(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-05
(45)【発行日】2024-08-14
(54)【発明の名称】通信装置、通信制御システム、および通信制御方法、並びにプログラム
(51)【国際特許分類】
H04B 1/59 20060101AFI20240806BHJP
H04M 1/00 20060101ALI20240806BHJP
G06K 7/10 20060101ALI20240806BHJP
G06K 19/07 20060101ALI20240806BHJP
【FI】
H04B1/59
H04M1/00 U
G06K7/10 152
G06K7/10 192
G06K19/07 230
(21)【出願番号】P 2021515930
(86)(22)【出願日】2020-04-01
(86)【国際出願番号】 JP2020015085
(87)【国際公開番号】W WO2020217909
(87)【国際公開日】2020-10-29
【審査請求日】2023-02-03
(31)【優先権主張番号】P 2019081746
(32)【優先日】2019-04-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】504134520
【氏名又は名称】フェリカネットワークス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100093241
【氏名又は名称】宮田 正昭
(74)【代理人】
【識別番号】100101801
【氏名又は名称】山田 英治
(74)【代理人】
【識別番号】100086531
【氏名又は名称】澤田 俊夫
(74)【代理人】
【識別番号】100095496
【氏名又は名称】佐々木 榮二
(74)【代理人】
【識別番号】110000763
【氏名又は名称】弁理士法人大同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 実
(72)【発明者】
【氏名】大和田 和人
(72)【発明者】
【氏名】小野塚 克弘
(72)【発明者】
【氏名】中嶋 健一
【審査官】前田 典之
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-146085(JP,A)
【文献】特開2016-110578(JP,A)
【文献】特表2012-533802(JP,A)
【文献】特開2010-055271(JP,A)
【文献】米国特許第8971811(US,B2)
【文献】国際公開第2020/217909(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 1/59
H04M 1/00
G06K 7/10
G06K 19/07
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像撮影を行うカメラと、
前記カメラの撮影画像を解析し、撮影画像に含まれる通信相手装置を識別し、
識別結果に基づいて最適な通信態様を決定し、決定した通信態様で前記通信相手装置との通信処理を実行する制御部を有
し、
前記制御部は、
前記撮影画像に含まれる通信相手装置の数を識別し、
前記撮影画像に含まれる通信相手装置の数が複数である場合、
通信の停止、または通信出力の制限、または、アクティブ負荷変調(ALM:Active Load Modulation)の停止(OFF)または制限の少なくともいずれかの制御を実行する通信装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記撮影画像に含まれる通信相手装置の数が複数から1つに変化した場合、
受信感度の上昇処理、またはアクティブ負荷変調(ALM)の実行開始(ON)の少なくともいずれかの制御を実行する請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記通信装置は、
近距離無線通信を実行する通信部を有し、
前記制御部は、
前記通信相手装置の識別結果に基づいて決定した通信態様で、前記通信相手装置との近距離無線通信を実行する請求項1に記載の通信装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記通信相手装置からの受信信号に対する受信態様、または、自装置から前記通信相手装置に対する送信信号の送信態様の少なくともいずれかを、前記通信相手装置の識別結果に基づいて決定した通信態様で実行する請求項1に記載の通信装置。
【請求項5】
前記通信装置は、
通信相手装置の種類に対応する最適な通信パラメータを格納した記憶部を有し、
前記制御部は、
前記記憶部から、前記通信相手装置の種類に対応する最適な通信パラメータを取得し、取得した通信パラメータを適用した通信処理を実行する請求項1に記載の通信装置。
【請求項6】
前記通信パラメータは、通信信号のQ値、負荷変調(振幅/位相)、入力磁界、返信閾値、共振周波数、受信フィルタ特性、アクティブ負荷変調(ALM)の最適制御設定、出力信号の強度最適値の少なくともいずれかを含む
請求項5に記載の通信装置。
【請求項7】
前記制御部は、
外部サーバから、前記通信相手装置の種類に対応する最適な通信パラメータを取得し、取得した通信パラメータを適用した通信処理を実行する請求項1に記載の通信装置。
【請求項8】
前記通信装置は、
通信相手装置の種類を識別するための識別用パラメータを格納した記憶部を有し、
前記制御部は、
前記カメラの撮影画像を解析し、撮影画像に含まれる通信相手装置の特徴と、前記識別用パラメータとを比較して、通信相手装置の種類を識別する請求項1に記載の通信装置。
【請求項9】
前記識別用パラメータは、
前記通信相手装置の色、形状、通信方式を示すマークやその位置、表示部の位置の少なくともいずれかの情報を含む
請求項8に記載の通信装置。
【請求項10】
前記通信装置は、近距離無線通信を実行する携帯端末であり、
前記通信相手装置は、リーダライタである請求項1に記載の通信装置。
【請求項11】
通信装置において実行する通信制御方法であり、
前記通信装置の制御部が、
カメラの撮影画像を解析し、撮影画像に含まれる通信相手装置を識別し、
識別結果に基づいて最適な通信態様を決定し、決定した通信態様で前記通信相手装置との通信処理を実行する
とともに、
前記撮影画像に含まれる通信相手装置の数を識別し、
前記撮影画像に含まれる通信相手装置の数が複数である場合、
通信の停止、または通信出力の制限、または、アクティブ負荷変調(ALM:Active Load Modulation)の停止(OFF)または制限の少なくともいずれかの制御を実行する通信制御方法。
【請求項12】
通信装置において通信制御処理を実行させるプログラムであり、
前記通信装置の制御部に、
カメラの撮影画像を解析し、撮影画像に含まれる通信相手装置を識別させ、
識別結果に基づいて最適な通信態様を決定させ、決定した通信態様で前記通信相手装置との通信処理を実行させる
とともに、
前記撮影画像に含まれる通信相手装置の数を識別させ、
前記撮影画像に含まれる通信相手装置の数が複数である場合、
通信の停止、または通信出力の制限、または、アクティブ負荷変調(ALM:Active Load Modulation)の停止(OFF)または制限の少なくともいずれかの制御を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、通信装置、通信制御システム、および通信制御方法、並びにプログラムに関する。さらに詳細には、装置間の近距離無線通信の通信エラーを低減し、より確実な通信を可能とする通信装置、通信制御システム、および通信制御方法、並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ICカード機能を持つスマホ(スマートホン)等の携帯端末の利用が拡大している。
ICカード機能を有する携帯端末(通信装置)を利用することで、現金を持ち歩くことなく、買い物や飲食等の決済、あるいは電車や、バスへの乗車を簡単に行うことが可能となる。
【0003】
携帯端末(通信装置)は、リーダライタ(R/W)に近づけて近距離無線通信を実行して認証や決済処理等を行うことができる。
なお、近距離無線通信を利用したシステムについて開示した従来技術として、特許文献1(特開2018-005711号公報)、特許文献2(特開2018-001666号公報)、特許文献3(特許第6291752号公報)等がある。
【0004】
携帯端末とリーダライタは、いわゆる非接触型の近距離無線通信によって通信を実行する。この非接触型近距離無線通信の規格として、例えば、NFC(Near Field Communication)等がある。
携帯端末やリーダライタ等の通信装置は、NFC等、特定の通信規格に従った通信を行う仕様となっている。
【0005】
しかし、各装置はアンテナの位置や、電磁波の広がり、無線通信強度、変調度等に差異がある。すなわち各装置各々は、わずかに通信特性が異なる。この通信特性の差異によって各装置間での通信が困難となる場合があり、この問題の解決が求められている。
また、複数のリーダライタが近接して置かれている場合、複数のリーダライタから出力される通信信号の干渉が発生し、スマホ(スマートホン)等の携帯端末を近づけてもうまく通信できないといった問題もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2018-005711号公報
【文献】特開2018-001666号公報
【文献】特許第6291752号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本開示は、例えば、上述の問題点に鑑みてなされたものであり、通信装置間の近距離無線通信の通信エラーを低減し、より確実な通信を可能とする通信装置、通信制御システム、および通信制御方法、並びにプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の第1の側面は、
画像撮影を行うカメラと、
前記カメラの撮影画像を解析し、撮影画像に含まれる通信相手装置を識別し、
識別結果に基づいて最適な通信態様を決定し、決定した通信態様で前記通信相手装置との通信処理を実行する制御部を有する通信装置にある。
【0009】
さらに、本開示の第2の側面は、
通信装置と、
前記通信装置と近距離無線通信を実行する通信相手装置と、
前記通信装置と通信可能な通信管理サーバを有する通信制御システムであり、
前記通信装置は、
画像撮影を行うカメラと、
前記カメラの撮影画像を前記通信管理サーバに送信する制御部を有し、
前記通信管理サーバは、
前記通信装置からの受信画像を解析し、受信画像に含まれる通信相手装置を識別し、
識別結果に基づいて、前記通信相手装置に最適な通信パラメータを選択して前記通信装置に送信し、
前記通信装置の制御部は、
前記通信管理サーバから受信した通信パラメータを適用して、前記通信相手装置との通信を実行する通信制御システムにある。
【0010】
さらに、本開示の第3の側面は、
通信装置において実行する通信制御方法であり、
前記通信装置の制御部が、
カメラの撮影画像を解析し、撮影画像に含まれる通信相手装置を識別し、
識別結果に基づいて最適な通信態様を決定し、決定した通信態様で前記通信相手装置との通信処理を実行する通信制御方法にある。
【0011】
さらに、本開示の第4の側面は、
通信装置と、
前記通信装置と近距離無線通信を実行する通信相手装置と、
前記通信装置と通信可能な通信管理サーバを有する通信制御システムにおいて実行する通信制御方法であり、
前記通信装置が、
カメラの撮影画像を前記通信管理サーバに送信し、
前記通信管理サーバが、
前記通信装置からの受信画像を解析し、受信画像に含まれる通信相手装置を識別し、
識別結果に基づいて、前記通信相手装置に最適な通信パラメータを選択して前記通信装置に送信し、
前記通信装置が、
前記通信管理サーバから受信した通信パラメータを適用して、前記通信相手装置との通信を実行する通信制御方法にある。
【0012】
さらに、本開示の第5の側面は、
通信装置において通信制御処理を実行させるプログラムであり、
前記通信装置の制御部に、
カメラの撮影画像を解析し、撮影画像に含まれる通信相手装置を識別させ、
識別結果に基づいて最適な通信態様を決定させ、決定した通信態様で前記通信相手装置との通信処理を実行させるプログラムにある。
【0013】
なお、本開示のプログラムは、例えば、様々なプログラム・コードを実行可能な情報処理装置やコンピュータ・システムに対して、コンピュータ可読な形式で提供する記憶媒体、通信媒体によって提供可能なプログラムである。このようなプログラムをコンピュータ可読な形式で提供することにより、情報処理装置やコンピュータ・システム上でプログラムに応じた処理が実現される。
【0014】
