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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-05
(45)【発行日】2024-08-14
(54)【発明の名称】洗浄及び充電ステーション
(51)【国際特許分類】
   A45D 27/46 20060101AFI20240806BHJP
   B26B 19/44 20060101ALI20240806BHJP
   B26B 19/48 20060101ALI20240806BHJP
【FI】
A45D27/46
B26B19/44 C
B26B19/48 Z
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2020562632
(86)(22)【出願日】2019-05-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-08-19
(86)【国際出願番号】 IB2019054023
(87)【国際公開番号】W WO2019220360
(87)【国際公開日】2019-11-21
【審査請求日】2020-11-06
【審判番号】
【審判請求日】2022-12-09
(31)【優先権主張番号】18172413.9
(32)【優先日】2018-05-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】508117514
【氏名又は名称】ブラウン ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウォルフガング シュテーグマン
(72)【発明者】
【氏名】ベルンハルト シコラ
(72)【発明者】
【氏名】ヨアキム クラウス
(72)【発明者】
【氏名】ウーベ ルデシャー
【合議体】
【審判長】窪田 治彦
【審判官】西 秀隆
【審判官】関口 哲生
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-230666(JP,A)
【文献】特表2000-505683(JP,A)
【文献】特開2013-090523(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0197781(US,A1)
【文献】特開2009-268818(JP,A)
【文献】特表2005-526562(JP,A)
【文献】特表2006-500184(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D27/00
A45D27/46
B26B19/00
B26B19/38
A47L11/00
A46B17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気シェーバーとして提供される、電気駆動装置用の洗浄及び充電ステーションであって、前記ステーションは、
ベース部分(2)と、前記ベース部分(2)の上部カラーから延びるガローズ構造体(3)とを有するハウジング(1)であって、前記ベース部分(2)は、前記電気駆動装置(5)を少なくとも部分的に受容するための洗浄チャンバ(4)を含み、前記ガローズ構造体(3)は、前記電気駆動装置(5)を充電するための充電端子(8)を含む、ハウジング(1)と、
前記ハウジング(1)内に取り付けられ、前記充電端子(8)に接続された回路基板(12)と、を備え、
前記回路基板(12)が、少なくとも1つの光拡散素子(16)に光学的に接続された少なくとも1つの発光源(13)を備えた少なくとも1つの照明ユニット(7)に接続され、
前記回路基板(12)、前記照明ユニット(7)、及び、前記充電端子(8)が、前記洗浄チャンバ(4)から離間した位置において前記ガローズ構造体(3)に配置されていることを特徴とする、電気シェーバーとして提供される、電気駆動装置用の洗浄及び充電ステーション。
【請求項2】
前記ベース部分(2)が、前記ステーションの使用中に垂直に下側に位置する支持面と、前記支持面の反対側に位置する上部カラーとを含み、前記ガローズ構造(3)が、前記支持面から離れる方向に前記ベース部分(2)の前記上部カラーから延在することを特徴とする、請求項1に記載の洗浄及び充電ステーション。
