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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-05
(45)【発行日】2024-08-14
(54)【発明の名称】衣類乾燥装置
(51)【国際特許分類】
   D06F 37/04 20060101AFI20240806BHJP
   D06F 37/22 20060101ALI20240806BHJP
   D06F 34/14 20200101ALN20240806BHJP
   D06F 58/36 20200101ALN20240806BHJP
【FI】
D06F37/04
D06F37/22
D06F34/14
D06F58/36
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021048163
(22)【出願日】2021-03-23
(65)【公開番号】P2022147065
(43)【公開日】2022-10-06
【審査請求日】2023-12-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000000284
【氏名又は名称】大阪瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100154726
【弁理士】
【氏名又は名称】宮地 正浩
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 開斗
(72)【発明者】
【氏名】染澤 俊介
(72)【発明者】
【氏名】石木 達也
【審査官】渡邉 洋
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-157781(JP,A)
【文献】実開平05-092881(JP,U)
【文献】特開2000-036070(JP,A)
【文献】特表2022-518998(JP,A)
【文献】国際公開第2020/083077(WO,A1)
【文献】特開2017-012508(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F37/00-37/42
D06F58/36
D06F34/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、前記筐体の内部に設けられて水平方向に沿う回転軸心周りに回転する回転ドラムとを備え、
前記回転ドラムは、衣類を乾燥させるための乾燥室が内部に形成された円筒状の円筒部を備え、
前記筐体は、前記円筒部内の前記乾燥室に衣類を投入するための円形状の投入口を備え、
前記投入口は、前記円筒部より小径に形成されて、前記回転軸心が沿う軸心方向視で前記円筒部内に位置し、
前記円筒部は、前記回転ドラムが回転する際の通常状態から前記円筒部の径方向の内側に移動させた収縮状態に収縮可能な収縮部分を備え、
前記収縮部分を前記通常状態から前記収縮状態に収縮させる収縮手段を備えている衣類乾燥装置。
【請求項2】
前記回転ドラムを前記回転軸心周りに回転させる回転駆動手段と、
前記回転ドラムの回転位置を検出可能な回転位置検出手段と、
運転を制御する運転制御手段とを備え、
前記収縮部分は、前記円筒部における周方向の一部に備えられ、
前記運転制御手段は、前記回転ドラムを回転させて前記乾燥室の衣類を攪拌させながら乾燥させる乾燥制御と、前記回転位置検出手段の検出に基づいて、前記乾燥制御において回転させた前記回転ドラムを前記収縮部分が前記円筒部の下部に位置する設定回転位置で停止させる停止制御と、前記停止制御後において前記収縮部分を前記通常状態から前記収縮状態に収縮させる収縮制御とを実行する請求項1に記載の衣類乾燥装置。
【請求項3】
前記乾燥室内の衣類を検出する衣類検出手段を備え、
前記運転制御手段は、前記停止制御後において前記衣類検出手段の検出に基づいて前記乾燥室内の衣類がなくなったと判定した場合に前記収縮部分を前記収縮状態から前記通常状態に膨張させる膨張制御を実行する請求項2に記載の衣類乾燥装置。
【請求項4】
