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特許7534236造粒装置用ダイス、造粒装置用カッター刃ホルダ、造粒装置用カッター刃ユニット、樹脂切断装置、造粒装置、および樹脂ペレットの製造方法
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  • 特許-造粒装置用ダイス、造粒装置用カッター刃ホルダ、造粒装置用カッター刃ユニット、樹脂切断装置、造粒装置、および樹脂ペレットの製造方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-05
(45)【発行日】2024-08-14
(54)【発明の名称】造粒装置用ダイス、造粒装置用カッター刃ホルダ、造粒装置用カッター刃ユニット、樹脂切断装置、造粒装置、および樹脂ペレットの製造方法
(51)【国際特許分類】
   B29B 9/06 20060101AFI20240806BHJP
【FI】
B29B9/06
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021015928
(22)【出願日】2021-02-03
(65)【公開番号】P2022119010
(43)【公開日】2022-08-16
【審査請求日】2023-10-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000004215
【氏名又は名称】株式会社日本製鋼所
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】瀬尾 光弘
(72)【発明者】
【氏名】栗原 正夫
【審査官】家城 雅美
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2004/080678(WO,A1)
【文献】特開2010-740(JP,A)
【文献】特開2016-175370(JP,A)
【文献】特表2017-538602(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29B 9/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下を含む、造粒装置用ダイス:
平面視において円形を有する底面;
前記平面視において円形を有し、前記底面と同心であり、かつ前記底面よりも半径が小さい上面;
前記底面の最外周部と前記上面の最外周部とを接続する側面;および、
前記側面に形成された、樹脂原材料を吐出するための複数のダイス孔。
【請求項2】
前記底面、前記上面および前記側面によって円錐台形が構成される、請求項1に記載の造粒装置用ダイス。
【請求項3】
側面視において、前記側面が湾曲している、請求項1に記載の造粒装置用ダイス。
【請求項4】
前記側面を構成する材料の硬度が、前記上面を構成する材料の硬度と比べて、高い、請求項1~3のいずれか1項に記載の造粒装置用ダイス。
【請求項5】
以下を含む、造粒装置用カッター刃ホルダ:
駆動用モータのシャフトと接続される、回転可能なカッター軸;および
前記カッター軸に接続され回転可能な、複数のカッター刃を接続するためのカッター刃接続部、
ここで、前記カッター刃接続部は円錐台形の外形を有し、
前記カッター刃接続部の回転軸は、前記円錐台形を構成する底面及び上面と直交し、
前記円錐台形を構成する側面に前記複数のカッター刃を接続可能である。
【請求項6】
以下を含む、造粒装置用カッター刃ユニット:
駆動用モータのシャフトと接続される、回転可能なカッター軸;
前記カッター軸に接続された、回転可能なカッター刃接続部;および
前記カッター刃接続部に接続された複数のカッター刃、
ここで、前記カッター刃接続部は円錐台形の外形を有し、
前記カッター刃接続部の回転軸は、前記円錐台形を構成する底面及び上面と直交し、
前記円錐台形を構成する側面に前記複数のカッター刃が接続されている。
【請求項7】
以下を含む、樹脂切断装置:
樹脂原材料を吐出するためのダイス;および
吐出された前記樹脂原材料をペレット化するためのカッター刃ユニット、
ここで、前記ダイスは、
平面視において円形を有する底面と、
前記平面視において円形を有し、前記底面と同心であり、かつ前記底面より半径が小さい上面と、
前記底面の最外周部と前記上面の最外周部を接続する側面と、
前記側面に形成された、前記樹脂原材料を吐出するための複数のダイス孔
を有する。
【請求項8】
以下を含む造粒装置:
樹脂原材料を吐出するためのダイス;および
吐出された前記樹脂原材料をペレット化するためのカッター刃ユニット、
ここで、前記ダイスは、
平面視において円形を有する底面と、
前記平面視において円形を有し、前記底面と同心であり、かつ前記底面より半径が小さい上面と、
前記底面の最外周部と前記上面の最外周部を接続する側面と、
前記側面に形成された、前記樹脂原材料を吐出するための複数のダイス孔
を有する。
【請求項9】
前記底面、前記上面および前記側面によって円錐台形が構成される、請求項8に記載の造粒装置。
【請求項10】
前記ダイスおよび前記カッター刃ユニットを収容するチャンバをさらに含み、
