(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-05
(45)【発行日】2024-08-14
(54)【発明の名称】目に対して反射に基づいて位置付けるためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
A61B 3/15 20060101AFI20240806BHJP
【FI】
A61B3/15
(21)【出願番号】P 2020566948
(86)(22)【出願日】2019-05-31
(86)【国際出願番号】 IB2019054553
(87)【国際公開番号】W WO2019234574
(87)【国際公開日】2019-12-12
【審査請求日】2022-05-17
(32)【優先日】2018-06-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】319008904
【氏名又は名称】アルコン インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100108903
【氏名又は名称】中村 和広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】ペーター ツィーガー
(72)【発明者】
【氏名】マルティン グリュンディヒ
(72)【発明者】
【氏名】ザシャ ビルクナー
【審査官】小野 健二
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-291595(JP,A)
【文献】特開平05-176897(JP,A)
【文献】国際公開第2012/144075(WO,A1)
【文献】特開2015-217140(JP,A)
【文献】特開平08-103414(JP,A)
【文献】特開平07-255678(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0042477(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 3/00-3/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
眼科装置を患者の目に対して位置合わせするためのシステムであって、該位置合わせをすることは、軸上及び前記軸上と鋭角の軸外角度で交差する軸外に対して位置合わせすることを含み、該システムは、
眼科装置であって、
中心を有する軸上反射を形成するために前記患者の前記目に入射し、前記目によって反射される光を放つように作動可能な軸上照明と、
軸上カメラが前記軸上反射を含む軸上画像を捕捉し、前記軸上反射を含む前記軸上画像を表す軸上画像データを生成するように、前記軸上に沿って向けるように作動可能な前記軸上カメラと、
中心を有する軸外反射を形成するために軸外反射経路に沿って前記目に入射し、前記目によって反射される、軸外入射経路に沿って光を放つように作動可能な軸外照明と、
軸外カメラが前記軸外反射を含む軸外画像を捕捉し、前記軸外反射を含む前記軸外画像を表す軸外画像データを生成するように、前記軸外に沿って向けるように作動可能な前記軸外カメラと、
前記軸上画像データ及び前記軸外画像データを受信すると共に、前記軸上反射の実質的な前記中心に前記軸上があり、かつ、前記軸外反射の実質的な前記中心に前記軸外がある
ように、前記眼科装置が前記患者の前記目に対して位置合わせされるまで指示信号を送信するように作動可能な処理装置と、
前記軸上反射及び前記軸外反射を描く、処理された画像を表示するように作動可能な画面と、
前記指示信号を受信し、前記指示信号に従って前記目に対する前記眼科装置の位置を調整するように結合されたモータと、
を
備え、
前記軸上照明は、確定した中心を備えた形状を有し、
前記軸上照明及び前記軸外照明の形状は、正方形、ひし形、他の正多角形若しくは楕円形の何れか、又は、これらの形状に配置されたドットパターンである、眼科装置を含む、システム。
【請求項2】
前記軸上照明は、前記軸上カメラを包囲する、請求項1に記載の眼科装置を位置合わせするためのシステム。
【請求項3】
前記システムは、処理装置を更に含み、前記処理装置は、前記軸上画像データ及び前記軸外画像データを受信し、前記眼科装置が前記患者の前記目に対して位置合わせされている時にパス信号を生成するように作動可能である、請求項1に記載の眼科装置を位置合わせするためのシステム。
【請求項4】
前記軸外角度は0°~90°である、請求項1に記載の眼科装置を位置合わせするためのシステム。
【請求項5】
ユーザから入力を受信し、制御信号を生成するために結合された制御インタフェースと、
前記制御信号を受信し、患者の目に対して前記眼科装置の位置を調節するために結合されたモータとを更に含む、請求項1に記載の眼科装置を位置合わせするためのシステム。
【請求項6】
前記軸上画像データ及び前記軸外画像データを受信し、指示信号を送信するように作動可能な処理装置と、
前記指示信号を受信し、前記目に対して前記眼科装置の位置を調節するために結合されたモータとを更に含む、請求項1に記載の眼科装置を位置合わせするためのシステム。
【請求項7】
前記処理された画像を表示するために結合された画面を更に含み、前記処理された画像は、前記軸上カメラによって受信された前記軸上画像の少なくとも一部、及び前記軸外カメラによって受信された前記軸外画像の少なくとも一部を含む、請求項1に記載の眼科装置を位置合わせするためのシステム。
【請求項8】
請求項1から
請求項7の何れか1項に記載の前記眼科装置を患者の目と位置合わせするための方法であって、
前記眼科装置を前記患者の前記目に対して適位置に置くことであって、前記位置はx位置、y位置、及びz位置を含む、置くことと、
中心を有する軸上反射を生成する、軸上照明で前記患者の前記目の第1の部分を照らすことと、
中心を有する軸外反射を生成する、軸外照明で前記患者の前記目の第2の部分を照らすことと、
軸上に沿って向けられた軸上カメラで前記軸上反射を含む軸上画像を受信することと、
軸外に沿って向けられた軸外カメラで前記軸外反射を含む軸外画像を受信することと、
前記軸上が実質的に前記軸上反射の前記中心にあるかどうかを判定することと、
前記軸外が実質的に前記軸外反射の前記中心にあるかどうかを判定することと、
前記軸上が実質的に前記軸上反射の前記中心にない時に、前記眼科装置の前記x位置及びy位置の少なくとも1つを調節することと、