【請求項3】
前記洗浄チャンバ(4)が、前記支持面から離れる方向に面し、前記支持面と前記上部カラーとの間に配置された前記電気駆動装置(5)を少なくとも部分的に受容するための開放側を含むことを特徴とする、請求項2に記載の洗浄及び充電ステーション。
【請求項4】
前記回路基板(12)が、前記ベース部分(2)の前記上部カラーから離間した位置において前記ガローズ構造体(3)内に配置されていることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の洗浄及び充電ステーション。
【請求項5】
前記照明ユニット(7)が、前記少なくとも1つの発光源(13)と前記少なくとも1つの光拡散素子(16)との間に光学的に介在する光ガイド(15)を更に備えていることを特徴とする、請求項1に記載の洗浄及び充電ステーション。
【請求項6】
前記少なくとも1つの光拡散素子(16)が、前記ベース部分(2)から離れる方向を向く前記ガローズ構造体(3)の一端で、前記ガローズ構造体(3)内に、又はその上に設けられたリングであることを特徴とする、請求項1又は5に記載の洗浄及び充電ステーション。
【請求項7】
前記発光源(13)が、前記ハウジング(1)内の前記回路基板(12)上に設けられた少なくとも1つの発光ダイオードを含むことを特徴とする、請求項1、5、及び、6のいずれか一項に記載の洗浄及び充電ステーション。
【請求項8】
前記照明ユニット(7)が、前記洗浄及び充電ステーションを起動させるためのボタン(18)を更に備え、前記ボタン(18)は、前記少なくとも1つの光拡散素子(16)によって少なくとも部分的に囲まれていることを特徴とする、請求項1、5、6、及び、7のいずれか一項に記載の洗浄及び充電ステーション。
【請求項9】
前記ガローズ構造体(3)が、前記電気駆動装置(5)を少なくとも部分的に受容するための凹部(6)を備えていることを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の洗浄及び充電ステーション。
【請求項10】
前記電気駆動装置(5)を充電するための前記充電端子(8)が、前記ガローズ構造体(3)の前記凹部(6)内に設けられていることを特徴とする、請求項9に記載の洗浄及び充電ステーション。
【請求項11】
前記回路基板(12)が、前記洗浄及び充電ステーションの異なる動作モードを示すための表示ユニット(9)に接続され、前記表示ユニット(9)が、前記ガローズ構造体(3)内、又はその上に設けられていることを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載の洗浄及び充電ステーション。
【請求項12】
表示ユニット(9)が、前記ガローズ構造体(3)の凹部(6)内に設けられていることを特徴とする、請求項10又は11に記載の洗浄及び充電ステーション。
【請求項13】
前記洗浄及び充電ステーションの異なる動作モードを選択するためのセレクタ(11)が、前記回路基板(12)に接続され、前記ガローズ構造体(3)内、又はその上に設けられることを特徴とする、請求項1~12のいずれか一項に記載の洗浄及び充電ステーション。
【請求項14】
前記回路基板(12)が、前記少なくとも1つの照明ユニットが異なる光学フィードバック信号を発するように適合され、前記フィードバック信号が、前記洗浄及び充電ステーションの異なる動作モード、及び/又は前記電気駆動装置(5)の異なる状態を示すことを特徴とする、請求項1~13のいずれか一項に記載の洗浄及び充電ステーション。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、乾式シェーバーなどの電動脱毛装置、電動歯ブラシ又は電動美肌装置などの電気駆動装置のための洗浄及び充電ステーションに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、少なくとも2種類の電気シェーバーの洗浄及び電池装填/充電ステーションが市場でより入手可能であり、これらは共に、シェーバーがステーションと電気的に接触する方法が異なっている。