(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-05
(45)【発行日】2024-08-14
(54)【発明の名称】撮影データ処理システム、情報端末及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/00 20240101AFI20240806BHJP
【FI】
G06Q50/00 300
(21)【出願番号】P 2024098272
(22)【出願日】2024-06-18
【審査請求日】2024-06-18
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522055728
【氏名又は名称】榊原 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100121706
【氏名又は名称】中尾 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128705
【氏名又は名称】中村 幸雄
(74)【代理人】
【識別番号】100147773
【氏名又は名称】義村 宗洋
(72)【発明者】
【氏名】榊原 祐輔
【審査官】塚田 肇
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-070466(JP,A)
【文献】特開2008-134921(JP,A)
【文献】特開2014-068227(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタルカメラと、インターネットへの接続機能を有する情報端末とを含む撮影データ処理システムであって、
前記デジタルカメラは、
(1)前記デジタルカメラで撮影された撮影データについての決定であって前記撮影データが表示又は選択されてからユーザの1回の操作で行われる決定を受け付ける決定受付部と、
(2)前記ユーザにより決定された撮影データと、前記撮影データに対して行う処理を表す処理情報とを前記情報端末に送信する送信部と、
を含み、
前記情報端末は、
(1)各処理情報に対する少なくとも1つの処理が記憶されている記憶部と、
(2)前記記憶部を参照することで得られる、前記処理情報に対応する少なくとも1つの処理を前記撮影データに対して行ってもよいかについての前記ユーザの確認を前記撮影データ及び前記処理情報を受信した後に行う確認部と、
(3)前記ユーザの確認が取れた後に、前記処理情報に対応する少なくとも1つの処理を前記撮影データに対して行う処理部と、
(4)前記記憶部に記憶されている各処理情報に対する少なくとも1つの処理を変更可能な変更部と、
を含み、
前記各処理情報に対する少なくとも1つの処理は、前記インターネットを介して行われる、認証が必要な所定のサービスにおける処理を含み、
前記処理情報は、前記認証の情報を含まない、
撮影データ処理システム。
【請求項2】
請求項1の撮影データ処理システムであって、
前記各処理情報に対する少なくとも1つの処理は、前記撮影データに対する編集処理を含み、
前記処理部は、前記撮影データに対して編集処理を行った後の撮影データである編集処理後撮影データに対して、前記ユーザの確認が取れた後に、前記インターネットを介して行われる、認証が必要な所定のサービスにおける処理を行う、
撮影データ処理システム。
【請求項3】
請求項1又は2の処理システムであって、
前記インターネットを介して行われる、認証が必要な所定のサービスにおける処理は、所定のソーシャルネットワークサービスにおける前記撮影データの投稿の処理である、
撮影データ処理システム。
【請求項4】
デジタルカメラと、インターネットへの接続機能を有する情報端末とを含む撮影データ処理システムであって、
前記デジタルカメラは、
(1)前記デジタルカメラで撮影された撮影データについての決定であって前記撮影データが表示又は選択されてからユーザの1回の操作で行われる決定を受け付ける決定受付部と、
(2)前記ユーザにより決定された撮影データと、前記撮影データに対して行う処理を表す処理情報とを前記情報端末に送信する送信部と、
を含み、
前記情報端末は、
(1)各処理情報に対する少なくとも1つの処理が記憶されている記憶部と、
(2)前記記憶部を参照することで得られる、前記処理情報に対応する少なくとも1つの処理を前記撮影データに対して行ってもよいかについての前記ユーザの確認を前記撮影データ及び前記処理情報を受信した後に行う確認部と、
