(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-05
(45)【発行日】2024-08-14
(54)【発明の名称】カメラアセンブリ及び電子装置
(51)【国際特許分類】
G03B 5/00 20210101AFI20240806BHJP
G03B 17/02 20210101ALI20240806BHJP
G03B 30/00 20210101ALI20240806BHJP
H04N 23/57 20230101ALI20240806BHJP
H04N 23/68 20230101ALI20240806BHJP
【FI】
G03B5/00 J
G03B17/02
G03B30/00
H04N23/57
H04N23/68
(21)【出願番号】P 2022539095
(86)(22)【出願日】2020-12-23
(86)【国際出願番号】 CN2020138565
(87)【国際公開番号】W WO2021129652
(87)【国際公開日】2021-07-01
【審査請求日】2022-07-28
(31)【優先権主張番号】201911371359.9
(32)【優先日】2019-12-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ワーン,シン
(72)【発明者】
【氏名】ルオ,ホーンボー
(72)【発明者】
【氏名】リー,クゥニー
(72)【発明者】
【氏名】ズオン,リーンホゥイ
【審査官】門田 宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-031898(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0309323(US,A1)
【文献】特開2020-086369(JP,A)
【文献】特開2021-015235(JP,A)
【文献】特開2019-020467(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0063821(US,A1)
【文献】特開2011-232708(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第107390456(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第101976010(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第107396529(CN,A)
【文献】中国実用新案第206723741(CN,U)
【文献】実開平05-057970(JP,U)
【文献】特開平08-201880(JP,A)
【文献】特許第5730219(JP,B2)
【文献】中国実用新案第207560456(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 5/00
G02B 7/02-7/08
G03B 17/02
G03B 30/00
H04N 23/50-23/51
H04N 23/57
H04N 23/68
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラアセンブリであって、当該カメラアセンブリは、
第1の軸、第2の軸、及び第3の軸のうちの少なくとも1つの周りに揺動することができるカメラであって、前記第3の軸は前記カメラの光軸であり、前記第1の軸、前記第2の軸、及び前記第3の軸は互いに直交している、カメラと、
フレキシブル回路基板と、を含み、
該フレキシブル回路基板の延長方向において、前記フレキシブル回路基板の一端が前記カメラ内の回路基板に接続され、前記フレキシブル回路基板の他端が、メインボードに固定され且つ電気的に接続され、応力を解放するための屈曲冗長構造が前記フレキシブル回路基板の両端の間にあり、該冗長構造は、前記第1の軸、前記第2の軸、又は前記第3の軸の少なくとも1つの周りの回転方向に延びることができ、
前記カメラは、前記第1の軸に直交する第1側壁と、前記第2の軸に直交する第2側壁とを含み、前記第1側壁には対向する2つの側壁が含まれ、前記第2側壁には対向する2つの側壁が含まれ、前記冗長構造は
、前記回路基板から
前記第2の軸に沿った前記第1側壁と
、前記第1の軸に沿った前記第2側壁のうちの一方の側壁とに沿って延
びている、
カメラアセンブリ。
【請求項2】
前記カメラは、パネル、バックプレーン、及び周囲壁を含み、前記パネル及び前記バックプレーンは、前記第3の軸の方向に配置され、且つ互いに対向して配置され、前記周囲壁は、前記パネルを前記バックプレーンに接続し、
前記冗長構造は、前記周囲壁の少なくとも一部に沿って巻回された巻回セクションを含む、請求項1に記載のカメラアセンブリ。
【請求項3】
前記冗長構造は、引出しセクションをさらに含み、該引出しセクションの一端が、前記カメラ内の前記回路基板に接続され、前記引出しセクションの他端が、前記巻回セクションに接続される、請求項2に記載のカメラアセンブリ。
【請求項4】
前記カメラアセンブリは、エンクロージャをさらに含み、該エンクロージャは、前記周囲壁の周りに配置され、前記エンクロージャと前記周囲壁との間にギャップが存在し、前記巻回セクションは、前記周囲壁と前記エンクロージャとの間の前記ギャップに配置される、請求項2又は3に記載のカメラアセンブリ。
【請求項5】
前記冗長構造は、延長セクションを含み、
前記巻回セクションの延長方向において、前記巻回セクションの一端であって、前記カメラ内の前記回路基板から離れる前記一端の側が、前記延長セクションの一端に接続され、前記延長セクションの他端が、前記エンクロージャの外に延びる、請求項4に記載のカメラアセンブリ。
【請求項6】
電子装置であって、当該電子装置は、メインボード及び請求項1乃至5のいずれか一項に記載のカメラアセンブリを含み、前記フレキシブル回路基板の前記延長方向において、前記フレキシブル回路基板の一端であって、前記カメラ内の前記回路基板から離れる前記一端が、前記メインボードに電気的に接続される、
電子装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、手振れ補正撮影技術の分野、特にカメラアセンブリ及び電子装置に関連する。
【背景技術】
【0002】
モバイル端末、ダッシュボードカメラ、アクションカメラ、及びドローンプラットフォーム等の電子装置は、撮影プロセスで揺れる傾向があり、電子装置内のカメラも揺れる。従って、これらの電子装置では、通常、モータ等がカメラ用にアクチュエータとして構成される。アクチュエータは、電子装置の揺れ状態に基づいて、カメラを逆回転させてリセットし、手ぶれ補正撮影の目的を達成する。
【0003】
前述の電子装置では、カメラはフレキシブル回路基板に接続され、フレキシブル回路基板は、カメラをメインボードに電気的に接続するように構成される。カメラの回転プロセスでは、フレキシブル回路基板はカメラによって駆動されて曲げられる。しかしながら、フレキシブル基板の材質特性によって生じる応力に打ち勝つことが難しく、回転プロセスでのカメラの抵抗が大きく、カメラを適時に適所に駆動することができず、安定化効果が低い。
【発明の概要】
【0004】
本願は、アクチュエータがカメラを駆動して揺動させるときに打ち勝つ必要がある、カメラに接続されたフレキシブル回路基板の抵抗を低減し、カメラの安定化効果を高めるための、カメラアセンブリ及び電子装置を提供する。
【0005】
