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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-05
(45)【発行日】2024-08-14
(54)【発明の名称】高所作業装置の安全装置
(51)【国際特許分類】
   B66F 9/24 20060101AFI20240806BHJP
   B66F 11/04 20060101ALI20240806BHJP
【FI】
B66F9/24 S
B66F11/04
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020144085
(22)【出願日】2020-08-28
(65)【公開番号】P2022039185
(43)【公開日】2022-03-10
【審査請求日】2023-07-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000116644
【氏名又は名称】株式会社アイチコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100115808
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 真司
(74)【代理人】
【識別番号】100113549
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 守
(74)【代理人】
【識別番号】100092897
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 正悟
(74)【代理人】
【識別番号】100157417
【弁理士】
【氏名又は名称】並木 敏章
(74)【代理人】
【識別番号】100218095
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(72)【発明者】
【氏名】町田 朝
(72)【発明者】
【氏名】関谷 瑞樹
【審査官】八板 直人
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-060197(JP,A)
【文献】特開平11-100198(JP,A)
【文献】特開2003-111856(JP,A)
【文献】特開2019-193729(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0198952(US,A1)
【文献】特開平08-208193(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66F 9/00-11/04
E04G 21/24-21/32
B65G 1/00-1/133;1/14-1/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
昇降装置と、前記昇降装置により昇降される作業者が搭乗可能な作業台と、前記昇降装置の作動を制御する昇降作動制御装置と、を有して構成される高所作業装置の安全装置であって、
前記作業台に、前記作業台に搭乗した作業者が装着する身体係留具を係止させるフック掛け部を備え、
前記身体係留具は、作業者の体に取り付ける本体部材と、前記本体部材に繋がる第1係留部材と、前記本体部材に繋がる第2係留部材とを有して構成され、
前記第1係留部材は前記本体部材に繋がる所定長さの第1ロープ部材および前記第1ロープ部材の先端に取り付けられた第1フック部材により構成され、前記第2係留部材は前記本体部材に繋がる、前記第1ロープ部材より長い第2ロープ部材および前記第2ロープ部材の先端に取り付けられた第2フック部材により構成され、
前記フック掛け部に前記第1および/または前記第2フック部材を係止可能であり、
前記作業台の高さを求める作業台高度測定装置と、
前記第1フック部材および/または前記第2フック部材が前記フック掛け部に係止されているか否かを検出可能なフック係止検出装置と、を備え、
前記昇降作動制御装置は、前記作業台高度測定装置により求められた作業台高さが所定高度未満の場合には、前記フック係止検出装置により前記フック掛け部に前記第1フック部材が係止されていることが検出されている場合に限り前記昇降装置を作動可能とし、
前記作業台高度測定装置により求められた前記作業台高さが前記所定高度を越える場合には、前記フック係止検出装置により前記フック掛け部に前記第2フック部材が係止され且つ前記第1フック部材が係止されていないことが検出されている場合に限り前記昇降装置を作動可能とするように構成されることを特徴とする高所作業装置の安全装置。
【請求項2】
前記昇降作動制御装置は、前記作業台高度測定装置により求められた前記作業台高さが前記所定高度である場合には、前記フック係止検出装置により前記フック掛け部に前記第1フック部材が係止されていることが検出されている場合に限り前記昇降装置を下降作動可能とし、前記フック係止検出装置により前記フック掛け部に前記第2フック部材が係止され且つ前記第1フック部材が係止されていないことが検出されている場合に限り前記昇降装置を上昇作動可能とするように構成されることを特徴とする請求項1に記載の高所作業装置の安全装置。
【請求項3】
前記第1フック部材に第1識別子が設けられ、前記第2フック部材に第2識別子が設けられており、
前記フック係止検出装置は前記第1および/または前記第2識別子を検出識別して、前記フック掛け部に前記第1フック部材および前記第2フック部材のいずれが係止されているかを識別可能に構成されることを特徴とする請求項1もしくは2に記載の高所作業装置の安全装置。
【請求項4】
前記フック掛け部は、前記第1フック部材を係止させるための第1フック掛け部と、前記第2フック部材を係止させるための第2フック掛け部と、を有して構成されることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の高所作業装置の安全装置。
【請求項5】
前記第1フック掛け部には前記第2フック部材を係止させることができないように構成される、および/または、前記第2フック掛け部には前記第1フック部材を係止させることができないように構成されることを特徴とする請求項4に記載の高所作業装置の安全装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、昇降可能な作業台を備えた高所作業装置の安全装置に関する。
【背景技術】
【0002】
高所作業装置の一例である高所作業車は、例えば、前後輪を有して走行可能な車両と、この車両の車体上に起伏、伸縮および旋回自在に配設されたブームと、このブームの先端部に設けられた作業者搭乗用の作業台とを備え、作業台に搭乗した作業者が作業台上に設けられた操作装置を操作してブームを作動させることにより、作業台を任意の高所位置へ移動自在に構成されている。このような高所作業車を使用して高所作業を行う場合には、作業者は安全帯または墜落制止用器具と称される身体係留具を用いて身体を作業台に係留する。この身体係留具は、作業者の体に取り付けられるベルト状の本体部材と、この本体部材に繋がる係留部材とから構成されており、係留部材は、本体部材に繋がるロープ部材およびロープ部材の先端に取り付けられたフック部材とから構成されている。作業者が作業前にフック部材を作業台上に設けられたフック掛け部に係止させておくことにより、作業者は安全に高所作業をすることが可能となる。
【0003】
