(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-05
(45)【発行日】2024-08-14
(54)【発明の名称】スライドレール組立体
(51)【国際特許分類】
A47B 88/477 20170101AFI20240806BHJP
A47B 88/49 20170101ALI20240806BHJP
【FI】
A47B88/477
A47B88/49
(21)【出願番号】P 2023033288
(22)【出願日】2023-03-06
【審査請求日】2023-03-06
(32)【優先日】2022-08-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】504297766
【氏名又は名称】川湖科技股▲分▼有限公司
(73)【特許権者】
【識別番号】513240939
【氏名又は名称】川益科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】陳 庚金
(72)【発明者】
【氏名】楊 順和
(72)【発明者】
【氏名】游 凱文
(72)【発明者】
【氏名】王 俊強
【審査官】神尾 寧
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-284378(JP,A)
【文献】特開2014-104052(JP,A)
【文献】特表2011-528588(JP,A)
【文献】CHEN YONG-LIANG,TWM333835U,TW,Taiwan Intellectual Property Office,2008年06月11日,44
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 88/00-88/994
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1レールと、
前記第1レールに対して長手方向に移動可能である第2レールと、
前記第1レールに配置されている第1作動部材及び第2作動部材であり、スライドレール組立体の高さ方向に沿って、異なる垂直位置に配置されている第1作動部材及び第2作動部材と、
前記第2レールに配置されている減衰モジュールとを備え、
前記第2レールが、前記第1レールに対して第1所定位置から第1方向に沿って移動された場合に、前記第1作動部材が、減衰効果を与えるために前記減衰モジュールと相互作用するように構成され、
前記第2レールが、前記第1レールに対して前記第1方向に沿ってさらに移動された場合に、前記第2作動部材が、減衰効果を与えるために前記減衰モジュールと相互作用するように構成されている、スライドレール組立体。
【請求項2】
前記減衰モジュールは、前記第1作動部材と相互作用するように構成されている第1減衰装置と、前記第2作動部材と相互作用するように構成されている第2減衰装置とを含み、前記第1作動部材と前記第2作動部材とは、スライドレール組立体の前記長手方向に沿って所定距離で互いに間隔がおかれ、
スライドレール組立体はさらに、第1駆動部材と、第1弾性部材とを備え、前記第2レールは、第1ガイド特徴部を含み、
前記第2レールは、前記第1レールに対して前記第1所定位置から前記第1方向に沿って移動した場合に、前記第1作動部材は、前記第1駆動部材を前記第2レールに対して第1初期位置から移動させるように駆動することによって、前記第1減衰装置と相互作用するように構成され、前記第1減衰装置は、減衰効果を与えるために第1状態から第2状態に切り替えられ、前記第1ガイド特徴部は、前記第1作動部材と前記第1減衰装置との間の相互作用を不能にするように前記第1駆動部材を第1係合解除位置にガイドするように構成され、
前記第1駆動部材が、前記第1弾性部材の弾性力に応答して前記第1係合解除位置から前記第1初期位置へ復帰するように構成され、前記第1減衰装置が前記第2状態から前記第1状態に復帰することを可能にする、請求項1記載のスライドレール組立体。
【請求項3】
さらに、第2駆動部材と、第2弾性部材とを備え、前記第2レールはさらに、第2ガイド特徴部を含み、
前記第2レールは、前記第1レールに対して前記第1方向に沿ってさらに移動した場合に、前記第2作動部材は、前記第2駆動部材を前記第2レールに対して第2初期位置から移動させるように駆動することによって、前記第2減衰装置と相互作用するように構成され、前記第2減衰装置は、減衰効果を与えるために第1状態から第2状態に切り替えられ、前記第2ガイド特徴部は、前記第2作動部材と前記第2減衰装置との間の相互作用を不能にするように前記第2駆動部材を第2係合解除位置にガイドするように構成され、
前記第2駆動部材が、前記第2弾性部材の弾性力に応答して前記第2係合解除位置から前記第2初期位置へ復帰するように構成され、前記第2減衰装置が前記第2状態から前記第1状態に復帰することを可能にする、請求項2記載のスライドレール組立体。
【請求項4】
さらに、第1支持ラックと、第1スライダとを備え、前記第1支持ラックは、前記第2レールに配置され、前記第1減衰装置は、前記第1支持ラックに取り付けられ、前記第1支持ラックは、第1経路を伴って形成され、前記第1スライダは、前記第1経路に沿ってスライド可能に移動可能であり、
前記第1駆動部材は、前記第1スライダに移動可能に取り付けられ、前記第1ガイド特徴部は、前記第1支持ラックに配置され、前記第1支持ラックはさらに、第1空間を伴って形成され、前記第1減衰装置は、互いに退避可能な第1シリンダ本体と第1ロッド本体とを含み、
