(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-05
(45)【発行日】2024-08-14
(54)【発明の名称】洗浄及び充電ステーション
(51)【国際特許分類】
A45D 27/46 20060101AFI20240806BHJP
B26B 19/44 20060101ALI20240806BHJP
B26B 19/48 20060101ALI20240806BHJP
【FI】
A45D27/46
B26B19/44 C
B26B19/48 Z
(21)【出願番号】P 2020562631
(86)(22)【出願日】2019-05-15
(86)【国際出願番号】 IB2019054026
(87)【国際公開番号】W WO2019220362
(87)【国際公開日】2019-11-21
【審査請求日】2020-11-06
【審判番号】
【審判請求日】2022-12-09
(32)【優先日】2018-05-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】508117514
【氏名又は名称】ブラウン ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウォルフガング シュテーグマン
(72)【発明者】
【氏名】ベルンハルト シコラ
(72)【発明者】
【氏名】ヨアキム クラウス
(72)【発明者】
【氏名】ウーベ ルデシャー
【合議体】
【審判長】窪田 治彦
【審判官】西 秀隆
【審判官】関口 哲生
(56)【参考文献】
【文献】米国意匠特許発明第00449708(US,S)
【文献】特表2006-500184(JP,A)
【文献】特開2014-230666(JP,A)
【文献】特開2009-261629(JP,A)
【文献】特表2000-505683(JP,A)
【文献】特開2009-268818(JP,A)
【文献】特表2005-526562(JP,A)
【文献】特開2008-284277(JP,A)
【文献】Braun,Clean&Charge Type 5301 Modele 5301 Modelo 5301,www.Manualslib.com,2012年05月30日,https://data2.manualslib.com/pdf2/22/2186/218542-braun/ ccr3.pdf?684ecb38586d491032f38380684a513d
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D27/00
A45D27/46
B26B19/00
B26B19/38
A47L11/00
A46B17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気駆動装置用の洗浄及び充電ステーションにおいて、ベース部分(2)と、前記ベース部分(2)から延びるガローズ構造体(3)とを有し、前記ベース部分は、垂直中心軸(I)を有し、且つ前記電気駆動装置(5)を少なくとも部分的に収容するための洗浄チャンバ(4)を備え、前記ガローズ構造体(3)は、前記電気駆動装置(5)を充電するための充電端子(8)を備えるハウジング(1)と、
前記ハウジング(1)内に取り付けられ、前記充電端子(8)に接続された回路基板(12)とを備える、電気駆動装置用の洗浄及び充電ステーションであって、
前記ガローズ構造体(3)は、前記ベース部分(2)上の前記垂直中心軸(I)に対してオフセットして配置され、少なくとも2つの方向において前記垂直中心
軸(I)に対して傾斜しており、
前記ベース部分(2)は前面と、反対側の背面とを有し、前記洗浄チャンバ(4)は前記前面に前記ガローズ構造体(3)より近づけて配置され、前記ガローズ構造体(3)は前記背面に前記洗浄チャンバ(4)より近づけて配置されており、前記ガローズ構造体(3)は、前記背面に向かって傾斜しており、且つ前記ベース部分(2)は、前記ベース部分(2)の高さが、前記背面で前記前面より大きく、前記前面では前記背面より小さくなるように、底面と、前記底面に対して傾斜している上面とを有し、
前記ガローズ構造体(3)が、前記背面に向かって10°~45°傾斜し、
前記ガローズ構造体(3)が、側面に向かって2°~30°傾斜し、
前記ガローズ構造体(3)が、前記背面に対して10°~50°回転式にオフセットして配置され、
前記洗浄チャンバ(4)が、前記垂直
中心軸(I)に直交する平面に対して傾斜した底面を有することを特徴とする、電気駆動装置用の洗浄及び充電ステーション。
