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特許7534137食品用包装材、食品用包装材原反、及び、食品包装体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-05
(45)【発行日】2024-08-14
(54)【発明の名称】食品用包装材、食品用包装材原反、及び、食品包装体
(51)【国際特許分類】
   B65D 65/10 20060101AFI20240806BHJP
   B65D 85/50 20060101ALI20240806BHJP
【FI】
B65D65/10 A
B65D85/50 140
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020114946
(22)【出願日】2020-07-02
(65)【公開番号】P2022012831
(43)【公開日】2022-01-17
【審査請求日】2023-05-19
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000241186
【氏名又は名称】朋和産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】白井 直人
【審査官】宮崎 基樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-261596(JP,A)
【文献】特開2017-190146(JP,A)
【文献】特開2013-177195(JP,A)
【文献】特開2014-037251(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 65/10
B65D 85/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体シートと、該本体シートに固着する少なくとも一つの固着シートとを備えており、
本体シートは、隣り合う本体シート第一部位と手汚れ防止シートとなる本体シート第二部位との間で分割されており、
固着シートは、本体シート第一部位における本体シート第二部位側の端部及び本体シート第二部位における本体シート第一部位側の端部を覆い、且つ、本体シート第一部位と固着する第一固着部と本体シート第二部位と固着する第二固着部とを備えており、
固着シートにおける第一固着部及び第二固着部の両方が本体シートから剥離可能であり、
固着シートは、第一固着部及び第二固着部のうち本体シートから剥離可能である方の近傍に位置する端部に、本体シートと固着していない非固着部を備える、
食品用包装材。
【請求項2】
本体シートは、本体シート第二部位と隣り合う本体シート第三部位を更に備え、且つ、本体シート第二部位と本体シート第三部位との間で分割されており、
少なくとも二つの固着シートを備えており、
本体シート第一部位における本体シート第二部位側の端部及び本体シート第二部位における本体シート第一部位側の端部を覆う固着シートを第一固着シートとし、本体シート第二部位における本体シート第三部位側の端部及び本体シート第三部位における本体シート第二部位側の端部を覆う固着シートを第二固着シートとして備えており、
第一固着シートは、本体シート第一部位と固着する第一固着部と本体シート第二部位と固着する第二固着部とを備え、第一固着シートにおける第一固着部及び第二固着部の両方が本体シートから剥離可能であり、
第二固着シートは、本体シート第三部位に固着する第一固着部と本体シート第二部位に固着する第二固着部とを備え、第二固着シートにおける第一固着部及び第二固着部の両方が本体シートから剥離可能である、
請求項1に記載の食品用包装材。
【請求項3】
本体シート第一部位と本体シート第二部位とは、第一方向に対し交差する第二方向に並列して配置されており、
本体シート第一部位における本体シート第二部位側の端部及び本体シート第二部位における本体シート第一部位側の端部は、第一方向に延びるように形成され、且つ、第一方向における中央側の領域が本体シート第一部位側に向かって膨出する円弧状に形成される、
請求項1又は2に記載の食品用包装材。
【請求項4】
本体シート第一部位と本体シート第二部位と本体シート第三部位とが第二方向に並列して配置されると共に、本体シート第一部位と本体シート第三部位との間に本体シート第二部位が位置しており、
本体シート第二部位における本体シート第三部位側の端部及び本体シート第三部位における本体シート第二部位側の端部は、第一方向に延びるように形成され、且つ、第一方向における中央側の領域が本体シート第三部位側に向かって膨出する円弧状に形成される、
請求項2又は3に記載の食品用包装材。
【請求項5】
第二固着シートは、第一固着部及び第二固着部のうち本体シートから剥離可能である方の近傍に位置する端部に、本体シートと固着していない非固着部を備える、
請求項2乃至の何れか一項に記載の食品用包装材。
【請求項6】
請求項1から請求項の何れか一項に記載の食品用包装材が複数連続して設けられたものである、
食品用包装材原反。
【請求項7】
請求項1から請求項5の何れか一項に記載の食品用包装材と、該食品用包装材に包装された食品とを備えており、
該食品は、本体シート第二部位の少なくとも一部と重なる、
食品包装体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品用包装材、食品用包装材原反、及び、食品包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、食品用包装材には、食品に直接手を触れることなく、簡易に開封できると共に、衛生的に食品を食せることが求められている。このような食品用包装材としては、カットテープを引いて食品用包装材を二分割することで、食品を取り出すものが知られている。
【0003】
具体的には、特許文献1には、このような食品用包装材として、外シートと、外シートの内側に剥離可能に固着された手汚れ防止シートとを有する食品用包装材が提案されている。このような食品用包装材は、外シートを二分割することで食品から取り除くことが可能であると共に、食品用包装材を食品から取り除く際に外シートから手汚れ防止シートが剥離するため、食品側に手汚れ防止シートが保持されるものである。これにより、手汚れ防止シートを介して食品を持つことができるため、衛生的に食品を食することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2014-73115号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記のような食品用包装材では、外シートを2分割した後、食品用包装材を食品から取り除く際に、外シートから手汚れ防止シートを剥離させるための力が必要となる。このため、手汚れ防止シートを食品と円滑に一体とすることができない。
