(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-05
(45)【発行日】2024-08-14
(54)【発明の名称】集積回路装置及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/3205 20060101AFI20240806BHJP
H01L 21/768 20060101ALI20240806BHJP
H01L 23/522 20060101ALI20240806BHJP
【FI】
H01L21/88 J
H01L21/88 T
(21)【出願番号】P 2019131201
(22)【出願日】2019-07-16
【審査請求日】2022-05-20
(31)【優先権主張番号】10-2018-0084274
(32)【優先日】2018-07-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung-ro,Yeongtong-gu,Suwon-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】朴 秀晶
(72)【発明者】
【氏名】林 東燦
(72)【発明者】
【氏名】文 光辰
(72)【発明者】
【氏名】徐 柱斌
(72)【発明者】
【氏名】崔 朱逸
(72)【発明者】
【氏名】藤崎 純史
【審査官】早川 朋一
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-072296(JP,A)
【文献】特開2008-060243(JP,A)
【文献】特開2018-107227(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0068949(US,A1)
【文献】特開2012-222183(JP,A)
【文献】特表2002-521842(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/3205-21/3215
H01L 21/60-21/607
H01L 21/768
H01L 23/48-23/50
H01L 23/52-23/538
H01L 25/04-25/075
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上に配置される層間絶縁膜と、
前記層間絶縁膜上に配置され、前記基板と離間されたランディングパッドと、
前記基板及び前記層間絶縁膜を貫通する貫通ビアホール内に配置され、前記ランディングパッドと連結される貫通ビア構造物と、を含み、
前記貫通ビア構造物は、
導電性プラグと、
前記導電性プラグの側壁及び底面を覆う第1導電性バリア層と、
前記第1導電性バリア層の側壁を覆う第2導電性バリア層と、を含み、
前記貫通ビア構造物は、前記第2導電性バリア層の側壁を覆うビア絶縁層をさらに含み、
前記ビア絶縁層は前記ランディングパッドと接触せず、
前記第1導電性バリア層及び前記第2導電性バリア層は前記ランディングパッドと接触
し、
前記ランディングパッドは、
前記基板上に配置されるランディングパッド金属層と、
前記ランディングパッド金属層の上面及び側面を直接覆うランディングパッドバリア層と、を含み、
前記第1導電性バリア層の底面は、前記ランディングパッド金属層と接触し、
前記第2導電性バリア層の底面は、前記ランディングパッドバリア層と接触する、集積回路装置。
【請求項2】
前記第2導電性バリア層は、前記ランディングパッド金属層と接触しないことを特徴とする請求項
1に記載の集積回路装置。
【請求項3】
前記層間絶縁膜において、前記ランディングパッドを覆う金属層間絶縁膜をさらに含み、
前記貫通ビア構造物の側壁の一部分は、前記層間絶縁膜によって覆われ、
前記貫通ビア構造物の底面は、前記ランディングパッドと接触することを特徴とする請求項1に記載の集積回路装置。
【請求項4】
前記貫通ビアホールの底部に、段差部が形成されることを特徴とする請求項
3に記載の集積回路装置。
【請求項5】
前記貫通ビアホールの内壁上に、前記ビア絶縁層、前記第2導電性バリア層、前記第1導電性バリア層及び前記導電性プラグが順次に配置されることを特徴とする請求項
4に記載の集積回路装置。
【請求項6】
前記貫通ビアホールの前記段差部は、前記ビア絶縁層の底面と、前記第2導電性バリア層の前記側壁とによって形成されることを特徴とする請求項
5に記載の集積回路装置。
【請求項7】
前記貫通ビアホールは、前記基板と前記層間絶縁膜との境界において、拡張領域を含むことを特徴とする請求項
4に記載の集積回路装置。
【請求項8】
前記第1導電性バリア層の底面は、前記基板の第1面から第1垂直距離に位置し、
前記第2導電性バリア層の底面は、前記基板の前記第1面から第2垂直距離に位置し、
前記第2垂直距離が、前記第1垂直距離よりさらに短いことを特徴とする請求項1に記載の集積回路装置。
【請求項9】
前記貫通ビア構造物は、
前記第1導電性バリア層と前記第2導電性バリア層との間に配置され、前記ランディングパッドと同一金属を含む金属アイランドをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の集積回路装置。
【請求項10】
前記ビア絶縁層は、前記金属アイランドと接触しないことを特徴とする請求項
9に記載の集積回路装置。
【請求項11】
前記ビア絶縁層の底面は、前記基板の底面よりも低く延びており、前記ビア絶縁層の前記底面は、前記層間絶縁膜に接していることを特徴とする請求項1に記載の集積回路装置。
【請求項12】
基板の第1面上に、ランディングパッド金属層とランディングパッドバリア層とを含むランディングパッドを形成する段階と、
前記基板の前記第1面と対向する第2面から前記基板を貫通し、かつ前記ランディングパッドバリア層の上面を露出させる、貫通ビアホールを形成する段階と、
前記貫通ビアホールの内壁上に、ビア絶縁層を形成する段階と、
前記ビア絶縁層上に、第2導電性バリア層を形成する段階と、
前記ランディングパッド金属層の上面を露出させるように、前記貫通ビアホールの底部を拡張させる段階であって、前記ビア絶縁層は、前記貫通ビアホールの内壁上に露出されず、前記ランディングパッドと接触せず、前記第2導電性バリア層は、前記ランディングパッドと接触する、段階と、
前記第2導電性バリア層上に、第1導電性バリア層を形成する段階
であって、前記第1導電性バリア層は、前記ランディングパッドと接触する、段階と、を含み、
前記ランディングパッドを形成する段階は、
前記基板の前記第1面上に、層間絶縁膜を形成する段階を含み、前記ランディングパッドは、前記層間絶縁膜上に配置され、前記基板と離間され、前記貫通ビアホールは、前記層間絶縁膜を貫通するように配置され、
前記ランディングパッドは、前記基板上に配置されるランディングパッド金属層と、前記ランディングパッド金属層の上面及び側面を直接覆うランディングパッドバリア層と、を含む、集積回路装置の製造方法。
【請求項13】
前記第1導電性バリア層上に、前記貫通ビアホールの内部を充填する導電性プラグを形成する段階をさらに含むことを特徴とする請求項
12に記載の集積回路装置の製造方法。
【請求項14】
前記ランディングパッドを形成する段階は、
前記層間絶縁膜上に、金属層間絶縁膜を形成する段階と、
前記金属層間絶縁膜に、ランディングパッドホールを形成する段階と、
