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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-05
(45)【発行日】2024-08-14
(54)【発明の名称】走行ネゴシエーション方法および装置
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/09 20060101AFI20240806BHJP
   G08G 1/16 20060101ALI20240806BHJP
   H04W 4/46 20180101ALI20240806BHJP
【FI】
G08G1/09 H
G08G1/16 A
H04W4/46
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2021194736
(22)【出願日】2021-11-30
(65)【公開番号】P2023071130
(43)【公開日】2023-05-22
【審査請求日】2021-12-03
【審判番号】
【審判請求日】2023-07-13
(31)【優先権主張番号】10-2021-0153809
(32)【優先日】2021-11-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】505112037
【氏名又は名称】ペンタ・セキュリティ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】319016563
【氏名又は名称】アウトクリプト カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100121728
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 勝守
(74)【代理人】
【識別番号】100165803
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 修平
(72)【発明者】
【氏名】尹 健
(72)【発明者】
【氏名】鄭 明雨
(72)【発明者】
【氏名】沈 相奎
(72)【発明者】
【氏名】金 徳洙
(72)【発明者】
【氏名】李 錫雨
【合議体】
【審判長】山本 信平
【審判官】河端 賢
【審判官】青木 良憲
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-1432(JP,A)
【文献】特開2009-211397(JP,A)
【文献】特開2016-143092(JP,A)
【文献】特開2011-191814(JP,A)
【文献】特開2010-26708(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/09
G08G 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
路側基地局に結合されたり前記路側基地局の少なくとも一部の構成部として設置される走行ネゴシエーション装置であって、
V2X(vehicle to everything)通信を支援する無線通信モジュール;および
前記無線通信モジュールと連結される少なくとも一つのプロセッサを含み、
前記少なくとも一つのプロセッサは、
第1車両から協力要請メッセージ(CooperativeRequestMsg)を受信し、
前記協力要請メッセージ内にネゴシエーションに必要な付加情報の類型コードを含ませた協力中継メッセージを周辺の車両にブロードキャスティングし、
前記協力中継メッセージを周辺の車両にブロードキャスティングする前に、前記付加情報に関連して、前記協力要請メッセージのメッセージタイプにより前記メッセージタイプに関連した関連メッセージを生成し、前記関連メッセージの予め設定された類型コード(type code)を前記協力要請メッセージに含ませ、
前記周辺の車両のうち少なくとも一つの第2車両から前記協力中継メッセージに対応する協力応答メッセージ(CooperativeReponseMsg)を受信し、
前記協力応答メッセージに基づいてネゴシエーション可能またはネゴシエーション不可能に対するメッセージを前記第1車両に伝送し、
前記協力要請メッセージまたは前記協力応答メッセージは、タイムスタンプ(timestamp)、車両識別子(idまたはTemporaryID)、メッセージ識別子(UniqueMSG_ID、messangeidまたはMsgID)、以前のメッセージ識別子(previousmessageidまたはpreMsgID)およびメッセージ情報(infoMsg)に対するデータエレメントを含み、
前記協力要請メッセージのデータエレメントである前記メッセージ識別子は現在の走行ネゴシエーションセッション識別値であって、走行ネゴシエーション要請後から応答までの過程を一つのセッションとして定義するのに利用され、
前記協力要請メッセージはメッセージ情報データフレームを追加で具備し、
前記メッセージ情報データフレームはメッセージタイプのシーケンス(SequenceofMessageType)を含み、最初の走行ネゴシエーション時にナル(Null)状態で路側基地局または走行ネゴシエーション装置に伝送され
前記メッセージタイプはFCW(forward collision warning)、EEBL(emergency electronic brake light)、SPAT(signal phase and timing)、TIM(traveler information message)、RSA(roadside alert)、PVD(prove vehicle data)、およびETCS(electronic toll collection system)を含む、走行ネゴシエーション装置。
【請求項2】
前記協力要請メッセージまたは前記協力応答メッセージは、車両速度、車線変更および車線合流に対するデータフレーム(data frames、DFs)を含み、
前記車両速度に対する第1データフレームは速度調整計画に関するネゴシエーションメッセージ情報として追い越し、減速および停止に対する第1データエレメントを含み、
前記車線変更に対する第2データフレームは車線変更計画に対するネゴシエーションメッセージ情報として回避、事故、割り込みおよび歩行者に対する第2データエレメントを含み、
前記車線合流に対する第3データフレームは合流計画に対するネゴシエーションメッセージとして、合流路、交差点、回転交差点に対する第3データエレメントを含む、請求項1に記載の走行ネゴシエーション装置。
【請求項3】
前記少なくとも一つのプロセッサは、前記協力中継メッセージをブロードキャスティングする時、前記協力中継メッセージとともに前記関連メッセージをブロードキャスティングする、請求項1に記載の走行ネゴシエーション装置。
【請求項4】
前記協力応答メッセージは応答タイプに対するデータフィールドを含み、前記応答タイプは第2車両自身のネゴシエーションに対する応答値とネゴシエーションに必要な情報を含み前記データフィールドは前記第1車両のメッセージ識別子と以前のメッセージ識別子に対するデータエレメントを含む、請求項1に記載の走行ネゴシエーション装置。
【請求項5】
前記ネゴシエーションに対する応答値は同意(agree)または拒絶(refuse)に対するデータエレメントを含み、
前記無線通信モジュールは路側基地局または路側装置(road side unit、RSU)に設置される、請求項4に記載の走行ネゴシエーション装置。
【請求項6】
前記ネゴシエーション可能またはネゴシエーション不可能に対するメッセージはブロードキャストの形態で前記第1車両に伝送される、請求項1に記載の走行ネゴシエーション装置。
【請求項7】
前記少なくとも一つのプロセッサは、前記ネゴシエーション可能またはネゴシエーション不可能に対するメッセージを前記第1車両に伝送した後、前記第1車両から現在の走行ネゴシエーションセッションの識別値を以前の走行ネゴシエーションセッションの識別値にする再ネゴシエーションのためのメッセージまたはさらに他の協力要請メッセージをさらに受信する、請求項1に記載の走行ネゴシエーション装置。
【請求項8】
路側基地局に結合されたり前記路側基地局の少なくとも一部の構成部として設置される走行ネゴシエーション装置によって、実行される走行ネゴシエーション方法であって、
第1車両から協力要請メッセージ(CooperativeRequestMsg)を受信する段階;
前記協力要請メッセージ内にネゴシエーションに必要な付加情報の類型コードを含ませた協力中継メッセージを生成する段階;
前記付加情報に関連して、前記協力要請メッセージのメッセージタイプにより前記メッセージタイプに関連した関連メッセージを生成し、前記関連メッセージの予め設定された類型コード(type code)を前記協力要請メッセージに含ませる段階;
前記協力中継メッセージを周辺の車両にブロードキャスティングする段階;
前記周辺の車両のうち少なくとも一つの第2車両から前記協力中継メッセージに対応する協力応答メッセージ(CooperativeReponseMsg)を受信する段階;および
前記協力応答メッセージに基づいてネゴシエーション可能またはネゴシエーション不可能に対するメッセージを前記第1車両に伝送する段階;を含み、