第1の方法では、シェーバーには、多くの場合オン/オフボタンハウジング側の反対側である側方ハウジング側に電気接触ピンが設けられ、洗浄及び充電ステーションには、洗浄チャンバに隣接する領域にシェーバー電気接点が設けられている。第2の方法では、切断ユニットを有する他端の反対側のハウジングの端部に多くの場合設けられたシェーバー電気ソケットが、洗浄及び充電ステーションと接触するための電気接触手段として使用される。第2の方法に従って洗浄及び充電ステーションがシェーバーと電気的に接続することを可能にするために、洗浄チャンバを有するベースハウジングには、タワーのように見える延長部又は突出部が設けられており、これは、多くの場合「ガローズ」とも呼ばれ、ガローズの自由端にはステーション電気接触手段が設けられている。この第2の方法の当該ステーション電気接触手段に、シェーバーのソケットに押し込まれる一種の電気プラグが設けられることで、シェーバーはステーションと電気的に接続され、ステーション内に締め付けられる、又はステーション内に固定されることになる。
【0003】
更に、米国特許出願公開第2009 0019 702(A1)号は、ベースと、洗浄チャンバと、ガローズ構造体、すなわち接続されたシェーバーを逆さまの位置で支持及び保持し、シェーバーを洗浄液の中に入れるように移動させるか、又は乾燥プロセスを開始するためにシェーバーを洗浄液から外に出すように移動させる支持構造体と、を有するハウジングを備える、電気シェーバー用の洗浄ステーションを開示する。このステーションの制御ユニットは、洗浄チャンバの近傍に位置する。洗浄液が制御ユニットと接触する危険性があり、これにより、ステーションの誤動作が生じる恐れがある。
【0004】
欧州特許第2 308 338(A2)号は、ハウジング及び洗浄チャンバを備えた水盤を備える洗浄及び充電ステーションを開示している。乾燥シェーバーは、洗浄チャンバ内に挿入され得る。いくつかの電気的構成要素は、洗浄チャンバの近傍に配置されているため、洗浄液と接触している場合には、これらの構成要素の誤動作のリスクがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】米国特許出願公開第2009 0019 702(A1)号
【文献】欧州特許第2 308 338(A2)号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の目的は、洗浄液への曝露による電気部品の誤動作のリスクを最小限に抑える洗浄及び充電ステーションを提供することである。
【0007】
この目的は、請求項1に定義される洗浄及び充電ステーションによって解決される。一態様によれば、ベース部分と、ベース部分から延びるガローズ構造体とを有するハウジングを備える洗浄及び充電ステーションが提供される。ベース部分は、電気駆動装置を少なくとも部分的に収容するための洗浄チャンバを備え、ガローズ構造体は、電気駆動装置を充電するための充電端子を備えている。更に、回路基板は、洗浄チャンバから離間した位置で、ガローズ構造体内に配置されている。回路基板を洗浄チャンバから離れた位置に配置すると、回路基板を洗浄液に晒す危険性が最小限に抑えられる。ガローズ構造内の回路基板の位置は、回路基板が回路基板に接続及び/又は結合された構成要素付近の位置にあることにより、ケーブル又は配線を潜在的に回避するか、又は少なくとも低減するという更なる利益を有する。例えば、回路基板上に、又は少なくとも回路基板の近傍に、照明ユニット、表示ユニット、ステーションの動作モード若しくは状態を選択するためのセレクタ、及び/又はスタートボタンが提供されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態による洗浄及び充電ステーションの等角図である。
図2a図1の洗浄及び充電ステーションの照明ユニットを示す図である。
図2b図2aの照明ユニットの分解組立図である。
図3】電気駆動装置と合わせた図1の洗浄及び充電ステーションの斜視図である。
図4a】電気駆動装置なしの図1の洗浄及び充電ステーションの斜視図である。
図4b】表示ユニット及びセレクタを有する図1の洗浄及び充電ステーションの一部の図である。
