(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-05
(45)【発行日】2024-08-14
(54)【発明の名称】融資関連情報管理装置、融資関連情報管理装置の制御方法、融資関連情報管理装置の制御プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/00 20230101AFI20240806BHJP
【FI】
G06Q40/00
(21)【出願番号】P 2020101432
(22)【出願日】2020-06-11
【審査請求日】2023-06-02
(73)【特許権者】
【識別番号】518106434
【氏名又は名称】会計バンク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100097102
【氏名又は名称】吉澤 敬夫
(74)【代理人】
【識別番号】100098796
【氏名又は名称】新井 全
(74)【代理人】
【識別番号】100121647
【氏名又は名称】野口 和孝
(74)【代理人】
【識別番号】100187377
【氏名又は名称】芳野 理之
(72)【発明者】
【氏名】反町 秀樹
【審査官】滝谷 亮一
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-099613(JP,A)
【文献】特開2016-095738(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第106651573(CN,A)
【文献】特開2019-125263(JP,A)
【文献】特開2002-049752(JP,A)
【文献】特開2002-207876(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
融資希望者の端末装置と通信可能に接続されている融資関連情報管理装置であって、融資希望者の複数の融資希望者側融資条件項目情報を記憶する融資希望者側融資条件情報記憶部と、融資を実行する複数の融資実行者のそれぞれの複数の融資実行者側融資条件項目情報を記憶する融資実行者側融資条件情報記憶部と、を有し、前記複数の融資希望者側融資条件項目情報と前記複数の融資実行者側融資条件項目情報は、それぞれ対応関係となっており、前記融資希望者の前記複数の融資希望者側融資条件項目情報のそれぞれが、融資実行者の対応する前記融資実行者側融資条件項目情報に含まれるか否か、を判断すると共に、前記含まれた前記融資希望者側融資条件項目の含有率情報を、前記融資実行者別に生成し、前記融資実行者別の前記含有率情報に基づいて、複数の前記融資実行者の表示順情報を生成し、前記端末装置の表示部に表示
し、
前記融資希望者の金融口座情報を記憶する金融口座情報記憶部を有し、前記複数の融資実行者の前記表示順情報が同順位のとき、前記融資希望者の前記金融口座情報に基づいて、前記融資実行者毎の推定借入金額情報を生成し、前記推定借入金額情報に基づき、前記融資実行者の前記表示順情報の順位を定めることを特徴とする融資関連情報管理装置。
【請求項2】
前記
推定借入金額情報に基づき、前記融資実行者の前記表示順情報の順位を定めることができないとき、前記融資希望者の前記金融口座情報に基づいて、前記融資実行者毎の推定
預金額情報を生成し、前記推定
預金額情報に基づき、前記融資実行者の前記表示順情報の順位をさだめることを特徴とする請求項1に記載の融資関連情報管理装置。
【請求項3】
前記
複数の融資希望者側融資条件項目情報が、対応する前記融資実行者側融資条件項目情報に含まれていないときは、その理由情報を生成して、前記表示部に生成することを特徴とする請求項1
又は請求項2に記載の融資関連情報管理装置。
【請求項4】
融資希望者の端末装置と通信可能に接続され、融資希望者の複数の融資希望者側融資条件項目情報を記憶する融資希望者側融資条件情報記憶部と、融資を実行する複数の融資実行者のそれぞれの複数の融資実行者側融資条件項目情報を記憶する融資実行者側融資条件情報記憶部と、を有する融資関連情報管理装置の制御方法であって、
前記複数の融資希望者側融資条件項目情報と前記複数の融資実行者側融資条件項目情報は、それぞれ対応関係となっており、前記融資希望者の前記複数の融資希望者側融資条件項目情報のそれぞれが、融資実行者の対応する前記融資実行者側融資条件項目情報に含まれるか否か、を判断すると共に、前記含まれた前記融資希望者側融資条件項目の含有率情報を、前記融資実行者別に生成し、前記融資実行者別の前記含有率情報に基づいて、複数の前記融資実行者の表示順情報を生成し、前記端末装置の表示部に表示し、
前記複数の融資実行者の前記表示順情報が同順位のとき、金融口座情報記憶部に記憶される前記融資希望者の前記融資希望者の金融口座情報に基づいて、前記融資実行者毎の推定借入金額情報を生成し、前記推定借入金額情報に基づき、前記融資実行者の前記表示順情報の順位を定めることを特徴とす
る融資関連情報管理装置
の制御方法。
【請求項5】
融資希望者の端末装置と通信可能に接続され、融資希望者の複数の融資希望者側融資条件項目情報を記憶する融資希望者側融資条件情報記憶部と、融資を実行する複数の融資実行者のそれぞれの複数の融資実行者側融資条件項目情報を記憶する融資実行者側融資条件情報記憶部と、を有する融資関連情報管理装置
に、
前記複数の融資希望者側融資条件項目情報と前記複数の融資実行者側融資条件項目情報は、それぞれ対応関係となっており、前記融資希望者の前記複数の融資希望者側融資条件項目情報のそれぞれが、融資実行者の対応する前記融資実行者側融資条件項目情報に含まれるか否か、を判断する