前記協力要請メッセージまたは前記協力応答メッセージは、タイムスタンプ(timestamp)、車両識別子(idまたはTemporaryID)、メッセージ識別子(UniqueMSG_ID、messangeidまたはMsgID)、以前のメッセージ識別子(previousmessageidまたはpreMsgID)およびメッセージ情報(infoMsg)に対するデータエレメントを含み、
前記協力要請メッセージのデータエレメントである前記メッセージ識別子は現在の走行ネゴシエーションセッション識別値であって、走行ネゴシエーション要請後から応答までの過程を一つのセッションとして定義するのに利用され、
前記協力要請メッセージはメッセージ情報データフレームを追加で具備し、
前記メッセージ情報データフレームはメッセージタイプのシーケンス(SequenceofMessageType)を含み、最初の走行ネゴシエーション時にナル(Null)状態で路側基地局または走行ネゴシエーション装置に伝送され
前記メッセージタイプはFCW(forward collision warning)、EEBL(emergency electronic brake light)、SPAT(signal phase and timing)、TIM(traveler information message)、RSA(roadside alert)、PVD(prove vehicle data)、およびETCS(electronic toll collection system)を含む、走行ネゴシエーション方法。
【請求項9】
前記協力要請メッセージまたは前記協力応答メッセージは、車両速度、車線変更および車線合流に対するデータフレーム(data frames、DFs)を含み、
前記車両速度に対する第1データフレームは速度調整計画に関するネゴシエーションメッセージ情報として追い越し、減速および停止に対する第1データエレメントを含み、
前記車線変更に対する第2データフレームは車線変更計画に対するネゴシエーションメッセージ情報として回避、事故、割り込みおよび歩行者に対する第2データエレメントを含み、
前記車線合流に対する第3データフレームは合流計画に対するネゴシエーションメッセージとして、合流路、交差点、回転交差点に対する第3データエレメントを含む、請求項8に記載の走行ネゴシエーション方法。
【請求項10】
前記協力中継メッセージを周辺の車両にブロードキャスティングする時、前記協力中継メッセージとともに前記関連メッセージをブロードキャスティングする、請求項8に記載の走行ネゴシエーション方法。
【請求項11】
前記協力応答メッセージは応答タイプに対するデータフィールドを含み、前記応答タイプは第2車両自身のネゴシエーションに対する応答値とネゴシエーションに必要な情報を含み前記データフィールドは前記第1車両のメッセージ識別子と以前のメッセージ識別子に対するデータエレメントを含む、請求項8に記載の走行ネゴシエーション方法。
【請求項12】
前記ネゴシエーションに対する応答値は同意(agree)または拒絶(refuse)に対するデータエレメントを含む、請求項11に記載の走行ネゴシエーション方法。
【請求項13】
前記ネゴシエーション可能またはネゴシエーション不可能に対するメッセージはブロードキャストの形態で前記第1車両に伝送される、請求項8に記載の走行ネゴシエーション方法。
【請求項14】
前記ネゴシエーション可能またはネゴシエーション不可能に対するメッセージを前記第1車両に伝送した後、前記第1車両から現在の走行ネゴシエーションセッションの識別値を以前の走行ネゴシエーションセッションの識別値にする再ネゴシエーションのためのメッセージまたはさらに他の協力要請メッセージを受信する段階をさらに含む、請求項8に記載の走行ネゴシエーション方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両の走行における安定性のための走行ネゴシエーション方法に関し、より詳細には、死角地帯や突発的な状況などに対する安定性と多様な走行環境で自律走行車両の迅速な判断および対応を支援するための走行ネゴシエーション方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
次世代(next generation)ITSを示すC-ITS(cooperative intelligent transportation system)は、交通インフラで単方向に車両に情報を提供する交通管理中心構造である知能型交通体系(ITS)から外れて、車両と車両、車両とインフラ間の両方向に持続的にデータを共有して突発的な状況に事前対応および予防が可能な交通安全中心の次世代ITSを意味する。
【0003】
次世代ITSに関連し、コネクテッドカー(connected vehicle)を導入するための研究も活発に進行されている。コネクテッドカーは既存に単独(stand-alone)で走行する自動車にV2X(vehicle to everything)通信を基盤として連結性(connectivity)を提供した車両を意味する。このようなコネクテッドカーは、車両とインフラ(vehicle to infrastructure、V2I)、車両とネットワーク(vehicle to network、V2N)、車両と車両(vehicle to vehicle、V2V)、車両とモバイル機器(vehicle to nomadic devices、V2ND)、車両と歩行者(vehicle to pedestrian、V2P)、または車両とあらゆる事物(vehicle to everything、V2X)間の両方向通信を通じて、交通の流れ、事故状況などを把握し、安全走行、交通混雑の防止などの多様なサービスを提供したり利用することを目標にする。
【0004】
車両安全のための車両通信は、2000年代初からIEEE 802系列の技術を拡張した車両用近距離通信(dedicated short range communication、DSRC)、いわゆるWAVE(wireless access for vehicle environment)がIEEE 802.11pで標準化されて研究されてきたし、2015年初からは移動通信網であるLTE(long term evolution)技術を利用した車両通信に対する標準化の動きが本格的に始まった。国際移動通信標準化機構である3GPPではLTE技術で遅延時間を短縮し、車両間の直接通信を支援するなど、2017年3月LTE車両通信のための標準化を完了して車両通信拡散のための基盤を設け、以後性能改善および5G(NR:new radio)通信技術との融合のための議論が進行されている。
【0005】
現在の自律走行車両の自体的なセンサだけでは道路上の死角地帯や突発的な状況に対する安定性と対処には限界がある。特に、無信号交差点、円形交差点、合流道路などでの多様な走行状況が発生する時、自律走行車両の迅速な判断とそれによる安定性には未だ限界がある。
【0006】
このように、通信機能のない車両と自律走行車両などが混在する環境で車両走行の安定性を確保できるように、車線変更要請、合流計画共有などのための走行ネゴシエーションシナリオとこれによる適切なメッセージセットに対する定義が必要であるのが実情である。併せて、走行ネゴシエーション戦略を共有するために路側基地局(road side unit、RSU)と車両間の通信を基盤とする走行ネゴシエーションプロセスも要求されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は前述した従来技術の要求に応じるために導き出されたもので、本発明の目的は、電子装置の間で、特に車両と事物(vehicle to everything、V2X)間でリアルタイム情報共有が可能な次世代知能型交通システムまたは協力的知能型交通システム(cooperative intelligent transport systems、C-ITS)環境でV2I通信基盤走行ネゴシエーションのためのメッセージセットおよびネゴシエーションプロセスの定義を提供して自律走行車両などの車両の走行安定性を向上させることができる走行ネゴシエーション方法および装置を提供するところにある。
【0008】
本発明の他の目的は、通信機能がない一般車両と自律走行車両などが混在する道路環境で路側装置(road side unit、RSU)等のインフラ装置が走行ネゴシエーション戦略を効果的に支援できる走行ネゴシエーション方法および装置を提供するところにある。
【0009】
本発明のさらに他の目的は、C-ITS環境で車両が能動的に走行ネゴシエーション戦略を共有することによって、車両の走行における安定性を効果的に確保できるようにする走行ネゴシエーション方法および装置を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記技術的課題を解決するための本発明の一側面に係る走行ネゴシエーション装置は、V2X(vehicle to everything)通信を支援する無線通信モジュール;および無線通信モジュールと連結される少なくとも一つのプロセッサ(processor)を含む。少なくとも一つのプロセッサは、第1車両から協力要請メッセージ(CooperativeRequestMsg)を受信し、協力要請メッセージにネゴシエーションに必要な付加情報の類型コードを含ませた協力中継メッセージを生成して周辺の車両にブロードキャスティングし、周辺の車両のうち少なくとも一つの第2車両から協力中継メッセージに対応する協力応答メッセージ(CooperativeReponseMsg)を受信し、協力応答メッセージに基づいてネゴシエーション可能またはネゴシエーション不可能に対するメッセージを第1車両に伝送する。
