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特許7533921サーバ、支援者端末、システム、方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-05
(45)【発行日】2024-08-14
(54)【発明の名称】サーバ、支援者端末、システム、方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G08B 25/10 20060101AFI20240806BHJP
   G08B 25/04 20060101ALI20240806BHJP
   G08B 21/10 20060101ALI20240806BHJP
   H04M 1/00 20060101ALI20240806BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20240806BHJP
【FI】
G08B25/10 D
G08B25/04 K
G08B21/10
H04M1/00 M
H04M11/00 301
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020084335
(22)【出願日】2020-05-13
(65)【公開番号】P2021179765
(43)【公開日】2021-11-18
【審査請求日】2023-04-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000232254
【氏名又は名称】日本電気通信システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】鎌田 典彦
【審査官】瀬戸 康平
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-085079(JP,A)
【文献】特開2010-193234(JP,A)
【文献】特開2011-176539(JP,A)
【文献】特開2018-036762(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B 19/00-31/00
H04M 1/00,11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
支援者が所持する支援者端末の識別情報と、前記支援者端末の位置情報と、前記支援者により支援される被支援者が所持する被支援者端末の識別情報と、前記被支援者端末の位置情報と、を受信するサーバ受信部と、
前記支援者端末の位置情報と前記被支援者端末の位置情報との間の距離に基づいて、複数の前記支援者端末のうちから所定の支援者端末を特定し、前記所定の支援者端末を所持する支援者が支援に向かうべき前記被支援者に関する被支援者情報を生成するサーバ生成部と、
前記被支援者情報を所定の通信経路を介して前記所定の支援者端末に送信するサーバ送信部と、
を備え
前記サーバ送信部は、
前記被支援者情報の代わりに、前記被支援者情報を暗号化した暗号化被支援者情報を前記所定の支援者端末に送信し、
前記所定の通信経路が不通の場合、前記暗号化被支援者情報を復号するための復号鍵を前記暗号化せずに、別の所定の通信経路を介して前記所定の支援者端末に送信す
サーバ。
【請求項2】
前記サーバ送信部は、前記所定の通信経路が不通の場合、前記被支援者情報を別の所定の通信経路を介して前記所定の支援者端末に送信する、
請求項1に記載のサーバ。
【請求項3】
支援者が所持する自支援者端末の識別情報と、自支援者端末の位置情報と、をサーバに送信する支援者端末送信部と、
自支援者端末の位置情報と、前記支援者により支援される被支援者が所持する被支援者端末の位置情報と、の間の距離に基づいて、前記支援者が支援に向かうべき前記被支援者に関する被支援者情報を、所定の通信経路を介して前記サーバから受信する支援者端末受信部と、
前記被支援者情報に基づいて、前記支援者が支援に向かうべき前記被支援者を表示する支援者端末表示部と、
前記被支援者情報と、前記被支援者情報を受信した時刻と、を関連付けて保存する支援者端末保存部と、
を備え
前記支援者端末受信部は、前記被支援者情報の代わりに、前記被支援者情報を暗号化した暗号化被支援者情報を受信し、
前記支援者端末受信部は、前記所定の通信経路が不通となり前記暗号化被支援者情報を受信できなくなった場合、前記暗号化被支援者情報を復号するための前記暗号化されていない復号鍵を、別の所定の通信経路を介して受信し、前記受信できなくなる直前に受信した前記暗号化被支援者情報を前記支援者端末保存部から読み出し、前記読み出した前記暗号化被支援者情報を前記復号鍵で復号し、
前記支援者端末表示部は、復号した前記暗号化被支援者情報に基づいて、前記支援者が支援に向かうべき前記被支援者を表示す
支援者端末。
【請求項4】
前記支援者端末受信部は、前記所定の通信経路が不通の場合、前記被支援者情報を別の所定の通信経路を介して受信する、
請求項に記載の支援者端末。
【請求項5】
前記被支援者情報は、前記被支援者に対する前記支援者の割り当て情報を含み、
前記被支援者情報は、前記被支援者のプロフィール、前記被支援者の所在情報、及び避難所の情報をさらに含む、
請求項3又は4に記載の支援者端末。
【請求項6】
支援者が所持する支援者端末と、前記支援者により支援される被支援者が所持する被支援者端末と、前記支援者端末及び前記被支援者端末と通信を行うサーバと、を備え、
前記サーバは、
前記支援者端末の識別情報と、前記支援者端末の位置情報と、前記被支援者端末の識別情報と、前記被支援者端末の位置情報と、を受信するサーバ受信部と、
前記支援者端末の位置情報と前記被支援者端末の位置情報との間の距離に基づいて、複数の前記支援者端末のうちから所定の支援者端末を特定し、前記所定の支援者端末を所持する支援者が支援に向かうべき前記被支援者に関する被支援者情報を生成するサーバ生成部と、
前記被支援者情報を所定の通信経路を介して前記所定の支援者端末に送信するサーバ送信部と、を有し、
前記支援者端末は、
前記支援者端末の識別情報と、前記支援者端末の位置情報と、を前記サーバに送信する支援者端末送信部と、
前記支援者端末の位置情報と、前記被支援者端末の位置情報と、の間の距離に基づいて、前記支援者が支援に向かうべき前記被支援者に関する被支援者情報を、所定の通信経路を介して前記サーバから受信する支援者端末受信部と、
前記被支援者情報に基づいて、前記支援者が支援に向かうべき前記被支援者を表示する支援者端末表示部と、
前記被支援者情報と、前記被支援者情報を受信した時刻と、を関連付けて保存する支援者端末保存部と、を有し、
前記被支援者端末は、
前記被支援者端末の識別情報と、前記被支援者端末の位置情報と、を前記サーバに送信する被支援者端末送信部を有
前記サーバ送信部は、
前記被支援者情報の代わりに、前記被支援者情報を暗号化した暗号化被支援者情報を前記所定の支援者端末に送信し、
前記所定の通信経路が不通の場合、前記暗号化被支援者情報を復号するための復号鍵を前記暗号化せずに、別の所定の通信経路を介して前記所定の支援者端末に送信し、
前記支援者端末受信部は、前記被支援者情報の代わりに、前記被支援者情報を暗号化した暗号化被支援者情報を受信し、
前記支援者端末受信部は、前記所定の通信経路が不通となり前記暗号化被支援者情報を受信できなくなった場合、前記暗号化被支援者情報を復号するための前記暗号化されていない復号鍵を、別の所定の通信経路を介して受信し、前記受信できなくなる直前に受信した前記暗号化被支援者情報を前記支援者端末保存部から読み出し、前記読み出した前記暗号化被支援者情報を前記復号鍵で復号し、
前記支援者端末表示部は、復号した前記暗号化被支援者情報に基づいて、前記支援者が支援に向かうべき前記被支援者を表示する、
システム。
【請求項7】
支援者が所持する支援者端末の識別情報と、前記支援者端末の位置情報と、前記支援者により支援される被支援者が所持する被支援者端末の識別情報と、前記被支援者端末の位置情報と、を受信することと、
前記支援者端末の位置情報と前記被支援者端末の位置情報との間の距離に基づいて、複数の前記支援者端末のうちから所定の支援者端末を特定し、前記所定の支援者端末を所持する支援者が支援に向かうべき前記被支援者に関する被支援者情報を生成することと、