(3)前記ユーザの確認が取れた後に、前記処理情報に対応する少なくとも1つの処理を前記撮影データに対して行う処理部と、
(4)前記記憶部に記憶されている各処理情報に対する少なくとも1つの処理を変更可能な変更部と、
を含み、
前記各処理情報に対する少なくとも1つの処理は、前記撮影データに対する編集処理を含む、
撮影データ処理システム。
【請求項5】
デジタルカメラで撮影された撮影データであって前記撮影データが表示又は選択されてからユーザの1回の操作で決定された撮影データ及び前記撮影データに対して行う処理を表す処理情報を前記デジタルカメラから受信した後に、各処理情報に対する少なくとも1つの処理が記憶されている記憶部を参照することで得られる、前記処理情報に対応する少なくとも1つの処理を前記撮影データに対して行ってもよいかについての前記ユーザの確認を前記撮影データ及び前記処理情報を受信した後に行う確認部と、
前記ユーザの確認が取れた後に、前記処理情報に対応する少なくとも1つの処理を前記撮影データに対して行う処理部と、
前記記憶部に記憶されている各処理情報に対する少なくとも1つの処理を変更可能な変更部と、
を含み、
前記各処理情報に対する少なくとも1つの処理は
、インターネットを介して行われる、認証が必要な所定のサービスにおける処理であり、
前記処理情報は、前記認証の情報を含まない、
情報端末。
【請求項6】
デジタルカメラで撮影された撮影データであって前記撮影データが表示又は選択されてからユーザの1回の操作で決定された撮影データ及び前記撮影データに対して行う処理を表す処理情報を前記デジタルカメラから受信した後に、各処理情報に対する少なくとも1つの処理が記憶されている記憶部を参照することで得られる、前記処理情報に対応する少なくとも1つの処理を前記撮影データに対して行ってもよいかについての前記ユーザの確認を前記撮影データ及び前記処理情報を受信した後に行う確認部と、
前記ユーザの確認が取れた後に、前記処理情報に対応する少なくとも1つの処理を前記撮影データに対して行う処理部と、
前記記憶部に記憶されている各処理情報に対する少なくとも1つの処理を変更可能な変更部と、
を含み、
前記各処理情報に対する少なくとも1つの処理は、前記撮影データに対する編集処理である、
情報端末。
【請求項7】
請求項5又は6の情報端末の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の技術は、デジタルカメラで撮影された撮影データを処理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラで撮影された撮影データを処理するための技術として、非特許文献1の技術が知られている(例えば非特許文献1参照。)。
【0003】
非特許文献1の技術では、デジタルカメラで撮影された撮影データに対して所定の処理を行うためには、撮影データをスマホ又は外部サーバに手動送信し、その後、そのスマホ又は外部サーバ上で撮影データを選択して処理を選択する必要があった。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【文献】キヤノンマーケティングジャパングループ、“EOS スマホ&クラウド連携 EOS R100”、[online]、[令和6年6月10日検索]、インターネット<URL:https://personal.canon.jp/product/camera/eos/r100/feature/communication>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
非特許文献1の技術では、デジタルカメラで撮影された撮影データに対して所定の処理を行うための手順が複雑であった。
【0006】
開示の技術は、従来よりも簡単な手順で所定の処理を行うことができる撮影データ処理システム、情報端末及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