前記ランディングパッドホール内に、前記ランディングパッドを形成する段階と、を含むことを特徴とする請求項
12に記載の集積回路装置の製造方法。
【請求項15】
前記貫通ビアホールを拡張させる段階において、前記層間絶縁膜は、前記貫通ビアホールの内壁上に露出されないことを特徴とする請求項
14に記載の集積回路装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集積回路装置及びその製造方法に係り、さらに詳細には、Si貫通電極(TSV:through-silicon-via)構造を含む集積回路装置、及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
1つの半導体パッケージ内に複数の半導体チップを搭載する三次元(3D:3-dimensional)パッケージの開発が活発になるにつれ、基板又はダイ(die)を貫通し、垂直な電気的接続を形成するTSV構造を利用した連結構造の信頼性を確保することができる技術が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明が解決しようとする課題は、TSV構造を利用する連結構造の信頼性を確保することができる集積回路装置を提供することにある。
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、また、TSV構造を利用する連結構造の信頼性を確保することができる集積回路装置の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前述の技術的課題を達成するための本発明の技術的思想による集積回路装置は、基板と、前記基板上に配置されるランディングパッドと、前記基板を貫通し、前記ランディングパッドと連結される貫通ビア構造物(through via structure)と、を含み、前記貫通ビア構造物は、導電性プラグ、前記導電性プラグの側壁及び底面を覆う第1導電性バリア層、及び前記第1導電性バリア層の側壁を覆う第2導電性バリア層を含む。
【0006】
前述の技術的課題を達成するための本発明の技術的思想による集積回路装置は、基板と、前記基板上に配置される層間絶縁膜と、前記層間絶縁膜上に配置されるランディングパッドと、前記基板及び前記層間絶縁膜を貫通する貫通ビアホール内に配置され、前記ランディングパッドと連結される貫通ビア構造物と、を含み、前記貫通ビア構造物は、導電性プラグ、前記導電性プラグの側壁及び底面を覆う第1導電性バリア層、及び前記第1導電性バリア層の側壁を覆う第2導電性バリア層を含む。
【0007】
前述の技術的課題を達成するための本発明の技術的思想による集積回路装置は、基板と、前記基板上に配置されるランディングパッドと、前記基板を貫通し、前記ランディングパッドと連結される貫通ビア構造物と、を含み、前記貫通ビア構造物は、導電性プラグ、前記導電性プラグの側壁及び底面を覆う第1導電性バリア層、前記第1導電性バリア層の側壁を覆う第2導電性バリア層、及び前記第2導電性バリア層の側壁の一部分を覆い、前記ランディングパッドと接触しないビア絶縁層を含む。
【0008】
前述の技術的課題を達成するための本発明の技術的思想による集積回路装置の製造方法は、基板の第1面上に、ランディングパッド金属層とランディングパッドバリア層とを含むランディングパッドを形成する段階と、前記基板の前記第1面に対向する第2面から前記基板を貫通し、かつ前記ランディングパッドバリア層の上面を露出させる、貫通ビアホールを形成する段階と、前記貫通ビアホールの内壁上に、第2導電性バリア層を形成する段階と、前記ランディングパッド金属層の上面を露出させるように、前記貫通ビアホールの底部を拡張させる段階と、前記貫通ビアホールの内壁上に、第1導電性バリア層を形成する段階と、を含む。
【発明の効果】
【0009】
本発明の技術的思想による集積回路装置によれば、貫通ビア構造物は、導電性プラグを順次に覆う第1導電性バリア層、第2導電性バリア層及びビア絶縁層を含み、貫通ビアホールの内壁上に、ビア絶縁層及び第2導電性バリア層をまず形成した後、貫通ビアホールの底部において、ランディングパッドの上面を露出させるためのエッチング工程を遂行することによっても形成される。したがって、エッチング工程において、ランディングパッドに含まれる金属物質粒子が貫通ビアホールの側壁に再蒸着される場合であっても、金属物質粒子は、第2導電性バリア層と第1導電性バリア層との間に配置される。したがって、金属物質粒子が、ビア絶縁層又は層間絶縁膜と接触することを防止することができる。したがって、第2導電性バリア層が省略された場合に発生し得る、貫通ビアホールのエッチング工程におけるビア絶縁層の金属物質粒子汚染による信頼性の低下を防止することができ、本集積回路装置は、優秀な信頼性を有することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】例示的な実施形態による集積回路装置を示す平面図である。
【0011】
【
図2】
図1のメイン素子領域(main cell region)MCRの一部分と、貫通ビア領域(through-via region)TVRの一部分とを示す断面図である。
【0012】
【0013】
【
図4】例示的な実施形態による集積回路装置を示す断面図である。
【
図5】例示的な実施形態による集積回路装置を示す断面図である。
【
図6】例示的な実施形態による集積回路装置を示す断面図である。
【
図7】例示的な実施形態による集積回路装置を示す断面図である。
【0014】
【
図8】例示的な実施形態による集積回路装置の製造方法を工程順序によって図示した断面図である。
【
図9】例示的な実施形態による集積回路装置の製造方法を工程順序によって図示した断面図である。
【
図10】例示的な実施形態による集積回路装置の製造方法を工程順序によって図示した断面図である。
【
図11A】例示的な実施形態による集積回路装置の製造方法を工程順序によって図示した断面図である。
【
図11B】例示的な実施形態による集積回路装置の製造方法を工程順序によって図示した断面図である。
【
図12A】例示的な実施形態による集積回路装置の製造方法を工程順序によって図示した断面図である。
【
図12B】例示的な実施形態による集積回路装置の製造方法を工程順序によって図示した断面図である。
【
図13A】例示的な実施形態による集積回路装置の製造方法を工程順序によって図示した断面図である。
【
図13B】例示的な実施形態による集積回路装置の製造方法を工程順序によって図示した断面図である。
【
図14A】例示的な実施形態による集積回路装置の製造方法を工程順序によって図示した断面図である。
【
図14B】例示的な実施形態による集積回路装置の製造方法を工程順序によって図示した断面図である。
【
図15】例示的な実施形態による集積回路装置の製造方法を工程順序によって図示した断面図である。
【
図16】例示的な実施形態による集積回路装置の製造方法を工程順序によって図示した断面図である。
【0015】
【
図17】例示的な実施形態による半導体パッケージの要部構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付された図面を参照し、本発明の技術的思想の望ましい実施形態について詳細に説明する。本明細書全体を通じて、同一参照符号は、同一構成要素を示すように使用される。