本開示のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する本開示の実施例や添付する図面に基づくより詳細な説明によって明らかになるであろう。なお、本明細書においてシステムとは、複数の装置の論理的集合構成であり、各構成の装置が同一筐体内にあるものには限らない。
【0015】
本開示の一実施例の構成によれば、通信相手装置の種類に応じた最適な通信パラメータを設定して通信を行う通信装置、通信最適化が実現される。
具体的には、例えば、カメラの撮影画像を解析し、撮影画像から通信相手装置の種類を識別し、識別した前記通信相手装置の識別結果に基づいて最適な通信態様を決定し、決定した通信態様で通信相手装置との近距離無線通信を実行する。通信装置は通信相手装置の種類に対応する最適な通信パラメータを記憶部、または外部サーバから取得する。例えば、通信信号のQ値、負荷変調(振幅/位相)、入力磁界、返信閾値、共振周波数、受信フィルタ特性、アクティブ負荷変調(ALM)の最適制御設定、出力信号の強度最適値等の通信パラメータを取得して適用した通信処理を実行する。
本構成により、通信相手装置の種類に応じた最適な通信パラメータを設定して通信を行う通信装置、通信最適化が実現される。
なお、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものではなく、また付加的な効果があってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本開示の処理を実行する通信制御システムの一例について説明する図である。
【
図2】携帯端末の構成例について説明する図である。
【
図3】本開示の通信装置が実行する処理の具体例について説明する図である。
【
図4】本開示の通信装置が実行する処理の具体例について説明する図である。
【
図5】本開示の通信装置が実行する処理の具体例について説明する図である。
【
図6】本開示の通信装置が実行する処理の具体例について説明する図である。
【
図7】本開示の通信装置の一例であるスマホ等の携帯端末の構成例について説明する図である。
【
図8】携帯端末の記憶部に格納されたデータと、通信管理サーバの記憶部に格納されたデータの一例について説明する図である。
【
図9】本開示の通信装置が実行する具体的な通信制御シーケンスについて説明する図である。
【
図10】本開示の通信装置が実行する具体的な通信制御シーケンスについて説明する図である。
【
図11】本開示の通信装置が実行する具体的な通信制御シーケンスについて説明する図である。
【
図12】本開示の通信装置が実行する具体的な通信制御シーケンスについて説明する図である。
【
図13】本開示の通信装置が実行する具体的な通信制御シーケンスについて説明する図である。
【
図14】本開示の通信装置が実行する具体的な通信制御シーケンスについて説明する図である。
【
図15】本開示の通信装置が実行する具体的な通信制御シーケンスについて説明する図である。
【
図16】本開示の通信装置が実行する具体的な通信制御シーケンスについて説明する図である。
【
図17】本開示の通信装置が実行する具体的な通信制御シーケンスについて説明する図である。
【
図18】本開示の通信装置が実行する具体的な通信制御シーケンスについて説明する図である。
【
図19】本開示の通信装置が実行する具体的な通信制御シーケンスについて説明する図である。
【
図20】本開示の通信装置が実行する具体的な通信制御シーケンスについて説明する図である。
【
図21】通信装置、リーダライタ、サーバのハードウェア構成例について説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照しながら本開示の通信装置、通信制御システム、および通信制御方法、並びにプログラムの詳細について説明する。なお、説明は以下の項目に従って行なう。
1.本開示の処理と構成の概要について
2.本開示の通信装置が実行する処理の具体例について
3.本開示の通信装置の構成例について
4.本開示の通信装置が実行する具体的な通信制御シーケンスについて
4-1(処理例1)携帯端末が1台のリーダライタを検出し、検出したリーダライタの種類の識別に成功した場合の処理シーケンス
4-2(処理例2)携帯端末が複数台のリーダライタを検出し、その後、1台のリーダライタに近づき、そのリーダライタの種類の識別に成功した場合の処理シーケンス
4-3(処理例3)携帯端末が1台のリーダライタを検出し、検出したリーダライタの種類の識別に失敗し、通信管理サーバから通信パラメータを受信して利用する場合の処理シーケンス
4-4(処理例4)携帯端末が1台のリーダライタを検出し、検出したリーダライタからの送信信号の受信は成功するが、携帯端末からの送信信号がリーダライタによって受け付けられない場合に、通信管理サーバから通信パラメータを受信して利用する場合の処理シーケンス
4-5(処理例5)携帯端末が1台のリーダライタを検出し、検出したリーダライタの種類の識別に失敗し、通信管理サーバからも通信パラメータを受信できない場合の処理シーケンス
4-6(処理例6)携帯端末が1台のリーダライタを検出し、検出したリーダライタの種類の識別に失敗し、通信管理サーバとの接続ができない場合の処理シーケンス
4-7(処理例7)携帯端末が1台のリーダライタを検出し、検出したリーダライタの種類の識別に失敗し、通信管理サーバから、まず通信パラメータ識別子を受信し、その後、通信パラメータを受信して利用する場合の処理シーケンス
5.通信装置、リーダライタ、サーバのハードウェア構成例について
6.本開示の構成のまとめ
【0018】
[1.本開示の処理と構成の概要について]
まず、本開示の処理と構成の概要について説明する。
本開示は、近距離無線通信を実行する通信装置が、通信相手装置との通信を確実に実行できるようにするものである。
例えば、スマホ(スマートホン)等の携帯端末を、リーダライタ(R/W)に近づけると、装置間の近距離無線通信が実行され、認証や決済処理等が行われる。
携帯端末とリーダライタは例えば、NFC(Near Field Communication)等の無線通信規格に従った通信を行う。
【0019】
NFCは、13.56MHzの周波数での通信を実行させる通信規格であり、通信を実行する2つの通信装置、例えばスマホとリーダライタは、13.56MHzの周波数の通信信号を検出して通信を実行する。
【0020】
しかし、現実には、各通信装置のアンテナ位置や、電磁波の広がり、無線通信強度、変調度等に差異があり、これら通信特性の差異によって各装置間で通信ができない等の問題が発生している。
【0021】
本開示の処理では、スマホ(スマートホン)等の携帯端末に備えられたカメラを用いて通信相手装置、例えばリーダライタ(R/W)の画像を撮影し、撮影画像に基づいて通信相手装置の種類や数を特定する。
例えばリーダライタ(R/W)の画像から、通信相手装置の形状、色、マーク、表示部の配置、ロゴ等の特徴情報を解析し、リーダライタ(R/W)の種類や数を判別する。
【0022】
さらに、判別したリーダライタ(R/W)の種類や数に対応付けて記憶部に登録された最適な通信制御態様情報、例えば通信パラメータを取得して、取得した最適な通信制御態様に従った通信処理を実行する。
【0023】
例えば、記憶部には、リーダライタ(R/W)の種類に対応する最適な通信パラメータが記憶されている。携帯端末は、この通信パラメータを取得して自装置の通信パラメータとして設定して通信処理を実行する。すなわち相手装置の通信特性に応じた最適な通信パラメータを設定した通信処理を実行する。さらに、リーダライタ(R/W)の種類や数に応じて、通信停止、出力制限、通信態様変更等の様々な通信制御処理を実行する。
このような通信制御により通信特性の異なる様々な通信相手との通信を確実に行うことを可能とする。
【0024】
なお、制御対象となる通信パラメータは、例えば通信信号のQ値、負荷変調(振幅/位相)、入力磁界、返信閾値、共振周波数、受信フィルタ特性等である。
通信相手装置の種類に応じた最適な通信パラメータは、予めスマホ(スマートホン)等の携帯端末に格納しておく。あるいは外部のサーバから取得する。
【0025】
このように、通信相手装置をカメラ撮影画像により識別し、識別した通信相手装置に対応する最適な通信パラメータを取得して、取得した通信パラメータを利用して通信を実行することで、特性の異なる様々な通信相手装置との通信時にエラーを発生させることなく確実な通信を行うことが可能となる。
【0026】
例えば通信相手装置であるリーダライタの画像に基づいて、そのリーダライタが共振周波数の高めの通信を行う特性を有していると判定した場合、スマホは、この特性に応じた通信を行うように通信設定を変更する。
【0027】
さらに、スマホ等の携帯端末は、例えばカメラ撮影画像中に複数のリーダライタが撮影された場合、混信や干渉が発生すると判断し、通信を一次的に停止、あるいは出力を制限、あるいは、アクティブ負荷変調(ALM:Active Load Modulation)の停止(OFF)処理等の制御を行う。
【0028】
その後、ユーザがスマホを1台のリーダライタに近づけ、カメラ撮影画像中に1台のリーダライタのみが撮影された状態に変化した場合など、1台のリーダライタに充分に接近したと判断した場合は、スマホの受信感度を上昇させ、アクティブ負荷変調(ALM)をONにするといった処理によって1台のリーダライタとの通信を実行可能な状態に変更する。
このような制御により、通信エラーを防止し、1台のリーダライタとの通信をエラーなく確実に実行することが可能になる。
【0029】
図1は、本開示の処理を実行する通信制御システムの一例を示す図である。
図1には、本開示の通信装置の一例である携帯端末10と、この携帯端末10との近距離無線通信を実行する通信相手装置としてのリーダライタ20を示している。携帯端末10とリーダライタ20間ではNFC等の無線通信規格に従った近距離無線通信が実行される。
なお、
図1には、携帯端末10の表示部に携帯端末10のカメラによって撮影されたリーダライタ20の画像が表示された状態を例示している。
【0030】
携帯端末10、リーダライタ20はWi-Fiやインターネット等により外部サーバと通信可能な設定である。
なお、外部サーバには様々な処理を実行する多数のサーバが存在するが、
図1には、その一部として決済処理サーバ40と、通信管理サーバ50を示している。
【0031】
決済処理サーバ40は、携帯端末10とリーダライタ20との通信に基づく決済処理を実行するサーバである。
また、通信管理サーバ50は、携帯端末10とリーダライタ20との間で実行される近距離無線通信における通信制御のためのデータ、具体的にはリーダライタ20の種類に対応した最適な通信パラメータ等を携帯端末10に提供するサーバである。
具体的な処理例については後述する。
【0032】
図2は、携帯端末10の構成例を示す図である。
図2には、携帯端末10の外観構成として表面と裏面を示している。
携帯端末10の表面には、表示部11が設けられている。裏面には、近距離無線通信を行うアンテナを含む通信部としての近距離無線通信部12と、カメラ13が構成されている。
【0033】
近距離無線通信部12は、リーダライタ20との近距離無線通信を行う通信部である。例えば、NFC(Near Field Communication)等の規格に従った近距離無線通信を実行する通信部である。
なお、NFC等の近距離無線通信の通信可能範囲は数cm程度である。
【0034】
携帯端末10の裏面には、さらにカメラ13が構成され、カメラ13を介して撮影された画像は、携帯端末10表面の表示部11に表示される。
【0035】
なお、リーダライタ20は、通信相手となる携帯端末等を検出するための信号であるポーリング信号を随時、出力する。本開示の携帯端末10は、このリーダライタ20からのRF信号、例えば13.56MHzの搬送波を検出すると、カメラ機能を起動し、画像撮影を開始する。なお、カメラ起動処理は、ユーザが行ってもよい。すなわちRF信号検出有無に関わらずユーザがカメラ起動処理を行い、リーダライタの画像を撮影し、撮影画像に基づくリーダライタの種類判別処理を開始する構成としてもよい。
【0036】
携帯端末10の制御部は、撮影画像中に含まれる通信相手機器であるリーダライタの種類や数の判別を実行する。
さらに、種類や数の判別の結果、解析されたリーダライタの種類や数に応じた通信制御を実行する。例えば最適な通信パラメータの設定を行って、通信相手、すなわちカメラ13によって撮影されたリーダライタとの通信を実行する。
この具体的処理については、後段で説明する。
【0037】
[2.本開示の通信装置が実行する処理の具体例について]
次に、
図3以下を参照して、本開示の通信装置が実行する処理の具体例について説明する。
なお、以下の実施例では、本開示の通信装置の一例として携帯端末であるスマホ(スマートホン)を利用した処理例について説明する。
ただし、本開示の通信装置には、スマホに限らず、例えばタブレット端末、PC等、様々な装置が含まれる。
【0038】
まず、
図3~
