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▶ グアンドン ウェリング モーター マニュファクチュアリング カンパニー リミテッドの特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-05
(45)【発行日】2024-08-14
(54)【発明の名称】ブラシレスモータ及び電気機器
(51)【国際特許分類】
   H02K 5/173 20060101AFI20240806BHJP
   H02K 11/00 20160101ALI20240806BHJP
【FI】
H02K5/173 A
H02K11/00
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2021570207
(86)(22)【出願日】2019-10-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-08
(86)【国際出願番号】 CN2019111691
(87)【国際公開番号】W WO2021017193
(87)【国際公開日】2021-02-04
【審査請求日】2021-11-25
(31)【優先権主張番号】201910683827.X
(32)【優先日】2019-07-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】517057029
【氏名又は名称】グアンドン ウェリング モーター マニュファクチュアリング カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100205785
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼橋 史生
(74)【代理人】
【識別番号】100203297
【弁理士】
【氏名又は名称】橋口 明子
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100135301
【弁理士】
【氏名又は名称】梶井 良訓
(72)【発明者】
【氏名】李 国雄
(72)【発明者】
【氏名】侯 俊峰
(72)【発明者】
【氏名】曾 路▲強▼
(72)【発明者】
【氏名】胡 建
(72)【発明者】
【氏名】李 虎
(72)【発明者】
【氏名】黄 成▲棟▼
(72)【発明者】
【氏名】黄 洋波
【審査官】谿花 正由輝
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第109546790(CN,A)
【文献】欧州特許第03021461(EP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 5/173
H02K 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁特性を有するハウジング、前記ハウジング内に固定されたステータ及び前記ステータ内に回転可能に配置されたロータを含み、前記ステータはステータコア及び前記ステータコアに巻回された巻線を含み、前記ロータはロータコア及び前記ロータコアの中心を貫通する回転軸を含み、前記回転軸上の前記ロータコアの両端に対応する位置にそれぞれ軸受が嵌着され、前記ハウジングの両端にそれぞれ二つの前記軸受を固定する軸受ブラケットが取り付けられるブラシレスモータにおいて、
前記ステータコアと前記軸受ブラケットとの間の容量性リアクタンスを調整するための導電シートを更に含み、前記導電シートは前記ステータコアの外周側において前記ステータコアと間隔を隔てて設置され、前記導電シートは前記ステータコアと絶縁して設置され、前記導電シートと前記ステータコアは該ステータコアの径方向に少なくとも一部の正対面積を有し、前記導電シートは少なくとも一つの前記軸受ブラケットと電気的に接続され、
少なくとも一つの前記軸受ブラケットは導電アームにより前記導電シートと電気的に接続され、
前記導電アームは対応する前記軸受ブラケットから前記ハウジングの外周面まで延伸し、前記導電シートは前記導電アームと貼り合わせて接続され、
又は、前記導電アームと前記導電シートは一体構造であり、前記導電アームは前記導電シートの側辺から延伸して形成され、
又は、前記導電アームは二つの前記軸受ブラケットと電気的に接続され、前記導電アームは前記ハウジングを貫通し、前記導電アームは少なくとも部分的に前記ハウジングの外周面から露出し、前記導電シートは前記導電アームに接続され、
前記導電シートは少なくとも一つの前記軸受ブラケットの周側面に貼り合わせて接続され、
二つの前記軸受ブラケットはそれぞれ第1のブラケットと第2のブラケットであり、前記第1のブラケットの周側面は前記ハウジングの外周面まで延伸し、前記導電シートは前記第1のブラケットの周側面に貼り合わせて接続され、前記第2のブラケットは前記導電アームにより前記導電シートと電気的に接続されること、
を特徴とするブラシレスモータ。
【請求項2】
請求項1に記載のブラシレスモータであって、
各前記軸受ブラケットの直径は前記ハウジングの外径より小さく、各前記軸受ブラケットはいずれも前記導電アームにより前記導電シートと電気的に接続されることを特徴とするブラシレスモータ。
【請求項3】
請求項1に記載のブラシレスモータであって、
前記ハウジングに位置決め溝が設けられ、前記導電アームが前記位置決め溝内に配置されることを特徴とするブラシレスモータ。
【請求項4】
請求項1~のいずれか一項に記載のブラシレスモータであって、
前記ハウジングに複数の前記導電シートが貼り付けられ、各前記軸受ブラケットはそれぞれ異なる前記導電シートと電気的に接続されることを特徴とするブラシレスモータ。
【請求項5】
請求項1~のいずれか一項に記載のブラシレスモータであって、
前記ハウジングに少なくとも一つの前記導電シートが貼り付けられ、各前記導電シートが二つの前記軸受ブラケットと電気的に接続されることを特徴とするブラシレスモータ。
【請求項6】
