(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-05
(45)【発行日】2024-08-14
(54)【発明の名称】食品の情報提供装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/12 20120101AFI20240806BHJP
【FI】
G06Q50/12
(21)【出願番号】P 2023163228
(22)【出願日】2023-09-26
【審査請求日】2023-09-26
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 2022年11月25日から取引先によるタッチパネルの店舗への設置及び稼働を開始。
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】500432343
【氏名又は名称】エコー電子工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114627
【氏名又は名称】有吉 修一朗
(74)【代理人】
【識別番号】100182501
【氏名又は名称】森田 靖之
(74)【代理人】
【識別番号】100175271
【氏名又は名称】筒井 宣圭
(74)【代理人】
【識別番号】100190975
【氏名又は名称】遠藤 聡子
(72)【発明者】
【氏名】坂田 祐司
【審査官】原 忠
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-140417(JP,A)
【文献】特開平10-215988(JP,A)
【文献】特開2017-076441(JP,A)
【文献】特開2011-197837(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品を客席に向けて搬送する食品搬送レーンに沿って形成された
複数の表示部に食品の画像データを表示し、客に食品を注文させるための食品の情報提供装置であって、
客に食品を注文させるために、複数の前記表示部
のそれぞれで個別に、食品の画像データをスクロールさせて表示すると共に、スクロール表示されている食品の画像データに対する表示移動操作に応じて、同スクロール表示されている食品の画像データを、スクロールの進行方向または反対方向に移動させて表示する表示手段と、
前記スクロール表示されている食品の画像データに対する選択操作に伴い、前記表示部内の表示を、前記スクロール表示から、選択された食品に関する注文用画像データの表示へと切り替え、前記注文用画像データに対する注文操作に応じて、選択された食品の注文情報を生成する食品注文手段とを備える
食品の情報提供装置。
【請求項2】
前記表示部は、ボックス型の客席ごとに設けられた
請求項1に記載の食品の情報提供装置。
【請求項3】
前記食品注文手段は、前記注文用画像データにおいて、前記注文操作を行うための注文ボタンの画像を、前記表示部の略中央の位置に表示する
請求項2に記載の食品の情報提供装置。
【請求項4】
前記表示手段は、前記スクロール表示されている食品の画像データを、前記進行方向及び前記反対方向に移動させて表示する
請求項1または請求項2に記載の食品の情報提供装置。
【請求項5】
前記食品注文手段は、前記選択操作に伴い、前記表示部内の表示を、同選択操作が行われた時点で前記スクロール表示を停止し、同スクロール表示から、選択された食品に関する前記注文用画像データの表示へと切り替え、同スクロール表示が停止した状態での、前記注文操作に応じて、前記注文情報を生成する
請求項1または請求項2に記載の食品の情報提供装置。
【請求項6】
前記表示手段は、前記注文用画像データに対する前記注文操作に伴い注文が完了して、または、同注文操作で注文をキャンセルして、前記表示部内の表示が、前記スクロール表示に戻ると、前記選択操作を検知した際の同スクロール表示が停止した状態での食品の画像データから同スクロール表示を開始する
請求項1または請求項2に記載の食品の情報提供装置。
【請求項7】
前記表示手段は、前記表示移動操作として、前記進行方向または前記反対方向に沿ったスワイプ操作が行われた際に、前記スクロール表示されている食品の画像データを前記スワイプ操作の方向と同じ方向に移動させて表示する
請求項1または請求項2に記載の食品の情報提供装置。
【請求項8】
前記表示手段は、前記表示部を長押しする操作に応じて前記スクロール表示を停止した状態を表示する
請求項1または請求項2に記載の食品の情報提供装置。
【請求項9】
前記食品注文手段は、前記選択操作として、前記スクロール表示されている食品の画像データに対するタップ操作または下方へのスワイプ操作を検知する
請求項1または請求項2に記載の食品の情報提供装置。
【請求項10】
前記表示手段は、前記注文情報に対応した食品が前記食品搬送レーンを介して客席に搬送されるタイミングに合わせて、前記表示部内で同注文情報に対応した食品のスライドアニメーション画像を表示する
請求項1または請求項2に記載の食品の情報提供装置。
【請求項11】
前記スライドアニメーション画像がスライドする方向は、前記食品搬送レーンにおける食品が搬送される方向と同じ方向である
請求項10に記載の食品の情報提供装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は食品の情報提供装置に関する。詳しくは、回転寿司等の食品を提供する店舗において、客の注文を促して、客単価の向上に寄与する食品の情報提供装置に係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、回転寿司と呼ばれる形式の飲食店では、客席に沿って循環する搬送装置が店内に設置され、搬送装置上を食品の現物が循環し、客が所望の食品を搬送装置上から取って食する態様が一般的である。
【0003】
また、近年では、客席ごとに配置されたタッチパネル式のディスプレイ装置を用いて、客が食品を選択し、注文した食品が搬送装置を介して客席に搬送されるシステムが普及している。
【0004】
ここで、従前の回転寿司では、客に選択されなかった食品が劣化して廃棄の対象となる、いわゆる食品ロスの問題や、搬送中の食品へのいたずら等のマナー違反の行為への対応が求められる問題が生じている。
【0005】
こうしたなか、回転寿司等の店舗において、実際の食品を搬送装置内で循環させる方式に替え、表示部に食品の画像データをスクロールさせて表示し、表示部で客の注文を受注する食品の情報提供装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ここで、特許文献1に記載された食品の情報提供装置では、搬送装置を用いて、食品の現物を店内で循環させることなく、回転寿司等の店舗としてのイメージや演出効果を高めることはできるが、次のような問題があった。
