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特許7533882点検管理システムと点検管理方法とそのプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-05
(45)【発行日】2024-08-14
(54)【発明の名称】点検管理システムと点検管理方法とそのプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/20 20230101AFI20240806BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20240806BHJP
【FI】
G06Q10/20
G06Q50/10
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2023223752
(22)【出願日】2023-12-29
【審査請求日】2023-12-29
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】524005718
【氏名又は名称】トラストウェイ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】505351681
【氏名又は名称】エコマス株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】509164164
【氏名又は名称】地方独立行政法人山口県産業技術センター
(74)【代理人】
【識別番号】100111132
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 浩
(72)【発明者】
【氏名】若▲崎▼ 英紀
(72)【発明者】
【氏名】安藤 竜馬
(72)【発明者】
【氏名】吉木 大司
【審査官】松野 広一
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-086540(JP,A)
【文献】特開2016-035622(JP,A)
【文献】国際公開第2020/261550(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
点検対象を特定する点検対象コードと前記点検対象に想定される複数種類の点検結果に対応して予め準備された中から点検者によって選択された点検状況コードに、撮影時刻と撮影位置を含む付帯情報と、を加えて点検画像を撮影する点検端末と、前記点検画像から前記点検対象コード、前記点検状況コード及び前記付帯情報を読み出して、点検対象情報、点検状況情報、撮影時刻情報及び撮影位置情報を得る画像解析部と、前記点検対象情報、前記点検状況情報、前記撮影時刻情報及び前記撮影位置情報に対する配置が予め定められた点検レポートフォームに、前記点検対象情報、前記点検状況情報、前記撮影時刻情報及び前記撮影位置情報を割り当てて点検レポートを自動生成するレポート作成部と、前記点検レポートを閲覧可能に出力する出力部と、を有することを特徴とする点検管理システム。
【請求項2】
前記点検状況情報は点検者IDを含み、前記点検対象情報、前記撮影時刻情報及び前記撮影位置情報と、前記点検者IDとを紐付けて点検担当者評価書を自動生成する点検担当者情報処理部を有することを特徴とする請求項1記載の点検管理システム。
【請求項3】
点検対象を特定する点検対象コードと前記点検対象に想定される複数種類の点検結果に対応して予め準備された中から点検者によって選択された点検状況コードに、撮影時刻と撮影位置を含む付帯情報を加えて撮影された点検画像から、画像解析部が、前記点検対象コード、前記点検状況コード及び前記付帯情報を読み出して、点検対象情報、点検状況情報、撮影時刻情報及び撮影位置情報を得る画像解析工程と、レポート作成部が、前記点検対象情報、前記点検状況情報、前記撮影時刻情報及び前記撮影位置情報に対する配置が予め定められた点検レポートフォームに、前記点検対象情報、前記点検状況情報、前記撮影時刻情報及び前記撮影位置情報を割り当てて点検レポートを自動生成するレポート作成工程と、出力部が、前記点検レポートを閲覧可能に出力する出力工程と、を有することを特徴とする点検管理方法。
【請求項4】
前記点検状況情報は点検者IDを含み、点検担当者情報処理部が、前記点検対象情報、前記撮影時刻情報及び前記撮影位置情報と、前記点検者IDとを紐付けて点検担当者評価書を自動生成する点検担当者情報処理工程を有することを特徴とする請求項3記載の点検管理方法。
【請求項5】
コンピュータによって、点検対象の点検結果を管理するために実行されるプログラムであって、前記点検対象を特定する点検対象コードと前記点検対象に想定される複数種類の前記点検結果に対応して予め準備された中から点検者によって選択された点検状況コードに、撮影時刻と撮影位置を含む付帯情報を加えて撮影された点検画像から、前記点検対象コード、前記点検状況コード及び前記付帯情報を読み出して、点検対象情報、点検状況情報、撮影時刻情報及び撮影位置情報を得る画像解析工程と、前記点検対象情報、前記点検状況情報、前記撮影時刻情報及び前記撮影位置情報に対する配置が予め定められた点検レポートフォームに、前記点検対象情報、前記点検状況情報、前記撮影時刻情報及び前記撮影位置情報を割り当てて点検レポートを自動生成するレポート作成工程と、前記点検レポートを閲覧可能に出力する出力工程と、を実行させることを特徴とする点検管理プログラム。
【請求項6】
前記点検状況情報は点検者IDを含み、前記点検対象情報、前記撮影時刻情報及び前記撮影位置情報と、前記点検者IDとを紐付けて点検担当者評価書を自動生成する点検担当者情報処理工程を有することを特徴とする請求項5記載の点検管理プログラム。
【請求項7】
前記点検対象は、シロアリを誘引してその発生を点検するステーションであることを特徴とする請求項1記載の点検管理システム。
【請求項8】
前記点検対象は、シロアリを誘引してその発生を点検するステーションであることを特徴とする請求項3記載の点検管理方法。
【請求項9】
前記点検対象は、シロアリを誘引してその発生を点検するステーションであることを特徴とする請求項5記載の点検管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、点検対象情報と点検状況情報を含むコードと共に、撮影時刻と撮影位置を含む付帯情報を加えて点検対象を撮影し、これらの情報を解析しつつ、これらの情報に対する配置が予め定められた点検レポートフォームに解析結果を割り当てて点検レポートを自動生成する点検管理システムと点検管理方法とそのプログラムに関する。
また、本発明は、特にシロアリ防除を目的とした点検管理システムと点検管理方法とそのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
施設内の装置や屋外の設備や工事現場等の現場では、安全管理や工程管理のために定期的に点検や検査が必要な場合があり、現場での作業やその点検や検査に対する結果報告の際の効率化や自動化は作業者や管理者の労力を低減させるための重要な課題となっている。
例えば、特許文献1に開示される発明では、作業現場にいる複数の作業者を同時に支援することが可能な遠隔作業支援システムが開示されている。このシステムでは、支援者端末の表示画面に複数の作業者の識別情報と選択された作業者に対応する作業者端末から送信された画像を同時に表示することが可能である。
また、特許文献2には、通信端末から施設情報を受け取り、その通信端末に点検項目を送る点検項目選択部と、点検結果を通信端末から受取り、点検結果の適否を判断する結果判断部を備え、点検結果の内容が適正である場合に点検項目の作業が完了したことを通信端末に指示し、点検結果の内容が不適である場合に必要な点検項目を通信端末に指示する指示部を備えることで、現場の点検者に対して、遠隔で点検に関する情報や指示を行うことが可能な点検管理システムが開示されている。
