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特許7534038コーンビームコンピュータ断層撮影における最適なパネル読み出しのための非対称散乱フィッティング
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-05
(45)【発行日】2024-08-14
(54)【発明の名称】コーンビームコンピュータ断層撮影における最適なパネル読み出しのための非対称散乱フィッティング
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/40 20240101AFI20240806BHJP
   A61N 5/10 20060101ALI20240806BHJP
   A61B 6/03 20060101ALI20240806BHJP
【FI】
A61B6/40 530K
A61N5/10
A61B6/03 550K
A61B6/03 577
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021531084
(86)(22)【出願日】2019-11-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-24
(86)【国際出願番号】 US2019063080
(87)【国際公開番号】W WO2020112679
(87)【国際公開日】2020-06-04
【審査請求日】2022-11-16
(31)【優先権主張番号】62/773,712
(32)【優先日】2018-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/773,700
(32)【優先日】2018-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/796,831
(32)【優先日】2019-01-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/800,287
(32)【優先日】2019-02-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/801,260
(32)【優先日】2019-02-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/813,335
(32)【優先日】2019-03-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/821,116
(32)【優先日】2019-03-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/836,357
(32)【優先日】2019-04-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/836,352
(32)【優先日】2019-04-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/843,796
(32)【優先日】2019-05-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/878,364
(32)【優先日】2019-07-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505172824
【氏名又は名称】アキュレイ インコーポレイテッド
【住所又は居所原語表記】1240 Deming Way, Madison, WI 53717 U.S.A
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【弁理士】
【氏名又は名称】辻田 朋子
(72)【発明者】
【氏名】ベイ,チュアンヨン
(72)【発明者】
【氏名】ジェイン,アミット
(72)【発明者】
【氏名】ギャニオン,ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】ユイ,ジーツォン
(72)【発明者】
【氏名】シー,ジェイコブ
【審査官】佐々木 創太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-080919(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0207370(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 6/00 - 6/58
A61M 36/10 - 36/14
A61N 5/00 - 5/10
G06T 7/00 - 7/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
x線撮像装置であって、
放射線ビームを発するための回転式x線源と、
前記x線源から放射線を受け取るように配置されたx線検出器であって、読み出し範囲を含む、x線検出器と、
前記x線源によって発せられた前記放射線ビームの形状を調整するように構成されたビームフォーマであって、それによって前記x線検出器の一次領域は、前記放射線ビームに直接露出され、前記x線検出器の少なくとも1つのシャドウ領域は、前記ビームフォーマによって、前記放射線ビームへの直接露出からブロックされる、ビームフォーマと、
を備え、
1回の走査中、前記一次領域内の測定された投影データおよび前記少なくとも1つのシャドウ領域から測定された散乱データを受け取るように構成され、
前記一次領域のアパーチャ中心は、前記読み出し範囲の読み出し中心からオフセットされる、x線撮像装置。
【請求項2】
データ処理システムをさらに備え、前記データ処理システムは、
前記一次領域内の測定された投影データおよび前記少なくとも1つのシャドウ領域内の測定された散乱データを受け取るように構成され、また
前記少なくとも1つのシャドウ領域内の前記測定された散乱データに基づいて、前記一次領域内の推定される散乱を決定するように構成される、
請求項1に記載のx線撮像装置。
【請求項3】
前記データ処理システムが、さらに、
少なくとも1つの半影域内の測定された半影データを受け取るように構成され、また
前記少なくとも1つの半影領域内の前記測定された半影データに基づいて、前記一次領域内の前記推定される散乱を決定するように構成される、
請求項2に記載のx線撮像装置。
【請求項4】
前記ビームフォーマが、前記一次領域の前記アパーチャ中心が前記x線検出器の検出器中心からオフセットされるように前記放射線ビームの位置を調整する、請求項1に記載のx線撮像装置。
【請求項5】
前記読み出し範囲の前記読み出し中心が、前記x線検出器の検出器中心からオフセットされる、請求項1に記載のx線撮像装置。
【請求項6】
前記ビームフォーマが、前記一次領域の前記アパーチャ中心が前記x線検出器の検出器中心からオフセットされるように前記放射線ビームの位置を調整し、前記読み出し範囲の前記読み出し中心は、前記x線検出器の検出器中心からオフセットされる、請求項1に記載のx線撮像装置。
【請求項7】
前記x線検出器の前記少なくとも1つのシャドウ領域は、後方軸方向長さを有する後方シャドウ領域と、前方軸方向長さを有する前方シャドウ領域とを含み、前記後方軸方向長さは前記前方軸方向長さと等しくない、請求項1に記載のx線撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年11月30日に出願の米国仮特許出願第62/773,712号明細書(代理人整理番号38935/04001)、2018年11月30日出願の米国仮特許出願第62/773,700号明細書(代理人整理番号38935/04002);2019年1月25日出願の米国仮特許出願第62/796,831号明細書(代理人整理番号38935/04004);2019年2月1日出願の米国仮特許出願第62/800,287明細書(代理人整理番号38935/04003);2019年2月5日出願の米国仮特許出願第62/801,260号明細書(代理人整理番号38935/04006);2019年3月4日出願の米国仮特許出願第62/813,335号明細書(代理人整理番号38935/04007);2019年3月20日出願の米国仮特許出願第62/821,116号明細書(代理人整理番号38935/04009);2019年4月19日出願の米国仮特許出願第62/836,357号明細書(代理人整理番号38935/04016);2019年4月19日出願の米国仮特許出願第62/836,352号明細書(代理人整理番号38935/04017);2019年5月6日出願の米国仮特許出願第62/843,796号(代理人整理番号38935/04005)明細書;および2019年7月25日に出願の米国仮特許出願第62/878,364号明細書(代理人整理番号38935/04008)を含む、11件の米国仮特許出願の利益を主張する。本出願はまた、「MULTIMODAL RADIATION APPARATUS AND METHODS」と題する代理人整理番号38935/04019、「APPARATUS AND METHODS FOR SCALABLE FIELD OF VIEW IMAGING USING A MULTI-SOURCE SYSTEM」と題する代理人整理番号38935/04020;「INTEGRATED HELICAL FAN-BEAM COMPUTED TOMOGRAPHY IN IMAGE-GUIDED RADIATION TREATMENT DEVICE」と題する代理人整理番号38935/04011、;「COMPUTED TOMOGRAPHY SYSTEM AND METHOD FOR IMAGE IMPROVEMENT USING PRIOR IMAGEと題する代理人整理番号38935/04010;「OPTIMIZED SCANNING METHODS AND TOMOGRAPHY SYSTEM USING REGION OF INTEREST DATA 」と題する代理人整理番号第38935/04013号;「HELICAL CONE-BEAM COMPUTED TOMOGRAPHY IMAGING WITH AN OFF-CENTERED DETECTOR」と題する代理人整理番号第38935/04015号;「MULTI-PASS COMPUTED TOMOGRAPHY SCANS FOR IMPROVED WORKFLOW AND PERFORMANCE」と題する代理人整理番号38935/04021;「METHOD AND APPARATUS FOR SCATTER ESTIMATION IN CONE-BEAM COMPUTED TOMOGRAPHY」と題する代理人整理番号38935/04012号;「METHOD AND APPARATUS FOR IMPROVING SCATTER ESTIMATION AND CORRECTION IN IMAGING」と題する代理人整理番号38935/04018、および「METHOD AND APPARATUS FOR IMAGE RECONSTRUCTION AND CORRECTION USING INTER-FRACTIONAL INFORMATION」と題する代理人整理番号38935/04022を含む、同日に出願された10件の米国非仮特許出願に関連する。上記のすべての特許出願(複数可)および特許(複数可)の内容は、参照により本明細書に完全に組み込まれる。
【0002】
開示する技術の態様は、投影データ内の散乱を推定することに関し、より詳細には、コーンビームコンピュータ断層撮影(CT)走査中を含んで、検出器読み出しからの非対称なシャドウ領域/データを含むシャドウ領域データを利用して、一次領域投影データ内の散乱を推定することに関する。
【背景技術】
【0003】
コーンビームCTにおける散乱は、広いコリメーション開口部を有する散乱防止グリッドが使用されない場合、検出された光子のかなりの部分を占める可能性がある。散乱は、コントラストおよび定量的精度を含む画質に悪影響を及ぼす可能性がある。その結果、散乱測定、推定、および補正は、画像誘導放射線治療(IGRT)の文脈を含んで、コーンビームCTデータ処理および画像再構成に適用可能である。IGRTは、治療前、治療中、および/または治療後に患者の画像を収集するために、CTなどの医療撮像技術を利用することができる。
【0004】
開口部内の散乱を予測するためにコリメータシャドウ内のデータをフィッティングすることは、コーンビームCT(CBCT)のための効果的な散乱推定手法である。従来、この手法は、信頼性の高い散乱フィッティングのために、一次領域の両側からコリメータシャドウ内にかなりの量のデータを必要とする。さらに、より高いフレームレートでの走査を可能にするために読み出し時間を短縮するために、検出器(パネル)の読み出し範囲を縮小することが望ましくなり得る。
