(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-05
(45)【発行日】2024-08-14
(54)【発明の名称】スリップリングレス電気式ポッド推進装置及びその組立方法
(51)【国際特許分類】
B63H 1/12 20060101AFI20240806BHJP
B63H 5/14 20060101ALI20240806BHJP
B63H 25/42 20060101ALI20240806BHJP
【FI】
B63H1/12 Z
B63H5/14
B63H25/42 E
(21)【出願番号】P 2023542993
(86)(22)【出願日】2023-03-01
(86)【国際出願番号】 CN2023078897
(87)【国際公開番号】W WO2024016674
(87)【国際公開日】2024-01-25
【審査請求日】2023-07-14
(31)【優先権主張番号】202210873301.X
(32)【優先日】2022-07-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520154254
【氏名又は名称】江蘇科技大学
【氏名又は名称原語表記】JIANGSU UNIVERSITY OF SCIENCE AND TECHNOLOGY
【住所又は居所原語表記】No.2 Mengxi Road,Zhenjiang,Jiangsu 212003,China
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】呉 百公
(72)【発明者】
【氏名】▲ジャン▼ 銘静
(72)【発明者】
【氏名】劉 金星
(72)【発明者】
【氏名】姚 震球
【審査官】三宅 龍平
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/082248(WO,A1)
【文献】特開2018-079742(JP,A)
【文献】特開2007-230509(JP,A)
【文献】中国実用新案第209617429(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第110697012(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第111017178(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B63H 1/00 ー 25/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スリップリングレス電気式ポッド推進装置であって、上部フランジ(101)、操舵装置(102)、内軸(201)、軸受け(202)、リム推進器(203)、外殻部材、外軸(301)、第1接続フランジ(302)、及び第2接続フランジ(303)を含み、上部フランジ(101)は甲板に取り付けられ、内軸(201)は、一端が上部フランジ(101)に固定され、他端がリム推進器(203)に接続され、外軸(301)は内軸(201)外に外装され、両者は軸受け(202)を介して接続され、操舵装置(102)は上部フランジ(101)側で甲板に取り付けられ、外軸(301)は、一端が操舵装置(102)の伝動軸に接続され、他端が第1接続フランジ(302)及び第2接続フランジ(303)を介して外殻部材と互いに接続され、外殻部材はリム推進器(203)外を包んでいることを特徴とするスリップリングレス電気式ポッド推進装置。
【請求項2】
外殻部材は中空ドラム状構造であり、その対向する両側平面はいずれも開放面であることを特徴とする請求項1に記載のスリップリングレス電気式ポッド推進装置。
【請求項3】
外殻部材は上半シェル(304)及び下半シェル(305)を含み、上半シェル(304)と下半シェル(305)は径方向に外殻部材全体を等分したものであり、ボルトを介して接続され、外軸(301)の底端に第1接続フランジ(302)が同軸に固定され、上半シェル(304)の上部に第2接続フランジ(303)が固定され、第1接続フランジ(302)と第2接続フランジ(303)は同軸に固定されることを特徴とする請求項2に記載のスリップリングレス電気式ポッド推進装置。
【請求項4】
