性フレームにより実質的に支持される、請求項8に記載の折り畳み式インターモーダルコンテナ。
【請求項10】
前記端部組立体はツイストロック係合のための4つのコーナーキャスティングをさらに含み、各コーナーキャスティングは前記周縁剛性フレームのそれぞれのコーナー上に配置される、請求項9に記載の折り畳み式インターモーダルコンテナ。
【請求項11】
前記端部組立体は前端部組立体であり、当該折り畳み式インターモーダルコンテナは、前記前端部組立体に実質的に類似の後端部組立体を含む、請求項1~請求項10のうちのいずれか1項に記載の折り畳み式インターモーダルコンテナ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製品の輸送または発送の際に使用するための折り畳み式インターモーダルコンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
インターモーダルコンテナ(ISOコンテナまたは輸送コンテナとしても知られる)は輸送のために広範な製品を格納するために使用される。全般にインターモーダルコンテナは長方形の鉄鋼製ボックスであり、製品が格納される内部へのアクセスを提供するために両側の端部にドアを有する。インターモーダルコンテナは、インターモーダルコンテナを定位置に固定するために、または、積み重ねられたときに他のインターモーダルコンテナと噛み合うために、ツイストロックおよび/またはブリッジクランプに対して係合するためのキャスティングも各コーナーに有する。
【0003】
国際貿易では通常、輸出国と輸入国との間に貿易の不均衡が存在する。一般に、インターモーダルコンテナは輸出国において製品が装填された後、輸入国に輸送される。しかしインターモーダルコンテナが輸入国に到着し、製品が取り出された後、インターモーダルコンテナは、貿易不均衡が存在するため、再利用のために空荷の状態で輸出国に戻される。空荷状態のインターモーダルコンテナの輸送は極めて非効率的であり、特に燃料、取り扱い、および格納の点で顕著なコストを伴う。特定の状況では、再利用のためにインターモーダルコンテナを戻すよりもむしろ輸入国において空荷状態のインターモーダルコンテナを単に格納および/または廃棄するほうがコスト面で有利となる場合もある。
【0004】
また国内物流管理活動でも、同様の不均衡が起こり得、それにより同様の不利益が発生し得る。例えば、輸出前に製品を装填するために製造業者に空荷状態のインターモーダルコンテナを輸送することが、その一例として挙げられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、上記の欠点のうちの1つまたは複数を実質的に克服または改善すること、または少なくとも有用な代替品を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1対向側面壁部および第2対向側面壁部であって、第1側面壁部は第2側面壁部に対して実質的に平行に延長し、第1側面壁部および第2側面壁部のうちの各側面壁部は下方端部部分および上方端部部分を含む、第1対向側面壁部および第2対向側面壁部と、
第1側面壁部の上方端部部分に対してヒンジにより取り付けられた上方壁部と、
第2側面壁部の下方端部部分に対してヒンジにより取り付けられた下方壁部であって、折り畳み式インターモーダルコンテナは、製品を格納するための内部を画成するために第1側面壁部および第2側面壁部が第1距離だけ離間されるよう、上方壁部が、第1側面壁部の上方端部部分から第2側面壁部の上方端部部分まで延長し、かつ、下方壁部が、第2側面壁部の下方端部部分から第1側面壁部の下方端部部分まで延長する、組み立て構成と、第1側面壁部および第2側面壁部が第1距離よりも小さい第2距離だけ離間されるよう、上方壁部が第1側面壁部の上方端部部分から下向きに延長し、かつ、下方壁部が第2側面壁部の下方端部部分から上向きに延長する、折り畳み構成と、の間で構成可能である、下方壁部と、
を含む、折り畳み式インターモーダルコンテナが本明細書で開示される。
【0007】
折り畳み式インターモーダルコンテナが組み立て構成から折り畳み構成へと構成される際、上方壁部は、例えばそのヒンジ接続を介して、第1側面壁部に向かって枢動し得、下方壁部は、例えばそのヒンジ接続を介して、第2側面壁部に向かって枢動し得る。
【0008】
折り畳み構成では、上方壁部は実質的に下方壁部に近接し得、上方壁部は下方壁部に対して実質的に平行に延長し得る。
【0009】
組み立て構成では、上方壁部は下方壁部から離間し得、上方壁部は下方壁部に対して実質的に平行に延長し得る。
【0010】
折り畳み式インターモーダルコンテナは、第2側面壁部の上方端部部分に対してヒンジにより取り付けられた第1端部および上方壁部に対してヒンジにより取り付けられた第2端部を有する上方リンク部材をさらに含み得、第1側面壁部の下方端部部分に対してヒンジにより取り付けられた第1端部および下方壁部に対してヒンジにより取り付けられた第2端部を有する下方リンク部材をさらに含み得る。
【0011】
折り畳み式インターモーダルコンテナが組み立て構成から折り畳み構成へと構成される際、上方リンク部材は第2側面壁部に向かって枢動し得、下方剛性部材は第1側面壁部に向かって枢動し得る。
【0012】
折り畳み式インターモーダルコンテナは、複数の前記の上方リンク部材および前記の下方リンク部材をさらに含み得る。
【0013】
折り畳み式インターモーダルコンテナは、組み立て構成においてコンテナの端部を閉じるための、および所望により、例えば端部組立体に設けられた1つまたは複数のドアを介して内部へのアクセスを提供するための、端部組立体をさらに含み得る。なお端部組立体は、端部組立体が、
端部組立体が第1側面壁部および第2側面壁部のうちの前記の一方の側面壁部に対して実質的に垂直に延長する閉止姿勢と、
端部組立体が第1側面壁部および第2側面壁部のうちの前記の一方の側面壁部に対して実質的に平行に、かつ、近接した状態で、延長する開放姿勢と、
の間で枢動可能となるよう、第1側面壁部および第2側面壁部のうちの一方の側面壁部に対してヒンジにより取り付けられる。
【0014】
