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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-05
(45)【発行日】2024-08-14
(54)【発明の名称】紫外線LEDユニット
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/60 20100101AFI20240806BHJP
   H01L 33/62 20100101ALI20240806BHJP
   H01L 33/64 20100101ALI20240806BHJP
【FI】
H01L33/60
H01L33/62
H01L33/64
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020212172
(22)【出願日】2020-12-22
(65)【公開番号】P2022098654
(43)【公開日】2022-07-04
【審査請求日】2023-11-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000175722
【氏名又は名称】サンコール株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001597
【氏名又は名称】弁理士法人アローレインターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】小谷 哲之
【審査官】大森 努
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0049565(US,A1)
【文献】特開2004-165308(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2012-0014416(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2012-0014391(KR,A)
【文献】特開2002-043625(JP,A)
【文献】特開2015-176999(JP,A)
【文献】特開2017-059706(JP,A)
【文献】特開2013-016588(JP,A)
【文献】特開2015-026871(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0315908(US,A1)
【文献】独国特許出願公開第102015109324(DE,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2018-0020685(KR,A)
【文献】特開2018-056514(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2014-0035212(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00,33/48-33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
素子本体並びに前記素子本体の厚み方向一方側及び他方側にそれぞれ配設された第1及び第2電極層を有する一又は複数の紫外線LED素子と、
絶縁性の基板本体並びに前記基板本体に設けられた第1及び第2配線導体を含む基板と
導電性平板状部材によって形成され、対向する側面の間に間隙が存する状態で同一平面内に配置された複数のバスバー、並びに、前記間隙内に充填された間隙充填部、前記複数のバスバーが前記間隙充填部によって連結されてなるバスバー連結体の厚み方向一方側の第1面を覆う第1面側積層部、前記バスバー連結体の厚み方向他方側の第2面を覆う第2面側積層部及び前記バスバー連結体の側面を覆う側面側積層部を一体的に含み、絶縁性樹脂塗膜によって形成された絶縁層を有するバスバーアッセンブリとを備え、
前記絶縁層には、前記複数のバスバーのそれぞれの第1面のうちの所定領域を露出させて前記複数のバスバーのそれぞれの第1面側接続部を形成するように第1面側積層部に形成された一又は複数の第1面側開口と、前記複数のバスバーのそれぞれの厚み方向他方側の第2面の少なくとも一部を外方に露出させて外部と電気的に接続可能な第2面側接続部を形成するように前記第2面側積層部に形成された一又は複数の第2面側開口とが設けられており、
