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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-05
(45)【発行日】2024-08-14
(54)【発明の名称】コンパクト容器
(51)【国際特許分類】
   A45D 33/00 20060101AFI20240806BHJP
【FI】
A45D33/00 650F
A45D33/00 645Z
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019235786
(22)【出願日】2019-12-26
(65)【公開番号】P2021104112
(43)【公開日】2021-07-26
【審査請求日】2022-07-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100156867
【弁理士】
【氏名又は名称】上村 欣浩
(74)【代理人】
【識別番号】100143786
【弁理士】
【氏名又は名称】根岸 宏子
(72)【発明者】
【氏名】石塚 徹也
【審査官】新井 浩士
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-066622(JP,A)
【文献】特開2004-222932(JP,A)
【文献】特開平10-005037(JP,A)
【文献】特開平10-066623(JP,A)
【文献】特開平10-033258(JP,A)
【文献】特開2004-154284(JP,A)
【文献】特開2000-050944(JP,A)
【文献】特開平11-169228(JP,A)
【文献】特開2003-219910(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D 33/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器と、該容器に対して揺動可能な蓋体と、を備えるコンパクト容器であって、
前記蓋体は、前記容器に揺動可能に連結する枠状部材と、該枠状部材の開口部を閉じる天壁部を有するカバー部材と、前記天壁部の裏面に位置する鏡とを有し、
前記カバー部材は、前記天壁部に連結する弾性片と、該弾性片に設けられて前記枠状部材が備える係合部に係合する被係合部とを有し、該係合部と該被係合部が係合することによって前記枠状部材との間で前記鏡を直接的に又は間接的に挟持することが可能であって、
前記枠状部材は、前記弾性片を撓ませて前記係合部と前記被係合部との係合を解除させる取り外し用治具を挿入可能な穴部を有し、前記弾性片は、前記穴部内に隠れた状態になっており、
前記穴部を区画する前方側の壁に、前記係合部が設けられ、
前記弾性片は、前記蓋体が閉じた状態において、前記天壁部から下方に向けて延在する第1部分と、前記第1部分から前記係合部に対し離れるように後方に延在する第2部分と、前記第2部分から下方に向けて延在する第3部分と、を有してクランク状に形成され、
前記被係合部は、前記第1部分に設けられ、
前記蓋体が開いた状態で、前記取り外し用治具は、前記第2部分の上方で、前記第3部分と前記前方側の壁との間に挿入可能であるコンパクト容器。
【請求項2】
前記蓋体は、前記鏡を支持する額縁状の弾性部材を備え、
前記弾性部材は、前記枠状部材に設けられた前記開口部に嵌め込まれ、前記カバー部材と前記枠状部材とによって上下方向に挟持され、
前記弾性部材は、前記鏡の外縁部を周囲から取り囲んだ状態で、前記外縁部の上面、外周面、及び下面に係合して前記鏡を支持し、
前記弾性部材の上面は前記天壁部の裏面に当接し、前記蓋体が閉じた状態で、前記弾性部材の下面は前記容器の上面に当接する請求項1に記載のコンパクト容器。
【請求項3】
前記容器に設けられた凹部と、
前記枠状部材に設けられ、該凹部に収まるとともに、該凹部の側壁に設けた軸穴に挿入される軸部又は該凹部の側壁に設けた軸部を挿入する軸穴とを設けた突起部と、を備え、
前記穴部は、前記突起部に設けられる請求項1または2に記載のコンパクト容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンパクト容器に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば粉体の化粧料を固形化したプレストパウダーの如き固形内容物を携帯する際に使用される容器として、固形内容物を収めた中皿が収容される容器と、容器に対して揺動可能な蓋体とを備えるコンパクト容器が既知である。