前記被支援者情報を所定の通信経路を介して前記所定の支援者端末に送信することと、
を備え
前記被支援者情報の代わりに、前記被支援者情報を暗号化した暗号化被支援者情報を前記所定の支援者端末に送信し、
前記所定の通信経路が不通の場合、前記暗号化被支援者情報を復号するための復号鍵を前記暗号化せずに、別の所定の通信経路を介して前記所定の支援者端末に送信す
方法。
【請求項8】
支援者が所持する支援者端末の識別情報と、前記支援者端末の位置情報と、前記支援者により支援される被支援者が所持する被支援者端末の識別情報と、前記被支援者端末の位置情報と、を受信することと、
前記支援者端末の位置情報と前記被支援者端末の位置情報との間の距離に基づいて、複数の前記支援者端末のうちから所定の支援者端末を特定し、前記所定の支援者端末を所持する支援者が支援に向かうべき前記被支援者に関する被支援者情報を生成することと、
前記被支援者情報を所定の通信経路を介して前記所定の支援者端末に送信することと、
前記被支援者情報の代わりに、前記被支援者情報を暗号化した暗号化被支援者情報を前記所定の支援者端末に送信することと、
前記所定の通信経路が不通の場合、前記暗号化被支援者情報を復号するための復号鍵を前記暗号化せずに、別の所定の通信経路を介して前記所定の支援者端末に送信することと、
をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、サーバ、支援者端末、システム、方法、及びプログラムに関するものであり、特に、非常時に、被支援者を支援する支援者に、支援に向かうべき適切な被支援者の被支援者情報を通知することが可能なサーバ、支援者端末、システム、方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
災害などの非常時において、地域の住人で支援が必要となった人(被支援者)に対して該被支援者を支援する人(支援者)の割り当て、すなわち、被支援者に対する支援者の割り当ては、居住地に基づいて予め住居が近い人を割り当てることで行われている。また、地域の自主防災組織などで予め役割分担を定めておくなど、事前に行われている。しかしながら、これらの割り当てでは、被支援者および支援者の少なくとも一方が外出などで移動した場合、被支援者と支援者との間の距離が長くなり、支援者が早急に支援に駆け付けることが難しいことがある。このように、事前の静的な計画に基づいた割り当ての通りには避難や支援を行うことは難しい。
【0003】
特許文献1には、「被測定者の生体情報について緊急と判断された時に、当該生体情報及び/又は緊急情報を受信装置に送信する緊急連絡装置であって、前記生体情報及び/又は前記緊急情報と、被測定者の現在位置を示す被測定者位置情報とを、同時又は異なるタイミングで取得する情報取得部と、当該情報取得部が前記生体情報及び/又は前記緊急情報を取得した時に、前記被測定者位置情報に基づいて、前記生体情報及び/又は緊急情報を送信する受信装置を選定する送信先選定手段と、当該送信先選定手段が選定した受信装置に対して前記生体情報及び/又は緊急情報を送信する緊急情報送信部とからなる緊急連絡装置」が記載されている。特許文献1には、「支援者が所持する支援者端末の位置情報と支援者により支援される被支援者が所持する被支援者端末の位置情報との間の距離に基づいて、複数の支援者端末のうちから所定の支援者端末を特定すること」は記載されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-085079号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のとおり、被支援者および支援者の少なくとも一方が外出などで移動した場合、被支援者と支援者との間の距離が長くなり、早急に支援に駆け付けることが難しいという課題があった。
【0006】
本開示の目的は、上述した課題のいずれかを解決するサーバ、通信端末、システム、方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係るサーバは、
支援者が所持する支援者端末の識別情報と、前記支援者端末の位置情報と、前記支援者により支援される被支援者が所持する被支援者端末の識別情報と、前記被支援者端末の位置情報と、を受信するサーバ受信部と、
前記支援者端末の位置情報と前記被支援者端末の位置情報との間の距離に基づいて、複数の前記支援者端末のうちから所定の支援者端末を特定し、前記所定の支援者端末を所持する支援者が支援に向かうべき前記被支援者に関する被支援者情報を生成するサーバ生成部と、
前記被支援者情報を所定の通信経路を介して前記所定の支援者端末に送信するサーバ送信部と、を備える。
【0008】
本開示に係る支援者端末は、
支援者が所持する自支援者端末の識別情報と、自支援者端末の位置情報と、をサーバに送信する支援者端末送信部と、
自支援者端末の位置情報と、前記支援者により支援される被支援者が所持する被支援者端末の位置情報と、の間の距離に基づいて、前記支援者が支援に向かうべき前記被支援者に関する被支援者情報を、所定の通信経路を介して前記サーバから受信する支援者端末受信部と、
前記被支援者情報に基づいて、前記支援者が支援に向かうべき前記被支援者を表示する支援者端末表示部と、
を備える。
【0009】
本開示に係るシステムは、
支援者が所持する支援者端末と、前記支援者により支援される被支援者が所持する被支援者端末と、前記支援者端末及び前記被支援者端末と通信を行うサーバと、を備え、
前記サーバは、
前記支援者端末の識別情報と、前記支援者端末の位置情報と、前記被支援者端末の識別情報と、前記被支援者端末の位置情報と、を受信するサーバ受信部と、
前記支援者端末の位置情報と前記被支援者端末の位置情報との間の距離に基づいて、複数の前記支援者端末のうちから所定の支援者端末を特定し、前記所定の支援者端末を所持する支援者が支援に向かうべき前記被支援者に関する被支援者情報を生成するサーバ生成部と、
前記被支援者情報を所定の通信経路を介して前記所定の支援者端末に送信するサーバ送信部と、を有し、
前記支援者端末は、
前記支援者端末の識別情報と、前記支援者端末の位置情報と、を前記サーバに送信する支援者端末送信部と、
前記支援者端末の位置情報と、前記被支援者端末の位置情報と、の間の距離に基づいて、前記支援者が支援に向かうべき前記被支援者に関する被支援者情報を、所定の通信経路を介して前記サーバから受信する支援者端末受信部と、
前記被支援者情報に基づいて、前記支援者が支援に向かうべき前記被支援者を表示する支援者端末表示部と、を有し、
前記被支援者端末は、
前記被支援者端末の識別情報と、前記被支援者端末の位置情報と、を前記サーバに送信する被支援者端末送信部を有する。
【0010】
本開示に係る方法は、
支援者が所持する支援者端末の識別情報と、前記支援者端末の位置情報と、前記支援者により支援される被支援者が所持する被支援者端末の識別情報と、前記被支援者端末の位置情報と、を受信することと、
前記支援者端末の位置情報と前記被支援者端末の位置情報との間の距離に基づいて、複数の前記支援者端末のうちから所定の支援者端末を特定し、前記所定の支援者端末を所持する支援者が支援に向かうべき前記被支援者に関する被支援者情報を生成することと、
前記被支援者情報を所定の通信経路を介して前記所定の支援者端末に送信することと、
を備える。
【0011】
本開示に係るプログラムは、
支援者が所持する支援者端末の識別情報と、前記支援者端末の位置情報と、前記支援者により支援される被支援者が所持する被支援者端末の識別情報と、前記被支援者端末の位置情報と、を受信することと、
前記支援者端末の位置情報と前記被支援者端末の位置情報との間の距離に基づいて、複数の前記支援者端末のうちから所定の支援者端末を特定し、前記所定の支援者端末を所持する支援者が支援に向かうべき前記被支援者に関する被支援者情報を生成することと、
前記被支援者情報を所定の通信経路を介して前記所定の支援者端末に送信することと、
をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、非常時に、被支援者を支援する支援者に、支援に向かうべき適切な被支援者の被支援者情報を通知することが可能なサーバ、支援者端末、システム、方法、及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施の形態1に係るシステムを例示するブロック図である。
