(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-05
(45)【発行日】2024-08-14
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/338 20060101AFI20240806BHJP
H01L 29/812 20060101ALI20240806BHJP
H01L 29/778 20060101ALI20240806BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20240806BHJP
H01L 29/78 20060101ALI20240806BHJP
H01L 29/423 20060101ALI20240806BHJP
H01L 29/49 20060101ALI20240806BHJP
H01L 21/28 20060101ALI20240806BHJP
H01L 29/41 20060101ALI20240806BHJP
H01L 29/417 20060101ALI20240806BHJP
【FI】
H01L29/80 F
H01L29/80 H
H01L29/78 301B
H01L29/78 301G
H01L29/78 301H
H01L29/58 G
H01L21/28 301B
H01L29/44 S
H01L29/44 Y
H01L29/50 M
(21)【出願番号】P 2021121276
(22)【出願日】2021-07-26
【審査請求日】2023-03-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(74)【代理人】
【識別番号】110004026
【氏名又は名称】弁理士法人iX
(72)【発明者】
【氏名】梶原 瑛祐
(72)【発明者】
【氏名】蔵口 雅彦
【審査官】恩田 和彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-169572(JP,A)
【文献】特開2014-110320(JP,A)
【文献】特開2010-135640(JP,A)
【文献】特開2013-197305(JP,A)
【文献】特開2005-244072(JP,A)
【文献】特開2008-187173(JP,A)
【文献】特開2008-004720(JP,A)
【文献】特開2020-150141(JP,A)
【文献】特開2012-169470(JP,A)
【文献】特開2012-204577(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 29/778
H01L 29/812
H01L 21/338
H01L 21/336
H01L 21/337
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
Al
x1Ga
1-x1N(0≦x1<1)を含む第1窒化物部材であって、前記第1窒化物部材は、第1平面に沿う第1面と、前記第1平面に沿う第2面と、第3面と、を含み、前記第1平面に沿う第1方向における前記第1面の位置は、前記第1方向における前記第2面の位置とは異なり、前記第1平面と交差する第2方向における前記第1面の位置は、前記第2方向における前記第2面の位置とは異なり、前記第3面は、前記第1面と前記第2面との間において前記第1面及び前記第2面と接続され、前記第3面は前記第1平面と交差し、前記第1面は、前記第2方向において前記第1窒化物部材の一部と重なる、前記第1窒化物部材と、
Al
x2Ga
1-x2N(x1<x2≦1)を含む第2窒化物部材であって、前記第2窒化物部材は、前記第1面に設けられた第1窒化物領域を含む、前記第2窒化物部材と、
Al
x3Ga
1-x3N(x1<x3≦1)を含む第3窒化物部材であって、前記x3は、前記x2とは異なり、前記第3窒化物部材は、前記第2面に設けられた第1窒化物部分を含む、前記第3窒化物部材と、
第1接続部分を含む第1電極であって、前記第1接続部分は、前記第1面及び前記第1窒化物領域の少なくともいずれかと接続された、前記第1電極と、
第2接続部分を含む第2電極であって、前記第2接続部分は、前記第2面及び前記第1窒化物部分の少なくともいずれかと接続された、前記第2電極と、
第1電極部分を含む第3電極と、
第1絶縁領域を含む第1絶縁部材であって、前記第1絶縁領域は、前記第1電極部分と前記第3面との間に設けられた、前記第1絶縁部材と、
を備え
、
前記第2方向における前記第1面の前記位置と、前記第2方向における前記第2面の前記位置と、の間の前記第2方向に沿う距離は、100nm以上400nm以下である、半導体装置。
【請求項2】
Al
x1Ga
1-x1N(0≦x1<1)を含む第1窒化物部材であって、前記第1窒化物部材は、第1平面に沿う第1面と、前記第1平面に沿う第2面と、第3面と、を含み、前記第1平面に沿う第1方向における前記第1面の位置は、前記第1方向における前記第2面の位置とは異なり、前記第1平面と交差する第2方向における前記第1面の位置は、前記第2方向における前記第2面の位置とは異なり、前記第3面は、前記第1面と前記第2面との間において前記第1面及び前記第2面と接続され、前記第3面は前記第1平面と交差し、前記第1面は、前記第2方向において前記第1窒化物部材の一部と重なる、前記第1窒化物部材と、
Al
x2Ga
1-x2N(x1<x2≦1)を含む第2窒化物部材であって、前記第2窒化物部材は、前記第1面に設けられた第1窒化物領域を含む、前記第2窒化物部材と、
Al
x3Ga
1-x3N(x1<x3≦1)を含む第3窒化物部材であって、前記x3は、前記x2とは異なり、前記第3窒化物部材は、前記第2面に設けられた第1窒化物部分を含む、前記第3窒化物部材と、
第1接続部分を含む第1電極であって、前記第1接続部分は、前記第1面及び前記第1窒化物領域の少なくともいずれかと接続された、前記第1電極と、
第2接続部分を含む第2電極であって、前記第2接続部分は、前記第2面及び前記第1窒化物部分の少なくともいずれかと接続された、前記第2電極と、
第1電極部分を含む第3電極と、
第1絶縁領域を含む第1絶縁部材であって、前記第1絶縁領域は、前記第1電極部分と前記第3面との間に設けられた、前記第1絶縁部材と、