図5図3の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1図5に描かれる実施形態に関する本発明の有利な実施形態を説明する前に、本発明の異なる態様をより詳細に説明する。これらの態様は、任意の有用な組み合わせで組み合わせられてもよい本発明の更なる特徴、利点及び使用の可能性を開示する。説明される及び/又は図に示される全ての特徴は、特許請求の範囲及び/又はそれらの背後にある参考文献中の特徴のグループ分けに関係なく、本発明の主題である。
【0010】
本開示の一態様によれば、ベース部分は、ステーションの使用中に垂直下方側に位置する支持面と、支持面の反対側に位置するカラーとを備えている。ガローズ構造体は、ベース部分のカラーから支持面から離れる方向に延在してもよい。換言すれば、回路基板を有するガローズ構造体は、洗浄及び充電ステーションの使用中に、洗浄チャンバを有するベース部分の垂直上方に位置する。
【0011】
例えば、洗浄チャンバは、電気駆動装置又はその少なくとも一部の挿入を可能にする開放側を有する。この開放側は、好ましくは支持面から離れて面し、支持面とカラーとの間に配置される。本開示によれば、回路基板は、ベース部分のカラーから離間した位置で、ガローズ構造体内に配置されてもよい。
【0012】
本開示の更なる態様によれば、ガローズ構造体は、回路基板に接続され、且つ少なくとも1つの光拡散素子に光学的に接続された少なくとも1つの発光源を有する少なくとも1つの照明ユニットを備えていてもよい。回路基板は、ハウジング内に取り付けられ、充電端子に接続される。発光源及び光拡散素子は、光ガイドなどの中間部品によって、互いに光学的に接続される、又は光拡散素子に直接発光源を取り付けるなど直接の接続を通して光学的に接続されてもよい。
【0013】
少なくとも1つの照明ユニットは、例えば、ステーションの動作モード又は状態に関して、洗浄及び充電ステーションのユーザにフィードバック信号を提供することが可能である。これは、当該電気駆動装置、例えば、乾式又は湿式シェーバーの充電及び洗浄状態のフィードバックを含んでもよい。少なくとも1つの照明ユニットをガローズ構造体内又はその上に設けることにより、照明ユニットの視認性が向上する。特に、少なくとも1つの照明ユニットをガローズ構造体内又はその上に配置することにより、異なる面及び角度からの、少なくとも1つの照明ユニット上の遮蔽されない視野が可能になる。
【0014】
充電及び洗浄ステーションの照明ユニットは、少なくとも1つの発光源と少なくとも1つの光拡散素子との間に光学的に介在する光ガイドを更に備えてもよい。この光ガイドは、光源から放出された光が光拡散素子内に伝送されるように、少なくとも1つの発光源と少なくとも1つの光拡散素子を光学的に接続することができる。光ガイドは、完全に透明の又は半透明の材料で作製されてよく、光を光拡散素子に効率的に伝送するために表面上に画定された不連続部を含んでもよい。一例では、光ガイド及び/又は光拡散素子には、光ガイドから少なくとも1つの光拡散素子に光を伝送するための段差、ギザギザ、波状、毛羽立ちなどの形態で画定された不連続部が設けられている。光ガイドは、光ガイドの表面が少なくとも1つの光拡散素子に接触している状態で、少なくとも1つの光拡散素子と直接接触してもよい。光ガイドを設けることにより、場合によって離れた光源から少なくとも1つの光拡散素子に光を伝送することを可能にする。これにより、光源及び少なくとも1つの光拡散素子を、少なくとも1つの光拡散素子の視認性に関して、及び/又は光源及びその電気コネクタの構築空間に関して理想的な位置で配置することが可能になる。
【0015】
好ましい形態では、少なくとも1つの光拡散素子は、好ましくは、ベース部分から離れる方向を向くガローズ構造体の一端で、ガローズ構造体内に、及び/又はその上に設けられたリングである。したがって、少なくとも1つの光拡散素子は、洗浄及び充電ステーションの全ての面から見ることができる。光ガイドは、光拡散素子のリング形状の部分に適合するように実質的にリング形状であってよい。更に、光ガイドは少なくとも1つのそれぞれの発光源に光学的に接続される、少なくとも1つのアーム、好ましくは2つのアームを備えてもよい。少なくとも1つのアームは、場合によって離れた光源から、光拡散素子に当接する光ガイドのリング形状部分に光を誘導することができる。
【0016】