第1の態様によれば、カメラアセンブリが提供される。カメラアセンブリは、電子装置内で使用され、画像を取り込むように構成される。電子装置は、使用状態で容易に揺れ、画像取込み機能を有する電子装置、例えばモバイル端末、ダッシュボードカメラ、アクションカメラ、又はドローンプラットフォームであり得る。アクチュエータがカメラを駆動して揺動させるときに打ち勝つ必要がある、カメラに接続されたフレキシブル回路基板の抵抗を低減し、カメラの安定化効果を高めるために、カメラアセンブリは、カメラ及びフレキシブル回路基板を含む。カメラは、第1の軸、第2の軸、及び第3の軸のうちの少なくとも1つの周りに揺動することができ、第3の軸はカメラの光軸として使用される。さらに、フレキシブル回路基板の延長方向において、フレキシブル回路基板の一端がカメラの回路基板に接続され、フレキシブル回路基板の他端が、メインボードに固定され且つ電気的に接続されて、カメラ内の回路基板とメインボードとの間の電気接続を実現する。フレキシブル回路基板の両端の間に応力を解放するための屈曲冗長構造があり、冗長構造は、第1の軸、第2の軸、又は第3の軸の少なくとも1つの周りの回転方向に延びることができる。カメラがアクチュエータによって駆動されると、カメラの回路基板がフレキシブル回路基板を駆動して揺動及び変形させる。フレキシブル基板の延長方向の各断面に変形が分散され、各断面での変形の蓄積が少ない。アクチュエータがカメラを駆動して揺動させるときに、フレキシブル回路基板の僅かな材料応力に打ち勝つだけでよいので、調整が必要なリセット角度に基づいてカメラを時間内に調整でき、撮影中の安定化効果が高まる。
【0006】
冗長構造は、複数の方法で形成することができる。例えば、冗長構造の特定の実施態様は、冗長構造がらせん状セクションを含むことである。らせん状セクションは弾性構造である。フレキシブル基板の一端をカメラで駆動して変形させたときに発生した応力をらせん状セクションに解放した後に、らせん状セクションによって応力を完全に吸収することができる。また、らせん状セクションに比容積(特定の体積)がある場合に、らせん状セクションの長さが長くなる。らせん状セクションに変形が分散した後に、各断面での変形の蓄積は小さい。これは、アクチュエータがカメラを駆動するときに打ち勝つ必要のあるフレキシブル回路基板の抵抗を低減するのに役立つ。
【0007】
特定の実施態様では、冗長構造は、引出し(lead-out)セクションをさらに含む。引出しセクションの両端の一方がカメラ内の回路基板に接続され、引出しセクションの他端がらせん状セクションに接続される。引出しセクションは、カメラの回路基板とらせん状セクションとの間で事前にバッファ機能を実行することができる。
【0008】
引出しセクションの延長方向が設定される場合に、特定の実施態様では、引出しセクションは、第1の軸の方向に延び得る。引出しセクションが第1の軸から離れる場合と比較して、カメラが第1の軸の周りに揺動するときに、引出しセクションの変形がより小さくなる。同様に、引出しセクションは、代替的に、第2の軸の方向に延び得る。
【0009】
らせん状セクションの方向が具体的に設定され、引出しセクションが第1の軸又は第2の軸の方向に延びる場合に、らせん状セクションは、引出しセクションの中心軸の周りにらせん状に延びることができる。カメラが第1の軸及び第2の軸の周りに揺動するときに、らせん状セクションはねじれ難くなり、発生する材料応力が小さくなる。
【0010】
別の特定の実施形態では、冗長構造は、以下の方法で形成することができる。カメラは、パネル、バックプレーン(backplane)、及び周囲壁を含む。パネル及びバックプレーンは、第3の軸の方向に配置され、互いに対向して配置される。周囲壁は、パネルをバックプレーンに接続する。冗長構造は、周囲壁の少なくとも一部に沿って巻回された巻回セクションを含む。カメラが第3の軸の周りに回転するときに、巻回セクションの締付け及び緩めが繰り返されるため、巻回セクションの弾性構造を使用して、フレキシブル基板の各部分の変形によって発生する応力を吸収することができる。さらに、巻回セクションは、周囲壁に沿って配置され、追加の外部スペースを占有しない。
【0011】
別の特定の実施形態では、冗長構造は、引出しセクションをさらに含む。引出しセクションの一端がカメラ内の回路基板に接続され、引出しセクションの他端が巻回セクションに接続される。引出しセクションは、カメラの回路基板と巻回セクションとの間で事前にバッファ機能を実行することができる。
【0012】
特定の実施形態では、カメラアセンブリは、エンクロージャをさらに含む。エンクロージャは周囲壁の周りに配置され、エンクロージャと周囲壁の間にギャップが存在する。巻回セクションは、周囲壁とエンクロージャとの間のギャップに配置され、外部の物体によって引き起こされる巻回セクションへの物理的な損傷を回避する。
【0013】
特定の実施形態では、冗長構造は、延長セクションをさらに含む。巻回セクションの延長方向において、巻回セクションに関するものであり且つカメラの回路基板から遠く離れる一端の側が、延長セクションの一端に接続される。カメラが第1の軸又は第2の軸の周りに揺動するときに、延長セクションと巻回セクションとの間の接合部の変形が厚み方向に蓄積され、変形の蓄積が少ない。延長セクションの他端がエンクロージャの外側に延びているため、巻回セクションをメインボードに電気的に接続することができる。
【0014】
冗長構造の別の特定の実施態様は、冗長構造が蛇形状の屈曲セクションを含むことである。蛇形状の屈曲セクションは、互いに連続して対向して平行に配置された複数のサブセクションを含む。2つのサブセクションの間に位置する各サブセクションの一端が、屈曲接続部分を介して片側のサブセクションの対応する端部に接続され、サブセクションの他端が、屈曲接続部分を介して反対側のサブセクションの対応する端部に接続される。蛇形状の屈曲セクションは弾性構造である。フレキシブル基板の一端をカメラによって駆動して変形させたときに発生する応力は、蛇形状の屈曲セクションに応力が解放された後に、蛇形状の屈曲セクションによって完全に吸収することができる。また、蛇形状の屈曲セクションは体積が小さく、蛇形状の屈曲セクションの延長方向の長さが長い。蛇形状の屈曲セクションに変形が分散した後に、各断面での変形の蓄積は小さい。これは、アクチュエータがカメラを駆動するときに打ち勝つ必要のあるフレキシブル回路基板の抵抗を低減するのに役立つ。
【0015】
別の特定の実施形態では、冗長構造は、引出しセクションをさらに含む。引出しセクションの一端がカメラ内の回路基板に接続され、引出しセクションの他端が蛇形状の屈曲セクションに接続される。引出しセクションは、カメラの回路基板と蛇形状の屈曲セクションとの間で事前にバッファ機能を実行することができる。引出しセクションの特定の実施態様は、引出しセクションの延長方向に延びるギャップが、引出しセクションの中間部分に配置されることである。引出しセクションを引出しセクションの延長方向にねじられると、ねじれにより発生した応力がギャップにおいて解放され得る。
【0016】
別の特定の実施形態では、引出しセクションは、第1の軸又は第2の軸の方向に延びる。引出しセクションが第1の軸から離れる場合と比較して、カメラが第1の軸の周りに揺動するときに、引出しセクションの変形がより小さくなる。同様に、引出しセクションは、代替的に、第2の軸の方向に延び得る。
【0017】
蛇形状の屈曲セクションの各サブセクションは、複数の方向に延びることができる。例えば、特定の実施形態では、蛇形状の屈曲セクションの各サブセクションの延長方向が、引出しセクションの延長方向に平行である。引出しセクションが蛇形状の屈曲セクションを駆動して揺動させるときに、蛇形状の屈曲セクションの各サブセクションの変形は主に厚み方向に蓄積され、変形の蓄積は少ない。
【0018】
別の特定の実施形態では、サブセクションの少なくとも一部において、各サブセクションの延長方向に延びるギャップが、サブセクションの中間部分に配置される。各サブセクションがサブセクションの中心軸の周りにねじられると、蓄積された応力がギャップで解放され得る。
【0019】
蛇形状の屈曲セクション及び引出しセクションの別の特定の嵌合(fitting:適合)方法は、蛇形状の屈曲セクションの各サブセクションの延長方向が、引出しセクションの延長方向に直交していることである。引出しセクションが蛇形状の屈曲セクションを駆動して揺動させるときに、蛇形状の屈曲セクションの各サブセクションの変形は主に厚み方向に蓄積され、変形の蓄積は少ない。
【0020】
特定の実施形態では、隣接する2つのサブセクションは全て、屈曲接続部分を介して接続され、2つのサブセクションの間に位置する各サブセクションを接続する2つの屈曲接続部分が、サブセクションの中心軸の両側に配置され、延長方向の蛇形状の屈曲セクションの長さを増やす。このようにして、各断面での変形の蓄積が小さくなる。
