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特許7533848マッピング曲線のパラメータを取得する方法及び装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-05
(45)【発行日】2024-08-14
(54)【発明の名称】マッピング曲線のパラメータを取得する方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   G06T 5/90 20240101AFI20240806BHJP
【FI】
G06T5/90
【請求項の数】 28
(21)【出願番号】P 2022565662
(86)(22)【出願日】2021-04-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-01
(86)【国際出願番号】 CN2021088679
(87)【国際公開番号】W WO2021218738
(87)【国際公開日】2021-11-04
【審査請求日】2022-11-30
(31)【優先権主張番号】202010366684.2
(32)【優先日】2020-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】504161984
【氏名又は名称】ホアウェイ・テクノロジーズ・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シュ、ウェイウェイ
(72)【発明者】
【氏名】ユ、クアンヒ
(72)【発明者】
【氏名】チェン、フ
(72)【発明者】
【氏名】ワン、イチュアン
【審査官】▲徳▼田 賢二
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-058848(JP,A)
【文献】特開2017-184249(JP,A)
【文献】ATSC,ATSC Candidate Standard: Amendment to A/341:2019 - ST 2094-40,ATSC Candidate Standard,米国,ATSC,2019年09月,DOC. S34-614r4,https://www.atsc.org/wp-content/uploads/2019/09/S34-1-614r4-A341-Amendment-2094-40.pdf
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 5/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マッピング曲線のパラメータを取得する方法であって、
第1マッピング曲線のパラメータセット及び第1最大ターゲットシステム表示輝度を取得する段階であって、前記第1マッピング曲線のパラメータセットは前記第1最大ターゲットシステム表示輝度に対応し、前記第1マッピング曲線のパラメータセットはマッピング曲線に関連する1又は複数のパラメータを含む、段階と、
表示輝度パラメータセットを取得する段階であって、前記表示輝度パラメータセットは表示デバイスの最大表示輝度及び/又は最小表示輝度を含む、段階と、
調整係数セットを取得する段階であって、前記調整係数セットは1又は複数の調整係数を含み、前記1又は複数の調整係数は前記第1マッピング曲線のパラメータセットにおける前記1又は複数のパラメータに対応する、段階と、
第2マッピング曲線のパラメータセットを取得すべく、前記表示輝度パラメータセットと、前記第1最大ターゲットシステム表示輝度と、前記調整係数セットとに基づいて、前記第1マッピング曲線のパラメータセットにおける前記1又は複数のパラメータを調整する段階であって、前記第2マッピング曲線のパラメータセットは1又は複数の調整済のパラメータを含む、段階と
を備え、
第2マッピング曲線のパラメータセットを取得すべく、前記表示輝度パラメータセットと、前記第1最大ターゲットシステム表示輝度と、前記調整係数セットとに基づいて、前記第1マッピング曲線のパラメータセットにおける前記1又は複数のパラメータを前記調整する段階は、
=P+k×PΔ (1)
式(1)に従って調整済の第1パラメータを計算する段階であって、第1パラメータは前記第1マッピング曲線のパラメータセットにおける任意のパラメータであり、前記調整済の第1パラメータは前記第2マッピング曲線のパラメータセットに属する、段階
を有し、
は前記調整済の第1パラメータを表し、Pは前記第1パラメータを表し、PΔは前記第1パラメータに対応する調整係数を表し、
【数1】
、又は、
【数2】
であり、MaxDisplay>MTPLのときa=1であり、又は、MaxDisplay≦MTPLのときa=-1あり、MaxDisplayは前記最大表示輝度を表し、MTPLは前記第1最大ターゲットシステム表示輝度を表し、Nは調整制御パラメータを表し、Mは予め設定された輝度値を表す、方法。
【請求項2】
第2マッピング曲線のパラメータセットを取得すべく、前記表示輝度パラメータセットと、前記第1最大ターゲットシステム表示輝度と、前記調整係数セットとに基づいて、前記第1マッピング曲線のパラメータセットにおける前記1又は複数のパラメータを前記調整する段階の前に、前記方法は、
表示対象コンテンツの最大輝度、最小輝度、平均値、及び、変動範囲のうちの1又は複数を取得する段階、並びに、前記最大表示輝度、前記最小表示輝度、前記最大輝度、前記最小輝度、前記平均値、及び、前記変動範囲のうちの1又は複数に基づいて、第1パラメータの中間値を取得する段階であって、前記第1パラメータは前記第1マッピング曲線のパラメータセットにおける任意のパラメータである、段階
をさらに備え、
第2マッピング曲線のパラメータセットを取得すべく、前記表示輝度パラメータセットと、前記第1最大ターゲットシステム表示輝度と、前記調整係数セットとに基づいて、前記第1マッピング曲線のパラメータセットにおける前記1又は複数のパラメータを前記調整する段階は、
=(1-w)×P+w×P (2)
式(2)に従って調整済の第1パラメータを計算する段階であって、前記調整済の第1パラメータは前記第2マッピング曲線のパラメータセットに属する、段階
を有し、
は前記調整済の第1パラメータを表し、Pは前記第1パラメータを表し、
【数3】
、又は、
【数4】
であり、PΔは前記第1パラメータに対応する調整係数を表し、MaxDisplayは前記最大表示輝度を表し、MTPLは前記第1最大ターゲットシステム表示輝度を表し、Nは調整制御パラメータを表し、Mは予め設定された輝度値を表し、Pは前記第1パラメータの前記中間値を表す、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
マッピング曲線のパラメータを取得する方法であって、
第1マッピング曲線のパラメータセット及び第1最大ターゲットシステム表示輝度を取得する段階であって、前記第1マッピング曲線のパラメータセットは前記第1最大ターゲットシステム表示輝度に対応し、前記第1マッピング曲線のパラメータセットはマッピング曲線に関連する1又は複数のパラメータを含む、段階と、
表示輝度パラメータセットを取得する段階であって、前記表示輝度パラメータセットは表示デバイスの最大表示輝度及び/又は最小表示輝度を含む、段階と、
調整係数セットを取得する段階であって、前記調整係数セットは1又は複数の調整係数を含み、前記1又は複数の調整係数は前記第1マッピング曲線のパラメータセットにおける前記1又は複数のパラメータに対応する、段階と、
第2マッピング曲線のパラメータセットを取得すべく、前記表示輝度パラメータセットと、前記第1最大ターゲットシステム表示輝度と、前記調整係数セットとに基づいて、前記第1マッピング曲線のパラメータセットにおける前記1又は複数のパラメータを調整する段階であって、前記第2マッピング曲線のパラメータセットは1又は複数の調整済のパラメータを含む、段階と
を備え、
第2マッピング曲線のパラメータセットを取得すべく、前記表示輝度パラメータセットと、前記第1最大ターゲットシステム表示輝度と、前記調整係数セットとに基づいて、前記第1マッピング曲線のパラメータセットにおける前記1又は複数のパラメータを前記調整する段階の前に、前記方法は、
表示対象コンテンツの最大輝度、最小輝度、平均値、及び、変動範囲のうちの1又は複数を取得する段階、並びに、前記最大表示輝度、前記最小表示輝度、前記最大輝度、前記最小輝度、前記平均値、及び、前記変動範囲のうちの1又は複数に基づいて、第1パラメータの中間値を取得する段階であって、前記第1パラメータは前記第1マッピング曲線のパラメータセットにおける任意のパラメータである、段階
をさらに備え、
第2マッピング曲線のパラメータセットを取得すべく、前記表示輝度パラメータセットと、前記第1最大ターゲットシステム表示輝度と、前記調整係数セットとに基づいて、前記第1マッピング曲線のパラメータセットにおける前記1又は複数のパラメータを前記調整する段階は、
=(1-w)×P+w×P (2)
式(2)に従って調整済の第1パラメータを計算する段階であって、前記調整済の第1パラメータは前記第2マッピング曲線のパラメータセットに属する、段階
を有し、
は前記調整済の第1パラメータを表し、Pは前記第1パラメータを表し、
【数3】
、又は、
【数4】
であり、PΔは前記第1パラメータに対応する調整係数を表し、MaxDisplayは前記最大表示輝度を表し、MTPLは前記第1最大ターゲットシステム表示輝度を表し、Nは調整制御パラメータを表し、Mは予め設定された輝度値を表し、Pは前記第1パラメータの前記中間値を表す、方法。
【請求項4】
式に従って調整済の第1パラメータを前記計算する段階の後、前記方法は、
前記調整済の第1パラメータ及び前記第1パラメータ以外の前記第1マッピング曲線のパラメータセットにおけるパラメータに基づいて第1マッピング曲線を取得する段階、並びに、前記第1マッピング曲線に基づいてトーンマッピングを実行することによって取得される前記表示対象コンテンツの輝度が、前記表示対象コンテンツの元の輝度より高い場合に、前記第1パラメータの調整を継続する段階、又は、
予め設定されたルールに従って前記調整済の第1パラメータを分析する段階、及び、前記調整済の第1パラメータが前記予め設定されたルールに適合する場合に、前記第1パラメータの調整を継続する段階
をさらに備える、請求項2又は3に記載の方法。
【請求項5】
第2マッピング曲線のパラメータセットを取得すべく、前記表示輝度パラメータセットと、前記第1最大ターゲットシステム表示輝度と、前記調整係数セットとに基づいて、前記第1マッピング曲線のパラメータセットにおける前記1又は複数のパラメータを前記調整する段階は、
前記第1マッピング曲線のパラメータセットがスケーリング係数を含むとき、
【数5】
式(3)に従って調整済のスケーリング係数を計算する段階
を有し、
は前記調整済のスケーリング係数を表し、P1,P2,...は前記第2マッピング曲線のパラメータセットにおけるパラメータを表し、MaxSourceはメモリ内の前記表示対象コンテンツの最大輝度を表し、f(MaxSource,P1,P2,...)は前記メモリ内の前記表示対象コンテンツの前記最大輝度及び前記第2マッピング曲線のパラメータセットにおける1又は複数の調整済のパラメータに関連する関数計算を表し、MaxDisplayは前記最大表示輝度を表す、
請求項2から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
第2マッピング曲線のパラメータセットを取得すべく、前記表示輝度パラメータセットと、前記第1最大ターゲットシステム表示輝度と、前記調整係数セットとに基づいて、前記第1マッピング曲線のパラメータセットにおける前記1又は複数のパラメータを前記調整する段階は、
前記第1マッピング曲線のパラメータセットがスケーリング係数を含むとき、
【数6】
式(4)に従って調整済のスケーリング係数を計算する段階
を有し、
は前記調整済のスケーリング係数を表し、P1,P2,...は前記第2マッピング曲線のパラメータセットにおけるパラメータを表し、MaxSourceはメモリ内の前記表示対象コンテンツの最大輝度を表し、MinSourceは前記メモリ内の前記表示対象コンテンツの最小輝度を表し、f(MaxSource,P1,P2,...)は前記メモリ内の前記表示対象コンテンツの前記最大輝度及び前記第2マッピング曲線のパラメータセットにおける1又は複数の調整済のパラメータに関連する関数計算を表し、f(MinSource,P1,P2,...)は前記メモリ内の前記表示対象コンテンツの前記最小輝度及び前記第2マッピング曲線のパラメータセットにおける1又は複数の調整済のパラメータに関連する関数計算を表し、MaxDisplayは前記最大表示輝度を表し、MinDisplayは前記最小表示輝度を表す、
請求項2から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
第2マッピング曲線のパラメータセットを取得すべく、前記表示輝度パラメータセットと、前記第1最大ターゲットシステム表示輝度と、前記調整係数セットとに基づいて、前記第1マッピング曲線のパラメータセットにおける前記1又は複数のパラメータを前記調整する段階は、
前記第1マッピング曲線のパラメータセットがスケーリング係数を含むとき、
【数7】
式(5)に従って調整済のスケーリング係数を計算する段階
を有し、
は前記調整済のスケーリング係数を表し、P1,P2,...は前記第2マッピング曲線のパラメータセットにおけるパラメータを表し、MaxSourceはメモリ内の前記表示対象コンテンツの最大輝度を表し、f(MaxSource,P1,P2,...)は前記メモリ内の前記表示対象コンテンツの前記最大輝度及び前記第2マッピング曲線のパラメータセットにおける1又は複数の調整済のパラメータに関連する関数計算を表し、MaxDisplayは前記最大表示輝度を表し、MinDisplayは前記最小表示輝度を表す、
請求項2から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
第2マッピング曲線のパラメータセットを取得すべく、前記表示輝度パラメータセットと、前記第1最大ターゲットシステム表示輝度と、前記調整係数セットとに基づいて、前記第1マッピング曲線のパラメータセットにおける前記1又は複数のパラメータを前記調整する段階は、
前記第1マッピング曲線のパラメータセットがスケーリング係数を含むとき、
【数8】
式(6)に従って調整済のスケーリング係数を計算する段階
を有し、
は前記調整済のスケーリング係数を表し、P1,P2,...は前記第2マッピング曲線のパラメータセットにおけるパラメータを表し、MaxSourceはメモリ内の前記表示対象コンテンツの最大輝度を表し、MinSourceは前記メモリ内の前記表示対象コンテンツの最小輝度を表し、f(MaxSource,P1,P2,...)は前記メモリ内の前記表示対象コンテンツの前記最大輝度及び前記第2マッピング曲線のパラメータセットにおける1又は複数の調整済のパラメータに関連する関数計算を表し、f(MinSource,P1,P2,...)は前記メモリ内の前記表示対象コンテンツの前記最小輝度及び前記第2マッピング曲線のパラメータセットにおける1又は複数の調整済のパラメータに関連する関数計算を表し、MaxDisplayは前記最大表示輝度を表す、
請求項2から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
第1マッピング曲線のパラメータセット及び第1最大ターゲットシステム表示輝度を前記取得する段階は、
前記表示対象コンテンツの動的メタデータから前記第1マッピング曲線のパラメータセット及び前記第1最大ターゲットシステム表示輝度を取得する段階、又は、
動的メタデータから前記第1マッピング曲線のパラメータセットを取得する段階、及び、特定の対応に基づいて、前記第1マッピング曲線のパラメータセットに対応する前記第1最大ターゲットシステム表示輝度を取得する段階
を有する、請求項2から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
調整係数セットを前記取得する段階は、
前記表示対象コンテンツの前記動的メタデータから前記調整係数セットを取得する段階、又は、
予め設定された値に基づいて、前記調整係数セットを取得する段階
を有する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
調整係数セットを前記取得する段階は、
1又は複数の調整係数を直接読み取る段階、又は、
調整モードを取得する段階、及び、前記調整モードに対応する1又は複数の調整係数を取得する段階
を有する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
表示輝度パラメータセットを前記取得する段階は、
デバイス情報に基づいて、前記表示輝度パラメータセットを取得する段階、又は、
予め設定された情報に基づいて、前記表示輝度パラメータセットを取得する段階
を有する、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
第2マッピング曲線のパラメータセットを取得すべく、前記表示輝度パラメータセットと、前記第1最大ターゲットシステム表示輝度と、前記調整係数セットとに基づいて、前記第1マッピング曲線のパラメータセットにおける前記1又は複数のパラメータを前記調整する段階の後に、前記方法は、
前記第2マッピング曲線のパラメータセットにおける前記1又は複数の調整済のパラメータに基づいて、前記マッピング曲線を取得する段階
をさらに備える、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
第1マッピング曲線のパラメータセット及び第1最大ターゲットシステム表示輝度を取得することであって、前記第1マッピング曲線のパラメータセットは前記第1最大ターゲットシステム表示輝度に対応し、前記第1マッピング曲線のパラメータセットはマッピング曲線に関連する1又は複数のパラメータを含む、取得することと、表示輝度パラメータセットを取得することであって、前記表示輝度パラメータセットは表示デバイスの最大表示輝度及び/又は最小表示輝度を含む、取得することと、調整係数セットを取得することであって、前記調整係数セットは1又は複数の調整係数を含み、前記1又は複数の調整係数は前記第1マッピング曲線のパラメータセットにおける前記1又は複数のパラメータに対応する、取得することとを行うように構成されている取得モジュールと、
第2マッピング曲線のパラメータセットを取得すべく、前記表示輝度パラメータセットと、前記第1最大ターゲットシステム表示輝度と、前記調整係数セットとに基づいて、前記第1マッピング曲線のパラメータセットにおける前記1又は複数のパラメータを調整することであって、前記第2マッピング曲線のパラメータセットは1又は複数の調整済のパラメータを含む、調整することを行うように構成されている処理モジュールと
を備え、
前記処理モジュールは、具体的には、
=P+k×PΔ (1)
式(1)に従って調整済の第1パラメータを計算することであって、第1パラメータは前記第1マッピング曲線のパラメータセットにおける任意のパラメータであり、前記調整済の第1パラメータは前記第2マッピング曲線のパラメータセットに属する、計算することを行うように構成されており、
は前記調整済の第1パラメータを表し、Pは前記第1パラメータを表し、PΔは前記第1パラメータに対応する調整係数を表し、
【数9】
、又は、
【数10】
であり、MaxDisplay>MTPLのときa=1であり、又は、MaxDisplay≦MTPLのときa=-1あり、MaxDisplayは前記最大表示輝度を表し、MTPLは前記第1最大ターゲットシステム表示輝度を表し、Nは調整制御パラメータを表し、Mは予め設定された輝度値を表す、ビデオ処理装置。
【請求項15】
前記取得モジュールは、表示対象コンテンツの最大輝度、最小輝度、平均値、及び、変動範囲のうちの1又は複数を取得することと、前記最大表示輝度、前記最小表示輝度、前記最大輝度、前記最小輝度、前記平均値、及び、前記変動範囲のうちの1又は複数に基づいて、第1パラメータの中間値を取得することであって、前記第1パラメータは前記第1マッピング曲線のパラメータセットにおける任意のパラメータである、取得することとを行うようにさらに構成されており、
前記処理モジュールは、具体的には、
=(1-w)×P+w×P (2)
式(2)に従って調整済の第1パラメータを計算することであって、前記調整済の第1パラメータは前記第2マッピング曲線のパラメータセットに属する、計算することを行うように構成されており、
は前記調整済の第1パラメータを表し、Pは前記第1パラメータを表し、
【数11】
、又は、
【数12】
であり、PΔは前記第1パラメータに対応する調整係数を表し、MaxDisplayは前記最大表示輝度を表し、MTPLは前記第1最大ターゲットシステム表示輝度を表し、Nは調整制御パラメータを表し、Mは予め設定された輝度値を表し、Pは前記第1パラメータの前記中間値を表す、
請求項14に記載のビデオ処理装置。
【請求項16】
第1マッピング曲線のパラメータセット及び第1最大ターゲットシステム表示輝度を取得することであって、前記第1マッピング曲線のパラメータセットは前記第1最大ターゲットシステム表示輝度に対応し、前記第1マッピング曲線のパラメータセットはマッピング曲線に関連する1又は複数のパラメータを含む、取得することと、表示輝度パラメータセットを取得することであって、前記表示輝度パラメータセットは表示デバイスの最大表示輝度及び/又は最小表示輝度を含む、取得することと、調整係数セットを取得することであって、前記調整係数セットは1又は複数の調整係数を含み、前記1又は複数の調整係数は前記第1マッピング曲線のパラメータセットにおける前記1又は複数のパラメータに対応する、取得することとを行うように構成されている取得モジュールと、
第2マッピング曲線のパラメータセットを取得すべく、前記表示輝度パラメータセットと、前記第1最大ターゲットシステム表示輝度と、前記調整係数セットとに基づいて、前記第1マッピング曲線のパラメータセットにおける前記1又は複数のパラメータを調整することであって、前記第2マッピング曲線のパラメータセットは1又は複数の調整済のパラメータを含む、調整することを行うように構成されている処理モジュールと