を備え
、
前記第2窒化物部材は、第3窒化物領域をさらに含み、
前記第1窒化物部分の少なくとも一部は、前記第2面と前記第3窒化物領域との間にある、半導体装置。
【請求項3】
Al
x1Ga
1-x1N(0≦x1<1)を含む第1窒化物部材であって、前記第1窒化物部材は、第1平面に沿う第1面と、前記第1平面に沿う第2面と、第3面と、を含み、前記第1平面に沿う第1方向における前記第1面の位置は、前記第1方向における前記第2面の位置とは異なり、前記第1平面と交差する第2方向における前記第1面の位置は、前記第2方向における前記第2面の位置とは異なり、前記第3面は、前記第1面と前記第2面との間において前記第1面及び前記第2面と接続され、前記第3面は前記第1平面と交差し、前記第1面は、前記第2方向において前記第1窒化物部材の一部と重なる、前記第1窒化物部材と、
Al
x2Ga
1-x2N(x1<x2≦1)を含む第2窒化物部材であって、前記第2窒化物部材は、前記第1面に設けられた第1窒化物領域を含む、前記第2窒化物部材と、
Al
x3Ga
1-x3N(x1<x3≦1)を含む第3窒化物部材であって、前記x3は、前記x2とは異なり、前記第3窒化物部材は、前記第2面に設けられた第1窒化物部分を含む、前記第3窒化物部材と、
第1接続部分を含む第1電極であって、前記第1接続部分は、前記第1面及び前記第1窒化物領域の少なくともいずれかと接続された、前記第1電極と、
第2接続部分を含む第2電極であって、前記第2接続部分は、前記第2面及び前記第1窒化物部分の少なくともいずれかと接続された、前記第2電極と、
第1電極部分を含む第3電極と、
第1絶縁領域を含む第1絶縁部材であって、前記第1絶縁領域は、前記第1電極部分と前記第3面との間に設けられた、前記第1絶縁部材と、
を備え
、
第1絶縁部分を含む第2絶縁部材をさらに備え、
前記第1窒化物部分は、前記第2面と前記第1絶縁部分との間にある、半導体装置。
【請求項4】
前記第2窒化物部材は、第3窒化物領域をさらに含み、
前記第1窒化物部分の少なくとも一部は、前記第2面と前記第3窒化物領域との間にあり、
前記第3窒化物領域の少なくとも一部はアモルファスである、または、前記第3窒化物領域の結晶性は、前記第1窒化物領域の結晶性よりも低い、請求項
3に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第1絶縁部分の少なくとも一部はアモルファスである、請求項
3または
4に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記第2絶縁部材は、SiN、SiON、SiO
2、AlO
2、AlON、AlSiO、及び、AlSiONよりなる群から選択された少なくとも1つを含む、請求項
3~
5のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項7】
前記第1接続部分と前記第3電極との間の前記第1方向に沿う第1距離は、前記第2接続部分と前記第3電極との間の前記第1方向に沿う第2距離よりも短く、
前記x3は、前記x2よりも低い、請求項1
~6のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項8】
前記第2窒化物部材は、第2窒化物領域を含み、
前記第2窒化物領域は、前記第1絶縁領域と前記第3面との間に設けられた、請求項1
~7のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項9】
前記第1窒化物領域の前記第2方向に沿う第1厚さは、前記第1窒化物部分の前記第2方向に沿う第2厚さよりも薄い、請求項1~
8のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項10】
前記第1厚さは、1nm以上10nm以下であり、
前記第2厚さは、20nm以上40nm以下である、請求項
9に記載の半導体装置。
【請求項11】
Al
x1Ga
1-x1N(0≦x1<1)を含む第1窒化物部材であって、前記第1窒化物部材は、第1平面に沿う第1面と、前記第1平面に沿う第2面と、第3面と、を含み、前記第1平面に沿う第1方向における前記第1面の位置は、前記第1方向における前記第2面の位置とは異なり、前記第1平面と交差する第2方向における前記第1面の位置は、前記第2方向における前記第2面の位置とは異なり、前記第3面は、前記第1面と前記第2面との間において前記第1面及び前記第2面と接続され、前記第3面は前記第1平面と交差し、前記第1面は、前記第2方向において前記第1窒化物部材の一部と重なる、前記第1窒化物部材と、
Al
x2Ga
1-x2N(x1<x2≦1)を含む第2窒化物部材であって、前記第2窒化物部材は、前記第1面に設けられた第1窒化物領域を含む、前記第2窒化物部材と、
Al
x3Ga
1-x3N(x1<x3≦1)を含む第3窒化物部材であって、前記x3は、前記x2とは異なり、前記第3窒化物部材は、前記第2面に設けられた第1窒化物部分を含む、前記第3窒化物部材と、
第1接続部分を含む第1電極であって、前記第1接続部分は、前記第1面及び前記第1窒化物領域の少なくともいずれかと接続された、前記第1電極と、
第2接続部分を含む第2電極であって、前記第2接続部分は、前記第2面及び前記第1窒化物部分の少なくともいずれかと接続された、前記第2電極と、
第1電極部分を含む第3電極と、
第1絶縁領域を含む第1絶縁部材であって、前記第1絶縁領域は、前記第1電極部分と前記第3面との間に設けられた、前記第1絶縁部材と、
を備え
、
前記第1接続部分と前記第3電極との間の前記第1方向に沿う第1距離は、前記第2接続部分と前記第3電極との間の前記第1方向に沿う第2距離よりも長く、
前記x3は、前記x2よりも高い、半導体装置。
【請求項12】
Al
x1Ga
1-x1N(0≦x1<1)を含む第1窒化物部材であって、前記第1窒化物部材は、第1平面に沿う第1面と、前記第1平面に沿う第2面と、第3面と、を含み、前記第1平面に沿う第1方向における前記第1面の位置は、前記第1方向における前記第2面の位置とは異なり、前記第1平面と交差する第2方向における前記第1面の位置は、前記第2方向における前記第2面の位置とは異なり、前記第3面は、前記第1面と前記第2面との間において前記第1面及び前記第2面と接続され、前記第3面は前記第1平面と交差し、前記第1面は、前記第2方向において前記第1窒化物部材の一部と重なる、前記第1窒化物部材と、
