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特許7534053二重偏波アンテナ、関連するアンテナ・モジュール及び電子デバイス
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-05
(45)【発行日】2024-08-14
(54)【発明の名称】二重偏波アンテナ、関連するアンテナ・モジュール及び電子デバイス
(51)【国際特許分類】
   H01Q 21/26 20060101AFI20240806BHJP
   H01Q 3/24 20060101ALI20240806BHJP
   H01Q 9/16 20060101ALI20240806BHJP
   H01Q 19/17 20060101ALI20240806BHJP
【FI】
H01Q21/26
H01Q3/24
H01Q9/16
H01Q19/17
【請求項の数】 23
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022166984
(22)【出願日】2022-10-18
(65)【公開番号】P2023060848
(43)【公開日】2023-04-28
【審査請求日】2022-11-18
(31)【優先権主張番号】63/257,087
(32)【優先日】2021-10-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/967,873
(32)【優先日】2022-10-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】501231543
【氏名又は名称】乾坤科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】周 聖儒
(72)【発明者】
【氏名】▲黄▼ 炳彰
【審査官】佐藤 当秀
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/153098(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0146869(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 21/26
H01Q 3/24
H01Q 9/16
H01Q 19/17
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
グランド層;
前記グランド層上の第1の領域に配置された第1のカップリング・メタル;
前記グランド層上の第2の領域に配置された第2のカップリング・メタル;
前記グランド層上の第3の領域に配置された第3のカップリング・メタル;
前記グランド層上の第4の領域に配置された第4のカップリング・メタルであって、前記第1のカップリング・メタル、前記第2のカップリング・メタル、前記第3のカップリング・メタル、及び前記第4のカップリング・メタルは、前記第1の領域、前記第2の領域、前記第3の領域、前記第4の領域、第1のチャネル、第2のチャネル、第3のチャネル、第4のチャネル、及びセンター領域を前記グランド層上で規定する、第4のカップリング・メタル;
前記グランド層上に配置された第1の偏波信号供給端子及び第2の偏波信号供給端子;
前記第1の偏波信号供給端子に電気的に接続され、前記グランド層上の前記センター領域において前記第1のチャネルから前記第2のチャネルへ第1の方向に延びる第1の延在部分を有する第1の偏波構造;
前記第2の偏波信号供給端子に電気的に接続され、前記グランド層上の前記センター領域において前記第3のチャネルから前記第4のチャネルへ第2の方向に延びる第2の延在部分を有する第2の偏波構造であって、前記第1の延在部分は、前記第1の領域、前記第2の領域、前記第3の領域、及び前記第4の領域を規定するように、非接触な形態で前記第2の延在部分と交わる、第2の偏波構造;
前記第1のチャネルに配置された第1の放射メタル;
前記第2のチャネルに配置された第2の放射メタル;
前記第3のチャネルに配置された第3の放射メタル;及び
前記第4のチャネルに配置された第4の放射メタル;
を備えるアンテナ。
【請求項2】
請求項1に記載のアンテナにおいて、更に:
前記第1のチャネルに配置された第5のカップリング・メタル;
前記第2のチャネルに配置された第6のカップリング・メタル;
前記第3のチャネルに配置された第7のカップリング・メタル;及び
前記第4のチャネルに配置された第8のカップリング・メタル;
を備え、前記第1ないし第8のカップリング・メタルは、前記グランド層、前記第1の偏波信号供給端子、又は前記第2の偏波信号供給端子に電気的に接続されていない、アンテナ。
【請求項3】
請求項2に記載のアンテナにおいて:
前記グランド層と前記第1ないし前記第4のカップリング・メタルの各々との間の距離は第1の値に等しく;
前記グランド層と前記第5ないし前記第8のカップリング・メタルの各々との間の距離は第2の値に等しく;且つ
前記グランド層と前記第1ないし前記第4の放射メタルの各々との間の距離は第3の値に等しい、アンテナ。
【請求項4】
請求項3に記載のアンテナにおいて:
前記グランド層と前記第1の延在部分との間の距離は第4の値に等しく;
前記グランド層と前記第2の延在部分との間の距離は第5の値に等しく;
前記第1の値は前記第4及び前記第5の値より大きく;
前記第2の値は前記第4及び前記第5の値より大きく;且つ
前記第3の値は前記第4及び前記第5の値より小さい、アンテナ。
【請求項5】
請求項4に記載のアンテナにおいて、前記第5の値は前記第4の値より大きい、アンテナ。
【請求項6】
請求項2に記載のアンテナにおいて:
前記第1ないし前記第4のカップリング・メタルは、前記グランド層のセンター周辺で第1の対称的な形態で配置され;
前記第5ないし前記第8のカップリング・メタルは、前記グランド層の前記センター周辺で第2の対称的な形態で配置され;且つ
前記第1ないし前記第4の放射メタルは、前記グランド層の前記センター周辺で第3の対称的な形態で配置されている、アンテナ。