前記第1シリンダ本体は、前記第1空間の中に取り付けられ、前記第1ロッド本体の一部は、前記第1経路に配置され、前記第1経路は、スライドレール組立体の前記長手方向に沿って配置されている、請求項2記載のスライドレール組立体。
【請求項5】
さらに、第2支持ラックと、第2スライダとを備え、前記第2支持ラックは、前記第2レールに配置され、前記第2減衰装置は、前記第2支持ラックに取り付けられ、前記第2支持ラックは、第2経路を伴って形成され、前記第2スライダは、前記第2経路に沿ってスライド可能に移動可能であり、
前記第2駆動部材は、前記第2スライダに移動可能に取り付けられ、前記第2ガイド特徴部は、前記第2支持ラックに配置され、前記第2支持ラックはさらに、第2空間を伴って形成され、前記第2減衰装置は、互いに退避可能な第2シリンダ本体と第2ロッド本体とを含み、
前記第2シリンダ本体は、前記第2空間の中に取り付けられ、前記第2ロッド本体の一部は、前記第2経路に配置され、前記第2経路は、スライドレール組立体の前記長手方向に沿って配置されている、請求項3記載のスライドレール組立体。
【請求項6】
第1レールと、
前記第1レールに対して長手方向に移動可能である第2レールと、
前記第1レールに配置されている複数の作動部材と、
前記第2レールに配置されている減衰モジュールとを備え、
前記第2レールが、前記第1レールに対して第1所定位置から第1方向に沿って移動された場合に、複数の前記作動部材のうちの第1作動部材が、減衰効果を与えるために前記減衰モジュールと相互作用するように構成され、
前記第2レールが、前記第1レールに対して前記第1方向に沿ってさらに移動された場合に、複数の前記作動部材のうちの第2作動部材が、減衰効果を与えるために前記減衰モジュールと相互作用するように構成されている、スライドレール組立体。
【請求項7】
複数の前記作動部材は、スライドレール組立体の前記長手方向に沿って、所定距離で互いに間隔がおかれ、
複数の前記作動部材は、第3作動部材を含み、前記第2作動部材は、前記第1作動部材と前記第3作動部材との間に位置し、
前記第1作動部材と前記第3作動部材とは、スライドレール組立体の高さ方向に沿って
同じ垂直位置に配置されている、請求項6記載のスライドレール組立体。
【請求項8】
さらに、駆動部材と、弾性部材とを備え、前記第2レールは、ガイド特徴部を含み、前記減衰モジュールは、減衰装置を含み、
前記第2レールが、前記第1レールに対して前記第1所定位置から前記第1方向に沿って移動した場合に、複数の前記作動部材のうちの前記第1作動部材は、前記駆動部材を前記第2レールに対して初期位置から移動させるように駆動することによって、前記減衰装置と相互作用するように構成され、前記減衰装置は、減衰効果を与えるために第1状態から第2状態に切り替えられ、
前記ガイド特徴部は、複数の前記作動部材のうちの前記第1作動部材と前記減衰装置との間の相互作用を不能にするために、前記駆動部材を係合解除位置にガイドするように構成され、
前記駆動部材が、前記弾性部材の弾性力に応答して前記係合解除位置から前記初期位置へ復帰するように構成され、前記減衰装置が前記第2状態から前記第1状態に復帰することを可能にする、請求項6記載のスライドレール組立体。
【請求項9】
前記第2レールは、前記第1レールに対して前記第1方向に沿ってさらに移動した場合に、複数の前記作動部材のうちの前記第2作動部材は、前記駆動部材を前記第2レールに対して前記初期位置から移動させるように駆動することによって、前記減衰装置と相互作用するように構成され、前記減衰装置は、減衰効果を与えるために前記第1状態から前記第2状態に切り替えられ、前記ガイド特徴部は、複数の前記作動部材のうちの前記第2作動部材と前記減衰装置との間の相互作用を不能にするように前記駆動部材を前記係合解除位置にガイドするように構成され、
前記駆動部材が、前記弾性部材の前記弾性力に応答して前記係合解除位置から前記初期位置へ復帰するように構成され、前記減衰装置が前記第2状態から前記第1状態に復帰することを可能にする、請求項8記載のスライドレール組立体。
【請求項10】
さらに、支持ラックと、スライダとを備え、前記支持ラックは、前記第2レールに配置され、前記減衰装置は、前記支持ラックに取り付けられ、前記支持ラックは、経路を伴って形成され、前記スライダは、前記経路に沿ってスライド可能に移動可能であり、
前記駆動部材は、前記スライダに移動可能に取り付けられ、前記ガイド特徴部は、前記支持ラックに配置され、前記支持ラックはさらに、空間を伴って形成され、前記減衰装置は、互いに退避可能なシリンダ本体とロッド本体とを含み、
前記シリンダ本体は、前記空間の中に取り付けられ、前記ロッド本体の一部は、前記経路に配置され、前記経路は、スライドレール組立体の前記長手方向に沿って配置されている、請求項9記載のスライドレール組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スライドレール組立体に関し、さらに詳細には、減衰装置を備えているスライドレール組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