組み立て構成では、閉止姿勢にある端部組立体は、折り畳み式インターモーダルコンテナを組み立て構成にロックするために、第1側面壁部および第2側面壁部のうちの他方の側面壁部に対して係合可能となり得る。第1側面壁部および第2側面壁部のうちの各側面壁部は1対の係合部材を含み得、端部組立体は係合部材をそれぞれ受容するための4つの開口部を画成する周縁剛性フレームを含み得、それにより、第1側面壁部と第2側面壁部との間の運動が実質的に制限され、第1側面壁部および第2側面壁部が周縁剛性フレームにより実質的に支持される。端部組立体はツイストロック係合のための4つのコーナーキャスティングをさらに含み得る。なお各コーナーキャスティングは周縁剛性フレームの各コーナー上に配置される。係合部材は、周縁剛性フレームの開口部に受容されたときに、コーナーキャスティングにそれぞれ当接し得る。
【0015】
折り畳み式インターモーダルコンテナは、好適には、前記の端部組立体を2つ含む。これらの端部組立体のうちの少なくとも一方は、組み立て構成においてコンテナの内部にアクセスするための1つまたは複数のドアを含む。1つまたは複数のドアを有する折り畳み式インターモーダルコンテナの端部組立体は本明細書では「ドア組立体」ともよばれる。端部組立体またはドア組立体の1つまたは複数のドア(好適には2つのドア)は通常は端部組立体の周縁剛性フレームにおいて支持される。まったくドアを有さない折り畳み式インターモーダルコンテナの端部組立体は、好適には、周縁剛性フレーム内に支持された端部壁を含む。
【0016】
第1距離は201センチメートル~226センチメートルの範囲内であり得る。第1距離は約221センチメートルであり得る。
【0017】
第2距離は23センチメートル~98センチメートルの範囲内であり得る。第2距離は約33センチメートルであり得る。
【0018】
第1対向側面壁部および第2対向側面壁部であって、折り畳み式インターモーダルコンテナは、製品を格納するための内部を画成するために、第1側面壁部および第2側面壁部が、実質的に平行となり、かつ、第1距離だけ離間される、組み立て構成と、第1側面壁部および第2側面壁部が、実質的に平行となり、かつ、第1距離より小さい第2距離だけ離間される、折り畳み構成と、の間で構成可能となるよう、第1側面壁部は第2側面壁部に接続された、第1対向側面壁部および第2対向側面壁部と、
組み立て構成において、コンテナの前端部および後端部を閉じ、内部へのアクセスを制御するための、前端部組立体および後端部組立体であって、前端部組立体および後端部組立体のうちの各端部組立体は、第1側面壁部に対してヒンジにより取り付けられ、かつ、それぞれの端部組立体が、第1側面壁部から実質的に垂直に延長する、閉止姿勢と、それぞれの端部組立体が、第1側面壁部に対して実質的に平行に、かつ、近接した状態で、延長する、開放姿勢と、の間で枢動可能である、前端部組立体および後端部組立体と、
を含み、
折り畳み式インターモーダルコンテナが組み立て構成にあるときには、前端部組立体および後端部組立体は、閉止姿勢において第2側面壁部に対して第1側面壁部を固定するために、第2側面壁部に対して係合可能であり、折り畳み式インターモーダルコンテナが折り畳み構成にあるときには、前端部組立体および後端部組立体は、第1側面壁部に対して係合可能であり、開放姿勢において第1側面壁部に対して実質的に平行に、かつ、近接した状態で延長する、折り畳み式インターモーダルコンテナも本明細書で開示される。
【0019】
好適には、第2側面壁部は、上方前方延長部材および下方前方延長部材と、上方後方延長部材および下方後方延長部材と、を含む。第2側面壁部の上方前方延長部材および下方前方延長部材は、閉止姿勢において前端部組立体に対して係合するよう適応され、第2側面壁部の上方後方延長部材および下方後方延長部材は、第2側面壁部が前端部組立体および後端部組立体により少なくとも部分的に支持されるよう、閉止姿勢において後端部組立体に対して係合するよう適応される。
【0020】
好適には前端部組立体および後端部組立体のうちの各端部組立体は周縁剛性フレームを含む。剛性フレームは、第1側面直立部分および第2側面直立部分であって、第1側面直立部分および第2側面直立部分のうちの各側面直立部分は上方端部および下方端部を有する、第1側面直立部分および第2側面直立部分と、第1側面直立部分および第2側面直立部分の端部にそれぞれ取り付けられた4つのコーナー部分またはコーナーブロックと、上方クロスバーおよび下方クロスバーと、を含む。上方クロスバーは、第1側面直立部分の上方端部に取り付けられたコーナーブロックから、第2側面直立部分の上方端部に取り付けられたコーナーブロックまで、延長し、下方クロスバーは、第1側面直立部分の下方端部に取り付けられたコーナーブロックから、第2側面直立部分の下方端部に取り付けられたコーナーブロックまで、延長する。
【0021】
このように、第2側面壁部の上方前方延長部材および下方前方延長部材が前端部組立体に対して係合されると、上方前方延長部材は、好適には、前端部組立体の第2側面直立部分の上方端部に取り付けられたコーナーブロックに、または、前端部組立体の上方クロスバーに、対して当接し、下方前方延長部材は、好適には、前端部組立体の第2側面直立部分の下方端部に取り付けられたコーナーブロックに、または、前端部組立体の下方クロスバーに、対して当接する。同様に、第2側面壁部の上方後方延長部材および下方後方延長部材が後端部組立体に対して係合したときには、上方後方延長部材は、好適には、後端部組立体の第2側面直立部分の上方端部に取り付けられたコーナーブロックに、または、後端部組立体の上方クロスバーに、対して当接し、下方後方延長部材は、好適には、後端部組立体の第2側面直立部分の下方端部に取り付けられたコーナーブロックに、または、後端部組立体の下方クロスバーに、対して当接する。
【0022】
