(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-05
(45)【発行日】2024-08-14
(54)【発明の名称】床洗浄機用の吸引ベース
(51)【国際特許分類】
A47L 11/40 20060101AFI20240806BHJP
A47L 11/29 20060101ALI20240806BHJP
【FI】
A47L11/40
A47L11/29
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018094699
(22)【出願日】2018-05-16
【審査請求日】2021-03-04
【審判番号】
【審判請求日】2023-04-04
(31)【優先権主張番号】10 2017 110 774.6
(32)【優先日】2017-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】518094164
【氏名又は名称】ハーコ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Hako GmbH
【住所又は居所原語表記】Hamburger Strasse 209-239, 23843 Bad Oldesloe, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【氏名又は名称】久野 琢也
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン ターベリング
【合議体】
【審判長】北村 英隆
【審判官】柿崎 拓
【審判官】米倉 秀明
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-34095(JP,A)
【文献】米国特許第4596061(US,A)
【文献】特開2004-208874(JP,A)
【文献】米国特許第4062085(US,A)
【文献】国際公開第98/38901(WO,A1)
【文献】特開2001-95737(JP,A)
【文献】実開平5-5058(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L11/40
A47L11/29
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
床洗浄機(1)用の吸引ベースであって、
吸引ベース基本体(17)と、
吸取り接続部(15)と、
を備え、
前記吸引ベース基本体(17)は、上壁部(19)を有し、該上壁部(19)から前壁部(21)および後壁部(23)が延在していて、前記前壁部(21)と前記後壁部(23)との間に吸取り通路(25)が形成されており、前記後壁部(23)は、洗浄すべき床面(7)上に載置するための載置縁部(27)を有し、
前記吸取り接続部(15)は、前記吸取り通路(25)に接続されていて、前記床洗浄機(1)の吸取り装置に接続することができる、床洗浄機(1)用の吸引ベースにおいて、
フラッシング流体を前記吸取り通路(25)内へ供給するためのフラッシング装置を有し、該フラッシング装置は、フラッシング流体用の供給部に接続するための接続要素(31)を有し、該接続要素(31)は、前記吸引ベース基本体(17)に取り付けられ
ており、
前記吸引ベース基本体(17)は、内室(29)を有する中空体として形成されており、
前記内室(29)の、前記吸取り通路(25)の方を向いた壁区分は、前記上壁部(19)によって形成されており、
1つまたは複数のフラッシング流体開口(33)が、前記上壁部(19)内に配置されており、
前記接続要素(31)は、フラッシング流体を供給するために、前記内室(29)および前記フラッシング流体開口(33)を介して前記吸取り通路(25)に接続されており、前記吸取り接続部(15)は、前記上壁部(19)と前記内室(29)とを貫いて延在して
おり、
前記吸引ベース基本体(17)と、前記前壁部(21)と、前記後壁部(23)とは、第1の端部と第2の端部との間に延在しており、前記吸取り接続部(15)は、前記第1の端部と前記第2の端部との間の中央に配置されており、前記フラッシング流体開口(33)は、前記第1の端部および前記第2の端部に配置されている、
ことを特徴とする、床洗浄機(1)用の吸引ベース。
【請求項2】
前記フラッシング装置は、前記接続要素に接続された1つの前記フラッシング流体開口(33)を有し、該フラッシング流体開口(33)を通って、フラッシング流体は前記吸取り通路(25)内へ進入することができ、前記フラッシング流体開口(33)は、前記吸取り接続部(15)から離隔されている、請求項1記載の吸引ベース。
【請求項3】