前記チャンバは、
液体が流入する流入部、および
前記液体と、前記カッター刃ユニットによってペレット化されたペレットとが流出する流出部を含む、請求項8または9に記載の造粒装置。
【請求項11】
前記カッター刃ユニットは、
駆動用モータのシャフトと接続される、回転可能なカッター軸と、
前記カッター軸に接続された、回転可能なカッター刃接続部と、
前記カッター刃接続部に接続された複数のカッター刃を含み、
前記カッター刃接続部は円錐台形の外形を有し、
前記カッター刃接続部の回転軸は、前記円錐台形を構成する底面及び上面と直交し、
前記円錐台形を構成する側面に前記複数のカッター刃が接続され、
前記複数のカッター刃は前記ダイスの前記側面に沿って回転する、請求項8~10のいずれか1項に記載の造粒装置。
【請求項12】
以下を含む、樹脂ペレットの製造方法:
(a)樹脂原材料を造粒機のダイスから吐出する工程;および
(b)工程(a)の後、吐出された前記樹脂原材料をペレット化する工程、
ここで、前記ダイスは、
平面視において円形を有する底面と、
前記平面視において円形を有し、前記底面と同心であり、かつ前記底面より半径が小さい上面と、
前記底面の最外周部と前記上面の最外周部を接続する側面と、
前記側面に形成された、前記樹脂原材料を吐出するための複数のダイス孔
を有する。
【請求項13】
前記底面、前記上面および前記側面によって円錐台形が構成される、請求項12に記載の樹脂ペレットの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、造粒装置用ダイス、造粒装置用カッター刃ホルダ、造粒装置用カッター刃ユニット、樹脂切断装置、造粒装置、および樹脂ペレットの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2019-51617号公報(特許文献1)には、合成樹脂などの樹脂原材料からペレットを製造するための造粒装置が開示されている。上記造粒装置では、樹脂原材料を吐出するダイス孔が形成されているダイス表面およびダイス表面に押し当てられるカッター刃の刃面が、カッター刃ユニットの回転軸に対して直交するように設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-51617号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、造粒装置には処理量の大容量化が求められている。これに伴い、ダイスおよびカッター刃ユニットなどの造粒装置の各構成部品、ならびに造粒装置全体が大型化している。
【0005】
本開示の主たる目的は、処理量が大容量化されても、大型化が抑制された造粒装置用ダイス、造粒装置用カッター刃ホルダ、造粒装置用カッター刃ユニット、樹脂切断装置、および造粒装置を提供することにある。
【0006】
本開示の他の目的は、大型化が抑制された造粒装置用ダイス、造粒装置用カッター刃ホルダ、造粒装置用カッター刃ユニット、樹脂切断装置、および造粒装置を用いて、多量の樹脂ペレットを製造する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一実施形態に係る造粒装置用ダイスは、底面、底面よりも半径が小さい上面、底面の最外周部と上面の最外周部とを接続する側面、および側面に形成された樹脂原材料を吐出するためのダイス孔を含む。
【0008】
本開示の一実施形態に係る造粒装置用カッター刃ホルダは、駆動用モータのシャフトと接続される回転可能なカッター軸、およびカッター軸に接続され回転可能な、複数のカッター刃を接続するためのカッター刃接続部を含む。カッター刃接続部は円錐台形の外形を有する。カッター刃接続部の回転軸は、上記円錐台形を構成する底面及び上面と直交する。上記円錐台形を構成する側面に複数のカッター刃を接続可能である。
【0009】
本開示の一実施形態に係る造粒装置用カッター刃ユニットは、駆動用モータのシャフトと接続される、回転可能なカッター軸、カッター軸に接続された、回転可能なカッター刃接続部、およびカッター刃接続部に接続された複数のカッター刃を含む。カッター刃接続部は円錐台形の外形を有する。カッター刃接続部の回転軸は、上記円錐台形を構成する底面及び上面と直交する。上記円錐台形を構成する側面に複数のカッター刃が接続されている。
【0010】
本開示の一実施形態に係る樹脂切断装置は、樹脂原材料を吐出するためのダイス、および吐出された樹脂原材料をペレット化するためのカッター刃ユニットを含む。ダイスは、底面、底面よりも半径が小さい上面、底面の最外周部と上面の最外周部とを接続する側面、および側面に形成された樹脂原材料を吐出するためのダイス孔を含む。
【0011】
本開示の一実施形態に係る造粒装置は、樹脂原材料を吐出するためのダイス、および吐出された樹脂原材料をペレット化するためのカッター刃ユニットを含む。ダイスは、底面、底面よりも半径が小さい上面、底面の最外周部と上面の最外周部とを接続する側面、および側面に形成された樹脂原材料を吐出するためのダイス孔を含む。
【0012】