このような構成の身体係留具では、作業者がフック部材をフック掛け部に係止することを忘れた場合には、本来の目的を達成することができない。そこで、作業台上にフック部材の係止状態を検知する検知装置を設け、この検知装置により、フック部材がフック掛け部に係止されていないことが検知されたときには、昇降装置を作動できないように構成して、フック部材の係止を確実に促すことができるようなシステムが提案されている(例えば、下記特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2002-60197号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、短いランヤード(ロープ部材)で緩衝用のショックアブソーバが設けられていない構成の比較的低い位置での作業用の係留部材(「低所用係留部材」と称する)と、長いランヤードでショックアブソーバが設けられた構成の比較的高い位置での作業用の係留部材(「高所用係留部材」と称する)とを備えた身体係留具(「高度変化対応型の身体係留具」と称する)が用いられることがある。このような高度変化対応型の身体係留具を作業者が装着して高所作業車での作業を行う場合、作業者は、作業台の高さに応じて2つの係留部材を使い分けることが求められる。すなわち、作業者は、作業台高さが所定高度より低い位置では低所用係留部材のフック部材をフック掛け部に係止させ、作業台高さが所定高度を越える位置では低所用係留部材のフック部材をフック掛け部から外し、替わりに高所用係留部材のフック部材をフック掛け部に係止させることにより、安全に高所作業を行うことが可能となる。
【0006】
一方、2つの係留部材の使い分けを適正に行わない場合は、高度変化対応型の身体係留具が十分に機能しない虞があり、安全に高所作業を行うことができない。そこで、高度変化対応型の身体係留具を十分に機能させ、安全に高所作業を行わせるために、作業台高さに応じて2つの係留部材を適正に使い分けることを促すことが可能なシステムを構築することが求められている。
【0007】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、身体係留具を適正に使用することを促すことが可能な高所作業装置の安全装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明に係る高所作業装置の安全装置は、昇降装置(例えば、実施形態におけるブーム30)と、前記昇降装置により昇降される作業者が搭乗可能な作業台と、前記昇降装置の作動を制御する昇降作動制御装置(例えば、実施形態における昇降作動制御部104)と、を有して構成される高所作業装置の安全装置であって、前記作業台に、前記作業台に搭乗した作業者が装着する身体係留具(例えば、実施形態における安全帯90)を係止させるフック掛け部(例えば、実施形態における安全帯係止装置50)を備え、前記身体係留具は、作業者の体に取り付ける本体部材(例えば、実施形態における装着用ベルト部材91)と、前記本体部材に繋がる第1係留部材(例えば、実施形態における低所用係留部材92L)と、前記本体部材に繋がる第2係留部材(例えば、実施形態における高所用係留部材92H)とを有して構成され、前記第1係留部材は前記本体部材に繋がる所定長さの第1ロープ部材(例えば、実施形態における低所用ランヤード93L)および前記第1ロープ部材の先端に取り付けられた第1フック部材(例えば、実施形態における低所用フック94L)により構成され、前記第2係留部材は前記本体部材に繋がる、前記第1ロープ部材より長い第2ロープ部材(例えば、実施形態における高所用ランヤード93H)および前記第2ロープ部材の先端に取り付けられた第2フック部材(例えば、実施形態における高所用フック94H)により構成され、前記フック掛け部に前記第1および/または前記第2フック部材を係止可能であり、前記作業台の高さを求める作業台高度測定装置(例えば、実施形態における作業台高度測定部102)と、前記第1フック部材および/または前記第2フック部材が前記フック掛け部に係止されているか否かを検出可能なフック係止検出装置(例えば、実施形態におけるフック係止状態検出部101)と、を備え、前記昇降作動制御装置は、前記作業台高度測定装置により求められた作業台高さが所定高度未満の場合には、前記フック係止検出装置により前記フック掛け部に前記第1フック部材が係止されていることが検出されている場合に限り前記昇降装置を作動可能とし、前記作業台高度測定装置により求められた前記作業台高さが前記所定高度を越える場合には、前記フック係止検出装置により前記フック掛け部に前記第2フック部材が係止され且つ前記第1フック部材が係止されていないことが検出されている場合に限り前記昇降装置を作動可能とするように構成される。
【0009】
本発明に係る高所作業装置の安全装置において、好ましくは、前記昇降作動制御装置は、前記作業台高度測定装置により求められた前記作業台高さが前記所定高度である場合には、前記フック係止検出装置により前記フック掛け部に前記第1フック部材が係止されていることが検出されている場合に限り前記昇降装置を下降作動可能とし、前記フック係止検出装置により前記フック掛け部に前記第2フック部材が係止され且つ前記第1フック部材が係止されていないことが検出されている場合に限り前記昇降装置を上昇作動可能とするように構成される。
【0010】
本発明に係る高所作業装置の安全装置において、好ましくは、前記第1フック部材に第1識別子(例えば、実施形態におけるICタグ121L)が設けられ、前記第2フック部材に第2識別子(例えば、実施形態におけるICタグ121H)が設けられており、前記フック係止検出装置は前記第1および/または前記第2識別子を検出識別して、前記フック掛け部に前記第1フック部材および前記第2フック部材のいずれが係止されているかを識別可能に構成される。
【0011】
また、本発明に係る高所作業装置の安全装置において、好ましくは、前記フック掛け部は、前記第1フック部材を係止させるための第1フック掛け部(例えば、実施形態における低所用フック掛け部材55L)と、前記第2フック部材を係止させるための第2フック
掛け部(例えば、実施形態における低所用フック掛け部材55H)と、を有して構成される。
【0012】
また、本発明に係る高所作業装置の安全装置において、好ましくは、前記第1フック掛け部には前記第2フック部材を係止させることができないように構成される、および/または、前記第2フック掛け部には前記第1フック部材を係止させることができないように構成される。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る高所作業装置の安全装置によれば、作業台高度測定装置により求められた作業台高さが所定高度未満の場合には、フック係止検出装置によりフック掛け部に第1フック部材が係止されていることが検出されている場合に限り昇降装置が作動可能となり、作業台高度測定装置により求められた作業台高さが所定高度を越える場合には、フック係止検出装置によりフック掛け部に第2フック部材が係止され且つ第1フック部材が係止されていないことが検出されている場合に限り昇降装置が作動可能となる。そのため、作業台に搭乗した作業者が作業台の高さに応じて第1係留部材と第2係留部材とを適正に使い分けないと、昇降装置を思うように作動させることができなくなるので、それによって、身体係留具を適正に使用することを作業者に促して安全に高所作業を行わせることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態に係る安全装置を備えた高所作業車の側面図である。