【0003】
このようなコンパクト容器は、例えば特許文献1に示されているように、化粧の状態を確認する際に使用される鏡が、蓋体本体の裏面に設けられていることが一般的である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2004-73293号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで近年は、環境保護や資源の有効活用が強く求められていて、リサイクル性の高い商品が求められている。一方、従来のコンパクト容器は、例えば接着剤や接着性シートを使用するなどして蓋体本体の裏面に鏡を取り付けていて、蓋体本体から鏡を取り外すことは容易ではない。このため、使用後のコンパクト容器を廃棄する場合においても、蓋体本体と鏡とを分別することは難しい。
【0006】
このような問題に鑑み、本発明では、廃棄等を行う際に蓋体から鏡を容易に取り外すことが可能なコンパクト容器を提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、容器と、該容器に対して揺動可能な蓋体と、を備えるコンパクト容器であって、
前記蓋体は、前記容器に揺動可能に連結する枠状部材と、該枠状部材の開口部を閉じる天壁部を有するカバー部材と、前記天壁部の裏面に位置する鏡とを有し、前記カバー部材は、前記天壁部に連結する弾性片と、該弾性片に設けられて前記枠状部材が備える係合部に係合する被係合部とを有し、該係合部と該被係合部が係合することによって前記枠状部材との間で前記鏡を直接的に又は間接的に挟持することが可能であって、前記枠状部材は、前記弾性片を撓ませて前記係合部と前記被係合部との係合を解除させる取り外し用治具を挿入可能な穴部を有し、前記弾性片は、前記穴部内に隠れた状態になっており、前記穴部を区画する前方側の壁に、前記係合部が設けられ、前記弾性片は、前記蓋体が閉じた状態において、前記天壁部から下方に向けて延在する第1部分と、前記第1部分から前記係合部に対し離れるように後方に延在する第2部分と、前記第2部分から下方に向けて延在する第3部分と、を有してクランク状に形成され、前記被係合部は、前記第1部分に設けられ、前記蓋体が開いた状態で、前記取り外し用治具は、前記第2部分の上方で、前記第3部分と前記前方側の壁との間に挿入可能であるコンパクト容器である。
【0009】
前記蓋体は、前記鏡を支持する額縁状の弾性部材を備え、前記弾性部材は、前記枠状部材に設けられた前記開口部に嵌め込まれ、前記カバー部材と前記枠状部材とによって上下方向に挟持され、前記弾性部材は、前記鏡の外縁部を周囲から取り囲んだ状態で、前記外縁部の上面、外周面、及び下面に係合して前記鏡を支持し、前記弾性部材の上面は前記天壁部の裏面に当接し、前記蓋体が閉じた状態で、前記弾性部材の下面は前記容器の上面に当接することが好ましい。
【0010】
前記容器に設けられた凹部と、前記枠状部材に設けられ、該凹部に収まるとともに、該凹部の側壁に設けた軸穴に挿入される軸部又は該凹部の側壁に設けた軸部を挿入する軸穴とを設けた突起部と、を備え、前記穴部は、前記突起部に設けられることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明のコンパクト容器によれば、枠状部材に設けた穴部又は切り欠き部からコイン等の取り外し用治具を挿入し、この取り外し用治具によって弾性片又は天壁部を撓ませることによって、カバー部材を枠状部材から取り外すことができる。これにより、カバー部材と枠状部材との間で直接的に又は間接的に挟持されていた鏡を容易に取り外すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明に従うコンパクト容器の第一実施形態を示した側面視での断面図(図2に示すA-Aに沿う断面図)であって、(a)は閉蓋状態を示した図であり、(b)は開蓋状態を示した図である。
図2図1に示したコンパクト容器に関し、(a)は閉蓋状態での平面図であり、(b)は開蓋状態での平面図である。
図3図1に示したコンパクト容器に関し、取り外し用治具(コイン)によってカバー部材を取り外す状況について説明する図であって、(a)は取り外し用治具を穴部に挿入した状態を示した図であり、(b)は取り外し用治具で弾性片を撓ませた状態を示した図である。
図4】本発明に従うコンパクト容器の第二実施形態を示した側面視での断面図(図5に示すB-Bに沿う断面図)である。
図5図4に示したコンパクト容器に関し、(a)は閉蓋状態での平面図であり、(b)は開蓋状態での平面図である。