【請求項2】
前記回路基板(12)が、前記ガローズ構造体(3)内で、且つ前記洗浄チャンバ(4)より上に取り付けられていることを特徴とする、請求項1に記載の洗浄及び充電ステーション。
【請求項3】
支持体(19)が前記ベース部分(2)に取り外し可能に収容され、洗浄流体を中に含むカートリッジ(21)が前記支持体(19)に取り外し可能に収容されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の洗浄及び充電ステーション。
【請求項4】
前記支持体(19)が、前記カートリッジ(21)を収容するための開口部(20)を備え、前記開口部(20)が前記前面に向かって開放していることを特徴とする、請求項3に記載の洗浄及び充電ステーション。
【請求項5】
前記回路基板(12)に接続され、且つ少なくとも1つの光拡散素子(16)に光学的に接続された少なくとも1つの発光源(13)を有する少なくとも1つの照明ユニットを更に備える、請求項1~4のいずれか一項に記載の洗浄及び充電ステーション。
【請求項6】
前記少なくとも1つの光拡散素子(16)が、前記ガローズ構造体(3)内に、又はその上に設けられたリングであることを特徴とする、請求項5に記載の洗浄及び充電ステーション。
【請求項7】
前記洗浄及び充電ステーションの異なる動作モードを選択するためのセレクタ(11)が、前記回路基板(12)に接続され、前記ガローズ構造体(3)内、又はその上に設けられることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の洗浄及び充電ステーション。
【請求項8】
前記洗浄及び充電ステーションの異なる動作モードを示すための表示ユニット(9)が、前記回路基板(12)に接続され、前記ガローズ構造体(3)内、又はその上に設けられることを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の洗浄及び充電ステーション。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、乾式シェーバーなどの電動脱毛装置、電動歯ブラシ又は電動美肌装置などの電気駆動装置のための洗浄及び充電ステーションに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、少なくとも2種類の電気シェーバーの洗浄及び電池装填/充電ステーションが市場でより入手可能であり、これらは共に、シェーバーがステーションと電気的に接触する方法が異なっている。第1の方法では、シェーバーには、多くの場合オン/オフボタンハウジング側の反対側である側方ハウジング側に電気接触ピンが設けられ、洗浄及び充電ステーションには、洗浄チャンバに隣接する領域にシェーバー電気接点が設けられている。第2の方法では、切断ユニットを有する他端の反対側のハウジングの端部に多くの場合設けられたシェーバー電気ソケットが、洗浄及び充電ステーションと接触するための電気接触手段として使用される。第2の方法に従って洗浄及び充電ステーションがシェーバーと電気的に接続することを可能にするために、洗浄チャンバを有するベースハウジングには、タワーのように見える延長部又は突出部が設けられており、これは、多くの場合「ガローズ」とも呼ばれ、ガローズの自由端にはステーション電気接触手段が設けられている。この第2の方法の当該ステーション電気接触手段に、シェーバーのソケットに押し込まれる一種の電気プラグが設けられることで、シェーバーはステーションと電気的に接続され、ステーション内に締め付けられる、又はステーション内に固定されることになる。
【0003】
欧州特許第2 308 338 (A2)号は、ハウジング及び洗浄チャンバを備えた水盤を備える洗浄及び充電ステーションを開示している。乾式シェーバーを洗浄チャンバに挿入することができ、洗浄チャンバ内では、ストッパーが当該シェーバーのハウジングに当接して、シェーバーを定位置に保持し、シェーバーを充電するための端子を有する軸受表面にシェーバーを置くことができる。加えて、シェーバーを定位置に保持するための支持構造体も設けられている。この支持構造体は、洗浄チャンバに対してオフセットして配置され、垂直方向に延在する。
【0004】