開示の技術の一態様である撮影データ処理システムは、デジタルカメラと、インターネットへの接続機能を有する情報端末とを含む撮影データ処理システムであって、デジタルカメラは、(1)デジタルカメラで撮影された撮影データについての決定であって撮影データが表示又は選択されてからユーザの1回の操作で行われる決定を受け付ける決定受付部と、(2)ユーザにより決定された撮影データと、撮影データに対して行う処理を表す処理情報とを情報端末に送信する送信部と、を含み、情報端末は、(1)各処理情報に対する少なくとも1つの処理が記憶されている記憶部と、(2)記憶部を参照することで得られる、処理情報に対応する少なくとも1つの処理を撮影データに対して行ってもよいかについてのユーザの確認を撮影データ及び処理情報を受信した後に行う確認部と、(3)ユーザの確認が取れた後に、処理情報に対応する少なくとも1つの処理を撮影データに対して行う処理部と、(4)記憶部に記憶されている各処理情報に対する少なくとも1つの処理を変更可能な変更部と、を含んでいる。
【発明の効果】
【0008】
開示の技術によれば、従来よりも簡単な手順で所定の処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、撮影データ処理システムの機能構成の例を示す図である。
【
図2】
図2は、撮影データ処理方法の処理手続きの例を示す図である。
【
図3】
図3は、デジタルカメラ1の表示の例を示す図である。
【
図4】
図4は、デジタルカメラ1の表示の例を示す図である。
【
図5】
図5は、各処理情報に対する少なくとも1つの処理の例を説明するための図である。
【
図6】
図6は、情報端末2の表示の例を示す図である。
【
図7】
図7は、情報端末2の表示の例を示す図である。
【
図8】
図8は、情報端末2の表示の例を示す図である。
【
図9】
図9は、デジタルカメラ1の表示の例を示す図である。
【
図10】
図10は、コンピュータの機能構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して開示の技術の実施形態を説明する。なお、図面中において同じ機能を有する構成部には同じ番号を付し、重複説明を省略する。
【0011】
[撮影データ処理システム及び方法]
撮影データ処理システムは、
図1に示すように、デジタルカメラ1及び情報端末2を備えている。
【0012】
デジタルカメラ1は、主に静止画を撮るためのデジタルカメラであってもよいし、主に動画を撮るためのデジタルビデオカメラであってもよい。デジタルカメラ1は、情報端末2を介してインターネットに接続可能であってもよい。デジタルカメラ1は、インターネットに直接的に接続可能であってもよい。
【0013】
図1に示すように、デジタルカメラ1は、決定受付部11と送信部12とを例えば備えている。
【0014】
情報端末2は、携帯電話、スマートフォン、タブレット等の情報携帯端末であってもよいし、PC等の情報装置であってもよい。情報端末2は、インターネットへの接続機能を有するとする。
【0015】
図1に示すように、情報端末2は、記憶部21と、確認部22と、処理部23と、変更部24と例えば備えている。
【0016】
撮影データ処理方法は、撮影データ処理システムの各構成部が、
図2に示すステップS11からステップS23の処理を行うことにより例えば実現される。
【0017】
[[デジタルカメラ1]]
先に述べように、デジタルカメラ1は、決定受付部11と送信部12とを例えば備えている。
【0018】
決定受付部11は、デジタルカメラで撮影された撮影データについての決定であって撮影データが表示又は選択されてからユーザの1回の操作で行われる決定を受け付ける(ステップS11)。「ユーザの1回の操作」は、撮影データが表示又は選択された後の操作であり、撮影データの表示又は選択の操作を含まないとする。
【0019】
決定された撮影データについての情報は、送信部12に送信される。
【0020】
撮影データは、画像データであってもよいし、映像データであってもよい。
【0021】
決定受付部11で受け付けられる決定は、撮影データに対して処理を行うという決定である。撮影データが表示又は選択された状態で、ユーザの1回の操作で行われる決定が受け付けられると、その表示又は選択された撮影データが決定される。
【0022】
決定受付部11の例は、
図3に例示したボタンHBである。ボタンHBは、デジタルカメラ1に、ハードウェアで実装されたボタンである。デジタルカメラ1のディスプレイDにおいて撮影データが表示又は選択された状態で、ユーザがボタンHBを押下すると、そのディスプレイDにおいて表示又は選択された撮影データが決定される。
【0023】
決定受付部11の他の例は、