図2】実施の形態1に係る被支援者端末を例示するブロック図である。
図3】実施の形態1に係る支援者端末を例示するブロック図である。
図4】実施の形態1に係るサーバを例示するブロック図である。
図5】実施の形態1に係る被支援者端末の動作を例示するフローチャートである。
図6】実施の形態1に係る支援者端末の動作を例示するフローチャートである。
図7】実施の形態1に係る支援者端末の動作を例示するフローチャートである。
図8】実施の形態1に係る支援者端末の動作を例示するフローチャートである。
図9】実施の形態1に係るサーバの動作を例示するフローチャートである。
図10】実施の形態1に係るサーバの動作を例示するフローチャートである。
図11】実施の形態1の特徴を説明するための模式図である。
図12】実施の形態2に係るサーバを例示するブロック図である。
図13】実施の形態3に係るシステムを例示するブロック図である。
図14】実施の形態4に係る支援者端末を例示するブロック図である。
図15】実施の形態5に係る支援者端末を例示するブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。各図面において、同一又は対応する要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明を省略する。
【0015】
[実施の形態1]
実施の形態1に係る通信端末の構成を説明する。
図1は、実施の形態1に係るシステムを例示するブロック図である。
図2は、実施の形態1に係る被支援者端末を例示するブロック図である。
【0016】
図1に示すように、実施の形態1に係るシステム10は、支援者が所持する支援者端末11と、支援者により支援される被支援者が所持する被支援者端末12と、支援者端末11及び被支援者端末12と通信を行うサーバ13と、を備える。尚、被支援者を要支援者と称することもある。
先ず、各要素を説明する。
【0017】
<被支援者>
図1に示す被支援者は、被支援者端末12を所持し、被支援者端末12を操作する。被支援者は、支援者に駆け付けてもらい支援を受ける。また、被支援者は、所在を確認され、または、安否確認をされる。
【0018】
<管理者>
管理者は、サーバ13を操作する。管理者は、例えば、非常時(災害時)にサーバ13から提供された復号鍵の情報を、防災無線15や放送局16などを介して支援者に提供する。尚、管理者を自動連動手段に置き換えて、サーバ13から防災無線15や放送局16などを介して支援者に復号鍵を提供する動作を、自動で連動させ動作させるようにしてもよい。復号鍵を解除コードと称することもある。
【0019】
<支援者>
支援者は、支援者端末11を所持し、支援者端末11を操作する。支援者は、サーバ13を介して取得した被支援者の所在情報、すなわち、被支援者端末12の位置情報に基づいて、被支援者の所在する位置に駆け付け、被支援者の所在や安否を確認する。被支援者の所在情報は、被支援者が所持する被支援者端末12の所在情報でもある。よって、被支援者の所在情報は、被支援者が所持する被支援者端末12の所在情報であるものとして理解してもよい。所在情報を位置情報と称することもある。
【0020】
支援者は、非常時(災害時)の避難支援において、避難を支援するために非常時に高齢者など避難が困難な被支援者の元に駆け付ける。このとき、被支援者のプライバシー情報の保護の観点から、被支援者の所在情報(被支援者端末12の所在情報)が暗号化されている場合、そのままでは、被支援者の所在が不明である。そこで、支援者は、通常時に暗号化されているが、非常時に暗号化されていない所在情報を、通信網17と基地局14とを介して、支援者端末11を使用してサーバ13から受信する。支援者は、支援者端末11が受信した被支援者の所在情報に基づいて、支援者の元に駆け付け、安否を確認し、支援者を支援する。通信網17と基地局14とを介した通信経路を、所定の通信経路と称することもある。
【0021】
また、支援者は、通信網17と基地局14とを介した所定の通信経路が災害により不通となった場合、管理者が防災無線15と放送局16の別の所定の通信枝経路を介して通知する復号鍵を取得する。支援者は、取得した復号鍵を支援者端末11に入力する。そして、支援者端末11が入力された復号鍵を用いて暗号化された所在情報を復号することにより、支援者は、被支援者の所在情報を取得する。支援者は、支援者端末11が受信した被支援者の所在情報に基づいて、支援者の元に駆け付け、安否を確認し、支援者を支援する。防災無線15や放送局16などを介した通信経路を、別の所定の通信経路と称することもある。
【0022】
尚、支援者が復号鍵を支援者端末11に入力する作業は、支援者端末11に復号鍵を自動で受信する復号鍵受信手段を追加することで行ってもよい。これにより、防災無線15や放送局16などを介して通知された復号鍵は、支援者端末11で受信される。そして、支援者端末11が暗号化された所在情報を復号鍵で復号することにより、支援者は、被支援者の所在情報を取得することができる。
【0023】
<被支援者端末>
図2は、実施の形態1に係る被支援者端末を例示するブロック図である。
【0024】
図2に示すように、被支援者端末12は、識別情報保持手段121と、位置測位手段122と、報告生成手段123と、通信手段124と、を備える。報告生成手段123と通信手段124の送信部分は、被支援者端末送信部12aに含まれる。
【0025】
被支援者端末12は、被支援者が所持する端末である。被支援者端末12は、支援者に駆け付けてもらい、安否確認される被支援者が所持する端末である。
【0026】
ここでは、システム10を避難支援に適用した場合を例に挙げて説明する。被支援者端末12は、高齢者など、非常時に自力避難が困難であり、移動手段が無く、避難に際して支援者が支援する必要がある被支援者が所持する端末である。
【0027】
被支援者端末12は、被支援者端末12の位置情報(現在位置)と、被支援者(又は被支援者端末12)を識別するための識別情報と、をセットにして、基地局14と通信網17とを介してサーバ13に送信する。すなわち、被支援者端末送信部12aは、被支援者端末12の識別情報と、被支援者端末12の位置情報と、をサーバ13に送信する。
【0028】
被支援者端末12の位置情報と識別情報の送信時間間隔(送信契機)は、一定時間間隔でもよい。また、送信時間間隔は、被支援者端末12の位置が一定距離以上に変化した時の間隔でもよい。位置情報と識別情報の送信時間間隔は、これらに限定されず、例えば、サーバ13が、被支援者端末12の位置情報(現在位置)を十分に管理できる時間間隔に基づくものでよい。被支援者端末12は、サーバ13に位置情報等を送信するための機能が常時動作、又は間欠動作していればよく、被支援者による特段の操作は必要としない。
【0029】
被支援者端末12の詳細を説明する。
識別情報保持手段121は、被支援者端末12を一意に識別する識別情報と、被支援者端末12の位置情報と、を共に送信するために、被支援者端末12の識別情報を保持する。
【0030】
被支援者端末12の識別情報は、例えば、初回利用時などに予め設定しておいてもよい。識別情報は、システム10において一意の識別番号であり、文字列やコードを用いたり、被支援者の住所や氏名を用いたり、公的機関などが発行した番号、例えば、被支援者の保険証番号を用いたりして、その用途で必要なレベルで被支援者端末12を一意に特定し識別できる情報であればよい。
【0031】
位置測位手段122は、全地球測位システム(GPS:Global Positioning System)、又は、全球測位衛星システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)信号などを用いて被支援者端末12の位置を測位する。位置測位手段122は、全地球測位システム、又は、全球測位衛星システムという方式に限定されず、被支援者端末12の所在位置が分かる方式であればよい。
【0032】
被支援者端末12の所在位置を特定する方式としては、例えば、無線LAN(Local Area Network)アクセスポイントの電波を用いた測位方式や、無線ビーコン(電波による位置基準局)を用いた測位方式でもよい。また、被支援者端末12の所在位置を特定する方式としては、地磁気を用いた測位方式や、携帯電話の基地局のどのセルに被支援者端末12が収容されているかに基づく測位方式でも良い。また、被支援者端末12の所在位置を特定する方式としては、被支援者自身が現在の所在する位置を入力してもよい。