さらに、特許文献3では、工場内部設置された動的な装置等に対してではなく、屋外において設置された静的な装置の点検に関する発明が開示されている。具体的には、建物の周囲にシロアリの監視を行う複数のステーションを設置し、各ステーションから収集した点検情報からシロアリの発生状況を分析する情報分析部と、生成した分析情報から点検時の指示情報を新規に生成する情報指示部とを備えて、生成した指示情報を点検用端末に送信可能な技術が開示されている。
また、シロアリの検知はセンサによって行い、温湿度情報も加えてシロアリの検知情報が管理コンピュータに送信されて、データベースに登録されるという技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2021-82295号公報
【文献】特開2010-128717号公報
【文献】特開2021-86540号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示される発明は、作業現場にいる複数の作業者を同時に支援することが可能であるものの、結局は複数の作業者のそれぞれに対応する労力は変わらず、作業現場での省力化には限界があるという課題があった。
また、特許文献2に開示される発明では、点検者ページを備えて、点検者によって点検項目毎に用意されたプルダウンやラジオボタン等の入力情報が表示され、点検者による入力作業の負担を減らすことができると同時に、管理者と点検結果に関する情報をリアルタイムで共有できるものの、それぞれのプルダウンやラジオボタン毎に入力が必要であり、また、一定の点検項目と点検結果が常に存在しているような現場ではなく、点検項目や点検結果が一定ではなく、現場や点検対象毎に変化するような場合には、プルダウンやラジオボタンによるメニューも複雑化し、点検者の負担は大きくなり、精度が低下してしまうおそれがあるという課題があった。
さらに、特許文献3に開示される発明のシロアリ防除のための管理支援システムにおいても、点検担当者は点検対象の顧客の建物の各ステーションについて点検を行い、端末を用いて点検入力画面から点検情報(点検結果)を入力しなければならず、現場での点検時間の短縮には限界があるという課題があった。
【0005】
本発明はかかる従来の事情に対処してなされたものであり、現場における点検作業とその点検作業の結果に対するレポート作成作業、さらには点検担当者の管理も含めて作業の効率化と自動化を図り、省力化を促進することが可能な点検管理システムと点検管理方法及び点検管理プログラムを提供することを目的としている。
加えて、点検対象によって、点検内容と点検結果あるいは処置内容等点検に関連する多種多様な情報が変動し、その取捨選択が迫られる場合でも、高効率かつ高精度に対応可能な点検管理システムと点検管理方法及び点検管理プログラムを提供することも目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、第1の発明である点検管理システムは、点検対象を特定する点検対象コードと前記点検対象に想定される複数種類の点検結果に対応して予め準備された中から点検者によって選択された点検状況コードに、撮影時刻と撮影位置を含む付帯情報と、を加えて点検画像を撮影する点検端末と、前記点検画像から前記点検対象コード、前記点検状況コード及び前記付帯情報を読み出して、点検対象情報、点検状況情報、撮影時刻情報及び撮影位置情報を得る画像解析部と、前記点検対象情報、前記点検状況情報、前記撮影時刻情報及び前記撮影位置情報に対する配置が予め定められた点検レポートフォームに、前記点検対象情報、前記点検状況情報、前記撮影時刻情報及び前記撮影位置情報を割り当てて点検レポートを自動生成するレポート作成部と、前記点検レポートを閲覧可能に出力する出力部と、を有することを特徴とするものである。
なお、撮影時刻と撮影位置を含む付帯情報を加えて点検画像を撮影する点検端末とは、点検端末がGPS機能を備え、撮影時刻と撮影位置を付帯情報(メタデータ)としてEXIF情報等で画像に埋め込むことが可能な点検端末を意味する。
【0007】
また、第2の発明である点検管理システムは、第1の発明において、前記点検状況情報は点検者IDを含み、前記点検対象情報、前記撮影時刻情報及び前記撮影位置情報と、前記点検者IDとを紐付けて点検担当者評価書を自動生成する点検担当者情報処理部を有することを特徴とするものである。
なお、本願における「ID」とは、識別可能な数字、文字、記号等及びそれらの組合せをいう。
【0008】
第3の発明である点検管理方法は、点検対象を特定する点検対象コードと前記点検対象に想定される複数種類の点検結果に対応して予め準備された中から点検者によって選択された点検状況コードに、撮影時刻と撮影位置を含む付帯情報を加えて撮影された点検画像から、前記点検対象コード、前記点検状況コード及び前記付帯情報を読み出して、点検対象情報、点検状況情報、撮影時刻情報及び撮影位置情報を得る画像解析工程と、前記点検対象情報、前記点検状況情報、前記撮影時刻情報及び前記撮影位置情報に対する配置が予め定められた点検レポートフォームに、前記点検対象情報、前記点検状況情報、前記撮影時刻情報及び前記撮影位置情報を割り当てて点検レポートを自動生成するレポート作成工程と、前記点検レポートを閲覧可能に出力する出力工程と、を有することを特徴とするものである。
【0009】
第4の発明である点検管理方法は、第3の発明において、前記点検状況情報は点検者IDを含み、前記点検対象情報、前記撮影時刻情報及び前記撮影位置情報と、前記点検者IDとを紐付けて点検担当者評価書を自動生成する点検担当者情報処理工程を有することを特徴とするものである。
【0010】
第5の発明である点検管理プログラムは、コンピュータによって、点検対象の点検結果を管理するために実行されるプログラムであって、前記点検対象を特定する点検対象コードと前記点検対象に想定される複数種類の前記点検結果に対応して予め準備された中から点検者によって選択された点検状況コードに、撮影時刻と撮影位置を含む付帯情報を加えて撮影された点検画像から、前記点検対象コード、前記点検状況コード及び前記付帯情報を読み出して、点検対象情報、点検状況情報、撮影時刻情報及び撮影位置情報を得る画像解析工程と、前記点検対象情報、前記点検状況情報、前記撮影時刻情報及び前記撮影位置情報に対する配置が予め定められた点検レポートフォームに、前記点検対象情報、前記点検状況情報、前記撮影時刻情報及び前記撮影位置情報を割り当てて点検レポートを自動生成するレポート作成工程と、前記点検レポートを閲覧可能に出力する出力工程と、を実行させることを特徴とするものである。
【0011】
第6の発明である点検管理プログラムは、第5の発明において、前記点検状況情報は点検者IDを含み、前記点検対象情報、前記撮影時刻情報及び前記撮影位置情報と、前記点検者IDとを紐付けて点検担当者評価書を自動生成する点検担当者情報処理工程を有することを特徴とするものである。
【0012】
第7の発明である点検管理システムは、第1の発明において、前記点検対象は、シロアリを誘引してその発生を点検するステーションであることを特徴とするものである。
【0013】
第8の発明である点検管理方法は、第3の発明において、前記点検対象は、シロアリを誘引してその発生を点検するステーションであることを特徴とするものである。
【0014】
第9の発明である点検管理プログラムは、第5の発明において、前記点検対象は、シロアリを誘引してその発生を点検するステーションであることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0015】
第1の発明に係る点検管理システムでは、点検状況コードに予め想定される複数種類の点検結果を点検状況情報として入力しておくことで、点検作業を行う点検担当者が点検結果に応じて、その点検状況コードを点検対象コードと共に点検対象の付近に置いて、撮影時刻と撮影位置を含む付帯情報を付加することが可能な点検端末で点検画像として撮影することで、点検画像に点検対象情報、点検状況情報、撮影時刻情報及び撮影位置情報を含めることが可能である。しかも、点検対象コードと点検状況コードは点検対象の付近に置いて撮影することが可能であるので、点検対象の状況も一緒に点検画像に含めることが可能である。