前記軸外が実質的に前記軸外反射の前記中心にない時に、前記眼科装置の前記z位置を調節することとを含む、方法。
【請求項9】
前記軸上カメラを前記軸上照明内に包囲することを更に含む、
請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記軸上画像を表す軸上画像データを生成することと、
前記軸外画像を表す軸外画像データを生成することと、
前記軸上画像データを処理装置に送信することと、
前記軸外画像データを前記処理装置に送信することと、
前記処理装置で指示信号を生成することと、
指示信号をモータに送信することとを更に含む、
請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記軸外画像の少なくとも一部と重ね合わせた前記軸上画像の少なくとも一部を画面に表示することを更に含む、
請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記軸上カメラによって捕捉された前記軸上反射の
画像の位置情報のグラフを生成することと、
前記軸外カメラによって捕捉された前記軸外反射の
画像の位置情報のグラフを生成することと、
前記軸上カメラによって捕捉された前記軸上反射の
画像の位置情報のグラフの少なくとも一部を画面に表示することと、
前記軸外カメラによって捕捉された前記軸外反射の
画像の位置情報のグラフの少なくとも一部を前記画面に表示することとを更に含む、
請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記軸上から前記軸上反射の前記中心までの距離に対応する少なくとも1つの値を含む、許容誤差を設定することを更に含む、
請求項8に記載の方法。
【請求項14】
請求項1から
請求項7の何れか1項に記載の前記眼科装置を患者の目
に対して位置合わせするための前記システムの構成要素を配置するための方法であって、
軸上に沿って軸上カメラを向けることと、
軸外に沿って軸外カメラを向けることによって軸外角度を設定することであって、前記軸外は前記軸上を交点で交差し、前記軸外角度は前記軸上と前記軸外の前記交差によって形成された鋭角である、設定することと、
軸上照明を軸上位置に置くことであって、前記軸上照明は可視光及び/又は赤外光を前記交点に向かって放つように作動可能である、置くことと、
軸外照明を前記軸上カメラ及び前記軸上照明に対して軸外位置に置くことであって、前記軸外照明は、前記軸外位置に置くことによって、
光を軸外入射経路に沿って前記交点に向かって放つように作動可能であり、目の頂点は、前記交点に置かれた場合に、前記目の角膜の前記頂点における軸外反射を形成する前記軸外照明によって放たれた光を反射するはずであり、前記軸外は前記軸外反射内で実質的に中心に置かれる、置くこととを含む、方法。
【請求項15】
前記軸上照明を前記軸上位置に前記置くことは、前記軸上カメラを前記軸上照明内に包囲することを更に含む、
請求項14に記載の方法。
【請求項16】
許容誤差を設定することを更に含み、前記許容誤差は、
前記軸上から前記軸上反射の前記中心までの距離に対応する第1の値と、
前記軸外から前記軸外反射の前記中心までの距離に対応する第2の値と、を含む、
請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、目に対して診断又は手術装置などの装置を位置付けるためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
眼科では、目に対して診断又は手術装置などの装置を正しく位置付けることは、正確な結果のためにしばしば重要である。目の正面に装置の部品を中心に置き、目から正確な距離に装置の部品を設置することが重要であることがある。
【0003】
装置を位置合わせするために多くの技法が使用されてもよい。例えば個々の光源が角膜に反射され、カメラ又は目で結像される、反射に基づいた技法が使用されてもよい。反射の大きさ及び又は位置は、装置を位置付けるために使用される。
【0004】
高さに基づいた技法も使用されてもよい。位置合わせは、例えばシャインプルーフ技法によって提供された距離情報を使用することにより、又は光干渉断層撮影(OCT)システムの容量情報と共に達成することができる。
【0005】
画像に基づいた技法は、センサ上の情景に自動的に焦点を合わせるために、例えばカメラ内で使用するように距離を決定するために目の画像の鮮明性を使用してもよい。
【0006】
立体に基づいた技法は、距離の写真測定及び異なる基準点における同じ目の特徴(例えば瞳孔、角膜輪部)を検出することに関与してもよい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
患者の目に対して眼科装置を位置合わせするためのシステムが本明細書に開示される。システムは、眼科装置を含んでもよい。眼科装置は、軸上照明、軸上カメラ、軸外照明、及び軸外カメラを含んでもよい。システムは、軸上、及び軸上と鋭角の軸外角度で交差する軸外を含んでもよい。システムは、軸上照明が、中心を有する軸上反射を形成するために患者の目に入射し、患者の目よって反射される光を放つように構成されてもよい。システムは、軸上カメラが軸上反射を含む軸上画像を捕捉し、軸上反射を含む軸上画像を表す軸上画像データを生成するように、軸上に沿って軸上カメラが向けられるように構成されてもよい。システムは、軸外照明が、中心を有する軸外反射を形成するために軸外反射経路に沿って目に入射し、目によって反射される軸外入射経路に沿って光を放つように構成されてもよい。システムは、軸外カメラが軸外反射を含む軸外画像を捕捉し、軸外反射を含む軸外画像を表す軸外画像データを生成するように、軸外に沿って軸外カメラが向けられるように構成されてもよい。システムは、軸上が軸上反射の中心に実質的に垂直であり、軸外が軸外反射の中心に実質的に垂直である時に、眼科装置が患者の目に対して位置合わせされるように作動可能であるように構成されてもよい。
【0008】
システムは、明らかに互いに排他的でない限り、あらゆる可能な組合せで互いと更に組合せてもよい、以下の追加の特徴を有してもよい。
【0009】
システムは、軸上カメラが軸上照明内に包囲されるように構成されてもよい。
【0010】
システムは、軸外カメラが軸外照明内に包囲されるように構成されてもよい。
【0011】
システムは、軸上照明が画定された中心を備えた形状を有するように構成されてもよい。