前記紫外線LED素子は、前記第2電極層が前記複数のバスバーのうちの一部である素子側バスバーの前記第1面側接続部に直接又は間接的に接合され、且つ、発光面となる前記第1電極層が外方に露出されつつ前記複数のバスバーのうちの残余の非素子側バスバーの前記第1面側接続部に電気接続部材を介して電気的に接続された状態で、バスバー側樹脂接着材によって前記バスバーアッセンブリに固着されており、
前記バスバーアッセンブリは、前記非素子側バスバー及び前記素子側バスバーの前記第2面側接続部がそれぞれ前記第1及び第2配線導体に電気的に接続された状態で、基板側樹脂接着材によって前記基板本体に固着され、
前記基板側樹脂接着材及び前記バスバー側樹脂接着材には、前記紫外線LED素子が発光する紫外線を反射可能な反射材粒子が添加されていることを特徴とする紫外線LEDユニット。
【請求項2】
記バスバーの第2面は、前記第2面側積層部が設けられる周縁領域と、前記一又は複数の第2面側開口を介して露出された前記第2面側接続部とを有し、
前記第2面側接続部は、前記バスバー連結体の厚み方向に関し、前記周縁領域に設けられた前記第2面側積層部の外表面と同一又は前記第2面側積層部の外表面よりも他方側に位置していることを特徴とする請求項に記載の紫外線LEDユニット。
【請求項3】
前記バスバーアッセンブリは、平面視において前記複数のバスバーにおける第1面側接続部を一体的に囲むように、前記バスバー連結体の厚み方向一方側の第1面の周縁に固着された平面視環状の枠体を備え、
前記バスバー側樹脂接着は、前記枠体によって囲まれた領域内に充填されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の紫外線LEDユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紫外線LEDユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、種々の装置の光源として紫外線LED素子が広く利用されており、例えば、滅菌装置における光源として、紫外線ランプの代わりに紫外線LED素子を用いることが提案されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
【0003】
前記滅菌装置は、滅菌処理を受ける被処理物を収容可能なハウジングと、紫外線を発光する紫外線LED素子を含む紫外線LEDユニットとを備え、前記紫外線LEDユニットは、前記紫外線LED素子から発光された紫外線が被処理物を照射するように前記ハウジング内に設置されている。
【0004】
詳しくは、前記紫外線LEDユニットは、素子本体並びに前記素子本体の厚み方向一方側及び他方側にそれぞれ配設された第1電極層及び第2電極層を有する前記紫外線LED素子と、絶縁性の基板本体並びに前記基板本体に設けられた第1及び第2配線導体を含む基板とを備えている。
【0005】
前記紫外線LED素子は、前記第1及び第2電極層が前記第1及び第2配線導体にそれぞれ電気的に接続された状態で、樹脂接着材によって前記基板本体に直接又は間接的に固着されている。
【0006】
前記ハウジングの内表面の少なくとも一部には前記紫外線LED素子が発光する紫外線を反射させる金属等の反射板が設けられており、これにより、被処理物には、紫外線LED素子から発せられた紫外線が直接的に照射されることに加えて、紫外線LED素子から発せられて前記ハウジングの内表面の反射板によって反射された紫外線(以下、反射紫外線という)も照射され得るようになっている。
【0007】
斯かる構成は、前記滅菌装置における被処理物への紫外線の照射量を増やして、滅菌作用の向上を図ることができる点において有効であるが、その一方で下記不都合を有している。
【0008】
即ち、前記反射紫外線は、被処理物を照射し得る反面、当該紫外線LED素子及び/又は当該紫外線LED素子に並設される他の紫外線LED素子を照射することも起こり得る。
【0009】
ここで、前記紫外線LED素子を直接又は間接的に前記基板本体に接着させる樹脂接着材は紫外線に対する耐性が弱い。
従って、反射紫外線による照射量の如何によっては樹脂接着材が劣化して、場合によっては、前記紫外線LED素子の前記基板本体に対する固着状態が悪化する恐れがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】特開2014-083470号公報