図3に例示したボタンDBである。ボタンDBは、デジタルカメラ1のディスプレイD1上に、ソフトウェアで実装されたボタンである。ディスプレイD1は、例えばタッチパネルである。例えば、ディスプレイD1において撮影データが表示又は選択されると、ディスプレイD1においてボタンDBが表示される。ディスプレイD1において撮影データが表示又は選択された状態で、ユーザがボタンDBをタッチすると、そのディスプレイD1において表示又は選択された撮影データが決定される。
【0024】
図3の例では、ボタンHBとボタンDBの両方が実装されているが、何れか一方のみが実装されていてもよい。
【0025】
決定受付部11で決定される撮影データの個数は、2以上であってもよい。例えば、2個以上の撮影データが表示又は選択された状態で、ユーザの1回の操作で行われる決定が受け付けられると、その表示又は選択された2個以上の撮影データが決定される。
【0026】
送信部12は、ユーザにより決定された撮影データと、撮影データに対して行う処理を表す処理情報とを送信する(ステップS12)。ユーザにより決定された撮影データは、送信部12が決定受付部11から受信した、決定された撮影データについての情報から特定することができる。
【0027】
送信部12による送信は、有線で行われてもよいし、無線で行われてもよい。無線技術として、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)等の既存の技術を例えば用いることができる。例えば、Bluetooth(登録商標)による無線通信で、Wi-Fi(登録商標)の接続に必要な情報(SSID、パスワード等)をデジタルカメラ1と情報端末2との間でやり取りをして、Wi-Fi(登録商標)の接続を確立する。その後、送信部12は、撮影データと処理情報とをWi-Fi(登録商標)による無線通信で送信する。送信が有線で行われる場合には、例えばUSB(Universal Serial Bus)を通じて送信が行われる。送信部12による送信は、フォアグラウンドで行われてもよいし、バックグラウンドで行われてもよい。
【0028】
送信部12に送信される撮影データには、撮影データに関連するメタデータが含まれていてもよい。メタデータの例は、撮影データが画像データである場合には、撮影日時、位置情報、撮影方向、デジタルカメラ1の製造・販売元、デジタルカメラ1の撮影機器のモデル名、画像全体の解像度、水平・垂直方向の単位あたり解像度、シャッター速度、絞り(F値)、ISO感度、測光モード、フラッシュ使用の有無、露光補正ステップ値、焦点距離
色空間(カラースペース)、サムネイル(例えば160×120画素)の少なくとも1つである。
【0029】
処理情報の例は、所定の処理に対応するアクションIDである。アクションIDは、所定の文字列であってもよい。アクションIDの例は、後述する
図5の表の一番左の列に記載された「action 1」「action 2」等の文字列である。なお、メタデータは、撮影データではなく、処理情報に含まれていてもよい。
【0030】
処理情報は、インターネットを介して行われる所定のサービスにおける認証の情報を含まないとする。
【0031】
なお、デジタルカメラ1は、送信部12が送信する処理情報を設定する設定部13を更に備えていてもよい。設定部13は、例えば、ユーザにより選択された処理情報を、送信部12が送信する処理情報として設定する。設定部13の例は、
図4に示す、ディスプレイD1に表示される処理情報の選択領域R1である。
図4の例では、選択領域R1には、「default」「action 1」「action 2」という3個の処理情報が表示されている。ユーザは、選択領域R1に表示された処理情報の中の所望の処理情報をタッチすることで選択することができる。
図8の例では、「default」という処理情報が選択されている。なお、設定部13による処理情報の設定は、決定受付部11による撮影データについての決定の受け付け前に予め行われているとする。決定受付部11による撮影データについての決定の受け付け後に、送信部12は、設定部13により設定された処理情報を送信する。
【0032】
送信部12は、撮影データ及び処理情報を、同じタイミングで送信してもよいし、異なるタイミングで送信してもよい。例えば、送信部12は、撮影データを送信する時刻と処理情報とを送信する時刻とが所定の時間以内となるように、撮影データと処理情報とを送信すればよい。
【0033】
[[情報端末2]]
記憶部21には、各処理情報に対する少なくとも1つの処理が記憶されている。
【0034】
処理情報に対する処理は、撮影データに対して行う処理であればどのような処理であってもよい。