【0021】
別の特定の実施形態では、各屈曲接続部分は、隣接するサブセクションの延長方向の側に沿って延びる。隣接する2つのサブセクションが2つのサブセクションの延長方向に平行な軸の周りに揺動するときに、屈曲接続部分の変形は主に厚さ方向に蓄積され、変形の蓄積は小さい。
【0022】
第2の態様によれば、電子装置が提供される。電子装置は、前述の技術的解決策で提供されるメインボード及びカメラアセンブリを含む。フレキシブル回路基板の延長方向において、フレキシブル回路基板に関するものであり且つカメラの回路基板から離れる端部が、メインボードに電気的に接続され、メインボードとカメラ内の回路基板との間の電気接続を実現する。
【0023】
前述のカメラアセンブリは、電子装置で使用される。従って、カメラを使用して揺れる環境で画像を取り込み、カメラがフレキシブル回路基板の冗長構造を使用して第1の軸、第2の軸、及び第3の軸の少なくとも1つの周りに揺動するときに、フレキシブル回路基板によって生成された材料応力は、冗長構造で解放される。このようにして、アクチュエータがカメラを駆動するときに発生する抵抗が低減され、電子装置がカメラを使用して撮影する際の安定化効果が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1a】本願の一実施形態によるカメラアセンブリの分解図である。
【
図1b】
図1aに示されるカメラアセンブリの組立て後の概略図である。
【
図1c】
図1a及び
図1bに示されるカメラアセンブリ内のカメラ及びフレキシブル回路基板の取付けの概略図である。
【
図2a】本願の一実施形態による別のカメラアセンブリの視角からの3次元図である。
【
図2b】
図2aに示されるカメラアセンブリの別の視角からの3次元図である。
【
図3a】本願の一実施形態による別のカメラアセンブリの視角からの3次元図である。
【
図3b】
図3aに示されるカメラアセンブリの別の視角からの3次元図である。
【
図4a】本願の一実施形態による別のカメラアセンブリの3次元図である。
【
図4b】
図4aに示されるカメラアセンブリの別の視角からの3次元図である。
【
図5a】本願の一実施形態による別のカメラアセンブリの視角からの3次元図である。
【
図5b】
図5aに示されるカメラアセンブリの別の視角からの3次元図である。
【
図6a】本願の一実施形態による別のカメラアセンブリの視角からの3次元図である。
【
図6b】
図6aに示されるカメラアセンブリの別の視角からの3次元図である。
【
図7】本願の一実施形態による別のカメラアセンブリの分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本願の目的、技術的解決策、及び利点をより明確にするために、以下では、添付の図面を参照して、本願についてさらに詳細に説明する。以下の実施形態では、「フレキシブル回路基板」という用語は、フレキシブルプリント回路(FPC, Flexible Printed Circuit)基板を含むがこれらに限定されない、回路が形成される任意のフレキシブル基板である。
【0026】
本願の実施形態で提供するカメラアセンブリの理解を容易にするために、カメラアセンブリの適用シナリオについて最初に説明する。カメラアセンブリは、使用状態で容易に揺れ、且つ画像取込み機能を有する電子装置、例えばモバイル端末、ダッシュボードカメラ、アクションカメラ、及びドローンプラットフォームで使用され得る。モバイル端末は、例えば携帯電話、タブレットコンピュータ、バーコードスキャナ、RFIDリーダ、又はPOS端末である。カメラアセンブリは、画像を取り込むために前述の電子装置で使用される。
【0027】
本願の一実施形態は、カメラアセンブリを提供する。
【0028】
例えば、
図1aは、本願の一実施形態によるカメラアセンブリの分解図であり、
図1bは、
図1aに示されるカメラアセンブリの組立て後の概略図であり、及び
図1cは、
図1a及び
図1bに示されるカメラアセンブリ内のカメラ500及びフレキシブル回路基板600の取付けの概略図である。
図1a、
図1b、及び
図1cを参照すると、本願のこの実施形態で提供するカメラアセンブリは、ハウジング100、ベース200、第1の揺動本体300、第2の揺動本体400、カメラ500、及びフレキシブル回路基板600を含む。ベース200、第1の揺動本体300、及び第2の揺動本体400のそれぞれが、周囲壁構造(例えば、長方形のフレームの形態)を有する。ハウジング100は、ベース200の外側にスリーブが付けられ、ベース200に固定される。ベース200は、第1の揺動本体300の外側にスリーブが付けられる。車軸孔210a及び車軸孔210bが、ベース200の2つの平行で対向するサイドフレームの中間に配置される。車軸孔310a及び車軸孔310bが、第1の揺動本体300の2つの平行で対向するサイドフレームの中間に配置される。車軸孔210aは、回転シャフトを介して車軸孔310aに嵌合し、車軸孔210bは、回転シャフトを介して車軸孔310bに嵌合し、それによって、第1の揺動本体300は、ベース200に対して第1の軸L1の周りに揺動することができる。第1の揺動本体300は、第2の揺動本体400の外側にスリーブが付けられる。車軸孔320a車軸孔320bが、第1の揺動本体300の他の2つの平行で対向するサイドフレームに配置される。車軸孔410a及び車軸孔410bが、第2の揺動本体400の2つの平行で対向するサイドフレームに配置される。車軸孔320aは回転シャフトを介して車軸孔410aに嵌合し、車軸孔320bは回転シャフトを介して車軸孔410bに嵌合し、それによって、第2の揺動本体400は、第1の揺動本体300に対して第2の軸L2の周りに揺動することができる。第2の軸L2は、第1の軸L1に直交している。カメラ500はハウジングを含み、ハウジングは、パネル520、バックプレーン540、及び4つの側壁(510a、510b、510c、及び510d)によって形成される周囲壁510を含む。パネル520及びバックプレーン540は、第3の軸L3の方向に配置され、互いに対向して配置され、第3の軸L3は、第1の軸L1と第2の軸L2との両方に直交している。側壁(510a、510b、510c、及び510d)によって形成される周囲壁510は、パネル520及びバックプレーン540を接続し、側壁510a及び側壁510cは互いに対向して配置され、側壁510b及び側壁510dは互いに対向して配置される。カメラ500はさらにレンズ530を含み、レンズ530はパネル520の中央に配置され、レンズ530の照明方向がバックプレーン540から離れる方向である。第2の揺動本体400は、カメラ500の4つの側壁(510a、510b、510c、及び510d)の外側にスリーブが付けられる(従って、第2の揺動本体400はエンクロージャとも呼ばれ、いわゆる「エンクロージャ」は、周囲壁510の周りに延びるエンクロージャであり、エンクロージャの形態は、第2の揺動本体400の構造を含むが、これに限定されない)。第2の揺動本体400の4つのサイドフレームは、それぞれ、カメラ500の側壁(510a、510b、510c、及び510d)に対向して配置される。第2の揺動本体400のサイドフレームと側壁(510a、510b、510c、及び510d)との間にギャップが維持されるように、間隔を空けた隆起部が側壁(510a、510b、510c、又は510d)の表面に配置される。さらに、側壁(510a、510b、510c、及び510d)は、第2の揺動本体400のサイドフレームに(例えば、クランプによって)固定される。このようにして、制御ユニットは、センサ等により検出した揺れ情報に基づいて、モータ等のアクチュエータを使用して、カメラ500を駆動してベース200に対して第1の軸L1又は第2の軸L2の周りに揺動させ、それによって、カメラ500が可能な限り元の空間位置に留まるようにして、手振れ補正撮影の目的を達成する。カメラ500が第1の軸L1又は第2の軸L2の周りに揺動するときに、カメラ500のレンズは、第3の軸L3の方向におおよそ向きを保ち続ける。この場合に、第3の軸L3は、カメラ500の光軸と呼ばれる。他のいくつかの場合に、アクチュエータを使用して、カメラ500を駆動して第3の軸L3の周りに揺動させることができる。前述したことは、カメラ500が複数の軸の周りに揺動できることを実現するための当技術分野で知られている一般的な方法であり得る。さらに、別の方法を使用して、カメラ500を駆動して複数の軸の周りに揺動させることができ、詳細については、ここでは説明しない。