【発明の概要】
【0005】
1つの実施形態では、x線画像の散乱を推定するステップは、x線検出器の一次領域から測定された投影データを受け取ることであって、x線検出器の一次領域は、少なくとも1回の走査中、放射線源からの放射線ビームに直接露出される、受け取ることと、x線検出器の少なくとも1つのシャドウ領域から測定された散乱データを受け取ることであって、x線検出器の少なくとも1つのシャドウ領域は、放射線ビームへの直接露出からブロックされる、受け取ることと、少なくとも1つのシャドウ領域内の測定された散乱データに基づいて測定された投影シャドウデータ内の推定散乱を決定することであって、一次領域のアパーチャ中心は、少なくとも1回の走査中に読み出し範囲の読み出し中心からオフセットされる、決定することと、を含む。
【0006】
1つの実施形態に関して説明および/または図示する特徴は、1つまたは複数の他の実施形態において同じ方法または同様の方法で、および/または他の実施形態の特徴と組み合わせて、またはその代わりに使用することができる。
【0007】
本発明の説明は、特許請求の範囲で使用する単語または特許請求の範囲もしくは発明の範囲を何ら限定するものではない。特許請求の範囲で使用する単語は、それらの完全な通常の意味のすべてを有する。
【0008】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付の図面には、本発明の実施形態が示されており、上記であげる本発明の概括的な説明および以下にあげる詳細な説明と共に、本発明の実施形態を例示するのに役立つ。図示する要素境界(例えば、ボックス、ボックスのグループ、または他の形状)は、境界の1つの実施形態を表すことが理解されよう。いくつかの実施形態では、1つの要素が複数の要素として設計されてもよく、または複数の要素が1つの要素として設計されてもよい。いくつかの実施形態では、別の要素の内部構成要素として示す要素は、外部構成要素として実装されてもよく、その逆も可能である。さらに、要素は縮尺通りに描かれていない場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】開示する技術の1つの態様による例示的なx線撮像装置の斜視図である。
図2】開示する技術の1つの態様による例示的な放射線療法デバイスに組み込まれたx線撮像装置の概略図である。
図3】x線検出器上への例示的なコリメートされた投影の概略図である。
図4】対称シャドウ読み出し領域を有する例示的なビームおよび検出器構成の図である。
図5】非対称シャドウ読み出し領域を有する例示的なビームおよび検出器構成の図である。
図6】非対称シャドウ読み出し領域を有する別の例示的なビームおよび検出器構成の図である。
図7】非対称シャドウ読み出し領域を有する別の例示的なビームおよび検出器構成の図である。
図8】例示的なコリメータ開口部を使用して検出器に投影された例示的な肺ファントムの図である。
図9】対称シャドウ読み出し領域を有する、図8に示す例示的な肺ファントムにわたるデータプロファイルを示す撮像設計の図である。
図10】非対称シャドウ読み出し領域を有する、図8に示す例示的な肺ファントムにわたるデータプロファイルを示す撮像設計の図である。
図11】例示的なコリメータ開口部を使用して検出器上に投影された例示的な肺ファントムの図である。
図12】対称シャドウ読み出し領域を有する、図11に示す例示的な肺ファントムにわたるデータプロットである。
図13】非対称シャドウ読み出し領域を有する、図11に示す例示的な肺ファントムにわたるデータプロットである。
図14】二重走査の第1の走査における図8に示す例示的な肺ファントムにわたるデータプロファイルを示す撮像設計の図である。
図15】二重走査の第2の走査における図8に示す例示的な肺ファントムにわたるデータプロファイルを示す撮像設計の図である。
図16】散乱補正の例示的な方法を示すフローチャートである。
図17】散乱補正の別の例示的な方法を示すフローチャートである。
図18】非対称走査設計を最適化する例示的な方法を示すフローチャートである。
図19】放射線療法デバイスを使用するIGRTの例示的な方法を示すフローチャートである。
図20】例示的な画像ベースの送達前ステップを示すブロック図である。
図21】撮像または画像ベースの送達前ステップ中に利用され得る例示的なデータソースを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下は、本開示を通して使用され得る例示的な用語の定義を含む。すべての用語の単数形および複数形の両方が各意味に含まれる。
【0011】
本明細書で使用する「構成要素」は、ハードウェアの一部、ソフトウェアの一部、またはそれらの組み合わせとして定義することができる。ハードウェアの一部は、少なくともプロセッサおよびメモリの一部を含むことができ、メモリは実行する命令を含む。構成要素は、デバイスに関連付けられ得る。
【0012】
本明細書で使用する「回路」と同義の「論理」は、機能(複数可)または動作(複数可)を実行するためのハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、および/またはそれぞれの組み合わせを含むが、これらに限定されない。例えば、所望のアプリケーションまたはニーズに基づいて、論理は、ソフトウェア制御マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)などの個別論理、または他のプログラム論理デバイスおよび/またはコントローラを含むことができる。論理はまた、ソフトウェアとして完全に具現化されてもよい。
【0013】
本明細書で使用する「プロセッサ」は、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、中央処理装置(CPU)、およびデジタル信号プロセッサ(DSP)などの実質的に任意の数のプロセッサシステムまたはスタンドアローンプロセッサのうちの1つまたは複数を任意の組み合わせで含むが、これらに限定されない。プロセッサは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、プログラマブル読み出し専用メモリ(PROM)、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EPROM)、クロック、デコーダ、メモリコントローラ、または割り込みコントローラなど、プロセッサの動作をサポートする様々な他の回路に関連付けられ得る。これらのサポート回路は、プロセッサまたはその関連する電子パッケージの内部または外部にあってもよい。サポート回路は、プロセッサと動作可能に通信する。サポート回路は、必ずしもブロック図または他の図面においてプロセッサとは別個に示されていない。
【0014】
本明細書で使用する「信号」は、アナログまたはデジタル信号、1つまたは複数のコンピュータ命令、ビットまたはビットストリームなどを含む1つまたは複数の電気信号を含むが、これらに限定されない。
【0015】
本明細書で使用する「ソフトウェア」は、コンピュータ、プロセッサ、論理、および/または他の電子デバイスに所望の方法で機能、動作、および/または挙動させる1つまたは複数のコンピュータ可読および/または実行可能命令を含むが、これらに限定されない。命令は、動的にリンクされたソースまたはライブラリからの別個のアプリケーションまたはコードを含むルーチン、アルゴリズム、モジュール、またはプログラムなどの様々な形態で具現化され得る。
【0016】
上記の例示的な定義が提供されているが、本明細書と一致する最も広い合理的な解釈がこれらおよび他の用語に使用されることが本出願人の意図である。
【0017】
以下でより詳細に論じるように、開示する技術の実施形態は、シャドウ領域データを利用してコーンビームCT走査中の一次領域投影データ内の散乱を推定することを含む、撮像投影データ内の散乱を推定することに関する。いくつかの実施形態では、放射線療法送達デバイスおよび方法は、IGRTと併用して、またはIGRTの一部として使用するためのCT用の一体化された低エネルギー放射線源を利用することができる。特に、例えば、放射線療法送達デバイスおよび方法は、回転(例えば、ヘリカルまたはステップアンドシュート)画像取得を使用してガントリ内で撮像するための低エネルギーのコリメートされた放射線源と、治療的処置のための高エネルギー放射線源とを組み合わせることができる。
【0018】
低エネルギー放射線源(例えば、キロボルト(kV))は、撮像のために高エネルギー放射線源(例えば、メガボルト(MV))を使用するよりも高品質の画像を生成することができる。kVエネルギーで生成された画像は、通常、MVエネルギーよりも良好な組織コントラストを有する。ターゲットおよびリスク臓器(OARS)の視覚化、適応療法モニタリング、および治療計画/再計画のために、高品質の体積映像法が必要とされ得る。いくつかの実施形態では、kV撮像システムはまた、位置決め、運動追跡、および/または特徴付けまたは補正能力に使用することもできる。
【0019】
画像取得方法は、例えば、連続走査(例えば、ガントリボアを通る患者支持体の長手方向の移動と共に、中心軸を中心とするヘリカル状の線源軌道で)、患者支持体の増分的な長手方向移動を伴う非連続の円形ストップアンドリバース走査、ステップアンドシュート円形走査などであり得る複数回転走査を含むか、または別の形で使用することができる。
【0020】
様々な実施形態によれば、撮像装置は、例えばビームフォーマを使用して、放射線源を例えばコーンビームまたはファンビームになるようにコリメートする。1つの実施形態では、コリメートされたビームは、患者が移動している間に連続的に回転するガントリと組み合わせられ、その結果、ヘリカル画像取得を生じさせることができる。
【0021】
いくつかの実施形態では、高品質の体積画像を完成させるための走査回転の増加に関連する時間は、(例えば、最大10回転/分(rpm)、最大20 rpm、最大60 rpm、またはそれ以上のrpmを含む高速スリップリング回転を使用する)高ガントリレート/速度、高kVフレームレート、および/または疎データ再構成技術によって緩和されて、放射線療法送達プラットフォーム上にkV CT撮像を提供することができる。(様々な列/スライスサイズ、構成、ダイナミックレンジなどを有する)検出器、走査ピッチ、および/または動的コリメーションは、以下で詳細に論じるように、検出器の一部を選択的に露出させ、アクティブ読み出し領域を選択的に画定することを含んで、様々な実施形態における追加の特徴である。特に、画質は、x線(低エネルギー)撮像放射線源上で調整可能なビームフォーマ/コリメータを使用することによって、および/または検出器読み出し範囲を最適化することによって(後述するように散乱を推定することによって)改善することができる。
【0022】
撮像装置および方法は、関連する放射線検出器(例えば、x線放射線源から放射線を受け取るように配置された放射線検出器)のアクティブ領域全体よりも少なく露出するように放射線ビーム形状を調整することを含んで、放射線源によって発せられた放射線ビームの選択的かつ可変のコリメーションを提供することができる。例えば、撮像装置のビームフォーマは、ヘリカル走査中にピッチが変化するときに放射ビームの形状を調整することができる。検出器の一次領域のみを露出させて放射線を向けることにより、検出器のシャドウ付き領域が散乱のみを受け取ることが可能になる。検出器のシャドウ領域内の散乱測定値(および、いくつかの実施形態では、半影領域内の測定値)を使用して、投影データを受け取る検出器の一次領域内の散乱を推定することができる。
【0023】
撮像装置および方法は、読み出し速度を改善するために検出器のアクティブ領域を制限するために検出器読み出し範囲を調整することを含んで、選択的かつ可変の検出器読み出し領域および範囲を提供することができる。例えば、利用可能なシャドウ領域データよりも少ないデータを読み出し、散乱推定に使用することができる。選択的読み出しをビーム形成と組み合わせることにより、散乱フィッティング技術の様々な最適化が可能になる。
【0024】