【0035】
処理情報に対する処理の例は、インターネットを介して行われる、認証が必要な所定のサービスにおける処理である。認証が必要な所定のサービスの例は、ソーシャルネットワークサービスにおける投稿の処理である。
【0036】
処理情報に対する処理の他の例は、FTP等のプロトコルを用いたサーバへのアップロード、印刷、他の情報端末への送信、署名、編集アプリの起動、撮影データを用いたライブ配信、ユーザが予め定めたスクリプトの実行、外部サーバにおける所定のプログラムの実行である。外部サーバにおける所定のプログラムの実行の例は、撮影データを用いた深層学習によるモデル生成、深層学習で生成されたモデルを用いた推論処理である。
【0037】
処理情報に対する処理の他の例は、撮影データに対する編集処理である。編集処理の例は、サイズ変更、切り取り、画像枠付け、二値化、色合いの調整、撮影データに対する文字の挿入、撮影データに対する画像の挿入、撮影データのデータ形式の変更、撮影データの保存である。
【0038】
例えば、
図5に例示するテーブルが記憶部21に記憶されている。
図5に例示するテーブルでは、「action 1」という処理情報に、「app_action 1」と「app_action 2」という処理が対応付けられている。また、「action 2」という処理情報に、「crop_1000_1000」と「black_white」と「sns A_share」という処理が対応付けられている。
【0039】
「app_action 1」と「app_action 2」のそれぞれは、先に例示した、処理情報に対する処理を行うためのアプリケーションを表す。
【0040】
「crop_1000_1000」という処理は、撮影データを1000px×1000pxの画像になるように切り取る処理である。「black_white」は、撮影データを白黒の二値のデータに変換する処理である。「sns A_share」は、ソーシャルネットワークサービスAに、撮影データを投稿する処理である。この例のように、処理情報に対する少なくとも1つの処理は、その処理を行うための補助情報であってもよい。
【0041】
確認部22は、記憶部21を参照することで得られる、処理情報に対応する少なくとも1つの処理を撮影データに対して行ってもよいかについてのユーザの確認を撮影データ及び処理情報を受信した後に行う(ステップS22)。
【0042】
記憶部21を参照することで得られる、処理情報に対応する少なくとも1つの処理が、ソーシャルネットワークサービスにおける投稿の処理を含む場合、
図6に例示するように、そのソーシャルネットワークサービスにおける投稿の最終確認が、情報端末2のディスプレイD2に表示されてもよい。ソーシャルネットワークサービスにおける投稿の最終確認の表示が、確認部22による確認の一例である。
【0043】
ディスプレイD2は、例えばタッチパネルである。この例では、投稿の最終確認の表示には、撮影データPと所定のテキストTとが含まれている。撮影データPは、デジタルカメラ1から受信した撮影データそのものであってもよいし、処理情報に対する少なくとも1つの処理に撮影データに対する編集処理が含まれる場合には、デジタルカメラ1から受信した撮影データに対して編集処理を行った後の撮影データである編集処理後撮影データであってもよい。この編集処理後撮影データの生成処理は、確認部22により行われても良いし、処理部23により行われてもよい。
【0044】
この例のように、確認部22は、処理情報に対応する処理が複数ある場合には、複数の処理の中の一部の処理(上記の例では、編集処理)についてはユーザの確認なく行い、複数の処理の中の他の処理(上記の例では、投稿処理)についてのみユーザの確認を行ってもよい。
【0045】
テキストTは、記憶部21に記憶されている、処理情報に対応する少なくとも1つの処理に含まれていてもよい。言い換えれば、確認部22は、記憶部21を参照して、処理情報に対応する少なくとも1つの処理に含まれるテキストTを取得して、撮影データPと共に表示してもよい。なお、テキストTは、デジタルカメラ1の送信部12が送信する処理情報に含まれていてもよい。
【0046】
記憶部21を参照することで得られる、処理情報に対応する少なくとも1つの処理が、何れかのソーシャルネットワークサービスにおける投稿の処理を含む場合、
図7に例示するように、どのソーシャルネットワークサービスにおける投稿の処理を行うのかについてユーザの確認を促す画面が、情報端末2のディスプレイD2に表示されてもよい。どのソーシャルネットワークサービスにおける投稿の処理を行うのかについてユーザの確認を促す画面の表示が、確認部22による確認の他の一例である。