図2】上記作業台の断面図である。
図3】上記作業台に搭乗した作業者が装着した安全帯のフックを示す図である。
図4】上記高所作業車の作業台に設けられた安全帯係止装置を示す斜視図である。
図5】上記安全帯係止装置のフック掛けユニットを示す斜視図である。
図6】上記安全帯のフックが上記安全帯係止装置に収容されるまでの状態を示す側面図であり、(A)は安全帯係止装置にフックを係止させる直前の状態を示し、(B)は安全帯係止装置にフックを係止させて係脱位置にある状態を示し、(C)はフックを安全帯係止装置の規制部材間に挿通させる直前の状態を示し、(D)は安全帯係止装置にフックが収容されて作業位置にある状態を示す。
図7】上記安全装置におけるコントローラの構成を示すブロック図である。
図8】上記安全帯のフックに取り付けられたICタグを示す図である。
図9】上記高所作業車のブームが格納された状態における上記安全装置による昇降制御の概要を示すフローチャートである。
図10】上記高所作業車のブームが作動している状態における上記安全装置による昇降制御の概要を示すフローチャートである。
図11】上記高所作業車のブームが格納された状態における変形例の安全装置による昇降制御の概要を示すフローチャートである。
図12】上記高所作業車のブームが作動している状態における上記変形例の安全装置による昇降制御の概要を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照して説明する。図1に本発明の一実施形態に係る安全装置を備えた高所作業車1を示しており、まず、主に図1を参照して高所作業車1の全体構成について概要説明する。
【0016】
高所作業車1は、図1に示すように、走行用車輪11を備えて運転キャビン12から走行運転が可能なトラック式の走行体10と、走行体10上に設けられた旋回台20と、この旋回台20から上方に延びて設けられた支柱21の上部にフートピン22を介して基端
部が支持されたブーム(伸縮ブーム)30と、このブーム30の先端部に取り付けられた作業者搭乗用の作業台40とを有して構成される。
【0017】
旋回台20は、走行体10の後部に上下軸まわり360度回動自在に取り付けられている。走行体10の内部には旋回モータ(油圧モータ)23が設けられており、この旋回モータ23を回転作動させることにより、図示しないギヤを介して旋回台20を水平旋回動させることができる。
【0018】
ブーム30は、旋回台20側から順に、基端ブーム30a、中間ブーム30bおよび先端ブーム30cが入れ子式に構成されており、内部に設けられた伸縮シリンダ(油圧シリンダ)31の伸縮作動により各ブーム30a,30b,30cを相対的に移動させてブーム30全体を軸方向に伸縮動させることができる。また、基端ブーム30aと旋回台20の支柱21との間には起伏シリンダ(油圧シリンダ)24が跨設されており、この起伏シリンダ24を伸縮作動させることによりブーム30全体を上下面内で起伏動させることができる。
【0019】
先端ブーム30cの先端部にはブームヘッド32が取り付けられており、このブームヘッド32により垂直ポスト33の下端部が枢支されている。この垂直ポスト33はブーム30内に設けられた図示しないレベリング装置により、ブーム30の起伏角度によらず常時垂直姿勢が保持される構成となっている。
【0020】
作業台40は、電気絶縁性材料のFRPにより箱形状に形成されて、外部に突出して設けられた作業台保持ブラケット41を介して垂直ポスト33の上端部に回動自在に取り付けられている。作業台保持ブラケット41の内部には首振りモータ(油圧モータ)42が設けられており、この首振りモータ42を回転作動させることにより、作業台40全体を垂直ポスト33まわりに首振り動(水平旋回動)させることができる。垂直ポスト33は上述のように常時垂直姿勢が保たれるため、結果として作業台40の床面はブーム30の起伏角度によらず常時水平に保持される。
【0021】
作業台40には、図2に示すように、操作装置48が備えられており、作業台40に搭乗した作業者OPは、この操作装置48からレバー類を操作することにより、起伏シリンダ24、伸縮シリンダ31、旋回モータ23および首振りモータ42の作動入力を行うことができる。このレバー類の操作により出力される作動入力信号はブーム30内を通る信号伝送腺(図示せず)を介して走行体10に備えられたコントローラ100に入力され、このコントローラ100によるバルブ駆動制御を介して上記起伏シリンダ24、伸縮シリンダ31、旋回モータ23および首振りモータ42が油圧駆動される。
【0022】
このため作業者OPは、作業台40上からのレバー操作によりブーム30の起伏、伸縮、旋回動作と、作業台40の首振り動作とを行うことができ、自らの意思で所望の位置に移動して作業を行うことが可能である。なお、図1に示すように、走行体10の前後左右4箇所には走行体10を持ち上げ支持可能なジャッキ15が設けられている。ジャッキ15は、内部に取り付けられたジャッキシリンダ16等により拡縮動及び伸縮動されるようになっており、各ジャッキ15を下方に張り出して走行体10を安定支持させておくことにより、走行体10に作用する転倒モーメントが大きい場合でも転倒することなく作業を行うことができるようになっている。なお、走行体10には、ジャッキ操作を行うための下部操作装置(図示せず)が設けられている。
【0023】
作業台40に搭乗した作業者OPには転落防止のため、図2に示すように、安全帯90を身に付けることが必要となっている。この安全帯90は、作業者OPが自身に取り付ける装着用ベルト部材91と、装着用ベルト部材91に繋がる低所用係留部材92Lと、同
じく装着用ベルト91に繋がる高所用係留部材92Hとを有している。装着用ベルト部材91は、胴ベルト91a、胴ベルト91aに繋がる腿ベルト91b、胴ベルト91aに繋がる背ベルト91c、胴ベルト91aに繋がる肩ベルト91d、および背ベルト91cと肩ベルト91dとを連結するD環状の背面板91eを主体として構成される。低所用係留部材92Lは、基端部が背面板91eに取り付けられた低所用ランヤード93Lと、低所用ランヤード93Lの先端部に取り付けられた低所用フック94Lとから構成される。高所用係留部材92Hは、基端部が背面板91eに取り付けられた高所用ランヤード93Hと、高所用ランヤード93Hの先端部に取り付けられた高所用フック94Hとから構成される。
【0024】
高所用ランヤード93Hには、その基端部側に、低所用ランヤード93Lには設けられていないショックアブソーバ95が設けられている。ショックアブソーバ95は、例えば、ランヤード用のベルト部材が複数層に折りたたまれて縫製されており、墜落時の衝撃によって縫製部が引き裂かれながら折りたたまれたベルト部材が伸長することにより墜落時の衝撃を緩和するように構成される。また、高所用ランヤード93Hは、少なくともその伸長時(ショックアブソーバ95が機能した時)の長さが、低所用ランヤード93Lよりも長くなる構成とされている。なお、伸長していない時(ショックアブソーバ95が機能していない時)の高所用ランヤード93Hの長さは、低所用ランヤード93Lより長く構成されていてもよいし、低所用ランヤード93Lと同等かあるいはそれより短く構成されていてもよい。また、低所用ランヤード93Lにショックアブソーバを設けてもよい。その場合でも、それぞれの伸長時の長さは、高所用ランヤード93Hの方が低所用ランヤード93Lよりも長くなるように構成されることが好ましい。
【0025】