図1および図2を参照すると、撮像装置10(例えば、x線撮像装置)が、示されている。x線撮像装置10は、IGRTを含むがこれに限定されない様々な用途に使用することができる放射線療法デバイス(図2に示す)に関連付けられ、および/またはそれに一体化され得ることが理解されよう。x線撮像装置10は、支持ユニットまたはハウジング14によって支持されるか、または別の形でその中に収容されるガントリ12と呼ばれる回転可能なガントリシステムを含む。本明細書のガントリは、1つまたは複数の放射線源および/または関連する検出器がターゲットの周りを回転するときにそれらを支持することができる1つまたは複数のガントリ(例えば、リングまたはCアーム)を備えるガントリシステムを指す。例えば、1つの実施形態では、第1の放射線源およびその関連検出器をガントリシステムの第1のガントリに取り付けることができ、第2の放射線源およびその関連検出器をガントリシステムの第2のガントリに取り付けることができる。別の実施形態では、2つ以上の放射線源および関連する検出器(複数可)を、例えば、ガントリシステムが1つのガントリのみで構成される場合を含んで、ガントリシステムの同じガントリに取り付けることもできる。ガントリ、放射線源、および放射線検出器の様々な組み合わせを様々なガントリシステム構成と組み合わせて、同じ装置内の同じ体積を撮像および/または治療することができる。例えば、kVおよびMV放射線源をガントリシステムの同じまたは異なるガントリに取り付け、IGRTシステムの一部として撮像および/または治療に選択的に使用することができる。異なるガントリに取り付けられている場合、放射線源は独立して回転することができるが、依然として同じ(またはほぼ同じ)体積を同時に撮像することができる。回転可能なリングガントリ12は、上述したように、10 rpm以上にすることができる。回転可能なガントリ12は、撮像および/または治療のために内部におよびそれを通して患者を移動させ、位置決めすることができるガントリボア16を画定する。1つの実施形態によれば、回転可能なガントリ12は、検出器によって受け取られる高品質の撮像データに十分な帯域幅を提供しながら、撮像放射線源(x線)および関連する放射線検出器の連続回転を提供するスリップリングガントリとして構成される。スリップリングガントリは、デバイスに関連する電力および信号を搬送するケーブルを巻き取りおよび巻き戻すために、交互の方向へのガントリ回転を排除することができる。そのような構成は、IGRTシステムに一体化された場合であっても、CBCTを含む連続ヘリカルコンピュータ断層撮影を可能にする。
【0025】
患者支持体18は、回転可能なガントリ12に隣接して配置され、回転可能なガントリ12内へのおよびその中での長手方向の移動のために、典型的には水平位置で患者を支持するように構成される。患者支持体18は、例えば、ガントリ12の回転平面に垂直な方向に(ガントリ12の回転軸に沿ってまたは平行に)患者を移動させることができる。患者支持体18は、患者および患者支持体18の移動を制御するための患者支持コントローラに動作可能に結合することができる。患者支持コントローラは、命令された撮像および/または治療計画に従った患者の長手方向軸周りの回転のために、回転可能なガントリ12および回転式ガントリに取り付けられた放射線源と同期させることができる。患者支持体はまた、最適な治療のために患者の位置を調整するために、ボア16内に入ると制限された範囲で上下左右に移動させることができる。軸x、y、およびzが示されており、ガントリ12の正面から見ると、x軸は水平であり、右を指し、y軸はガントリ平面を指し、z軸は垂直であり、上部を指す。x軸、y軸、およびz軸は、右手の法則に従う。
【0026】
開示する技術の範囲から逸脱することなく、他の変形形態を採用できることが理解されよう。例えば、回転可能なガントリ12および患者支持体18は、支持体が回転可能なガントリ12に対して(一定または可変速度で)移動するように制御されるとき、ガントリ12が患者支持体上に支持された患者の周りを前後に(例えば、交互の時計回りの回転および反時計回りの回転)で(上記で説明したように連続的にではなく)回転するように制御することができる。別の実施形態では、連続的なステップアンドシュート円形走査により、長手方向(ステップ)への患者支持体18の移動は、所望の体積がキャプチャされるまで回転可能なガントリ12(シュート)による走査回転と交互になる。デバイス10は、体積ベースおよび平面ベースの撮像取得が可能である。例えば、様々な実施形態では、デバイス10を使用して、体積画像および/または平面画像を取得し、以下に説明する関連する処理方法を実行することができる。
【0027】
様々な他のタイプの放射線源および/または患者支持移動を利用して、投影データを生成するための放射線源と患者との相対運動を達成することができる。放射線源および/または患者支持体の非連続的運動、連続的であるが可変/非一定(線形および非線形を含む)の直線運動、速度、および/または軌道など、ならびにそれらの組み合わせを、上記で説明した放射線療法デバイス10の様々な実施形態との組み合わせを含めて使用することができる。
【0028】
図2に示すように、x線撮像装置10は、回転可能なガントリ12に結合されるか、または別の形で支持される撮像放射線源30を含む。撮像放射線源30は、高品質の画像を生成するための放射線ビーム(全体的に32として示される)を発する。この実施形態では、撮像放射線源は、キロ電圧(kV)源(例えば、約20kVから約150kVの範囲のエネルギーレベルを有する臨床用x線源)として構成されたx線源30である。1つの実施形態では、kV放射線源は、最大150keVのキロ電子ボルトピーク光子エネルギー(keV)を含む。撮像放射線源は、撮像に適した任意のタイプの伝送源とすることができる。例えば、撮像放射線源は、例えば、x線発生源(CT用を含む)、または十分なエネルギーおよびフラックスで光子を生成する任意の他の方法(例えば、ガンマ線源(例えば、コバルト57、122keVにおけるエネルギーピーク)、x線蛍光源(例えば、Pb k線を通る蛍光源、約70keVおよび約82keVにおける2つのピーク)であってよい。本明細書におけるx線、x線撮像、x線撮像源などへの言及は、特定の実施形態の例示である。他の撮像伝送源を様々な他の実施形態において交換可能に使用することができる。
【0029】
x線撮像装置10はまた、回転可能なガントリ12に結合されるか、または別の形で支持される別の放射線源20を含むことができる。1つの実施形態によれば、放射線源20は、対象領域内の患者内の腫瘍の治療に使用される高エネルギー放射線源などの治療用放射線源として構成される。治療用放射線源は、開示する技術の範囲から逸脱することなく、高エネルギーx線ビーム(例えば、メガボルテージ(MV)x線ビーム)、および/または高エネルギー粒子ビーム(例えば、電子のビーム、陽子のビーム、または炭素などのより重いイオンのビーム)または別の適切な形態の高エネルギー放射線であり得ることが理解されよう。1つの実施形態では、放射線源20は、1MeV以上のメガ電子ボルトピーク光子エネルギー(MeV)を含む。1つの実施形態では、高エネルギーx線ビームは、0.8MeVより大きい平均エネルギーを有する。別の実施形態では、高エネルギーx線ビームは、0.2MeVより大きい平均エネルギーを有する。別の実施形態では、高エネルギーx線ビームは、150keVを超える平均エネルギーを有する。通常、放射線源20は、撮像放射線源30よりも高いエネルギーレベル(ピークおよび/または平均など)を有する。
【0030】
1つの実施形態では、放射線源20は、治療用放射線(例えば、MV)を生成するLINACであり、撮像システムは、比較的低強度で低エネルギーの撮像放射線(例えば、kV)を生成する独立した撮像放射線源30を含む。他の実施形態では、放射線源20は、通常>1MeVのエネルギーを有することができる、例えばCo-60などの放射性同位体であることもできる。放射線源20は、治療計画に従って患者支持体18上に支持された患者内の対象領域(ROI)に向かって1つまたは複数の放射線ビーム(全体的に22で示す)を発することができる。
【0031】
いくつかの実施形態では、放射線源20、30を互いに組み合わせて使用して、より高品質でより良好に利用される画像を提供することができる。他の実施形態では、少なくとも1つの追加の放射線源を回転可能なガントリ12に結合し、放射線源20、30のピーク光子エネルギーとは異なるピーク光子エネルギーで投影データを取得するように動作させることができる。
【0032】
図1および図2は、放射線源30がリングガントリ12に取り付けられたx線撮像装置10を示しているが、他の実施形態は、例えばC-アームガントリおよびロボットアームベースのシステムを含む他のタイプの回転可能な撮像装置を含むことができる。ガントリベースのシステムでは、ガントリは、アイソセンタを通過する軸の周りで撮像放射線源30を回転させる。ガントリベースのシステムはC-アームガントリを含み、その内部では撮像放射線源30が、アイソセンタを通過する軸上にカンチレバー式に取り付けられ、その軸の周りを回転する。ガントリベースのシステムは、全体的にトロイダル形状を有するリングガントリ、例えば、回転可能なガントリ12をさらに含み、その内部で患者の体は、リング/トロイドのボアを通って延び、撮像放射線源30は、リングの周囲に取り付けられ、アイソセンタを通過する軸の周りを回転する。いくつかの実施形態では、ガントリ12は、連続的に回転する。他の実施形態では、ガントリ12は、繰り返し回転および反転するケーブルベースのシステムを利用する。
【0033】
検出器34(例えば、二次元平面検出器または湾曲検出器)を回転可能なガントリ12に結合するか、またはこれによって別の形で支持することができる。検出器34(例えば、x線検出器)は、x線源30から放射線を受け取るように配置され、x線源30と共に回転することができる。検出器34は、減衰されていない放射線の量を検出するか、または別の形で測定することができ、したがって、(最初に生成されたものと比較して)患者または関連する患者ROIによって実際に減衰されたものを推測することができる。検出器34は、放射線源30が回転して放射線を患者に向けて発するときに、異なる角度から減衰データを検出するか、または別の形で収集することができる。
【0034】
検出器34は、開示する技術の範囲から逸脱することなく、いくつかの構成をとることができることが理解されよう。図2に示すように、検出器34は、フラットパネル検出器(例えば、複数列フラットパネル検出器)として構成することができる。別の例示的な実施形態によれば、検出器34は、湾曲検出器として構成することができる。
【0035】
(全体的に36として示す)コリメータまたはビームフォーマアセンブリは、検出器34のアクティブ領域の一部または領域を選択的に露出させるために、x線源30によって発せられた放射線ビーム32の形状を選択的に制御および調整するように撮像(x線)源30に対して配置される。ビームフォーマはまた、放射線ビーム32が検出器34上にどのように配置されるかを制御することもできる。1つの実施形態では、ビームフォーマ36は、(例えば、より薄いまたはより厚いスリットを作るために)1度/一次元の運動を有することができる。別の実施形態では、ビームフォーマ36は、(例えば、様々なサイズの長方形を作成するために)2度/二次元の運動を有することができる。他の実施形態では、ビームフォーマ36は、例えば、平行四辺形を含む様々な他の動的に制御される形状が可能であってもよい。これらの形状はすべて、走査中に動的に調整することができる。いくつかの実施形態では、ビームフォーマのブロッキング部分を回転させ並進させることができる。
【0036】
ビームフォーマ36は、限定はしないが、1つの検出器列幅ほど小さいか、または検出器のアクティブ領域の一部のみとなる複数の検出器列を含むビーム厚(幅)を有するファンビームもしくはコーンビームを含む、いくつかの幾何学的形状でx線源30によって動的に発せられた放射線ビーム32の形状を調整するように制御することができる。様々な実施形態では、ビームの厚さは、数センチメートルのより大きな検出器アクティブ領域を露出させることができる。例えば、5~6センチメートルの検出器内の3~4センチメートル(検出器平面内の長手方向に測定)を撮像放射線32に選択的に露出することができる。この実施形態では、3~4センチメートルの投影画像データを各読み出しで、片側または両側に約1~2センチメートルの露出していない検出器領域を有してキャプチャすることができ、露出していない検出器領域を使用して以下で論じるように散乱データをキャプチャすることができる。
【0037】
他の実施形態では、アクティブ検出器の一部の多少の部分が、撮像放射線に選択的に露出され得る。例えば、いくつかの実施形態では、ビーム厚さは、より小さい検出器を含んで、約2センチメートル、1センチメートル、1センチメートル未満、または同様のサイズの範囲まで低減することができる。他の実施形態では、ビーム厚さは、より大きな検出器を含んで、約4センチメートル、5センチメートル、5センチメートル超、または同様のサイズの範囲まで増大させることができる。様々な実施形態では、露出対アクティブ検出器面積の比は、30~90%または50~75%であり得る。他の実施形態では、露出対アクティブ検出器面積の比は、60~70%であり得る。しかし、他の実施形態では、様々な他の露出領域およびアクティブ領域のサイズまたは露出対アクティブ検出器領域の比が適切であり得る。ビームおよび検出器は、検出器のシャドウ付き領域(アクティブであるが直接放射線に露出されない)が、半影領域を越えて散乱データをキャプチャするのに十分であるように構成することができる。