【0006】
そこで、本発明は、食品から取り除く際に、食品と手汚れ防止シートとを円滑に一体とすることができる食品用包装材を提供することを課題とする。また、該食品用包装材の製造に用いる食品用包装材原反、及び、該食品用包装材で食品が包装されてなる食品包装体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る食品用包装材は、本体シートと、該本体シートに固着する少なくとも一つの固着シートとを備えており、本体シートは、隣り合う本体シート第一部位と本体シート第二部位との間で分割されており、固着シートは、本体シート第一部位における本体シート第二部位側の端部及び本体シート第二部位における本体シート第一部位側の端部を覆い、且つ、本体シート第一部位と固着する第一固着部と本体シート第二部位と固着する第二固着部とを備えており、固着シートにおける第一固着部及び第二固着部の少なくとも一方が本体シートから剥離可能である。
【0008】
斯かる構成によれば、食品用包装材で食品を包装した状態で、固着シートにおける第一固着部及び第二固着部の少なくとも一方を本体シートから剥離する。これにより、本体シート第一部位と本体シート第二部位とが分離した状態となる。このため、本体シート第一部位を食品から取り除くことで、本体シート第二部位と食品とを円滑に一体とすることができる。これにより、食品を食する際に本体シート第二部位を手汚れ防止シートとして使用することができる。
【0009】
本体シートは、本体シート第二部位と隣り合う本体シート第三部位を更に備え、且つ、本体シート第二部位と本体シート第三部位との間で分割されており、少なくとも二つの固着シートを備えており、本体シート第一部位における本体シート第二部位側の端部及び本体シート第二部位における本体シート第一部位側の端部を覆う固着シートを第一固着シートとし、本体シート第二部位における本体シート第三部位側の端部及び本体シート第三部位における本体シート第二部位側の端部を覆う固着シートを第二固着シートとして備えており、第一固着シートは、本体シート第一部位と固着する第一固着部と本体シート第二部位と固着する第二固着部とを備え、第一固着シートにおける第一固着部及び第二固着部の少なくとも一方が本体シートから剥離可能であり、第二固着シートは、本体シート第三部位に固着する第一固着部と本体シート第二部位に固着する第二固着部とを備え、第二固着シートにおける第一固着部及び第二固着部の少なくとも一方が本体シートから剥離可能であることが好ましい。
【0010】
斯かる構成によれば、食品用包装材で食品を包装した状態で、第一固着シート及び第二固着シートそれぞれにおける第一固着部及び第二固着部の少なくとも一方を本体シートから剥離する。これにより、本体シート第一部位と本体シート第二部位と本体シート第三部位が分離した状態となる。このため、本体シート第一部位及び本体シート第三部位を食品から取り除くことで、本体シート第二部位と食品とを円滑に一体とすることができる。これにより、食品を食する際に本体シート第二部位を手汚れ防止シートとして使用することができる。
【0011】
本体シート第一部位と本体シート第二部位とは、第一方向に対し交差する第二方向に並列して配置されており、本体シート第一部位における本体シート第二部位側の端部及び本体シート第二部位における本体シート第一部位側の端部は、第一方向に延びるように形成され、且つ、第一方向における中央側の領域が本体シート第一部位側に向かって膨出する円弧状に形成されることが好ましい。
【0012】
斯かる構成によれば、本体シート第二部位における本体シート第一部位側の端部が第一方向における中央側の領域で本体シート第一部位側に向かって膨出する円弧状に形成されるため、本体シート第二部位は、端部が円弧状に形成された部分で幅広になる。このため、本体シート第二部位を手汚れ防止シートとしてより有効に使用することができる。
【0013】
本体シート第一部位と本体シート第二部位と本体シート第三部位とが第二方向に並列して配置されると共に、本体シート第一部位と本体シート第三部位との間に本体シート第二部位が位置しており、本体シート第二部位における本体シート第三部位側の端部及び本体シート第三部位における本体シート第二部位側の端部は、第一方向に延びるように形成され、且つ、第一方向における中央側の領域が本体シート第三部位側に向かって膨出する円弧状に形成されることが好ましい。
【0014】
斯かる構成によれば、本体シート第二部位における本体シート第三部位側の端部が第一方向における中央側の領域で本体シート第三部位側に向かって膨出する円弧状に形成されるため、本体シート第二部位は、端部が円弧状に形成された部分で幅広になる。このため、本体シート第二部位を手汚れ防止シートとして、より有効に使用することができる。
【0015】
固着シートは、第一固着部及び第二固着部のうち本体シートから剥離可能である方の近傍に位置する端部に、本体シートと固着していない非固着部を備えることが好ましい。
【0016】
斯かる構成によれば、固着シートが端部に非固着部を備えることで、非固着部を指などで摘まむことが可能となる。つまり、非固着部を摘み部として指などで摘まんで引っ張ることで、固着シートを本体シートから容易に剥離させることができる。
【0017】
第二固着シートは、第一固着部及び第二固着部のうち本体シートから剥離可能である方の近傍に位置する端部に、本体シートと固着していない非固着部を備えることが好ましい。
【0018】
斯かる構成によれば、第二固着シートが端部に非固着部を備えることで、非固着部を指などで摘まむことが可能となる。つまり、非固着部を摘み部として指などで摘まんで引っ張ることで、第二固着シートを本体シートから容易に剥離させることができる。
【0019】
本発明に係る食品用包装材原反は、上記何れかの食品用包装材が複数連続して設けられたものである。
【0020】