この点検画像を画像解析部で解析することで、点検対象の状況画像に加えて、点検対象情報、点検状況情報、撮影時刻情報及び撮影位置情報を得ることが可能である。
したがって、点検現場では、点検担当者が点検対象コードと点検状況コードを選択して点検対象の付近に配置して付帯情報を点検画像に埋め込むことが可能な点検端末で撮影するだけで足りるので、現場における点検作業の効率化と自動化を図り、省力化を図ることが可能である。
さらに、レポート作成部が、点検対象情報、点検状況情報、撮影時刻情報及び撮影位置情報の配置が予め定められた点検レポートフォームに、それぞれの情報を割り当てて点検レポートを自動生成するので、点検画像を解析してそれぞれの情報を抽出するだけで、点検レポートが自動生成され、点検後のレポート作成の効率化と自動化を図り、省力化を図ることも可能である。
なお、点検状況コードは点検の内容によって異なる結果やその結果への対応内容も異なるが、これらの点検結果、点検結果対応のそれぞれに応じて予め点検状況コードとして点検担当者が携帯しておくことで、点検の結果に応じて適宜点検対象の付近に配置させることが可能である。また、時間の経過によって点検の内容が異なってきたり、その結果も異なるような状況となっても、点検状況コードを増やすことで対応することが可能であり、点検管理システムでは迅速かつ柔軟に対応することが可能である。
【0016】
第2の発明に係る点検管理システムでは、点検担当者情報処理部が、前記点検対象情報、前記撮影時刻情報及び前記撮影位置情報と点検者IDを紐付けて点検担当者評価書を自動生成することができるので、実際に点検者が点検現場へ出向いて行った点検に関する情報のみをベースとして点検担当者を評価することが可能である。
【0017】
第3の発明に係る点検管理方法及び第5の発明に係る点検管理プログラムは、第1の発明に係る点検管理システムをそれぞれ方法発明、プログラム発明として捉えたものであるので、その効果は第1の発明と同様である。
【0018】
第4の発明に係る点検管理方法及び第6の発明に係る点検管理プログラムは、第2の発明に係る点検管理システムをそれぞれ方法発明、プログラム発明として捉えたものであるので、その効果は第2の発明と同様である。
【0019】
第7の発明に係る点検管理システム、第8の発明に係る点検管理方法及び第9の発明に係る点検管理プログラムは、それぞれ点検対象をシロアリを誘引してその発生を点検するステーションとするものであり、その効果は第1の発明、第3の発明及び第5の発明と同様である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の実施の形態に係る点検管理システムのブロック図である。
図2】本発明の実施の形態に係る点検管理システムのデータベースのブロック図である。
図3】本発明の実施の形態に係る点検管理システムによって実行される点検管理のフロー図である。
図4】(a)は本発明の実施の形態に係る点検管理システムにおける点検ステーションとその中のデバイス及びステーション蓋裏を撮影した画像、(b)及び(c)は点検ステーションとその中のデバイス、ステーション蓋裏に加えて点検状況・対応タグを撮影した画像を示す。
図5】本発明の実施の形態に係る点検管理システムにおける点検状況・対応タグに示される点検状況コードとそれに含まれるコード情報を示す概念図である。
図6】本発明の実施の形態に係る点検管理システムにおけるモニタリングレポート(点検レポート)の概念図である。
図7】(a)及び(b)は、本発明の実施の形態に係る点検管理システムにおけるモニタリングレポートのステーション点検結果の欄を示す概念図である。
図8】本発明の実施の形態に係る点検管理システムにおけるモニタリング履歴書を示す概念図である。
図9】本発明の実施の形態に係る点検管理システムにおける点検担当者評価書を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、本発明の実施の形態に係る点検管理システムについて図1図9を参照しながら説明する。本実施の形態では、シロアリ防除のために顧客の建物の床下や庭の敷地へ埋設し、デバイスと呼ばれるシロアリ専用の餌木を内部に収容してシロアリを誘引し、シロアリの発生の有無を検知する点検ステーションと呼ばれる装置を点検対象として説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る点検管理システム1のブロック図であり、図2は点検管理システム1のデータベース4のブロック図である。図3は本発明の実施の形態に係る点検管理システム1によって実行される点検管理のフロー図である。この図3は、本願発明の点検管理方法や点検管理プログラムに対してはその実行工程を表すものでもあり、この図を参照しながら点検管理システム1における点検管理の流れを説明することは点検管理方法及びコンピュータを用いた点検管理プログラムの実施の形態について説明することと同義である。
なお、図3において、「S」で示す工程に関する記載から引き出し線を用いて示した符号や工程に関する記載を覆うようにした破線から引き出し線で示した符号は図1に示される点検管理システム1の構成要素であり、その符号を同一としている。
【0022】
図1において、点検管理システム1は、入力部5、出力部6、情報通信ネットワーク7を介して接続される点検端末としての点検携帯端末3、処理部2の他、データベース4として、顧客データベース20、点検データベース22及び点検担当者データベース26から構成されている。この点検管理システム1は、コンピュータサーバ内でそれぞれの機能を発揮し得る演算回路や記憶装置を備えたシステムを想定することができる。
入力部5はデータ受信部として機能し、点検携帯端末3や閲覧顧客端末33等の装置や情報通信ネットワーク7からの受信装置や、点検管理システム1の管理者や点検担当者がデータ入力する際に利用するキーボード、マウス、ペンタブレット、光学式の読取り装置等が相当する。
また、出力部6としてはディスプレイ装置や情報通信ネットワークへの送信装置やデータ送信部として他の装置へデータを転送するトランスミッタのようなものが考えられる。すなわち、図1の構成要素が一体でなくとも入力部5と出力部6を分離して別体に設けて、有線又は無線でデータや情報を処理部2やデータベース4、あるいは点検携帯端末3や閲覧顧客端末33との間で送受信するシステム構成とすることも可能である。
【0023】
点検携帯端末3は点検対象である点検ステーション30の蓋を外してデバイスを露出させた状態にして、蓋裏に設置された点検ステーション30毎のステーションID(ST-ID)タグ31及び点検状況・対応タグ32を同時に撮影した点検画像を得るための装置である。また、点検携帯端末3はGPS装置が搭載されておりGPS機能を発揮することが可能であり、また、情報としての撮影時刻と撮影位置を付帯情報(メタデータ)として画像に埋め込む機能を備えている。なお、撮影時刻の時刻情報についてはGPSの基本時刻系の他、NITZ(Network Identify and Time Zone)規格に対応可能な機能を用いてもよい。
【0024】
次に、点検管理システム1の処理部2には、付帯情報解析部9とコード情報解析部10を備えた画像解析部8、顧客情報処理部11、レポート・履歴書作成部12、コード生成部13、アラート生成部14及び点検担当者情報処理部15が備えられている。
画像解析部8の付帯情報解析部9は、点検携帯端末3によって撮影された点検画像に含まれる付帯情報を解析する装置であり、コード情報解析部10はST-IDタグ31に記された点検対象コードと点検状況・対応タグ32に記された点検状況コードに含まれるコード情報を解析する装置である。なお、本願ではタグとしてのST-IDタグ31とそのST-IDタグ31をコード情報解析部10によって解析して得られたIDそのもの、すなわち点検対象情報を意味するST-ID46を区別している。また、付帯情報とコード情報については図2に示されるデータベース4の構成を参照しながら後述する。