【0038】
様々な実施形態は、測定されたデータが一次(露出された)領域およびシャドウ付き領域に十分であるが、速度および線量制御に合わせて最適化もされるように、検出器の選択的露出を制御する特徴(例えば、ビームサイズ、ビーム/アパーチャ中心、コリメーション、ピッチ、検出器読み出し範囲、検出器読み出し中心など)の最適化を含むことができる。ビームフォーマ36の形状/位置および検出器34の読み出し範囲は、実施されている特定の撮像タスクおよび散乱推定プロセスに基づいて、x線源30からの放射線ビーム32がx線検出器34を多く覆うか、またはほとんどを覆わないように制御することができる。通常、検出器34のアクティブ領域は、x線検出器34の1つまたは2つの非対称なシャドウ領域を一次領域と共に読み取ることができるように構成することができる。
【0039】
ビームフォーマは、x線源30によって発せられる放射線ビーム32の形状を調整することを可能にする様々な方法で構成することができる。例えば、コリメータ36は、顎部の組または他の適切な部材を含むように構成することができ、これらの部材は、x線源30からの放射線ビームがコリメートされた形で通過することができるアパーチャのサイズを画定し、選択的に調整する。例示的な1つの構成によれば、コリメータ36は、上顎部および下顎部を含むことができ、この場合上顎部および下顎部は、異なる方向(例えば、平行な方向)に移動可能であり、それによってx線源30からの放射線ビームが通過するアパーチャのサイズを調整し、また、最適化された撮像および最小化された患者線量のために撮像される患者の部分のみを照明するように患者に対するビーム位置を調整する。例えば、コリメータは、最小の開位置または閉位置と最大開放位置との間の1つまたは複数の位置に移動するように動作可能な複数のインターレースされたリーフを含むことができるマルチリーフコリメータ(MLC)として構成することができる。放射線源によって発せられる放射線ビームの所望の形状を達成するために、リーフを所望の位置に移動できることが理解されよう。1つの実施形態では、MLCは、サブミリメートルターゲティング精度が可能である。
【0040】
1つの実施形態によれば、x線源30からの放射線ビーム32の形状を画像取得中に変更することができる。別の言い方をすれば、1つの例示的実施態様によれば、ビームフォーマ36のリーフ位置および/またはアパーチャ幅は、走査前または走査中に調整することができる。例えば、1つの実施形態によれば、ビームフォーマ36は、x線源30の回転中に選択的に制御および動的に調整することができ、それにより、放射線ビーム32は十分な一次/シャドウ領域を有する形状を有し、撮像中に対象オブジェクト(例えば、前立腺)のみを含むように調整される。x線源30によって発せられる放射線ビーム32の形状は、以下でより詳細に論じるように、撮像および/または治療フィードバックに基づき得る所望の画像取得に応じて、走査中または走査後に変更することができる。
【0041】
検出器24を回転可能なガントリ12に結合するか、またはこれによって別の形で支持して、治療用放射線源20からの放射線22を受けるように配置することができる。検出器24は、減衰されていない放射線の量を検出するか、または別の形で測定することができ、したがって、(最初に生成されたものと比較して)患者または関連する患者ROIによって実際に減衰されたものを推測することができる。検出器24は、治療用放射線源20が回転して患者に向けて放射線を発するときに、異なる角度から減衰データを検出するか、または別の形で収集することができる。
【0042】
治療用放射線源20は、ビームフォーマまたはコリメータを含むか、またはこれに別の形で関連付けることができることがさらに理解されよう。治療用放射線源20に関連するコリメータ/ビームフォーマは、撮像源30に関連するコリメータ/ビームフォーマ36と同様に、いくつかの方法で構成することができる。
【0043】
治療用放射線源20は、撮像源30と同じ平面または異なる平面(オフセット)に取り付けられ、構成され、および/または移動され得る。いくつかの実施形態では、放射線源20、30の同時アクティブ化によって引き起こされる散乱は、放射面をオフセットすることによって低減することができる。
【0044】
放射線療法デバイスと一体化されると、撮像装置10は、放射線送達処置(治療)を設定(例えば、整列および/または位置合わせ)し、計画し、および/または案内するために使用される画像を提供することができる。通常の設定は、現在の(治療中の)画像を治療前画像情報と比較することによって達成される。治療前画像情報は、例えば、x線、CTデータ、CBCTデータ、磁気共鳴画像法(MRI)データ、陽電子放射断層撮影法(PET)データもしくは3D回転血管造影法(3DRA)データ、および/またはこれらもしくは他の撮像モダリティから得られる任意の情報を含むことができる。いくつかの実施形態では、撮像装置10は、治療中の患者、ターゲット、またはROI運動を追跡することができる。
【0045】
再構成プロセッサ40は、検出器24および/またはx線検出器34に動作可能に結合することができる。1つの実施形態では、再構成プロセッサ40は、放射線源20、30から検出器24、34によって受け取られた放射線に基づいて患者画像を生成するように構成される。再構成プロセッサ40は、以下でより完全に説明する方法を実施するために使用されるように構成できることが理解されよう。装置10はまた、限定はしないが、処理および再構成アルゴリズムおよびソフトウェア、撮像パラメータ、以前または別の形で前に取得された画像(例えば、計画画像)からの画像データ、治療計画などを含む情報を記憶するのに適したメモリ44を含むことができる。
【0046】
撮像装置10は、オペレータ/ユーザインターフェース48を含むことができ、この場合撮像装置10のオペレータは、撮像装置10と対話するか、または別の形で制御して、走査または撮像パラメータなどに関する入力を提供することができる。オペレータインターフェース48は、キーボード、マウス、音声起動コントローラなどの任意の適切な入力デバイスを含むことができる。撮像装置10はまた、撮像装置10のオペレータに出力を提供するためのディスプレイ52または他の人間可読要素を含むことができる。例えば、ディスプレイ52は、オペレータが、再構成された患者画像、および撮像装置10の動作に関連する撮像または走査パラメータなどの他の情報を観察することを可能にすることができる。
【0047】
図2に示すように、撮像装置10は、装置10の1つまたは複数の構成要素に動作可能に結合されたコントローラ(全体的に60として示す)を含む。コントローラ60は、撮像源30および/または治療用放射線源20ならびに回転可能なガントリ12の回転速度および位置を制御するガントリモータコントローラに電力およびタイミング信号を提供することを含んで、装置10の全体的な機能および動作を制御する。コントローラ60は、患者支援コントローラ、ガントリコントローラ、治療用放射線源20および/または撮像源30に結合されたコントローラ、ビームフォーマ36コントローラ、検出器24および/または検出器34に結合されたコントローラなどのうちの1つまたは複数を包含できることが理解されよう。1つの実施形態では、コントローラ60は、他の構成要素、デバイス、および/またはコントローラを制御することができるシステムコントローラである。
【0048】
様々な実施形態では、再構成プロセッサ40、オペレータインターフェース48、ディスプレイ52、コントローラ60および/または他の構成要素は、1つまたは複数の構成要素またはデバイスになるように組み合わせることができる。
【0049】
装置10は、様々な構成要素と、論理と、ソフトウェアとを含むことができる。1つの実施形態では、コントローラ60は、プロセッサと、メモリと、ソフトウェアとを備える。限定ではなく例として、x線撮像装置および/または放射線療法システムは、特有の用途のための撮像および/またはIGRTに関連する1つまたは複数のルーチンまたはステップを実施することができる様々な他の装置および構成要素(例えば、とりわけ、ガントリ、放射線源、コリメータ、検出器、コントローラ、電源、患者支持体)を含むことができ、ルーチンは、メモリに記憶することができるそれぞれのデバイス設定、構成、および/または位置(例えば、経路/軌道)を含む、撮像、画像ベースの送達前ステップ、および/または治療送達を含むことができる。さらに、コントローラ(複数可)は、メモリ内に記憶された1つまたは複数のルーチンまたはプロセスに従って、1つまたは複数のデバイスおよび/または構成要素を直接的または間接的に制御することができる。直接制御の一例は、撮像または治療に関連する様々な放射線源またはコリメータパラメータ(電力、速度、位置、タイミング、変調など)の設定である。間接制御の一例は、患者支持コントローラまたは他の周辺デバイスへの位置、経路、速度などの通信である。撮像装置に関連付けられ得る様々なコントローラの階層は、適切なコマンドおよび/または情報を所望のデバイスおよび構成要素に伝えるように任意の適切な方法で配置することができる。
【0050】
さらに、当業者は、システムおよび方法を他のコンピュータシステム構成で実施してもよいことを理解するであろう。本発明の図示する態様は、分散コンピューティング環境で実施することができ、ここでは特定のタスクが、通信ネットワークを介してリンクされるローカルまたはリモート処理デバイスによって実行される。例えば、1つの実施形態では、再構成プロセッサ40は、別個のシステムに関連付けられ得る。分散コンピューティング環境では、プログラムモジュールは、ローカルとリモート両方のメモリ記憶デバイス内に配置され得る。例えば、リモートデータベース、ローカルデータベース、クラウドコンピューティングプラットフォーム、クラウドデータベース、またはそれらの組み合わせを撮像装置10で利用することができる。
【0051】
撮像装置10は、コンピュータを含む本発明の様々な態様を実施するための例示的な環境を利用することができ、この場合コンピュータは、(例えば、プロセッサと、メモリ44であってもよいメモリとを含む)コントローラ60と、システムバスとを含む。システムバスは、メモリを含むがこれに限定されないシステム構成要素をプロセッサに結合することができ、他のシステム、コントローラ、構成要素、デバイス、およびプロセッサと通信することができる。メモリは、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ハードドライブ、フラッシュドライブ、および任意の他の形態のコンピュータ可読媒体を含むことができる。メモリは、例えば治療計画を含むことができるルーチンおよびパラメータを含む様々なソフトウェアおよびデータを記憶することができる。
【0052】
治療用放射線源20および/または撮像源30は、治療用放射線源20および撮像源30の相対動作を制御するように構成されたコントローラ60に動作可能に結合することができる。例えば、撮像源30を治療用放射線源20と同時に制御し、動作させることができる。これに加えて、またはこれに代えて、実施される特定の治療および/または撮像計画に応じて、撮像源30を治療用放射線源20と共に順次制御し、動作させることができる。
【0053】
撮像源30および検出器34は、撮像走査中にいくつかの方法で患者の周りに回転を提供するように構成できることが理解されよう。1つの実施形態では、撮像源30の運動および露出を患者支持体18の長手方向運動と同期させることにより、処置中に患者画像の連続的なヘリカル状の取得を提供することができる。放射線源20、30および検出器24、34の連続的な回転(例えば、一定の患者の運動速度でのガントリの連続的かつ一定の回転)に加えて、開示する技術の範囲から逸脱することなく他の変形形態を採用できることが理解されよう。例えば、回転可能なガントリ12および患者支持体は、支持体が回転可能なガントリ12に対して(一定または可変速度で)移動するように制御されるとき、ガントリ12が患者支持体上に支持された患者の周りを前後に(例えば、交互の時計回りの回転および反時計回りの回転)で(上記で説明したように連続的にではなく)回転するように制御することができる。別の実施形態では、連続的なステップアンドシュート円形走査により、長手方向(ステップ)への患者支持体18の移動は、所望の体積がキャプチャされるまで回転可能なガントリ12(シュート)による走査回転と交互になる。撮像装置10は、体積ベースおよび平面ベースの撮像取得が可能である。例えば、様々な実施形態では、撮像装置10を使用して、体積画像および/または平面画像(例えば、撮像源30および検出器34の使用を介して)を取得し、後述する散乱推定/補正方法を含む関連する処理を実行することができる。