図6を参照して、携帯端末10をリーダライタ20に近づけた際に携帯端末10のカメラ13が撮影し表示部11に表示される画像の例と、各状態に応じて携帯端末10の制御部が実行する処理の概要について説明する。
これらの各処理の詳細シーケンスについては後段で説明する。
【0039】
図3は、2台のリーダライタA,20a、リーダライタB,20bが近接して配置された場所に1台の携帯端末10を近づけていった場合の例である。この場合、携帯端末10は、まず、携帯端末10の近距離無線通信部12で、2台のリーダライタのいずれかからのRF信号(ポーリング信号)を受信する。携帯端末10は、このRF信号受信に応じてカメラ13を起動する。なお、カメラ起動処理は、ユーザが行ってもよい。
【0040】
カメラ13の起動により、携帯端末10のカメラ13は、携帯端末10の前方にある2台のリーダライタA,Bを撮影し、その撮影画像を表示部11に表示する。
【0041】
携帯端末10の制御部は、カメラ13によって撮影された画像中に異なるタイプの複数のリーダライタが存在することを検出する。
携帯端末10の制御部はこの検出結果に応じて携帯端末10の通信態様を変更する通信制御処理を実行する。例えば、通信パラメータの設定変更や、通信停止、出力制限、通信態様変更等の様々な通信制御処理を実行する。
【0042】
携帯端末10の記憶部には、「異なるタイプの複数のリーダライタが検出された場合の通信制御態様」が予め規定されており、携帯端末10の制御部は、この規定に従って通信制御処理を実行する。
具体的には、例えば、アクティブ負荷変調(ALM:Active Load Modulation)の停止(OFF)、ポーリングに対する応答停止等の処理を行う。
【0043】
図4は、
図3と同様、2台のリーダライタA,20a、リーダライタB,20bが近接して配置された場所に1台の携帯端末10を近づけていった場合の例であり、携帯端末10をリーダライタA,20aの近くに移動させた場合の例である。
【0044】
この場合、携帯端末10の撮影画像は、リーダライタA,20aのみの画像となる。
携帯端末10の制御部は、カメラ13によって撮影された画像中に1台のリーダライタA,20aが存在することを検出する。
携帯端末10の制御部はこの検出結果に応じた通信制御処理を実行する。
【0045】
携帯端末10の記憶部には、「様々なタイプのリーダライタに適応した最適な通信パラメータ等の最適な通信制御態様情報」が予め規定されており、携帯端末10の制御部は、この規定に従って通信制御処理を実行する。
具体的には、例えば、アクティブ負荷変調(ALM:Active Load Modulation)の実行(ON)、RF(Radio Frequency)信号の出力実行(ポーリングに対する応答実行)等の処理を行う。
【0046】
図5は、同じ種類の2台のリーダライタA1,20a1、リーダライタA2,20a2が近接して配置された場所に1台の携帯端末10を近づけていった場合の例である。
【0047】
この場合、携帯端末10の撮影画像は、同じ種類の2台のリーダライタA1,A2の画像となる。
携帯端末10の制御部は、カメラ13によって撮影された画像中に同じ種類の2台のリーダライタA1,A2が存在することを検出する。
携帯端末10の制御部はこの検出結果に応じた通信制御処理を実行する。
【0048】
この場合も、携帯端末10の記憶部に格納された情報に応じた通信制御を実行する。
具体的には、例えば、アクティブ負荷変調(ALM:Active Load Modulation)の停止(OFF)、ポーリングに対する応答停止等の処理を行う。
【0049】
図6は、
図5と同様、同じ種類の2台のリーダライタA1,20a1、リーダライタA2,20a2が近接して配置された場所に1台の携帯端末10を近づけていった場合の例である。
図6は、さらに携帯端末10をリーダライタA1,20a1側に近づけていった場合の例である。
【0050】
この場合、携帯端末10の撮影画像は、1台のリーダライタA1の画像となる。
携帯端末10の制御部は、カメラ13によって撮影された画像中に同じ種類の1台のリーダライタA1が存在することを検出する。
携帯端末10の制御部はこの検出結果に応じた通信制御処理を実行する。
具体的には、例えば、アクティブ負荷変調(ALM:Active Load Modulation)の実行(ON)、ポーリングに対する応答実行等の処理を行う。
【0051】
このように、本開示の通信装置、例えば携帯端末10は、携帯端末10のカメラによって撮影された画像に含まれる通信相手機器、すなわちリーダライタの画像に応じた通信制御を実行する。
これらの処理の具体的シーケンスについては後述する。
【0052】
[3.本開示の通信装置の構成例について]
次に、本開示の通信装置の構成例について説明する。
図7は、本開示の通信装置の一例であるスマホ等の携帯端末10の構成例を示すブロック図である。
【0053】
図7に示すように、スマホ等の携帯端末10は、デバイス制御部101、カメラ102、通信制御部103、入力部104、出力部105、記憶部106、通信部120を有する。通信部120は、近距離無線通信部121、その他通信部122を有する。
【0054】
近距離無線通信部121は、例えばNFC規格に従った通信を実行する。例えばリーダライタ20との近距離無線通信を実行する。
その他通信部122は、例えばWi-Fi通信、インターネット通信等を実行し、管理サーバ50等、外部装置との通信を実行する。
【0055】
デバイス制御部101は、デバイス、すなわち携帯端末10の全体制御を実行する。例えばカメラ102の起動処理、撮影画像の解析処理、通信態様の決定、通信パラメータの変更、決定等の処理を実行する。
【0056】
カメラ102は、画像撮影処理を実行する。例えば近距離無線通信相手となるリーダライタの画像等を撮影する。
なお、通信部120の近距離無線通信部121によるリーダライタのポーリング信号受信をデバイス制御部101が検知すると、デバイス制御部101がカメラ102を起動して画像撮影を開始する。
ただし、ユーザによる入力部104を介した操作によってカメラ102を起動することも可能である。
【0057】
通信制御部103は、通信部120の近距離無線通信部121、その他通信部122の通信処理の制御を実行する。
例えば、近距離無線通信部121において実行する近距離無線通信の通信制御を実行する。
デバイス制御部101がカメラ撮影画像に基づいて決定した通信パラメータを設定した通信処理を実行するための通信制御等を実行する。
【0058】
入力部104は、スイッチ、ボタン等のユーザ操作部である。表示部のタッチパネルも入力部として機能する。カメラ起動処理も入力部104を介したユーザ入力によって実行することができる。
出力部105は、表示部、音声出力部等によって構成される。カメラ撮影画像は表示部に表示される。
記憶部106は、デバイス制御部101、通信制御部103の実行する制御プログラムや、通信相手機器、例えばリーダライタ種類に応じた最適通信パラメータ等が記録されている。
【0059】
なお、携帯端末10のデバイス制御部101は、カメラ102の撮影画像に基づいて、撮影画像中に含まれる通信相手装置(リーダライタ等)の数や種類に応じて最適な通信態様を決定し、その決定態様に従った通信制御を実行する。
【0060】
デバイス制御部101は、撮影画像中に含まれる通信相手装置(リーダライタ等)の数や種類等の通信相手状況を解析し、解析した通信相手状況に応じた最適な通信設定情報を記憶部106から取得する。
記憶部106には、様々な通信相手状況(数や種類)に応じた最適な通信態様(通信パラメータ等)情報が記録されている。
【0061】
なお、携帯端末10の記憶部106の記録データには限界があり、全ての通信相手状況(数や種類)に応じた最適な通信態様(通信パラメータ等)情報は格納できない。記憶部106に格納されていない通信相手状況(数や種類)に応じた最適な通信態様(通信パラメータ等)情報は通信管理サーバ50から取得することができる。
【0062】
携帯端末10の記憶部106に格納されたデータと、通信管理サーバ50の記憶部に格納されたデータの一例について
図8を参照して説明する。
【0063】
まず、携帯端末10の記憶部106に格納されるデータについて説明する。
図8に示すように、携帯端末10の記憶部106には、以下の3種類のデータが格納される。
(a)リーダライタ(R/W)種類識別用パラメータ&リーダライタ(R/W)種類対応通信パラメータ
(b)通信パラメータ差分データ(RF0の通信パラメータと、RF1~のRF0との差分データ)
(c)複数リーダライタ(R/W)検出時対応通信パラメータ
【0064】
「(a)リーダライタ(R/W)種類識別用パラメータ&リーダライタ(R/W)種類対応通信パラメータ」
このデータには、リーダライタ(R/W)種類(A1,A2,A3・・・)を識別するためのリーダライタ(R/W)種類識別用パラメータ(a1,a2,a3・・・)と、様々なリーダライタ種類(A1,A2,A3・・・)各々に対応する最適な通信パラメータのセット(RF1,RF2,RF3・・・)を記憶したデータ領域である。
【0065】
リーダライタ(R/W)種類識別用パラメータ(a1,a2,a3・・・)は、リーダライタの種類(A1,A2,A3・・・)に応じた識別パラメータである。リーダライタ(R/W)種類識別用パラメータ(a1,a2,a3・・・)の各々には、例えばリーダライタの色、形状、表示部の配置、スイッチ、ボタン等の配置等、リーダライタ(R/W)の種類を識別するために利用可能な特徴情報が含まれる。
【0066】
携帯端末10のデバイス制御部101は、カメラ102の撮影画像に含まれるリーダライタ(R/W)の画像と、このリーダライタ(R/W)種類識別用パラメータ(a1,a2,a3・・・)を比較して、撮影画像の特徴に一致するパラメータ(a1,a2,a3・・・)がいずれであるかを判定する。
【0067】
撮影画像の特徴に最も一致するパラメータが(a1)である場合、撮影画像のリーダライタ(R/W)の種類は(A1)であると判定する。
さらに、このリーダライタ(R/W)の種類(A1)に最適な通信パラメータが(RF2)であり、このデータがリーダライタ(R/W)の種類(A1)の識別パラメータ(a1)に対応付けて記録されれている。
携帯端末10のデバイス制御部101は、この通信パラメータ(RF2)に従って通信パラメータを設定して、撮影画像のリーダライタ(R/W)(種類=(A1))との通信処理を実行する。
この通信制御により、リーダライタ(R/W)の種類=(A1)に最適な通信設定での通信が可能となる。
【0068】
なお、RF1,RF2,RF3・・・の各々は、各リーダライタの種類A1,A2,A3・・・に対応する最適な通信パラメータのセットデータである。
RF1,RF2,RF3・・・の各々には、各リーダライタの種類A1,A2,A3・・・に対応する最適な通信パラメータのセット、例えば、通信信号のQ値、負荷変調(振幅/位相)、入力磁界、返信閾値、共振周波数、受信フィルタ特性等の最適値、アクティブ負荷変調(ALM)の最適制御設定、出力信号の強度最適値等、様々な通信態様制御値(パラメータ)が含まれる。
【0069】
「(b)通信パラメータ差分データ(RF0の通信パラメータと、RF1~のRF0との差分データ)」
このデータは、デフォルトの通信パラメータ(RF0)の各パラメータ設定値と、通信パラメータ(RF1,RF2,RF3・・・)各々のデフォルトパラメータ(RF0)との差分データ(ΔRF1,ΔRF2,ΔRF3・・・)を格納したデータ領域である。
【0070】
携帯端末10は、通信相手の種類が特定されない時点では、初期設定としてデフォルトの通信パラメータ(RF0)を設定して通信を実行する。その後、通信相手の種類(A1,A2,A3・・・)が特定された時点で通信相手の種類(A1,A2,A3・・・)に応じた最適な通信パラメータ(RF1等)に変更して通信を行う。
【0071】
この際の通信態様の変更時には、初期的なデフォルトの通信パラメータ(RF0)をRF1等に変更することが必要となる。この変更処理に際して、
「(b)通信パラメータ差分データ(RF0の通信パラメータと、RF1~のRF0との差分データ(ΔRF1,ΔRF2,ΔRF3・・・))」
この差分データ(ΔRF1,ΔRF2,ΔRF3・・・)を取得して、デフォルトの通信パラメータに対して差分の変更を行うことで異なる通信パラメータ(RF1,RF2等)の通信処理に即座に移行することができる。
【0072】
「(c)複数リーダライタ(R/W)検出時対応通信パラメータ」
このデータは、携帯端末10が複数のリーダライタ(R/W)を検出した際に設定する通信パラメータを格納したデータ領域である。
例えばαは、同一種類の複数リーダライタ(R/W)検出時の設定パラメータ、βは、異なる種類の複数リーダライタ(R/W)検出時の設定パラメータ等である。
【0073】
これらは、具体的には、例えば、通信を一次的に停止、あるいは通信出力の制限、あるいは、アクティブ負荷変調(ALM:Active Load Modulation)の停止(OFF)または制限等の制御を行う通信制御処理に相当する。