更に、米国特許第2009 0019 702 (A1)号は、ベースと、洗浄チャンバと、ガローズ構造体、すなわち接続されたシェーバーを逆さまの位置で支持及び保持し、シェーバーを洗浄液の中に入れるように移動させるか、又は乾燥プロセスを開始するためにシェーバーを洗浄液から外に出すように移動させる支持構造体と、を有するハウジングを備える、電気シェーバー用の洗浄ステーションを開示する。この洗浄及び充電ステーションのガローズ構造体は、洗浄チャンバに対してオフセットして配置され、後方に傾けられている。シェーバーは、洗浄チャンバ内に逆さまに配置されたときにその下面、すなわちシェーバーヘッドが、実質的に水平方向に延在するように洗浄チャンバ内に保持される。あごひげの塵埃がシェーバーヘッド内に残っている可能性があるため、このような配向には、洗浄結果に関する欠点がある場合がある。更に、このような洗浄及び充電ステーションは、ベース部分の上端部にカラーを備える。カラー上には、異なる動作モードを選択するためのディスプレイ及びセレクタが存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】欧州特許第2 308 338 (A2)号
【文献】米国特許第2009 0019 702 (A1)号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の目的は、洗浄及びステーションの取り扱いを改善する洗浄及び充電ステーションを提供することである。
【0007】
この目的は、請求項1に定義される洗浄及び充電ステーションによって解決される。一態様によれば、ベース部分と、ベース部分から延びるガローズ構造体とを有するハウジングを備える洗浄及び充電ステーションが提供される。ベース部分は、垂直中心軸を有し、且つ電気駆動装置を少なくとも部分的に収容するための洗浄チャンバを備え、ガローズ構造体は、電気駆動装置を充電するための充電端子を備える。回路基板が、ハウジング内に取り付けられ、充電端子に接続される。ガローズ構造体は、ベース部分上の垂直中心軸に対してオフセットして配置され、少なくとも2つの方向において垂直中心軸に対して傾斜している。例えば、ガローズ構造体は、ベース部分の背面に向かって傾斜し、且つベース部分の側面に向かって傾斜している。少なくとも2つの方向における傾斜は、電気駆動装置、例えば乾式シェーバー又は湿式シェーバーの位置決めにおいて利点を有するため、洗浄結果が高まる。特に、ガローズ構造体の傾斜によって、例えばシェーバーヘッドの配置が傾斜することになり、その結果、あごひげの塵埃のような小粒子がシェーバーヘッドからより完全に洗い流される。加えて、傾斜は、残った洗浄液が滴り落ち得るシェーバーヘッドの最も低い位置で洗浄液を蓄積することによって、洗浄プロセス後のシェーバーヘッドの乾燥も容易にし得る。洗浄及び充電ステーションは、前面及び反対側の背面並びに側面を有するベース部分を有する。ステーションの前面は、洗浄液を含むカートリッジを挿入する際にユーザの方に向いている側であってもよく、すなわちカートリッジがハウジング内に挿入される側であってもよい。洗浄チャンバは前面により近づけて配置されてよく、ガローズ構造体は背面により近づけて配置されてよい。ガローズ構造体は、背面に向かって傾斜していてもよい。換言すれば、ベース部分から離れる方向を向くガローズ構造体の自由端は、ベース部分に取り付けられたガローズ構造体の端部と比較して背面に向かって傾斜している。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施形態による洗浄及び充電ステーションの等角図である。
【
図2a】
図1の洗浄及び充電ステーションの照明ユニットを示す図である。
【
図2b】
図2aの照明ユニットの分解組立図である。
【
図3】電気駆動装置と合わせた
図1の洗浄及び充電ステーションの斜視図である。
【
図4a】電気駆動装置なしの
図1の洗浄及び充電ステーションの斜視図である。
【
図4b】表示ユニット及びセレクタを有する
図1の洗浄及び充電ステーションの一部の図である。
【
図6a】
図1の洗浄及び充電ステーションの側面図である。
【
図6b】
図1の洗浄及び充電ステーションの別の側面図である。
【
図6c】
図1の洗浄及び充電ステーションの上面図である。
【
図7】
図1の洗浄及び充電ステーションの部分的な分解組立図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1~
図7に描かれる実施形態に関して本発明の有利な実施形態を説明する前に、本発明の異なる態様をより詳細に説明する。これらの態様は、任意の有用な組み合わせで組み合わせられてもよい本発明の更なる特徴、利点及び使用の可能性を開示する。説明される及び/又は図に示される全ての特徴は、特許請求の範囲及び/又はそれらの背後にある参考文献中の特徴のグループ分けに関係なく、本発明の主題である。