【0033】
報告生成手段123は、識別情報保持手段121から識別情報を取得し、位置測位手段122から被支援者端末12の位置情報を取得し、これらの情報をサーバ13へ報告するための報告情報にまとめる。報告生成手段123は、まとめた報告情報を、通信手段124を用いてサーバへ送信する。
【0034】
通信手段124は、報告生成手段123が作成した報告情報を、基地局14と通信網17とを介してサーバ13へ送信する。
【0035】
避難支援の例では、携帯電話網を利用した通信を想定したが、これには限定されない。実施の形態1は、無線LANを利用した通信や、工場などの自営網などを利用した通信でも利用可能であり、特定の通信方式には限定されない。
【0036】
<支援者端末>
図3は、実施の形態1に係る支援者端末を例示するブロック図である。
【0037】
図3に示すように、支援者端末11は、識別情報保持手段111と位置測位手段112と報告生成手段113と通信手段114と被支援者情報保持手段115と鍵情報入力手段116と復号手段117と被支援者情報表示手段118とを備える。
【0038】
報告生成手段113と通信手段114の送信部分は、支援者端末送信部11aに含まれる。通信手段114の受信部分は、支援者端末受信部11bに含まれる。被支援者情報表示手段118は、支援者端末表示部11cに含まれる。被支援者情報保持手段115は、支援者端末保存部11dに含まれる。
【0039】
支援者端末11は、支援者が所持する端末である。支援者は、支援者端末11がサーバ13を介して受信した被支援者端末12の所在情報に基づいて、被支援者の元に駆け付け、被支援者の所在や安否を確認する。
【0040】
ここでは、システム10を避難支援に適用した場合を例に挙げて説明する。支援者端末11は、避難に際して、支援を必要としている被支援者を迎えに行き、避難所への避難を介助する支援者(避難協力者)が所持する端末である。
【0041】
支援者端末11は、被支援者端末12と同様に、支援者端末11の位置情報(現在位置)と、支援者(又は支援者端末11)を識別するための識別情報と、をセットにして、基地局14と通信網17とを介してサーバ13に送信する。すなわち、支援者端末送信部11aは、支援者が所持する支援者端末11の識別情報と、支援者端末11の位置情報と、をサーバ13に送信する。
【0042】
支援者端末11の位置情報と識別情報の送信時間間隔(送信頻度)は、一定時間間隔でもよい。また、送信時間間隔は、支援者端末11の位置が一定距離以上に変化した時の間隔でもよい。位置情報と識別情報の送信時間間隔は、これらに限定されず、例えば、サーバ13が、支援者端末11の位置情報(現在位置)を十分に管理できる時間間隔に基づくものでよい。支援者端末11は、サーバ13に位置情報等を送信するための機能が常時動作、又は間欠動作していればよく、被支援者による特段の操作は必要としない。
【0043】
支援者端末11は、支援者が利用するためのユーザインターフェースを備える。支援者は、非常時には、ユーザインターフェースを用いて、サーバ13から送信された情報であって、支援に向かう(駆け付ける)べき被支援者の位置情報や避難所の情報を含む被支援者情報を確認する。
【0044】
支援に向かうべき被支援者の位置情報(被支援者端末12の位置情報)は、プライバシー情報であるため、通常時には簡単に確認することができないように暗号化がかけられている場合がある。この場合、支援者端末11は、非常時(災害時)には、サーバ13から通信網17と基地局14を介して送信された復号鍵を受信し、受信した復号鍵を用いて暗号化された位置情報等を復号してもよい。
【0045】
また、災害により、通信網17と基地局14とを介した所定の通信経路が不通となっている場合、サーバ13は、テレビやラジオなどの放送局16や防災無線15などの別の所定の通信経路を介して、暗号化された情報を解除(復号)するための復号鍵を送信する。支援者は、復号鍵を受信し、復号鍵を支援者端末11に入力することで、暗号化された情報のロックを解除し被支援者の所在情報を確認する。復号鍵は、支援者に口伝えで伝えてもよい。または、印刷物の配布や物理的な掲示板に紙で貼り出すことにより支援者に伝えてもよい。
【0046】
支援者端末11の詳細を説明する。
識別情報保持手段111は、支援者端末11を一意に識別する識別情報と、支援者端末11の位置情報と、を共に送信するために、支援者端末11の識別情報を保持する。
【0047】
支援者端末11の識別情報は、例えば、初回利用時などに予め設定しておいてもよい。識別情報は、システム10において一意の識別番号であり、文字列やコードを用いたり、支援者の住所や氏名を用いたり、公的機関などが発行した番号、例えば、支援者の保険証番号を用いたりして、その用途で必要なレベルで支援者端末11を一意に特定し識別できる情報であればよい。
【0048】
位置測位手段112は、全地球測位システム(GPS:Global Positioning System)、又は、全球測位衛星システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)信号などを用いて支援者端末11の位置を測位する。位置測位手段112は、全地球測位システム、又は、全球測位衛星システムという方式に限定されず、支援者端末11の所在位置が分かれる方式であればよい。
【0049】
支援者端末11の所在位置を特定する方式としては、例えば、無線LAN(Local Area Network)アクセスポイントの電波を用いた測位方式や、無線ビーコン(電波による位置基準局)を用いた測位方式でもよい。また、支援者端末11の所在位置を特定する方式としては、地磁気を用いた測位方式や、携帯電話の基地局のどのセルに支援者端末11が収容されているかに基づく測位方式でも良い。また、支援者端末11の所在位置を特定する方式としては、支援者自身が現在の所在位置を入力してもよい。
【0050】
報告生成手段113は、識別情報保持手段111から識別情報を取得し、位置測位手段112から支援者端末11の位置情報を取得し、これらの情報をサーバ13へ報告するための報告情報にまとめる。報告生成手段113は、まとめた報告情報を、通信手段114を用いてサーバ13に送信する。
【0051】
通信手段114は、報告生成手段113が作成した報告情報を、基地局14と通信網17とを介してサーバ13へ送信する。
【0052】
支援者端末受信部11b内の通信手段114は、支援に向かうべき被支援者の位置情報や避難所の情報を含む被支援者情報を受信する。支援者端末受信部11b内の通信手段114は、被支援者情報の代わりに、被支援者情報を暗号化した暗号化被支援者情報を受信してもよい。
【0053】
被支援者情報保持手段115は、サーバ13から送信され、支援者に対して割り当てられた被支援者のプロフィールや所在情報や安否情報を含む被支援者情報を保持する。サーバ13から暗号化された情報が送られるので、被支援者情報保持手段115は、暗号化されたままの情報を保持する。このとき、支援者端末保存部11d内の被支援者情報保持手段115は、被支援者情報と、被支援者情報を受信した時刻と、を関連付けて保存する。
【0054】
サーバ13では、支援者端末11の位置情報と、支援者により支援される被支援者が所持する被支援者端末12の位置情報と、の間の距離に基づいて、支援者が支援に向かうべき被支援者に関する被支援者情報を生成する。支援者端末受信部11bは、サーバ13が生成した支援者が支援に向かうべき被支援者に関する被支援者情報を、所定の通信経路を介してサーバ13から受信する。
【0055】
鍵情報入力手段116は、復号鍵を入力するための手段である。支援者は、サーバ13の復号鍵出力手段138から払い出された復号鍵を入手し、復号鍵を鍵情報入力手段116に入力する。復号鍵の入力方法は、テキストや音や音声による入力、QRコードによる入力などでよい。入力方法は、復号鍵が入力できるのであれば、その他の入力方法でもよい。復号鍵を鍵情報と称することもある。
【0056】
復号手段117は、サーバ13から送信され、被支援者情報保持手段115に保持され、支援者に対して割り当てられた被支援者のプロフィールや所在情報や安否情報であって暗号化された被支援者情報を、鍵情報入力手段116に入力された復号鍵を用いて復号する。