前記収縮部分は、前記円筒部の周方向に並ぶ多数の板状部によって構成され、
前記多数の板状部の夫々は、前記収縮部分が前記円筒部の下部に位置する状態において、上方側に隣接する別の板状部に対して上方側に移動可能に連結されている請求項2又は3に記載の衣類乾燥装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衣類を乾燥する衣類乾燥装置で、特に、筐体と、前記筐体の内部に設けられて水平方向に沿う回転軸心周りに回転する回転ドラムとを備えている衣類乾燥装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、筐体(本体ケース2)と、筐体の内部に設けられて水平方向に沿う回転軸心周りに回転する回転ドラム3とを備えている衣類乾燥装置が示されている。このような衣類乾燥装置は、回転ドラムの円筒状の円筒部の内部に乾燥室が形成されており、筐体には、円筒部内の乾燥室に対して衣類を出し入れするための円形状の投入口(衣類投入口4)が備えられている。そして、回転ドラムの回転によって乾燥室の衣類を攪拌しながら乾燥させた後、その乾燥した衣類を投入口から取り出すようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-047066号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、衣類乾燥装置の投入口は、回転ドラムの円筒部より小径に形成されており、乾燥室の下部が筐体の投入口の周縁部で遮られることによって目視し難い構造となっている。そのため、乾燥した衣類を投入口から取り出す場合に、乾燥室の下部にある衣類に気付かず、衣類の取り忘れが生じることがある。
【0005】
この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、衣類の取り忘れが生じ難い衣類乾燥装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1特徴構成は、筐体と、前記筐体の内部に設けられて水平方向に沿う回転軸心周りに回転する回転ドラムとを備え、
前記回転ドラムは、衣類を乾燥させるための乾燥室が内部に形成された円筒状の円筒部を備え、
前記筐体は、前記円筒部内の前記乾燥室に衣類を投入するための円形状の投入口を備え、
前記投入口は、前記円筒部より小径に形成されて、前記回転軸心が沿う軸心方向視で前記円筒部内に位置し、
前記円筒部は、前記回転ドラムが回転する際の通常状態から前記円筒部の径方向の内側に移動させた収縮状態に収縮可能な収縮部分を備え、
前記収縮部分を前記通常状態から前記収縮状態に収縮させる収縮手段を備えている点にある。
【0007】
本構成によれば、乾燥した衣類を投入口から取り出す際に、収縮部分が円筒部の下部に位置する状態で収縮部分を通常状態から収縮状態に収縮させることで、収縮部分を径方向の内側となる上方側に移動させることができ、これに伴って乾燥室の下部も上方側に移動させることができるので、乾燥室の下部が投入口の周縁部に遮られ難くなり、乾燥室の下部にある衣類を目視し易くなる。そのため、乾燥室の下部にある衣類に気付き易くなり、衣類の取り忘れが生じ難くなる。
また、円筒部の全体を上方側に移動させて乾燥室の下部を上方側に移動させる場合では、円筒部の上方側にスペースを確保する必要があるが、本構成は、円筒部を収縮させて乾燥室の下部を上方側に移動させる構成であるため、このようなスペースを確保する必要がなく、筐体の大型化を抑制することができる。
【0008】
本発明の第2特徴構成は、前記回転ドラムを前記回転軸心周りに回転させる回転駆動手段と、
前記回転ドラムの回転位置を検出可能な回転位置検出手段と、
運転を制御する運転制御手段とを備え、
前記収縮部分は、前記円筒部における周方向の一部に備えられ、
前記運転制御手段は、前記回転ドラムを回転させて前記乾燥室の衣類を攪拌させながら乾燥させる乾燥制御と、前記回転位置検出手段の検出に基づいて、前記乾燥制御において回転させた前記回転ドラムを前記収縮部分が前記円筒部の下部に位置する設定回転位置で停止させる停止制御と、前記停止制御後において前記収縮部分を前記通常状態から前記収縮状態に収縮させる収縮制御とを実行する点にある。