好適には、折り畳み式インターモーダルコンテナは、第1側面壁部および第2側面壁部のうちの一方の側面壁部の上方端部部分に対してヒンジで取り付けられた上方壁部と、第1側面壁部および第2側面壁部のうちの他方の側面壁部の下方端部部分に対してヒンジで取り付けられた下方壁部と、を含む。組み立て構成では、上方壁部は第1側面壁部の上方端部部分と第2側面壁部の上方端部部分との間で延長し、下方壁部は第1側面壁部の下方端部部分と第2側面壁部の下方端部部分との間で延長する。折り畳み構成では、上方壁部は、上方壁部がヒンジで取り付けられている第1側面壁部および第2側面壁部のうちの前記の一方の側面壁部の上方端部部分から下向きに延長し、下方壁部は、下方壁部がヒンジで取り付けられている第1側面壁部および第2側面壁部のうちの他方の側面壁部の下方端部部分から上向きに延長する。すでに上で述べたように、折り畳み構成では、上方壁部は下方壁部に実質的に近接し得、上方壁部は下方壁部に対し実質的に平行に延長し得る。
【0023】
好適には、折り畳み式インターモーダルコンテナは、コンテナを組み立て構成へと構成する際に使用するための少なくとも1つの吊り上げシステムをさらに含む。各吊り上げシステムは、コンテナを組み立て構成へと構成するときに上方壁部を定位置に吊り上げる際に使用するための、細長く、好適には可撓性を有する、ライン部材または張力部材(例えばケーブル、コード、ストラップ、またはチェーンなど)を含む。可撓性を有するライン部材または張力部材に加えて、吊り上げシステムは好適には、吊り上げられるかまたは下ろされる際に可撓性を有するライン部材または張力部材の移動を支持するためのローラ機構、および保持部材も含む。ライン部材または張力部材の一方の端部領域は上方壁部の自由縁部領域に対して締結または固定され、次に、その自由縁部領域から、ライン部材または張力部材は、ローラ機構を貫通するよう、またはローラ機構の上方を通過するよう、上方壁部がヒンジで取り付けられていない他方の側面壁部の外側側面まで延長する。保持部材は、コンテナが組み立て構成へと構成される際に上方壁部の自由縁部領域を吊り上げるために操作員が保持し、ローラ機構を貫通するよう、またはローラ機構の上方を通過するよう、ライン部材または張力部材を引っ張るために、ライン部材または張力部材の逆側の端部領域に対して固定または締結される。しかし、各吊り上げシステムのライン部材または張力部材が、コンテナが折り畳み構成へと構成されるときに上方壁部を下げる際にも使用され得ることが注目されるであろう。
【0024】
折り畳み式インターモーダルコンテナは、側面壁部の長さに沿って離間して配置された複数の吊り上げシステムを含むことが望ましい。
【0025】
保持部材は、ライン部材または張力部材に張力を印加するために手により把持するためのハンドルとして、および/または、ライン部材または張力部材に張力を印加するために足を挿入するための足掛けとして、設計され得る。
【0026】
少なくとも1つの吊り上げシステムは、折り畳み式インターモーダルコンテナが組み立て構成へと構成される際に保持部材の動きを案内するために、側面壁部の外側側面に取り付けられたトラックまたはレールを含み得る。吊り上げシステムは、好適には側面壁部の下方端部においてまたは側面壁部の下方端部の近傍において、側面壁部の外側側面に取り付けられたブラケットをさらに含み得る。保持部材は、インターモーダルコンテナが組み立て構成にあるとき、このブラケットに対して固定または固着される。これは、上方壁部が実質的に水平姿勢に吊り上げられた状態でライン部材または張力部材が完全な伸長位置にあるときに、コンテナを組み立て構成に固定または保持することを、すなわち、保持部材をブラケットに固定または固着することにより、支援し得る。
【0027】
本発明の好適な実施形態について、以下に添付する図面を参照して単なる例示として、以下で説明する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】端部組立体またはドア組立体が閉止姿勢にある状態の、組み立て構成にある折り畳み式インターモーダルコンテナの第1の実施形態の斜視図である。
図1a図1のインターモーダルコンテナのコーナーの部分拡大図である。
図2】端部組立体またはドア組立体が開放姿勢にある状態の、図1の折り畳み式インターモーダルコンテナの斜視図である。
図3図2の折り畳み式インターモーダルコンテナの上面図である。
図4図1の折り畳み式インターモーダルコンテナの第1の断面図である。
図5図1の折り畳み式インターモーダルコンテナの第2の断面図である。
図6図2の折り畳み式インターモーダルコンテナの拡大正面図である。
図7】組み立て構成から折り畳み構成に構成する、図2の折り畳み式インターモーダルコンテナの斜視図である。
図8図7の折り畳み式インターモーダルコンテナの上面図である。
図9図7の折り畳み式インターモーダルコンテナの拡大正面図である。
図10】折り畳み構成にある図2の折り畳み式インターモーダルコンテナの斜視図である。
図11図10の折り畳み式インターモーダルコンテナの上面図である。
図12図10の折り畳み式インターモーダルコンテナの拡大正面図である。
図13】端部組立体またはドア組立体が閉止姿勢にある状態で組み立て構成にある第2の実施形態に係る折り畳み式インターモーダルコンテナの斜視図である。
図14図13の折り畳み式インターモーダルコンテナの吊り上げシステムまたはストラップシステムの拡大部分図である。
図15】折り畳み式インターモーダルコンテナが折り畳み構成にある状態の図14の吊り上げシステムまたはストラップシステムの拡大部分図である。
図16図14の吊り上げシステムまたはストラップシステムの足掛けおよびブラケットの拡大部分図である。
図17】端部組立体またはドア組立体が開放姿勢にある状態の図13の折り畳み式インターモーダルコンテナの正面図である。
図18図17の詳細Aの拡大図である。
図19図17の詳細Bの拡大図である。
図20】折り畳み構成から組み立て構成に構成する、図17の折り畳み式インターモーダルコンテナの正面図である。
図21】折り畳み構成にある図17の折り畳み式インターモーダルコンテナの正面図である。
図22】端部組立体またはドア組立体が閉止姿勢に向かって移動したが閉止姿勢にはまだ完全には達していない状態の組み立て構成にある第3の実施形態に係る折り畳み式インターモーダルコンテナの斜視図である。
図23図22に示される折り畳み式インターモーダルコンテナの「B」と指定される領域の、拡大された、より詳細な斜視図である。