【0054】
様々な他のタイプの放射線源および/または患者支持移動を利用して、投影データを生成するための放射線源と患者との相対運動を達成することができる。放射線源および/または患者支持体の非連続的運動、連続的であるが可変/非一定(線形および非線形を含む)の運動、速度、および/または軌道など、ならびにそれらの組み合わせを、上記で説明した放射線療法デバイス10の様々な実施形態との組み合わせを含めて使用することができる。
【0055】
1つの実施形態では、ガントリ12の回転速度、患者支持体18の速度、ビームフォーマ36の形状、および/または検出器34の読み出しはすべて、画像取得中に一定であり得る。他の実施形態では、これらの変数のうちの1つまたは複数は、画像取得中に動的に変化し得る。ガントリ12の回転速度、患者支持体18の速度、ビームフォーマ36の形状、および/または検出器34の読み出しは、例えば、画質および画像取得時間を含む様々な要因のバランスをとるために変更することができる。
【0056】
他の実施形態では、これらの特徴は、例えば、患者設定、適応療法モニタリング、治療計画などを含む1つまたは複数の他の画像ベースの活動または手順と組み合わせることができる。
【0057】
画質には多くの決定要因がある(例えば、撮像源焦点サイズ、検出器ダイナミックレンジなどである)。kV CBCT画質の限界は、散乱である。散乱を低減するために様々な方法を使用することができる。1つの方法は、(散乱をコリメートする)散乱防止グリッド を使用することである。しかし、運動追跡および補正を含むkV撮像システム上に散乱グリッドを実装することは問題となり得る。画像データの品質を向上させるためには、投影データ内の散乱を正確に推定する必要がある。様々な実施形態では、検出器34の一次領域内で取得された投影データ内の散乱は、検出器34のシャドウ領域(および半影領域)内で測定されたデータに基づいて推定することができる。
【0058】
図3は、x線検出器302上への例示的なコリメートされた投影300の概略図である。放射線ビーム308を発している回転式x線源306が示され、この放射線ビームは、x線源がy軸の周りを回転するときにx線源306からの放射を(たとえばターゲットを通るように)向けるように検出器302の一次または中心(C)領域310を露出させている。患者支持体(図示せず)の運動は、上記で説明したように走査の一部として含む、y軸に沿った軸方向(長手方向)であることができる。検出器302はまた、ビームフォーマ/コリメータ320によって放射線ビーム308への直接露出からブロックされる後方(B)シャドウ領域312および前方(F)シャドウ領域314を有する。ビームフォーマ/コリメータ320は、x線源306によって検出器302上に発せられる放射線ビーム308の形状および/または位置を調整するように構成される。シャドウ付き領域312、314は、散乱放射のみを受ける。
【0059】
コリメータ320の開口部は、(患者テーブル方向またはy軸に沿った)軸方向または長手方向における検出器302の後方(B)端部312および前方(F)端部314が直接放射線308で照射されないように構成される。これらの後方(B)312(回転y軸に沿った負の長手方向)および前方(F)314(回転y軸に沿った正の長手方向)のシャドウ領域は、直接放射線を受けないため、散乱測定に利用することができる。例えば、検出器302の読み出し範囲は、1つまたは複数のシャドウ領域312、314内のデータの全部または一部を読み出し、一次領域310内の散乱推定にデータを使用するように構成することができる。一次または中心(C)領域310は、直接投影と散乱の両方を受ける。
【0060】
データ処理システム(例えば、プロセッサ40)は、一次領域310内の測定された投影データおよび少なくとも1つのシャドウ領域312、314内の測定された散乱データを受け取り、次いで、少なくとも1つのシャドウ領域312、314内の測定された散乱データに基づいて一次領域310内の推定される散乱を決定するように構成することができる。いくつかの実施形態では、現在の回転中の一次領域310内の推定される散乱を決定することは、隣接する(前および/または後の)回転中の少なくとも1つのシャドウ領域312、314内の測定された散乱データに基づくことができる。他の実施形態では、(一次領域およびシャドウ領域を境界付ける)半影領域(複数可)からの測定されたデータを散乱推定に使用することもできる。
【0061】
コリメータシャドウフィッティング方法のいくつかの実施形態は、散乱フィッティングのためにコリメータシャドウ領域312、314の両側から大量のデータを使用することができる。シャドウ領域312、314内の大量の散乱データを測定することは、多くの処理時間を消費する可能性があり、信頼性の高い散乱フィッティング(推定)に必ずしも必要ではない。例えば、CBCT走査中、(一次および読み取りシャドウ-領域を含む)検出器読み出し範囲の縮小は、読み出し時間を短縮してより高いフレームレートでの走査を可能にするために望ましくなり得る。しかし、縮小された検出器読み取り範囲が使用され、コリメータシャドウデータフィッティングを使用する散乱推定が適用されるとき、コリメータシャドウ領域312、314内のデータを読み出すために特定の読み出し範囲を依然として割り当てる必要がある。したがって、読み出し時間を短縮するために、一次領域310内の患者データ取得に使用される有効検出器領域は、通常、これらの実施形態では縮小され、それによって有効走査視野が縮小される。その結果、患者の広い軸方向範囲を走査する必要がある場合、追加の円形走査またはヘリカル走査回転が必要とされる。総走査時間が増加し、治療ワークフローおよびスループットが悪影響を受ける。
【0062】
しかし、本明細書に記載の様々な実施形態では、視野(FOV)を縮小する必要性を軽減するために、非対称データフィッティングの使用を散乱推定に使用することができる。例えば、いくつかの実施形態は、コリメータシャドウの一方側からの多量のデータおよびコリメータシャドウの他の側からの最小データを使用し、それにより、散乱フィッティングのためのデータを読み出すために使用される検出器読み出し全範囲は縮小されて、限定された検出器読み出し範囲が使用されるときの走査FOVを効果的に増大させる(または縮小されていない検出器読み出し範囲と比較して走査FOVを維持する)。
これは、非対称散乱フィッティングと呼ぶことができる。
【0063】
図4図7は、様々なシャドウゾーンおよび検出器読み出し範囲を有する走査設計における例示的な検出器の概略図を示す。例示的な検出器は、放射線ビームを発するx線源(図示せず)から放射線を受け取るように配置され、検出器は、読み出し範囲を含む。ビームフォーマ(図示せず)は、x線源によって発せられる放射線ビームの形状(または幅)および位置(中心)を調整するように構成され、それにより、(例えば図3に示すように)、x線検出器の一次領域は放射線ビームに直接露出され、x線検出器の少なくとも1つのシャドウ領域は、ビームフォーマによる放射線ビームへの直接露出からブロックされる。
【0064】
便宜上、x線撮像装置の軸方向(y軸)に沿ってこれらの図のビーム領域および検出器領域を識別するために以下の表記が使用される:Lを検出器中心Cを有する検出器の軸方向長さとし、Lをアパーチャ中心Cを有するビームフォーマによって形成されるアパーチャの軸方向長さをとし、Lを読み出し中心Cを有する検出器読み出し(アクティブ)範囲の軸方向長さとする。ビームを検出器に投影すると、Lに等しい軸方向長さLを有する一次領域、軸方向長さLSBを有する後方シャドウ領域、および軸方向長さLSFを有する前方シャドウ領域が作り出される。軸方向長さLPBを有する後方半影領域および軸方向長さLPFを有する前方半影領域は、一次領域とシャドウ領域との間にある。このようにして、ビームフォーマは、L=LSB+LPB+L+LPF+LSFとなるように放射線ビームを検出器に投影するように構成することができる。さらに、検出器のアクティブ読み出し領域は、シャドウ付き領域の一部のみが読み取られる(アクティブである)ように制御/構成することができ、この場合、アクティブ後方シャドウ領域は軸方向長さLを有し、アクティブ前方シャドウ領域は軸方向長さLを有する。
【0065】
図4は、対称的なシャドウ読み出し領域を有する例示的なビームおよび検出器構成400の図である。この構成では、検出器402が示され、アパーチャ中心Cおよび読み出し中心Cは検出器中心Cと位置合わせされている。ここで、アクティブ後方シャドウ領域Lとアクティブ前方シャドウ領域Lの長さは等しく、検出器402上で対称である。
【0066】
上記で論じたように、読み出し時間、走査速度、線量などを最適化するために、様々な実施形態は、非対称シャドウ領域およびそれらに関連する測定値を利用することができ、この場合読み出し範囲Lの読み出し中心Cは、一次領域L(L)のアパーチャ中心Cからオフセットされる。このオフセットは、検出器上のビームの形状(サイズ/位置)を変更することによって、および/または検出器読み出し(アクティブ)領域のサイズ/位置を変更することによって作り出すことができる。最適化されたまたは縮小された読み出し範囲Lに対応するために、図5図7は、読み出し範囲Lの読み出し中心Cが一次領域Lのアパーチャ中心Cからオフセットされ、それによってアクティブ(読み取り)シャドウ領域L、Lは等しくないが、散乱フィッティングおよび推定には十分である、例示的な実施形態を示している。
【0067】
1つの実施形態では、図5は、非対称シャドウ読み出し領域を有する例示的なビームおよび検出器構成500の図である。この実施形態では、読み出し範囲Lを縮小することができるが、読み出し中心Cは検出器502の検出器中心Cと位置合わせされている。本実施形態では、ビームフォーマは、一次領域Lのアパーチャ中心Cが読み出し中心Cからオフセットされるように、検出器502上に入射する放射線ビームの形状を調整することができる。オフセットの量は、軸方向長さLで示されている。この構成では、アクティブ後方シャドウ領域Lとアクティブ前方シャドウ領域Lとは非対称になる。ここでは、アクティブ後方シャドウ領域Lは、アクティブ前方シャドウ領域Lよりも大きな軸方向長さで示されている。他の実施形態では、アパーチャ中心Cを反対方向にオフセットすることができ、この場合LはLよりも大きく、同様の効果を有する。一方または両方のシャドウ読み出し領域L、Lを散乱フィッティングに使用することができる。
【0068】
別の実施形態では、図6は、非対称シャドウ読み出し領域を有する別の例示的なビームおよび検出器構成600の図である。この実施形態では、読み出し範囲Lを縮小することができ、このとき読み出し中心Cは検出器602の検出器中心Cからオフセットされている。この実施形態では、一次領域Lのアパーチャ中心Cは、検出器中心Cと位置合わせされる。オフセットの量は、軸方向長さLで示されている。この構成では、アクティブ後方シャドウ領域Lとアクティブ前方シャドウ領域Lとは非対称になる。ここでは、アクティブ後方シャドウ領域Lは、アクティブ前方シャドウ領域Lよりも大きな軸方向長さで示されている。他の実施形態では、読み出し中心Cを反対方向にオフセットすることができ、この場合LはLより大きく、同様の効果を有する。一方または両方のシャドウ読み出し領域L、Lを散乱フィッティングに使用することができる。
【0069】
別の実施形態では、図7は、非対称シャドウ読み出し領域を有する別の例示的なビームおよび検出器構成700の図である。この実施形態では、読み出し範囲Lを縮小することができ、このとき読み出し中心Cおよびアパーチャ中心Cの両方は、検出器702の検出器中心Cからオフセットされている。読み出し中心Cとアパーチャ中心Cとの間の正味のオフセットの量は、軸方向長さLで示されている。この構成では、アクティブ後方シャドウ領域Lとアクティブ前方シャドウ領域Lとは非対称になる。ここでは、アクティブ後方シャドウ領域Lは、アクティブ前方シャドウ領域Lよりも大きな軸方向長さで示されている。他の実施形態では、読み出し中心Cおよびアパーチャ中心Cは、反対方向に、または反対のそれぞれのオフセットでオフセットすることができ、この場合LはLよりも大きく、同様の効果を有する。一方または両方のシャドウ読み出し領域L、Lを散乱フィッティングに使用することができる。
【0070】