【0009】
本構成によれば、乾燥制御による衣類の乾燥が終わった場合は、停止制御によって円筒部における周方向の一部に備えられた収縮部分が円筒部の下部に位置するように停止し、その後に実行される収縮制御によって自動的に収縮部分が通常状態から収縮状態に収縮するため、衣類を取り出す作業を行う者は、特別な操作をすることなく、乾燥室の下部にある乾燥した衣類を目視し易い状態とすることができる。
【0010】
本発明の第3特徴構成は、前記乾燥室内の衣類を検出する衣類検出手段を備え、
前記運転制御手段は、前記停止制御後において前記衣類検出手段の検出に基づいて前記乾燥室内の衣類がなくなったと判定した場合に前記収縮部分を前記収縮状態から前記通常状態に膨張させる膨張制御を実行する点にある。
【0011】
本構成によれば、乾燥制御によって、衣類の乾燥が終わった場合に円筒部における周方向の一部に備えられた収縮部分が円筒部の下部に位置するように停止し、その後、収縮制御によって、収縮部分が通常状態から収縮状態に収縮するため、衣類を取り出す作業を行う者は、特別な操作をすることなく、乾燥室の下部にある衣類を目視し易い状態とすることができる。
【0012】
本発明の第4特徴構成は、前記収縮部分は、前記円筒部の周方向に並ぶ多数の板状部によって構成され、
前記多数の板状部の夫々は、前記収縮部分が前記円筒部の下部に位置する状態において、上方側に隣接する別の板状部に対して上方側に移動可能に連結されている点にある。
【0013】
本構成によれば、多数の板状部は、収縮部分が通常状態となっている状態では円弧状に並んでおり、この状態から、板状部の夫々を上方側に隣接する別の板状部に対して径方向の内側となる上方側に移動させて収縮部分を収縮させることで、円筒部の下部を径方向の内側に移動させながら通常状態に比べて扁平な形状とすることができるため、乾燥室の下部にある衣類を取り出し易くなる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】衣類乾燥装置の概略構成図
図2】収縮部分が通常状態となっている回転ドラムの縦断側面図
図3】収縮部分が通常状態となっている回転ドラムの縦断正面図
図4】収縮部分が収縮状態となっている回転ドラムの縦断正面図
図5】運転制御部の制御フローチャート
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明に係る衣類乾燥装置の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1に示す本実施形態の衣類乾燥装置1は、脱水後の湿った衣類Cを乾燥させるための乾燥装置であって、筐体10と、前扉15を開放して内部に形成された乾燥室13に衣類Cが投入される回転ドラム12と、当該乾燥室13に温風Hを供給するための温風供給手段Yと、当該乾燥室13から排気Eを排出するための排気風路23及び通気ファン20と、回転ドラム12の少なくとも一部を回転ドラム12の径方向の内側に収縮させる収縮手段40と、回転ドラム12を回転軸心P周りに回転させる回転駆動手段Xと、衣類乾燥装置1の運転を制御する運転制御部50(運転制御手段の一例)などが備えられている。回転ドラム12、温風供給手段Y、排気風路23、通気ファン20、収縮手段40、回転駆動手段X、及び運転制御部50などは、筐体10の内部に設けられている。
【0016】
筐体10は、回転ドラム12内の乾燥室13に衣類Cを投入するための円形状の投入口16を備えている。回転ドラム12は、水平方向に沿う回転軸心P周りに回転する。衣類乾燥装置1は、乾燥させる衣類Cを投入口16から乾燥室13に投入し、回転ドラム12を回転させて乾燥室13内の衣類Cを攪拌させながら乾燥室13内に温風Hを供給して衣類Cを乾燥させ、その乾燥した乾燥室13内の衣類Cを投入口16から取り出すようになっている。以下、衣類乾燥装置1の各構成について説明するが、回転ドラム12の回転軸心Pが沿う軸心方向において、回転ドラム12に対して投入口16がある側を前方側とし、その反対側を後方側として説明する。
【0017】