【0010】
洗浄チャンバ及び/又はガローズ構造体は、当該上面上のガローズ構造体の長手方向の延長部を通って延在する対称面に対して対称に配置される。したがって、洗浄チャンバは、少なくとも2つの対向する面に関してはベース部分の側面までほぼ同じ距離を有する。洗浄チャンバ及びガローズ構造体は、ガローズ構造体の長手方向の延長部に沿った軸に直交する対称軸を有してもよいため、左側と右側はミラー対称であり、洗浄チャンバ及びガローズ構造体を取り囲む上面も、同様に同じ軸を中心にミラー対称であってよい。電気駆動装置は、例えば25°など、そのハンドルに対して傾斜したシェーバーヘッドを有するシェーバーであってよい。洗浄チャンバ内の洗浄流体のレベルと実質的に平行になるようにシェーバーを配置するために、ガローズ構造体の傾斜は、ステーション内に配置されたときにガローズ構造体内に収容されるハンドルの傾斜をもたらす。換言すれば、特に、ハンドルに対して傾斜したシェーバーヘッドを有するシェーバーに関して、背面に向かうガローズ構造体の傾斜は、洗浄チャンバ内に実質的に水平方向にシェーバーヘッドを配置することによって洗浄性能を高める。ガローズ構造体は、背面に向かって10°~45°、好ましくは20°~30°、例えば25°傾斜していてもよい。
【0011】
加えて、このガローズ構造体は、側面に向かって傾斜していてもよい。側面は、前面、背面、及び垂直中心軸を通って伸びる平面に対して、右側又は左側に向いている面である。例えば、ガローズ構造体は左に傾斜している。ガローズ構造体は、側面に向かって2°~30°、好ましくは5°~15°、例えば10°傾いていてもよい。ガローズ構造体の追加の傾斜によって、シェーバーがステーション内で、例えば左に10°傾斜することで、洗浄流体の十分な流れを保証し、それによって洗浄性能を向上させ、洗浄チャンバの槽内にあごひげ塵埃が全く残っていないことを保証する。
【0012】
洗浄及び充電ステーションのベース部分は、ベース部分の高さが、背面でより大きくなり、前面ではより小さくなるように、底面と、底面に対して傾斜している上面とを有してよい。これにより、シェーバー等をステーション内に配置することが容易になる。本開示の一態様によれば、ガローズ構造体は、背面に対して回転式にオフセットして配置される。換言すれば、ガローズ構造体の中心は、前面、背面、及び垂直中心軸を通る平面内に位置していない。例えば、ガローズ構造体は、背面に対して10°~50°、好ましくは20°~40°、例えば30°回転式にオフセットして配置される。
【0013】
回路基板を、ガローズ構造体内に、且つ洗浄チャンバより上に取り付けることによって、洗浄及び充電ステーションの信頼性が高められてもよい。液体レベルより上の回路基板の配置は、洗浄液による汚染のリスクを低減し、それによって損傷又は誤動作のリスクも低減させる。
【0014】
別の態様によれば、支持体が、ベース部分に取り外し可能に収容されてもよく、この場合、洗浄流体を中に含むカートリッジは、支持体に取り外し可能に収容される。カートリッジは、典型的には、共に洗浄チャンバと流体連通している入口及び出口を備える。例えば、ベース部分は、洗浄流体を中に含むカートリッジを交換するために支持体に対してある程度持ち上げられる場合がある。カートリッジへの容易なアクセスを可能にするために、支持体は、カートリッジを収容するための開口部を備えてもよく、この場合、開口部は好ましくは前面に向かって開放している。
【0015】
シェーバーヘッドなどの乾燥プロセスは、中心の垂直軸に直交する平面に対して傾斜した底面を有する洗浄チャンバによって短縮されてもよい。このことによって、洗浄チャンバから洗浄液を排出することを容易にすることができる。
【0016】
更に、ガローズ構造体は好ましくは、回路基板に接続され、且つ少なくとも1つの光拡散素子に光学的に接続された少なくとも1つの発光源を有する少なくとも1つの照明ユニットを備える。発光源及び光拡散素子は、光ガイドなどの中間部品によって、互いに光学的に接続される、又は光拡散素子に直接発光源を取り付けるなど直接の接続を通して光学的に接続されてもよい。
【0017】
少なくとも1つの照明ユニットは、例えば、ステーションの動作モード又は状態に関して、洗浄及び充電ステーションのユーザにフィードバック信号を提供することが可能である。これは、電気駆動装置、例えば、乾式又は湿式シェーバーの充電及び洗浄状態のフィードバックを含んでもよい。少なくとも1つの照明ユニットをガローズ構造体内又はその上に設けることにより、照明ユニットの視認性が向上する。特に、少なくとも1つの照明ユニットをガローズ構造体内又はその上に配置することにより、異なる面及び角度からの、少なくとも1つの照明ユニット上の遮蔽されない視野が可能になる。