少なくとも1つの光拡散素子は、少なくとも部分的に、光散乱無機粒子及び/又は有機粒子、好ましくは二酸化チタン(TiO)を含んでもよい。これにより、光の散乱又は光の拡散をもたらすことで、光拡散素子が、ユーザに対する視覚的フィードバックを生成し、和らいだ放出光を発生させる。
【0017】
発光源は、ハウジング内の回路基板上に設けられた、少なくとも1つの発光ダイオード、好ましくは少なくとも1つのRGB発光ダイオードを備えてもよい。少なくとも2つのRGB発光ダイオードの使用は、可視光スペクトルの全範囲の表示を可能にして、様々な動作モードを可視化することができる。したがって、異なる光の色が、ステーションの異なるモードを示すために表示されてよい。一例では、ステーションは、回路基板上に互いから離して配置され、且つ2つのアームを有する光ガイドによって光拡散素子に光学的に接続された2つのRGB発光ダイオードを備え、この場合、各アームはRGB発光ダイオードのうちの1つに割り当てられる。
【0018】
照明ユニットの要素を互いに接続し、光ガイド及び/又は光拡散素子をガローズ構造体に固定するために、カバー要素が利用されてもよい。より詳細には、カバー要素は、リング形状であることが好ましく、光拡散素子内の凹部によって収容することができる。カバー要素の一端にあるロック用フックは、光ガイド及び光拡散素子をガローズ構造体に連結してもよい。加えて、カバー要素は、任意の望ましくない要素を覆い、光拡散素子を部分的に遮蔽するために使用されてもよい。カバー要素はまた、ガローズ構造体上に別の構成要素部品を固定してもよい。
【0019】
更に、照明ユニットは、洗浄及び充電ステーションを起動するためのボタンを備える。ボタンには、カバー要素構造体内の凹部を介してカバー要素に接続するためにロック用フックが設けられてよい。ボタン側の1セットのアイレットが、ガローズ構造体に接続するために設けられてもよい。ボタンは、少なくとも1つの光拡散素子によって少なくとも部分的に取り囲まれてもよい。一実施形態では、ボタンは光拡散素子に対して移動可能である。
【0020】
洗浄及び充電ステーションのガローズ構造体は、電気駆動装置、例えば、乾式又は湿式シェーバー或いは脱毛装置を少なくとも部分的に収容するための凹部を備えてもよい。凹部内で、例えばベース部分から離れる方向に向くガローズ構造体の端部に、電気駆動装置を充電するために充電端子が設けられる。換言すれば、電気駆動装置は、洗浄及び充電のために、シェル様のガローズ構造体の中に収容されてよい。加えて、電気駆動装置は、ベース部分の洗浄チャンバ内に部分的に浸漬することができる。
【0021】
更に、洗浄及び充電ステーションの異なる動作モードを示すための表示ユニットがガローズ構造体の凹部に設けられてもよい。このユニットは、例えば、表示ユニット内の別個のセレクタ、例えばボタンによって選択され得る別個の照明されたアイコンを介して、洗浄及び充電ステーションの異なる動作モードを示すことができる。表示ユニット及びセレクタは、ガローズ構造体内に位置する回路基板に接続される。
【0022】
加えて、回路基板は好ましくは、少なくとも1つの照明ユニットが異なる光学フィードバック信号を発するように適合される。これらの信号は、洗浄及び充電ステーションの異なる動作モード、及び/又は電気駆動装置の異なる状態を示してよい。回路基板は、例えば遅延開始を伴う、異なる洗浄プログラムに更に適合させることができる。例えば、回路基板にはプログラムが備わっており、このプログラムは、使用時に、シェーバーを洗浄チャンバに入れる前に、別個のセレクタを、異なる動作モード間で切り替えるために、例えば複数回押すことによって、所望の動作モードを選択しなければならないように適合されている。選択された動作モードは、表示ユニット上の照明された記号を介して表示されてよい。開始ボタンを押すと、このとき選択された動作モードが開始し、これは、それぞれのモード又は状態に関連付けられた特定の色によって、光リングによって示されてもよい。例えば、青色の光は、シェーバーの洗浄を示してもよく、緑色の光は充電を示してもよく、黄色の光は低洗浄カートリッジレベルを示してもよく、及び/又は赤色の光は、洗浄カートリッジが空であることを示してもよい。
【0023】