これらの実施形態のいずれかでは、x線撮像装置(例えば、撮像装置10)は、データ処理システム(例えば、プロセッサ40)を含むことができ、データ処理システムは、一次領域L内の測定された投影データおよび少なくとも1つのシャドウ領域L、L内の測定された散乱データを受け取り、少なくとも1つのシャドウ領域L、L内の測定された散乱データに基づいて一次領域L内の推定される散乱を決定するように構成される。いくつかの実施形態では、データ処理システムは、少なくとも1つの半影領域LPF、LPB内の測定された半影データを受け取り、少なくとも1つの半影領域LPF、LPB内の測定された半影データに基づいて一次領域L内の推定される散乱を決定するように構成することもできる。
【0071】
撮像設計は、様々な他の撮像考慮事項(例えば、読み出し速度、走査速度、散乱推定アルゴリズム/プロトコル、機械制約などを含む)の最適化と共に、読み出し範囲L内の一次領域Lのサイズおよび少なくとも1つのシャドウ領域L、Lのサイズの最適化を含むことができ、その結果、非対称のシャドウ領域構成をもたらす。上記で述べたように、様々な実施形態において、領域L、L、および/またはLの所望のサイズは、例えば、検出器(例えば、x線検出器34)の読み出し中心Cに対してアパーチャ中心rCを調整するために並進および/または回転することができるデバイスを介して、検出器上に可変ビーム幅を作り出す能力を有するコリメータ(例えば、ビームフォーマ36)を使用して実施することができる。いくつかの実施形態では、領域L、L、および/またはLの所望のサイズは、ハードウェアおよび/またはソフトウェアを介して、別個に、またはコリメータと組み合わせて、検出器読み出し制御(例えば、サイジングおよび位置決め)を使用して実施することができる。
【0072】
例えば、図8は、例示的な狭いコリメータ開口部を使用して検出器802上に投影された例示的な肺ファントム804の図800である。中央領域は、放射線ビームに露出された肺ファントム804であり、左右の黒い領域はコリメータシャドウ806である。黒点808は、ファントム804の直前のリードビーズである。この構成では、検出器802は、アパーチャ中心Cを有して示されている。ビームアパーチャを検出器上に投影すると、軸方向長さLを有する一次領域、軸方向長さLSBを有する後方シャドウ領域、および軸方向長さLSFを有する前方シャドウ領域が作り出される。
【0073】
図9および図10は、図8に示す検出器802平面内の例示的な肺ファントム804を横切る線A-Aに沿ったデータプロファイルを有する撮像設計900、1000を示す。データプロファイルの水平軸は、検出器802平面上の画素位置である。データプロファイルの垂直軸は、線A-Aに沿った各ピクセルの測定データのプロットを表す。プロットの左側の後方シャドウLSBの範囲は、散乱推定(フィッティング)に利用可能な左のコリメータシャドウ領域内のデータの範囲を示している。プロットの右側の前方シャドウLSF範囲は、散乱推定に利用可能な右のコリメータシャドウ領域内のデータの範囲を示している。検出器802の電位読み出し範囲Lは、読み出し中心Cと共に示されている。検出器802の読み出し範囲L外のデータは読み出されず、したがって使用できない。限定された検出器読み出し範囲では、コリメータ開口部が同じままである場合、散乱フィッティングに使用できるデータを減らす必要がある。
【0074】
図9は、対称的なシャドウ読み出し領域を有する図8に示す検出器802平面内の例示的な肺ファントム804を横切る線A-Aに沿ったデータプロファイルを有する撮像設計900の図である。この構成では、検出器802が示され、このときアパーチャ中心Cは読み出し中心Cと位置合わせされている。ここでは、検出器802の読み出し範囲Lは、軸方向長さLを有する一次領域と共に示されている。アクティブ後方シャドウ領域Lとアクティブ前方シャドウ領域Lの長さは等しく、検出器802上で対称である。この実施形態では、LおよびLは、十分な散乱推定に必要な典型的なシャドウ領域サイズを表す。
【0075】
しかし、上記で論じたように、例えば、読み出し時間を短縮するために、様々な実施形態は、検出器802の縮小された読み出し範囲Lを含み、非対称シャドウ領域を利用することができ、この場合読み出し範囲Lの読み出し中心Cは、一次領域L(L)のアパーチャ中心Cからオフセットされる。例えば、図10は、非対称シャドウ読み出し領域を有する図8に示す検出器802の平面内の例示的な肺ファントム804を横切る線A-Aに沿ったデータプロファイルを有する撮像設計1000の図である。ここでは、検出器802の読み出し範囲L’は、図9に示す読み出し範囲Lに対して縮小されるが、一次領域軸方向長さL(FOV)は、維持される。アクティブ後方シャドウ領域Lの軸方向の長さも、散乱推定のために維持される。縮小された読み出し範囲L’および同じ一次領域Lに対応するために、アクティブ前方シャドウ領域L’は、図9のアクティブ前方シャドウ領域Lと比較して縮小される。その結果、読み出し中心C’は、Lだけアパーチャ中心C(および図9の読み出し中心C)からオフセットされる。この実施形態では、アクティブ後方シャドウ領域Lとアクティブ前方シャドウ領域L’の長さは等しくない(非対称である)が、散乱フィッティングおよび推定には十分である。
【0076】
様々な実施形態では、アパーチャ中心Cと読み出し中心Cとの間のオフセットLは、上記で説明したように、検出器上のビームの形状(サイズ/位置)を変更することによって(例えば、検出器上のビームのアパーチャ中心Cをシフトさせることによって)、および/または検出器読み出し(アクティブ)領域Lのサイズ/位置を変更することによって作り出すことができる。
【0077】
別の例では、図11は、例示的なコリメータ開口部を使用して検出器1102上に投影された例示的な肺ファントム1104の図1100である。中央領域は、放射線ビームに露出された肺ファントム1104であり、左右の黒い領域は、コリメータシャドウ1106である。黒点1108は、ファントム1104の直前のリードビーズである。この構成では、検出器1102は、アパーチャ中心Cと共に示されている。ビームアパーチャを検出器上に投影すると、軸方向長さLを有する一次領域、軸方向長さLSBを有する後方シャドウ領域、および軸方向長さLSFを有する前方シャドウ領域が作り出される。後方シャドウLSB範囲および前方シャドウLSF範囲は、散乱推定に利用可能なコリメータシャドウ内のデータの範囲を示す。
【0078】
図12および図13は、それぞれ対称散乱フィッティングおよび非対称散乱フィッティングを示し、実験データは、図11に示す検出器1102の平面内の例示的な肺ファントム1104を横切る線A-Aに沿ったデータプロファイルに適用された、開示する非対称散乱フィッティングの有効性を示している。データプロファイルの水平軸は、検出器1102平面上のピクセル位置であり、データプロファイルの垂直軸は、線A-Aに沿った各ピクセルの測定されたデータのプロットを表す。
【0079】
図12は、対称シャドウ読み出し領域を有する、図11に示す検出器1102の平面内の例示的な肺ファントム1104を横切る線A-Aに沿ったデータプロット1200である。ここで、検出器1102の読み出し範囲Lは、軸方向長さLを有する一次領域と共に示されており、アクティブ後方シャドウ領域Lとアクティブ前方シャドウ領域Lは長さにおいて等しく、対称的である。この実施形態では、LおよびLは、十分な散乱推定に使用される典型的なシャドウ領域サイズを表す。
【0080】
図13は、非対称シャドウ読み出し領域を有する、図11に示す検出器1102の平面内の例示的な肺ファントム1104を横切る線A-Aに沿ったデータプロット1300である。ここでは、検出器1102の読み出し範囲L’は、図12に示す読み出し範囲Lに対して縮小されるが、一次領域軸方向長さL(FOV)は、維持される。アクティブ後方シャドウ領域Lの軸方向の長さも、散乱推定のために維持される。縮小された読み出し範囲L’および同じ一次領域Lに対応するために、アクティブ前方シャドウ領域L’は、図12のアクティブ前方シャドウ領域Lと比較して縮小される。
【0081】
測定されたデータ線1210は、肺ファントム1104のコリメータシャドウLSB、LSF内に延長された検出器1102上の照射領域を横切る線A-Aに沿った線プロファイルである。測定されたデータ線1210の端部のテールは、コリメータシャドウLSB、LSF内にある。測定されたデータ線1210内のディップは、x線がファントム1104の直前でリードビーズアレイ1108によってブロックされた小さなシャドウ付き領域である。
【0082】
散乱線1220、1320は、それぞれ図12および図13内のフィッティングされた(推定された)散乱である。測定されたデータ線1210と(図ではブロック矢印によって識別される)散乱線1220、1320との重なり部分は、散乱フィッティングに使用されるコリメータシャドウLおよびL、L’からのデータを示す。リードビーズ1108シャドウ内の測定されたデータ1210は、(リードビーズ1108の浸透によって相殺された後の)フィッティングされた散乱の基準として使用される。図12および図13の実験データによって示すように、散乱線1220、1320は両方とも、プロット1200、1300内のリードビーズ1108シャドウのディップに触れる。この証拠は、測定された同じデータ1210に適用された対称散乱フィッティング/推定値1220と比較した場合の非対称散乱フィッティング/推定値1320の有効性を裏付けている。
【0083】
様々な実施形態では、アパーチャ中心と読み出し中心との間のオフセットは、上記で説明したように、検出器上のビームの形状(サイズ/位置)を変更することによって(例えばビームのアパーチャ中心をシフトすることによって)および/または検出器読み出し(アクティブ)領域のサイズ/位置を変更することによって作り出すことができる。
【0084】
図10および図13には示さないが、(例えば、図4図7にLPBおよびLPFとして示すように、一次領域とシャドウ領域とを境界付ける)半影領域を様々な実施形態に利用することができる。非対称の実施態様では、コリメータの2つの側が体系的に異なる半影を有する場合、片影の幅が大きい方の側部が、シャドウ領域の縮小により適し得る(例えば、図10および図13に示すL’)。
【0085】
非対称散乱フィッティングの極端な実施態様では、一方の側からのコリメータシャドウのみが読み取られ、検出器領域は他方の側からのコリメータシャドウを読み取るために使用されない。通常、散乱フィッティングは、片側のコリメータシャドウからのデータしかない場合には機能しない。この実施形態では、撮像設計は二重走査を実施し、この場合検出器読み出し範囲は、第1の走査中に一方の側のコリメータの半影部においてカットオフされ、第2の走査中にコリメータの他方の側の半影部においてカットオフされる。第1の走査は、一方の側から利用可能なコリメータシャドウデータを含み、第2の走査は、他方の側からの利用可能なコリメータシャドウデータを含む。
【0086】
例えば、1つの実施形態では、第2の走査は、他方の側のコリメータシャドウが読み取られるように、検出器読み出し領域に対するコリメータ開口部内のシフトを含むことができる。これらの実施形態では、第1の走査における一方の側からのコリメータシャドウデータと第2の走査における他方の側からのコリメータシャドウデータとを組み合わせることによって、十分なコリメータシャドウデータが得られ、散乱推定に利用可能である。この設計は、検出器読み出し範囲が各走査中にコリメーションの一方の側の半影範囲においてカットオフされて、有用な走査FOVを最大化することを可能にする。利用可能なデータを組み合わせることにより、従来のコリメータシャドウフィッティング方法と同様に信頼性の高い散乱推定を提供することができる。
【0087】
例えば、図14および図15は、図8に示す検出器802平面内の例示的な肺ファントム804を横切る線A-Aに沿ったデータプロファイルを有する撮像設計1400、1500を示す。上述したように、プロットの左側の後方シャドウLSBの範囲は、散乱推定(フィッティング)に利用可能な左コリメータのシャドウ領域内のデータの範囲を示している。プロットの右側の前方シャドウLSF範囲は、散乱推定に利用可能な右のコリメータシャドウ領域内のデータの範囲を示している。検出器802の縮小された読み出し範囲Lが示され、このとき読み出し中心Cはアパーチャ中心CからオフセットLだけオフセットされている。
【0088】