【0011】
一実施例において、無線通信モジュールは路側装置または路側基地局(road-side equipment、RSE;or road-side unit、RSU)に設置され得る。
【0012】
一実施例において、付加情報は車速変更、車線変更、車線合流、衝突警告、衝突回避、交差点警告、結氷などに対する道路状態警告、立体交差点警告、または通行料徴収に関連した情報を含むことができる。
【0013】
一実施例において、少なくとも一つのプロセッサは、協力中継メッセージを周辺の車両にブロードキャスティングする前に、ネゴシエーション要請メッセージのメッセージタイプによってメッセージタイプに関連した関連メッセージを生成することができる。少なくとも一つのプロセッサは、協力中継メッセージをブロードキャスティングする時、協力中継メッセージとともに関連メッセージをブロードキャスティングすることができる。
【0014】
一実施例において、少なくとも一つのプロセッサは、ネゴシエーション応答メッセージやネゴシエーション可能またはネゴシエーション不可能に対するメッセージを第1車両に伝送した後、第1車両から現在の走行ネゴシエーションセッションの識別値を以前の走行ネゴシエーションセッションの識別値として含む再ネゴシエーションのためのメッセージまたはさらに他の協力要請メッセージを受信することができる。
【0015】
前記技術的課題を解決するための本発明のさらに他の側面に係る走行ネゴシエーション方法は、第1車両から協力要請メッセージ(CooperativeRequestMsg)を受信する段階;協力要請メッセージにネゴシエーションに必要な付加情報の類型コードを含ませた協力中継メッセージを生成して周辺の車両にブロードキャスティングする段階;周辺の車両のうち少なくとも一つの第2車両から協力中継メッセージに対応する協力応答メッセージ(CooperativeReponseMsg)を受信する段階;および協力応答メッセージに基づいてネゴシエーション可能またはネゴシエーション不可能に対するメッセージを第1車両に伝送する段階を含む。
【0016】
一実施例において、協力要請メッセージまたは協力応答メッセージは、車両速度、車線変更および車線合流に対するデータフレーム(data frames、DFs)を含むことができる。車両速度に対する第1データフレームは速度調整計画に関するネゴシエーションメッセージ情報として追い越し、減速および停止に対する第1データエレメントを含むことができる。車線変更に対する第2データフレームは車線変更計画に対するネゴシエーションメッセージ情報として回避、事故、割り込みおよび歩行者に対する第2データエレメントを含むことができる。そして、車線合流に対する第3データフレームは合流計画に対するネゴシエーションメッセージとして、合流路、交差点、回転交差点に対する第3データエレメントを含むことができる。
【0017】
一実施例において、協力要請メッセージまたは協力応答メッセージは、タイムスタンプ(timestamp)、車両識別子(idまたはTemporaryID)、メッセージ識別子(UniqueMSG_ID、messangeidまたはMsgID)、以前のメッセージ識別子(previousmessageidまたはpreMsgID)およびメッセージ情報(infoMsg)に対するデータエレメントを含むことができる。
【0018】
一実施例において、協力要請メッセージのデータエレメントであるメッセージ識別子は現在の走行ネゴシエーションセッション識別値であって、走行ネゴシエーション要請後から応答までの過程を一つのセッションとして定義するのに利用され得る。
【0019】
一実施例において、協力要請メッセージのデータエレメントであるメッセージ情報はネゴシエーション情報に必要なメッセージリストまたはメッセージタイプの順序(SequenceofMessageType)を含むことができ、最初の走行ネゴシエーション時にナル(Null)状態で第1車両から受信され得る。
【0020】
一実施例において、走行ネゴシエーション方法は、協力中継メッセージを周辺の車両にブロードキャスティングする前に、ネゴシエーション要請メッセージのメッセージタイプによってメッセージタイプに関連した関連メッセージを生成する段階をさらに含むことができる。この時、協力中継メッセージを周辺の車両にブロードキャスティングする段階は、協力中継メッセージとともに関連メッセージをブロードキャスティングすることができる。
【0021】
一実施例において、プロセッサは、ネゴシエーション要請メッセージのメッセージタイプが車線合流である場合、協力中継メッセージとしてICA(intersection collision alert message)を生成することができる。そして、メッセージ情報にICAの予め設定された類型コード(type code)を含ませることができる。メッセージ類型コード(message type code)はSAE J2735等の文書で定義するメッセージ識別子例えば、DE_DSRC_MessageIDに従い得る。
【0022】
一実施例において、協力応答メッセージは第2車両自身のネゴシエーションに対する応答値とネゴシエーションに必要な情報を含んだ応答タイプ(response type)に対するデータフィールドを含み、第1車両のメッセージ識別子と以前のメッセージ識別子に対するデータエレメントを含むことができる。
【0023】
一実施例において、ネゴシエーションに対する応答値は同意(agree)または拒絶(refuse)に対するデータエレメントを含むことができる。
【0024】
一実施例において、ネゴシエーション可能またはネゴシエーション不可能に対するメッセージはブロードキャストの形態で第1車両に伝送され得る。
【0025】
一実施例において、走行ネゴシエーション方法は、少なくとも一つの第2車両それぞれからの協力応答メッセージがネゴシエーション不可能に対するデータエレメントを含む場合、走行ネゴシエーション方法は現在の走行ネゴシエーションセッションを終了する段階をさらに含むことができる。
【0026】
一実施例において、走行ネゴシエーション方法は、ネゴシエーション可能またはネゴシエーション不可能に対するメッセージを第1車両に伝送した後に、第1車両から現在の走行ネゴシエーションセッションの識別値を以前の走行ネゴシエーションセッションの識別値として設定した再ネゴシエーションのためのメッセージまたはさらに他の協力要請メッセージ(第2協力要請メッセージ)を受信する段階をさらに含むことができる。
【0027】
一実施例において、走行ネゴシエーション方法は、第2協力要請メッセージが第1車両から受信される場合、メッセージ情報に基づいて現在要請された走行ネゴシエーションセッションが以前の走行ネゴシエーションセッションに対する再ネゴシエーションであるかどうかを判断する段階をさらに含むことができる。
【0028】
一実施例において、走行ネゴシエーション方法は、2個以上の第2協力要請メッセージが競争する場合、予め設定された優先順位によっていずれか一つのさらに他の協力要請メッセージを選択する段階をさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明によると、電子装置の間で、特に車両と事物(vehicle to everything、V2X)間でリアルタイム情報共有が可能な次世代知能型交通システムまたは協力的知能型交通システム(cooperative intelligent transport systems、C-ITS)で車両が能動的に走行ネゴシエーション戦略を効果的に共有することによって、車両の走行における安定性を増大させることができる。
【0030】
また、本発明によると、通信機能がない一般車両と自律走行車両などが混在する道路環境で路側装置(road side unit、RSU)等のインフラ装置が走行ネゴシエーション戦略を共有できるように機能することによって、道路上の死角地帯や突発的な状況に対する自律走行車両の安定性と対処能力を向上させることができる。特に、無信号交差点、円形交差点、合流道路などでの多様な走行状況が発生する時、走行ネゴシエーションを通じて自律走行車両の迅速な判断を助け、走行安全性を高めることができる。
【0031】
また、本発明によると、C-ITS環境でV2I通信基盤走行ネゴシエーションのためのメッセージセットおよびネゴシエーションプロセスの定義を提供して自律走行車両などの車両の走行安定性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】本発明の実施例に係る走行ネゴシエーション方法を採用できるC-ITS(cooperative intelligent transport systems)システムを説明するための概略図である。
図2図1の走行ネゴシエーション方法を実行する走行ネゴシエーション装置の主な構成を説明するためのブロック図である。
図3図2の走行ネゴシエーション装置によって具現され得る走行ネゴシエーション方法の一実施例に係る作動原理を説明するためのフローチャートである。
図4図3の走行ネゴシエーション方法に採用できるメッセージフレームを説明するための図面である。