【0012】
システムは、システムが処理装置を含むように構成されてもよい。処理装置は、軸上画像データ及び軸外画像データを受信し、眼科装置が患者の目に対して位置合わせされている時にパス信号を生成するために結合されてもよい。
【0013】
システムは、0°~90°、又は15°~75°の範囲の軸外角度を含んでもよい。例えば軸外角度は45度に設定されてもよい。
【0014】
システムは、ユーザからの入力を受信し、制御信号を生成するために結合された制御インタフェースを含んでもよい。システムは、制御信号を受信し、患者の目に対して眼科装置の位置を調節するために結合されたモータを含んでもよい。
【0015】
システムは、軸上画像データ及び軸外画像データを受信し、指示信号を送信するために結合された処理装置を含んでもよい。システムは、指示信号を受信し、目に対して眼科装置の位置を調整するために結合されたモータを含んでもよい。
【0016】
システムは、処理された画像を表示するために結合された画面を含んでもよい。処理された画像は、軸上カメラによって受信された軸上画像の少なくとも一部、及び軸外カメラによって受信された軸外画像の少なくとも一部を含んでもよい。
【0017】
眼科装置を患者の目と位置合わせするための方法が本明細書に開示される。方法は、眼科装置を患者の目に対して適位置に置くことを含んでもよく、その位置はx位置、y位置、及びz位置を含む。方法は、中心を有する軸上反射を生成する、軸上照明で患者の目の第1の部分を照らすことを含んでもよい。方法は、中心を有する軸外反射を生成する、軸外照明で患者の目の第2の部分を照らすことを含んでもよい。方法は、軸上に沿って向けられた軸上カメラで、軸上反射を含む軸上画像を受信することを含んでもよい。方法は、軸外に沿って向けられた軸外カメラで、軸外反射を含む軸外画像を受信することを含んでもよい。方法は、軸上が軸上反射の中心に実質的に垂直かどうかを判定することを含んでもよい。方法は、軸外が軸外反射の中心に実質的に垂直かどうかを判定することを含んでもよい。方法は、軸上が軸上反射の中心に実質的に垂直でない時に、眼科装置のx位置及びy位置の少なくとも1つを調節することを含んでもよい。方法は、軸外が軸外反射の中心に実質的に垂直でない時に、眼科装置のz位置を調節することを含んでもよい。
【0018】
方法は、明らかに互いに排他的でない限り、あらゆる可能な組合せで互いと更に組合せてもよい、以下の追加のステップ及び特徴を有してもよい。
【0019】
方法は、軸上カメラを軸上照明内に包囲することを含んでもよい。
【0020】
方法は、軸外カメラを軸外照明内に包囲することを含んでもよい。
【0021】
方法は、軸上画像を表す軸上画像データを生成することを含んでもよい。方法は、軸外画像を表す軸外画像データを生成することを含んでもよい。方法は、軸上画像データを処理装置に送信することを含んでもよい。方法は、軸外画像データを処理装置に送信することを含んでもよい。方法は、処理装置で指示信号を生成することを含んでもよい。方法は、指示信号をモータに送信することを含んでもよい。
【0022】
方法は、軸外画像の少なくとも一部と重ね合わせた軸上画像データの少なくとも一部を画面に表示することを含んでもよい。
【0023】
方法は、軸上画像の少なくとも一部の軸上グラフ表示を生成することを含んでもよい。方法は、軸外画像の少なくとも一部の軸外グラフ表示を生成することを含んでもよい。方法は、軸上グラフ表示の少なくとも一部を画面に表示することを含んでもよい。方法は、軸外グラフ表示の少なくとも一部を画面に表示することを含んでもよい。
【0024】
方法は、軸上から軸上反射の中心への距離に対応する、少なくとも1つの値を含む許容誤差を設定することを含んでもよい。
【0025】
眼科装置を患者の目と位置合わせするためのシステムの構成要素を配置するための方法が本明細書に開示される。方法は、軸上に沿って軸上カメラを向けることを含んでもよい。方法は、軸外に沿って軸外カメラを向けることにより軸外角度を設定することを含んでもよく、軸外は軸上と交点で交差し、軸外角度は軸上と軸外の公差によって形成された鋭角である。方法は、軸上照明を軸上位置に置くことを含んでもよく、軸上照明は、可視光及び/又は赤外光を交点に向かって放つように作動可能である。方法は、軸外照明を軸上カメラ及び軸上照明に対して軸外位置に置くことを含んでもよい。軸外照明を置くことは、軸外照明が軸外位置に置かれることにより、光を軸外入射経路に沿って交点に向かって放つように作動可能であるように行われてもよい。目の頂点は、交点に置かれた場合に、中心を備えた軸外反射を形成する軸外照明によって放たれた光を反射するはずであり、軸外は実質的に軸外反射の中心に置かれる。
【0026】
方法は、明らかに互いに排他的でない限り、あらゆる可能な組合せで互いと更に組合せてもよい、以下の追加のステップ及び特徴を有してもよい。
【0027】
方法は、軸上カメラを軸上照明内に包囲することを含んでもよい。
【0028】
方法は、軸外カメラを軸外照明内に包囲することを含んでもよい。
【0029】
方法は、許容誤差を設定することを含んでもよい。誤差は、軸上から軸上反射の中心までの距離に対応する第1の値を含んでもよい。誤差は、軸外から軸外反射の中心までの距離に対応する第2の値を含んでもよい。
【0030】
上記システムは上記方法を行うように作動可能であってもよく、又は上記方法に由来してもよい。上記方法は、上記システムと共に使用されてもよく、又は上記システムをもたらしてもよい。加えて上記方法は、眼科装置をもたらして作動するように互いと共に使用されてもよい。上記開示は、眼科装置の使用又は上記方法に従って眼科装置を位置合わせするためのシステムを更に含む。
【0031】
次に本開示並びにその特徴及び利点をより完全に理解するために、本開示の様々な実施形態を描く添付の図面と共に以下の詳細について説明する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1A】
図1Aは、目に対して位置合わせした位置にある複数のカメラ及び照明を備えた、眼科システムの概略図である。
【
図1B】
図1Bは、
図1Aの眼科システムの軸上カメラによって捕捉された軸上画像の概略図である。
【
図1C】
図1Cは、
図1Aの眼科システムの軸外カメラによって捕捉された軸外画像の概略図である。
【
図2A】
図2Aは、カメラが位置合わせされた位置にない時の軸上カメラ及び照明を備えた、眼科システムの概略図である。