図24図22に示される折り畳み式インターモーダルコンテナの「C」と指定される領域の、拡大された、より詳細な斜視図である。
図25図23に示されているが、しかし折り畳み式インターモーダルコンテナの端部組立体またはドア組立体が閉止姿勢にある状態の図に対応する斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
添付する図面の図1図12では、折り畳み式インターモーダルコンテナ10の第1の実施形態が示されている。コンテナ10は右側面壁部12および左側面壁部14を含む。側面壁部12および14は、互いに対向し合い、互いに対して実質的に平行である。側面壁部12および14のうちの各側面壁部は、長方形の鉄鋼フレームにより包囲された、長方形のコルゲート加工された鉄鋼パネルから形成される。右側面壁部12は、上方長手方向端部12a、下方長手方向端部12b、前端部12c、および後端部12dにより画成される。左側面壁部14は、上方長手方向端部14a、下方長手方向端部14b、前端部14c、および後端部14dにより画成される。
【0030】
図4で見られるように、右側面壁部12は下方フランジ12eを有し、この下方フランジ12eは、下方長手方向端部12bに配置され、左側面壁部14の下方長手方向端部14bに向かって延長する。右側面壁部12は3つのストップ部材12fをさらに有し、これらのストップ部材12fは、上方長手方向端部12aに配置され、前端部12cと後端部12dとの間で均等に離間して配置される。これらのストップ部材12fのうちの各ストップ部材12fは、鉄鋼溝部から形成され、上方向に延長する。右側面壁部12は8つのピン状の突起体12gをさらに有する。これらの突起体12gのうちの4つの突起体12gは前端部12cに配置され、長手方向端部12aと12bとの間で均等に離間して配置される。他の4つの突起体12gは後端部12dに配置され、長手方向端部12aと12bとの間で均等に離間して配置される。これらの突起体12gのうちの各突起体12gは右(すなわち外)方向に延長する。図9で最もよく見られるように、右側面壁部12は3つの丸い鉄鋼棒状体12hをさらに有し、これらの鉄鋼棒状体12hは、下方長手方向端部12bに配置され、前端部12cと後端部12dとの間で均等に離間して配置される。これらの棒状体12hのうちの各棒状体12hは、左側面壁部14の下方長手方向端部14bに向かって実質的に水平に左方向に延長する。右側面壁部12は、4つの係合部材をさらに有し、これらの係合部材は4つの鉄鋼コーナープレート12iの形態である。2つのコーナープレート12iは前端部12cに配置され、前方方向に延長する。他の2つのプレート12iは後端部12dに配置され、後方方向に延長する。
【0031】
左側面壁部14は上方フランジ14eを有し、上方フランジ14eは上方長手方向端部14aに配置され、右側面壁部12の上方長手方向端部12aに向かって延長する。左側面壁部14は3つの丸い鉄鋼棒状体14fをさらに有し、鉄鋼棒状体14fは上方長手方向端部14aに配置され、上方フランジ14eのわずかに上方にある。棒状体14fは前端部14cと後端部14dとの間に均等に離間して配置される。これらの鉄鋼棒状体14fのうちの各鉄鋼棒状体14fは、それぞれのストップ部材12fに向かって実質的に右方向に水平に、かつそれぞれのストップ部材12fに対して実質的に整列した状態で、延長する。左側面壁部14は4つの係合部材をさらに含み、これらの係合部材は4つの鉄鋼コーナープレート14gの形状である。2つのコーナープレート14gは前端部14cに配置され、前方方向に延長する。他の2つのプレート14gは後端部14dに配置され、後方方向に延長する。
【0032】
コンテナ10は、右側面壁部12と左側面壁部14との間に配置された上方壁部16をさらに含む。上方壁部16は長方形のコルゲート加工された鉄鋼パネルから製作される。上方壁部16は右長手方向端部16a、左長手方向端部16b、前端部16c、および後端部16dにより画成される。左長手方向端部16bは、着脱可能な取り付け(例えば、ネジおよび/またはボルトによる)のために、左側面壁部14の上方フランジ14eに対して係合可能である。上方壁部16は、上方壁部16の上方表面上に配置された8つの突起16eを有する。突起16eは前端部16cと後端部16dとの間に均等に離間して配置され、各突起16eは上方壁部16の上方表面から上向きに延長する。図5および図6で最もよく見られるように、上方壁部16は、右長手方向端部16aに配置された右フランジ16fをさらに有する。右フランジ16fは、上方壁部16がそのヒンジ接続を介して右側面壁部12に対して枢動可能となるよう、右側面壁部12の上方長手方向端部12aに対してヒンジにより取り付けられる。図6図9、および図12で最もよく見られるように、上方壁部16が実質的に水平姿勢まで枢動すると上方壁部16の右長手方向端部16aが右側面壁部12の上方長手方向端部12aに対して当接するため、上方壁部16の枢動運動が右側面壁部12に対して約90度に制限されることが理解されるであろう。
【0033】
コンテナ10は、右側面壁部12と左側面壁部14との間に配置された下方壁部18をさらに含む。下方壁部18は鉄鋼製であり、その形状は実質的に長方形である。下方壁部18は、右長手方向端部18a、左長手方向端部18b、前端部18c、および後端部18dにより画成される。右長手方向端部18aは、着脱可能な取り付け(例えば、ネジおよび/またはボルトによる)のために、右側面壁部12の下方フランジ12eに対して係合可能である。下方壁部18は下方壁部18の下方表面上に配置された8つの突起18eを有する。突起18eは前端部18cと後端部18dとの間で均等に離間して配置され、各突起18eは下方壁部18の下方表面から下向きに延長する。
【0034】
図4および図5で最もよく見られるように、図示の実施形態では、左長手方向端部18bは、下方壁部18がそのヒンジ接続を介して左側面壁部14に対して枢動可能となるよう、左側面壁部14の下方長手方向端部14bに対してヒンジにより取り付けられた左フランジ18fを有する。図6図9、および図12で最もよく見られるように、下方壁部18が実質的に水平姿勢まで枢動すると下方壁部18の左長手方向端部18bが左側面壁部14の下方長手方向端部14bに対して当接するため、下方壁部18の枢動運動が左側面壁部14に対して約90度に制限されることが理解されるであろう。