第1接続フランジ(302)と第2接続フランジ(303)の接続面間にフランジガスケットが設けられることを特徴とする請求項3に記載のスリップリングレス電気式ポッド推進装置。
【請求項5】
上部フランジ(101)、内軸(201)、外軸(301)、第1接続フランジ(302)、第2接続フランジ(303)、上半シェル(304)、及び下半シェル(305)はいずれも同一中心線上にあることを特徴とする請求項3に記載のスリップリングレス電気式ポッド推進装置。
【請求項6】
操舵装置(102)と外軸(301)はチェーンを介して伝動接続されることを特徴とする請求項1に記載のスリップリングレス電気式ポッド推進装置。
【請求項7】
内軸(201)の内部にはその軸方向に中心貫通孔が開けられ、複数種のケーブルはそれぞれ内軸(201)の上端から内軸(201)の底端まで中心貫通孔に挿通され、リム推進器(203)に接続されることを特徴とする請求項1に記載のスリップリングレス電気式ポッド推進装置。
【請求項8】
上部フランジ(101)、操舵装置(102)をボルトで甲板にそれぞれ固定するステップ1と、
第2接続フランジ(303)を外殻部材と固定接続し、さらに第1接続フランジ(302)を外軸(301)の一端と固定接続し、最後に第1接続フランジ(302)と第2接続フランジ(303)を固定接続するステップ2と、
軸受け(202)を内軸(201)の外周面に取り付け、内軸(201)の下端をリム推進器(203)と接続するステップ3と、
内軸(201)を外軸(301)内に挿入し、内軸(201)の上端を甲板を通して上部フランジ(101)とボルトで固定接続させ、さらに外軸(301)の内周壁を軸受け(202)を介して内軸(201)の外周壁と嵌合接続するステップ4と、
外殻部材の組立を完了して電気式ポッド推進装置の取り付けを終了するステップ5と、を含むことを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載のスリップリングレス電気式ポッド推進装置の組立方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、船舶海洋工学分野の推進器に関し、特にスリップリングレス電気式ポッド推進装置及びその組立方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ポッド推進器は、近年開発された新型船舶推進システムであり、現在、船舶推進システムの分野で注目されている。その外形はポッド型構造形態を採用しており、即ち、モータとプロペラとの組み合わせを1つのシェル内に取り付け、このシェルを1つの回転ベースで船体の下方に「吊り下げ」、従来の推進器の伝動機構には伝動効率が低く、構造サイズが大きいなどの欠点があり、また、従来のポッド推進器の外形は1つの莢のような形をしており、このポッド型推進器は水中で360°回転可能である。スリップリングは主に回転部材及び静止部材の2つの部分で構成され、回転部接続機器の回転機構はともに回転運動を行い、「回転子」と呼ばれ、静止部接続機器の固定構造は「固定子」と呼ばれる。
【0003】
スリップリングは電気スリップリング、流体スリップリングなどに分けられ、電気スリップリングは主に風力発電、航空、宇宙機器に使用され、オイル、エアスリップリングは多くの場合、シリンダー、油圧システムに使用される。電気スリップリングは電力及び信号を伝達する役割を果たすが、信号及び電力の伝達中に干渉信号が発生し、信号干渉が適切に処理されない場合、機器の正常動作に深刻な影響を及ぼしてしまい、普通の電気スリップリングは長時間にわたって湿気の多い環境にあると、水が侵入しやすく、さらにスリップリング内部の短絡をもたらし、機器の正常使用を妨げてしまう。
【0004】
油圧スリップリングの媒体には少量の天然ガス原油が混在し、細かい砂が含まれており、摩耗量が増加すると、スリップリングは漏れ状態になり、上記2つの欠点に加えてエアスリップリングは環境中の極めて強い振動により薄肉軸受けの損傷、プラスチック主軸軸受けの亀裂を引き起こす可能性がある。それだけでなく、電気式ポッド推進器が船舶を推進して方向を変更するとき、スリップリングの存在はケーブルの絡み合いをもたらし、旋回動作を実行できなくなり、一定程度の機器の損傷を引き起こし、信頼性及び効率を低下させ、特にポッドに使用される多重媒体スリップリングは上記問題を引き起こしやすい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の課題に鑑みてなされて、本発明は、ポッドのステアリング速度及びステアリングトルク要件を満たすとともに、信号干渉を回避するスリップリングレス電気式ポッド推進装置を提供することを目的とする。その組立方法をさらに提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