回転ドラム12は、水平の回転軸心P周りに回転自在に支持されており、駆動モータ25によりベルトB12を介して回転駆動される。そして、回転ドラム12が回転駆動されることで、その内部に形成された乾燥室13に収容されている衣類Cが攪拌される。駆動モータ25によってベルトB12を介して回転ドラム12を回転駆動する機構が、回転駆動手段Xとして機能する。尚、「水平方向に沿う」には、水平方向に対して数度程度傾いた状態も含んでおり、回転ドラム12は、水平に対して前方側ほど上方側に位置するように数度程度傾けた傾斜姿勢で回転自在に支持されていても構わない。
【0018】
乾燥室13の前方側壁面には、給気口36が乾燥室13に臨む姿勢で開口しており、乾燥室13の後方側は、フィルタ17が装着された後側開口28を通じて通気ファン20の一次側(吸引側)に連通されている。乾燥室13の前方側壁面を形成する前壁部18は、筐体10に固定されている。前壁部18には、回転軸心Pが中心に位置するように投入口16が形成されている。そして、前壁部18における投入口16より下方側の部分に給気口36が形成されている。
【0019】
図1に示すように、衣類乾燥装置1には、回転ドラム12の回転位置を検出可能な回転位置検出手段38が備えられている。回転位置検出手段38は、例えば、回転ドラム12の回転に伴ってパルス信号を出力するロータリーエンコーダによって構成されており、運転制御部50は、回転位置検出手段38からのパルス信号に基づいて回転ドラム12の基準回転位置からの回転量を判定するように構成されている。尚、回転位置検出手段38は、回転ドラム12に設置された反射板を検出する光電センサ等によって構成して、回転ドラム12の所定の回転位置を検出するようにしても構わない。
【0020】
また、衣類乾燥装置1には、乾燥室13内の衣類Cを検出する衣類検出手段39が備えられている。衣類検出手段39は、例えば、レーザセンサ等によって乾燥室13内の衣類Cを直接的に検出する他、回転ドラム12の重量を検出する重量センサ等によって乾燥室13内の衣類Cを間接的に検出するようにしても構わない。運転制御部50は、衣類検出手段39からの検出情報に基づいて乾燥室13内の衣類Cの存否を判定するように構成されている。
【0021】
排気風路23は、屋内に敷設されて屋外に通じる排気ダクト22が接続される風路である。そして、通気ファン20は、乾燥室13の温風Hを排気Eとして取り込んで排気風路23及び排気ダクト22内に送出するファンであって、駆動モータ25によりベルトB20を介して回転駆動される。そして、通気ファン20が回転駆動されて作動することにより、筐体10の底面に形成された開口部を通じて屋内から筐体10内に空気Aを流入させ、その流出した空気Aを、給気風路35を通して温風Hとして給気口36から乾燥室13に取り込み、乾燥室13から排気風路23及び排気ダクト22内に向けて通気させることができる。回転ドラム12の下方には、温風Hを生成して給気口36に通じる給気風路35に供給するバーナ31が設けられている。そして、通気ファン20を作動させて乾燥室13に通気させながらバーナ31を作動して乾燥室13に流入する空気Aを加熱して温風Hを生成する機構が、乾燥室13に温風Hを供給する温風供給手段Yとして機能する。
【0022】
図1及び図2に示すように、回転ドラム12は、衣類Cを乾燥させるための乾燥室13が内部に形成された円筒状の円筒部26と、乾燥室13の後方側壁面を形成する後壁部27とを備えている。後壁部27には、フィルタ17(図1参照)が装着された後側開口28が形成されている。
図3及び図4に示すように、円筒部26は、その内径が投入口16より大径に形成されており、軸心方向に沿う軸心方向視で投入口16より外側に位置している。換言すれば、投入口16は、円筒部26より小径に形成されて、軸心方向視で円筒部26内に位置している。
【0023】
図2から図4に示すように、円筒部26は、回転ドラム12が回転する際の通常状態(図2及び図3参照)から円筒部26の径方向の内側に移動させた収縮状態(図4参照)に収縮可能な収縮部分42を備えている。収縮部分42は、円筒部26における周方向の一部に備えられており、円筒部26は、収縮する収縮部分42と、この収縮部分42以外の部分であり収縮しない本体部分43とで構成されている。
