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  • 特許-整形外科用装置のためのドリルガイド 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-05
(45)【発行日】2024-08-14
(54)【発明の名称】整形外科用装置のためのドリルガイド
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/80 20060101AFI20240806BHJP
   A61B 17/17 20060101ALI20240806BHJP
【FI】
A61B17/80
A61B17/17
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020567469
(86)(22)【出願日】2019-02-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-06-03
(86)【国際出願番号】 US2019019843
(87)【国際公開番号】W WO2019168988
(87)【国際公開日】2019-09-06
【審査請求日】2022-02-22
(31)【優先権主張番号】62/636,073
(32)【優先日】2018-02-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502427840
【氏名又は名称】ジンマー,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】フィンリー,アダム
【審査官】北村 龍平
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-006037(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0224737(US,A1)
【文献】特開2014-046200(JP,A)
【文献】特表2013-542770(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0089192(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/56 - 17/92
17/17
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨折した骨を固定するための固定具と共に使用する骨プレートシステムであって、前記システムは、
骨に配置するための骨プレートであって、前記骨プレートは、少なくとも1つの固定具を受け入れるための少なくとも1つのねじ穴をさらに含み、前記少なくとも1つのねじ穴の各々は中心軸を含み、前記骨プレートは、骨に接触する第1の表面、反対側の第2の表面、および前記第1の表面と第2の表面との間の寸法に延在する厚さをさらに含む、骨プレートと、
前記少なくとも1つのねじ穴の第1の穴と係合可能な少なくとも1つの管状ドリル・ガイド・キャップであって、前記第1の穴と係合する、ねじ付き外部と、管状ドリル・ガイド・キャップの内部を通って形成され、骨に穴を開けるためのドリルが通過できるように前記ドリルの外径よりも大きい内径を有する内部ボアと、近位端と、遠位端とを含む、少なくとも1つの管状ドリル・ガイド・キャップと、
を含み、
前記少なくとも1つの管状ドリル・ガイド・キャップは、前記近位端の周りに可撓性フランジを含み、前記遠位端が前記第1の穴に係合するとき、前記可撓性フランジは、前記近位端から前記遠位端へ向けて、かつ、前記骨プレートの前記第2の表面へ向けて延在し、前記可撓性フランジの上面と下面との間の中心線は、前記管状ドリル・ガイド・キャップの長手方向軸と鋭角を形成し
前記可撓性フランジは、前記管状ドリル・ガイド・キャップが前記骨プレートの前記少なくとも1つのねじ穴に取り付けられるときに、前記骨プレートの前記第2の表面に接触し、
前記可撓性フランジの前記上面と前記下面との間の前記中心線が前記管状ドリル・ガイド・キャップの前記長手方向軸と前記鋭角を形成し、前記可撓性フランジが前記骨プレートの前記第2の表面に接触すると、前記可撓性フランジの前記下面、前記ねじ付き外部及び前記骨プレートの前記第2の表面に囲まれた空間が形成される、骨プレートシステム。
【請求項2】
骨折した骨を固定するための固定具と共に使用する骨プレートシステムであって、前記システムは、