米国特許第8210623B2号は、スライド組立体(スライドレール組立体)に使用される減衰装置を開示している。スライド組立体は、第1レールと、第2レールと、第1支持フレームと、第2支持フレームと、ラックと、ダンパとを備えている。第2レールは、第1レールに対して移動可能である。第1支持フレームは第1レールに固定され、第2支持フレームは第2レールに固定されている。ラックは、第1支持フレームに取り付けられている。ダンパは、第2支持フレームに取り付けられている。ダンパは、ボックスと、ボックスに枢軸的に接続されているギヤとを含む。このボックスは、その中に受け入れられた減衰材料を含む。第2レールが第1レールに対して移動された場合に、ダンパのギヤは、ラックによって駆動されて回転し、ボックス内の減衰材料と相互作用し、その結果、一定の減衰力を提供する。
【発明の概要】
【0003】
しかしながら、異なる市場要求に対しては、2つのレールが互いに移動される場合に、減衰力を発生させるのに、このようなギヤ構成を使用することは、時には望ましくない。従って、市場の要求に応えるためには、様々な製品を開発することが重要である。
【0004】
本発明は、減衰装置を備えているスライドレール組立体を提供する。
【0005】
本発明の実施形態によれば、スライドレール組立体は、第1レールと;第1レールに対して長手方向に移動可能である第2レールと;第1レールに配置されている第1作動部材及び第2作動部材であり、スライドレール組立体の高さ方向に沿って、異なる垂直位置に配置されている第1作動部材及び第2作動部材と;第2レールに配置されている減衰モジュールとを備え;第2レールが、第1レールに対して第1所定位置から第1方向に沿って移動された場合に、第1作動部材が、減衰効果を与えるために減衰モジュールと相互作用するように構成され;第2レールが、第1レールに対して第1方向に沿ってさらに移動された場合に、第2作動部材が、減衰効果を与えるために減衰モジュールと相互作用するように構成されている。
【0006】
本発明の別の実施形態によれば、スライドレール組立体は、第1レールと;第1レールに対して長手方向に移動可能である第2レールと;第1レールに配置されている複数の作動部材と;第2レールに配置されている減衰モジュールとを備え;第2レールが、第1レールに対して第1所定位置から第1方向に沿って移動された場合に、複数の作動部材のうちの第1作動部材が、減衰効果を与えるために減衰モジュールと相互作用するように構成され;第2レールが、第1レールに対して第1方向に沿ってさらに移動された場合に、複数の作動部材のうちの第2作動部材が、減衰効果を与えるために減衰モジュールと相互作用するように構成されている。
【0007】
本発明のこれら及び他の目的は、種々の図及び図面に示されている好ましい実施形態の以下の詳細な説明を読んだ後に、疑いなく当業者に明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施形態に係り、第1レールと、第1レールに対して第1所定位置に配置された第2レールとを有するスライドレール組立体を示す図である。
【
図2】本発明の実施形態によるスライドレール組立体の分解図である。
【
図3】本発明の実施形態による第1レールの分解図である。
【
図4】本発明の実施形態による第1レールと複数の作動部材との分解図である。
【
図4A】本発明の実施形態による作動部材を示す図である。
【
図5】本発明の実施形態による第1視野角からの第2レールの分解図である。
【
図6】本発明の実施形態による第2視野角からの第2レールの分解図である。
【
図7】本発明の実施形態に係り、第1レールに対して第1所定位置に配置された第2レールを示す図である。
【
図8】本発明の実施形態に係り、第1レールに対して第1方向に沿って移動された第2レールを示す図である。
【
図9】本発明の実施形態に係り、第1レールに対して第1方向に沿ってさらに移動された第2レールを示す図である。
【
図10】本発明の実施形態に係り、第1レールに対して第1方向に沿ってさらに移動された第2レールを示す図である。
【
図11】本発明の実施形態に係り、第1レールに対して第1方向に沿ってさらに移動された第2レールを示す図である。
【
図12】本発明の実施形態に係り、第1レールに対して第1方向に沿ってさらに移動された第2レールを示す図である。
【
図13】本発明の実施形態に係り、第1レールに対して第1方向に沿ってさらに移動された第2レールを示す図である。
【
図14】本発明の実施形態に係り、第1レールに対して第1方向に沿ってさらに移動された第2レールを示す図である。
【
図15】本発明の実施形態に係り、第1レールに対して第1方向に沿ってさらに移動された第2レールを示す図である。
【
図16】本発明の実施形態に係り、第1レールに対して第1方向に沿ってさらに移動された第2レールを示す図である。
【
図17】本発明の実施形態に係り、第1レールに対して第1方向に沿ってさらに移動された第2レールを示す図である。
【
図18】本発明の実施形態に係り、第1レールに対して第2所定位置に配置された、スライドレール組立体の第2レールを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1及び
図2に示すように、本発明の実施形態に係り、スライドレール組立体20は、第1レール22と第2レール24とを備えている。第2レール24と第1レール22とは、相互に対して長手方向に移動可能であり、第2レール24は、第1レール22に対して第1所定位置P1(例えば、