【請求項7】
請求項2に記載のアンテナにおいて:
前記第1の方向及び前記第2の方向に垂直な第3の方向に沿って眺めた場合に、前記第1ないし前記第8のカップリング・メタルは互いにオーバーラップしていない、アンテナ。
【請求項8】
請求項2に記載のアンテナにおいて:
前記第1の方向及び前記第2の方向に垂直な第3の方向に沿って眺めた場合に、前記第5ないし前記第8のカップリング・メタルは、前記第1の延在部分及び前記第2の延在部分と少なくとも部分的にオーバーラップしている、アンテナ。
【請求項9】
請求項2に記載のアンテナにおいて:
前記第1の方向及び前記第2の方向に垂直な第3の方向に沿って眺めた場合に、前記第1ないし前記第4の放射メタルは、前記第5ないし前記第8のカップリング・メタルと少なくとも部分的にオーバーラップしている、アンテナ。
【請求項10】
請求項2に記載のアンテナにおいて:
前記第1ないし前記第8のカップリング・メタルの各々は、複数のメタル・シートを含み;及び
各々のメタル・シートの厚さは8μmより薄い、アンテナ。
【請求項11】
請求項1に記載のアンテナにおいて:
前記グランド層と誘電体とを有する基板を更に備え、前記誘電体は、前記第1の偏波信号供給端子と、前記第2の偏波信号供給端子と、前記第1の偏波構造と、前記第2の偏波構造と、前記第1ないし前記第4のカップリング・メタルと、前記第1ないし前記第4の放射メタルとを含み、前記誘電体の誘電定数は3と10の間にある、アンテナ。
【請求項12】
請求項1に記載のアンテナにおいて、更に:
前記グランド層の下に配置され、前記第1の偏波信号供給端子に電気的に接続された第1の給電電極;
前記グランド層の下に配置され、前記第2の偏波信号供給端子に電気的に接続された第2の給電電極;及び
前記グランド層の下に配置された少なくとも1つのグランド電極;
を備えるアンテナ。
【請求項13】
請求項12に記載のアンテナにおいて:
前記第1の延在部分を前記第1の偏波信号供給端子に電気的に接続する第1の接続構造;及び
前記第2の延在部分を前記第2の偏波信号供給端子に電気的に接続する第2の接続構造;
を更に備え、前記第1の接続構造及び前記第2の接続構造以外の他の導体コンポーネントは、前記グランド層と前記第1ないし前記第4のカップリング・メタルとの間に配置されていない、アンテナ。
【請求項14】
請求項1に記載のアンテナにおいて、前記グランド層のコーナーに配置された少なくとも1つの絶縁コンポーネントを含む絶縁構造を更に備え、前記グランド層と前記少なくとも1つの絶縁コンポーネントのトップとの間の距離は、前記グランド層と前記第1ないし前記第4のカップリング・メタルの各々との間の距離、又は前記グランド層と前記第1ないし前記第4の放射メタルの各々との間の距離より大きい、アンテナ。
【請求項15】
請求項1に記載のアンテナにおいて、前記第1の延在部分又は前記第2の延在部分に近接して前記グランド層に配置された少なくとも1つのグランド構造を更に備え、前記グランド層と前記少なくとも1つのグランド構造のトップとの間の距離は、前記グランド層と前記第1の延在部分との間の距離、及び前記グランド層と前記第2の延在部分との間の距離より小さい、アンテナ。
【請求項16】
請求項15に記載のアンテナにおいて、前記グランド層の境界に近接して配置された少なくとも1つの整合コンポーネントを含む整合構造を更に備え、前記グランド層と前記少なくとも1つの整合コンポーネントのトップとの間の距離は、前記グランド層と前記第1ないし前記第4のカップリング・メタルの各々との間の距離、前記グランド層と前記第1ないし前記第4の放射メタルの各々との間の距離、及び/又は前記グランド層と前記少なくとも1つのグランド構造のトップとの間の距離より小さい、アンテナ。
【請求項17】
請求項16に記載のアンテナにおいて、前記少なくとも1つの整合コンポーネントは、前記第1ないし前記第4のチャネルの何れにも配置されていない、アンテナ。
【請求項18】
請求項15に記載のアンテナにおいて、更に:
前記第1の放射メタルの下にある前記第1のチャネルにおいて、前記第1の延在部分の第1の端部に隣接して配置された第1のグランド構造であって、前記グランド層上で前記第1の方向に延び、前記グランド層に電気的に接続された延在部分を有する第1のグランド構造;
前記第2の放射メタルの下にある前記第2のチャネルにおいて、前記第1の延在部分の第2の端部に隣接して配置された第2のグランド構造であって、前記グランド層上で前記第1の方向に延び、前記グランド層に電気的に接続された延在部分を有する第2のグランド構造;
前記第3の放射メタルの下にある前記第3のチャネルにおいて、前記第2の延在部分の第1の端部に隣接して配置された第3のグランド構造であって、前記グランド層上で前記第2の方向に延び、前記グランド層に電気的に接続された延在部分を有する第3のグランド構造;及び
前記第4の放射メタルの下にある前記第4のチャネルにおいて、前記第2の延在部分の第2の端部に隣接して配置された第4のグランド構造であって、前記グランド層上で前記第2の方向に延び、前記グランド層に電気的に接続された延在部分を有する第4のグランド構造;
を備えるアンテナ。
【請求項19】
請求項1に記載のアンテナにおいて、前記第1の方向と前記第2の方向との間の角度は60度と120度の間にあり、
前記第1のチャネルは前記第1の領域と前記第3の領域との間に位置し;
前記第2のチャネルは前記第2の領域と前記第4の領域との間に位置し;
前記第3のチャネルは前記第1の領域と前記第2の領域との間に位置し;
前記第4のチャネルは前記第3の領域と前記第4の領域との間に位置している、アンテナ。
【請求項20】
1つ以上の請求項1に記載のアンテナ;及び
1つ以上のフレキシブル印刷回路(FPC)コネクタ;
を含み、各FPCコネクタは、前記1つ以上の請求項1に記載のアンテナのうちの対応するアンテナの給電電極とグランド電極に電気的に接続されている、アンテナ・モジュール。
【請求項21】
ハウジング;
第1の放射方向に向いた前記ハウジングの第1の場所に配置され、第1の周波数バンドにおける第1の無線周波数(RF)信号と第2の周波数バンドにおける第2のRF信号とを受信するように構成された第1のアンテナ・モジュールであって:
請求項1に記載の1つ以上の第1のアンテナ;及び
1つ以上の第1のFPCコネクタであって、各FPCコネクタは、前記1つ以上の第1のアンテナのうちの対応する第1のアンテナ・モジュールの給電電極とグランド電極に電気的に接続されている、第1のアンテナ・モジュール;
第2の放射方向に向いた前記ハウジングの第2の場所に配置され、前記第1の周波数バンドにおける第3のRF信号と前記第2の周波数バンドにおける第4のRF信号とを受信するように構成された第2のアンテナ・モジュールであって:
請求項1に記載の1つ以上の第2のアンテナ;及び
1つ以上の第2のFPCコネクタであって、各FPCコネクタは、前記1つ以上の第2のアンテナのうちの対応する第2のアンテナ・モジュールの給電電極とグランド電極に電気的に接続されている、第2のアンテナ・モジュール;
前記第1のアンテナ・モジュールと前記第2のアンテナ・モジュールに電気的に接続されたRFユニットであって:
前記第1のRF信号の強度と前記第2のRF信号の強度とに基づいて前記第1のアンテナ・モジュールの動作を制御し;且つ
前記第3のRF信号の強度と前記第4のRF信号の強度とに基づいて前記第2のアンテナ・モジュールの動作を制御するように構成されたRFユニット;
を備える電子デバイス。
【請求項22】
請求項21に記載の電子デバイスにおいて、前記RFユニットは、更に:
前記第1のRF信号の強度が前記第2のRF信号の強度より大きいと判断した場合に、前記第1の周波数バンドで動作するように前記第1のアンテナ・モジュールを制御し;且つ
前記第2のRF信号の強度が前記第1のRF信号の強度より大きいと判断した場合に、前記第2の周波数バンドで動作するように前記第1のアンテナ・モジュールを制御するように構成されている、電子デバイス。
【請求項23】
請求項21に記載の電子デバイスにおいて、前記RFユニットは、更に:
前記第3のRF信号の強度が前記第4のRF信号の強度より大きいと判断した場合に、前記第1の周波数バンドで動作するように前記第2のアンテナ・モジュールを制御し;且つ
前記第4のRF信号の強度が前記第3のRF信号の強度より大きいと判断した場合に、前記第2の周波数バンドで動作するように前記第2のアンテナ・モジュールを制御するように構成されている、電子デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0002] 1.発明の分野
本発明は、アンテナ、関連するアンテナ・モジュール及び関連する電子デバイス、特に、二重偏波アンテナ、関連するアンテナ・モジュール及び関連する電子デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
[0003] 2.関連技術の説明
5Gは、第5世代移動体ネットワークであり、1G、2G、3G、及び4Gネットワークに続く新しい世界的な無線規格である。5Gは、より高いマルチ・ギガビットのピーク・データ速度、超低遅延、より多くの信頼性、大容量ネットワーク容量、増進された利用可能性、及びより均一なユーザー体験をより多くのユーザーに届けることが可能な新しい種類のネットワークを可能にする。
【0003】
[0004] 5Gサービスのスペクトルは、4GのLTEネットワークで現在使用されている帯域を含む6GHz以下の帯域をカバーするだけでなく、これまで移動通信では想定されていなかった遙かに高い周波数帯域にも延びている。これは、24GHzないし100GHz帯(ミリ波レンジとして知られている)の周波数帯域を使用することは、5Gアンテナにとって新たな課題と利点をもたらす。一方、現在の携帯通信機器で使用されるアンテナは、空間的な制限に起因して、設計理論及び実装において別の固有の課題を抱えている。
【0004】
[0005] 従って、ミリ波スペクトルで動作することが可能なアンテナであって、その物理的な寸法を、著しいパフォーマンス劣化なしに縮小することが可能なアンテナが必要とされる。
【発明の概要】
【0005】
[0006] 本発明はアンテナを提供し、アンテナは、グランド層;グランド層上の第1の領域に配置された第1のカップリング・メタル;グランド層上の第2の領域に配置された第2のカップリング・メタル;グランド層上の第3の領域に配置された第3のカップリング・メタル;グランド層上の第4の領域に配置された第4のカップリング・メタル;グランド層上に配置された第1の偏波信号供給端子及び第2の偏波信号供給端子;第1の偏波構造;第2の偏波構造;及び第1ないし第4の放射メタルを含む。
【0006】
第1のカップリング・メタル、第2のカップリング・メタル、第3のカップリング・メタル、及び第4のカップリング・メタルは、第1の領域、第2の領域、第3の領域、第4の領域、第1のチャネル、第2のチャネル、第3のチャネル、第4のチャネル、及びセンター領域をグランド層上で規定する。
【0007】
第1の偏波構造は、第1の偏波信号供給端子に電気的に接続され、グランド層上のセンター領域において第1のチャネルから第2のチャネルへ第1の方向に延びる第1の延在部分を含む。第2の偏波構造は、第2の偏波信号供給端子に電気的に接続され、且つ、グランド層上のセンター領域において第3のチャネルから第4のチャネルへ第2の方向に延びる第2の延在部分を含み、第1の延在部分は、センター領域において非接触な形態で第2の延在部分と交わる。
【0008】
第1の放射メタルは第1のチャネルに配置され、第2の放射メタルは第2のチャネルに配置され、第3の放射メタルは第3のチャネルに配置され、且つ第4の放射メタルは第4のチャネルに配置されている。
【0009】
[0007] 本発明はアンテナ・モジュールも提供し、アンテナ・モジュールは、1つ以上のアンテナと、1つ以上のフレキシブル印刷回路コネクタとを含み、それら各々は、1つ以上のアンテナのうちの対応するアンテナの給電電極とグランド電極に電気的に接続されている。
【0010】
[0008] 本発明は電子デバイスも提供し、電子デバイスは、ハウジング;第1のアンテナ・モジュール;第2のアンテナ・モジュール;及び無線周波数ユニットも提供する。