【文献】実用新案登録第3228875号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、斯かる従来技術に鑑みなされたものであり、紫外線LED素子が絶縁性の基板本体に樹脂接着材によって直接又は間接的に固着されてなる紫外線LEDユニットであって、紫外線に対する耐性を向上させ得る紫外線LEDユニットの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記目的を達成するために、本発明は、素子本体並びに前記素子本体の厚み方向一方側及び他方側にそれぞれ配設された第1及び第2電極層を有する一又は複数の紫外線LED素子と、絶縁性の基板本体並びに前記基板本体に設けられた第1及び第2配線導体を含む基板と、 導電性平板状部材によって形成され、対向する側面の間に間隙が存する状態で同一平面内に配置された複数のバスバー、並びに、前記間隙内に充填された間隙充填部、前記複数のバスバーが前記間隙充填部によって連結されてなるバスバー連結体の厚み方向一方側の第1面を覆う第1面側積層部、前記バスバー連結体の厚み方向他方側の第2面を覆う第2面側積層部及び前記バスバー連結体の側面を覆う側面側積層部を一体的に含み、絶縁性樹脂塗膜によって形成された絶縁層を有するバスバーアッセンブリとを備え、前記絶縁層には、前記複数のバスバーのそれぞれの第1面のうちの所定領域を露出させて前記複数のバスバーのそれぞれの第1面側接続部を形成するように第1面側積層部に形成された一又は複数の第1面側開口と、前記複数のバスバーのそれぞれの厚み方向他方側の第2面の少なくとも一部を外方に露出させて外部と電気的に接続可能な第2面側接続部を形成するように前記第2面側積層部に形成された一又は複数の第2面側開口とが設けられており、前記紫外線LED素子は、前記第2電極層が前記複数のバスバーのうちの一部である素子側バスバーの前記第1面側接続部に直接又は間接的に接合され、且つ、発光面となる前記第1電極層が外方に露出されつつ前記複数のバスバーのうちの残余の非素子側バスバーの前記第1面側接続部に電気接続部材を介して電気的に接続された状態で、バスバー側樹脂接着材によって前記バスバーアッセンブリに固着されており、前記バスバーアッセンブリは、前記非素子側バスバー及び前記素子側バスバーの前記第2面側接続部がそれぞれ前記第1及び第2配線導体に電気的に接続された状態で、基板側樹脂接着材によって前記基板本体に固着され、前記基板側樹脂接着材及び前記バスバー側樹脂接着材には、前記紫外線LED素子が発光する紫外線を反射可能な反射材粒子が添加されている紫外線LEDユニットを提供する。
【0013】
ましくは、前記バスバーの第2面は、前記第2面側積層部が設けられる周縁領域と、前記一又は複数の第2面側開口を介して露出された前記第2面側接続部とを有するものとされ、前記第2面側接続部は、前記バスバー連結体の厚み方向に関し、前記周縁領域に設けられた前記第2面側積層部の外表面と同一又は前記第2面側積層部の外表面よりも他方側に位置される。
【0014】
記紫外線LEDユニットにおいては、好ましくは、前記バスバーアッセンブリは、さらに、平面視において前記複数のバスバーにおける第1面側接続部を一体的に囲むように、前記バスバー連結体の厚み方向一方側の第1面の周縁に固着された平面視環状の枠体を備え得る。
この場合、前記バスバー側樹脂接着は、前記枠体によって囲まれた領域内に充填される。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る紫外線LEDユニットによれば、紫外線に対する耐性を向上させることができる。
特に、本発明に係る紫外線LEDユニットを光源として滅菌装置に用いた場合には、前記紫外線LEDユニットが発光する紫外線によって当該紫外線LEDユニットが劣化することを有効に防止しつつ、前記滅菌装置における被処理物への紫外線照射量を有効に増大させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、本発明の実施の形態1に係る紫外線LEDユニットが適用された滅菌装置の模式断面図である。
図2図2は、図1におけるII部拡大図である。
図3図3は、図2におけるIII線に沿った端面図である。
図4図4は、図2におけるIV-IV線に沿った断面図である。
図5図5は、図2におけるV-V線に沿った断面図である。
図6図6は、前記実施の形態1の変形例に係る紫外線LEDユニットの部分端面図である。
図7図7は、本発明の実施の形態2に係る紫外線LEDユニットの部分断面図であって、前記実施の形態1の図2に対応した断面図である。
図8図8は、図7におけるVIII線に沿った端面図である。
図9図9は、図7におけるIX-IX線に沿った断面図である。
図10図10は、図7におけるX-X線に沿った断面図である。
図11図11は、本発明の実施の形態3に係る紫外線LEDユニットの部分断面図であって、前記実施の形態1の図2に対応した断面図である。
図12図12は、図11におけるXII線に沿った端面図である。