図1に示す伸長位置)に配置されるように構成されている。本実施形態では、X軸は、スライドレール組立体20の長手方向(又は長さ方向)であり、Y軸は、スライドレール組立体20の横断方向(又は横方向)であり、Z軸は、スライドレール組立体20の垂直方向(又は高さ方向)である。
【0010】
スライドレール組立体20は、さらに、第1レール22と第2レール24とのうちの一方に配置された複数の作動部材と、第1レール22と第2レール24とのうちの他方に配置された少なくとも1つの減衰モジュールとを備えている。本実施形態では、スライドレール組立体20は、第1レール22で前方から後方へ順次配列された、例えば、第1作動部材26、第2作動部材28、第3作動部材30などの、2つ以上の作動部材を備えている(
図3及び
図4を参照するものとする)。減衰モジュールは、第2レール24に配置された第1減衰装置32と第2減衰装置34とのような1つ以上の減衰装置を含むが、本発明は、これに限定されない。
【0011】
好ましくは、第1レール22は、第1壁36aと、第2壁36bと、第1レール22の第1壁36a及び第2壁36bの間に接続されている長手方向壁38とを含む。通路40(
図2に示す)が、第1レール22の第1壁36aと、第2壁36bと、長手方向壁38とによって画定され、第2レール24を移動可能に取り付けるように構成されている。
【0012】
好ましくは、第2レール24は、第1壁42aと、第2壁42bと、第2レール24の第1壁42a及び第2壁42bの間に接続されている長手方向壁44とを含む。第2レール24の第1壁42aと、第2壁42bと、長手方向壁44とは、それぞれ第1レール22の第1壁36aと、第2壁36bと、長手方向壁38とに対応する。
【0013】
好ましくは、ベース46は、第2レール24に配置されている。ベース46は、第1支持部48aと、第2支持部48bと、第1支持部48a及び第2支持部48bの間に連結された長手方向部分50とを含む。ベース46は、第2レール24に固定的に取り付けられ、ベース46と第2レール24とは、1つのピースとして見られてよい。
【0014】
好ましくは、ベース46の第1支持部48aと第2支持部48bとは、支持のために第1レール22の第1壁36aと第2壁36bとに対応する。
【0015】
好ましくは、第1レール22は、前部分22aと後部分22bとを有する。第2レール24は、前部分24aと後部分24bとを有する。ベース46は、第2レール24の後部分24bに隣接して配置されている。第2レール24が第1レール22に対して第1所定位置P1に位置する場合に、ベース46は、第1レール22の前部分22aに隣接する第1レール22の少なくとも一部を支持するように構成されている。
【0016】
図3及び
図4に示すように、第1作動部材26と、第2作動部材28と、第3作動部材30とは、第1レール22の長さ方向に沿って配置され、1つの距離で互いに間隔がおかれている。第2作動部材28は、第1作動部材26と第3作動部材30との間に配置されている。
【0017】
好ましくは、第1作動部材26と第2作動部材28とは、Z軸に沿って異なる垂直位置に配置されている。さらに、第1作動部材26と第3作動部材30とは、Z軸に沿って実質的に同じ第1垂直位置H1に配置され、第2作動部材28は、Z軸に沿って第2垂直位置H2に配置されている。第2垂直位置H2は、第1垂直位置H1と異なる(
図3に示す)。
【0018】
好ましくは、第1作動部材26と第2作動部材28とは、X軸に沿って所定距離X1で互いに間隔がおかれ、第1作動部材26と第3作動部材30とは、所定距離X1よりも大きい所定距離X2で、X軸に沿って互いに間隔がおかれている(
図3に示す)。
【0019】
好ましくは、第1作動部材26と、第2作動部材28と、第3作動部材30とは、実質的に同一の構造的な構成を有する。本実施形態では、第1作動部材26と、第2作動部材28と、第3作動部材30とは、弾性片であるが、本発明はこれに限定されない。
【0020】
好ましくは、2つ以上の取り付けベースが、第1レール22に配置されている。例えば、第1取り付けベース52と、第2取り付けベース54と、第3取り付けベース56とが、第1レール22に取り付けられている(例えば、固定接続されている)。第1取り付けベース52と、第2取り付けベース54と、第3取り付けベース56とは、それぞれ第1作動部材26と、第2作動部材28と、第3作動部材30とを取り付けるように構成されている。第1取り付けベース52と、第2取り付けベース54と、第3取り付けベース56との各々は、第1側面L1と、第1側面L1と反対側の第2側面L2と、第1側面L1及び第2側面L2を連通する少なくとも1つの孔H(
図4に示す)とを有する。
【0021】
好ましくは、第1作動部材26は、第1接続部58と、第1接続部58から延びる第1弾性部60とを含む(
図4A参照)。第1作動部材26の第1接続部58は、第1取り付けベース52の第1側面L1に接続され(固定接続などされ)、第1作動部材26の第1弾性部60は、少なくとも1つの第1突出区間62を有する。少なくとも1つの第1突出区間62は、第1取り付けベース52の第1側面L1から少なくとも1つの孔Hを貫通し、第1取り付けベース52の第2側面L2から突出するように構成されている。第1ブロッキング特徴部64と第1ガイド構造66とは、第1突出区間62での2つの反対の位置(例えば、前位置及び後位置)にそれぞれ配置されている。例えば、第1ブロッキング特徴部64は、垂直壁であり、第1ガイド構造66は、傾斜面又は弧状面(