【0018】
充電及び洗浄ステーションの照明ユニットは、少なくとも1つの発光源と少なくとも1つの光拡散素子との間に光学的に介在する光ガイドを更に備えてもよい。この光ガイドは、光源から放出された光が光拡散素子内に伝送されるように、少なくとも1つの発光源と少なくとも1つの光拡散素子を光学的に接続することができる。光ガイドは、完全に透明の又は半透明の材料で作製されてよく、光を光拡散素子に効率的に伝送するために表面上に画定された不連続部を含んでもよい。一例では、光ガイド及び/又は光拡散素子には、光ガイドから少なくとも1つの光拡散素子に光を伝送するための段差、ギザギザ、波状、毛羽立ちなどの形態で画定された不連続部が設けられている。光ガイドは、光ガイドの表面が少なくとも1つの光拡散素子に接触している状態で、少なくとも1つの光拡散素子と直接接触してもよい。光ガイドを設けることにより、場合によって離れた光源から少なくとも1つの光拡散素子に光を伝送することを可能にする。これにより、光源及び少なくとも1つの光拡散素子を、少なくとも1つの光拡散素子の視認性に関して、及び/又は光源及びその電気コネクタの構築空間に関して理想的な位置で配置することが可能になる。
【0019】
好ましい形態では、少なくとも1つの光拡散素子は、好ましくは、ベース部分から離れる方向を向くガローズ構造体の一端で、ガローズ構造体内に、及び/又はその上に設けられたリングである。したがって、少なくとも1つの光拡散素子は、洗浄及び充電ステーションの全ての面から見ることができる。光ガイドは、光拡散素子のリング形状の部分に適合するように実質的にリング形状であってよい。更に、光ガイドは少なくとも1つのそれぞれの発光源に光学的に接続される、少なくとも1つのアーム、好ましくは2つのアームを備えてもよい。少なくとも1つのアームは、場合によって離れた光源から、光拡散素子に当接する光ガイドのリング形状部分に光を誘導することができる。
【0020】
少なくとも1つの光拡散素子は、少なくとも部分的に、光散乱無機粒子及び/又は有機粒子、好ましくは二酸化チタン(TiO2)を含んでもよい。これにより、光の散乱又は光の拡散をもたらすことで、光拡散素子が、ユーザに対する視覚的フィードバックを生成し、和らいだ放出光を発生させる。
【0021】
発光源は、ハウジング内の回路基板上に設けられた、少なくとも1つの発光ダイオード、好ましくは少なくとも1つのRGB発光ダイオードを備えてもよい。少なくとも2つのRGB発光ダイオードの使用は、可視光スペクトルの全範囲の表示を可能にして、様々な動作モードを可視化することができる。したがって、異なる光の色が、ステーションの異なるモードを示すために表示されてよい。一例では、ステーションは、回路基板上に互いから離して配置され、且つ2つのアームを有する光ガイドによって光拡散素子に光学的に接続された2つのRGB発光ダイオードを備え、この場合、各アームはRGB発光ダイオードのうちの1つに割り当てられる。
【0022】
照明ユニットの要素を互いに接続し、光ガイド及び/又は光拡散素子をガローズ構造体に固定するために、カバー要素が利用されてもよい。より詳細には、カバー要素は、リング形状であることが好ましく、光拡散素子内の凹部によって収容することができる。カバー要素の一端にあるロック用フックは、光ガイド及び光拡散素子をガローズ構造体に連結してもよい。加えて、カバー要素は、任意の望ましくない要素を覆い、光拡散素子を部分的に遮蔽するために使用されてもよい。カバー要素はまた、ガローズ構造体上に別の構成要素部品を固定してもよい。
【0023】
更に、照明ユニットは、洗浄及び充電ステーションを起動するためのボタンを備える。ボタンには、カバー要素構造体内の凹部を介してカバー要素に接続するためにロック用フックが設けられてよい。ボタン側の1セットのアイレットが、ガローズ構造体に接続するために設けられてもよい。ボタンは、少なくとも1つの光拡散素子によって少なくとも部分的に取り囲まれてもよい。一実施形態では、ボタンは光拡散素子に対して移動可能である。
【0024】
洗浄及び充電ステーションのガローズ構造体は、電気駆動装置、例えば、乾式又は湿式シェーバー或いは脱毛装置を少なくとも部分的に収容するための凹部を備えてもよい。凹部内で、例えばベース部分から離れる方向に向くガローズ構造体の端部に、電気駆動装置を充電するために充電端子が設けられる。換言すれば、電気駆動装置は、洗浄及び充電のために、シェル様のガローズ構造体の中に収容されてよい。加えて、電気駆動装置は、ベース部分の洗浄チャンバ内に部分的に浸漬することができる。