【0017】
図1は、例示的な実施形態による集積回路装置100を示す平面図である。
図2は、
図1のメイン素子領域MCRの一部分と、貫通ビア領域TVRの一部分とを示す断面図である。
図3は、
図2のCX2部分の拡大図である。
【0018】
図1~
図3を参照すれば、集積回路装置100は、複数のメイン素子領域MCRと、貫通ビア領域TVRとを含む基板110を含んでもよい。
【0019】
例えば、複数のメイン素子領域MCR内に、複数のメモリセルが配置されてもよい。複数のメイン素子領域MCRそれぞれの一側上には、第1周辺回路領域PR1を配置し、複数のメイン素子領域MCRそれぞれの他側上には、第2周辺回路領域PR2を配置することができる。例えば、第1周辺回路領域PR1には、複数のメイン素子領域MCR内に含まれるメモリセルに連結されるロウデコーダが配置され、第2周辺回路領域PR2には、複数のメイン素子領域MCR内に含まれるメモリセルに連結されるカラムデコーダが配置されてよい。しかし、第1周辺回路領域PR1及び第2周辺回路領域PR2には、制御ロジック、感知増幅器、ページバッファのような複数のメモリセルを駆動するための他の駆動素子がさらに配置されてもよい。
【0020】
貫通ビア領域TVRには、基板110を貫通する複数の貫通ビア構造物(through via structure)150を配置することができる。貫通ビア構造物150を介して、外部端子から信号を受信したり、貫通ビア構造物150を介して、外部端子に信号を伝送したりすることができる。
【0021】
図1に図示されたメイン素子領域MCR、周辺回路領域PR1、PR2及び貫通ビア領域TVRの配置は、例示的なものであり、メイン素子領域MCR、周辺回路領域PR1、PR2及び貫通ビア領域TVRの配置は、異なってもよい。例えば、
図1に図示されたところとは異なり、基板110の中央部に、メイン素子領域MCRが配置され、第1周辺回路領域PR1及び第2周辺回路領域PR2、並びに貫通ビア領域TVRが、メイン素子領域MCRを平面的に取り囲むようにも配置されてよい。
【0022】
基板110は、互いに対向する第1面110F1と第2面110F2とを有することができる。基板110は、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、シリコンカーバイド(SiC)、ガリウムヒ素(GaAs)、インジウムヒ素(InAs)又はリン化インジウム(InP)のような半導体基板を含んでもよい。例示的な実施形態において、基板110は、SOI(silicon on insulator)構造を有することができる。例えば、基板110は、埋め込み酸化(BOX:buried oxide layer)層を含んでもよい。例示的な実施形態において、基板110は、導電領域、例えば、不純物がドーピングされたウェル(well)、又は不純物がドーピングされた構造物を含んでもよい。また、基板110は、STI(shallow trench isolation)構造のような多様な素子分離構造を有することができる。
【0023】
基板110の第1面110F1上には、層間絶縁膜120を配置することができる。層間絶縁膜120は、基板110上に形成される複数の半導体素子122及び配線構造124を覆うように配置され得る。例えば、複数の半導体素子122は、DRAM(dynamic random access memory)、PRAM(phase-change random access memory)、フラッシュメモリ、ReRAM(resistive random access memory)のようなメモリ素子;MOSFET(metal-oxide semiconductor field-effect transistor);システムLSI(large scale integration);CIS(CMOS(complementary metal-oxide semiconductor)imaging sensor)のようなイメージセンサ;MEMS(micro electro mechanical system);能動素子;受動素子などを含んでもよい。また、複数の半導体素子122は、配線構造124に電気的に連結される。層間絶縁膜120、層間絶縁膜120によって覆われる複数の半導体素子122、及び配線構造124はまとめて、基板工程(FEOL:front-end-of-line)構造とも称される。
【0024】
層間絶縁膜120上には、金属層間絶縁膜130が配置され、金属層間絶縁膜130は、層間絶縁膜120上に配置される多層配線構造132を覆うように配置され得る。多層配線構造132は、複数の配線層132W、及び複数の配線ビア132Pを含むことができる。例示的な実施形態において、金属層間絶縁膜130は、複数の絶縁層(図示せず)の積層構造を有することができ、複数の絶縁層のそれぞれが、複数の配線層132W及び複数の配線ビア132Pの一部分を覆うように配置されてもよい。金属層間絶縁膜130と、金属層間絶縁膜130によって覆われる多層配線構造132はまとめて、配線工程(BEOL:back-end-of-line)構造とも称される。
【0025】
層間絶縁膜120上には、ランディングパッド134が配置され、ランディングパッド134の少なくとも一部分は、金属層間絶縁膜130によって覆われる。ランディングパッド134は、貫通ビア領域TVRに配置される多層配線構造132の一部分でもある。
【0026】
図3に例示的に図示されているように、ランディングパッド134は、ランディングパッド金属層134Wとランディングパッドバリア層134Bとを含むことができる。ランディングパッドバリア層134Bは、ランディングパッド金属層134Wの上面134WU及び側面を覆うように配置され得る。ここで、ランディングパッドバリア層134Bの水平方向(X方向又はY方向)に延長され、互いに対向する2つの表面のうち、層間絶縁膜120のより近くに、あるいは基板110のより近くに配置される表面を、ランディングパッドバリア層134Bの上面134BUと称する。また、ランディングパッド金属層134Wの水平方向(X方向又はY方向)に延長され、層間絶縁膜120と対面する表面を、ランディングパッド金属層134Wの上面134WUと称し、上面134WUと反対にある表面を、ランディングパッド金属層134Wの下面と称する。
【0027】
例示的な実施形態において、ランディングパッド金属層134Wは、Ni、Cu、Al、Au、W、又はそれらの組み合わせを含んでよいが、それらに限定されるものではない。ランディングパッドバリア層134Bは、W、WN、WC、Ti、TiN、Ta、TaN、Ru、Co、Mn、WN、Ni、又はNiBのうちから選択される少なくとも1つの物質を含んでもよいが、それらに限定されるものではない。
【0028】
金属層間絶縁膜130上には、第1パッド142が配置され、金属層間絶縁膜130上には、第1パッド142上面の少なくとも一部分を露出させる開口部144Hを含むパッシベーション層144を配置することができる。第1パッド142は、Al、Ni、Cu、又はそれらの組み合わせを含んでもよく、パッシベーション層144は、ポリイミド及び/又はシリコン窒化物を含んでもよい。
【0029】