顧客情報処理部11は、点検管理システム1の管理者によって処理部2を介して入力される顧客情報を情報内容に応じてデータベース4の顧客データベース20に読み出し可能に格納する装置である。また、顧客が閲覧顧客端末33を介して点検レポートデータベース25から点検レポート情報51(モニタリングレポート60)や点検履歴書情報52(モニタリング履歴書68)を読み出して閲覧する際に、入力されるパスワード等の個人認証手段を入力部5を介して受信して認証する装置である。
具体的な顧客情報については図2を参照しながら後述する。
レポート・履歴書作成部12は、点検ステーション30の点検結果の入力を受けて点検毎にまとめられるレポートと一定期間内の点検結果すべての一覧である履歴書を生成し、データベース4の点検レポートデータベース25に読み出し可能に格納する装置である。具体的なレポートと履歴書の内容については図6,7及び図8を参照しながら後述する。
【0025】
コード生成部13は、点検担当者あるいは点検管理システム1の管理者によって入力部5を介して入力された情報をコードとして生成する装置である。生成されたコードはST-IDタグ31や点検状況・対応タグ32に直接印刷されるか、別体に印刷したものをこれらに設置される。コード生成部13は情報をコードとして生成することができるのであれば別体に設けられてもよい。
アラート生成部14は、例えば2ヶ月の定期点検日が近づいてきた際、あるいは徒過してしまった際に警報情報を発信するものである。警報情報は顧客毎、必要に応じて点検ステーション30毎に生成され、生成された警報情報は点検担当者毎に出力部6で表示されたり、点検担当者が個別に所持する点検携帯端末3に送信される。警報情報の活用については、図3,9を参照しながら後述する。
点検担当者情報処理部15は、点検管理システム1の管理者によって処理部2を介して入力される点検担当者情報を情報内容に応じてデータベース4の点検担当者データベース26に読み出し可能に格納する装置である。また、この点検担当者情報処理部15はアラート生成部14における警報情報の生成時に、警報情報の発生元の点検ステーション30に対応する顧客情報に基づく点検担当者情報をアラート生成部14に送信する機能も有する。
なお、本実施の形態に係る点検管理システム1には、点検ステーション30やST-IDタグ31、点検状況・対応タグ32及び閲覧顧客端末33は含まれていないが、これらを含めて概念してもよい。
【0026】
また、データベース4の顧客データベース20には顧客情報データベース21、点検データベース22には点検画像データベース23、点検タグデータベース24及び点検レポートデータベース25、点検担当者データベース26には点検担当者評価書データベース27がそれぞれ格納されている。
【0027】
次に、図2を参照しながら、データベース4に格納されているそれぞれのデータについて説明し、点検管理システム1において扱われる情報の内容についても説明を加える。
図2において、データベース4内の顧客データベース20には、顧客毎に顧客情報データベース21が格納されており、それぞれの顧客情報データベース21には、顧客ID35に紐付けされた顧客氏名・住所36、顧客位置情報37、点検日計画38、点検日履歴39及び点検担当者ID40が読み出し可能に格納されている。
顧客氏名・住所36は文字通り顧客の氏名・名称及び住所に関するテキストデータであり、顧客位置情報37は顧客の位置情報に関するデータである。位置情報とは全地球測位システム(GPS)を用いて得られる全地球測位データを意味し、具体的には緯度及び経度の数値からなるデータである。点検日計画38は点検担当者が顧客を訪問し、その建物や庭等の敷地内に設置された点検ステーション30を点検する日程に関するデータであり、さらに、顧客との契約期間もデータとして含まれている。点検日履歴39は点検担当者が点検ステーション30を点検した点検日の履歴に関するデータである。さらに、点検担当者ID40は顧客毎に割り振られた点検担当者のID情報である。
これらの情報は点検管理システム1を用いたシロアリ防除サービスの提供の契約が締結された後、管理者によって入力部5及び顧客情報処理部11を介してデータベース4の顧客情報データベース21に格納されるものである。
【0028】
次に、データベース4の点検データベース22に、顧客情報データベース21毎に、すなわち顧客ID35に紐付けされた状態で格納される点検画像データベース23について説明する。
点検画像データベース23にはST-ID46に紐付けされた点検画像41が格納されている。点検画像41は点検携帯端末3によって撮影された画像であり、この画像は、点検ステーション30の蓋を外してデバイスを露出させた状態と蓋裏に設置されたST-IDタグ31及び点検状況・対応タグ32を同時に撮影したものであり、ST-IDタグ31は点検対象コードを、点検状況・対応タグ32は点検状況コードを含むものであるが、これらの詳細は図4及び図5を参照しながら後述する。
【0029】
次に、点検データベース22に、顧客情報データベース21毎に、すなわち顧客ID35に紐付けされた状態で格納される点検タグデータベース24について説明する。点検タグデータベース24にはST-ID46に紐付けられた付帯情報42とコード情報45が格納されている。付帯情報42は点検画像41を画像解析部8の付帯情報解析部9で解析した結果得られる情報であり、コード情報45は点検画像41の撮影の際に同時に撮影されたST-IDタグ31と点検状況・対応タグ32を画像解析部8のコード情報解析部10を用いて解析した結果得られる情報である。
付帯情報42には撮影時刻43と撮影位置44に関する情報が含まれ、コード情報45には点検対象情報としてのST-ID46、点検担当者情報としての点検担当者ID40、点検状況情報としてのシロアリ有無・種類47とデバイス交換有無48及び薬剤注入有無49が含まれる。また、点検状況情報に点検担当者情報を含めてもよい。
なお、ST-ID46は紐付けるためのIDとして示されているものの、コード情報45にも含まれるのでコード情報45に付属するような構成としても点検タグデータベース24に含めている。また、ST-ID46はST-IDタグ31の点検対象コード(図4の点検対象コード34a参照)から、点検担当者ID40及びシロアリ有無・種類47から薬剤注入有無49までは点検状況・対応タグ32の点検状況コード(図5の点検状況コード34b参照)から得られるコード情報45である。
なお、本願における「コード」とは1次元コード及び2次元コードの他、データ・情報を変換して示すことができる図形や画像、あるいは数字、文字や記号を含む概念である。
【0030】
点検担当者ID40は、点検ステーション30を点検し、点検携帯端末3を用いて点検ステーション30をST-IDタグ31と点検状況・対応タグ32を含めて撮影した点検者に関するIDである。
シロアリ有無・種類47は、点検結果に関するデータであり、点検によって認識されたシロアリの発生有無及びシロアリが発見された場合のイエシロアリやヤマトシロアリ等の種類に関する情報である。
デバイス交換有無48は、点検結果に応じて講じられた対応策に関する情報であり、シロアリが発生後に薬剤を注入してシロアリを駆除した後のデバイスの交換の有無に関する情報である。また、薬剤注入有無49も点検結果に応じて講じられた対応策に関する情報であり、シロアリの発生に対してベイト剤と呼ばれるシロアリの脱皮阻害剤を注入したことの有無に関する情報である。なお、シロアリは定期的に脱皮を繰り返すため、ベイト剤を喫食したシロアリは脱皮ができず、徐々に絶命していくのである。
【0031】
次に、点検データベース22に、顧客情報データベース21毎に、すなわち顧客ID35に紐付けされた状態で格納される点検レポートデータベース25について説明する。