図5図3の走行ネゴシエーション方法の主な作動原理を概略的に図示した例示図である。
図6図3の走行ネゴシエーション方法の主な作動原理を概略的に図示した例示図である。
図7図3の走行ネゴシエーション方法の主な作動原理を概略的に図示した例示図である。
図8図3の走行ネゴシエーション方法の主な作動原理を概略的に図示した例示図である。
図9図3の走行ネゴシエーション方法の主な作動原理を概略的に図示した例示図である。
図10図3の走行ネゴシエーション方法の変形例を説明するためのフローチャートである。
図11図3の走行ネゴシエーション方法を採用した自律走行車両の走行過程を説明するための例示図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明は多様な変更を加えることができ、多様な実施例を有することができるところ、特定の実施例を図面に例示して詳細に説明しようとする。しかし、これは本発明を特定の実施形態に対して限定しようとするものではなく、本発明の思想および技術範囲に含まれるすべての変更、均等物乃至代替物を含むものと理解されるべきである。
【0034】
第1、第2等の用語は多様な構成要素の説明に使われ得るが、前記構成要素は前記用語によって限定されてはならない。前記用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ使われる。例えば、本発明の権利範囲を逸脱することなく第1構成要素は第2構成要素と命名され得、同様に第2構成要素も第1構成要素と命名され得る。および/またはという用語は複数の関連した記載された項目の組み合わせまたは複数の関連した記載された項目のうちいずれかの項目を含む。
【0035】
本出願の実施例で、「AおよびBのうち少なくとも一つ」は「AまたはBのうち少なくとも一つ」または「AおよびBの中の一つ以上の組み合わせのうち少なくとも一つ」を意味し得る。また、本出願の実施例で、「AおよびBのうち一つ以上」は「AまたはBのうち一つ以上」または「AおよびBの中の一つ以上の組み合わせのうち一つ以上」を意味し得る。
【0036】
或る構成要素が他の構成要素に「連結されて」いるとか「接続されて」いると言及された時には、その他の構成要素に直接的に連結されていたり、または接続されていてもよいが、中間に他の構成要素が存在してもよいと理解されるべきである。反面、或る構成要素が他の構成要素に「直接連結されて」いるとか「直接接続されて」いると言及された時には、中間に他の構成要素が存在しないものと理解されるべきである。
【0037】
本出願で使った用語は単に特定の実施例を説明するために使われたものであって、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は文脈上明白に異なるように意味しない限り、複数の表現を含む。本出願で、「含む」または「有する」等の用語は明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであって、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものなどの存在または付加の可能性を予め排除しないものと理解されるべきである。
【0038】
異なって定義されない限り、技術的または科学的な用語を含んでここで使われるすべての用語は本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有している。一般的に使われる辞書に定義されているような用語は関連技術の文脈上有する意味と一致する意味を有すると解釈されるべきであり、本出願で明白に定義しない限り、理想的または過度に形式的な意味で解釈されない。
【0039】
本発明に係る実施例が適用される走行ネゴシエーション装置に関連して通信システム(communication system)が説明されるであろう。通信システムは4G通信システム(例えば、LTE(long-term evolution)通信システム、LTE-A通信システム)、5G通信システム(例えば、NR(new radio)通信システム)等であり得る。4G通信システムは6GHz以下の周波数帯域で通信を支援することができ、5G通信システムは6GHz以下の周波数帯域だけでなく6GHz以上の周波数帯域で通信を支援することができる。本発明に係る実施例が適用される通信システムは下記に説明された内容に限定されず、本発明に係る実施例は多様な通信システムに適用され得る。ここで、通信システムは通信ネットワーク(network)と同じ意味で使われ得、「LTE」は「4G通信システム」、「LTE通信システム」または「LTE-A通信システム」を示すことができ、「NR」は「5G通信システム」または「NR通信システム」を示すことができる。
【0040】
また、通信システムで支援する通信技術はCDMA(code division multiple access)、WCDMA(登録商標)(wideband CDMA)、TDMA(time division multiple access)、FDMA(frequency division multiple access)、OFDM(orthogonal frequency division multiplexing)、Filtered OFDM、CP(cyclic prefix)-OFDM、DFT-s-OFDM(discrete Fourier transform-spread-OFDM)、OFDMA(orthogonal frequency division multiple access)、SC(single carrier)-FDMA、NOMA(Non-orthogonal Multiple Access)、GFDM(generalized frequency division multiplexing)、FBMC(filter bank multi-carrier)、UFMC(universal filtered multi-carrier)およびSDMA(Space Division Multiple Access)のうち少なくとも一つ以上を含むことができる。
【0041】
以下、添付した図面を参照して、本発明の好ましい実施例をより詳細に説明しようとする。本発明の説明において全体的な理解を容易にするために、図面上の同じ構成要素については同じ参照符号を使用し、同じ構成要素について重複した説明は省略する。
【0042】
図1は、本発明の実施例に係る走行ネゴシエーション方法を採用できるC-ITS(cooperative intelligent transport systems)システムを説明するための概略図である。
【0043】
図1を参照すると、C-ITSシステムは路側基地局100A、支援システム200、車両端末機500、600、C-ITSセンター700、情報提供センター800、モバイル端末900等のITSステーション間の両方向通信と交通情報の相互の共有を通じて道路交通の安定性、持続性、効率性および便利性を向上させるオープンプラットホームシステムである。
【0044】
路側基地局100Aは支援システム200またはC-ITSセンサ700と連係して車両端末機500、600から情報を収集し情報を提供することができる。路側基地局100Aと支援システム200は道路インフラ300に含まれる。支援システム200は突発状況感知器、歩行者検知器、道路気象情報システム、信号制御器、WAVE料金徴収装置などを含むことができる。
【0045】
また、路側基地局100AはV2I(vehicle to infrastructure)通信を通じて車両端末機500、600から車両位置、相手情報などを収集し、車両端末機500、600に交通、突発、信号、歩行者などの関連情報を提供したり、証明書情報、GPS(global positioning system)情報などを提供することができる。
【0046】
第1車両500Aに搭載された第1車両端末機500は、第2車両600Aに搭載された第2車両端末機とV2V(vehicle to vehicle)通信を通じて車両情報を共有したり、証明書を送受信することができる。第1車両500Aは自律走行車両(autonomous vehice)または協力車両(cooperative vehice)であって、第2車両は一般車両(normal vehicle)であり得る。また、車両端末機500は歩行者または使用者が携帯したモバイル端末900と直接あるいは路側基地局100Aを通じて両方向無線通信またはV2P(vehicle to pedestrian)通信を遂行できる。
【0047】
C-ITSセンター700は路側基地局100Aまたは走行ネゴシエーション装置100と光通信網などのネットワークに連結され得、路側基地局100Aや走行ネゴシエーション装置100に情報提供センター800から得た交通情報、GPS情報などを提供することができる。C-ITSセンター700や情報提供センター800は少なくとも一つのネットワークに連結される少なくとも一つのサーバーやコンピューティング装置を具備することができる。
【0048】
本実施例で走行ネゴシエーション装置100は路側基地局100Aに結合されたり、路側基地局100Aの少なくとも一部の構成部として設置され得る。もちろん、走行ネゴシエーション装置100は他の実現例で路側基地局100Aの他に無線通信モジュールとプロセッサを具備する他のインフラ装置または道路インフラ支援システムに搭載され得る。以下では説明の便宜上、走行ネゴシエーション装置100を、路側基地局100Aに結合されたり、路側基地局100Aの少なくとも一部の構成部として設置されて後述する走行ネゴシエーション方法を具現する装置として、説明することにする。