【0035】
コンテナ10は8つの上方リンク部材20および8つの下方リンク部材22をさらに含む。これらの上方リンク部材20および下方リンク部材22のうちの各リンク部材は細長く、鉄鋼製である。各上方リンク部材20は、上方リンク部材20が左側面壁部14に対して枢動可能となるよう、上方フランジ14eに対してヒンジにより取り付けられた第1端部20aと、上方壁部16のそれぞれの突起16eに対してヒンジにより取り付けられた第2端部20bと、を有する。各下方リンク部材22は、下方リンク部材22が右側面壁部12に対して枢動可能となるよう、下方フランジ12eに対してヒンジにより取り付けられた第1端部22aと、下方壁部18のそれぞれの突起18eに対してヒンジにより取り付けられた第2端部22bと、を有する。
【0036】
コンテナ10は前端部組立体24および後端部組立体26をさらに含み、前端部組立体24および後端部組立体26は、組み立て構成においてコンテナ10の前端部ならびに後端部を閉じるよう、および、コンテナ10の内部へのアクセスを制御するよう、設計されている。この実施形態では、端部組立体24および26は、組み立て構成においてコンテナ10の内部にアクセスするためのドアパネルを含む。そのため、前端部組立体24および後端部組立体26は、本明細書では前ドア組立体24および後ドア組立体26ともよばれる。ドアを有さない折り畳み式インターモーダルコンテナ10の端部組立体は通常、周縁剛性フレーム内に支持された端部壁を単に含むであろう。
【0037】
前ドア組立体24は長方形の周縁剛性フレームを含み、この周縁剛性フレームは鉄鋼製で、出入口を画成する。前ドア組立体24の剛性フレームは、右直立部材24a、左直立部材24b、上方クロスバー部材24c、および下方クロスバー部材24dを有する。前ドア組立体24の剛性フレームの各コーナーには、ツイストロックおよび/またはブリッジクランプに対して係合するためのコーナーキャスティング25が配置される。図示の実施形態では、左部材24bは、前ドア組立体24が左側面壁部14に対して枢動可能となるよう、左側面壁部14の前端部14cに対してヒンジにより取り付けられる。特に前ドア組立体24は、前ドア組立体24が左側面壁部14から実質的に垂直に延長する閉止姿勢(図1参照)と、前ドア組立体24が、左側面壁部14に対して実質的に平行に、かつ、左側面壁部14に近接した状態で、延長する、開放姿勢(図2参照)と、の間で枢動可能である。前ドア組立体24は、ドアパネル24eおよび24fがフレンチドアと同様の様式で出入口を開閉することが可能となるよう、右部材24aに対してヒンジにより取り付けられた右ドアパネル24eと、左部材24bに対してヒンジにより取り付けられた左ドアパネル24fと、をさらに含む。
【0038】
図1および図1aを参照すると、前ドア組立体24は細長い平坦鉄鋼片の形状のフラップ部材24gをさらに含む。フラップ部材24gは、フラップ部材24gが右部材24aに対して枢動可能となるよう、その長手方向側面のうちの一方の長手方向側面に沿って右部材24aに対してヒンジにより取り付けられる。フラップ部材24gは、その長さに沿って均等に離間して配置された4つの開口部24hを有し、各開口部24hは、前ドア組立体24の右部材24aを右側面壁部12の前端部12cに対して着脱可能に取り付けるために、前端部12c上のそれぞれの突起体12gを受容するよう適応される。前ドア組立体24は各コーナーに配置された4つのコーナーブラケット24zをさらに含む。図1aで最もよく見られるように、各コーナーブラケット24zは、受容されたときにそれぞれのコーナープレート12iおよび14gが近傍のコーナーキャスティング25に対して当接するよう、前端部12c上のコーナープレート12iおよび前端部14c上のコーナープレート14gを摺動可能に受容するための開口部を画成する。
【0039】
この図により示される実施形態では、前ドア組立体24および後ドア組立体26が実質的に同等であるので、前ドア組立体24のみについて上記で詳細に説明した。当業者は、後ドア組立体26が実質的に同じ様式で動作し、上記の構成要素と実質的に同一の構成要素を含むことを理解するであろう。しかし後ドア組立体26において、左部材が左側面壁部14の後端部14dに対してヒンジにより取り付けられ、後ドア組立体26の右部材を右側面壁部12の後端部12dに対して着脱可能に取り付けるために、後ドア組立体26のフラップ部材の開口部が後端部12d上の突起体12gをそれぞれ受容するよう適応されていることが理解されるであろう。さらに、後ドア組立体26において、コーナーブラケットにより画成される開口部は、後端部12d上のコーナープレート12iおよび後端部14d上のコーナープレート14gをそれぞれ受容するよう適応される。
【0040】
コンテナ10は組み立て構成と折り畳み構成との間で構成可能である。
【0041】
図1図6で最もよく示されているように、組み立て構成では、上方壁部16は、上方壁部16が右側面壁部12および左側面壁部14に対して実質的に垂直となるよう、右側面壁部12の上方長手方向端部12aから左側面壁部14の上方長手方向端部14aまで延長する。左長手方向端部16bは左側面壁部14の上方フランジ14eに対して当接および係合する。上方リンク部材20は上方壁部16の上方に配置される。追加的に組み立て構成では、下方壁部18は、下方壁部18が右側面壁部12および左側面壁部14に対して実質的に垂直となるよう、左側面壁部14の下方長手方向端部14bから右側面壁部12の下方長手方向端部12bまで延長する。右長手方向端部18aは右側面壁部12の下方フランジ12eに対して当接および係合する。下方リンク部材22は下方壁部18の下方に位置する。
【0042】