請求項1~のいずれか一項に記載のブラシレスモータであって、
前記ハウジングに二つの前記軸受ブラケットを接続する導電材が設けられることを特徴とするブラシレスモータ。
【請求項7】
請求項1~のいずれか一項に記載のブラシレスモータであって、
前記導電シートは前記ステータコアと間隔を隔てて設置され、かつ前記導電シートと前記ステータコアの外周面との間の距離は5mm以下であることを特徴とするブラシレスモータ。
【請求項8】
請求項1~のいずれか一項に記載のブラシレスモータであって、
前記ステータコアの外周面積をSとし、前記導電シートと前記ステータコアの該ステータコアの径方向での正対面積をS1とすると、S1≧S/Nであり、Nが前記ステータの歯数であることを特徴とするブラシレスモータ。
【請求項9】
請求項に記載のブラシレスモータであって、
N≧12であり、前記導電シートと前記ステータコアのモータ径方向での正対面積は前記ステータコアの外周面積の1/12以上であることを特徴とするブラシレスモータ。
【請求項10】
請求項1~のいずれか一項に記載のブラシレスモータであって、
前記導電シートの一面は導電性を有する接着面であり、前記導電シートの他面は絶縁性を有する絶縁面であることを特徴とするブラシレスモータ。
【請求項11】
請求項1~のいずれか一項に記載のブラシレスモータであって、
前記導電シートの前記ハウジングから離れる一面にマークが印刷されることを特徴とするブラシレスモータ。
【請求項12】
請求項1~のいずれか一項に記載のブラシレスモータであって、
前記導電シートは金属シート、導電紙であり、又は前記導電シートは前記ハウジングの外周面に設けられた導電塗布層であることを特徴とするブラシレスモータ。
【請求項13】
請求項1~のいずれか一項に記載のブラシレスモータであって、
前記ハウジングの外周面に収容溝が設けられ、前記導電シートは少なくとも部分的に前記収容溝内に配置されることを特徴とするブラシレスモータ。
【請求項14】
請求項1~のいずれか一項に記載のブラシレスモータであって、
前記導電シートと前記ステータコアとの間の容量値は10-100PFの間にあることを特徴とするブラシレスモータ。
【請求項15】
請求項1~のいずれか一項に記載のブラシレスモータであって、
前記導電シートは前記ハウジングの外周面に設けられることを特徴とするブラシレスモータ。
【請求項16】
請求項1~15のいずれか一項に記載のブラシレスモータを含むことを特徴とする電気機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は2019年7月26日に中華人民共和国特許庁に提出された、出願番号が201910683827.Xであり、発明名称が「ブラシレスモータ及び電気機器」である中華人民共和国特許出願の優先権を主張し、その全ての内容は引用により本願に組み込んでいる。
【0002】
本願はモータの分野に属し、より具体的には、ブラシレスモータ及び該ブラシレスモータを使用する電気機器に関する。
【背景技術】
【0003】
ここでの記述は本願に関連する背景情報のみを提供し、従来の技術を必ずしも構成しない。近年、エアコンユニット等の電気機器の省エネルギーの傾向のため、高効率のブラシレス直流モータで誘導モータを代替してファン、水ポンプ、歯車等の負荷を駆動する。これらのブラシレス直流モータは一般的にインバータ駆動を採用し、それはパルス幅変調(Pulse Width Modulation)法(以下PWMと呼ばれる)を駆動方法として採用する。PWM駆動方法を使用する場合、巻線の中性点電位がゼロではないため、コモンモード電圧が発生する。高周波の場合、モータの各構造部材の間にカップリングコンデンサが発生すると、このようなコモンモード電圧はステータ、ロータ、永久磁石、軸受ブラケット等の各部分の間のカップリングコンデンサ及び軸受コンデンサにより回路を形成し、これは軸受の内外輪の間(軸受コンデンサ分岐回路)に電圧が発生する。このコモンモード電圧によって軸受の内外輪間に発生する電圧を軸電圧と呼ぶ。軸電圧はPWM駆動時に半導体高速スイッチング動作の高周波成分を含み、例えば軸電圧が軸受内部の潤滑油膜の絶縁破壊電圧に達すると、それに伴って放電して電流が発生し、このようにして軸受の内表面及びボールに局部腐食現象が発生し、即ち軸受内部に電気腐食(電食とも呼ばれる)が発生する。電気腐食が進行すると、軸受内部、例えば軸受の内輪、外輪又はボールに波形摩耗現象が発生し、異音及び軸受の耐用年数の低下を引き起こす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願の実施例の目的はブラシレスモータを提供することにより、関連技術に存在するブラシレスモータの軸電圧が高すぎて軸受に電食が発生するという問題を解決することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本願の実施例が採用する技術的解決手段は、ブラシレスモータを提供し、絶縁特性を有するハウジング、前記ハウジング内に固定されたステータ及び前記ステータ内に回転可能に配置されたロータを含み、前記ステータはステータコア及び前記ステータコアに巻回された巻線を含み、前記ロータはロータコア及び前記ロータコアの中心を貫通する回転軸を含み、前記回転軸上の前記ロータコアの両端に対応する位置にそれぞれ軸受が嵌着され、前記ハウジングの両端にそれぞれ二つの前記軸受を固定する軸受ブラケットが取り付けられ、前記ステータコアと前記軸受ブラケットとの間の容量性リアクタンスを調整するための導電シートをさらに含み、前記導電シートは前記ステータコアの外周側において前記ステータコアと間隔を隔てて設置され、前記導電シートは前記ステータコアと絶縁して設置され、前記導電シートと前記ステータコアは該ステータコアの径方向に少なくとも一部の正対面積を有し、前記導電シートは少なくとも一つの前記軸受ブラケットと電気的に接続される。
【0006】
本願の実施例の他の目的は電気機器を提供することであり、前記のようなブラシレスモータを含む。
【発明の効果】
【0007】
