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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-05
(45)【発行日】2024-08-14
(54)【発明の名称】噴出装置および噴出装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
   B60S 1/62 20060101AFI20240806BHJP
   B60R 11/02 20060101ALI20240806BHJP
   B05B 1/16 20060101ALI20240806BHJP
   B05C 11/10 20060101ALI20240806BHJP
   B05C 5/00 20060101ALI20240806BHJP
【FI】
B60S1/62 110A
B60R11/02 C
B05B1/16
B05C11/10
B05C5/00 101
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020191153
(22)【出願日】2020-11-17
(65)【公開番号】P2022080144
(43)【公開日】2022-05-27
【審査請求日】2023-09-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000237592
【氏名又は名称】株式会社デンソーテン
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】肥田 昌志
【審査官】菅 和幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-077383(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0210570(US,A1)
【文献】特開2018-184023(JP,A)
【文献】国際公開第2019/044399(WO,A1)
【文献】特開2017-154527(JP,A)
【文献】特開2005-337968(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60S 1/62
B60R 11/02
B05B 1/16
B05C 11/10
B05C 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体内に収容され、第1駆動部から供給される駆動力によって気体を噴出する気体噴出装置と、
前記筐体内に収容され、第2駆動部から供給される駆動力によって液体を噴出する液体噴出装置と
を備え、
前記第1駆動部と前記第2駆動部とは、互いに独立して設けられ
前記気体噴出装置は、
前記第1駆動部を含むとともに、側面にシャフトが形成される本体部と、
前記シャフトを覆うように設けられる弾性部材と
を備え、
前記筐体は、
前記筐体内で前記弾性部材を介して前記シャフトを挟み込んで保持しつつ前記本体部を収容すること
を特徴とする噴出装置。
【請求項2】
筐体と、
前記筐体内に収容され、第1駆動部から供給される駆動力によって気体を噴出する気体噴出装置と、
前記筐体内に収容され、第2駆動部から供給される駆動力によって液体を噴出する液体噴出装置と
を備え、
前記第1駆動部と前記第2駆動部とは、互いに独立して設けられ
前記液体噴出装置は、
前記第2駆動部から供給される駆動力によって回転するギヤ部と、
前記ギヤ部に形成される第1スリット部と
を備え、
前記筐体は、
前記ギヤ部を収容する部位付近に形成される第2スリット部
を備え、
前記ギヤ部は、
前記第1スリット部が前記第2スリット部と対応する位置に配置されることで、位置決めされること
を特徴とする噴出装置。
【請求項3】
前記第1駆動部および前記第2駆動部を個別に制御する制御部
を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の噴出装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記気体噴出装置からの気体と前記液体噴出装置からの液体とが同時に噴出するように、前記第1駆動部および前記第2駆動部を制御すること
を特徴とする請求項に記載の噴出装置。
【請求項5】
前記制御部は、
一連の噴出動作のうち最初の噴出動作として前記液体噴出装置から液体が噴出するように、前記第2駆動部を制御すること
を特徴とする請求項またはに記載の噴出装置。
【請求項6】
前記制御部は、
一連の噴出動作のうち最後の噴出動作として前記気体噴出装置から気体が噴出するように、前記第1駆動部を制御すること
を特徴とする請求項のいずれか一つに記載の噴出装置。
【請求項7】
前記制御部は、
起動時に前記第2駆動部を駆動させて前記液体噴出装置の準備動作を実行すること
を特徴とする請求項のいずれか一つに記載の噴出装置。
【請求項8】
筐体と、気体噴出装置と、液体噴出装置とを備えた噴出装置の制御方法であって、