【0057】
被支援者情報表示手段118は、支援者に対して割り当てられた被支援者のプロフィールや所在情報や安否情報であって、復号手段117が復号した(暗号化を解かれた)被支援者情報を、支援者に対して表示する。すなわち、支援者端末表示部11cは、被支援者情報に基づいて、例えば、支援者が支援に向かうべき被支援者を表示する。表示形式は、テキスト等による表示だけでなく、音声による通知や、地図に重畳して被支援者の所在情報を表示する形式でもよい。
【0058】
被支援者情報は、被支援者に対する支援者の割り当て情報を含む。また、被支援者情報は、被支援者のプロフィール、被支援者の所在情報、及び避難所の情報をさらに含む。
【0059】
支援者端末受信部11bは、所定の通信経路が不通となり、暗号化被支援者情報を受信できなくなった場合、暗号化被支援者情報を復号するための暗号化されていない復号鍵を、別の所定の通信経路を介して受信する。
【0060】
復号手段117は、受信できなくなる直前に受信した暗号化被支援者情報を支援者端末保存部11d(被支援者情報保持手段115)から読み出し、読み出した暗号化被支援者情報を復号鍵で復号する。
【0061】
支援者端末表示部11c(被支援者情報表示手段118)は、復号した暗号化被支援者情報に基づいて、支援者が支援に向かうべき被支援者を表示する。
【0062】
尚、支援者端末受信部11b(通信手段114)は、所定の通信経路が不通の場合、暗号化していない被支援者情報をそのまま、別の所定の通信経路を介して受信してもよい。これにより、支援者端末11は、復号鍵を受信する処理と、被支援者情報を復号化する処理と、を削減することができる。
【0063】
避難支援の例では、携帯電話網を利用した通信を想定したが、これには限定されない。実施の形態1は、無線LANを利用した通信や、工場などの自営網などを利用した通信でも利用可能であり、特定の通信方式には限定されない。
【0064】
<サーバ>
図4は、実施の形態1に係るサーバを例示するブロック図である。
【0065】
図4に示すように、サーバ13は、被支援者端末位置情報保持手段131と支援者割当手段132と支援者端末位置情報保持手段133と通信手段134と暗号化手段135と復号鍵保持手段136と非常時機能有効化手段137と復号鍵出力手段138とを備える。
【0066】
被支援者端末位置情報保持手段131と、支援者端末位置情報保持手段133と、通信手段134のうちの受信部分は、サーバ受信部13aに含まれる。支援者割当手段132はサーバ生成部13bに含まれる。通信手段134のうちの送信部分は、サーバ送信部13cに含まれる。
【0067】
サーバ13は、被支援者端末12と支援者端末11から、それぞれの端末の識別情報と位置情報とを受信し、各端末の位置情報を管理する。サーバ13のサーバ受信部13aは、支援者が所持する支援者端末11の識別情報と、支援者端末11の位置情報と、支援者により支援される被支援者が所持する被支援者端末12の識別情報と、被支援者端末12の位置情報と、を受信する。
【0068】
サーバ13は、被支援者端末12の位置情報と支援者端末11の位置情報とに基づいて、被支援者端末12の所在位置に駆け付け可能な範囲に存在する1台以上の支援者端末11を選択する。すなわち、サーバ13のサーバ生成部13bは、支援者端末11の位置情報と被支援者端末12の位置情報との間の距離に基づいて、複数の支援者端末11のうちから所定の支援者端末11を特定する。所定の支援者端末11を所定の支援者端末11pと称することもある。
【0069】
サーバ生成部13bは、例えば、支援者端末11の位置情報と被支援者端末12の位置情報との間の距離が所定の距離以下である支援者端末11を、所定の支援者端末11pとして特定してもよい。
【0070】
サーバ13は、選択した支援者端末11に、被支援者の位置情報や被支援者の支援に必要な情報、例えば、災害支援の場合には、被支援者を支援して避難すべき避難先の情報や被災情報などを含む被支援者情報を送信する。すなわち、サーバ生成部13bは、所定の支援者端末11を所持する支援者が支援に向かうべき被支援者に関する被支援者情報を生成し、サーバ送信部13cは、被支援者情報を所定の通信経路を介して所定の支援者端末11に送信する。
【0071】
サーバ13が支援者端末11に送信する被支援者情報は、被支援者と支援者(避難協力者)の位置関係(被支援者端末12と支援者端末11の位置関係)が変化する毎に、再度計算し、支援者端末11に再送信する。これにより、支援者端末11内の情報は、随時更新される。
【0072】
サーバ13の詳細を説明する。
被支援者端末位置情報保持手段131は、被支援者端末12が送信した識別情報と位置情報とを、時刻(タイムスタンプ)に関連付けて保持する。用途に応じて付帯情報も含めて保持してもよい。
【0073】
支援者端末位置情報保持手段133は、支援者端末11から送信された識別情報と位置情報とを、時刻(タイムスタンプ)に関連付けて保持する。用途に応じて付帯情報も含めて保持してもよい。
【0074】
支援者割当手段132は、被支援者端末位置情報保持手段131と支援者端末位置情報保持手段133が保持している位置情報に変化があった場合、変化のあった被支援者端末12と支援者端末11の位置関係を調べる。支援者割当手段132は、変化のあった被支援者端末12と支援者端末11の位置関係に基づいて、被支援者に対する支援者の割り当て情報を再計算する。
【0075】
暗号化手段135は、再計算された支援者の割り当て情報を暗号化する。通信手段134は、暗号化された支援者の割り当て情報を支援者端末11に送信する。支援者は、支援者端末11から、被支援者に対する支援者の割り当て情報(割り当てられた支援すべき被支援者情報)を取得する。すなわち、サーバ送信部13cは、被支援者情報の代わりに、被支援者情報を暗号化した暗号化被支援者情報を所定の支援者端末11pに送信する。
【0076】
暗号化手段135は、支援者割当手段132が生成した被支援者に対する支援者の割り当て情報を支援者端末11に送信する前に、割り当て情報を暗号化する。被支援者に対する支援者の割り当て情報は、例えば、被支援者の所在情報などの被支援者のプライバシー情報を含む。このため、通常時は、支援者の割り当て情報(被支援者のプライバシー情報)が必要になるまでは、暗号化した支援者の割り当て情報が支援者端末11に送信される。
【0077】
復号鍵保持手段136は、暗号化した支援者の割り当て情報を復号するための復号鍵(の情報)を保持する。復号鍵保持手段136は、非常時機能有効化手段137が状態を操作するまで、支援者の割り当て情報を復号するための復号鍵を秘匿保管する。
【0078】
通信手段134は、支援者割当手段132が計算した被支援者に対する支援者の割り当て情報を、暗号化手段135が暗号化したものを支援者端末11に送信する。
【0079】
非常時機能有効化手段137は、管理者によって操作され、災害などの発生により動作を非常時動作(災害時動作)に移行すると、情報を暗号化せずに送信する動作に切替わる。被支援者に対する支援者の割り当て情報は、被支援者のプライバシー情報(例えば、被支援者の所在情報)を含む。このため、通常時は、被支援者のプライバシー情報が必要になるまでは、暗号化したプライバシー情報が支援者端末11に送信される。
【0080】
また、非常時機能有効化手段137は、管理者によって操作され、非常時動作に移行すると、既に暗号化して送信済みの支援者の割り当て情報を復号するための復号鍵(の情報)を、復号鍵出力手段138に出力する。
【0081】
また、非常時機能有効化手段137は、管理者によって操作され、通常時動作に移行すると、通常時の通常時動作(暗号化して情報を送信する動作)に切替える(切り戻す)こともできる。
【0082】
復号鍵出力手段138は、非常時機能有効化手段137が管理者によって操作され、非常時動作に移行すると、復号鍵保持手段136に保持されている復号鍵を出力する。管理者は、復号鍵出力手段138が出力した復号鍵(秘密鍵)を、通信網17と基地局14とを介した所定の通信経路が不通の場合、防災無線15と放送局16とを介した所定の通信経路を介して支援者に伝える。すなわち、サーバ送信部13cは、所定の通信経路が不通の場合、暗号化被支援者情報を復号するための復号鍵を暗号化せずに、別の所定の通信経路を介して所定の支援者端末11pに送信する。また、サーバ送信部13cは、被支援者情報を常に、例えば一定時間間隔で、送信し続ける。