【0029】
引き続き
図1a~
図1cを参照されたい。カメラ500は、バックプレーン540の内側に配置された回路基板(回路基板は
図1cには示されておらず、Bとしてマークされる)をさらに含み、回路基板Bは、バックプレーン540に平行に配置される。
図1a~
図1cに示されるカメラアセンブリは、2つのフレキシブル回路基板600を含む。最初に、フレキシブル回路基板600のうちの1つを説明のために使用する。フレキシブル回路基板600は、引出し(lead-out)セクション630、巻回(winding:巻付け)セクション610、及び延長セクション620を含む。引出しセクション630の一端が、固定位置N1(図示せず、そして固定位置N1はフレキシブル回路基板600の一部でもある)に接続される。例えば、固定位置N1は、回路基板Bの側面に固定され且つ電気的に接続され、回路基板Bの側面に隣接する側壁510cまで延びる。巻回セクション610は、側壁510dを通過することにより、側壁510Cの中間部分から側壁510aの中間部分まで延びる。巻回セクション610は、側壁510cの側面m(
図1aを参照、側面mは、巻回セクション610の延長方向に延びる)に配置され、引出しセクション630に関するものであり且つ回路基板Bから離れる端部に接続される。そして、巻回セクション610は、第2の揺動本体400の周囲壁構造とカメラ500の
周囲壁510との間のギャップに配置される。延長セクション620の一端が、巻回セクション610に関するものであり、側壁510aの一端に位置し、且つバックプレーン540に近い側面nに接続される(
図1cに示されるように、側面
nは、巻回セクション610の延長方向に延びる)。このようにして、延長セクション620は、第2の揺動本体400、ベース200、及びハウジング100のサイドフレームを通過してハウジング100の外側まで通過し、延長セクション620は、ベース200及びハウジング100を通過し、次に、側壁510aにおおよそ平行な方向にある距離だけ延び、延長セクション620に関するものであり且つ巻回セクション610から離れる一端が、固定位置M1に固定され且つ電気的に接続され、固定位置M1は、電子装置のメインボードに固定される。例えば、固定位置M1は、エッジコネクタを介してメインボードに直接固定され得る。あるいはまた、固定位置M1は、最初に、ハウジング100の外側のパッケージハウジングに固定され、パッケージハウジングに固定されたコネクタのインターフェイスに固定される。コネクタの他方のインターフェイスはメインボードに固定される。同様に、固定位置N1も同様の方法で回路基板Bに固定され得、最後に、カメラ500の回路基板Bは、フレキシブル回路基板を介して電子装置のメインボードに電気的に接続される。他方のフレキシブル回路基板600は、前述のフレキシブル回路基板600と同じ構造を有し、2つのフレキシブル回路基板600は、側壁510aの中央垂直面に関して対称であり、第2の揺動本体400と側壁(510a、510b、510c、又は510d)との間のギャップのスペースを完全に使用し、これにより、回路基板Bは、外部メインボードに電気的に接続することができるより多くのラインを有する。フレキシブル回路基板600のうちの1つだけが保持され得ることが理解され得る。相対的な位置関係及び形状等の前述の規定した因子は全て、フレキシブル回路基板600が自然な状態にあるときに引っ張られないフレキシブル回路基板600に当てはまることに留意されたい。
【0030】
図1a~
図1cに対応する実施形態で提供されるカメラアセンブリにおいて、各フレキシブル回路基板600について、カメラ500が(電子装置のメインボードに対して)第1の軸L1の周りに揺動する場合:
【0031】
引出しセクション630は、厚さ方向にねじられ、変形される。具体的には、第2の軸L2の方向において、引出しセクション630の一端が、回路基板Bに対して持上げられ、引出しセクション630の他端が、回路基板Bに対して下げられる。また、ねじれによって生じる引出しセクション630の変形が、巻回セクション610に伝達される。巻回セクション610の延長方向pにおける巻回セクション610の長さは長く、発生した変形は、巻回セクション610の延長方向pの各部分に分散され得る。従って、巻回セクション610の延長方向pの各断面について、変形は小さく、変形によって発生する応力も小さい。さらに、巻回セクション610はまた、変形を延長セクション620に伝達する。そして、延長セクション620の延長方向pにおいて、変形は、延長セクションの各断面に分散される。各断面の変形は小さく、アクチュエータが打ち勝つ必要のあるフレキシブル回路基板600の材料応力は小さい。結論として、引出しセクション630、巻回セクション610、及び延長セクション620は、延長方向に固定されておらず、一定程度の変形冗長性を有し、屈曲方法で延びて、屈曲した冗長構造を形成する(冗長構造」は次のように理解すべきである:冗長構造の延長経路が非線形であり、冗長構造の両端の部分が固定されておらず、冗長構造は一定程度の変形冗長性を有する;そしてアクチュエータが駆動してカメラ500を揺動させるときに、冗長構造を含むフレキシブル回路基板600の各部分の変形が冗長構造の各部分に分散され、発生した応力が冗長構造に解放される)。フレキシブル回路基板600の変形によって発生した応力は、冗長構造の各部分で解放され得、アクチュエータがカメラ500を駆動して第1の軸L1の周りに揺動させるときに打ち勝つ必要のある応力が低減される。さらに、引出しセクション630の機能は以下の通りである:フレキシブル回路基板600の側面mが回路基板Bに直接接続される場合であって、アクチュエータがカメラ500を駆動して第1の軸L1の周りに揺動させるときに、回路基板Bは、巻回セクション610の一端を駆動して、巻回セクション610の幅方向qにねじり変形させ、巻回セクション610の幅方向qのねじりによって生じる変形の蓄積が大きく、アクチュエータが打ち勝つ必要がある応力も大きい。また、長期間使用した後に、巻回セクション610は容易に破れる。これは、巻回セクション610でのライン信号伝送の安定性に影響を与える。引出しセクション630が配置された後に、アクチュエータがカメラ500を駆動して第1の軸L1の周りに揺動させるときに、引出しセクション630の変形は主に厚さ方向に蓄積され、変形の蓄積は小さく、アクチュエータが打ち勝つ必要のある引出しセクション630の応力も小さく、最初に材料応力を解放する。これは、巻回セクション610と引出しセクション630との間に「柔軟な」接続を実現することと同等である。巻回セクション610が、直線方向に延びる代わりに、測壁510c、側壁510d、及び側壁510aに沿って曲がって延びる機能は、次のようになる:巻回セクション610が側壁510cの長さ方向に延び続ける場合であって、アクチュエータがカメラ500を駆動して第1の軸L1の周りに揺動させるときに、巻回セクション610の殆どの変形は幅方向qに蓄積され、アクチュエータが打ち勝つ必要のある応力は大きい。しかしながら、巻回セクション610が側壁510c、側壁510d、及び側壁510aに沿って曲がって延びる場合であって、アクチュエータがカメラ500を駆動して第1の軸L1の周りに揺動させるときに、延長方向pの変形が、巻回セクション610のコーナー部で発生する。ここでの変形は、主に巻回セクション610の厚み方向に集中し、アクチュエータが打ち勝つ必要のある巻回セクション610の応力が低減される。また、巻回セクション610が側壁510c、側壁510d、及び側壁510aに沿って曲がって延びる場合に、カメラアセンブリの外部空間が節約される。
【0032】
アクチュエータがカメラ500を駆動して、(電子装置のメインボードに対して)第2の軸L2の周りに揺動させる場合:
【0033】