【0074】
次に、管理サーバ50に格納されるデータについて説明する。
図8に示すように、管理サーバ50には、以下の3種類のデータが格納される。
(s1)リーダライタ(R/W)種類識別用パラメータ
(s2)通信パラメータ
(s3)携帯端末種類単位のリーダライタ(R/W)種類対応通信パラメータ
【0075】
「(s1)リーダライタ(R/W)種類識別用パラメータ」
このデータは、携帯端末10の撮影画像に基づいてリーダライタの種類(A1,A2,A3・・・)を識別するためのデータである。
【0076】
このデータ(s1)は、先に説明した携帯端末格納データ中の「(a)リーダライタ(R/W)種類識別用パラメータ&リーダライタ(R/W)種類対応通信パラメータ」の構成データであるリーダライタ(R/W)種類識別用パラメータ(a1,a2,a3・・・)と同様のデータである。
すなわち、リーダライタ(R/W)種類(A1,A2,A3・・・)を識別するための識別パラメータである。
【0077】
リーダライタ(R/W)種類識別用パラメータ(a1,a2,a3・・・)の各々には、例えばリーダライタの色、形状、通信方式を示すマークやその位置、表示部の位置、スイッチ、ボタン等の配置等、リーダライタ(R/W)の種類を識別するために利用可能な特徴情報が含まれる。
【0078】
携帯端末10のカメラの撮影画像の特徴が、携帯端末10の記憶部に格納された「(a)リーダライタ(R/W)種類識別用パラメータ&リーダライタ(R/W)種類対応通信パラメータ」の構成データであるリーダライタ(R/W)種類識別用パラメータ(a1,a2,a3・・・)のいずれとも一致しない場合、携帯端末10は、通信管理サーバ50にカメラの撮影した画像データを送信する。
【0079】
通信管理サーバ50は、携帯端末10から受信した画像データに含まれるリーダライタ(R/W)の画像と、リーダライタ(R/W)種類識別用パラメータ(a1,a2,a3・・・)を比較して、リーダライタ(R/W)の種類を判定する。
さらに、判定したリーダライタの種類等の識別結果に基づいて、そのリーダライタ種類に最適な通信パラメータを選択して携帯端末10に送信する。
【0080】
携帯端末10は通信管理サーバ50から受信した通信パラメータを適用してリーダライタとの通信を実行する。
この通信制御により、リーダライタ(R/W)の種類に応じた最適な通信設定での通信が可能となる。
【0081】
「(s2)通信パラメータ」
このデータ領域は、様々な通信パラメータのセットの格納領域である。
RF1,RF2,RF3・・・の各々は、様々なリーダライタの種類に対応する最適な通信パラメータのセットデータである。
RF1,RF2,RF3・・・の各々には、最適な通信パラメータのセット、例えば、通信信号のQ値、負荷変調(振幅/位相)、入力磁界、返信閾値、共振周波数、受信フィルタ特性等の最適値、アクティブ負荷変調(ALM)の最適制御設定、出力信号の強度最適値等、様々な通信態様制御値(パラメータ)が含まれる。
【0082】
「(s3)携帯端末種類単位のリーダライタ(R/W)種類対応通信パラメータ」
このデータ領域は、携帯端末の種類単位の、リーダライタ(R/W)種類対応通信パラメータを格納した領域である。
【0083】
ユーザの利用する形態端末にもさまざまな種類があり、その種類に応じて通信特性が異なっている。
通信相手のリーダライタが同じ種類(A1)であっても、携帯端末の種類が異なると、各携帯端末に設定すべき通信パラメータが異なる場合がある。
【0084】
通信管理サーバ50は、様々な通信端末単位で、各リーダライタ(R/W)対応の最適なパラメータを保持している。
例えば
図8に示す(s3a)携帯端末A対応通信パラメータは、携帯端末の種類が(A)である場合に、各リーダライタの種類(A1,A2,A3・・・)に応じた最適なパラメータ(RF2,RF1,RF2・・・)を格納している。
【0085】
(s3b)携帯端末B対応通信パラメータは、携帯端末の種類が(B)である場合に、各リーダライタの種類(A1,A2,A3・・・)に応じた最適なパラメータ(RF1,RF2,RF5・・・)を格納している。
【0086】
通信管理サーバ50は、携帯端末10から通信パラメータの問い合わせ、送信要求を受信した場合、携帯端末10の種類とその通信相手となるリーダライタ(R/W)の種類に応じて、このデータ領域(s3)から、携帯端末種類とリーダライタ種類の一致するエントリを選択し、そのエントリに記録された通信パラメータ(RF1,RF2等)を取得して、携帯端末に送信する。
【0087】
携帯端末10は通信管理サーバ50から受信した通信パラメータを適用してリーダライタとの通信を実行する。
この通信制御により、リーダライタ(R/W)の種類に応じた最適な通信設定での通信が可能となる。
【0088】
[4.本開示の通信装置が実行する具体的な通信制御シーケンスについて]
次に、
図9以下のシーケンス図を参照して本開示の通信装置が実行する具体的な通信制御シーケンスについて説明する。
【0089】
図9以下のシーケンス図を参照して、以下の各処理例のシーケンスについて説明する。
(処理例1)携帯端末が1台のリーダライタを検出し、検出したリーダライタの種類の識別に成功した場合の処理シーケンス
(処理例2)携帯端末が複数台のリーダライタを検出し、その後、1台のリーダライタに近づき、そのリーダライタの種類の識別に成功した場合の処理シーケンス
(処理例3)携帯端末が1台のリーダライタを検出し、検出したリーダライタの種類の識別に失敗し、通信管理サーバから通信パラメータを受信して利用する場合の処理シーケンス
(処理例4)携帯端末が1台のリーダライタを検出し、検出したリーダライタからの送信信号の受信は成功するが、携帯端末からの送信信号がリーダライタによって受け付けられない場合に、通信管理サーバから通信パラメータを受信して利用する場合の処理シーケンス
【0090】
(処理例5)携帯端末が1台のリーダライタを検出し、検出したリーダライタの種類の識別に失敗し、通信管理サーバからも通信パラメータを受信できない場合の処理シーケンス
(処理例6)携帯端末が1台のリーダライタを検出し、検出したリーダライタの種類の識別に失敗し、通信管理サーバとの接続ができない場合の処理シーケンス
(処理例7)携帯端末が1台のリーダライタを検出し、検出したリーダライタの種類の識別に失敗し、通信管理サーバから、まず通信パラメータ識別子を受信し、その後、通信パラメータを受信して利用する場合の処理シーケンス
【0091】
(4-1(処理例1)携帯端末が1台のリーダライタを検出し、検出したリーダライタの種類の識別に成功した場合の処理シーケンス)
まず、
図9に示すシーケンス図を参照して、(処理例1)携帯端末が1台のリーダライタを検出し、検出したリーダライタの種類の識別に成功した場合の処理シーケンスについて説明する。
【0092】
図9に示すシーケンスは、携帯端末10が初期設定であるデフォルトの通信パラメータ(RF0)を適用した通信によりリーダライタ20との通信に成功した場合の通信シーケンスである。
図9のシーケンス図には、左から、通信管理サーバ50、携帯端末10のデバイス制御部101、携帯端末10の通信制御部103、リーダライタ20を示している。
ステップS10~ステップS21まで時系列に処理が進行する。
以下、各ステップの処理について説明する。
【0093】
(ステップS10)
携帯端末は、初期設定(デフォルト設定)として通信パラメータ(RF0)を適用した通信(近距離無線通信)処理を実行する設定がなされているものとする。
【0094】
(ステップS11)
リーダライタ20は、ステップS11において、携帯端末確認用のポーリング信号を継続的に送信している。
【0095】
ただし、このリーダライタ20が出力しているポーリング信号は、携帯端末10の通信パラメータ(RF0)を適用した通信に最適な通信設定ではなく、このままでは、携帯端末10とリーダライタ20間ではエラーのない通信は困難な状況である。
しかし、携帯端末10は、リーダライタ20の出力するポーリング信号の少なくとも一部を検出することが可能な状態にある。
【0096】
(ステップS12)
携帯端末10の通信制御部103は、リーダライタ20の出力するポーリング信号を検出すると、ステップS12においてRF信号(ポーリング信号)を検出したことをデバイス制御部101に通知する。
【0097】
(ステップS13)
携帯端末10のデバイス制御部101は、通信制御部103からのRF信号(ポーリング信号)検出情報を入力すると、ステップS13において、携帯端末10のカメラを起動し、カメラによる画像撮影を開始する。
【0098】
なお、カメラ起動処理はユーザが行ってもよい。この場合は、上述したステップS11~S12のポーリング信号の受信有無に関わらず、ステップS13以下の処理が実行される。
【0099】
(ステップS14)
次に、携帯端末10のデバイス制御部101は、ステップS14において、カメラによる撮影画像に基づくリーダライタ(R/W)の種類の識別処理を実行する。
【0100】
このリーダライタ(R/W)種類の識別処理は、先に
図8を参照して説明した
「(a)リーダライタ(R/W)種類識別用パラメータ&リーダライタ(R/W)種類対応通信パラメータ」
このデータを参照して実行する。
【0101】
先に説明したように、リーダライタ(R/W)種類識別用パラメータ(a1,a2,a3・・・)は、リーダライタの種類(A1,A2,A3・・・)に応じた識別パラメータである。リーダライタ(R/W)種類識別用パラメータ(a1,a2,a3・・・)の各々には、例えばリーダライタの色、形状、表示部の配置、スイッチ、ボタン等の配置等、リーダライタ(R/W)の種類を識別するために利用可能な特徴情報が含まれる。
【0102】
携帯端末10のデバイス制御部101は、カメラ撮影画像に含まれるリーダライタ(R/W)の画像と、このリーダライタ(R/W)種類識別用パラメータ(a1,a2,a3・・・)を比較して、撮影画像の特徴に一致するパラメータ(a1,a2,a3・・・)がいずれであるかを判定する。
【0103】
ステップS14において、カメラ撮影画像に基づくリーダライタ(R/W)の種類の識別処理に成功するとステップS15に進む。
【0104】
(ステップS15)
次に、携帯端末10のデバイス制御部101は、ステップS15において、識別したリーダライタ(R/W)の種類に最適な通信パラメータ(RF1)を記憶部106から取得して、通信制御部103にこのパラメータ(RF1)を適用した通信を開始させる。
【0105】
先に
図8を参照して説明したように、
「(a)リーダライタ(R/W)種類識別用パラメータ&リーダライタ(R/W)種類対応通信パラメータ」
このデータには、リーダライタ(R/W)の種類に応じた最適な通信パラメータがリーダライタ(R/W)の種類の識別パラメータに対応付けて記録されれている。
【0106】
携帯端末10のデバイス制御部101は、この通信パラメータを取得して、通信制御部103にこのパラメータ(RF1)を適用した通信を開始させる。
【0107】
(ステップS16~S17)
携帯端末10の通信制御部103は、デバイス制御部101から通知された通信パラメータ(RF1)を適用した通信処理を実行して、ステップS16のリーダライタ20からのポーリングを受信し、ステップS17においてポーリングに対する確認応答をリーダライタ20に送信する。
【0108】
このステップS17における通信処理は、リーダライタ20の種類に最適な通信パラメータ、すなわちステップS15で、リーダライタ(R/W)の種類に最適な通信パラメータ(RF1)(=設定パラメータ)に基づく通信として実行され、エラーのない確実な通信処理として実行することが可能となる。
【0109】
(ステップS18~S19)
その後、ステップS18~S19において、携帯端末10の通信制御部103とデバイス制御部101は、リーダライタ20と、デバイス制御部101から通知された通信パラメータ(RF1)を適用した通信処理を実行し、所定の処理、例えば決済処理に必要となる通信処理、データ処理を実行する。
【0110】
(ステップS20~S21)
ステップS18~S19において、一連の通信処理データ処理が完了すると、携帯端末10のデバイス制御部101は、ステップS20において通信管理サーバ50に通信ログを送信する。
【0111】
通信ログには、通信処理の実行日時と、通信対象としたリーダライタの種類情報と、通信に適用した通信パラメータ(RF1)の対応データが含まれる。
【0112】
通信管理サーバ50は、ステップS21において、携帯端末10から受信した通信ログを記憶部に格納する。
【0113】
この
図9に示すシーケンスは、携帯端末10のカメラ撮影画像に1台のリーダライタが検出され、検出したリーダライタの種類も携帯端末10の記憶部106に格納されたデータに基づいて識別できた場合の処理シーケンスである。
【0114】
(4-2(処理例2)携帯端末が複数台のリーダライタを検出し、その後、1台のリーダライタに近づき、そのリーダライタの種類の識別に成功した場合の処理シーケンス)
