IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社NTTドコモの特許一覧

<>
  • 特許-端末 図1
  • 特許-端末 図2
  • 特許-端末 図3
  • 特許-端末 図4
  • 特許-端末 図5
  • 特許-端末 図6
  • 特許-端末 図7
  • 特許-端末 図8
  • 特許-端末 図9
  • 特許-端末 図10
  • 特許-端末 図11
  • 特許-端末 図12
  • 特許-端末 図13
  • 特許-端末 図14
  • 特許-端末 図15
  • 特許-端末 図16
  • 特許-端末 図17
  • 特許-端末 図18
  • 特許-端末 図19
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-05
(45)【発行日】2024-08-14
(54)【発明の名称】端末
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/23 20230101AFI20240806BHJP
   H04L 27/26 20060101ALI20240806BHJP
   H04W 16/28 20090101ALI20240806BHJP
   H04W 48/16 20090101ALI20240806BHJP
   H04W 56/00 20090101ALI20240806BHJP
【FI】
H04W72/23
H04L27/26 114
H04L27/26 420
H04W16/28
H04W48/16 110
H04W56/00 130
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2021532575
(86)(22)【出願日】2019-07-12
(86)【国際出願番号】 JP2019027811
(87)【国際公開番号】W WO2021009817
(87)【国際公開日】2021-01-21
【審査請求日】2022-05-13
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100169797
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 浩幸
(72)【発明者】
【氏名】原田 浩樹
(72)【発明者】
【氏名】永田 聡
(72)【発明者】
【氏名】ワン ジン
(72)【発明者】
【氏名】コウ ギョウリン
【審査官】久松 和之
(56)【参考文献】
【文献】NTT DOCOMO, INC.,Enhancements to initial access procedure for NR-U,3GPP TSG RAN WG1 Ad-Hoc Meeting 1901 R1-1900954,2019年01月12日
【文献】NTT DOCOMO, INC.,Initial access signals and channels for NR-U,3GPP TSG RAN WG1 Ad-Hoc Meeting 1901 R1-1900950,2019年01月12日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 - 7/26
H04W 4/00 - 99/00
H04L 27/26
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4、6
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
FR1またはFR2の周波数レンジを含む周波数帯域と異なる異周波数帯域において、
同期信号ブロックを受信する第1受信部と、
前記同期信号ブロックと関連付けられている制御リソースセットを用いてシステム情報ブロックを受信する第2受信部と
を備え、
前記第1受信部は、ネットワークから擬似コロケーション想定が異なる複数の前記同期信号ブロックの少なくとも何れかを受信し、
前記第2受信部は、前記ネットワークから時分割多重によって送信され、前記擬似コロケーション想定が異なる複数の前記制御リソースセットの少なくとも何れかを用い
1つの前記同期信号ブロックは、複数の前記制御リソースセットと対応付けられている、または複数の前記同期信号ブロックは、1つの前記制御リソースセットと対応付けられている端末。
【請求項2】
前記第2受信部は、前記ネットワークから送信される前記同期信号ブロックの情報を含み、前記システム情報ブロックよりも先に前記ネットワークから送信されるマスタ情報ブロックを受信する請求項1に記載の端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信を実行する端末、特に、同期信号ブロック(SSB)を受信する端末
に関する。
【背景技術】
【0002】
3rd Generation Partnership Project(3GPP)は、Long Term Evolution(LTE)を仕様化し、LTEのさらなる高速化を目的としてLTE-Advanced(以下、LTE-Advancedを含めてLTEという)、さらに、5th generation mobile communication system(5G、New Radio(NR)またはNext Generation(NG)とも呼ばれる)の仕様化も進められている。
【0003】