本発明に係る食品包装体は、上記何れかの食品用包装材と、該食品用包装材に包装された食品とを備えており、該食品は、本体シート第二部位の少なくとも一部と重なる。
【発明の効果】
【0021】
以上のように、本発明によれば、食品から取り除く際に、食品と手汚れ防止シートとを円滑に一体とすることができる
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、本発明の第一実施形態に係る食品用包装材の分解斜視図である。
図2図2は、同食品用包装材を外シート側から見た平面図である。
図3図3(a)乃至(c)は、同食品用包装材を用いて食品を包装する過程の説明図である。
図4図4(a)乃至(c)は、同食品用包装材で食品が包装された食品包装体を開封し、食品を取り出す過程の説明図である。
図5図5は、本発明の第二実施形態に係る食品用包装材の分解斜視図である。
図6図6は、同食品用包装材を外シート側から見た平面図である。
図7図7(a)乃至(c)は、同食品用包装材で食品が包装された食品包装体を開封し、食品を取り出す過程の説明図である。
図8図8は、本発明の第三実施形態に係る食品用包装材の分解斜視図である。
図9図9は、同食品用包装材を外シート側から見た平面図である。
図10図10(a)乃至(b)は、同食品用包装材を用いて食品を包装する過程の説明図である。
図11図11(a)乃至(b)は、同食品用包装材で食品が包装された食品包装体を開封し、食品を取り出す過程の説明図である。
図12図12は、更に他の実施形態に係る食品用包装材の本体シートの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に、本発明に係る食品用包装材の実施形態について、図面に基づいて説明する。なお、以下の図面において同一又は相当する部分には同一の参照符号を付しその説明は繰り返さない。また、以下の説明において、第一方向とは、各図の座標軸におけるx軸に沿った方向であり、第一方向に交差する第二方向とは、各図の座標軸におけるy軸に沿った方向である。
【0024】
<第一実施形態>
第一実施形態に係る食品用包装材1について、図1~4を参照しつつ説明する。第一実施形態に係る食品用包装材1は、図1に示すように、本体シート2と、該本体シート2に固着する少なくとも一つ(本実施形態では、2つ)の固着シート3とを備える。また、食品用包装材1は、本体シート2と固着シート3とによって形成される外シート4と、該外シート4に重なる内シート5とを備える。そして、外シート4と内シート5との間に、後述する食品Xの一部であるシート状食品X2が位置する。
【0025】
本体シート2は、四角形状に形成される。具体的には、本体シート2は、長方形状に形成され、第一方向が長手方向となり、第一方向に交差する第二方向が幅方向となる。
【0026】
また、本体シート2は、隣り合う本体シート第一部位2Aと本体シート第二部位2Bとの間で分割されている。また、本体シート2は、本体シート第二部位2Bと隣り合う本体シート第三部位2Cを備え、本体シート第二部位と本体シート第三部位との間で分割されている。
【0027】
本体シート第一部位2A、本体シート第二部位2B、及び、本体シート第三部位2Cは、第二方向に並列して配置される。また、本体シート第一部位2Aと本体シート第三部位2Cとの間に本体シート第二部位2Bが位置する。また、本体シート第一部位2A、本体シート第二部位2B、及び、本体シート第三部位2Cは、別々のシート片を用いて形成される。また、本体シート第一部位2A、本体シート第二部位2B、及び、本体シート第三部位2Cは、長方形状に形成され、第一方向が長手方向となる。
【0028】
本体シート第一部位2Aにおける本体シート第二部位2B側の端部(具体的には、第二方向における一端部)2A1、及び、本体シート第二部位2Bにおける本体シート第一部位2A側の端部(具体的には、第二方向における一端部)2B1は、第一方向に延びるように(具体的には、第一方向に延びる直線状に)形成される。また、第二方向における本体シート第一部位2Aの一端部2A1と第二方向における本体シート第二部位2Bの一端部2B1とは対峙する。
【0029】
本体シート第二部位2Bにおける本体シート第三部位2C側の端部(具体的には、第二方向における他端部)2B2、及び、本体シート第三部位2Cにおける本体シート第二部位2B側の端部(具体的には、第二方向における一端部)2C1は、第一方向に延びるように(具体的には、第一方向に延びる直線状に)形成される。また、第二方向における本体シート第二部位2Bの他端部2B2と第二方向における本体シート第三部位2Cの一端部2C1とは対峙する。
【0030】
固着シート3は、帯状に形成される。また、固着シート3は、第一方向が長手方向となる。また、固着シート3は、本体シート2の一方の面(食品を包装した際に外側となる面)と重なる。また、固着シート3は、第一方向における本体シート2の全長に亘って本体シート2と重なる。
【0031】
本実施形態では、二つの固着シート3のうちの一方(以下、第一固着シート3aとも記す)は、本体シート第一部位2Aにおける本体シート第二部位2B側の端部(具体的には、第二方向における一端部)2A1及び本体シート第二部位2Bにおける本体シート第一部位2A側の端部(具体的には、第二方向における一端部)2B1を覆う。具体的には、第一固着シート3aは、本体シート第一部位2Aにおける本体シート第二部位2B側の端部2A1及び本体シート第二部位2Bにおける本体シート第一部位2A側の端部2B1それぞれの全体を覆う。
【0032】
第一固着シート3aは、本体シート第一部位2Aと固着する第一固着部3a1と本体シート第二部位2Bと固着する第二固着部3a2とを備える。これにより、本体シート第一部位2Aと本体シート第二部位2Bとが第一固着シート3aによって連結される。本実施形態では、第一固着部3a1及び第二固着部3a2は、第一方向に延びる帯状の領域である。また、第一固着部3a1及び第二固着部3a2は、第二方向において連続する(接する)領域である。具体的には、第二方向における第一固着シート3aの両端部よりも内側の領域であって第一方向に延びる帯状の領域が本体シート2に固着しており、斯かる帯状の領域における幅方向の一端側が第一固着部3a1となり、斯かる帯状の領域における幅方向の他端側が第二固着部3a2となる。
【0033】
また、第一固着シート3aにおける第一固着部3a1及び第二固着部3a2の少なくとも一方(本実施形態では、両方)は、本体シート2から剥離可能である。具体的には、第一固着部3a1は、本体シート第一部位2Aから剥離可能であり、第二固着部3a2は、本体シート第二部位2Bから剥離可能である。