前記気体噴出装置は、前記筐体内に収容され、第1駆動部から供給される駆動力によって気体を噴出し、前記液体噴出装置は、前記筐体内に収容され、第2駆動部から供給される駆動力によって液体を噴出し、前記第1駆動部と前記第2駆動部とは、互いに独立して設けられ、前記気体噴出装置は、前記第1駆動部を含むとともに、側面にシャフトが形成される本体部と、前記シャフトを覆うように設けられる弾性部材とを備え、前記筐体は、前記筐体内で前記弾性部材を介して前記シャフトを挟み込んで保持しつつ前記本体部を収容するとともに、
前記第1駆動部および前記第2駆動部を個別に制御する制御工程
を含むことを特徴とする噴出装置の制御方法。
【請求項9】
筐体と、気体噴出装置と、液体噴出装置とを備えた噴出装置の制御方法であって、
前記気体噴出装置は、前記筐体内に収容され、第1駆動部から供給される駆動力によって気体を噴出し、前記液体噴出装置は、前記筐体内に収容され、第2駆動部から供給される駆動力によって液体を噴出し、前記第1駆動部と前記第2駆動部とは、互いに独立して設けられ、前記液体噴出装置は、前記第2駆動部から供給される駆動力によって回転するギヤ部と、前記ギヤ部に形成される第1スリット部とを備え、前記筐体は、前記ギヤ部を収容する部位付近に形成される第2スリット部を備え、前記ギヤ部は、前記第1スリット部が前記第2スリット部と対応する位置に配置されることで、位置決めされるとともに、
前記第1駆動部および前記第2駆動部を個別に制御する制御工程
を含むことを特徴とする噴出装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、噴出装置および噴出装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば車両の周辺を撮像する車載カメラのレンズに向けて気体を噴出したり、液体を噴出したりすることで、レンズに付着した付着物を除去する噴出装置が種々提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-154527号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術にあっては、気体を噴出する気体噴出装置と液体を噴出する液体噴出装置とが比較的離れて設置されるため、気体噴出装置および液体噴出装置を適切に連係させて動作させることが難しかった。このように、従来技術には、気体噴出装置および液体噴出装置を適切に動作させるという点で、改善の余地があった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、気体噴出装置および液体噴出装置を適切に動作させることができる噴出装置および噴出装置の制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、噴出装置において、筐体と、気体噴出装置と、液体噴出装置とを備える。気体噴出装置は、前記筐体内に収容され、第1駆動部から供給される駆動力によって気体を噴出する。液体噴出装置は、前記筐体内に収容され、第2駆動部から供給される駆動力によって液体を噴出する。前記第1駆動部と前記第2駆動部とは、互いに独立して設けられる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、気体噴出装置および液体噴出装置を適切に動作させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る噴出装置を含む噴出システムの搭載例を示す図である。
図2図2は、噴出システムとカメラとの位置関係等を説明するための図である。
図3図3は、噴出装置の外観を示す平面図である。
図4図4は、噴出装置の分解斜視図である。
図5図5は、気体噴出装置および液体噴出装置を説明するための図である。
図6図6は、図5のVI-VI線断面図である。
図7図7は、図5のVII-VII線断面図である。
図8図8は、ギヤ部を説明するための斜視図である。
図9図9は、噴出装置を含む噴出システムの構成例を示すブロック図である。
図10図10は、噴出装置の制御部が実行する処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本願の開示する噴出装置および噴出装置の制御方法の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0010】
まず、図1を用いて、実施形態に係る噴出装置を含む噴出システムの搭載例について説明する。図1は、実施形態に係る噴出装置を含む噴出システムの搭載例を示す図である。なお、図1および後述する図2図8は、いずれも模式図である。
【0011】
図1に示すように、噴出システム1は、自動車などの車両2に搭載され、気体等を噴出する。例えば、噴出システム1は、車両2の後部に配置され、車両2の後方を撮像するカメラ(リアカメラ)100に付着した付着物を、噴出した気体等で除去する。一例としては、噴出システム1は、車両2後部のライセンスプレート3の上部であり、かつ、車両2の左右方向の略中央である位置に配置される。また、上記した付着物は、水滴や雪、汚れなどである。
【0012】