機能、前記含まれた前記融資希望者側融資条件項目の含有率情報を、前記融資実行者別に生成し、前記融資実行者別の前記含有率情報に基づいて、複数の前記融資実行者の表示順情報を生成し、前記端末装置の表示部に表示
する機能、
前記複数の融資実行者の前記表示順情報が同順位のとき、金融口座情報記憶部に記憶される前記融資希望者の前記融資希望者の金融口座情報に基づいて、前記融資実行者毎の推定借入金額情報を生成し、前記推定借入金額情報に基づき、前記融資実行者の前記表示順情報の順位を定めることを特徴とする融資関連情報管理装置の制御
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、融資希望者に金融機関等の融資情報等を提供する融資関連情報管理装置、融資関連情報管理装置の制御方法、融資関連情報管理装置の制御プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、融資を受けること希望する事業者等が、複数の金融機関から融資に関する情報を得るには、融資を受けることを希望する事業者等が、自己の会計情報を複数の各金融機関に提供することが必要であった。
そして、これら複数の金融機関が、それぞれ、事業者等の会計情報を評価し、事業者等への融資条件に関する融資条件情報を生成し、当該事業者等に提供する仕組みが提案されていた。
また、この融資条件情報を事業者等に提示する際、融資条件が良い金融機関順に並び変えて表示する等の提案もなされていた。(例えば、特許文献1等)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、このようなシステムでは、融資を希望する事業者等の会計情報等を、各金融機関に送信して、融資条件の判断を受ける必要があり、金融機関のサーバから融資条件の情報を受け取るまで時間がかかる場合が多かった。
また、このシステムでは、融資を希望する事業者等が、融資を受けるか否か未決の多数の金融機関の全てに、自己の会計情報を提供することになり、当該事業者等にとって、抵抗があり、実際には、利用し難いシステムとなっていた。
【0005】
そこで、本発明は、融資を希望する事業者等が、実際に各金融機関に融資の申し込みを行う前に、融資を受ける金融機関に直接、自己の会計情報等を提示することなく、各金融機関の融資蓋然性情報を取得することができる融資関連情報管理装置、融資関連情報管理装置の制御方法、融資関連情報管理装置の制御プログラムを提供することを目的とする。
【0006】
上記目的は、本発明にあっては、融資希望者の端末装置と通信可能に接続されている融資関連情報管理装置であって、融資希望者の複数の融資希望者側融資条件項目情報を記憶する融資希望者側融資条件情報記憶部と、融資を実行する複数の融資実行者のそれぞれの複数の融資実行者側融資条件項目情報を記憶する融資実行者側融資条件情報記憶部と、を有し、前記複数の融資希望者側融資条件項目情報と前記複数の融資実行者側融資条件項目情報は、それぞれ対応関係となっており、前記融資希望者の前記複数の融資希望者側融資条件項目情報のそれぞれが、融資実行者の対応する前記融資実行者側融資条件項目情報に含まれるか否か、を判断すると共に、前記含まれた前記融資希望者側融資条件項目の含有率情報を、前記融資実行者別に生成し、前記融資実行者別の前記含有率情報に基づいて、複数の前記融資実行者の表示順情報を生成し、前記端末装置の表示部に表示し、前記融資希望者の金融口座情報を記憶する金融口座情報記憶部を有し、前記複数の融資実行者の前記表示順情報が同順位のとき、前記融資希望者の前記金融口座情報に基づいて、前記融資実行者毎の推定借入金額情報を生成し、前記推定借入金額情報に基づき、前記融資実行者の前記表示順情報の順位を定めることを特徴とする融資関連情報管理装置により達成される。
【0007】
前記構成構成によれば、融資希望者の複数の融資希望者側融資条件項目情報のそれぞれが、融資実行者の対応する融資実行者側融資条件項目情報に含まれるか否か、を判断すると共に、含まれた融資希望者側融資条件項目の含有率情報(例えばマッチング率等)を、融資実行者別に生成し、融資実行者別の前記含有率情報に基づいて、複数の前記融資実行者の表示順情報(例えば、マッチング率が高い順に表示等)を生成し、前記端末装置の表示部に表示する。
したがって、融資希望者は、自己の会計情報等を直接、融資実行者に開示することなく、各融資実行者の融資条件に、自己が該当するか否かを把握することができると共に、その結果を表示部で把握することができる。
また、この表示部に表示される金融機関は、融資を受ける可能性が高い順に表示されるので、融資希望者は、表示部を視認することで、多数の金融機関のうち、自己にとって有用な情報を迅速に把握することができる。
このように、本発明によれば、融資を希望する事業者等が、実際に各金融機関に融資の申し込みを行う前に、融資を受ける金融機関に直接、自己の会計情報等を提示することなく、各金融機関の融資蓋然性情報を取得することができる。
【0009】
前記構成によれば、融資希望者が融資実行者毎の借入額情報を入力しなくても、当該融資希望者の金融口座情報から各融資実行者における借入金額を自動的に推測できる。
したがって、融資に必要な情報が不足してても、各金融機関等の融資実行者に関する融資蓋然性情報を取得することができる。
【0010】
好ましくは、前記融資関連情報管理装置は、前記推定借入金額情報に基づき、前記融資実行者の前記表示順情報の順位を定めることができないとき、前記融資希望者の前記金融口座情報に基づいて、前記融資実行者毎の推定預金額情報を生成し、前記推定預金額情報に基づき、前記融資実行者の前記表示順情報の順位を定めることを特徴とする。