【0034】
第一固着シート3aにおける第一固着部3a1及び第二固着部3a2を本体シート2に固着する方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、熱溶着、粘着テープ、粘着剤、超音波シール等が挙げられる。
【0035】
また、第一固着シート3aは、本体シート2と固着していない非固着部3a3を備える。該非固着部3a3は、第一固着シート3aにおける第一固着部3a1及び第二固着部3a2のうち本体シート2から剥離可能である方(本実施形態では、両方)の近傍に位置する端部(本実施形態では、第二方向の両端部)に設けられる。本実施形態では、非固着部3a3は、第二方向における第一固着シート3aの両端部に設けられる。また、非固着部3a3は、第一方向に延びる帯状に形成され、第一方向における第一固着シート3aの全長に亘って設けられる。
【0036】
本実施形態では、二つの固着シート3のうちの他方(以下、第二固着シート3bとも記す)は、本体シート第三部位2Cにおける本体シート第二部位2B側の端部(具体的には、第二方向における一端部)2C1及び本体シート第二部位2Bにおける本体シート第三部位2C側の端部(具体的には、第二方向における他端部)2B2を覆う。具体的には、第二固着シート3bは、本体シート第三部位2Cにおける本体シート第二部位2B側の端部2C1及び本体シート第二部位2Bにおける本体シート第三部位2C側の端部2B2それぞれの全体を覆う。
【0037】
第二固着シート3bは、本体シート第三部位2Cと固着する第一固着部3b1と本体シート第二部位2Bと固着する第二固着部3b2とを備える。これにより、本体シート第二部位2Bと本体シート第三部位2Cとが第二固着シート3bによって連結される。本実施形態では、第一固着部3b1及び第二固着部3b2は、第一方向に延びる帯状の領域である。また、第一固着部3b1及び第二固着部3b2は、第二方向に連続する領域である。具体的には、第二方向における第二固着シート3bの両端部よりも内側の領域であって第一方向に延びる帯状の領域が本体シート2に固着しており、斯かる帯状の領域における幅方向の一端側が第一固着部3b1となり、斯かる帯状の領域における幅方向の他端側が第二固着部3b2となる。
【0038】
また、第二固着シート3bにおける第一固着部3b1及び第二固着部3b2の少なくとも一方(本実施形態では、両方)は、本体シート2から剥離可能である。具体的には、第一固着部3b1は、本体シート第三部位2Cから剥離可能であり、第二固着部3b2は、本体シート第二部位2Bから剥離可能である。
【0039】
第二固着シート3bにおける第一固着部3b1及び第二固着部3b2を本体シート2に固着する方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、第一固着シート3aにおける第一固着部3a1及び第二固着部3a2を本体シート2に固着する方法を採用することができる。
【0040】
また、第二固着シート3bは、本体シート2と固着していない非固着部3b3を備える。該非固着部3b3は、第二固着シート3bにおける第一固着部3b1及び第二固着部3b2のうち本体シート2から剥離可能である方(本実施形態では、両方)の近傍に位置する端部(本実施形態では、第二方向の両端部)に設けられる。本実施形態では、非固着部3b3は、第二方向における第二固着シート3bの両端部に設けられる。また、非固着部3b3は、第一方向に延びる帯状に形成され、第一方向における第二固着シート3bの全長に亘って設けられる。
【0041】
上記のように構成される外シート4は、第二方向に分割可能である。具体的には、本体シート2から固着シート3(具体的には、第一固着シート3a及び第二固着シート3b)を剥離することで、外シート4を本体シート第一部位2A、本体シート第二部位2B、及び、本体シート第三部位2Cに分割できる。より詳しくは、第二方向における第一固着シート3aの両端部の内、少なくとも一方に形成された非固着部3a3を指などで摘まんで引っ張ることで、第一固着部3a1及び/又は第二固着部3a2を本体シート2から剥離する。これにより、本体シート第一部位2Aと本体シート第二部位2Bとの連結が解かれ、本体シート第一部位2Aと本体シート第二部位2Bとの間で外シート4が分割される。また、第二方向における第二固着シート3bの両端部の内、少なくとも一方に形成された非固着部3b3を指などで摘まんで引っ張ることで、第一固着部3b1及び/又は第二固着部3b2を本体シート2から剥離する。これにより、本体シート第二部位2Bと本体シート第三部位2Cとの連結が解かれ、本体シート第二部位2Bと本体シート第三部位2Cとの間で外シート4が分割される。
【0042】
内シート5は、第二方向に分割可能である。具体的には、内シート5は、二つの内シート片5a,5aを備える。二つの内シート片5a,5aは、第二方向に並列して配置されると共に、端部同士が重なり合う重なり部5bを備える。該重なり部5bは、第二方向における内シート5の略中央部に位置し、第一方向に延びるように形成される。そして、二つの内シート片5a,5aが第二方向に離間することで、内シート5が第二方向に分割される。
【0043】
上記の構成される食品用包装材1は、シート状食品X2を囲むように、外シート4(具体的には、本体シート2)と内シート5とが接合される。具体的には、食品用包装材1は、図2に示すように、第一方向の両端部1a,1bで外シート4(具体的には、本体シート2)と内シート5とが接合された端部接合部1S1,1S1と、第二方向の両端部で外シート4(具体的には、本体シート2)と内シート5とが接合された側部接合部1S2,1S2とを備える。端部接合部1S1は、内シート5の重なり部5bと重ならない位置に形成される。また、端部接合部1S1は、固着シート3(具体的には、第一固着シート3a及び第二固着シート3b)と重ならない位置に形成される。また、側部接合部1S2は、第一方向に間隔を空けて形成される。そして、隣り合う側部接合部1S2同士の間には、シート状食品X2を収容する空間を食品用包装材1の外側の空間に連通させる連通部1S3が形成される。上記のように形成される食品用包装材1は、四角形状であり、四つ角に相当する部分に切り欠きが形成される。
【0044】