本願の実施例における上記一つ又は複数の技術的解決手段は、少なくとも以下の技術的効果の一つを有する。
【0008】
該ブラシレスモータはハウジングの外周面に導電シートを貼り合わせることにより、導電シートとステータコアが正対面積を有し、ステータコアと導電シートとの間に結合容量を形成し、軸受ブラケットがハウジングの端部に位置し、それによりステータコアと軸受ブラケットとの間の等価容量を調整することを実現し、軸受外輪と軸受内輪との間の電位を平衡させ、軸受外輪と軸受内輪との間の電位を近接させ、軸電圧を低下させ、軸受に電食が発生することを回避する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本願の実施例における技術的解決手段をより明確に説明するために、以下に実施例又は例示的な技術の説明に必要な図面を簡単に紹介し、明らかに、以下に記載の図面は本願のいくつかの実施例だけであり、当業者にとって、創造的な工夫をせずに、これらの図面に基づいて他の図面を取得することができる。
【0010】
図1】本願の実施例が提供する第一種のブラシレスモータの断面構造概略図である。
図2】本願の実施例が提供する第二種のブラシレスモータの構造概略図である。
図3】本願の実施例が提供する第三種のブラシレスモータの一部分解構造概略図である。
図4】本願の実施例が提供する第四種のブラシレスモータの構造概略図である。
図5図4のブラシレスモータの一部分解構造概略図である。
図6】本願の実施例が提供する第五種のブラシレスモータの構造概略図である。
図7】本願の実施例が提供する第六種のブラシレスモータの構造概略図である。
図8】本願の実施例が提供する第七種のブラシレスモータの断面構造概略図である。
図9】本願の実施例が提供する第八種のブラシレスモータの断面構造概略図である。
図10】本願の実施例が提供する軸電圧検出の概略図である。
図11】本願の実施例が提供する比較例の軸電圧測定の波形図である。
図12】本願の実施例が提供する実例1の軸電圧測定の波形図である。
図13】本願の実施例が提供する実例2の軸電圧測定の波形図である。
図14】本願の実施例が提供する実例3の軸電圧測定の波形図である。
図15】本願の実施例が提供する実例4の軸電圧測定の波形図である。
図16】本願の実施例が提供する実例5の軸電圧測定の波形図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本願が解決しようとする技術的課題、技術的解決手段及び有益な効果をより明確にするために、以下に図面及び実施例を参照しながら、本願をさらに詳細に説明する。ここで説明された具体的な実施例は本願を説明するためのものに過ぎず、本願を限定するものではないことを理解すべきである。
【0012】
なお、部品が他の部品に「固定される」又は「設置される」と呼ばれる場合、それは他の部品に直接的に又は該他の部品に間接的に位置してもよい。一つの部品が他の部品に「接続される」と呼ばれる場合、それは他の部品に直接的に接続されるか又は該他の部品に間接的に接続されてもよい。また、用語「第1」、「第2」は単に目的を説明するために用いられ、相対的な重要性を指示するか又は暗示するか又は指示された技術的特徴の数量を暗黙的に示すと理解されるべきではない。これにより、「第1」、「第2」が限定された特徴は一つ又は複数の該特徴を明示的又は暗黙的に含むことができる。本願の説明において、特に明確な具体的な限定がない限り、「複数」の意味は二つ以上である。特に明確な具体的な限定がない限り、「いくつか」の意味は一つ以上である。本願の説明において、理解すべきことは、用語「中心」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」等で指示された方位又は位置関係は図面に示された方位又は位置関係に基づくものであり、本願の説明を容易にすること及び説明の簡略化のためだけであり、指定された装置又は部品が必ず特定の方位を有し、特定の方位で構成され操作されることを指示するか又は示唆するものではなく、したがって本願を限定するものと理解すべきではない。本願の説明において、説明すべきことは、他に明確な規定及び限定がない限り、用語「取り付け」、「連結」、「接続」を広義に理解すべきであり、例えば、固定接続であってもよく、取り外し可能な接続であってもよく、又は一体的な接続であってもよい。機械的な接続であってもよく、電気的な接続であってもよい。直接的に接続であってもよく、中間媒体を介して間接的に接続されてもよく、二つの部品内部の連通又は二つの部品の相互作用関係であってもよい。当業者にとって、具体的な状況に応じて上記用語の本願における具体的な意味を理解することができる。
【0013】
図1に示すとおり、現在本願の提供するブラシレスモータ100を説明する。前記ブラシレスモータ100は、ハウジング11、ステータ12、ロータ13、二つの軸受14及び二つの軸受ブラケット15を含む。ステータ12及びロータ13はいずれもハウジング11内に取り付けられ、ステータ12はロータ13の回転を駆動するために用いられる。二つの軸受14はロータ13に取り付けられることにより、ロータ13を支持する役割を果たし、二つの軸受ブラケット15はそれぞれ二つの軸受14を支持し、さらにロータ13を支持する。同時に、二つの軸受ブラケット15はロータ13をハウジング11内に支持するようにそれぞれハウジング11の両端に取り付けられることにより、ロータ13を円滑に回転させることができる。軸受ブラケット15を用いて軸受14を支持することで、軸受14をより強固に支持することができ、軸受14の良好な回転を保証する。
【0014】
ハウジング11は絶縁特性を有し、主な支持及び保護作用を果たす。ハウジング11は樹脂材料を用いて射出成形を行うことができ、加工製造しやすく、かつ良好な絶縁効果を果たすことができ、同時に、ハウジング11はさらに放熱を行うことができる。もちろん放熱効率を向上させるために、ハウジング11にいくつかの放熱フィンを設置することができる。
【0015】