図14は、非対称シャドウ読み出し領域を有する、二重走査の第1の走査として働く例示的な肺ファントム804を横切る線A-Aに沿ったデータプロファイルを有する撮像設計1400の図である。この設計1400では、読み出し範囲L=L(+LPB)+L(+LPF)であり、この場合LPBおよびLPFは半影領域であり、以下に論じるように、特定の実施形態で使用することができる。このようにして、散乱推定データのために1つのシャドウ領域Lのみが(読み出し範囲L内の一次領域Lと共に)読み出される。図15は、非対称シャドウ読み出し領域を有する、二重走査の第2の走査として働く例示的な肺ファントム804を横切る線A-Aに沿ったデータプロファイルを有する撮像設計1500の図である。この設計1500では、読み出し範囲は、L=(LPB+)L(+LPF)+Lである。このようにして、散乱推定用データのために、反対側のシャドウ領域Lのみが読み出される。
【0089】
1つの実施形態では、コリメータアパーチャ中心Cを検出器読み出し範囲Lの読み出し中心Cに対してシフトさせることにより、二重走査方法において検出器上の有効データ取得領域を最大化(最適化)することができる。(例えば、図14に示すような)第1の走査では、左コリメータシャドウ領域Lは、検出器読み出し範囲Lと重なり、散乱フィッティングのための左データを提供するが、検出器読み出し範囲Lは右半影LPF と位置合わせ(右半影においてカットオフ)されている(その理由は、この半影領域は汚染されており、CT再構成のための統計データを少なくとも減らしているためである)。第2の走査(例えば、図15に示すように)では、コリメータ(およびそのアパーチャ中心C)は、検出器およびその読み出し範囲Lに対して調整される(例えば、シフトされる)。検出器読み出し範囲Lは、左半影LPBと位置合わせし(左半影においてカットオフされ)、右コリメータシャドウLと重なって散乱フィッティングに十分なデータを提供する。左および右のシャドウ領域からのデータを組み合わせることにより、一次領域の左および右の両方からの十分な散乱データが正確な散乱フィッティングに利用可能である。
【0090】
この二重設計の実施形態では、第1の走査および第2の走査が異なる線量(例えば、mA)を使用する場合、2つの走査からのコリメータシャドウデータを、散乱フィッティングおよび/または再構成プロセスの前またはその間にそれに応じてスケーリングまたは重み付けすることができる。さらに、一次領域内の測定された投影データを、各走査の線量に関連するスケーリング/重み付けを用いて推定された散乱を使用して、走査ごとに別々に再構成することができる。また、いくつかの実施形態では、2つの走査からのデータを、例えば、再構成前または再構成中にデータを結合することによって一緒に再構成することができ、一方で推定された散乱は、それに応じて散乱補正に使用される。
【0091】
1つの実施形態では、測定された投影データ内の推定される散乱を決定するステップは、走査中の線量間の差に基づいて少なくとも1つのシャドウ領域内の測定された散乱データをスケーリングすることを含む。別の実施形態では、測定された投影データ内の推定される散乱を決定するステップは、走査中の線量間の差に基づいて第1の走査または第2の走査からの測定された投影データをスケーリングすることを含む。
【0092】
コリメータ(例えば、LPBおよびLPF)に関連する半影領域は、通常、従来のCTまたはCBCT走査では使用されない。典型的には、ビームコリメータの各側の半影領域は、通常、増幅率を乗じた線源の焦点のサイズにほぼ等しい検出器範囲をカバーする。散乱推定をより正確にするために、コリメータ/ビームフォーマの半影領域を除外することができる。1つの実施形態では、これは、各投影の軸方向プロファイルを自動的に検出し、次いで軸方向の所定のピクセル数を除外することによって達成することができる。別の方法は、異なる窓および走査構成について事前に実験を実行し、半影領域を考慮して散乱測定のための後方領域および前方領域を事前定義することである。
【0093】
しかし、いくつかの実施形態では、非対称散乱推定技術は、半影領域(例えば、LPBおよび/またはLPF)内の散乱を推定し、得られた散乱を、コリメータアパーチャLに対応する一次領域L内の散乱推定に使用することができる。これらの実施形態は、正確な散乱フィッティング/モデル化のためにコリメータシャドウ領域(例えば、Lおよび/またはL)内で必要とされる必要なデータを低減し、その結果、所与の検出器読み出し範囲Lに対する有効走査FOV(L)の増大を可能にする。1つの実施形態では、より小さいシャドウ領域読み出しを有するコリメータ側は、より大きい半影部を有する側である。
【0094】
このようにして、半影領域(複数可)(例えば、LPBおよび/またはLPF)内で測定された散乱をモデル化し、コリメータ開口部に対応する一次領域(例えば、L)内の散乱推定のためのデータとして使用することができる。これにより、散乱フィッティングのための(半影部を超えた)コリメータシャドウ領域内に必要とされるデータ量を減らして、検出器読み出し範囲L内のより多くの領域を一次領域L(患者走査データのFOV)に使用することを可能にすることができる。
【0095】
例えば、空気中の半影部を正確に測定しマッピングすることができる場合(Pmap)、半影部内の散乱を推定することができる。1つの実施形態では、画像の第1の再構成は、散乱補正なしで実行される。半影領域への推定投影が計算され(Pp)、半影部に隣接する画素の開口部内への推定投影(Po)も計算される。開口部内への半影部に隣接する画素内の測定された投影データ(PoM)が、半影マップ(PM)によってスケーリングされ、変調されて、半影部内の変調された一次値(P_primary)およびPoM内の散乱(Po_scatter)である以下の値を推定する、式中
【数1】
である。
【0096】
ここで、
【数2】
は変調を表し、これは例えば単純なピクセル単位の乗算とすることができる。半影部内の測定された値は、以下の通りである。
【数3】
【0097】
半影領域内の散乱および開口内への半影部に隣接する画素が同じであると仮定すると、半影部内の散乱と、測定された半影値と、コリメータ開口内への半影部に隣接する画素の値の間の関係は、以下の関係となる。
【数4】
【0098】
半影変調に単純なピクセル単位の乗算を使用する場合、半影部内の散乱は、以下の通りである。
【数5】
【0099】
1つの実施形態では、反復手法を適用して、上記の技術の精度を改善することができる。例えば、コリメータシャドウ内で測定された散乱からフィッティングされた散乱と、半影部から推定された散乱とを用いて、第1の散乱補正後に上記のプロセスを実行することができる。この結果、半影部内の散乱のより正確な推定をもたらすことができ、ひいてはより正確な散乱推定を可能にする。
【0100】
別の実施形態では、半影部内の得られた散乱を使用する散乱フィッティングは、コリメータシャドウからのデータおよび半影部からのデータに対して異なる重み付けを有することができる。
【0101】
様々な技術および方法は、異なる走査形状、検出器の位置決め、および/またはビームフォーマ窓形状を利用することができる。いくつかの実施形態では、検出器はまた、横方向にオフセットされ得る。
【0102】
以下のフローチャートおよびブロック図は、上記で説明したシステムによる散乱推定に関連する例示的な構成および方法を示す。例示的な方法論は、論理、ソフトウェア、ハードウェア、またはそれらの組み合わせにおいて実施することができる。加えて、手順および方法をある順序で提示しているが、ブロックは、直列および/または並列を含む異なる順序で実行されてもよい。したがって、撮像、画像ベースの送達前ステップ、および治療送達を含む以下のステップは、連続的に示されているが、リアルタイムを含めて同時に実行されてもよい。さらに、追加のステップまたはより少ないステップを使用することができる。
【0103】
図16は、上記で説明したような非対称走査設計を使用した散乱推定および補正の例示的な方法1600を示すフローチャートである。入力は、任意のオプションの事前データおよび/または走査設計を含むことができる。この実施形態では、ステップ1610は、データ取得を含む。例えば、コリメートされた放射線ビームをターゲットおよび放射線検出器に向かって投影する放射線源の回転中、方法は、放射線検出器の中央(一次)領域内の投影データ(一次+散乱)を測定し、検出器の前方シャドウ周辺領域および/または後方シャドウ周辺領域を使用して散乱を測定する。これらの実施形態では、上記で説明した実施形態のいずれかによれば、一次領域のアパーチャ中心は、走査中、読み出し範囲の読み出し中心からオフセットされ、それにより、前方および後方シャドウ領域は、(1つのみのシャドウ領域が使用される場合を含んで)非対称となる。
【0104】
ステップ1610におけるデータ取得はまた、走査前および/または走査中にビームフォーマを用いて放射ビームの形状/位置を調整することを含むことができる。ビームフォーマで放射線ビームを調整するステップは、走査中にビームフォーマの高度にx線減衰された材料を回転および並進させて、放射線がシャドウ領域を直接露出するのをブロックすることを含むことができる。ステップ1610はまた、読み出し範囲を調整すること(アクティブ領域をシフトすることを含む)を含むことができる。放射ビームおよび/または読み出し範囲の調整は、一次領域のアパーチャ中心およびx線検出器の読み出し中心をオフセットすることによって非対称のシャドウ領域を作り出すために使用することができる。
【0105】
次に、ステップ1620は、散乱推定を含む。例えば、上記で説明した実施形態のいずれかによれば、方法は、シャドウ領域(複数可)および/または半影領域(複数可)からの散乱測定値を使用して、中央(一次)領域から投影データ内の散乱を推定する。次に、ステップ1630は、散乱補正を含む。例えば、ステップ1620から推定された散乱を投影データから差し引いて、散乱補正された投影データを得る。出力は、撮像に適した散乱補正された投影データを含む。様々な実施形態は、異なる走査形状、検出器の位置決め/アクティブ領域、ビームフォーマの位置決め/窓形状などを利用することができる。
【0106】
図17は、上記で説明したようなものなどの第1および第2の走査を有する非対称走査設計を使用した散乱推定および補正の例示的な方法1700を示すフローチャートである。入力は、任意のオプションの事前データおよび/または走査設計を含むことができる。この実施形態では、ステップ1710は、第1の走査中のデータ取得を含み、この場合方法は、放射線検出器の中央(一次)領域内の投影データを測定し、検出器の第1のシャドウ領域内の散乱を測定する。次に、ステップ1720において、本方法は、第1の走査と第2の走査との間で放射ビームの位置を調整する。例えば、ステップ1720は、第1の走査中に第1のシャドウ領域が検出器読み出し範囲の第1の側と重なり、第2の走査中に第2のシャドウ領域が読み出し範囲の第2の側と重なるようにビームを調整することができる。次に、ステップ1730は、第2の走査中のデータ取得を含み、方法は、放射線検出器の中央(一次)領域内の投影データを測定し、検出器の第2のシャドウ領域の散乱を測定する。次に、ステップ1740において、方法は、様々なモデルフィッティング技術の使用を含んで、第1および第2のシャドウ領域からの測定された散乱データを組み合わせることができる。いくつかの実施形態では、ステップ1740は、スキップされるか、またはステップ1750と組み合わされてもよい。
【0107】
次に、ステップ1750は、散乱推定を含み、この場合方法は、第1および第2のシャドウ領域からの散乱測定値を使用して、中央(一次)領域からの投影データ内の散乱を推定する。次に、ステップ1760は、散乱補正を含み、方法は、推定された散乱を投影データから減算して、散乱補正された投影データを得る。出力は、撮像に適した散乱補正された投影データを含む。方法1600のステップと同様に、方法1700のステップは、上記で説明した実施形態のいずれかに従って実施することができる。
【0108】
1つまたは複数の最適化プロセスはまた、ビーム位置決めを決定し、読み出し範囲を決定し、散乱を推定するなどのために、上記の実施形態のすべてに適用可能である。例えば、1つの実施形態では、図18は、上記で説明したようなものなどの非対称走査設計を最適化する例示的な方法1800を示すフローチャートである。最適化中の1つの制約および/または目標は、ターゲットとなるまたは短縮された読み出し時間であり得る。上記で論じたように、(一次シャドウ領域および読み出しシャドウ領域を含む)検出器読み出し範囲を縮小することにより、読み出し時間を短縮して、より高いフレームレートでの走査を可能にすることができる。しかし、縮小された検出器読み取り範囲が使用され、コリメータシャドウデータフィッティングを使用する散乱推定が適用されるとき、コリメータシャドウ領域内のデータを読み出すために最小またはターゲットとなる読み出し範囲を割り当てる必要があり得る。総走査時間、治療ワークフロー、および/またはスループットは、追加の要因であることができる。ステップ1810は、ビーム位置決めを決定することを含む。ステップ1820は、検出器読み出し範囲を決定することを含む。いくつかの実施形態では、ステップ1810または1820は任意選択として、最適化を他の変数に限定してもよい。他の実施形態では、ステップ1810および1820は、特定の順序で、同時に、および/または反復して実行され得る。例えば、設計を最適化するために反復的であることを含んで、最初の最適化された設計に到達するために1つのステップを実行することができ、次いで他のものを考慮して他のステップを実行することができる。次に、ステップ1830において、走査設計を上記で説明したように実施することができる。