巻回セクション610及び引出しセクション630の接続端部が、巻回セクション610の側面mの周りに回転し、主に、巻回セクション610及び引出しセクション630の接合部の厚み方向に変形が蓄積され、断面での変形の蓄積は小さい。また、巻回セクション610の屈曲部分は、巻回セクション610の延長方向pの軸の周りにねじられる。ここで、断面の変形は、主に厚さ方向に蓄積され、変形の蓄積は小さい。フレキシブル回路基板600の変形によって発生する応力の少なくとも一部が解放され、アクチュエータがカメラ500を駆動して第2の軸L2の周りに揺動させるときに、フレキシブル回路基板600の僅かな応力のみに打ち勝つ必要がある。
【0034】
アクチュエータがカメラ500を駆動して、(電子装置のメインボードに対して)第3の軸L3の周りに揺動させる場合:
【0035】
フレキシブル回路基板600の変形は、主に、巻回セクション610が第3の軸L3の周りで締め付けられる又は緩められるときに、延長方向pに直交する断面の変形が巻回セクション610の厚さ方向に蓄積されることが反映され、変形の蓄積は小さい。さらに、前述の変形は、巻回セクション610の延長方向の各断面に分散され且つ解放される。アクチュエータがカメラ500を駆動して第3の軸L3の周りに揺動させるときに、フレキシブル回路基板600の僅かな応力のみに打ち勝つ必要がある。巻回セクション610が締め付けられるときに特定の空間を有するのを可能にするために、特定のギャップが、巻回セクション610と周囲壁510の表面との間に確保され得る。
【0036】
前述の配置により、アクチュエータがカメラ500を駆動して第1の軸L1、第2の軸L2、及び第3の軸L3の周りに揺動させるときに、打ち勝つ必要のあるフレキシブル回路基板600からの応力に対する抵抗は小さく、カメラ500は、アクチュエータによって駆動されるときに指定された位置に適時に到達することができ、カメラ500の撮影中の手振れ補正効果が強化される。さらに、巻回セクション610は、周囲壁510と第2の揺動本体400との間に隠され、追加の外部空間を占有せず、ハウジング100の外側の物体を引っ掻いて巻回セクション610に損傷を与えることはない。また、巻回セクション610は弾性構造であるため、フレキシブル回路基板の別の部分によって発生した応力を巻回セクション610で解放することができる。
【0037】
図1a~
図1cに示されるカメラアセンブリに基づいて、巻回セクション610が、周囲壁510の表面に沿ってカメラ500の周囲の周りに半円だけ延びるか、又はカメラ500の周囲の周りに半円以上、例えば半円~3.5円、具体的には半円、1円、1.5円、2円、2.5円、3円、3.5円のいずれかだけ延長することができることに留意されたい。
【0038】
例えば、
図2aは、本願の実施形態による別のカメラアセンブリの視角からの3次元図であり、
図2bは、
図2aに示されるカメラアセンブリの別の視角からの3次元図である。
図2bでは、フレキシブル回路基板600の軌跡を明確に示すために、フレキシブル回路基板600の塞がれた(blocked:ブロックされた)部分は、依然として実線で表示される。
図2a及び
図2bを参照すると、
図1a~
図1cに示されるカメラアセンブリと、
図2a及び
図2bに示されるカメラアセンブリとの間の相違は、以下の点にある:巻回セクション610’(
図1cの巻回セクションに対応する)は、巻回セクション610が
図1a~
図1cに示されるカメラアセンブリのカメラ500の周囲壁510と第2の揺動本体400との間のギャップに配置される代わりに、ハウジング100の外側に配置され、ハウジング100の周囲面の周りに延びる(換言すると、第3の軸L3の周りに延びる)。アクチュエータ500がカメラ500を駆動して第1の軸L1、第2の軸L2、及び第3の軸L3の周りに揺動させるときに、フレキシブル回路基板600の応力解放の原理については、
図1a~
図1cに示されるカメラアセンブリの関連する原理の説明を参照されたい。さらに、
図2a及び
図2bでは、フレキシブル回路基板600の数量が1つに減らされている。しかしながら、2つの対称的なフレキシブル回路基板600が、代替的に、
図1a~
図1cを参照して配置され得ることを理解すべきである。延長セクション620’に関するものであり、且つ固定位置M1及び巻回セクション610に接続される屈曲部分のみが保持される。しかしながら、延長セクション620’は、代替的に、
図1a~
図1cの延長セクション620の形態で、又は応力を軽減できる別の形態で配置され得ることを理解すべきである。また、フレキシブル回路基板600の他のパラメータ、変形等については、
図1a~
図1cに対応する実施形態を参照されたい。
【0039】
例えば、
図3aは、本願の実施形態による別のカメラアセンブリの視角からの3次元図であり、
図3bは、
図3aに示されるカメラアセンブリの別の視角からの3次元図である。
図3a及び
図3bを参照すると、
図3a及び
図3bに示されるカメラアセンブリと
図1a~
図1cに示されるカメラアセンブリとの間の相違は、以下の点にある:カメラアセンブリ内のフレキシブル回路基板600は、引出しセクション640及びらせん状(spiral)セクション650を含む。引出しセクション640の一端が、固定位置N1(図示せず)に固定され、固定位置N1は、カメラ500内の回路基板Bの第1の軸L1方向の一端の側に接続される。また、引出しセクション640は、第1の軸L1に関するものであり且つ回路基板Bから離れる方向に延びる(
図3bを参照されたい、引出しセクション640の延長方向が、引出しセクション640の中心軸C1の延長方向であり、中心軸C1は、例えば第1の軸L1に平行である)。らせん状セクション650の開始端が、引出しセクション640に関するものであり且つ中心軸C1に平行である側kに接続される。また、らせん状セクション650は、引出しセクション640の中心軸C1の周りに約半円に亘ってらせん状に延び、らせん状セクション650の構造の少なくとも一部が第1の軸L1を取り囲む。らせん状セクション650の末端が固定位置M1に固定され、固定位置M1は、回路基板Bとメインボードとの間の電気的接続を実現するために、電子装置内のメインボードに固定される。いわゆる「らせん状セクション」は、らせん軸の周りに延びるフレキシブル回路基板のセクションであり、フレキシブル回路基板の各部分の外面は、らせん軸に平行(又は略平行)である。いわゆる「らせんエクステンション」は、らせん軸の周りの延長である。
【0040】
図3a及び
図3bに対応する実施形態で提供されるカメラアセンブリにおいて、アクチュエータがカメラ500を駆動して第1の軸L1の周りに揺動させる場合:
【0041】
引出しセクション640が回路基板Bによってねじられて回転するときに、引出しセクション640は、中心軸C1を軸としてねじられ、変形される。引出しセクション640の側面kがらせん状セクション650の開始端に接続され、らせん状セクション650が中心軸C1の周りをらせん状になっているので、ねじれ及び変形によって生じる引出しセクション640により蓄積される応力は、らせん状セクション650に解放され、らせん状セクション650は締め付けられるか又は緩められる。らせん状セクション650の断面の変形は、主に厚さ方向に蓄積され、らせん状セクション650の長さは長く、変形はらせん状セクション650の延長方向に分散し、らせん状セクション650の単一断面の変形の蓄積は小さい。従って、アクチュエータがカメラ500を駆動して第1の軸L1の周りに回転させるときに、引出しセクション640は、フレキシブル回路基板600の小さな応力に打ち勝つ必要があるだけである。さらに、引出しセクション640が第1の軸L1に沿って延びるときに発生するねじれ及び変形は、引出しセクション640が第1の軸L1から外れる方向に延びるときに発生するねじれ及び変形よりも小さい。さらに、らせん状セクション650が引出しセクション640の中心軸C1の周りに延びるので、らせん状セクション650は、らせん状セクション650の延長方向の軸の周りにねじれる可能性が低い。
【0042】
アクチュエータがカメラ500を駆動して第2の軸L2の周りに揺動させる場合:
【0043】