ステータ12はステータコア121及び巻線122を含み、巻線122はステータコア121に巻回され、巻線122に電流が流れる時、磁界を生成し、かつステータコア121により増幅と案内を行う。ステータコア121は複数のケイ素鋼板を積層して形成され、渦電流を減少させる。ステータコア121は一般的に複数の歯状構造を含み、巻線122は各歯に巻回される。これらの歯状構造は環状に囲まれ、それによりロータ13をステータ12内に配置して、ロータ13を回転するように駆動することができる。
【0016】
ロータ13は回転軸131及びロータコア132を含み、回転軸131はロータコア132の中心を貫通することにより、回転軸131によりロータコア132を支持し、ロータコア132はステータ12内に配置され、それにより巻線122に通電すると、ステータコア121に交番磁界が発生し、ロータコア132を回転するように駆動し、かつ回転軸131を回転するように駆動する。さらに、ロータコア132はロータ13のコアと磁石の組み合わせ構造を採用してもよく、ケイ素鋼板をパンチによりマウスケージ形状に打ち抜いて積層した後にアルミニウムを鋳込んで加工して形成されてもよい。
【0017】
二つの軸受14はいずれも回転軸131に嵌着され、かつ二つの軸受14はそれぞれロータコア132の両端に位置する。ロータ13の重量がロータコア132の位置に集中することが多いため、ロータ13の重心もロータコア132の対応する位置にあり、このように二つの軸受14をそれぞれロータコア132の両端に設置し、回転軸131をよりよく支持することができ、さらにロータコア132を支持し、かつロータコア132及び回転軸131をより安定して回転させることができる。二つの軸受14を設置して回転軸131を支持することにより、回転軸131をより円滑に回転させることができる。
【0018】
二つの軸受14はそれぞれ二つの軸受ブラケット15内に配置され、それにより二つの軸受ブラケット15により対応する軸受14を支持し、さらにロータ13を支持する。二つの軸受ブラケット15はそれぞれハウジング11の両端に取り付けられることにより、ロータ13をハウジング11内に支持し、かつロータ13をハウジング11内で円滑に回転させることができ、かつステータコア121は各軸受ブラケット15と絶縁して設置される。軸受ブラケット15を使用すると、軸受14をより安定的に支持することができ、軸受14の外輪と内輪との間の安定した回転を保証し、かつ振動を低減することができ、軸受14のクリープの発生を回避し、かつ軸受14の外輪と軸受ブラケット15とを電気的に接続し、前記「電気的に接続」は導電を実現することができ、両者の間に任意の時点で電流が必ず流れることに限定されず、例えばそれは金属軸受ブラケットと金属軸受外輪との間の接触状態であってもよい。
【0019】
図1に示すとおり、一つの実施例において、ステータ12とハウジング11は一体構造にモールドされることにより、ステータ12はハウジング11内に強固で安定的に固定され、かつハウジング11を小さく製造することができ、製造されたブラシレスモータ100の体積を減少させ、重量を軽減する。ハウジング11を射出成形して製造する時に、ステータ12を金型内に配置することができ、それによりハウジング11を射出成形する時に、ハウジング11とステータ12が一体構造に形成される。当然のことながら、他のいくつかの実施例において、ハウジング11を単独で製造し、さらにステータ12をハウジング11に固定することもできる。
【0020】
図1に示すとおり、一つの実施例において、二つの軸受ブラケット15はそれぞれ第1のブラケット151と第2のブラケット152であり、第1のブラケット151と第2のブラケット152はそれぞれハウジング11の両端に位置し、ここで第1のブラケット151はハウジング11のエンドカバーとして使用され、第2のブラケット152とハウジング11は一体構造にモールドされ、すなわちハウジング11を射出成形する時、第2のブラケット152を金型内に配置することができ、ハウジング11を射出成形する時、第2のブラケット152とハウジング11を一体に射出成形することができ、それにより第2のブラケット152がハウジング11内に強固に固定されることを保証し、加工し製造しやすく、重量を軽減し、コストを低減する。第1のブラケット151はハウジング11のエンドカバーとして、エンドカバー全体を金属で製造してもよく、軸受14を支持する部分だけに金属を使用してもよく、軸受14のクリープを防止し、軸受14の安定した回転を保証する。第2のブラケット152は軸受14を支持する部分のみであってもよく、それにより射出成形時に、第2のブラケット152とハウジング11を一体構造に射出成形しやすい。
【0021】
図9に示すとおり、一つの実施例において、ハウジング11の両端はいずれも開口構造を呈するように設置されてもよく、二つの軸受ブラケット15は二つのエンドカバー構造とすることができる。このように、ハウジング11の一端にファン等の構造を取り付けることができ、放熱をよりよく行う。当然のことながら、このような構造は、いくつかの回転軸131の両端にいずれも出力する必要があるモータに対して、より実用的な意義を有する。また、ハウジング11の両端をいずれも開口構造とし、二つの軸受ブラケット15をエンドカバーとし、軸受ブラケット15によりブラシレスモータ100全体の強度を向上させることができ、また、軸受ブラケット15により放熱することができ、放熱効率を向上させる。
【0022】