図4Aをさらに参照するものとする)を有するが、本発明はこれに限定されない。
【0022】
同様に、第2作動部材28は、第2接続部68と、第2接続部68から延びる第2弾性部70とを含む。第2作動部材28の第2接続部68は、第2作動部材54の第1側面L1に接続され(固定接続などされ)、第2作動部材28の第2弾性部70は、少なくとも1つの第2突出区間72を有する。少なくとも1つの第2突出区間72は、第2取り付けベース54の第1側面L1から少なくとも1つの孔Hを貫通し、第2取り付けベース54の第2側面L2から突出するように構成されている。第2ブロッキング特徴部74と第2ガイド構造76とは、それぞれ、第2突出区間72での2つの反対の位置(例えば、前位置及び後位置)に配置されている。例えば、第2ブロッキング特徴部74は、垂直壁であり、第2ガイド構造76は、傾斜面又は弧状面を有するが、本発明はこれに限定されない。
【0023】
同様に、第3作動部材30は、第3接続部78と、第3接続部78から延びる第3弾性部80とを含む。第3作動部材30の第3接続部78は、第3作動部材56の第1側面L1に接続され(固定接続などされ)、第3作動部材30の第3弾性部80は、少なくとも1つの第3突出区間82を有する。少なくとも1つの第3突出区間82は、第3取り付けベース56の第1側面L1から少なくとも1つの孔Hを貫通し、第3取り付けベース56の第2側面L2から突出するように構成されている。第3ブロッキング特徴部84と第3ガイド構造86とは、それぞれ、第3突出区間82での2つの反対の位置(例えば、前位置及び後位置)に配置されている。例えば、第3ブロッキング特徴部84は、垂直壁であり、第3ガイド構造86は、傾斜面又は弧状面を有するが、本発明はこれに限定されない。
【0024】
図5に示すように、第1減衰装置32と第2減衰装置34とのうちの一方は、第2レール24の第1壁42aに隣接し、第1減衰装置32と第2減衰装置34とのうちの他方は、第2レール24の第2壁42bに隣接する。本実施形態では、第1減衰装置32は、第2レール24の第1壁42aに隣接し、第2減衰装置34は、第2レール24の第2壁42bに隣接しているが、本発明はこれに限定されない。
【0025】
好ましくは、スライドレール組立体20は、第1支持ラック88と、第1スライダ90と、第1駆動部材92と、第1弾性部材94とをさらに備えている。
【0026】
第1支持ラック88は、第2レール24に配置されている。本実施形態では、第1支持ラック88は、第2レール24でのベース46に接続され(固定接続などされ)、第1支持ラック88と、ベース46と、第2レール24とは、1つのピースとして見られてよい。第1支持ラック88は、ベース46の第1支持部48aに隣接している。第1支持ラック88には、第1減衰装置32が取り付けられている。第1支持ラック88は、第1経路T1を伴って形成され、第1スライダ90は、第1経路T1に沿ってスライド可能に移動可能である。第1駆動部材92は、第2レール24に対して移動可能である。本実施形態では、第1駆動部材92は、第1スライダ90に移動可能に取り付けられ、第2レール24は、第1支持ラック88に配置された第1ガイド特徴部96を含む。第1ガイド特徴部96は、傾斜面(
図7にも示されている)又は弧状面を有するが、本発明はこれに限定されない。
【0027】
好ましくは、第1支持ラック88はさらに、第1空間K1を伴って形成され、第1減衰装置32は、相互に対して退避可能な(retractable)第1シリンダ本体98と第1ロッド本体100とを含む。第1シリンダ本体98は、第1空間K1の中に取り付けられている。第1ロッド本体100の一部は、第1経路T1に配置されている。第1経路T1は、長手方向に配置されている。換言すれば、第1経路T1は、第2レール24の長さ方向と同一の方向に配置されている。
【0028】
好ましくは、第1駆動部材92は、第1シャフト102を介して第1スライダ90に枢軸的に接続されている。
【0029】
好ましくは、第1弾性部材94は、ベース46の第1接続部104と、第1スライダ90の第1接続特徴部106とに接続されている。
【0030】
好ましくは、第1経路T1は、互いに反対の位置に配置された第1端部E1と第2端部E2とを有する。第1シリンダ本体98は、第1経路T1の第2端部E2に隣接し、第1ロッド本体100は、第1経路T1の第2端部E2から、第1経路T1の中へ延びている。
【0031】
好ましくは、ベース46は、第1ブロッキング部108を含む。第1ブロッキング部108は、第1スライダ90を制限するために、第1経路T1の第1端部E1では第1スライダ90をブロックするように構成されている。
【0032】
好ましくは、第1スライダ90は、一対の第1ウィング部107を含む(観察角度を理由として、
図5は第1ウィング部107のうちの1つのみを示す)。第1ウィング部107は、第1経路T1上の一対の第1マッチング特徴部109によって支持されるように構成され、第1スライダ90が、第2レール24の高さ方向(Z軸方向)に沿って第1経路T1から分離されるのを防止する。
【0033】
図6に示すように、
図6は、
図5の別の観察角度を示す(例えば、
図6の第2レール24の第1壁42aと第2壁42bとは、
図5と比較して上下が反対である)。好ましくは、スライドレール組立体20はさらに、第2支持ラック110と、第2スライダ112と、第2駆動部材114と、第2弾性部材116とを備えている。