【0025】
更に、洗浄及び充電ステーションの異なる動作モードを示すための表示ユニットがガローズ構造体の凹部に設けられてもよい。このユニットは、例えば、表示ユニット内の別個のセレクタ、例えばボタンによって選択され得る別個の照明されたアイコンを介して、洗浄及び充電ステーションの異なる動作モードを示すことができる。表示ユニット及びセレクタは、ガローズ構造体内に位置する回路基板に接続される。
【0026】
加えて、回路基板は好ましくは、少なくとも1つの照明ユニットが異なる光学的フィードバック信号を発するように適合される。これらの信号は、洗浄及び充電ステーションの異なる動作モード、及び/又は電気駆動装置の異なる状態を示してよい。回路基板は、例えば遅延開始を伴う、異なる洗浄プログラムに更に適合させることができる。例えば、回路基板にはプログラムが備わっており、このプログラムは、使用時に、シェーバーを洗浄チャンバに入れる前に、別個のセレクタを、異なる動作モード間で切り替えるために、例えば複数回押すことによって、所望の動作モードを選択しなければならないように適合されている。選択された動作モードは、表示ユニット上の照明された記号を介して表示されてよい。開始ボタンを押すと、このとき選択された動作モードが開始し、これは、それぞれのモード又は状態に関連付けられた特定の色によって、光リングによって示されてもよい。例えば、青色の光は、シェーバーの洗浄を示してもよく、緑色の光は充電を示してもよく、黄色の光は低洗浄カートリッジレベルを示してもよく、及び/又は赤色の光は、洗浄カートリッジが空であることを示してもよい。
【0027】
ここで
図1~
図7に描かれる実施形態を参照すると、充電及び洗浄ステーション及びその主要な構成要素部品が示されている。
図1に示される実施形態では、充電及び洗浄ステーションは、ベース部分2と、ガローズ構造体3とを有するハウジング1を備える。ベース部分2は、垂直中心軸を有する。ベース部分2は、洗浄チャンバ4を形成する凹部を備える。洗浄チャンバ4は、電気駆動装置、例えば電気シェーバー5のシェービングヘッドに適合するように設計されており、シェービングヘッドは、洗浄チャンバ4内の洗浄流体に少なくとも部分的に浸漬されてよい(
図5)。
【0028】
ガローズ構造体3は、
図1に描かれるように、ハウジング1のベース部分2から突出する。ガローズ構造体3が少なくとも部分的にシェル様構成を有するように、ガローズ構造体3には内部の凹部6が設けられている。電気駆動装置5は、
図3及び
図5に示されるように、ガローズ構造体3の凹部6に配置されてよい。換言すれば、電気駆動装置5は、充電及び洗浄ステーション内に逆さまに配置され、ガローズ構造体3の凹部6に部分的に収容され、且つ洗浄チャンバ4に部分的に浸漬される。ガローズ構造体3は、当該構造体の端部の照明ユニット7、充電端子8、並びに
図4a及び
図4bにより詳細に示される表示ユニット9を備える。
【0029】
ガローズ構造体3は、
図6a~
図6cに描かれるように、ベース部分2の垂直中心軸Iに対する2つの傾斜及び回転を呈する。
図6bに示されるように、当該構造体3の第1の傾きは、ベース部分2の垂直中心軸Iに対して20°~30°、好ましくは約25°である。これにより、洗浄チャンバ内の電気シェーバー5のシェーバーのヘッド区画の、最適な洗浄プロセスに必要とされる洗浄流体のレベルに対して平行な位置を可能にする。また、ガローズ構造体3は、ベース部分2の垂直中心軸Iに対して5°~20°、好ましくは左に約10°(
図3及び
図6aに見られるように)傾斜している。このような設定により、挿入された電気シェーバー5の洗浄プロセス中に洗浄流体の十分な流れが保証される。更に、この好ましい実施形態におけるガローズ構造体3は、
図6cに描かれるように、ベース部分2の垂直軸に対して15°~45°、好ましくは約30°の反時計回りの回転を表し、この回転は、ガローズ構造体3の前述の2つの傾きと組み合わせて、シェーバーのヘッド区画上の残っている洗浄流体がより効率的に排出されるため、電気シェーバー5の乾燥プロセスに対して有益である。
【0030】
図4aは、電気シェーバー5なしの洗浄及び充電ステーションの斜視図を描いている。充電端子8は、ガローズ構造体3の凹部4の上面に位置し、すなわちベース部分2から離れる方向に向いている。電気シェーバー5は、充電端子8によって充電されるように凹部4内に逆さまに配置され、ハウジング1上のストッパー10によって定位置に保持される。ガローズ凹部4に表示ユニット9が差し込まれ、これは、電気シェーバー5の異なる洗浄及び/又は充電の選択肢を手動で事前に選択するために使用される。