【0008】
まず、特許文献1に記載された食品の情報提供装置は、ディスプレイ装置においてスクロールさせて表示される食品の画像データは、画面上を同じ方向に流れ続けるだけの態様となっている。
【0009】
そのため、客が欲しかった食品の画像データに対して、注文操作をし損ねた場合、再度、スクロールが進行し、同じ食品の画像データが画面上に流れてくるまで待たなければならなかった。
【0010】
また、客側でスクロール表示される食品の画像データの流れの方向やスピードを操作することができず、自ら食品を探して選択する作業が行いにくかった。
【0011】
このことによれば、1つの食品の注文に留まらず、興味を惹かれたその他の食品を付随的に注文する、所謂ついで注文が生じにくく、客単価を向上させる点で改善の余地があった。
【0012】
本発明は、以上の点に鑑みて創案されたものであり、回転寿司等の食品を提供する店舗において、客の注文を促して、客単価の向上に寄与する食品の情報提供装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の目的を達成するために、本発明の食品の情報提供装置は、食品を客席に向けて搬送する食品搬送レーンに沿って形成された表示部に食品の画像データを表示し、客に食品を注文させるための食品の情報提供装置であって、前記表示部内で、食品の画像データをスクロールさせて表示すると共に、スクロール表示されている食品の画像データに対する表示移動操作に応じて、同スクロール表示されている食品の画像データを、スクロールの進行方向または反対方向に移動させて表示する表示手段と、前記スクロール表示されている食品の画像データに対する選択操作に伴い、前記表示部内の表示を、前記スクロール表示から、選択された食品に関する注文用画像データの表示へと切り替え、前記注文用画像データに対する注文操作に応じて、選択された食品の注文情報を生成する食品注文手段とを備える。
【0014】
ここで、表示手段が、表示部内で、食品の画像データをスクロールさせて表示することによって、従前の回転寿司の店舗のイメージや演出効果を出しながら、注文を促すために実際の食品を用いることなく、店が提供する食品の情報を視覚的に客に付与することができる。
【0015】
また、表示手段が、スクロール表示されている食品の画像データに対する表示移動操作に応じて、スクロール表示されている食品の画像データを、スクロールの進行方向または反対方向に移動させて表示することによって、客の意思で、スクロール表示されている食品の画像データを進行方向に先送りして、その後に表示部に現れる予定の食品の画像データを表示することができる。また、スクロール表示されている食品の画像データを進行方向と反対方向に移動させ、表示部から消えた食品の画像データを表示することができる。即ち、客にスクロール表示の流れを操作させ、主体的に食品を探させやすくなり、受注の効率を高めることができる。また、客の興味を惹きつけやすくなり、ついで注文を促すことができる。
【0016】
また、表示手段が、スクロール表示されている食品の画像データに対する表示移動操作に応じて、スクロール表示されている食品の画像データを、スクロールの進行方向と反対方向に移動させて表示し、食品選択手段が、スクロール表示されている食品の画像データに対する選択操作を検知して食品を選択することによって、スクロール表示が進んで食品を選択し損ねた際にも、表示部から消えた食品の画像データを戻して、客に選択させることが可能となる。即ち、注文の受注効率を高めると共に、客により迅速に食品を提供することができる。
【0017】
また、食品注文手段が、スクロール表示されている食品の画像データに対する選択操作に伴い、表示部内の表示を、スクロール表示から、選択された食品に関する注文用画像データの表示へと切り替えることによって、表示部中のスクロール表示されている食品の画像データの中から、客に特定の食品を選択させて、選択した食品を正式に注文するか否かを判断させることができる。また、選択した食品を注文する数等を検討させることができる。
【0018】
また、食品注文手段が、注文用画像データに対する注文操作に応じて、選択された食品の注文情報を生成することによって、客が選択した食品の注文内容を含む注文情報を、厨房側の端末等に送信して、受注処理を行うことが可能となる。
【0019】
また、表示手段が、注文用画像データに対する注文操作に伴い注文が完了して、または、注文操作で注文をキャンセルして、表示部内の表示が、スクロール表示に戻ると、選択操作を検知した際のスクロール表示されている食品の画像データからスクロール表示を開始する場合には、直近で表示部内にスクロール表示されていた食品を、より一層客に印象づけやすくなる。即ち、例えば、客が注文した食品とは別の食品で、一緒にスクロール表示されていた食品を客に選ばせやすくなる。
【0020】
また、表示手段が、表示移動操作として、進行方向または反対方向に沿ったスワイプ操作が行われた際に、スクロール表示されている食品の画像データをスワイプ操作の方向と同じ方向に移動させて表示する場合には、簡単な操作でスクロール表示されている食品の画像データを移動させることができる。
【0021】
また、表示手段が、表示部を長押しする操作に応じてスクロール表示を停止した状態を表示する場合には、スクロール表示を止めて食品の画像データを表示し、時間をかけて注文したい食品を選ばせることが可能となる。
【0022】
また、食品選択手段が、選択操作として、スクロール表示されている食品の画像データに対するタップ操作または下方へのスワイプ操作を検知する場合には、簡単な操作で、スクロール表示されている食品の画像データの中から、特定の食品を選択させることができる。
【0023】
また、表示手段が、注文情報に対応した食品が食品搬送レーンを介して客席に搬送されるタイミングに合わせて、表示部内で注文情報に対応した食品のスライドアニメーション画像を表示する場合には、注文した食品が客席に到着することを、客に視覚的に分かりやすく伝えることができる。また、表示部にスライドアニメーション画像を表示しておくことで、客が食品を取り忘れることを抑止できる。
【0024】
また、スライドアニメーション画像がスライドする方向が、食品搬送レーンにおける食品が搬送される方向と同じ方向である場合には、スライドアニメーション画像と、注文した食品の動きがリンクして、より一層、注文した食品が客席に到着することを分かりやすく伝えることができる。
【0025】