第1パッド142上には、バンプ構造物146が配置され得る。バンプ構造物146は、第1パッド142上に順次に積層されたピラー(pillar)146P及びはんだ(solder)層146Sを含むことができる。例示的な実施形態において、ピラー146Pは、Cu、Ni、又はそれらの合金を含んでもよく、はんだ層146Sは、Sn、Ag、Pb、Au、Cu、B、又はそれらの合金を含んでもよい。
【0030】
図2に例示的に図示されているように、第1パッド142及びバンプ構造物146は、貫通ビア領域TVRに配置され得る。例示的な実施形態において、選択的に、メイン素子領域MCRに第1パッド142及びバンプ構造物146がさらに配置されてもよい。
【0031】
貫通ビア構造物150は、基板110と層間絶縁膜120とを貫通し、ランディングパッド134にも連結される。貫通ビア構造物150は、導電性プラグ152、第1導電性バリア層154、第2導電性バリア層156及びビア絶縁層158を含むことができる。
【0032】
貫通ビア構造物150の少なくとも一部分は、基板110と層間絶縁膜120とを貫通する貫通ビアホール150Hの内部に配置されてもよい。貫通ビアホール150Hは、基板110の第2面110F2から、基板110の第1面110F1まで延びて、層間絶縁膜120を貫通することができる。ビア絶縁層158、第2導電性バリア層156、第1導電性バリア層154及び導電性プラグ152は、貫通ビアホール150Hの内壁上に順次に配置され得る。
【0033】
導電性プラグ152は、基板110の第2面110F2から、基板110の第1面110F1を経て延長されて層間絶縁膜120を貫通し、導電性プラグ152の底面152Lは、層間絶縁膜120の底面より低いレベルに配置され得る(例えば、導電性プラグ152の底面152Lは、層間絶縁膜120の底面よりも、基板110の第1面110F1からより遠くに配置される)。
【0034】
例示的な実施形態において、導電性プラグ152は、Cu、CuSn、CuMg、CuNi、CuZn、CuPd、CuAu、CuRe、CuW、W又はW合金を含んでよいが、それらに限定されるものではない。導電性プラグ152は、例えば、Al、Au、Be、Bi、Co、Cu、Hf、In、Mn、Mo、Ni、Pb、Pd、Pt、Rh、Re、Ru、Ta、Te、Ti、W、Zn、Zrのうちの1つ又はそれ以上を含んでもよく、1又はそれ以上の積層構造を含んでもよい。
【0035】
第1導電性バリア層154は、導電性プラグ152の側壁及び底面152Lを覆うことができる。例示的な実施形態において、第1導電性バリア層154は、W、WN、WC、Ti、TiN、Ta、TaN、Ru、Co、Mn、WN、Ni又はNiBのうちから選択される少なくとも1つの物質を含んでもよい。第1導電性バリア層154は、約500~2,000Åの厚みt11を有することができる。
【0036】
第2導電性バリア層156は、第1導電性バリア層154の側壁を覆うことができる。第2導電性バリア層156は、第1導電性バリア層154の底面及び側壁の下側を覆わないため、第1導電性バリア層154の側壁の下側及び底面は、ランディングパッド金属層134Wと接触することができる。例示的な実施形態において、第2導電性バリア層156は、W、WN、WC、Ti、TiN、Ta、TaN、Ru、Co、Mn、WN、Ni又はNiBのうちから選択される少なくとも1つの物質を含んでもよい。第2導電性バリア層156は、第1導電性バリア層154と同一物質を含んでもよいが、それらに限定されるものではない。第2導電性バリア層156は、約500~2,000Åの厚みt12を有することができる。
【0037】
ビア絶縁層158は、第2導電性バリア層156の側壁を覆うことができる。ビア絶縁層158は、貫通ビア構造物150に含まれる導電性物質(例えば、導電性プラグ152、第1導電性バリア層154及び第2導電性バリア層156)が基板110と直接接触することを防止する絶縁スペーサとして作用することができる。
【0038】
ビア絶縁層158は、酸化膜、窒化膜、炭化膜、ポリマー、又はそれらの組み合わせを含んでよい。例示的な実施形態において、ビア絶縁層158を形成するために、化学気相蒸着(CVD:chemical vapor deposition)工程を利用することができる。ビア絶縁層158は、約500~3,000Åの厚みを有することができる。例えば、ビア絶縁層158は、シリコン酸化物を含んでもよい。
【0039】
基板110の第2面110F2上には、貫通ビア構造物150に連結される第2パッド162を配置することができる。第2パッド162は、Al、Ni、Cu、又はそれらの組み合わせを含んでもよい。
【0040】
図3に例示的に図示されているように、ビア絶縁層158又は第2導電性バリア層156は、ランディングパッド金属層134Wと接触せず、第1導電性バリア層154だけがランディングパッド金属層134Wと接触するように配置され得る。
【0041】
第1導電性バリア層154の底面は、基板110の第1面110F1から、垂直方向(Z方向)に沿って、第1垂直距離VD1を有するように位置することができ、第2導電性バリア層156の底面は、基板110の第1面110F1から、垂直方向(Z方向)に沿って、第1垂直距離VD1よりさらに短い第2垂直距離VD2を有するように位置することができる。
【0042】
また、貫通ビアホール150Hの底部には、段差部(stepped portion)150HSが形成される。例えば、段差部150HSは、ビア絶縁層158の最下面と、該ビア絶縁層158の最下面に隣接した第2導電性バリア層156の側壁により、あるいは第2導電性バリア層156の最下面と、該第2導電性バリア層156の最下面に隣接した第1導電性バリア層154の側壁により形成される。それは、ビア絶縁層158、第2導電性バリア層156及び第1導電性バリア層154を順次に形成するために、貫通ビアホール150Hを下方に拡張する複数のエッチング工程によって得られた構造でもある。
【0043】
例示的な製造工程において、貫通ビア構造物150を形成するために、基板110の第1面110F1上に、ランディングパッド134と金属層間絶縁膜130とをまず形成した後、貫通ビア構造物150を形成する方式(例えば、ビアラスト(via last)方式)を使用することができる。例えば、基板110の第1面110F1上に、複数の半導体素子122、配線構造124、及び層間絶縁膜120を形成し、層間絶縁膜120上に、ランディングパッド134、多層配線構造132及び金属層間絶縁膜130を形成した後、基板110の第2面110F2から基板110を貫通して層間絶縁膜120の内部まで延びる貫通ビアホール150Hを、形成することができる。次に、貫通ビアホール150Hの内壁上に、ビア絶縁層158を形成し、ランディングパッドバリア層134Bの上面134BUが露出されるまで、貫通ビアホール150H上のビア絶縁層158と層間絶縁膜120とをエッチングし、貫通ビアホール150Hの底部を深さ方向にさらに拡張させ、貫通ビアホール150Hの内壁上に、第2導電性バリア層156を形成し、その後、ランディングパッド金属層134Wの上面134WUを露出させるように、貫通ビアホール150H上の第2導電性バリア層156とランディングパッドバリア層134Bとをエッチングし、貫通ビアホール150Hの底部を、深さ方向にさらに拡張させ、貫通ビアホール150Hの内壁上に、第1導電性バリア層154を形成することができる。
【0044】