を備え、
前記取得モジュールは、表示対象コンテンツの最大輝度、最小輝度、平均値、及び、変動範囲のうちの1又は複数を取得することと、前記最大表示輝度、前記最小表示輝度、前記最大輝度、前記最小輝度、前記平均値、及び、前記変動範囲のうちの1又は複数に基づいて、第1パラメータの中間値を取得することであって、前記第1パラメータは前記第1マッピング曲線のパラメータセットにおける任意のパラメータである、取得することとを行うようにさらに構成されており、
前記処理モジュールは、具体的には、
=(1-w)×P+w×P (2)
式(2)に従って調整済の第1パラメータを計算することであって、前記調整済の第1パラメータは前記第2マッピング曲線のパラメータセットに属する、計算することを行うように構成されており、
は前記調整済の第1パラメータを表し、Pは前記第1パラメータを表し、
【数11】
、又は、
【数12】
であり、PΔは前記第1パラメータに対応する調整係数を表し、MaxDisplayは前記最大表示輝度を表し、MTPLは前記第1最大ターゲットシステム表示輝度を表し、Nは調整制御パラメータを表し、Mは予め設定された輝度値を表し、Pは前記第1パラメータの前記中間値を表す、ビデオ処理装置。
【請求項17】
前記処理モジュールは、
前記調整済の第1パラメータ及び前記第1パラメータ以外の前記第1マッピング曲線のパラメータセットにおけるパラメータに基づいて第1マッピング曲線を取得すること、並びに、前記第1マッピング曲線に基づいてトーンマッピングを実行することによって取得される前記表示対象コンテンツの輝度が、前記表示対象コンテンツの元の輝度より高い場合に、前記第1パラメータの調整を継続すること、又は、
予め設定されたルールに従って前記調整済の第1パラメータを分析すること、及び、前記調整済の第1パラメータが前記予め設定されたルールに適合する場合に、前記第1パラメータの調整を継続すること
を行うようにさらに構成されている、請求項15又は16に記載のビデオ処理装置。
【請求項18】
前記処理モジュールは、具体的には、
前記第1マッピング曲線のパラメータセットがスケーリング係数を含むとき、
【数13】
式(3)に従って調整済のスケーリング係数を計算することを行うように構成されており、
は前記調整済のスケーリング係数を表し、P1,P2,...は前記第2マッピング曲線のパラメータセットにおけるパラメータを表し、MaxSourceはメモリ内の前記表示対象コンテンツの最大輝度を表し、f(MaxSource,P1,P2,...)は前記メモリ内の前記表示対象コンテンツの前記最大輝度及び前記第2マッピング曲線のパラメータセットにおける1又は複数の調整済のパラメータに関連する関数計算を表し、MaxDisplayは前記最大表示輝度を表す、
請求項15から17のいずれか一項に記載のビデオ処理装置。
【請求項19】
前記処理モジュールは、具体的には、
前記第1マッピング曲線のパラメータセットがスケーリング係数を含むとき、
【数14】
式(4)に従って調整済のスケーリング係数を計算することを行うように構成されており、
は前記調整済のスケーリング係数を表し、P1,P2,...は前記第2マッピング曲線のパラメータセットにおけるパラメータを表し、MaxSourceはメモリ内の前記表示対象コンテンツの最大輝度を表し、MinSourceは前記メモリ内の前記表示対象コンテンツの最小輝度を表し、f(MaxSource,P1,P2,...)は前記メモリ内の前記表示対象コンテンツの前記最大輝度及び前記第2マッピング曲線のパラメータセットにおける1又は複数の調整済のパラメータに関連する関数計算を表し、f(MinSource,P1,P2,...)は前記メモリ内の前記表示対象コンテンツの前記最小輝度及び前記第2マッピング曲線のパラメータセットにおける1又は複数の調整済のパラメータに関連する関数計算を表し、MaxDisplayは前記最大表示輝度を表し、MinDisplayは前記最小表示輝度を表す、
請求項15から17のいずれか一項に記載のビデオ処理装置。
【請求項20】
前記処理モジュールは、具体的には、
前記第1マッピング曲線のパラメータセットがスケーリング係数を含むとき、
【数15】
式(5)に従って調整済のスケーリング係数を計算することを行うように構成されており、
は前記調整済のスケーリング係数を表し、P1,P2,...は前記第2マッピング曲線のパラメータセットにおけるパラメータを表し、MaxSourceはメモリ内の前記表示対象コンテンツの最大輝度を表し、f(MaxSource,P1,P2,...)は前記メモリ内の前記表示対象コンテンツの前記最大輝度及び前記第2マッピング曲線のパラメータセットにおける1又は複数の調整済のパラメータに関連する関数計算を表し、MaxDisplayは前記最大表示輝度を表し、MinDisplayは前記最小表示輝度を表す、
請求項15から17のいずれか一項に記載のビデオ処理装置。
【請求項21】
前記処理モジュールは、具体的には、
前記第1マッピング曲線のパラメータセットがスケーリング係数を含むとき、
【数16】
式(6)に従って調整済のスケーリング係数を計算することを行うように構成されており、
は前記調整済のスケーリング係数を表し、P1,P2,...は前記第2マッピング曲線のパラメータセットにおけるパラメータを表し、MaxSourceはメモリ内の前記表示対象コンテンツの最大輝度を表し、MinSourceは前記メモリ内の前記表示対象コンテンツの最小輝度を表し、f(MaxSource,P1,P2,...)は前記メモリ内の前記表示対象コンテンツの前記最大輝度及び前記第2マッピング曲線のパラメータセットにおける1又は複数の調整済のパラメータに関連する関数計算を表し、f(MinSource,P1,P2,...)は前記メモリ内の前記表示対象コンテンツの前記最小輝度及び前記第2マッピング曲線のパラメータセットにおける1又は複数の調整済のパラメータに関連する関数計算を表し、MaxDisplayは前記最大表示輝度を表す、
請求項15から17のいずれか一項に記載のビデオ処理装置。
【請求項22】
前記取得モジュールは、具体的には、
前記表示対象コンテンツの動的メタデータから前記第1マッピング曲線のパラメータセット及び前記第1最大ターゲットシステム表示輝度を取得すること、又は、
動的メタデータから前記第1マッピング曲線のパラメータセットを取得すること、及び、特定の対応に基づいて、前記第1マッピング曲線のパラメータセットに対応する前記第1最大ターゲットシステム表示輝度を取得すること
を行うように構成されている、請求項15から21のいずれか一項に記載のビデオ処理装置。
【請求項23】
前記取得モジュールは、具体的には、
前記表示対象コンテンツの前記動的メタデータから前記調整係数セットを取得すること、又は、
予め設定された値に基づいて、前記調整係数セットを取得すること
を行うように構成されている、請求項22に記載のビデオ処理装置。
【請求項24】
前記取得モジュールは、具体的には、
1又は複数の調整係数を直接読み取ること、又は、
調整モードを取得すること、及び、前記調整モードに対応する1又は複数の調整係数を取得すること
を行うように構成されている、請求項23に記載のビデオ処理装置。
【請求項25】
前記取得モジュールは、具体的には、
デバイス情報に基づいて、前記表示輝度パラメータセットを取得すること、又は、
予め設定された情報に基づいて、前記表示輝度パラメータセットを取得すること
を行うように構成されている、請求項14から24のいずれか一項に記載のビデオ処理装置。
【請求項26】
前記取得モジュールは、
前記第2マッピング曲線のパラメータセットにおける前記1又は複数の調整済のパラメータに基づいて、前記マッピング曲線を取得すること
を行うようにさらに構成されている、請求項14から25のいずれか一項に記載のビデオ処理装置。
【請求項27】
1又は複数のプロセッサと、
1又は複数のプログラムを記憶するように構成されているメモリと
を備え、
前記1又は複数のプログラムが前記1又は複数のプロセッサによって実行されるとき、前記1又は複数のプロセッサは、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法を実行することが可能になる、
端末デバイス。
【請求項28】
コンピュータに、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法を実行させる、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2020年4月30日木曜日に中国国家知識産権局に出願され、「マッピング曲線のパラメータを取得する方法及び装置」と題する中国特許出願第202010366684.2号の優先権を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【0002】
本願は、画像処理の分野に関連し、特に、マッピング曲線のパラメータを取得する方法及び装置に関連する。
【背景技術】
【0003】
ダイナミックレンジ(dynamic range)は、多くの分野において、可変の最大値の最小値に対する比を示すために用いられる。デジタル画像において、ダイナミックレンジは、画像の表示可能な範囲における最大グレースケール値の最小グレースケール値に対する比を示す。現実世界における同一のシーンにおいて、現実世界におけるダイナミックレンジは、通常、10-3カンデラ/m(cd/m)から10cd/mまでの間であり、高ダイナミックレンジ(high dynamic range,HDR)と称される。現在、ほとんどのカラーデジタル画像において、0から255がダイナミック画像レンジであり、これは、低ダイナミックレンジ(low dynamic range,LDR)と称される。
【0004】
表示デバイスの照度レンジと現実世界におけるダイナミックレンジとの間に差が存在するので、現実世界におけるダイナミックレンジは、表示デバイスの照度レンジにマッピングされる必要があり、これは、ダイナミックレンジマッピングと称される。ダイナミックレンジマッピングは、フロントエンドからのHDR信号とバックエンドのHDR表示デバイスとの間の適応に適用され得る。例えば、フロントエンドは4000cd/mで照明信号を収集し、バックエンドのHDR表示デバイスは500cd/mのHDR表示能力を有し、4000cd/mの照明信号を500cd/mの表示デバイスにマッピングすることは、高から低へのトーンマッピング(tone mapping,TM)処理である。ダイナミックレンジマッピングはまた、フロントエンドからのSDR信号とバックエンドのHDR表示デバイスとの間の適応に適用され得る。例えば、フロントエンドは100cd/mで照明信号を収集し、バックエンドのHDR表示デバイスのHDR表示能力は2000cd/mであり、100cd/mの照明信号を2000cd/mの表示デバイスにマッピングすることは、低から高へのTM処理である。
【0005】
現在、2つのダイナミックレンジマッピング方法、静的マッピング及び動的マッピング、が存在する。静的マッピング方法において、単一データが、同一のビデオコンテンツ又は同一のハードディスクコンテンツに基づいて全体のTM処理を実行するために用いられる。言い換えれば、様々なシーン用の同一のマッピング曲線が、通常、存在する。本方法は、画像がより少ないデータを保持すればよく、処理手順が単純である、という利点を有するが、同一のマッピング曲線が全てのシーンにおけるTMに用いられるので、情報が一部のシーンにおいて失われる場合がある、という欠点を有する。例えば、マッピング曲線が明領域を保護することに重点を置く場合、一部の極度に暗いシーンでは、一部詳細が失われる場合があり、不可視である場合さえある。その結果、画像表示効果が影響を受ける。動的マッピング方法によれば、マッピング曲線が、特定の領域に基づいて、コンテンツのシーンごと又はフレームごとに動的に調整される。本方法は、異なるシーン又はフレームで区別された処理が実装され得る、という利点を有するが、関連シーン情報が各フレーム又はシーンで保持される必要があるので、画像が大量のデータを保持する必要がある、という欠点を有する。
【発明の概要】
【0006】
本願の実施形態は、異なる輝度を有する表示デバイス上でより正確なトーン調整を実行することによって高い柔軟性を実現すべく、マッピング曲線のパラメータを取得する方法及び装置を提供する。
【0007】
第1態様によれば、本願の一実施形態は、マッピング曲線のパラメータを取得する方法を提供する。方法は、第1マッピング曲線のパラメータセット及び第1最大ターゲットシステム表示輝度を取得する段階であって、第1マッピング曲線のパラメータセットは第1最大ターゲットシステム表示輝度に対応し、第1マッピング曲線のパラメータセットはマッピング曲線に関連する1又は複数のパラメータを含む、段階と、表示輝度パラメータセットを取得する段階であって、表示輝度パラメータセットは表示デバイスの最大表示輝度及び/又は最小表示輝度を含む、段階と、調整係数セットを取得する段階であって、調整係数セットは1又は複数の調整係数を含み、1又は複数の調整係数は第1マッピング曲線のパラメータセットにおける1又は複数のパラメータに対応する、段階と、第2マッピング曲線のパラメータセットを取得すべく、表示輝度パラメータセットと、第1最大ターゲットシステム表示輝度と、調整係数セットとに基づいて、第1マッピング曲線のパラメータセットにおける1又は複数のパラメータを調整する段階であって、第2マッピング曲線のパラメータセットは1又は複数の調整済のパラメータを含む、段階とを含む。
【0008】
本願では、マッピング曲線に関連する1又は複数のパラメータが調整される。調整処理において、バックエンドの表示能力が考慮され、したがって、より正確なトーン調整が異なる輝度を有する表示デバイス上で実行され得る。これは柔軟性を非常に改善し、曲線パラメータが適切に設定されるときに良好な提示効果も実現する。
【0009】
可能な実装において、第2マッピング曲線のパラメータセットを取得すべく、表示輝度パラメータセットと、第1最大ターゲットシステム表示輝度と、調整係数セットとに基づいて、第1マッピング曲線のパラメータセットにおける1又は複数のパラメータを調整する段階は、
=P+k×PΔ (1)
式(1)に従って調整済の第1パラメータを計算する段階であって、第1パラメータは第1マッピング曲線のパラメータセットにおける任意のパラメータであり、調整済の第1パラメータは第2マッピング曲線のパラメータセットに属する、段階
を含み、
は調整済の第1パラメータを表し、Pは第1パラメータを表し、PΔは第1パラメータに対応する調整係数を表し、
【数1】
、又は、
【数2】
であり、MaxDisplay>MTPLのときa=1であり、又は、MaxDisplay≦MTPLのときa=-1あり、MaxDisplayは最大表示輝度を表し、MTPLは第1最大ターゲットシステム表示輝度を表し、Nは調整制御パラメータを表し、Mは予め設定された輝度値を表す。
【0010】
マッピング曲線に関連する1又は複数のパラメータが調整係数に基づいて調整される。調整処理において、バックエンドの表示能力が考慮され、したがって、より正確なトーン調整が異なる輝度を有する表示デバイス上で実行され得る。これは、柔軟性を非常に改善し、曲線パラメータが適切に設定されるときに良好な提示効果も実現する。
【0011】
可能な実装において、第2マッピング曲線のパラメータセットを取得すべく、表示輝度パラメータセットと、第1最大ターゲットシステム表示輝度と、調整係数セットとに基づいて、第1マッピング曲線のパラメータセットにおける1又は複数のパラメータを調整する段階の前に、方法は、表示対象コンテンツの最大輝度、最小輝度、平均値、及び、変動範囲のうちの1又は複数を取得する段階、並びに、最大表示輝度、最小表示輝度、最大輝度、最小輝度、平均値、及び、変動範囲のうちの1又は複数に基づいて、第1パラメータの中間値を取得する段階であって、第1パラメータは第1マッピング曲線のパラメータセットにおける任意のパラメータである、段階をさらに含む。第2マッピング曲線のパラメータセットを取得すべく、表示輝度パラメータセットと、第1最大ターゲットシステム表示輝度と、調整係数セットとに基づいて、第1マッピング曲線のパラメータセットにおける1又は複数のパラメータを調整する段階は、
=(1-w)×P+w×P (2)
式(2)に従って調整済の第1パラメータを計算する段階であって、調整済の第1パラメータは第2マッピング曲線のパラメータセットに属する、段階を含み、Pは調整済の第1パラメータを表し、Pは第1パラメータを表し、
【数3】
、又は、
【数4】
であり、PΔは第1パラメータに対応する調整係数を表し、MaxDisplayは最大表示輝度を表し、MTPLは第1最大ターゲットシステム表示輝度を表し、Nは調整制御パラメータを表し、Mは予め設定された輝度値を表し、Pは第1パラメータの中間値を表す。
【0012】
マッピング曲線に関連する1又は複数のパラメータが、複数のパラメータを用いることによって、加重方式で取得される。調整処理において、バックエンドの表示能力が考慮され、したがって、より正確なトーン調整が異なる輝度を有する表示デバイス上で実行され得る。これは柔軟性を非常に改善し、曲線パラメータが適切に設定されるときに良好な提示効果も実現する。
【0013】
可能な実装において、式に従って調整済の第1パラメータを計算する段階の後、方法は、調整済の第1パラメータ及び第1パラメータ以外の第1マッピング曲線のパラメータセットにおけるパラメータに基づいて第1マッピング曲線を取得する段階、並びに、第1マッピング曲線に基づいてトーンマッピングを実行することによって取得される表示対象コンテンツの輝度が、表示対象コンテンツの元の輝度より高い場合に、第1パラメータの調整を継続する段階、又は、予め設定されたルールに従って調整済の第1パラメータを分析する段階、及び、調整済の第1パラメータが予め設定されたルールに適合する場合に、第1パラメータの調整を継続する段階をさらに含む。
【0014】
マッピング曲線に関連するパラメータが1つずつ微調整され、マッピング曲線のパラメータの精度を改善する。
【0015】
可能な実装において、第2マッピング曲線のパラメータセットを取得すべく、表示輝度パラメータセットと、第1最大ターゲットシステム表示輝度と、調整係数セットとに基づいて、第1マッピング曲線のパラメータセットにおける1又は複数のパラメータを調整する段階は、第1マッピング曲線のパラメータセットがスケーリング係数を含むとき、
【数5】
式(3)に従って調整済のスケーリング係数を計算する段階を含み、rは調整済のスケーリング係数を表し、P1,P2,...は第2マッピング曲線のパラメータセットにおけるパラメータを表し、MaxSourceはメモリ内の表示対象コンテンツの最大輝度を表し、f(MaxSource,P1,P2,...)はメモリ内の表示対象コンテンツの最大輝度及び第2マッピング曲線のパラメータセットにおける1又は複数の調整済のパラメータに関連する関数計算を表し、MaxDisplayは最大表示輝度を表す。
【0016】
可能な実装において、第2マッピング曲線のパラメータセットを取得すべく、表示輝度パラメータセットと、第1最大ターゲットシステム表示輝度と、調整係数セットとに基づいて、第1マッピング曲線のパラメータセットにおける1又は複数のパラメータを調整する段階は、第1マッピング曲線のパラメータセットがスケーリング係数を含むとき、
【数6】
式(4)に従って調整済のスケーリング係数を計算する段階を含み、rは調整済のスケーリング係数を表し、P1,P2,...は第2マッピング曲線のパラメータセットにおけるパラメータを表し、MaxSourceはメモリ内の表示対象コンテンツの最大輝度を表し、MinSourceはメモリ内の表示対象コンテンツの最小輝度を表し、f(MaxSource,P1,P2,...)はメモリ内の表示対象コンテンツの最大輝度及び第2マッピング曲線のパラメータセットにおける1又は複数の調整済のパラメータに関連する関数計算を表し、f(MinSource,P1,P2,...)はメモリ内の表示対象コンテンツの最小輝度及び第2マッピング曲線のパラメータセットにおける1又は複数の調整済のパラメータに関連する関数計算を表し、MaxDisplayは最大表示輝度を表し、MinDisplayは最小表示輝度を表す。
【0017】
可能な実装において、第2マッピング曲線のパラメータセットを取得すべく、表示輝度パラメータセットと、第1最大ターゲットシステム表示輝度と、調整係数セットとに基づいて、第1マッピング曲線のパラメータセットにおける1又は複数のパラメータを調整する段階は、第1マッピング曲線のパラメータセットがスケーリング係数を含むとき、
【数7】
式(5)に従って調整済のスケーリング係数を計算する段階を含み、rは調整済のスケーリング係数を表し、P1,P2,...は第2マッピング曲線のパラメータセットにおけるパラメータを表し、MaxSourceはメモリ内の表示対象コンテンツの最大輝度を表し、f(MaxSource,P1,P2,...)はメモリ内の表示対象コンテンツの最大輝度及び第2マッピング曲線のパラメータセットにおける1又は複数の調整済のパラメータに関連する関数計算を表し、MaxDisplayは最大表示輝度を表し、MinDisplayは最小表示輝度を表す。
【0018】
可能な実装において、第2マッピング曲線のパラメータセットを取得すべく、表示輝度パラメータセットと、第1最大ターゲットシステム表示輝度と、調整係数セットとに基づいて、第1マッピング曲線のパラメータセットにおける1又は複数のパラメータを調整する段階は、第1マッピング曲線のパラメータセットがスケーリング係数を含むとき、
【数8】
式(6)に従って調整済のスケーリング係数を計算する段階を含み、rは調整済のスケーリング係数を表し、P1,P2,...は第2マッピング曲線のパラメータセットにおけるパラメータを表し、MaxSourceはメモリ内の表示対象コンテンツの最大輝度を表し、MinSourceはメモリ内の表示対象コンテンツの最小輝度を表し、f(MaxSource,P1,P2,...)はメモリ内の表示対象コンテンツの最大輝度及び第2マッピング曲線のパラメータセットにおける1又は複数の調整済のパラメータに関連する関数計算を表し、f(MinSource,P1,P2,...)はメモリ内の表示対象コンテンツの最小輝度及び第2マッピング曲線のパラメータセットにおける1又は複数の調整済のパラメータに関連する関数計算を表し、MaxDisplayは最大表示輝度を表す。
【0019】