低所用フック94Lおよび高所用フック94Hは、図3に示すように、先端に配された鉤部94aと、鉤部94aを閉鎖する開閉キャップ94bと、その回動を制御する安全キャップ94cとを有している。低所用フック94L(高所用フック94H)を係止させるときは、開閉キャップ94bおよび安全キャップ94cを掌で同時に握って鉤部94aを開放させることにより係止が可能となる。係止が済めば、掌を離すことにより、開閉キャップ94bおよび安全キャップ94cとも図示しないバネの弾力で鉤部94aが閉鎖された常態位置へと復帰する。なお、低所用フック94Lおよび高所用フック94Hは、強度や磨耗等を考慮して金属製であることが好ましく、低所用ランヤード93Lおよび高所用ランヤード93Hは、作業者OPの感電防止を考慮して電気絶縁性材料から構成されていることが好ましい。
【0026】
作業台40に搭乗したとき作業者OPには、装着した安全帯90を後述する安全帯係止装置50に係止させ、自身を作業台40に係留することが求められている。厳密には、作業台高さが所定高度(例えば、5メートル)未満の場合には低所用係留部材92Lを安全帯係止装置50に係止させ、作業台高さが所定高度を越える場合には高所用係留部材92Hを安全帯係止装置50に係止させ且つ低所用係留部材92Lは安全帯係止装置50に係止させないことが求められている。これにより作業者OPは作業中に万一作業台40から転落した場合であっても、地上にまで落ちることはなく作業の安全性が確保される。
【0027】
次に、高所作業車1に備えられた安全帯係止装置50について説明する。安全帯係止装置50は、図4に示すように、作業台40の作業台ブラケット43に、後述するフック掛けユニット51L,51Hが、カバー部材80に覆われた状態で設けられる。カバー部材80は箱形状をなし、図4に示すように、下部カバー部81と、下部カバー部81の上部に並んで配置された第1カバー部82および第2カバー部83とから構成されている。第1カバー部82および第2カバー部83はそれぞれ、カバー本体部材84およびゴムカバー部材85から構成されている。カバー部材80は、下部カバー部81の正面部と、第1カバー部82および第2カバー部83のカバー本体部材84の正面部に形成された挿通穴
に挿通されるボルト77を介して、作業台ブラケット43に対して脱着可能に取り付けられている。
【0028】
下部カバー部81と、第1カバー部82および第2カバー部83のカバー本体部材84はFRPから形成されており、第1カバー部82および第2カバー部83のカバー本体部材84は、その正面部の上部中央が窪むように凹状に形成されている。また、第1カバー部82および第2カバー部83のカバー本体部材84には、ゴムカバー部材85を装着するための係合孔(図示せず)が、上記凹状に形成された部分から上方に延びて上面部へ屈曲するようにして設けられており、この係合孔にゴムカバー部材85を嵌め込んで装着できるようになっている。
【0029】
ゴムカバー部材85には、長手方向中心軸に沿って形成された切欠孔87がゴムカバー部材85の弾性変形により拡開可能に設けられており、この切欠孔87はスロット状の第1切欠孔87aと、第1切欠孔87aの上端中央から上方に延びて、ゴムカバー部材85の上面部内にまで屈曲して延びる第2切欠孔87bとから構成されている。第2切欠孔87bは、カバー部材80表面の開口を小さくするために安全帯フック(低所用フック94Lおよび高所用フック94H)に対して小さく形成されている。一方、第1切欠孔87aは、安全帯フックの係脱作業の際に係止位置の確認が容易なように安全帯フックに対して大きく形成されている。
【0030】
さらに、ゴムカバー部材85の上面部には、第2切欠孔87bと垂直に交差するような補助切欠孔88がそれぞれ平行して一対に形成されている。これにより、この補助切欠孔88が第2切欠孔87bの拡開をさらに大きくすることを可能として、カバー部材80内において安全帯フックを係止させたときでも、安全帯フックの一端に取り付けられて上方に延びた安全帯ランヤード(低所用ランヤード93Lおよび高所用ランヤード93H)がこの第2切欠孔87bに挿通可能としている。
【0031】
カバー部材80の内部には、先に略述したように、フック掛けユニット51L,51H(図5を参照)が、カバー部材80に覆われた状態で設けられる。フック掛けユニット51Lは低所用フック94Lを係止するために設けられ、フック掛けユニット51Hは高所用フック94Hを係止するために設けられているが、本実施形態ではどちらも略同じ構成とされている。フック掛けユニット51Lはカバー部材80の第1カバー部82の内部に位置し、フック掛けユニット51Hはカバー部材80の第2カバー部83の内部に位置するように配置される。図5では、見易くするため、フック掛けユニット51Lとフック掛けユニット51Hとの間隔を実際よりも広めに図示している。
【0032】
フック掛けユニット51Lは、フックブラケット52、低所用フック掛け部材55L、左右一対の板バネ60、および左右一対の規制部材61を主体に構成されている。フックブラケット52は、U字状に形成され、作業者OPに装着された安全帯90(低所用係留部材92L)の低所用フック94Lを遊挿可能な開口部52aを有している。このフックブラケット52の両側部にはそれぞれ、低所用フック掛け部材55Lを挿通可能な貫通孔と、板バネ60をボルト75により取り付けるためのネジ孔とが設けられている。
【0033】
低所用フック掛け部材55Lは、低所用フック94Lを係脱可能なようにロッド状に形成されており、フックブラケット52の両側部にそれぞれ形成された貫通孔に挿通されて、溶接によりフックブラケット52に固設されている。
【0034】
板バネ60は弾性変形自在であり、一端部60aはフックブラケット52の外側部にボルト75により取り付けられて、他端部60bには規制部材61がボルト76により取り付けられている。板バネ60は他端部60bがフックブラケット52の外側部から突出し
た状態で、一端部60bがフックブラケット52の外側部に当接支持されるようにしてボルト75により取り付けられているため、板バネ60に生じる弾性力は一端部60aを中心として、他端部60bがフックブラケット52の外側部に対して左右に揺動可能となっている。
【0035】
規制部材61は、平面視において略L字状に屈曲してなり、一方部61aにはボルト76を挿通可能な貫通孔およびボルト76の頭部が収まるような座グリ孔が形成され、このボルト76を一方部61aの外側でナット79により螺合させて板バネ60に一方部61aが当接するようにして連結されている。そして、左右一対の規制部材61の他方部61bはフックブラケット52の開口部52aの前面でそれぞれが向き合うようにして、この左右一対の他方部61b間に低所用フック94Lよりも小幅な隙間を生じるようにして位置している(以降の説明では、この位置を「規制位置」と呼ぶ)。また、この他方部61b間の隙間は、板バネ60の弾性変形により左右一対の規制部材61をそれぞれ外側へ揺動させて拡開可能となっているため、この隙間を低所用フック94Lより小幅に設けても規制部材61は低所用フック94Lが通過可能な位置に揺動することができる(以降の説明では、この位置を「揺動位置」と呼ぶ)。
【0036】