比較例による貫通ビア構造物によれば、第2導電性バリア層156が省略され、第1導電性バリア層154の外側壁が、ビア絶縁層158と層間絶縁膜120とによって覆われる。そのような場合には、貫通ビアホール150Hの底部において、ランディングパッド金属層134Wがエッチングされる工程において、ランディングパッド金属層134Wからエッチングされた金属物質が除去されず、貫通ビアホール150Hの内部に残留し、貫通ビアホール150Hの側壁、例えば、層間絶縁膜120上又はビア絶縁層158上に再蒸着されやすい。したがって、層間絶縁膜120又はビア絶縁層158が金属物質によって汚染され、それにより、層間絶縁膜120又はビア絶縁層158の十分な絶縁特性が確保されない。
【0045】
一方、前述の例示的な実施形態によれば、貫通ビアホール150Hの内壁上に、ビア絶縁層158と層間絶縁膜120とをコンフォーマルに覆う第2導電性バリア層156がまず形成され、その後、ランディングパッド金属層134Wの上面134WUを露出させるための貫通ビアホール150Hの底部のエッチング工程が遂行される。そのような場合、貫通ビアホール150Hの底部において、ランディングパッド金属層134Wがエッチングされる工程において、第2導電性バリア層156が、層間絶縁膜120及びビア絶縁層158の表面を覆う保護層として作用することができる。したがって、ランディングパッド金属層134Wからエッチングされた金属物質が、層間絶縁膜120上又はビア絶縁層158上に再蒸着されず、層間絶縁膜120又はビア絶縁層158の金属物質汚染を防止することができ、集積回路装置100は、優秀な信頼性を有することができる。
【0046】
図4は、例示的な実施形態による集積回路装置100Aを示す断面図である。
図4は、
図2のCX2部分に対応する部分の拡大図である。
図4において、
図1~
図3と同一参照符号は、同一構成要素を意味する。
【0047】
図4を参照すれば、貫通ビアホール150HAは、基板110と層間絶縁膜120との境界部分において、拡張領域150EAを有することができる。拡張領域150EAは、面取りされた曲面を含む基板110の側壁と、面取りされた曲面を含む層間絶縁膜120の側壁との間の空間として定義され、拡張領域150EAと同一垂直レベルでの貫通ビアホール150HAの幅は、ビア絶縁層158Aの底面と同一垂直レベルでの貫通ビアホール150HAの幅よりさらに広くなる。
【0048】
貫通ビア構造物150Aは、貫通ビアホール150HAの内部に配置される。具体的には、ビア絶縁層158Aは、貫通ビアホール150HAの内壁上において、拡張領域150EAの側壁プロファイルに対応するように、コンフォーマルに配置され、第2導電性バリア層156A及び第1導電性バリア層154Aは、いずれもビア絶縁層158A上において、拡張領域150EAの側壁プロファイルに対応するように、順次にコンフォーマルに配置され得る。導電性プラグ152Aは、拡張領域150EAの側壁プロファイルに対応する突出部152APを含むことができる。
【0049】
例示的な実施形態によれば、貫通ビアホール150HAの形成工程では、基板110と層間絶縁膜120との境界部分において、貫通ビアホール150HAの内壁に露出される基板110の部分と層間絶縁膜120の部分とが、相対的に高いエッチング速度でエッチングされ、そのような場合、拡張領域150EAが形成される。
【0050】
一方、拡張領域150EAでの基板110の側壁と、層間絶縁膜120の側壁は、面取りされた曲面に限定されるものではなく、
図4に図示されているところとは異なり、基板110の側壁と、層間絶縁膜120の側壁は、所定の角度に傾いた傾斜面を含んでもよい。
【0051】
図5は、例示的な実施形態による集積回路装置100Bを示す断面図である。
図5は、
図2のCX2部分に対応する部分の拡大図である。
図5において、
図1~
図4と同一参照符号は、同一構成要素を意味する。
【0052】
図5を参照すれば、貫通ビアホール150HBは、基板110と層間絶縁膜120との境界部分において、拡張領域150EBを有することができる。拡張領域150EBは、面取りされた曲面を含む基板110の側壁と、水平方向(X方向又はY方向)に延長される層間絶縁膜120の上面との間の空間として定義され、拡張領域150EAと同一垂直レベルでの貫通ビアホール150HBの幅は、ビア絶縁層158Bの底面と同一垂直レベルでの貫通ビアホール150HBの幅よりさらに広くなる。
【0053】
貫通ビア構造物150Bは、貫通ビアホール150HBの内部に配置される。具体的には、ビア絶縁層158Bは、貫通ビアホール150HBの内壁上において、拡張領域150EBの側壁プロファイルに対応するようにコンフォーマルに配置され、第2導電性バリア層156B及び第1導電性バリア層154Bは、いずれもビア絶縁層158B上において、拡張領域150EBの側壁プロファイルに対応するように、順次にコンフォーマルに配置され得る。導電性プラグ152Bは、拡張領域150EBの側壁プロファイルに対応する突出部152BPを含むことができる。
【0054】
例示的な実施形態において、貫通ビアホール150HBは、所定の傾きを有する側壁と、面取りされたプロファイルの底部とを有することができる。例えば、導電性プラグ152Bは、下部幅W12(例えば、層間絶縁膜120の底面と同一レベルに配置される部分における幅)よりさらに広い上部幅W11(例えば、基板110の第1面110F1から遠く離れた基板110の一部分と同一レベルに配置される部分における幅)を有することができる。
【0055】
例示的な実施形態によれば、貫通ビアホール150HBの形成工程において、基板110部分のエッチング工程条件と、層間絶縁膜120のエッチング工程条件とが異なる。貫通ビアホール150HBの底部において、層間絶縁膜120をエッチングするための工程では、層間絶縁膜120と接触する基板110の第1面110F1部分が、相対的に高いエッチング速度でエッチングされ、非対称形状を有する拡張領域150EBが形成される。
【0056】
図6は、例示的な実施形態による集積回路装置100Cを示す断面図である。
図6は、
図2のCX2部分に対応する部分の拡大図である。
図6において、
図1~
図5と同一参照符号は、同一構成要素を意味する。
【0057】
図6を参照すれば、貫通ビア構造物150Cは、導電性プラグ152、第1導電性バリア層154C、第2導電性バリア層156C及びビア絶縁層158を含んでもよく、第2導電性バリア層156Cの厚みt12Cが、第1導電性バリア層154Cの厚みt11Cよりも薄い。例えば、第1導電性バリア層154Cは、約500~2,000Åの厚みt11Cを有することができ、第2導電性バリア層156Cは、約500~1,000Åの厚みt12Cを有することができる。
【0058】
例えば、貫通ビアホール150Hの内壁上に、ビア絶縁層158と層間絶縁膜120とをコンフォーマルに覆う第2導電性バリア層156Cがまず形成され、その後、ランディングパッド金属層134Wの上面134WUを露出させるための貫通ビアホール150Hの底部のエッチング工程が遂行される。貫通ビアホール150Hの底部において、ランディングパッド金属層134Wがエッチングされる工程では、ランディングパッド金属層134Wからエッチングされた金属物質が、層間絶縁膜120上又はビア絶縁層158上に再蒸着されず、層間絶縁膜120又はビア絶縁層158の金属物質汚染を防止することができる。また、第2導電性バリア層156Cの厚みt12Cが、相対的に薄く形成されることにより、貫通ビアホール150Hの内部に充填される導電性プラグ152の体積が相対的に増大し、貫通ビア構造物150Cの抵抗が低下する。したがって、集積回路装置100Cは、優秀な信頼性を有することができる。