また、表示手段が、店舗における食品の在庫の有無に関する情報である食品在庫情報に対応して、スクロール表示させる食品の画像データの内容を変更して表示する場合には、店舗に在庫がない食品を客が注文してしまうことを抑止できる。
【0026】
また、食品の種類ごとに分類された情報である食品種類情報が設定され、表示手段が、表示部内で、複数の食品種類情報を表示可能であると共に、客により選択された特定の食品種類情報に含まれる食品の画像データをスクロールさせて表示する場合には、客が食べたい食品をより一層提供しやすくなる。即ち、客の好みや、食べた量等に合わせて、適宜種類の異なる食品の画像データを表示させることが可能となる。
【0027】
また、表示手段が、表示部内で、スクロール表示と一緒に、キャラクターの画像データ及び客の注文を促すメッセージ情報を表示する場合には、例えば、特定の食品をメッセージ情報でお勧めする等、キャラクターが客に話しかけるような演出が可能となり、客の注文意欲を高めやすくなる。また、楽しい食事の場を提供しやすくなる。
【0028】
また、表示手段が、店舗における客の滞在時間に関する情報である滞在時間情報に対応して、スクロール表示させる食品の画像データの内容を変更して表示する場合には、客の食事の進み具合も踏まえ、スクロール表示させる食品の画像データの内容を異ならせて表示することができる。即ち、例えば、客の滞在時間がある程度長くなったタイミングで、デザートの画像データを新たに登場させたり、デザートの画像データの登場頻度を増やしたりして、表示する食品の画像データに変化をつけ、客の注文を促しやすくすることができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明に係る食品の情報提供装置は、回転寿司等の食品を提供する店舗において、客の注文を促して、客単価の向上に寄与するものとなっている。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】本発明を適用した食品の情報提供装置Aを含む画像情報管理システムOの概略構成を示す図である。
【
図2】客席におけるレール表示部の配置位置を示す概略斜視図である。
【
図3】レール表示部で表示する各種画面の種類と、各種画面とインターフェース端末との情報の送受信を示す概略図である。
【
図4】(a)は、トップ画面で食品のメニュー画像データをスクロールさせて表示する状態を示す図であり、(b)は、トップ画面でツールチップ画像データを表示する状態を示す図である。
【
図5】(a)は、数量選択画面を示す図であり、(b)は、注文完了画面を示す図である。
【
図6】(a)は、スライドアニメーション画像がスライドして移動している状態を示す図であり、(b)は、移動が完了したスライドアニメーション画像を全面に表示する状態を示す図である。
【
図7】(a)及び(b)は、スライドアニメーション画像における到着用背景画像の一例を示す図である。
【
図8】キャラクター画像データ及びテキストデータを用いて、食品を提案する画面を示す図である。
【
図9】(a)は、コース選択画面を示す図であり、(b)は、選択したコースに含まれる食品のメニュー画像データをスクロールさせて表示する状態を示す図である。
【
図10】(a)及び(b)は、音声認識手段を用いて、特定の用語に反応して表示するキャラクター画像データ及びテキストデータを示す図である。
【
図11】(a)は、時間経過に合わせて、キャラクター画像データ及びテキストデータを用いて食品を提案する画面を示す図であり、(b)は、スクロールさせて表示する食品の画像データに変化をつけて表示する状態を示す図である。
【
図12】(a)は、クイズを出題する表示を示す図であり、(b)は、福袋形式の食品の画像データの表示を示す図である。
【
図13】食品に関するCO
2削減量への貢献を可視化した表示を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
[本発明の実施の形態]
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明し、本発明の理解に供する。
図1は、本発明の実施の形態として、食品の情報提供装置Aを導入した画像情報管理システム全体の概略構成を示す図である。なお、以下に示す構造は本発明の一例であり、本発明の内容はこれに限定されるものではない。
【0032】
[1.全体の装置構成について]
本発明を適用した食品の情報提供装置Aは、例えば、回転寿司等の飲食店において、店内で食品を注文する際に、客に対して食品の情報を提供する装置である。
【0033】
なお、以下では、
図4(a)を基準に、食品の画像データがスクロールされて表示され際の画像データが進む方向を「スクロールの進行方向」、「進行方向」または「右方向」と称し、食品の画像データが進む方向と反対方向を「スクロールの反対方向」、「反対方向」または「左方向」と称する。また、
図4(a)を基準に、図中の上側を、「上」または「上方」と称し、図中の下側を「下」または「下方」と称する。
【0034】
図1に示すように、食品の情報提供装置Aは、飲食店に設けられた画像情報管理システムOの一部を構成している。画像情報管理システムOは、回転寿司を提供する飲食店において、客が注文作業を行う際に提示される画像データに関する情報処理を行うシステムである。また、画像情報管理システムOは、店舗内に設けられた別途の注文管理システムと連動して、客の注文処理等を行うシステムである。
【0035】
図1に示すように、画像情報管理システムOは、エッジ端末100と、タブレット端末101と、無線LANルーター102と、ルーター103と、インターフェース端末104と、受付機106と、複数のレール表示部1を有している。
【0036】
また、レール表示部1は、食品の画像データを表示する表示部材である。また、レール表示部1は、食品の画像データをスクロールさせて表示することも行う。また、レール表示部1は、スクロール表示されている食品の画像データに対する客の選択操作を検知して食品を選択する選択手段として機能する。
【0037】
さらに、レール表示部1は、客が選択した食品について、注文用画像データを表示し、注文用画像データに対する注文操作に応じて食品の注文情報を生成し、インターフェース端末104へと送信する注文手段としても機能する。なお、レール表示部1における画像データの表示と各種操作の詳細については後述する。
【0038】
また、エッジ端末100は、店舗内で提供する食品の画像データを含む各種の画像データを管理する端末である。エッジ端末100は、インターネット上のクラウド105から店舗で提供する配信情報C1を受信すると共に、各種画像データを記録している。
【0039】