Al
x2Ga
1-x2N(x1<x2≦1)を含む第2窒化物部材であって、前記第2窒化物部材は、前記第1面に設けられた第1窒化物領域を含む、前記第2窒化物部材と、
Al
x3Ga
1-x3N(x1<x3≦1)を含む第3窒化物部材であって、前記x3は、前記x2とは異なり、前記第3窒化物部材は、前記第2面に設けられた第1窒化物部分を含む、前記第3窒化物部材と、
第1接続部分を含む第1電極であって、前記第1接続部分は、前記第1面及び前記第1窒化物領域の少なくともいずれかと接続された、前記第1電極と、
第2接続部分を含む第2電極であって、前記第2接続部分は、前記第2面及び前記第1窒化物部分の少なくともいずれかと接続された、前記第2電極と、
第1電極部分を含む第3電極と、
第1絶縁領域を含む第1絶縁部材であって、前記第1絶縁領域は、前記第1電極部分と前記第3面との間に設けられた、前記第1絶縁部材と、
を備え
、
前記第1接続部分と前記第3電極との間の前記第1方向に沿う第1距離は、前記第2接続部分と前記第3電極との間の前記第1方向に沿う第2距離よりも短く、
前記x3は、前記x2よりも低く、
前記第2窒化物部材は、第2窒化物領域を含み、
前記第2窒化物領域は、前記第1絶縁領域と前記第3面との間に設けられた、半導体装置。
【請求項13】
前記第2面は、前記第1方向において前記第2電極と重なる、請求項1~12のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項14】
前記第1面は、前記第1方向において前記第1電極と重なる、請求項1~13のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項15】
前記第1窒化物部材は、第2部分領域及び第3部分領域を含み、
前記第2部分領域は、前記第3面の少なくとも一部を含み、
前記第2部分領域は、前記第1方向において前記第1絶縁領域と前記第3部分領域との間にあり、
前記第2部分領域は、第1元素を含み、
前記第1元素は、Mg、Zn及びCよりなる群から選択された少なくとも1つを含み、 前記第3部分領域は前記第1元素を含まない、または、前記第3部分領域における前記第1元素の濃度は、前記第2部分領域における前記第1元素の濃度よりも低い、請求項1~14のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項16】
窒化物層をさらに備え、
前記第1窒化物部材は、第1部分領域を含み、
前記第1部分領域は、前記窒化物層の少なくとも一部と前記第1窒化物領域との間にあり、
前記第1部分領域の前記第2方向に沿う厚さは、200nm以上1000nm以下である、請求項1~15のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項17】
前記第1電極は、前記第1接続部分と接続された第1突出部をさらに含み、
前記第1窒化物領域は、前記第2方向において、前記第1面と前記第1突出部との間にあり、
前記第3電極の少なくとも一部は、前記第2方向において前記第1窒化物領域と前記第1突出部との間にある、請求項1~16のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項18】
前記第3電極の前記第2方向における位置は、前記第1窒化物領域の前記第2方向における位置と、前記第1突出部の前記第2方向における位置と、の間にある、請求項17記載の半導体装置。
【請求項19】
前記第3電極と前記第2電極との間の前記第1方向に沿う距離は、前記第1突出部と前記第2電極との間の前記第1方向に沿う距離よりも長い、請求項17または18に記載の半導体装置。
【請求項20】
第4電極と、
第5電極と、
をさらに備え、
前記第1
窒化物部材は、前記第1平面に沿う第4面と、第5面と、をさらに含み、
前記第4面から前記第2面への方向は、前記第1方向に沿い、
前記第1方向における前記第4面の位置と、前記第1方向における前記第2面の前記位置との間に、前記第1方向における前記第1面の前記位置があり、
前記第5面は、前記第4面と前記第1面との間において前記第4面及び前記第1面と接続され、前記第5面は前記第1平面と交差し、
前記第3窒化物部材は、前記第4面に設けられた第2窒化物部分をさらに含み、
前記第4電極は、前記第4面及び前記第2窒化物部分の少なくともいずれかと接続され、
前記第1絶縁部材の一部は、前記第5面と前記第5電極の間にある、請求項1~19のいずれか1つに記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、トランジスタなどの半導体装置において、特性の向上が望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態は、特性の向上が可能な半導体装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施形態によれば、半導体装置は、第1窒化物部材、第2窒化物部材、第3窒化物部材、第1電極、第2電極、第3電極及び第1絶縁部材を含む。前記第1窒化物部材は、Alx1Ga1-x1N(0≦x1<1)を含む。前記第1窒化物部材は、第1平面に沿う第1面と、前記第1平面に沿う第2面と、第3面と、を含む。前記第1平面に沿う第1方向における前記第1面の位置は、前記第1方向における前記第2面の位置とは異なる。前記第1平面と交差する第2方向における前記第1面の位置は、前記第2方向における前記第2面の位置とは異なる。前記第3面は、前記第1面と前記第2面との間において前記第1面及び前記第2面と接続される。前記第3面は前記第1平面と交差する。前記第1面は、前記第2方向において前記第1窒化物部材の一部と重なる。前記第2窒化物部材は、Alx2Ga1-x2N(x1<x2≦1)を含む。前記第2窒化物部材は、前記第1面に設けられた第1窒化物領域を含む。前記第3窒化物部材は、Alx3Ga1-x3N(x1<x3≦1)を含む。前記x3は、前記x2とは異なる。前記第3窒化物部材は、前記第2面に設けられた第1窒化物部分を含む。前記第1電極は、第1接続部分を含む。前記第1接続部分は、前記第1面及び前記第1窒化物領域の少なくともいずれかと接続される。前記第2電極は、第2接続部分を含む。前記第2接続部分は、前記第2面及び前記第1窒化物部分の少なくともいずれかと接続される。前記第3電極は、第1電極部分を含む。前記第1絶縁部材は、第1絶縁領域を含む。前記第1絶縁領域は、前記第1電極部分と前記第3面との間に設けられる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