図1に示すとおり、一つの実施例において、ブラシレスモータ100はさらに導電シート21を含み、導電シート21はステータコア121と軸受ブラケット15との間の容量性リアクタンスを調整するために用いられ、導電シート21はハウジング11の外周面110に貼り付けられ、導電シート21とステータコア121は少なくとも一部の正対面積を有し、それによりステータコア121と導電シート21との間に容量を形成し、導電シート21は少なくとも一つの軸受ブラケットに接続され、軸受ブラケットとステータコアの元の容量にさらに一つの結合容量が並列接続されることに相当し、導電シート21の大きさを変更することにより、ステータコア121との正対面積を調整することができ、それによりステータコア121と軸受ブラケット15との間の容量性リアクタンスを調整し、すなわちステータコアと軸受外輪との間の容量性リアクタンスを調整する。ステータコア121と軸受14の内輪との間の等価容量をステータコア121と軸受14の外輪との間の等価容量に近いか又は等しくし、すなわちステータコア121と軸受14の内輪との間の等価容量及びステータコア121と軸受14の外輪との間の等価容量を平衡させ、さらに軸受14の外輪と軸受14の内輪との電位を平衡させることにより、軸受14の外輪と軸受14の内輪との電位を近接し、軸受14の外輪と軸受14の内輪との間の電位差を減少させることにより、軸電圧を低下させ、軸受14に電食が発生することを回避する。
【0023】
他のいくつかの実施例において、導電シート21をハウジング11の内部に設置することにより、導電シート21とステータコア121との間の距離を引き寄せることができる。すなわち導電シート21はステータコア121の外周側においてステータコア121と間隔を隔てて設置され、かつ導電シート21とステータコア121を絶縁して設置すればよい。
【0024】
さらに、上記実施例において、二つの軸受ブラケット15は電気的に接続され、それにより二つの軸受ブラケット15の電位を一致に保持し、さらに二つの軸受14の外輪電位を一致に保持する。上記実施例において、第1のブラケット151と第2のブラケット152は電気的に接続されることにより、第1のブラケット151と第2のブラケット152の電位を一致させる。このように、導電シート21は二つの軸受ブラケット15とステータコア121との間の容量性リアクタンスを同時に調整することができ、より調整しやすい。当然のことながら、いくつかの実施例において、二つの軸受ブラケット15の構造が異なる場合、二つの軸受14の内外輪間の電位差も異なり、導電シート21をそのうちの一つの軸受ブラケット15のみに電気的に接続することができ、それにより該軸受ブラケット15とステータコア121との間の容量性リアクタンスのみを調整する。
【0025】
さらに、上記実施例において、ハウジング11内に導電材23を設置することにより、二つの軸受ブラケット15を電気的に接続することができる。当然のことながら、ハウジング11の外部から導電材23を貼り合わせることにより、二つの軸受ブラケット15を電気的に接続することができる。具体的には、導電材23は長尺状の金属シート、ワイヤ、導電性ベルト等であってもよい。
【0026】
さらに、上記実施例において、第1のブラケット151の周側面150はハウジング11の外周面110まで延び、導電シート21は第1のブラケット151の周側面150と貼り合わせて接続され、このように、第1のブラケット151と第2のブラケット152の電気量は導電シート21に導かれ、導電シート21とステータコア121との間に容量を形成し、さらに二つの軸受ブラケット15とステータコア121との間に容量接続を形成し、導電シート21の大きさを調整することにより、ステータコア121と軸受ブラケット15との間の等価容量を調整し、さらに軸受14の内外輪の間の電位差を低下させ、軸電圧を低下させ、軸受14に電食が発生することを回避する。
【0027】
さらに、上記実施例において、ハウジング11に導電シート21が設けられ、該導電シート21の大きさを調整することにより、容量を調整する。一つの導電シート21を使用して、取り付けやすい。
【0028】
さらに、上記実施例において、導電シート21はステータコア121と間隔を隔てて設置され、かつ導電シート21とステータコア121の外周面との間の距離は5mm以下である。ハウジング11が絶縁性を有するため、導電シート21とステータコア121の外周面との間の距離を5mm以下に設定することにより、導電シート21とステータコア121との間に十分な大きさを有する容量値を形成することができ、ステータコア121と導電シート21との間の容量をよりよく調整し、同時に導電シート21の面積を減少させることができ、導電シート21の取り付けと使用に役立つ。導電シート21とステータコア121の外周面との間の距離が大きすぎると、導電シート21とステータコア121との間の容量が小さくなり、十分に大きい結合容量を得るために、面積を増加させる必要がある。
【0029】
いくつかの実施例において、ハウジング11の外周面110に収容溝を開設することにより、導電シート21を取り付けることができ、それにより導電シート21とステータコア121との間の距離を低下させる。当然のことながら、収容溝を設置することにより、さらに導電シート21を位置決めする作用を果たすこともできる。当然のことながら導電シート21の大きさを調整する時に、導電シート21の一部の領域を収容溝以外に延伸してもよい。即ちハウジング11の外周面110に収容溝が設けられ、導電シート21は少なくとも部分的に収容溝内に配置される。
【0030】
さらに、一つの実施例において、ステータコア121の外周面積はSであり、すなわちステータコア121の外周面の面積はSであり、導電シート21とステータコア121の該ステータコア121の径方向での正対面積はS1であり、S1≧S/Nであり、Nはステータコア121の歯数である。出願人が大量の実験により、導電シート21とステータコア121の該ステータコア121の径方向での正対面積S1、ステータコア121の外周面積S及びステータコア121の歯数Nは好ましくは式S1≧S/Nを満たす。S1がS/Nより小さい場合、実験時に導電シート21がステータコア121と対応する軸受ブラケット15との間の容量を調整する作用を明らかに果たすことができず、軸電圧の低下が小さく、要求を達成しにくいことを発見する。
【0031】