【0059】
図7は、例示的な実施形態による集積回路装置100Dを示す断面図である。
図7は、
図2のCX2部分に対応する部分の拡大図である。
図7において、
図1~
図6と同一参照符号は、同一構成要素を意味する。
【0060】
図7を参照すれば、貫通ビア構造物150Dは、第1導電性バリア層154と第2導電性バリア層156との間に、金属アイランド159をさらに含んでもよい。金属アイランド159は、金属物質からなる粒子を含んでよく、あるいはそのような粒子が凝集されて形成される物質層であり得る。
図7には、金属アイランド159が、互いに離隔されるか、あるいは互いに対して隣接するように配置される不連続的な層として図示されているが、それとは異なり、金属アイランド159は、第1導電性バリア層154と第2導電性バリア層156との間において、垂直方向(Z方向)に沿って連続的に延長される物質層とすることもできる。
【0061】
例示的な実施形態において、金属アイランド159は、ランディングパッド金属層134Wに含まれる金属物質と同一金属物質を含んでもよい。例えば、金属アイランド159は、Ni、Cu、Al、Au、W、又はそれらの組み合わせを含んでよいが、それらに限定されるものではない。
【0062】
例示的な製造工程において、貫通ビアホール150Hの内壁上に、ビア絶縁層158と層間絶縁膜120とをコンフォーマルに覆う第2導電性バリア層156がまず形成され、その後、ランディングパッド金属層134Wの上面134WUを露出させるための貫通ビアホール150Hの底部のエッチング工程が遂行される。したがって、貫通ビアホール150Hの底部において、ランディングパッド金属層134Wがエッチングされる工程では、第2導電性バリア層156が、層間絶縁膜120及びビア絶縁層158の表面を覆う保護層として作用することができ、ランディングパッド金属層134Wからエッチングされた金属物質が、第2導電性バリア層156表面上に付着されたり再蒸着されたりして、金属アイランド159が形成される。その後、第2導電性バリア層156上に、金属アイランド159を覆う第1導電性バリア層154が形成される。
【0063】
例示的な実施形態によれば、貫通ビアホール150Hの底部において、ランディングパッド金属層134Wがエッチングされる工程では、ランディングパッド金属層134Wからエッチングされた金属物質が、貫通ビアホール150Hの内壁上に再蒸着されても、第2導電性バリア層156が、層間絶縁膜120及びビア絶縁層158の表面を覆う保護層として作用することができる。金属アイランド159は、層間絶縁膜120上又はビア絶縁層158上に再蒸着される代わりに、第2導電性バリア層156上に再蒸着されるので、層間絶縁膜120又はビア絶縁層158の金属物質汚染を防止することができ、集積回路装置100Dは、優秀な信頼性を有することができる。
【0064】
【0065】
図8を参照すれば、基板110の第1面110F1上に、複数の半導体素子122と配線構造124とを形成し、基板110上に、複数の半導体素子122と配線構造124とを覆う層間絶縁膜120を形成することができる。
【0066】
その後、ランディングパッド134及び多層配線構造132を層間絶縁膜120上に形成し、ランディングパッド134及び多層配線構造132を覆うように、金属層間絶縁膜130を層間絶縁膜120上に形成することができる。
【0067】
例示的な実施形態において、ランディングパッド134と多層配線構造132とを形成するための工程は、シングルダマシン(damascene)工程又はデュアルダマシン工程を含んでもよい。例えば、層間絶縁膜120上に金属層間絶縁膜130を形成し、金属層間絶縁膜130をパターニングして、メイン素子領域MCRに配線用ホール(図示せず)を形成し、貫通ビア領域TVRにランディングパッドホール(図示せず)を形成することができる。その後、ランディングパッドホールの内部に、ランディングパッド134を形成し、配線用ホールの内部に、配線層132Wを形成することができる。例えば、ランディングパッド134の形成は、ランディングパッドホール内部に、ランディングパッドバリア層134Bを形成するための第1膜と、ランディングパッド金属層134Wを形成するための第2膜とを順次に形成した後、金属層間絶縁膜130が露出されるまで第1膜と第2膜との上部を平坦化させ、ランディングパッドホールの内部に、ランディングパッドバリア層134B及びランディングパッド金属層134Wを残留させることを含むことができる。
【0068】
例示的な実施形態において、ランディングパッドバリア層134Bは、W、WN、WC、Ti、TiN、Ta、TaN、Ru、Co、Mn、WN、Ni又はNiBを使用し、物理気相蒸着(PVD:physical vapor deposition)工程又はCVD工程によって形成され得る。ランディングパッド金属層134Wは、Ni、Cu、Al、Au、W、又はそれらの組み合わせを使用し、電気メッキ(electroplating)工程によって形成され得る。例えば、ランディングパッド金属層134Wを形成するための工程において、ランディングパッドバリア層134B上に、Cuを含むシード層(図示せず)を形成し、電気メッキ工程により、シード層からCu層を形成することができる。
【0069】
その後、ランディングパッド134の形成工程と類似した工程を反復して遂行し、ランディングパッド134上及び配線層132W上に、配線ビア132P及び配線層132Wを含む多層配線構造132を形成することができる。
【0070】
その後、金属層間絶縁膜130上に導電層(図示せず)を形成し、導電層をパターニングすることにより、第1パッド142を形成することができる。第1パッド142は、Al、Ni、Cu、又はそれらの組み合わせを使用して形成することができる。
【0071】
その後、金属層間絶縁膜130上に、第1パッド142の一部分を露出させるパッシベーション層144を形成することができる。パッシベーション層144は、ポリイミド及び/又はシリコン窒化物を使用しても形成される。
【0072】
パッシベーション層144を介して露出される第1パッド142に電気的に連結されるバンプ構造物146を形成することができる。例えば、バンプ構造物146は、ピラー146P及びはんだ層146Sを含む構造を有することができる。ピラー146Pは、Cu、Ni、又はそれらの合金を使用し、電気メッキ工程によって形成され得る。はんだ層146Sは、Sn、Ag、Pb、Au、Cu、B、又はそれらの合金を使用し、電気メッキ工程及びリフロー工程を順次に遂行することによって形成され得る。
【0073】
図9を参照すれば、バンプ構造物146上及びパッシベーション層144上に、支持基板172を付着させることができる。支持基板172は、接着層174を介して、バンプ構造物146とパッシベーション層144とに付着されることができる。その後、基板110の第2面110F2に対してグラインディング工程を遂行し、基板110の第2面110F2から、基板110を所定の厚み分、除去することができる。
【0074】
基板110の第2面110F2上に、マスクパターン(図示せず)を形成し、マスクパターンをエッチングマスクとして使用して基板110をエッチングし、貫通ビアホール150Hを形成することができる。貫通ビアホール150Hは、基板110を貫通し、層間絶縁膜120内にも延びることができる。