複数の前記フラッシング流体開口(33)が設けられており、該フラッシング流体開口(33)は、前記接続要素(31)に接続されていて、前記フラッシング流体開口(33)を通って、フラッシング流体は前記吸取り通路(25)内へ進入することができ、前記フラッシング流体開口(33)は、前記後壁部(23)に沿って配置されていて、互いに離隔されている、請求項1記載の吸引ベース。
【請求項4】
前記前壁部(21)および前記後壁部(23)は、前記上壁部(19)を越えて垂直方向上方に延在しており、前記上壁部(19)の垂直方向上方に、かつ、前記前壁部(21)と前記後壁部(23)との間に頂壁部(30)が存在しており、
前記接続要素(31)は、前記頂壁部(30)に配置されている、請求項1から
3までのいずれか1項記載の吸引ベース。
【請求項5】
前記内室(29)は、前記前壁部(21)と前記後壁部(23)と前記頂壁部(30)とにより画定されている、請求項
4記載の吸引ベース。
【請求項6】
フラッシング流体が、前記接続要素(31)を通って前記吸引ベース基本体(17)の前記内室(29)内へ流れ込むことができるように、前記接続要素(31)は、前記吸引ベース基本体(17)に取り付けられている、請求項
5記載の吸引ベース。
【請求項7】
床洗浄機(1)であって、
当該床洗浄機(1)を洗浄すべき床面(7)上で移動させるための走行装置と、
洗浄液を前記洗浄すべき床面(7)上へ撒くための、前記走行装置に取り付けられた洗浄装置(9)と、
汚れ液タンク(11)と、
汚れ液を該汚れ液タンク(11)内へ吸い取るための吸取り装置と、
請求項1から
6までのいずれか1項記載の吸引ベース(13)と、
を備える、床洗浄機(1)において、
前記吸引ベース(13)は、走行方向に見て、前記洗浄装置(9)の後方に配置されており、
前記吸取り接続部(15)は、前記吸取り装置に接続されている、
床洗浄機(1)。
【請求項8】
洗浄液タンクが設けられており、該洗浄液タンクには前記接続要素(31)が接続されている、請求項
7記載の床洗浄機。
【請求項9】
請求項
8記載の床洗浄機を動作させる方法において、
当該方法は、
フラッシング流体を、フラッシング流体用のリザーバから前記接続要素(31)を通って前記吸取り通路(25)内へ供給する、ステップと、
フラッシング流体を前記吸取り通路(25)から吸い取るための吸取り装置を動作させる、ステップと、
を有する、床洗浄機を動作させる方法。
【請求項10】
前記リザーバは、前記洗浄液タンクによって形成されており、該洗浄液タンクを、前記接続要素(31)に接続し、これにより洗浄液を、フラッシング流体として前記接続要素(31)に供給する、請求項
9記載の方法。
【請求項11】
前記リザーバは、前記洗浄液タンクによって形成されており、該洗浄液タンクは、前記接続要素(31)に接続されており、
洗浄液を定期的な時間間隔で、前記接続要素(31)を通って前記吸取り通路(25)内に供給する、請求項
9記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、床洗浄機用の吸引ベースであって、吸引ベース基本体と、吸取り接続部と、を備え、吸引ベース基本体は、上壁部を有し、上壁部から前壁部および後壁部が延在していて、前壁部と後壁部との間に吸取り通路が形成されており、後壁部は、洗浄すべき床面上に載置するための載置縁部を有し、吸取り接続部は、吸取り通路に接続されていて、好ましくは上壁部を通って延在しており、床洗浄機の吸取り装置に接続することができる、床洗浄機用の吸引ベースに関する。さらに、本発明は、このような吸引ベースを備えた床洗浄機および床洗浄機を動作させる方法に関する。
【0002】
従来技術から公知の床洗浄機および特にスクラバドライヤでは、いわゆる吸引ベースは、床洗浄機の洗浄装置によって事前に撒かれて汚れを含み得る、洗浄すべき床面上に存在する液体を、床面から除去するのに用いられる。液体の除去は、このために設けられた床洗浄機の吸取り装置によって供給され、吸引ベース、特に吸引ベースの吸取り通路に加えられる負圧によって行われる。
【0003】
動作中に、汚れは、特に吸引ベースの吸取り通路内に集められ、吸引ベースを、定期的な間隔で洗浄しなければならない。この吸引ベースの洗浄は、時間がかかり、実行するのが煩わしいことが多い。
【0004】
したがって、本発明の課題は、簡単に洗浄することができる吸引ベースを提供することである。
【0005】
この課題は、請求項1記載の吸引ベースによって解決される。本発明による吸引ベースは、フラッシング流体を吸取り通路内へ供給するためのフラッシング装置を有し、この場合、フラッシング装置は、フラッシング流体用の供給部に接続するための接続要素を有し、この場合、接続要素は吸引ベース基本体に取り付けられていて、フラッシング流体を供給するために、吸取り通路に接続されている。
【0006】