さらに、上記実施例において、N≧12であり、導電シート21とステータコア121の該ステータコア121の径方向での正対面積S1はステータコア121の外周面積の1/12以上である。Nを12以上に設定することにより、該ブラシレスモータ100のステータ12はロータ13の回転をよりよく駆動することができ、より正確に調整しやすい。当然のことながら、いくつかの実施例において、Nを12未満に設定することができ、例えばステータコア121上の歯数は6個、8個、10個等の数である。導電シート21がステータ12の周方向に沿って延在する幅はステータコア121の外周面の周長の1/12以上になることにより、軸電圧の明らかな低減を実現することができる。
【0032】
図1に示すとおり、一つの実施例において、導電シート21とステータコア121との間の容量値は10-100PFの間にあり、軸受ブラケット15とステータコア121との間の容量を良好に調整することを保証し、さらに軸受14の内輪と外輪との間の電位差を良好に調整する。導電シート21とステータコア121との間の容量値が10PFより小さいと、軸受14の内輪と外輪との間の電位差を調整する効果が弱い。導電シート21とステータコア121との間の容量値が100PFより大きい場合、軸受14の内輪と外輪の電位の逆方向差が大きく、すなわち軸受14の内輪と外輪の電位差が相変わらず大きい。
【0033】
図1に示すとおり、一つの実施例において、導電シート21の一面は導電性を有する接着面であり、このようにして導電シート21をハウジング11の外周面110に貼り付けやすく、使用しやすい。導電シート21の他面は絶縁性を有する絶縁面であり、外部機器の導電シート21への影響を低減することができ、導電シート21はステータコア121と軸受ブラケット15との間の容量性リアクタンスをより安定して調整させる。
【0034】
図1に示すとおり、一つの実施例において、導電シート21のハウジング11から離れる一面にマークが印刷され、それにより導電シート21を該ブラシレスモータ100の名札として使用することができる。
【0035】
図1に示すとおり、一つの実施例において、導電シート21は導電性紙であり、ハウジング11に貼り付けやすく、同時に導電シート21の大きさを裁断しやすい。当然のことながら、いくつかの実施例において、導電シート21は金属シートを使用することができ、例えば銅箔、アルミニウム箔等を使用することができる。
【0036】
当然のことながら、さらにいくつかの実施例において、導電シート21は導電塗布層であってもよく、ハウジング11の外周面110に導電塗布層を設置することにより、導電シート21を形成し、導電シート21がハウジング11に強固に固定されることを保証する。導電塗布層は、導電性接着剤、導電性ペースト等の材料を用いて作製されることができます。よりさらに、導電塗布層はスプレー、塗布又は印刷の方式でハウジング11に設置することができ、導電塗布層の設置を容易にする。
【0037】
さらに、図10に示すとおり、本実施例のブラシレスモータ100が導電シート21を用いて軸電圧を低減する効果をよりよく説明するために、さらに以下の比較実験を行う。
【0038】
本具体的な実例において、表面に接着剤がある一枚のアルミニウム箔を導電シート21として、ハウジング11の外周面に貼り付け、導電シート21の一側の縁部を第1のブラケット151の周側面150に貼り付け、導電シート21と第1のブラケット151を直接的に接続する導通状態にする。具体的に実施する場合、各異なる解決手段のモータに対して、予め異なる面積の導電シート21を使用してハウジング11の外周面に貼り付け、軸電圧の変化をテストすることにより、軸電圧が低い導電シート21の面積及び対応する貼り付け位置を取得し、それにより該モータの軸電圧改善手段を取得し、大量生産に適用する。以下の表1は同種のブラシレスモータ100が異なる導電シート21を使用する場合と導電シート21を使用しない場合の軸電圧試験結果を比較し、結果から導電シート21の調整により、軸電圧値の変化が顕著でかつ良好な規則性を呈し、軸電圧値を非常に効果的に制御することができることが分かる。各導電シート21とステータコア121の外周側との距離は5mmである。
【0039】
【表1】
【0040】
上記表1は、図10に示す軸電圧測定方法を採用したものである。直流定電圧電源を使用してブラシレスモータ100に給電し、実験に使用された前記ブラシレスモータ100のステータ歯数は12歯であり、同じ作動条件で測定する。巻線の電源電圧VmはDC400Vを採用し、モータの駆動電流制御電圧VccはDC15Vを採用し、速度調整電圧Vspの調整によりモータ回転速度を1000r/minに設定する。軸電圧の測定はデジタルオシロスコープ90及び差動プローブ91を採用し、差動プローブ91の両端はそれぞれ一つの金属導線によりブラシレスモータ100の回転軸131及び軸受ブラケット15に接続される。検出時に、軸電圧の波形がブラシレスモータ100の運転中の偶発的な外乱等の要因により軸受14のグリース潤滑の不連続を引き起こして不安定現象を発生させないために、本実験はセラミック玉軸受14が取り付けられたブラシレスモータ100を用いて軸電圧の試験を行う。導電シート1~導電シート5は、ステータコア121とのモータの径方向での隙間が2mmであるが、正対の面積が異なり、ここで、導電シートとステータコア121の該ステータコア121の径方向での正対面積が該ステータコア121の外周面積の1/8であり、導電シート2とステータコア121の該ステータコア121の径方向での正対面積が該ステータコア121の外周面積の1/4であり、導電シート3とステータコア121の該ステータコア121の径方向での正対面積が該ステータコア121の外周面積の3/8であり、導電シート4とステータコア121の該ステータコア121の径方向での正対面積が該ステータコア121の外周面積の1/2であり、導電シート5とステータコア121の該ステータコア121の径方向での正対面積が該ステータコア121の外周面積の5/8である。
【0041】
図11に示すとおり、図11は比較例に対応するブラシレスモータに導電シートが設置されない場合の軸電圧の実測波形図であり、図中のMain1.25mは、タイムベースが1.25minであることを指し、P-P(C1)は軸電圧であり、図中の横軸走査速度は100μs/divであり、縦座標電圧感度は10V/divであり、波形は軸電圧の経時変化図を示す。図中、このブラシレスモータの軸電圧は26.4Vと測定された。