【0083】
これにより、支援者は、支援者端末11に保存されている暗号化された被支援者情報を復号する(暗号化を解く)ことができる。また、支援者端末11は、暗号化されていない復号鍵を別の所定の通信経路を介して受信し、非常時動作移行の直前の被支援者情報であって支援者端末11に保存されている暗号化された被支援者情報を該受信した復号鍵で復号し、復号した被支援者情報を表示する。支援者は、表示された被支援者情報を確認することにより、支援に向かうべき適切な被支援者の所在情報等を知ることができる。
【0084】
このように、通信網17と基地局14を介した所定の通信経路が通信障害や災害による被災が発生しても、支援者は、別の所定の通信経路を介して復号鍵を取得し、暗号化された被支援者情報を復号することにより、支援者端末11に保持されている暗号化された被支援者情報(被支援者に対する支援者の割当情報)を確認することができる。
【0085】
尚、サーバ送信部13cは、所定の通信経路が不通の場合、暗号化していない被支援者情報をそのまま、別の所定の通信経路を介して所定の支援者端末11pに送信してもよい。これにより、所定の支援者端末11pは、復号鍵を受信する処理と、被支援者情報を復号化する処理と、を削減することができる。
【0086】
<通信網、基地局>
被支援者端末12とサーバ13との間の通信、及び支援者端末11とサーバ13との間の通信は、無線の基地局14とそのバックボーンである通信網17とを介して行われる。サーバ13は、基地局14と通信網17とを介して被支援者端末12の位置情報と、支援者端末11の位置情報と、を収集する。通信網17は、例えば、携帯電話網や無線LAN網、工場、企業の自営の無線通信網などでもよい。また、基地局14と支援者端末11との間、基地局14と被支援者端末12との間の通信は、有線通信であってもよい。
【0087】
<防災無線、放送局>
防災無線15と、テレビ放送やラジオ放送などの放送局16とを介した通信は、通信網17と基地局14とを介した通信が災害等により不通になった場合、暗号化の解除コード(復号鍵)を、支援者に配布または支援者端末11に送信するために使用される。
【0088】
復号鍵の情報は、テキストや音や音声による入力、QRコードによる入力などでよい。このため、復号鍵を配送できるのであれば、別の伝達方法でもよい。例えば、支援者に口伝えで伝えてもよい。または、印刷物の配布や物理的な掲示板に紙で貼り出すことにより支援者に伝えてもよい。
【0089】
実施の形態1に係るシステム10において、サーバ13は、支援者端末11の位置情報と、被支援者端末12の位置情報と、の間の距離に基づいて、被支援者に関する被支援者情報を生成する。サーバ13は、災害などの非常時に所定の通信経路が不通の場合、暗号化していない復号鍵を別の所定の通信経路を介して支援者端末11に送信する。一方、支援者端末11は、所定の通信経路が不通となり受信できなくなる直前に受信した暗号化被支援者情報を被支援者情報保持手段115から読み出し、読み出した暗号化被支援者情報を、サーバ13から受信した復号鍵で復号する。
【0090】
その結果、実施の形態1によれば、非常時に、被支援者を支援する支援者に、支援に向かうべき適切な被支援者の被支援者情報を通知することが可能なサーバ、支援者端末、システム、方法、及びプログラムを提供することができる。
【0091】
次に、各要素の動作を説明する。
<被支援者端末の動作>
実施の形態1に係る被支援者端末の動作を説明する。
図5は、実施の形態1に係る被支援者端末の動作を例示するフローチャートである。
図5は、被支援者端末12からサーバ13への現在位置を通知する動作を示す。
【0092】
図5に示すように、被支援者端末12の識別情報保持手段121には、予め、被支援者端末12を一意に識別できる識別情報が格納されているものとする。
【0093】
被支援者端末12の位置測位手段122は、被支援者端末12の位置情報を測位する(ステップS101)。
【0094】
被支援者端末12の位置に変化があるか、又は、一定時間間隔の定時報告タイミングかを確認する(ステップS102)。
【0095】
ステップS102がYesの場合、報告生成手段123は、識別情報保持手段121から被支援者端末12の識別情報を読み込む。また、報告生成手段123は、位置測位手段122から被支援者端末12の位置情報を読み込む。報告生成手段123は、読み込んだ被支援者端末12の識別情報と、被支援者端末12の位置情報と、を合わせた送信情報を作成する(ステップS103)。
【0096】
通信手段124は、基地局14と通信網17とを介して、サーバ13に報告生成手段123が作成した送信情報を送信する(ステップS104)。
【0097】
<支援者端末の動作>
実施の形態1に係る支援者端末の動作を説明する。
図6は、実施の形態1に係る支援者端末の動作を例示するフローチャートである。
図7は、実施の形態1に係る支援者端末の動作を例示するフローチャートである。
図8は、実施の形態1に係る支援者端末の動作を例示するフローチャートである。
図6から図8に示す動作は、支援者端末11内で、独立して平行(並列)して動作する。
図8に示す支援者端末11の動作は、特に、災害発生時など非常時において、支援者端末11の内部に暗号化され保持されている情報を確認する必要があるときに意味を持つ動作である。
【0098】
図6に示すように、識別情報保持手段111には、予め、支援者端末11を一意に識別できる識別情報が格納されているものとする。
【0099】
支援者端末11の位置測位手段112は、支援者端末11の位置情報を測位する(ステップS201a)。
【0100】
支援者端末11の位置に変化があるか、又は、一定時間間隔の定時報告タイミングかを確認する(ステップS202a)。
【0101】
ステップS202aがYesの場合、報告生成手段113は、識別情報保持手段111から支援者端末11の識別情報を読み込む。また、報告生成手段113は、位置測位手段112から支援者端末11の位置情報を読み込む。報告生成手段113は、読み込んだ支援者端末11の識別情報と、支援者端末11の位置情報と、を合わせた送信情報を作成する(ステップS203a)。
【0102】
通信手段114は、基地局14と通信網17とを介して、サーバ13に報告生成手段113が作成した送信情報を送信する(ステップS204a)。
【0103】
図7に示すように、通信手段114は、サーバ13から支援者が割り当てられた被支援者情報を受信する(ステップS201b)。
【0104】
被支援者情報保持手段115は、支援者が割り当てられた被支援者情報を保持する(ステップS202b)。
【0105】
図8に示すように、支援者端末11の通信手段114は、被支援者情報を復号するための復号鍵を受信したか(通信が不通でない場合)、又は、鍵情報入力手段116から被支援者情報を復号するための復号鍵が入力されか(通信が不通である場合)を確認する(ステップS201c)。
【0106】
ステップS201cがYesの場合、復号手段117は、被支援者情報保持手段115に保持されている被支援者情報を読み出して復号する(ステップS202c)。
【0107】
被支援者情報表示手段118は、復号された被支援者情報を表示(出力)する(ステップS203c)。
【0108】
<サーバの動作>
実施の形態1に係るサーバの動作を説明する。
図9は、実施の形態1に係るサーバの動作を例示するフローチャートである。
図10は、実施の形態1に係るサーバの動作を例示するフローチャートである。
図9図10に示す動作は、サーバ13内で独立して平行(並列)動作する。
図10に示すサーバ13の動作は、特に、災害発生時など非常時において、サーバ13の内部に暗号化され保持されている情報を確認する必要があるときに意味を持つ動作である。
【0109】
図9に示すように、サーバ13の通信手段134は、支援者端末11の識別情報と、支援者端末11の位置情報と、被支援者端末12の識別情報と、被支援者端末12の位置情報と、を受信する(ステップS301a)。図9では、識別情報と位置情報とをまとめて、単に、情報と称することもある。
【0110】
通信手段134は、受信した位置情報は、被支援者端末12の位置情報か、又は、支援者端末11の位置情報かを確認する(ステップS302a)。
【0111】