組み立て構成では、上方壁部16の内側表面が下方壁部18の内側表面に対して略平行となるよう、上方壁部16は下方壁部18から離間し、上方壁部16は下方壁部18に対して平行に延長する。したがって、図6で最もよく示されているように、右側面壁部12および左側面壁部14は、製品を格納するための内部28を画成するために約221センチメートルの第1垂直距離D1だけ離間される。第1垂直距離D1(すなわち内部28の幅)は、標準化されたインターモーダルコンテナに関して国際標準化機構(ISO)により定められた要件に準拠する。
【0043】
他の実施形態では、第1垂直距離D1が201センチメートル~226センチメートルの範囲内であり得ることが理解されるであろう。
【0044】
図1および図1aを具体的に参照すると、コンテナ10が組み立て構成にあるとき、ドア組立体24および26は、前ドア組立体24の剛性フレームが前端部12c、14c、16c、18cに対して当接し、かつ、後ドア組立体26の剛性フレームが後端部12d、14d、16d、18dに対して当接し、それにより内部28が密閉された状態の閉止姿勢にある。追加的に、ドア組立体24および26のフラップ部材の開口部は、着脱可能な取り付けのために、それぞれの突起体12gを受容する。ひとたび受容されると、突起体12gは、ボルト締結または任意の他の手段により、ドア組立体24および26のフラップ部材に固定され得ることが理解されるであろう。さらにドア組立体24および26のコーナーブラケットにより画成される開口部は、コーナープレート12iおよび14gがそれぞれの近傍のコーナーキャスティング25に対して当接するよう、コーナープレート12iおよび14gを受容する。これにより、前ドア組立体24および後ドア組立体26が組み立て構成において側面壁部12および14に対して配置され、壁部12、14、16、18の重量がドア組立体24および26に伝達されるよう、壁部12、14、16、18がドア組立体24および26の剛性フレームにより支持されることが可能となる。このことは、右側面壁部12と左側面壁部14との間の運動を制限することによりドア組立体24および26の剛性フレームがコンテナ10を組み立て構成に固定すること、および、充分な構造強度および剛性を有する組み立て構成にあるコンテナ10を提供すること、も可能にする。図示の実施形態では、組み立て構成にあるコンテナ10の構造強度は、標準化されたインターモーダルコンテナに関してISOにより定められた要件を満足する。内部28へのアクセスが各ドア組立体24および26のドアパネルの開閉により制御され得ることが理解されるであろう。
【0045】
コンテナ10を組み立て構成から折り畳み構成に構成するためには、右壁部12から離間する方向にドア組立体24および26のフラップを枢動させることにより、突起体12gがドア組立体24および26のフラップの開口部から取り外される。次にコーナープレート12iおよび14gは、ドア組立体24および26が開放姿勢へと枢動される(図2図3、および図6参照)ときにドア組立体24および26のブラケットにより画成される開口部から摺動することにより取り外される。次に、コンテナ10が組み立て構成から折り畳み構成へと構成される(図7図9参照)際、上方壁部16は右側面壁部12に向かって枢動し、下方壁部18は左側面壁部14に向かって枢動する。その結果、上方リンク部材20は左側面壁部14に向かって枢動し、下方リンク部材22は右側面壁部12に向かって枢動する。これらの回転は、右側面壁部12が左側面壁部14に近接する方向に移動することを可能にする。図示の実施形態では、コンテナ10が組み立て構成から折り畳み構成に構成される際、図9で最もよく示されているように、上方壁部16は依然として下方壁部18に対して実質的に平行に延長した状態に留まるであろう。
【0046】
図10図12で最もよく示されているように、ひとたび鉄鋼棒状体14fがストップ部材12fに対して当接し、鉄鋼棒状体12hが左側面壁部14の下方長手方向端部14bに対して当接すると、右側面壁部12は左側面壁部14に向かってさらに移動することがないよう妨げられ、コンテナ10は折り畳み構成となるであろう。この構成では、上方壁部16は右側面壁部12の上方長手方向端部12aから下方に延長する。上方リンク部材20は上方フランジ14eから下方に延長し、左側面壁部14と上方壁部16との間に配置される。追加的に、折り畳み構成では、下方壁部18は左側面壁部14の下方長手方向端部14bから上向きに延長する。下方リンク部材22は右側面壁部12の下方フランジ12eから上向きに延長し、右側面壁部12と下方壁部18との間に配置される。
【0047】
折り畳み構成では、上方壁部16は、下方壁部18に対して近接するかまたは当接する。上方壁部16は、上方壁部16の内側表面が下方壁部18の内側表面に対して実質的に平行となるよう、下方壁部18に対して実質的に平行に延長する。したがって、右側面壁部12および左側面壁部14は約33センチメートルの第2垂直距離D2だけ離間される。なお第2垂直距離D2は第1垂直距離D1よりも小さい。
【0048】
他の実施形態では、第2垂直距離D2が23センチメートル~98センチメートルの範囲内であり得ることが理解されるであろう。
【0049】
代表的な方法では、コンテナ10は、ドア組立体24および26を手動で開放姿勢に移動させることにより、組み立て構成から折り畳み構成に構成される。次に右壁部12が静止構造体に対して固定され、左壁部14は、鉄鋼棒状体14fがストップ部材12fに対して当接し、鉄鋼棒状体12hが左側面壁部14の下方長手方向端部14bに対して当接するまで、液圧アクチュエータなどのアクチュエータにより右壁部12に向かって移動される。この過程を逆転させる(すなわち、コンテナ10を折り畳み構成から組み立て構成に構成する)ためには、右壁部12は再び静止構造体に対して固定され、左壁部14は、リンク部材20および22により左壁部14のさらなる動きが妨げられるまで、アクチュエータにより右壁部12から離間する方向に移動される。
【0050】