点検レポートデータベース25には、点検レポート情報51と点検履歴書情報52が格納されている。点検レポート情報51と点検履歴書情報52は、出力部6及び情報通信ネットワーク7を介して閲覧顧客端末33によって閲覧可能な点検レポートに関する情報と点検履歴書に関する情報である。これらの内容についてはそれぞれ図6,7及び図8を参照しながら後述する。
【0032】
次に、データベース4の点検担当者データベース26に、点検担当者毎に格納される点検担当者評価書データベース27について説明する。
点検担当者評価書データベース27には、点検担当者ID40に紐付けされた状態で点検担当者氏名50及び点検担当者評価書情報53が格納されている。点検担当者氏名50は点検担当者を特定するための情報であり、点検担当者評価書情報53は点検担当者を評価するための情報である。詳細には図9を参照しながら点検担当者評価書に記載される情報として後述する。
【0033】
以下、図3図9を参照しながら、点検管理システム1を用いて行う点検ステーションの点検管理の流れを説明する。
図3は本発明の実施の形態に係る点検管理システムによって実行される点検管理のフロー図である。図4の(a)は本発明の実施の形態に係る点検管理システムにおける点検ステーションとその中のデバイス及びステーション蓋裏を撮影した画像、(b)及び(c)は点検ステーションとその中のデバイス、ステーション蓋裏に加えて点検状況・対応タグを撮影した画像を示す。図5は本発明の実施の形態に係る点検管理システムにおける点検状況・対応タグに表示される点検状況コードとそれに含まれるコード情報を示す概念図である。
まず、ステップS1は本点検管理システム1を用いてシロアリ防除を行うことを契約した顧客の建物あるいは敷地内に点検ステーション30を設置する工程である。点検ステーション30にはデバイスと呼ばれるシロアリ専用の餌木を収容しておく。
次に、ステップS2は点検担当者による点検ステーション30に出向いて点検する工程であり、点検は2ヶ月等の間隔をおいて定期的に行われる。
ステップS3は現地での点検の際に点検ステーション30の蓋を開けてデバイスにシロアリ等の害虫がいないか確認する工程である。デバイスの餌木はシロアリ専用であるがクロアリ等の害虫も誘引されるので、これらも含めて発生の有無を確認する。
【0034】
点検ステーション30は、図4(a)の点検画像41に示されるとおり蓋55を開けると、内部に餌木となるデバイス54が収容されている。また、蓋55の裏にはST-IDタグ31が貼付されており、このST-IDタグ31に点検対象コード34aが表示されており、その点検対象コード34aにコード情報であるST-ID46が含まれている。なお、ST-ID46の具体的内容は特に限定しないが、点検ステーション30が複数存在する場合には、そのいずれであるかの識別が可能な、例えば点検ステーション設置箇所番号あるいは記号や符号のようなものを含めておくとよい。
ステップS3でシロアリ等の害虫発生があると確認されると、ステップS4aで、異状ありとして点検担当者は、図4(b)の点検画像41に示されるように点検ステーション30の蓋55の裏に貼付されたST-IDタグ31と、点検担当者が持参した複数の点検状況・対応タグ32のうち、点検状況に応じて選択された点検状況・対応タグ32とを点検携帯端末3を用いて撮影し、その後元通り蓋を閉める。
一方、ステップS3で害虫の非発生が確認されると、ステップS4bで、異状なしとして点検担当者は同様に点検ステーション30の蓋裏に貼付されたST-IDタグ31と点検担当者が持参した害虫の発生なしの点検状況・対応タグ32とを点検携帯端末3によって用いて撮影し、その後元通り蓋を閉める。
【0035】
ここで点検状況・対応タグ32について説明を加える。
点検状況・対応タグ32には、点検担当者、点検結果に応じた点検状況と点検結果への対応措置に関するコード情報45が、図5に示される点検状況コード34bに含めてある。これらの情報は予め想定される複数種類の点検結果と対応措置について管理者あるいは点検担当者によって処理部2のコード生成部13によって点検状況コード34bに変換され、点検状況・対応タグ32に印刷あるいは設置(貼付)されている。
具体的には、点検結果としては、ヤマトシロアリの発生、イエシロアリの発生、クロアリの発生、その他の害虫の発生、害虫の発生なし、シロアリの根絶、その他の害虫の根絶等のシロアリ有無・種類47に関する情報があり、対応措置としては、シロアリの脱皮阻害剤の投入、他のクロアリ等の害虫に対する駆除剤の投入等の薬剤注入有無49、あるいは脱皮阻害剤や駆除剤の交換、デバイスの交換等のデバイス交換有無48に関する情報がある。
したがって、図4(c)の点検画像41に示すとおり、例えば点検結果としてヤマトシロアリの発生があったという点検状況・対応タグ32と、その結果対応措置としてシロアリ脱皮阻害剤を投入したという点検状況・対応タグ32の2種類を点検ステーション30の近傍において同時に点検画像41を撮影する場合もある。なお、点検担当者毎に異なる点検担当者ID40は点検担当者を特定するためにいずれの点検状況・対応タグ32の点検状況コード34bにも含めておくとよい。
【0036】
このほか、点検業務において派生するような点検結果や対応措置については、管理者や担当者がコード生成部13を用いて点検状況コード34bを生成し、新たに現場で使用可能な点検状況・対応タグ32を準備する。
なお、点検状況・対応タグ32には点検状況コードの他、点検結果や対応措置に関する用語を記載しておいたり、点検結果や対応措置の内容に応じて着色したり模様を付すことで点検担当者による誤選択のミスを防止可能である。また、本実施の形態においては、点検状況・対応タグ32の置忘れの場合や点検担当者の特定を考慮して害虫の発生なしの場合の点検状況・対応タグ32を用いたが、異状なしの場合には点検状況・対応タグ32なしでST-IDタグ31のみを撮影してもよい。
さらに、ST-IDタグ31や点検状況・対応タグ32は紙やプラスチックで作製することができ、安価であり、紛失したり劣化した場合でも容易に追加作成が可能であるので、点検業務に与える経済的な影響も少ないという長所がある。
【0037】
図3に戻って、ステップS5の点検画像41の送信工程として、撮影された点検画像41は、点検担当者によって点検携帯端末3から情報通信ネットワーク7及び入力部5を介して処理部2の画像解析部8に送信される。
ステップS6は、画像解析部8による点検携帯端末3から送信された点検画像41の受信工程である。
さらに、ステップS7として、点検担当者は点検ステーション30の位置をずらすローテーションを行う。これは、常に点検ステーション30が固定されていることによる顧客の点検の有無に対する疑念を解消するためであり、シロアリの防除とは直接関係するものではない。
【0038】
ステップS8は、付帯情報解析部9及びコード情報解析部10を備える画像解析部8による点検画像41の画像解析工程である。
このステップS8で、付帯情報解析部9では、点検画像41の付帯情報42に含まれる撮影時刻43と撮影位置44を解析によって読み出し、コード情報解析部10では点検画像41に含まれるST-IDタグ31と点検状況・対応タグ32に対し、ST-IDタグ31の点検対象コード34aからはコード情報45としてST-ID46を解析によって読み出し、そのST-ID46に点検画像41を紐付けて、画像解析部8から点検画像データベース23へ送信して読み出し可能に格納する。また、コード情報解析部10では、点検状況・対応タグ32の点検状況コード34bからコード情報45として点検担当者ID40、シロアリ有無・種類47、デバイス交換有無48及び薬剤注入有無49を解析によって読み出す。
さらに、画像解析部8は、ST-ID46に付帯情報42として撮影時刻43と撮影位置44を紐付けて点検タグデータベース24に読み出し可能に格納し、ST-ID46にコード情報45としてST-ID46、点検担当者ID40、シロアリ有無・種類47、デバイス交換有無48及び薬剤注入有無49を紐付けて点検タグデータベース24に読み出し可能に格納する。