【0034】
第2支持ラック110は、第2レール24に配置されている。本実施形態では、第2支持ラック110は、第2レール24でのベース46に接続され(例えば、固定接続され)、第2支持ラック110と、ベース46と、第2レール24とは、1つのピースとして見られてよい。第2支持ラック110は、ベース46の第2支持部48bに隣接している。第2支持ラック110には、第2減衰装置34が取り付けられている。第2支持ラック110は、第2経路T2を伴って形成され、第2スライダ112は、第2経路T2に沿ってスライド可能に移動可能である。第2駆動部材114は、第2レール24に対して移動可能である。本実施形態では、第2駆動部材114は、第2スライダ112に移動可能に取り付けられ、第2レール24は、第2支持ラック110に配置された第2ガイド特徴部118を含む。第2ガイド特徴部118は、傾斜面又は弧状面を有するが、本発明はこれに限定されない。
【0035】
好ましくは、第2支持ラック110はさらに、第2空間K2を伴って形成され、第2減衰装置34は、相互に対して退避可能な第2シリンダ本体120と第2ロッド本体122とを含む。第2シリンダ本体120は、第2空間K2の中に取り付けられている。第2ロッド本体122の一部は、第2経路T2に配置されている。第2経路T2は、長手方向に配置されている。換言すれば、第2経路T2は、第2レール24の長さ方向と同一の方向に配置されている。
【0036】
好ましくは、第2駆動部材114は、第2シャフト124を介して第2スライダ112に枢軸的に接続されている。
【0037】
好ましくは、第2弾性部材116は、ベース46の第2接続部126と、第2スライダ112の第2接続特徴部128とに接続されている。
【0038】
好ましくは、第2経路T2は、互いに反対の位置に配置された第1端部E1’と第2端部E2’とを有する。第2シリンダ本体120は、第2経路T2の第2端部E2’に隣接し、第2ロッド本体122は、第2経路T2の第2端部E2’から、第2経路T2の中へ延びている。
【0039】
好ましくは、ベース46は、第2ブロッキング部130を含む。第2ブロッキング部130は、第2スライダ112を制限するために、第2経路T2の第1端部E1’で第2スライダ112をブロックするように構成されている。
【0040】
好ましくは、第2スライダ112は、一対の第2ウィング部132を含む(観察角度を理由として、
図6は第2ウィング部132の一方のみを示している)。第2ウィング部132は、第2経路T2での一対の第2マッチング特徴部134によって支持されるように構成され、第2スライダ112が第2レール24の高さ方向(Z軸方向)に沿って第2経路T2から分離されるのを防止する。
【0041】
図7及び
図8に示すように、第1減衰装置32は、第1状態S1(伸長状態又は減衰準備状態など)にある。さらに、第1減衰装置32の第1シリンダ本体98は、減衰媒体及び/又は弾性部材(バネなど)とともに内部に配置されている。このような構成は、当業者に周知であり、簡略化のために、それ以上の例示は提供しない。
【0042】
図7、
図8及び
図9に示すように、第2レール24を第1レール22に対して第1所定位置P1(
図7に示す)から第1方向D1に沿って移動させた場合に、2つの作動部材のうちの一方(本実施形態では、第1作動部材26と第2作動部材28とのうちの一方、例えば、第1作動部材26)が、第1減衰装置32と相互作用して減衰効果を与える(
図9に示す)ように構成されている。第1方向D1は退避方向であるが、本発明はこれに限定されない。
【0043】
好ましくは、第2レール24が第1レール22に対して第1所定位置P1から第1所定位置D1に沿って移動された場合に、第1作動部材26(第1作動部材26の第1突出区間62の第1ブロッキング特徴部64)と第1駆動部材92とは、互いに当接し、互いに隣接する(
図8及び
図9に示す)。このように、第1作動部材26は、第1作動部材92(及び第1スライダ90)を、第2レール24に対して第1初期位置M1(
図8に示す)から第1支持ラック88の第1経路T1に沿って移動させるように駆動することによって、第1減衰装置32(
図9に示す)と相互作用するように構成されている。その結果、第1減衰装置32の第1ロッド本体100を第1シリンダ本体98に対して移動させて、第1減衰装置32を第1状態S1から第2状態S2(例えば、
図9に示すような退避状態)に切り替え、減衰効果を与える。この間に、第1弾性部材94は、弾性力Jを蓄積した状態にある。
【0044】
図10、
図11及び
図12に示すように、第2レール24が第1レール22に対して第1方向D1に沿ってさらに移動するプロセスの間に、第1ガイド特徴部96は、第1作動部材92を第1係合解除位置M2(
図10に示す)へ回転させるようにガイドするように構成され、その結果、第1作動部材26(第1作動部材26の第1突出区間62の第1ブロッキング特徴部64)と第1作動部材92とが相互に接触しなくなり、第1作動部材26と第1減衰装置32との間の相互作用を不能にし、減衰効果を与えることを停止する。他方、第1減衰装置32は、第1シリンダ本体98内の減衰媒体及び/又は弾性部材を介して第2状態S2から第1状態S1に復帰するように構成されている(
図12に示す)。このような構成は、当業者に周知であり、簡略化のために、それ以上の例示は提供しない。
【0045】