フック掛けユニット51Hは、フック掛けユニット51Lと同様に構成されている。異なるのは、フック掛けユニット51Lでは低所用フック94Lを係止する低所用フック掛け部材55Lが設けられているのに対し、フック掛けユニット51Hでは高所用フック94Hを係止する高所用フック掛け部材55Hが設けられていることである。なお、本実施形態では、フック掛けユニット51Lとフック掛けユニット51Hとの実質的な差異(例えば、低所用フック掛け部材55Lと高所用フック掛け部材55Hとの形状等の差異等)はなく、低所用フック94Lと高所用フック94Hとの形状等の実質的な差異もない。そのため、低所用フック94Lをフック掛けユニット51H(高所用フック掛け部材55H)に係止させることも可能であり、高所用フック94Hをフック掛けユニット51L(低所用フック掛け部材55L)に係止させることも可能である。
【0037】
次に、安全帯90を安全帯係止装置50に係止させる手順について、図6を追加参照して説明する。なお、図6では、フック掛けユニット51Lに安全帯90(低所用係留部材92L)の低所用フック94Lを係止する場合を例示しているが、フック掛けユニット51Hに安全帯90(高所用係留部材92L)の高所用フック94Hを係止する場合も同様の手順となる。まず、図6(A)に示すように、低所用フック94Lを鉤部94a側からゴムカバー部材85の第1切欠孔87aに挿通させて、開閉キャップ94bおよび安全キャップ94cを押し込むように同時に握ることにより鉤部94aを開放させる。そして、図6(B)に示すように、フックブラケット52に固設された低所用フック掛け部材55Lに低所用フック94Lを係止させる(以降の説明では、この位置を「係脱位置P1」と呼ぶ)。
【0038】
次に、図6(C)に示すように、低所用フック掛け部材55Lの係止部を中心として、低所用フック94Lを上方に揺動させて、低所用フック94Lを開閉キャップ94b側からゴムカバー部材85の第2切欠孔87bに挿通させる。低所用フック94Lを上方に揺動させると低所用フック94Lが左右一対の規制部材61間の隙間に入り込んで、規制位置にある一対の規制部材61それぞれを外側に向けて押圧する。このとき規制部材60に取り付けられた板バネ60が弾性変形することにより、規制部材61はそれぞれ外側に揺動されてこの規制部材61間の隙間が広がる。そして規制部材61が揺動位置へ揺動されるため、低所用フック94Lがこの規制部材61間を通過することができることとなる。また、それぞれ外側に揺動された規制部材61は板バネ60の復元力により内側に揺動されて、元の状態である規制位置に戻される。
【0039】
図6(D)に示すように、規制部材61間を低所用フック94Lが通過してフックブラケット52の開口部52a内に入り込むと、低所用フック94Lの一端に取り付けられた低所用ランヤード93Lがゴムカバー部材85の第2切欠孔87bまで達することとなる(以降の説明では、この位置を「作業位置P2」と呼ぶ)。
【0040】
さらに、低所用フック94Lが低所用フック掛け部材55Lに係止されフックブラケット52の開口部52a内に収容されると、板バネ60の付勢力により規制位置に戻された規制部材61が低所用フック94Lを開口部52a内に留めるよう低所用フック94Lの動きを規制する。このようにして、金属製の低所用フック94Lを露出させることなく低所用フック掛け部材55Lに係止させて、カバー部材80内に収容させることができる。
【0041】
低所用フック94Lの係止を解除する場合には、作業位置P2にある低所用フック94Lをフックブラケット52の開口部52a内から規制部材61がそれぞれ外側へ揺動するように押圧して、一対の規制部材61間の隙間を通過させる。次に、フックブラケット52の開口部52a内から出た低所用フック94Lの上部側を、第2切欠孔87bを押し広げるように通して、下方に揺動させてカバー部材80の外部へ出す。そして、係脱位置P1にある低所用フック94Lにおいて、開閉キャップ94bおよび安全キャップ94cを同時に押し込むように握って、低所用フック94Lと低所用フック掛け部材55Lの係止を外すことにより低所用フック94Lを第1切欠孔87aから抜き出すことができる。
【0042】
次に、本実施形態に係る安全装置について図7及び図8を追加参照して説明する。この安全装置は、上述した安全帯係止装置50と、図7に示す、コントローラ100、フック係止検出センサ110及び作業台高度検出センサ120を主体に構成されている。フック係止検出センサ110は、安全帯係止装置50に対する安全帯90の係止状態、より具体的には、フック掛けユニット51Lおよび/またはフック掛けユニット51Hに、低所用フック94Lおよび/または高所用フック94Hが係止されているか否かを検出するためのセンサである。このフック係止検出センサ110は、例えば、RFID技術を用いたICタグリーダ(図示せず)により構成される。図8に示すように、低所用フック94Lには、低所用フック94Lであることを識別可能な情報が書き込まれたICタグ121Lが取り付けられ、高所用フック94Hには、高所用フック94Hであることを識別可能な情報が書き込まれたICタグ121Hが取り付けられる。ICタグリーダは、安全帯係止装置50のカバー部材80の内部に設置され、安全帯係止装置50に係止されたフックが、低所用フック94Lであるのか高所用フック94Hであるのかを、ICタグ121L,121Hに書き込まれた情報に基づき識別し、その識別信号(ICタグ121Lを識別したときの識別信号を「Lフック信号」、ICタグ121H識別したときの識別信号を「Hフック信号」と称する)をコントローラ100に出力可能に構成されている。なお、図8では、ICタグ121Lが低所用フック94Lの鉤部94aに取り付けられ、ICタグ121Hが高所用フック94Hの開閉キャップ94bに取り付けられた場合を例示しているが、取付箇所は任意に設定可能である。
【0043】
作業台高度検出センサ120は、作業台高さ(例えば、作業台40の作業床の高さ)を検出するためのセンサである。この作業台高度検出センサ120は、作業台40の高さを検出するために必要な各種のセンサ(例えば、ブーム30の伸長量を検出するセンサ、ブーム0の起伏角度を検出するセンサ、ジャッキの伸長量を検出するセンサ等)により構成される。
【0044】
コントローラ100は、図7に示すように、フック係止状態検出部101と、作業台高度測定部102と、昇降可否判定部103と、昇降作動制御部104とを備えている。これらは、コントローラ100が有する機能を模式的に表したものである。
【0045】
フック係止状態検出部101は、フック係止検出センサ110(ICタグリーダ)から出力される識別信号に基づき、安全帯係止装置50に対する安全帯90の係止状態を、4つのパターンA1~A4に分けて検出する。パターンA1は、フック係止検出センサ110からLフック信号もHフック信号も出力されていない係止状態パターンであり、安全帯係止装置50に低所用フック94Lも高所用フック94Hも係止されていない係止状態を示す。パターンA2は、フック係止検出センサ110からLフック信号は出力されていないがHフック信号は出力されている係止状態パターンであり、安全帯係止装置50に低所用フック94Lは係止されていないが高所用フック94Hは係止されている状態を示す。パターンA3は、フック係止検出センサ110からLフック信号は出力されているがHフック信号は出力されていない係止状態パターンであり、安全帯係止装置50に低所用フック94Lは係止されているが高所用フック94Hは係止されていない係止状態を示す。パターンA4は、フック係止検出センサ110からLフック信号もHフック信号も出力されている係止状態パターンであり、安全帯係止装置50に低所用フック94Lも高所用フック94Hも係止されている状態を示す。
【0046】
作業台高度測定部102は、作業台高度検出センサ120(各種センサ)からの検出信号に基づき、作業台高さを求める。
【0047】