【0011】
前記構成によれば、融資希望者が融資実行者毎の預金額情報を入力しなくても、当該融資希望者の金融口座情報から自動的に推測することができる、
したがって、融資に必要な情報が不足してても、各金融機関等の融資実行者に関する融資蓋然性情報を取得することができる。
また、前記構成よれば、推定借入金額情報に基づいて、融資実行者の表示順の順位を定めることができないとき、融資実行者毎の推定預金額情報を生成し、推定預金額情報に基づき、融資実行者の前記表示順情報の順位をさだめる構成となっている。
すなわち、先ず、借入額を基準に表示順を定め、次いで、預金総額を基準に定める。
これは、借入を多く受けている融資実行者の方がより、融資希望者にとって、より親密度が高く、同じ融資条件であれば、融資を受ける蓋然性が高いからである。
【0012】
好ましくは、前記融資関連情報管理装置は、前記複数の融資希望者側融資条件項目情報が、対応する前記融資実行者側融資条件項目情報に含まれていないときは、その理由情報を生成して、前記表示部に生成することを特徴とする。
【0013】
前記構成によれば、融資希望者は、合致しない融資条件と、その理由が分るので、今後の対策を検討することができる。
【0014】
上記目的は、本発明にあっては、融資希望者の端末装置と通信可能に接続され、融資希望者の複数の融資希望者側融資条件項目情報を記憶する融資希望者側融資条件情報記憶部と、融資を実行する複数の融資実行者のそれぞれの複数の融資実行者側融資条件項目情報を記憶する融資実行者側融資条件情報記憶部と、を有する融資関連情報管理装置の制御方法であって、前記複数の融資希望者側融資条件項目情報と前記複数の融資実行者側融資条件項目情報は、それぞれ対応関係となっており、前記融資希望者の前記複数の融資希望者側融資条件項目情報のそれぞれが、融資実行者の対応する前記融資実行者側融資条件項目情報に含まれるか否か、を判断すると共に、前記含まれた前記融資希望者側融資条件項目の含有率情報を、前記融資実行者別に生成し、前記融資実行者別の前記含有率情報に基づいて、複数の前記融資実行者の表示順情報を生成し、前記端末装置の表示部に表示し、前記複数の融資実行者の前記表示順情報が同順位のとき、金融口座情報記憶部に記憶される前記融資希望者の前記融資希望者の金融口座情報に基づいて、前記融資実行者毎の推定借入金額情報を生成し、前記推定借入金額情報に基づき、前記融資実行者の前記表示順情報の順位を定めることを特徴とする融資関連情報管理装置の制御方法により達成される。
【0015】
上記目的は、本発明にあっては、融資希望者の端末装置と通信可能に接続され、融資希望者の複数の融資希望者側融資条件項目情報を記憶する融資希望者側融資条件情報記憶部と、融資を実行する複数の融資実行者のそれぞれの複数の融資実行者側融資条件項目情報を記憶する融資実行者側融資条件情報記憶部と、を有する融資関連情報管理装置に、前記複数の融資希望者側融資条件項目情報と前記複数の融資実行者側融資条件項目情報は、それぞれ対応関係となっており、前記融資希望者の前記複数の融資希望者側融資条件項目情報のそれぞれが、融資実行者の対応する前記融資実行者側融資条件項目情報に含まれるか否か、を判断する機能、前記含まれた前記融資希望者側融資条件項目の含有率情報を、前記融資実行者別に生成し、前記融資実行者別の前記含有率情報に基づいて、複数の前記融資実行者の表示順情報を生成し、前記端末装置の表示部に表示する機能、前記複数の融資実行者の前記表示順情報が同順位のとき、金融口座情報記憶部に記憶される前記融資希望者の前記融資希望者の金融口座情報に基づいて、前記融資実行者毎の推定借入金額情報を生成し、前記推定借入金額情報に基づき、前記融資実行者の前記表示順情報の順位を定めることを特徴とする融資関連情報管理装置の制御プログラムにより達成される。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように、本発明は、融資を希望する事業者等が、実際に各金融機関に融資の申し込みを行う前に、融資を受ける金融機関に直接、自己の会計情報等を提示することなく、各金融機関の融資蓋然性情報を取得することができる融資関連情報管理装置、融資関連情報管理装置の制御方法、融資関連情報管理装置の制御プログラムを提供できるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の実施の形態に係る「融資オークション管理システム1」を示す概略説明図である。
【
図2】
図1の「顧客端末10」の主な構成を示す概略ブロック図である。
【
図3】
図1に示す「融資オークション管理装置100」の主な構成を示す概略ブロック図である。
【
図4】管理装置側第1の各種情報記憶部110の主な構成を示す概略ブロック図である。
【
図5】管理装置側第1の各種情報記憶部120の主な構成を示す概略ブロック図である。
【
図6】管理装置側第1の各種情報記憶部130の主な構成を示す概略ブロック図である。
【
図7】管理装置側第1の各種情報記憶部140の主な構成を示す概略ブロック図である。
【
図8】管理装置側第1の各種情報記憶部150の主な構成を示す概略ブロック図である。
【
図9】管理装置側第1の各種情報記憶部160の主な構成を示す概略ブロック図である。
【
図10】本実施の形態にかかる融資オークション管理システム1の主な動作例を示す概略フローチャートである。
【
図11】本実施の形態にかかる融資オークション管理システム1の主な動作例を示す他の概略フローチャートである。