可能な実装において、第1マッピング曲線のパラメータセット及び第1最大ターゲットシステム表示輝度を取得する段階は、表示対象コンテンツの動的メタデータから第1マッピング曲線のパラメータセット及び第1最大ターゲットシステム表示輝度を取得する段階、又は、動的メタデータから第1マッピング曲線のパラメータセットを取得する段階、及び、特定の対応に基づいて、第1マッピング曲線のパラメータセットに対応する第1最大ターゲットシステム表示輝度を取得する段階を含む。
【0020】
可能な実装において、調整係数セットを取得する段階は、表示対象コンテンツの動的メタデータから調整係数セットを取得する段階、又は、予め設定された値に基づいて、調整係数セットを取得する段階を含む。
【0021】
可能な実装において、調整係数セットを取得する段階は、1又は複数の調整係数を直接読み取る段階、又は、調整モードを取得する段階、及び、調整モードに対応する1又は複数の調整係数を取得する段階を含む。
【0022】
可能な実装において、表示輝度パラメータセットを取得する段階は、デバイス情報に基づいて、表示輝度パラメータセットを取得する段階、又は、予め設定された情報に基づいて、表示輝度パラメータセットを取得する段階を含む。
【0023】
可能な実装において、第2マッピング曲線のパラメータセットを取得すべく、表示輝度パラメータセットと、第1最大ターゲットシステム表示輝度と、調整係数セットとに基づいて、第1マッピング曲線のパラメータセットにおける1又は複数のパラメータを調整する段階の後に、方法は、第2マッピング曲線のパラメータセットにおける1又は複数の調整済のパラメータに基づいて、マッピング曲線を取得する段階をさらに含む。
【0024】
第2態様によれば、本願の一実施形態は、表示対象コンテンツを処理するための装置を提供する。装置は、取得モジュールと処理モジュールとを含む。取得モジュールは、第1マッピング曲線のパラメータセット及び第1最大ターゲットシステム表示輝度を取得することであって、第1マッピング曲線のパラメータセットは第1最大ターゲットシステム表示輝度に対応し、第1マッピング曲線のパラメータセットはマッピング曲線に関連する1又は複数のパラメータを含む、取得することと、表示輝度パラメータセットを取得することであって、表示輝度パラメータセットは,表示デバイスの最大表示輝度及び/又は最小表示輝度を含む、取得することと、調整係数セットを取得することであって、調整係数セットは1又は複数の調整係数を含み、1又は複数の調整係数は第1マッピング曲線のパラメータセットにおける1又は複数のパラメータに対応する、取得することとを行うように構成されている。処理モジュールは、第2マッピング曲線のパラメータセットを取得すべく、表示輝度パラメータセットと、第1最大ターゲットシステム表示輝度と、調整係数セットとに基づいて、第1マッピング曲線のパラメータセットにおける1又は複数のパラメータを調整することであって、第2マッピング曲線のパラメータセットは1又は複数の調整済のパラメータを含む、調整することを行うように構成されている。
【0025】
可能な実装において、処理モジュールは、具体的には、
Pa=Pb+k×PΔ (1)
式(1)に従って調整済の第1パラメータを計算することであって、第1パラメータ第1マッピング曲線のパラメータセットにおける任意のパラメータであり、調整済の第1パラメータは第2マッピング曲線のパラメータセットに属する、計算することを行うように構成されており、Pは調整済の第1パラメータを表し、Pは第1パラメータを表し、PΔは第1パラメータに対応する調整係数を表し、
【数9】
、又は、
【数10】
であり、MaxDisplay>MTPLのときa=1であり、又は、MaxDisplay≦MTPLのときa=-1あり、MaxDisplayは最大表示輝度を表し、MTPLは第1最大ターゲットシステム表示輝度を表し、Nは調整制御パラメータを表し、Mは予め設定された輝度値を表す。
【0026】
可能な実装において、取得モジュールは、表示対象コンテンツの最大輝度、最小輝度、平均値、及び、変動範囲のうちの1又は複数を取得することと、最大表示輝度、最小表示輝度、最大輝度、最小輝度、平均値、及び、変動範囲のうちの1又は複数に基づいて、第1パラメータの中間値を取得することであって、第1パラメータは第1マッピング曲線のパラメータセットにおける任意のパラメータである、取得することとを行うようにさらに構成されている。処理モジュールは、具体的には、
=(1-w)×P+w×P (2)
式(2)に従って調整済の第1パラメータを計算することであって、調整済の第1パラメータは第2マッピング曲線のパラメータセットに属する、計算することを行うように構成されており、Pは調整済の第1パラメータを表し、Pは第1パラメータを表し、
【数11】
、又は、
【数12】
であり、PΔは第1パラメータに対応する調整係数を表し、MaxDisplayは最大表示輝度を表し、MTPLは第1最大ターゲットシステム表示輝度を表し、Nは調整制御パラメータを表し、Mは予め設定された輝度値を表し、Pは第1パラメータの中間値を表す。
【0027】
可能な実装において、処理モジュールは、調整済の第1パラメータ及び第1パラメータ以外の第1マッピング曲線のパラメータセットにおけるパラメータに基づいて第1マッピング曲線を取得すること、並びに、第1マッピング曲線に基づいてトーンマッピングを実行することによって取得される表示対象コンテンツの輝度が、表示対象コンテンツの元の輝度より高い場合に、第1パラメータの調整を継続すること、又は、予め設定されたルールに従って調整済の第1パラメータを分析すること、及び、調整済の第1パラメータが予め設定されたルールに適合する場合に、第1パラメータの調整を継続することを行うようにさらに構成されている。
【0028】
可能な実装において、処理モジュールは、具体的には、第1マッピング曲線のパラメータセットがスケーリング係数を含むとき、
【数13】
式(3)に従って調整済のスケーリング係数を計算することを行うように構成されており、rは調整済のスケーリング係数を表し、P1,P2,...は第2マッピング曲線のパラメータセットにおけるパラメータを表し、MaxSourceはメモリ内の表示対象コンテンツの最大輝度を表し、f(MaxSource,P1,P2,...)はメモリ内の表示対象コンテンツの最大輝度及び第2マッピング曲線のパラメータセットにおける1又は複数の調整済のパラメータに関連する関数計算を表し、MaxDisplayは最大表示輝度を表す。
【0029】
可能な実装において、処理モジュールは、具体的には、第1マッピング曲線のパラメータセットがスケーリング係数を含むとき、
【数14】
式(4)に従って調整済のスケーリング係数を計算することを行うように構成されており、rは調整済のスケーリング係数を表し、P1,P2,...は第2マッピング曲線のパラメータセットにおけるパラメータを表し、MaxSourceはメモリ内の表示対象コンテンツの最大輝度を表し、MinSourceはメモリ内の表示対象コンテンツの最小輝度を表し、f(MaxSource,P1,P2,...)はメモリ内の表示対象コンテンツの最大輝度及び第2マッピング曲線のパラメータセットにおける1又は複数の調整済のパラメータに関連する関数計算を表し、f(MinSource,P1,P2,...)はメモリ内の表示対象コンテンツの最小輝度及び第2マッピング曲線のパラメータセットにおける1又は複数の調整済のパラメータに関連する関数計算を表し、MaxDisplayは最大表示輝度を表し、MinDisplayは最小表示輝度を表す。
【0030】
可能な実装において、処理モジュールは、具体的には、第1マッピング曲線のパラメータセットがスケーリング係数を含むとき、
【数15】
式(5)に従って調整済のスケーリング係数を計算することを行うように構成されており、rは調整済のスケーリング係数を表し、P1,P2,...は第2マッピング曲線のパラメータセットにおけるパラメータを表し、MaxSourceはメモリ内の表示対象コンテンツの最大輝度を表し、f(MaxSource,P1,P2,...)はメモリ内の表示対象コンテンツの最大輝度及び第2マッピング曲線のパラメータセットにおける1又は複数の調整済のパラメータに関連する関数計算を表し、MaxDisplayは最大表示輝度を表し、MinDisplayは最小表示輝度を表す。
【0031】
可能な実装において、処理モジュールは、具体的には、第1マッピング曲線のパラメータセットがスケーリング係数を含むとき、
【数16】
式(6)に従って調整済のスケーリング係数を計算することを行うように構成されており、rは調整済のスケーリング係数を表し、P1,P2,...は第2マッピング曲線のパラメータセットにおけるパラメータを表し、MaxSourceはメモリ内の表示対象コンテンツの最大輝度を表し、MinSourceはメモリ内の表示対象コンテンツの最小輝度を表し、f(MaxSource,P1,P2,...)はメモリ内の表示対象コンテンツの最大輝度及び第2マッピング曲線のパラメータセットにおける1又は複数の調整済のパラメータに関連する関数計算を表し、f(MinSource,P1,P2,...)はメモリ内の表示対象コンテンツの最小輝度及び第2マッピング曲線のパラメータセットにおける1又は複数の調整済のパラメータに関連する関数計算を表し、MaxDisplayは最大表示輝度を表す。
【0032】
可能な実装において、取得モジュールは、具体的には、表示対象コンテンツの動的メタデータから第1マッピング曲線のパラメータセット及び第1最大ターゲットシステム表示輝度を取得すること、又は、動的メタデータから第1マッピング曲線のパラメータセットを取得すること、及び、特定の対応に基づいて、第1マッピング曲線のパラメータセットに対応する第1最大ターゲットシステム表示輝度を取得することを行うように構成されている。
【0033】
可能な実装において、取得モジュールは、具体的には、表示対象コンテンツの動的メタデータから調整係数セットを取得すること、又は、予め設定された値に基づいて、調整係数セットを取得することを行うように構成されている。
【0034】
可能な実装において、取得モジュールは、具体的には、1又は複数の調整係数を直接読み取ること、又は、調整モードを取得すること、及び、調整モードに対応する1又は複数の調整係数を取得することを行うように構成されている。
【0035】
可能な実装において、取得モジュールは、具体的には、デバイス情報に基づいて、表示輝度パラメータセットを取得すること、又は、予め設定された情報に基づいて、表示輝度パラメータセットを取得することを行うように構成されている。
【0036】
可能な実装において、取得モジュールは、第2マッピング曲線のパラメータセットにおける1又は複数の調整済のパラメータに基づいて、マッピング曲線を取得することを行うようにさらに構成されている。
【0037】
第3態様によれば、本願の一実施形態は、1又は複数のプロセッサとメモリとを含む端末デバイスを提供する。メモリは、1又は複数のプログラムを記憶するように構成されている。1又は複数のプログラムが1又は複数のプロセッサによって実行されるとき、1又は複数のプロセッサは、第1態様のいずれか1つに記載の方法を実行することが可能になる。
【0038】
第4態様によれば、本願の一実施形態は、コンピュータ可読記憶媒体を提供する。コンピュータ可読記憶媒体は、プログラムコードを記憶し、プログラムコードは、第1態様におけるいずれかの方法の一部の段階又は全ての段階を実行するために用いられる命令を含む。
【0039】
第5態様によれば、本願の一実施形態は、コンピュータプログラム製品を提供する。コンピュータプログラム製品がコンピュータ上で動作するとき、コンピュータは、第1態様におけるいずれかの方法の一部の段階又は全ての段階を実行することが可能になる。
【0040】
本願の第2態様から第5態様における技術的解決手段が本願の第1態様における技術的解決手段と一致していることが、理解されるべきである。当該態様及び対応する実行可能な実装で実現される有益な効果は同様であり、詳細は再び説明されない。
【図面の簡単な説明】
【0041】
本願の実施形態における技術的解決手段及び背景をより明確に説明するために、以下では、本願の実施形態又は背景に用いられる添付図面を簡潔に説明する。
【0042】
図1】現実世界における画像処理のダイナミックレンジマッピングの一例の図である。
【0043】
図2】PQ光学-電気伝達関数の曲線の一例の概略図である。
【0044】
図3】HLG光学-電気伝達関数の曲線の一例の概略図である。
【0045】
図4】SLF光学-電気伝達関数の曲線の一例の概略図である。
【0046】
図5】S字状曲線の一例の概略図である。
【0047】
図6】ベジェ曲線の一例の概略図である。
【0048】
図7】S字型曲線の一例の概略図である。
【0049】
図8】本願の一実施形態に適用されるビデオ処理システムの一例の概略ブロック図である。
【0050】
図9】端末デバイス900の構造の一例の概略図である。
【0051】
図10】本願に係るマッピング曲線のパラメータを取得する方法の一実施形態のフローチャートである。
【0052】
図11】本願の一実施形態を実装するように構成されているビデオ処理装置1100の構造ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0053】
以下では、本願の実施形態の添付図面を参照して、本願の実施形態を説明する。以下の説明において、本開示の一部を形成し、実例として、本願の実施形態の特定の態様又は本願の実施形態が用いられ得る特定の態様を示す添付図面の参照が行われる。本願の実施形態が他の態様で用いられ得、添付図面に描かれていない構造的又は論理的な変更を含み得ることが、理解されるべきである。したがって、以下の詳細な説明は限定的な意味で理解されるべきでなく、本願の範囲は添付の特許請求の範囲によって定義される。例えば、説明される方法に関連する本開示はまた、方法を実行するための対応するデバイス又はシステムに適用され得、逆の場合も同じであり得ることが、理解されるべきである。例えば、1又は複数の特定の方法の段階が説明される場合、たとえ、そのような1又は複数のユニットが明示的に説明されていない、或いは、添付図面に示されていない場合でも、対応するデバイスは、説明される1又は複数の方法の段階を実行するための機能ユニット(例えば、1つのユニットが1又は複数の段階を実行する、又は、複数のユニットが複数の段階の1又は複数のそれぞれを実行する)等の1又は複数のユニットを含み得る。加えて、例えば、特定の装置が機能ユニット等の1又は複数のユニットに基づいて説明される場合、たとえ、そのような1又は複数の段階が明示的に説明されていない、或いは、添付図面に示されていない場合でも、対応する方法は、1又は複数のユニットの機能を実装するための1つの段階(例えば、1又は複数のユニットの機能を実装するための1つの段階、又は、複数の段階であって、そのそれぞれが複数のユニットにおける1又は複数のユニットの機能を実装するためのものである、複数の段階)を含み得る。さらに、本明細書で説明される様々な例示的な実施形態及び/又は態様の特徴が、そうでないことが明記されていない限り、互いに組み合わせられ得ることが、理解されるべきである。
【0054】
本願の実施形態に用いられる用語は本願の特定の実施形態を説明するためにのみ用いられるが、本願を限定することを意図しない。以下では、本願の実施形態における幾つかの関連概念を最初に簡潔に説明する。
【0055】
1.ダイナミックレンジ(dynamic range)
【0056】
ダイナミックレンジは、多くの分野において、可変の最大値の最小値に対する比を示すために用いられる。デジタル画像において、ダイナミックレンジは、画像の表示可能な範囲における最大グレースケール値の最小グレースケール値に対する比を示す。
【0057】
自然界において、星空の下での夜のシーンの輝度は約0.001cd/mであり、太陽自身の輝度は最大で10cd/mでありダイナミックレンジは10/0.001=1012cd/mに達し得る。しかしながら、自然界の現実世界において、太陽の輝度及び星明かりの輝度が同時に取得されない。したがって、現実世界における同一のシーンにおいて、現実世界におけるダイナミックレンジは、通常、10-3cd/mから10cd/mまでの間であり、高ダイナミックレンジ(high dynamic range,HDR)と称される。ほとんどのカラーデジタル画像において、赤(R)チャネル、緑(G)チャネル、及び青(B)チャネルのグレースケールは、1バイトを用いることによってそれぞれ記憶される。すなわち、Rチャネル、Gチャネル、及びBチャネルのグレースケールの範囲は、0-255である。0-255は画像のダイナミックレンジであり、低ダイナミックレンジ(low dynamic range,LDR)と称される。
【0058】
2.光学-電気伝達関数(optical-electro transfer function,OETF)
【0059】
デジタルカメラの画像処理は、実際には、現実世界の高ダイナミックレンジからデジタル画像の低ダイナミックレンジにマッピングされる。図1は、現実世界における画像処理のダイナミックレンジマッピングの一例の図である。図1に示されるように、現実世界において、星明かりの輝度及び太陽の輝度に加えて、1cd/mの月光の輝度、100cd/mの屋内照明の輝度、500cd/mの曇りの天気の屋外の輝度、及び、2000cd/mの晴れた天気の屋外の輝度が、さらに含まれる。現実世界において、100cd/mから2000cd/mまでの輝度範囲と、表示デバイスの記憶モードに対応する1cd/mから200cd/mまでの輝度範囲との間のマッピング関係が存在する。
【0060】
表示デバイスの記憶モードに対応する輝度が現実世界における高輝度に達することができないので、光学-電気伝達関数(optical-electro transfer function,OETF)が、表示デバイスの記憶モードに対応する輝度として現実世界における輝度を表すために必要である。例えば、現実世界における輝度が10000cd/mであり、表示デバイスが10ビットを用いることによって輝度情報を記憶する場合、本記憶モードにおける記憶可能な最大値は1023である。したがって、10000cd/mが1023として表わされ得る。
【0061】
以前の表示デバイスは、陰極線管(cathode ray tube,CRT)ディスプレイであり、陰極線管(CRT)ディスプレイの光学-電気伝達関数は、ガンマ(Gamma)関数である。ガンマ関数は、ITU-R Recommendation BT.1886で定義されている。
【数17】
【0062】
表示デバイスの照度レンジは、表示デバイスのアップグレードと共に継続的に増加している。既存のHDRディスプレイの照度は600cd/mに達している一方で、ハイエンドHDRディスプレイの照度は2000cd/mに達し得る。したがって、改善した光学-電気伝達関数が、表示デバイスのアップグレードに適応するために必要である。現在、一般的な光学-電気伝達関数は、3つのタイプ、知覚量子化器(perception quantization,PQ)光学-電気伝達関数、ハイブリッドログガンマ(hybrid log-gamma,HLG)光学-電気伝達関数、及び、シーン輝度忠実性(scene luminance fidelity,SLF)光学-電気伝達関数、を含む。
【0063】
(1)従来のガンマ関数とは異なり、PQ光学-電気伝達関数が、異なる輝度の下での人間の眼のコントラスト知覚モデルに基づいて提案される。PQ光学-電気伝達関数は、画像フレームの画素の線形の信号値からPQドメインにおける非線形の信号値への変換の関係を表す。図2は、PQ光学-電気伝達関数の曲線の一例の概略図である。PQ光学-電気伝達関数は、以下の式として表現され得る。
【数18】
【0064】
前述の式におけるR、G、及びBに対応するパラメータは、
【数19】
上記の式に従って計算され得る。ここで、Lは画像フレームの画素の線形の信号値を表し、Lの値は[0,1]で正規化されており、L'はPQドメインにおける非線形の信号値を表し、L'の値の範囲は[0,1]であり、m、m、c、c、及びcの全てがPQ光電子伝達係数である。ここで、
【数20】
であり、
【数21】
であり、
【数22】
であり、
【数23】
であり、
【数24】
である。
【0065】
(2)HLG光学-電気伝達関数が従来のガンマ曲線を改善することによって取得される。HLG光学-電気伝達関数は、低セグメントにおいて従来のガンマ曲線を使用し、高セグメントにおいて対数曲線を補足する。HLG光学-電気伝達関数は、画像フレームの画素の線形の信号値からHLGドメインにおける非線形の信号値への変換お関係を表す。図3は、HLG光学-電気伝達関数の曲線の一例の概略図である。HLG光学-電気伝達関数は、以下の式として表現され得る。
【数25】
【0066】
Lは画像フレームの画素の線形の信号値を表し、Lの値の範囲は[0,12]であり、L'はHLGドメインにおける非線形の信号値を表し、L'の値の範囲は[0,1]であり、a、b、及びcの全てがHLG光学-電気伝達係数である。ここで、a=0.17883277であり、b=0.28466892であり、c=0.55991073である。
【0067】
(3)SLF光学-電気伝達関数が、人間の眼の光学特性が満たされていることを前提として、HDRシナリオにおける輝度分布に基づいて取得される。SLF光学-電気伝達関数は、画像フレームの画素の線形の信号値からSLFドメインにおける非線形の信号値への変換の関係を表す。図4は、SLF光学-電気伝達関数の曲線の一例の概略図である。SLF光学-電気伝達関数は、以下の式として表現され得る。
【数26】
【0068】
前述の式におけるR、G、及びBに対応するパラメータは、
【数27】
上記の式に従って計算され得る。ここで、Lは画像フレームの画素の線形の信号値を表し、Lの値は[0,1]で正規化されており、L'はPQドメインにおける非線形の信号値を表し、L'の値の範囲は[0,1]であり、p、m、a、及びbの全てがSLF光学-電気伝達係数である。ここで、p=2.3であり、m=0.14であり、a=1.12762であり、b=-0.12762である。
【0069】
3.ダイナミックレンジマッピング
【0070】