【0049】
走行ネゴシエーション装置100は車両が死角地帯、突発状況などに対する安定性を確保して対応を効果的に遂行できるように、また、無信号交差点、円形交差点、立体交差点、また合流などの多様な走行環境や走行空間で自律走行車両の迅速な判断と安定性の確保を支援するように、該当車両に走行ネゴシエーションメッセージまたは走行協力メッセージと走行ネゴシエーション/協力プロセスを提供する。走行ネゴシエーションメッセージまたは協力メッセージのメッセージセット(message set)等については以下で詳細に説明することにする。
【0050】
図2は、図1の走行ネゴシエーション方法を実行する走行ネゴシエーション装置の主な構成を説明するためのブロック図である。
【0051】
図2を参照すると、走行ネゴシエーション装置100は少なくとも一つのプロセッサ(processor、110)、メモリ120およびネットワークと連結されて通信を遂行する送受信装置130を含むことができる。また、走行ネゴシエーション装置100は入力インターフェース装置、出力インターフェース装置、保存装置などをさらに含むことができる。そして、走行ネゴシエーション装置100に含まれたそれぞれの構成要素はバス(bus)により連結されて通信を遂行できる。
【0052】
プロセッサ110はメモリ120および保存装置のうち少なくとも一つに保存されたプログラム命令(program command)を実行することができる。プロセッサ110は中央処理装置(central processing unit、CPU)、グラフィック処理装置(graphics processing unit、GPU)、または本発明の実施例に係る方法が実行される専用のプロセッサを意味し得る。メモリ120および保存装置それぞれは揮発性保存媒体および不揮発性保存媒体のうちで少なくとも一つで構成され得る。例えば、メモリ120は読み取り専用メモリ(read only memory、ROM)およびランダムアクセスメモリ(random access memory、RAM)のうち少なくとも一つで構成され得る。
【0053】
送受信装置130は無線通信モジュール(wireless communication module、WCM、150)を含むことができる。無線通信モジュール150は5.8GHz帯域または5.9GHz帯域の近距離専用無線通信(dedicated short range communication、DSRL)やIEEE 802.11、ワイファイ(Wi-Fi)等の無線近距離通信網を支援する通信サブシステムを具備することができる。
【0054】
通信サブシステムは車両端末機(on-board equipment、OBE;or on-board unit、OBU)との無線通信のために、応用階層の初期化カーネル、伝送カーネルおよび放送カーネルに関連した要素を具備し予め設定された動作手続きに従い得る。また、通信サブシステムはITSまたはC-ITS(cooperative intelligent transport systems)通信システムであって、システムのレイヤ7(layer 7、L7)応用階層すなわち、応用階層構造、カーネル要素および管理者を含むことができる。
【0055】
また、無線通信モジュールは、車両端末機またはオンボード装置のアンテナに連結されたヒューマン機械インターフェース(human machine interface、HMI)と両方向無線周波数(two-way RF)通信を遂行できる。HMIはアンテナを具備したオンボード装置と車両内ネットワーク(in-vehicle network)で接続されている車両搭載コンピュータ(in-vehicle computer)に連結され得る。無線通信モジュールは、協力通信で車両の位置、速度、方向および加速度メッセージを300M範囲で100ms~300msの時間ごとに受信することができる。
【0056】
前述した走行ネゴシエーション装置100は複数の基地局(base stations)や複数の端末を含む通信システムに含まれ得、一つの基地局または路側基地局として機能することができる。基地局または路側基地局として機能する場合、走行ネゴシエーション装置は、NB(NodeB)、eNB(evolved NodeB)、gNB、ABS(advanced base station)、HR-BS(high reliability-base station)、BTS(base transceiver station)、無線基地局(radio base station)、無線トランシーバー(radio transceiver)、アクセスポイント(access point)、アクセスノード(node)、RAS(radio access station)、MMR-BS(mobile multihop relay-base station)、RS(relay station)、ARS(advanced relay station)、HR-RS(high reliability-relay station)、HNB(home NodeB)、HeNB(home eNodeB)、RSU(road side unit)、RRH(radio remote head)、TP(transmission point)、TRP(transmission and reception point)等と指称され得る。
【0057】
また、走行ネゴシエーション装置100は支援システム、車両端末機、モバイル端末などとネットワークを通じて連結されて通信を遂行できる。ここで車両端末機やモバイル端末それぞれは、UE(user equipment)、TE(terminal equipment)、AMS(advanced mobile station)、HR-MS(high reliability-mobile station)、ターミナル(terminal)、アクセスターミナル(access terminal)、モバイルターミナル(mobile terminal)、ステーション(station)、加入者ステーション(subscriber station)、モバイルステーション(mobile station)、携帯加入者ステーション(portable subscriber station)、ノード(node)、デバイス(device)、OBU(on board unit)等と指称され得る。
【0058】
また、走行ネゴシエーション装置100は道路に沿って一定間隔で配置され得る。例えば、走行ネゴシエーション装置100または無線通信モジュール150は路側装置または路側基地局(road-side equipment、RSE;or road-side unit、RSU)に設置され得る。このような複数の走行ネゴシエーション装置は互いに異なる周波数帯域で動作することができ、または同じ周波数帯域で動作することができる。そして、複数の走行ネゴシエーション装置はアイデアルバックホールリンク(ideal backhaul link)またはノン(non)-アイデアルバックホールリンクを通じて連結され得、アイデアルバックホールリンクまたはノン-アイデアルバックホールリンクを通じてコアネットワークと連結され得、アイデアルバックホールリンクまたはノン-アイデアルバックホールリンクを通じて情報を交換することができる。
【0059】
前述した走行ネゴシエーション装置はV2V通信に主に使用されるBSM(base safety message)、V2I通信に主に使用されるPVD(probe vehicle data)メッセージ等を通して車両の走行状態、走行計画などを共有することができ、この時、走行協力のためのネゴシエーションメッセージセットを通じて自律走行車両などで能動的に他車両と走行をネゴシエーションできるように支援することができる。特に、走行ネゴシエーション装置は走行ネゴシエーションに必要な多様な環境例えば、合流で進入に必要な他車両の減速要請などを支援するネゴシエーションメッセージセットを支援し、ネゴシエーション要請メッセージの応答のためのメッセージ識別方案などを提供することができる。このようなネゴシエーションメッセージセットについては以下で詳細に説明されるであろう。
【0060】
走行ネゴシエーション装置100のプロセッサ110は、例えば、第1車両から協力要請メッセージ(CooperativeRequestMsg)を受信し、協力要請メッセージにネゴシエーションに必要な付加情報の類型コードを含ませた協力中継メッセージを生成し、協力要請メッセージのメッセージタイプによってメッセージタイプに関連した関連メッセージを生成し、協力中継メッセージと関連メッセージを周辺の車両にブロードキャスティングし、周辺の車両のうち少なくとも一つの第2車両それぞれから協力中継メッセージおよび/または関連メッセージに対応する協力応答メッセージ(CooperativeReponseMsg)を受信し、協力応答メッセージに基づいてネゴシエーション可能またはネゴシエーション不可能に対するメッセージを第1車両に伝送するように機能することができる。
【0061】
付加情報は車速変更、車線変更、車線合流、衝突警告、衝突回避、交差点警告、結氷などに対する道路状態警告、立体交差点警告、または通行料徴収に関連した情報を含むことができる。
【0062】