【0011】
第1のアンテナ・モジュールは、第1の放射方向に向いたハウジングの第1の場所に配置され、且つ、第1の周波数バンドにおける第1のRF信号と第2の周波数バンドにおける第2のRF信号とを受信するように構成されている。第1のアンテナ・モジュールは、1つ以上の第1のアンテナ;及び1つ以上の第1のFPCコネクタを含み、各FPCコネクタは、1つ以上の第1のアンテナのうちの対応する第1のアンテナ・モジュールの給電電極とグランド電極に電気的に接続されている。
【0012】
第2のアンテナ・モジュールは、第2の放射方向に向いたハウジングの第2の場所に配置され、且つ、第1の周波数バンドにおける第3のRF信号と第2の周波数バンドにおける第4のRF信号とを受信するように構成されている。第2のアンテナ・モジュールは、1つ以上の第2のアンテナ;及び1つ以上の第2のFPCコネクタを含み、各FPCコネクタは、1つ以上の第2のアンテナのうちの対応する第2のアンテナ・モジュールの給電電極とグランド電極に電気的に接続されている。
【0013】
無線周波数ユニットは、第1のアンテナ・モジュールと第2のアンテナ・モジュールに電気的に接続されている。無線周波数モジュールは、第1のRF信号の強度と第2のRF信号の強度とに基づいて第1のアンテナ・モジュールの動作を制御し、第3のRF信号の強度と第4のRF信号の強度とに基づいて第2のアンテナ・モジュールの動作を制御するように構成されている。
【0014】
[0009] 本発明のこれら及びその他の目的は、種々の図及び図面に示されている好ましい実施形態の以下の詳細な説明を読んだ後に、当業者には疑う余地なく明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1A】[0010] 図1Aは、本発明の実施形態によるアンテナを示す図である。
図1B】[0011] 図1Bは、本発明の実施形態によるアンテナを示す図である。
図1C】[0012] 図1Cは、本発明の実施形態によるアンテナを示す図である。
図2】[0013] 図2は、本発明の実施形態によるアンテナの平面図を示す図である。
図3A】[0014] 図3Aは、本発明の実施形態によるアンテナの底面図を示す図である。
図3B】[0015] 図3Bは、本発明の実施形態によるアンテナの底面図を示す図である。
図4】[0016] 図4は、本発明の別の実施形態によるアンテナの平面図を示す図である。
図5A】[0017] 図5Aは、Z軸に沿ってX-Z平面の方を眺めた場合の本発明の実施形態によるアンテナの側面図を示す図である。
図5B】[0018] 図5Bは、Z軸に沿ってX-Z平面の方を眺めた場合の本発明の実施形態によるアンテナの側面図を示す図である
図6A】[0019] 図6Aは、Z軸に沿ってY-Z平面の方を眺めた場合の本発明の実施形態によるアンテナの側面図を示す図である。
図6B】[0020] 図6Bは、Z軸に沿ってY-Z平面の方を眺めた場合の本発明の実施形態によるアンテナの側面図を示す図である。
図7】[0021] 図7は、本発明の別の実施形態によるアンテナを示す図である。
図8】[0022] 図8は、本発明の実施形態によるアンテナ・アレイを示す図である。
図9】[0023] 図9は、本発明の実施形態によるアンテナ・アレイの偏波タイプを示す図である。
図10】[0024] 図10は、本発明の実施形態による電子デバイスの図である。
図11A】[0025] 図11Aは、本願の実施形態による電子デバイスの動作を示す図である。
図11B】[0026] 図11Bは、本願の別の実施形態による電子デバイスの動作を示す図である。
図11C】[0027] 図11Cは、本願の別の実施形態による電子デバイスの動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[0028] 図1A図1Cは、本発明の実施形態によるアンテナ100を示す図である。図1A-1Bは、本発明の実施形態によるアンテナ100の詳細な構造を示す斜視図である。図1Cは、本発明の実施形態によるアンテナ100を示す概観斜視図である
[0029] 本発明において、アンテナ100は、偏波構造、偏波信号供給端子、グランド構造、カップリング・メタル、放射メタル、絶縁構造、整合構造、及び基板10に形成されたグランド層GLを含む基板統合ウェーブガイド(substrate integrated waveguide,SIW)二重偏波アンテナである。アンテナ100は、周波数帯域N257(24.35GHz~27.5GHz)、周波数帯域N258(26.5GHz~29.5GHz)、周波数帯域N260(37GHz~40GHz)又は周波数帯域N261(28GHz)のような、24GHzないし40GHzの範囲内の無線周波数(RF)信号を提供することができる。
【0017】
[0030] 図1Aに示されるように、基板10は、少なくとも、グランド層GLと誘電体DBを含む多層構造を採用することが可能であり、誘電体DBは、偏波信号供給端子、偏波構造、カップリング・メタル、及び放射メタルを含む。実施形態において、誘電体DBは、低温同時焼成セラミック(LTCC)プロセスで製造されたセラミック化合物であってもよいが、これに限定されない。誘電体DBの誘電定数は、アンテナ100の帯域幅を増加させるために、3-10であってもよい。
【0018】
[0031] 図1A-1Cに示される実施形態において、基板10は、複数のアンテナ100がアンテナ・アレイとして実装される場合に、より高い面積占有率を達成するように矩形の形状を有する。別の実施形態において、基板10は、正方形、多角形、又は円形の形状を有してもよいが、これらに限定されない。
【0019】