【0109】
図19は、(撮像装置10などを含む)放射線療法デバイスを使用するIGRTの例示的な方法1900を示すフローチャートである。患者の事前画像データ1905を使用することができ、この事前画像データは、事前CT画像を含む事前に取得された計画画像であり得る。事前データ1905はまた、治療計画、ファントム情報、モデル、事前情報などを含むことができる。いくつかの実施形態では、事前画像データ1905は、同じ放射線療法デバイスによって、しかしより早い時点で生成される。ステップ1910において、患者の撮像は、低エネルギー放射線源(例えば、x線源30からのkV放射)を使用して実行される。1つの実施形態では、撮像は、ファンまたはコーンビーム幾何学的形状を有するヘリカル走査を含む。ステップ1910は、上記で説明した散乱推定および補正技術を使用して、高品質(HQ)画像(複数可)または撮像データ1915を生成することができる。いくつかの実施形態では、画質/解像度と線量との間のバランスを最適化するために画質を調整することができる。換言すれば、すべての画像が最高品質である必要はなく、または画質/解像度と画像取得時間との間のバランスを最適化またはトレードオフするように画質を調整することができる。撮像ステップ1910はまた、(例えば、上記で説明した方法に従って)撮像データに基づいて患者画像を生成するための画像処理を含むことができる。画像処理ステップ1920は撮像ステップ1910の一部として示されているが、いくつかの実施形態では、画像処理ステップ1920は、画像処理が別個のデバイスによって実行される場合を含んで、別個のステップである。
【0110】
次に、ステップ1930において、ステップ1910からの撮像データ1915に少なくとも部分的に基づいて、後で論じる1つまたは複数の画像ベースの送達前ステップが、実行される。以下により詳細に論じるように、ステップ1930は、治療的処置および(その後の)撮像計画に関連する様々なパラメータを決定することを含むことができる。いくつかの実施形態では、画像ベースの送達前ステップ(1930)は、治療送達(1940)の前により多くの撮像(1910)を必要とし得る。ステップ1930は、適応放射線療法ルーチンの一部として撮像データ1915に基づいて治療計画を適合させることを含むことができる。いくつかの実施形態では、画像ベースの送達前ステップ1930は、リアルタイム治療計画を含むことができる。実施形態はまた、撮像放射線源および治療用放射線源の同時、重複および/または交互のアクティブ化を含むことができる。リアルタイム治療計画は、これらのタイプの撮像および治療用放射線アクティブ化技術(同時、重複、および/または交互)のいずれかまたはすべてを伴うことができる。
【0111】
次に、ステップ1940において、治療的処置送達が、高エネルギー放射線源(例えば、治療用放射線源20からのMV放射線)を使用して実行される。ステップ1940は、治療計画に従って患者に治療線量1945を送達する。いくつかの実施形態では、IGRT方法1900は、様々な間隔における追加の撮像のためにステップ1910に戻り、必要に応じて画像ベースの送達前ステップ(1930)および/または治療送達(1940)が続くことを含むことができる。このようにして、高品質の撮像データ1915は、適応療法が可能な1つの装置10を使用してIGRT中に生成され、利用され得る。上述したように、ステップ1910、1920、1930、および/または1940は、同時に、重複して、および/または交互に実行され得る。
【0112】
IGRTは、少なくとも2つの概括的な目標を含むことができる:(i)目標体積に高度に共形の線量分布を送達すること、および(ii)すべての治療フラクション全体にわたって高精度で治療ビームを送達すること。第3の目標は、フラクション当たりの時間をできるだけ短くして2つの概括的な目標を達成することであることができる。治療ビームを正確に送達するには、高品質の画像を用いてターゲット体積イントラフラクションの場所を識別し、および/または追跡する能力が必要になる。送達速度を高める能力には、治療計画に従って放射線源を正確に、精度高く、かつ迅速に移動させる能力が必要である。
【0113】
図20は、上記のステップ1930に関連付けられ得る例示的な画像ベースの送達前ステップ/オプションを示すブロック図2000である。上記で説明した撮像装置10(例えば、放射線療法デバイスの一部として)は、本発明の範囲から逸脱することなく、画像ベースの送達前ステップ(1930)を含む様々な方法で使用することができるkV画像を生成できることが理解されよう。例えば、放射線療法デバイスによって生成された画像1915を使用して、治療前に患者を位置合わせすることができる(2010)。患者の位置合わせは、現在の撮像データ1915を、治療計画を含む以前の治療前走査および/または計画に関連する撮像データと相関させるか、またはこれと位置合わせすることを含むことができる。患者の位置合わせはまた、患者が物理的に送達システムの範囲内にあるかどうかを検証するために、放射線源に対する患者の物理的位置に関するフィードバックを含むことができる。必要に応じて、患者をそれに応じて調整することができる。いくつかの実施形態では、患者の位置合わせ撮像は、投与量を最小限にしながらも適切な位置合わせ情報を提供するために意図的に品質が低くてもよい。
【0114】
撮像装置10によって生成された画像は、治療計画または再計画(2020)に使用することもできる。様々な実施形態では、ステップ2020は、治療計画を確認すること、治療計画を修正すること、新しい治療計画を生成すること、および/または(「当日計画」と呼ばれることもある)治療計画のセット から治療計画を選択することを含むことができる。例えば、撮像データ1915が、ターゲット体積またはROIが治療計画が策定されたときと同じであることを示す場合、治療計画を確認することができる。しかし、ターゲット体積またはROIが同じでない場合、治療的処置の再計画が必要であり得る。再計画の場合、(ステップ1910でx線撮像装置10によって生成された)撮像データ1915の品質が高いため、撮像データ1915を治療計画または再計画(例えば、新しいまたは修正された治療計画を生成すること)に使用することができる。このように、異なるデバイスを介した治療前CT撮像は、不要である。いくつかの実施形態では、確認および/または再計画は、様々な治療の前および/または後の進行中の手順であってもよい。
【0115】
別の例示的な使用ケースによれば、撮像装置10によって生成された画像を使用して撮像線量(2030)を計算することができ、この撮像線量を患者への総線量の継続的な決定および/またはその後の撮像計画に使用することができる。後続の撮像の品質もまた、例えば、品質と線量とのバランスをとるために、治療計画の一部として決定され得る。別の例示的な使用ケースによれば、撮像装置10によって生成された画像を使用して治療線量(2040)を計算することができ、この治療線量を患者への総線量の継続的な決定に使用することができ、および/または治療計画または再計画の一部として含めることができる。
【0116】
他の例示的な使用ケースによれば、撮像装置10によって生成された画像を、例えば適応療法および/または治療計画生成の一部として含んで、他の撮像(2050)および/または他の治療(2060)のパラメータまたは計画を計画するか、または調整することに関連して使用することができる。別の例示的な使用ケースによれば、撮像装置10によって生成された画像を、治療送達の監視および必要に応じた適応を含むことができる適応療法モニタリング(2070)に関連して使用することができる。
【0117】
画像ベースの送達前ステップ(1930)は相互に排他的ではないことを理解されたい。例えば、様々な実施形態では、治療線量を計算すること(2040)は、それ自体でステップであることができ、および/または適応療法モニタリング(2070)および/または治療計画(2020)の一部であることができる。様々な実施形態では、画像ベースの送達前ステップ(1930)は、自動的におよび/または人間の関与によって手動で実行することができる。
【0118】
画像放射の調整可能なコリメーションならびに散乱推定および補正スキームを含む上記で説明したデバイスおよび方法は、散乱推定を改善し、その結果、CBCTのような従来の治療中の撮像システムよりも高品質のkV生成画像を生じさせる。
【0119】
図21は、撮像(1910)および/または後続の画像ベースの送達前ステップ(1930)中に利用され得る例示的なデータ源を示すブロック図2100である。検出器データ2110は、画像放射線検出器34によって受け取られたデータのすべてを表す。投影データ2120は、上記では一次または中央領域と呼ばれるコリメートされたビーム領域内に入射する放射線によって生成されたデータである。半影データ2130は、半影領域内に入射する放射線によって生成されたデータである。散乱データ2140は、上記ではシャドウ領域(複数可)と呼ばれる、半影領域の外側の周辺領域内に入射する放射線によって生成されたデータである。
【0120】
1つの実施形態では、半影データ2130を使用して、投影および/または散乱データを分離または識別することができる。上記で詳細に説明したように、散乱データ2140を使用して投影データ2120内の散乱放射を推定することができる。別の実施形態では、散乱データ2140を使用して、2つの線源20、30が同時にまたはインターリーブ式に動作されるときの治療用放射線源20(例えば、MV)からの散乱の残留効果を決定することができる。
【0121】
このようにして、半影データ2130および/または散乱データ2140を利用して、撮像ステップ1910によって生成された画像の品質を改善することができる。いくつかの実施形態では、半影データ2130および/または散乱データ2140は、投影データ2120と組み合わせることができ、および/または適用可能な撮像設定2150、治療設定2160(例えば、同時の撮像および治療放射線の場合)、および撮像検出器34でのデータ収集時に撮像装置10に関連する任意の他のデータ2170を考慮して分析することができる。他の実施形態では、データは、治療計画ステップ1930に使用されてもよい。
【0122】
開示する技術を特定の態様、実施形態または複数の実施形態に関して示し、説明してきたが、本明細書および付属の図を読んで理解すると、同等の変更および改変が当業者に思い浮かぶことは明らかである。特に、上記で説明した要素(構成要素、アセンブリ、デバイス、部材、組成物など)によって実行される様々な機能に関して、そのような要素を説明するために使用される用語(「手段」と呼ばれることを含む)は、特に指示されない限り、開示する技術の本明細書において説明する例示的な態様、実施形態、または複数の実施形態において機能を実行する開示する構造に構造的に等価でない場合であっても、説明する要素の指定された機能を実行する任意の要素に対応すること意図する。加えて、開示する技術の特定の特徴をいくつかの例示する態様または実施形態のうちの1つまたは複数のみに関して上記で説明し得るが、そのような特徴は、任意の所与のまたは特定の用途にとって望ましく、有利であり得るように、他の実施形態の1つまたは複数の他の特徴と組み合わせることができる。
【0123】
本明細書で論じる実施形態は、上記で説明したシステムおよび方法に関連しているが、これらの実施形態は、例示的であることを意図しており、本明細書に記載するこれらの論議のみにこれらの実施形態の適用を限定することを意図しない。本発明をその実施形態の説明によって例示し、そして実施形態をある程度詳細に説明してきたが、添付の特許請求の範囲をそのような詳細に限定し、あるいはいずれの形でも限定することは、本出願人の意図ではない。さらなる利点および改変は、当業者には容易に明らかになるであろう。したがって、より広い態様における本発明は、図示および説明する特有の詳細、代表的な装置および方法、ならびに例示的な例に限定されない。したがって、出願人の概括的な発明概念の精神または範囲から逸脱することなく、そのような詳細から逸脱することができる。

図1
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