骨に配置するための骨プレートであって、前記骨プレートは、少なくとも1つの固定具を受け入れるための少なくとも1つのねじ穴をさらに含み、前記少なくとも1つのねじ穴の各々は中心軸を含み、前記骨プレートは、骨に接触する第1の表面、反対側の第2の表面、および前記第1の表面と第2の表面との間の寸法に延在する厚さをさらに含む、骨プレートと、
前記少なくとも1つのねじ穴の第1の穴と係合可能な少なくとも1つの管状ドリル・ガイド・キャップであって、前記第1の穴と係合する、ねじ付き外部と、管状ドリル・ガイド・キャップの内部を通って形成され、骨に穴を開けるためのドリルが通過できるように前記ドリルの外径よりも大きい内径を有する内部ボアと、近位端と、遠位端とを含む、少なくとも1つの管状ドリル・ガイド・キャップと、
近位端、ツール長手方向軸、および遠位端を含むキャップ除去ツールであって、前記ツール長手方向軸および前記中心軸は同軸であり、前記遠位端は前記キャップの前記近位端と係合するように成形され、前記キャップおよび前記ツールは解放可能に接続可能である、キャップ除去ツールと、
を含み、
前記少なくとも1つの管状ドリル・ガイド・キャップは、前記近位端の周りに可撓性フランジを含み、前記遠位端が前記第1の穴に係合するとき、前記可撓性フランジは、前記近位端から前記遠位端へ向けて、かつ、前記骨プレートの前記第2の表面へ向けて延在し、前記可撓性フランジの上面と下面との間の中心線は、前記管状ドリル・ガイド・キャップの長手方向軸と鋭角を形成し
前記可撓性フランジは、前記管状ドリル・ガイド・キャップが前記骨プレートの前記少なくとも1つのねじ穴に取り付けられるときに、前記骨プレートの前記第2の表面に接触し、
前記可撓性フランジの前記上面と前記下面との間の前記中心線が前記管状ドリル・ガイド・キャップの前記長手方向軸と前記鋭角を形成し、前記可撓性フランジが前記骨プレートの前記第2の表面に接触すると、前記可撓性フランジの前記下面、前記ねじ付き外部及び前記骨プレートの前記第2の表面に囲まれた空間が形成される、骨プレートシステム。
【請求項3】
前記キャップおよび前記ツールは、前記第2の表面から前記第1の表面へ向かう第1の方向に前記中心軸に沿って第1の軸方向力がキャップに加えられ、かつ、前記第1の表面から前記第2の表面へ向かう第2の方向に前記中心軸に沿って第2の力が前記ツールに加えられた場合に分離可能であり、前記第2の方向は前記第1の方向と反対である、請求項2に記載の骨プレートシステム。
【請求項4】
前記フランジは、前記近位端に接続されたフランジ近位端と、前記フランジ近位端の反対側のフランジ遠位端とを備え、前記フランジ遠位端が前記ねじ付き外部から半径方向に間隔を空けて配置されている、請求項1に記載の骨プレートシステム。
【発明の詳細な説明】
【相互参照】
【0001】
本願は、2018年2月27日に提出された米国仮特許出願第62/636,073号に対する米国特許法第119条(e)に基づく優先権の利益を主張し、その内容は、以下に完全に記載されているかのようにすべての目的のために全体として記載されているかのように、参照により本明細書に組み込まれる。
【発明の背景】
【0002】
技術分野
本発明は、広く外科用装置に関する。より具体的には、本発明は、整形外科用インプラントに関し、具体的には骨プレートおよびドリルガイドに関する。
【0003】
背景情報
長骨の骨幹端への骨折の不適切な治療は、変形と長期的な不快感をもたらす可能性がある。骨幹端骨折のアライメントと固定は、通常、キャスティング、外部固定、ピンニング、プレーティングなどのいくつかの方法のいずれかによって実行される。
【0004】
キャスティングは非侵襲的であるが、多くの骨片が存在する骨折のアライメントを維持できない場合がある。したがって、代替として、外部固定具を使用することができる。
【0005】
外部固定具は靭帯走性として知られている方法を利用し、関節全体に伸延力を提供し、周囲の靭帯にかけられた張力に基づいて骨折をアライメントすることができる。しかしながら、外部固定具は手首の骨の位置を維持することができるが、それでも、特定の骨折では、最初に骨を適切な配置で提供することが難しい場合がある。さらに、外部固定具は多くの場合、複数の骨片をもたらす骨折には適していない。
【0006】
Kワイヤ(Kirschnerワイヤ)によるピンニングは、ピンが様々な断片に配置される侵襲的な処置である。これは困難で時間のかかる処置であり、骨が粉砕されている場合や骨粗しょう症の場合は、固定が制限される。