[0032] 基板10は、更に、少なくとも1つのグランド開口PE0と、第1の給電開口PE1と、第2の給電開口PE2とを含む。少なくとも1つのグランド電極FE0(図1A-1Cには示されていない)は、少なくとも1つのグランド開口PE0に対応する位置において、グランド層GLの下にある実装表面に配置されることが可能であり、第1の給電電極FE1(図1A-1Cには示されていない)は、第1の給電開口PE1に対応する位置において、グランド層GLの下にある実装表面に配置されることが可能であり、第2の給電電極FE2(図1A-1Cには示されていない)は、第2の給電開口PE2に対応する位置において、グランド層GLの下にある実装表面に配置されることが可能である。第1の偏波信号供給端子H-polの底部は、グランド層GLに電気的に接続されておらず、グランド層GLの第1の給電開口PE1を貫通して、第1の給電電極FE1に電気的に接続される。第2の偏波信号供給端子V-polの底部は、グランド層GLに電気的に接続されておらず、グランド層GLの第2の給電開口PE2を貫通して、第2の給電電極FE2に電気的に接続される。
【0020】
[0033] 図1Aに示されるように、第1の偏波構造は、第1の偏波信号供給端子H-polに電気的に接続され、グランド層GLのセンター領域上で、第1のチャネルCH1から第2のチャネルCH2へ第1の方向に(例えば、X軸に沿って)延びる第1の延在部分EP1を含む。第2の偏波構造は、第2の偏波信号供給端子V-polに電気的に接続され、グランド層GLのセンター領域上で、第3のチャネルCH3から第4のチャネルCH4へ第2の方向に(例えば、Y軸に沿って)延びる第2の延在部EP2を含む。第1の延在部分EP1は、第2の延在部分EP2に電気的に接続されておらず、偏波信号供給端子H-polは、偏波信号供給端子V-polに電気的に接続されていない。
【0021】
[0034] 図2は、本発明の実施形態によるアンテナ100の平面図を示す図である。Z軸に沿ってX-Y平面の方を眺めると、第1の延在部分EP1及び第1の偏波信号供給端子H-polは、第2の延在部分EP2及び第2の偏波信号供給端子V-polとグランド層GLのセンターで交差する。カップリング・メタルM1-M4の内側エッジ又は内側端点は、グランド層を、コーナーの4つの領域RG1-RG4と、4つのチャネルCH1-CH4と、センター領域CRとに分割する。より具体的には、第1の領域RG1にある第1のカップリング・メタルM1の内側エッジと第3の領域RG3にある第3のカップリング・メタルM3の内側エッジとは第1のチャネルCH1を規定し、第2の領域RG2にある第2のカップリング・メタルM2の内側エッジと第4の領域RG4にある第4のカップリング・メタルM4の内側エッジとは第2のチャネルCH2を規定し、第1の領域RG1にある第1のカップリング・メタルM1の内側エッジと第2の領域RG2にある第2のカップリング・メタルM2の内側エッジとは第3のチャネルCH3を規定し、第3の領域RG3にある第3のカップリング・メタルM3の内側エッジと第4の領域RG4にある第4のカップリング・メタルM4の内側エッジとは第4のチャネルCH4を規定する。換言すれば、チャネルCH1は、第1の領域RG1と第3の領域RG3の間に位置し、チャネルCH2は、第2の領域RG2と第4の領域RG4の間に位置し、チャネルCH3は、第1の領域RG1と第2の領域RG2の間に位置し、チャネルCH4は、第3の領域RG3と第4の領域RG4の間に位置する。
【0022】
[0035] 好ましい実施形態において、第1の延在部分EP1と第2の延長部分EP2は、Z軸に沿ってX-Y平面の方を眺めた場合に、センター領域CRのみを占める。別の実施形態において、第1の延在部分EP1と第2の延在部分EP2は、センター領域CRの外側に延びてもよく、Z軸に沿ってX-Y平面の方を眺めた場合に、何れかのカップリング・メタルM1-M4と部分的にオーバーラップしてもよい。例えば、第1の延在部分EP1と第1のカップリング・メタルM1との重複エリアは、第1のカップリング・メタルM1の内側エッジの0-10%の長さまで延びてもよく、また、第2の延在部分EP2と第4のカップリング・メタルM4との重複エリアは、第4のカップリング・メタルM4の内側エッジの0~10%の長さまで延びてもよいが、これらに限定されない。
【0023】
[0036] 図3A及び3Bは、本発明の実施形態によるアンテナ100の底面図を示す図である。図3Aにおいて、Z軸に沿ってX-Y平面の方を眺めた場合に、領域RG1-RG4及びチャネルCH1-CH4に関する少なくとも1つのグランド開口PE0、第1の給電開口PE1、及び第2の給電開口PE2の相対的な位置を示すために、グランド層GLは省略されている。図3Bでは、グランド層GLの下にある実装表面における少なくとも1つのグランド開口PE0、第1の供給開口PE1、及び第2の供給開口PE2の位置を示すために、グランド層GLが示されている。図3A及び3Bに示されるように、第1の偏波信号供給端子H-polの底部は、第1の給電電極FE1(図3A及び図3Bでは示されていない)に電気的に接続されるように第1の給電開口PE1を貫通してもよく、第2の偏波信号供給端子V-polの底部は、第2の供給開口PE2(図3A及び図3Bでは示されていない)に電気的に接続されるように第2の給電開口PE2を貫通していてもよい。
【0024】
[0037] 図1A及び1Bに示されているように、アンテナ100は、更に、第1の放射メタルR1の下にある第1のチャネルCH1における第1の延在部分EP1の第1の端部に隣接して配置された第1のグランド構造GS1を含むことが可能であり、第1のグランド構造GS1は、グランド層GL上で第1の方向に延在し、接続構造によってグランド層GLに電気的に接続される延在部分を含む。アンテナ100は、更に、第2の放射メタルR2の下にある第2のチャネルCH2における第1の延在部分EP1の第2の端部に隣接して配置された第2のグランド構造GS2を含むことが可能であり、第2のグランド構造GS2は、グランド層GL上で第1の方向に延在し、接続構造によってグランド層GLに電気的に接続される延在部分を含む。アンテナ100は、更に、第3の放射メタルR3の下にある第3のチャネルCH3における第2の延在部分EP2の第1の端部に隣接して配置された第3のグランド構造GS3を含むことが可能であり、第3のグランド構造GS3は、グランド層GL上で第2の方向に延在し、接続構造によってグランド層GLに電気的に接続される延在部分を含む。アンテナ100は、更に、第4の放射メタルR4の下にある第4のチャネルCH4における第2の延在部分EP2の第2の端部に隣接して配置された第4のグランド構造GS4を含むことが可能であり、第4のグランド構造GS4は、グランド層GL上で第2の方向に延在し、接地構造によってグランド層GLに電気的に接続される延在部分を含む。実施形態において、グランド層GLと各々のグランド構造GS1-GS4との間の距離は、グランド層と各々のグランド構造の対応する延在部分との間の距離よりも小さい。グランド構造GS1-GS4は、アンテナ100の共振波長を低くして、その動作周波数を低周波数の方へシフトさせることができる。実施形態では、上述の接続構造は、層間のビアやパッドであってもよいが、これらに限定されない。