なお、ここでは、噴出システム1が気体等を噴出する対象を車両2の後方撮像用のカメラ100(センサの一例)とするが、これに限定されるものではない。すなわち、噴出対象は、例えばレンズを介して映像を取得したり、車両周辺の物標の情報などを取得したりするセンサ(詳しくは光学センサ)などであればよい。具体的には、例えば車両前方を撮像するフロントカメラや車両側方を撮像するサイドカメラ、車両周辺の物標を検出するレーダ装置など種々のセンサを噴出対象とすることができる。
【0013】
図2は、噴出システム1とカメラ100との位置関係等を説明するための図である。なお、図2は車両2の後部の断面図である。図2に示すように、カメラ100は、車両2のバックドアのアウターパネル4に取り付けられ、検知面であるレンズ101が車両2の外に露出するように配置される。
【0014】
噴出システム1は、噴出装置10と、ノズル装置20とを備える。噴出装置10は、バックドアの内部、例えばアウターパネル4とインナーパネル5との間の空間に配置される。噴出装置10は、気体噴出装置50および液体噴出装置60(後述する図4参照)を備え、気体や液体を噴出することができる。
【0015】
なお、上記した気体は、例えば空気であるが、これに限られず、その他の種類の気体であってもよい。また、液体は、例えば水やウォッシャ液であるが、これらに限定されるものではなく、その他の種類の液体であってもよい。
【0016】
ノズル装置20は、カメラ100に取り付けられる。ノズル装置20は、噴出装置10に気体用ホース11aおよび液体用ホース11bを介して接続され、噴出装置10から噴出された気体や液体をカメラ100のレンズ101に向けて噴出する。
【0017】
次いで、噴出装置10について図3以降を参照して詳しく説明する。図3は、噴出装置10の外観を示す平面図であり、図4は、噴出装置10の分解斜視図である。
【0018】
なお、図3および図4においては、理解の便宜のために、互いに直交するX軸方向、Y軸方向およびZ軸方向で規定される3次元の直交座標系を図示している。かかる直交座標系は、後述の説明に用いる他の図面でも示す場合がある。また、直交座標系は、噴出装置10が図示された状態にあるときのX軸方向、Y軸方向およびZ軸方向であり、噴出装置10の取り付け方向を限定するものではない。
【0019】
図3および図4に示すように、噴出装置10は、筐体40と、気体噴出装置50(図4参照)と、液体噴出装置60(図4参照)と、制御基板70(図4参照)とを備える。
【0020】
筐体40は、気体噴出装置50、液体噴出装置60および制御基板70などを収容する。図3に示すように、筐体40は、気体噴出装置50の気体流出口50aが露出するように構成される。かかる気体流出口50aには、上記した気体用ホース11aが接続される。これにより、気体噴出装置50は、気体用ホース11aを介してノズル装置20に接続され、噴出した気体をノズル装置20へ供給する。
【0021】
また、筐体40は、液体噴出装置60の液体流入口60aおよび液体流出口60bが露出するように構成される。液体流入口60aには、流入ホース11cを介して液体を貯留するタンク30に接続される。これにより、液体噴出装置60には、タンク30からの液体が流入ホース11cを介して流入する。液体流出口60bには、上記した液体用ホース11bが接続される。これにより、液体噴出装置60は、液体用ホース11bを介してノズル装置20に接続され、噴出した液体をノズル装置20へ供給する。
【0022】
筐体40は、コネクタ12が露出するように構成される。コネクタ12は、図示しない各種センサなどの外部装置に接続され、外部装置から出力された各種の信号が入力される。
【0023】
筐体40についてさらに詳しく説明する。筐体40は、図4に示すように、ケース本体部41と、蓋部42と、仕切り板43とを備える。ケース本体部41は、箱状に形成され、上方(Z軸正方向)に向けて開放される開口41aが形成される。
【0024】
蓋部42は、上記した開口41aを覆うように配置されてケース本体部41に取り付けられる。これにより、ケース本体部41と蓋部42との間には空間Aが形成され、かかる空間Aに気体噴出装置50、液体噴出装置60および制御基板70等が収容(配置)される。
【0025】
また、ケース本体部41には、底面部41bから上方へ延在する壁部41cが形成される。かかる壁部41cにより、ケース本体部41は、気体噴出装置50が収容される領域Bと、液体噴出装置60が収容される領域Cとに区画される。
【0026】
仕切り板43は、ケース本体部41に取り付けられる。例えば、仕切り板43は、ケース本体部41において上記した領域C側に取り付けられ、液体噴出装置60を構成する噴出部62(図5参照)が収容される空間を液密に区画する。噴出部62は、後述するように液体が流れる部位である。従って、仕切り板43が上記のようにしてケース本体部41に取り付けられることで、例えば仮に、噴出部62から液体が漏れた場合であっても、かかる液体が制御基板70などが収容される空間へ侵入してしまうことを防止することができる。
【0027】
気体噴出装置50は、気体を噴出する装置である。液体噴出装置60は、液体を噴出する装置である。なお、気体噴出装置50および液体噴出装置60の詳細な構成については、図5等を用いて後述する。