本開示の一実施形態に係る樹脂ペレットの製造方法は、樹脂原材料を造粒機のダイスから吐出する工程(a)、および工程(a)の後、吐出された樹脂原材料をペレット化する工程(b)を含む。ダイスは、底面、底面よりも半径が小さい上面、底面の最外周部と上面の最外周部とを接続する側面、および側面に形成された樹脂原材料を吐出するためのダイス孔を含む。
【発明の効果】
【0013】
本開示の一実施の形態に係る造粒装置用ダイス、造粒装置用カッター刃ホルダ、造粒装置用カッター刃ユニット、樹脂切断装置、および造粒装置によれば、処理量が大容量化されても、大型化が抑制され得る。
【0014】
本開示の一実施の形態に係る樹脂ペレットの製造方法によれば、本開示の一実施の形態に係る造粒装置を用いて多量の樹脂ペレットを製造できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】一実施の形態に係る造粒装置を示す図である。
図2】一実施の形態に係るダイス、カッター刃ホルダ、カッター刃ユニット、および樹脂切断装置を示す部分拡大側面図である。
図3】一実施の形態に係るダイス、カッター刃ホルダ、カッター刃ユニット、および樹脂切断装置を示す部分拡大平面図である。
図4】一実施の形態に係るカッター刃ホルダ、カッター刃ユニット、および樹脂切断装置をダイス側から視た部分拡大図である。
図5】一実施の形態に係るダイス、カッター刃ホルダ、カッター刃ユニット、および樹脂切断装置を示す部分拡大断面図である。
図6】一実施の形態に係るダイスとカッター刃ユニットとを連結する方法を説明するための図である。
図7】他の一実施の形態に係るダイス、カッター刃ホルダ、およびカッター刃ユニットを示す部分拡大図である。
図8】他の一実施の形態に係るダイス、カッター刃ホルダ、およびカッター刃ユニットを示す部分拡大図である。
図9】他の一実施の形態に係るダイス、カッター刃ホルダ、およびカッター刃ユニットを示す部分拡大図である。
図10】比較例に係るダイス、カッター刃ホルダ、カッター刃ユニット、および樹脂切断装置を示す部分拡大側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して、本開示の一実施の形態について説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰返さない。
【0017】
<造粒装置100の構成>
まず、図1を参照して、一実施の形態に係る造粒装置の構成を説明する。図1に示される造粒装置100は、水中カット式の造粒装置である。造粒装置100は、フィーダ110、流入パイプ111、および流出パイプ112と接続されている。造粒装置100は、フィーダ110から供給された樹脂原材料(以下、単に原材料とよぶ)を、流入パイプ111から供給された水などの冷却液中で樹脂ペレット(以下、単にペレットとよぶ)に加工して、該ペレットを冷却液とともに流出パイプ112に排出する。
【0018】
図1に示されるように、造粒装置100は、ホッパー1、スクリュ式ミキサ2、ダイバーターバルブ3、ギアポンプ4、スクリーンチェンジャ5、ダイホルダ6、ダイス10とカッター刃ユニット20とが連結して成る樹脂切断装置30、モータ40、およびチャンバ50を主に備える。
【0019】
フィーダ110、ホッパー1、スクリュ式ミキサ2、ダイバーターバルブ3、ギアポンプ4、スクリーンチェンジャ5、ダイホルダ6、およびダイス10は、上記記載順に、連なっている。
【0020】
ホッパー1にはフィーダ110から単位時間当たり一定量の原材料が供給される。ホッパー1は、フィーダ110から供給された原材料を、スクリュ式ミキサ2に供給する。
【0021】
スクリュ式ミキサ2は、ホッパー1から供給された原材料を溶融混練する。スクリュ式ミキサ2は、溶融混練した原材料をダイバーターバルブ3に供給する。
【0022】
ダイバーターバルブ3は、スクリュ式ミキサ2により溶融混錬された原材料をギアポンプ4へ流動させるか、又は、造粒装置100の外部へ排出させるかの切換えを行う。
【0023】
ダイバーターバルブ3は、スクリュ式ミキサ2から原材料が流入する流入口、ギアポンプ4に接続された流出口、造粒装置100の外部に接続された他の流出口、および弁体とを有する。弁体は、ダイバーターバルブ3内に形成される流入口と各流出口とを接続する2つの流路の一方を開放し、他方を閉止する。
【0024】
ギアポンプ4は、ダイバーターバルブ3より供給された原材料を、スクリーンチェンジャ5、ダイホルダ6、およびダイス10へと加圧しながら押し出す。
【0025】
スクリーンチェンジャ5は、ギアポンプ4から供給された原材料から不純物を取り除くための複数のスクリーン(図示省略)を有している。スクリーンチェンジャ5を通過した原材料は、ダイホルダ6を経てダイス10へと向かう。なお、スクリーンチェンジャ5は、ギアポンプ4からダイス10に至る原材料の流路上に配置された1つ以上のスクリーンと、当該流路上に配置されていない1つ以上のスクリーンと、当該流路上に配置されるスクリーンを交換する交換機構とを有している。スクリーンチェンジャ5は、上記流路上に配置された1つ以上スクリーンが目詰まりしたときに、造粒装置100を停止することなく、スクリーンを交換する。
【0026】
ダイホルダ6は、ダイス10を着脱可能に保持する。ダイス10は、ダイホルダ6に例えばネジ留めされる。ダイホルダ6には、スクリーンチェンジャ5から押し出された原材料が流れるための流路が形成されている。