上記のように構成される食品用包装材1を用いて、図3(a)に示すような三角形状の米飯加工食品X1を包む際には、食品用包装材1の内シート5側に米飯加工食品X1を載せる。このとき、三角形状の米飯加工食品X1が重なり部5bの上に左右均等に載り、かつ、三角形状の米飯加工食品X1の一つの角部が第一方向における食品用包装材1の一端部1a側に向くように米飯加工食品X1を配置する。
【0045】
次に、同図(b)に示すように、食品用包装材1を、第一方向における一端部1a側の領域とこれに対向する他端部1b側の領域とを合わせるように第一方向に二つ折りにし、折った側の部分を、三角形状の米飯加工食品X1の側面(三角形状の斜面)に沿うように折る。これにより、食品用包装材1の第一方向の一端部1a側の領域が三角形状の米飯加工食品X1の正面を覆い、他端部1b側の領域が三角形状の米飯加工食品X1の背面を覆う。この際、本体シート第二部位2Bは、米飯加工食品X1が内側に位置するようにU字状になっており、米飯加工食品X1の正面及び背面を覆う。そして、食品用包装材1における米飯加工食品X1と重なっていない領域を、三角形状の米飯加工食品X1に沿って折り返し、同図(c)に示すように、米飯加工食品X1の背面上で重ねる。そして、食品用包装材1における三角形状の米飯加工食品X1の背面で重なる部分にラベル(図示せず)を貼り付けることで、図4(a)に示すように、食品用包装材1で食品Xが包装されてなる食品包装体100が形成される。
【0046】
なお、上記のように食品Xは、米飯加工食品X1と該米飯加工食品X1に付けられるシート状食品X2とを備える。米飯加工食品X1としては、特に限定されるものではなく、例えば、おにぎり、寿司等が挙げられる。米飯加工食品X1の形状としては、特に限定されるものではなく、例えば、上記の三角形状の他に、四角形状、球形状、俵形状、円形状、楕円形状等が挙げられる。また、シート状食品X2としては、特に限定されるものではなく、例えば、昆布、畳鰯等が挙げられる。シート状食品X2の形状としては、特に限定されるものではなく、例えば、上記の四角形状の他に、三角形状、円形状等が挙げられる。
【0047】
上記のような食品包装体100から食品Xを取り出す際には、上記のように、第一固着シート3aの非固着部3a3を指などで摘まんで引っ張ることで、第一固着シート3aの第一固着部3a1及び第二固着部3a2を本体シート2から剥離し、本体シート2から第一固着シート3aを取り除く。また、第二固着シート3bの非固着部3b3を指などで摘まんで引っ張ることで、第二固着シート3bの第一固着部3b1及び第二固着部3b2を本体シート2から剥離し、本体シート2から第二固着シート3bを取り除く。これにより、同図(b)に示すように、外シート4を本体シート第一部位2Aと本体シート第二部位2Bと本体シート第三部位2Cとに分割する。そして、本体シート第一部位2Aと本体シート第三部位2Cとを第二方向に引っ張ることにより、同図(c)に示すように、食品X(米飯加工食品X1とシート状食品X2とが一体となったもの)を本体シート第二部位2Bが付いた状態で取り出すことができる。これにより、本体シート第二部位2Bを手汚れ防止シートとし、該手汚れ防止シートを介して食品Xを手で把持することができるため、衛生的に食品Xを食することができる。
【0048】
<第二実施形態>
次に、本発明の第二実施形態に係る食品用包装材7について、図5~7を参照しつつ説明する。第二実施形態に係る食品用包装材7は、第一実施形態の食品用包装材1と比較して、主に、内シート5を備えない点、本体シート2が本体シート第三部位2Cを備えない点で異なる。従って、以下では、第一実施形態の食品用包装材1と異なる点について説明する。
【0049】
本実施形態に係る食品用包装材7は、図5,6に示すように、本体シート2と、一つの固着シート3とを備える。また、食品用包装材7は、本体シート2における固着シート3が重なる一方の面と反対側の他方の面(食品を包装する際に食品側となる面)に重なるように配置される二つのシート状重なり部8を備える。
【0050】
本実施形態では、本体シート2は、本体シート第一部位2Aと、本体シート第二部位2Bとを備え、本体シート第一部位2Aと本体シート第二部位2Bとの間で分割されている。また、本体シート第一部位2Aと本体シート第二部位2Bとは、第二方向に並列して配置される。また、本体シート第一部位2Aと本体シート第二部位2Bとは、別々のシート片を用いて形成される。また、本体シート第一部位2Aと本体シート第二部位2Bとは、長方形状に形成され、第一方向が長手方向となる。
【0051】
本体シート第一部位2Aにおける本体シート第二部位2B側の端部(具体的には、第二方向における一端部)2A1、及び、本体シート第二部位2Bにおける本体シート第一部位2A側の端部(具体的には、第二方向における一端部)2B1は、第一方向に延びるように(具体的には、第一方向に延びる直線状に)形成される。また、第二方向における本体シート第一部位2Aの一端部2A1と第二方向における本体シート第二部位2Bの一端部2B1とは対峙する。
【0052】
固着シート3は、帯状に形成される。また、固着シート3は、第一方向が長手方向となる。また、固着シート3は、本体シート2の一方の面(食品を包装した際に外側となる面)と重なる。具体的には、固着シート3は、第一方向における本体シート2の全長に亘って本体シート2と重なる。
【0053】
固着シート3は、本体シート第一部位2Aにおける本体シート第二部位2B側の端部(具体的には、第二方向における一端部)2A1及び本体シート第二部位2Bにおける本体シート第一部位2A側の端部(具体的には、第二方向における一端部)2B1を覆う。具体的には、固着シート3は、本体シート第一部位2Aにおける本体シート第二部位2B側の端部2A1及び本体シート第二部位2Bにおける本体シート第一部位2A側の端部2B1それぞれの全体を覆う。
【0054】
固着シート3は、本体シート第一部位2Aと固着する第一固着部31と本体シート第二部位2Bと固着する第二固着部32とを備える。これにより、本体シート第一部位2Aと本体シート第二部位2Bとが固着シート3によって連結される。本実施形態では、第一固着部31及び第二固着部32は、第一方向に延びる帯状の領域である。また、第一固着部31及び第二固着部32は、第二方向に連続する領域である。具体的には、第二方向における固着シート3の両端部よりも内側の領域であって第一方向に延びる帯状の領域が本体シート2に固着しており、斯かる帯状の領域における幅方向の一端側が第一固着部31となり、斯かる帯状の領域における幅方向の他端側が第二固着部32となる。