【0007】
プレーティングは、通常骨に対して配置される安定化金属プレートと、プレートを介して配置され、関節骨表面に隣接するドリル穴に入る固定角度ペグ(ねじ付きまたは非ねじ付きシャフトを有してもよい)と、プレートから骨に開けられた穴に延在する皮質ねじと、を利用して、安定した骨折固定を提供する。
【0008】
固定角度のペグを骨プレートと組み合わせて使用する場合、ペグ用にドリルで開けられたパイロット穴が穴の軸と同軸になるようにする必要がある。そうしないと、ペグのシャフトが解剖学的構造と適切にアライメントされず、ペグの頭部がプレートのねじ穴と適切にアライメントされず、クロススレッドが発生する可能性がある。その結果、プレートが骨に配置された状態で、ペグの穴に合わせて骨の各穴を開ける前に、ペグの穴でドリルガイドがプレートに取り付けられる。ガイドは、特定のペグ穴を通るペグの適切な向きにドリルビットを導く管状の通路を画定する。各穴を開けた後に、ドリルガイドを取り外し、ペグをペグ穴に挿入し、ドリルガイドを次のペグ穴に結合する。
【0009】
外科的処置中にドリルガイドを取り付けるプロセスは面倒である。各ペグ穴が他のペグ穴から個別の軸角度を有する場合、処置中にガイドをペグ穴にねじ結合するための適切な角度を見つけるのは難しい場合がある。そのような困難は、外科的処置を不必要に延長する可能性がある。さらに、多くのシステムでは、ドリルガイドがペグに組み込まれているシステムであっても、システムのプロファイルが高すぎるため、すべての状況で使用することができない。
【0010】
当技術分野で必要なのは、予め組み立てられ、プレート上に無菌で供給されるプラグであり、それによりドリルガイドがプラグの代わりに除去ツールに組み込まれ、プラグは様々なプレートの厚さに適合可能であるため、同じプラグ/ペグ/インサートは、特定のインサートを特定のプレートの厚さに合わせる必要がなく、システム内のすべてのプレートに使用できる。
【発明の概要】
【0011】
骨折した骨を固定するための固定具と共に使用する骨プレートシステムは、骨に対して配置するための細長いシャフトを有する骨プレートを含む。骨プレートは、少なくとも1つの固定具を受け入れるための少なくとも1つのねじ穴をさらに有し、各穴は中心軸を有する。プレートは、骨に接触する第1の表面、反対側の第2の表面、第1の表面と第2の表面との間の寸法に延在する厚さ、および少なくとも1つの管状ドリル・ガイド・キャップをさらに含む。ドリル・ガイド・キャップは、少なくとも1つのねじ穴の第1の穴と係合可能であり、キャップは、ねじ付き外部、内部ボア、近位端、および遠位端を有する。
【0012】
骨折した骨を固定するための固定具と共に使用する骨プレートシステムは、骨に対して配置するための細長いシャフトを有する骨プレートを含む。骨プレートは、少なくとも1つの固定具を受け入れるための少なくとも1つのねじ穴をさらに有し、各穴は中心軸を有する。プレートは、骨に接触する第1の表面、反対側の第2の表面、第1の表面と第2の表面との間の寸法に延在する厚さ、および少なくとも1つの管状ドリル・ガイド・キャップをさらに含む。ドリル・ガイド・キャップは、少なくとも1つのねじ穴の第1の穴と係合可能であり、キャップは、ねじ付き外部、内部ボア、近位端、および遠位端を有する。キャップ除去ツールは、近位端、ツール長手方向軸、および遠位端を含み、ツール長手方向軸および中心軸は同軸であり、遠位端はキャップの近位端と係合するように成形され、キャップおよびツールは解放可能に接続可能である。
【0013】
骨折した骨を固定するための方法は、骨プレート上に予めパッケージされたアライメントキャップを提供するステップを含む。抽出ツールは、ツール長手方向軸と、ツール長手方向軸の方向にある抽出ツールボアと、を有し、中心軸を有するドリル・ガイド・キャップに配置され、中心軸を抽出ツールの長手方向軸にアライメントする。抽出ツールは、ドリルをガイドするために使用され、ドリルは抽出ツールボアに挿入されたドリルビットを有する。ドリルを使用して骨を準備するステップ。ドリルを除去するステップ。抽出ツールを使用して、アライメント・ドリル・ガイドを除去するステップ。
【0014】
本発明のこれらおよび他の目的、特徴、および利点は、添付の図面と併せて本発明の様々な態様の以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