ダイナミックレンジマッピングは、フロントエンドからのHDR信号とバックエンドのHDR表示デバイスとの間の適応に適用され得る。例えば、フロントエンドは4000cd/mで照明信号を収集し、バックエンドのHDR表示デバイスは500cd/mのHDR表示能力を有し、4000cd/mの照明信号を500cd/mの表示デバイスにマッピングすることは、高から低へのトーンマッピング(tone mapping,TM)処理である。ダイナミックレンジマッピングはまた、フロントエンドからのSDR信号とバックエンドのHDR表示デバイスとの間の適応に適用され得る。例えば、フロントエンドは100cd/mで照明信号を収集し、バックエンドのHDR表示デバイスのHDR表示能力は2000cd/mであり、100cd/mの照明信号を2000cd/mの表示デバイスにマッピングすることは、低から高へのTM処理である。
【0071】
現在、2つのダイナミックレンジマッピング方法、静的マッピング及び動的マッピング、が存在する。静的マッピング方法において、単一データが、同一のビデオコンテンツ又は同一のハードディスクコンテンツに基づいて全体のTM処理を実行するために用いられる。すなわち、様々なシーン用の同一のマッピング曲線が、通常、存在する。本方法は、ビデオがより少ないデータを保持すればよく、処理手順が単純である、という利点を有するが、同一のマッピング曲線が全てのシーンにおけるTMに用いられるので、情報が一部のシーンにおいて失われる場合がある、という欠点を有する。例えば、マッピング曲線が明領域を保護することに重点を置く場合、一部の極度に暗いシーンでは、一部詳細が失われる場合があり、不可視である場合さえある。その結果、ビデオ表示効果が影響を受ける。動的マッピング方法によれば、マッピング曲線が、特定の領域に基づいて、コンテンツのシーンごと又はフレームごとに動的に調整される。本方法は、異なるシーン又はフレームで区別された処理が実装され得る、という利点を有するが、関連シーン情報が各フレーム又はシーンで保持される必要があるので、ビデオが大量のデータを保持する必要がある、という欠点を有する。
【0072】
4.TM技術
【0073】
(1)S字状曲線に基づくTM処理
【0074】
図5は、S字状曲線の一例の概略図である。
【0075】
(2)ベジェ曲線に基づくTM処理
【0076】
図6は、ベジェ曲線の一例の概略図である。
【0077】
(3)人間の眼によって知覚されるS字型曲線に基づくTM処理
【0078】
図7は、S字型曲線の一例の概略図である。S字型曲線に対応する光学-電気伝達関数は、以下の式として表現され得る。
【数28】
【0079】
L及びL'のそれぞれは正規化された電気信号又は光信号であり、L及びL'の両方の値の範囲は[0,1]であり、aの値の範囲は[0,1]であり、bの値の範囲は[0,1]であり、p、n、及びmのそれぞれの値の範囲が[0,N]である。ここで、Nは0.1より大きい有理数であり、k、k、及びkの全てが有理数である。
【0080】
5.動的メタデータ
【0081】
フロントエンド(ビデオ収集及び/又は製造)は、バックエンド(ビデオ表示)に送信される動的メタデータに、マッピング曲線に関連するパラメータを含める。
【0082】
(1)S字状曲線
【0083】
ST2094-10で提案されたS字状曲線に関連する動的メタデータの定義は、最大輝度値(PQ-エンコード化されたmaxRGBの最大値)、最小輝度値(PQ-エンコード化されたmaxRGBの最小値)、及び、平均輝度値(PQ-エンコード化されたmaxRGBの平均値)等のビデオの統計値だけでなく、S字状曲線を直接生成するための、トーンマッピングオフセット(tone mapping offset)、トーンマッピングゲイン(tone mapping gain)、及びトーンマッピングガンマ(tone mapping gamma)等のS字状曲線に関連するパラメータも含む。
【0084】
しかしながら、前述のパラメータを生成する方式は固定されている。その結果、動的メタデータに含められるパラメータは、曲線生成のためのより高い柔軟性を提供できない。
【0085】
(2)ベジェ曲線
【0086】
ST2094-40で提案されたベジェ曲線に関連する動的メタデータの定義は、ベジェ曲線を直接生成するための、ヒストグラム情報(MaxRGBの分布)及びベジェ曲線(Bezier curve anchors)に関連するパラメータを含む。
【0087】
加えて、ST2094シリーズの規格は、最大(ピーク)ターゲットシステム表示輝度(targeted_system_display_maximum_luminance,TSDAPL)を含む。
【0088】
前述のパラメータは、フロントエンドで生成されているとき、TSDAPLに対応するが、バックエンドでは、同一の曲線が異なる表示デバイスに用いられる。その結果、最良の表示効果を実現できない。
【0089】
(3)S字型曲線
【0090】
動的メタデータは、最大輝度値、最小輝度値、及び、平均輝度値等のビデオの統計値を含み得る、又は、p、m、a、b、n、K1、K2、及びK3等のS字型曲線に関連するパラメータを含み得る。
【0091】
以下では、本願の一実施形態に適用されるシステムアーキテクチャを説明する。図8は、本願の一実施形態に適用されるビデオ処理システムの一例の概略ブロック図である。図8に示されるように、ビデオ処理システムは、フロントエンド及びバックエンドに分割される。フロントエンドはビデオ収集及び/又は製造モジュールを含み、バックエンドはHDR表示モジュール及び/又はSDR表示モジュールを含む。フロントエンドは収集したビデオデータを前処理し、前処理済のデータをバックエンドに伝送する。加えて、フロントエンドは、ビデオデータの動的メタデータを保持する。バックエンドは、素晴らしい色、素晴らしい輝度、素晴らしいコントラスト、及び同様のものを有する画像を取得すべく、対応する動的メタデータと組み合わせたビデオデータに基づいてビデオ内の画像フレームに対して拡張処理を実行し、画像を表示する。
【0092】
本願では、フロントエンド及びバックエンドは、互いから独立している異なる物理デバイスであり得る。例えば、フロントエンドは、例えば、ビデオカメラ、カメラ、又は画像描画マシンである、ビデオキャプチャ機能を有するデバイスであり得、バックエンドは、例えば、携帯電話、タブレット、セットトップボックス、又は、テレビである、ビデオ再生機能を有するデバイスであり得る。この場合、フロントエンドとバックエンドとの間で、無線接続又は有線接続が確立され得る。無線接続は、ロングタームエボリューション(long term evolution,LTE)、第5世代(5th generation,5G)移動体通信、及び、将来の移動体通信等の技術を用い得る。無線接続は、ワイヤレスフィデリティ(wireless-fidelity,Wi-Fi(登録商標))、Bluetooth(登録商標)、及び、近距離無線通信(Near Field Communication,NFC)等の技術をさらに含み得る。有線接続は、イーサネット(登録商標)接続、ローカルエリアネットワーク接続、及び同様のものを含み得る。これは、特に限定されない。本願では、フロントエンドの機能及びバックエンドの機能は、例えば、携帯電話、タブレット、セットトップボックス、テレビ、又は、ビデオ撮影機能を有する画像描画マシンである、同一の物理デバイスにさらに統合され得る。本願では、フロントエンドの機能の一部及びバックエンドの機能の一部が、同一の物理デバイスに代替的に統合され得る。これは、特に限定されない。
【0093】
フロントエンドの機能及びバックエンドの機能を統合する前述のデバイスは、屋内若しくは屋外、ハンドヘルド、又は車載を含む陸上で展開されてもよく、水上(例えば、船舶上)で展開されてもよく、空中(例えば、飛行機、バルーン、又は衛星上)で展開されてもよい。端末デバイスは、携帯電話(mobile phone)、タブレット型コンピュータ(パッド)、無線通信機能を有するウェアラブルデバイス(例えば、スマートウオッチ)、位置決め機能を有する位置トラッカー、無線送信/受信機能を有するコンピュータ、仮想現実(virtual reality,VR)デバイス、拡張現実(augmented reality,AR)デバイス、産業制御(industrial control)における無線デバイス、自動運転(self driving)における無線デバイス、遠隔医療(remote medical)における無線デバイス、スマートグリッド(smart grid)における無線デバイス、輸送安全性(transportation safety)における無線デバイス、スマートシティ(smart city)における無線デバイス、スマートホーム(smart home)における無線デバイス、又は同様のものであり得る。これは、本願において限定されるものではない。
【0094】
図9は、端末デバイス900の構造の一例の概略図である。図9に示されるように、端末デバイス900は、アプリケーションプロセッサ901、マイクロコントローラユニット(microcontroller unit,MCU)902、メモリ903、モデム(modem)904、無線周波数(radio frequency,RF)モジュール905、ワイヤレスフィデリティ(Wireless-Fidelity,略してWi-Fi)モジュール906、Bluetoothモジュール907、センサ908、入力/出力(input/output,I/O)デバイス909、及び、測位モジュール910等のコンポーネントを含む。これらのコンポーネントは、1又は複数の通信バス、又は信号ケーブルを介して、互いに通信し得る。通信バス又は信号ケーブルは、本願で提供されるCANバスであり得る。当業者であれば、端末デバイス900が図で示されるものより多くのコンポーネント又はより少ないコンポーネントを含んでもよく、幾つかのコンポーネントが組み合わされてもよく、コンポーネントが異なる方式で配置されてもよいことを理解し得る。
【0095】
以下では、図9を参照して、端末デバイス900のコンポーネントを具体的に説明する。
【0096】
アプリケーションプロセッサ901は、端末デバイス900の制御センタであり、様々なインタフェース及びバスを介して、端末デバイス900のコンポーネントに接続されている。幾つかの実施形態において、プロセッサ901は、1又は複数の処理ユニットを含み得る。
【0097】
メモリ903は、図9に示されるオペレーティングシステム911及びアプリケーション912等のコンピュータプログラムを記憶する。アプリケーションプロセッサ901は、メモリ903内のコンピュータプログラムを実行し、コンピュータプログラムによって定義される機能を実装するように構成されている。例えば、アプリケーションプロセッサ901は、端末デバイス900上でオペレーティングシステムの様々な機能を実装すべく、オペレーティングシステム911を実行する。メモリ903は、コンピュータプログラム以外のデータ、例えば、オペレーティングシステム911及びアプリケーション912の動作中に生成されたデータ、をさらに記憶する。メモリ903は不揮発性記憶媒体であり、概して、内部メモリ及び外部メモリを含む。内部メモリは、ランダムアクセスメモリ(random access memory,RAM)、リードオンリメモリ(read-only memory,ROM)、キャッシュ(cache)、又は同様のものを含むが、これらに限定されない。外部メモリは、フラッシュメモリ(flash memory)、ハードディスク、コンパクトディスク、ユニバーサルシリアルバス(universal serial bus,USB)、フラッシュドライブ、又は同様のものを含むが、これらに限定されない。コンピュータプログラムは、通常、外部メモリ内に記憶される。コンピュータプログラムを実行する前に、プロセッサは、外部メモリから内部メモリにプログラムをロードする。
【0098】
メモリ903は独立し得、バスを介してアプリケーションプロセッサ901に接続されている。代替的に、メモリ903及びアプリケーションプロセッサ901は、チップサブシステムに統合され得る。
【0099】
MCU902は、センサ908からデータを取得して処理するように構成されているコプロセッサである。MCU902は、アプリケーションプロセッサ901の処理能力及び電力消費より低い処理能力及び低い電力消費を有するが、「常時オン(always on)」の特徴を有し、極度に低い消費電力を有するセンサの正常な動作を確保すべく、アプリケーションプロセッサ901がスリープモードであるとき、センサデータを継続的に収集して処理し得る。一実施形態において、MCU902はセンサハブチップであり得る。センサ908は、光センサ及び動きセンサを含み得る。具体的には、光センサは、環境光センサ及び近接センサを含み得る。環境光センサは、環境光の明度に基づいて、ディスプレイ9091の輝度を調整し得る。近接センサは、端末デバイス900が耳に接近しているとき、表示画面を電源オフにし得る。動きセンサの一種として、加速度計センサは、様々な方向(概して、三軸)における加速度の値を検出し得、加速度計センサが静止状態であるとき、重力の値及び方向を検出し得る。センサ908は、他のセンサ、例えば、ジャイロスコープ、気圧計、湿度計、温度計、又は、赤外線センサ、をさらに含み得る。詳細は本明細書では説明しない。MCU902及びセンサ908は、同一チップに統合されてもよく、バスを介して接続される別個のコンポーネントであってもよい。
【0100】
モデム904及び無線周波数モジュール905は、端末デバイス900の通信サブシステムを構成し、無線通信の標準プロトコルにおける主な機能を実装するように構成されている。モデム904は、エンコード/デコード、信号変調/復調、等化、及び同様のものを実行するように構成されている。無線周波数モジュール905は、無線信号を受信及び送信するように構成されている。無線周波数モジュール905は、アンテナ、少なくとも1つの増幅器、カプラ、デュプレクサ、及び同様のものを含むが、これらに限定されない。無線周波数モジュール905は、モデム904と協働し、無線通信機能を実装する。モデム904は、独立したチップとして機能してもよく、システムレベルチップ又は集積回路を形成すべく、他のチップ又は回路と組み合わせられてもよい。これらのチップ又は集積回路は、携帯電話、コンピュータ、ノートブックコンピュータ、タブレット型コンピュータ、ルータ、ウェアラブルデバイス、車両、家庭電化製品、及び同様のものを含む、無線通信機能を実装する全ての端末デバイスに適用され得る。
【0101】
端末デバイス900は、Wi-Fiモジュール906、Bluetoothモジュール907、又は同様のものを用いることによって、無線通信をさらに実行し得る。Wi-Fiモジュール906は、端末デバイス900に、Wi-Fi関連の標準プロトコルに適合するネットワークアクセスを提供するように構成されている。端末デバイス900は、インターネットにアクセスすべく、Wi-Fiモジュール906を用いることによって、Wi-Fiアクセスポイントにアクセスし得る。幾つかの他の実施形態において、Wi-Fiモジュール906は、代替的に、Wi-Fi無線アクセスポイントとして機能してもよく、他の端末デバイスにWi-Fiネットワークアクセスを提供してもよい。Bluetoothモジュール907は、端末デバイス900と他の端末デバイス(例えば、携帯電話又はスマートウオッチ)との間の近距離通信を実装するように構成されている。本願の本実施形態におけるWi-Fiモジュール906は、集積回路、Wi-Fiチップ、又は同様のものであり得る。Bluetoothモジュール907は、集積回路、Bluetoothチップ、又は同様のものであり得る。
【0102】
測位モジュール910は、端末デバイス900の地理的位置を決定するように構成されている。測位モジュール910は、具体的には、測位システムの受信機例えば、全地球測位システム(global position system,GPS)、北斗衛星導航系統、又は、ロシアのGLONASS、であり得ることが、理解され得る。
【0103】
Wi-Fiモジュール906、Bluetoothモジュール907、及び測位モジュール910は、独立したチップ又は集積回路であってもよく、共に統合されてもよい。例えば、一実施形態において、Wi-Fiモジュール906、Bluetoothモジュール907、及び測位モジュール910は、同一チップに統合され得る。他の実施形態において、Wi-Fiモジュール906、Bluetoothモジュール907、測位モジュール910、及びMCU902は、代替的に、同一チップに統合され得る。
【0104】
入力/出力デバイス909は、ディスプレイ9091、タッチスクリーン9092、オーディオ回路9093、及び同様のものを含むが、これらに限定されない。
【0105】
タッチスクリーン9092は、タッチスクリーン9092上又はその付近で端末デバイス900のユーザのタッチイベント(例えば、指又は任意の適切なオブジェクト、例えば、スタイラスペン、を用いることによって、タッチスクリーン9092上又はその付近でユーザにより実行された操作)を収集し得、収集されたタッチイベントを他のコンポーネント(例えば、アプリケーションプロセッサ901)に送信する。タッチスクリーン9092の付近でユーザにより実行された操作は、フローティングタッチ称され得る。フローティングタッチを通じて、ユーザは、タッチスクリーン9092に直接タッチすることなく、ターゲット(例えば、アイコン)を選択、移動、又はドラッグし得る。加えて、タッチスクリーン9092は、抵抗型、静電容量型、赤外線型、及び表面音響波型等の複数のタイプを用いることによって、実装され得る。
【0106】
ディスプレイ(表示画面とも称される)9091は、ユーザによって入力された情報又はユーザによって表示された情報を表示するように構成されている。ディスプレイ9091は、例えば、液晶ディスプレイ又は有機発光ダイオードの形態で構成され得る。タッチスクリーン9092は、ディスプレイ9091をカバーし得る。タッチイベントを検出した後に、タッチスクリーン9092は、タッチイベントのタイプを決定すべく、タッチイベントをアプリケーションプロセッサ901に伝送する。その後、アプリケーションプロセッサ901は、タッチイベントのタイプに基づいて、ディスプレイ9091上に対応する視覚出力を提供し得る。図9において、タッチスクリーン9092及びディスプレイ9091は、2つの独立したコンポーネントとして機能し、端末デバイス900の入力及び出力機能を実装する。しかしながら、幾つかの実施形態において、タッチスクリーン9092及びディスプレイ9091は、統合されて、端末デバイス900の入力及び出力機能を実装し得る。加えて、タッチスクリーン9092及びディスプレイ9091は、フルパネル形式で端末デバイス900の前側に配置されて、ベゼルレス構造を実装し得る。
【0107】
オーディオ回路9093、スピーカ9094、及びマイクロフォン9095は、ユーザと端末デバイス900との間のオーディオインタフェースを提供し得る。オーディオ回路9093は、スピーカ9094に、受信したオーディオデータが変換されている電気信号を伝送し得る。スピーカ9094は、電気信号を出力用の音信号に変換する。加えて、マイクロフォン9095は収集された音信号を電気信号に変換し、オーディオ回路9093は電気信号を受信し、電気信号をオーディオデータに変換し、その後、モデム904及び無線周波数モジュール905を用いることによって、オーディオデータを、例えば、他の端末デバイスに送信する、又は、さらなる処理のためにオーディオデータをメモリ903に出力する。
【0108】
加えて、端末デバイス900は、指紋認識機能をさらに有し得る。例えば、指紋収集コンポーネントは端末デバイス900の裏側(例えば、背面カメラの下部)に構成され得、又は、指紋収集コンポーネントは端末デバイス900の前側(例えば、タッチスクリーン9092の下部)に構成され得る。他の例を挙げると、指紋収集コンポーネントは、タッチスクリーン9092内に構成されて、指紋認識機能を実装し得る。具体的に言えば、指紋収集コンポーネントは、タッチスクリーン9092と統合されて、端末デバイス900の指紋認識機能を実装し得る。この場合、指紋収集コンポーネントがタッチスクリーン9092内に構成されており、タッチスクリーン9092の一部であってもよく、他の方式でタッチスクリーン9092内に構成されてもよい。本願の本実施形態における指紋収集コンポーネントの主な部分は、指紋センサである。指紋センサは、光検出技術、容量検出技術、圧電検出技術、超音波検出技術、又は同様のものを含む任意のタイプの検出技術を用い得るが、これらに限定されない。
【0109】
さらに、端末デバイス900に保持されるオペレーティングシステム911は、iOS(登録商標)、Android(登録商標)、Microsoft(登録商標)、又は他のオペレーティングシステムであり得る。これは、本願の本実施形態において限定されるものではない。
【0110】
Android(登録商標)オペレーティングシステムを保持する端末デバイス900は、一例として用いられる。端末デバイス900は、ハードウェア層、オペレーティングシステム911、及びアプリケーション層に論理的に分割され得る。ハードウェア層は、前述のアプリケーションプロセッサ901、MCU902、メモリ903、モデム904、Wi-Fiモジュール906、センサ908、及び測位モジュール910等のハードウェアリソースを含む。アプリケーション層は、1又は複数のアプリケーション、例えば、アプリケーション912、を含む。アプリケーション912は、任意のタイプのアプリケーション、例えば、ソーシャルアプリケーション、eコマースアプリケーション、又はブラウザ、であり得る。オペレーティングシステム911は、ハードウェア層とアプリケーション層との間のソフトウェアミドルウェアとして機能し、ハードウェアリソース及びソフトウェアリソースを管理及び制御するためのコンピュータプログラムである。
【0111】
一実施形態において、オペレーティングシステム911は、カーネルと、ハードウェア抽象化層(hardware abstraction layer,HAL)と、ライブラリ及びランタイム(libraries and runtime)と、フレームワーク(framework)とを含む。カーネルは、基本的なシステムコンポーネント、及び、サービス、例えば、電力管理、メモリ管理、スレッド管理、及びハードウェアドライバ、を提供するように構成されている。ハードウェアドライバは、Wi-Fiドライバ、センサドライバ、測位モジュールドライバ、及び同様のものを含む。ハードウェア抽象化層は、カーネルドライバプログラムをカプセル化し、インタフェースをフレームワークに提供し、基本的な実装の詳細を隠蔽する。ハードウェア抽象化層はユーザ空間で動作し、カーネルドライバプログラムはカーネル空間で動作する。