【
図2B】
図2Bは、
図2Aに描かれたように、位置合わせされた位置にない軸上カメラによって捕捉された目の軸上画像の概略図である。
【
図2C】
図2Cは、軸上カメラが位置合わせされた位置にある時の軸上カメラ及び照明を備えた、眼科システムの概略図である。
【
図2D】
図2Dは、
図2Cに描かれたように、位置合わせされた位置にある軸上カメラによって捕捉された軸上画像の概略図である。
【
図3A】
図3Aは、目に対して位置合わせされた位置にない軸上カメラ、軸外カメラ、及び軸外照明を備えた、眼科システムの概略図である。
【
図3B】
図3Bは、
図3Aに例示されたように、目に対して位置合わせされた位置にない軸外カメラによって捕捉された軸外画像の概略図である。
【
図3C】
図3Cは、目に対して位置合わせされた位置にある軸上カメラ、軸外カメラ、及び軸外照明を備えた、眼科システムの概略図である。
【
図3D】
図3Dは、
図3Cに例示されたように、目に対して位置合わせされた位置にある軸外カメラによって捕捉された軸外画像の概略図である。
【
図4】
図4は、照明によって包囲されたカメラを備えた、眼科システムの概略図である。
【
図5B】
図5Bは、画面及び制御インタフェースを備えた、
図5Aの眼科システムの概略背面図である。
【
図6】
図6は、制御インタフェース及びモータを備えた、眼科システムの一部のブロック概略図である。
【
図7】
図7は、処理装置及びモータを備えた、眼科システムの一部のブロック概略図である。
【
図8】
図8は、眼科装置を目と位置合わせするためのシステムの構成要素を配置するための方法の流れ図である。
【
図9】
図9は、装置を目と位置合わせするための方法の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下の記載では、開示された主題の検討を促すために例として詳細を説明する。しかし開示された実施形態は例示であり、全ての可能な実施形態を網羅しておらず、更に開示された実施形態の構成要素の特徴以外は、あらゆるこのような組合せが明白に記載されてはいないが、明らかに互いに排他的ではない限り、相互に組み合わされてもよいことが当業者に明らかになるはずである。
【0034】
更に詳細に記載されるように、本開示の発明者らは、診断適用及び眼科手術に使用するための方法及びシステムを開発してきた。本明細書に開示された眼科システム及び方法は、目との位置合わせを改善するために使用されてもよい。より良好な位置合わせにより、より正確な診断及び外科手術が可能になる。
【0035】
本明細書に開示された位置合わせのためのシステム及び方法は、実施が迅速で費用対効果があり単純であり得る。システム及び方法は、ユーザが解釈するのに非常に簡単な情報を生成できる。例えばユーザは、明るい反射を1つ又は2つの画像(1つは軸外画像及び1つは軸上画像)内の中心に置くためにシステムを調節するだけでよい。反射を中心に置くことにより、目の角膜に対して画定したx、y、及びz位置にシステムを位置付ける。方法及びシステムは、方法及びシステムが頂点からの反射のみに頼ることがあるので、角膜の形状及び大きさの変化に関わらず正確な位置合わせができる。
【0036】
本開示における一部の図面及び記載は、参照のためにx-y-z方向を含む。x、y、及びz軸の指定は任意であり、配置し直してもよい。1点を包囲する円としてラベルを付けた軸は、その面から垂直に延在するように推測できる三次元系を示す。
図1~4では、y軸は軸上に垂直である。眼科装置若しくはシステムの位置を調節又は動かすことは、装置又はシステムの少なくとも一部を動かすことを意味する。
【0037】
本明細書に開示されたシステム及び方法は、あらゆる数の眼科装置を位置合わせするために使用されてもよい。例えばシステム及び方法は、角膜計などのあらゆる眼科診断装置、レーザ、レンズなどのあらゆる眼科手術装置、又はあらゆる他の眼科装置を位置合わせするために使用されてもよい。
【0038】
図1Aは、位置合わせした位置にある複数のカメラ及び照明を備えた眼科システム117を描く。軸上カメラ100は、軸上101に沿って患者の目102に向けられる。軸上は、位置合わせした位置を決定するために使用された目102の一部に垂直であってもよい。例えば軸上101は、角膜の頂点116に垂直であってもよく、又は軸上101は、瞳孔の中心を通過して瞳孔の中心に平行であってもよい。軸外カメラ103は、軸外104に沿って目102に向けられる。軸上101と軸外104との間の交差は、軸外角度γを形成する。軸外角度γは、
図1Aに例示されたように、鋭角(0°~90°、より具体的には15°~75°であってもよい。一部の実施形態では、軸外角度γは、これも
図1Aに例示されたように、45度である。
【0039】
軸上カメラ100及び軸外カメラ103は、画像を連続して記録してもよく、又は画像を所定の間隔若しくはユーザが入力した間隔で捕捉してもよい。2つのカメラ(軸上カメラ100及び軸外カメラ103)のみが
図1Aにおける実施形態に示されているが、追加のカメラが使用されてもよい。具体的には、追加の軸外カメラが、同じ軸外角度又は異なる軸外角度で使用されてもよい。軸外カメラ103は、軸上カメラ100からx方向に少し離れて位置付けられるように示されているが、軸外カメラ103も、軸上カメラ100と同じx位置に位置付けられてもよく、その代わりに軸上カメラ100から例えばy方向に少し離れて分離されてもよい。
【0040】
軸上照明107は、軸上カメラ100を包囲して取り巻く。軸上照明107は、固定光、単一若しくは複数の発光ダイオード(LED)、有機発光ダイオード(OLED)、液晶画面(LCD)、プラズマ画面、又は投影若しくは従来の電球などの他の照明技術、或いはそれらの組合せを含んでもよい。軸上照明107は、円として示されているが、その形状に対する中心が容易に画定される、正方形、ひし形、他の規則的多角形、若しくは楕円形、又はこのような形状に配置されたドット柄などの種々の形状を取ってもよい。軸上カメラ100は、軸上照明107を通って軸上101に沿って向けられる。軸上カメラ100は描かれた実施形態では、y方向に軸上照明107の背後に位置付けられているが、軸上カメラ100は、軸上照明107と同じy位置又は軸上照明107の正面に位置付けられてもよい。追加として、軸上照明107は軸上カメラ100を包囲する必要はない。軸上照明107は、例えば1つのLEDを使用して単一点として形状されてもよく、又は2つの交差線若しくは他の形状として形状されてもよい。軸上照明107の大きさ及び形状は、角膜の形状及び大きさと無関係であってもよい。