次に、
図10に示すシーケンス図を参照して、携帯端末が複数台のリーダライタを検出し、その後、1台のリーダライタに近づき、そのリーダライタの種類の識別に成功した場合の処理シーケンスについて説明する。
【0115】
図10のシーケンス図には、左から、通信管理サーバ50、携帯端末10のデバイス制御部101、携帯端末10の通信制御部103、リーダライタA1,20a1、リーダライタA2,20a2を示している。
ステップS25~ステップS38まで時系列に処理が進行する。
以下、各ステップの処理について説明する。
【0116】
(ステップS25)
携帯端末は、初期設定として通信パラメータ(RF0)を適用した通信(近距離無線通信)処理を実行する設定がなされているものとする。
【0117】
(ステップS26)
リーダライタA1,20a1と、リーダライタA2,20a2の各々は、ステップS26において、携帯端末確認用のポーリング信号を継続的に送信している。
【0118】
ただし、これらリーダライタA1,20a1、リーダライタA2,20a2が出力しているポーリング信号は、携帯端末10の通信パラメータ(RF0)を適用した通信に最適な通信設定ではなく、このままでは、携帯端末10と各リーダライタ間ではエラーのない通信は困難な状況である。
しかし、携帯端末10は、リーダライタの出力するポーリング信号の少なくとも一部を検出することが可能な状態にある。
【0119】
(ステップS27)
携帯端末10の通信制御部103は、ステップS27において、リーダライタA1,20a1の出力するポーリング信号を検出すると、RF信号(ポーリング信号)を検出したことをデバイス制御部101に通知する。
【0120】
(ステップS28)
携帯端末10のデバイス制御部101は、通信制御部103からのRF信号(ポーリング信号)検出情報を入力すると、ステップS28において、携帯端末10のカメラを起動し、カメラによる画像撮影を開始する。
【0121】
なお、カメラ起動処理はユーザが行ってもよい。この場合は、上述したステップS26~S27のポーリング信号の受信有無に関わらず、ステップS28以下の処理が実行される。
【0122】
(ステップS29~S30)
次に、携帯端末10のデバイス制御部101は、ステップS29において、カメラ撮影画像に基づくリーダライタ(R/W)の種類の識別処理を実行する。
【0123】
このリーダライタ(R/W)種類の識別処理は、先に
図8を参照して説明した
「(a)リーダライタ(R/W)種類識別用パラメータ&リーダライタ(R/W)種類対応通信パラメータ」
このデータを参照して実行する。
【0124】
ただし、このステップS29の時点では、カメラ撮影画像には、2台のリーダライタ、すなわち、リーダライタA1,20a1と、リーダライタA2,20a2が含まれている。
【0125】
携帯端末10のデバイス制御部101は、検出されたリーダライタが複数台であると判定し、ステップS30において、通信制御部103に対してリーダライタ複数台検出時の通信設定を行う。
【0126】
すなわち先に
図8を参照して説明した携帯端末10の記憶部106に格納された、
「(c)複数リーダライタ(R/W)検出時対応通信パラメータ」
を利用した通信設定を行う。
【0127】
具体的には、混信や通信エラーを防止するため、通信を一次的に停止、あるいは出力を制限、あるいは、アクティブ負荷変調(ALM:Active Load Modulation)の停止(OFF)等の制御を行う通信制御処理を実行する。
【0128】
(ステップS31)
次に、携帯端末10を保持するユーザが携帯端末10をリーダライタA1,20a1に近づけると、携帯端末10のカメラ撮影画像は、リーダライタA1,20a1のみが撮影された画像となる。
【0129】
携帯端末10のデバイス制御部101は、ステップS31において、このカメラ撮影画像に基づくリーダライタ(R/W)の種類の識別処理を実行する。
【0130】
このリーダライタ(R/W)種類の識別処理は、先に
図8を参照して説明した
「(a)リーダライタ(R/W)種類識別用パラメータ&リーダライタ(R/W)種類対応通信パラメータ」
このデータを参照して実行する。
【0131】
先に説明したように、リーダライタ(R/W)種類識別用パラメータ(a1,a2,a3・・・)は、リーダライタの種類(A1,A2,A3・・・)に応じた識別パラメータである。リーダライタ(R/W)種類識別用パラメータ(a1,a2,a3・・・)の各々には、例えばリーダライタの色、形状、表示部の配置、スイッチ、ボタン等の配置等、リーダライタ(R/W)の種類を識別するために利用可能な特徴情報が含まれる。
【0132】
携帯端末10のデバイス制御部101は、カメラ撮影画像に含まれるリーダライタA1,20a1の画像と、記憶部106に格納されたリーダライタ(R/W)種類識別用パラメータ(a1,a2,a3・・・)を比較して、撮影画像の特徴に一致するパラメータ(a1,a2,a3・・・)がいずれであるかを判定する。
【0133】
ステップS31において、カメラ撮影画像に基づいて、リーダライタA1,20a1の種類が(A1)であることの識別処理に成功するとステップS32に進む。
【0134】
(ステップS32)
次に、携帯端末10のデバイス制御部101は、ステップS32において、識別したリーダライタA1,20a1の種類(A1)に最適な通信パラメータ(RF1)を設定する。
【0135】
ここでは、先に
図8を参照して説明した
「(b)通信パラメータ差分データ(RF0の通信パラメータと、RF1~のRF0との差分データ(ΔRF1,ΔRF2,ΔRF3・・・))」
この差分データ(ΔRF1)を利用して、リーダライタA1,20a1の種類(A1)に最適な通信パラメータ(RF1)を算出する。
【0136】
すなわち、
RF1=RF0+ΔRF1
上記式に従って、リーダライタA1,20a1の種類(A1)に最適な通信パラメータ(RF1)を算出する。
携帯端末10のデバイス制御部101は、算出したパラメータ(RF1)を通信制御部103に通知して、通信制御部103にこのパラメータ(RF1)を適用した通信を開始させる。
【0137】
(ステップS33~S34)
携帯端末10の通信制御部103は、デバイス制御部101から通知された通信パラメータ(RF1)を適用した通信処理を実行して、ステップS33のリーダライタA1,20a1からのポーリングを受信し、ステップS34においてポーリングに対する確認応答をリーダライタA1,20a1に送信する。
【0138】
この通信処理は、リーダライタA1,20a1の種類に最適な通信パラメータの設定に基づく通信として実行され、エラーのない確実な通信処理として実行することが可能となる。
【0139】
(ステップS35~S36)
その後、ステップS35~S36において、携帯端末10の通信制御部103とデバイス制御部101は、リーダライタA1,20a1と、デバイス制御部101から通知された通信パラメータ(RF1)を適用した通信処理を実行し、所定の処理、例えば決済処理に必要となる通信処理、データ処理を実行する。
【0140】
(ステップS37~S38)
ステップS35~S36において、一連の通信処理データ処理が完了すると、携帯端末10のデバイス制御部101は、ステップS37において通信管理サーバ50に通信ログを送信する。
【0141】
通信ログには、通信処理の実行日時と、通信対象としたリーダライタA1,20a1の種類情報と、通信に適用した通信パラメータ(RF1)の対応データが含まれる。
【0142】
通信管理サーバ50は、ステップS38において、携帯端末10から受信した通信ログを記憶部に格納する。
【0143】
(4-3(処理例3)携帯端末が1台のリーダライタを検出し、検出したリーダライタの種類の識別に失敗し、通信管理サーバから通信パラメータを受信して利用する場合の処理シーケンス)
次に、
図11~
図12を参照して、処理例3として、携帯端末が1台のリーダライタを検出し、検出したリーダライタの種類の識別に失敗し、通信管理サーバから通信パラメータを受信して利用する場合の処理シーケンスについて説明する。
【0144】
図11~
図12のシーケンス図には、左から、通信管理サーバ50、携帯端末10のデバイス制御部101、携帯端末10の通信制御部103、リーダライタA3,20a3を示している。
ステップS40~ステップS55まで時系列に処理が進行する。
以下、各ステップの処理について説明する。
【0145】
(ステップS40)
携帯端末は、初期設定として通信パラメータ(RF0)を適用した通信(近距離無線通信)処理を実行する設定がなされているものとする。
【0146】
(ステップS41)
リーダライタA3,20a3は、ステップS41において、携帯端末確認用のポーリング信号を継続的に送信している。
ただし、このリーダライタA3,20a3が出力しているポーリング信号は、携帯端末10の通信パラメータ(RF0)を適用した通信に最適な通信設定ではなく、このままでは、携帯端末10とリーダライタA3,20a3間ではエラーのない通信は困難な状況である。
しかし、携帯端末10は、リーダライタA3,20a3の出力するポーリング信号の少なくとも一部を検出することが可能な状態にある。
【0147】
(ステップS42)
携帯端末10の通信制御部103は、リーダライタA3,20a3の出力するポーリング信号を検出すると、ステップS42においてRF信号(ポーリング信号)を検出したことをデバイス制御部101に通知する。
【0148】
(ステップS43)
携帯端末10のデバイス制御部101は、通信制御部103からのRF信号(ポーリング信号)検出情報を入力すると、ステップS43において、携帯端末10のカメラを起動し、カメラによる画像撮影を開始する。
【0149】
なお、カメラ起動処理はユーザが行ってもよい。この場合は、上述したステップS41~S42のポーリング信号の受信有無に関わらず、ステップS43以下の処理が実行される。
【0150】
(ステップS44)
次に、携帯端末10のデバイス制御部101は、ステップS44において、カメラによる撮影画像に基づくリーダライタ(R/W)の種類の識別処理を実行する。
【0151】
このリーダライタ(R/W)種類の識別処理は、先に
図8を参照して説明した
「(a)リーダライタ(R/W)種類識別用パラメータ&リーダライタ(R/W)種類対応通信パラメータ」
このデータを参照して実行する。
【0152】
先に説明したように、リーダライタ(R/W)種類識別用パラメータ(a1,a2,a3・・・)は、リーダライタの種類(A1,A2,A3・・・)に応じた識別パラメータである。リーダライタ(R/W)種類識別用パラメータ(a1,a2,a3・・・)の各々には、例えばリーダライタの色、形状、表示部の配置、スイッチ、ボタン等の配置等、リーダライタ(R/W)の種類を識別するために利用可能な特徴情報が含まれる。
【0153】
携帯端末10のデバイス制御部101は、カメラ撮影画像に含まれるリーダライタ(R/W)の画像と、このリーダライタ(R/W)種類識別用パラメータ(a1,a2,a3・・・)を比較して、撮影画像の特徴に一致するパラメータ(a1,a2,a3・・・)がいずれであるかを判定する。
【0154】
本処理例では、携帯端末10のデバイス制御部101は、ステップS44において、カメラ撮影画像に基づくリーダライタ(R/W)の種類の識別処理に失敗したものとする。
すなわち、カメラ撮影画像に含まれるリーダライタ(R/W)の画像の特徴に一致する特徴を持つデータが、携帯端末10の記憶部106に格納されたリーダライタ(R/W)種類識別用パラメータ(a1,a2,a3・・・)から検出できなかったとする。
【0155】
(ステップS45)
携帯端末10のデバイス制御部101は、ステップS44において、カメラ撮影画像に基づくリーダライタ(R/W)の種類の識別処理に失敗すると、ステップS45において、通信管理サーバ50にリーダライタ(R/W)種類の問い合わせ処理を実行する。
【0156】
この問い合わせ処理は、通信管理サーバ50に対して、携帯端末10が撮影したリーダライタ(R/W)の画像と、自装置の識別子を送付して実行する。自装置の識別子には、自装置の装置種類を示す情報が含まれる。
【0157】
(ステップS46)
携帯端末10からリーダライタ(R/W)種類の問い合わせを受信した通信管理サーバ50は、サーバの保持するデータ、すなわち、先に説明した
図8に示す通信管理サーバ格納データ中の「(s1)リーダライタ(R/W)種類識別用パラメータ」を参照して、リーダライタ(R/W)種類を識別する。
【0158】
この処理によって、通信管理サーバ50は、リーダライタ(R/W)種類の識別に成功し、リーダライタ種類=A3であると識別したものとする。
【0159】
(ステップS47)
次に通信管理サーバ50は、識別結果としてのリーダライタ種類=A3と、問い合わせ元の携帯端末の識別子に基づいて判定される携帯端末の種類等の識別結果に基づいて、携帯端末の種類と、リーダライタの種類の組み合わせに最適な通信パラメータを選択して、携帯端末10に送信する。
【0160】