【0112】
ライブラリ及びランタイムは、ランタイムライブラリとも称され、実行可能プログラムが動作するときに必要であるライブラリファイル及び実行環境を提供する。一実施形態において、ライブラリ及びランタイムは、Androidランタイム(Android runtime,ART)、ライブラリ、及びシナリオパッケージランタイムを含む。ARTは、アプリケーションのバイトコードをマシンコードに変換し得る仮想マシン又は仮想マシンインスタンスである。ライブラリは、動作中に実行可能プログラムへのサポートを提供するプログラムライブラリであり、ブラウザエンジン(webkit等)、スクリプト実行エンジン(例えば、JavaScript(登録商標)エンジン)、グラフィックス処理エンジン、及び同様のものを含む。シナリオパッケージランタイムは、シナリオパッケージの動作環境であり、ページ実行環境(ページコンテキスト)及びスクリプト実行環境(スクリプトコンテキスト)を主に含む。ページ実行環境は対応するライブラリを呼び出してHTML、CSS、又は他のフォーマットのページコードを解析し、スクリプト実行環境は対応する関数ライブラリを呼び出してJavaScript等のスクリプト言語によって実装されたコード又は実行可能ファイルを解析及び実行する。
【0113】
フレームワークは、様々な基本的な共通コンポーネント、及びアプリケーション層内のアプリケーションプログラム用のウィンドウ管理及び位置管理等のサービスを提供するように構成されている。一実施形態において、フレームワークは、ジオフェンスサービス、ポリシサービス、通知マネージャ、及び同様のものを含む。
【0114】
前述のオペレーティングシステム911内のコンポーネントの全ての機能が、メモリ903に記憶されているプログラムを実行することにより、アプリケーションプロセッサ901によって実装され得る。
【0115】
当業者であれば、端末デバイス900が図9に示されるものより少ない又は多いコンポーネントを含み得、図9に示される端末デバイスが本願で開示される複数の実装により関連するコンポーネントのみを含むことを理解し得る。
【0116】
以下では、本願の実施形態における解決手段を詳細に説明する。
【0117】
図10は、本願に係るマッピング曲線のパラメータを取得する方法の一実施形態のフローチャートである。図10に示されるように、処理1000は、図8に示されるビデオ処理システムに適用されてもよく、図9に示される端末デバイスに適用されてもよい。処理1000の実行主体は、端末デバイス又はビデオ処理システムにおけるバックエンドを含む。処理1000は、一連の段階又はオペレーションとして説明される。処理1000の段階又はオペレーションが様々な順序で実行され得る及び/又は同時に実行され得るが、図10に示される実行順序に限定されないことが、理解されるべきである。本願のマッピング曲線のパラメータを取得する方法は、以下の段階を含む。
【0118】
段階1001:第1マッピング曲線のパラメータセット及び第1最大ターゲットシステム表示輝度を取得する。
【0119】
本願では、フロントエンドは図8に示されるビデオ処理システムにおけるフロントエンドであり得、バックエンドは図8に示されるビデオ処理システムにおけるバックエンドであり得る。この場合、フロントエンドからのデータは、無線ネットワーク又は有線ネットワークを用いることによって、バックエンドに伝送され得る。代替的に、フロントエンド及びバックエンドは、図9に示される端末デバイスに統合され得る。この場合、フロントエンドのデータは、端末デバイスの内部の伝送経路、例えば、コントローラエリアネットワーク(Controller Area Network,CAN)バス、を用いることによって、バックエンドに伝送され得る。データを受信した後、バックエンドは、後続の処理のためにデータをバッファに記憶し得る。バッファは、例えば、処理対象フレームのRGB色域画素バッファ及び/又は処理対象フレームのメタデータバッファであり得る。
【0120】
ビデオを取得した後、フロントエンドは、ビデオを前処理し得、例えば、光学-電気伝達関数を用いることによって、現実世界における輝度を記憶モードに一致する輝度にマッピングし得、取得した情報に基づいてビデオの輝度、クロミナンス、コントラスト、及び同様のものを調整し得、ビデオをエンコードしてビットストリームを生成し得る。フロントエンドは、処理済のデータをバックエンドに送信する。
【0121】
フロントエンドからのデータは、ビデオデータ(表示対象コンテンツのデータとも称される)及び動的メタデータを含み得る。ビデオデータは、ビデオ内の画像フレームに関連するデータ、例えば、画素データ、であり得る。動的メタデータは、ビデオデータに関連するデータ、及びマッピング曲線に関連するデータを含み得る。ビデオデータに関連するデータは、記憶可能な第1最大ターゲットシステム表示輝度(targeted_system_display_maximum_luminance)、及び、メモリ内のビデオの記憶可能な最大輝度MaxSource、記憶可能な最小輝度MinSource、記憶可能な平均輝度AvgSource、又は記憶可能な変動範囲等のビデオデータのフォーマット及び特徴を含み得る。記憶可能な変動範囲の原理は分散又は分布信頼区間の原理に類似しており、変動範囲はビデオ信号の輝度集合範囲を説明するために用いられる。マッピング曲線に関連するデータは、スケーリング係数、オフセット係数、及び曲げ形状係数等のマッピング曲線に関連するパラメータを含み得る。第1マッピング曲線のパラメータセットは、マッピング曲線に関連するデータにおける1又は複数のパラメータを含む。例えば、S字型曲線に関連するデータはa、b、p、n、m、k、k、及びkの8つのパラメータを含み、第1マッピング曲線のパラメータセットは8つのパラメータを全て含んでもよく、8つのパラメータのうちの一部のみを含んでもよい。ここで、パラメータの一部は、それぞれ、有理数である。
【0122】
任意で、ビデオデータに関連するデータは、代替的に、動的メタデータに基づいて伝送することなく、ビデオコンテンツから直接抽出され得る。
【0123】
第1マッピング曲線のパラメータセットは第1最大ターゲットシステム表示輝度に対応し、すなわち、第1マッピング曲線のパラメータセットにおける1又は複数のパラメータは、第1最大ターゲットシステム表示輝度をターゲットとして用いることによって生成され、又は、第1最大ターゲットシステム表示輝度に関連している。フロントエンドは、第1マッピング曲線のパラメータセット及び第1最大ターゲットシステム表示輝度を動的メタデータに含め得る。代替的に、第1マッピング曲線のパラメータセットのみが動的メタデータに保持され得、この場合、第1マッピング曲線のパラメータセットはデフォルトの最大ターゲットシステム表示輝度に対応し、フロントエンド及びバックエンドはデフォルトの最大ターゲットシステム表示輝度について前もって合意している。このように、第1マッピング曲線のパラメータセットを受信した後、バックエンドは、フロントエンドが動的メタデータに対応する第1マッピング曲線のパラメータセットに動的メタデータを含めるという条件で、デフォルトで第1最大ターゲットシステム表示輝度を知り得る。バックエンドが実際の状況に基づいてピークターゲットシステム表示輝度を調整する必要がある場合、第1マッピング曲線のパラメータセットにおける1又は複数のパラメータは、実際の輝度に対応する新しいマッピング曲線のパラメータセットを取得すべく、実際の輝度とデフォルトのピークターゲットシステム表示輝度との間の関係に基づいて、調整され得る。
【0124】
本願においてビデオデータに含まれるコンテンツ及びデータ形式が具体的に限定されないことが、留意されるべきである。例えば、画素データの色空間の観点から、ビデオデータのフォーマットは、YUVであってもよく、RGBであってもよい。データのビット幅の観点から、ビデオデータは、8ビット、10ビット、12ビット、又は同様のものを含み得る。動的メタデータに含まれるコンテンツは、いずれも具体的に限定されない。例えば、マッピング曲線に関連するデータは、前述のS字状曲線に関連するパラメータであってもよく、前述のベジェ曲線に関連するパラメータであってもよく、S字型曲線に関連するパラメータであってもよい。
【0125】
段階1002:表示輝度パラメータセットを取得する。
【0126】
本願では、表示輝度パラメータセットがデバイス情報に基づいて取得され得る。表示輝度パラメータセットは、表示デバイスの最大表示輝度(MaxDisplay)及び/又は最小表示輝度(MinDisplay)を含む。デバイス情報は、出荷前にデバイスに書き込まれるデバイスのパラメータであってもよく、製造業者によって提供される情報であってもよい。デバイス情報は、デバイスの属性及び性能を示す。
【0127】
最大表示輝度は、表示中にデバイスによって提示され得る最大照度を指す。最小表示輝度は、表示中にデバイスによって提示され得る最小照度を指す。最小表示輝度は、通常、0cd/m又は1cd/mに設定する。最小表示輝度は、代替的に、デバイスの表示性能に基づいて他の値に設定され得る。これは本願において具体的に限定されない。
【0128】
段階1003:調整係数セットを取得する。
【0129】
調整係数セットは、マッピング曲線に関連する1又は複数のパラメータが調整される必要があることを示す情報を含む。
【0130】
調整係数セットは1又は複数の調整係数を含み、1又は複数の調整係数は第1マッピング曲線のパラメータセットにおける1又は複数のパラメータに対応する。前述のように、第1マッピング曲線のパラメータセットはマッピング曲線に関連する1又は複数のパラメータを含み、調整係数セットにおける1つの調整係数は第1マッピング曲線のパラメータセットにおける1つのパラメータに対応し得、すなわち、マッピング曲線に関連する各パラメータは1つの調整係数に対応する。加えて、調整係数セットにおける1つの調整係数は、代替的に、第1マッピング曲線のパラメータセットにおける複数のパラメータに対応し得、すなわち、各調整係数はマッピング曲線に関連する複数のパラメータに対応する。代替的に、調整係数セットは、第1マッピング曲線のパラメータセットにおける1又は複数のパラメータに対応する調整係数を含まなくてもよく、すなわち、第1マッピング曲線のパラメータセットにおけるマッピング曲線に関連する1又は複数のパラメータは調整係数セットにおけるいずれの調整係数にも対応しない。この場合、それは、パラメータが調整される必要がないことを示す。第1マッピング曲線のパラメータセットは、代替的に、調整係数セットにおけるいずれの調整係数にも対応しないパラメータを含み得、すなわち、1又は複数の調整係数は第1マッピング曲線のパラメータセットにおけるいずれのパラメータにも対応しない。この場合、それは、フロントエンドが現段階ではパラメータをバックエンドに送信しないが、パラメータを調整する必要があることを示す。バックエンドは、他の方法を用いることによって、パラメータを取得し得る。
【0131】
本願では、デバイスは、動的メタデータから調整係数セットを取得し得る。ビットストリームを送信する前に、フロントエンドは、マッピング曲線に関連する1又は複数のパラメータを調整する方式を設定し、調整方式を動的メタデータに書き込み得、動的メタデータをバックエンドに送信し得る、又は、デバイスは、予め設定された値に基づいて調整係数セットを取得する。予め設定された値は、マッピング曲線に関連する1又は複数のパラメータに対応してもよく、調整モードインデックスであってもよい。デバイスは、インデックスに基づいて、マッピング曲線に関連する1又は複数のパラメータの、予め設定された値に対応する調整係数を取得する。
【0132】
段階1004:第2マッピング曲線のパラメータセットを取得すべく、表示輝度パラメータセットと、第1最大ターゲットシステム表示輝度と、調整係数セットとに基づいて、第1マッピング曲線のパラメータセットにおける1又は複数のパラメータを調整する。
【0133】
第2マッピング曲線のパラメータセットは、1又は複数の調整済のパラメータを含み、1又は複数の調整済のパラメータは、第1マッピング曲線のパラメータセットにおける1又は複数のパラメータに対応し、第1マッピング曲線のパラメータセットにおける1又は複数のパラメータを調整することによって取得される。第2マッピング曲線のパラメータセットに含まれるパラメータが第1マッピング曲線のパラメータセットに含まれるパラメータに1対1で対応し得ることが、留意されるべきである。すなわち、第1マッピング曲線のパラメータセットに含まれる各パラメータが、調整された後に、第2マッピング曲線のパラメータセットに追加される。これは、第1マッピング曲線のパラメータセットがマッピング曲線に関連する全てのパラメータを含むケースに適用可能である。第2マッピング曲線のパラメータセットに含まれるパラメータは、代替的に、第1マッピング曲線のパラメータセットに含まれないパラメータであり得る。すなわち、第1マッピング曲線のパラメータセットに含まれる各パラメータが、調整された後に、第2マッピング曲線のパラメータセットに追加され、他の一部のパラメータが、他の方法を用いることによりデバイスによって取得され、その後、当該一部のパラメータが、調整された後に、又は、調整されることなく、第2マッピング曲線のパラメータセットに追加される。これは、第1マッピング曲線のパラメータセットがマッピング曲線に関連する一部のパラメータを含むケースに適用可能である。加えて、第2マッピング曲線のパラメータセットに含まれるデータは、代替的に、調整済の第1マッピング曲線のパラメータ及び未調整の第1マッピング曲線のパラメータのセットであり得る。
【0134】
以下では、第1パラメータを一例として用いて、本願における第2マッピング曲線のパラメータセットを取得するための方法を説明する。第1パラメータは第1マッピング曲線のパラメータセットにおける任意のパラメータである。
【0135】
方法1:式(1)に従って調整済の第1パラメータを計算する。
=P+k×PΔ (1)
ここで、Pは調整済の第1パラメータを表し、Pは第1パラメータを表し、PΔは第1パラメータに対応する調整係数を表し、
【数29】
、又は、
【数30】
であり、MaxDisplay>MTPLのときa=1であり、又は、MaxDisplay≦MTPLのときa=-1あり、MaxDisplayは最大表示輝度を表し、MTPLは第1最大ターゲットシステム表示輝度を表し、Nは調整制御パラメータを表し、且つ、0より大きい有理数、例えば、1又は2であり得、Mは予め設定された輝度値を表し、且つ、0より大きい有理数、例えば、100cd/m又は50cd/mであり得る。通常、M=1及びN=100cd/mに設定され得る。M及びNの両方が、マッピング曲線に関連するパラメータの変動速度を制御するために用いられる。異なるベンダ、異なるコンテンツシナリオ、及び同様のものからのハードウェアに適応すべく、M及びNの一方又は両方が、パラメータとして用いられ得、且つ、動的メタデータに基づいて伝達され得ることが、留意されるべきである。これは以下の方法についても真であり、詳細は再び説明されない。
【0136】
本願におけるMaxDisplayの値が絶対輝度値、例えば、100cd/m又は1000cd/mであってもよく、MaxDisplayの値が正規化された輝度値であってもよく、その値の範囲が0-1であり、MaxDisplayの値がPQドメインにおける輝度値、例えば、0-10000cd/mであってもよいことが、留意されるべきである。本願では、MTPLの値が絶対輝度値、例えば、100cd/m又は1000cd/mであってもよく、MTPLの値が正規化された輝度値であってもよく、MTPLの値の範囲が0-1であり、MTPLの値がPQドメインにおける輝度値、例えば、0-10000cd/mであってもよい。本願では、Mの値が絶対輝度値、例えば、100cd/m又は1000cd/mであってもよく、Mの値が正規化された輝度値であってもよく、Mの値の範囲が0-1であり、Mの値がPQドメインにおける輝度値、例えば、0-10000cd/mであってもよい。これは本願において具体的に限定されない。これは以下の方法についても真であり、詳細は再び説明されない。
【0137】
第2マッピング曲線のパラメータセットに追加された調整済のパラメータを取得すべく、第1マッピング曲線のパラメータセットにおける全て又は一部のパラメータが前述の式(1)に従って調整され得る。
【0138】
方法2:式(2)に従って調整済の第1パラメータを計算する。
=(1-w)×P+w×P (2)
ここで、
は調整済の第1パラメータを表し、Pは第1パラメータを表し、
【数31】
、又は、
【数32】
であり、PΔは第1パラメータに対応する調整係数を表し、MaxDisplayは最大表示輝度を表し、MTPLは第1最大ターゲットシステム表示輝度を表し、Nは調整制御パラメータを表し、且つ、0より大きい有理数、例えば、1又は2であり得、Mは予め設定された輝度値を表し、且つ、0より大きい有理数、例えば、100cd/m又は50cd/mであり得、Pは最大表示輝度、最小表示輝度、記憶可能な最大輝度、記憶可能な最小輝度、記憶可能な平均値、及び記憶可能な変動範囲等の1又は複数のパラメータに基づいて取得される第1パラメータの中間値を表す。
【0139】
はまた、前述の最大表示輝度、最小表示輝度、記憶可能な最大輝度、記憶可能な最小輝度、記憶可能な平均値及び/又は記憶可能な変動範囲より多くのパラメータ又はより少ないパラメータに基づいて取得され得ることが、留意されるべきである。これは本願において具体的に限定されない。これは以下の方法についても真であり、詳細は再び説明されない。本願においてPを取得するために、関連技術におけるマッピング曲線の生成方法を参照する。これは本願において具体的に限定されない。
【0140】
方法2において、デバイスが、メモリ内のビデオの記憶可能な最大輝度、最小輝度、平均輝度、及び/又は変動範囲等のビデオデータに関連するデータ、デバイスの最大表示輝度、デバイスの最小表示輝度、及び/又は、マッピング曲線に直接関連しない他のパラメータに基づいて、マッピング曲線に関連する他のパラメータセット取得し得ることが、留意されるべきである。パラメータセットにおけるパラメータは第1マッピング曲線のパラメータセットにおけるパラメータに1対1で対応する、又は、パラメータセットは第1マッピング曲線のパラメータセットに存在しないパラメータを含み得る。このように、デバイスは、マッピング曲線に関連する2つのパラメータセットを取得し得る。当該セットのうちの一方はフロントエンドに由来し、他方のセットはビデオデータの特徴に基づく計算を通じてデバイスによって取得され得る。その後、最終的なパラメータセットを取得すべく、2つのパラメータセットが加重方法を用いることによって融合される。このように、デバイスの表示性能をより良好に満たすビデオを取得すべく、より柔軟な明度処理方法が、2つのパラメータセットの重みを調整することによってビデオの異なる位置で用いられ得る。
【0141】
加えて、Pを計算するための方法が、マッピング曲線に関連するが、第1マッピング曲線のパラメータセットに含まれないパラメータにさらに適用され得る。前述のデバイスが他の方法を用いることによってパラメータを取得する方式は、本方法に類似している。
【0142】
可能な実装において、デバイスは、調整済の第1パラメータ及び第1パラメータ以外の第1マッピング曲線のパラメータセットにおけるパラメータに基づいて第1マッピング曲線を取得し得、第1マッピング曲線に基づいてトーンマッピングを実行することによって取得されるビデオの輝度が、ビデオの元の輝度より高い場合に、第1パラメータの調整を継続し得る。これにより、マッピング曲線がx=yを満たす直線より高い部分を含まないことを確保する。
【0143】
可能な実装において、調整済の第1パラメータは、予め設定されたルールに従って分析され、調整済の第1パラメータが予め設定されたルールに適合する場合に、第1パラメータの調整が継続される。例えば、p×r>Tpである。ここで、pは第1パラメータであり、rはスケーリング係数であり、Tpは特定の閾値、例えば、3.2363である。この場合、pが上限値Tpに調整される。ここで、Tp=Tp/rである。代替的に、rに対応するTpを求めて予め設定されたテーブル(Ta,Tp)が検索され得、p>Tpの場合に、pが上限値Tpに調整される。同一の値がテーブルルックアップによって発見できない場合、クエリされた値が近接値若しくは近接値の加重平均に基づいて又は他の方式で決定され得るが留意されるべきである。前述の2つの不等式は、マッピング曲線に関連する現在のパラメータセットに基づいて取得されたマッピング曲線がx=yを満たす直線より高い部分を含むことを示す。したがって、次元縮小処理が対応するパラメータに対して実行される必要がある。マッピング曲線がx=yを満たす直線より高い部分を含まないことを確保すべく、前述の2つの方法に加えて、他の方法が本願で用いられ得ることが、留意されるべきである。これは、特に限定されない。
【0144】
可能な実装において、第1マッピング曲線のパラメータセットがスケーリング係数を含むとき、調整済のスケーリング係数が式(3)に従って計算される。
【数33】
ここで、rは調整済のスケーリング係数を表し、P1,P2,...は第2マッピング曲線のパラメータセットにおけるパラメータを表し、MaxSourceはメモリ内のビデオお最大輝度を表し、f(MaxSource,P1,P2,...)はメモリ内のビデオの記憶可能な最大輝度及び第2マッピング曲線のパラメータセットにおける1又は複数の調整済のパラメータに関連する関数計算を表し、当該関数はトーンマッピング関数パラメータに関連する部分を含み、MaxDisplayは最大表示輝度を表す。記憶可能な値は、メモリの記憶モードに関連する。例えば、10ビットモードが記憶のために用いられる場合、メモリ内の記憶可能な最大値が210、すなわち、1024であり、メモリ内の記憶可能な最小値が0である。8ビットモードが記憶のために用いられる場合、メモリ内の記憶可能な最大値が2、すなわち、256であり、メモリ内の記憶可能な最小値が0である。
【0145】