この配信情報C1には、店舗内で提供する食品の画像データ等が含まれている。配信情報C1はクラウド105で管理され、適宜、内容が更新された配信情報C1がエッジ端末100側に提供される。
【0040】
また、エッジ端末100では、配信情報C1に含まれる画像データについて、画像データの表示の設定及び変更等を行うことができる。即ち、レール表示部1で表示する画像データの内容は、エッジ端末100を用いて適宜設定変更することができる。
【0041】
また、エッジ端末100は、無線LANルーター102を介して、画像データを複数のレール表示部1に向けて送信する端末である。
【0042】
また、エッジ端末100は、図示しない画像データ記録部を有する。画像データ記録部は、レール表示部1でスクロールさせて表示する画像を構成する、複数の食品のメニュー画像データ130とメニュー名データ131及びそれらの順番の情報が記録されている。
【0043】
また、画像データ記録部は、複数の食品のメニュー画像データ130をスクロールさせて表示する画像の背景画像となる背景画像データ132が記録されている。また、画像データ記録部には、キャラクター画像データ133、テキストデータ134及びスライドアニメーション画像データ160が記録されている。
【0044】
また、エッジ端末100は、図示しない音声データ記録部を有する。音声データ記録部には、レール表示部1から発せられる音声データ及び効果音データが記録されている。
【0045】
また、インターフェース端末104は、各レール表示部1との間で注文情報等の送受信を行う端末である。また、本態様では、店舗内に1台のインターフェース端末104が設けられ、複数のレール表示部1のそれぞれと情報の送受信を行う構成となっている。
【0046】
また、インターフェース端末104は、店舗のバックヤードに設けられた、図示しない注文管理システムと連携している。インターフェース端末104は、レール表示部1から受信した注文情報を注文管理システム側に送信したり、注文管理システムから受信した各種情報を、レール表示部1側に送信したりする処理を行う。
【0047】
また、インターフェース端末104は、無線LANルーター102及びルーター103を介して、エッジ端末100と接続され、エッジ端末100との間で各種情報の送受信が可能となっている。
【0048】
また、タブレット端末101は、客席に設置される端末である。タブレット端末101は、インターフェース端末104との間で送受信可能に構成されている。タブレット端末101は、レール表示部1とは個別に、食品の注文処理等を行うことができる端末である。
【0049】
また、受付機106は、入店時の受付処理を行う機器であり、発券機の機能を有し、エッジ端末100に接続されている。
【0050】
図2は、客席2におけるレール表示部1の配置位置を示している。
図2に示すように、店舗内のボックス型の客席2には、テーブル20と座席シート21が設けられている。
【0051】
また、テーブル20及び座席シート21の隣に、客が注文した食品を厨房側から客席2に搬送する食品搬送レーン3が設けられている。食品搬送レーン3は、複数の客席2及び図示しない複数のカウンター席の隣に配置され、厨房と客席2及びカウンター席を繋ぐ食品の搬送経路となっている。
【0052】
また、
図2に示すように、レール表示部1は、食品搬送レーン3の上方に設けられている。レール表示部1は、食品搬送レーン3と略平行に配置され、座席シート21に着席した客のおおよそ目線の高さに相当する位置に設けられている。また、レール表示部1は、横長の矩形形状に形成されている。
【0053】
また、店舗内にある複数の客席2のそれぞれにレール表示部1が設けられている。即ち、各客席2に設けられたレール表示部1は、個別に画像データを表示することができる。
【0054】
また、レール表示部1は、静電容量方式のタッチパネル操作が可能に構成され、タッチパネル操作に応じて各種の動作処理を行うことができる。
【0055】
また、客席2のテーブル20にはタブレット端末101が配置されている。タブレット端末101は、上述したように、レール表示部1とは個別に、食品の注文処理を行うことができる。また、タブレット端末101は会計処理を行うことができる。
【0056】
ここで、必ずしも、ボックス型の客席2のそれぞれにレール表示部1が設けられる必要はない。店舗内に配置するレール表示部1の数は適宜設定することができ、1つまたは2以上の複数の数が採用可能である。また、レール表示部1が設けられる席は、ボックス型の客席2に限定されるものではなく、例えば、レール表示部1の長さを調整して、カウンター席に設けることも可能である。
【0057】
また、必ずしも、レール表示部1は、食品搬送レーン3の上方に設けられる必要はなく、レール表示部1の配置位置は適宜設定することができる。但し、客が着席した際に視認しやすくなることから、着席した客のおおよそ目線の高さに相当する位置に設けられることが好ましい。また、レール表示部1の上方に、さらに食品搬送レーン3を設けることも可能である。
【0058】
また、レール表示部1の形状は横長の矩形形状に限定されるものではなく、複数の食品のメニュー画像データ130をスクロールさせて表示することが可能であれば、形状は適宜設定することができる。
【0059】
また、必ずしも、客の注文処理にレール表示部1とタブレット端末101が併用される必要はない。例えば、会計処理の機能をレール表示部1に持たせて、タブレット端末101は設置せずに、レール表示部1のみで注文処理及び会計処理を行う態様とすることもできる。
【0060】
続いて、レール表示部1で表示する画面の種類について説明する。
【0061】
図3に示すように、レール表示部1で表示する画面には、主に設定画面10、広告画面11、起動画面12、トップ画面13、数量選択画面14、注文完了画面15、到着画面16及びテキスト画面17がある。
【0062】
設定画面10は、レール表示部1の初期の起動の際に立ち上がる画面である。設定画面10は、客席2の座席番号、到着時のスライドアニメーション画像データ160が流れる方向の設定等を登録する画面である。また、設定画面10は、広告画面11と起動画面12の切り替えを行う画面である。
【0063】
また、広告画面11は、広告用の画像データで構成された画面である。例えば、広告用の画像データは、食品に関する広告や、店舗におけるイベント等の紹介に関する画像データで構成され、注文開始前等のタイミングで表示される。
【0064】
また、起動画面12は、レール表示部1がトップ画面13を表示する前に、レール表示部1とインターフェース端末104との接続中の状態を示す画面である。例えば、起動画面12では、「接続中」の文字のテキストデータ134が表示される。