【0041】
軸外照明108は、軸外カメラ103から離れて位置付けられている。軸外照明108及び軸外カメラ103は、軸上カメラ100から同じ距離又は異なる距離に置かれてもよい。軸外照明108は、固定光、単一若しくは複数の発光ダイオード(LED)、有機発光ダイオード(OLED)、液晶画面(LCD)、プラズマ画面、又は投影若しくは従来の電球などの他の照明技術、或いはそれらの組合せを含んでもよい。軸外照明108は、点として示されているが、その形状に対する中心が容易に画定される、正方形、ひし形、他の規則的多角形、若しくは楕円形、又はこのような形状に配置されたドット柄などの種々の形状を取ってもよい。軸外照明108は、軸外カメラ103を包囲してもよい。軸外照明108は、軸外カメラ103のように軸上101から等しい距離に置かれてもよい。
【0042】
眼科システム117又はその一部は、以下のようにx及びy方向に位置合わせされてもよい。軸上照明107は、目102に入射する光を放ってもよい。目102への入射光は、中心を有する軸上反射112を形成するように反射されてもよい。軸上反射112は、軸上カメラ100及び軸外カメラ103に届いてもよい。軸上カメラ100及び軸外カメラ103は、目102から反射した光の画像を捕捉することができる。軸上カメラ100は、軸上101に沿って向けられてもよい。軸外カメラ103は、軸外104に沿って向けられてもよい。画像は、画像を表すデジタル又はアナログ値を含む、画像データを含んでもよい。ユーザ又はコンピュータは、眼科システム117又はその一部が目102と位置合わせされているかどうかを判定するために、画像を使用することができる。軸上101が軸上反射112の中心に垂直である時に、眼科システム117又はその一部は、x及びy方向に位置合わせされている。
【0043】
眼科システム117又はその一部は、以下のようにz方向に位置合わせされてもよい。軸外照明108は、光が目102に入射するように、軸外入射経路118に沿って移動する光を放ってもよい。軸外入射経路118に沿った入射光は、中心を有する軸外反射113を形成するために、軸外反射経路119に沿って目102で反射してもよい。
図1Aでは、目102の頂点116の中心は、軸外反射経路119内にある。軸外反射113は、軸上カメラ100及び軸外カメラ103に届いてもよい。軸上カメラ100及び軸外カメラ103は、目102から反射した光の画像を捕捉することができる。軸上カメラ100は、軸上101に沿って向けられてもよい。軸外カメラ103は、軸外104に沿って向けられてもよい。画像は、画像を表すデジタル又はアナログ値を含む、画像データを含んでもよい。ユーザ又は処理装置は、眼科システム117又はその一部が目102と位置合わせされているかどうかを判定するために、画像を使用することができる。示されたように軸外104が軸外反射113の中心に垂直である時に、眼科システム117又はその一部は、z方向に位置合わせされている。軸外カメラ103は、軸外104が軸外反射113の中心に垂直であるように置かれてもよい。
【0044】
図1Bは、
図1Aに示された眼科システム117内の軸上カメラ100によって受信された軸上画像110を描く。軸上画像110は、デジタル又はアナログ値を含む、電子画像データによって表されてもよい。軸上画像110はグリッド111に対して表示されてもよい。軸上画像110は、目102から軸上照明107の軸上反射112を描いてもよい。眼科システム117のこの位置で捕捉された画像では、軸上カメラ100は、軸上反射112が軸上画像110の中心にあるように位置合わせされた位置にある。軸上101は、目102の頂点116及び軸上反射112の中心に垂直である。軸上反射112は、グリッド111の中心にもある。軸上画像110は、処理装置に送信されてもよく、画面に表示されてもよく、又は両方であってもよい。ユーザ又は処理装置は、軸上カメラ100が軸上画像110に基づいて中心に置かれているかどうかを判定してもよい。軸上反射112は
図1Bでは正確に軸上画像110の中心に置かれているが、誤差は、軸上反射112が完全に中心に置かれていない時であっても、軸上カメラ100が位置合わせされた位置にあるように設定されてもよい。患者の目102からずれた軸外照明108の軸外反射113も、軸上画像110に捕捉される。ユーザ又は処理装置は、軸上画像110内の軸外反射113の位置に基づいて、眼科システム117の全て又は一部の相対位置についての情報も収集してもよい。
【0045】
図1Cは、
図1Aの眼科システム117内の軸外カメラ103によって受信された軸外画像114を描く。軸外画像114は、デジタル又はアナログ値を含む電子画像データによって表されてもよい。軸外画像114は、グリッド115に対して表示されてもよい。軸外画像114は、目102から軸外照明108の軸外反射113を描いてもよい。軸外カメラ103は、軸外画像114の中心にある軸外反射113の位置によって示されたように位置合わせされた位置にある。軸外104は、目102の頂点116の中心に軸外角度γで垂直である。軸外104は、軸外反射113の中心に垂直である。軸外反射113も、グリッド115の中心にある。軸外画像114は、処理装置に送信されてもよく、画面に表示されてもよく、又は両方であってもよい。ユーザ又は処理装置は、軸外カメラ103が軸外画像114に基づいて中心に置かれているかどうかを判定してもよい。軸外反射113は
図1Cでは正確に軸外画像114の中心に置かれているが、誤差は、軸外反射113が完全に中心に置かれていない時であっても、軸外カメラ103が位置合わせされた位置にあるように設定されてもよい。患者の目102からずれた軸上照明107の軸上反射112も、軸外画像114に捕捉される。ユーザ又は処理装置は、軸外画像114内の軸上反射112の位置に基づいて、眼科システム117の全て又は一部の相対位置についての情報も収集してもよい。
【0046】
図2Aは、軸上カメラ100が目102に対して位置合わせされた位置にない時の、軸上カメラ100及び軸上照明107を備えた眼科システム117を描く。軸上カメラ100は、概ね目102に向かって軸上101に沿って向けられている。軸上101は、目102の頂点116の中心に垂直ではない。軸上101は軸上反射112に垂直ではないので、軸上カメラ100は
図2Aでは位置合わせされた位置にない。
【0047】