【0031】
図4bは、上述の表示ユニット9の正面図をより詳細に示す。表示ユニット9は、セレクタ11を介して手動で選択された所望の動作モードに対応する光学的フィードバックのために、照明インジケータ(破線で示される)、例えば記号を含む。換言すれば、セレクタ11は、洗浄及び充電ステーションのいくつかの異なる動作モード間、例えば、洗浄プロセスの即時開始のための動作モード、又は洗浄プロセスの遅延開始のための動作モード間を選択するために使用される。それぞれの動作モードの選択は、表示ユニット9内のそれぞれの記号によって示される。表示ユニット9及びセレクタ11の位置は、図に示される例示的な実施形態に描かれており、そのため、それぞれの動作モードの選択は、電気駆動装置5をガローズ構造体3の凹部6に挿入する前に実行されなければならない。しかしながら、図示されない代替の実施形態では、表示ユニット9及び/又はセレクタ11は、表示ユニット9が見えるように、及び/又はセレクタ11が凹部6に挿入された電気駆動装置5と共に動作可能であるように配置されてもよい。
【0032】
図3では、洗浄及び充電ステーションは、ガローズ構造体の凹部6に収容された電気駆動装置5と共に示されている。当該装置5をステーション内に逆さまに配置することによって、装置のヘッドは洗浄チャンバ4の内部に据えられ、その一方で装置の他端は、照明ユニット7の下の充電端子8に接続される。充電式電池を好ましくは備える電気駆動装置5の充電は、充電端子8を電気駆動装置5に接続するとすぐに開始されてよい。一代替形態として、ユーザは、例えば、それぞれの動作モードを選択することによって、及び/又は開始ボタンを押すことによって、充電プロセスを開始することが必要とされる場合もある。
【0033】
照明ユニット7は、
図2a及び
図2bに更に詳細に描かれている。
図2aは組み立てられた照明ユニット7を示しており、
図2bは、照明ユニット7の主要な構成要素部品の分解組立図を例示している。回路基板12が、ガローズ構造体3に取り付けられ、且つ充電端子8に接続されている。換言すれば、回路基板12は、洗浄チャンバ4を有するベース部分2より上の位置で充電及び洗浄ステーション内に配置される。これには、回路基板12を洗浄液に曝す危険性が著しく低減されるという利点がある。好ましくは、回路基板12は、発光素子及び/又はセレクタ11に割り当てられた押しボタン又はスイッチが回路基板12上に直接配置され得るように、表示ユニット9及びセレクタ11の近傍のガローズ構造体3内に位置する。
【0034】
回路基板12は、充電及び洗浄ステーションのいくつかの動作を実行及び/又は制御する、特に、セレクタ11及び/又は別個の開始ボタン18からの信号に応答して、洗浄プロセスを制御する、及び/又は充電プロセスを制御するのに適しており、そのように適合されている。加えて、回路基板12は、照明ユニット7及び/又は表示ユニット9によって、フィードバック信号のユーザへの提供を制御するのに適しており、そのように適合されている。回路基板12は、例えば、音響フィードバック信号を含む異なるタイプのフィードバック信号を提供するなど、追加の機能を実行及び/又は制御するのに適している場合もある。
【0035】
回路基板12には、回路基板12の上端に組み込まれ(
図2a及び
図2bに見られるように)、好ましくは可視光の全スペクトルを生成するための2つのRGB発光ダイオードである2つの発光源13が設けられている。図に示される例示的な実施形態の1つの代替形態として、単一の発光源13が回路基板12上に設けられてもよく、又は更なる発光源が設けられる場合もある。描かれる実施形態では、回路基板12は、表示ユニット9に割り当てられた少なくとも1つの発光源を更に備える。
【0036】
光ガイドアーム14を通して、発光源13は、高度に透過性の光ガイドユニット15に光学的に接続されている。このガイド要素は、光源13の放出された光を光拡散素子16に最適に伝送するために、光拡散素子16の方に向いている表面上に画定された不連続部を特徴として有する。光ガイドユニット15にそのガイドアーム14を設けることは、光拡散素子16が回路基板12から離れて位置する間に、2つの発光源13を回路基板12上に設けることができるという利点である。加えて、回路基板12と光拡散素子16との間にケーブル等は不要である。
【0037】