図6図4に示したコンパクト容器に関し、取り外し用治具(コイン)によってカバー部材を取り外す状況について説明する図であって、(a)は取り外し用治具を切り欠き部に挿入した状態を示した図であり、(b)は取り外し用治具で天壁部を撓ませた状態を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら本発明に従うコンパクト容器の一実施形態について説明する。なお、本明細書等における「上」、「下」とは、基本的には容器本体(符合2)の底壁部(符合2a)が水平面に載置される状態での向き(図1(a)に示す向き)である。また「前」は、図1に示したロック解除部材(符合3)を設けた側であり、「後」とは、その逆側である。また「左」、「右」とは、前方から後方に向かって見る際の左右方向である。
【0014】
図1図3は、本発明に従うコンパクト容器の第一実施形態を示している。本実施形態のコンパクト容器100は、粉体の化粧料を固形化したプレストパウダーの如き固形内容物を携帯する際に使用される。コンパクト容器100は、容器1(容器本体2、ロック解除部材3、仕切り部材4で構成される)と、蓋体5(枠状部材6、カバー部材7、鏡8、弾性部材9で構成される)を備えている。本実施形態の容器本体2、ロック解除部材3、仕切り部材4、枠状部材6、及びカバー部材7は、例えばアクリロニトリル-ブタジエン-スチレン(ABS)樹脂等の比較的硬質の合成樹脂で形成されている。また鏡8は、主要な素材としてガラスで形成されている。また弾性部材9は、比較的軟質の合成樹脂(例えばポリプロピレン(PP)樹脂)やエラストマー(ゴムや熱可塑性エラストマー)で形成されている。またコンパクト容器100には、有底筒状をなしていて内側に固形内容物が収められる中皿10が収容される。
【0015】
容器本体2は、容器1の外殻をなすものであって、図1図2に示すように、平面視で矩形状をなす板状の底壁部2aと、底壁部2aの外縁部の周囲に設けられた本体周壁部2b(図2(b)参照)とを備え、概略有底筒状に形作られている。図2(b)に示すように、容器本体2の後方における幅方向中央部分は、凹状に形作られている。ここで、この凹状となる部位を凹部2cと称する。そして凹部2cを区画する側壁(左右方向に位置する壁)には、蓋体5を揺動させるための軸穴2d(仮想線で示す)が設けられている。また、容器本体2の前方における幅方向中央部には、ロック解除部材3を前後方向にスライドさせるための溝部2eと、溝部2eの上方に位置する傾斜部2fと、傾斜部2fの後方に設けられる容器側係合爪2gが設けられている。
【0016】
ロック解除部材3は、溝部2eに対してスライド可能に取り付けられていて、容器本体2に対して前後方向に移動させることができる。ロック解除部材3は、蓋体5を開く際に使用され、後方に押し込むことによって傾斜部2fで上方に押し上げられる係合解除部3aを備えている。
【0017】
仕切り部材4は、容器本体2の内側に取り付けられ、中皿10等をずれなく収容する機能を有するものである。本実施形態においては図2(b)に示すように、矩形状の穴4aが合計2つ設けられていて、左側の穴4aに中皿10を収容することができる。また右側の穴4aには、パフ等の塗布具(不図示)を収容することができる。
【0018】
枠状部材6は、蓋体5の外周部を構成するものであって、平面視において、概略、額縁状に形作られている。枠状部材6の中央部には、平面視で矩形状をなす開口部6aが設けられている(図1(a)参照)。開口部6aを区画する壁には、開口部6aに向かって突出する内向きフランジ部6bが設けられている(図1(a)の部分拡大図参照)。
【0019】
枠状部材6の後方には、上方から下方に向かって突出し、図2(b)に示すように容器本体2の凹部2cに収まるように形作られた突起部6cが設けられている。突起部6cの側壁(左右方向に位置する壁)には、上述した凹部2cの側壁に設けた軸穴2dに挿入されて、容器1に対する蓋体5の揺動を可能とする軸部6d(図1において二点鎖線で示す)が設けられている。なお、凹部2cの軸穴2dと、突起部6cの軸部6dとを相互に入れ替えて、凹部2cに軸部6dを設け、突起部6cに軸穴2dを設けてもよい。突起部6cには、図2に示すように平面視で矩形状をなし、上下方向に突起部6cを貫通させるようにして形作られた穴部6eが設けられている。また、図1(a)に示すように穴部6eを区画する前方側の壁には、穴部6eに向かって(後方に向かって)凸状になるように形成された係合部6fが設けられている。
【0020】