スケーリング係数がマッピング曲線の取得中に含まれる場合、デバイスは、第2マッピング曲線のパラメータセットにおける取得した1又は複数の調整済のパラメータに基づいて、且つ、式(3)に従って、スケーリング係数を計算し得る。このように、スケーリング係数が調整済のパラメータに基づいて取得され、したがって、最終的に生成されるマッピング曲線は、ビデオの特徴をより良好に満たす。スケーリング係数は、マッピング曲線の式における画像フレームの画素の線形の信号値のスケーリングの程度を決定する。例えば、以下の式において、aはスケーリング係数である。
【数34】
【0146】
可能な実装において、第1マッピング曲線のパラメータセットがスケーリング係数を含むとき、調整済のスケーリング係数が式(4)に従って計算される。
【数35】
ここで、rは調整済のスケーリング係数を表し、P1,P2,...は第2マッピング曲線のパラメータセットにおけるパラメータを表し、MaxSourceはメモリ内のビデオの記憶可能な最大輝度を表し、MinSourceはメモリ内のビデオの記憶可能な最小輝度を表し、f(MaxSource,P1,P2,...)はメモリ内のビデオの記憶可能な最大輝度及び第2マッピング曲線のパラメータセットにおける1又は複数の調整済のパラメータに関連する関数計算を表し、f(MinSource,P1,P2,...)はメモリ内のビデオの記憶可能な最小輝度及び第2マッピング曲線のパラメータセットにおける1又は複数の調整済のパラメータに関連する関数計算を表し、MaxDisplayは最大表示輝度を表し、MinDisplayは最小表示輝度を表す。
【0147】
可能な実装において、第1マッピング曲線のパラメータセットがスケーリング係数を含むとき、調整済のスケーリング係数が式(5)に従って計算される。
【数36】
ここで、rは調整済のスケーリング係数を表し、P1,P2,...は第2マッピング曲線のパラメータセットにおけるパラメータを表し、MaxSourceはメモリ内のビデオの記憶可能な最大輝度を表し、f(MaxSource,P1,P2,...)はメモリ内のビデオの記憶可能な最大輝度及び第2マッピング曲線のパラメータセットにおける1又は複数の調整済のパラメータに関連する関数計算を表し、MaxDisplayは最大表示輝度を表し、MinDisplayは最小表示輝度を表す。
【0148】
可能な実装において、第1マッピング曲線のパラメータセットがスケーリング係数を含むとき、調整済のスケーリング係数が式(6)に従って計算される。
【数37】
ここで、rは調整済のスケーリング係数を表し、P1,P2,...は第2マッピング曲線のパラメータセットにおけるパラメータを表し、MaxSourceはメモリ内のビデオの記憶可能な最大輝度を表し、MinSourceはメモリ内のビデオの最小輝度を表し、f(MaxSource,P1,P2,...)はメモリ内のビデオの記憶可能な最大輝度及び第2マッピング曲線のパラメータセットにおける1又は複数の調整済のパラメータに関連する関数計算を表し、f(MinSource,P1,P2,...)はメモリ内のビデオの記憶可能な最小輝度及び第2マッピング曲線のパラメータセットにおける1又は複数の調整済のパラメータに関連する関数計算を表し、MaxDisplayは最大表示輝度を表す。
【0149】
可能な実装において、第1マッピング曲線のパラメータセットがオフセット係数を含むとき、調整済のオフセット係数が以下の方式で決定される。r=MinDisplayであり、MinDisplayは最小表示輝度を表す、又は、r=Gであり、Gは予め設定された値を表し、且つ、有理数、例えば、0若しくは1であり得る。
【0150】
スケーリング係数がマッピング曲線の取得中に含まれる場合、デバイスは、第2マッピング曲線のパラメータセットにおける取得した1又は複数の調整済のパラメータのうちのいずれか1つに基づいて、且つ、前述の式に従って、スケーリング係数を計算し得る。このように、スケーリング係数が調整済のパラメータに基づいて取得され、したがって、最終的に生成されるマッピング曲線は、ビデオの特徴をより良好に満たす。
【0151】
段階1005:第2マッピング曲線のパラメータセットにおける1又は複数の調整済のパラメータに基づいて、マッピング曲線を取得する。
【0152】
1又は複数の調整済のパラメータに基づいて、マッピング曲線全体又はトーンマッピング曲線の一部が取得され得る。曲線の計算は、正規化されたHDR/SDRデータから正規化された表示データへのマッピングを取得し、デバイスの最大表示輝度及び最小表示輝度に基づいて、取得済のマッピング値をデバイスお実際に表示されたデータに逆に正規化することである。
【0153】
前述の逆正規化は、非線形空間にあってもよく、線形空間における0-1への正規化であってもよいことが、留意されるべきである。逆正規化は、0-10000cd/mであってもよく、0.001-100000cd/mであってもよい。逆正規化の範囲及び処理は、本願において具体的に限定されない。加えて、マッピング曲線を取得することは、トーンマッピング(tone-mapping)を実行することだけでなく、マッピング済のビデオが表示される前に、飽和処理、色域変換処理、ノイズ除去処理、シャープ処理、及び/又はマッピング済のビデオの同様のものを調整すべく、マッピング済のビデオを調整することも含む。これは本願において具体的に限定されない。
【0154】
本願では、マッピング曲線に関連する1又は複数のパラメータが調整される。調整処理において、バックエンドの表示能力が考慮され、したがって、より正確なトーン調整が異なる輝度を有する表示デバイス上で実行され得る。これは柔軟性を非常に改善し、曲線パラメータが適切に設定されるときに良好な提示効果も実現する。
【0155】
以下では、幾つかの特定の実施形態を用いることによって、図10における方法の実施形態の解決手段をさらに説明する。
[実施形態1]
【0156】
S字型曲線について、動的メタデータは、記憶可能な最大輝度、記憶可能な最小輝度、及び記憶可能な平均輝度等のメモリ内のビデオの統計値を含んでもよく、p、m、a、b、n、K1、K2、及びK3等のS字型曲線に関連するパラメータを含んでもよい。
【0157】
1:第1マッピング曲線のパラメータセット及び第1最大ターゲットシステム表示輝度を取得する。
【0158】
動的メタデータは、Mb={p,m,a,b,n,K1,K2,K3}を満たす第1マッピング曲線のパラメータセット、最大ターゲットシステム表示輝度(targeted_system_display_maximum_luminance)MTPL、及び/又は、メモリ内のビデオの記憶可能な最大輝度MaxSource、記憶可能な最小輝度MinSource、記憶可能な平均輝度AvgSource、及び/又は、記憶可能な変動範囲等のビデオデータのフォーマット又は特徴を含む。
【0159】
本願においてビデオデータに含まれるコンテンツ及びデータ形式が具体的に限定されないことが、留意されるべきである。例えば、画素データの色空間の観点から、ビデオデータのフォーマットは、YUVであってもよく、RGBであってもよい。データのビット幅の観点から、ビデオデータは、8ビット、10ビット、12ビット、又は同様のものを含み得る。
【0160】
2:バックエンドの表示パラメータセットを取得する。
【0161】
表示パラメータセットは、バックエンドの最大表示輝度MaxDisplay、最小表示輝度MinDisplay、及び/又は、最大ターゲットシステム表示輝度(targeted_system_display_maximum_luminance)TTPLを含み得る。最大表示輝度MaxDisplayがデバイスのパラメータ又は製造業者に関する情報に基づいて取得され得、最小表示輝度MinDisplayが0cd/m、1cd/m、又は、0cd/m若しくは1cd/mに対応するPQ値に設定され得る。最小表示輝度は、代替的に、デバイスの表示性能に基づいて、他の値に設定され得る。これは本願において具体的に限定されない。
【0162】
3:調整係数セットを取得する。
【0163】
前述の第1マッピング曲線のパラメータセットMbに対応して、調整係数セットMΔは、{pΔ,mΔ,aΔ,bΔ,nΔ,K1Δ,K2Δ,及びK3Δ}のサブセット又はフルセットであり得る。概して、調整係数セットは、メタデータに基づいて取得されてもよく、予め設定されてもよい。
【0164】
4:第2マッピング曲線のパラメータセットを取得すべく、ローカルな最大表示輝度と、第1最大ターゲットシステム表示輝度と、調整係数セットとに基づいて、第1マッピング曲線のパラメータセットにおける1又は複数のパラメータを調整する。
【0165】
Ma={p,m,a,b,n,K1,K2,K3}を満たす調整済の第2マッピング曲線のパラメータセットを取得すべく、Mb={p,m,a,b,n,K1,K2,K3}を満たす第1マッピング曲線のパラメータセットにおける1又は複数のパラメータが調整される。主な段階は以下のとおりである。
【0166】
A:Mb={p,m,a,b,n,K1,K2,K3}を満たす第1マッピング曲線のパラメータセットをパラメータQ(QはMbにおける任意のパラメータである)にトラバースする。調整係数セットMΔが対応する調整係数QΔを含む場合、Q=Q+k×QΔであり、そうでない場合、Q=Qである。
【数38】
、又は、
【数39】
である。ここで、MaxDisplay>MTPLのときa=1であり、又は、MaxDisplay≦MTPLのときa=-1あり、Mは予め設定された輝度値、且つ、0より大きい有理数、例えば、100cd/m、50cd/m、又は、100cd/mに対応するPQ値であり、Nは調整制御パラメータ、且つ、0より大きい有理数、例えば、1又は2である。
【0167】
B:b=MinDisplay又はb=0に設定する。
【0168】
C:aを以下の式で設定する。
【数40】
【0169】
D:現在の第2マッピング曲線のパラメータセットに基づいて取得されたマッピング曲線がx=yを満たす直線より高い部分を含む場合に、pをTpに制限する。主な方法は以下のとおりである。
【0170】
×a>Tpである場合に、マッピング曲線がx=yを満たす直線より高い部分を含むことが、考慮される。ここで、Tpは予め設定された値であり、Tp=Tp/aである、又は、aに対応するTpを求めて予め設定されたテーブル(Ta,Tp)が検索されて、p>Tpである場合に、pが上限値Tpに調整される。同一の値がテーブルルックアップによって発見できない場合、クエリされた値が近接値若しくは近接値の加重平均に基づいて又は他の方式で決定され得ることが、留意されるべきである。
【0171】
この場合、スケーリング係数aが、以下の式に従って計算される。
【数41】
【数42】
、又は
【数43】
【0172】
L=MaxSourceであり、L1=MinSourceである。
【0173】
の計算は以下の方法についても真であり、詳細は再び説明されない。
【0174】
5:第2マッピング曲線のパラメータセットにおける1又は複数の調整済のパラメータに基づいて、マッピング曲線を取得する。マッピング曲線を取得する処理は、基本的に、前述のパラメータセットに基づいて正規化された光又は電気信号を取得する処理である。
【0175】
第2マッピング曲線のパラメータセットにおける1又は複数の調整済のパラメータに基づいて取得される、第2マッピング曲線のパラメータセットにおける1又は複数の調整済のパラメータに関連する関数計算について、マッピング曲線が以下の式に従って取得され得る。
【数44】
【数45】
【数46】
、又は、
【数47】
【0176】
式内のパラメータ{p,m,a,b,n,K1,K2,及びK3}は全て、第2マッピング曲線のパラメータセットに由来する。L及びL'のそれぞれは正規化された電気信号又は光信号であり、L'は0.0-1.0の値の範囲を有する有理数であり、Lは0.0-1.0の値の範囲を有する有理数であり、aの値の範囲は0.0-1.0であり、bの値の範囲は0.0-1.0であり、p、n、及びmの値の範囲は0.1-Nであり、Nは0.1より大きい有理数であり、K1、K2、及びK3は有理数である。L'の計算は以下の方法についても真であり、詳細は再び説明されない。
【0177】
前述の4つの式の全てがマッピング曲線を取得するために用いられ得るが、相違点がマッピング曲線に関連し、且つ、第2マッピング曲線のパラメータセットにある1又は複数の調整済のパラメータに存在することが、留意されるべきである。当該式に従って取得されるマッピング曲線は、曲線全体であってもよく、セグメント化されたマッピング曲線のセグメント又は一部であってもよい。
[実施形態2]
【0178】
S字型曲線について、動的メタデータは、記憶可能な最大輝度、記憶可能な最小輝度、記憶可能な平均輝度、及び記憶可能な変動範囲等のメモリ内のビデオの統計値を含んでもよく、p、m、a、b、n、K1、K2、及びK3等のS字型曲線に関連するパラメータを含んでもよい。
【0179】
1:第1マッピング曲線のパラメータセット及び第1最大ターゲットシステム表示輝度を取得する。
【0180】
2:バックエンドの表示パラメータセットを取得する。
【0181】
3:調整係数セットを取得する。
【0182】
実施形態2における段階1から段階3の技術的原理は、それぞれ、実施形態1における段階1から段階3の技術的原理に類似し、詳細は本明細書では再び説明しない。
【0183】
4:第2マッピング曲線のパラメータセットを取得すべく、ローカルな最大表示輝度と、第1最大ターゲットシステム表示輝度と、調整係数セットとに基づいて、第1マッピング曲線のパラメータセットにおける1又は複数のパラメータを調整する。
【0184】
Ma={p,m,a,b,n,K1,K2,K3}を満たす調整済の第2マッピング曲線のパラメータセットを取得すべく、Mb={p,m,a,b,n,K1,K2,K3}を満たす第1マッピング曲線のパラメータセットにおける1又は複数のパラメータが調整される。主な段階は以下のとおりである。
【0185】
A:メタデータにおける以下のパラメータ、最大表示輝度MaxDisplay、最小表示輝度MinDisplay、記憶可能な最大輝度MaxSource、記憶可能な最小輝度MinSource、記憶可能な平均値AvgSource、記憶可能な変動範囲、及び/又は、マッピング曲線に直接関連しない他のパラメータ、に基づいて、Mm={p,m,a,b,n,K1,K2,K3}を満たし、且つ、マッピング曲線に関連する他のパラメータセットを取得する。ここで、Mmにおける1又は複数のパラメータが前述の式(2)におけるパラメータPとして用いられ得る。
【0186】
B:Mb={p,m,a,b,n,K1,K2,K3}を満たす第1マッピング曲線のパラメータセットをパラメータQ(QはMbにおける任意のパラメータである)にトラバースする。対応するパラメータQがMm={p,m,a,b,n,K1,K2,K3}を満たすパラメータセットにおいて発見される場合、Q=(1-w)×Q+w×Qであり、そうでない場合、Q=Qである。
【数48】
、又は、
【数49】
であり、Mは予め設定された輝度値、且つ、0より大きい有理数、例えば、100cd/m、50cd/m、又は、線形の輝度値に対応するPQ値、例えば、100cd/mであり、Nは調整制御パラメータ、且つ、0より大きい有理数、例えば、1又は2である。
【0187】
C:b=MinDisplay又はb=0に設定する。
【0188】
D:スケーリング係数aの計算式について、実施形態1を参照する。詳細は本明細書では再び説明しない。
【0189】
5:第2マッピング曲線のパラメータセットにおける1又は複数の調整済のパラメータに基づいて、マッピング曲線を取得する。
【0190】
実施形態2における段階5の技術的原理は実施形態1における段階5の技術的原理に類似し、詳細は本明細書では再び説明しない。
[実施形態3]
【0191】
S字型曲線について、動的メタデータは、記憶可能な最大輝度、記憶可能な最小輝度、記憶可能な平均輝度、及び記憶可能な変動範囲等のメモリ内のビデオの統計値を含んでもよく、p、m、a、b、n、K1、K2、及びK3等のS字型曲線に関連するパラメータを含んでもよい。
【0192】
1:第1マッピング曲線のパラメータセット及び第1最大ターゲットシステム表示輝度を取得する。
【0193】
2:バックエンドの表示パラメータセットを取得する。
【0194】
3:調整係数セットを取得する。
【0195】
実施形態3における段階1から段階3の技術的原理は、それぞれ、実施形態1における段階1から段階3の技術的原理に類似し、詳細は本明細書では再び説明しない。
【0196】
4:第2マッピング曲線のパラメータセットを取得すべく、ローカルな最大表示輝度と、第1最大ターゲットシステム表示輝度と、調整係数セットとに基づいて、第1マッピング曲線のパラメータセットにおける1又は複数のパラメータを調整する。
【0197】
Ma={p,m,a,b,n,K1,K2,K3}を満たす調整済の第2マッピング曲線のパラメータセットを取得すべく、Mb={p,m,a,b,n,K1,K2,K3}を満たす第1マッピング曲線のパラメータセットにおける1又は複数のパラメータが調整される。主な段階は以下のとおりである。
【0198】
A:メタデータにおける以下のパラメータ、最大表示輝度MaxDisplay、最小表示輝度MinDisplay、記憶可能な最大輝度MaxSource、記憶可能な最小輝度MinSource、記憶可能な平均値AvgSource、記憶可能な変動範囲、及び/又は、マッピング曲線に直接関連しない他のパラメータ、に基づいて、Mm={p,m,a,b,n,K1,K2,K3}を満たし、且つ、マッピング曲線に関連する他のパラメータセットを取得する。ここで、Mmにおける1又は複数のパラメータが前述の式(2)におけるパラメータPとして用いられ得る。
【0199】
B:Mb={p,m,a,b,n,K1,K2,K3}を満たす第1マッピング曲線のパラメータセットをパラメータQ(QはMbにおける任意のパラメータである)にトラバースする。対応するパラメータQがMm={p,m,a,b,n,K1,K2,K3}を満たすパラメータセットにおいて発見される場合、Q=(1-w)×Q+w×Qであり、そうでない場合、Q=Qである。
【数50】
、又は、
【数51】
であり、Mは予め設定された輝度値、且つ、0より大きい有理数、例えば、100cd/m、50cd/m、又は、100cd/m若しくは50cd/mに対応するPQ値であり、Nは調整制御パラメータ、且つ、0より大きい有理数、例えば、1又は2である。
【0200】
C:b=MinDisplay又はb=0に設定する。
【0201】
D:aを以下の式で設定する。
【数52】
、又は、a=a
【0202】
E:現在の第2マッピング曲線のパラメータセットに基づいて取得されたマッピング曲線がx=yを満たす直線より高い部分を含む場合に、pをTpに制限する。主な方法は以下のとおりである。
【0203】
×a>Tpである場合に、マッピング曲線がx=yを満たす直線より高い部分を含むことが、考慮される。ここで、Tpは予め設定された値であり、Tp=Tp/aである、又は、aに対応するTpを求めて予め設定されたテーブル(Ta,Tp)が検索されて、p>Tpである場合に、pが上限値Tpに調整される。同一の値がテーブルルックアップによって発見できない場合、クエリされた値が近接値若しくは近接値の加重平均に基づいて又は他の方式で決定され得ることが、留意されるべきである。
【0204】
スケーリング係数aの計算式について、実施形態1を参照する。詳細は本明細書では再び説明しない。
【0205】
5:第2マッピング曲線のパラメータセットにおける1又は複数の調整済のパラメータに基づいて、マッピング曲線を取得する。
【0206】
実施形態3における段階5の技術的原理は実施形態1における段階5の技術的原理に類似し、詳細は本明細書では再び説明しない。
[実施形態4]
【0207】
S字型曲線について、動的メタデータは、記憶可能な最大輝度、記憶可能な最小輝度、及び記憶可能な平均輝度等のメモリ内のビデオの統計値を含んでもよく、p、m、a、b、n、K1、K2、及びK3等のS字型曲線に関連するパラメータを含んでもよい。
【0208】
1:第1マッピング曲線のパラメータセット及び第1最大ターゲットシステム表示輝度を取得する。
【0209】
2:バックエンドの表示パラメータセットを取得する。
【0210】
3:調整係数セットを取得する。
【0211】
実施形態4における段階1から段階3の技術的原理は、それぞれ、実施形態1における段階1から段階3の技術的原理に類似し、詳細は本明細書では再び説明しない。
【0212】
4:第2マッピング曲線のパラメータセットを取得すべく、ローカルな最大表示輝度と、第1最大ターゲットシステム表示輝度と、調整係数セットとに基づいて、第1マッピング曲線のパラメータセットにおける1又は複数のパラメータを調整する。
【0213】
Ma={p,m,a,b,n,K1,K2,K3}を満たす調整済の第2マッピング曲線のパラメータセットを取得すべく、Mb={p,m,a,b,n,K1,K2,K3}を満たす第1マッピング曲線のパラメータセットにおける1又は複数のパラメータが調整される。主な段階は以下のとおりである。
【0214】
A:Mb={p,m,a,b,n,K1,K2,K3}を満たす第1マッピング曲線のパラメータセットをパラメータQ(QはMbにおける任意のパラメータである)にトラバースする。調整係数セットMΔが対応する調整係数QΔを含む場合、Q=Q+k×QΔであり、そうでない場合、Q=Qである。
【数53】
、又は、
【数54】
であり、MaxDisplay>MTPLのときa=1であり、又は、MaxDisplay≦MTPLのときa=-1あり、Mは予め設定された輝度値、且つ、0より大きい有理数、例えば、100cd/m、50cd/m、又は、100cd/mに対応するPQ値であり、Nは調整制御パラメータ、且つ、0より大きい有理数、例えば、1又は2である。
【0215】
B:b=MinDisplay又はb=0に設定する。
【0216】
スケーリング係数aの計算式について、実施形態1を参照する。詳細は本明細書では再び説明しない。
【0217】
5:第2マッピング曲線のパラメータセットにおける1又は複数の調整済のパラメータに基づいて、マッピング曲線を取得する。
【0218】
実施形態4における段階5の技術的原理は、実施形態1における段階5の技術的原理に類似し、詳細は本明細書では再び説明しない。
[実施形態5]
【0219】
本実施形態は、実施形態1から4のいずれか1つにおけるベーシックHDR曲線(パラメータ)を取得する処理の動作前の段階を説明するために用いられ、具体的には、以下の段階を含む。
【0220】
1:動的メタデータ(メタデータ)情報からベース曲線パラメータStone_mappingを取得する。
【0221】