【
図12】本実施の形態にかかる融資オークション管理システム1の主な動作例を示す他の概略フローチャートである。
【
図13】本実施の形態にかかる融資オークション管理システム1の主な動作例を示す他の概略フローチャートである。
【
図14】銀行等借入額の金額と、各月の返済額等の情報を示す概略説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、この発明の好適な実施の形態を添付図面等を参照しながら、詳細に説明する。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0019】
図1は、本発明の実施の形態に係る「融資オークション管理システム1」を示す概略説明図である。
図1に示すように「融資オークション管理システム1」は、融資関連情報管理装置である例えば、融資オークション管理装置100、融資を受けることを希望する融資希望者である例えば、A社の端末装置である例えば、「顧客端末10」を有し、これらは、
図1のインターネット網2で通信可能に接続されている。
【0020】
また、同システム1は、融資実行者である例えば、金融機関であり、メガバンクである「甲銀行」の「甲銀行サーバ51」、同じく金融機関であり、政府系金融機関である「乙金融公庫」の「乙金融公庫サーバ52」、そして、同じく金融機関であり、信用金庫である「丙信用金庫」の「丙信用金庫サーバ53」を有し、これらのサーバ51等は、インターネット網2を介して、融資オークション管理装置100と通信可能な構成となっている。
【0021】
そして、
図1の融資オークション管理システム1の「顧客端末10」、「融資オークション管理装置100」及び「甲銀行サーバ51」、「乙金融公庫52」及び「丙金融公庫53」等は、コンピュータを有し、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)やハードディスク等を有し、バスを介して接続されている。
【0022】
図2は、
図1の「顧客端末10」の主な構成を示す概略ブロック図である。
図2に示すように、「顧客端末10」は、「顧客端末側制御部11」を有し、顧客端末側制御部11は、
図1の「融資オークション管理装置100」等と通信するための「顧客端末側通信装置12」、各種情報を表示するための「顧客端末側ディスプレイ13」そして、各種情報を入力する「顧客端末側各種情報入力装置14」を制御する構成となっている。
また、顧客端末側制御部11は、各種情報を記憶する「顧客端末側各種情報記憶部15」も制御する構成となっている。
【0023】
図3は、
図1に示す「融資オークション管理装置100」の主な構成を示す概略ブロック図である。
図3に示すように、「融資オークション管理装置100」は、「管理装置側制御部101」を有し、管理装置側制御部101は、
図3に示す
図1の「顧客端末10」等と通信するための「管理装置側通信装置102」、各種情報を表示するための「管理装置側ディスプレイ103」そして、各種情報を入力する「管理装置側各種情報入力装置104」を制御する構成となっている。
【0024】
また、管理装置側制御部101は、
図3に示す「管理装置側第1の各種情報記憶部110」、「管理装置側第2の各種情報記憶部120」、「管理装置側第3の各種情報記憶部130」、「管理装置側第4の各種情報記憶部140」、「管理装置側第5の各種情報記憶部150」及び「管理装置側第6の各種情報記憶部160」も制御する。
【0025】
図4乃至
図9は、それぞれ、「管理装置側第1の各種情報記憶部110」乃至「管理装置側第6の各種情報記憶部160」の主な構成を示す概略ブロック図である。これらの内容については、後述する。
【0026】
図10乃至
図13は、本実施の形態にかかる「融資オークション管理システム1」の主な動作例を示す概略フローチャートである。
本実施の形態では、融資を受けることを希望する(融資希望者)である例えば、A社が複数の金融機関に、直接、融資条件を問い合わせることなく、換言すれば、A社が融資を受けることを希望していることを金融機関に知らせることなく、そして、A社の「売上規模」「営業年数」「借入希望金額」「借入希望期間」「借入希望日」「金融機関の口座内容データ」等の融資条件項目情報を金融機関に知らせることなく、自己に有利な貸付条件を提示する蓋然性が高い金融機関を把握するために用いられる。
【0027】
図10乃至
図13のフローチャートに沿って説明する前に、本システム1を使用するための前段階について説明する。
具体的には、融資希望者であるA社が、自己の顧客端末10から融資オークション管理装置100にアクセスし、A社の情報をできる限り入力する。
例えば、「売上規模(例えば、8百万円/月)」、「営業年数(例えば、2年)」、「所在地(例えば、東京都)」、「借入希望金額(例えば、10百万円)」、「借入希望期間(例えば、5年)」、「借入希望日(例えば、4週間以内)」、金融口座情報である例えば、「金融機関の口座内容データ(例えば、通帳データ等)」等を入力する。
このとき、本実施の形態では、A社が「銀行等借入額」や「金融機関の預金総額」を入力しない例とする。
【0028】
このようにA社の「顧客端末10」から「融資オークション管理装置100」に入力された上述の情報は、
図4の「融資希望者情報」として「融資希望者情報記憶部111」に記憶される。
これらの「融資希望者情報」が、融資希望者側融資条件項目情報であり、「融資希望者情報記憶部」が融資希望者側融資条件情報記憶部の一例となっている。
【0029】
本実施の形態では、この段階では、