昇降作動可否判定部103は、フック係止状態検出部101により検出された安全帯90の係止状態と、作業台高度測定部102により求められた作業台高さとに応じて、昇降作動規制条件、上昇作動規制条件、下降作動規制条件及び昇降作動許可条件のいずれかが満足されているか否かを判定する。昇降作動規制条件は、ブーム30の上昇作動(起立作動及び伸長作動)及び下降作動(倒伏作動及び縮小作動)をどちらも規制する場合の条件である。上昇作動規制条件は、ブーム30の上昇作動は規制するが下降作動は許可する場合の条件である。下降作動規制条件は、ブーム30の下降作動は規制するが上昇作動は許可する場合の条件である。昇降作動許可条件は、ブーム30の上昇作動も下降作動も許可する場合の条件である。
【0048】
昇降作動可否判定部103は、作業台高度測定部102により求められた作業台高さが判定基準高度(例えば、5メートル)未満の場合は、フック係止状態検出部101により検出された係止状態パターンが、パターンA3又はパターンA4の場合に限り昇降作動許可条件が満足されていると判定し、パターンA1又はパターンA2の場合は昇降作動規制条件が満足されていると判定する。また、作業台高度測定部102により求められた作業台高さが判定基準高度を越える場合は、フック係止状態検出部101により検出された係止状態パターンが、パターンA2の場合に限り昇降作動許可条件が満足されていると判定し、パターンA1又はパターンA3又はパターンA4の場合は昇降作動規制条件が満足されていると判定する。
【0049】
さらに、昇降作動可否判定部103は、作業台高度測定部102により求められた作業台高さが判定基準高度である場合は、フック係止状態検出部101により検出された係止状態パターンが、パターンA2の場合に限り下降作動規制条件が満足されていると判定し、パターンA3又はパターンA4の場合に限り上昇作動規制条件が満足されていると判定し、パターンA1の場合に限り昇降作動規制条件が満足されていると判定する。
【0050】
昇降作動制御部104は、昇降作動可否判定部103により昇降作動許可条件が満足されていると判定された場合には、操作装置48が操作されたときに操作装置48から出力される操作信号に応じて、ブーム30の昇降作動(起伏作動及び伸縮作動)を制御する。また、昇降作動制御部104は、昇降作動可否判定部103により昇降作動規制条件、上昇作動規制条件、下降作動規制条件のいずれかが満足されていると判定された場合には、ブーム30の昇降作動の少なくとも一部を規制する。具体的には、昇降作動規制条件が満
足されていると判定された場合にはブーム30の昇降作動を規制し、上昇作動規制条件が満足されていると判定された場合にはブーム30の上昇作動(起立作動及び伸長作動)のみを規制し、下降作動規制条件が満足されていると判定された場合にはブーム30の下降作動(倒伏作動及び縮小作動)のみを規制する。
【0051】
次に、本実施形態に係る安全装置の作用について、図9及び図10を追加参照して説明する。図9は、ブーム30が格納された状態において、操作装置48の電源が入れられた場合のコントローラ100による制御手順を例示しており、図10は、ブーム30が作動されている場合のコントローラ100による制御手順を例示している。
【0052】
図9に示すように、ブーム30が格納された状態においてコントローラ100は、操作装置48の電源がオン状態であるか否かを検出判定し(ステップS1)、オン状態でない場合(ステップS1:NO)は、その検出判定を随時継続する。操作装置48の電源がオン状態となると(ステップS1:YES)、フック係止検出センサ110及び作業台高度検出センサ120が作動する。作動したフック係止検出センサ110からの識別信号に基づき、フック係止状態検出部101が、安全帯係止装置50に対する安全帯90の係止状態を検出し(ステップS2)、さらに安全帯90の係止状態のパターンを判定する(ステップS3)。
【0053】
ここで、フック係止状態検出部101により検出された安全帯90の係止状態パターンがパターンA1又はパターンA2の場合は、昇降作動可否判定部103が、昇降作動規制条件が満足されていると判定し、この判定に基づき昇降作動制御部104が、ブーム30の昇降作動(全作動)を規制する(ステップS4)。一方、フック係止状態検出部101により検出された安全帯90の係止状態パターンがパターンA3又はパターンA4の場合は、昇降作動可否判定部103が、昇降作動許可条件が満足されていると判定し、この判定に基づき昇降作動制御部104が、ブーム30の昇降作動を可能とする(ステップS5)。ただし、ブーム30が格納状態にあるため、ブーム30は上昇作動のみ可能となる。
【0054】
図10に示すように、ブーム30が作動している状態(作業台高さが判定基準高度未満の位置でブーム30が上昇作動している場合及び作業台高さが判定基準高度を越えた位置でブーム30が下降作動している場合を含む)においては、次のように昇降制御される。まず、作業台高度測定部102が、作業台高度検出センサ120からの検出信号に基づき作業台高さを随時求め(ステップS11)、フック係止状態検出部101が、フック係止検出センサ110から出力される識別信号に基づき、安全帯係止装置50に対する安全帯90の係止状態を随時検出する(ステップS12)。次いで、作業台高度測定部102が、求めた作業台高さが判定基準高度に到達したか否かを判定する(ステップS13)。ここで、作業台高さが判定基準高度に到達しない場合(ステップS13:NO)は、ステップS11に戻る。一方、作業台高さが判定基準高度に到達した場合(ステップS13:YES)は、昇降作動制御部104が、ブーム30の昇降作動を規制してブーム30の作動を停止させる(ステップS14)。
【0055】
次いで、フック係止状態検出部101が、安全帯係止装置50に対する安全帯90の係止状態パターンを判定する(ステップS15)。ここで、フック係止状態検出部101により検出された安全帯90の係止状態パターンがパターンA2の場合は、昇降作動可否判定部103が、下降作動規制条件が満足されていると判定し、この判定に基づき昇降作動制御部104が、ブーム30の下降作動のみを規制する(ステップS16)。このとき、ブーム30は上昇作動のみ可能となる。一方、フック係止状態検出部101により検出された安全帯90の係止状態パターンがパターンA3又はパターンA4の場合は、昇降作動可否判定部103が、上昇作動規制条件が満足されていると判定し、この判定に基づき昇降作動制御部104が、ブーム30の上昇作動を規制する(ステップS17)。このとき
、ブーム30は下降作動のみ可能となる。また、フック係止状態検出部101により検出された安全帯90の係止状態パターンがパターンA1の場合は、昇降作動可否判定部103が、昇降作動規制条件が満足されていると判定し、この判定に基づき昇降作動制御部104が、ブーム30の昇降作動を規制する(ステップS18)。このとき、ブーム30は作動不可となる。
【0056】
以上のように構成された本実施形態の安全装置によれば、作業台高さが判定基準高度未満の場合は、安全帯90が低所用係留部材92L(低所用フック94L)を介して安全帯係止装置50に係止されていることが検出されている場合に限りブーム30の昇降作動が可能となり、作業台高さが判定基準高度を越える場合は、安全帯90が高所用係留部材92H(高所用フック94H)のみを介して安全帯係止装置50に係止されていることが検出されている場合に限りブーム30の昇降作動が可能となる。また、作業台高さが判定基準高度である場合は、安全帯90が低所用係留部材92Lを介して安全帯係止装置50に係止されていることが検出されている場合に限り、ブーム30の下降作動が可能となり、安全帯90が高所用係留部材92Hのみを介して安全帯係止装置50に係止されていることが検出されている場合に限り、ブーム30の上昇作動が可能となる。そのため、作業台40に搭乗した作業者OPが作業台高さに応じて低所用係留部材92Lと高所用係留部材92Hとを適正に使い分けないと、ブーム30を意のままに作動させることができなくなるので、それによって、安全帯90を適正に使用することを作業者OPに促して安全に高所作業を行わせることが可能となる。