枠状部材6の前方下部には、図1(a)に示すように、容器側係合爪2gに係合して蓋体5を閉蓋状態で維持する蓋体側係合爪6gが設けられている。枠状部材6の前方上部には、図1(a)の部分拡大図に示すように、上方に向けて延在する上部壁6hが設けられていて、上部壁6hの前方には、枠状部材6の後方に設けた係合部6fと同様の形状になる係合部6fが設けられている。
【0021】
カバー部材7は、蓋体5の中央部を構成するものであって、平面視において、概略、矩形状に形作られている。カバー部材7は、開口部6aを覆ってこれを閉鎖する板状の天壁部7aを備えている。図1(a)に示すように天壁部7aは、穴部6eも覆い隠している。このため、平面視において穴部6eが目立つことはない。また天壁部7aの前方下部には、上部壁6hよりも前方に位置し、天壁部7aから下方に向けて延在する下部壁7bが設けられている。下部壁7bの内周面には、内側に向かって凸状になるように形成され、係合部6fに係合する被係合部7cが設けられている。
【0022】
カバー部材7の後方には、図1(a)に示すように穴部6eに収まるように形成されていて、天壁部7aに対して前後方向に撓み変形可能な弾性片7dが設けられている。弾性片7dは、図1(a)に示すようにクランク状(図示した状態において、下方に向けて延在した後、直角に折れ曲がるようにして後方に向けて延在し、更に直角に折れ曲がるようにして下方に向けて延在する形状)に形作られている。また弾性片7dにおける係合部6fに対向する壁面には、先に説明した被係合部7cが設けられている。
【0023】
鏡8は、板状であって、平面視において矩形状に形作られている。
【0024】
弾性部材9は、平面視において、概略、額縁状に形作られている。弾性部材9は、図1(a)の部分拡大図に示すように、下方に位置する矩形筒状の環状壁9aと、環状壁9aから外側に向けて延在する下部支持壁9bと、下部支持壁9bの外縁部から上方に向けて延在する側部支持壁9cと、側部支持壁9cの上部から内側に向けて延在する上部支持壁9dとを備えている。
【0025】
弾性部材9は、下部支持壁9bと側部支持壁9cと上部支持壁9dの内側で鏡8の外縁部を取り囲んだ状態で、枠状部材6の内向きフランジ部6bに載置されるようにして開口部6aに嵌め込まれる。そしてカバー部材7を枠状部材6に対して押圧することにより、係合部6fと被係合部7cが係合して、カバー部材7は枠状部材6に保持される。この状態において弾性部材9は、枠状部材6とカバー部材7に挟まれて、鏡8は挟持される。
【0026】
このような形態をなすコンパクト容器100においては、容器1に対して蓋体5を閉じると、容器側係合爪2gに対して蓋体側係合爪6gが係合するため、蓋体5を閉蓋状態で維持することができる。このため、コンパクト容器100を持ち運ぶ際にも収容した中皿10や塗布具がコンパクト容器100の外側に飛び出すことがない。一方、化粧を行う際は、ロック解除部材3を前方から後方に向けて押圧すると、傾斜部2fによって係合解除部3aが押し上げられて蓋体側係合爪6gを持ち上げるため、容器側係合爪2gと蓋体側係合爪6gとの係合が解除されて、蓋体5を開くことができる。
【0027】
そして、コンパクト容器100から鏡8を取り外すにあたっては、図3(a)に示すように蓋体5を開き、穴部6eから取り外し用治具J(本実施形態においてはコイン)を挿入する。そして、図3(b)に示すように取り外し用治具Jを前後方向に傾けるようにして弾性片7dを撓ませると、係合部6fと被係合部7cとの係合が解除されるため、カバー部材7を枠状部材6から取り外すことができる。これに伴い、枠状部材6とカバー部材7に挟持されていた弾性部材9と鏡8を取り外すことができる。その後は、弾性部材9を広げるように引っ張ることによって、弾性部材9から鏡8を取り外すことができる。すなわち本実施形態のコンパクト容器100によれば、比較的硬質の合成樹脂で形成されている容器本体2、ロック解除部材3、仕切り部材4、枠状部材6、及びカバー部材7と、主要な素材としてガラスで形成されている鏡8と、比較的軟質の合成樹脂で形成されている弾性部材9とを分別することができる。
【0028】
また弾性片7dは、図1(a)に示すように穴部6eの内側に隠れていて、不用意に触れることがないため、意図せずに鏡8が取り外されてしまう不具合を防止することができる。また穴部6eは、目立ちにくいコンパクト容器100の後方に設けられているうえ、平面視においては天壁部7aに隠れているため、見栄えが損なわれることがない。更に、突起部6cの上下方向の長さは比較的長くなるため、その内側に設けられる弾性片7dの長さも長くすることができる。すなわち、比較的小さな力でも弾性片7dを撓ませることができるため、鏡8を取り外す作業が行いやすくなる。