【0027】
ダイス10は、ダイホルダ6に保持されている。ダイス10には、ダイホルダ6の上記流路から押し出された原材料を流すための流路7(図5参照)、および当該流路を流れた原材料を吐出するための複数のダイス孔11(図5参照)が形成されている。ギアポンプ4から押し出されてダイス10に達した原材料は、流路7および各ダイス孔11を通ってダイス10の外部に吐出されることにより、長細い円柱形状体(以下、ストランドとよぶ)に加工される。
【0028】
カッター刃ユニット20は、ダイス10の各ダイス孔11から吐出されたストランドを切断し、ペレットに加工する。図2に示されるように、カッター刃ユニット20は、カッター刃21、およびカッター刃ホルダ22を含み、回転軸Oを中心として回転する。
【0029】
ダイス10およびカッター刃ユニット20は、チャンバ50の内部に収容されている。チャンバ50は、流入パイプ111および流出パイプ112と連結されている。チャンバ50、流入パイプ111、および流出パイプ112は、冷却液が循環する循環回路の一部を構成している。造粒装置100の運転時、チャンバ50の内部は冷却液で満たされており、加工されたペレットは冷却液により冷却される。ペレットは、冷却液とともに流出パイプ112を通り、脱水・乾燥装置(図示省略)へ輸送され、脱水・乾燥装置にて乾燥される。
【0030】
カッター刃ユニット20およびチャンバ50は、台車60に搭載され、ダイス10に対して回転軸Oに沿った方向に相対的に移動するように設けられている。
【0031】
<ダイス10およびカッター刃ユニット20の構成>
次に、図2図5を参照して、ダイス10、カッター刃ユニット20、および樹脂切断装置30の詳細な構成について説明する。
【0032】
<ダイス10の構成>
図2に示されるように、ダイス10は、上面10A、底面10B、および側面10Cを含む。底面10Bは、ダイホルダ6に連結されている。底面10Bには、原材料が上記流路7に流入するための流入口が形成されている。上面10Aは、底面10Bとは反対側を向いており、底面10Bに垂直な方向に底面10Bと間隔を空けて配置されている。側面10Cは、上面10Aの最外周部10AOと底面10Bの最外周部10BOとを接続する。側面10Cには、複数のダイス孔11が形成されている。
【0033】
図2に示されるように、上面10Aおよび底面10Bの中心を通るダイス10の中心軸Cは、上面10Aおよび底面10Bの各々に直交する。上面10Aは、底面10Bと同心である。側面視において、側面10Cは、中心軸Cに対して傾斜している。なお、ダイス10を側面視するとは、ダイス10の中心軸Cに対する径方向から、ダイス10を視ることをいう。
【0034】
図2に示されるように、側面視において、側面10Cは、上面10A側から底面10B側に向かうにつれて、中心軸Cから離れるように傾斜している。側面視において、上面10Aと側面10Cとが成す角度は鈍角であり、底面10Bと側面10Cとが成す角度は鋭角である。側面視において、側面10Cは、例えば直線状に延びている。
【0035】
図3に示されるように、平面視において、上面10Aおよび底面10Bの各外形状は、円形である。平面視において、側面10Cの外形状は、円環形である。平面視において、側面10Cの内周端部10EIおよび外周端部10EO(詳細は後述する)の各々は円形である。ダイス10の上面10A、底面10B、および側面10Cは、円錐台形を構成している。なお、ダイス10を平面視するとは、上面10Aに垂直な方向から、ダイス10を視ることをいう。上面10Aの半径は、底面10Bの半径よりも小さい。平面視において、上面10Aの最外周部10AOは、底面10Bの最外周部10BOよりも内側に配置されている。
【0036】
図5に示されるように、複数のダイス孔11は、側面10Cに形成されている。図5に示されるように、各ダイス孔11の孔軸は、側面10Cに直交している。各ダイス孔11の内周面は、例えば各ダイス孔11の孔軸に対して傾斜している。各ダイス孔11の内周面は、各ダイス孔11の孔径が側面10Cに近づくにつれて小さくなるように、傾斜している。
【0037】
ダイス10の側面10Cを構成する材料の硬度は、ダイス10の上面10Aを構成する材料の硬度よりも高い。図5に示されるように、ダイス10は、例えば上面10Aおよび底面10Bを構成している本体部10Dと、側面10Cを構成している硬化層10Eとを含む。硬化層10Eを構成する材料は、例えば超硬合金を含み、例えばTiC(炭化チタン)を含む。
【0038】
図5に示されるように、本体部10Dは、上面10Aの最外周部10AOと底面10Bの最外周部10BOとを接続する側面10Fを有している。上記流路7は、本体部10Dの内部に形成されている。硬化層10Eは、本体部10Dの上記側面10F上に形成されている。側面10Fのうち、上面10A側に位置する環状部分および底面10B側に位置する環状部分は、硬化層10Eから露出している。複数のダイス孔11は、硬化層10Eを貫通し、本体部10Dの側面10Fから本体部10Dの内部に形成された流路7にまで達するように形成されている。
【0039】