また、画像解析部8は、点検画像41が顧客の敷地内で撮影されたものであるか否かを確認するため、顧客情報データベース21から顧客位置情報37を読み出して撮影位置44と照合する。この照合によって、点検画像データベース23及び点検タグデータベース24は、顧客情報データベース21毎に、すなわち顧客ID35に紐付けされた状態で格納されることになる。さらに、画像解析部8は照合して点検画像41が顧客の敷地内で撮影されたものと確認できた場合には、撮影時刻43と撮影位置44にST-ID46を加えて点検日履歴39として顧客ID35及び点検担当者ID40に紐付けて顧客情報データベース21に格納する。
【0039】
次に、ステップS9はレポート・履歴書作成部12によるレポート作成工程である。レポート・履歴書作成部12によるレポート作成工程については、図6及び図7を参照しながら説明する。図6は本発明の実施の形態に係る点検管理システムにおけるモニタリングレポート(点検レポート)の概念図であり、図7(a)及び(b)は、本発明の実施の形態に係る点検管理システムにおけるモニタリングレポートのステーション点検結果の欄を示す概念図である。
点検管理システム1では、予め図6に示されるようなモニタリングレポート60のフォームが点検レポートデータベース25の点検レポート情報51の一部として格納されている。また、このモニタリングレポート60のフォームでは、お客様名と点検日時が表示される顧客名欄61、点検サービスを提供する会社名とその連絡先及び点検担当者名が表示されるサービス提供者名欄62、さらに点検エリア見取り図63と付番された点検ステーション30が設置された箇所を示す点検ステーション設置箇所番号64と、それぞれの点検ステーション30毎の点検ステーション点検結果65が表示されるエリアが予め設定されている。
【0040】
レポート・履歴書作成部12は、画像解析部8によって解析されて得られたST-ID46から顧客情報データベース21の顧客ID35を読み出し、これに紐付けられている顧客氏名・住所36や点検日履歴39を顧客名欄61へ割り当て、また、ST-ID46から点検タグデータベース24の点検担当者ID40を読み出し、これからさらに点検担当者評価書データベース27の点検担当者氏名50を読み出し、これをサービス提供者名欄62の担当者の欄に割り当てる。なお、ST-ID46が格納される点検画像データベース23は顧客ID35が格納される顧客情報データベース21に紐付けられて構成されるので、ST-ID46から顧客ID35を読み出すことが可能である。
さらに、レポート・履歴書作成部12は、顧客情報データベース21から顧客氏名・住所36と点検日履歴39から顧客名及び点検日時を読み出し、ST-ID46から点検ステーション設置箇所番号64、ST-ID46から点検画像データベース23の点検画像41、点検タグデータベース24の撮影時刻43、シロアリ有無・種類47、デバイス交換有無48及び薬剤注入有無49を読み出す。そして、レポート・履歴書作成部12は点検ステーション設置箇所番号64と点検画像41を点検ステーション点検結果65の欄内に割り当て、そして、上記のその他の情報に点検ステーション設置箇所番号64や点検担当者氏名50も加えて、点検ステーション点検結果65の欄の点検画像41の隣の点検要旨67に割り当てる。
また、「その他の害虫情報」の欄も含めた備考欄66はシロアリ以外の害虫やその駆除に関する情報や点検担当者による気づきや顧客に対する注意事項等、通常通りではない情報について備考として記載する欄であり、この部分は個別に点検担当者が入力することで対応するが、効率化と自動化を進めるために、想定されるイベントに関する簡潔な定型文章を予め点検レポート情報51に含めておき、点検担当者が該当するイベントを選択して入力できるようにしておくとよい。
【0041】
ここで、特に点検ステーション点検結果65の欄について図7を参照しながら説明を加える。
例えば、図7(a)及び(b)に示されるとおり、点検ステーション点検結果65の欄は、点検ステーション設置箇所番号64毎に設けられており、点検ステーション30と蓋55の裏、さらに点検状況・対応タグ32が同時に撮影されている点検画像41が表示され、その隣に顧客氏名、点検ステーション設置箇所番号64、点検担当者名、点検日時、点検結果・点検対応に関する情報が、点検要旨67として示されている。
なお、図7(a)及び(b)には撮影位置44に関する情報が示されていないが、前述のとおり画像解析部8が、顧客位置情報37と点検タグデータベース24の撮影位置44を照合してST-ID46に紐付けられた付帯情報42やコード情報45が顧客ID35に紐付けられるべき情報であることを確認済であるので、モニタリングレポート60の点検要旨67の欄にST-ID46から得られる点検ステーション30の点検ステーション設置箇所番号64や顧客氏名・住所36を記載することは撮影位置44を示していることと同義である。
さらに、その他、これらの図に示されていない情報であっても、顧客情報データベース21、点検画像データベース23、点検タグデータベース24に格納されているデータを適宜レポート・履歴書作成部12によって読み出して、予め定められた位置に配置してもよい。また、図6及び図7に示した配置に限定しなくともよい。
そして、レポート・履歴書作成部12は生成したモニタリングレポート60を点検レポートデータベース25に点検レポート情報51として読み出し可能に格納する。
【0042】
したがって、点検担当者は点検時にステップS3としてシロアリ等の害虫発生の有無を確認し、点検ステーション30の蓋55の裏のST-IDタグ31と、異状の有無に応じて、点検状況・対応タグ32を取り出して点検携帯端末3を用いて撮影し、その点検画像41を処理部2の画像解析部8に対して送信するだけであることから、現場における点検作業は短時間に完了し、点検担当者の省力化を図ることが可能である。
また、画像解析部8によって得られた点検結果に関する情報が、レポート・履歴書作成部12によってモニタリングレポート60のフォームに割り当てられ、自動的にモニタリングレポート60が生成されるので、点検結果に対するレポート作成作業もほぼ点検作業と同時に終了させることができ、点検担当者及びシステム管理者も含めて作業の効率化と自動化に基づく省力化を促進することが可能である。
【0043】
ステップS10は、顧客による閲覧工程である。レポート・履歴書作成部12によって自動生成されたモニタリングレポート60は、情報通信ネットワーク7に接続された閲覧顧客端末33の求めに応じて、点検レポートデータベース25から出力部6を介して閲覧可能となる。すなわち、ステップS10はモニタリングレポート60の出力工程でもある。顧客は顧客ID35と予め定めたパスワード等の個人認証手段を閲覧顧客端末33から入力し、これを入力部5を介して受信した顧客情報処理部11が認証して、顧客ID35に紐付けされた状態で格納される点検レポートデータベース25から自己の点検レポート情報51に含まれるモニタリングレポート60を読み出すことができる。
顧客は、モニタリングレポート60の完成と同時に点検レポートデータベース25から出力可能であるので、点検日のうちに点検担当者名をはじめ、シロアリの発生の有無等について点検結果を把握することができる。
【0044】
ステップS11は前述のとおり2ヶ月程度の点検間隔期間の経過を示すものである。アラート生成部14は、点検間隔期間の満了前の予め定めたタイミングで、顧客ID35毎の顧客情報データベース21の点検日計画38から点検担当者を割り出し、点検管理システム1の出力部6から点検担当者毎に点検携帯端末3に警報情報を送信する、あるいは点検管理システム1の出力部6としてのディスプレイに点検担当者毎に警報情報を表示してシステム管理者に伝達する。このように警報情報を発信することで点検日の徒過を防止する。また、タイミングは点検間隔期間の満了前のみならず、徒過後も設定されることが望ましく、また、回数も複数回であることが望ましい。生成された警報情報はアラート生成部14によて点検担当者評価書情報53の一部として点検担当者ID40に紐付けて読み出し可能に格納される。
ステップS11の点検間隔期間の経過によって、ステップS2の点検ステーション30の点検に戻り、契約期間で定められた定期点検をステップS3からステップS12まで繰り返し行う。