3GPPのRelease 15及びRelease 16(NR)では、FR1(410 MHz~7.125 GHz)及びFR2,(24.25 GHz~52.6 GHz)を含む帯域の動作が仕様化されている。また、Release 16以降の仕様では、52.6GHzを超える帯域での動作も検討されている(非特許文献1)。Study Item(SI)での目標周波数範囲は52.6GHz~114.25GHzである。
【0004】
このようにキャリア周波数が非常に高い場合、位相雑音及び伝搬損失の増大が問題となる。また、ピーク対平均電力比(PAPR)及びパワーアンプの非線形性に対してより敏感となる。
【0005】
また、NRでは、同期信号(SS:Synchronization Signal)、及び下り物理報知チャネル(PBCH:Physical Broadcast CHannel)から構成されるSSB(SS/PBCH Block)を用いて初期アクセスやセルの検出及び受信品質の測定が行われる(非特許文献2)。SSBの送信周期は,5,10,20,40,80,160ミリ秒の範囲でセル毎に設定可能である(初期アクセスの端末(User Equipment, UE)は、20ミリ秒の送信周期と仮定する)。
【0006】
送信周期時間内でのSSBの送信は、5ミリ秒(ハーフフレーム)内に制限されており、各SSBは、異なるビームと対応させることができる。Release 15では、SSBインデックスの数は、64(0~63のインデックス)である。
【0007】
また、端末は、受信したマスタ情報ブロック(MIB:Master Information Block)に基づいて、Type0-PDCCH CSS(Common Search Space:共通検索スペース) set用のCORESET(control resource sets:制御リソースセット)が存在すると決定した場合、当該CORESET(Remaining Minimum System Information (RMSI) CORESETと呼ばれてもよい)用の幾つかの連続したリソースブロック(RB)及びシンボルを決定する(非特許文献3)。端末は、決定したRB及びシンボルに基づいて、下り制御チャネル(PDCCH:Physical Downlink Control Channel)、具体的には、システム情報ブロック(SIB)復号化のためのType 0 PDCCHのモニタリング機会(MO)を設定する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
【文献】3GPP TR 38.807 V0.1.0, 3rd Generation Partnership Project; Technical Specification Group Radio Access Network; Study on requirements for NR beyond 52.6 GHz (Release 16)、3GPP、2019年3月
【文献】3GPP TS 38.133 V15.5.0, 3rd Generation Partnership Project; Technical Specification Group Radio Access Network; NR; Requirements for support of radio resource management (Release 15)、3GPP、2019年3月
【文献】3GPP TS 38.213 V15.5.0, 3rd Generation Partnership Project; Technical Specification Group Radio Access Network; NR; Physical layer procedures for control (Release 15)、3GPP、2019年3月
【発明の概要】
【0009】
上述したような52.6GHzを超えるような高周波数帯域など、FR1/FR2と異なる異周波数帯域を用いる場合、広い帯域幅と大きな伝搬損失とに対応するため、多数のアンテナ素子を有する大規模(massive)なアンテナを用いて、より狭いビームを生成する必要がある。すなわち、一定の地理的なエリアをカバーするためには、多数のビームが必要となる。
【0010】
そこで、SSBのシグナリングに関わるオーバーヘッドを抑制し、データスケジューリング遅延、SSB検出・測定の時間及び消費電力を低減するため、ネットワークから端末に向けて、擬似コロケーション(QCL:Quasi Co-Location)想定が異なる複数のSSBを、同一の時間位置または同一の周波数位置を用いて同時に送信することが考えられる。
【0011】
しかしながら、Release 15では、SSBからType 0 PDCCH MOへのマッピングは、1対1であり、QCL想定が異なるSSBが時分割多重(TDM)されることが規定されている。このため、QCL想定が異なる複数のSSBが同時に送信されると、Type 0 PDCCH MOをどのようにマッピングするかが問題となる。
【0012】
そこで、本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、QCL想定が異なる複数のSSBが送信される場合でも、当該SSBとマッピングされる制御リソースセットを正しく認識できる端末の提供を目的とする。
【0013】