先に
図8を参照して説明したように、通信管理サーバ格納データ中の、
「(s3)携帯端末種類単位のリーダライタ(R/W)種類対応通信パラメータ」
このデータは、携帯端末の種類単位の、リーダライタ(R/W)種類対応通信パラメータを格納した領域である。
このように、通信管理サーバ50は、様々な通信端末単位で、各リーダライタ(R/W)対応の最適なパラメータを保持している。
【0161】
ステップS47では、この「(s3)携帯端末種類単位のリーダライタ(R/W)種類対応通信パラメータ」格納領域から、携帯端末の種類と、リーダライタの種類の組み合わせに最適な通信パラメータ(RF3)を選択して、携帯端末10に送信する。
【0162】
(ステップS48)
次に、携帯端末10のデバイス制御部101は、ステップS48において、通信管理サーバ50から受信した通信パラメータ(RF3)を通信制御部103に転送して、通信制御部103にこのパラメータ(RF3)を適用した通信を開始させる。
【0163】
(ステップS49~S50)
携帯端末10の通信制御部103は、デバイス制御部101から通知された通信パラメータ(RF3)を適用した通信処理を実行して、ステップS49のリーダライタA3,20a3からのポーリングを受信し、ステップS50においてポーリングに対する確認応答をリーダライタA3,20a3に送信する。
【0164】
この通信処理は、リーダライタA3,20a3の種類に最適な通信パラメータの設定に基づく通信として実行され、エラーのない確実な通信処理として実行することが可能となる。
【0165】
(ステップS51~S52)
その後、ステップS51~S52において、携帯端末10の通信制御部103とデバイス制御部101は、リーダライタA3,20a3と、デバイス制御部101から通知された通信パラメータ(RF3)を適用した通信処理を実行し、所定の処理、例えば決済処理に必要となる通信処理、データ処理を実行する。
【0166】
(ステップS53)
一連の通信処理データ処理が完了すると、携帯端末10の通信制御部は、ステップS53において、R/W種類情報(A3)と、通信パラメータ(RF3)を記憶部に格納する。R/W種類情報(A3)はR/W種類の識別用パラメータ(a3)と対応付けて記録する。R/W種類識別用パラメータ(a3)はカメラ撮影画像から取得したデータである。
【0167】
この処理により、その後、同一種類のリーダライタ(R/W)との通信が必要になった場合、通信管理サーバ50に対する問い合わせを行うことなく、リーダライタ(R/W)の種類識別と最適通信パラメータの選択を行うことが可能となる。
【0168】
(ステップS54~S55)
その後、携帯端末10のデバイス制御部101は、ステップS54において通信管理サーバ50に通信ログを送信する。
通信ログには、通信処理の実行日時と、通信対象としたリーダライタの種類情報と、通信に適用した通信パラメータ(RF3)の対応データが含まれる。
【0169】
通信管理サーバ50は、ステップS55において、携帯端末10から受信した通信ログを記憶部に格納する。
【0170】
(4-4(処理例4)携帯端末が1台のリーダライタを検出し、検出したリーダライタからの送信信号の受信は成功するが、携帯端末からの送信信号がリーダライタによって受け付けられない場合に、通信管理サーバから通信パラメータを受信して利用する場合の処理シーケンス)
【0171】
次に、
図13~
図14を参照して、処理例4として、携帯端末が1台のリーダライタを検出し、検出したリーダライタからの送信信号の受信は成功するが、携帯端末からの送信信号がリーダライタによって受け付けられない場合に、通信管理サーバから通信パラメータを受信して利用する場合の処理シーケンスについて説明する。
【0172】
なお、本例では、リーダライタからの送信信号の受信は成功するため、近距離無線通信における受信パラメータの変更は不要であり、携帯端末10の送信パラメータを変更する処理となる。
なお、上述した処理例1~3においても、携帯端末10は、受信パラメータのみ、あるいは送信パラメータのみの変更を実行することが可能である。
【0173】
図13~
図14のシーケンス図には、左から、通信管理サーバ50、携帯端末10のデバイス制御部101、携帯端末10の通信制御部103、リーダライタA4,20a4を示している。
ステップS60~ステップS78まで時系列に処理が進行する。
以下、各ステップの処理について説明する。
【0174】
(ステップS60)
携帯端末は、初期設定として通信パラメータ(RF0)を適用した通信(近距離無線通信)処理を実行する設定がなされているものとする。
【0175】
(ステップS61)
リーダライタA4,20a4は、ステップS61において、携帯端末確認用のポーリング信号を継続的に送信している。
【0176】
本例では、リーダライタA4,20a4が出力しているポーリング信号の受信は可能な設定であるが、ステップS61の時点では、携帯端末10とリーダライタA4,20a4との距離が離れており、携帯端末10は、リーダライタA4,20a4のポーリング信号の受信が困難な状況にある設定である。
しかし、携帯端末10は、リーダライタA4,20a4の出力するポーリング信号の少なくとも一部を検出することが可能な状態にある。
【0177】
(ステップS62)
携帯端末10の通信制御部103は、リーダライタA4,20a4の出力するポーリング信号を検出すると、ステップS62においてRF信号(ポーリング信号)を検出したことをデバイス制御部101に通知する。
【0178】
(ステップS63)
携帯端末10のデバイス制御部101は、通信制御部103からのRF信号(ポーリング信号)検出情報を入力すると、ステップS63において、携帯端末10のカメラを起動し、カメラによる画像撮影を開始する。
【0179】
なお、カメラ起動処理はユーザが行ってもよい。この場合は、上述したステップS61~S62のポーリング信号の受信有無に関わらず、ステップS63以下の処理が実行される。
【0180】
(ステップS64)
次に、携帯端末10のデバイス制御部101は、ステップS44において、カメラによる撮影画像に基づくリーダライタ(R/W)の種類の識別処理を実行する。
【0181】
このリーダライタ(R/W)種類の識別処理は、先に
図8を参照して説明した
「(a)リーダライタ(R/W)種類識別用パラメータ&リーダライタ(R/W)種類対応通信パラメータ」
このデータを参照して実行する。
【0182】
本処理例では、携帯端末10のデバイス制御部101は、ステップS64において、カメラ撮影画像に基づくリーダライタ(R/W)の種類の識別処理に失敗したものとする。
すなわち、カメラ撮影画像に含まれるリーダライタ(R/W)の画像の特徴に一致する特徴を持つデータが、携帯端末10の記憶部106に格納されたリーダライタ(R/W)種類識別用パラメータ(a1,a2,a3・・・)から検出できなかったとする。
【0183】
(ステップS65~S68)
次に、ステップS65において、携帯端末10とリーダライタA4,20a4との距離が近づき、携帯端末10は、ステップS66において、リーダライタA4,20a4のポーリング信号の受信に成功する。
【0184】
このポーリング信号受信に応じて、携帯端末10の通信制御部103はステップS67においてポーリングに対する応答をリーダライタA4,20a4に送信するが、その後、リーダライタA4,20a4からはポーリング信号以外のデータが受信できない。携帯端末10の通信制御部103は、この状態に基づいて携帯端末10の応答信号がリーダライタA4,20a4によって正常に受信されていないと判定し、ステップS68において、デバイス制御部101に応答送信エラーが発生していることを通知する。
【0185】
(ステップS69)
応答送信エラーの発生通知を受信したデバイス制御部101は、ステップS69において、通信管理サーバ50にリーダライタ(R/W)種類の問い合わせ処理を実行する。
この問い合わせ処理は、通信管理サーバ50に対して、携帯端末10が撮影したリーダライタ(R/W)の画像と、自装置の識別子を送付して実行する。自装置の識別子には、自装置の装置種類を示す情報が含まれる。
【0186】
(ステップS70)
携帯端末10からリーダライタ(R/W)種類の問い合わせを受信した通信管理サーバ50は、サーバの保持するデータ、すなわち、先に説明した
図8に示す通信管理サーバ格納データ中の「(s1)リーダライタ(R/W)種類識別用パラメータ」を参照して、リーダライタ(R/W)種類を識別する。
【0187】
この処理によって、通信管理サーバ50は、リーダライタ(R/W)種類の識別に成功し、リーダライタ種類=A4であると識別したものとする。
【0188】
(ステップS71)
次に通信管理サーバ50は、識別結果としてのリーダライタ種類=A4と、問い合わせ元の携帯端末の識別子に基づいて判定される携帯端末の種類等の識別結果に基づいて、携帯端末の種類と、リーダライタの種類の組み合わせに最適な通信パラメータを選択して、携帯端末10に送信する。
【0189】
先に
図8を参照して説明したように、通信管理サーバ格納データ中の、
「(s3)携帯端末種類単位のリーダライタ(R/W)種類対応通信パラメータ」
このデータは、携帯端末の種類単位の、リーダライタ(R/W)種類対応通信パラメータを格納した領域である。
このように、通信管理サーバ50は、様々な通信端末単位で、各リーダライタ(R/W)対応の最適なパラメータを保持している。
【0190】
ステップS71では、この「(s3)携帯端末種類単位のリーダライタ(R/W)種類対応通信パラメータ」格納領域から、携帯端末の種類と、リーダライタの種類の組み合わせに最適な通信パラメータ(RF4)を選択して、携帯端末10に送信する。
【0191】
(ステップS72)
次に、携帯端末10のデバイス制御部101は、ステップS72において、通信管理サーバ50から受信した通信パラメータ(RF4)を通信制御部103に転送して、通信制御部103にこのパラメータ(RF4)を適用した通信を開始させる。
【0192】
なお、この処理例では、リーダライタA4,20a4の送信データの受信処理は正常に実行できているので、受信パラメータは変更しなくてもよい。すなわち、通信制御部103は携帯端末10からの送信処理におけるパラメータのみを変更する処理を行ってもよい。ただし、送受信処理に適用するパラメータを併せて変更しても構わない。
【0193】
(ステップS73~S74)
携帯端末10の通信制御部103は、ステップS73のリーダライタA4,20a4からのポーリングに対して、ステップS74において、デバイス制御部101から通知された通信パラメータ(RF4)を適用した応答送信処理を実行する。
この応答送信処理は、リーダライタA4,20a4の種類に最適な通信パラメータの設定に基づく通信として実行され、リーダライタA4,20a4による確実な受信が可能となる。
【0194】
(ステップS75~S76)
その後、ステップS75~S76において、携帯端末10の通信制御部103とデバイス制御部101は、リーダライタA4,20a4と、デバイス制御部101から通知された通信パラメータ(RF4)を適用した通信処理を実行し、所定の処理、例えば決済処理に必要となる通信処理、データ処理を実行する。
【0195】
(ステップS77)
一連の通信処理データ処理が完了すると、携帯端末10の通信制御部は、ステップS77において、R/W種類情報(A4)と、通信パラメータ(RF4)を記憶部に格納する。R/W種類情報(A4)はR/W種類の識別用パラメータ(a4)と対応付けて記録する。R/W種類識別用パラメータ(a4)はカメラ撮影画像から取得したデータである。
【0196】
この処理により、その後、同一種類のリーダライタ(R/W)との通信が必要になった場合、通信管理サーバ50に対する問い合わせを行うことなく、リーダライタ(R/W)の種類識別と最適通信パラメータの選択を行うことが可能となる。
【0197】
(ステップS78~S79)
その後、携帯端末10のデバイス制御部101は、ステップS78において通信管理サーバ50に通信ログを送信する。
通信ログには、通信処理の実行日時と、通信対象としたリーダライタの種類情報と、通信に適用した通信パラメータ(RF4)の対応データが含まれる。
【0198】
通信管理サーバ50は、ステップS79において、携帯端末10から受信した通信ログを記憶部に格納する。
【0199】
(4-5(処理例5)携帯端末が1台のリーダライタを検出し、検出したリーダライタの種類の識別に失敗し、通信管理サーバからも通信パラメータを受信できない場合の処理シーケンス)
【0200】
次に、
図15~
図16を参照して、処理例5として、携帯端末が1台のリーダライタを検出し、検出したリーダライタの種類の識別に失敗し、通信管理サーバからも通信パラメータを受信できない場合の処理シーケンスについて説明する。
【0201】
図15~
図16のシーケンス図には、左から、通信管理サーバ50、携帯端末10のデバイス制御部101、携帯端末10の通信制御部103、リーダライタA5,20a5を示している。