【0028】
制御基板70は、例えば板状に形成され、制御基板70には、図示しない各種の電子機器や回路が搭載される。制御基板70(回路等)は、例えば気体噴出装置50および液体噴出装置60など複数の装置を同時に制御することができる。また、例えば、制御基板70は、少なくとも一部が、液体噴出装置60および仕切り板43の上方に位置されて、筐体40内に収容される。
【0029】
次いで、気体噴出装置50および液体噴出装置60について図5等を参照して詳説する。図5は、気体噴出装置50および液体噴出装置60を説明するための図である。なお、図5は、噴出装置10の平面図であり、上記した蓋部42、制御基板70および仕切り板43などを取り除いた状態を示している。
【0030】
図5に示すように、気体噴出装置50は、第1駆動部51と、ピストン部52と、本体部53とを備える。なお、図5では、図示の簡略化のため、第1駆動部51およびピストン部52を破線で示している。
【0031】
第1駆動部51は、ピストン部52を駆動させる。例えば、第1駆動部51は、モータである。第1駆動部51は、制御部90(図9参照)からの制御信号に応じて作動し、ピストン部52へ駆動力を出力する。
【0032】
ピストン部52は、圧縮した気体を噴出する。例えば、ピストン部52は、第1駆動部51からの駆動力によってピストン運動し、気体を圧縮して圧縮気体(圧縮空気)を生成する。そして、ピストン部52は、生成された圧縮気体を気体流出口50aを介してノズル装置20(図3参照)へ供給し、カメラ100(図2参照)へ噴出する。このように、気体噴出装置50は、第1駆動部51から供給される駆動力によって気体を噴出する。
【0033】
本体部53は、第1駆動部51およびピストン部52を収容するケースである。なお、本体部53の構成については、図6および図7を参照して後述する。
【0034】
液体噴出装置60は、例えばローラポンプである。具体的には、液体噴出装置60は、第2駆動部61と、噴出部62とを備える。第2駆動部61は、噴出部62を駆動させる。例えば、第2駆動部61は、モータである。第2駆動部61は、制御部90(図9参照)からの制御信号に応じて作動し、噴出部62へ駆動力を出力する。
【0035】
噴出部62は、液体噴出装置60において、液体が流れ、流れた液体を噴出させる部位である。例えば、噴出部62は、ギヤ部63と、ローラ64と、チューブ65とを備える。
【0036】
ギヤ部63は、第2駆動部61から供給される駆動力によって回転し、ローラ64を回転させる。例えば、ギヤ部63は、第1~第4ギヤ部63a~63dを含む。第1~第4ギヤ部63a~63dは、回転可能にケース本体部41に取り付けられる。また、例えば、第1ギヤ部63aは、第2駆動部61の出力軸および第2ギヤ部63bに接続される。第2ギヤ部63bは、第3ギヤ部63cに接続され、第3ギヤ部63cは、第4ギヤ部63dに接続される。第4ギヤ部63dには、上記したローラ64が複数(図5の例では4つ)形成される。なお、ローラ64は、第4ギヤ部63dの回転軸63d1を中心に所定間隔(ここでは90度間隔)で形成される。なお、第4ギヤ部63dの詳しい構成については、図8を参照して後述する。
【0037】
チューブ65は、一端が液体流入口60aに接続される一方、他端が液体流出口60bに接続される。従って、チューブ65においては、タンク30からの液体を充填可能に構成される。チューブ65は、ローラ64に巻き付くように取り付けられる。
【0038】
上記のように構成された液体噴出装置60にあっては、第2駆動部61の駆動力が、第1ギヤ部63a、第2ギヤ部63b、第3ギヤ部63cを介して第4ギヤ部63dに伝達され、第4ギヤ部63dに形成されたローラ64が回転し、かかるローラ64の回転によりチューブ65を押しつぶす。そして、ローラ64によって押しつぶされたチューブ65が元に戻るときの圧力を利用して、液体を液体流出口60bを介してノズル装置20(図3参照)へ圧送し、カメラ100(図2参照)へ噴出する。このように、液体噴出装置60は、第2駆動部61から供給される駆動力によって液体を噴出する。
【0039】
なお、上記では、液体噴出装置60をローラポンプとしたが、これに限定されるものではなく、その他の種類の機構を用いて液体を噴出するようにしてもよい。
【0040】
このように、本実施形態にあっては、気体噴出装置50の第1駆動部51と、液体噴出装置60の第2駆動部61とが、互いに独立して設けられる。言い換えると、気体噴出装置50および液体噴出装置60は、別々の駆動部(ここでは第1、第2駆動部51,61)を備えるように構成される。
【0041】
また、上記したように、本実施形態にあっては、気体噴出装置50および液体噴出装置60が1つの筐体40に収容される。言い換えると、気体噴出装置50および液体噴出装置60は、筐体40内において隣接(近接)して収容される。そして、筐体40(製品)内に収容される一つの制御基板70(回路等)によって、例えば気体噴出装置50および液体噴出装置60など複数の装置を同時に制御可能となるように構成される。
【0042】
これにより、本実施形態に係る噴出装置10においては、気体噴出装置50および液体噴出装置60を適切に動作させることができる。