【0025】
[0038] 図1B及び図2に示されるように、第1の放射メタルR1は第1のチャネルCH1において第1の延在部分EP1上に配置され、第2の放射メタルR2は第2のチャネルCH2において第1の延在部分EP1上に配置され、第3の放射メタルR3は第3のチャネルCH3において第2の延在部分EP2上に配置され、第4の放射メタルR4は第4のチャネルCH4において第2の延在部分EP2上に配置される。放射メタルR1-R4は、接続構造によって、例えば層間のビアやパッドによって、グランド層GLに電気的に接続されてもよいが、これらに限定されない。
【0026】
[0039] 図1C及び図2に示されるように、第1のカップリング・メタルM1は第1の領域RG1に配置され、第2のカップリング・メタルM2は第2の領域RG2に配置され、第3のカップリング・メタルM3は第3の領域RG3に配置され、第4のカップリング・メタルM4は第4の領域RG4に配置される。実施形態では、アンテナ100は、更に、第1の放射メタルR1上で第1のチャネルCH1に配置された第5のカップリング・メタルM5と、第2の放射メタルR2上で第2のチャネルCH2に配置された第6のカップリング・メタルM6と、第3の放射メタルR3上で第3のチャネルCH3に配置された第7のカップリング・メタルM7と、第4の放射メタルR4上で第4のチャネルCH4に配置された第8のカップリング・メタルM8とを含むことが可能である。
【0027】
[0040] 実施形態において、カップリング・メタルM1-M4は、グランド層GLのセンターの周りに第1の対称的な形態で配置され、低周波カプラーとして機能する。カップリング・メタルM5-M8は、グランド層GLのセンターの周りに第2の対称的な形態で配置され、高周波カプラーとして機能する。放射メタルR1-R4は、グランド層GLのセンターの周りに第3の対称的な形態で配置され、共振体を形成する。
【0028】
[0041] 本発明のアンテナ100において、放射メタルR1-R4とカップリング・メタルM5-M8は、第1の延在部分EP1、第2の延在部分EP2、第1の偏波信号供給端子H-pol、及び第2の偏波信号供給端子V-polに電気的に接続されていない。好ましい実施形態において、Z軸に沿ってX-Y平面の方を眺めた場合に、放射メタルR1-R4とカップリング・メタルM5-M8は、第1の延在部分EP1及び第2の延在部分EP2とオーバーラップしていない。他の実施形態において、Z軸に沿ってX-Y平面の方を眺めた場合に、カップリング・メタルM5-M8は、第1の延在部分EP1及び第2の延在部分EP2と少なくとも部分的にオーバーラップしている。例えば、カップリング・メタルM5-M8、第1の延在部分EP1、及び第2の延在部分EP2の重複エリアは、第5ないし第8のカップリング・メタルM5-M8の内側エッジの0-5%の長さまで延びてもよいが、それらに限定されない。
【0029】
[0042] 図1A-1Cに示されるように、アンテナ100は、絶縁構造を更に含んでもよい。実施形態において、絶縁構造は、グランド層GLの4つのコーナーに配置された4つの絶縁コンポーネント20を含んでもよい。実施形態において、各々の絶縁コンポーネント20は、Z軸に沿って複数のシート状メタルを積層することによって形成されてもよいが、これらに限定されない。実施形態において、グランド層GLと、各々の絶縁コンポーネント20のトップとの間の距離は、グランド層GLと各々のカップリング・メタルM1-M4との間の距離、グランド層GLと各々のカップリング・メタルM5-M8との間の距離、及び/又はグランド層GLと各々の放射メタルR1-R4との間の距離よりも大きい。従って、複数のアンテナ100がアンテナ・アレイとして配置される場合に、各アンテナ100の絶縁構造は、異なるアンテナ100間の信号分離を改善することができる。
【0030】
[0043] 図1A-1Cに示されているように。アンテナ100は、整合構造を更に含んでもよい。実施形態では、整合構造は、X軸に沿ってグランド層GLの境界に近接して配置された1つ以上の整合コンポーネントBW1と、Y軸に沿ってグランド層GLの境界に近接して配置された1つ以上の整合コンポーネントBW2とを含んでもよい。1つ以上の整合コンポーネントBW1は、アンテナ100の垂直偏波(V偏波)を改善することが可能であり、1つ以上の整合コンポーネントBW2は、アンテナ100の水平偏波(H偏波)を改善することが可能である。実施形態において、各々の整合コンポーネントは、Z軸に沿って複数のシート・メタルを積層することによって形成されてもよいが、これらに限定されない。実施形態において、各々の整合コンポーネントは、壁、フェンス又はレールの形状で形成されてもよいが、これらに限定されない。実施形態において、各々の整合コンポーネントは、アンテナ100の放射効率に影響を与えないように、何れのチャネルCH1-CH4にも配置されていない。
【0031】
[0044] 前述したように、第1の偏波構造は、第1の偏波信号供給端子H-polに電気的に接続され、第1のチャネルCH1から第2のチャネルCH2へ第1の方向に延びる第1の延在部分EP1を含み、第2の偏波構造は、第2の偏波信号供給端子V-polに電気的に接続され、第3のチャネルCH3から第4のチャネルCH4へ第2の方向に延びる第2の延在部分EP2を含む。実施形態では、図2に示すように、第1の方向はX軸に平行であり、第2の方向はY軸に平行である。
【0032】