動作時間の経過とともに床洗浄機のスイッチオフがより多く繰り返されると、吸引ベースに、かつ特に吸取り通路を画定している後壁部にますます多くの汚れ粒子が付着し、そこで乾燥して、固い汚れ層となることがある。フラッシング流体、たとえば洗浄液を床洗浄機の洗浄液タンクから吸引ベースの接続要素に供給し、そうして吸取り通路内へ導入することにより、本発明による吸引ベースを、フラッシング装置を用いて特に簡単に洗浄することができる。次いで、床洗浄機に設けられた吸取り装置によって吸い取ることにより、このフラッシング流体を再び吸い取ることができるので、特に吸取り通路を簡単にフラッシングすることができる。このようなフラッシングのステップは、簡単に、その他の洗浄プロセスの間の時間間隔よりも短い時間間隔で行うことができる。なぜならば、これに伴う手間は、より一層わずかであるからである。これにより、吸引ベースに付着している汚れ粒子が乾燥して固い汚れ層となる前に、汚れ粒子を少なくとも部分的に除去することができる。
【0007】
好適な態様では、吸取り通路の前壁部は、洗浄すべき床面まで延在しない、またはその全長にわたって洗浄すべき床面まで延在しないように、寸法決めすることができる。これにより、洗浄すべき床面からの液体または汚れ液の吸取りが簡素化されている。さらに、接続要素をホース継手として形成することができるので、フラッシング流体用の供給部との接続が簡素化されている。
【0008】
好適な態様の吸引ベースは、湾曲状の吸引ベース基本体を有し、その端部は、床洗浄機の走行方向に見て、吸取り接続部の前方に位置している。さらに、後壁部の曲率は、特に部分的に前壁部の曲率より小さくてよい。
【0009】
他の好適な態様では、フラッシング装置は、接続要素に接続された1つのフラッシング流体開口を有し、このフラッシング流体開口を通って、フラッシング流体は吸取り通路内へ進入することができ、このフラッシング流体開口は、吸取り接続部から離隔されている。フラッシング流体開口と吸取り接続部との間の間隔が増加するにつれて、吸取り通路のより長い区分を確実にフラッシングすることができる。この態様では、フラッシング流体による洗浄作用が改善されている。
【0010】
さらに別の好適な態様では、吸引ベース基本体と、前壁部と、後壁部とは、第1の端部と第2の端部との間に延在しており、吸取り接続部は、特に、第1の端部と第2の端部との間の中央に配置されている。要するに、この態様では、フラッシング流体開口は第1の端部に配置されている。この態様では、フラッシング流体が導入されるとき、第1の端部と吸取り接続部との間の区分全体が確実にフラッシングされる。また、本態様では、同様に接続要素に接続された別のフラッシング流体開口が第2の端部に配置されていることも考えられるので、第2の端部と吸取り接続部との間の区分もフラッシングされる。
【0011】
他の好適な態様は、複数のフラッシング流体開口を有し、これらのフラッシング流体開口は接続要素に接続されていて、これらのフラッシング流体開口を通って、フラッシング流体は吸取り通路内へ進入することができ、この場合、フラッシング流体開口は後壁部に沿って配置されていて、互いに離隔されている。これらのフラッシング流体開口は、互いに均一に離隔されてよい。この態様では、洗浄作用がさらに改善される。
【0012】
さらに別の好適な態様では、接続要素は、吸取り通路を画定している上壁部に配置されている。吸引ベースが床洗浄機に設置されているとき、接続要素は、洗浄すべき床面を向いて開放してよい。本態様では、特に簡単な構造が生じる。
【0013】
他の好適な態様では、吸引ベース基本体は、内室を有する中空体として形成されており、この場合、中空体の、吸取り通路の方を向いた壁区分は、上壁部によって形成されており、この場合、(1つまたは複数の)フラッシング流体開口は、上壁部内に配置されている。この態様では、フラッシング流体開口を接続要素に接続するために、管路またはこれに類するものを吸引ベース基本体内に設ける必要はない。むしろ、内室が接続部を形成し、好ましくは、フラッシング流体が接続要素を通って吸引ベース基本体の内室内へ流れ込むことができるように、接続要素は、吸引ベース基本体に取り付けられている。別の好適な態様では、吸取り接続部は、上壁部と内室とを貫いて延在している。
【0014】
さらに別の好適な態様では、フラッシング装置は、1つまたは複数のフラッシング流体管路を有し、このフラッシング流体管路の第1の端部は、接続要素に接続されていて、このフラッシング流体管路の第2の端部は、1つまたは複数のフラッシング流体開口に接続されている。この態様では、吸引ベース基本体を中空体として形成する必要はない。
【0015】