【0075】
例示的な実施形態において、貫通ビアホール150Hを、異方性エッチング工程又はレーザ穴あけ工程によって形成することができる。貫通ビアホール150Hが層間絶縁膜120を完全に貫通しないので、ランディングパッド134の上面は、貫通ビアホール150Hによって露出されず、層間絶縁膜120によって覆われる。
【0076】
貫通ビアホール150Hは、多様な幅、深み又は形状を有するようにも形成される。例えば、
図9に図示されているように、貫通ビアホール150Hは、基板110の第1面110F1に垂直な側壁を有するようにも形成される。他の実施形態において、
図5に図示された貫通ビアホール150HBの形成工程において、貫通ビアホール150HBの側壁が所定の傾斜を有するように形成され、貫通ビアホール150HBの上部幅が、下部幅よりさらに広く形成されてよく、そのような場合、
図5を参照して説明した集積回路装置100Bが形成される。
【0077】
また、
図5に図示された貫通ビアホール150HBの形成工程において、基板110のエッチング工程の条件と、層間絶縁膜120のエッチング工程における条件とを異なるように調節する場合、基板110と層間絶縁膜120との境界領域では、基板110の一部分が相対的に高いエッチング速度でエッチングされ、拡張領域150EBが形成される。そのような場合、
図5を参照して説明した集積回路装置100Bが形成される。
【0078】
他の実施形態において、
図4に図示された貫通ビアホール150HAの形成工程において、基板110と層間絶縁膜120との境界部分では、貫通ビアホール150HA内壁に露出される基板110部分及び層間絶縁膜120部分が、相対的に高いエッチング速度でエッチングされ、拡張領域150EAが形成される。そのような場合、
図4を参照して説明した集積回路装置100Aが形成される。
【0079】
貫通ビアホール150Hを形成した後、マスクパターンを除去することができる。
【0080】
図10を参照すれば、基板110の第2面110F2上に、貫通ビアホール150Hの内壁を覆うビア絶縁層158を形成することができる。ビア絶縁層158は、酸化膜、窒化膜、炭化膜、ポリマー、又はそれらの組み合わせを含んでよい。例示的な実施形態において、ビア絶縁層158を形成するために、CVD工程を利用することができる。ビア絶縁層158は、約500~3,000Åの厚みを有することができる。例えば、ビア絶縁層158は、低圧CVD(sub-atmospheric CVD)工程によって形成されたシリコン酸化膜によって形成され得る。
【0081】
図11A及び
図11Bを参照すれば、ランディングパッドバリア層134Bの上面が露出されるまで、貫通ビアホール150Hの底部のビア絶縁層158と層間絶縁膜120とを除去し、貫通ビアホール150Hを下方に拡張させることができる。ランディングパッドバリア層134Bが、貫通ビアホール150Hのエッチング工程におけるエッチング停止層として機能することができ、それにより、ランディングパッドバリア層134Bによって覆われるランディングパッド金属層134Wの上面134WUは、貫通ビアホール150Hによって露出されない。
【0082】
図12A及び
図12Bを参照すれば、貫通ビアホール150Hの内壁上に、第2導電性バリア層156が形成される。第2導電性バリア層156は、W、WN、WC、Ti、TiN、Ta、TaN、Ru、Co、Mn、WN、Ni又はNiBを使用し、PVD工程、電気メッキ工程、無電解メッキ(electroless plating)工程によって形成され得る。第2導電性バリア層156は、約500~2,000Åの厚みt12(
図3)を有することができる。
【0083】
第2導電性バリア層156は、貫通ビアホール150Hの内壁に露出されるビア絶縁層158の表面全体と層間絶縁膜120の表面全体とを覆うように、コンフォーマルに形成され得る。第2導電性バリア層156は、貫通ビアホール150Hの底部において、層間絶縁膜120上及びランディングパッドバリア層134B上にコンフォーマルに形成され得る。
【0084】
図13A及び
図13Bを参照すれば、ランディングパッド金属層134Wの上面が露出されるまで、貫通ビアホール150Hの底部上の第2導電性バリア層156及びランディングパッドバリア層134Bを除去し、貫通ビアホール150Hを下方に拡張させることができる。そのとき、ランディングパッド金属層134Wが、過エッチングされて、ランディングパッド金属層134Wの上側の一部分がくぼみ、貫通ビアホール150Hの底部に露出されるランディングパッド金属層134Wの上面134WUは、貫通ビアホール150Hと垂直オーバーラップされないランディングパッド金属層134Wの一部分の上面134WUよりさらに低いレベルに配置され得る。
【0085】
前述の貫通ビアホール150Hの拡張のためのエッチング工程において、ランディングパッド金属層134Wのエッチングされた粒子が完全に除去されず、貫通ビアホール150Hの内壁上に再蒸着されることがある。エッチングされた粒子の再蒸着の結果として、第2導電性バリア層156の側壁上に、金属アイランド159が形成される可能性がある。例えば、ランディングパッド金属層134WがCuを含むとき、金属アイランド159は、Cuを含む粒子を含むか、あるいはそのような粒子が凝集されて形成される物質層であり得る。金属アイランド159は、互いに離隔されたり、互いに対して隣接したりするように配置される不連続的な層に形成され、あるいは、金属アイランド159は、第2導電性バリア層156上において、垂直方向(Z方向)に沿って連続的に延長される物質層に形成されることもある。
【0086】
比較例による貫通ビア構造物の形成方法によれば、第2導電性バリア層156が省略され、貫通ビアホール150Hの内壁上に、ビア絶縁層158と層間絶縁膜120とが露出された状態で、ランディングパッド金属層134Wがエッチングされる。そのような場合、エッチング工程において、除去された金属粒子が、貫通ビアホール150Hの側壁、例えば、層間絶縁膜120上又はビア絶縁層158上に再蒸着されてしまう。したがって、層間絶縁膜120又はビア絶縁層158が、金属物質によって汚染され、それにより、層間絶縁膜120又はビア絶縁層158の十分な絶縁特性が確保されない。
【0087】
一方、前述の実施形態では、ランディングパッド金属層134Wがエッチングされる工程において、第2導電性バリア層156が、層間絶縁膜120及びビア絶縁層158の表面を覆うため、層間絶縁膜120及びビア絶縁層158が、貫通ビアホール150Hの内壁上に露出されない。したがって、エッチング工程において除去された金属粒子が、層間絶縁膜120上又はビア絶縁層158上に再蒸着されず、層間絶縁膜120又はビア絶縁層158の金属物質汚染を防止することができる。
【0088】
図14A及び
図14Bを参照すれば、貫通ビアホール150Hの内壁上に、第1導電性バリア層154を形成することができる。第1導電性バリア層154は、W、WN、WC、Ti、TiN、Ta、TaN、Ru、Co、Mn、WN、Ni又はNiBを使用し、PVD工程、電気メッキ工程、無電解メッキ工程によって形成され得る。第1導電性バリア層154は、約500~2,000Åの厚みt11(
図3)を有することができる。
【0089】