【0024】
本実施形態では、収縮部分42は、円筒部26の周方向に並ぶ多数の板状部44によって構成されている。本実施形態では、収縮部分42は、円筒部26の周方向に並ぶ5つの板状部44によって構成されており、本体部分43に接続されている一対の第1板状部46と、一対の第1板状部46の夫々に各別に接続されている一対の第2板状部47と、一対の第2板状部47に接続されている1つの第3板状部48とで構成されている。本体部分43は、軸心方向視で円形から下部を切り欠いた円弧状に形成されており、その下端部から下方側に突出する状態で本体接続体43Cを備えている。
【0025】
一対の第1板状部46の夫々は、本体部分43と第2板状部47との間に位置してこれらの間を塞ぐように備えられている。一対の第1板状部46の夫々は、軸心方向に沿って設置された長尺状の第1板状体46Aと、本体部分43の本体接続体43Cが接続されている第1被接続体46Bと、第2板状部47に接続している第1接続体46Cとを備えている。第1被接続体46Bは、第1板状体46Aから幅方向の外側に突出する状態で第1板状体46Aに固定されている。第1接続体46Cは、第1板状体46Aから下方側に突出する状態で第1板状体46Aに固定されている。
【0026】
第1被接続体46Bと本体接続体43Cとの接続について説明を加えると、第1被接続体46Bには上下方向に貫通する孔が形成されており、本体接続体43Cは、棒状に形成されて第1被接続体46Bの孔に挿通されている。そして、図3に示すように、第1被接続体46Bの本体接続体43Cに対する下方側への移動は、本体接続体43Cの先端部に備えられている抜け止めによって規制されている。また、図4に示すように、第1被接続体46Bの本体接続体43Cに対する上方側への移動は、第1板状部46が本体部分43の下端部に接触することで規制されている。つまり、本体部分43に対する第1板状部46の昇降可能量は、本体接続体43Cの抜け止めまでの距離によって設定される。
【0027】
一対の第2板状部47の夫々は、第1板状部46と第3板状部48との間に位置してこれらの間を塞ぐように備えられている。一対の第2板状部47の夫々は、軸心方向に沿って設置された長尺状の第2板状体47Aと、第1板状部46の第1接続体46Cが接続されている第2被接続体47Bと、第3板状部48に接続している第2接続体47Cとを備えている。第2被接続体47Bは、第2板状体47Aから幅方向の外側に突出する状態で第2板状体47Aに固定されている。第2接続体47Cは、第2板状体47Aから下方側に突出する状態で第2板状体47Aに固定されている。尚、第2被接続体47Bと第1接続体46Cとの接続は、第1被接続体46Bと本体接続体43Cとの接続と同様の構成であるため説明は省略する。
【0028】
第3板状部48は、一対の第2板状部47の間に位置してこれらの間を塞ぐように備えられている。第3板状部48は、軸心方向に沿って設置された長尺状の第3板状体48Aと、第2板状部47の第2接続体47Cが接続されている第3被接続体48Bとを備えている。第3被接続体48Bは、第3板状体48Aから幅方向の外側に突出する状態で第3板状体48Aに固定されており、第3被接続体48Bとして、幅方向の一方側の外側に突出する第3被接続体48Bと幅方向の他方側の外側に突出する第3被接続体48Bとの2組の第3被接続体48Bが備えられている。尚、第3被接続体48Bと第2接続体47Cとの接続は、第1被接続体46Bと本体接続体43Cとの接続と同様の構成であるため説明は省略する。
【0029】
収縮部分42を通常状態に弾性的に保持する保持手段を備えてもよい。具体的には、例えば、保持手段として、第1板状体46Aと第2被接続体47Bとのように上下方向に隣接する板状体と被接続体との間に、圧縮状態の弾性体を介在させ、この弾性体の付勢力によって隣接する板状体と被接続体とが互いに離間する構成としてもよい。このように構成することで、回転ドラム12が回転する際は、図1から図3に示すように、弾性体の付勢力によって収縮部分42は通常状態に膨張する。そして、図3に示すように、収縮部分42が円筒部26の下部にある状態で、収縮手段40(図1参照)によって弾性体の付勢力に抗して第3板状部48を上方側に持ち上げることで、図4に示すように、収縮部分42を上方側(径方向の内側)に変形させて収縮状態に収縮させることができる。尚、このような保持手段を備えずに、収縮部分42が円筒部26の下部にある状態で収縮部分42の自重によって通常状態となる構成でもよい。