【0043】
すなわち、例えば気体と液体とを同時噴出させたり、液体を噴出させた後に連続して気体を噴出させたりして、気体噴出装置50と液体噴出装置60とを連係させて動作させる場合がある。このとき、仮に、気体噴出装置50と液体噴出装置60とが比較的離れて設置されると、気体噴出装置50の噴出タイミングと、液体噴出装置60の噴出タイミングとが大きくずれやすく、気体噴出装置50と液体噴出装置60とを適切に連係させて動作させることが難しかった。
【0044】
また、例えば仮に、気体噴出装置50と液体噴出装置60とが1つの駆動部を共用するように構成された場合、駆動部の駆動力の伝達経路を気体噴出装置50と液体噴出装置60との間で切り替える動作に時間を要し、気体噴出装置50と液体噴出装置60とを適切に連係させて動作させることが難しかった。
【0045】
本実施形態にあっては、気体噴出装置50および液体噴出装置60が1つの筐体40に収容されて隣接して配置されるとともに、筐体40(製品)内に収容される一つの制御基板70(回路等)によって気体噴出装置50や液体噴出装置60が同時に制御されるように構成することで、気体噴出装置50の噴出タイミングと、液体噴出装置60の噴出タイミングとをずれにくくすることができる。また、第1駆動部51および第2駆動部61が独立して設けられることから、第1駆動部51および第2駆動部61を個別に制御することが可能である。従って、噴出装置10においては、例えば気体と液体とを同時噴出させたり、液体を噴出させた後に連続して気体を噴出させたりするなど、気体噴出装置50と液体噴出装置60とを適切に連係させて動作させることができる。
【0046】
また、上記のように気体噴出装置50および液体噴出装置60を連係させて動作させることで、例えばカメラ100に付着した汚れを液体で浮かせつつ、噴出された気体で除去するなど、カメラ100の付着物を効果的に除去することができる。
【0047】
また、本実施形態にあっては、気体噴出装置50や液体噴出装置60等を1つの筐体40内に収容することができ、噴出装置10のコンパクト化を図ることができる。
【0048】
次いで、気体噴出装置50の本体部53について詳説する。本体部53には、上記したように、第1駆動部51およびピストン部52が収容される。
【0049】
ここで、ピストン部52は、ピストン運動に伴って作動音が生じる。また、ピストン部52は、ピストン運動に伴って振動する。このピストン部52の振動が、例えば噴出装置10の外部にあるバックドアのアウターパネル4(図2参照)などに伝達する場合がある。かかる場合、アウターパネル4の振動に伴う振動音がバックドア内部、詳しくはアウターパネル4とインナーパネル5との間の空間において増幅し、車内の乗員に聞こえるおそれがある。なお、以下では、上記した作動音および振動音等を含めて、気体噴出装置50の作動音と記載する場合がある。
【0050】
そこで、本実施形態に係る噴出装置10にあっては、気体噴出装置50の作動音を抑制することができるような構成とした。かかる構成について、図6および図7を参照して詳しく説明する。図6は、図5のVI-VI線断面図であり、図7は、図5のVII-VII線断面図である。
【0051】
図6および図7に示すように、本体部53には、シャフト54a,54bが形成される。例えば、シャフト54aは、図6に示すように、本体部53の側面53a1から外方(Y軸負方向)へ向けて突出するように形成される。また、シャフト54bは、図7に示すように、本体部53の側面53a2から外方(X軸正方向)へ向けて突出するように形成される。
【0052】
なお、上記では、シャフト54aとシャフト54bとは、本体部53において異なる側面53a1,53a2に形成されるが、これに限定されるものではなく、例えば同一の側面に形成されてもよい。また、上記では、シャフト54a,54bが本体部53に2つ形成されるようにしたが、これに限定されるものではなく、シャフトの数は1つであっても3つ以上であってもよい。
【0053】
シャフト54a,54bにはそれぞれ、シャフト54a,54bを覆うように弾性部材55a,55bが設けられる。例えば、弾性部材55a,55bは、環状に形成される。なお、弾性部材55a,55bは、例えばゴムであるが、これに限定されるものではない。
【0054】
そして、筐体40は、筐体40内で弾性部材55a,55bを介してシャフト54a,54bを挟み込んで保持しつつ本体部53を収容する。例えば、図6に示すように、弾性部材55aで周囲が覆われたシャフト54aは、ケース本体部41において上方へ向けて突出する突出部41d1と蓋部42において下方に向けて突出する突出部42d1とによって挟み込まれて保持される。また、図7に示すように、弾性部材55bで周囲が覆われたシャフト54bは、ケース本体部41において上方へ向けて突出する突出部41d2と蓋部42において下方に向けて突出する突出部42d2とによって挟み込まれて保持される。
【0055】
このように、本実施形態にあっては、ピストン部52が本体部53に収容され、かかる本体部53が筐体40に収容されるため、ピストン部52は二重で覆われることとなる。そのため、ピストン部52の作動音が噴出装置10の外部へ伝搬することを抑制することができる。