図13図13は、図11におけるXIII-XIII線に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
実施の形態1
以下、本発明に係る紫外線LEDユニットの一実施の形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
図1に、本実施の形態に係る紫外線LEDユニット1が適用された滅菌装置900の模式断面図を示す。
また、図2に、図1におけるII部拡大図を示す。
さらに、図3図5に、それぞれ、図2におけるIII線に沿った端面図、IV-IV線に沿った断面図及びV-V線に沿った断面図を示す。
【0018】
図1及び図2に示すように、前記滅菌装置900は、滅菌処理の対象となる被処理物950を収容可能なハウジング910と、被処理物に対して紫外線を照射するように前記ハウジング910内に配設された、本実施の形態に係る紫外線LEDユニット1とを備えている。
【0019】
前記紫外線LEDユニット1は、基板10と、前記基板10に固着された一又は複数(図1においては11個)の紫外線LED素子110とを備えている。
【0020】
図2に示すように、前記紫外線LED素子110は、素子本体115と、前記素子本体115の厚み方向一方側及び他方側にそれぞれ配設された第1及び第2電極層111、112とを有しており、前記第1及び第2電極層111、112の間に電圧を印可することにより、発光面(本実施の形態においては前記第1電極層111)から紫外線を発光させるようになっている。
【0021】
前記基板10は、セラミックスやガラスエポキシ等の絶縁性部材によって形成された基板本体15と、前記紫外線LED素子110毎に前記基板本体15に設けられたCu等の第1及び第2配線導体21、22とを備えている。
【0022】
前記紫外線LED素子110は、前記第1及び第2電極層111、112がそれぞれ前記第1及び第2配線導体21、22に電気的に接続され、且つ、発光面となる前記第1電極層111が外方に露出された状態で、基板側樹脂接着材30によって前記基板本体15に直接又は間接的に固着されている。
【0023】
本実施の形態においては、前記紫外線LED素子110はバスバーアッセンブリ151に装着されて紫外線LEDモジュール101を形成しており、前記バスバーアッセンブリ151が前記基板側樹脂接着材30によって前記基板本体15に固着されている。
【0024】
詳しくは、図2図4に示すように、前記バスバーアッセンブリ151は、導電性平板状部材によって形成され、対向する側面の間に間隙169が存する状態で同一平面内に配置された複数のバスバー160と、前記間隙169を跨ぐように前記複数のバスバー160の厚み方向一方側の第1面161に接着されて、前記複数のバスバー160が前記間隙169を存する状態で連結されてなるバスバー連結体を形成する絶縁性樹脂フィルム170とを有している。
【0025】
前記バスバー160は、Cu等の導電性金属によって形成される。
本実施の形態においては、図2図4に示すように、前記バスバーアッセンブリ151は、前記複数のバスバー160として、第1及び第2バスバー160(1)、160(2)の2つのバスバーを有している。
【0026】
これに代えて、前記バスバーアッセンブリ151が、前記複数のバスバー160として、3つ以上のバスバーを有することも可能である。
【0027】
前記絶縁性樹脂フィルム170は、絶縁性を有し且つ前記複数のバスバー160を連結させ得る強度を有する種々の材質によって形成され、好適には、ポリアミドイミドが用いられる。
【0028】
図2及び図3に示すように、前記絶縁性フィルム170には、前記複数のバスバー(本実施の形態においては前記第1及び第2バスバー160(1)、160(2))のそれぞれの第1面161のうちの所定領域を露出させて前記複数のバスバー(前記第1及び第2バスバー160(1)、160(2))のそれぞれの第1面側接続部162を形成する複数(本実施の形態においては2つ)の第1面側開口172(1)、172(2)が設けられている。
【0029】
これに代えて、図6に示すように、前記絶縁性フィルム170に、前記複数のバスバー160(本実施の形態においては前記第1及び第2バスバー160(1)、160(2))の全ての第1面161に跨るように単一の第1面側開口172を設けて、単一の前記第1面側開口172によって前記複数のバスバー(本実施の形態においては前記第1及び第2バスバー160(1)、160(2))のそれぞれの第1面側接続部162を形成することも可能である。
【0030】