図5に示されるように、中心軸Cに沿った断面において、側面10Fは、例えば側面10Cと平行である。硬化層10Eの厚みは、例えば一定である。
【0040】
図5に示されるように、硬化層10Eにより構成されている側面10Cは、中心軸Cに沿った方向の上面10A側かつ中心軸Cに対する径方向の内側に位置する内周端部10EIと、中心軸Cに沿った方向の底面10B側かつ内周端部10EIよりも径方向の外側に位置する外周端部10EOとを有している。内周端部10EIの半径は、外周端部10EOの半径よりも小さい。平面視において、内周端部10EIは、外周端部10EOよりも内側に配置されている。
【0041】
内周端部10EIは、本体部10Dの側面10Fのうち硬化層10Eから露出しておりかつ上面10A側に位置する上記環状部分、および硬化層10Eの上面10A側に位置する端面を介して、上面10Aの最外周部10AOと接続されている。外周端部10EOは、本体部10Dの側面10Fのうち硬化層10Eから露出しておりかつ底面10B側に位置する上記環状部分、および硬化層10Eの底面10B側に位置する端面を介して、底面10Bの最外周部10BOと接続されている。
【0042】
側面10Cは、内周端部10EIから外周端部10EOに向かうにつれて中心軸Cから離れるように傾斜している。
【0043】
図5に示される内周端部10EIと外周端部10EOとの間の中心軸Cに対する径方向の距離L2は、図5に示される内周端部10EIと外周端部10EOとの間の側面10Cに沿った沿面距離L1よりも短い。側面10Cを中心軸Cに直交する平面に投影したときの側面10Cの投影面積は、側面10Cの面積よりも小さい。
【0044】
<カッター刃ユニット20の構成>
図2図4に示されるように、カッター刃ユニット20は、複数(例えば4個)のカッター刃21、および各カッター刃21が固定されているカッター刃ホルダ22を含む。カッター刃ユニット20の回転軸Oは、ダイス10の中心軸Cと同軸上に配置されている。
【0045】
図2に示されるように、カッター刃ホルダ22は、駆動用モータ40のシャフト41と接続されるカッター軸23と、カッター軸23に接続されかつ複数のカッター刃21を接続するためのカッター刃接続部24を含む。カッター軸23およびカッター刃接続部24は、回転軸Oを中心として回転可能である。
【0046】
カッター刃接続部24は、例えば円錐台形の外形を有している。カッター刃接続部24は、円錐台形を構成する上面24A、底面24B、および側面24Cを含む。上面24Aおよび底面24Bの各外形状は、円形である。上面24Aの半径は、底面24Bの半径よりも小さい。回転軸Oは、上面24Aおよび底面24Bの各々の中心を通り、かつ上面24Aおよび底面24Bの各々に直交する。
【0047】
上面24Aは、底面24Bとは反対側を向いており、底面24Bに垂直な方向に底面24Bと間隔を空けて配置されている。上面24Aは、カッター軸23を介して、モータ40のシャフト41と接続される。底面24Bは、ダイス10の上面10Aと対向している。側面24Cは、上面24Aの最外周部24AOと底面24Bの最外周部24BOとを接続する。側面24Cには、複数のカッター刃21が固定されている。各カッター刃21は、例えばネジ25によってカッター刃ホルダ22の側面24Cに固定されている。側面24Cには、ネジ25が螺合するように設けられたネジ穴24Dが形成されている。ネジ穴22Dは、カッター刃21を側面24Cに固定するための固定部を構成している。
【0048】
図2に示されるように、側面視において、側面24Cは、回転軸Oに対して傾斜している。なお、カッター刃ユニット20を側面視するとは、回転軸Oに対する径方向から、カッター刃ユニット20を視ることをいう。
【0049】
図2に示されるように、側面視において、側面24Cは、上面24A側から底面24B側に向かうにつれて、回転軸Oから離れるように傾斜している。異なる観点から言えば、側面24Cは、最外周部24AOから最外周部24BOに向かうにつれて、回転軸Oから離れるように傾斜している。
【0050】
側面視において、上面24Aと側面24Cとが成す角度は鈍角であり、底面24Bと側面24Cとが成す角度は鋭角である。側面視において、側面24Cは、例えば直線状に延びている。
【0051】
図2および図3に示されるように、カッター刃ホルダ22の側面24Cは、ダイス10の側面10Cと相似の関係にある。側面24Cおよび側面10Cの各々は、例えば中心軸Cおよび回転軸Oを中心とする1つの円錐面の異なる部分を構成するように設けられている。側面視において、側面24Cの延在方向は、側面10Cの延在方向に沿っている。
【0052】
図3および図4に示されるように、各カッター刃21は、回転軸Oに対して回転対称に配置されている。図3および図4に示される4個のカッター刃21は、回転軸Oに対して90度の回転対称に配置されている。
【0053】
図3および図4に示されるように、各カッター刃21は、カッター刃ホルダ22のカッター刃接続部24に固定されている内側部分21I、およびカッター刃接続部24から突出している外側部分21Oを有している。外側部分21Oは、回転軸Oに沿った方向において底面24Bの最外周部24BOから外側(ダイス10側)に突出している。外側部分21Oは、回転軸Oに対する径方向において底面24Bの最外周部24BOから外側に突出している。