【0056】
また、筐体40は、弾性部材55a,55bを介してシャフト54a,54bを保持することから、ピストン部52の振動を弾性部材55a,55bで吸収することができる。これにより、例えばピストン部52の振動が外部のバックドアのアウターパネル4(図2参照)などに伝達して振動音(作動音)が発生することを抑制することができる。
【0057】
ここで、上記したシャフト54a,54bは、本体部53に形成されるため、ピストン部52の振動が伝達して、シャフト54a,54bが振動し、シャフト54a,54b自身に振動音が生じることがある。しかしながら、本実施形態にあっては、シャフト54a,54bは、筐体40内に配置されるため、シャフト54a,54bの振動音が、筐体40の外部、すなわち噴出装置10の外部へ伝搬することを抑制することができる。
【0058】
また、本実施形態に係る噴出装置10においては、気体噴出装置50の気体流出口50aが、上記したシャフト54a,54bの機能を兼ねるように構成した。具体的には、気体流出口50aに弾性部材55cが設けられる。
【0059】
そして、筐体40は、図6に示すように、弾性部材55cを介して気体流出口50aを挟み込んで保持する。例えば、弾性部材55cで覆われた気体流出口50aは、ケース本体部41において上方へ向けて突出する突出部41d3と蓋部42において下方に向けて突出する突出部42d3とによって挟み込まれて保持される。
【0060】
これにより、ピストン部52の振動を弾性部材55cで吸収することができ、よって例えばピストン部52の振動が外部のバックドアのアウターパネル4(図2参照)などに伝達して振動音(作動音)が発生することをより一層抑制することができる。また、気体流出口50aがシャフト54a,54bの機能を兼ねることで、シャフトの数を少なくすることができ、部品点数を減少させることが可能となる。
【0061】
次いで、ギヤ部63(正確には第4ギヤ部63d)等について図8を参照して詳説する。図8は、ギヤ部63を説明するための斜視図である。なお、図8では、理解の便宜のため、チューブ65などを取り除いた状態を示している。
【0062】
上記したように、液体噴出装置60は、ギヤ部63の第4ギヤ部63dの回転によって液体を噴出するように構成される。このような構成の液体噴出装置60においては、図8に示すように、第4ギヤ部63dの回転量を回転量検出センサ84で検出することで、液体噴出装置60の噴出動作を精度よく制御することが可能になる。すなわち、例えば、液体噴出装置60は、回転量検出センサ84の出力に基づいて、第4ギヤ部63dが予め設定された所定角度回転するように、第2駆動部61を制御することで、適切な量の液体を噴出することが可能になる。なお、回転量検出センサ84は、例えば制御基板70(図3参照)に搭載されるが、図8では、理解の便宜のため、回転量検出センサ84を破線で示している。
【0063】
例えば、回転量検出センサ84は、第4ギヤ部63dに形成された凸部67による押圧によって、第4ギヤ部63dの回転量を検出することができる。詳しくは、回転量検出センサ84は、センサ本体部84aと、スイッチ部84bとを備える。スイッチ部84bは、センサ本体部84aから外方に向けて突出するように設けられ、押圧されると、センサ本体部84a内へ引っ込むように構成される。
【0064】
凸部67は、第4ギヤ部63dの回転シャフト63d2の先端に形成される。例えば、凸部67は、複数(図8の例では4つ)あり、第4ギヤ部63dの回転軸63d1を中心に所定間隔(ここでは90度間隔)で形成される。そして、回転量検出センサ84は、スイッチ部84bが、第4ギヤ部63dが回転して凸部67と当接するときに凸部67から押圧されて引っ込むような位置に配置される。
【0065】
従って、回転量検出センサ84は、スイッチ部84bに対する凸部67の押圧を検出することで、第4ギヤ部63dの所定回転角度(ここでは90度)ごとの回転量を検出することができる。
【0066】
ここで、上記した第4ギヤ部63dが筐体40へ取り付けられる(組み付けられる)際の位置決めについて説明する。例えば、第4ギヤ部63dは、筐体40(正確にはケース本体部41)に取り付けられる。このとき、例えば、凸部67が回転量検出センサ84のスイッチ部84bに接触するような位置で、第4ギヤ部63dが筐体40に取り付けられると、回転量検出センサ84が凸部67との接触によって損傷するおそれがある。そのため、第4ギヤ部63dは、隣接する凸部67の間に形成される凹部67aに、スイッチ部84bが位置するように位置決めされて、筐体40に取り付けられることが好ましい。
【0067】
そこで、本実施形態にあっては、ギヤ部63(ここでは第4ギヤ部63d)が取り付けの際に適切に位置決めされるような構成とした。具体的には、ギヤ部63の第4ギヤ部63dには、第1スリット部68が形成される。また、筐体40のケース本体部41において、第4ギヤ部63dを収容する部位付近に第2スリット部48が形成される。第1スリット部68および第2スリット部48は、例えば溝状に形成される。
【0068】