【0065】
また、トップ画面13は、客がレール表示部1を用いて注文を行う際の基本となる画面である。トップ画面13では、複数の食品のメニュー画像データ130(
図4(a)参照)と、各食品に対応したメニュー名データ131をスクロールさせて表示し、客が食品を認識する画面である。
【0066】
また、トップ画面13は、スクロールさせて表示した食品のメニュー画像データ130を客に選択させ、次工程の注文の作業に向かうための画面でもある。
【0067】
また、数量選択画面14は、トップ画面13で客が選択した食品について注文処理を行う際の画面である。また、注文完了画面15は、数量選択画面14の後に表示される、注文処理が完了したことを示す画面である。
【0068】
また、到着画面16は、注文した食品が食品搬送レーン3を介して客席2に搬送される際に、客に食品が到着すること(または既に到着したこと)を知らせるために表示される画面である。
【0069】
また、テキスト画面17は、インターフェース端末104からの指示情報に対応して、各種のテキストデータ134を表示する画面である。なお、テキスト画面17以外の画面でも必要に応じて、テキストデータ134が表示される。
【0070】
次に、客によるレール表示部1を用いた食品の選択操作及び注文操作に関わる画面について詳細な内容を説明する。
【0071】
[トップ画面]
図4(a)に示すように、トップ画面13では、メニュー画像データ130、メニュー名データ131、背景画像データ132及びキャラクター画像データ133が表示される。また、複数のメニュー画像データ130及びメニュー名データ131は、設定された順番で一定方向にスクロールさせて表示される。
【0072】
メニュー画像データ130とは、店舗で提供される食品の画像データであり、例えば、寿司ネタ、飲み物、麺類や汁物、おつまみ等のサイドメニュー等の食品を表した画像データである。また、メニュー名データ131とは、食品の名称を示す文字情報である。
【0073】
なお、
図4(a)では、符合Dを付した矢印で、メニュー画像データ130等がスクロールされる方向(スクロールの進行方向)を示している。また、
図4(a)及び
図4(b)では、図面を見やすくするため、便宜上、背景画像データ132の画像内容はほぼ省略
して記載している。
【0074】
また、ここでいう「スクロールさせて表示」とは、複数の食品のメニュー画像データ130及びメニュー名データ131から構成された、一定の長さの画像データを循環させて表示させるものを意味する。
【0075】
また、トップ画面13では、左側にキャラクター画像データ133及びテキストデータ134が表示される。キャラクター画像データ133とは、例えば、店員をモチーフにしたマスコット等の画像である。また、ここでのテキストデータ134とは、客に向けた食品の提案等の文字情報から構成される。
【0076】
また、トップ画面13では、テキストデータ134が、キャラクター画像データ133に対する吹き出し形式で表示され、キャラクターが客に話しかけるような形で表されている。また、テキストデータ134の内容は、予め設定した内容で、表示されるメニュー画像データ130の内容や、経過時間等に応じて、内容を変更しながら表示される。
【0077】
また、トップ画面13では、画面を指で触れて、右スワイプ操作または左スワイプ操作を行うことで、スクロール表示されているメニュー画像データ130を、スクロールの進行方向または反対方向に移動させて表示することができる。
【0078】
即ち、通常時のトップ画面13では、スクロールの進行方向に一定速度で、複数のメニュー画像データ130及びメニュー名データ131が流れていく。そして、トップ画面13で、画面を右スワイプ操作または左スワイプ操作することで、表示される画像データを進行方向に先送りしたり、反対方向に戻したりすることができる。
【0079】
また、トップ画面13での、右スワイプ操作または左スワイプ操作は連続して行うことができる。そのため、操作した回数に応じて、メニュー画像データ130等を移動させることができる。
【0080】
また、トップ画面13では、左右のスワイプ操作がされる際に、レール表示部1から効果音が再生される。この効果音により、自らの操作により、メニュー画像データ130を移動させていることを客に実感させやすくすることができる。
【0081】
このように、トップ画面13で、右スワイプ操作または左スワイプ操作が可能になっていることで、客はトップ画面13でスクロールされて表示されるメニュー画像データ130の内容を、自分の意思で移動させて表示し、食べたい食品のメニューを積極的に探すことができる。
【0082】
また、スクロール表示が進み、所望の食品のメニュー画像データ130が、レール表示部1の画面から消えた際にも、左スワイプ操作を行い、画像データを反対方向に移動させて表示することで、レール表示部1の画面上に戻して表示することができる。
【0083】
また、トップ画面13では、画面を指で触れて長押しする操作を行うことで、メニュー画像データ130及びメニュー名データ131のスクロールを停止させた状態で表示することができる。これにより、客は、スクロール表示を停止させ、画面上に表示されたメニュー画像データ130を選択するかどうかを、時間をかけて検討することができる。
【0084】
ここで、必ずしも、トップ画面13で、メニュー画像データ130とメニュー名データ131を一緒にスクロールさせて表示する必要はなく、メニュー画像データ130のみを表示する態様も可能である。但し、メニュー名データ131を一緒に表示することで、対象の食品がより明確となり、客が注文しやすくなることから、トップ画面13で、メニュー画像データ130とメニュー名データ131を一緒にスクロールさせて表示することが好ましい。また、トップ画面13では、表示する言語を切り替えて、選択した言語でメニュー名データ131を表示する態様とすることもできる。
【0085】
また、必ずしも、トップ画面13で画面を操作する際に、指で画面を触れて操作する接触型の端末パネルが用いられる必要はない。例えば、指で端末の画面を直接触れない、空中を検知するセンサー等を用いた非接触型の端末パネルを採用することも可能である。
【0086】
また、
図4(b)に示すように、トップ画面13では、画面をタップ操作すると、メニュー名データ131の表示に変えて、ツールチップ画像データ135を表示する。
【0087】
このツールチップ画像データ135は、各メニュー画像データ130に対して、下スワイプ操作により、注文のための食品の選択操作ができることを知らせる画像データである。ツールチップ画像データ135は、「注文」の文字と下向き矢印を模した図形から構成されている。