ステップS80~ステップS95まで時系列に処理が進行する。
以下、各ステップの処理について説明する。
【0202】
(ステップS80~S85)
ステップS80~S85の処理は、先に
図11を参照して説明した(処理例3)のステップS40~S45の処理と同様の処理であるので説明を省略する。
【0203】
本処理例では、先に説明した(処理例3)と同様、携帯端末10のデバイス制御部101は、ステップS84において、カメラ撮影画像に基づくリーダライタ(R/W)の種類の識別処理に失敗し、ステップS85において、通信管理サーバ50にリーダライタ(R/W)種類の問い合わせ処理を実行する。
【0204】
この問い合わせ処理は、通信管理サーバ50に対して、携帯端末10が撮影したリーダライタ(R/W)の画像と、自装置の識別子を送付して実行する。自装置の識別子には、自装置の装置種類を示す情報が含まれる。
【0205】
(ステップS86~S87)
携帯端末10からリーダライタ(R/W)種類の問い合わせを受信した通信管理サーバ50は、サーバの保持するデータ、すなわち、先に説明した
図8に示す通信管理サーバ格納データ中の「(s1)リーダライタ(R/W)種類識別用パラメータ」を参照して、リーダライタ(R/W)種類の識別処理を実行する。
【0206】
しかし、本処理例5では、通信管理サーバ50は、リーダライタ(R/W)種類の識別に失敗し、ステップS87において、携帯端末10にリーダライタ(R/W)種類識別ができなかったことを通知する。
【0207】
(ステップS88)
次に、携帯端末10のデバイス制御部101は、ステップS87において、通信管理サーバ50からリーダライタ(R/W)種類の識別不可の通知を受領すると、記憶部106に格納された通信パラメータからランダムに1つの通信パラメータ、例えば通信パラメータ(RF3)を選択する。この選択した通信パラメータ(RF3)を通信制御部103に転送して、通信制御部103にこのパラメータ(RF3)を適用した通信を開始させる。
【0208】
(ステップS89~S90)
携帯端末10の通信制御部103は、デバイス制御部101から通知された通信パラメータ(RF3)を適用した通信処理を実行して、ステップS89のリーダライタA5,20a5からのポーリングを受信し、ステップS90においてポーリングに対する確認応答をリーダライタA5,20a5に送信する。
【0209】
この通信処理は、携帯端末10のデバイス制御部101がランダムに選択した通信パラメータ(RF3)を適用した通信であるが、本処理例では、この通信パラメータ(RF3)がリーダライタA5,20a5との通信に適合したパラメータであり、通信に成功する。
【0210】
なお、ここで通信エラーが発生した場合は、通信制御部103からデバイス制御部101に通信エラーメッセージが通知され、デバイス制御部101はさらに異なる通信パラメータを選択して通信制御部103に提供する。
これらの処理を繰り返して実行する。
【0211】
本処理例では、通信パラメータ(RF3)がリーダライタA5,20a5との通信に適合したパラメータであり、通信に成功する。
【0212】
(ステップS91~S92)
その後、ステップS91~S92において、携帯端末10の通信制御部103とデバイス制御部101は、リーダライタA5,20a5と、デバイス制御部101から通知された通信パラメータ(RF3)を適用した通信処理を実行し、所定の処理、例えば決済処理に必要となる通信処理、データ処理を実行する。
【0213】
(ステップS93)
一連の通信処理データ処理が完了すると、携帯端末10の通信制御部は、ステップS93において、R/W種類情報(A5)と、通信パラメータ(RF3)を記憶部に格納する。R/W種類情報(A5)はR/W種類の識別用パラメータ(a5)と対応付けて記録する。R/W種類識別用パラメータ(a5)はカメラ撮影画像から取得したデータである。
【0214】
この処理により、その後、同一種類のリーダライタ(R/W)との通信が必要になった場合、通信管理サーバ50に対する問い合わせを行うことなく、リーダライタ(R/W)の種類識別と最適通信パラメータの選択を行うことが可能となる。
【0215】
(ステップS94~S95)
その後、携帯端末10のデバイス制御部101は、ステップS94において通信管理サーバ50に通信ログを送信する。
通信ログには、通信処理の実行日時と、通信対象としたリーダライタの種類情報と、通信に適用した通信パラメータ(RF3)の対応データが含まれる。
【0216】
通信管理サーバ50は、ステップS95において、携帯端末10から受信した通信ログを記憶部に格納する。
さらに、R/W種類情報(A5)と、通信パラメータ(RF3)をサーバ内の記憶部に格納する。R/W種類情報(A5)はR/W種類の識別用パラメータ(a5)と対応付けて記録する。R/W種類識別用パラメータ(a5)は携帯端末10から受信したカメラ撮影画像から取得したデータである。
【0217】
この処理により、その後、他の携帯端末から、同一種類のリーダライタ(R/W)との通信パラメータの要求が発生した場合、携帯端末に対して最適パラメータを提供することが可能となる。
【0218】
(4-6(処理例6)携帯端末が1台のリーダライタを検出し、検出したリーダライタの種類の識別に失敗し、通信管理サーバとの接続ができない場合の処理シーケンス)
【0219】
次に、
図17~
図18を参照して、処理例6として、携帯端末が1台のリーダライタを検出し、検出したリーダライタの種類の識別に失敗し、通信管理サーバとの接続ができない場合の処理シーケンスについて説明する。
【0220】
図17~
図18のシーケンス図には、左から、通信管理サーバ50、携帯端末10のデバイス制御部101、携帯端末10の通信制御部103、リーダライタ(new),20a8を示している。
ステップS100~ステップS112まで時系列に処理が進行する。
以下、各ステップの処理について説明する。
【0221】
(ステップS100~S104)
ステップS100~S104の処理は、先に
図11を参照して説明した(処理例3)のステップS40~S44の処理と同様の処理であるので説明を省略する。
【0222】
本処理例では、先に説明した(処理例3)と同様、携帯端末10のデバイス制御部101は、ステップS104において、カメラ撮影画像に基づくリーダライタ(R/W)の種類の識別処理に失敗する。
【0223】
(ステップS105)
携帯端末10は、ステップS105において、通信管理サーバ50にリーダライタ(R/W)種類の問い合わせ処理を実行しようとするが、通信管理サーバ50に接続することができない。
【0224】
(ステップS106~S107)
通信管理サーバ50に接続することができないことを検出した携帯端末10のデバイス制御部101は、ステップS106~S107において、記憶部106に格納された通信パラメータから、順次、異なる通信パラメータを選択して、選択した通信パラメータを通信制御部103に転送して、通信制御部103に選択パラメータを適用した通信を開始させる。
【0225】
ここで通信エラーが発生した場合は、通信制御部103からデバイス制御部101に通信エラーメッセージが通知され、デバイス制御部101はさらに異なる通信パラメータを選択して通信制御部103に提供する。
これらの処理を繰り返して実行する。
【0226】
本処理例では、通信パラメータ(RF3~RF7)の各パラメータについて、順次、通信を実行したものとする。
【0227】
(ステップS108~S109)
携帯端末10が、ステップS107において選択した通信パラメータ(RF7)を適用した通信を行ったタイミングで、ステップS108のリーダライタ(new),20a8からのポーリング受信に成功する。
携帯端末10は、ステップS109において、ポーリングに対する応答を送信する。この送信処理に適用するパラメータも通信パラメータ(RF7)である。
この通信パラメータ(RF7)は、リーダライタ(new),20a8との通信に適合したパラメータであり、通信に成功する。
【0228】
(ステップS110~S111)
その後、ステップS110~S111において、携帯端末10の通信制御部103とデバイス制御部101は、リーダライタ(new),20a8と、デバイス制御部101から通知された通信パラメータ(RF7)を適用した通信処理を実行し、所定の処理、例えば決済処理に必要となる通信処理、データ処理を実行する。
【0229】
(ステップS112)
一連の通信処理データ処理が完了すると、携帯端末10の通信制御部は、ステップS112において、R/W種類情報((new))と、通信パラメータ(RF7)を記憶部に格納する。R/W種類情報((new))はR/W種類の識別用パラメータ((new))と対応付けて記録する。R/W種類識別用パラメータ((new))はカメラ撮影画像から取得したデータである。
【0230】
この処理により、その後、同一種類のリーダライタ(R/W)との通信が必要になった場合、通信管理サーバ50に対する問い合わせを行うことなく、リーダライタ(R/W)の種類識別と最適通信パラメータの選択を行うことが可能となる。
【0231】
(4-7(処理例7)携帯端末が1台のリーダライタを検出し、検出したリーダライタの種類の識別に失敗し、通信管理サーバから、まず通信パラメータ識別子を受信し、その後、通信パラメータを受信して利用する場合の処理シーケンス)
【0232】
次に、
図19~
図20を参照して、処理例7として、携帯端末が1台のリーダライタを検出し、検出したリーダライタの種類の識別に失敗し、通信管理サーバから、まず通信パラメータ識別子を受信し、その後、通信パラメータを受信して利用する場合の処理シーケンスについて説明する。
【0233】
図19~
図20のシーケンス図には、左から、通信管理サーバ50、携帯端末10のデバイス制御部101、携帯端末10の通信制御部103、リーダライタA8,20a8を示している。
ステップS120~ステップS138まで時系列に処理が進行する。
以下、各ステップの処理について説明する。
【0234】
(ステップS120~S125)
ステップS120~S125の処理は、先に
図11を参照して説明した(処理例3)のステップS40~S45の処理と同様の処理であるので説明を省略する。
【0235】
本処理例では、先に説明した(処理例3)と同様、携帯端末10のデバイス制御部101は、ステップS124において、カメラ撮影画像に基づくリーダライタ(R/W)の種類の識別処理に失敗し、ステップS85において、通信管理サーバ50にリーダライタ(R/W)種類の問い合わせ処理を実行する。
【0236】
この問い合わせ処理は、通信管理サーバ50に対して、携帯端末10が撮影したリーダライタ(R/W)の画像と、自装置の識別子を送付して実行する。自装置の識別子には、自装置の装置種類を示す情報が含まれる。
【0237】
(ステップS126~S127)
携帯端末10からリーダライタ(R/W)種類の問い合わせを受信した通信管理サーバ50は、サーバの保持するデータ、すなわち、先に説明した
図8に示す通信管理サーバ格納データ中の「(s1)リーダライタ(R/W)種類識別用パラメータ」を参照して、リーダライタ(R/W)種類の識別処理を実行する。
【0238】
本処理例6では、通信管理サーバ50は、リーダライタ(R/W)種類の識別に成功し、リーダライタ(R/W)種類=(A8)であることが識別できたものとする。
【0239】
通信管理サーバ50は、ステップS127において、携帯端末10に対して、リーダライタ(R/W)種類=(A8)に最適な通信パラメータ(RF8)の識別子を通知する。
これは、携帯端末10が通信パラメータ(RF8)を保持していれば、パラメータ自体を送信する必要がないからである。
【0240】
(ステップS128)
通信管理サーバ50から、通信パラメータ(RF8)の識別子の通知を受信した携帯端末10のデバイス制御部101は、ステップS128において、記憶部106に通信パラメータ(RF8)が格納されているかを検索する。
しかし、通信パラメータ(RF8)が格納されていなかったものとする。
【0241】
(ステップS129~S130)
ステップS128において通信パラメータ(RF8)が記憶部106に格納されていないことを確認した携帯端末10のデバイス制御部101は、ステップS129において、通信管理サーバ50に通信パラメータ(RF8)の送信を要求する。
【0242】
通信管理サーバ50は、ステップS130において、携帯端末10からの通信パラメータ送信要求に応じて通信パラメータ(RF8)を携帯端末10に送信する。
【0243】
(ステップS131)
次に、携帯端末10のデバイス制御部101は、ステップS131において、通信管理サーバ50から受信した通信パラメータ(RF8)を通信制御部103に転送して、通信制御部103にこのパラメータ(RF8)を適用した通信を開始させる。
【0244】
(ステップS132~S133)