一方では、引出しセクション640に関するものであり且つ回路基板Bに近い一端が、回路基板Bの駆動下で揺動し、それによって、引出しセクション640は、中心軸C1に直交する軸の周りで繰り返し曲がり、引出しセクション640の断面の変形は、主に厚み方向に蓄積される。他方では、引出しセクション640に関するものであり且つ回路基板Bから離れる一端が、らせん状セクション650の開始端を駆動して一緒に揺動させ、揺動によって生じる変形がらせん状セクション650の延長方向に伝達され、それによって、変形は、らせん状セクション650の延長方向において各断面に分散される。さらに、らせん状セクション650の断面の変形は、厚さ方向にも蓄積され、断面での変形の蓄積は少ない。アクチュエータがカメラ500を駆動して第2の軸L2の周りに回転させるときに、引出しセクション640は、フレキシブル回路基板600の小さな応力に打ち勝つ必要があるだけである。また、らせん状セクション650が引出しセクション640の中心軸C1の周りに延びるため、らせん状セクション650は、らせん状セクション650の延長方向の軸の周りにねじれる可能性が低い。
【0044】
アクチュエータがカメラ500を駆動して第3の軸L3の周りに揺動させる場合:
【0045】
引出しセクション640は、らせん状セクション650の開始端を駆動して第3の軸L3の周りに揺動させ、らせん状セクション650の開始端は、らせん状セクション650の残りの部分と共に移動し、らせん状セクション650の開始端の変形が、らせん状セクション650の残りの部分に分散され、らせん状セクション650の単一の断面積での変形は小さい。アクチュエータがカメラ500を駆動して第3の軸L3の周りに回転させるときに、引出しセクション640は、フレキシブル回路基板600の小さな応力に打ち勝つ必要があるだけである。
【0046】
結論として、らせん状セクション650及び引出しセクション640は共同で、屈曲冗長構造を形成し、それによって、フレキシブル回路基板600によって発生した変形は、各断面に分散され、アクチュエータがカメラ500を駆動するときに生じる抵抗は低減され、手ぶれ補正撮影効果を向上させる。らせん状セクション650は弾性構造である。引出しセクション640がカメラ500によって駆動されて変形するときに発生する応力は、らせん状セクションによって完全に吸収され得る。また、らせん状セクションは体積が小さいと伸び長さが長くなる。変形がらせん状セクション650に分散された後に、各断面での変形の蓄積は小さい。これは、アクチュエータがカメラ500を駆動するときに打ち勝つ必要があるフレキシブル回路基板600の抵抗を低減するのに役立つ。
【0047】
らせん状セクション650が引出しセクション640の中心軸C1の周りに約半円だけらせん状に延びることは、説明のための単なる例であることに留意されたい。例えば、
図1は、
図4aは、
図3a及び
図3bに示されるカメラアセンブリの変形した構造であり、
図4bは、
図4aに示されるカメラアセンブリの別の視角からの3次元図である。
図4a及び
図4bを参照されたい。
図4a及び
図4bに示されるカメラアセンブリと、
図3a及び
図3bに示されるカメラアセンブリとの間の相違は、以下の点にある:らせん状セクション650は、引出しセクション640の中心軸C1の周りに複数の円に亘ってらせん状に延び、らせん状セクション650の長さをさらに延長し、それによって、引出しセクション640によって発生する変形は、らせん状セクション650の各断面に分散され、より小さくなる。例えば、らせん状セクション650が引出しセクション640の中心軸C1の周りにらせん状に延びる円の量は、半円~4円の範囲内であり得、具体的には、半円、1円、1.5円、2円、2.5円、3円、4円等のいずれか1つであり得る。さらに、ギャップG1が、引出しセクション640の中心軸C1に沿って引出しセクション640にさらに配置され得、それによって、カメラ500が第1の軸L1の周りに揺動するときに、引出しセクション640が中心軸C1の周りでねじられて変形したときに元々発生した応力は、ギャップG1で解放され得、アクチュエータがカメラを駆動して第1の軸L1の周りに揺動させるときに打ち勝つ必要のある応力はより小さくなる。しかしながら、ギャップG1が引出しセクション640の中間部分に配置される限り、ギャップG1は必ずしも中心軸L1に位置する必要はない。「中間部分」は、中間軸と、中間軸の左右付近の領域とを含む。ギャップG1は中心軸C1に平行である(「平行」とは、おおよそ平行を意味し得る。例えば、狭角が25°以下であるか、完全に平行状態である、つまり、狭角が0°に等しい)。さらに、
図3a~
図4bでは、自然な状態では、引出しセクション640は、バックプレーン540の表面に平行である。もっとも、これは単なる例である。引出しセクション640はまた、第2の軸L2に平行な軸の周りである程度曲げられ得る。また、中心軸C1が第1の軸L1と平行であることは一例に過ぎない。例えば、狭角(例えば、30°以下)が、中心軸C1と第1の軸L1との間に形成され得る。
【0048】
例えば、
図5aは、本願の一実施形態による別のカメラアセンブリの視角からの3次元図であり、
図5bは、
図5aに示されるカメラアセンブリの別の視角からの3次元図である。E方向とF方向との両方が第1の軸L1に平行であり、E方向及びF方向は互いに反対である。
図5a及び
図5bに示されるカメラアセンブリと
図1a~
図1cに示されるカメラアセンブリとの間の相違は、以下の点にある:フレキシブル回路基板600は、引出しセクションS1及び順次平行であり、互いに対向して配置された複数のサブセクション(S2、S3、S4、及びS5)を含む。例えば、引出しセクションS1及び各サブセクションは、第1の軸L1及び第2の軸L2に平行であり、引出しセクションS1の延長方向(すなわち、引出しセクションS1の中心軸の方向であり、引出しセクションS1の中心軸の位置については、
図5a及び
図5bの引出しセクションS1のギャップG2の位置を参照されたい)及び各サブセクションの延長方向(すなわち、サブセクションの中心軸の方向であり、中心軸の位置については、
図5a及び
図5bの各サブセクションのギャップG2の位置を参照されたい)は、同じである(例えば、方向は第1の軸L1に平行である)。E方向の引出しセクションS1の一端が固定位置N1(図示せず)に固定され、固定位置N1は、カメラ500の回路基板Bに固定され且つ電気的に接続される。F方向の引出しセクションS1の一端が、屈曲接続部分K1を介してF方向のサブセクションS2の一端に接続され、E方向のサブセクションS2の一端が、屈曲接続部分K2を介してE方向のサブセクションS3に一端に接続され、F方向のサブセクションS3の一端が、屈曲接続部分K3を介してF方向のサブセクションS4の一端に接続され、そしてE方向のサブセクションS4の一端が、屈曲接続部分K4を介してE方向のサブセクションS5の一端に接続され、それによって、サブセクション(S2、S3、S4、S5)は、蛇形状の屈曲セクションを形成するように接続される。また、蛇形状の屈曲セクション及び引出しセクションS1は、冗長構造の少なくとも一部を形成する。冗長構造は、全体として第2の軸L2の周りに回転方向に延びる。F方向のサブセクションS5の一端が固定位置M1に固定され、固定位置M1は、電子装置のメインボードに固定され且つ電気的に接続され、回路基板Bとメインボードとの間の電気的接続を実現する。ギャップG2は、各フレキシブル回路基板600の各サブセクションの中心軸に沿ってさらに配置される。
【0049】
図5a及び
図5bに対応する実施形態で提供されるカメラアセンブリにおいて、カメラ500が(電子装置のメインボードに対して)第1の軸L1の周りに揺動する場合:
【0050】
引出しセクションS1は、回路基板Bによって駆動されて、引出しセクションS1の中心軸の周りにねじれ、引出しセクションS1は、ねじれによって生じた変形を引出しセクションS1のサブセクション(S2、S3、S4、及びS5)に順次伝達する。引出しセクションS1のねじれ変形が他のサブセクションに分散された後に、フレキシブル回路基板600の延長方向の各断面の変形は小さい。
図5a及び