図4の「銀行等借入額」と「金融機関の預金総額」の欄には、A社がデータを入力していないため、データは記憶されていない。
【0030】
一方、融資実行者である金融機関、本実施の形態では、例えば、「甲銀行」「乙金融公庫」「丙信用金庫」が、本システム1に登録されている。
本発明では、多数の金融機関の登録を可能とするものであるが、本実施の形態では、説明の便宜上、3つ金融機関を例に説明する。
【0031】
これらの3つの金融機関(「甲銀行」「乙金融公庫」「丙信用金庫」)は、
図1に示すそれぞれの「甲銀行サーバ51」「乙金融公庫サーバ52」及び「丙信用金庫サーバ53」から、融資オークション管理装置100にアクセスし、必要な貸付条件のデータを登録する。
【0032】
例えば、それそれの金融機関の貸付条件である例えば、「貸付可能金額」、「貸付可能期間」、「貸付可能予定日」、「対象売上規模」、「対象営業年数」、「金融機関既借入額」、「融資可能地域」、「融資優遇地域」等を入力する。
【0033】
このように、各金融機関が、それぞれのサーバ51等から「融資オークション管理装置100」に入力された上述の情報は、
図4の「金融機関情報」として「金融機関情報記憶部112」に記憶される。
これらの「金融機関情報」が、融資実行者側融資条件項目情報であり、「金融機関情報記憶部」が融資希望者側融資条件情報記憶部の一例となっている。
【0034】
以上で、融資オークション管理装置100には、融資を受けることを希望するA社の情報と、融資を実行する各金融機関の貸付条件情報が記憶される。
このように、
図4の「金融機関情報」と「融資希望者情報」の各項目は、それぞれ対応する内容となっている。
【0035】
次いで、
図10乃至
図13のフローチャートに沿って、融資を受けることを希望するA社にとって、有利な貸付条件を提示する蓋然性が高い金融機関を把握するための工程を説明する。
先ず、ステップ(以下「ST」という。)1に進む。ST1では、「融資オークション管理装置100」は、
図4の「融資希望者情報記憶部111」のA社の「融資希望者情報」の「銀行等借入情報」が入力されているか否かを判断する。
そして、ST2で、入力されていないときは、ST3へ進む。
ST3以下では、「銀行等借入額」が未入力なため、A社の「金融機関口座内容(通帳データ等)」に基づき、A社の「銀行等借入額」を推計する。
これは、「銀行等借入額」の情報が、金融機関が融資等する際に必要な情報だからである。
【0036】
A社の「金融機関口座内容」には、例えば、金融機関の「通帳データ」等が含まれ、通帳データは、例えば、入金/出金の日付、入金又は出金の別、それらの摘要、金額等が含まれている。
【0037】
具体的には、以下のように推計する。
先ず、
図5の「返済額判断処理部(プログラム)121」が動作し、
図5の「返済額表示データ記憶部122」と、
図4のA社の「融資希望者情報記憶部111」を参照する。
「返済額表示データ記憶部122」には、「所定の返済額表示データ」である例えば、「借入」「カリイレ」「融資」「ユウシ」等の単語や金融機関名等の名称が予め記憶されている。
そして、同処理部121は、A社の「融資希望者情報記憶部111」の「金融機関口座内容」の「通帳データ」の「摘要」の表示データ(文言)が、「所定の返済額表示データ」に該当するか否かを判断して、該当したときは、「返済額データ」と判断して、その出金年月日データと関連付けて、
図5の「返済額データ記憶部123」に記憶する。
【0038】
次いで、ST4に進む。ST4では、
図5の「利息判断処理部(プログラム)124」が動作し、「通帳データ」の「摘要」の表示データ(文言)が、
図5の「利息表示データ記憶部125」に記憶されている所定の利息表示データ、例えば、「利息」等であるかを判断する。
そして、該当する場合は、「利息」データと判断し、出金年月日データと関連付けて、
図5の「利息データ記憶部126」に記憶する。
【0039】
以上で、「融資オークション管理装置100」は、A社の毎月の返済金(借入金)データである「返済額データ」と毎月の「利息データ」を取得することができる。
次いで、これら毎月の「返済額データ」と毎月の「利息データ」から借入金の予測に必要な「1年間の金利データ」及び「残債額データ」を生成する。
【0040】
先ず、「1年間の金利データ」を生成する。
具体的には、ST5へ進む。ST5では、
図6の「年間金利データ生成処理部(プログラム)131」が動作し、
図6の「年間金利データ演算記憶部132」に記憶されている以下の式を参照する。
すなわち、「年間金利データ=(n月の利息額-1月の利息額)÷(n+1月の返済額)×12」である。
【0041】
そして、同処理部(プログラム131)は、
図5の「返済額データ記憶部122」を参照し、「n+1月の返済額」である例えば、3月の返済額「600,000円」を取得して、代入する。
また、
図5の「利息データ記憶部126」を参照し、「n+1月の利息額」と「n月の利息額」、例えば、3月の利息額(29,000円)と2月の利息額(29、500円)を取得し、代入する。
そして、「年間金利データ」を求めて、
図6の「年間金利データ記憶部133」に記憶する。
【0042】
上述の例では、{(2月の利息額(29,500円)-(3月の利息額(29,000円)」÷(3月の返済額(600,000円)}×12で年間金利データは「1%」となり、この「1%」を
図6の「年間金利データ記憶部133」に記憶する。
【0043】
次いで、「n+1月の残債額」、例えば、3月の残債額を生成する。
具体的には、ST6へ進む。ST6では、