【0045】
このようにして点検が繰り返されることで点検結果が蓄積し、その履歴が増加する。処理部2のレポート・履歴書作成部12は、1回の点検結果ではなく蓄積された点検結果としてモニタリング履歴書も自動で生成することができる。
具体的には図8を参照しながら説明する。図8は本発明の実施の形態に係る点検管理システムにおけるモニタリング履歴書を示す概念図である。
点検管理システム1では、図8に示されるようなモニタリング履歴書68のフォームが予め点検レポートデータベース25の点検履歴書情報52の一部として格納されている。また、このモニタリング履歴書68のフォームでは、お客様名が表示される顧客名欄61と、契約期間、シロアリの発生があったヒット回数やその日付、駆除回数、駆除が完了した駆除年月日、対象シロアリの種類、家屋の被害状況、駆除状況、近隣シロアリ状況、他害虫状況等が表示されるモニタリング履歴内容欄69が表示されるエリアが予め設定されている。
なお、本実施の形態ではステップS9としてレポート・履歴書作成部12がモニタリングレポート60を作成するレポート作成工程として説明したが、このステップS9でレポート・履歴書作成部12がモニタリング履歴書68を作成する工程として履歴書作成工程に替えてもあるいは追加してもよい。その場合、ステップS10の閲覧工程はモニタリング履歴書68の出力工程でもある。
【0046】
レポート・履歴書作成部12は、モニタリングレポート60と同様にST-ID46から顧客情報データベース21の顧客ID35を読み出し、これに紐付けられている顧客氏名・住所36を顧客名欄61へ割り当てる。また、レポート・履歴書作成部12は、モニタリング履歴内容欄69の契約期間に点検日計画38に含まれる契約期間のデータを割り当て、ヒット回数、ヒット年月日、駆除回数、駆除年月日及び対象シロアリの箇所は、点検日履歴39と点検レポートデータベース25に格納されている点検レポート情報51を照合し、シロアリ有無・種類47、デバイス交換有無48、薬剤注入有無49等の情報を参照しながら、それぞれ該当するヒット(シロアリ発生)や駆除のイベントをカウントして日付と共にモニタリング履歴内容欄69へ割り当てる。
さらに、レポート・履歴書作成部12は、モニタリング履歴内容欄69の家屋被害状況の有無、近隣シロアリ状況及び他害虫状況は点検レポート情報51に含まれるモニタリングレポート60のその他害虫情報の欄を含めた備考欄66の情報を検索して抽出して割り当てる。前述のとおり備考欄に記入されているのは定型文章であることから、容易に検索抽出が可能となっている。
駆除状況としては、ヒット年月日がない場合には、「非発生」を選択し、駆除年月日以降にヒット年月日がない場合には「完遂」を選択し、逆にヒット年月日以降に駆除年月日がない場合には「駆除中」を選択する。
【0047】
次に、図9を参照しながら、点検担当者情報処理部15による点検担当者評価書70の生成について説明する。図9は本発明の実施の形態に係る点検管理システムにおける点検担当者評価書を示す概念図である。
点検管理システム1では、図9に示されるような点検担当者評価書70のフォームが予め点検担当者評価書データベース27の点検担当者評価書情報53の一部として格納されている。また、この点検担当者評価書70のフォームでは、点検担当者氏名50が表示される点検担当者名欄62aと、担当顧客数、直近3ヶ月間点検件数、点検計画実行比率(過去1年間)、担当顧客IDの不一致回数、点検遅刻・警報情報発生回数(過去1年間)、顧客評価ポイント(5点満点)が表示される点検担当者評価内容欄71が表示されるエリアが予め設定されている。
点検担当者情報処理部15は、点検担当者ID40から点検担当者評価書データベース27の点検担当者氏名50を読み出して点検担当者名欄62aへ割り当てる。また、点検担当者情報処理部15は、点検担当者評価内容欄71の担当顧客数に、すべての顧客の顧客情報データベース21から点検担当者ID40に紐付けられている顧客ID35の数を計算し、その結果を割り当てる。直近3ヶ月間の点検件数としてもすべての顧客の顧客情報データベース21の点検担当者ID40に紐付けられている点検日履歴39から点検件数を抽出して割り当てる。点検計画実行比率は、同様に点検担当者ID40に紐付けられている点検日計画38における計画点検数で点検日履歴39における実行点検数を除した数値を割り当てて%で表示する。
点検日履歴39には撮影時刻43、撮影位置44及びST-ID46が含まれているので、点検日の抽出、点検件数の抽出も可能である。
【0048】
さらに、担当顧客IDの不一致回数は、図5に示すとおり、点検状況・対応タグ32の点検状況コード34bには点検担当者ID40が含まれていることから、点検担当者自身が点検現場で出向いて点検を行い、点検ステーション30の蓋55の裏に貼付されているST-IDタグ31のST-ID46に紐付けて付帯情報42とコード情報45を点検タグデータベース24に格納しておくことで、点検担当者が付帯情報42に含まれる撮影時刻43に撮影位置44で点検を行ったことが証明可能となっている。そして、顧客情報データベース21に顧客ID35に紐付けられる点検担当者ID40と照合することで、担当の顧客も明らかとなり、顧客毎に現場で行った点検数や点検結果に関する情報として点検日履歴39が点検ステーション30毎に把握される。
したがって、点検日に点検担当者が担当の現場へ何らかの理由で出向くことができず、他の点検担当者が代わって点検をすると担当顧客IDの不一致が検出されるが、この回数をカウントして表示することで点検担当者の業務遂行の程度を把握することが可能となる。なお、前述のとおり、点検管理システム1では、予め顧客情報データベース21に顧客ID35に紐付けられた顧客位置情報37が格納されているので、点検担当者によって撮影された点検画像41から得られて点検タグデータベース24に撮影位置44として格納された情報を画像解析部8が照合することで、点検担当者が実際に点検現場に出向いていたか否かを確認可能である。
【0049】
また、遅刻は、点検担当者情報処理部15が顧客情報データベース21の点検日計画38と点検タグデータベース24の撮影時刻43とを照合することで認定可能であり、すべての担当顧客における回数を合算して表示する。さらに、警報はアラート生成部14によって点検予定日を徒過して生成された警報情報をカウントするものであり、これは格納された点検担当者評価書情報53から読み出して、すべての担当顧客における回数を合算して表示する。図9では遅刻と警報情報の発生回数が合計で示されているが、個別に表示してもよい。
最後の顧客評価ポイントはモニタリングレポート60を受け取った顧客による5点満点評価である。前述のとおり、点検完了後すぐにモニタリングレポート60を閲覧可能であるので、顧客が点検担当者の点検ぶりに対する記憶が鮮明なタイミングを逃すことがなく、より精度の高い点検担当者評価が可能となっている。
このようにして完成した点検担当者評価書70は点検担当者情報処理部15によって点検担当者評価書データベース27に点検担当者評価書情報53として読み出し可能に格納される。点検管理システム1の管理者は、点検担当者評価書データベース27に格納された点検担当者評価書情報53を管理者が使用する端末から、情報通信ネットワーク7及び出力部6を介して読み出して閲覧することが可能である。
なお、本実施の形態ではステップS10として、顧客から閲覧顧客端末33の求めに応じて点検レポートデータベース25から出力部6を介して閲覧可能となる閲覧工程を説明したが、このステップS10の後、顧客から顧客評価ポイントを閲覧顧客端末33から情報通信ネットワーク7及び入力部5を介して点検担当者情報処理部15が受信した後に、点検担当者情報処理部15が点検担当者評価書70を作成する工程として評価書作成工程(点検担当者情報処理工程)を追加してもよい。
【0050】
以上説明したとおり、本実施の形態に係る点検管理システム1では、以下の7つの主たる特徴を備えている。
(1)点検状況・対応タグ32の点検状況コード34bに点検担当者ID40を含める。