図5bでは、フレキシブル回路基板600の延長方向は、引出しセクションS1及びサブセクション(S2、S3、S4、及びS5)の延長方向に連続的に延びるものとして理解され得る。また、ギャップG2が引出しセクションS1の中心軸及びサブセクション(S2、S3、S4、S5)の中心軸に配置されるため、引出しセクションS1及びサブセクションの各層がねじられた場合に、ギャップG2で応力を解放することができる。もっとも、ギャップG2は、必ずしも引出しセクションS1の中心軸に完全に配置されるとは限らず、ギャップG2が引出しセクションS1の中間部分に配置されている限り、応力を解放する機能を達成することができる。いわゆる「中間部分」は、引出しセクション
S1の中心軸と、中心軸の左右付近の領域とを含む。従って、アクチュエータがカメラ500を駆動して第1の軸L1の周りに回転させるときに、引出しセクション640は、フレキシブル回路基板600の小さな応力に打ち勝つ必要があるだけである。
【0051】
カメラ500が(電子装置のメインボードに対して)第2の軸L2の周りに揺動する場合:
【0052】
カメラ500の回路基板Bは、引出しセクションS1を駆動して波状に揺動させ、引出しセクションS1は、揺動を他のサブセクション(S2、S3、S4、及びS5)に伝達して、揺動によって発生する材料応力を解放させる。また、サブセクションの各層の延長方向において、各断面での変形の蓄積は主に厚さ方向に集中しており、断面での変形の蓄積は小さい。従って、アクチュエータがカメラ500を駆動して第2の軸L2の周りに回転させるときに、引出しセクション640は、フレキシブル回路基板600の小さな応力に打ち勝つ必要があるだけである。
【0053】
カメラ500が(電子装置のメインボードに対して)第3の軸L3の周りに揺動する場合:
【0054】
回路基板Bは、引出しセクションS1を駆動して第3の軸L3の周りに揺動させ、引出しセクションS1は、揺動をサブセクション(S2、S3、S4、及びS5)に伝達する。引出しセクションS1がサブセクションに接続された後に、引出しセクションS1の長さが増加するので、揺動によって生じた変形が断面に分散されるときに、各断面の変形は小さい。従って、アクチュエータがカメラ500を駆動して第3の軸L3の周りに回転させるときに、アクチュエータは、フレキシブル回路基板600の小さな応力に打ち勝つ必要があるだけである。
【0055】
結論として、(S2、S3、S4、及びS5)によって形成される蛇形状の屈曲セクション及び引出しセクションS1は共同で、フレキシブル回路基板600内の屈曲冗長構造の少なくとも一部を形成する。引出しセクションS1は、回路基板Bの駆動下で変形するときに、前述の変形は蛇形状の屈曲セクションに伝達され、各フレキシブル回路基板600の各断面の変形を低減し、アクチュエータがカメラ500を駆動して揺動させるときに生じる抵抗を低減する。蛇形状の屈曲セクションは弾性構造である。フレキシブル回路基板600の一端がカメラ500によって駆動されて変形するときに発生する応力は、蛇形状の屈曲セクションに解放された後に、蛇形状の屈曲セクションによって完全に吸収され得る。また、蛇形状の屈曲セクションの体積が小さく、蛇形状の屈曲セクションの延長方向の長さが長い。蛇形状の屈曲セクションに変形が分散した後に、各断面での変形の蓄積は小さい。これは、アクチュエータがカメラ500を駆動するときに打ち勝つ必要があるフレキシブル回路基板600の抵抗を低減するのに役立つ。
【0056】
ギャップG2が対応するサブセクションの中心軸に平行である限り(「平行」は完全に平行又は略平行であり得る)、各サブセクションのギャップG2は、設定されないか、又は対応するサブセクションの中心軸に設定されない可能性があることに留意されたい。引出しセクションS1のギャップG2も同様に配置される。引出しセクションS1及びサブセクションの各層の中心軸は、第1の軸L1に平行でない場合がある。
図5a及び
図5bに示されるカメラアセンブリの蛇形状の屈曲セクションは4つのサブセクションのみを表する。これは説明の単なる例である。いわゆる「蛇形状の屈曲セクション」の規定は次の通りである:蛇形状の屈曲セクションは、互いに連続して対向しており、且つ平行である複数のサブセクションを含む(平行は、略平行であり得る。例えば、狭角が25°以下であるか、完全に平行であり得る。つまり、狭角は0°である。)。2つのサブセクション(例えば、S2及びS4)の間にある各サブセクション(例えば、S3)の一端が、屈曲接続部分(例えば、K1)を介して片側のサブセクション(例えば、S2)の対応する端部に接続され、サブセクションの他端が、屈曲接続部分(例えば、K3)を介して反対側のサブセクションの対応する端部(例えば、S4)に接続される。
【0057】
例えば、
図6aは、本願の実施形態による別のカメラアセンブリの視角からの3次元図であり、
図6bは、
図6aに示されるカメラアセンブリの別の視角からの3次元図である。U方向と
I方向との両方が第2の軸L2に平行であり、U方向及びV方向は互いに反対である。E方向とF方向との両方が
第1の軸L1に平行であり、E方向及びF方向は互いに反対である。
図6a及び
図6bに示されるカメラアセンブリと、
図1a~
図1cに示されるカメラアセンブリとの間の相違は、以下の点にある:フレキシブル回路基板600は、引出しセクション660、順次平行に互いに対向して配置された複数のサブセクション(W1、W2、及びW3)、及び屈曲接続部分品(V1及びV2)を含む。例えば、サブセクション(W1、W2、及びW3)は、第1の軸L1及び第2の軸L2に平行であり、第3の軸L3の方向に間隔を置いて配置される。例えば、各サブセクションの中心軸C2は、第2の軸L2に平行である。サブセクションW1のI方向の一端におけるF方向の側面が、屈曲接続部分V1を介して、サブセクションW2のI方向の一端におけるF方向の側面に接続される。サブセクションW2のU方向の一端におけるE方向の側面が、屈曲接続部分V2を介してサブセクションW3のU方向の一端におけるE方向の側面に接続され、サブセクションW3の他端が固定位置M1に固定される。固定位置M1は、メインボードに固定され且つ電気的に接続される。引出しセクション660の一端が、固定位置N1(図示せず)に固定される。固定位置N1は、カメラ500内の回路基板Bに固定され且つ電気的に接続される。引出しセクション660の他端が、サブセクションW1に関するものであり且つ屈曲接続部分V1から離れる一端で、サブセクションW1の延長方向に平行な側面tに接続される。各サブセクションの延長方向(すなわち、各サブセクションの中心軸C2の延長方向)は、例えば、引出しセクション660の延長方向(すなわち、引出しセクション660の中心軸C3の方向)に直交する(「直交」は、略直交を意味する;又は、厳密に直交であり得る、例えば、狭角が75°以上90°以下である)。サブセクション(W1、W2、及びW3)及び屈曲接続部分(V1及びV2)は蛇形状の屈曲セクションを形成し、第1の軸L1は2つのサブセクションの間を通過するため、蛇形状の屈曲セクションの構造の一部が、第1の軸L1の周りの回転方向に延びる。引出しセクション660及び蛇形状の屈曲セクションは、フレキシブル回路基板600内の屈曲冗長構造の少なくとも一部を形成する。蛇形状の屈曲セクション全体は、例えば、カメラ500の片側でF方向に配置される。第2の軸L2の方向の屈曲接続部分V1の長さが、第2の軸L2の方向のサブセクションW1及びサブセクションW2の長さよりも短く、第2の軸L2の方向の屈曲接続部分V2の長さが、第2の軸L2の方向のサブセクションW2及びサブセクションW3の長さよりも短い。
【0058】
図6a及び
図6bに対応する実施形態で提供されるカメラアセンブリにおいて、カメラ500が(電子装置のメインボードに対して)第1の軸L1の周りに揺動する場合:
【0059】
サブセクションW1は、引出しセクション660によって駆動されて、屈曲接続部分V1の周り(第1の軸L1に平行な軸の周り)に揺動し、サブセクションW1は、第1の軸L1に略平行な軸の周りに曲がる。サブセクションW1の断面の変形は主に厚さ方向に蓄積され、変形の蓄積は小さい。また、サブセクションW1の揺動は、サブセクションW2及びサブセクションW3に伝達され、サブセクションW2及びサブセクションW3の断面の変形も主に厚さ方向に蓄積される。サブセクションW1の揺動がサブセクションW2及びサブセクションW3に伝達された後に、各断面の変形が減少する。アクチュエータがカメラ500を駆動して第1の軸L1の周りに揺動させるときに、打ち勝つ必要のあるフレキシブル回路基板の材料応力は小さい。