m_p、m_a、m_m、m_n、m_b、K1、K2、及びK3が、メタデータ情報内のトーンマッピング識別子tone_mapping_mode及びベース曲線識別子base_flagに基づいて取得され、存在しないパラメータが割り当てられた値N_Aに設定される。
【0222】
2:メタデータ情報から、処理対象フレームの最大補正輝度value max_lum及び処理対象フレームの最小輝度min_lumを取得する。
【0223】
処理対象フレームの最大補正輝度value max_lumが更新される。
【0224】
3:Ptone_mappingを取得すべく、ベース曲線パラメータStone_mappingにおいて割り当てられていない値を有するパラメータを更新する。
【0225】
A:tone_mapping_modeが0であるとき、処理更新パラメータを取得すべく、以下のベース曲線パラメータが呼び出される。
【0226】
入力は、表示デバイスの表示輝度範囲における最大表示輝度MaxDisplay(PQドメインにおける値)、表示デバイスの表示輝度範囲における最小表示輝度MinDisplay(PQドメインにおける値)、及びメタデータ情報である。出力は、m_p、m_a、m_m、m_n、m_b、K1、K2、及びK3を含むベース曲線パラメータPtone_mappingである。
【0227】
(1)m_m、m_n、K1、K2、及びK3を、それぞれ、予め設定された値2.4、1、1、1、及び1に設定する。前述のパラメータが事前設定された後、以下の曲線を取得する。
【数55】
【0228】
(2)m_bをMinDisplayに設定する。
【0229】
(3)メタデータ情報内の平均_maxrgb(avgL)に基づいて、m_pを計算する。
【数56】
【0230】
【数57】
、PvalueH0、PvalueL0、TPH0、及びTPL0は予め設定された値であり、それぞれ、デフォルトで3.5、4.0、0.6、及び0.3であり、g0()はy=xであり、yはデフォルトでxに等しい。
【0231】
(4)最大補正輝度value max_lumに基づいて、m_pを更新する。
【数58】
【0232】
【数59】
、PdeltaH1、PdeltaL1、TPH1、及びTPL1は予め設定された値であり、それぞれ、デフォルトで0.6、0.0、0.9、及び0.75である。
【0233】
(5)m_p、m_m、m_n、m_b、K1、K2、及びK3に基づいて、H(L)
【数60】
を取得し、
【数61】
を取得する。
【0234】
MaxSourceは処理対象フレームの(PQドメインにおける)最大補正輝度value max_lumを表し、MinSourceは処理対象フレームの(PQドメインにおける)最小輝度min_lumを表す。
【0235】
B:tone_mapping_modeが1であるとき、最大ターゲットシステム表示輝度targeted_system_display_maximum_luminanceがMaxDisplayに等しい場合、m_p、m_a、m_m、m_n、m_b、K1、K2、及びK3をm_p_0、m_a_0、m_m_0、m_n_0、m_b_0、K1_0、K2_0、及びK3_0に設定し、そうでない場合、実施形態1から実施形態4までの解決手段のいずれか1つを用いることによって、ベース曲線パラメータを調整する。
【0236】
前述の枝Bに入るとき、すなわち、tone_mapping_modeが1である場合、「最大ターゲットシステム表示輝度targeted_system_display_maximum_luminanceがMaxDisplayに等しい場合、m_p、m_a、m_m、m_n、m_b、K1、K2、及びK3をm_p_0、m_a_0、m_m_0、m_n_0、m_b_0、K1_0、K2_0、及びK3_0に設定する」という決定処理は任意の段階であり、ベース曲線パラメータが実施形態1から実施形態4までの解決手段のいずれか1つを用いることによって、直接調整され得、出力結果が一致していることが、留意されるべきである。「最大ターゲットシステム表示輝度targeted_system_display_maximum_luminanceがMaxDisplayに等しい場合、m_p、m_a、m_m、m_n、m_b、K1、K2、及びK3をm_p_0、m_a_0、m_m_0、m_n_0、m_b_0、K1_0、K2_0、及びK3_0に設定する」という決定処理を実行することは、実際のハードウェア実装処理における複雑さ及び計算時間を低減し得る。
【0237】
例えば、実施形態1の実装は以下のとおりであり得る。
【0238】
入力は、表示デバイスの表示輝度範囲における最大表示輝度MaxDisplay(PQドメインにおける値)、表示デバイスの表示輝度範囲における最小表示輝度MinDisplay(PQドメインにおける値)、処理対象フレームのRGB色域画素バッファf[Nframe][3]、並びに、m_p_0、m_a_0、m_m_0、m_n_0、m_b_0、K1_0、K2_0、K3_0、targeted_system_display_maximum_luminance(MTPL)、及びbase_param_Deltaを含むメタデータ情報である。出力は、m_p、m_a、m_m、m_n、m_b、K1、K2、及びK3を含むベース曲線パラメータPtone_mappingである。
【0239】
(1)m_m、m_n、K1、K2、及びK3を、それぞれ、m_m_0、m_n_0、K1_0、K2_0、及びK3_0に設定する。
【0240】
(2)m_bをMinDisplayに設定する。
【0241】
(3)m_aを以下の式のように設定する。
【数62】
【0242】
(4)m_pを以下の式のように設定する。
【数63】
ここで、Nのデフォルト値が1であり、m_pがTm_pより大きい場合、m_pをTm_pに設定し、Tm_pのデフォルト値がTpa/m_aであり、Tpaのデフォルト値が3.2363である。
【0243】
(5)以下の式を取得する。
【数64】
【0244】
(6)L=MaxSourceを以下の式に代入し、m_aを取得する。
【数65】
【0245】
例えば、実施形態2の実装は以下のとおりであり得る。
【0246】
入力は、表示デバイスの表示輝度範囲における最大表示輝度MaxDisplay(PQドメインにおける値)、表示デバイスの表示輝度範囲における最小表示輝度MinDisplay(PQドメインにおける値)、メタデータにおける平均_maxrgb、処理対象フレームのRGB色域画素バッファf[Nframe][3]、並びに、m_p_0、m_m_0、m_n_0、m_a_0、m_b_0、K1_0、K2_0、K3_0、targeted_system_display_maximum_luminance(MTPL)、及びbase_param_Deltaを含むメタデータ情報である。出力は、m_p、m_m、m_n、m_a、m_b、K1、K2、及びK3を含むベース曲線パラメータPtone_mappingである。
【0247】
(1)m_p_1、m_m_1、m_n_1、m_a_1、m_b_1、K1_1、K2_1、及びK3_1を含むベース曲線パラメータP1tone_mappingを生成する。
【0248】
(2)wを以下の式に従って計算する。
【数66】
ここで、Nは0より大きい数であり、且つ、デフォルトで1であり、wは0より大きい若しくは0に等しく、又は1より小さい若しくは1に等しい。
【0249】
(3)m_p、m_m、m_n、K1、K2、及びK3を、m_p=(1-w)×m_p_0+w×m_p_1、m_m=(1-w)×m_m_0+w×m_m_1、m_n=(1-w)×m_n_0+w×m_n_1、K1=(1-w)×K1_0+w×K1_1、K2=(1-w)×K2_0+w×K2_1、及びK3=(1-w)×K3_0+w×K3_1に従って計算する。
【0250】
(4)m_bをMinDisplayに設定する。
【0251】
(5)以下の式を取得する。
【数67】
【0252】
(6)L=MaxSourceを以下の式に代入し、m_aを取得する。
【数68】
【0253】
前述の方法と同一の発明の着想に基づいて、本願の一実施形態は、ビデオ処理装置をさらに提供する。図11は、本願の一実施形態を実装するように構成されているビデオ処理装置1100の構造ブロック図である。図11に示されるように、ビデオ処理装置1100は、取得モジュール1101及び処理モジュール1102を含む。取得モジュール1101は、第1マッピング曲線のパラメータセット及び第1最大ターゲットシステム表示輝度を取得することであって、第1マッピング曲線のパラメータセットは第1最大ターゲットシステム表示輝度に対応し、第1マッピング曲線のパラメータセットはマッピング曲線に関連する1又は複数のパラメータを含む、取得することと、表示輝度パラメータセットを取得することであって、表示輝度パラメータセットは表示デバイスの最大表示輝度及び/又は最小表示輝度を含む、取得することと、調整係数セットを取得することであって、調整係数セットは1又は複数の調整係数を含み、1又は複数の調整係数は第1マッピング曲線のパラメータセットにおける1又は複数のパラメータに対応する、取得することとを行うように構成されている。処理モジュール1102は、第2マッピング曲線のパラメータセットを取得すべく、表示輝度パラメータセットと、第1最大ターゲットシステム表示輝度と、調整係数セットとに基づいて、第1マッピング曲線のパラメータセットにおける1又は複数のパラメータを調整することであって、第2マッピング曲線のパラメータセットは1又は複数の調整済のパラメータを含む、調整することを行うように構成されている。
【0254】
可能な実装において、処理モジュール1102は、具体的には、
=P+k×PΔ (1)
式(1)に従って調整済の第1パラメータを計算することであって、第1パラメータは第1マッピング曲線のパラメータセットにおける任意のパラメータである、計算することを行うように構成されており、Pは調整済の第1パラメータを表し、Pは第1パラメータを表し、PΔは第1パラメータに対応する調整係数を表し、
【数69】
、又は、
【数70】
であり、MaxDisplay>MTPLのときa=1であり、又は、MaxDisplay≦MTPLのときa=-1あり、MaxDisplayは最大表示輝度を表し、MTPLは第1最大ターゲットシステム表示輝度を表し、Nは調整制御パラメータを表し、Mは予め設定された輝度値を表す。
【0255】
可能な実装において、取得モジュール1101は、記憶可能な最大輝度、記憶可能な最小輝度、記憶可能な平均値、及び記憶可能な変動範囲のうちの1又は複数を取得することと、最大表示輝度、最小表示輝度、記憶可能な最大輝度、記憶可能な最小輝度、記憶可能な平均値、及び記憶可能な変動範囲のうちの1又は複数に基づいて、第1パラメータの中間値を取得することであって、第1パラメータは第1マッピング曲線のパラメータセットにおける任意のパラメータである、取得することとを行うようにさらに構成されている。処理モジュール1102は、具体的には、
=(1-w)×P+w×P (2)
式(2)に従って調整済の第1パラメータを計算することを行うように構成されており、Pは調整済の第1パラメータを表し、Pは第1パラメータを表し、
【数71】
、又は、
【数72】
であり、PΔは第1パラメータに対応する調整係数を表し、MaxDisplayは最大表示輝度を表し、MTPLは第1最大ターゲットシステム表示輝度を表し、Nは調整制御パラメータを表し、Mは予め設定された輝度値を表し、Pは第1パラメータの中間値を表す。
【0256】
可能な実装において、処理モジュール1102は、調整済の第1パラメータ及び第1パラメータ以外の第1マッピング曲線のパラメータセットにおけるパラメータに基づいて第1マッピング曲線を取得すること、並びに、第1マッピング曲線に基づいてトーンマッピングを実行することによって取得されるビデオの輝度がビデオの元の輝度より高い場合に、第1パラメータの調整を継続すること、又は、予め設定されたルールに従って調整済の第1パラメータを分析すること、及び、調整済の第1パラメータが予め設定されたルールに適合する場合に、第1パラメータの調整を継続することを行うようにさらに構成されている。
【0257】
可能な実装において、処理モジュール1102は、具体的には、第1マッピング曲線のパラメータセットがスケーリング係数を含むとき、
【数73】
式(3)に従って調整済のスケーリング係数を計算することを行うように構成されており、rは調整済のスケーリング係数を表し、P1,P2,...は第2マッピング曲線のパラメータセットにおけるパラメータを表し、MaxSourceはメモリ内のビデオの記憶可能な最大輝度を表し、f(MaxSource,P1,P2,...)はメモリ内のビデオの記憶可能な最大輝度及び第2マッピング曲線のパラメータセットにおける1又は複数の調整済のパラメータに関連する関数計算を表し、MaxDisplayは最大表示輝度を表す。
【0258】
可能な実装において、処理モジュール1102は、具体的には、第1マッピング曲線のパラメータセットがスケーリング係数を含むとき、
【数74】
式(4)に従って調整済のスケーリング係数を計算することを行うように構成されており、rは調整済のスケーリング係数を表し、P1,P2,...は第2マッピング曲線のパラメータセットにおけるパラメータを表し、MaxSourceはメモリ内のビデオの記憶可能な最大輝度を表し、MinSourceはメモリ内のビデオの記憶可能な最小輝度を表し、f(MaxSource,P1,P2,...)はメモリ内のビデオの記憶可能な最大輝度及び第2マッピング曲線のパラメータセットにおける1又は複数の調整済のパラメータに関連する関数計算を表し、f(MinSource,P1,P2,...)はメモリ内のビデオの記憶可能な最小輝度及び第2マッピング曲線のパラメータセットにおける1又は複数の調整済のパラメータに関連する関数計算を表し、MaxDisplayは最大表示輝度を表し、MinDisplayは最小表示輝度を表す。
【0259】
可能な実装において、処理モジュール1102は、具体的には、第1マッピング曲線のパラメータセットがスケーリング係数を含むとき、
【数75】
式(5)に従って調整済のスケーリング係数を計算することを行うように構成されており、rは調整済のスケーリング係数を表し、P1,P2,...は第2マッピング曲線のパラメータセットにおけるパラメータを表し、MaxSourceはメモリ内のビデオの記憶可能な最大輝度を表し、f(MaxSource,P1,P2,...)はメモリ内のビデオの記憶可能な最大輝度及び第2マッピング曲線のパラメータセットにおける1又は複数の調整済のパラメータに関連する関数計算を表し、MaxDisplayは最大表示輝度を表し、MinDisplayは最小表示輝度を表す。
【0260】
可能な実装において、処理モジュール1102は、具体的には、第1マッピング曲線のパラメータセットがスケーリング係数を含むとき、
【数76】
式(6)に従って調整済のスケーリング係数を計算することを行うように構成されており、rは調整済のスケーリング係数を表し、P1,P2,...は第2マッピング曲線のパラメータセットにおけるパラメータを表し、MaxSourceはメモリ内のビデオの記憶可能な最大輝度を表し、MinSourceはメモリ内のビデオの記憶可能な最小輝度を表し、f(MaxSource,P1,P2,...)はメモリ内のビデオの記憶可能な最大輝度及び第2マッピング曲線のパラメータセットにおける1又は複数の調整済のパラメータに関連する関数計算を表し、f(MinSource,P1,P2,...)はメモリ内のビデオの記憶可能な最小輝度及び第2マッピング曲線のパラメータセットにおける1又は複数の調整済のパラメータに関連する関数計算を表し、MaxDisplayは最大表示輝度を表す。
【0261】
可能な実装において、取得モジュール1101は、具体的には、ビデオの動的メタデータから第1マッピング曲線のパラメータセット及び第1最大ターゲットシステム表示輝度を取得すること、又は、動的メタデータから第1マッピング曲線のパラメータセットを取得すること、及び、特定の対応に基づいて、第1マッピング曲線のパラメータセットに対応する第1最大ターゲットシステム表示輝度を取得することを行うように構成されている。
【0262】
可能な実装において、取得モジュール1101は、具体的には、ビデオの動的メタデータから調整係数セットを取得すること、又は、予め設定された値に基づいて、調整係数セットを取得することを行うように構成されている。
【0263】
可能な実装において、取得モジュール1101は、具体的には、1又は複数の調整係数を直接読み取ること、又は、調整モードを取得すること、及び調整モードに対応する1又は複数の調整係数を取得することを行うように構成されている。
【0264】
可能な実装において、取得モジュール1101は、具体的には、デバイス情報に基づいて、表示輝度パラメータセットを取得すること、又は、予め設定された情報に基づいて、表示輝度パラメータセットを取得することを行うように構成されている。
【0265】
可能な実装において、取得モジュール1101は、第2マッピング曲線のパラメータセットにおける1又は複数の調整済のパラメータに基づいて、マッピング曲線を取得することを行うようにさらに構成されている。
【0266】
取得モジュール1101及び処理モジュール1102の特定の実装処理が図10の実施形態における詳細な説明を参照することが、さらに留意されるべきである。明細書の簡潔さのために、詳細は本明細書では再び説明しない。
【0267】
当業者であれば、本明細書において開示及び説明された様々な例示的な論理ブロック、モジュール、及びアルゴリズム段階に関連して説明された機能が、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はそれらの組み合わせによって実装されることを理解できるだろう。ソフトウェアによって実装される場合、例示的な論理ブロック、モジュール、及び段階に関連して説明される機能は、1又は複数の命令又はコードとしてコンピュータ可読媒体に記憶されるか、コンピュータ可読媒体を介して伝送されてよく、ハードウェアベースの処理ユニットにより実行されてよい。コンピュータ可読媒体は、データ記憶媒体等の有形媒体に対応するコンピュータ可読記憶媒体を含んでもよく、(例えば、通信プロトコルに従って)コンピュータプログラムをある場所から他の場所に伝送することを容易にする任意の通信媒体を含んでもよい。このように、コンピュータ可読媒体は、概して、(1)非一時的有形コンピュータ可読記憶媒体、又は(2)信号又はキャリア等の通信媒体に対応し得る。データ記憶媒体は、1又は複数のコンピュータ、又は1又は複数のプロセッサが、本願で説明された技術を実装するための命令、コード、及び/又はデータ構造体を取得するためにアクセスできる、任意の使用可能な媒体であり得る。コンピュータプログラム製品は、コンピュータ可読媒体を含み得る。
【0268】
限定ではなく例示として、そのようなコンピュータ可読記憶媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD-ROM若しくは他の光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置若しくは他の磁気記憶装置、フラッシュメモリ、又は、命令若しくはデータ構造体の形態で要求されるプログラムコードを記憶できる、若しくは、コンピュータによってアクセスされることができる任意の他の媒体を含み得る。加えて、任意の接続が、適宜、コンピュータ可読媒体と称される。例えば、命令が、ウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから、同軸ケーブル、光ファイバ、ツイストペア、デジタル加入者線(DSL)、又は、赤外線、電波、若しくはマイクロ波等の無線技術を介して伝送される場合、同軸ケーブル、光ファイバ、ツイストペア、DSL、又は、赤外線、電波、又は、マイクロ波等の無線技術は、媒体の定義に含まれる。しかしながら、コンピュータ可読記憶媒体及びデータ記憶媒体は、接続、キャリア、信号、又は他の一時的な媒体を含まず、実際には非一時的有形記憶媒体を意味することを理解されるべきである。本明細書で用いられるディスク(disk)及びディスク(disc)は、コンパクトディスク(CD)、レーザディスク、光ディスク、デジタル多用途ディスク(DVD)、及びブルーレイディスクを含む。ディスク(disk)は、通常、データを磁気的に複製し、一方で、ディスク(disc)は、レーザを用いることによってデータを光学的に複製する。上記の組み合わせも、コンピュータ可読媒体の範囲内に含まれる。
【0269】
命令は、1又は複数のデジタル信号プロセッサ(DSP)、汎用マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、又は、同等の集積回路若しくはディスクリート論理回路等の1又は複数のプロセッサによって実行され得る。したがって、本明細書で用いられる用語「プロセッサ」は、前述の構造、又は、本明細書で説明された技術の実装に適用可能な任意の他の構造を指し得る。加えて、幾つかの態様において、本明細書で説明された例示的な論理ブロック、モジュール、及び段階に関連して説明された機能は、エンコード及びデコードのために構成された専用ハードウェア及び/又はソフトウェアモジュール内に設けられてもよく、組み合わされたコーデックに組み込まれてもよい。加えて、当該技術は、1又は複数の回路、又はロジック要素内に完全に実装され得る。
【0270】
本願の技術は、無線ハンドセット、集積回路(IC)、又は、ICのセット(例えば、チップセット)を含む、様々な装置又はデバイスに実装され得る。様々なコンポーネント、モジュール、又はユニットは、開示された技術を実行するように構成されているデバイスの機能的態様を強調するように本願で説明されているが、必ずしも異なるハードウェアユニットによって実現される必要はない。実際に、前述のように、様々なユニットは、適切なソフトウェア及び/又はファームウェアを組み合わせてエンコーダ及びデコーダハードウェアユニットに組み合わされてもよく、(前述の1又は複数のプロセッサを含む)相互利用可能なハードウェアユニットによって提供されてもよい。
【0271】
前述の実施形態において、各実施形態の説明は、それぞれのフォーカスを有する。一実施形態で詳細に説明されていない部分については、他の実施形態における関連する説明を参照する。
【0272】