【0029】
次に、図4図6を参照しながら、本発明に従うコンパクト容器の第二実施形態について説明する。本実施形態のコンパクト容器200は、上述した枠状部材6、カバー部材7と一部構成が相違する枠状部材16、カバー部材17とを備えている。
【0030】
枠状部材16は、上述した開口部6a、内向きフランジ部6b、突起部6c、軸部6d、係合部6f、蓋体側係合爪6g、上部壁6hと同様の構成になる開口部16a、内向きフランジ部16b、突起部16c、軸部16d、係合部16f、蓋体側係合爪16g、上部壁16hを備える一方、上述した穴部6eに替えて、切り欠き部16jを備えている。図4図5(a)に示すように切り欠き部16jは、コンパクト容器200の後方において、突起部16cの上部を水平方向に切り欠くように設けられている。なお、コンパクト容器100の係合部6fは、図1(a)の部分拡大図に示すように、後方においては穴部6eを区画する前方側の壁に設けていたが、図4に示すようにコンパクト容器200の係合部16fは、前方も後方も上部壁16hに設けられている。
【0031】
カバー部材17は、上述した弾性片7dを廃止し、また上述した天壁部7a、下部壁7b、被係合部7cに替えて、天壁部17a、下部壁17b、被係合部17cを備えるものである。天壁部17aの後方中央部は、図4図5(a)に示すように、切り欠き部16jの上方を覆うように突出している。なお、コンパクト容器100の下部壁7bは、図1(a)に示すように後方には設けられていなかったが、図4に示すようにコンパクト容器200の下部壁17bは、後方にも設けられている。また下部壁17bには、前方においても後方においても、係合部16fと係合する被係合部17cが設けられている。
【0032】
このような形態になるコンパクト容器200において、切り欠き部16jは、コンパクト容器200の後方に設けられていて目立ちにくくなっている。また、切り欠き部16jを隠すように天壁部17aの後方中央部が突出する点でも、切り欠き部16jを目立ちにくくしているため、見栄えが損なわれることがない。
【0033】
そしてコンパクト容器200から鏡8を取り外すにあたっては、図6(a)に示すように蓋体5を閉じた状態で、切り欠き部16jに取り外し用治具J(本実施形態においてはコイン)を挿入する。そして、図6(b)に示すように取り外し用治具Jを上方に傾けるようにして天壁部17aを撓ませると、係合部16fと被係合部17cとの係合を解除することができる。これに伴い、枠状部材16とカバー部材17に挟持されていた弾性部材9と鏡8を取り外すことができ、また、弾性部材9を広げるように引っ張ることによって、弾性部材9から鏡8を取り外すことができる。よって本実施形態のコンパクト容器200においても、構成部材を素材毎に分別することができる。
【0034】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、上記の説明で特に限定しない限り、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。また、上記の実施形態における効果は、本発明から生じる効果を例示したに過ぎず、本発明による効果が上記の効果に限定されることを意味するものではない。
【0035】
例えば上述した実施形態において、鏡8は、弾性部材9によって枠状部材6、16とカバー部材7、17に間接的に挟持されていたが、弾性部材9を設けずに枠状部材6、16とカバー部材7、17で直接的に挟持されるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0036】
1:容器
2:容器本体
2a:底壁部
2b:本体周壁部
2c:凹部
2d:軸穴
2e:溝部
2f:傾斜部
2g:容器側係合爪
3:ロック解除部材
3a:係合解除部
4:仕切り部材
4a:穴
5:蓋体
6:枠状部材
6a:開口部
6b:内向きフランジ部
6c:突起部
6d:軸部
6e:穴部
6f:係合部
6g:蓋体側係合爪
6h:上部壁
7:カバー部材
7a:天壁部
7b:下部壁
7c:被係合部
7d:弾性片
8:鏡
9:弾性部材
9a:環状壁
9b:下部支持壁
9c:側部支持壁
9d:上部支持壁
10:中皿
16:枠状部材
16a:開口部
16b:内向きフランジ部
16c:突起部
16d:軸部
16f:係合部
16g:蓋体側係合爪
16h:上部壁
16j:切り欠き部
17:カバー部材
17a:天壁部
17b:下部壁
17c:被係合部
100:コンパクト容器
200:コンパクト容器
J:取り外し用治具
図1
図2
図3
図4
図5
図6