前記複数のバスバー160(本実施の形態においては前記第1及び第2バスバー160(1)、160(2))の各々は、厚み方向他方側の第2面163の少なくとも一部が外方に露出されて外部と電気的に接続可能な第2面側接続部164を形成している。
【0031】
図2に示すように、本実施の形態においては、前記第1及び第2バスバー160(1)、160(2)の厚み方向他方側の第2面163は全体が露出されており、第2面163の全体が第2面側接続部164を形成している。
この第2面側接続部164は、前記第1及び第2バスバー160(1)、160(2)を外部に電気的に接続する為の外部用接続端子として作用する。
【0032】
当然ながら、前記間隙169を跨ぐように前記第1及び第2バスバー160(1)、160(2)の第2面163に第2面側絶縁性樹脂フィルム(図示せず)を接着することも可能である。
【0033】
前記第2面側絶縁性樹脂フィルムを設ける場合には、前記第2面側絶縁性樹脂フィルムには、前記第1及び第2バスバー160(1)、160(2)のそれぞれの第2面163のうちの所定領域を露出させて前記第1及び第2バスバー160(1)、160(2)のそれぞれの第2面側接続部164を形成する一又は複数の第2面側開口が設けられる。
【0034】
図2に示すように、本実施の形態においては、前記紫外線LED素子110は、前記第2電極層112が前記複数のバスバー160のうちの一部である素子側バスバー(図示の形態においては前記第2バスバー160(2))の前記第1面側接続部162に直接又は間接的に接合され且つ前記第1電極層111が露出されつつ前記複数のバスバー160のうちの残余の非素子側バスバー(図示の形態においては前記第1バスバー160(1))の前記第1面側接続部162にワイヤ等の電気接続部材120を介して電気的に接続された状態で、バスバー側樹脂接着材130によって前記バスバーアッセンブリ151に固着されている。
【0035】
そして、前記バスバーアッセンブリ151は、前記非素子側バスバー(図示の形態においては前記第1バスバー160(1))及び前記素子側バスバー(図示の形態においては前記第2バスバー160(2))の前記第2面側接続部164がそれぞれ前記第1及び第2配線導体21,22に電気的に接続された状態で、前記基板側樹脂接着材30によって前記基板本体15に固着されている。
【0036】
ここで、本実施の形態においては、前記基板側樹脂接着材30及び前記バスバー側樹脂接着材130には、前記紫外線LED素子110が発光する紫外線を反射可能な反射材粒子が添加されている。
【0037】
前記基板側樹脂接着材30及び前記バスバー側樹脂接着材130は、封止材として、例えば、シリコン樹脂又はエポキシ樹脂を有し、添加される反射材粒子として、セラミック、アルミナ、酸化チタン及び/又は酸化亜鉛の粒子を有するものとされる。
【0038】
斯かる構成の前記紫外線ユニット1によれば、意に反して、紫外線が前記基板側樹脂接着材30及び前記バスバー側樹脂接着材130に照射されたとしても、反射材粒子によって紫外線を有効に反射させることができる。
【0039】
従って、前記基板側樹脂接着材30及び前記バスバー側樹脂接着材130が紫外線によって劣化することを有効に防止することができる。
【0040】
この効果は、前記紫外線LEDユニット1を前記滅菌装置900の光源として用いた場合に、特に有効となる。
【0041】
さらに、前記紫外線LEDユニット1を前記滅菌装置900の光源として用いた場合には、前記基板側樹脂接着材30及び前記バスバー側樹脂接着材130に添加された反射材粒子による紫外線の反射作用によって、前記滅菌装置900における被処理物950への紫外線照射量を増加させるという効果も得られる。
【0042】
即ち、前記ハウジング910の内表面の少なくとも一部には、紫外線を反射させ得る反射板が備えられる。
図1に示すように、前記紫外線LEDユニット1から発光された紫外線は、一部が直接に被処理物950を照射すると共に、他の一部は反射板によって反射される。
【0043】
この反射板によって反射された紫外線(以下、反射紫外線という)は、一部が被処理物950を照射すると共に、他の一部は前記紫外線LEDユニット1を照射する。
【0044】
ここで、前記紫外線LEDユニット1においては、前記基板側樹脂接着材30及び前記バスバー側樹脂接着材130に添加された反射材粒子が、前記紫外線LEDユニット1を照射する反射紫外線を有効に反射する。
【0045】
この反射材粒子によって反射された紫外線によって、被処理物950に照射される紫外線の量を増加させることができる。
【0046】