本発明は、以下に示す詳細な説明および本発明の好ましい実施形態の添付の図面からより完全に理解されるが、これは本発明を限定するものと解釈されるべきではなく、説明および理解のみを目的とする。
【0016】
図面では、
【0017】
図1】本発明による骨プレートシステムの斜視図である。
【0018】
図2】骨プレートに挿入されたガイドキャップと係合されたガイドツールを有する図1の骨プレートシステムの斜視図である。
【0019】
図3】骨プレートから除去されたガイドキャップと係合されたガイドツールを有する図1の骨プレートシステムの斜視図である。
【0020】
図4】ガイドキャップが挿入された骨プレートを含む図1の拡大斜視図である。
【0021】
図5】ガイドキャップが挿入された骨プレートを含む図1の断面図である。
【0022】
対応する符号は、いくつかの図面を通して対応する部分を示す。本明細書に記載されている例示的な実施形態は、いかなる方法でも本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【発明の詳細な説明】
【0023】
以下、本発明を、添付図面を参照して、本発明による様々な例示的な実施形態に関して詳細に説明する。以下の詳細な説明では、本発明の完全な理解を提供するために、多くの特定の詳細が示されている。しかしながら、当業者には、本発明がこれらの特定の詳細なしに実施され得ることが明らかであろう。他の例では、本発明の不必要な曖昧さを回避するために、周知の構造は詳細には示されていない。
【0024】
したがって、以下に説明するすべての実施態様は、当業者が本開示の実施形態を作製または使用できるようにするために提供される例示的な実施態様であり、特許請求の範囲によって定義される本開示の範囲を限定することを意図していない。本明細書で使用される場合、「例示的」または「例証的」という単語は、「例、事例、または例示として役立つ」ことを意味する。本明細書で「例示的」または「例証的」として説明される実施態様は、必ずしも他の実施態様よりも好ましいまたは有利であると解釈されるべきではない。さらに、本説明では、「上」、「下」、「左」、「後」、「右」、「前」、「垂直」、「水平」、およびそれらの派生語は、図1で方向付けられているように本発明に関係するものとする。
【0025】
さらに、前の技術分野、背景、簡単な要約、または以下の詳細な説明で提示された明示的または暗示的な理論に拘束される意図はない。また、添付の図面に示され、以下の明細書に記載される特定の装置およびプロセスは、添付の特許請求の範囲で定義される本発明の概念の例示的な実施形態にすぎないことも理解されたい。したがって、本明細書に開示した実施形態に関連する特定の寸法および他の物理的特性は、特許請求の範囲で明確に述べられていない限り、限定と見なされるべきではない。
【0026】
ここで図1図3を全体的に参照すると、骨プレートシステム10000が示されている。プレートシステム10000は、一般に、骨プレート1000、複数のガイドキャップ2000、および挿入および抽出ツール3000を含む。挿入および抽出ツール3000は、挿入ツールまたは抽出ツールと呼ばれてもよいが、ツール3000は、挿入および抽出機能の両方を実行することができる。挿入および抽出ツール3000は、ツール長手方向軸3400および軸方向に延在する抽出ツールボア3300をさらに有する。骨プレート1000は、骨のシャフト(図示せず)の上に配置するように適合されている。ガイドキャップ2000という用語はまた、「ガイドチップ」または「ガイドピン」またはガイドプラグという用語で呼ばれることもある。
【0027】
さらに図1図3を参照すると、骨プレート1000は、ほぼ平坦な形状、骨接触表面1100、および上面1200を含む。骨プレート1000は、ドリル・ガイド・キャップ2000をねじ式に受け入れるための複数のねじ穴1300をさらに含む。穴は円筒状に示されているが、どのような形状であってもよい。
【0028】
ここで図1図3および図5を参照すると、各ドリル・ガイド・キャップ2000は、概して円筒状の外形で示されている。ドリル・ガイド・キャップは円筒状である必要はなく、任意の適切な周囲形状の管状構造であってもよい。各ドリル・ガイド・キャップ2000はさらに、内部表面と、長手方向軸2200、近位端2300、および遠位端2400を有する内部ボア2100と、を含む。各ドリル・ガイド・キャップ2000は、好ましくは、近位端2300に除去ツール受け入れ開口部をさらに含む。除去ツール受け入れ開口部は、例えば、円形であってもよい。ガイドキャップ2000は、骨プレート1000を骨に着座させるのに使用するためのドリルビット(図示せず)のソールガイドとして使用される。