携帯端末10の通信制御部103は、デバイス制御部101から通知された通信パラメータ(RF8)を適用した通信処理を実行して、ステップS132のリーダライタA8,20a8からのポーリングを受信し、ステップS133においてポーリングに対する確認応答をリーダライタA8,20a8に送信する。
【0245】
この通信処理は、リーダライタA8,20a8との通信に適合した通信パラメータ(RF8)を適用した通信であり、通信に成功する。
【0246】
(ステップS134~S135)
その後、ステップS134~S135において、携帯端末10の通信制御部103とデバイス制御部101は、リーダライタA8,20a8と、デバイス制御部101から通知された通信パラメータ(RF8)を適用した通信処理を実行し、所定の処理、例えば決済処理に必要となる通信処理、データ処理を実行する。
【0247】
(ステップS136)
一連の通信処理データ処理が完了すると、携帯端末10の通信制御部は、ステップS136において、R/W種類情報(A8)と、通信パラメータ(RF8)を記憶部に格納する。R/W種類情報(A8)はR/W種類の識別用パラメータ(a8)と対応付けて記録する。R/W種類識別用パラメータ(a8)はカメラ撮影画像から取得したデータである。
【0248】
この処理により、その後、同一種類のリーダライタ(R/W)との通信が必要になった場合、通信管理サーバ50に対する問い合わせを行うことなく、リーダライタ(R/W)の種類識別と最適通信パラメータの選択を行うことが可能となる。
【0249】
(ステップS137~S138)
その後、携帯端末10のデバイス制御部101は、ステップS137において通信管理サーバ50に通信ログを送信する。
通信ログには、通信処理の実行日時と、通信対象としたリーダライタの種類情報と、通信に適用した通信パラメータ(RF8)の対応データが含まれる。
【0250】
通信管理サーバ50は、ステップS138において、携帯端末10から受信した通信ログを記憶部に格納する。
【0251】
[5.通信装置、リーダライタ、サーバのハードウェア構成例について]
次に、本開示の通信装置とサーバのハードウェア構成例について説明する。
図21は、携帯端末、リーダライタ、通信管理サーバ等の各装置を構成するハードウェア構成の一例を示す図である。
【0252】
図21に示すハードウェア構成について説明する。
CPU(Central Processing Unit)301は、ROM(Read Only Memory)302、または記憶部308に記憶されているプログラムに従って各種の処理を実行する制御部やデータ処理部として機能する。例えば、上述した実施例において説明したシーケンスに従った処理を実行する。RAM(Random Access Memory)303には、CPU301が実行するプログラムやデータなどが記憶される。これらのCPU301、ROM302、およびRAM303は、バス304により相互に接続されている。
【0253】
CPU301はバス304を介して入出力インタフェース305に接続され、入出力インタフェース305には、各種スイッチ、キーボード、マウス、マイクロホンなどよりなる入力部306、ディスプレイ、スピーカなどよりなる出力部307が接続されている。CPU301は、入力部306から入力される指令に対応して各種の処理を実行し、処理結果を例えば出力部307に出力する。
【0254】
入出力インタフェース305に接続されている記憶部308は、例えばフラッシュメモリ、ハードディスク等からなり、CPU301が実行するプログラムや各種のデータを記憶する。通信部309は、近距離無線通信、Wi-Fi通信、ブルートゥース(登録商標)(BT)通信、その他インターネットやローカルエリアネットワークなどのネットワークを介したデータ通信の送受信部として機能し、外部の装置と通信する。
【0255】
入出力インタフェース305に接続されているドライブ310は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、あるいはメモリカード等の半導体メモリなどのリムーバブルメディア311を駆動し、データの記録あるいは読み取りを実行する。
【0256】
[6.本開示の構成のまとめ]
以上、特定の実施例を参照しながら、本開示の実施例について詳解してきた。しかしながら、本開示の要旨を逸脱しない範囲で当業者が実施例の修正や代用を成し得ることは自明である。すなわち、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、限定的に解釈されるべきではない。本開示の要旨を判断するためには、特許請求の範囲の欄を参酌すべきである。
【0257】
なお、本明細書において開示した技術は、以下のような構成をとることができる。
(1) 画像撮影を行うカメラと、
前記カメラの撮影画像を解析し、撮影画像に含まれる通信相手装置を識別し、
識別結果に基づいて最適な通信態様を決定し、決定した通信態様で前記通信相手装置との通信処理を実行する制御部を有する通信装置。
【0258】
(2) 前記通信装置は、
近距離無線通信を実行する通信部を有し、
前記制御部は、
前記通信相手装置の識別結果に基づいて決定した通信態様で、前記通信相手装置との近距離無線通信を実行する(1)に記載の通信装置。
【0259】
(3) 前記制御部は、
前記通信相手装置からの受信信号に対する受信態様、または、自装置から前記通信相手装置に対する送信信号の送信態様の少なくともいずれかを、前記通信相手装置の識別結果に基づいて決定した通信態様で実行する(1)または(2)に記載の通信装置。
【0260】
(4) 前記通信装置は、
通信相手装置の種類に対応する最適な通信パラメータを格納した記憶部を有し、
前記制御部は、
前記記憶部から、前記通信相手装置の種類に対応する最適な通信パラメータを取得し、取得した通信パラメータを適用した通信処理を実行する(1)~(3)いずれかに記載の通信装置。
【0261】
(5) 前記通信パラメータは、通信信号のQ値、負荷変調(振幅/位相)、入力磁界、返信閾値、共振周波数、受信フィルタ特性、アクティブ負荷変調(ALM)の最適制御設定、出力信号の強度最適値の少なくともいずれかを含む(4)に記載の通信装置。
【0262】
(6) 前記制御部は、
外部サーバから、前記通信相手装置の種類に対応する最適な通信パラメータを取得し、取得した通信パラメータを適用した通信処理を実行する(1)~(5)いずれかに記載の通信装置。
【0263】
(7) 前記制御部は、
前記撮影画像に含まれる通信相手装置の数を識別し、
識別した前記通信相手装置の数に基づいて、前記通信相手装置に最適な通信制御処理を実行する(1)~(6)いずれかに記載の通信装置。
【0264】
(8) 前記制御部は、
前記撮影画像に含まれる通信相手装置の数が複数である場合、
通信の停止、または通信出力の制限、または、アクティブ負荷変調(ALM:Active Load Modulation)の停止(OFF)または制限の少なくともいずれかの制御を実行する(7)に記載の通信装置。
【0265】
(9) 前記通信装置は、
通信相手装置の種類を識別するための識別用パラメータを格納した記憶部を有し、
前記制御部は、
前記カメラの撮影画像を解析し、撮影画像に含まれる通信相手装置の特徴と、前記識別用パラメータとを比較して、通信相手装置の種類を識別する(1)~(8)いずれかに記載の通信装置。
【0266】
(10) 前記識別用パラメータは、
前記通信相手装置の色、形状、通信方式を示すマークやその位置、表示部の位置の少なくともいずれかの情報を含む(9)に記載の通信装置。
【0267】
(11) 前記通信装置は、近距離無線通信を実行する携帯端末であり、
前記通信相手装置は、リーダライタである(1)~(10)いずれかに記載の通信装置。
【0268】
(12) 通信装置と、
前記通信装置と近距離無線通信を実行する通信相手装置と、
前記通信装置と通信可能な通信管理サーバを有する通信制御システムであり、
前記通信装置は、
画像撮影を行うカメラと、
前記カメラの撮影画像を前記通信管理サーバに送信する制御部を有し、
前記通信管理サーバは、
前記通信装置からの受信画像を解析し、受信画像に含まれる通信相手装置を識別し、
識別結果に基づいて、前記通信相手装置に最適な通信パラメータを選択して前記通信装置に送信し、
前記通信装置の制御部は、
前記通信管理サーバから受信した通信パラメータを適用して、前記通信相手装置との通信を実行する通信制御システム。
【0269】
(13) 前記通信管理サーバは、
様々な通信相手装置の種類に対応する最適な通信パラメータを格納した記憶部を有し、
前記記憶部から、前記通信相手装置の種類に対応する最適な通信パラメータを取得し、取得した通信パラメータを前記通信装置に送信する(12)に記載の通信制御システム。
【0270】
(14) 前記通信管理サーバは、
様々な通信相手装置の種類を識別するための識別用パラメータを格納した記憶部を有し、
前記受信画像と、前記識別用パラメータとを比較して、通信相手装置の種類を識別する(12)または(13)に記載の通信制御システム。
【0271】
(15) 通信装置において実行する通信制御方法であり、
前記通信装置の制御部が、
カメラの撮影画像を解析し、撮影画像に含まれる通信相手装置を識別し、
識別結果に基づいて最適な通信態様を決定し、決定した通信態様で前記通信相手装置との通信処理を実行する通信制御方法。
【0272】
(16) 通信装置と、
前記通信装置と近距離無線通信を実行する通信相手装置と、
前記通信装置と通信可能な通信管理サーバを有する通信制御システムにおいて実行する通信制御方法であり、
前記通信装置が、
カメラの撮影画像を前記通信管理サーバに送信し、
前記通信管理サーバが、
前記通信装置からの受信画像を解析し、受信画像に含まれる通信相手装置を識別し、
識別結果に基づいて、前記通信相手装置に最適な通信パラメータを選択して前記通信装置に送信し、
前記通信装置が、
前記通信管理サーバから受信した通信パラメータを適用して、前記通信相手装置との通信を実行する通信制御方法。
【0273】
(17) 通信装置において通信制御処理を実行させるプログラムであり、
前記通信装置の制御部に、
カメラの撮影画像を解析し、撮影画像に含まれる通信相手装置を識別させ、
識別結果に基づいて最適な通信態様を決定させ、決定した通信態様で前記通信相手装置との通信処理を実行させるプログラム。
【0274】
また、明細書中において説明した一連の処理はハードウェア、またはソフトウェア、あるいは両者の複合構成によって実行することが可能である。ソフトウェアによる処理を実行する場合は、処理シーケンスを記録したプログラムを、専用のハードウェアに組み込まれたコンピュータ内のメモリにインストールして実行させるか、あるいは、各種処理が実行可能な汎用コンピュータにプログラムをインストールして実行させることが可能である。例えば、プログラムは記録媒体に予め記録しておくことができる。記録媒体からコンピュータにインストールする他、LAN(Local Area Network)、インターネットといったネットワークを介してプログラムを受信し、内蔵するハードディスク等の記録媒体にインストールすることができる。
【0275】
なお、明細書に記載された各種の処理は、記載に従って時系列に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力あるいは必要に応じて並列的にあるいは個別に実行されてもよい。また、本明細書においてシステムとは、複数の装置の論理的集合構成であり、各構成の装置が同一筐体内にあるものには限らない。
【産業上の利用可能性】
【0276】
以上、説明したように、本開示の一実施例の構成によれば、通信相手装置の種類に応じた最適な通信パラメータを設定して通信を行う通信装置、通信最適化が実現される。
具体的には、例えば、カメラの撮影画像を解析し、撮影画像から通信相手装置の種類を識別し、識別した前記通信相手装置の識別結果に基づいて最適な通信態様を決定し、決定した通信態様で通信相手装置との近距離無線通信を実行する。通信装置は通信相手装置の種類に対応する最適な通信パラメータを記憶部、または外部サーバから取得する。例えば、通信信号のQ値、負荷変調(振幅/位相)、入力磁界、返信閾値、共振周波数、受信フィルタ特性、アクティブ負荷変調(ALM)の最適制御設定、出力信号の強度最適値等の通信パラメータを取得して適用した通信処理を実行する。
本構成により、通信相手装置の種類に応じた最適な通信パラメータを設定して通信を行う通信装置、通信最適化が実現される。
【符号の説明】
【0277】
10 携帯端末
11 表示部
12 近距離無線通信部
13 カメラ
20 リーダライタ(R/W)
40 決済処理サーバ
50 通信管理サーバ
101 デバイス制御部
102 カメラ
103 通信制御部
104 入力部
105 出力部
106 記憶部
120 通信部
121 近距離無線通信部
122 その他通信部
301 CPU
302 ROM
303 RAM
304 バス
305 入出力インタフェース
306 入力部
307 出力部
308 記憶部
309 通信部
310 ドライブ
311 リムーバブルメディア