【0055】
また、固着シート3における第一固着部31及び第二固着部32の少なくとも一方(本実施形態では、両方)は、本体シート2から剥離可能である。具体的には、第一固着部31は、本体シート第一部位2Aから剥離可能であり、第二固着部32は、本体シート第二部位2Bから剥離可能である。
【0056】
固着シート3における第一固着部31及び第二固着部32を本体シート2に固着する方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、第一実施形態における第一固着部3a1,3b1や第二固着部3a2,3b2を本体シート2に固着する方法等を用いることができる。
【0057】
また、固着シート3は、本体シート2と固着していない非固着部33を備える。該非固着部33は、固着シート3における第一固着部3a1及び第二固着部3a2のうち本体シート2から剥離可能である方(本実施形態では、両方)の近傍に位置する端部(本実施形態では、第二方向の両端部)に設けられる。本実施形態では、非固着部33は、第二方向における固着シート3の両端部で第一方向に延びる帯状に形成される。また、非固着部33は、第一方向における固着シート3の全長に亘って設けられる。
【0058】
そして、第二方向における固着シート3の両端部に形成された非固着部33の少なくとも一方を指などで摘まんで引っ張ることで、第一固着部31及び/又は第二固着部32を本体シート2から剥離する。これにより、本体シート第一部位2Aと本体シート第二部位2Bとの連結が解かれ、本体シート第一部位2Aと本体シート第二部位2Bとの間で食品用包装材7が分割される。
【0059】
二つのシート状重なり部8,8は、第一方向に延びる帯状に形成される。また、二つのシート状重なり部8,8は、第一方向における本体シート2の両端間の全域に亘って配置される。また、二つのシート状重なり部8,8は、第二方向に間隔を空けて配置され、二つのシート状重なり部8,8の間に固着シート3が位置する。また、一方のシート状重なり部8は、第二方向における本体シート2の一端部と重なり、他方のシート状重なり部8は、第二方向における本体シート2の他端部と重なる。また、二つのシート状重なり部8,8は、第二方向における本体シート2の両端縁から離れた位置に配置される。
【0060】
各シート状重なり部8は、少なくとも一部が本体シート2と貼り合わされる。例えば、第二方向におけるシート状重なり部8の両端部よりも内側で第一方向に延びる帯状の部分が本体シート2と貼り合わされてもよく、シート状重なり部8の全体が本体シート2と貼り合わされてもよい。シート状重なり部8と本体シート2とを貼り合わせる方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、ヒートシール、超音波シール、接着剤等を用いることができる。
【0061】
また、シート状重なり部8の厚みとしては、特に限定されるものではない。例えば、シート状重なり部8の厚みは、固着シート3と略同一であってもよく、固着シート3よりも厚くても薄くてもよい。なお、厚みが略同一とは、固着シート3の厚みに対するシート状重なり部8の厚みの割合が0.9~1.1であることをいう。
【0062】
シート状重なり部8を構成するシート材としては、特に限定されるものではなく、例えば、本体シート2と同一の、又は異なるシート材(例えば、不織布等)を用いることができ、固着シート3と略同一厚みとする点では、固着シート3を構成するシート材と同じシート材を用いることが好ましい。
【0063】
上記のように構成される食品用包装材7を用いて、図7(a)に示すように食品X’を包装する際に、本体シート2の他方の面(固着シート3が重ねられた面とは反対側の面)が食品X’側となるように、食品X’の形状に沿って食品用包装材7で食品X’を包み込む。この際、本体シート第二部位2Bには、食品X’を挟んで対向する領域が形成される。これにより、食品用包装材7で食品X’が包装されてなる食品包装体100が形成される。なお、食品X’としては、特に限定されるものではなく、例えば、ハンバーガー、大福等が挙げられる。
【0064】
上記のような食品包装体100から食品X’を取り出す際には、上記のように、固着シート3の非固着部33を指などで摘まんで引っ張ることで、第一固着部31及び第二固着部32を本体シート2から剥離し、本体シート2から固着シート3を取り除く。これにより、同図(b)に示すように、食品用包装材7を本体シート第一部位2Aと本体シート第二部位2Bとにする。そして、本体シート第一部位2Aを食品X’から取り除くことにより、同図(c)に示すように、食品X’を本体シート第二部位2Bが付いた状態で取り出すことができる。これにより、本体シート第二部位2Bを手汚れ防止シートとし、該手汚れ防止シートを介して食品X’を手で把持することができるため、衛生的に食品X’を食することができる。
【0065】
<第三実施形態>
次に、本発明の第三実施形態に係る食品用包装材10について、図8~11を参照しつつ説明する。第三実施形態に係る食品用包装材10は、第二実施形態の食品用包装材7と比較して、主に、シート状重なり部8を備えない点で異なるものである。従って、以下では、第二実施形態の食品用包装材7と異なる点について説明する。
【0066】
本実施形態に係る食品用包装材10は、第二実施形態に係る食品用包装材7の構成からシート状重なり部8を省いたものであり、該シート状重なり部8以外の構成については、食品用包装材7と同一である。
【0067】
このような食品用包装材10を用いて、図10(a)に示す食品X’’を包装する際には、ピロー包装機等を用いることができる。具体的には、第一方向における食品用包装材10の両端部1a,1bが対峙するように食品用包装材10を筒状にすると共に、その対峙する端部1a,1b同士をシールし(具体的には、シール部1S4を形成し)、内側に食品X’’を収容して両端の開口部をシールする(具体的には、シール部1S4を形成する)。この際、本体シート第二部位2Bには、食品X’’を挟んで対向する領域が形成される。これにより、同図(b)に示すように、食品用包装材10で食品X’’が包装されてなる食品包装体100が形成される。なお、食品X’’としては、特に限定されるものではなく、例えば、ホットドック、エクレア等が挙げられる。
【0068】