【
図4】
図4は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
【
図5】
図5は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
【
図6】
図6は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
【
図7】
図7は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
【
図8】
図8は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
【
図9】
図9は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
【
図10】
図10は、第2実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
【
図11】
図11(a)~
図11(c)は、実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
【
図12】
図12(a)~
図12(c)は、実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
【
図13】
図13(a)及び
図13(b)は、実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に、本発明の各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚さと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0008】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
図1に示すように、実施形態に係る半導体装置110は、第1電極51、第2電極52、第3電極53、第1窒化物部材10、第2窒化物部材20、第3窒化物部材30、及び、第1絶縁部材41を含む。
【0009】
第1窒化物部材10は、Alx1Ga1-x1N(0≦x1<1)を含む。組成比x1は、例えば、0以上0.1以下で良い。第1窒化物部材10は、例えば、GaN層である
第1窒化物部材10は、第1面11、第2面12及び第3面13を含む。第1面は、第1平面PL1に沿う。第2面12は、第1平面PL1に沿う。
【0010】
第1平面PL1に沿う1つの方向を第1方向D1とする。第1方向D1をX軸方向とする。第1平面PL1に沿いX軸方向に対して垂直な方向をY軸方向とする。X軸方向及びY軸方向に対して垂直な方向をZ軸方向とする。Z軸方向は、第1平面PL1に対して実質的に垂直である。
【0011】
第1平面PL1に沿う第1方向D1における第1面11の位置は、第1方向D1における第2面12の位置とは異なる。第1平面PL1と交差する第2方向D2における第1面11の位置は、第2方向D2における第2面12の位置とは異なる。第2方向D2は、例えばZ軸方向である。
【0012】
第3面13は、第1面11と第2面12との間において、第1面11及び第2面12と接続される。第3面13は第1平面PL1と交差する。第1面11は、第2方向D2において第1窒化物部材10の一部と重なる。
【0013】
第1面11及び第2面12は、例えば、第1窒化物部材10の上面に対応する。第1面11は、第2面12よりも下にある。第1面11と第2面12との間に段差10Sがある。第3面13は、第1面11と第2面12との間に形成される側面に対応する。
【0014】
第2窒化物部材20は、Alx2Ga1-x2N(x1<x2≦1)を含む。第2窒化物部材20は、例えば、AlGaNまたはAlNを含む。第2窒化物部材20は、第1窒化物領域21を含む。第1窒化物領域21は、第1面11に設けられる。第1窒化物領域21は、例えば、第1面11と接する。
【0015】
第3窒化物部材30は、Alx3Ga1-x3N(x1<x3≦1)を含む。第3窒化物部材30は、例えば、AlGaNまたはAlNを含む。組成比x3は、組成比x2とは異なる。第3窒化物部材30は、第1窒化物部分31を含む。第1窒化物部分31は、第2面12に設けられる。第1窒化物部分31は、例えば、第2面12と接する。
【0016】
第1電極51は、第1接続部分51cを含む。第1接続部分51cは、第1面11及び第1窒化物領域21の少なくともいずれかと接続される。
【0017】
第2電極52は、第2接続部分52cを含む。第2接続部分52cは、第2面12及び第1窒化物部分31の少なくともいずれかと接続される。
【0018】
第3電極53は、第1電極部分53aを含む。
【0019】
第1絶縁部材41は、第1絶縁領域41aを含む。第1絶縁領域41aは、第1電極部分53aと第3面13との間に設けられる。
【0020】
図1に示すように、半導体装置110は、基体18s及び窒化物層18bを含んでも良い。窒化物層18bは、基体18sと第1窒化物部材10との間にある。基体18sは、例えば、シリコン基板などで良い。窒化物層18bは、AlGaNなどを含む。窒化物層18bは、例えばバッファ層などを含んでも良い。窒化物層18bは、例えば、アンドープのGaN層などを含んでも良い。基体18sの上に窒化物層18bが設けられる。窒化物層18bの上に第1窒化物部材10が設けられる。第1窒化物部材10の上に、第2窒化物部材20及び第3窒化物部材30が設けられる。窒化物部材の上に、第1~第3電極51~53が設けられる。第1窒化物部材10、第2窒化物部材20及び第3窒化物部材30は、例えば、半導体である。