図7の「残債額データ生成処理部(プログラム)141」が動作し、
図6の「残債額データ演算記憶部134」に記憶されている以下の式を参照する。
すなわち、「(n+1月の残債額=(n+1月の利息額)÷{(n月の利息額-n+1月の利息額)÷(n+1月の返済額)}である。
【0044】
そして、同処理部141は、「返済額データ記憶部123」から「n+1月の返済額」である例えば、3月の返済額「600,000円」を取得して、代入する。
また、
図5の「利息データ記憶部126」を参照し、「n+1月の利息額」と「n月の利息額」、例えば、3月の利息額(29,000円)と2月の利息額(29、500円)を取得し、代入する。
そして、「3月の残債額データ」を求めて、
図7の「残債額データ記憶部142」に記憶する。
この「3月の残債額データ」が、
図4の「銀行等借入額」と推定借入金額情報の一例となっている。
【0045】
上記の例では「3月の利息額(29,000円)÷{(2月の利息額(29,500円)-3月の利息額(29,000円))÷3月の返済額(600,000円)}となり、「3月の残債額」は「34,800,000円」となる。
以上で、「年間金利(利率)データ」及び「残債額データ」を生成することができる。
したがって、これらの情報に基づき、法人等の融資の大半を占める元金均等返済の場合における「残債額データ」等の金額と、各月の返済額等の情報を
図14に示すように得ることができる。
【0046】
また、
図14に示すように、借入金の金利の支払い状況も把握することができる。
図14は、銀行等借入額の金額と、各月の返済額等の情報を示す概略説明図である。
図14に示すように、「融資オークション管理装置100」は、利用者の金融機関口座内容(通帳データ)を取得するだけで、融資希望者であるA社から銀行等借入額の情報の提供を受ける必要なく、銀行等借入額を精度良く予測することができる。
【0047】
そして、この「残債額(34,800,000円)」をA社の融資希望者情報の甲銀行等の金融機関の「銀行等借入額」に記憶する。
通常、融資を受ける者であるA社等は、融資の実行を受ける金融機関が定まっていない状態では、できるだけ自己の情報を開示したくないため、「銀行等借入額」という情報を開示したくない状況である。そこで、本システム1では、たとえ「銀行等借入額」の入力がなくとも、入力を強く求めることなく、自動的に「銀行等借入額」を推定し記憶することできる。
これにより、後述するように、A社等は、金融機関からの融資蓋然性情報を取得することができる。
【0048】
次いで、ST7へ進む。ST7では、「融資オークション管理装置100」が「融資希望者情報記憶部111」のA社の融資希望者情報の「金融機関の預金総額」が入力されているか否かを判断する。
そして、ST8で入力されていない場合、ST9へ進む。ST9では、
図7の「預金総額推計部(プログラム)143」が動作し、A社の融資希望者情報の「金融機関口座の内容(通帳データ等)」に基づき、A社の「預金総額」を推計し、A社の融資希望者情報記憶部の「金融機関の預金総額」に記憶する。
例えば、A社が、甲銀行等に、4千万円の預金があることを推計し、記憶する。
この推計された「預金総額」が、推定預金情報の一例となっている。
【0049】
このように、本実施の形態によれば、通常、融資を受ける者であるA社等が、融資の実行を受ける金融機関が定まっていない状態では、できるだけ自己の情報を開示したくないため、「金融機関の預金総額」という情報を開示したくない状況である。そこで、本システム1では、たとえ「金融機関の預金総額」の入力がなくとも、入力を強く求めることなく、自動的に「金融機関の預金総額」を推定し記憶することできる。
これにより、後述するように、A社等は、金融機関からの融資蓋然性情報を取得することができる。
【0050】
以上の工程で、本実施の形態では、A社の
図4の融資希望者情報の全てが入力され、次いで、A社と金融機関、本実施の形態では、「甲銀行」「乙金融公庫」「丙信用金庫」の融資条件等とのマッチング工程を行う。
【0051】
図12及び
図13は、A社と金融機関とのマッチング工程を示す概略フローチャートである。
先ず、ST11に進む。ST11では、
図7の「融資オークション管理装置100」の「マッチング部(プログラム)144」が動作し、A社の
図4の融資希望者情報の「売上規模(8百万円)」、「営業年数(2年)」「銀行等借入額(8.48千万円)」、「借入希望金額(10百万円)」、「借入希望期間(5年)」、「借入希望日(4週間以内)」及び「所在地(東京都)」を参照する。
【0052】
また、同部144は、
図4の「金融機関情報記憶部112」の金融機関情報の各金融機関、本実施の形態では、「甲銀行」「乙金融公庫」「丙信用金庫」の「対象売上規模」、「対象営業年数」、「金融機関既借入額」、「貸付可能金額」、「貸付可能期間」、「貸付可能予定日」、「融資可能地域」も参照する。
これら「金融機関情報」の各項目は、「融資希望者情報」の各項目と、それぞれ対応する関係となっているため、対比がし易い構成となっている。
【0053】
次いで、同部144は、A社の「融資希望者情報」の項目が、各金融機関(甲銀行、乙金融公庫、丙信用金庫)の条件に合致する率である「マッチング率(含有率情報の一例)」を算出し、
図8の「マッチング情報記憶部151」に記憶すると共に、合致しない項目の内容と理由も記憶される。
【0054】
例えば、本実施の形態では、
図8の「マッチング情報記憶部151」で示すように、甲銀行は、マッチング率100%で合致しない項目は「なし」、乙金融公庫は、マッチング率が100%で、合致しない項目はなし、丙信用金庫は、マッチング率83%で、合致しない項目は、「貸付予定日」で、その理由は、8週間以上でないために「合致せず」となっている。