【0060】
カメラ500が(電子装置のメインボードに対して)第2の軸L2の周りに揺動する場合:
【0061】
サブセクションW1は、引出しセクション660によって駆動されて、屈曲接続部分V1の周り(第2の軸L2に平行な軸の周り)に揺動し、サブセクションW1の揺動は、サブセクションW2及びサブセクションW3に伝達される。変形は主に屈曲接続部分V1及び屈曲接続部分V2で発生し、サブセクション(W1、W2、及びW3)及び屈曲接続部分(V1及びV2)の断面の変形は主に厚さ方向に蓄積され、変形の蓄積が少ない。アクチュエータがカメラ500を駆動して第2の軸L2の周りに揺動させるときに、打ち勝つ必要のあるフレキシブル回路基板の材料応力は小さい。
【0062】
カメラ500が(電子装置のメインボードに対して)第3の軸L3の周りに揺動する場合:
【0063】
サブセクションW1は、引出しセクション660によって駆動されて、屈曲接続部分V1の周り(第2の軸L2に平行な軸の周り)で揺動する。サブセクションW1の揺動がサブセクションW2及びサブセクションW3に伝達された後に、それは、変形がサブセクション(W1、W2、及びW3)及び接続部分(V1及びV2)の各断面に分散されることと同等であり、各断面の変形が小さい。アクチュエータがカメラ500を駆動して第3の軸L3の周りに揺動させるときに、打ち勝つ必要のあるフレキシブル回路基板の材料応力は小さい。
【0064】
結論として、蛇形状の屈曲セクション及び引出しセクション660は共同で、フレキシブル回路基板600内の屈曲冗長構造の少なくとも一部を形成する。引出しセクション660が回路基板Bの駆動下で変形するときに、変形が蛇形状の屈曲セクションに伝達されて、各フレキシブル回路基板600の各断面の変形を低減し、アクチュエータがカメラ500を駆動して揺動させるときに生じる抵抗を低減する。また、蛇形状の屈曲セクションは弾性構造である。フレキシブル回路基板600の一端がカメラ500によって駆動されて変形するときに発生する応力は、蛇形状の屈曲セクションに解放された後に、蛇形状の屈曲セクションによって完全に吸収され得る。また、蛇形状の屈曲セクションは体積が小さく、蛇形状の屈曲セクションの延長方向の長さが長い。蛇形状の屈曲セクションに変形が分散した後に、各断面での変形の蓄積は小さい。これは、アクチュエータがカメラ500を駆動するときに打ち勝つ必要があるフレキシブル回路基板600の抵抗を低減するのに役立つ。
【0065】
図6a及び
図6bに提供される実施形態では、各サブセクションの中心軸C2は、第2の軸L2に平行ではない場合がある、又は第2の軸L2と角度(例えば、30°以下)を形成し得る。また、第1の軸L1及び第2の軸L2は交換可能である。
【0066】
図7は、本願の実施形態による、別のカメラアセンブリの視角からの分解図である。
図7を参照されたい。
図7に示されるカメラアセンブリと、
図1aに示されるカメラアセンブリとの間の相違は、以下の点にある:フレキシブル回路基板600は、引出しセクション671、サブセクション672、及びサブセクション673を含む。引出しセクション671の一端が固定位置N1に固定され、固定位置N1は、カメラ500の回路基板Bに固定され且つ電気的に接続される。引出しセクション671は、カメラ500のバックプレーンに平行な方向にハウジング100の外側に延び、引出しセクション671の別の端部が、サブセクション672の一端に接続されるように曲げられ、サブセクション672は第3の軸L3の方向に延び、サブセクション672の他端が、サブセクション673の一端に接続されるように曲げられ、サブセクション673は第1の軸L1の方向に延び、サブセクション673の他端が固定位置M1に固定され、固定位置M1は、メインボードに固定され且つ電気的に接続される。引出しセクション671、サブセクション672、及びサブセクション673は、順次曲げられ、接続されて、屈曲冗長構造を形成する。冗長構造は、直線方向に延びるのではなく曲がった形状であり、冗長構造の中間のどのポイントも固定されておらず、自由に曲げたて変形させることができる。カメラ500が第1の軸L1、第2の軸L2、及び第3の軸L3の1つ又は複数の周りに揺動するときに、応力は冗長構造に分散され得、アクチュエータがカメラ500を駆動して揺動させるときに打ち勝つ必要のある抵抗は低減する。
【0067】
図1a~
図7に示される様々なカメラアセンブリにおいて、フレキシブル回路基板600は、力が加えられていないとき、自然な状態であることに留意すべきである。
【0068】
前述の実施形態では、カメラ500が第1の軸L1、第2の軸L2、及び第3の軸L3の周りに揺動するときにアクチュエータが打ち勝つ必要があるフレキシブル回路基板600の応力のみを説明した。カメラ500が前述の3軸のうちのいずれか2つの周りに揺動するときに、この場合に、フレキシブル回路基板600の変形は、前述の2つの軸に対応するフレキシブル回路基板600の変形の組み合わせであり、アクチュエータは、大きな応力に打ち勝つことなく、カメラ500を駆動して柔軟に揺動させることができる。これは、カメラ500が前述の3つの軸の周りを同時に揺動するときも同様である。
【0069】
前述の実施形態のそれぞれにおいて、フレキシブル回路基板600は、固定位置M1及び固定位置N1を含む。カメラ500において、固定位置M1は、メインボードに固定され且つ電気的に接続され、固定位置N1は、回路基板Bに固定され且つ電気的に接続される。固定位置M1及び固定位置N1はそれぞれフレキシブル回路基板Bの延長方向の両端である。換言すると、固定位置M1は、フレキシブル回路基板Bの延長方向の一端であり、固定位置N1は、フレキシブル回路基板Bの延長方向の他端である。前述の実施形態では、冗長構造の延長方向の一端(例えば、
図1cの引出しセクション630の一端)は、固定位置M1に直接接続され、他端(例えば、
図1bの延長セクション620の一端)は、固定位置N1に接続される。他のいくつかの場合に、接続セクションは、冗長構造と固定位置M1との間、及び冗長構造と固定位置N1との間にさらに存在し、冗長構造の端部を対応する固定位置に接続し得る。
【0070】
同じ発明の概念に基づいて、本願の一実施形態は、電子装置をさらに提供する。電子装置は、前述の実施形態で提供されるカメラアセンブリ及びメインボードを含む。カメラアセンブリ内のフレキシブル回路基板に関するものであり且つカメラから離れる端部(自由端)は、メインボードに電気的に接続される。電子装置は、使用状態で容易に揺れ、且つ画像取込み機能を有する電子装置、例えばモバイル端末、ダッシュボードカメラ、アクションカメラ、又はドローンプラットフォームであり得る。携帯端末は、例えば、携帯電話、タブレットコンピュータ、バーコードスキャナ、RFIDリーダ、又はPOS端末である。カメラアセンブリは、画像を取り込むために前述の電子装置で使用される。
図1a~
図6aを参照されたい。カメラアセンブリは、電子装置で使用される。従って、カメラ500が揺れている環境で画像を取り込むために使用され、カメラ500が、フレキシブル回路基板600内の冗長構造を使用して、第1の軸L1、第2の軸L2、及び第3の軸L3のうちの少なくとも1つの周りに揺動するときに、フレキシブル回路基板600によって発生した全ての材料応力は、冗長構造で解放することができる。このようにして、アクチュエータがカメラ500を駆動するときに生じる抵抗が低減され、電子装置がカメラ500を使用して撮影するときの安定化効果が向上する。
【0071】
前述の説明は、本願の単なる特定の実施態様であり、本願の保護範囲を制限することを意図するものではない。本願に開示した技術的範囲内で当業者が容易に理解するいかなる変形又は置換も、本願の保護範囲内に含まれるものとする。従って、本願の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲に従うものとする。