さらに、上述の課題は、本発明による吸引ベースを備えた床洗浄機によって解決される。床洗浄機は、この床洗浄機を洗浄すべき床面上で移動させるための走行装置と、洗浄液を洗浄すべき床面上へ撒くための、走行装置に取り付けられた洗浄装置と、汚れ液タンクと、汚れ液を汚れ液タンク内へ吸い取るための吸取り装置と、上記で説明した複数の吸引ベースのうちの1つの吸引ベースとを有する。吸引ベースは、走行方向に見て、洗浄装置の後方に配置されており、吸取り接続部は、吸取り装置に接続されている。本発明による床洗浄機によって、すでに吸引ベースとの関連で説明した利点が達成される。
【0016】
好ましくは、床洗浄装置は、吸引ベースを支持するために構成された持上げ装置を有する。持上げ装置は、吸引ベースを、可逆式に、載置縁部が洗浄すべき床面から持ち上げられた静止状態から、載置縁部が洗浄すべき床面上に載置する動作状態へ移行させることができる。
【0017】
好ましくは、床洗浄機には、洗浄液タンクが設けられており、この洗浄液タンクには接続要素が接続されている。洗浄液は、フラッシング流体を成してよい。洗浄液タンクを、フラッシング流体用のリザーバとして用いることができる。このようにして、吸取り通路内へのフラッシング流体の供給は簡素化されている。択一的な態様では、接続要素を、家庭用水栓に接続可能に構成することもできるので、家庭用水をフラッシング流体として使用することができる。
【0018】
最後に、上述の課題は、上述の床洗浄機を動作させる方法によっても解決され、この場合、この方法は、
フラッシング流体を、フラッシング流体用のリザーバから接続要素を通って吸取り通路内へ供給する、ステップと、
フラッシング流体を吸取り通路から吸い取るための吸取り装置を動作させる、ステップと、
を有する。
【0019】
好ましくは、上述の方法では、リザーバは洗浄液タンクによって形成されており、洗浄液タンクを接続要素に接続し、これにより洗浄液を、フラッシングまたは洗浄のためのフラッシング流体として接続要素に供給する。このようにして、特に床洗浄機の動作中に、吸取り通路内へのフラッシング流体の供給が簡素化されてよい。
【0020】
択一的に、第1のステップの間、接続要素を家庭用水栓に接続する。したがって、オペレータは、吸引ベースを、必要に応じてまたはメンテナンス計画に応じて洗浄することができる。
【0021】
最後に、リザーバは、洗浄液タンクによって形成されており、洗浄液タンクは、接続要素に接続されてもよく、この場合、床洗浄機の通常動作中に、洗浄液を定期的な時間間隔で、接続要素を通って吸取り通路内に供給し、したがって、吸引ベースは通常動作中に定期的に洗浄される。
【0022】
以下に、本発明を、単に好適な態様を示しているにすぎない図面に基づき説明する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】吸引ベースを備えた床洗浄機の側面図である。
【
図2】本発明による第1の態様の吸引ベースの斜視図である。
【
図3】
図2に示した吸引ベースの端部付近の断面図である。
【
図4】
図2に示した吸引ベースの中心線に沿った断面図である。
【
図5】
図2に示した吸引ベースの接続要素の領域における断面図である。
【
図6】本発明による第1の態様の吸引ベースにおける流れを示す斜視図である。
【
図7】本発明による第2の態様の吸引ベースにおける端部付近の断面図である。
【
図8】
図7に示した吸引ベースの接続要素の領域における断面図である。
【0024】
図1には、本発明による1つの態様の吸引ベースを備えた床洗浄機1の側面図が示されている。床洗浄機1は、この床洗浄機1を洗浄すべき床面7上で移動させるための、車輪3,5を有する走行装置と、洗浄液を洗浄すべき床面7上へ撒くための、走行装置に取り付けられた洗浄装置9と、汚れ液タンク11と、汚れ液を汚れ液タンク11内へ吸い取るための吸取り装置(図示せず)と、以下に説明する態様に対応する吸引ベース13とを有する。吸引ベース13は、床洗浄機1の走行方向Fに見て、洗浄装置9の後方に配置されており、吸引ベース13の吸取り接続部15は、吸取り装置に接続されている。
【0025】
図2~
図5に示されているように、本態様の吸引ベース13は、吸引ベース基本体17を有する。この吸引ベース基本体17には、上壁部19が形成されている。この場合、上壁部19から前壁部21および後壁部23が延在していて、これにより、前壁部21と後壁部23との間には吸取り通路25が形成されている。この吸取り通路25は、上側に向かって上壁部19によって画定されている。さらに、後壁部23は、洗浄すべき床面7上へ載置するための載置縁部27を有する。
【0026】
特に
図4に示されているように、吸取り接続部15は、吸引ベース基本体17に設けられていて、上壁部19を通って延在している。動作中に、吸取り接続部15は、床洗浄機1の吸取り装置に接続されている。本態様では、