スリップリングレス電気式ポッド推進装置であって、上部フランジ、操舵装置、内軸、軸受け、リム推進器、外殻部材、外軸、第1接続フランジ、及び第2接続フランジを含み、上部フランジは甲板に取り付けられ、内軸は、一端が上部フランジに固定され、他端がリム推進器に接続され、外軸は内軸外に外装され、両者は軸受けを介して接続され、操舵装置は上部フランジ側で甲板に取り付けられ、外軸は、一端が操舵装置の伝動軸に接続され、他端が第1接続フランジ及び第2接続フランジを介して外殻部材と互いに接続され、外殻部材はリム推進器外を包んでいる。
【0007】
上部フランジは内軸に支持力を提供することで、本電気式ポッド推進装置で船舶を推進して運航する時に安定性がより高く、上部フランジと内軸はハード接続され、上部フランジは内軸に固定され、外殻部材の回転によって推進方向を変更する。
【0008】
上半シェル、下半シェル及び第2接続フランジは推進器の外殻ユニットを構成し、本推進器の内殻ユニットであるリム推進器に対応し、リム推進器はそれ自体の動作を維持し、外殻ユニットは操舵装置により駆動されて回転し、それによってリム推進器プロペラブレードの排水角度を変更する。
【0009】
リム推進器は主にコンジット、モータ、コア、コイル、永久磁石回転子及びブレードなどの部材で構成される。モータ、コア及びコイルは固定子としてコンジットキャビティ内に配置され、永久磁石は回転子としてリングの形態でプロペラブレードの根元部に配置され、コンジットの内部とリング回転子との間に所定の隙間があり、両者間は歯車の噛み合いによって接続される。永久磁極とモータ固定子は磁場の相互作用によってプロペラブレードを回転駆動する。固定子と回転子はエポキシ樹脂で包まれ、海水が固定子や回転子に入ることを阻止できる。内殻は内軸に直接接続され、リム推進器と外殻ユニットは内軸の軸受けによって相対移動する。
【0010】
さらに、外殻部材は中空ドラム状構造であり、その対向する両側平面はいずれも開放面である。
【0011】
さらに、外殻部材は上半シェル及び下半シェルを含み、上半シェルと下半シェルは径方向に外殻部材全体を等分したものであり、ボルトを介して接続され、外軸の底端に第1接続フランジが同軸に固定され、上半シェルの上部に第2接続フランジが固定され、第1接続フランジと第2接続フランジは同軸に固定される。
【0012】
好ましくは、第1接続フランジと第2接続フランジの接続面間にフランジガスケットが設けられる。
【0013】
好ましくは、上部フランジ、内軸、外軸、第1接続フランジ、第2接続フランジ、上半シェル、及び下半シェルはいずれも同一中心線上にある。
【0014】
さらに、操舵装置と外軸はチェーンを介して伝動接続される。
【0015】
操舵装置はモータ、減速歯車群、ポテンショメータ、制御回路、シェル、及び操舵輪で構成され、外殻ユニットの回転に動力を提供し、それによって船舶を推進して進行方向を変更する。
【0016】
方向を変更する必要がある場合、操舵装置は動力を提供し、チェーン伝動機構で動力を外殻ユニットに伝達し、外殻部材の2つの開放平面はいずれも排水口であり、排水口と内殻ユニットの開口部は夾角をなし、推進器の排水方向は夾角の変化とともに変化し、それによって、ポッド全体のステアリングによって推力の方向を変更するのではなく、船全体の推力の方向を変更し、船舶の航向を変更する。
【0017】
さらに、内軸の内部にはその軸方向に中心貫通孔が開けられ、複数種のケーブルはそれぞれ内軸の上端から内軸の底端まで中心貫通孔に挿通され、リム推進器に接続される。
【0018】
気体、液体、オイルケーブルは内軸の中心貫通孔を通り、ポッドの内部に入り、リム推進器と直接接続し、スリップリングを使用しないことで、推進方向を変更する時のケーブルの絡み合いを効果的に回避でき、内軸と外軸との間に軸受けが取り付けられ、軸受けは外軸の回転時に摩擦抵抗が小さいことを確保することができる。