【0054】
図3および図4に示されるように、平面視において、各カッター刃21の外側部分21Oは、回転軸Oに対して放射状に延びている。平面視において、各カッター刃21の外側部分21Oの外形状は、回転軸Oに対する径方向に沿った長手方向Aと、回転軸Oに対する周方向に沿った短手方向とを有している。なお、カッター刃ユニット20を平面視するとは、上面24Aに垂直な方向から、カッター刃ユニット20を視ることをいう。
【0055】
図5に示されるように、回転軸Oに沿った断面において、各カッター刃21の外側部分21Oは、側面10Cに沿って延びている。回転軸Oに沿った断面において、外側部分21Oは、カッター刃接続部24の側面24Cから直線状に延びている。
【0056】
図5に示されるように、各カッター刃21の外側部分21Oは、ダイス10の側面10Cに接触するように設けられている。外側部分21Oは、例えば、側面10Cと面接触するように設けられている接触面21Aと、接触面21Aに対してすくい角を形成しているすくい面21Bとを有している。各カッター刃21の接触面21Aは、各カッター刃21の長手方向Aに沿って延びている。接触面21Aの長手方向Aの長さは、ダイス10の側面10Cの上記沿面距離L1以上であり、例えば上記沿面距離L1と等しい。各接触面21Aを回転軸Oに直交する平面に投影したときの接触面21Aの投影面積は、接触面21Aの面積よりも小さい。
【0057】
なお、カッター刃ユニット20は、1以上のカッター刃21を含んでいればよい。カッター刃ユニット20が2以上の任意の数N個のカッター刃21を含む場合、N個のカッター刃21は、回転軸Oに対して(360/N)度の回転対称に配置される。
【0058】
<樹脂切断装置30の構成>
造粒装置100では、ダイス10の中心軸Cとカッター刃ユニット20の回転軸Oとが同軸上に配置され、かつカッター刃21がダイス10の側面10Cに押し当てられることにより、図2および図5に示される状態が実現される。図2および図5に示される状態は、造粒装置100が運転可能な状態である。本明細書では、図2および図5に示される状態を、ダイス10とカッター刃ユニット20とが連結している状態とよび、この連結している状態でのダイス10およびカッター刃ユニット20を樹脂切断装置30とよぶ。つまり、造粒装置100は、樹脂切断装置30を備える。
【0059】
側面視において、各カッター刃21の外側部分21Oは、ダイス10の側面10Cに沿って延びている。なお、樹脂切断装置30を側面視するとは、中心軸Cおよび回転軸Oに対する径方向から、樹脂切断装置30を視ることをいう。
【0060】
樹脂切断装置30では、各カッター刃21の上記接触面21Aがダイス10の側面10Cに押し当てられて、接触している。樹脂切断装置30は、ダイス10の側面10Cとカッター刃21の接触面21Aとの間に加えられる接触面圧が長手方向Aに均等となるように、設けられている。
【0061】
<チャンバ50の構成>
図2に示されるように、チャンバ50は、ダイス10およびカッター刃ユニット20を収容するように設けられている。チャンバ50は、冷却液が流入する流入部51、および冷却液とペレットとが流出する流出部52を含む。流入部51は、流入パイプ111に連結されている。流出部52は、流出パイプ112に連結されている。流入部51は、流出部52よりも下方に配置されている。流入部51は、ダイス10およびカッター刃ユニット20よりも下方に配置されている。流出部52は、ダイス10およびカッター刃ユニット20よりも上方に配置されている。これにより、チャンバ50内には、下方から上方へ向かう冷却液の流路が形成される。ダイス10の側面10Cのうち、上面10A側に位置する一部は、例えば上下方向において流入部51と流出部52との間に配置されている。
【0062】
図6に示されるように、チャンバ50は、例えばカッター刃ユニット20とともに台車60に搭載されており、カッター刃ユニット20と一体としてダイス10に対して相対的に移動するように設けられている。チャンバ50には、開口部53が形成されている。開口部53の開口面積は、中心軸Cに直交する平面上へのダイス10の投影面積、および回転軸Oに直交する平面上へのカッター刃ユニット20の投影面積よりも大きい。これにより、チャンバ50は、上記移動に際してダイス10と干渉しない。開口部53は、ダイホルダ6に押し当てられる。チャンバ50は、ダイホルダ6と水密に接続される。
【0063】
チャンバ50には、カッター刃ユニット20のカッター軸23またはモータ40のシャフト41が挿通されるための貫通孔が形成されている。
【0064】
<ペレットの製造方法>
次に、図5を参照して、造粒装置100を用いたペレットの製造方法について説明する。
【0065】