図2から看取できるように、吸取り接続部15は、吸引ベース13の第1の端部と第2の端部との間の中央に配置されていて、第1の端部と第2の端部との間には、前壁部21および後壁部23が延在している。
【0027】
さらに、
図2~
図5から看取できるように、吸引ベース基本体17は、閉じた内室29を設定する中空体として形成されていて、内室29の、吸取り通路25の方を向いた壁区分は、上壁部19から形成される。そのうえ、内室29は、頂壁部30と、前壁部21と、後壁部23とによって画定される。本態様では、吸取り接続部15は、内室29を貫いて延在している。特に
図5において看取できるように、吸引ベース基本体17において、接続要素31が頂壁部30に設けられており、接続要素31は、たとえばホース接続部として形成されていて、この接続要素31を介してフラッシング流体を内室29内へ導入することができる。
【0028】
上壁部19内には、複数のフラッシング流体開口33が設けられている。本態様では、これらのフラッシング流体開口33は、内室29を起点として接続要素31に接続されており、この場合、ここで説明する態様では、これらのフラッシング流体開口33は、後壁部23に沿って配置されていて、互いに離隔されている。また、フラッシング流体開口33の他の配置も考えられる。特に、吸引ベース13の第1の端部および第2の端部にも、複数のフラッシング流体開口33が設けられている。したがって、接続要素31を通って内室29内へ導かれたフラッシング流体は、フラッシング流体開口33を通って吸取り通路25内へ進入することができる。これにより、接続要素31と、内室29と、フラッシング流体開口33とは、吸引ベース13の吸取り通路25用のフラッシング装置を形成する。このフラッシング装置の機能を、以下にさらに説明する。
【0029】
上記で説明した本発明による態様の吸引ベース13を洗浄するために、以下のようなことが行われる。
【0030】
吸引ベース13が載置縁部27でもって床面7上に載置している状態では、接続要素31が、フラッシング流体用のリザーバ、好ましくは床洗浄機1の洗浄液タンクに接続され、洗浄液が、フラッシング流体として接続要素31に供給される。フラッシング流体は、接続要素31から吸引ベース基本体17の内室29内へ到達し、さらにフラッシング流体開口33を通って吸取り通路25内へ到達する。並行して、床洗浄機1の吸取り装置も動作させられるので、フラッシング流体は、洗浄液の形態で、吸取り接続部15を通って吸取り通路25から吸い出される。その際、吸取り通路25内に存在する汚れが連行される。択一的に、家庭用水栓からの水を、フラッシング流体として使用してもよい。この場合、家庭用水栓は、ホースを介して接続要素31に接続されるので、家庭用水が吸取り通路25内へ到達する。
【0031】
要するに、洗浄液タンクは接続要素31に持続的に接続されてもよく、この場合、洗浄液は定期的な時間間隔で、接続要素31を通って吸取り通路25内に供給される。これにより、吸引ベース13を、通常の動作中に定期的に洗浄することができる。
【0032】
フラッシング流体開口33は、本態様では吸引ベース13の全幅にわたって、特に端部にも配置されているので、洗浄液は、
図6に概略的に図示されているように、吸取り通路25全体を通って流れ、このことにより、特に良好な洗浄作用がもたらされる。
【0033】
したがって、フラッシング流体開口33に接続された接続要素31の形態のフラッシング装置を有する、本発明による吸引ベース13によって、簡単に、吸引ベース13の吸取り通路25を効率的に洗浄することが可能となる。
【0034】
上記で説明した態様では、接続要素31は、閉じた内室29を介してフラッシング流体開口33に接続されている。
図7および
図8に示された、本発明による吸引ベース13の第2の態様では、接続要素31とフラッシング流体開口33とは、フラッシング流体管路35を介して互いに接続されている。特に、フラッシング流体管路35の第1の端部は接続要素31に接続されている一方、フラッシング流体管路35の第2の端部はフラッシング流体開口33に接続されている。したがって、この第2の態様では、吸引ベース基本体17の内室29は、第1の態様で当てはまるような、直接にフラッシング流体を分配するということには使用されない。さらに、本態様では、吸引ベース基本体17が閉じた中空体として形成されている必要はない。その他の点では、第2の態様は、基本的な機能の点で第1の態様とは相違せず、第2の態様でも、第1の態様との関連で既述した利点が達成される。
【符号の説明】
【0035】
1 床洗浄機
3,5 車輪
7 床面
9 洗浄装置
11 汚れ液タンク
13 吸引ベース
15 吸取り接続部
17 吸引ベース基本体
19 上壁部
21 前壁部
23 後壁部
25 吸取り通路
27 載置縁部
29 内室
30 頂壁部
31 接続要素
33 フラッシング流体開口
35 フラッシング流体管路