【0057】
また、作業台高さが判定基準高度となる際にブーム30の昇降作動を規制しブーム30を停止させるので、安全帯係止装置50に係止させる低所用係留部材92Lと高所用係留部材92Hとの切替えを作業者OPに確実に行わせることが可能となる。さらに、ICタグとICタグリーダを用いて、低所用フック94Lと高所用フック94Hとを識別しているので、安全帯係止装置50に係止させているのが、低所用係留部材92Lであるのか高所用係留部材92Hであるのかを確実に識別することができる。
【0058】
次に、上述した安全装置の変形例について説明する。この変形例に係る安全装置は、以下の点で、上述した安全装置と異なりその他は同じ構成である。まず、この変形例では、安全帯係止装置50の高所用フック掛け部材55Hが低所用フック掛け部材55Lよりも太く形成されるとともに、高所用フック94Hの鉤部94aが低所用フック94Lの鉤部94aよりも大きく構成されている。そして、高所用フック掛け部材55Hには、高所用フック94Hを係止させることはできるが、低所用フック94Lは係止させることができないようになっている。一方、低所用フック掛け部材55Lには、低所用フック94Lでも高所用フック94Hでも係止させることができる。
【0059】
また、変形例における低所用フック94L及び高所用フック94Hには、ICタグ等の識別子は設けられていない。それに応じて、フック係止検出センサ110は、ICタグリーダではなく、光電センサにより構成される。この光電センサは、安全帯係止装置50のカバー部材80の内部において、フック掛けユニット51L側とフック掛けユニット51H側とにそれぞれ配置される。フック掛けユニット51H側に配置された光電センサは、高所用フック掛け部材55Hに高所用フック94Hが係止されたことを検出し、その検出信号(「Hフック掛け信号」と称する)をコントローラ100に出力する。一方、フック掛けユニット51L側に配置された光電センサは、低所用フック掛け部材55Lに低所用フック94L又は高所用フック94Hが係止されたことを検出し、その検出信号(「Lフック掛け信号」と称する)をコントローラ100に出力する。
【0060】
さらに、変形例におけるコントローラ100のフック係止状態検出部101は、フック係止検出センサ110(光電センサ)から出力される検出信号に基づき、安全帯係止装置
50に対する安全帯90の係止状態を、4つのパターンB1~B4に分けて検出する。パターンB1は、フック係止検出センサ110からLフック掛け信号もHフック掛け信号も出力されていない係止状態パターンであり、安全帯係止装置50に低所用フック94Lも高所用フック94Hも係止されていない係止状態を示す。パターンB2は、フック係止検出センサ110からLフック掛け信号は出力されていないがHフック掛け信号は出力されている係止状態パターンであり、安全帯係止装置50に低所用フック94Lは係止されていないが高所用フック94Hは係止されている状態を示す。パターンB3は、フック係止検出センサ110からLフック掛け信号は出力されているがHフック掛け信号は出力されていない係止状態パターンであり、安全帯係止装置50に低所用フック94L及び高所用フック94Hのどちらか一方のみが係止されている係止状態を示す。パターンB4は、フック係止検出センサ110からLフック掛け信号もHフック掛け信号も出力されている係止状態パターンであり、安全帯係止装置50に低所用フック94Lも高所用フック94Hも係止されている状態を示す。また、パターンB4のときは、安全帯係止装置50に低所用フック94Lが確実に係止されている。一方、パターンB3のときは、安全帯係止装置50に低所用フック94Lが係止されていることもあるが係止されていないこともある。
【0061】
また、変形例における昇降作動可否判定部103は、作業台高度測定部102により求められた作業台高さが判定基準高度未満の場合は、フック係止状態検出部101により検出された係止状態パターンが、パターンB4の場合に限り昇降作動許可条件が満足されていると判定し、パターンB1又はパターンB2又はパターンB3の場合は昇降作動規制条件が満足されていると判定する。また、作業台高度測定部102により求められた作業台高さが判定基準高度を越える場合は、フック係止状態検出部101により検出された係止状態パターンが、パターンB2の場合に限り昇降作動許可条件が満足されていると判定し、パターンB1又はパターンB3又はパターンB4の場合は昇降作動規制条件が満足されていると判定する。
【0062】
さらに、変形例における昇降作動可否判定部103は、作業台高度測定部102により求められた作業台高さが判定基準高度である場合は、フック係止状態検出部101により検出された係止状態パターンが、パターンB2の場合に限り下降作動規制条件が満足されていると判定し、パターンB4の場合に限り上昇作動規制条件が満足されていると判定し、パターンB1又はパターンB3の場合に限り昇降作動規制条件が満足されていると判定する。
【0063】
次に、変形例に係る安全装置の作用について、図11及び図12を追加参照して説明する。図11は、ブーム30が格納された状態において、操作装置48の電源が入れられた場合のコントローラ100による制御手順を例示しており、図12は、ブーム30が作動されている場合のコントローラ100による制御手順を例示している。
【0064】
図11に示すように、ブーム30が格納された状態においてコントローラ100は、操作装置48の電源がオン状態であるか否かを検出判定し(ステップS21)、オン状態でない場合(ステップS21:NO)は、その検出判定を随時継続する。操作装置48の電源がオン状態となると(ステップS21:YES)、フック係止検出センサ110及び作業台高度検出センサ120が作動する。作動したフック係止検出センサ110からの検出信号に基づき、フック係止状態検出部101が、安全帯係止装置50に対する安全帯90の係止状態を検出し(ステップS22)、さらに安全帯90の係止状態のパターンを判定する(ステップS23)。
【0065】
ここで、フック係止状態検出部101により検出された安全帯90の係止状態パターンがパターンB1又はパターンB2又はパターンB3の場合は、昇降作動可否判定部103が、昇降作動規制条件が満足されていると判定し、この判定に基づき昇降作動制御部10
4が、ブーム30の昇降作動を規制する(ステップS24)。一方、フック係止状態検出部101により検出された安全帯90の係止状態パターンがパターンB4の場合は、昇降作動可否判定部103が、昇降作動許可条件が満足されていると判定し、この判定に基づき昇降作動制御部104が、ブーム30の昇降作動を可能とする(ステップS25)。ただし、ブーム30が格納状態にあるため、ブーム30は上昇作動のみ可能となる。
【0066】