【0021】
第1電極51と第2電極52との間に流れる電流は、第3電極53の電位により制御できる。第3電極53の電位は、例えば、第1電極51の電位を基準にした電位で良い。第1電極51は、例えば、ソース電極及びドレイン電極の一方として機能する。第2電極52は、例えば、ソース電極及びドレイン電極の他方として機能する。第3電極53は、例えば、ゲート電極として機能する。第1絶縁領域41aは、例えば、ゲート絶縁膜として機能する。半導体装置110は、例えばトランジスタである。
【0022】
第1面11の近傍、及び、第2面12の近傍にキャリア領域10Cが形成される。キャリア領域10Cは、例えば2次元電子ガスである。半導体装置110は、例えばHEMT(High Electron Mobility Transistor)である。
【0023】
実施形態においては、上記のように、第1窒化物部材10に段差10Sが設けられ、段差10Sを含む部分に第3電極53が設けられる。この場合、第3電極53は、窒化物部材の1つの側面に対向する。一方、第1窒化物部材10に凹部が設けられる参考例がある。この参考例においては、第3電極53は、凹部の2つの段差に対向する。参考例においては、2つの段差により、例えば、オン抵抗が高くなる。
【0024】
これに対して、実施形態においては、第3電極53は、窒化物部材の1つの側面に対向する。このため、参考例と比較して、低いオン抵抗が得られる。
【0025】
実施形態において、第1面11の上に設けられる第2窒化物部材20と、第2面12の上に設けられる第3窒化物部材30と、において、Al組成比が変更される。これにより、例えば、ゲートリークを抑制できる。例えば、低いオン抵抗が得易い。
【0026】
図1に示すように、第1接続部分51cと第3電極53との間の第1方向D1に沿う距離を第1距離d1とする。第2接続部分52cと第3電極53との間の第1方向D1に沿う距離を第2距離d2とする。この場合、第1電極51は、ソース電極に対応し、第2電極52は、ドレイン電極に対応する。例えば、第1電極51を基準にして、第2電極52に高い電圧が印加される。
【0027】
この場合、組成比x3は、組成比x2よりも低く設定される。例えば、第2窒化物部材20は、AlNなどを含む。第3窒化物部材30は、AlGaNを含む。この場合、第3電極53と第2電極52との間の領域におけるキャリア濃度は、第3電極53と第1電極51との間の領域におけるキャリア濃度よりも低くできる。第3電極53と第2電極52との間の領域におけるキャリア濃度が低いことにより、第3電極53への悪影響が抑制される。例えば、ゲートリーク電流が抑制できる。高いゲート信頼性が得られる。一方、第3電極53と第1電極51との間の領域におけるキャリア濃度が高い。これにより、低いオン抵抗が得られる。実施形態によれば、特性の向上が可能な半導体装置を提供できる。
【0028】
後述するように、第1距離d1が第2距離d2よりも長くても良い。この場合、第1電極51は、ドレイン電極に対応し、第2電極52は、ソース電極に対応する。この場合、組成比x3は、組成比x2よりも高く設定される。例えば、ゲートリーク電流が抑制できる。高いゲート信頼性が得られる。低いオン抵抗が得られる。
【0029】
図1に示すように、第2窒化物部材20は、第2窒化物領域22を含んでも良い。第2窒化物領域22は、第1絶縁領域41aと第3面13との間に設けられる。このように、第2窒化物領域22が第1窒化物部材10の側面に設けられても良い。より安定した第2窒化物部材20が得易い。
【0030】
この例では、第1絶縁部材41は、第2絶縁領域41b及び第3絶縁領域41cを含む。第1窒化物領域21は、第1面11と第2絶縁領域41bとの間にある。第1窒化物部分31は、第2面12と第3絶縁領域41cとの間にある。
【0031】
第3電極53は、第2電極部分53b及び第3電極部分53cを含んでも良い。第2絶縁領域41bの一部は、第1窒化物領域21の一部と、第2電極部分53bと、の間にある。第3絶縁領域41cは、第2窒化物領域22の一部と、第3電極部分53cとの間にある。このような第2電極部分53b及び第3電極部分53cにより、第1電極部分53aが安定して得られる。
【0032】
図1に示すように、第2方向D2における第1面11の位置と、第2方向D2における第2面12の位置と、の間の第2方向D2に沿う距離を距離h1とする。距離h1は、段差10Sの高さ(深さ)に対応する。実施形態において、距離h1は、例えば、100nm以上400nm以下であることが好ましい。例えば、第1窒化物部材10における側面(例えば非極性面)を効果的に利用できる。これにより、例えば、高いしきい値電圧が得易い。例えばノーマリオフの動作が得易い。
【0033】
このような深い段差10Sにおいては、オン抵抗が高くなり易い。実施形態においては、上記のように第2窒化物部材20と第3窒化物部材30との間で異なる組成比が設けられる。例えば、組成比x2が高く設定されることで高い濃度のキャリア領域10Cが得られる。これにより、深い段差10Sが設けられた場合においても、低いオン抵抗が得られる。
【0034】
実施形態において、第1面11及び第2面12は、例えばc面に沿う。例えば、第1面11とc面との間の角度、及び。第2面12とc面との間の角度のそれぞれは、0度以上10度以下で良い。これにより、安定した濃度のキャリア領域10Cが得られる。
【0035】
図1に示すように、窒化物層18bが設けられる。窒化物層18bは、例えば、AlGaNを含むバックバリア層を含んで良い。窒化物層18bは、例えば、超格子層などを含んでも良い。窒化物層18bは、例えば、第1窒化物部材10とは異なるGaN層などを含んで良い。
【0036】
第1窒化物部材10は、第1部分領域10aを含んで良い。窒化物層18bの少なくとも一部と、第1窒化物領域21と、との間にある。第1部分領域10aは、Z軸方向において、第1面11と重なる領域である。第1部分領域10aの第2方向D2に沿う厚さh2は、200nm以上1000nm以下であることが好ましい。厚さh2が200nm以上であることで、例えば、窒化物層18bからの不純物などからの散乱による影響を抑制し易い。例えば、より高い移動度が得易い。例えば、より低いオン抵抗が得易い。