図3は、図2の走行ネゴシエーション装置によって具現され得る走行ネゴシエーション方法の一実施例に係る作動原理を説明するためのフローチャートである。図4は、図3の走行ネゴシエーション方法に採用できるメッセージフレームを説明するための図面である。
【0063】
本実施例で走行ネゴシエーション装置は路側基地局に結合したり、路側基地局の少なくとも一部の機能部として搭載されたり、少なくとも一部の構成部として設置され得る。
【0064】
図3および図4を参照すると、走行ネゴシエーション方法で、まず走行ネゴシエーション装置または走行ネゴシエーション装置のプロセッサは第1車両から走行ネゴシエーションのための第1メッセージを受信することができる(S31)。第1メッセージは協力要請メッセージ(CooperativeRequestMsg)を含むことができる。
【0065】
次に、ネゴシエーションに必要な付加情報を含んだ第2メッセージを生成することができる(S32)。第2メッセージは協力中継メッセージなどと指称され得る。本段階では、第1メッセージを受信した走行ネゴシエーション装置が走行協力または走行ネゴシエーションのために、第1車両の車両端末機が目的とした走行協力タイプによりネゴシエーションに必要な付加情報の類型コードを第1メッセージに含ませた第2メッセージを生成することができる。
【0066】
また、走行ネゴシエーション装置は第1メッセージのメッセージタイプによってメッセージタイプに関連した関連メッセージを生成することができる。関連メッセージは第2メッセージとは異なるメッセージであって、予め設定された協力関連メッセージのうちいずれか一つであり得る。
【0067】
もちろん、本実施例の変形では第2メッセージと関連メッセージを別途に生成せず、一つの中継メッセージとして形成することができ、このような中継メッセージはさらに他の第2メッセージと指称され得る。
【0068】
次に、走行ネゴシエーション装置は第2メッセージをブロードキャスティングする(S33)。本段階では、ネゴシエーションに必要な付加情報の類型コードを含んだ協力中継メッセージと関連メッセージを周辺の車両にブロードキャスティングすることを含むことができる。一方、本段階(S33)は、以前の段階(S32)の第2メッセージの生成を省略したり、以前の段階(S32)が第1メッセージと実質的に同一の第2メッセージを生成するように処理される場合、第1メッセージまたは協力要請メッセージをすぐに周辺の車両にブロードキャスティングするもので具現され得る。
【0069】
次に、走行ネゴシエーション装置は周辺の車両のうち少なくとも一つの第2車両から第1メッセージまたは第2メッセージに対する応答である第3メッセージを受信することができる(S34)。第3メッセージは協力応答メッセージ(CooperativeReponseMsg)を含むことができる。本段階(S34)は周辺の車両のうち少なくとも一つの第2車両から協力応答メッセージを受信することを含むことができる。
【0070】
協力要請メッセージまたは協力応答メッセージは、車両速度(speed)、車線変更(lane change)および車線合流(lane join)に対するデータフレーム(data frames、DFs)を含むことができる。
【0071】
車両速度に対する第1データフレームはDF_Cspeedのように表現され得、速度調整計画に関するネゴシエーションメッセージ情報として、追い越し(overtaking)、減速(deceleration)および停止(stop)に対する第1データエレメント(first data elements、first DEs)を含むことができる。第1データエレメントはDE_Sovertaking、DE_Sdeceleration、DE_S0、DE_Sstopなどで表現され得る。
【0072】
車線変更に対する第2データフレームはDF_Clanechangeのように表現され得、車線変更計画に対するネゴシエーションメッセージ情報として、回避(avoid)、事故(accident)、割り込み(cut-in)および歩行者(pedestrain)に対する第2データエレメントを含むことができる。第2データエレメントはDE_Avoid、DE_Accident、DE_Cut-in、DE_Pedestrianなどで表現され得る。
【0073】
車線合流に対する第3データフレームはDF_Clanejoinのように表現され得、合流計画に対するネゴシエーションメッセージとして、合流路(confluence)、交差点(intersection)、回転交差点(roundabout)に対する第3データエレメントを含むことができる。第3データエレメントはDE_confluence、DE_Intersection、DE_Roundaboutなどで表現され得る。
【0074】
また、協力要請メッセージまたは協力応答メッセージは、タイムスタンプ(timestamp)、車両識別子(idまたはTemporaryID)、メッセージ識別子(UniqueMSG_ID、messangeidまたはMsgID)、以前のメッセージ識別子(previousmessageidまたはpreMsgID)およびメッセージ情報(infoMsg)に対するデータエレメントを含むことができる。
【0075】
メッセージ識別子は現在の走行ネゴシエーションセッション識別値であって、走行ネゴシエーション要請後から応答までの過程を一つのセッションとして定義するのに利用され得る。メッセージ情報はネゴシエーション情報に必要なメッセージリストまたはメッセージタイプの順序(SequenceofMessageType)を含むことができ、最初の走行ネゴシエーション時にナル(Null)状態で第1車両から走行ネゴシエーション装置に伝送され得る。
【0076】
また、協力応答メッセージは応答タイプ(response type)に対するデータフィールドを含むことができる。応答タイプは第2車両自身のネゴシエーションに対する応答値とネゴシエーションに必要な情報を含むことができる。データフィールドは第1車両のメッセージ識別子と以前のメッセージ識別子に対するデータエレメントを含むことができる。ここで、ネゴシエーションに対する応答値は同意(agree)または拒絶(refuse)に対するデータエレメントを含むことができる。
【0077】
次に、走行ネゴシエーション装置は第3メッセージに基づいて第1車両に走行ネゴシエーション可能または走行ネゴシエーション不可能に関連したメッセージを伝送することができる(S35)。走行ネゴシエーション可能または不可能メッセージは第4メッセージと指称され得る。本段階(S35)は協力応答メッセージに基づいてネゴシエーション可能またはネゴシエーション不可能に対するメッセージをブロードキャスト方式で第1車両に伝送することを含むことができる。
【0078】
少なくとも一つの第2車両それぞれからの協力応答メッセージが全てネゴシエーション不可能に対するデータエレメントを含む場合、走行ネゴシエーション装置は現在の走行ネゴシエーションセッションを終了するように動作することができる。
【0079】
また、走行ネゴシエーション装置はネゴシエーション可能またはネゴシエーション不可能に対するメッセージを第1車両に伝送した後、第1車両から現在の走行ネゴシエーションセッションの識別値を以前の走行ネゴシエーションセッションの識別値として設定した再ネゴシエーションのためのメッセージまたはさらに他の協力要請メッセージを受信することができる。さらに他の協力要請メッセージは第2協力要請メッセージと指称され得る。第2協力要請メッセージが第1車両から受信される場合、走行ネゴシエーション装置は該当メッセージのメッセージ情報に基づいて現在要請された走行ネゴシエーションセッションが以前の走行ネゴシエーションセッションに対する再ネゴシエーションであると判断し、第2協力要請メッセージが第2車両から受信されると新しい走行ネゴシエーションのための協力要請メッセージであると判断することができる。
【0080】
また、走行ネゴシエーション装置は、2個以上の第2協力要請メッセージが競争する状況で、予め設定された優先順位によっていずれか一つのさらに他の協力要請メッセージを選択したり識別することができる。このために、走行ネゴシエーション装置は該当メッセージのメッセージ情報を利用することができる。
【0081】
前述した構成によると、走行ネゴシエーション装置またはそのプロセッサは、例えばネゴシエーション要請メッセージのメッセージタイプが車線合流である場合、協力中継メッセージとしてICA(intersection collision alert message)を生成することができ、メッセージ情報にICAの予め設定された類型コード(type code)を含ませることができる。メッセージ類型コード(message type code)はSAE J2735等の文書で定義するメッセージ識別子例えば、DE_DSRC_MessageIDに従い得る。
【0082】
一方、図4に図示したメッセージフレーム(message frame)のうち協力要請メッセージ(MSG_CooperativeRequestMessage)および協力応答メッセージ(MSG_CooperativeResponseMessage)以外の様々な他のメッセージ例えば、基本安全メッセージ(Basic Safety Message、BSM)、地図データ(MSG_Map data)、信号位相およびタイミング(MSG_SPAT)等に対するメッセージに対しては、SAE J2735メッセージセット(message set)に対する定義を参照することができる。