また、本実施の形態においては、紫外線LED素子110の第2電極層112の全体が、導電性金属部材によって形成される前記第2バスバー160(2)に接合されており、前記紫外線LED素子110が発する熱を効率よく前記第2バスバー160(2)に伝えて放熱させることができる。
従って、紫外線LED素子110が熱によって劣化することを有効に防止することができる。
【0047】
なお、図2図6中の符号17は、前記第2バスバー160(2)の一部を外部に開放させる為に前記基板本体15に設けられたスリットであり、これにより、前記第2バスバー160(2)の放熱性向上を図っている。
【0048】
本実施の形態においては、図2及び図3に示すように、前記バスバーアッセンブリ151は、さらに、平面視において前記複数のバスバー160(本実施の形態においては前記第1及び第2バスバー160(1)、160(2))における前記第1面側接続部162を一体的に囲むように、前記バスバー連結体の厚み方向一方側の第1面の周縁に固着された平面視環状の枠体180を備えている。
【0049】
この場合、前記バスバー側樹脂接着130は、前記枠体180によって囲まれた領域内に充填されている。
【0050】
前記枠体180は、例えば、Cu、ステンレス、アルミニウム等の金属によって形成される。
仕様に応じて、前記枠体180の外周面をポリアミドイミド、ポリイミド、ポリアミド、エポキシ等の耐熱性及び絶縁性を有する絶縁性樹脂塗膜によって覆うことも可能である。
【0051】
前記枠体180を備えることにより、塗布された前記バスバー側樹脂接着材130が、硬化前に流出することを有効に防止することができる。
【0052】
実施の形態2
以下、本発明に係る紫外線LEDユニットの他の実施の形態について添付図面を参照しつつ説明する。
図7に、本実施の形態に係る紫外線LEDユニット2の部分断面図であって、前記実施の形態1の図2に対応した断面図を示す。
また、図8図10に、それぞれ、図7におけるVIII線に沿った端面図、IX-IX線に沿った断面図及びX-X線に沿った断面図を示す。
なお、図中、前記実施の形態におけると同一部材には同一符号を付している。
【0053】
本実施の形態に係る前記紫外線LEDユニット2は、前記バスバーアッセンブリ151がバスバーアッセンブリ152に変更されている点においてのみ、前記実施の形態1に係る紫外線LEDユニット1と相違している。
【0054】
即ち、前記紫外線LEDユニット2においては、前記紫外線LED素子110は前記バスバーアッセンブリ152に装着されることで紫外線LEDモジュール102を形成しており、前記紫外線モジュール102が前記基板10に固着されている。
【0055】
前記バスバーアッセンブリ152は、前記バスバーアッセンブリ151に比して、前記複数のバスバー160が複数のバスバー210に変更され、且つ、前記絶縁層170が絶縁層220に変更されている。
【0056】
前記複数のバスバー210は、導電性平板状部材によって形成され、対向する側面の間に前記間隙169が存する状態で同一平面内に配置されている。
本実施の形態においては、複数のバスバー210は、第1及び第2バスバー210(1)、210(2)を含んでいる。
【0057】
前記絶縁層220は、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリアミド、エポキシ等の耐熱性及び絶縁性を有する絶縁性樹脂塗膜によって形成され、好適には、インシュリード(登録商標)を用いて形成される。
【0058】
図7に示すように、前記絶縁層220は、前記間隙169内に充填された間隙充填部229と、前記第1及び第2バスバー210(1)、210(2)が前記間隙充填部229によって連結されてなるバスバー連結体の厚み方向一方側の第1面211を覆う第1面側積層部221とを一体的に有している。
【0059】
前記第1面側積層部221には、前記第1及び第2バスバー210(1)、210(2)のそれぞれの第1面211のうちの所定領域を露出させて前記第1及び第2バスバー210(1)、210(2)のそれぞれの第1面側接続部212を形成する一又は複数の第1面側開口222が設けられている。
【0060】
本実施の形態においては、前記第1面側開口222は、前記第1バスバー210(1)の第1面側接続部212を形成する第1バスバー用第1面側開口222(1)及び前記第2バスバー210(2)の第1面側接続部212を形成する第2バスバー用第1面側開口222(2)を含んでいる。
【0061】
本実施の形態においても、前記複数のバスバー220(本実施の形態においては前記第1及び第2バスバー210(1)、210(2))の各々は、厚み方向他方側の第2面213の少なくとも一部が外方に露出されて外部と電気的に接続可能な第2面側接続部214を形成している。