図示の実施形態によれば、組み立て構成にあるコンテナ10は、ISOにより要求される仕様、特にISO1496-1:2013-Series1Freight Containersを満足し、したがって既存の輸送インフラストラクチャで容易に使用が可能である。さらにコンテナ10が組み立て構成から折り畳み構成に構成されるとき、コンテナ10はその幅を顕著に減少させることができる。これにより、標準的なインターモーダルコンテナと比較して、より多数の空状態のコンテナ10が、単一発送で輸送可能となる。また、これにより、標準的なコンテナと比較して、より多数のコンテナ10が、画成されたエリア内に格納可能となる。さらに、コンテナ10は、部品の組み立ておよび/または取り外しを必要とすることなく、組み立て構成と折り畳み構成との間で容易に構成可能となる。
【0051】
添付の図面のうちの図13図21では、折り畳み式インターモーダルコンテナ10’の第2の実施形態が示されている。折り畳み式インターモーダルコンテナ10と実質的に同一であるかまたは類似した折り畳み式インターモーダルコンテナ10’の特徴は、同一の参照番号が提供される。
【0052】
折り畳み式インターモーダルコンテナ10’は折り畳み式インターモーダルコンテナ10と実質的に同一である。しかし図13で最もよく見られるように、折り畳み式インターモーダルコンテナ10’は、コンテナを組み立て構成に構成する際に使用するための4つの吊り上げシステム30a、30b、30c、30dをさらに含む。吊り上げシステム30a、30b、30c、30dのうちの各吊り上げシステムは、コンテナ10’を組み立て構成に構成するときに上方壁部16を定位置に吊り上げる際に使用するための細長い可撓性ストラップ32を含む。この理由のために、吊り上げシステム30a、30b、30c、30dは、本明細書ではストラップシステム30a、30b、30c、30dともよばれ、これらのストラップシステムのうちの1つのストラップシステムであるストラップシステム30aについてここで詳細に説明する。
【0053】
ストラップシステム30aは、上方壁部16の左長手方向端部16bに取り付けられた一方の端部34(図18参照)と、足掛け38に取り付けられた他方の端部36(図19参照)と、を有するストラップ32を含む。足掛け38は、ショルダー部分40およびアパーチャ42を有する鉄鋼フレームの形状である。ストラップシステム30aは、上方長手方向端部14aに取り付けられた本体46と、ローラ48が左壁部14の外側に配置され、かつ、ローラ50が左壁部14の内側に配置されるよう、本体46に対して回転可能に取り付けられた一対の対向するローラ48および50と、を有するローラ機構44をさらに含む。ストラップ32は、ローラ機構44の本体46を通され、ストラップ32の端部34および36のうちの一方の端部が上向きまたは下向きに移動すると端部34および36のうちの他方の端部が逆向きに移動するよう、ローラ48および50に対して係合する。ストラップシステム30aは、下方長手方向端部14bにおいて、または下方長手方向端部14bの近傍に、左壁部14の外側に取り付けられたブラケット52をさらに含む。ブラケット52は1対の突出部材53を有する。これらの突出部材53のうちの各突出部材53は上向きに延長する凹陥部を有し、それにより足掛け38の1部分を受容してその凹陥部内に固定される。ストラップシステム30aは、左壁部14の外側に取り付けられた1対のガイドレール54をさらに含む。ガイドレール54は上方長手方向端部14aからブラケット52まで延長する。各ガイドレール54は、足掛け38がガイドレール54に沿って上向きおよび下向きに摺動することができるよう、足掛け38の1部分を受容する溝部を画成する。しかし、ガイドレール54は、足掛け38が横向きに移動することを制限することが理解されるであろう。
【0054】
図15および図21で最もよく見られるように、コンテナ10’は折り畳み構成に構成される。この構成では、上方壁部16の左長手方向端部16bが左壁部14の下方長手方向端部14bに向かって配置されると、ストラップ32の作用により、足掛け38は左壁部14の上方長手方向端部14aの近傍に配置させられる。
【0055】
コンテナ10’を組み立て構成に構成するためには、足掛け38はユーザによりガイドレール54に沿って下方に摺動させられる。これによりストラップ32は図20で最もよく見られるように左長手方向端部16bを上方向に引き上げる。足掛け38がブラケット52の近傍に達すると、ユーザは、足掛け38のショルダー部分40上に立ち、組み立て構成に入るようコンテナ10’に力を印加し得る。次に図13ならびに図14および図16図19で最もよく見られるように、足掛け38は、突出部材53の凹陥部が足掛け38の部分を受容するように1対の突出部材53が足掛け38のアパーチャ42を通って延長するよう、操作される。これにより効率的にコンテナ10’が組み立て構成に固定される。
【0056】
組み立て構成からコンテナ10’を固定加除するにあたってはユーザが足掛け38のショルダー部分40上に立つことにより突出部材53の凹陥部から足掛け38の部分を取り外すことが理解されるであろう。次にユーザは、突出部材53がアパーチャ42から取り外されて足掛け38がガイドレール54に沿って自由に上向きに摺動するよう、足掛け38を操作するであろう。これにより、コンテナ10’は折り畳み構成へと構成することが可能となるであろう。
【0057】
この図示の実施形態ではストラップシステム30a、30b、30c、30dのうちの各ストラップシステムが実質的に同一であるため、ストラップシステム30aのみについて上記で詳しく述べた。当業者は、他のストラップシステム30b、30c、30dが実質的に同じ様式で動作すること、および、ストラップシステム30aに関連して上述した構成要素と実質的に同一の構成要素を含むことを理解するであろう。
【0058】
添付の図面の図22図25では、折り畳み式インターモーダルコンテナ10”の第3の実施形態が示されている。第1および第2の実施形態に係る折り畳み式インターモーダルコンテナ10および10’と実質的に同一であるかまたは類似した折り畳み式インターモーダルコンテナ10”の特徴には同一の参照番号が提供され、これらの特徴については、さらなる説明を加えない。
【0059】