【0042】
図12に示すとおり、図12は導電シート1を採用するブラシレスモータの軸電圧の実測波形図であり、図中のMain1.25mは、タイムベースが1.25minであることを指し、P-P(C1)は軸電圧であり、図中の横軸走査速度は100μs/divであり、縦座標電圧感度は10V/divであり、波形は軸電圧の経時変化図を示す。図中、このブラシレスモータの軸電圧は16.2Vと測定された。
【0043】
図13に示すとおり、図13は導電シート2を採用するブラシレスモータの軸電圧の実測波形図であり、図中のMain1.25mは、タイムベースが1.25minであることを指し、P-P(C1)は軸電圧であり、図中の横軸走査速度は100μs/divであり、縦座標電圧感度は10V/divであり、波形は軸電圧の経時変化図を示す。図中、このブラシレスモータ軸電圧は4.9Vと測定された。
【0044】
図14に示すとおり、図14は導電シート3を採用するブラシレスモータの軸電圧の実測波形図であり、図中のMain1.25mは、タイムベースが1.25minであることを指し、P-P(C1)は軸電圧であり、図中の横軸走査速度は100μs/divであり、縦座標電圧感度は10V/divであり、波形は軸電圧の経時変化図を示す。図中、このブラシレスモータ軸電圧は6.1Vと測定された。
【0045】
図15に示すとおり、図15は導電シート4を採用するブラシレスモータの軸電圧の実測波形図であり、図中のMain1.25mは、タイムベースが1.25minであることを指し、P-P(C1)は軸電圧であり、図中の横軸走査速度は100μs/divであり、縦座標電圧感度は10V/divであり、波形は軸電圧の経時変化図を示す。図中、このブラシレスモータ軸電圧は8.6Vと測定された。
【0046】
図16に示すとおり、図16は導電シート5を採用するブラシレスモータの軸電圧の実測波形図であり、図中のMain1.25mは、タイムベースが1.25minであることを指し、P-P(C1)は軸電圧であり、図中の横軸走査速度は100μs/divであり、縦座標電圧感度は10V/divであり、波形は軸電圧の経時変化図を示す。図中、このブラシレスモータ軸電圧は13.6 Vと測定された。
【0047】
図2に示すとおり、一つの実施例において、ハウジング11に複数の導電シート21が設置されてもよく、各導電シート21はいずれも軸受ブラケット15に電気的に接続される。複数の導電シート21を設置し、導電シート21の大きさをよりよく調整することができ、それにより導電シート21とステータコア121との正対面積を調整し、さらに導電シート21とステータコア121との間の容量性リアクタンスを調整し、その調整がより便利である。
【0048】
さらに、上記実施例において、各導電シート21をいずれも二つの軸受ブラケット15に電気的に接続することができ、それにより二つの軸受ブラケット15とステータコア121との間の等価容量を同時に調整しやすく、さらに軸受14の内輪と外輪との間の電位差を調整し、軸電圧を低下させる。当然のことながら、一つの実施例において、ハウジング11に一つだけの導電シート21が設置されてもよく、各軸受ブラケット15はいずれも該導電シート21に電気的に接続され、それにより該導電シート21により二つの軸受ブラケット15とステータコア121との間の容量性リアクタンスを調整する。
【0049】
さらに、上記実施例において、導電シート21を二つの軸受ブラケット15に電気的に接続し、ハウジング11内に導電材23を設置することができ、それにより二つの軸受ブラケット15を電気的に接続し、そして導電シート21を一つの軸受ブラケット15に電気的に接続し、さらに導電シート21を二つの軸受ブラケット15に電気的に接続する。
【0050】
さらに、上記実施例において、一つの軸受ブラケット15の周側面150はハウジング11の外周面110まで延伸し、導電シート21を設置する時、導電シート21を該軸受ブラケット15の周側面150に直接貼り合わせることができ、それにより導電シート21を該軸受ブラケット15に電気的に接続し、さらにハウジング11内の導電材23により他の軸受ブラケット15に電気的に接続する。具体的には二つの軸受ブラケット15はそれぞれ第1のブラケット151と第2のブラケット152である場合、第1のブラケット151と第2のブラケット152は導電材23により接続され、第1のブラケット151の周側面150はハウジング11の外周面110まで延伸し、それにより導電シート21を取り付ける場合、導電シート21と第1のブラケット151の外周面を貼り合わせて接続する。
【0051】
当然のことながら、いくつかの実施例において、ハウジング11内に導電材23を設置することにより、二つの軸受ブラケット15を電気的に接続することができ、ハウジング11の外周面110に導電シート21が貼り付けられ、ハウジング11の外周面110に導電アーム22が設置され、導電アーム22により一つ又は二つの軸受ブラケット15に電気的に接続される。
【0052】
図3に示すとおり、一つの実施例において、ハウジング11に導電アーム22を設置して二つの軸受ブラケット15を接続することができ、導電アーム22の一部の領域がハウジング11の外周面110から露出し、それにより導電シート21を取り付ける時、導電シート21を導電アーム22に貼り合わせることができ、それにより導電シート21と二つの軸受ブラケット15を電気的に接続する。具体的には、導電アーム22は金属条、金属ワイヤ又は金属帯等を使用することができる。当然のことながら、いくつかの実施例において、導電アーム22はさらに導電塗布層等の構造であってもよい。
【0053】
さらに、上記実施例において、導電アーム22は接着、加締め、当接、溶接等の方式により対応する軸受ブラケット15に電気的に接続することができる。
【0054】
さらに、上記実施例において、ハウジング11に位置決め溝111が開設され、導電シート21が位置決め溝111内に配置され、導電アーム22を取り付けて固定しやすい。