図2Bは、軸上カメラ100が
図2Aに示されたように位置合わせされた位置にない時に、軸上カメラ100によって捕捉された軸上画像110を描く。軸上カメラ100は、軸上反射112が軸上画像110の中心にないように、位置合わせされた位置にない。軸上反射112もグリッド111の中心にない。位置合わせされた位置に達するために、目102に対する眼科システム117の全て又は一部の位置は、少なくともx及びy方向を調節する必要がある。
【0048】
図2Cは、軸上カメラ100が目102に対して位置合わせされた位置にある時の、軸上カメラ100及び軸上照明107を備えた眼科システム117を描く。
図2Cでは眼科システム117の全て又は一部の位置は、
図2Aに比べてx及びy方向に異なる。軸上101は、目102の頂点116の中心に垂直である。軸上101は軸上反射112に垂直であるので、軸上カメラ100は
図2Cでは位置合わせされた位置にある。
【0049】
図2Dは、軸上カメラ100が
図2Cに示されたように位置合わせされた位置にある時に、軸上カメラ100によって捕捉された軸上画像110を描く。軸上カメラ100は、軸上反射112が軸上画像110の中心にあるように位置合わせされた位置にある。軸上反射112もグリッド111の中心にある。
【0050】
図3Aは、軸上カメラ100、軸外カメラ103、及び軸外照明108を備えた眼科システム117を描く。眼科システム117は、軸外カメラ103が目102と位置合わせされた位置にない時が示されている。軸外カメラ103は、概ね目102に向かって軸外104に沿って向けられている。軸外104は、軸上101と軸外角度γで交差する。軸外照明108は、目102に向かって光を放つ。軸外入射経路118に沿って移動する光は、軸外反射113を形成するために軸外反射経路119に沿って目102で反射する。軸外104は、目102の頂点116又は軸外反射113の中心に垂直ではないので、軸外カメラ103は、
図3Aでは位置合わせされた位置にない。位置合わせされた位置に達するために、目102に対して眼科システム117の全て又は一部の位置は、少なくともy方向に調節する必要がある。
【0051】
図3Bは、軸外カメラ103が
図3Aに示されたように位置合わせされた位置にない時に、軸外カメラ103によって捕捉された軸外画像114を描く。軸外カメラ103は、軸外反射113が軸外画像114の中心にないように位置合わせされた位置にない。軸外反射113もグリッド115の中心にない。位置合わせされた位置に達するために、目102に対して眼科システム117の全て又は一部の位置は、少なくともy方向に調節する必要がある。
【0052】
図3Cは、軸上カメラ100、軸外カメラ103、及び軸外照明108を備えた眼科システム117を描く。眼科システム117は、軸外カメラ103が目102と位置合わせされた位置にある時が示されている。軸外104は、目102の頂点116の中心に垂直である。軸外104は軸外反射113に垂直であるので、軸外104は
図3Cでは位置合わせされた位置にある。眼科システム117は、反射点121における垂線120が軸上301と位置合わせされるので位置合わせされる。反射点121は、軸外照明108から放った光によって決定される。光は軸外入射経路118に沿って移動し、軸外反射経路119に反射される。
図3Aに対して、眼科装置の位置はy方向に調節されている。
【0053】
図3Dは、軸外カメラ103が
図3Cに示されたように位置合わせされた位置にない時に、軸外カメラ103によって捕捉された軸外画像114を描く。軸外カメラ103は、軸外反射113が軸外画像114の中心にあるように位置合わせされた位置にある。軸外反射113はグリッド115の中心にある。
【0054】
図4は、軸上照明107によって包囲された軸上カメラ100を備えた眼科システム117を描く。軸上カメラ100は、軸上101に沿って向けられる。軸上照明107は、軸上カメラ100が正面にある、位置合わせされている、又はy方向に沿って軸上照明107内の中心にあっても、依然として軸上カメラ100を包囲し得る。追加として、軸上照明107は、正方形、ひし形、他の規則的多角形、若しくは楕円形、又はこのような形状に配置されたドット柄など、それに対して中心が容易に画定される種々の形状を取り得る形状であることが可能である。軸上照明107は、軸上照明107が画定された内部面積を備えた外側境界を形成しないように形状された場合に、依然として軸上カメラ100を包囲し得る。例えばLEDの線として形成された軸上照明107は、例えば軸上カメラ100がLEDの線、カメラの片側上のLED、及び他方のLEDと直列に置かれた場合に、軸上カメラ100を包囲してもよい。軸上カメラ100は、いかなる方向でも軸上照明107内の中心にある必要はない。
【0055】
図5Aは、眼科システム117の正面図である。眼科システム117は、眼科装置105を含んでもよい。眼科装置105は、
図5A及び5Bに示されたように角膜計を含んでもよい。眼科装置105は、角膜計などのあらゆる眼科診断装置、レーザ、レンズなどのあらゆる眼科手術装置、又はあらゆる他の眼科装置を含んでもよい。軸上101に沿って向けられた軸上カメラ100、軸外104に沿って向けられた軸外カメラ103、軸上照明107、及び軸外照明108の例が、眼科システム117の正面から見ることができる。
【0056】
図5Bは、
図5Aに示された眼科システム117の背面図である。眼科システム117は、画面518及び制御インタフェース519を含む。軸上反射112及び軸外反射113を描く、処理された画像510を表示している画面518が示されている。画面518は、あらゆる種類の表示画面、例えばLED、OLED、LCD、プラズマ、その他であってもよい。画面518は、タッチスクリーンであってもよい。画面518は、
図5B及び
図5Aに示されたあらゆる物理的構成要素と同じ物理的構造に取り付ける必要はない。
【0057】
描かれた実施形態では処理された画像510は1つの図のみを示すが、画像510は、軸上カメラ100からの図に加えて、軸外カメラ103からの図などの複数の図を示してもよい。追加として、画面518は、複数のカメラから撮られた画像を重ねる、処理された画像510を表示してもよい。例えば画面518は、軸上カメラ100によって捕捉された画像を表示し、軸外カメラ103によって受信された軸外照明を放った光の軸外反射を重ね合わせてもよい。
【0058】