【0019】
上記スリップリングレス電気式ポッド推進装置の組立方法は、
上部フランジ、操舵装置をボルトで甲板にそれぞれ固定するステップ1と、
第2接続フランジを外殻部材と固定接続し、さらに第1接続フランジを外軸の一端と固定接続し、最後に第1接続フランジと第2接続フランジを固定接続するステップ2と、
軸受けを内軸の外周面に取り付け、内軸の下端をリム推進器と接続するステップ3と、
内軸を外軸内に挿入し、内軸の上端を甲板を通して上部フランジとボルトで固定接続させ、さらに外軸の内周壁を軸受けを介して内軸の外周壁と嵌合接続するステップ4と、
外殻部材の組立を完了して電気式ポッド推進装置全体の取り付けを終了するステップ5と、を含む。
【発明の効果】
【0020】
有益な効果について、従来技術に比べて、本発明の利点は以下の通りである。
【0021】
(1)該電気式ポッド推進装置はスリップリングを使用しないことで、スリップリングの使用によって引き起こされる可能性のある短絡、漏れ及び信号干渉の現象を回避し、また、ケーブルを内軸を通してリム推進器と直接接続することで、推進方向を変更する時のケーブルの絡み合いを巧みに回避し、機器のコストを大幅に削減させ、信頼性を向上させる。
【0022】
(2)該電気式ポッド推進装置は従来の推進方向の変更方式を使用せず、内軸及びリム推進器の方向は終始変わらず、操舵装置は伝動機構によって動力を外殻部材に伝達して外殻部材の方向を変更させ、最終的に、船舶全体の方向を変更する。
【0023】
(3)該電気式ポッド推進装置は構造がシンプルで、該装置の組立、メンテナンスが容易である。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図8】本発明の外殻部材の方向変更時の正面図である。
【
図9】本発明の外殻部材の方向変更時の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面及び具体的な実施例を参照しながら本発明をさらに説明し、これらの実施例が本発明の範囲を限定するものではなく本発明を説明するためのものに過ぎないことを理解すべきである。
【0026】
スリップリングレス電気式ポッド推進装置は、
図1~7に示すように、上部フランジ101、操舵装置102、内軸201、軸受け202、リム推進器203、外殻部材、外軸301、第1接続フランジ302、及び第2接続フランジ303を含み、外殻部材は上半シェル304及び下半シェル305を含む。
【0027】
上部フランジ101は甲板に取り付けられ、内軸201は、一端が上部フランジ101の中心孔に固定され、他端がリム推進器203に接続され、内軸201の内部にはその軸方向に中心貫通孔が開けられ、複数種のケーブルはそれぞれ内軸201の上端から内軸201の底端まで中心貫通孔に挿通され、リム推進器203に接続される。上部フランジ101の中心孔は内軸201に接続されることで、装置全体の動作時の安定性を確保し、気体、液体、オイルケーブルは上部フランジ101の中心孔及び内軸201の中心貫通孔を通ってリム推進器203と直接接続されることで、スリップリングの使用を回避するだけでなく、推進方向を変更する時のケーブルの絡み合いを回避する。
【0028】
外軸301は内軸201外に外装され、両者は軸受け202を介して接続され、操舵装置102は上部フランジ101側で甲板に取り付けられ、外軸301の一端は操舵装置102の伝動軸に接続され、操舵装置102と外軸301はチェーンによって動力を伝達し、両方に伝動歯車が取り付けられ、チェーンは操舵装置102に発生する動力を外軸301に伝達して外軸301を回転可能にする。
【0029】
内軸201を含める上部フランジ101及びリム推進器203はポッドが排水方向を変更する時にいずれも動かないままであり、内軸201に軸受け202が取り付けられ、軸受け202の存在により内軸201と外軸301との相対移動が実現され、両者とそれぞれハード接続されたリム推進器203及び外殻部材も相対移動可能であり、方向変更中、ほかの部材が動かないまま、外軸301は外殻部材のステアリングを駆動するだけでよく、ステアリングの複雑さを低下させ、装置全体の動作効率を向上させる。
【0030】