好ましくは、第1減衰装置32が第2状態S2から第1状態S1に復帰するプロセスの間に、第1減衰装置32は、第1駆動部材92を駆動して、第1スライダ90を介して第1係合解除位置M2(
図10に示す)から第1初期位置M1(
図12に示す)へ復帰するように構成されている。
【0046】
好ましくは、第1係合解除位置M2から第1初期位置M1へ復帰する第1駆動部材92を加速するのを助け、また、第1減衰装置32がさらに迅速に第2状態S2から第1状態S1に復帰するのを助けるために、第1弾性部材94の弾性力Jは解放される(
図10に示す)。
【0047】
図10及び
図11に示すように、第2減衰装置34と第1減衰装置32とは、実質的に同一の構造的な構成を有する。第2減衰装置34は、第1状態S1’(伸長状態又は減衰準備状態など)にある。
【0048】
図10、
図11及び
図12に示すように、第2レール24が第1レール22に対して第1方向D1に沿ってさらに移動した場合に、2つの作動部材のうちの他方(本実施形態では、第1作動部材26と第2作動部材28とのうちの他方、例えば、第2作動部材28)は、減衰効果を与えるために第2減衰装置34と相互作用するように構成されている(
図12に示す)。
【0049】
好ましくは、第2レール24が第1レール22に対して第1方向D1に沿ってさらに移動した場合に、第2作動部材28(第2作動部材28の第2突出区間72の第2ブロッキング特徴部74)と第2駆動部材114とは、互いに当接し、互いに隣接する(
図10及び
図11に示す)。このように、第2作動部材28は、第2駆動部材114(及び第2スライダ112)を、第2レール24に対して第2初期位置M1’(
図11に示す)から第2支持ラック110の第2経路T2に沿って移動させるように駆動することによって、第2減衰装置34(
図12に示す)と相互作用するように構成されている。その結果、第2減衰装置34の第2ロッド本体122が第2シリンダ本体120に対して移動し、第2減衰装置34を第1状態S1’から第2状態S2’(
図12に示す退避状態など)に切り替えて減衰効果を与えるように構成されている。この間に、第2弾性部材116は、弾性力J’を蓄積した状態にある。
【0050】
図13及び
図14に示すように、第2レール24が第1レール22に対して第1方向D1に沿ってさらに移動するプロセスの間に、第2ガイド特徴部118は、第2駆動部材114を第2係合解除位置M2’(
図13に示す)へ回転させるようにガイドするように構成され、その結果、第2作動部材28(第2作動部材28の第2突出区間72の第2ブロッキング特徴部74)と第2駆動部材114とが相互に接触しなくなり、第2作動部材28と第2減衰装置34との間の相互作用を不能にし、減衰効果を与えることを停止する。他方、第2減衰装置34は、第2シリンダ本体120内の減衰媒体及び/又は弾性部材を介して、第2状態S2’から第1状態S1’に復帰するように構成されている(
図14に示す)。このような構成は、当業者に周知であり、簡略化のために、それ以上の例示は提供しない。
【0051】
好ましくは、第2状態S2’から第1状態S1’に復帰する第2減衰装置34のプロセスの間に、第2減衰装置34は、第2駆動部材114を駆動して、第2スライダ112を介して第2係合解除位置M2’(
図13に示す)から第2初期位置M1’(
図14に示す)へ復帰するように構成されている。
【0052】
好ましくは、第2係合解除位置M2’から第2初期位置M1’へ復帰する第2駆動部材114を加速するのを助け、また、第2減衰装置34がさらに迅速に第2状態S2’から第1状態S1’に復帰するのを助けるために、第2弾性部材116の弾性力J’は解放される(
図13に示す)。
【0053】
前述の実施形態によれば、減衰モジュールは、第1減衰装置32と第2減衰装置34とを含む。第1作動部材26と第2作動部材28とは、第2レール24が第1レール22に対して第1所定位置P1から第1方向D1に沿って移動されるプロセスの間に減衰効果(少なくとも2段の減衰効果)を与えるために、第1減衰装置32と第2減衰装置34とに対してそれぞれ相互作用するように構成されている。
【0054】
他方、減衰モジュールは、第1減衰装置32のみを含んでよい。第1作動部材26と第3作動部材30とは、第2レール24が第1レール22に対して第1所定位置P1から第1方向D1に沿って移動されるプロセスの間に減衰効果(少なくとも2段の減衰効果)を与えるために、第1減衰装置32と相互作用するように構成されている。
【0055】
具体的には、第2レール24を第1レール22に対して第1所定位置P1から第1方向D1に沿って移動させた場合に、2つの作動部材のうちの一方(本実施形態では、第1作動部材26と第3作動部材30とのうちの一方、例えば、第1作動部材26)が、第1減衰装置32と相互作用して減衰効果を与えるように構成されている。このような構成は、
図7、
図8、
図9及び関連する前述の例示に開示され、それ以上の例示は提供しない。
【0056】
図13及び
図14に示すように、第1減衰装置32は、第1状態S1(伸長状態又は減衰準備状態など)である。第2レール24が第1レール22に対して第1方向D1に沿ってさらに移動した場合に、2つの作動部材のうちの他方(本実施形態では、第1作動部材26と第3作動部材30とのうちの他方、例えば、第3作動部材30)が、第1減衰装置32と相互作用して減衰効果を与えるように構成されている。