画面518は、反射をより明瞭に表示するため、又はその中に含有した位置情報をより良好に連通するために、反射した照明光の拡張現実又はグラフ表示を表示してもよい。画面518は、軸上反射、軸外反射、又は両方のグラフ表示を表示してもよい。グラフ表示は、反射の一部又は全体を描いてもよい。画面518は、目若しくは反射の画像又はそのグラフ表示を表示してもよい。画面518は、1つ又は複数のカメラによって発生された一部のデータを表示しない、フィルタ処理された画像を表示してもよい。画面518は、目のグラフ表示も表示してもよい。画面518は、位置合わせを達成するために必要な方向調節などの数値情報を表示してもよい。画面518は、システムが任意の又は全ての空間方向に位置合わせしているかどうかに基づいて、パス又はフェイルの表示を更に表示してもよい。分離した光指標、音響指標、又は物理指標は、パス又はフェイルの表示を表示してもよい。
【0059】
図5Bには制御インタフェース519も描かれている。描かれた実施形態では、制御インタフェース519はジョイスティックを含むが、その代わりに例えばアナログボタン、グラフボタン、ノブ、フットペダル、その他を含んでもよい。制御インタフェース519は、画面518に表示された仮想構成要素を有してもよい。制御インタフェース519は、
図5B及び
図5Aに示されたあらゆる物理的構成要素と同じ物理的構造に取り付ける必要はない。制御インタフェース519は、例えばジョイスティック又は電気入力の機械的動きの形でユーザからの入力を受信してもよく、対応するアナログ又はデジタル信号を生成してもよい。制御インタフェース519は、内部処理装置を有してもよく、又は生成された信号をモータ若しくは処理装置に出力してもよい。受信した信号に依存して、モータ又は機械構造(例えばレバー)は、次いで眼科システムの全て又は一部の位置を1つ又は複数の方向に調節してもよい。
【0060】
図6は、制御インタフェース519並びにモータ605、606、及び607を備えた、
図5A及び5Bの眼科システム117の実施形態の一部のブロック図である。制御インタフェース519はユーザ入力601を受信し、1つ又は複数の制御信号602、603、及び604を、1つ又は複数のモータ605、606、及び607に送信する。ユーザ入力601は、例えば制御インタフェース519のジョイスティックのユーザによる動きであってもよい。制御インタフェース519は、ユーザ入力601をデジタル又はアナログ信号に変換し、対応する制御信号602、603、及び604を、それぞれのモータ605、606、及び607に送信する。
【0061】
各モータ605、606、若しくは607は独自の信号を受信してもよく、又は同じ信号を制御インタフェース519から受信してそれを復号してもよい。受信した信号に依存して、モータ605、606、又は607は、次いで眼科システム117の全て又は一部の位置を、目102に対して上記のx、y及びz軸と相互に関係付けてもよい1つ若しくは複数の方向、又はx、y、及びz軸の2つ若しくは3つに沿った動きを表す方向に調節してもよい。ユーザは、眼科システム117が目102に対して全体的に位置合わせされた位置になるまで、眼科システム117の全て又は一部の位置を調節するために制御インタフェース519を使用してもよい。システムは、
図6に描かれたより少ない又は多い構成要素、例えばモータ、制御信号及びユーザ入力などを有してもよい。
【0062】
図7は、処理装置700並びにモータ605、606、及び607を備えた、
図5A、5B、並びに6の眼科システム117の実施形態の一部のブロック図である。制御インタフェース519の一部として、制御インタフェース519に加えて、又はその代わりに、眼科システム117は処理装置700を有してもよい。処理装置700は画像データ701を受信し、1つ又は複数の指示信号702、703、及び704、を1つ又は複数のモータ605、606、及び607に送信してもよい。画像データ701は、軸上カメラ、軸外カメラ、両方、又は追加のカメラから獲得したデータであってもよい。画像データ701は、あらゆる画像又は動画フォーマットのデータを含んでもよい。又画像データは、より早い段階で予め処理されてもよい。処理装置700は画像データ701を受信し、修正行為が例えばデジタル画像処理を実行することにより必要かどうかを、画像データ701に基づいて判定してもよい。
【0063】
処理装置700は、修正行為が必要であるかどうかを判定するために、画像データ701内に含有された情報を記憶装置708に記憶された基準と比較してもよい。ユーザ入力610は処理装置700によって読み取られ、その後記憶装置708に書き込まれ、又は記憶装置708から読み取られてもよい。記憶装置708及び処理装置700は、記憶信号709を通して情報を転送してもよい。
【0064】
修正行為が必要である場合、処理装置700は、1つ又は複数の指示信号702、703、及び704を、1つ又は複数のモータ605、606、及び607に送信してもよい。1つ又は複数のモータ605、606、及び607は、処理装置700によって生成された1つ又は複数の指示信号702、703、及び704に従って作動される。モータ605、606、及び607は、作動時に眼科システム117の全て又は一部の位置を、目102に対して上記のx、y及びz軸と相互に関係付けてもよい1つ若しくは複数の方向、又はx、y、及びz軸の2つ若しくは3つに沿った動きを表す方向に調節してもよい。モータ605、606、及び607は、眼科システムの一部又は全てを動かし、最終的に全体的に位置合わせされた位置に動かしてもよい。作動及び処理は、ユーザ入力に加えて、又はユーザ入力に頼る代わりに、画像データを受信時に自動的に行ってもよい。それに応じて眼科システムの一部又は全ては、カメラによって受信された画像データに基づいて動かされてもよい。
【0065】
追加として、誤差はユーザ入力610によって設定されてもよく、記憶装置708に記憶されてもよく、又は両方であってもよい。誤差は、画像データと参照画像との差が許容範囲内であるかどうかを判定するために使用することができる。誤差は、1つ又は複数の方向に許容できる距離を含有する1つ又は多くの値を含んでもよい。
【0066】