【0088】
また、トップ画面13では、トップ画面13に対する操作が一定時間行われないと、このツールチップ画像データ135が消え、メニュー名データ131の表示に戻る。
【0089】
また、図示しないが、トップ画面13では、おすすめの特定の食品について、そのメニュー画像データ130が、他の食品のメニュー画像データ130よりも目立つように、強調して表示することが可能である。
【0090】
例えば、対象の食品のメニュー画像データ130の背景に、点滅して表示するアニメーション形式の背景画像を表示することで、他の食品よりも表示を目立たせて、客が認識しやすくすることができる。
【0091】
また、トップ画面13では、画面上に表示されたメニュー画像データ130の個々の画像に対して、下スワイプ操作を行うことで、該当する食品が選択される。つまり、注文するために特定の食品を選択する選択操作をしたものとなる。
【0092】
また、トップ画面13では、ツールチップ画像データ135が表示されている際に、メニュー画像データ130の個々の画像に対して、再度、タップ操作を行うことで、該当する食品を選択することもできる。
【0093】
この選択操作により、レール表示部1の画面は、トップ画面13から、実際に注文を行うための数量選択画面14に遷移する。
【0094】
なお、トップ画面13での下スワイプ操作は、通常のメニュー画像データ130をスクロールさせて表示する状態と、タップ操作がなされ、ツールチップ画像データ135を表示する状態のいずれにおいても行うことができる。
【0095】
ここで、必ずしも、トップ画面13でタップ操作が行われた際に、ツールチップ画像データ135が表示される必要はない。但し、客に注文する作業を視覚的に意識させ、選択操作及び注文操作に繋がりやすくなる点から、トップ画面13でタップ操作が行われた際に、ツールチップ画像データ135を表示されることが好ましい。
【0096】
[数量選択画面及び注文完了画面]
図5(a)に示すように、数量選択画面14では、個数選択ボタン画像データ140、注文ボタン画像データ141、取消ボタン画像データ142、メニュー画像データ130及びメニュー情報画像データ143が表示される。
【0097】
この数量選択画面14における、個数選択ボタン画像データ140、注文ボタン画像データ141、取消ボタン画像データ142、メニュー画像データ130及びメニュー情報画像データ143が注文用画像データである。
【0098】
個数選択ボタン画像データ140は、選択した食品を注文する個数を決定するための画像データである。また、注文ボタン画像データ141は、個数を決定した食品の注文を正式に決定するための画像データである。
【0099】
また、取消ボタン画像データ142は、選択した食品の注文を中止して、数量選択画面14から、トップ画面13に戻るための画像データである。
【0100】
なお、個数選択ボタン画像データ140、注文ボタン画像データ141、及び、取消ボタン画像データ142は、画面をタップ操作して、ボタンを押すことができる画像データである。
【0101】
また、メニュー画像データ130は、トップ画面13で客が選択した対象の食品の画像データであり、トップ画面13で表示する画像と同じ画像である。また、メニュー情報画像データ143は、客が選択した対象の食品のメニュー名及び1つあたりの価格の文字情報の画像である。
【0102】
また、数量選択画面14では、トップ画面13と同様に、左側にキャラクター画像データ133及びテキストデータ134が表示される。また、数量選択画面14におけるテキストデータ134は、客の注文操作を案内する文字情報から構成される。
【0103】
また、数量選択画面14が表示された際、即ち、レール表示部1の画面中に個数選択ボタン画像データ140が表示されると、「個数を選択して」との音声データ144が再生される。この音声データ144が再生されることで、客に注文操作を促すことができる。
【0104】
また、数量選択画面14では、注文ボタン画像データ141の部分をタップ操作すると、選択した食品が、個数選択ボタン画像データ140で決定された個数で注文することが確定する。
【0105】
この注文操作により、レール表示部1の画面は、数量選択画面14から注文完了画面15に遷移する。
【0106】
また、数量選択画面14で、注文ボタン画像データ141がタップ操作されると、注文完了画面15に遷移すると共に、レール表示部1が、注文操作の内容を反映した注文情報を生成し、この注文情報がインターフェース端末104に送信される(
図3の符合P3の矢印参照)。
【0107】
また、注文情報を受信したインターフェース端末104は、注文管理システムに注文情報を送信し、これにより厨房に注文情報が伝達され、注文された食品の準備が進められる。
【0108】
図5(b)に示すように、注文完了画面15では、レール表示部1の画面に、大きな文字で「ご注文ありがとうございます。」の文字のテキストデータ134が表示される。
【0109】
また、注文完了画面15では、左側にキャラクター画像データ133が表示される。このキャラクター画像データ133では、店員をモチーフにしたマスコットがお辞儀したような画像が表示される。
【0110】
また、この際、レール表示部1からは、「ご注文ありがとう」という音声データ150が再生される。この音声データが再生されることで、客に注文操作が完了したことを知らせることができる。また、この注文完了画面15が表示されると注文操作に伴い注文が完了したものとなる。
【0111】
また、レール表示部1では、注文完了画面15が一定時間表示された後、トップ画面13に画面が遷移する。この際、トップ画面13では、選択操作が行われた時点での、メニュー画像データ130及びメニュー名データ131の表示内容から、スクロール表示が再開される。
【0112】
また、数量選択画面14で、取消ボタン画像データ142がタップ操作されると、選択した食品の注文を中止して、数量選択画面14からトップ画面13に戻る。この際も、トップ画面13では、選択操作が行われた時点での、メニュー画像データ130及びメニュー名データ131の表示内容から、スクロール表示が再開される。
【0113】
ここで、必ずしも、注文完了画面15からトップ画面13に戻った際、または、数量選択画面14からトップ画面13に戻った際に、トップ画面13で、選択操作が行われた時点でのメニュー画像データ130及びメニュー名データ131の表示内容からスクロール表示が再開される必要はない。但し、直近でトップ画面13にスクロール表示されていた食品を、より一層客に印象づけやすくなり、注文を促しやすくなる点から、注文完了画面15からトップ画面13に戻った際、または、数量選択画面14からトップ画面13に戻った際に、トップ画面13で、選択操作が行われた時点でのメニュー画像データ130及びメニュー名データ131の表示内容からスクロール表示が再開されることが好ましい。