【0029】
再び図1図3を参照すると、ドリル・ガイド・キャップ2000のための挿入および抽出ツール3000は、遠位作業端3100および近位駆動ハンドル端3200を含む。ガイドキャップ2000は、挿入および抽出ツール3000によって挿入または抽出され得る。遠位作業端3100は、好ましくは、各ドリル・ガイド・キャップ2000の近位端2300の円形開口部と係合するための先細の正方形を有する。正方形ドライバの縁部は、キャップ2000を回転させてプレート1000と係合させたり外したりするのに十分な摩擦力を提供するようなサイズになっている。他の適切な係合も使用することができる。例えば、ガイドキャップ2000は、トルク伝達を容易にする、六角形状または任意の非円形の外部断面形状を有する近位端2300を有してもよい。ドリル・ガイド・キャップ2000がねじ穴1300でプレート1000に接続されると、挿入および抽出ツール3000を使用して、各ガイドキャップ2000の長手方向軸2200は、プレート1000のキャップ2000が挿入されるそれぞれのねじ穴1300の軸と同軸であり得る。さらに、抽出ツール3000は、少なくともガイドキャップシリンダ2000の高さであり得る深さまでガイドキャップ2000に挿入され得る。ドリル・ガイド・キャップ2000が挿入および抽出ツール3000に接続されると、長手方向軸2200およびツール長手方向軸3400は同軸であり得るので、ドリル・ガイド・キャップ2000を抽出または挿入するときに抽出ツール3000が骨プレート1000にほぼ垂直になる。抽出ツール3000は、ガイドキャップ2000に接続されると、ドリルガイドとして使用することもでき、抽出ツール3000は、ドリルガイドとして使用されるときに、概して骨プレート1000に対して垂直のままであり、グリルガイドキャップ2000と同軸のままであり得る。骨プレート1000が骨に対して位置決めされたときに、骨にドリルするために、抽出ツール3000を使用して、ドリル(図示せず)に接続されたドリルビットを抽出ツールボア3300にドリル・ガイド・キャップ2000を通して配置するのを容易にすることができる。
【0030】
さらに図1図3を参照すると、好ましい組み立て方法では、ガイドキャップ2000は、穴1300内のプレート1000にねじ込み式に予め組み立てられる。予め組み立てられたプレート1000およびガイドキャップ2000は、好ましくは無菌パッケージで供給される。外科的処置中にプレート1000が骨上に配置される前に外科医がドリル・ガイド・キャップ2000をプレート1000にねじ込む必要がないように、プレート1000の穴1300へのガイドキャップ2000の事前組み立てが行われる。事前組み立ては、手術室の技術者が行うか、梱包および滅菌の前に工場で行うことができる。
【0031】
さらに図1図3を参照すると、ガイドキャップ2000は、好ましくは、硬い、例えば、金属ボア2100を含む。ガイドキャップ2000は、全体が金属で作られてもよく、または薄壁の成形金属管などのインサートを備えた外側プラスチック本体を有してもよい。さらに、ガイドキャップ2000は、全体がプラスチックで作られてもよい。挿入/抽出ツール3000は、超硬合金から作られてもよい。挿入/抽出ツール3000はガイドキャップ2000に接続可能であってもよく、その結果、抽出ツール3000は、ガイドキャップ2000の高さのためにガイドキャップ2000の内周または周囲を裏打ちすることができる。したがって、抽出ツール3000がガイドキャップ2000のうちの1つに受け取られ、ドリルビットが抽出ツール3000の抽出ツールボア3300に導入されると、ドリルビットと接触するガイドキャップ2000からの材料は、ドリル中に最小化または排除される。この最小限の接触により、ドリル中にプラスチック破片が生成されるリスクが最小限に抑えられるため、ガイドキャップ2000をプラスチックで作ることが可能になる。プラスチックからガイドキャップ2000を製造する能力は、製造コストを削減し、挿入/抽出ツール3000の使用は、プラスチックで作製されたガイドキャップ2000とドリルビットとの間の接触によるプラスチック破片の発生のリスクを軽減する。
【0032】