外軸301の他端は第1接続フランジ302、第2接続フランジ303を介して外殻部材と互いに接続され、外殻部材は中空ドラム状構造であり、その対向する両側平面はいずれも開放面であり、上半シェル304と下半シェル305は径方向に外殻部材全体を等分したものであり、ボルトを介して接続され、外軸301の底端に第1接続フランジ302が同軸に固定され、上半シェル304の上部に第2接続フランジ303が固定され、第1接続フランジ302と第2接続フランジ303は同軸に固定される。第1接続フランジ302と第2接続フランジ303の接続面間にフランジガスケットが設けられる。
【0031】
外殻部材は上半シェル304と下半シェル305に分けられることで、リム推進器203をその内部により簡単に取り付けることができる。
【0032】
上部フランジ101、内軸201、外軸301、第1接続フランジ302、第2接続フランジ303、上半シェル304、及び下半シェル305はいずれも同一中心線上にある。
【0033】
内側部分のリム推進器203は内軸201に接続され、リム推進器203の内部はブレード、コンジット、モータ、コア、コイル、及び永久磁石回転子で構成され、モータ固定子と永久磁石回転子間はエポキシ樹脂で包まれ、海水が固定子や回転子に侵入することを効果的に阻止し、両者は磁力線を互いに切断する電流作用によってプロペラブレードを回転駆動するとともに、外部回転子モータによってシャフトレス駆動を実現し、従来のプロペラを軸系で駆動する推進方式を変更し、制御性、効率及び安定性を向上させる。
【0034】
外側部分の外軸301は軸受け202を介して内軸201とソフト接続され、外軸301の下端に接続される第1接続フランジ302は第2接続フランジ303と同期回転し、第1接続フランジ302と第2接続フランジ303との間にフランジガスケットがあり、両者はボルトで固定され、内軸201の水密性を一定程度確保することができ、第1接続フランジ302と第2接続フランジ303は外軸301と上半シェル304にそれぞれ接続されて外側部分の本体を形成することで、構造を簡素化し、コストを削減させる。
【0035】
上半シェル304と外軸301はハード接続され、
図8及び9に示すように、ポッドの回転中、操舵装置102は動力を提供し、チェーン伝動機構によって外殻部材に伝達し、所定角度回転させてステアリングを完了する。このステアリング方式は装置の構造を簡素化し、コストを節約するとともに、本電気式ポッド推進装置の効率を向上させることができる。
【0036】
上記電気式ポッド推進装置の組立方法は、
上部フランジ101、操舵装置102の下端をボルトで甲板と固定接続するステップ1と、
第2接続フランジ303を上半シェル304と固定接続し、第1接続フランジ302を外軸301と固定接続し、さらに第1接続フランジ302と第2接続フランジ303を固定接続して外側部分の本体部分を構成するステップ2と、
軸受け202を内軸201と接続し、内軸201の下端をリム推進器203と直接接続し、内側部分全体を構成するステップ3と、
内軸201を甲板を通してボルトで上部フランジ101と固定接続し、さらに外軸301と内軸201を軸受け202を介して嵌合接続するステップ4と、
すべての部材を取り付けた後、下半シェル305と上半シェル304をボルトで固定接続して該電気式ポッド推進装置の取り付けを完了するステップ5と、を含む。
【要約】
本発明はスリップリングレス電気式ポッド推進装置を開示し、上部フランジ、操舵装置、内軸、軸受け、リム推進器、外殻部材、外軸、第1接続フランジ、及び第2接続フランジを含み、上部フランジは甲板に取り付けられ、内軸は、一端が上部フランジに固定され、他端がリム推進器に接続され、外軸は内軸外に外装され、両者は軸受けを介して接続され、操舵装置は上部フランジ側で甲板に取り付けられ、外軸は、一端が操舵装置の伝動軸に接続され、他端が第1接続フランジ及び第2接続フランジを介して外殻部材と互いに接続され、外殻部材はリム推進器外を包んでいる。その組立方法をさらに開示する。本電気式ポッド推進装置はスリップリングを使用しないことで、スリップリングの使用によって引き起こされる可能性のある短絡、漏れ及び信号干渉の現象を回避し、また、ケーブルを内軸を通してリム推進器と直接接続することで、推進方向を変更する時のケーブルの絡み合いを巧みに回避し、機器のコストを大幅に削減させ、信頼性を向上させる。
【選択図】
図1