【0047】
図7の例では、撮影データPの下部に、各ソーシャルネットワークサービスを表す複数のアイコンAが表示されている。
【0048】
記憶部21を参照することで得られる、処理情報に対応する少なくとも1つの処理が、撮影データに対する編集処理を含む場合、
図8に例示するように、撮影データに対する編集処理を行うかについてユーザの確認を促す画面が、情報端末2のディスプレイD2に表示されてもよい。撮影データに対する編集処理を行うかについてユーザの確認を促す画面の表示が、確認部22による確認の他の一例である。
【0049】
図8の例では、撮影データPと共に、編集内容を示すテキストT1が表示されている。
図8の例では、編集内容を示すテキストT1は「Yという編集を行いますか?」というものである。
【0050】
なお、決定受付部11で決定された撮影データの個数が2以上である場合には、
図6から
図8において、2個以上の撮影データが表示されてもよい。
【0051】
処理部23は、ユーザの確認が取れた後に、記憶部21を参照することで得られる、処理情報に対応する少なくとも1つの処理を撮影データに対して行う(ステップS23)。処理部23は、処理情報に対応する少なくとも1つの処理を逐次的に実行してもよいし、非同期で実行してもよい。処理情報に対する少なくとも1つの処理に、その処理を行うための補助情報が含まれている場合には、処理部23は、補助情報を用いて処理を行ってもよい。
【0052】
図6の例では、ユーザが投稿の最終確認の表示の右上の「ポストする」と記載された領域をタッチすると、ユーザの確認が取れたと判断し、処理部23は、撮影データPと所定のテキストTをそのソーシャルネットワークサービスに投稿する。
【0053】
図7の例では、ユーザが何れかのアイコンAをタッチすると、ユーザの確認が取れたと判断し、処理部23は、タッチしたアイコンAに対応するソーシャルネットワークサービスへの撮影データPの投稿処理を行う。
【0054】
図8の例では、ユーザが投稿の最終確認の表示の右上の「OK」と記載された領域をタッチすると、ユーザの確認が取れたと判断し、処理部23は、撮影データPに対する編集処理を行う。
【0055】
なお、確認部22において、編集処理後撮影データに対してユーザの確認が取れている場合には、処理部23は、編集処理後撮影データに対して、インターネットを介して行われる、認証が必要な所定のサービスにおける処理を行ってもよい。
【0056】
このように、ユーザが1回の操作で撮影データを決定し、その後は撮影データに対する処理の確認のみを行うことで、ユーザは従来よりも簡単な手順で所定の処理を行うことができる。
【0057】
なお、変更部24は、記憶部21に記憶されている各処理情報に対する少なくとも1つの処理を変更可能である。変更部24は、例えば、各処理情報に対する少なくとも1つの処理の変更のリクエストをユーザから受け付ける。変更部24は、ユーザからのリクエストに従い、各処理情報に対する少なくとも1つの処理を変更する。変更部24は、外部サーバから読み込んだプログラムに従い、記憶部21に記憶されている各処理情報に対する少なくとも1つの処理を変更してもよい。
【0058】
例えば、
図5に示すように、「action 2」という処理情報に、「crop_1000_1000」と「black_white」と「sns1_share」という処理が対応付けられているとする。この場合、変更部24は、「action 2」という処理情報に、上記の処理に代えて、「画像枠付け」と、「Share待ち」という処理を対応付けてもよい。「画像枠付け」は、画像に枠を付けるという編集の処理である。「Share待ち」は、
図7を用いて説明した、何れかのソーシャルネットワークサービスにおける投稿の処理である。
【0059】
記憶部21に記憶されている各処理情報に対する少なくとも1つの処理を変更可能とすることで、機能の拡張が容易となり、ユーザの利便性が向上する。例えば、前記インターネットを介して行われる、認証が必要な所定のサービスを利用するための条件が変わった場合であっても、変更部24で新たな条件を各処理情報に対する少なくとも1つの処理として設定することで、その前記インターネットを介して行われる、認証が必要な所定のサービスを利用することができる。
【0060】