[0045] 図4は、本発明の別の実施形態によるアンテナ100の平面図を示す図である。Z軸に沿ってX-Y平面の方を眺めると、第1の延在部分EP1/第1の偏波信号供給端子H-polは、グランド層GLのセンターにおいて第2の延在部分EP2/第2の偏波信号供給端子V-polと交差している。しかしながら、第1の方向はX軸に対して第1の角度(例えば45度)におけるものであり、第2の方向はY軸に対して第2の角度(例えば45度)におけるものである。しかしながら、第1の方向とX軸との間の角度関係、又は第2の方向とY軸との間の角度関係は、本発明の範囲を制限しない。
【0033】
[0046] 図1A-1C、2、3A及び4に例示された実施形態において。、第1の方向は、第2の方向に垂直である。別の実施形態では、第1の方向と第2の方向との間の角度差は、60と120度の間にあってもよいが、これに限定されない。
【0034】
[0047] 図5A及び5Bは、Z軸に沿ってX-Z平面を見た場合の本発明によるアンテナ100の側面図を示す図である。図5Aでは、絶縁コンポーネント20、整合コンポーネントBW1、第3のチャネルCH3における第3のグランド構造GS3及び第3の共振メタルR3、並びに、第4のチャネルCH4における第4のグランド構造GS4及び第4の共振メタルR4は、センター領域CR内のアンテナ構造をより良く明示するために省略されている。図5Bでは、整合コンポーネントBW2、第1のチャネルCH1におけるグランド構造GS1及び第1の共振メタルR1、第2のチャネルCH2におけるグランド構造GS2及び第2の共振メタルR2、第3のチャネルCH3における第3の共振メタルR3、及び第4のチャネルCH4における第4の共振メタルR4は、センター領域CR内のアンテナ構造をより良く明示するために省略されている。
【0035】
[0048] 図6A及び6Bは、Z軸に沿ってY-Z平面の方を眺めた場合の本発明の実施形態によるアンテナ100の側面図を示す図である。図6Aでは、整合コンポーネントBW2、第1のチャネルCH1における第1のグランド構造GS1及び第1の共振メタルR1、第2のチャネルCH2におけるグランド構造GS2及び第2の共振メタルR2は、センター領域CR内の構造をより良く明示するために省略されている。図6Bでは、絶縁コンポーネント20、整合コンポーネントBW1-BW2、及び第1の延在部分EP1における幾つかの構造は、センター領域CR内の構造をより良く明示するために省略されている。
【0036】
[0049] 実施形態において、カップリング・メタルM5-M8の各々は、単一のメタルとして、又はZ軸に沿って複数のシート・メタルを積層することによって形成されてもよい。説明のために、図5A、5B、6A、及び6Bに示すように、カップリング・メタルM5は、3枚のシート・メタルM5a-M5cを含み、カップリング・メタルM6は、3枚のシート・メタルM6a-M6cを含み、カップリング・メタルM7は、3枚のシート・メタルM7a-M7cを含み、カップリング・メタルM8は、3枚のシート・メタルM8a-M8cを含むことが想定されている。しかしながら、カップリング・メタルM5-M8の構造は、本発明の範囲を制限しない。
【0037】
[0050] 図5A、5B、6A、及び6Bに示されているように、アンテナ100は、第1の延在部分EP1を第1の偏波信号供給端子H-polに電気的に接続するための第1の接続構造CS1と、第2の延在部分EP2を第2の偏波信号供給端子V-polに電気的に接続するための第2の接続構造CS2とを更に含む。
【0038】
[0051] 例示目的のために、d1はグランド層GLと各々のカップリング・メタルM1-M4との間の距離を表し、d2はグランド層GLと各々のカップリング・メタルM5-M8との間の距離を表し、d3はグランド層GLと各々の放射メタルR1-R4との間の距離を表し、d4はグランド層GLと第1の延在部分EP1との間の距離を表し、d5はグランド層GLと第2の延在部分EP2との間の距離を表し、d6は偏波信号供給端子V-pol/H-polとカップリング・メタルM1-M4との間の距離を表している。一実施形態では、カップリング・メタルM1-M4、カップリング・メタルM5-M8、及び放射メタルR1-R4は、グランド層GLに対して異なる高さを有する(d1≠d2≠d3)。一実施形態では、カップリング・メタルM1-M4とカップリング・メタルM5-M8は、グランド層GLに対して同じ高さを有する(d1=d2)。一実施形態では、第1の延在部分EP1及び第2の延在部分EP2は、カップリング・メタルM1-M4と放射メタルR1-R4との間に配置される(d1はd4及びd5より大きく;d3はd4及びd5より小さい)。一実施形態では、第1の延在部分EP1は、第2の延在部分EP2よりもグランド層GLに近接して配置される(d4<d5)。
【0039】
[0052] 一実施形態では、偏波信号供給端子V-pol/H-polとカップリング・メタルM1-M4との間の距離d6は、100μmより大きい。一実施形態では、第1の接続構造CS1及び第2の接続構造CS2以外の他の導電性コンポーネントは、グランド層GLとカップリング・メタルM1-M4との間に配置されない。
【0040】
[0053] 図7は、本発明の別の実施形態によるアンテナ100を示す概観斜視図である。図1A-1Cに示される実施形態において、各々の絶縁コンポーネント20と、各々の整合コンポーネントBW1及びBW2と、各々の接続構造CS1及びCS2とは、Z軸に沿って複数のシート・メタルを積層することによって形成される。図7に示される実施形態では、各々の分離コンポーネント20と、各々の整合コンポーネントBW1及びBW2と、各々の接続構造CS1及びCS2とは、シリンダのような一体構造として形成される。しかしながら、一体構造として形成されている、各々の絶縁コンポーネント20、各々の整合コンポーネントBW1及びBW2、又は接続構造CS1及びCS2の形状は、本発明の範囲を制限しない。
【0041】