【0055】
このように、本実施の形態では、融資を受けることを希望するA社の「融資希望者情報」の各項目と融資を実行する甲銀行等の金融機関の「金融機関情報」の各項目、それぞれ合致状態(マッチング率)を把握することができると共に、合致しない項目についての理由情報も記憶される。
したがって、融資を受けることを希望するA社は、各金融機関とのマッチング率と、マッチングしなかった項目と、その理由を把握することができる構成となっている。
このため、A社は、今後、融資を受けるときの対策を検討する資料を入手することができる。
【0056】
次いで、ST12へ進む。ST12では、
図8の「優遇地域情報判断部(プログラム)152」が動作し、融資希望者であるA社の
図4の「融資希望者情報」の「所在地(東京)」を参照し、
図4の「金融機関情報」の各金融機関(甲銀行等)の「融資優遇地域」と合致するか否かを判断し、合致したときは、
図8の「マッチング情報記憶部151」の当該金融機関に対応させて「融資優遇地域」である旨、記憶する。
【0057】
次いで、以下の工程で、
図1の顧客端末10の「顧客端末側ディスプレイ13」に表示する金融機関(甲銀行等)の表示順を決定する。
ST13へ進む。ST13では、
図8の「第1の表示処理部(プログラム)153」が動作し、
図8の「マッチング情報記憶部151」を参照し、マッチング率が高い順に、金融機関の表示順を特定する。
例えば、甲銀行と乙金融公庫は同列、次いで、丙信用金庫等と特定する。
この金融機関の表示順情報が、複数の融資実行者の表示順情報の一例となる。
【0058】
次いで、ST14へ進む。ST14では、
図9の「第2の表示処理部(プログラム)161」が動作し、表示の順位で、同順位に複数の金融機関があったか否かを判断する。
本実施の形態では、上述のように、甲銀行と乙金融公庫の順位が同順位となるため、同順位に複数の金融機関が存在することになる。
すなわち、ST15で、同順位に複数の金融機関が存在すると判断され、ST16へ進む。
【0059】
ST16では、同処理部161が動作し、表示順位が同順位の金融機関、本実施の形態では、甲銀行と乙金融公庫を対象に、A社がいずれの金融機関の借入残高等が多いかを判断する。
具体的には、
図4の「融資希望者情報記憶部111」のA社の「融資希望者情報」の「銀行等借入額」を参照し、A社の甲銀行と乙金融公庫の借入額(借入残高)を取得し、対比する。
【0060】
そして、同処理部161が動作し、ST17で借入残高が多い金融機関があるか否かを判断する。
本実施の形態では、
図4のA社の「銀行等借入額」では「甲銀行」の借入額が多いため、ST18へ進む。
【0061】
ST18では、「甲銀行」の表示順を「乙金融公庫」より上位にして、
図1の顧客端末10の顧客端末側ディスプレイ13に表示する。
具体的には、「甲銀行」「乙金融公庫」「丙信用金庫」の順に表示し、各金融機関の「マッチング率」、該当しない項目と、その理由も併せて表示される。
また、このとき、A社が、各金融機関の「融資優遇地域」に該当するか否かも表示される。
本実施の形態では、
図8の「マッチング情報記憶部151」に示すように、乙金融公庫と丙信用金庫では、A社は「融資優遇地域」に該当するので、その旨も表示される。
【0062】
このように、本実施の形態では、融資を受けること希望するA社等の「融資希望者情報」の各項目と、融資を実行する金融機関の「金融機関情報」である「融資(貸付)条件」の各項目が、最も合致している順、すなわち、A社にとって融資蓋然性が高い順に表示される。
このため、A社は、自己の融資を受けるに最適な金融機関を迅速に把握することができる。
また、本実施の形態では、マッチング判定で、合致しなかった項目について、その理由もA社の顧客端末側ディスプレイ13表示されるので、A社は今後の融資対策を策定し易い。
さらに、A社が、各金融機関の「融資優遇地域」に該当するか否かも表示されるため、関連する有利な情報も同時に迅速に取得することができる。
【0063】
一方、ST17で、借入残高が多い金融機関がなく、いずれも同じ借入残高の場合、ST19へ進む。
ST19では、同処理部161が動作し、借入残高を対比しても金額が同じ場合、預金総額を対比して、金額の多い金融機関が存在するか否かを判断する。
そして、ST20で、預金総額が多い金融機関があるときは、ST21へ進む。ST21では、預金総額の多い金融機関の表示順を上位にして、
図1の顧客端末10の顧客端末側ディスプレイ13に表示する。
その際、各金融機関の「マッチング率」、該当しない項目と、その理由も併せて表示され、各金融機関の「融資優遇地域」に該当するか否かも表示される。
【0064】
本実施の形態では、金融機関の表示順を定めるときに、最初に「借入残高」の多い順で判断し、次いで、「預金総額」で判断するが、その理由は以下のとおりである。
すなわち、借入を多く受けている金融機関等融資実行者の方がより、A社等の融資希望者にとって、より親密度が高く、同じ融資条件であれば、融資を受ける蓋然性が高いからである。
【0065】
ST20で、預金総額に差がないときは、ST22へ進む。ST22では、
図9の「第3の表示処理部(プログラム)162」が動作し、預金総額で、同順位に複数の金融機関があった場合、A社等の融資希望者の
図4の「融資希望者情報」の「売上規模」を参照する。
そして、売上規模の多寡により、メガバンク、準メガバンク、第一地銀、政府系金融機関、第二地銀、信用金庫等の金融機関の表示順を選択して表示する。