ここで図1図5に描かれる実施形態を参照すると、充電及び洗浄ステーション及びその主要な構成要素部品が示されている。図1に示される実施形態では、充電及び洗浄ステーションは、ベース部分2と、ガローズ構造体3とを有するハウジング1を備える。ベース部分2は、洗浄チャンバ4を形成する凹部を備えている。洗浄チャンバ4は、電気駆動装置、例えば電気シェーバー5のシェービングヘッドに適合するように設計されており、シェービングヘッドは、洗浄チャンバ4内の洗浄流体に少なくとも部分的に浸漬されてよい(図5)。
【0024】
ガローズ構造体3は、図1に描かれるように、ハウジング1のベース部分2から突出する。ガローズ構造体3が少なくとも部分的にシェル様構成を有するように、ガローズ構造体3には内部の凹部6が設けられている。電気駆動装置5は、図3及び図5に示されるように、ガローズ構造体3の凹部6に配置されてよい。換言すれば、電気駆動装置5は、充電及び洗浄ステーション内に逆さまに配置され、ガローズ構造体3の凹部6に部分的に収容され、且つ洗浄チャンバ4に部分的に浸漬される。
【0025】
洗浄及び充電ステーションのベース部分2はまた、変位システム(図示せず)を介して第1位置から第2位置に変位されて、シェーバー5の洗浄プロセス(図示せず)に使用される洗浄液を含む洗浄カートリッジ(図示せず)を挿入してもよい。
【0026】
ガローズ構造体3は、当該構造体の端部の照明ユニット7、充電端子8、並びに図4a及び図4bにより詳細に示される表示ユニット9を備える。ガローズ構造体3は、図1図3図4a及び図5に描かれるように、ベース部分2の垂直軸に対する2つの傾斜及び回転を呈する。当該構造体3の第1の傾斜は、ベース部分2の垂直軸に対して15°~40°の間、好ましくは20°~30°の間で後方にある。これにより、洗浄チャンバ内の電気シェーバー5のシェーバーのヘッド区画の、最適な洗浄プロセスに必要とされる洗浄流体のレベルに対して平行な位置を可能にする。また、ガローズ構造体3は、ベース部分2の垂直軸に対して(図3に見られるように)左に5°~20°の間、好ましくは約10°傾斜している。このような設定により、挿入された電気シェーバー5の洗浄プロセス中に洗浄流体の十分な流れが保証される。更に、この好ましい実施形態におけるガローズ構造体3は、ベース部分2の垂直軸に対して15°~45°、好ましくは25°~35°の間で反時計回りの回転を表し、この回転は、ガローズ構造体3の前述の2つの傾きと組み合わせて、シェーバーのヘッド区画上の残っている洗浄流体がより効率的に排出されるため、電気シェーバー5の乾燥プロセスに対して有益である。
【0027】
図4aは、電気シェーバー5なしの洗浄及び充電ステーションの斜視図を描いている。充電端子8は、ガローズ構造体3の凹部4の上面に位置し、すなわちベース部分2から離れる方向に向いている。電気シェーバー5は、充電端子8によって充電されるように凹部4内に逆さまに配置され、ハウジング1上のストッパー10によって定位置に保持される。ガローズ凹部4に表示ユニット9が差し込まれ、これは、電気シェーバー5の異なる洗浄及び/又は充電の選択肢を手動で事前に選択するために使用される。
【0028】
図4bは、上述の表示ユニット9の正面図をより詳細に示す。表示ユニット9は、セレクタ11を介して手動で選択された所望の動作モードに対応する光学的フィードバックのために、照明インジケータ(破線で示される)、例えば記号を含む。換言すれば、セレクタ11は、洗浄及び充電ステーションのいくつかの異なる動作モード間、例えば、洗浄プロセスの即時開始のための動作モード、又は洗浄プロセスの遅延開始のための動作モード間を選択するために使用される。それぞれの動作モードの選択は、表示ユニット9内のそれぞれの記号によって示される。表示ユニット9及びセレクタ11の位置は、図に示される例示的な実施形態に描かれており、そのため、それぞれの動作モードの選択は、電気駆動装置5をガローズ構造体3の凹部6に挿入する前に実行されなければならない。しかしながら、図示されない代替の実施形態では、表示ユニット9及び/又はセレクタ11は、表示ユニット9が見えるように、及び/又はセレクタ11が凹部6に挿入された電気駆動装置5と共に動作可能であるように配置されてもよい。
【0029】