被支援者端末位置情報保持手段131は、受信した位置情報が被支援者端末12の位置情報である場合(ステップS302a:Yes)、受信した被支援者端末12の位置情報を保持する(ステップS303a)。このとき、被支援者端末位置情報保持手段131は、同一の被支援者端末12の過去の位置情報が有れば、それを更新する。
【0112】
支援者端末位置情報保持手段133は、受信した位置情報が支援者端末11の位置情報である場合(ステップS302a:Nо)、受信した支援者端末11の位置情報を保持する(ステップS304a)。このとき、支援者端末位置情報保持手段133は、同一の支援者端末11の過去の位置情報が有れば、それを更新する。
【0113】
被支援者端末位置情報保持手段131は、被支援者端末12の位置情報と支援者端末11の位置情報のうちの少なくとも1つが変化し、被支援者端末12と支援者端末11の位置関係が変化したことにより、支援者割当手段132が被支援者に対する支援者の割当情報を再計算した場合、次に位置関係が変化するまで、被支援者端末12の位置情報を保持する(ステップS305a1)。また、支援者端末位置情報保持手段133は、同様に、次に位置関係が変化するまで、支援者端末11の位置情報を保持する(ステップS305a2)。
【0114】
暗号化手段135は、支援者割当手段132が作成し保持した支援者の割り当て情報を暗号化する(ステップS306a1)。通信手段134は、支援者の割り当て情報を、割当が変更になった支援者端末11に送信する(ステップS306a2)。
【0115】
図10に示すように、非常時機能有効化手段137は、非常時動作を有効にする指示を出力する(ステップS301b)。出力する方法は、例えば、管理者による入力、又は、別のシステムからの入力により行ってもよい。
【0116】
復号鍵出力手段138は、非常時機能有効化手段137からの指示により、復号鍵保持手段136が保持している復号鍵を、支援者に開示する(ステップS302b1)。通信手段134は、非常時機能有効化手段137からの指示により、支援者割当手段132が生成し保持している被支援者に対する支援者の割当情報を、暗号化せずに支援者端末11に送信する(ステップS302b2)。
【0117】
非常時機能有効化手段137から、非常時動作(災害時動作)を無効(解除)にする指示が出力されたか否かを確認する(ステップS303b)。
【0118】
非常時機能有効化手段137から、非常時動作(災害時動作)を無効(解除)にする指示が出力されていない場合(ステップS303b:Nо)、非常時動作を維持する(ステップS305b)。
【0119】
非常時機能有効化手段137から、非常時動作(災害時動作)を無効(解除)にする指示が出力された場合(ステップS303b:Yes)、非常時動作から通常時動作に戻し終了する(ステップS304b)。
【0120】
ここで、実施の形態1の効果を説明する。
実施の形態1によれば、災害などの非常時に、通信網17や基地局14が使用不能になり、通信網17と基地局14とを介した所定の通信経路が不通となっても、支援者が支援者端末11を用いて不通になる直前の被支援者の所在(被支援者端末12の所在)を把握でき、支援などに活用できる。また、実施の形態1は、通常時には被支援者の所在情報を暗号化するので、被支援者のプライバシー情報を保護することができる。
【0121】
このような効果が得られる理由は、サーバ13の支援者割当手段132が、常に(一定時間間隔の定時報告タイミングで)、被支援者に対する支援者の割り当てを行い、支援者端末11の被支援者情報を更新続けるからである。また、サーバ13は、不通でない場合には最新の情報を、不通である場合には不通になる直前までの情報を支援者端末11に送信し、支援者端末11はそれらの情報を利用可能であるからである。
【0122】
尚、必要のない時まで、被支援者の所在が支援者端末11に知られるのはプライバシー上の問題がある。一方、非常時などで被支援者の所在が必要になった時は、支援者端末11が通信できない状況にあったとしても、支援者端末11に被支援者の所在情報を通知し、支援者端末11を使用して被支援者の所在を確認できる必要がある。実施の形態1は、通常時は、被支援者の所在情報をサーバ13で暗号化してから支援者端末11に送信し、非常時は、支援者端末11とサーバ13間の通信の暗号化を解除(復号)する。これにより、被支援者情報を適切に支援者端末11に提供すると共に、被支援者のプライバシーも適切に保護することができる。
【0123】
また、実施の形態1は、所定の通信経路が不通の場合、別の所定の通信経路で暗号化された被支援者情報を復号(解除)するための復号鍵を送信する。これにより、復号鍵をより確実に支援者に送信することができる。
【0124】
ここで、実施の形態1の特徴を説明する。
図11は、実施の形態1の特徴を説明するための模式図である。
【0125】
図11に示すように、実施の形態1は、災害などにより、地域の住人へ支援が必要となった際に、介助が必要な人(被避難支援者)に対して、自家用車や商用車などに乗っていたり保有していたりしていて輸送手段を持ち、体力的にも余裕のある支援者(避難協力者)を適切に割り当てることで、被支援者を助ける(例えば速やかに避難させるなど)の用途に適用できる。
【0126】
尚、実施の形態1は、避難支援の用途に限定されない。被支援者と支援者を、例えば、子供と保護者に置き換えて防犯用途に適用することもできる。または、実施の形態1は、企業の社員とその管理者に置き換えて従業員の安否確認用途に適用することもできる。
【0127】
また、実施の形態1では、説明を分かりやすくするために、主に、避難支援の例を用いて説明したが、これには限定されない。
【0128】
被支援者に対する支援者の割り当て方法は、例えば、居住地に基づき予め住居が近い人を割り当てる方法や、地域の自主防災組織などで予め役割分担を定めておく方法などがある。これら方法は、被支援者や支援者が外出中の場合、適切に避難を支援することは難しいという課題があった。そこで、この課題を解決するために、被支援者や支援者のそれぞれが所持する端末の識別情報や位置情報(現在位置)を、常に、例えば、一定時間間隔で、サーバで収集することが、実施の形態1の第1の特徴である。
【0129】
また、実施の形態1は、災害時などの非常時において、基地局と通信網を含む携帯電話網などの所定の通信経路が不通の場合でも目的を達成する必要がある。このため、実施の形態1では、災害が発生してからサーバと通信して被支援者に対する支援者の割り当てを行うのではなく、被支援者と支援者の位置関係をサーバで常に取得しながら、それらの位置情報を用いて、現在災害が発生した場合に、支援者に対して支援者自身が支援に向かうべき被支援者の被支援者情報をサーバから常に送信し続けることが、実施の形態1の第2の特徴である。第2の特徴により、通信が不通となった場合でも、支援者端末に保存された被支援者情報であって該通信が不通になる直前の被支援者情報に基づいて、支援者が被支援者を避難させることができる。
【0130】
支援者に対して送信する被支援者情報をサーバから常に送信し続けることは、災害による通信障害には強い反面、被支援者のプライバシー保護の観点では、被支援者の行動が第3者である支援者に筒抜けになってしまうことはよくない。そこで、実施の形態1では、支援者に対して送信する被支援者情報を暗号化した後で送信し、災害時に通信が可能の場合、所定の通信経路を用いて暗号化を復号(解除)するための復号鍵を送信し、通信が不通の場合、別の所定の通信経路を用いて復号鍵を送信する。これが実施の形態1の第3の特徴である。
【0131】
[実施の形態1の変形例1]
実施の形態1では、図1に示すサーバ13と管理者の運用主体を自治体とし、支援者を自治体職員や委託を受けた民間人やボランティアなどとし、被支援者を自主避難が難しい人とした例を挙げて説明した。
【0132】
これに対して、実施の形態1の変形例1では、サーバ13と管理者の運用主体を企業や企業が委託した警備会社とし、支援者を企業の担当者や警備会社職員とし、被支援者をその企業の従業員として適用する。これにより、実施の形態1の変形例1を、企業が従業員の災害時の安否確認に使用することができる。
【0133】
[実施の形態1の変形例2]
図1に示す支援者は、必ずしも被支援者の元に駆け付け支援する人である必要はない。例えば、被支援者が独居のお年寄りで、被支援者を相当する支援者が遠隔地に住む家族などであり、災害時に支援者(家族)が遠隔地から被支援者(独居のお年寄り)の所在を、駆け付けをせずに確認する。この場合は、支援者が被支援者の元に駆け付けない。