【0083】
同様に、図4に図示したデータフレームのうち要請タイプ(DF_requestType)、応答タイプ(DF_responseType)、協力車速(DF_Cspeed)、協力車線変更(DF_Clanechange)、協力車線合流(DF_Clanejoin)データ以外の様々な他のデータ例えば、基本安全メッセージコアデータ(DF_BSMcoreData)、日付と時間データ(DF_DDateTeime)、交差点状態データ(DF_IntersectionState)、シグナル要請パッケージデータ(DF_SignalRequestPackage)等に対してはSAE J2735メッセージセット(message set)のデータフレームに対する定義を参照することができる。
【0084】
本実施例に係る走行ネゴシエーション方法は、メッセージセットのデータエレメント(data element、DE)に車両識別子エレメント(DE_TemporaryID)、メッセージ識別子エレメント(DE_MsgID)、以前のメッセージ識別子エレメント(DE_preMsgID)、応答同意メッセージエレメント(DE_responseAgreeMsg)、応答拒絶メッセージエレメント(DE_responseRefuseMsg)等を追加して走行ネゴシエーションのためのメッセージセットを定義する。
【0085】
以下では、本実施例に係る車両間の走行ネゴシエーションプロセッサを図5図9を参照して詳細に説明することにする。
【0086】
図5図9は、図3の走行ネゴシエーション方法の主な作動原理を概略的に図示した例示図である。
【0087】
図5を参照すると、車両間の走行ネゴシエーションプロセスで、第1協力車両510または第1協力車両510の車両端末機はまず路側基地局に結合された走行ネゴシエーション装置100に走行ネゴシエーションのための協力要請メッセージ(M1)を伝送する。第1協力車両510と第2協力車両520および第3協力車両530は路側基地局の通信カバレッジ(A1)内に位置し、他の車両540、550は通信カバレッジ(A1)の外に位置する。第1協力車両510と第2協力車両520および第3協力車両530のうち少なくとも一つは協力可能な自律走行車両であり得る。
【0088】
すなわち、第1協力車両510の車両端末機はITSまたはC-ITSデータ伝送時、走行ネゴシエーションのために協力要請メッセージ(cooperative request Message)を伝送する。協力要請メッセージはタイムスタンプ(timestamp)、車両ID、メッセージID、以前のメッセージID値を基本的なデータエレメントとして具備することができる。メッセージIDまたはメッセージ識別子(MsgID)は現在の走行ネゴシエーションセッションに対する識別値であり、走行ネゴシエーション要請後から応答までの過程を一つのセッションとして定義するのに利用され得る。そして、以前のメッセージIDまたは以前のメッセージ識別子(preMsgID)は以前の走行ネゴシエーションセッションに対する識別値を示すことができる。
【0089】
最初の走行ネゴシエーション時、協力要請メッセージのメッセージ情報データフレーム(CinfoMsg)は第1協力車両510でナル(Null)状態で路側基地局または走行ネゴシエーション装置100に伝送され得る。
【0090】
協力要請メッセージは特定データフレーム例えば、要請タイプデータフレーム(DF_reqeustType)を通じてネゴシエーションに必要な情報を共に伝送することができる。例えば、協力要請メッセージはネゴシエーション情報に必要なメッセージリストを含むメッセージ情報データフレーム(CinfoMsg)を追加で具備することができる。メッセージ情報データフレームはメッセージタイプの順序(sequence of message type)を含み、メッセージタイプはFCW(forward collision warning)、EEBL(emergency electronic brake light)、SPAT(signal phase and timing)、TIM(traveler information message)、RSA(roadside alert)、PVD(prove vehicle data)、ETCS(electronic toll collection system)等を含むことができる。
【0091】
また、協力要請メッセージは追い越し、減速、停止などの速度調整計画に関するネゴシエーションメッセージ情報を含む第1データエレメント(DE_Cspeed)、回避、事故、障害物、割り込み、歩行者などによる車線変更計画に関するネゴシエーションメッセージ情報を含む第2データエレメント(DE_Clanechang)、交差点、回転交差点などでの合流計画に関するネゴシエーションメッセージ情報を含む第3データエレメント(DE_Clanejoin)を含むことができる。
【0092】
図6を参照すると、車両間の走行ネゴシエーションプロセスで路側基地局に結合された走行ネゴシエーション装置100は第1協力車両510の協力要請メッセージにネゴシエーションに必要な付加情報の類型コードを含ませた第2メッセージを生成し、協力要請メッセージとともに第2メッセージ(M2)をブロードキャストの形態で少なくとも一つの第2車両520、530に伝送する。第2メッセージ(M2)は協力中継メッセージと指称され得、協力要請メッセージは第1メッセージと指称され得る。
【0093】
すなわち、第1メッセージを受信した路側基地局または走行ネゴシエーション装置100は、協力要請メッセージの要請タイプ(RequestType)またはメッセージタイプを識別してメッセージタイプに関連した関連メッセージを生成して協力要請メッセージまたは協力中継メッセージとともにブロードキャスティングすることができる。
【0094】
走行ネゴシエーション装置100は協力要請メッセージの要請タイプまたはメッセージタイプによりネゴシエーションに必要な付加情報を判断することができる。付加情報はSAE J2735で提供するメッセージセットを参照することができる。例えば、付加情報は車速変更、車線変更、車線合流、衝突警告、衝突回避、交差点警告、結氷などに対する道路状態警告、立体交差点警告、または通行料徴収に関連した情報を含むことができる。
【0095】
付加情報に対する関連メッセージを生成した後、走行ネゴシエーション装置100は協力要請メッセージのメッセージ情報データフレーム(CinfoMsg)に該当メッセージタイプの類型コードを含ませた協力中継メッセージとともにブロードキャスティングすることができる。
【0096】
例えば、走行ネゴシエーション装置100またはそのプロセッサは、ネゴシエーション要請メッセージの要請タイプ(RequestType)が車線合流データエレメント(DE_Clanejoin)で設定されている場合、協力中継メッセージの関連メッセージとしてICA(intersection collision alert message)を生成することができる。そして、協力中継メッセージのメッセージ情報データフレーム(CinfoMsg)にICAの予め設定された類型コード(type code)を含ませることができる。メッセージ類型コード(message type code)はSAE J2735等の文書で定義するメッセージ識別子例えば、DE_DSRC_MessageIDを利用することができる。その次に、走行ネゴシエーション装置100は協力要請メッセージとともにICAメッセージをブロードキャスティングすることができる。
【0097】
図7を参照すると、車両間の走行ネゴシエーションプロセスで路側基地局に結合された走行ネゴシエーション装置100は、特定の第2協力車両520から協力応答メッセージ(M3)を受信する。協力応答メッセージ(M3)は第3メッセージと指称され得る。
【0098】
すなわち、ネゴシエーション要請メッセージを受信した少なくとも一つの第2協力車両のうち、特定の第2協力車両520はネゴシエーションに対する応答値とネゴシエーションに必要な情報を応答タイプデータフレーム(DF_responseType)に含んだ協力応答メッセージを走行ネゴシエーション装置100に伝送することができる。
【0099】
また、第2協力車両520の車両端末機は協力応答メッセージを伝送する時、ネゴシエーション要請を送った車両のメッセージ識別子(MsgID)および以前のメッセージ識別子(preMsgID)をデータエレメントに含ませる。その場合、走行ネゴシエーション装置100は現在受信した協力応答メッセージがどの協力要請メッセージの応答であるかを確認することができる。
【0100】
これは、走行ネゴシエーション装置100で1対多数(N)または多数(M):Nの環境で複数の協力要請メッセージと複数の協力応答メッセージを処理する時、特定の協力応答メッセージとそれに対応する協力応答メッセージを効率的に識別して中継するのに有用である。
【0101】
図8を参照すると、車両間の走行ネゴシエーションプロセスで走行ネゴシエーション装置100は受信した協力応答メッセージを第1協力車両510に伝送することができる。走行ネゴシエーション装置100から第1協力車両510にブロードキャスティングされる協力応答メッセージ(M4)は第4メッセージまたは走行ネゴシエーション可能または不可能に対するメッセージに対応し得る。
【0102】