図3では、洗浄及び充電ステーションは、ガローズ構造体の凹部6に収容された電気駆動装置5と共に示されている。当該装置5をステーション内に逆さまに配置することによって、装置のヘッドは洗浄チャンバ4の内部に据えられ、その一方で装置の他端は、照明ユニット7の下の充電端子8に接続される。充電式電池を好ましくは備える電気駆動装置5の充電は、充電端子8を電気駆動装置5に接続するとすぐに開始されてよい。一代替形態として、ユーザは、例えば、それぞれの動作モードを選択することによって、及び/又は開始ボタンを押すことによって、充電プロセスを開始することが必要とされる場合もある。
【0030】
照明ユニット7は、図2a及び図2bに更に詳細に描かれている。図2aは組み立てられた照明ユニット7を示しており、図2bは、照明ユニット7の主要な構成要素部品の分解組立図を例示している。回路基板12が、ガローズ構造体3に取り付けられ、且つ充電端子8に接続されている。換言すれば、回路基板12は、洗浄チャンバ4を有するベース部分2より上の位置で充電及び洗浄ステーション内に配置される。これには、回路基板12を洗浄液に曝す危険性が著しく低減されるという利点がある。好ましくは、回路基板12は、発光素子及び/又はセレクタ11に割り当てられた押しボタン又はスイッチが回路基板12上に直接配置され得るように、表示ユニット9及びセレクタ11の近傍のガローズ構造体3内に位置する。
【0031】
回路基板12は、充電及び洗浄ステーションのいくつかの動作を実行及び/又は制御する、特に、セレクタ11及び/又は別個の開始ボタン18からの信号に応答して、洗浄プロセスを制御する、及び/又は充電プロセスを制御するのに適しており、そのように適合されている。加えて、回路基板12は、照明ユニット7及び/又は表示ユニット9によって、フィードバック信号のユーザへの提供を制御するのに適しており、そのように適合されている。回路基板12は、例えば、音響フィードバック信号を含む異なるタイプのフィードバック信号を提供するなど、追加の機能を実行及び/又は制御するのに適している場合もある。
【0032】
回路基板12には、回路基板12の上端に組み込まれ(図2a及び図2bに見られるように)、好ましくは可視光の全スペクトルを生成するための2つのRGB発光ダイオードである2つの発光源13が設けられている。図に示される例示的な実施形態の1つの代替形態として、単一の発光源13が回路基板12上に設けられてもよく、又は更なる発光源が設けられる場合もある。描かれる実施形態では、回路基板12は、表示ユニット9に割り当てられた少なくとも1つの発光源を更に備える。
【0033】
光ガイドアーム14を通して、発光源13は、高度に透過性の光ガイドユニット15に光学的に接続されている。このガイド要素は、光源13の放出された光を光拡散素子16に最適に伝送するために、光拡散素子16の方に向いている表面上に画定された不連続部を特徴として有する。光ガイドユニット15にそのガイドアーム14を設けることは、光拡散素子16が回路基板12から離れて位置する間に、2つの発光源13を回路基板12上に設けることができるという利点である。加えて、回路基板12と光拡散素子16との間にケーブル等は不要である。
【0034】
光ガイド15及び光拡散素子16は、少なくとも部分的にリング形状である。光ガイド15は、光拡散素子16のリング構造内の凹部に接続されてもよい。光ガイド15及び光拡散素子16をガローズ構造体3に固定するために、例えば係合フックを介して、前述のユニットを接続する光拡散素子16上にリング形状のカバー要素17を配置することができる。更に、カバー要素17は、光拡散素子16の一部を遮蔽又は被覆してもよい。
【0035】
図に描かれる照明ユニット7のリング形状の形態は、照明ユニット及び光拡散素子16の設計の例示的な実施形態である。しかしながら、本開示は、リング形状のみに限定されず、要素を異なる位置及び角度から見ることができるように、要素がガローズ構造体3内及び/又はその上に位置する限り、いかなる任意の形状であってもよい。
【0036】
照明ユニット7の上部には、係合フックを介してカバー要素17に物理的にロックすることができるボタン要素18が設けられている。ボタン18を押すことで、洗浄及び充電ステーションを起動する、又は停止させ、これは、照明ユニット7の光学的フィードバックによって指示される。