誤差は、下記の中心からの距離及び電子値の全て又は任意の組合せを含んでもよい。例えば誤差は、軸上101の中心から軸上反射112の中心までの許容距離を、目102に対して上記のx、y及びz軸と相互に関係付けてもよい1つ若しくは複数の方向、又はx、y、及びz軸の2つ若しくは3つに沿った距離を表す方向に含んでもよい。誤差は、軸外104の中心から軸外反射113の中心までの許容距離を、目102に対して上記のx、y及びz軸と相互に関係付けてもよい1つ若しくは複数の方向、又はx、y、及びz軸の2つ若しくは3つに沿った距離を表す方向に含んでもよい。誤差は、軸上101の中心から軸上反射112の中心までの許容距離に対応するデジタル又はアナログ値などの電子表示を、目102に対して上記のx、y及びz軸と相互に関係付けてもよい1つ又は複数の方向、又はx、y、及びz軸の2つ若しくは3つに沿った距離を表す方向に含んでもよい。誤差は、軸外104の中心から軸外反射113の中心までの許容距離に対応するデジタル又はアナログ値などの電子表示を、目102に対して上記のx、y及びz軸と相互に関係付けてもよい1つ若しくは複数の方向、又はx、y、及びz軸の2つ若しくは3つに沿った距離を表す方向に含んでもよい。誤差は、ユーザ入力610を介して入力し、処理装置700によって処理し、記憶装置708に記憶することができる。処理装置700は、修正行為が必要あるかどうかを判定するために誤差を使用してもよい。修正行為が必要である場合、処理装置700は、1つ又は複数のモータ605、606、及び607を作動させて眼科システムの全て又は一部を全体的に位置合わせされた位置に動かすために、1つ又は複数の指示信号702、703、704を生成して送信する。モータ、指示信号、画像データの経路、及びユーザ入力などの、
図7に例示されているより多い又は少ない構成要素を使用してもよい。
【0067】
図8は、眼科装置を患者の目と位置合わせするためのシステムの構成要素を配置するための方法の流れ図である。眼科システムは、
図1~7に記載されたような眼科システム117であってもよい。ステップ800で配置することを開始した後、方法は、ステップ801で軸上に沿って軸上カメラを向けることを含む。ステップ801で向けることは、他の構成要素を位置付けるための基準を設定してもよい。ステップ801で向けることは、カメラをシステム上に置くこと又は設置することを含んでもよい。
【0068】
方法は、ステップ802で軸外角度を設定することを含んでもよい。軸外角度は、軸上に基準を設定してもよく、ここでは軸外角度は軸上と軸外の交点に形成された鋭角である。方法は、ステップ803で軸外に沿って軸外カメラを向けることを含んでもよい。
【0069】
方法は、ステップ806で1つ又は複数の照明を適位置に置くことを含んでもよい。軸上照明は軸上位置に置いてもよく、そこで軸上照明は、軸上カメラが捕捉し得る方向に光を放つことができる。軸外照明は軸外位置に置いてもよく、そこで軸外照明は、軸外カメラが捕捉し得る方向に光を放つことができる。ステップ806で照明を置くことは、システム上に照明を設置することを含んでもよい。照明は、カメラに対して相対位置に置かれる。ステップ806で照明を置くことは、軸上カメラを照明内に包囲することを含んでもよい。ステップ806で照明を置くことは、軸外カメラを照明内に包囲することを含んでもよい。
【0070】
方法は、ステップ807で誤差を設定することも含んでもよい。ステップ807で誤差を設定することは、記憶装置内の値を調節すること、又はユーザ入力を制御することを含んでもよい。
【0071】
方法は、ステップ808で配置することを終了することも含んでもよい。方法は、本開示のいずれかに記載されたような構成要素又はシステムを使用することを含んでもよい。
【0072】
図9は、眼科システムを目と位置合わせするための方法の流れ図である。眼科システムは、
図1~7に関して記載されたような、又は
図8の方法を使用して位置合わせされた眼科システム117であってもよい。ステップ901で位置合わせすることを開始した後、方法はステップ902で眼科システムを初期位置に設定することを含んでもよい。
【0073】
方法は、ステップ903で目の第1及び第2の部分を照らすことを含んでもよい。第1及び第2の部分は重複してもよい。第1及び第2の部分は、2つの異なる照明によってもたらされてもよい。方法は、ステップ904で1つ又は複数のカメラで画像を受信することを含んでもよい。
【0074】
方法は、ステップ905で調節が必要であるかどうかを判定することを含んでもよい。ステップ905で判定することは、ユーザにより、若しくは処理装置により、又はユーザと処理装置の入力の組合せにより手動で行ってもよい。ステップ905で判定することは、システムの全て又は一部の位置が、目102に対して上記のx、y及びz軸と相互に関係付けてもよい1つ若しくは複数の方向、又はx、y、及びz軸の2つ若しくは3つに沿った方向に、目に対して調節する必要があるかどうかを答える。ステップ905で判定することは、1つ又は複数の画像に対応する画像データを処理装置に送信すること、及び指示信号を生成することを含んでもよい。
【0075】
調節が必要である場合、方法は、ステップ906で必要な調節の量を判定することを含んでもよい。ステップ906で量を判定することは、軸上カメラなどのシステムの全て又は一部を目に対してx、y、及び/又はz方向に中心に置くために調節の量を判定することを含んでもよい。ステップ906で量を判定することは、ユーザにより、若しくは処理装置により、又はユーザと処理装置の入力の組合せにより手動で行ってもよい。ステップ906で量を判定することは、1つ又は複数の画像の画像データを処理装置に送信すること、及び指示信号を生成することを含んでもよい。方法は、ステップ907で目に対してシステムの全て又は一部の位置を調節することを含んでもよい。ステップ907で調節することは、指示信号若しくは制御信号を介してモータを作動すること、又はシステムの全て若しくは一部を機械的に動かすことを含んでもよい。
【0076】
調節がもはや必要ではない時、又は軸上カメラ100及び軸外カメラ103が誤差内で上記のように実質的に中心に置かれている時に、方法は、ステップ908で位置合わせすることを終了することを含んでもよい。方法は、本開示でいずれかに記載されたような構成要素又はシステムを使用することを含んでもよい。
【0077】
上に開示された主題は、例示であり、制限ではないと考えるべきであり、添付の特許請求の範囲は、本開示の真の精神及び範囲に収まる全てのこのような修正、向上、及び他の実施形態を網羅することを意図する。こうして法律で許可された最大限まで、本開示の範囲は、以下の特許請求の範囲及びそれらの等価物の最も広範囲の許容される解釈によって判定されるべきであり、前記の詳述によって制限又は限定されてはならない。