まず、造粒装置100のダイス孔11から、原材料を吐出する。次に、ダイス孔から吐出された原材料をペレット化する。具体的には、フィーダ110から供給された原材料は、ホッパー1、スクリュ式ミキサ2、ダイバーターバルブ3、ギアポンプ4、スクリーンチェンジャ5、およびダイホルダ6を経て、ダイス10の上記流路7に達する。ダイス10の流路7に達した時点で、原材料は溶融混練されている。溶融混練された原材料は、流路7から各ダイス孔11に流れ、各ダイス孔11からストランドとして側面10C上に吐出される。ストランドは、各ダイス孔11から吐出された直後に、接触面21Aが側面10Cに押し当てられかつ回転軸Oを中心に回転している各カッター刃21によって切断され、ペレットに加工される。ペレットは、チャンバ50内を流れる冷却液によって冷却され、冷却液の流れに沿って流動し、流出部52から流出パイプ112に流出する。
【0066】
その後、ペレットは、脱水・乾燥装置(図示省略)へ輸送され、脱水・乾燥装置にて乾燥される。このようにして、造粒装置100を用いて、原材料からペレットが製造される。
【0067】
<変形例>
以下、本実施形態に係るダイス10、カッター刃ユニット20、および樹脂切断装置30の変形例について説明する。
【0068】
図7図9に示されるように、側面視において、ダイス10の側面10Cおよびカッター刃21の接触面21Aの各々は、湾曲していてもよい。カッター刃21の接触面21Aは、ダイス10の側面10Cと接触するように設けられている。
【0069】
図7に示されるように、側面視において、ダイス10の側面10Cの曲率中心は、側面10Cよりもダイス10の内側に配置されてもよい。図8に示されるように、側面視において、ダイス10の側面10Cの曲率中心は、側面10Cよりもダイス10の外側に配置されていてもよい。図7および図8に示される樹脂切断装置30では、カッター刃21の接触面21Aの曲率中心は、側面10Cの曲率中心と重なるように設けられている。
【0070】
図9に示されるように、側面視において、カッター刃ホルダ22の側面24Cが湾曲していてもよい。カッター刃ホルダ22の側面24Cの曲率中心は、側面24Cよりもカッター刃ホルダ22の内側に配置されてもよい。側面視において、カッター刃ホルダ22の側面24Cの曲率中心は、側面24Cよりもカッター刃ホルダ22の外側に配置されていてもよい。
【0071】
このようなダイス10、カッター刃ユニット20、および樹脂切断装置30も、図2図6に示されたダイス10、カッター刃ユニット20、および樹脂切断装置30と基本的に同様の構成を備えているため、同様の効果を奏することができる。
【0072】
<効果>
次に、本実施の形態に係るダイス10、カッター刃ホルダ22、カッター刃ユニット20、樹脂切断装置30、および造粒装置100の効果を、比較例に係る造粒装置(図10参照)との対比に基づいて説明する。
【0073】
図10に示される比較例に係る造粒装置では、ダイス孔が形成されたダイス210の加工表面210A、および表面210Aに押し当てられて接触するカッター刃221の接触面241Aが、ダイスの中心軸Cおよびカッター刃ユニットの回転軸Oと直交するように設けられている。なお、ダイス210は、本体部210Dと、本体部210Dの表面上に形成された硬化層210Eとを含み、加工表面210Aは硬化層210Eの表面である。このような比較例では、処理量の大容量化に伴い、ダイス孔が形成されたダイス210の加工表面210Aおよびカッター刃221の接触面241Aを大きくしていくと、ダイス210およびカッター刃221が大型化し、重くなる。さらに、比較例の造粒装置では、カッター刃ホルダ222が複数のカッター刃221の全重量を受けてこれらを保持するため、カッター刃ホルダ222も大型化し、重くなる。その結果、比較例に係る造粒装置では、処理量の大容量化に伴う装置の大型化を抑制することは困難であった。
【0074】
これに対し、造粒装置100のダイス10は、底面10B、底面10Bよりも半径が小さい上面10A、および底面10Bの最外周部10BOと上面10Aの最外周部10AO側とを接続する側面10C、および側面10Cに形成されている複数のダイス孔11を含む。
【0075】
造粒装置100のカッター刃ユニット20は、カッター刃21およびカッター刃ホルダ22を備える。カッター刃ホルダ22は、底面24B、最大幅が底面24Bよりも小さい上面24A、および平面視における底面24Bの最外周部24BOと上面24Aの最外周部24AOとを接続する側面24Cを備える。カッター刃21は、側面24Cに固定されている内側部分21Iと、底面24Bの最外周部24BOから側面24Cに沿った方向に突出している外側部分21Oとを有している。
【0076】
造粒装置100の樹脂切断装置30は、ダイス10およびカッター刃ユニット20を備える。カッター刃ユニット20の回転軸Oは、ダイス10の中心軸Cと同軸上に配置されている。側面視において、カッター刃21の外側部分21Oは、ダイス10の側面10Cに沿って延びている。
【0077】
ここでは、処理量が等しい造粒装置100と比較例に係る造粒装置とを比較する。造粒装置100のダイス10の側面10Cの面積は、比較例に係る造粒装置での加工表面210Aの面積と等しくなる。また、各カッター刃21の接触面21Aの面積は、比較例に係る造粒装置での各カッター刃221の接触面241Aの面積と等しくなる。一方で、側面10Cを中心軸Cに直交する平面に投影したときの側面10Cの投影面積は、側面10Cの面積よりも小さいため、比較例での加工表面210Aの面積よりも小さくなる。同様に、各接触面21Aを回転軸Oに直交する平面に投影したときの接触面21Aの投影面積は、接触面21Aの面積よりも小さいため、比較例での接触面211Aの面積よりも小さくなる。つまり、上記対比の下では、ダイス10は比較例のダイス210と比べて小型化されており、カッター刃ユニット20は比較例のカッター刃ユニット220と比べて小型化されている。