【0055】
当然のことながら、上記実施例において、二つの軸受ブラケット15の良好な電気的接続を保証するために、同時にハウジング11に導電材23を設置して二つの軸受ブラケット15を接続することができる。
【0056】
図8に示すとおり、一つの実施例において、一つの軸受ブラケット15の周側面150がハウジング11の外周面110まで延伸し、導電シート21を設置する時、導電シート21を該軸受ブラケット15の周側面150に直接貼り合わせることができ、他の軸受ブラケット15が導電アーム22により導電シート21に電気的に接続され、さらに二つの軸受ブラケット15を電気的に接続し、同時に導電シート21が二つの軸受ブラケット15とステータコア121との間の等価容量を同時に調整することができる。該構造は特に二つの軸受ブラケット15の直径が異なる場合に適し、二つの軸受ブラケット15がそれぞれ第1のブラケット151と第2のブラケット152であり、第1のブラケット151の周側面150がハウジング11の外周面110まで延伸し、第2のブラケット152が軸受14を支持する部分のみであってもよく、かつハウジング11と一体構造に射出成形されてもよく、ハウジング11の外周面110に導電シート21が設置される場合、導電シート21を第1のブラケット151の周側面150に貼り合わせて接続することができ、第2のブラケット152が導電アーム22により導電シート21に接続される。
【0057】
当然のことながら、いくつかの実施例において、ハウジング11は両端が開口した構造であれば、二つの軸受ブラケット15はいずれもエンドカバーとしてハウジング11の両端にカバーされ、かつ各軸受ブラケット15の周側面150はハウジング11の外周面110まで延伸し、導電シート21を一つの軸受ブラケット15の周側面150に貼り合わせて接続してもよく、他の軸受ブラケット15は導電アーム22により導電シート21に接続される。
【0058】
図9に示すとおり、一つの実施例において、ハウジング11は両端が開口した構造であれば、二つの軸受ブラケット15はいずれもエンドカバーとしてハウジング11の両端にカバーされ、かつ各軸受ブラケット15の周側面150はハウジング11の外周面110まで延伸し、導電シート21を同時に二つの軸受ブラケット15の周側面150と貼り合わせて接続し、それにより直接導電シート21により二つの軸受ブラケット15を電気的に接続し、かつ導電シート21により二つの軸受ブラケット15とステータコア121との間の容量性リアクタンスを直接調整する。
【0059】
図8に示すとおり、上記実施例において、導電アーム22はハウジング11に単独に設置された金属片であり、それにより取り付け固定しやすく、導電アーム22の良好な強度を保証する。さらに、導電アーム22はハウジング11の内部に位置し、導電アーム22上のハウジング11の外周側に位置する一部のみが外周面に突出し、それにより導電シート21が貼り合わせて接続される。該構造により導電アーム22をよりよく保護することができる。
【0060】
図7に示すとおり、いくつかの実施例において、導電アーム22は導電シート21の一部であってもよく、すなわち導電シート21の一側から導電アーム22が延伸し、すなわち、導電アーム22と導電シート21は一体構造であり、導電アーム22は導電シート21の側辺から延伸して形成され、このように導電シート21を設置しやすく、かつ二つの軸受ブラケット15を電気的に接続することができる。
【0061】
図4及び図5に示すとおり、一つの実施例において、各軸受ブラケット15の直径がハウジング11の外径より小さい場合、導電アーム22により二つの軸受ブラケット15と導電シート21を電気的に接続することができる。当然のことながら、ハウジング11内に導電材23を設置して二つの軸受ブラケット15を電気的に接続し、さらに一つの軸受ブラケット15を導電アーム22により導電シート21に電気的に接続することができる。さらにいくつかの実施例において、二つの軸受ブラケット15に接続された導電アーム22をそれぞれ設置することができ、各導電アーム22はそれぞれ導電シート21に電気的に接続される。
【0062】
図6に示すとおり、一つの実施例において、ハウジング11に複数の導電シート21を設置してもよく、二つの軸受ブラケット15をそれぞれ異なる導電シート21に電気的に接続する。このように導電シート21により各軸受ブラケット15とステータコア121との間の容量性リアクタンスをそれぞれ調整することができる。
【0063】
本願の実施例のブラシレスモータ100は、軸受14の内輪と外輪との電位を効果的に平衡させ、軸受14の内輪と外輪との間の電圧を低減し、軸受14の内輪と外輪との間の電食の発生を回避し、ブラシレスモータ100が良好で安定的に作動することを保証し、騒音と振動を低減し、耐用年数を延長することができる。本願実施例のブラシレスモータ100は、エアコン、洗濯機、電子レンジ、冷蔵庫等の電気機器に適用することができる。
【0064】
さらに、本願の実施例はさらに電気機器を提供し、該電気機器は以上の任意の実施例に記載のブラシレスモータ100を含む。該電気機器は該ブラシレスモータ100を使用し、該ブラシレスモータ100の良好な耐用年数を保証することができる。
【0065】
以上の記載は本願の好ましい実施例に過ぎず、本願を限定するものではなく、本願の精神及び原則内で行われたいかなる修正、同等置換及び改善等は、いずれも本願の保護範囲内に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0066】
100 ブラシレスモータ
11 ハウジング
111 位置決め溝
12 ステータ
121 ステータコア
122 巻線
13 ロータ
131 回転軸
132 ロータコア
14 軸受
15 軸受ブラケット
151 第1のブラケット
152 第2のブラケット
21 導電シート
22 導電アーム
23 導電材
90 オシロスコープ
91 差動プローブ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16