【0037】
図1に示すように、第1面11は、第1方向D1において第1電極51と重なっても良い。例えば、第1電極51は、第1窒化物部材10の一部に埋め込まれる。これにより、第1電極51と第1窒化物部材10の一部との間の電気的な接続が安定して得られる。例えば、低いオン抵抗が得られる。
【0038】
図2は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
図2に示すように、半導体装置110において、第1窒化物領域21の第2方向D2に沿う厚さを第1厚さt1とする。第1窒化物部分31の第2方向D2に沿う厚さを第2厚さt2とする。第1厚さt1は、第2厚さt2よりも薄いことが好ましい。例えば、第1窒化物領域21は、第2窒化物領域22とともに形成される。第2窒化物領域22は、段差10Sに形成される。第1窒化物領域21及び第2窒化物領域22が薄いことで、段差10Sを含む領域に安定して第2窒化物部材20が形成し易い。上記のように、第1窒化物領域21の組成比x2が第1窒化物部分31の組成比x3よりも高い場合、第1窒化物領域21が薄いことで、安定した第1窒化物領域21が得易い。
【0039】
例えば、第1厚さt1は、1nm以上10nm以下であることが好ましい。第1厚さt1が1nm以上であることで、例えば、高い密度のキャリア領域10Cを得易い。低いオン抵抗を得易い。第1厚さt1が10nm以下であることで、例えば、安定した結晶が得られる。リーク電流の小さい結晶を得易い。ゲートリークを小さくできる。
【0040】
例えば、第2厚さt2は、20nm以上40nm以下であることが好ましい。第2厚さt2が20nm以上であることで、例えば、高い密度のキャリア領域10Cを得易い。低いオン抵抗を得易い。第2厚さt2が40nm以下であることで、例えば、安定した結晶が得られる。リーク電流の小さい結晶を得易い。ゲートリークを小さくできる。
【0041】
図2に示すように、第1面11と第3面13との間の角度を角度θ1とする。角度θ1は、例えば70度以上110度以下で良い。これにより、高いしきい値電圧を得易い。安定したノーマリオフ特性を得易い。
【0042】
図3は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
図3に示すように、実施形態に係る半導体装置111において、第2窒化物部材20は、第3窒化物領域23をさらに含んでも良い。第1窒化物部分31の少なくとも一部は、第2面12と第3窒化物領域23との間にある。半導体装置111におけるこれ以外の構成は、半導体装置110と同様で良い。半導体装置111においては、第1~第3窒化物領域21~23が連続的に設けられる。安定した第2窒化物部材20が得易い。
【0043】
図4は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
図4に示すように、実施形態に係る半導体装置112は、第2絶縁部材42をさらに含む。半導体装置112におけるこれ以外の構成は、半導体装置111と同様で良い。
【0044】
第2絶縁部材42は、第1絶縁部分42aを含む。第1窒化物部分31は、第2面12と記第1絶縁部分42aとの間にある。第2絶縁部材42は、例えば、SiN、SiON、SiO2、AlO2、AlON、AlSiO、及び、AlSiONよりなる群から選択された少なくとも1つを含む。第2絶縁部材42は、例えばSiN膜でも良い。第2絶縁部材42は、例えば、保護膜として機能する。第2絶縁部材42が設けられることで、例えば、安定した第3窒化物部材30が得易い。電流コラプスを抑制できる。安定したオン抵抗を得易い。
【0045】
図4に示すように、第2窒化物部材20は、第3窒化物領域23を含む。第1窒化物部分31の少なくとも一部は、第2面12と第3窒化物領域23との間にある。第1絶縁部分42aは、第1窒化物部分31と第3窒化物領域23との間にある。第3窒化物領域23は、例えば、第1絶縁部分42aの上に設けられる。
【0046】
例えば、第2絶縁部材42(第1絶縁部分42a)の少なくとも一部はアモルファスで良い。例えば、第1窒化物部分31の結晶への悪影響が抑制できる。
【0047】
第3窒化物領域23の少なくとも一部はアモルファスで良い。第3窒化物領域23の結晶性は、第1窒化物領域21の結晶性よりも低くても良い。第1窒化物領域21の結晶性が高いことで、例えば、第1面11の近傍において、高いキャリア濃度が得易い。第3窒化物領域23の結晶性が低いことで、第2面12の近傍において、低いキャリア濃度が得易い。例えば、リーク電流を効果的に抑制できる。
【0048】
実施形態において、第1絶縁部材41は、SiO2、SiON、AlSiO、AlO2、AlON、HfO2、HfSiO、及び、HfSiONよりなる群から選択された少なくとも1つを含むことが好ましい。安定した絶縁性が得易い。
【0049】
図5は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
図5に示すように、実施形態に係る半導体装置113において、第2電極52の構成が半導体装置112における構成と異なる。半導体装置113におけるこれ以外の構成は、半導体装置112と同様で良い。
【0050】
半導体装置113において、第2面12は、第1方向D1において第2電極52と重なる。例えば、第2電極52は、第1窒化物部材10の一部に埋め込まれる。これにより、第2電極52と第1窒化物部材10の一部との間の電気的な接続が安定して得られる。例えば、低い接触抵抗を得易い。例えば、低いオン抵抗が得られる。
【0051】
図6は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
図6に示すように、実施形態に係る半導体装置114において、第1窒化物部材10の構成が半導体装置113における構成と異なる。半導体装置114におけるこれ以外の構成は、半導体装置113と同様で良い。
【0052】