斯かる食品包装体100から食品X’’を取り出す際には、第二実施形態と同様に、固着シート3の非固着部33を指などで摘まんで引っ張ることで、第一固着部31及び第二固着部32を本体シート2から剥離し、本体シート2から固着シート3を取り除く。これにより、同図(b)に示すように、食品用包装材10が本体シート第一部位2Aと本体シート第二部位2Bとに分割される。そして、本体シート第一部位2Aを食品X’’から取り除くことにより、同図(c)に示すように、食品X’’を本体シート第二部位2Bが付いた状態で取り出すことができる。これにより、本体シート第二部位2Bを手汚れ防止シートとし、該手汚れ防止シートを介して食品X’’を手で把持することができるため、衛生的に食品X’’を食することができる。
【0069】
以上のように、各実施形態に係る食品用包装材1,7,10は、食品Xから取り除く際に、食品Xと手汚れ防止シート(本体シート第二部位2B)とを円滑に一体とすることができる。
【0070】
即ち、食品用包装材1,7,10で食品Xを包装した状態で、固着シート3,3a,3bにおける第一固着部3a1,3b1,31及び第二固着部3a2,3b2,32の少なくとも一方を本体シート2から剥離する。これにより、本体シート第一部位2Aと本体シート第二部位2Bとが分離した状態となる。このため、本体シート第一部位2Aを食品Xから取り除くことで、本体シート第二部位2Bと食品Xとを円滑に一体とすることができる。これにより、食品Xを食する際に本体シート第二部位2Bを手汚れ防止シートとして使用することができる。
【0071】
また、食品用包装材1で食品Xを包装した状態で、第一固着シート3a及び第二固着シート3bそれぞれにおける第一固着部3a1,3b1及び第二固着部3a2,3b2の少なくとも一方を本体シート2から剥離する。これにより、本体シート第一部位2Aと本体シート第二部位2Bと本体シート第三部位2Cが分離した状態となる。このため、本体シート第一部位2A及び本体シート第三部位2Cを食品Xから取り除くことで、本体シート第二部位2Bと食品Xとを円滑に一体とすることができる。これにより、食品Xを食する際に本体シート第二部位2Bを手汚れ防止シートとして使用することができる。
【0072】
また、本体シート第二部位2Bにおける本体シート第一部位2A側の端部2B1が第一方向における中央側の領域で本体シート第一部位2A側に向かって膨出する円弧状に形成されるため、本体シート第二部位2Bは、端部2B1が円弧状に形成された部分で幅広になる。このため、本体シート第二部位2Bを手汚れ防止シートとしてより有効に使用することができる。
【0073】
また、本体シート第二部位2Bにおける本体シート第三部位2C側の端部2B2が第一方向における中央側の領域で本体シート第三部位2C側に向かって膨出する円弧状に形成されるため、本体シート第二部位2Bは、端部2B2が円弧状に形成された部分で幅広になる。このため、本体シート第二部位2Bを手汚れ防止シートとして、より有効に使用することができる。
【0074】
また、固着シート3,3a,3bが端部に非固着部3a3,3b3,33を備えることで、非固着部3a3,3b3,33を指などで摘まむことが可能となる。つまり、非固着部3a3,3b3,33を摘み部として指などで摘まんで引っ張ることで、固着シート3,3a,3bを本体シート2から容易に剥離させることができる。
【0075】
なお、本発明に係る食品用包装材は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。また、上記した複数の実施形態の構成や方法等を任意に採用して組み合わせてもよく(一つの実施形態に係る構成や方法等を他の実施形態に係る構成や方法等に適用してもよく)、さらに、下記する各種の変更例に係る構成や方法等を任意に選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
【0076】
例えば、上記実施形態では、本体シート第一部位2Aにおける本体シート第二部位2B側の端部(具体的には、第二方向における一端部)2A1及び本体シート第二部位2Bにおける本体シート第一部位2A側の端部(具体的には、第二方向における一端部)2B1は、直線状に形成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、図12に示すように、第一方向における中央側の領域が本体シート第一部位2A側に向かって膨出する円弧状に形成されてもよい。
【0077】
また、上記実施形態では、本体シート第三部位2Cにおける本体シート第二部位2B側の端部(具体的には、第二方向における一端部)2C1及び本体シート第二部位2Bにおける本体シート第三部位2C側の端部(具体的には、第二方向における他端部)2B2は、直線状に形成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、図12に示すように、第一方向における中央側の領域が本体シート第三部位2C側に向かって膨出する円弧状に形成されてもよい。
【0078】
また、上記実施形態では、第二方向において、本体シート第一部位2Aの一端部2A1と本体シート第二部位2Bの一端部2B1とが対峙しているが、これに限定されるものではなく、例えば、本体シート第一部位2Aの一端部2A1と本体シート第二部位2Bの一端部2B1とが重なってもよい。また、上記実施形態では、第二方向において、本体シート第二部位2Bの他端部2B2と本体シート第三部位2Cの一端部2C1とが対峙しているが、これに限定されるものではなく、例えば、本体シート第二部位2Bの他端部2B2と本体シート第三部位2Cの一端部2C1とが重なってもよい。
【0079】
また、上記実施形態では、非固着部3a3,3b3,33を摘まんで引っ張ることで、固着シート3を本体シート2から剥離しているが、これに限定されるものではなく、例えば、本体シート第一部位2Aと本体シート第二部位2Bとを離間させるように引っ張ることで、固着シート3を本体シート2から剥離してもよい。この場合、固着シート3は、本体シート第一部位2A及び本体シート第二部位2Bの一方から剥離し、本体シート第一部位2A及び本体シート第二部位2Bの他方に固着したままとなってもよい。また、この場合、本体シート2の他方の面(食品側となる面)に固着シート3が固着されてもよい。
【0080】