再び図3を参照すると、ドリルビットが穴を準備した後に、抽出ツールを回してキャップ2000を外すことができる。キャップ2000および抽出ツール3000は、第1の軸方向力が第1の方向に長手方向軸2200に沿ってキャップ2000に加えられ、かつ、第2の力が第2の方向に長手方向軸2200に沿ってツール3000に加えられた場合に分離可能であるように適合され、ここで第2方向は第1方向の反対である。したがって、ガイドキャップ2000は、引き離されるまで抽出ツール3000上に保持されることが好ましく、その後に、抽出ツール3000は次の穴のために使用されてもよい。
【0033】
ここで図4図5を参照すると、ガイドキャップ2000は、ガイドキャップ2000の近位端2300からおよびその周りに延在する可撓性フランジ2800をさらに有する。フランジ2800は、ガイドキャップ2000の近位端2300から遠位端2400に向かって延在し、ガイドキャップ2000のねじ付き外部部分とフランジ2800との間に鋭角を形成する。
【0034】
フランジ2800または「傘上部」特徴部は、ガイドキャップ2000の近位部分2300上にあってもよい。この傘上部特徴部、プレート1000、およびキャップ2000の組み合わせは、リップエッジがほとんどないため、ユーザがガイドキャップ2000と骨プレート1000の組み立てられた構造を軟組織の下でスライドするのがより容易になり得る。傘上部も柔軟性があり、屈曲して厚いまたは薄いプレート1000に適応でき、したがって、固有のサイズのガイドキャップ2000を個々のプレート(例えばプレート1000)の厚さに合わせる必要がない代わりに、同じガイドピン2000を様々なプレート(例えばプレート1000)の厚さに使用することができる。
【0035】
本発明の1つの利点は、従来技術と比較して、プレート1000に接続されたガイドキャップ2000の低プロファイルである。「低プロファイル」という用語は、骨表面から最小限に延在することを意味すると理解される。これは、先行技術と比較して、プレート1000の配置をはるかに容易にし、なぜなら、いくつかの外科的処置では、外科医は、切開部の下または腱/靭帯の下でプレートをスライドさせる必要があるからである。他の予め組み立てられたプレートとガイドの組み合わせは高すぎるため、プレートが解剖学的構造に配置されたら、外科医は、組み立てられたガイドをアセンブリから取り外し、ガイドを交換する必要があり、それによって予め組み立てられたプレートの目的が損なわれる。本システム10000は、予め組み立てられたプレート1000およびガイドキャップ2000が、必要な解剖学的構造の下に配置されるまで、低プロファイルを維持する。一実施形態では、ガイドキャップは、骨プレートの厚さ以下であり得る。他の実施形態では、可撓性フランジ2800の存在により、ガイドキャップ2000が骨プレート表面の上に約1.5mm以下だけ延在することができる。したがって、ガイドキャップ2000は、プレートの厚さを増加させないか、または他の実施形態では、厚さを最小限に増加させるだけである。
【0036】
別の利点は、ガイドキャップ2000用の抽出ツール3000がドリル・ガイド・キャップ2000と除去ツール3000の組み合わせに組み込まれていることである。これにより、外科的ステップ間の待機時間と準備時間を最小限に抑えることができる。例えば、従来技術では、ドリル・ガイド・キャップまたはピンは、一般に外科用ねじを挿入するために使用されるものである外科用ねじドライバを使用して除去される。本発明の一実施形態では、抽出ツール3000は、ドリリングおよびガイドキャップの除去のために、ガイドキャップ2000の延長であってもよい。抽出ツール3000を使用してガイドキャップ2000を除去することができる一方で、外科用ねじドライバは、ねじを挿入するために準備することができ、したがって、待ち時間および準備時間を最小限に抑えることができる。従来技術の他のシステムは、ねじを挿入するためにも使用される外科用ねじドライバでガイドキャップを除去する必要があるため、2つのプロセスを連続して行う必要があり、より多くの時間を必要とする。
【0037】
本発明を少なくとも1つの実施形態に関して説明してきたが、本発明は、この開示の趣旨および範囲内でさらに修正することができる。したがって、本願は、その一般的な原理を使用する本発明のあらゆる変形、使用、または適合を網羅することを意図している。さらに、本願は、本発明が関係し、添付の特許請求の範囲内にある当該技術分野での公知のまたは慣習的な実施に含まれる、本開示からのそのような逸脱を包括することを意図している。
図1
図2
図3
図4
図5