図22および図23で見られるように、折り畳み式インターモーダルコンテナ10”の第3の実施形態は、折り畳み式インターモーダルコンテナ10”が組み立て構成に構成されるときに前ドア組立体24および後ドア組立体26を閉止姿勢に配置および固定するための閉鎖機構に関して異なる。この実施形態では、開口部24hが右側面壁部12の前端部12c上のそれぞれの突起体12gを受容するよう適応された状態で、前ドア組立体24の右直立部材24aに対してヒンジにより取り付けられたフラップ部材24gを、閉鎖機構が含むことに代わって、閉鎖機構は右側面壁部12の前端部12cに固定された2つの閉鎖レバー24iを含む。なお、これらの閉鎖レバー24iは、上方閉鎖レバー24iおよび下方閉鎖レバー24iとして離間している。各閉鎖レバー24iは、前ドア組立体24の直立部材24aに固定され、かつ、ラッチアーム24kに対して位置合わせされた留め具24mに係合するためのラッチアーム24kを延長させるよう動作可能である、ハンドル24jを有する。ハンドル24jは、ラッチアーム24kが留め具24mに対して係合したときにラッチアーム24kを後退させ、それにより前ドア組立体24が閉止姿勢に引き入れられるよう、さらに動作可能である。ドアフレーム部材24a、24b、24c、24dの内側は、図25で示されるように閉止姿勢において壁部12、14、16、18の前端部に対して前ドア組立体24の衝撃吸収および密閉を図るための可撓性シールまたはガスケット(例えばゴムビーズなど)を含み得る。
【0060】
後ドア組立体26も、側面壁部12の後端部12dに固定された2つの閉鎖レバー26iを有する係る閉鎖機構を有し、これらの閉鎖レバー26iが上方閉鎖レバー26iおよび下方閉鎖レバー26iとして離間していることが、図24から明らかである。再び、各閉鎖レバー26iは、後ドア組立体26の直立部材26aに対して固定され、かつ、ラッチアーム26kに対して位置合わせされた留め具26mに係合するためのラッチアーム26kを延長させるよう動作可能であるハンドル26jを有する。ハンドル26jは、ラッチアーム26kが留め具26mに対して係合したときにラッチアーム26kを後退させ、それにより後ドア組立体26が閉止姿勢に引き入れられるよう、さらに動作可能である。
【0061】
図23および図24を参照すると、この実施形態に係るインターモーダルコンテナ10”は、前方および後方に延長するコーナーブロック部材12jとして形成された係合部材を含む。なお、これらのコーナーブロック部材12jは、それぞれ前ドア組立体および後ドア組立体の相補的なコーナー要素24nおよびコーナー要素26nに対して噛合係合するかまたは係るコーナー要素24nおよびコーナー要素26nにより受容される、テーパ状の端部表面12kを提供する。このように、それぞれのコーナーブロック部材12jはコーナー要素24nおよび26nと協働して、ドア組立体24および26が閉止姿勢へと移動されるときに、ドア組立体24および26を側面壁部12に対して正しく配置する。さらに、コーナーブロック部材12jは近傍のコーナーキャスティング25に対して当接し、壁部12、14、16、18がドア組立体24および26の剛性フレームにより少なくとも部分的に支持されることを可能にする。このように、壁部12、14、16、18の重量はドア組立体24および26に部分的に伝達される。したがって、コーナーブロック部材12jおよびコーナー要素24nならびに26nは、第1の実施形態のコーナープレート12iならびに14gおよびブラケット24zならびに26zと置き換わる。この場合、前方および後方に延長するコーナーブロック部材12jは鉄鋼ピン12pを含む。この鉄鋼ピン12pは、ブロック部材12jを貫通するボア内に捕捉されているが、係るボア内で移動可能である。ドア組立体24および26のうちの各ドア組立体が閉止姿勢にあるとき、ピン12pはブロック12jを通るよう駆動され(例えばハンマーを用いて)、それにより、コーナーキャスティング25に設けられた対応する穴25o内に突出する。したがって、閉鎖レバー24iおよび26iに加えて、ピン12pは前ドア組立体24および後ドア組立体26を閉止姿勢に固定およびロックするよう動作する。
【0062】
好適な実施形態を参照して本発明について説明してきたが、本発明が多数の他の形態で具体化され得ること、および、多様な代替的および/または均等な実現形態が存在することは、当業者により理解されるであろう。本明細書で示した典型的な実施形態は、単なる例示であり、範囲、適用可能性、または構成をいかなる方法においても限定することを意図しないことが理解されるべきである。むしろ前述の概要および詳細な説明は、少なくとも1つの典型的な実施形態を具体化するための好都合なロードマップを当業者に提供するであろう。添付の請求項およびその法的な均等物において説明される範囲から逸脱することなく、典型的な実施形態において記載の機能および要素の配列において様々な変化が可能であることが理解されるべきである。全般に本願は、本明細書で論じた具体的な実施形態のあらゆる改変例または変化例を含むことを意図する。
【0063】
本明細書では、「含む」、「含んで」、「包含する」、「包含して」、「備える」、「備えて」、「有する」、「有して」、およびこれらの用語の任意の変化形は、本明細書で説明したあらゆるプロセス、方法、デバイス、装置、またはシステムが、記載された特徴または部品または要素またはステップに限定されず、明示的に列挙されない他の要素、特徴、部品、もしくはステップを、または係るプロセス、方法、物品、もしくは装置に固有でない他の要素、特徴、部品、もしくはステップを、含み得るよう、包括的(すなわち非排他的)な意味で理解されることが意図されることが理解されるであろう。さらに本明細書で使用される「1つの」という用語は、特記なき限り、1つまたは複数を意味するものと理解されることが意図される。さらに「第1」、「第2」、「第3」などの用語は、単に標識としてのみ使用され、数値的要件を付加することも、または、それらの対象の重要性に関する特定の格付けを確立することも、意図しない。追加的に、本明細書で使用される「上方」、「下方」、「水平」、および「水平方向」などの用語が、本発明の通常の方向または使用時の方向に関するものとして理解されるべきであり、その文脈において解釈されるべきであることに注意すべきである。
図1
図1a
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