また、上記実施形態では、本体シート2は、複数のシート片で構成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、一枚のシート材が部分的に切断されており、切断された箇所を挟んで隣り合う領域によって、本体シート第一部位2A及び本体シート第二部位2B、又は、本体シート第二部位2B及び本体シート第三部位2Cが構成されてもよい。
【0081】
また、上記実施形態では、固着シート3は、帯状に形成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、正方形状、長方形状、円形状等であってもよい。
【0082】
また、上記実施形態では、固着シート3は、非固着部3a3,3b3,33を備えるように構成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、固着シート3の全体が本体シート2に固着する(即ち、非固着部3a3,3b3,33を備えない)ように構成してもよい。
【0083】
また、上記実施形態では、非固着部3a3,3b3,33は、第一方向における固着シート3の両端間の全長に亘って連続的に形成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、第一方向における固着シート3の両端間に断続的に形成されてもよく、第一方向における固着シート3の両端間の一部に形成されてもよい。
【0084】
また、第一固着部3a1,3b1,31及び第二固着部3a2,3b2,32は、第一方向における固着シート3の両端間の全域に亘って連続的に形成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、第一方向における固着シート3の両端間に断続的に形成されてもよく、第一方向における固着シート3の両端間の一部に形成されてもよい。
【0085】
また、上記実施形態では、第一固着部3a1,3b1,31と第二固着部3a2,3b2,32とは、第二方向において連続している(接している)が、これに限定されるものではなく、例えば、第二方向に間隔を空けて位置してもよい。
【0086】
また、第二実施形態では、本体シート2の他方の面(食品を包んだ際に食品側となる面)にシート状重なり部8が重なるが、これに限定されるものではなく、例えば、本体シート2の一方の面(食品を包んだ際に外側となる面)にシート状重なり部8が重なってもよい。
【0087】
また、第二実施形態では、シート状重なり部8は、第一方向における本体シート2の両端間の全域に亘って連続して配置されているが、これに限定されるものではなく、例えば、複数のシート状重なり部8が第一方向に間隔を空けて配置されてもよい。また、第二実施形態では、食品用包装材7は、二つのシート状重なり部8を備えるように構成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、一方のシート状重なり部8のみを備えるように構成されてもよい。
【0088】
また、第二実施形態では、シート状重なり部8は、本体シート2とは別体に形成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、本体シート2と一体であってもよい。具体的には、本体シート2及びシート状重なり部8を形成する一枚のシート材の対向する端部がそれぞれ折り返されることで、折り返された端部によってシート状重なり部8が形成され、他の部分によって本体シート2が形成されてもよい。
【0089】
上記の各実施形態に係る食品用包装材1,7,10が連続する(具体的には、第一方向に連続する)ことで食品用包装材原反(図示せず)が形成されてもよい。つまり、食品用包装材1,7,10は、食品用包装材原反から切り出されたものであってもよい。
【0090】
また、上記の第一実施形態では、内シート5は、二つの内シート片5a,5aを備えているが、これに限定されるものではなく、例えば、3枚以上の内シート片5a・・・を備えるように構成してもよい。
【0091】
また、上記の第一実施形態では、米飯加工食品X1を挟むように食品用包装材1を二つ折りにした後、食品用包装材1における米飯加工食品X1と重なっていない領域を、三角形状の米飯加工食品X1に沿って折り返しているが、これに限定されるものではない。例えば、食品用包装材1における米飯加工食品X1と重なっていない領域を、三角形状の米飯加工食品X1に沿って折り返すことなく、食品用包装材1における米飯加工食品X1の正面側の領域の外周端部と背面側の領域の外周端部とをシールして四角形状の食品包装体(図示せず)を形成してもよい。
【0092】
また、上記実施形態において、本体シート2、固着シート3、及び、内シート5の材料としては、特に限定されるものではなく、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等の合成樹脂フィルム、これらの合成樹脂と繊維などの複合材フィルム、紙、及び、紙と合成樹脂との複合シート等が挙げられる。合成樹脂フィルムとしては、一軸延伸合成樹脂フィルム、二軸延伸合成樹脂フィルム、無延伸合成樹脂フィルム等が挙げられる。また、本体シート2、固着シート3、及び、内シート5の材料は、同一であってもよく、それぞれが異なるものであってもよい。また、本体シート2、固着シート3、及び、内シート5の少なくとも一つは、透明であってもよく、不透明であってもよく、半透明であってもよい。また、本体シート第二部位2Bは、食品Xに直に接触するものであるため、食品Xが付着しにくい性質のものを用いることが好ましい。
【符号の説明】
【0093】
1,7,10…食品用包装材、1S1…端部接合部、1S2…側部接合部、1S3…連通部、1S4…シール部、2…本体シート、2A…本体シート第一部位、2B…本体シート第二部位、2C…本体シート第三部位、3…固着シート、3a…第一固着シート、3a1…第一固着シートの第一固着部、3a2…第一固着シートの第二固着部、3a3…第一固着シートの非固着部、3b…第二固着シート、3b1…第二固着シートの第一固着部、3b2…第二固着シートの第二固着部、3b3…第二固着シートの非固着部、4…外シート、5…内シート、5a…内シート片、5b…重なり部、8…シート状重なり部、31…固着シートの第一固着部、32…固着シートの第二固着部、33…固着シートの非固着部、100…食品包装体、X…食品、X1…米飯加工食品、X2…シート状食品
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12