【0134】
そして平常時は、被支援者のプライバシーを保護しながら、災害時には支援者が被支援者の所在位置や避難場所を確認することができる。
【0135】
また、1人の被支援者に対して1人の支援者が割り当てられる必要はない、被支援者に対して、例えば、駆け付け支援できる複数の第1の支援者と、遠隔地に住む家族である第2の支援者の両方に、被支援者の所在情報を送信してもよい。
【0136】
[実施の形態1の変形例3]
実施の形態1の変形例3では、支援者を親とし、被支援者を支援者(親)の子供とすることにより、子供の見守りに適用できる。
【0137】
[実施の形態2]
図12は、実施の形態2に係るサーバを例示するブロック図である。
【0138】
図12に示すように、実施の形態2に係るサーバ23は、実施の形態1に係るサーバ13と比べて、管理者が行う作業を、例えば、災害発生システムを感知するシステムや他の防災無線システムが自動でサーバ23と連携して動作を行う点が異なる。
【0139】
実施の形態2によれば、管理者という人手を介さない。これにより、人の入力操作等が無いので、処理時間を削減することができる。また、人的なミスが無いので、品質を向上させることができる。また、人件費が掛からないので、運用コストを削減できる。
【0140】
[実施の形態3]
図13は、実施の形態3に係るシステムを例示するブロック図である。
【0141】
図13に示すように、実施の形態3に係るシステム30は、実施の形態1に係るシステム10と比べて、被支援者が被支援者端末12を所持するのではなく、部品在庫や製品在庫などの物品在庫に、被支援者端末12が取り付けられている点が異なる。
【0142】
例えば、企業の工場敷地内に置いてある鉄骨や鋼鈑のような資材が、長期間置いてある間に、別の部材の保管のために移動され、または、別の人によって移動され、使用するときに見当たらないということがある。
【0143】
ここで、管理者、支援者、サーバ33、及び支援者端末31を運用し、物品紛失発生時に物品に取り付けられた被支援者端末32の所在を調べ、紛失した物品の所在を探索するサービスを提供するサービス提供企業があるとする。
【0144】
該サービス提供企業が工場に対して部品探索サービスを提供する場合、工場内の物品(部材)の移動状況や使用状況はその企業の内部状況や業績などをうかがい知ることができる重要な情報であるため、平常時はサービス提供企業に対して物品の所在を秘匿にしておきたい。
【0145】
そこで、実施の形態3を適用することにより、企業の情報を保護しながら、紛失した物品の所在を探索することができる。
【0146】
[実施の形態4]
図14は、実施の形態4に係る支援者端末を例示するブロック図である。
【0147】
図14に示すように、実施の形態4に係る支援者端末41は、実施の形態1に係る支援者端末11と比べて、鍵情報入力手段416に復号鍵(鍵情報)を入力するのが支援者ではない点が異なる。
【0148】
鍵情報入力手段416に復号鍵を入力するのは、必ずしも支援者(人)でなくてもよい。
そこで、実施の形態4では、例えば、鍵情報入力手段416がマイクまたは近距離無線通信を有し、マイクまたは近距離無線通信が鍵情報送信元から送信された復号鍵を音声や無線信号で受信し、人を介さずに自動で、復号手段417を有効にして暗号化された被支援者情報を復号してもよい。近距離無線通信は、例えばWi-FiやBluetoothやその他の無線通信を含む。
【0149】
また、鍵情報入力手段416がカメラなどを有する場合には、復号鍵をバーコードやQRコードや文字列などで読み取ってもよい。また、復号鍵を特定パターンで変化するテレビ画面の動的パターンで読み取ってもよい。
【0150】
[実施の形態5]
図15は、実施の形態5に係る支援者端末を例示するブロック図である。
【0151】
図15に示すように、実施の形態5に係る支援者端末51は、実施の形態1に係る支援者端末11と比べて、被支援者情報表示手段518の機能が異なる。
【0152】
支援者端末51の被支援者情報表示手段518が表示する情報は、単に表示するだけではない、すなわち、単に人に見せるだけではない。例えば、被支援者情報表示手段518は、自度運転車両に送迎指示情報を直接出力する。また、例えば、被支援者情報表示手段518は、支援者が乗車する車両のカーナビに行き先を自動で出力する。このように、被支援者情報表示手段518は、他のシステムへの入力情報を出力してもよい。
【0153】
尚、上記の実施の形態では、本発明をハードウェアの構成として説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明は、各構成要素の処理を、CPU(Central Processing Unit)にコンピュータプログラムを実行させることにより実現することも可能である。
【0154】
上記の実施の形態において、プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実態のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(具体的にはフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(具体的には光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(具体的には、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM))、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory)を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0155】
さらに、動作は特定の順序で描かれているが、これは、望ましい結果を達成するために、そのような動作が示された特定の順序または連続した順序で実行されること、または示されたすべての動作が実行されることを要求するものとして理解されるべきではない。特定の状況では、マルチタスクと並列処理が有利な場合がある。同様に、いくつかの特定の実施の形態の詳細が上記の議論に含まれているが、これらは本開示の範囲に対する制限としてではなく、特定の実施の形態に特有の特徴の説明として解釈されるべきである。別個の実施の形態の文脈で説明される特定の特徴は、単一の実施の形態に組み合わせて実装されてもよい。逆に、単一の実施の形態の文脈で説明される様々な特徴は、複数の実施の形態で別々にまたは任意の適切な組み合わせで実装されてもよい。
【0156】
以上、実施の形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記によって限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0157】
尚、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【符号の説明】
【0158】
10:システム
11:支援者端末
11a:支援者端末送信部
11b:支援者端末受信部
11c:支援者端末表示部
11p:所定の支援者端末
111:識別情報保持手段
112:位置測位手段
113:報告生成手段
114:通信手段
115:被支援者情報保持手段
116:鍵情報入力手段
117:復号手段
118:被支援者情報表示手段
12:被支援者端末
121:識別情報保持手段
122:位置測位手段
123:報告生成手段
124:通信手段
13:サーバ
13a: サーバ受信部
13b:サーバ生成部
13c:サーバ送信部
131:被支援者端末位置情報保持手段
132:支援者割当手段
133:支援者端末位置情報保持手段
134:通信手段
135:暗号化手段
136:復号鍵保持手段
137:非常時機能有効化手段
138:復号鍵出力手段
14:基地局
15:防災無線
16:放送局
17:通信網
図1
図2
図3
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図10
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