【0030】
また、収縮部分42に形成される隙間を塞ぐ閉塞手段を備えてもよい。具体的には、例えば、閉塞手段として、収縮部分42の内側を覆うように膜状に形成された変形可能な樹脂製の膜状材を設置して、収縮部分42が収縮するに伴って膜状材も収縮するように構成してもよい。このように膜状材を設置することで、収縮部分42に形成される隙間を塞ぐことができると共に、収縮部分42に形成されている段差を緩和することが可能となる。
また、本実施形態では、収縮部分42は、通常状態において円弧状に近い形状となるように、板状体や接続体や被接続体の厚みや幅方向の長さ及び固定される位置が設定されており、通常状態から収縮状態に収縮することで扁平な形状となるように構成されている。
【0031】
図1に示されている収縮手段40は、収縮部分42を通常状態(図2及び図3参照)から収縮状態(図4参照)に収縮させるように構成されている。具体的には、例えば、収縮手段40は、上下方向に沿って伸縮するように設置された1つ又は複数のシリンダによって構成されており、シリンダが短縮した状態では、円筒部26に対して下方側に離間する状態で位置しており、円筒部26が回転する際に収縮手段40が円筒部26に干渉しないようになっている。そして、図2図3に示すように、収縮部分42が円筒部26の下部に位置する状態でシリンダが上方側に向けて伸長することで、通常状態の収縮部分42の第3板状体48Aを下方側から押し上げるようにして、収縮部分42を通常状態から収縮状態に収縮させるように構成されている。
【0032】
運転制御部50は、乾燥制御と停止制御と収縮制御と膨張制御とを実行する。これら乾燥制御と停止制御と収縮制御と膨張制御は記載順に実行される。乾燥制御は、回転ドラム12を回転させて乾燥室13の衣類Cを攪拌させながら乾燥させる制御である。停止制御は、回転位置検出手段38の検出に基づいて、乾燥制御において回転させた回転ドラム12を収縮部分42が円筒部26の下部に位置する設定回転位置で停止させる制御である。収縮制御は、乾燥制御後に収縮部分42を通常状態から収縮状態に収縮させる制御である。膨張制御は、乾燥収縮制御後において衣類検出手段39の検出に基づいて乾燥室13内の衣類Cがなくなったと判定した場合に収縮部分42を収縮状態から通常状態に膨張させる制御である。
【0033】
図5の制御フローチャートに基づいて運転制御部50の制御について説明を加えると、運転制御部50は、筐体10の外面に備えられている操作盤(図示省略)によって乾燥運転の操作が行われる(S1のYesの場合)と、乾燥制御を開始する(S2)。乾燥制御では、回転ドラム12を回転させて乾燥室13内の衣類Cを攪拌させながら乾燥させるように温風供給手段Yと回転駆動手段Xとを制御する。そして、回転ドラム12の回転を開始させてから設定時間経過後、又は、図外の乾燥度検出手段の検出に基づいて乾燥室13の衣類Cが乾燥したと判定した場合に停止制御を開始する(S3)。停止制御では、回転ドラム12を設定回転位置で停止させるように回転位置検出手段38の回転情報に基づいて回転駆動手段Xを制御する。このように、乾燥制御と停止制御とを実行することで、乾燥室13内の衣類Cを乾燥させることができると共に、衣類Cの乾燥が完了した後、収縮部分42が円筒部26の下部に位置する設定回転位置で回転ドラム12が停止する。
【0034】
そして、運転制御部50は、停止制御によって回転ドラム12の回転が停止した後、収縮制御を実行する(S4)。収縮制御では、通常状態の収縮部分42の第3板状体48Aを下方側から押し上げるように収縮手段40を制御して、収縮部分42を通常状態から収縮状態に収縮する。このように、収縮制御を実行することで、乾燥室13の下部が上方側に移動するため、乾燥室13の下部が投入口16の周縁部に遮られ難くなる。