(2)顧客ID35に点検担当者ID40と顧客位置情報37を紐付ける。
(3)点検ステーション30の蓋55の裏にST-IDタグ31の点検対象コード34aにST-ID46を含める。
(4)ST-IDタグ31と点検状況・対応タグ32を同時に点検携帯端末3で撮影する。
(5)点検携帯端末3はGPS機能と、撮影時刻と撮影位置を付帯情報(メタデータ)として画像に埋め込む機能を備えている。
(6)画像解析部8が点検画像41に含まれる撮影位置と顧客ID35に紐付けられた顧客位置情報37を照合する機能を備えている。
(7)モニタリングレポート60、モニタリング履歴書68及び点検担当者評価書70は予めフォームが定まっている。
(8)モニタリングレポート60は点検画像41を備えた点検ステーション点検結果65と点検エリア見取り図63が同時に配置されている。
【0051】
これらの特徴から、以下のような優れた効果を発揮することができる。
(a)ST-IDタグ31にはST-ID46、点検状況・対応タグ32には点検担当者ID40の他、予め想定される点検結果と対応措置に関する情報が含まれているので、ST-IDタグ31と点検状況・対応タグ32を同時に点検携帯端末3で撮影して点検画像41を得ることで、点検作業を短時間に効率的に終了することができる。
(b)レポート類が予めデータが割り当てられる欄、エリアが定まったフォームから構成されており、レポート・履歴書作成部12や点検担当者情報処理部15が点検によって得られたデータ・情報を割り当てるだけでモニタリングレポート60、モニタリング履歴書68及び点検担当者評価書70の生成が可能であり、自動化することができるため、点検業務の省力化を図ることが可能である。
(c)モニタリングレポート60は顧客が視覚的に点検結果を把握することができる。また、点検画像41が含まれることで実際に点検が実行されたことを容易に把握することができる。
(d)点検状況・対応タグ32に点検担当者ID40が含まれているので、点検担当者が実際に現場で点検を行ったことが証明できる。さらに、点検携帯端末3がGPS機能と付帯情報を画像に埋め込む機能を備えており、付帯情報に含まれる撮影位置44と顧客位置情報37を照合することでより正確に点検担当者による現場での点検を証明することができる。
【0052】
本実施の形態においては、シロアリ防除のための点検ステーション30と呼ばれる装置を点検対象とした点検管理システム1を説明したが、点検対象は特に点検ステーション30に限定されるものではない。
例えば、様々なプラントにおけるポンプ、バルブ、ボイラー等の機器をはじめ、生産ラインにおける搬送ライン、計器類、経年劣化を生じる部材等を点検対象としてもよい。それらの場合も点検対象にはST-IDタグ31を設けておき、点検担当者が点検携帯端末3と点検状況・対応タグ32を所持して、ST-IDタグ31と点検状況・対応タグ32を同時に、点検対象と共に点検携帯端末3で撮影して点検画像41を得る。点検画像41の解析は処理部2の付帯情報解析部9とコード情報解析部10からなる画像解析部8で同様に行い、レポート・履歴書作成部12や点検担当者情報処理部15が同様に予め用意されたフォームに、予め定めた配置に沿って得られた情報を割り当てることでモニタリングレポート60、モニタリング履歴書68及び点検担当者評価書70を自動生成する。
【0053】
本実施の形態における顧客は個別のプラントや生産ライン等が対応し、それらに顧客ID35に代えてプラントや生産ライン毎のIDを付与すればよい。顧客氏名・住所36にはそれらの名称や設置場所が対応し、顧客位置情報37はそのまま設置場所のGPS情報を対応させればよい。
ST-IDタグ31に点検対象コードを記してそのコードにポンプやバルブ、搬送ライン等の点検対象を特定するための情報を含めて、ST-IDタグ31を点検対象に設置すればよいし、点検状況・対応タグ32については、点検状況コードを記して、そのコードに現場毎に予め想定される発熱、発火、発煙、漏洩、固着、停止、振動、共振、発錆等の点検結果と薬剤投入、消火、部品交換、装置交換、清掃、養生等の対応措置に関する情報を点検担当者ID40と共に含めておいて、点検担当者が点検携帯端末と共に所持して点検を行ない、適宜点検画像を撮影して点検管理システム1の処理部2へ送信し、付帯情報解析部9とコード情報解析部10を備えた画像解析部8で解析すればよい。
解析の結果得られるデータはデータベース4のそれぞれの顧客情報データベース21、点検画像データベース23、点検タグデータベース24へ格納する。
モニタリングレポート60も同様に予め情報の配置場所を定めたフォームを点検レポート情報51に用意しておき、レポート・履歴書作成部12によって情報を割り当てて自動生成させ、モニタリング履歴書68も同様に点検履歴書情報52を活用しながら、レポート・履歴書作成部12が自動生成させることができる。
点検担当者評価書70も点検担当者情報処理部15によって点検担当者評価書情報53を活用しながら自動生成させることが可能である。
したがって、様々なシステムの点検対象を想定して本実施の形態に係る点検管理システム1を適用することが可能であり、同様の効果を奏することができる。
また、点検管理システム1を方法発明及びコンピュータに実行させるためのプログラム発明として捉えた場合も同様である。
【産業上の利用可能性】
【0054】
以上説明したように、本発明の請求項1乃至請求項9に記載された発明は、シロア防除をはじめとして、産業全般で生ずる点検対象に対して広く利用が可能である。
【符号の説明】
【0055】
1…点検管理システム 2…処理部 3…点検携帯端末 4…データベース 5…入力部 6…出力部 7…情報通信ネットワーク 8…画像解析部 9…付帯情報解析部 10…コード情報解析部 11…顧客情報処理部 12…レポート・履歴書作成部 13…コード生成部 14…アラート生成部 15…点検担当者情報処理部 20…顧客データベース 21…顧客情報データベース 22…点検データベース 23…点検画像データベース 24…点検タグデータベース 25…点検レポートデータベース 26…点検担当者データベース 27…点検担当者評価書データベース 30…点検ステーション 31…ST-IDタグ 32…点検状況・対応タグ 33…閲覧顧客端末 34a…点検対象コード 34b…点検状況コード 35…顧客ID 36…顧客氏名・住所 37…顧客位置情報 38…点検日計画 39…点検日履歴 40…点検担当者ID 41…点検画像 42…付帯情報 43…撮影時刻 44…撮影位置 45…コード情報 46…ST-ID 47…シロアリ種類 48…デバイス交換有無 49…薬剤注入有無 50…点検担当者氏名 51…点検レポート情報 52…点検履歴書情報 53…点検担当者評価書情報 54…デバイス 55…蓋 60…モニタリングレポート 61…顧客名欄 62…サービス提供者名欄 62a…点検担当者名欄 63…点検エリア見取り図 64…点検ステーション設置箇所番号 65…点検ステーション点検結果 66…備考欄 67…点検要旨 68…モニタリング履歴書 69…モニタリング履歴内容欄 70…点検担当者評価書 71…点検担当者評価内容欄
【要約】
【課題】現場における点検作業とその点検作業の結果に対するレポート作成作業、さらには点検担当者の管理も含めて作業の効率化と自動化を図り、省力化を促進することが可能な点検管理システムと点検管理方法及び点検管理プログラムを提供する。
【解決手段】点検管理システム1は、点検対象を特定する点検対象コードと想定される点検結果に対応した点検状況コードに、撮影時刻と撮影位置を含む付帯情報を加えて点検画像を撮影する点検携帯端末3と、点検対象情報、点検状況情報、撮影時刻情報及び撮影位置情報を得る画像解析部8と、これらの情報に対する配置が予め定められた点検レポートフォームに、これらの情報を割り当てて点検レポートを自動生成するレポート・履歴書作成部12と、点検レポートを閲覧可能に出力する出力部6を有する。
【選択図】図1
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図9