そして、第4ギヤ部63dは、第1スリット部68が第2スリット部48と対応する位置に配置されるとき、詳しくは第1スリット部68と第2スリット部48とが直線状に並ぶような位置に配置されるとき、凹部67aにスイッチ部84bが位置するように形成される。なお、図示は省略するが、例えば薄板(治具)を第1スリット部68および第2スリット部48の両方に差し込むようにすれば、第4ギヤ部63dを、第1スリット部68と第2スリット部48とが直線状に並ぶような位置に容易に配置することができる。
【0069】
これにより、第4ギヤ部63dは、凹部67aにスイッチ部84bが位置するように適切に位置決めされて筐体40へ取り付けられる。そのため、上記したような回転量検出センサ84が凸部67との接触によって損傷することを防止することができる。
【0070】
次に、実施形態に係る噴出装置10を含む噴出システム1の構成について、図9を用いて説明する。図9は、噴出装置10を含む噴出システム1の構成例を示すブロック図である。なお、図9のブロック図では、本実施形態の特徴を説明するために必要な構成要素のみを機能ブロックで表しており、一般的な構成要素についての記載を省略している。
【0071】
換言すれば、図9のブロック図に図示される各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。例えば、各機能ブロックの分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することが可能である。
【0072】
図9に示すように、噴出システム1は、ACC検知部81と、シフトセンサ82と、入力部83と、上記した回転量検出センサ84と、噴出装置10とを備える。
【0073】
ACC検知部81は、ACC(アクセサリ電源)がオンされる場合にACCオンを示す信号を噴出装置10の制御部90へ出力する。シフトセンサ82は、シフトレバー(図示せず)のポジションを示す信号を制御部90へ出力する。なお、シフトレバーのポジションとしては、車両2を前進させる「前進ポジション」や車両2を後進させる「後進ポジション」等が挙げられる。
【0074】
入力部83は、例えばユーザが噴出装置10による噴出動作を所望するときに操作され、噴出動作の要求が入力される。入力部83は、入力された噴出動作の要求を制御部90へ出力する。なお、噴出動作の要求には、例えば気体噴出装置50による気体噴出動作の要求、液体噴出装置60による液体噴出動作の要求、および、気体噴出装置50および液体噴出装置60による気体・液体噴出動作の要求などが含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0075】
入力部83は、例えばタッチパネルディスプレイなどの表示部であり、ユーザによる表示部へのタッチ操作により、噴出動作の要求が入力されるが、これに限定されるものではない。すなわち、入力部83は、マイクなどの音声入力装置であってもよく、例えばユーザから噴出動作を要求する音声が入力された場合、かかる噴出動作の要求を示す信号を出力する構成であってもよい。
【0076】
回転量検出センサ84は、ギヤ部63(正確には第4ギヤ部63d)の回転量を検出し、検出された回転量を示す信号を制御部90へ出力する。
【0077】
噴出装置10は、上記した気体噴出装置50と、液体噴出装置60と、制御部90とを備える。制御部90は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、データフラッシュ、入出力ポートなどを有するコンピュータや各種の回路を含む。
【0078】
コンピュータのCPUは、例えば、ROMに記憶されたプログラムを読み出して実行することによって、制御部90として機能する。また、制御部90の機能の一部または全部をASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアで構成することもできる。
【0079】
制御部90は、気体噴出装置50の第1駆動部51および液体噴出装置60の第2駆動部61を個別に制御する。これにより、気体噴出装置50と液体噴出装置60とを適切に連係させて動作させることができることは、既に述べた通りである。
【0080】
以下、制御部90の制御例について説明すると、制御部90は、気体噴出装置50からの気体と液体噴出装置60からの液体とが同時に噴出するように、第1駆動部51および第2駆動部61を制御してもよい。
【0081】
これにより、例えばカメラ100に付着した汚れなどの付着物を比較的短時間で除去することが可能になる。また、必要以上の液体を噴出されることを回避することが可能になる。
【0082】
また、制御部90は、一連の噴出動作のうち最初の噴出動作として液体噴出装置60から液体が噴出するように、第2駆動部61を制御してもよい。
【0083】
これにより、例えばカメラ100に付着した汚れなどの付着物を液体で浮かせることができ、付着物を効果的に除去することができる。なお、上記した一連の噴出動作とは、例えば複数種の噴出動作を任意で予め組み合わせておき、かかる複数種の噴出動作を順番に連続して行うことを意味するが、これに限定されるものではない。
【0084】