【0037】
充電及び洗浄プロセスは、セレクタ11を押すことによって動作モードを選択することによって、ユーザによって開始されてもよい。選択された動作モードは、表示ユニット9上に表示されてよい。電気駆動装置5を充電及び洗浄ステーション内に配置した後、ボタン18を押すことによってそれぞれのプロセスが開始される。電気駆動装置5は、充電及び清掃ステーション内に配置されたとき表示ユニット9を遮蔽するため、表示ユニット9によって提供される視覚的フィードバックが妨害される場合がある。しかしながら、照明ユニット7が、充電及び洗浄ステーションの選択された動作モードに対応する、及び/又は充電及び洗浄ステーションの状態に対応する追加の視覚的フィードバックをユーザに提供する。したがって、たとえ表示ユニット9が電気駆動装置5によって遮蔽されていても、ユーザは、充電及び清掃ステーションによって実行されるプロセスに関するフィードバックを得られる。照明ユニット7によって提供される視覚的フィードバックは、充電及び洗浄ステーションのそれぞれの状態及び/又はそれぞれの動作モードに関連付けられた異なる色の形態であってよい。加えて、又は一代替形態として、充電及び洗浄ステーションの状態及び/又は動作モードは、恒久的な光を発することによって、及び/又は中断された光、例えば点滅光を発することによって指示されてもよい。
【0038】
本開示の実施形態によれば、充電及び洗浄ステーションは、電気シェーバー、好ましくは乾式シェーバー又はシェーバーである電気駆動装置5と組み合わされる。例えば、充電及び清浄ステーションは、電気駆動装置のサイズ及び形状に関して、装置へのシェーバーヘッドの接続に関して、及び/又は充電端子8の位置に関して電気駆動装置5に適合される。電気駆動装置は、旋回可能及び/又は傾斜可能なシェーバーヘッドを備えたシェーバーであってもよい。シェーバーヘッドは、固定薄片式カッターユニットに対して直線的に移動可能なカッター刃を備えた固定薄片式カッターユニットを備えてもよい。
【0039】
本明細書にて開示された寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、このような寸法はそれぞれ、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図されている。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【0040】
あらゆる相互参照又は関連特許又は出願、並びに本出願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許を含む、本明細書に引用される全ての文献は、明示的に除外されるか、ないしは別の方法で限定されない限り、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。いずれの文献の引用も、それが本明細書に開示又は特許請求される任意の発明に対する先行技術であることを認めるものではなく、単独で、又は任意の他の参照又は参照との任意の組み合わせにおいて、そのような発明を教示、示唆、又は開示することを認めるものではない。更に、本文書における用語のいずれかの意味又は定義が、参照により組み込まれる文書における同じ用語のいずれかの意味又は定義と矛盾する限りでは、本文書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0041】
本発明の特定の実施形態が例示及び説明されてきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、様々な他の変更及び修正を行うことができることは当業者には明白であろう。したがって、添付の特許請求の範囲において、このような変更及び修正は全て本発明の範囲内である。
【0042】
参照番号
1 ハウジング
2 ベース部分
3 ガローズ構造体
4 洗浄チャンバ
5 電気駆動装置
6 ガローズ構造体の凹部
7 照明ユニット
8 充電端子
9 表示ユニット
10 ストッパー
11 セレクタ
12 回路基板
13 発光源
14 光ガイド
15 光ガイドアーム
16 光拡散素子
17 カバー要素
18 ボタン
図1
図2a
図2b
図3
図4a
図4b
図5