ネゴシエーションが可能な場合、第1協力車両510と第2協力車両520は直接通信や路側基地局を通じての通信を通じて走行ネゴシエーションを遂行し、走行ネゴシエーションが完了したことにより該当要請タイプの内容に基づいて各車両のネゴシエーション内容を進行することができる。
【0103】
一方、ネゴシエーションが不可能な場合、走行ネゴシエーション装置100は該当協力応答メッセージを第1協力車両510にブロードキャスティングした後、現在の走行ネゴシエーションセッションを終了することができる。
【0104】
図9を参照すると、車両間の走行ネゴシエーションプロセスで走行ネゴシエーション装置100は、直前のメッセージ識別子(msgID)で区分される走行ネゴシエーションセッション後に再ネゴシエーションが必要であるか走行ネゴシエーションのための追加情報が必要な場合、前述したメッセージ(M1~M4)を利用する走行ネゴシエーションプロセスを繰り返し遂行できる。
【0105】
このために、走行ネゴシエーション装置100は第1協力車両510からさらに他の協力要請メッセージ(M5)を受信することができる。さらに他の協力要請メッセージ(M5)は第5メッセージと指称され得る。
【0106】
第5メッセージで、そのデータエレメントのうち以前のメッセージ識別子(DE_preMsgID)は以前の走行ネゴシエーションセッションのメッセージ識別子(DE_MsgID)値として設定され得る。このような設定は走行ネゴシエーション装置100が受信した第5メッセージが以前の走行ネゴシエーションの再ネゴシエーションなのか他の協力車両の新しい走行ネゴシエーションなのかを識別するのに有用であり得る。
【0107】
本実施例に係る走行ネゴシエーション方法で再ネゴシエーションや追加情報要請のために走行ネゴシエーションの延長を進行することができる。これを図10を参照してより詳細に説明することにする。
【0108】
図10は、図3の走行ネゴシエーション方法の変形例を説明するためのフローチャートである。
【0109】
図10を参照すると、第1車両(vehicle 1、510)は第1協力車両で走行ネゴシエーションのための1次ネゴシエーション(first Negotiation)を進行した後に、付加情報要請などのための2次ネゴシエーション(second Nego.)を進行することができる。
【0110】
もう少し具体的に説明すると、1次ネゴシエーションで第1車両510はメッセージ識別子(MsgID)を1に設定し、以前のメッセージ識別子(preMsgID)をナル(null)に設定した協力要請メッセージ(requestMsg)を、路側基地局に位置した走行ネゴシエーション装置(driving nego.apparatus、DNA、100)に伝送する(S101)。第1車両510は第1協力車両または第1自律走行車両であり得る。協力要請メッセージは第1メッセージと指称され得、以前のメッセージ識別子(preMsgID)は以前の走行ネゴシエーションセッションが存在しない場合、ナル(null)と設定され得る。
【0111】
次に、走行ネゴシエーション装置100は協力要請メッセージまたは第2メッセージをブロードキャスト(broadcast)方式で通信カバレッジ内に位置する第2車両(vehicle 2、520)を含んだ周辺の車両に伝送する(S102)。第2車両520は第2協力車両または第2自律走行車両であり得る。
【0112】
次に、第2車両520は協力要請メッセージに対応する協力応答メッセージ(ResponseMsg)を走行ネゴシエーション装置100に伝送する(S103)。協力応答メッセージ(ResponseMsg)はメッセージ識別子を1に、以前のメッセージ識別子をナル(null)に設定した状態であり得る。
【0113】
次に、走行ネゴシエーション装置100は協力応答メッセージに対応する第4メッセージをブロードキャスト方式で第1車両510に伝送する(S104)。第4メッセージでメッセージ識別子は1に、以前のメッセージ識別子はナル(null)に設定されていてもよい。
【0114】
第1車両510は第4メッセージ内のデータエレメントのうち、応答同意メッセージエレメント(DE_responseAgreeMsg)や応答拒絶メッセージエレメント(DE_responseRefuseMsg)の設定値により、第2車両520とメッセージ情報内容によって走行ネゴシエーションを進行したり、現在の走行ネゴシエーションセッションを進行せずに再ネゴシエーションまたは走行ネゴシエーション延長のためのさらに他の協力要請メッセージを走行ネゴシエーション装置に伝送するように動作することができる。
【0115】
再ネゴシエーションや走行ネゴシエーション延長に該当する2次ネゴシエーションに進行される場合、第1車両510の車両端末機は以前の走行ネゴシエーションセッションに対するメッセージ識別子(MsgID)を現在の走行ネゴシエーションセッションの以前のメッセージ識別子(preMsgID)として指定することができる。
【0116】
例えばメッセージ識別子(MsgID)を2に設定し、以前のメッセージ識別子(preMsgID)を1に設定した協力要請メッセージ(RequestMsg)を走行ネゴシエーション装置100に伝送する(S111)。ここで協力要請メッセージは第5メッセージと指称され得る。
【0117】
次に、走行ネゴシエーション装置100は第5メッセージと第5メッセージの付加情報を含んだ第6メッセージをブロードキャスト(broadcast)方式で第2車両520を含んだ周辺の車両に伝送する(S112)。
【0118】
次に、第2車両520は第5メッセージに対応する協力応答メッセージ(ResponseMsg)を走行ネゴシエーション装置100に伝送する(S113)。この時、協力応答メッセージ(ResponseMsg)はメッセージ識別子を2に、以前のメッセージ識別子を1に設定した状態であり得る。ここで協力応答メッセージは第7メッセージと指称され得る。
【0119】
次に、走行ネゴシエーション装置100は第7メッセージに対応する第8メッセージをブロードキャスト方式で第1車両510に伝送する(S114)。第8メッセージでメッセージ識別子は2に、以前のメッセージ識別子は1に設定され得る。
【0120】
本実施例によると、メッセージ識別子と以前のメッセージ識別子を設定値を通じて、現在の走行ネゴシエーションセッションが新しい遂行ネゴシエーションセッションなのか再ネゴシエーションなのか、あるいは追加情報要請セッションなのかを識別することができる。
【0121】
図11は、図3の走行ネゴシエーション方法を採用した自律走行車両の走行過程を説明するための例示図である。
【0122】
図11を参照すると、第1協力車両である自律走行車両510が交差点で右折しようとする時、特に道路周辺の建物によって交差点の他の道路から進入する第2車両520が見えない時、走行ネゴシエーション装置100を通じての協力要請メッセージ伝送と協力応答メッセージの受信を通じて走行ネゴシエーションを遂行することによって、交差点進入タイミングを第2車両520とネゴシエーションして調整することができ、それによって死角地帯や突発的な状況などに対する安全性を高めることができる。
【0123】
このように、前述した本実施例の構成によると、自律走行車両などの第1協力車両で能動的に他車両と走行をネゴシエーションできるように支援することができる。特に、走行ネゴシエーション装置や走行ネゴシエーション装置の機能を遂行したり、これに対応する構成部を具備する路側基地局は、走行ネゴシエーションに必要な多様な環境例えば、合流で進入に必要な他車両の減速要請などを支援するネゴシエーションメッセージセットを効果的に支援することができる。特に、本実施例では少なくとも一つ以上のネゴシエーション要請メッセージの応答のための多数のネゴシエーション応答メッセージの識別方案などを提供することによって、C-ITS環境で効果的に使われ得る。
【0124】
本発明に係る方法は、多様なコンピュータ手段を通じて実行され得るプログラム命令の形態で具現されてコンピュータ読み取り可能媒体に記録され得る。コンピュータ読み取り可能媒体はプログラム命令、データファイル、データ構造などを単独でまたは組み合わせて含むことができる。コンピュータ読み取り可能媒体に記録されるプログラム命令は本発明のために特別に設計されて構成されたものなどであるか、コンピュータソフトウェア当業者に公知となっている使用可能なものであってもよい。
【0125】
コンピュータ読み取り可能媒体の例には、ロム(rom)、ラム(ram)、フラッシュメモリ(flash memory)等のようにプログラム命令を保存し遂行するように特別に構成されたハードウェア装置が含まれる。プログラム命令の例にはコンパイラ(compiler)により作られるような機械語コードだけでなく、インタープリタ(interpreter)等を使ってコンピュータによって実行され得る高級言語コードを含む。前述したハードウェア装置は本発明の動作を遂行するために少なくとも一つのソフトウェアモジュールで作動するように構成され得、その逆も同じである。
【0126】
以上、実施例を参照して説明したが、該当技術分野の熟練した当業者は下記の特許請求の範囲に記載された本発明の思想および領域から逸脱しない範囲内で本発明を多様に修正および変更できることが理解できるであろう。
図1
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図11