【0057】
好ましくは、
図13、
図14及び
図15に示すように、第2レール24が第1レール22に対して第1方向D1に沿ってさらに移動した場合に、第3作動部材30(第3作動部材30の第3突出区間82の第3ブロッキング特徴部84)と第1駆動部材92とは、互いに当接し、互いに隣接する(
図14及び
図15に示す)。このように、第3作動部材30は、第1作動部材92(及び第1スライダ90)を、第2レール24に対して第1初期位置M1(
図14に示す)から第1支持ラック88の第1経路T1に沿って移動させるように駆動することによって、第1減衰装置32(
図15に示す)と相互作用するように構成されている。その結果、第1減衰装置32の第1ロッド本体100は、第1シリンダ本体98に対して相対的に移動し、第1減衰装置32を第1状態S1から第2状態S2(例えば、
図15に示すように退避状態)に切り替え、減衰効果を与える。この間に、第1弾性部材94は、弾性力Jを蓄積した状態にある。
【0058】
図16及び
図17に示すように、第2レール24が第1レール22に対して第1方向D1に沿ってさらに移動するプロセスの間に、第1ガイド特徴部96は、第1駆動部材92を第1係合解除位置M2(
図16に示す)へ回転させるようにガイドするように構成され、その結果、第3作動部材30(第3作動部材30の第3突出区間82の第3ブロッキング特徴部84)と第1駆動部材92とが相互に接触しなくなり、第3作動部材30と第1減衰装置32との間の相互作用を不能にし、減衰効果を与えることを停止する(
図16に示す)。他方、第1減衰装置32は、第1シリンダ本体98の減衰媒体及び/又は弾性部材を介して、第2状態S2(
図16に示す)から第1状態S1(
図17に示す)に復帰するように構成されている。このような構成は、当業者に周知であり、簡略化のために、それ以上の例示は提供しない。
【0059】
好ましくは、第1減衰装置32が第2状態S2から第1状態S1に復帰するプロセスの間に、第1減衰装置32は、第1駆動部材92を駆動して、第1スライダ90を介して第1係合解除位置M2(
図16に示す)から第1初期位置M1(
図17に示す)へ復帰するように構成されている。
【0060】
好ましくは、第1係合解除位置M2から第1初期位置M1へ復帰する第1駆動部材92を加速するのを助け、また、第1減衰装置32がさらに迅速に第2状態S2から第1状態S1に復帰するのを助けるために、第1弾性部材94の弾性力Jは解放される(
図16に示す)。
【0061】
図18に示すように、第2レール24は、第1レール22に対して第2所定位置P2(例えば、退避位置)に配置されている。ベース46は、第1レール22の後部分22bに隣接する第1レール22の少なくとも一部を支持するように構成されている。
【0062】
第2レール24が、第1レール22に対して第2所定位置P2から第2方向D2に沿って第1所定位置P1へ移動された場合に、第1減衰装置32と第2減衰装置34とは、減衰効果を全く与えない。
【0063】
例えば、第2レール24が第1レール22に対して第2所定位置P2に位置する場合に、同じ垂直位置に配置された第1作動部材26(第1作動部材26の第1突出区間62の第1ガイド構造66)と第3作動部材30(第3作動部材30の第3突出区間82の第3ガイド構造86)とに、第1駆動部材92は対応する。第2駆動部材114は、第2作動部材28(第2作動部材28の第2突出区間72の第2ガイド構造76)に対応する。従って、第2レール24が、第1レール22に対して第2所定位置P2から第2方向D2に沿って第1所定位置P1へ移動した場合に、第1駆動部材92は、第3作動部材30と第1作動部材26とを横断するように構成される(即ち、第1駆動部材92は、少しも又はほとんど干渉を生じることなく、第3作動部材30の第3突出区間82の第3ガイド構造86と、第1作動部材26の第1突出区間62の第1ガイド構造66とを横断するように構成される)。第2駆動部材114は、第2作動部材28を横断するように構成される(即ち、第2駆動部材114は、少しも又はほとんど干渉を生じることなく、第2作動部材28の第2突出区間72の第2ガイド構造76を横断するように構成される)。その結果、第1減衰装置32と第2減衰装置34とは、減衰効果を与えない。第2方向D2は、第1方向D1と反対である。例えば、第2方向D2は開放方向である。
【0064】
従って、本発明の実施形態によるスライドレール組立体20は、以下の技術的特徴を有する。即ち、第1作動部材26と第2作動部材28とは、それぞれ、第1減衰装置32と第2減衰装置34とに対して相互作用するように構成され、及び/又は、第1作動部材26と第3作動部材30とは、第1減衰装置32と相互作用するように構成され、第2レール24が、第1レール22に対して所定位置からその方向に沿って別の所定位置へ移動されるプロセスの間に、所定位置に2段以上の減衰効果を与えるように構成されている。従って、第1レール22は、第2レール24での少なくとも1つの減衰装置と相互作用するように複数の作動部材を伴って配置され、第2レール24が、第1レール22に対して所定位置からその方向に沿って別の所定位置へ移動されるプロセス全体の中で、減衰効果を与える。
【0065】
当業者は、本発明の教示を保持しつつ、装置及び方法の多くの修正及び変更を行ってよいことを容易に理解することである。従って、上記の開示は、添付の請求項の範囲によってのみ限定されると解釈されるものとする。