また、例えば変更部24により実現されるような機能の拡張を、デジタルカメラ1ではなく、情報端末2で行うことで、デジタルカメラ1の製造コスト、デジタルカメラ1のファームウェアの維持管理コストを下げることができる。
【0061】
従来は、デジタルカメラ1と情報端末2との間で用いられるプロトコルでは、撮影データの転送に重きが置かれていた。このため、従来は、デジタルカメラ1から情報端末2に、撮影データに対して情報端末2が行う処理を表す情報である処理情報を送信するという発想をするのは困難であった。こうした状況において、その発想を実現した点がこの発明のポイントの1つである。
【0062】
[変形例]
以上、開示の技術の実施形態の具体的な構成は、これまで説明した構成に限られるものではない。開示の技術の実施形態の具体的な構成は、開示の技術の実施形態の趣旨を逸脱しない範囲で適宜設計の変更等が可能である。
【0063】
例えば、決定受付部11は、2個以上のボタンで構成されていてもよい。また、2個以上のボタンのそれぞれに異なる処理情報が割り当てられていてもよい。この場合、送信部12は、ユーザにより操作が行われたボタンに対応する処理情報を情報端末2に送信する。
【0064】
例えば、
図9のように、ディスプレイD上にソフトウェアで実装された2個のボタンDBが、決定受付部11であるとする。A1という表示があるボタンDBにはaction 1という処理情報が割り当てられており、A2という表示があるボタンDBにはaction 2という処理情報が割り当てられているとする。
【0065】
この場合、ディスプレイDにおいて撮影データが表示又は選択された状態で、A1という表示があるボタンDBをユーザ押下すると、ディスプレイDにおいて表示又は選択された撮影データが決定される。そして、送信部12は、ユーザにより決定された撮影データと、A1という表示があるボタンDBに対応するaction 1という処理情報とを情報端末2に送信する。一方、ディスプレイDにおいて撮影データが表示又は選択された状態で、A2という表示があるボタンDBをユーザ押下すると、ディスプレイDにおいて表示又は選択された撮影データが決定される。そして、送信部12は、ユーザにより決定された撮影データと、A2という表示があるボタンDBに対応するaction 2という処理情報とを情報端末2に送信する。
【0066】
開示の技術の実施形態において説明した各種の処理は、記載の順に従って時系列に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力あるいは必要に応じて並列的にあるいは個別に実行されてもよい。
【0067】
例えば、撮影データ処理システムの構成部間のデータのやり取りは直接行われてもよいし、図示していない記憶部を介して行われてもよい。
【0068】
さらに、本発明の装置、本発明のシステムもしくは本発明の方法を、ネットワーク(電気通信回線)を介して使用するための装置(端末)も有してもよい。「使用するための装置(端末)」には、本発明の装置、本発明のシステムもしくは本発明の方法の実施による効果を得るために必要な機能(例えば、制御機能、復号機能、復元機能、入出力機能など)を備えさせてもよい。
【0069】
その他、この発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能であることはいうまでもない。
【0070】
本明細書に記載された全ての文献、特許出願、及び技術規格は、個々の文献、特許出願、及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記載された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。
【0071】
[プログラム、記録媒体]
本明細書中に記載されている構成要素により実現される機能は、当該記載された機能を実現するようにプログラムされた、汎用プロセッサ、特定用途プロセッサ、集積回路、ASICs(Application Specific Integrated Circuits)、CPU(a Central Processing Unit)、従来型の回路、および/又はそれらの組合せを含む、circuitry又はprocessing circuitryにおいて実装されてもよい。プロセッサは、トランジスタやその他の回路を含み、 circuitry又はprocessing circuitryとみなされる。プロセッサは、メモリに格納されたプログラムを実行する、programmed processorであってもよい。