[0054] 図8は、本発明の実施形態によるアンテナ・アレイAR1-AR3の図である。各々のアンテナ・アレイは、図1A-1C又は7に示す1つ以上のアンテナ100を含むことが可能である。図8の左側に示されているように、アンテナ・アレイAR1は、1つのアンテナ100を含む。図8の中央に示されているように、アンテナ・アレイAR2は、1×4アレイに配置された4つのアンテナ100を含む。図8の右側に示されているように、アンテナ・アレイAR3は、NxNアレイに配置されたN2個のアンテナ100を含み、ここで、Nは1より大きな整数である。しかしながら、アンテナ・アレイAR1-AR3におけるアンテナ100の数又はレイアウトは、本発明の範囲を制限しない。
【0042】
[0055] 図9は、本発明の実施形態によるアンテナ・アレイAR1-AR3の偏波タイプを示す図である。アンテナ・アレイAR1-AR3に含まれる各アンテナは、図9の左側に示されるような直線偏波(90°/0°偏波)、図9の中央に示されるような傾斜偏波(-45°/+45°偏波)、又は図9の右側に示されるような右旋円偏波(RHCP)/左旋円偏波(LHCP)を有してもよい。しかしながら、アンテナ・アレイAR1-AR3における各アンテナの偏波タイプは、本発明の範囲を制限しない。
【0043】
[0056] 図10は、本発明の実施形態による電子デバイス200の図である。電子デバイス200は、ハウジング210と、無線周波数(RF)ユニット220と、接続ラインL1-Lnと、アンテナ・アレイANT1-ANTnとを含み、ここで、nは1より大きな整数である。アンテナ・アレイANT1-ANTnの各々は、図8に示される構成における図1A-1C又は7に示される1つ以上のアンテナ100を含んでもよい。各々の接続ラインL1-Lnは、フレキシブル印刷回路(FPC)コネクタであってもよいが、これに限定されない。各々の接続ラインは、対応するアンテナ・アレイの給電電極とグランド電極に電気的に接続される。例示目的のために、図10は、n=3である場合の実施形態を描いており、ここで、アンテナ・アレイANT1-ANT3は、異なる放射方向に面するハウジング210の異なる側面に配置されている。
【0044】
[0057] アンテナ・アレイANT1と接続ラインL1は、複数の周波数帯域で動作することが可能な第1のアンテナ・モジュールを形成する。アンテナ・アレイANT2と接続ラインL2は、複数の周波数帯域で動作することが可能な第2のアンテナ・モジュールを形成する。アンテナ・アレイANT3と接続ラインL3は、複数の周波数帯域で動作することが可能な第3のアンテナ・モジュールを形成する。接続ラインL1を介してアンテナ・アレイANT1から受信したRF信号、接続ラインL2を介してアンテナ・アレイANT2から受信したRF信号、接続ラインL3を介してアンテナ・アレイANT3から受信したRF信号に基づいて、RFユニット220は、各々の周波数帯域の信号強度に基づいて各アンテナ・モジュールの動作を制御するように構成されている。
【0045】
[0058] 図11A-11Cは、本願の実施形態による電子デバイス200の動作を示す図である。例示目的のために、アンテナ・アレイANT1-ANT3の各々は、3つの異なる周波数帯域F1-F3で動作する可能性があると仮定する。一実施形態では、第1の周波数帯域F1は周波数帯域N257(24.35GHz-27.5GHz)であってもよく、第2の周波数帯域F2は周波数帯域N258(26.5GHz-29.5GHz)であってもよく、第3の周波数帯域F3は周波数帯域N260(37GHz-40GHz)であってもよいが、これらに限定されない。
【0046】
[0059] RFユニット220は、異なる周波数帯域における各アンテナ・アレイの信号強度に基づいて、各アンテナ・アレイの動作を制御するように構成される。図11Aに示される実施形態において、全てのアンテナ・アレイANT1-ANT3は第1の周波数帯域F1において最も強いRF信号を受信していると判断した場合、RFユニット220は、第1の周波数帯域F1で動作するように、全てのアンテナ・アレイANT1-ANT3を制御するように構成されている。
【0047】
[0060] 図11Bに示される実施形態において、アンテナ・アレイANT1が第1の周波数帯域F1において最も強いRF信号を受信し、アンテナ・アレイANT2が第2の周波数帯域F2において最も強いRF信号を受信し、アンテナ・アレイANT3が第3の周波数帯域F3において最も強いRF信号を受信していると判断した場合、RFユニット220は、第1の周波数帯域F1において動作するようにアンテナ・アレイANT1を制御し、第2の周波数帯域F2において動作するようにアンテナ・アレイANT2を制御し、第3の周波数帯域F3において動作するようにアンテナ・アレイANT3を制御するように構成されている。
【0048】
[0061] 図11Cに示される実施形態において、アンテナ・アレイAR1が第2の周波数帯域F2において最も強いRF信号を受信し、アンテナ・アレイAR2が第3の周波数帯域F3において最も強いRF信号を受信し、アンテナ・アレイAR3が第1の周波数帯域F1において最も強いRF信号を受信していると判断した場合、RFユニット220は、第2の周波数帯域F2において動作するようにアンテナ・アレイAR1を制御し、第3の周波数帯域F3において動作するようにアンテナ・アレイAR2を制御し、第1の周波数帯域F1において動作するようにアンテナ・アレイAR3を制御するように構成されている。
【0049】
[0062] 結論として、本発明は、高効率にミリ波レンジのスペクトルで動作することが可能なアンテナ、関連するアンテナ・モジュール、及び関連する電子デバイスを提供する。V偏光及びH偏光に関連するコンポーネントを多層構造に組み込むことによって、アンテナの小型化も達成することができる。
【0050】
[0063] 当業者は、本発明の教示を維持しつつデバイス及び方法の多くの修正や変更を行うことが可能であることを容易に理解するであろう。従って、上記の開示は、添付のクレームの境界及び範囲によってのみ限定されるものと解釈されるべきである。
図1A
図1B
図1C
図2
図3A
図3B
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B
図11C