図6に示すように、この例では、第1窒化物部材10は、第2部分領域10b及び第3部分領域10cを含む。第2部分領域10bは、第3面13の少なくとも一部を含む。第2部分領域10bは、第1方向D1において、第1絶縁領域41aと第3部分領域10cとの間にある。第2部分領域10bは、第1元素を含む。第1元素は、Mg、Zn及びCよりなる群から選択された少なくとも1つを含む。第1元素は、例えば、p形の不純物である。第3部分領域10cは第1元素を含まない。または、第3部分領域10cにおける第1元素の濃度は、第2部分領域10bにおける第1元素の濃度よりも低い。このような第2部分領域10bが設けられることで、例えば、高いしきい値電圧が得易い。しきい値電圧の調整が容易になる。安定したノーマリオフ特性を得易い。
【0053】
図7は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
図7に示すように、実施形態に係る半導体装置120において、第1電極51の構成が半導体装置112におけるそれとは異なる。半導体装置120におけるこれ以外の構成は、半導体装置112と同様で良い。
【0054】
半導体装置120において、第1電極51は、第1突出部51pを含む。第1突出部51pは、第1接続部分51cと接続される。第1突出部51pの少なくとも一部の第1方向D1における位置は、第1接続部分51cの第1方向D1における位置と、第2電極52の第1方向D1における位置と、の間にある。第1突出部51pは、第2電極52に向けて突出する。
【0055】
第1窒化物領域21は、第2方向D2において、第1面11と第1突出部51pとの間にある。例えば、半導体装置120は、第3絶縁部材43を含んでも良い。第3絶縁部材43は、第1窒化物領域21と第1突出部51pとの間にある。
【0056】
第1突出部51pが設けられることで、例えば、第1電極51において安定した形状の第1接続部分51cが得易い。これにより、プロセスバラつきの少ない、安定した特性が得られる。
【0057】
図7に示すように、例えば、第3電極53の少なくとも一部は、第2方向D2において第1窒化物領域21と第1突出部51pとの間にあっても良い。これにより、第1接続部分51cと第3電極53との間の距離を短くし易い。例えば、オン抵抗を小さくできる。第3絶縁部材43は、第3電極53の少なくとも一部と、第1突出部51pと、の間にある。これにより、プロセスバラつきの少ない、安定した特性が得られる。
【0058】
図7に示すように、半導体装置120は、第4電極54及び第5電極55をさらに含んでも良い。第1窒化物部材10は、第4面14及び第5面15を含む。第4面14は、第1平面PL1に沿う。第4面14から第2面12への方向は、第1方向D1に沿う。第1方向D1における第4面14の位置と、第1方向D1における第2面12の位置との間に、第1方向D1における第1面11の位置がある。
【0059】
第5面15は、第4面14と第1面11との間において、第4面14及び第1面11と接続される。第5面15は、第1平面PL1と交差する。
【0060】
第3窒化物部材30は、第2窒化物部分32を含む。第2窒化物部分32は、第4面14に設けられる。第4電極54は、第4面14及び第2窒化物部分32の少なくともいずれかと接続される。第1絶縁部材41の一部(例えば第4絶縁領域41d)は、第5面15と第5電極55の間にある。
【0061】
第4電極54の機能は、例えば、第2電極52の機能と同様で良い。第5電極55の機能は、例えば、第3電極53の機能と同様で良い。例えば、第1電極51、第2電極52及び第3電極53が1つのトランジスタとして機能する。例えば、第1電極51、第4電極54及び第5電極55が別の1つのトランジスタとして機能する。別の1つのトランジスタにおいて、第1電極51、第2電極52及び第3電極53により形成されるトランジスタの構成が適用されて良い。
【0062】
例えば、第1絶縁部材41は、第4~第6絶縁領域41d~41fを含んでも良い。第2絶縁部材42は、第2絶縁部分42bを含んで良い。第2窒化物部材20は、第4窒化物領域24及び第5窒化物領域25を含んで良い。第4窒化物領域24は、第5面15と第4絶縁領域41dとの間に設けられる。第2絶縁部分42bは、第2窒化物部分32と第5窒化物領域25との間に設けられる。
【0063】
図8は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
図8に示すように、実施形態に係る半導体装置121において、第1電極51の構成が半導体装置120におけるそれとは異なる。半導体装置121におけるこれ以外の構成は、半導体装置120と同様で良い。
【0064】
半導体装置121において、第3電極53の第2方向D2における位置は、第1窒化物領域21の第2方向D2における位置と、第1突出部51pの第2方向D2における位置と、の間にある。第3電極53と第1突出部51pとの間に第3絶縁部材43の少なくとも一部が設けられる。
【0065】
図9は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
図9に示すように、実施形態に係る半導体装置122において、第1電極51の構成が半導体装置121におけるそれとは異なる。半導体装置122におけるこれ以外の構成は、半導体装置121と同様で良い。
【0066】
半導体装置122において、第3電極53と、第2電極52(例えば、第2接続部分52c)との間の第1方向D1に沿う距離は第1距離d2に対応する。第1突出部51pと第2電極52との間の第1方向D1に沿う距離を第3距離d3とする。第2距離d2は、第3距離d3よりも長い。例えば、第1突出部51pの少なくとも一部は、第3電極53と第2電極52との間の領域と、第2方向D2において重なる。第1突出部51pは、例えば、フィールドプレートとして機能する。より安定した特性が得られる。例えば、高い耐圧を得易い。例えば、電流コラプスを抑制できる。安定したオン抵抗を得易い。
【0067】
(第2実施形態)
図10は、第2実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
図10に示すように、実施形態に係る半導体装置130において、第1電極51の位置が半導体装置110におけるそれとは異なる。半導体装置130におけるこれ以外の構成は、半導体装置110と同様で良い。
【0068】