【0114】
以上のような流れで、レール表示部1を用いた客の注文処理の作業が行われる。続いて、客席2に注文した食品が搬送される際のレール表示部1の表示について説明する。
【0115】
[到着画面]
図6(a)及び
図6(b)に示すように、到着画面16では、スライドアニメーション画像データ160が表示される。スライドアニメーション画像データ160は、客が注文した食品であり、厨房から客席2に食品搬送レーン3を介して間もなく到着する食品の画像が含まれるアニメーション画像である。
【0116】
このスライドアニメーション画像データ160は、到着用背景画像データ161と、注文食品データ162から構成される。また、注文食品データ162には、食品の画像データと、メニュー名及び注文した個数の文字情報が含まれている。
【0117】
また、
図6(a)に示すように、トップ画面13でメニュー画像データ130等がスクロールされて表示されている際に、符合Dを付した矢印の方向にスライドアニメーション画像データ160がスライドして移動し、トップ画面13を覆っていく。
【0118】
そして、
図6(b)に示すように、レール表示部1の画面の全面がスライドアニメーション画像データ160の表示となる。また、この際、「商品が到着しました」との音声データ163が再生される。この音声データ163が再生されることで、音声でも客に食品の到着を知らせることができる。
【0119】
また、図示しないが、スライドアニメーション画像データ160に表された食品が表示された個数分、食品搬送レーン3を用いて客席2に向けて搬送される。
【0120】
この到着画面16は、インターフェース端末104から、レール表示部1に食品が到着リクエストの通知がなされることで、レール表示部1における表示が開始される(
図3の符合P4の矢印参照)。
【0121】
なお、スライドアニメーション画像データ160がスライドする方向と、食品搬送レーン3が食品を搬送する方向は、同じ方向に設定されている。
【0122】
また、客が食品搬送レーン3から搬送された食品をテーブル20側に移動させるまで、レール表示部1の画面には、到着画面16のスライドアニメーション画像データ160が表示されている。
【0123】
そして、食品がテーブル20に移動されると、食品搬送レーン3に設けられたセンサーが食品の受け取りを検知し、インターフェース端末104に検知結果が送信され、インターフェース端末104から到着解除リクエストの通知がなされることで(
図3の符合P5の矢印参照)、レール表示部1の到着画面16の表示が終了し、トップ画面13の表示に戻る。
【0124】
ここで、必ずしも、スライドアニメーション画像データ160がスライドする方向と、食品搬送レーン3が食品を搬送する方向は、同じ方向に設定される必要はない。但し、スライドアニメーション画像データ160と、注文した食品が搬送される動きがリンクして、より一層、注文した食品が客席に到着することを分かりやすく伝えることができることから、スライドアニメーション画像データ160がスライドする方向と、食品搬送レーン3が食品を搬送する方向は、同じ方向に設定されることが好ましい。
【0125】
また、スライドアニメーション画像データ160における到着用背景画像161は、到着する食品の内容に応じて、背景画像を変えて表示することができる。
【0126】
例えば、高級な食品やフェアの対象となる食品であれば高級感のある背景画像161aを表示し(
図7(a)参照)、デザートや子供に人気のある食品であればポップな背景画像161bを表示する(
図7(b)参照)等、提供される食品の内容に合わせて背景画像を変え、客を楽しませる演出にすることができる。
【0127】
[在庫の状況に応じた食品情報の提供]
次に、店舗内で提供する食品の在庫状況に応じた、レール表示部1での食品の情報の提供について説明する。
【0128】
店舗内で提供する食品の在庫の状況は、注文管理システムにより管理され、在庫の状況を反映した情報である食品在庫情報は、インターフェース端末104において適宜、記録及び更新がなされている。
【0129】
そして、店舗内で特定の食品の在庫が切れた場合、その旨が食品在庫情報に反映され、インターフェース端末からレール表示部1に、在庫切れを反映した、表示切り替えの通知がなされる(
図3の符合P1の矢印参照)。
【0130】
また、在庫切れを反映した表示切り替えの通知を受信したレール表示部1は、通知の内容に基づき、トップ画面13で表示するメニュー画像データ130及びメニュー名データ131の再描写を行う。即ち、表示する食品の中から、在庫切れの食品を除外して、メニュー画像データ130及びメニュー名データ131をスクロールさせて表示する。
【0131】
また、店舗内にて、在庫切れの状態であった食品が補充されて、店舗での提供が可能となると、その旨が食品在庫情報に反映され、インターフェース端末からレール表示部1に、在庫切れの解消を反映した、表示切り替えの通知がなされる(
図3の符合P2の矢印参照)。
【0132】
そして、在庫切れの解消を反映した表示切り替えの通知を受信したレール表示部1は、通知の内容に基づき、トップ画面13で表示するメニュー画像データ130及びメニュー名データ131の再描写を行う。即ち、表示する食品に、在庫切れが解消した食品を戻して、メニュー画像データ130及びメニュー名データ131をスクロールさせて表示するようにする。
【0133】
このように、レール表示部1では、インターフェース端末104で更新される食品在庫情報とこれに対応した通知を受信することにより、店舗での食品の在庫の状況を反映したメニュー画像データ130及びメニュー名データ131をトップ画面13で表示することができる。
【0134】
また、レール表示部1とインターフェース端末104との間での情報通信の一例として、以下のやりとりがある。
【0135】
例えば、起動画面12の表示中に、レール表示部1はインターフェース端末104と通信して、時刻情報、タブレット端末101の食品メニューの情報、食品在庫情報、食品の注文可能な上限値の情報を取得する(
図3の符合P0の矢印参照)。これにより、レール表示部1は、初期の起動の度に、これらの情報を更新することができる。
【0136】
また、レール表示部1では、タブレット端末101を介した会計処理の最中や、店員の呼び出しボタンを押した際等に、インターフェース端末104からテキスト表示リクエストの通知を受信する(
図3の符合P6の矢印参照)。
【0137】