図12に示すように、ブーム30が作動している状態(作業台高さが判定基準高度以下(未満)の位置でブーム30が上昇作動している場合及び作業台高さが判定基準高度を越えた位置でブーム30が下降作動している場合を含む)においては、次のように昇降制御される。まず、作業台高度測定部102が、作業台高度検出センサ120からの検出信号に基づき作業台高さを随時求め(ステップS31)、フック係止状態検出部101が、フック係止検出センサ110から出力される検出信号に基づき、安全帯係止装置50に対する安全帯90の係止状態を随時検出する(ステップS32)。次いで、作業台高度測定部102が、求めた作業台高さが判定基準高度に到達したか否かを判定する(ステップS33)。ここで、作業台高さが判定基準高度に到達しない場合(ステップS33:NO)は、ステップS31に戻る。一方、作業台高さが判定基準高度に到達した場合(ステップS33:YES)は、昇降作動制御部104が、ブーム30の昇降作動を規制してブーム30の作動を停止させる(ステップS34)。
【0067】
次いで、フック係止状態検出部101が、安全帯係止装置50に対する安全帯90の係止状態のパターンを判定する(ステップS35)。ここで、フック係止状態検出部101により検出された安全帯90の係止状態パターンがパターンB2の場合は、昇降作動可否判定部103が、下降作動規制条件が満足されていると判定し、この判定に基づき昇降作動制御部104が、ブーム30の下降作動のみを規制する(ステップS36)。このとき、ブーム30は上昇作動のみ可能となる。一方、フック係止状態検出部101により検出された安全帯90の係止状態パターンがパターンB4の場合は、昇降作動可否判定部103が、上昇作動規制条件が満足されていると判定し、この判定に基づき昇降作動制御部104が、ブーム30の上昇作動を規制する(ステップS37)。このとき、ブーム30は下降作動のみ可能となる。また、フック係止状態検出部101により検出された安全帯90の係止状態パターンがパターンB1又はパターンB3の場合は、昇降作動可否判定部103が、昇降作動規制条件が満足されていると判定し、この判定に基づき昇降作動制御部104が、ブーム30の昇降作動を規制する(ステップS38)。このとき、ブーム30は作動不可となる。
【0068】
以上のように構成された変形例の安全装置によれば、先述した実施形態の安全装置と同様に、安全帯90を適正に使用することを作業者OPに促して安全に高所作業を行わせることが可能となる。また、作業台高さが判定基準高度となる際にブーム30の昇降作動を規制しブーム30を停止させることによって、安全帯係止装置50に係止させる低所用係留部材92Lと高所用係留部材92Hとの切替えを作業者OPに確実に行わせることが可能となる。さらに、高所用フック掛け部材55Hには、高所用フック94Hを係止させることはできるが、低所用フック94Lは係止させることができないようになっているので、高所用フック掛け部材55Hにフックが係止されていることを光電センサにより検出することによって、それが高所用フック94Hであることを確実に識別することができる。
【0069】
なお、本発明は、上記実施形態及び変形例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば適宜改良可能である。
【0070】
上述の実施形態及び変形例では特に言及していないが、安全帯係止装置50に対する安全帯90の係止状態を、地上にいる作業者OPに報知するための報知器を設けてもよい。例えば、作業台40の下面に、報知器としての表示ランプを設け、表示ランプの点灯状態
によって安全帯90の係止状態を報知するようにしてもよい。また、ブーム30の作動が規制された際に、安全帯90の係止状態を確認するように作業者OPに対し警告する警告装置を走行体10や作業台40に設けてもよい。この警告装置はスピーカ等により警告音を発するものでも、警告灯により光を発するものでもよく、パネル等により色や文字により警告を発するものでもよい。
【0071】
また、上述の変形例では、高所用フック掛け部材55Hには高所用フック94Hのみを係止させることができ、低所用フック掛け部材55Lには低所用フック94Lでも高所用フック94Hでも係止させることができるようになっているが、これとは逆に、低所用フック掛け部材55Lには低所用フック94Lのみを係止させることができ、高所用フック掛け部材55Hには低所用フック94Lでも高所用フック94Hでも係止させることができるようにしてもよい。また、低所用フック掛け部材55Lには低所用フック94Lのみを係止させることができ、高所用フック掛け部材55Hには高所用フック94Hのみを係止させることができるようにしてもよい。
【0072】
上述の実施形態及び変形例では、低所用係留部材92L及び高所用係留部材92Hを共に備えた構成の安全帯90を例示しているが、本発明は、低所用係留部材と高所用係留部材とを付け替える構成の安全帯を用いる場合や、低所用係留部材のみを備えた安全帯と高所用係留部材のみを備えた安全帯とを作業者が交換して装着する場合にも適用可能である。また、安全帯係止装置50は、作業台40に搭乗する作業者OPの人数に対応可能なように、作業者OPごと別々に複数設けてもよい。
【0073】
上記実施形態では、安全帯のフック側にICタグを設け、車両側に設けたICタグリーダにより非接触でフックの検出及び識別を行う態様を例示にしているが、フックの色や形状に差異を設けたりフックに識別用の目印を設けたりし、車両側に設けたカラーセンサや画像識別装置により非接触でフックの検出及び識別を行うようにしてもよい。或いは、フックに材質の異なる金属(アルミニウムやステンレス等)を貼り付け、車両側に設けた高周波発信型の近接センサにより周波数の変化を検出して非接触でフックの検出及び識別を行うようにしてもよい。また、上述の変形例では、安全帯のフック及びフック掛けの形状に差異を設け、車両側に設けた光電センサ等の非接触型センサによりフックの検出を行う態様を例示しているが、車両側にリミットスイッチ等の接触型センサを設けてフックの検出を行うようにしてもよい。
【0074】
なお、上述の実施形態及び変形例では、本発明を適用する高所作業車として、伸縮ブーム式の高所作業車を例示して説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、屈伸ブーム式の高所作業車、橋梁点検車、軌陸車等の他の高所作業車や、車両に架装していない高所作業台にも本発明を適用可能である。また、上述の実施形態では、高所作業車の車体上に設けられる昇降装置として、起伏、伸縮及び旋回動可能な三段伸縮式のブームを例示して説明したが、この昇降装置は上記ブームのように作業台を三次元的に移動ができるものに限られず、シザースリンク式又はマスト式の昇降装置のように作業台の垂直昇降のみができるもの等であってもよい。
【符号の説明】
【0075】
1 高所作業車
30 ブーム(昇降装置)
40 作業台
50 安全帯係止装置(フック掛け部)
55L 低所用フック掛け部材(第1フック掛け部)
55H 高所用フック掛け部材(第2フック掛け部)
90 安全帯(身体係留具)
91 装着用ベルト部材(本体部材)
92L 低所用係留部材(第1係留部材)
92H 高所用係留部材(第2係留部材)
93L 低所用ランヤード(第1ロープ部材)
93H 高所用ランヤード(第2ロープ部材)
94L 低所用フック(第1フック部材)
94H 高所用フック(第2フック部材)
100 コントローラ
101 フック係止状態検出部(フック係止検出装置)
102 作業台高度測定部(作業台高度測定装置)
104 昇降作動制御部(昇降作動制御装置)
121L ICタグ(第1識別子)
121H ICタグ(第2識別子)
OP 作業者
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12