【0035】
そして、運転制御部50は、収縮制御を実行した後、乾燥室13に衣類Cが存在すると判定した場合(S5のNoの場合)は、収縮部分42を収縮状態に維持し、乾燥室13内の衣類Cが取り除かれ、衣類検出手段39の検出に基づいて乾燥室13に衣類Cが存在しないと判定した場合(S5のYesの場合)は、膨張制御を実行する(S6)。膨張制御では、収縮手段40を下方側に退避させるように収縮手段40を制御する。このように、膨張制御を実行することで、収縮部分42の自重や弾性体の付勢力によって収縮部分42が下方側に向けて膨張し、収縮部分42は習熟状態から通常状態に膨張する。
【0036】
〔別実施形態〕
本発明の他の実施形態について説明する。尚、以下に説明する各実施形態の構成は、それぞれ単独で適用することに限らず、他の実施形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
【0037】
(1)上記実施形態では、収縮部分42を、円筒部26の周方向に並ぶ多数の板状部44によって構成したが、収縮部分42の構成は適宜変更しても構わない。例えば、収縮部分42を、回転軸心Pを中心とした円弧状に形成して、後壁部27に対して径方向に移動可能に支持する構成としてもよい。また、収縮部分42を、通常状態において回転軸心Pを中心とした円弧状となる円弧板状体の多数を、周方向の一部が互いに重なる状態で周方向に並べて構成してもよい。このように多数の円弧板状体で構成した場合、収縮部分42を収縮状態とするべく多数の円弧板状体を径方向の内側に移動させるに伴って、曲がり具合が大きく且つ周方向の互いの重なりが大きくなるようにして、収縮部分42を収縮状態とした状態における多数の円弧板状体が回転軸心Pを中心とした円弧状となるように構成してもよい。
また、収縮部分42を、円筒部26における周方向の一部に備える構成としたが、収縮部分42を、円筒部26における周方向の全体に備える構成として、円筒部26の全体が収縮可能な構成としてもよい。
また、収縮部分42における接続体を、板状体に対して回転軸心Pに沿う軸心周りに揺動可能に接続してもよく、被接続体の孔を幅方向(平面視で軸心方向に対して直交する方向)に沿う長孔に形成して、接続体が被接続体に対して揺動することや幅方向にスライド移動することが可能な構成としてもよい。
【0038】
(2)上記実施形態では、回転位置検出手段38の検出に基づいて、乾燥制御において回転させた回転ドラム12を収縮部分42が円筒部26の下部に位置する設定回転位置で停止させる停止制御を実行したが、このような停止制御を実行せずに、例えば、本体部分43に比べて収縮部分42を重くしておき、回転ドラム12の回転を停止させた際に回転ドラム12を自由に回転できるようにして、収縮部分42の重量によって収縮部分42が設定回転位置に位置する状態で回転ドラム12が停止するようにしてもよい。
【0039】
(3)上記実施形態では、収縮部分42を収縮状態に収縮させた状態において、収縮部分42の内面を、投入口16の外周縁より径方向の外側に位置する構成としたが、収縮部分42を収縮状態に収縮させた状態において、収縮部分42の内面を、径方向において投入口16の外周縁と同じ位置としてもよく、収縮部分42の内面を、投入口16の外周縁より径方向の内側に位置する構成としてもよい。
【0040】
(4)上記実施形態では、運転制御部50は、衣類検出手段39の検出に基づいて乾燥室13内の衣類Cがなくなったと判定した場合に膨張制御を実行したが、前扉15が開き状態から閉じられたと判定した場合に膨張制御を実行してもよい。
【0041】
(5)上記実施形態では、収縮手段40を、上下方向に沿って伸縮するように設置された1つ又は複数のシリンダによって構成したが、収縮手段40を、駆動部でXリンク機構を上下方向に伸縮させるXリンク式の昇降機構によって構成してもよい。
【符号の説明】
【0042】
1 衣類乾燥装置
10 筐体
12 回転ドラム
13 乾燥室
16 投入口
26 円筒部
38 回転位置検出手段
40 収縮手段
42 収縮部分
44 板状部
50 運転制御部(運転制御手段)
C 衣類
P 回転軸心
X 回転駆動手段
図1
図2
図3
図4
図5