【0078】
そのため、上記対比の下では、造粒装置100は、比較例に係る造粒装置と比べて小型化され得る。さらにその結果、造粒装置100のメンテナンス性および操作性は、比較例に係る造粒装置と比べて、向上している。
【0079】
また、ダイス10は、比較例のダイス210と比べて、軽量化され得る。言い換えると、ダイス10の重量を側面10Cの面積で割った比率は、比較例のダイス210の重量を加工表面210Aの面積で割った比率よりも小さくなり得る。
【0080】
また、ダイス10がダイス10の側面10Cの上方を移動するカッター刃21の重量の一部を受けるため、カッター刃ホルダ22が受けるべき重量は、複数のカッター刃の全重量と比べて少なくなる。そのため、カッター刃ホルダ22は、比較例のカッター刃ホルダ222と比べて、小型化および/または軽量化され得る。
【0081】
また、比較例に係る造粒装置では、カッター刃ホルダ222が複数のカッター刃221の全重量を受けるため、カッター刃ユニット220のカッター刃221側の重量とシャフト241側の重量との差が比較的大きくなり、カッター刃221側が相対的に下向きに、シャフト241側が相対的に上向きに移動して、カッター刃ユニット220がダイス210の加工表面210Aに垂直な方向に対して傾くおそれがある。つまり、カッター刃ユニット220の回転軸Oが、ダイス210の中心軸Cに対して傾くおそれがある。この場合、各カッター刃221は、ダイスの加工表面に均等に接触し難くなる。
【0082】
これに対し、造粒装置100では、カッター刃ホルダ22が受けるべき重量が複数のカッター刃の全重量と比べて少なくなるため、カッター刃ユニット20の回転軸Oが中心軸Cに対して傾き難い。その結果、各カッター刃21は、ダイス10の側面10Cに均等に接触し得る。
【0083】
また、上記対比の下では、各カッター刃21の最外周部の半径は、比較例の各カッター刃221の最外周部の半径よりも短くなる。そのため、上記対比の下で回転数が等しい場合、各カッター刃21の周速は、比較例の各カッター刃221の周速よりも低下する。一方で、上記対比の下で周速が等しい場合、各カッター刃21の回転数は、比較例の各カッター刃221の回転数よりも増加する。
【0084】
造粒装置100および比較例の造粒装置のいずれにおいても、カッター刃の周速は、冷却液中でのキャビテーション防止の観点で、制限される。造粒装置100によれば、比較例の造粒装置と同程度にキャビテーションの防止を図りながらも、カッター刃21の回転数が比較例よりも増加し得ることにより、1つのカッター刃21でより多くのペレットを加工できる。その結果、造粒装置100では、比較例と比べて、カッター刃21の数を増やすことなく、ペレットの処理量を大容量化できる。異なる観点から言えば、造粒装置100では、比較例と比べて、ペレットの製造効率を低下させることなく、カッター刃21の数を減らすことができる。
【0085】
造粒装置100でのダイス10、カッター刃ユニット20、および樹脂切断装置30以外の構成は、比較例に係る造粒装置でのダイス210およびカッター刃ユニット220以外の構成と、同等であってもよい。例えば、ホッパー1、スクリュ式ミキサ2、ダイバーターバルブ3、ギアポンプ4、およびスクリーンチェンジャ5は、比較例に係る造粒装置のそれらと同等の構成を備えていてもよい。
【0086】
本実施形態に係るペレットの製造方法は、比較例に係る造粒装置と比べて小型化されメンテナンス性および操作性が向上している造粒装置100を用いるため、比較例に係る造粒装置を用いたペレットの製造方法と比べて、多量のペレットを高効率で製造できる。
【0087】
以上のように本開示の実施の形態について説明を行なったが、上述の実施の形態を様々に変形することも可能である。また、本開示の範囲は上述の実施の形態に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0088】
1 ホッパー、2 スクリュ式ミキサ、3 ダイバーターバルブ、4 ギアポンプ、5 スクリーンチェンジャ、6 ダイホルダ、7 流路、10 ダイス、10A 上面、10B 底面、10C,10F 側面、10D 本体部、10E 硬化層、10EI 内周端部、10EO 外周端部、11 ダイス孔、20 カッター刃ユニット、21 カッター刃、21A 接触面、21B すくい面、21I 内側部分、21O 外側部分、22 カッター刃ホルダ、23 カッター軸、24 カッター刃接続部、24A 上面、24AO 最外周部、24B 底面、24BO 最外周部、24C 側面、24D ネジ穴、25 ネジ、30 樹脂切断装置、40 モータ、41 シャフト、50 チャンバ、51 流入部、52 流出部、53 開口部、60 台車、100 造粒装置、110 フィーダ、111 流入パイプ、112 流出パイプ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10