図10に示すように、半導体装置130において、第1接続部分51cと第1電極部分53aとの間の第1方向D1に沿う第1距離d1は、第2接続部分52cと第1電極部分53aとの間の第1方向D1に沿う第2距離d2よりも長い。この例では、例えば、第1電極51はドレイン電極として機能し、第2電極52はソース電極として機能する。この場合、第3窒化物部材30における組成比x3は、第2窒化物部材20における組成比x2よりも高い。例えば、ドレイン電極として機能する第1電極51の近傍の第1窒化物領域21において組成比x2が低いことで、例えば、リーク電流が抑制できる。例えば、ソース電極として機能する第2電極52の近傍の第1窒化物部分31において組成比x3が高いことで、例えば、低いオン抵抗が得られる。特性の向上が可能な半導体装置を提供できる。
【0069】
以下、実施形態に係る半導体装置の製造方法の例について説明する。
図11(a)~
図11(c)、
図12(a)~
図12(c)、
図13(a)及び
図13(b)は、実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
図11(a)に示すように、基体18sの上に設けられた窒化物層18bの上に、第1窒化物部材10となる窒化物膜10fが形成される。窒化物膜10fの上に、第3窒化物部材30となる窒化物膜30fが形成される。これらの窒化物膜は、例えば、エピタキシャル成長により形成される。
【0070】
図11(b)に示すように、窒化物膜30fの上に、第2絶縁部材42となる絶縁膜42fが形成される。
【0071】
図11(c)に示すように、絶縁膜42fの一部、窒化物膜30fの一部、及び、窒化物膜10fの一部が除去され、穴H1が形成される。除去には、例えば、塩素系ガスによるドライエッチングが行われる。エッチング後に薬液処理を実施が実施されても良い。これにより、例えば、段差部の形状が制御される。薬液処理は、例えば、アルカリ系(例えば水酸化テトラメチルアンモニウム)の溶液が用いられる。効果的にダメージが除去され、形状が適切に制御される。薬液処理の代わりに、熱処理を行っても良い。
【0072】
窒化物膜30fから、第1窒化物部分31が形成される。絶縁膜42fから第1絶縁部分42aが形成される。露出された窒化物膜10fの一部の表面が、第1面11となる。穴H1の側面が、第3面13となる。窒化物膜10fの第1窒化物部分31と対向する面が、第2面12となる。
【0073】
図12(a)に示すように、第2窒化物部材20となる窒化物膜20fが形成される。第1~第3窒化物領域21~23が形成される。
【0074】
図12(b)に示すように、第1絶縁部材41となる絶縁膜41gが形成される。第1~第3絶縁領域41a~41cが形成される。
【0075】
図12(c)に示すように、第3電極53が形成される。
【0076】
図13(a)に示すように、第2絶縁領域41
bの一部、及び、第1窒化物領域21の一部が除去されて、穴H2が形成される。この際、窒化物膜10fの一部が除去されても良い。第
3絶縁領域41cの一部、第3窒化物領域23の一部、及び、第1絶縁部分42aの一部が除去され、穴H3が形成される。
【0077】
図13(b)に示すように、穴H2及び穴H3に導電材料が設けられ、第1電極51及び第2電極52が形成される。これにより、例えば、半導体装置112が得られる。
【0078】
実施形態に係る製造方法によれば、特性を向上可能な半導体装置が得られる。
【0079】
第1電極51は、例えば、アルミニウム、チタン、ニッケル、及び、金よりなる群から選択された少なくとも1つを含む。第2電極52及び第4電極54は、例えば、アルミニウム、チタン、ニッケル、及び、金よりなる群から選択された少なくとも1つを含む。第3電極53及び第5電極55は、例えば、TiN、WN、Ni、Au、Pt及びTiよりなる群から選択された少なくとも1つを含む。第3電極53及び第5電極55、例えば、導電性のシリコン、または、ポリシリコンなど含んでも良い。
【0080】
厚さに関する情報は電子顕微鏡観察などにより得られる。組成に関する情報は、SIMS(Secondary Ion Mass Spectrometry)またはEDX(Energy dispersive X-ray spectroscopy)などにより得られる。
【0081】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、半導体装置に含まれる、窒化物部材、電極及び絶縁部材などの各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
【0082】
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
【0083】
その他、本発明の実施の形態として上述した半導体装置を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての半導体装置も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
【0084】
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
【0085】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0086】
10…第1窒化物部材、 10C…キャリア領域、 10S…段差、 10a~10c…第1~第3部分領域、 10f…窒化物膜、 11~15…第1~第5面、 18b…窒化物層、 18s…基体、 20…第2窒化物部材、 20f…半導体膜、 21~25…第1~第5窒化物領域、 30…第3窒化物部材、 30f…窒化物膜、 31、32…第1、第2窒化物部分、 41…第1絶縁部材、 41a~41f…第1~第6絶縁領域、 41g…絶縁膜、 42…第2絶縁部材、 42a、42b…第1、第2絶縁部分、 42f…絶縁膜、 43…第3絶縁部材、 51~55…第1~第5電極、 51c、52c…第1、第2接続部分、 51p…第1突出部、 53a~53c…第1~第3電極部分、 θ1…角度、 110~114、120~122、130…半導体装置、 D1、D2…第1、第2方向、 H1~H3…穴、 PL1…第1平面、 d1~d3…第1~第3距離、 h1…距離、 h2…厚さ、 t1、t2…第1、第2厚さ