第1導電性バリア層154は、第2導電性バリア層156と金属アイランド159とを覆うように配置され得る。それにより、金属アイランド159は、第1導電性バリア層154と第2導電性バリア層156との間に配置され得る。
【0090】
図15を参照すれば、第1導電性バリア層154上に、貫通ビアホール150Hの内部を充填する導電性プラグ152を形成することができる。導電性プラグ152は、Cu、CuSn、CuMg、CuNi、CuZn、CuPd、CuAu、CuRe、CuW、W又はW合金を使用し、電気メッキ工程によって形成され得る。例えば、導電性プラグ152を形成するために、第1導電性バリア層154の表面に、金属シード層(図示せず)を形成した後、電気メッキ工程により、金属シード層から金属層を形成し、第1導電性バリア層154上に、貫通ビアホール150Hを充填する導電性プラグ152を形成することができる。金属シード層は、Cu、Cu合金、Co、Ni、Ru、Co/Cu又はRu/Cuを使用し、PVD工程によって形成され得る。電気メッキ工程は、約10~65℃の温度で遂行され得る。例えば、電気メッキ工程は、常温でも遂行され得る。導電性プラグ152が形成された後、必要によっては、導電性プラグ152が形成された結果物を、約150~450℃の温度でアニーリングすることができる。
【0091】
図16を参照すれば、基板110の第2面110F2が露出されるまで、導電性プラグ152を含む結果物を、CMP工程によって研磨し、導電性プラグ152、第1導電性バリア層154、第2導電性バリア層156及びビア絶縁層158を、貫通ビアホール150Hの内部だけに残留させる。その結果、貫通ビアホール150Hの内部に、貫通ビア構造物150Dを形成することができる。
【0092】
再び
図2を参照すれば、基板110の第2面110F2上に、導電層(図示せず)を形成し、導電層をパターニングし、第2パッド162を形成することができる。第2パッドは、貫通ビア構造物150Dに電気的に連結され得る。
【0093】
前述の集積回路装置100Dの製造方法によれば、貫通ビアホール150Hの内壁上に、ビア絶縁層158及び第2導電性バリア層156をまず形成した後、貫通ビアホール150Hの底部において、ランディングパッド金属層134Wの上面134WUを露出させるためのエッチング工程を遂行することができる。したがって、エッチング工程において、ランディングパッド金属層134Wからエッチングされた金属物質粒子が、貫通ビアホール150Hの側壁に再蒸着される場合であっても、金属物質粒子を含む金属アイランド159は、第2導電性バリア層156と第1導電性バリア層154との間に配置される。したがって、金属物質粒子が、ビア絶縁層158と接触することを防止することができる。したがって、第2導電性バリア層156が省略された場合に発生し得る、貫通ビアホール150Hのエッチング工程におけるビア絶縁層158の金属物質粒子汚染による信頼性の低下を防止することができる。したがって、集積回路装置100Dは、優秀な信頼性を有することができる。
【0094】
図17は、例示的な実施形態による半導体パッケージ200の要部構成を示す断面図である。
【0095】
図17を参照すれば、半導体パッケージ200は、パッケージ基板210上に順に積層された複数の半導体チップ220を含む。複数の半導体チップ220上に、制御チップ(control chip)230が連結されている。複数の半導体チップ220と制御チップ230との積層構造は、パッケージ基板210上において、熱硬化性樹脂のような封入材(encapsulant)240によって密封されている。
図17には、6個の半導体チップ220が垂直に積層された構造が例示されているが、半導体チップ220の個数及び積層方向は、例示されたところに制限されるものではない。半導体チップ220の個数は、必要により、6個よりさらに少なく又は多くなるように決定されてもよい。複数の半導体チップ220は、パッケージ基板210上に、水平方向にも配列され、垂直方向実装及び水平方向実装を組み合わせた連結構造に配列され得る。一部の実施形態において、制御チップ230は、省略可能である。
【0096】
パッケージ基板210は、フレキシブルプリント回路基板(flexible printed circuit board)、リジッドフレキシブル回路基板(rigid printed circuit board)、又はそれらの組み合わせを含み得る。パッケージ基板210は、基板内部配線212及び接続端子214を具備する。接続端子214は、パッケージ基板210の一面に形成される。パッケージ基板210の他面には、はんだボール216が形成される。接続端子214は、基板内部配線212を介して、はんだボール216に電気的に接続される。一部の実施形態において、はんだボール216は、導電性バンプ又はLGA(lead grid array)でも代替される。
【0097】
複数の半導体チップ220及び制御チップ230は、Si貫通電極(TSV:through-silicon-via)ユニット222、232を含む。TSVユニット222、232は、バンプのような連結部材250により、パッケージ基板210の接続端子214に電気的に連結され得る。一部の実施形態において、制御チップ230内のTSVユニット232が省略され得る。
【0098】
複数の半導体チップ220及び制御チップ230のうち少なくとも1つは、
図1~
図7を参照して説明した集積回路装置100、100A、100B、100C、100Dのうち少なくとも1つを含む。そして、TSVユニット222、232は、
図1~
図7を参照して説明した貫通ビア構造物150、150A、150B、150C、150Dのうち少なくとも1つを含む。連結部材250は、
図2を参照して説明した第1パッド142と、該第1パッド142を介してTSVユニット222、232に連結される、
図2を参照して説明した第2パッド162とを含む。
【0099】
複数の半導体チップ220は、それぞれシステムLSI、フラッシュメモリ、DRAM、SRAM、EEPROM、PRAM、MRAM又はReRAMを含んでもよい。制御チップ230は、シリアライザ/デシリアライザ(SER/DES)回路のような論理回路を含んでもよい。
【0100】
以上のように、図面及び明細書を参照して例示的な実施形態が開示されている。本明細書では、特定の用語を使用して実施形態について説明したが、それらは、単に、本開示の技術的思想について説明する目的のために使用されたものにすぎず、意味的限定や特許請求の範囲に記載された本開示の範囲を制限するために使用されたものではない。したがって、本技術分野の当業者であるならば、それらから、多様な変形、及び均等な他の実施形態が可能であることを理解するであろう。したがって、本開示の真の技術的な保護範囲は、特許請求の範囲の技術的思想によって決められるものである。
【産業上の利用可能性】
【0101】
本発明に係る集積回路装置及びその製造方法は、例えば、電子機器関連の技術分野に効果的に適用可能である。
【符号の説明】
【0102】
110 基板
120 層間絶縁膜
130 金属層間絶縁膜
134 ランディングパッド
134B ランディングパッドバリア層
134W ランディングパッド金属層
150 貫通ビア構造物
150H 貫通ビアホール
150HS 段差部
152 導電性プラグ
154 第1導電性バリア層
156 第2導電性バリア層
158 ビア絶縁層
159 金属アイランド