そして、テキスト画面17で、インターフェース端末104からの指示内容に応じた各種のテキストデータを表示する。例えば、「お会計中です。」、「ご利用ありがとうございました。伝票を持ってレジにお進み下さい。」等の表示や、「只今、呼び出しております。しばらくお待ちください。」等の表示である。なお、これらのテキストデータの表示は、適宜設定することができる。
【0138】
また、所定の処理が完了したり、状況が変わったりすることで、インターフェース端末104からテキスト解除リクエストの通知を受信し(
図3の符合P7の矢印参照)、テキスト画面17でのテキストデータの表示を終了し、トップ画面13の表示に戻る。
【0139】
[その他の機能・態様]
続いて、食品の情報提供装置Aのその他の機能について説明する。
【0140】
図8に示すように、トップ画面13において、キャラクター画像データ133が客に対して、様々なテキストデータ134を表示し、これに対応する音声データを発することで、積極的な食品の提案を行うことが可能である。
【0141】
ここでは、例えば、その日のおすすめの食品の種類を提案したり、デザートを提案したり、注文に対する御礼の言葉を述べたりする等して、楽しい食事の場を演出しながら、客の注文を促すことができる。
【0142】
また、
図9(a)に示すように、レール表示部1で表示する画面として、コース選択画面18を表示することができる。ここでは、予め複数の種類のコースを設定しておき、客にコースのいずれかを選択させることで、選択したコースに含まれる食品を、トップ画面13でスクロールさせて表示することができる(
図9(b)参照)。
【0143】
トップ画面13には、自身が選択したコースに含まれる食品が表示されるため、客は自分の好みやその日の気分に合った食品を選びやすくなる。また、店舗側もコースごとに、食品をバラエティ豊かに提案することができ、客のついで注文を促し、客単価の向上に繋げることができる。
【0144】
また、
図10(a)に示すように、レール表示部1と共に、客の会話から特定の用語を認識する音声認識手段4を用いて、客に特定の食品を提案することができる。ここでは、例えば、客が発した会話5に「ダイエット」、「カロリー」、「糖質」といった用語が含まれていた際、予めこれらの用語を認識するよう設定していた音声認識手段4が反応する。
【0145】
そして、レール表示部1の画面で、キャラクター画像データ133及びテキストデータ134で、客に対して、ダイエット等と関連する食品(ここでは「シャリ少なめ」の食品)を提案する表示を行う。また、この際、テキストデータ134の文字を音声データで発して、会話形式にすることもできる。
【0146】
また、
図10(b)に示すように、レール表示部1から提案を受けた客が、対象の食品を注文する会話50を発すると、音声認識手段4がこれにも反応して、キャラクター画像データ133及びテキストデータ134で、注文の御礼のメッセージを表示する。
【0147】
このように、音声認識手段4を介して、会話形式のエンターテイメント性を持たせた演出をしながら、食品の販売促進に繋げることができる。
【0148】
また、客が客席2に着席してからの経過時間を考慮して、食品の提案を行うこともできる。例えば、新たに客が着席してからの時間を測定し、レール表示部1で、時間経過に合わせて、キャラクター画像データ133が客に対してテキストデータ134を表示し、これに対応する音声データを発する(
図11(a)参照)。例えば、デザートを提案する表示を行う。
【0149】
また、その後、トップ画面13で、スクロールさせて表示する食品(例えば、寿司ネタ)のメニュー画像データ130の間にデザートの食品のメニュー画像データ130aを出現させたり、デザートの食品のメニュー画像データ130aの表示の登場頻度を多くしたりする(
図11(b)参照)。
【0150】
このように時間経過に合わせて、トップ画面13に表示する食品に変化を付けることで、客が提案された食品に興味を持ちやすくなり、注文を促すことができる。
【0151】
また、レール表示部1の画面では、クイズを出題して、客に回答させるための表示(
図12(a)参照)や、福袋形式で複数の食品をセットにして提案する表示(
図12(b)参照)を行うこともできる。
【0152】
また、レール表示部1の画面にて、客が選択した食品に関するCO
2削減量への貢献を可視化したり、クーポンを発行したりする等して、カーボンニュートラル等への取り組みを活性化させることができる(
図13参照)。
【0153】
以上のように、本発明の食品の情報提供装置は、回転寿司等の食品を提供する店舗において、客の注文を促して、客単価の向上に寄与する食品の情報提供装置に係るものとなっている。
【符号の説明】
【0154】
A 食品の情報提供装置
O 画像情報管理システム
C1 配信情報
100 エッジ端末
101 タブレット端末
102 無線LANルーター
103 ルーター
104 インターフェース端末
105 クラウド
106 受付機
1 レール表示部
10 設定画面
11 広告画面
12 起動画面
13 トップ画面
130 メニュー画像データ
131 メニュー名データ
132 背景画像データ
133 キャラクター画像データ
134 テキストデータ
135 ツールチップ画像データ
14 数量選択画面
140 個数選択ボタン画像データ
141 注文ボタン画像データ
142 取消ボタン画像データ
143 メニュー情報画像データ
15 注文完了画面
150 音声データ
16 到着画面
160 スライドアニメーション画像データ
161 到着用背景画像データ
162 注文食品データ
163 音声データ
17 テキスト画面
18 コース選択画面
2 客席
20 テーブル
21 座席シート
3 食品搬送レーン
4 音声認識手段
5 会話
50 会話
【要約】
【課題】回転寿司等の食品を提供する店舗において、客の注文を促して、客単価の向上に寄与する食品の情報提供装置を提供する。
【解決手段】本発明を適用した食品の情報提供装置の一例である食品の情報提供装置Aは、レール表示部1を有する。レール表示部1で表示する画面には、トップ画面13があり、トップ画面13では、メニュー画像データ130、メニュー名データ131、背景画像データ132及びキャラクター画像データ133が表示される。また、複数のメニュー画像データ130及びメニュー名データ131は、設定された順番で一定方向にスクロールさせて表示される。また、トップ画面13では、画面を指で触れて、右スワイプ操作または左スワイプ操作を行うことで、スクロール表示されているメニュー画像データ130を、スクロールの進行方向または反対方向に移動させて表示することができる。
【選択図】
図4