光ガイド15及び光拡散素子16は、少なくとも部分的にリング形状である。光ガイド15は、光拡散素子16のリング構造内の凹部に接続されてもよい。光ガイド15及び光拡散素子16をガローズ構造体3に固定するために、例えば係合フックを介して、前述のユニットを接続する光拡散素子16上にリング形状のカバー要素17を配置することができる。更に、カバー要素17は、光拡散素子16の一部を遮蔽又は被覆してもよい。
【0038】
図に描かれる照明ユニット7のリング形状の形態は、照明ユニット及び光拡散素子16の設計の例示的な実施形態である。しかしながら、本開示は、リング形状のみに限定されず、要素を異なる位置及び角度から見ることができるように、要素がガローズ構造体3内及び/又はその上に位置する限り、いかなる任意の形状であってもよい。
【0039】
照明ユニット7の上部には、係合フックを介してカバー要素17に物理的にロックすることができるボタン要素18が設けられている。ボタン18を押すことで、洗浄及び充電ステーションを起動する、又は停止させ、これは、照明ユニット7の光学的フィードバックによって指示される。
【0040】
充電及び洗浄プロセスは、セレクタ11を押すことによって動作モードを選択することによって、ユーザによって開始されてもよい。選択された動作モードは、表示ユニット9上に表示されてよい。電気駆動装置5を充電及び洗浄ステーション内に配置した後、ボタン18を押すことによってそれぞれのプロセスが開始される。電気駆動装置5は、充電及び清掃ステーション内に配置されたとき表示ユニット9を遮蔽するため、表示ユニット9によって提供される視覚的フィードバックが妨害される場合がある。しかしながら、照明ユニット7が、充電及び洗浄ステーションの選択された動作モードに対応する、及び/又は充電及び洗浄ステーションの状態に対応する追加の視覚的フィードバックをユーザに提供する。したがって、たとえ表示ユニット9が電気駆動装置5によって遮蔽されていても、ユーザは、充電及び清掃ステーションによって実行されるプロセスに関するフィードバックを得られる。照明ユニット7によって提供される視覚的フィードバックは、充電及び洗浄ステーションのそれぞれの状態及び/又はそれぞれの動作モードに関連付けられた異なる色の形態であってよい。加えて、又は一代替形態として、充電及び洗浄ステーションの状態及び/又は動作モードは、恒久的な光を発することによって、及び/又は中断された光、例えば点滅光を発することによって指示されてもよい。
【0041】
ベース部分2は、ステーションの支持体19を収容しており、この支持体には、シェーバー5の洗浄プロセスに使用される洗浄流体を中に含む洗浄カートリッジ21を挿入するために、ベース部分2をガローズ構造体3と共に持ち上げることによってユーザがアクセス可能である。
図7に示されるように、支持体19は、ステーションの前面に向いている開口部20を備える。図に描かれる実施形態では、ベース部分2は、ステーションの反対側の背面と比較して、ステーションの前面ではより低い高さを有する。
【0042】
本開示の実施形態によれば、充電及び洗浄ステーションは、電気シェーバー、好ましくは乾式シェーバー又はシェーバーである電気駆動装置5と組み合わされる。例えば、充電及び清浄ステーションは、電気駆動装置のサイズ及び形状に関して、装置へのシェーバーヘッドの接続に関して、及び/又は充電端子8の位置に関して電気駆動装置5に適合される。電気駆動装置は、旋回可能及び/又は傾斜可能なシェーバーヘッドを備えたシェーバーであってもよい。シェーバーヘッドは、固定薄片式カッターユニットに対して直線的に移動可能なカッター刃を備えた固定薄片式カッターユニットを備えてもよい。
【0043】
本明細書にて開示された寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、このような寸法はそれぞれ、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図されている。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【0044】
参照番号
1 ハウジング
2 ベース部分
3 ガローズ構造体
4 洗浄チャンバ
5 電気駆動装置
6 ガローズ構造体の凹部
7 照明ユニット
8 充電端子
9 表示ユニット
10 ストッパー
11 セレクタ
12 回路基板
13 発光源
14 光ガイド
15 光ガイドアーム
16 光拡散素子
17 カバー要素
18 ボタン
19 支持体
20 開口部
21 カートリッジ
I 垂直中心軸