【0062】
本実施の形態においては、前記絶縁層220は、図7に示すように、前記間隙充填部229及び前記第1面側積層部221に加えて、前記バスバー連結体の厚み方向他方側の第2面213及び側面215をそれぞれ覆う第2面側積層部223及び側面側積層部225を一体的に有している。
【0063】
そして、前記第2面側積層部223には、前記第1及び第2バスバー210(1)、210(2)のそれぞれの厚み方向他方側の第2面213のうちの所定領域を露出させて前記第1及び第2バスバー210(1)、210(2)のそれぞれの第2面側接続部214を形成する一又は複数の第2面側開口224が設けられている。
【0064】
本実施の形態においては、前記第2面側開口224は、前記第1バスバー210(1)の第2面側接続部214を形成する第1バスバー用第2面側開口224(1)及び前記第2バスバー210(2)の第2面側接続部214を形成する第2バスバー用第2面側開口224(2)を含んでいる。
【0065】
斯かる構成の前記紫外線LEDユニット2においても前記実施の形態1におけると同一効果を得ることができる。
【0066】
本実施の形態においては、図7に示すように、前記第1及び第2バスバー210(1)、210(2)の第2面213のうち、前記第2面側開口224(1)、224(2)を介して外方へ露出する前記第2面側接続部214は、他の領域に比して前記バスバー210の厚み方向他方側へ突出されており、前記第2面側接続部214は、前記バスバー210の厚み方向に関し、前記第2面側積層部223の外表面と同一又は前記第2面側積層部223の外表面より他方側に位置されている。
【0067】
斯かる構成によれば、前記バスバーアッセンブリ152を前記基板10に設置した際の設置姿勢の安定化を図ることができ、前記第1及び第2バスバー210(1)、210(2)の第2面側接続部214と対応する前記第1及び第2配線導体21、22との電気接続を確実に行うことができる。
【0068】
実施の形態3
以下、本発明に係る紫外線LEDユニットの他の実施の形態について添付図面を参照しつつ説明する。
図11に、本実施の形態に係る紫外線LEDユニット3の部分断面図であって、前記実施の形態1の図2に対応した断面図を示す。
また、図12及び図13に、それぞれ、図11におけるXII線に沿った端面図及びXIII-XIII線に沿った断面図を示す。
なお、図中、前記実施の形態におけると同一部材には同一符号を付している。
【0069】
図11図13に示すように、本実施の形態に係る紫外線LEDユニット3は、前記紫外線LED素子110が前記基板側樹脂接着材30によって直接的に前記基板本体15に固着されている。
【0070】
即ち、前記紫外線LEDユニット3は、前記一又は複数の紫外線LED素子110と、前記基板10とを備え、前記紫外線LED素子110は、前記第1及び第2電極層111、112がそれぞれ前記第1及び第2配線導体21、22に電気的に接続され、且つ、発光面となる前記第1電極層111が外方に露出された状態で、反射材粒子が添加された前記基板側樹脂接着材30によって前記基板本体15に直接的に固着されている。
【0071】
斯かる構成の前記紫外線LEDユニット3においても、前記基板側樹脂接着材30が紫外線によって劣化することを有効に防止することができる。
さらに、前記紫外線LEDユニット3を前記滅菌装置900の光源として用いた場合には、前記滅菌装置900における被処理物950への紫外線照射量を増加させるという効果も得られる。
【符号の説明】
【0072】
1~3 紫外線LEDユニット
10 基板
15 基板本体
21 第1配線導体
22 第2配線導体
30 基板側樹脂接着材
101、102 紫外線LEDモジュール
110 紫外線LED素子
111 第1電極層
112 第2電極層
115 素子本体
120 電気接続部材
130 バスバー側樹脂接着材
151、152 バスバーアッセンブリ
160 バスバー
162 第1面側接続部
164 第2面側接続部
169 間隙
170、220 絶縁層
172 第1面側開口
180 枠体
210 バスバー
212 第1面側接続部
214 第2面側接続部
215 側面積層部
220 絶縁層
221 第1面側積層部
222 第1面側開口
223 第2面側積層部
224 第2面側開口
229 間隙充填部
図1
図2
図3
図4
図5
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図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13