【0066】
例えば、融資を受けることを希望するA社等の会社の売上規模が1億円以上のときは、メガバンク、準メガバンクに該当する金融機関の表示順を上位とし、売上規模が5千万以上、1億円未満のときは、第一地銀の表示順を上位とし、さらに、売上規模が5千万未満のときは、政府系金融機関、第2地銀、信金等の表示順を上位とする。
【0067】
このように、融資を受けることを希望するA社等の会社の「売上規模」に応じて、より使い易い金融機関をより上位に表示することで、A社等の融資を受けることを希望する会社等が、融資等を受け易い金融機関を選択し易いこととなる。
【0068】
ST22でも、ST22で定めた表示順で金融機関を
図1の顧客端末10の顧客端末側ディスプレイ13に表示すると共に、各金融機関の「マッチング率」、該当しない項目と、その理由も併せて表示され、各金融機関の「融資優遇地域」に該当するか否かの情報も表示される。
【0069】
なお、金融機関を表示順に従い、
図1の顧客端末10の顧客端末側ディスプレイ13に表示する際、併せて、当該会社等が該当する金融機関による低金利融資キャンペーン、重点取引希望(業種、地域等)等を表示する構成とすることもできる。
【0070】
以上のように、本実施の形態では、融資を希望する事業者等が、実際に各金融機関に融資の申し込みを行う前に、融資を受ける金融機関に直接、自己の通帳データ等の会計情報等を提示することなく、各金融機関の融資蓋然性情報を取得することができる。
【0071】
以上説明した本実施形態においては、装置として実現される場合を例に挙げて説明したが、本発明は、これに限定されず、コンピュータに実行させることのできるプログラムとして、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクなど)、光ディスク(CD-ROM、DVDなど)光磁気ディスク(MO)、半導体メモリなどの記憶媒体に格納され頒布されてもよい。
【0072】
また、記憶媒体は、プログラムを記憶でき、かつコンピュータが読み取り可能な記憶媒体であればよい。記憶媒体の記憶形式は、特には限定されない。
【0073】
また、記憶媒体からコンピュータにインストールされたプログラムの指示に基づきコンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)や、データベース管理ソフト、ネットワークソフト等のMW(ミドルウェア)等が本実施形態を実現するための各処理の一部を実行してもよい。
【0074】
さらに、本発明における記憶媒体は、コンピュータと独立した媒体には限定されず、LANやインターネット等により伝送されたプログラムをダウンロードして記憶または一時記憶した記憶媒体も含まれる。
【0075】
また、本発明におけるコンピュータは、記憶媒体に記憶されたプログラムに基づいて本実施形態における各処理を実行すればよく、1つのパソコン等からなる装置であってもよいし、複数の装置がネットワーク接続されたシステム等であってもよい。
【0076】
また、本発明におけるコンピュータとは、パソコンには限定されず、情報処理機器に含まれる演算処理装置、マイコン等も含み、プログラムによって本発明の機能を実現することが可能な機器、装置を総称している。
【0077】
以上、本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明は、上記実施形態に限定されず、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で種々の変更を行うことができる。上記実施形態の構成は、その一部を省略したり、上記とは異なるように任意に組み合わせたりすることができる。
【符号の説明】
【0078】
1・・・融資オークション管理システム、2・・・インターネット網、10・・・顧客端末、11・・・顧客端末側制御部、12・・・顧客端末側通信装置、13・・・顧客端末側ディスプレイ、14・・・顧客端末側各種情報入力装置、15・・・顧客端末側各種情報記憶部、51・・・甲銀行サーバ、52・・・乙金融公庫サーバ、53・・・丙信用金庫サーバ、100・・・融資オークション管理装置、101・・・融資オークション管理装置、102・・・管理装置側通信装置、103・・・管理装置側ディスプレイ、104・・・管理装置側各種情報入力装置、110・・・管理装置側第1の各種情報記憶部、111・・・融資希望者情報記憶部、112・・・金融機関情報記憶部、120・・・管理装置側第2の各種情報記憶部、121・・・返済額判断処理部(プログラム)、122・・・返済額データ記憶部、123・・・返済額データ記憶部、124・・・利息判断処理部(プログラム)、125・・・利息表示データ記憶部、126・・・利息データ記憶部、130・・・管理装置側第3の各種情報記憶部、131・・・年間金利データ生成処理部(プログラム)、132・・・年間金利データ演算記憶部、133・・・年間金利データ記憶部、134・・・残債額データ演算記憶部、140・・・管理装置側第4の各種情報記憶部、141・・・残債額データ生成処理部(プログラム)、142・・・残債額データ記憶部、143・・・預金総額推計部(プログラム)、144・・・マッチング部(プログラム)、150・・・管理装置側第5の各種情報記憶部、151・・・マッチング情報記憶部、152・・・優遇地域情報判断部(プログラム)、153・・・第1の表示処理部(プログラム)、160・・・管理装置側第6の各種情報記憶部、161・・・第2の表示処理部(プログラム)、162・・・第3の表示処理部(プログラム)