また、制御部90は、一連の噴出動作のうち最後の噴出動作として気体噴出装置50から気体が噴出するように、第1駆動部51を制御してもよい。
【0085】
これにより、例えば液体で浮かせた付着物を、噴出された気体で確実に除去することが可能になり、よってカメラ100の付着物をより効果的に除去することができる。また、最後に気体を噴出することにより、例えば液体がレンズ101に残りにくくすることができ、よってレンズ101に残った液体が乾燥して汚れることを防止することができる。また、最後に気体を噴出することにより、例えば液体がノズル装置20に残りにくくすることができ、よってノズル装置20に残った液体が後でレンズ101に垂れ落ちてレンズ101を汚すことを防止することができる。
【0086】
また、制御部90は、起動時に第2駆動部61を駆動させて液体噴出装置60の準備動作を実行してもよい。かかる準備動作は、例えば液体をノズル装置20の付近まで予め運んでおく動作である。
【0087】
詳説すると、例えば液体噴出装置60において、液体の噴出が比較的長期間行われなかった場合、液体噴出装置60からノズル装置20までの流路内において液体が蒸発することがある。このような状態のときに、液体噴出装置60から液体の噴出された場合、かかる液体はノズル装置20からすぐに噴出されず、カメラ100の付着物を除去できないおそれがある。
【0088】
そこで、本実施形態においては、起動時に第2駆動部61を駆動させ、液体をノズル装置20の付近まで予め運ぶ準備動作を実行することで、準備動作後、カメラ100の付着物を除去する際に液体噴出装置60から噴出された液体を、ノズル装置20からすぐに(言い換えるとスムーズに)噴出させることが可能になる。
【0089】
一例としては、制御部90は、ACC検知部81からACCオンを示す信号が入力された場合に、第2駆動部61を駆動させて液体噴出装置60の準備動作を実行してもよい。これにより、ACCオンされた起動時に、液体をノズル装置20の付近まで予め運んでおくことが可能となる。
【0090】
また、制御部90は、例えばシフトセンサ82から後進ポジションを示す信号が入力された場合に、第1駆動部51や第2駆動部61を駆動させて、気体噴出装置50による気体噴出動作や、液体噴出装置60による液体噴出動作、気体噴出装置50および液体噴出装置60による気体・液体噴出動作などを行ってもよい。これにより、例えば後進時におけるカメラ100の視界を良好にすることが可能となる。
【0091】
また、制御部90は、例えば入力部83に入力された噴出動作の要求に応じて第1駆動部51や第2駆動部61を駆動させて、気体噴出動作や液体噴出動作、気体・液体噴出動作などを行ってもよい。これにより、ユーザが所望する噴出動作を実行することができる。
【0092】
次に、噴出装置10における具体的な処理手順について図10を用いて説明する。図10は、噴出装置10の制御部90が実行する処理手順を示すフローチャートである。
【0093】
図3に示すように、噴出装置10の制御部90は、ACCがオンされたか否かを判定する(ステップS10)。制御部90は、ACCがオンされていないと判定された場合(ステップS10,No)、そのまま処理を終了する。
【0094】
一方、制御部90は、ACCがオンされたと判定された場合(ステップS10,Yes)、第2駆動部61を駆動させて液体噴出装置60の準備動作を実行する(ステップS11)。
【0095】
次いで、制御部90は、噴出装置10の動作条件を満たすか否かを判定する(ステップS12)。かかる動作条件は、任意に設定可能であるが、例えばシフトセンサ82から後進ポジションを示す信号が入力された場合や、入力部83に噴出動作の要求が入力された場合などに設定される。
【0096】
制御部90は、噴出装置10の動作条件を満たしていないと判定された場合(ステップS12,No)、ステップS12の処理を繰り返す。他方、制御部90は、噴出装置10の動作条件を満たすと判定された場合(ステップS12,Yes)、動作条件に即した噴出動作を実行する(ステップS13)。動作条件に即した噴出動作の例は、気体噴出装置50による気体噴出動作や、液体噴出装置60による液体噴出動作、気体噴出装置50および液体噴出装置60による気体・液体噴出動作などであるが、これらに限定されるものではない。
【0097】
上述してきたように、実施形態に係る噴出装置10は、筐体40と、気体噴出装置50と、液体噴出装置60とを備える。気体噴出装置50は、筐体40内に収容され、第1駆動部51から供給される駆動力によって気体を噴出する。液体噴出装置60は、筐体40内に収容され、第2駆動部61から供給される駆動力によって液体を噴出する。第1駆動部51と第2駆動部61とは、互いに独立して設けられる。これにより、気体噴出装置50および液体噴出装置60を適切に動作させることができる。
【0098】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0099】
10 噴出装置
40 筐体
50 気体噴出装置
51 第1駆動部
60 液体噴出装置
61 第2駆動部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10