【0072】
本明細書において、circuitry、ユニット、手段は、記載された機能を実現するようにプログラムされたハードウェア、又は実行するハードウェアである。当該ハードウェアは、本明細書に開示されているあらゆるハードウェア、又は、当該記載された機能を実現するようにプログラムされた、又は、実行するものとして知られているあらゆるハードウェアであってもよい。
【0073】
当該ハードウェアがcircuitryのタイプであるとみなされるプロセッサである場合、当該circuitry、手段、又はユニットは、ハードウェアと、当該ハードウェア及び又はプロセッサを構成する為に用いられるソフトウェアの組合せである。
【0074】
上述の各種の処理は、
図10に示すコンピュータ2000の記録部2020に、上記方法の各ステップを実行させるプログラムを読み込ませ、制御部2010、入力部2030、出力部2040、表示部2050などに動作させることで実施できる。
【0075】
この処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、例えば、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等どのようなものでもよい。
【0076】
また、このプログラムの流通は、例えば、そのプログラムを記録したDVD、CD-ROM等の可搬型記録媒体を販売、譲渡、貸与等することによって行う。さらに、このプログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することにより、このプログラムを流通させる構成としてもよい。
【0077】
このようなプログラムを実行するコンピュータは、例えば、まず、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、一旦、自己の記憶装置に格納する。そして、処理の実行時、このコンピュータは、自己の記録媒体に格納されたプログラムを読み取り、読み取ったプログラムに従った処理を実行する。また、このプログラムの別の実行形態として、コンピュータが可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することとしてもよく、さらに、このコンピュータにサーバコンピュータからプログラムが転送されるたびに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することとしてもよい。また、サーバコンピュータから、このコンピュータへのプログラムの転送は行わず、その実行指示と結果取得のみによって処理機能を実現する、いわゆるASP(Application Service Provider)型のサービスによって処理を実行する構成としてもよい。さらには、サーバコンピュータの一部をプログラムと共にユーザに使用させる、いわゆるSaaS(Software as a Service)型のサービスを利用して、端末の処理を実行する構成としてもよい。なお、本形態におけるプログラムには、電子計算機による処理の用に供する情報であってプログラムに準ずるもの(コンピュータに対する直接の指令ではないがコンピュータの処理を規定する性質を有するデータ等)を含むものとする。
【0078】
また、この形態では、コンピュータ上で所定のプログラムを実行させることにより、本装置を構成することとしたが、これらの処理内容の少なくとも一部をハードウェア的に実現することとしてもよい。
【要約】
【課題】従来よりも簡単な手順で所定の処理を行うことができる撮影データ処理技術を提供する。
【解決手段】デジタルカメラ1は、撮影データについての決定であって撮影データが表示又は選択されてからユーザの1回の操作で行われる決定を受け付ける決定受付部11と、ユーザにより決定された撮影データと、処理情報とを情報端末2に送信する送信部12と、を含む。情報端末2は、各処理情報に対する少なくとも1つの処理が記憶されている記憶部21を参照することで得られる、処理情報に対応する少なくとも1つの処理を撮影データに対して行ってもよいかについてのユーザの確認を撮影データ及び処理情報を受信した後に行う確認部22と、ユーザの確認が取れた後に、処理情報に対応する少なくとも1つの処理を撮影データに対して行う処理部23と、記憶部21に記憶されている各処理情報に対する少なくとも1つの処理を変更可能な変更部24と、を含む。
【選択図】
図1