前述の説明は、単に、本願の例示的な特定の実装であり、本願の保護範囲を限定することを意図しない。本願において開示した技術的範囲内で当業者が容易に考え出す変形又は置換はいずれも、本願の保護範囲に含まれるものとする。したがって、本願の保護範囲は特許請求の範囲の保護範囲に従うものとする。
[他の可能な項目]
[項目1]
マッピング曲線のパラメータを取得する方法であって、
第1マッピング曲線のパラメータセット及び第1最大ターゲットシステム表示輝度を取得する段階であって、前記第1マッピング曲線のパラメータセットは前記第1最大ターゲットシステム表示輝度に対応し、前記第1マッピング曲線のパラメータセットはマッピング曲線に関連する1又は複数のパラメータを含む、段階と、
表示輝度パラメータセットを取得する段階であって、前記表示輝度パラメータセットは表示デバイスの最大表示輝度及び/又は最小表示輝度を含む、段階と、
調整係数セットを取得する段階であって、前記調整係数セットは1又は複数の調整係数を含み、前記1又は複数の調整係数は前記第1マッピング曲線のパラメータセットにおける前記1又は複数のパラメータに対応する、段階と、
第2マッピング曲線のパラメータセットを取得すべく、前記表示輝度パラメータセットと、前記第1最大ターゲットシステム表示輝度と、前記調整係数セットとに基づいて、前記第1マッピング曲線のパラメータセットにおける前記1又は複数のパラメータを調整する段階であって、前記第2マッピング曲線のパラメータセットは1又は複数の調整済のパラメータを含む、段階と
を備える、方法。
[項目2]
第2マッピング曲線のパラメータセットを取得すべく、前記表示輝度パラメータセットと、前記第1最大ターゲットシステム表示輝度と、前記調整係数セットとに基づいて、前記第1マッピング曲線のパラメータセットにおける前記1又は複数のパラメータを前記調整する段階は、
=P+k×PΔ (1)
式(1)に従って調整済の第1パラメータを計算する段階であって、前記第1パラメータは前記第1マッピング曲線のパラメータセットにおける任意のパラメータであり、前記調整済の第1パラメータは前記第2マッピング曲線のパラメータセットに属する、段階
を有し、
は前記調整済の第1パラメータを表し、Pは前記第1パラメータを表し、PΔは前記第1パラメータに対応する調整係数を表し、
【数77】
、又は、
【数78】
であり、MaxDisplay>MTPLのときa=1であり、又は、MaxDisplay≦MTPLのときa=-1あり、MaxDisplayは前記最大表示輝度を表し、MTPLは前記第1最大ターゲットシステム表示輝度を表し、Nは調整制御パラメータを表し、Mは予め設定された輝度値を表す、
項目1に記載の方法。
[項目3]
第2マッピング曲線のパラメータセットを取得すべく、前記表示輝度パラメータセットと、前記第1最大ターゲットシステム表示輝度と、前記調整係数セットとに基づいて、前記第1マッピング曲線のパラメータセットにおける前記1又は複数のパラメータを前記調整する段階の前に、前記方法は、
表示対象コンテンツの最大輝度、最小輝度、平均値、及び、変動範囲のうちの1又は複数を取得する段階、並びに、前記最大表示輝度、前記最小表示輝度、前記最大輝度、前記最小輝度、前記平均値、及び、前記変動範囲のうちの1又は複数に基づいて、第1パラメータの中間値を取得する段階であって、前記第1パラメータは前記第1マッピング曲線のパラメータセットにおける任意のパラメータである、段階
をさらに備え、
第2マッピング曲線のパラメータセットを取得すべく、前記表示輝度パラメータセットと、前記第1最大ターゲットシステム表示輝度と、前記調整係数セットとに基づいて、前記第1マッピング曲線のパラメータセットにおける前記1又は複数のパラメータを前記調整する段階は、
=(1-w)×P+w×P (2)
式(2)に従って調整済の第1パラメータを計算する段階であって、前記調整済の第1パラメータは前記第2マッピング曲線のパラメータセットに属する、段階
を有し、
は前記調整済の第1パラメータを表し、Pは前記第1パラメータを表し、
【数79】
、又は、
【数80】
であり、PΔは前記第1パラメータに対応する調整係数を表し、MaxDisplayは前記最大表示輝度を表し、MTPLは前記第1最大ターゲットシステム表示輝度を表し、Nは調整制御パラメータを表し、Mは予め設定された輝度値を表し、Pは前記第1パラメータの前記中間値を表す、
項目1に記載の方法。
[項目4]
式に従って調整済の第1パラメータを前記計算する段階の後、前記方法は、
前記調整済の第1パラメータ及び前記第1パラメータ以外の前記第1マッピング曲線のパラメータセットにおけるパラメータに基づいて第1マッピング曲線を取得する段階、並びに、前記第1マッピング曲線に基づいてトーンマッピングを実行することによって取得される前記表示対象コンテンツの輝度が、前記表示対象コンテンツの元の輝度より高い場合に、前記第1パラメータの調整を継続する段階、又は、
予め設定されたルールに従って前記調整済の第1パラメータを分析する段階、及び、前記調整済の第1パラメータが前記予め設定されたルールに適合する場合に、前記第1パラメータの調整を継続する段階
をさらに備える、項目2又は3に記載の方法。
[項目5]
第2マッピング曲線のパラメータセットを取得すべく、前記表示輝度パラメータセットと、前記第1最大ターゲットシステム表示輝度と、前記調整係数セットとに基づいて、前記第1マッピング曲線のパラメータセットにおける前記1又は複数のパラメータを前記調整する段階は、
前記第1マッピング曲線のパラメータセットがスケーリング係数を含むとき、
【数81】
式(3)に従って調整済のスケーリング係数を計算する段階
を有し、
は前記調整済のスケーリング係数を表し、P1,P2,...は前記第2マッピング曲線のパラメータセットにおけるパラメータを表し、MaxSourceはメモリ内の前記表示対象コンテンツの最大輝度を表し、f(MaxSource,P1,P2,...)は前記メモリ内の前記表示対象コンテンツの前記最大輝度及び前記第2マッピング曲線のパラメータセットにおける1又は複数の調整済のパラメータに関連する関数計算を表し、MaxDisplayは前記最大表示輝度を表す、
項目2から4のいずれか一項に記載の方法。
[項目6]
第2マッピング曲線のパラメータセットを取得すべく、前記表示輝度パラメータセットと、前記第1最大ターゲットシステム表示輝度と、前記調整係数セットとに基づいて、前記第1マッピング曲線のパラメータセットにおける前記1又は複数のパラメータを前記調整する段階は、
前記第1マッピング曲線のパラメータセットがスケーリング係数を含むとき、
【数82】
式(4)に従って調整済のスケーリング係数を計算する段階
を有し、
は前記調整済のスケーリング係数を表し、P1,P2,...は前記第2マッピング曲線のパラメータセットにおけるパラメータを表し、MaxSourceはメモリ内の前記表示対象コンテンツの最大輝度を表し、MinSourceは前記メモリ内の前記表示対象コンテンツの最小輝度を表し、f(MaxSource,P1,P2,...)は前記メモリ内の前記表示対象コンテンツの前記最大輝度及び前記第2マッピング曲線のパラメータセットにおける1又は複数の調整済のパラメータに関連する関数計算を表し、f(MinSource,P1,P2,...)は前記メモリ内の前記表示対象コンテンツの前記最小輝度及び前記第2マッピング曲線のパラメータセットにおける1又は複数の調整済のパラメータに関連する関数計算を表し、MaxDisplayは前記最大表示輝度を表し、MinDisplayは前記最小表示輝度を表す、
項目2から4のいずれか一項に記載の方法。
[項目7]
第2マッピング曲線のパラメータセットを取得すべく、前記表示輝度パラメータセットと、前記第1最大ターゲットシステム表示輝度と、前記調整係数セットとに基づいて、前記第1マッピング曲線のパラメータセットにおける前記1又は複数のパラメータを前記調整する段階は、
前記第1マッピング曲線のパラメータセットがスケーリング係数を含むとき、
【数83】
式(5)に従って調整済のスケーリング係数を計算する段階
を有し、
は前記調整済のスケーリング係数を表し、P1,P2,...は前記第2マッピング曲線のパラメータセットにおけるパラメータを表し、MaxSourceはメモリ内の前記表示対象コンテンツの最大輝度を表し、f(MaxSource,P1,P2,...)は前記メモリ内の前記表示対象コンテンツの前記最大輝度及び前記第2マッピング曲線のパラメータセットにおける1又は複数の調整済のパラメータに関連する関数計算を表し、MaxDisplayは前記最大表示輝度を表し、MinDisplayは前記最小表示輝度を表す、
項目2から4のいずれか一項に記載の方法。
[項目8]
第2マッピング曲線のパラメータセットを取得すべく、前記表示輝度パラメータセットと、前記第1最大ターゲットシステム表示輝度と、前記調整係数セットとに基づいて、前記第1マッピング曲線のパラメータセットにおける前記1又は複数のパラメータを前記調整する段階は、
前記第1マッピング曲線のパラメータセットがスケーリング係数を含むとき、
【数84】
式(6)に従って調整済のスケーリング係数を計算する段階
を有し、
は前記調整済のスケーリング係数を表し、P1,P2,...は前記第2マッピング曲線のパラメータセットにおけるパラメータを表し、MaxSourceはメモリ内の前記表示対象コンテンツの最大輝度を表し、MinSourceは前記メモリ内の前記表示対象コンテンツの最小輝度を表し、f(MaxSource,P1,P2,...)は前記メモリ内の前記表示対象コンテンツの前記最大輝度及び前記第2マッピング曲線のパラメータセットにおける1又は複数の調整済のパラメータに関連する関数計算を表し、f(MinSource,P1,P2,...)は前記メモリ内の前記表示対象コンテンツの前記最小輝度及び前記第2マッピング曲線のパラメータセットにおける1又は複数の調整済のパラメータに関連する関数計算を表し、MaxDisplayは前記最大表示輝度を表す、
項目2から4のいずれか一項に記載の方法。
[項目9]
第1マッピング曲線のパラメータセット及び第1最大ターゲットシステム表示輝度を前記取得する段階は、
前記表示対象コンテンツの動的メタデータから前記第1マッピング曲線のパラメータセット及び前記第1最大ターゲットシステム表示輝度を取得する段階、又は、
動的メタデータから前記第1マッピング曲線のパラメータセットを取得する段階、及び、特定の対応に基づいて、前記第1マッピング曲線のパラメータセットに対応する前記第1最大ターゲットシステム表示輝度を取得する段階
を有する、項目1から8のいずれか一項に記載の方法。
[項目10]
調整係数セットを前記取得する段階は、
前記表示対象コンテンツの前記動的メタデータから前記調整係数セットを取得する段階、又は、
予め設定された値に基づいて、前記調整係数セットを取得する段階
を有する、項目1から9のいずれか一項に記載の方法。
[項目11]
調整係数セットを前記取得する段階は、
1又は複数の調整係数を直接読み取る段階、又は、
調整モードを取得する段階、及び、前記調整モードに対応する1又は複数の調整係数を取得する段階
を有する、項目10に記載の方法。
[項目12]
表示輝度パラメータセットを前記取得する段階は、
デバイス情報に基づいて、前記表示輝度パラメータセットを取得する段階、又は、
予め設定された情報に基づいて、前記表示輝度パラメータセットを取得する段階
を有する、項目1から11のいずれか一項に記載の方法。
[項目13]
第2マッピング曲線のパラメータセットを取得すべく、前記表示輝度パラメータセットと、前記第1最大ターゲットシステム表示輝度と、前記調整係数セットとに基づいて、前記第1マッピング曲線のパラメータセットにおける前記1又は複数のパラメータを前記調整する段階の後に、前記方法は、
前記第2マッピング曲線のパラメータセットにおける前記1又は複数の調整済のパラメータに基づいて、前記マッピング曲線を取得する段階
をさらに備える、項目1から12のいずれか一項に記載の方法。
[項目14]
第1マッピング曲線のパラメータセット及び第1最大ターゲットシステム表示輝度を取得することであって、前記第1マッピング曲線のパラメータセットは前記第1最大ターゲットシステム表示輝度に対応し、前記第1マッピング曲線のパラメータセットはマッピング曲線に関連する1又は複数のパラメータを含む、取得することと、表示輝度パラメータセットを取得することであって、前記表示輝度パラメータセットは表示デバイスの最大表示輝度及び/又は最小表示輝度を含む、取得することと、調整係数セットを取得することであって、前記調整係数セットは1又は複数の調整係数を含み、前記1又は複数の調整係数は前記第1マッピング曲線のパラメータセットにおける前記1又は複数のパラメータに対応する、取得することとを行うように構成されている取得モジュールと、
第2マッピング曲線のパラメータセットを取得すべく、前記表示輝度パラメータセットと、前記第1最大ターゲットシステム表示輝度と、前記調整係数セットとに基づいて、前記第1マッピング曲線のパラメータセットにおける前記1又は複数のパラメータを調整することであって、前記第2マッピング曲線のパラメータセットは1又は複数の調整済のパラメータを含む、調整することを行うように構成されている処理モジュールと
を備える、ビデオ処理装置。
[項目15]
前記処理モジュールは、具体的には、
=P+k×PΔ (1)
式(1)に従って調整済の第1パラメータを計算することであって、前記第1パラメータは前記第1マッピング曲線のパラメータセットにおける任意のパラメータであり、前記調整済の第1パラメータは前記第2マッピング曲線のパラメータセットに属する、計算することを行うように構成されており、
は前記調整済の第1パラメータを表し、Pは前記第1パラメータを表し、PΔは前記第1パラメータに対応する調整係数を表し、
【数85】
、又は、
【数86】
であり、MaxDisplay>MTPLのときa=1であり、又は、MaxDisplay≦MTPLのときa=-1あり、MaxDisplayは前記最大表示輝度を表し、MTPLは前記第1最大ターゲットシステム表示輝度を表し、Nは調整制御パラメータを表し、Mは予め設定された輝度値を表す、
項目14に記載の装置。
[項目16]
前記取得モジュールは、表示対象コンテンツの最大輝度、最小輝度、平均値、及び、変動範囲のうちの1又は複数を取得することと、前記最大表示輝度、前記最小表示輝度、前記最大輝度、前記最小輝度、前記平均値、及び、前記変動範囲のうちの1又は複数に基づいて、第1パラメータの中間値を取得することであって、前記第1パラメータは前記第1マッピング曲線のパラメータセットにおける任意のパラメータである、取得することとを行うようにさらに構成されており、
前記処理モジュールは、具体的には、
=(1-w)×P+w×P (2)
式(2)に従って調整済の第1パラメータを計算することであって、前記調整済の第1パラメータは前記第2マッピング曲線のパラメータセットに属する、計算することを行うように構成されており、
は前記調整済の第1パラメータを表し、Pは前記第1パラメータを表し、
【数87】
、又は、
【数88】
であり、PΔは前記第1パラメータに対応する調整係数を表し、MaxDisplayは前記最大表示輝度を表し、MTPLは前記第1最大ターゲットシステム表示輝度を表し、Nは調整制御パラメータを表し、Mは予め設定された輝度値を表し、Pは前記第1パラメータの前記中間値を表す、
項目14に記載の装置。
[項目17]
前記処理モジュールは、
前記調整済の第1パラメータ及び前記第1パラメータ以外の前記第1マッピング曲線のパラメータセットにおけるパラメータに基づいて第1マッピング曲線を取得すること、並びに、前記第1マッピング曲線に基づいてトーンマッピングを実行することによって取得される前記表示対象コンテンツの輝度が、前記表示対象コンテンツの元の輝度より高い場合に、前記第1パラメータの調整を継続すること、又は、
予め設定されたルールに従って前記調整済の第1パラメータを分析すること、及び、前記調整済の第1パラメータが前記予め設定されたルールに適合する場合に、前記第1パラメータの調整を継続すること
を行うようにさらに構成されている、項目15又は16に記載の装置。
[項目18]
前記処理モジュールは、具体的には、
前記第1マッピング曲線のパラメータセットがスケーリング係数を含むとき、
【数89】
式(3)に従って調整済のスケーリング係数を計算することを行うように構成されており、
は前記調整済のスケーリング係数を表し、P1,P2,...は前記第2マッピング曲線のパラメータセットにおけるパラメータを表し、MaxSourceはメモリ内の前記表示対象コンテンツの最大輝度を表し、f(MaxSource,P1,P2,...)は前記メモリ内の前記表示対象コンテンツの前記最大輝度及び前記第2マッピング曲線のパラメータセットにおける1又は複数の調整済のパラメータに関連する関数計算を表し、MaxDisplayは前記最大表示輝度を表す、
項目15から17のいずれか一項に記載の装置。
[項目19]
前記処理モジュールは、具体的には、
前記第1マッピング曲線のパラメータセットがスケーリング係数を含むとき、
【数90】
式(4)に従って調整済のスケーリング係数を計算することを行うように構成されており、
は前記調整済のスケーリング係数を表し、P1,P2,...は前記第2マッピング曲線のパラメータセットにおけるパラメータを表し、MaxSourceはメモリ内の前記表示対象コンテンツの最大輝度を表し、MinSourceは前記メモリ内の前記表示対象コンテンツの最小輝度を表し、f(MaxSource,P1,P2,...)は前記メモリ内の前記表示対象コンテンツの前記最大輝度及び前記第2マッピング曲線のパラメータセットにおける1又は複数の調整済のパラメータに関連する関数計算を表し、f(MinSource,P1,P2,...)は前記メモリ内の前記表示対象コンテンツの前記最小輝度及び前記第2マッピング曲線のパラメータセットにおける1又は複数の調整済のパラメータに関連する関数計算を表し、MaxDisplayは前記最大表示輝度を表し、MinDisplayは前記最小表示輝度を表す、
項目15から17のいずれか一項に記載の装置。
[項目20]
前記処理モジュールは、具体的には、
前記第1マッピング曲線のパラメータセットがスケーリング係数を含むとき、
【数91】
式(5)に従って調整済のスケーリング係数を計算することを行うように構成されており、
は前記調整済のスケーリング係数を表し、P1,P2,...は前記第2マッピング曲線のパラメータセットにおけるパラメータを表し、MaxSourceはメモリ内の前記表示対象コンテンツの最大輝度を表し、f(MaxSource,P1,P2,...)は前記メモリ内の前記表示対象コンテンツの前記最大輝度及び前記第2マッピング曲線のパラメータセットにおける1又は複数の調整済のパラメータに関連する関数計算を表し、MaxDisplayは前記最大表示輝度を表し、MinDisplayは前記最小表示輝度を表す、
項目15から17のいずれか一項に記載の装置。
[項目21]
前記処理モジュールは、具体的には、
前記第1マッピング曲線のパラメータセットがスケーリング係数を含むとき、
【数92】
式(6)に従って調整済のスケーリング係数を計算することを行うように構成されており、
は前記調整済のスケーリング係数を表し、P1,P2,...は前記第2マッピング曲線のパラメータセットにおけるパラメータを表し、MaxSourceはメモリ内の前記表示対象コンテンツの最大輝度を表し、MinSourceは前記メモリ内の前記表示対象コンテンツの最小輝度を表し、f(MaxSource,P1,P2,...)は前記メモリ内の前記表示対象コンテンツの前記最大輝度及び前記第2マッピング曲線のパラメータセットにおける1又は複数の調整済のパラメータに関連する関数計算を表し、f(MinSource,P1,P2,...)は前記メモリ内の前記表示対象コンテンツの前記最小輝度及び前記第2マッピング曲線のパラメータセットにおける1又は複数の調整済のパラメータに関連する関数計算を表し、MaxDisplayは前記最大表示輝度を表す、
項目15から17のいずれか一項に記載の装置。
[項目22]
前記取得モジュールは、具体的には、
前記表示対象コンテンツの動的メタデータから前記第1マッピング曲線のパラメータセット及び前記第1最大ターゲットシステム表示輝度を取得すること、又は、
動的メタデータから前記第1マッピング曲線のパラメータセットを取得すること、及び、特定の対応に基づいて、前記第1マッピング曲線のパラメータセットに対応する前記第1最大ターゲットシステム表示輝度を取得すること
を行うように構成されている、項目14から21のいずれか一項に記載の装置。
[項目23]
前記取得モジュールは、具体的には、
前記表示対象コンテンツの前記動的メタデータから前記調整係数セットを取得すること、又は、
予め設定された値に基づいて、前記調整係数セットを取得すること
を行うように構成されている、項目14から22のいずれか一項に記載の装置。
[項目24]
前記取得モジュールは、具体的には、
1又は複数の調整係数を直接読み取ること、又は、
調整モードを取得すること、及び、前記調整モードに対応する1又は複数の調整係数を取得すること
を行うように構成されている、項目23に記載の装置。
[項目25]
前記取得モジュールは、具体的には、
デバイス情報に基づいて、前記表示輝度パラメータセットを取得すること、又は、
予め設定された情報に基づいて、前記表示輝度パラメータセットを取得すること
を行うように構成されている、項目14から24のいずれか一項に記載の装置。
[項目26]
前記取得モジュールは、
前記第2マッピング曲線のパラメータセットにおける前記1又は複数の調整済のパラメータに基づいて、前記マッピング曲線を取得すること
を行うようにさらに構成されている、項目14から25のいずれか一項に記載の装置。
[項目27]
1又は複数のプロセッサと、
1又は複数のプログラムを記憶するように構成されているメモリと
を備え、
前記1又は複数のプログラムが前記1又は複数のプロセッサによって実行されるとき、前記1又は複数のプロセッサは、項目1から13のいずれか一項に記載の方法を実行することが可能になる、
端末デバイス。
[項目28]
コンピュータプログラムを備え、
前記コンピュータプログラムがコンピュータ上で実行されるとき、前記コンピュータは、項目1から13のいずれか一項に記載の方法を実行することが可能になる、
コンピュータ可読記憶媒体。
図1
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