本開示の一態様は、一つまたは複数の周波数レンジ(FR1, FR2)を含む周波数帯域と異なる異周波数帯域(例えば、FR4)において、同期信号ブロック(SSB)を受信する第1受信部(無線信号送受信部210)と、前記同期信号ブロックと関連付けられている制御リソースセット(CORESET)を用いてシステム情報ブロック(SIB)を受信する第2受信部(無線信号送受信部210)とを備え、前記第1受信部は、ネットワークから同一の時間位置または同一の周波数位置を用いて送信され、擬似コロケーション想定が異なる複数の前記同期信号ブロックの少なくとも何れかを受信し、前記第2受信部は、同一の時間位置または同一の周波数位置を用いて送信され、前記擬似コロケーション想定が異なる複数の前記制御リソースセットの少なくとも何れかを用いる端末(UE200)である。
【0014】
本開示の一態様は、一つまたは複数の周波数レンジ(FR1, FR2)を含む周波数帯域と異なる異周波数帯域(例えば、FR4)において、同期信号ブロック(SSB)を受信する第1受信部(無線信号送受信部210)と、前記同期信号ブロックと関連付けられている制御リソースセット(CORESET)を用いてシステム情報ブロック(SIB)を受信する第2受信部(無線信号送受信部210)とを備え、前記第1受信部は、ネットワークから擬似コロケーション想定が異なる複数の前記同期信号ブロックの少なくとも何れかを受信し、前記第2受信部は、前記ネットワークから時分割多重によって送信され、前記擬似コロケーション想定が異なる複数の前記制御リソースセットの少なくとも何れかを用いる端末(UE200)である。
【0015】
本開示の一態様は、一つまたは複数の周波数レンジ(FR1, FR2)を含む周波数帯域を用いる場合、同期信号ブロック(SSB)と関連付けられている制御リソースセット(CORESET)を用いてシステム情報ブロック(SIB)を受信する第1受信部と、ネットワークが非スタンドアローン運用であり、前記周波数帯域と異なる異周波数帯域を用いる場合、前記システム情報ブロックを使用しないと判定する制御部(制御部270)とを備える端末(UE200)である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、無線通信システム10の全体概略構成図である。
図2図2は、無線通信システム10において用いられる周波数レンジを示す図である。
図3図3は、無線通信システム10において用いられる無線フレーム、サブフレーム及びスロットの構成例を示す図である。
図4図4は、SSBバーストの構成例を示す図である。
図5図5は、SSB数が64を超える値まで拡張した場合におけるSSBの一部配置例を示す図である。
図6図6は、同期信号ブロック(SSB)の構成例を示す図である。
図7図7は、無線フレーム上におけるSSBの割当例とビームBMとの関係の説明図である。
図8図8は、CORESET、SSB及びPDSCHの設定例を示す図である。
図9図9は、Type 0 PDCCH MOの構成例を示す図である。
図10図10は、UE200の機能ブロック構成図である。
図11図11は、256のSSBを同時送信せずに順次送信する場合におけるSSBバーストの構成例を示す図である。
図12図12は、動作例1に従って複数のSSBを同時送信する場合におけるSSBバーストの構成例を示す図である。
図13図13は、動作例1に従って複数のSSBを同時送信する場合におけるSSBバーストの他の構成例を示す図である。
図14図14は、動作例2-1におけるSSBとCORESETとの関連付けの例(その1)を示す図である。
図15図15は、動作例2-1におけるSSBとCORESETとの関連付けの例(その2)を示す図である。
図16図16は、動作例2-2におけるSSBとCORESETとの関連付けの例を示す図である。
図17図17は、動作例2-2-2におけるSSBとCORESETとの関連付けの例を示す図である。
図18図18は、動作例2-2-3におけるSSBとCORESETとの関連付けの例を示す図である。
図19図19は、UE200のハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、実施形態を図面に基づいて説明する。なお、同一の機能や構成には、同一または類似の符号を付して、その説明を適宜省略する。
【0018】
(1)無線通信システムの全体概略構成
図1は、本実施形態に係る無線通信システム10の全体概略構成図である。無線通信システム10は、5G New Radio(NR)に従った無線通信システムであり、Next Generation-Radio Access Network 20(以下、NG-RAN20、及び端末200(以下、UE200)を含む。
【0019】
NG-RAN20は、無線基地局100(以下、gNB100)を含む。なお、gNB及びUEの数を含む無線通信システム10の具体的な構成は、図1に示した例に限定されない。
【0020】
NG-RAN20は、実際には複数のNG-RAN Node、具体的には、gNB(またはng-eNB)を含み、5Gに従ったコアネットワーク(5GC、不図示)と接続される。なお、NG-RAN20及び5GCは、単に「ネットワーク」と表現されてもよい。
【0021】
gNB100は、5Gに従った無線基地局であり、UE200と5Gに従った無線通信を実行する。gNB100及びUE200は、複数のアンテナ素子から送信される無線信号を制御することによって、より指向性の高いビームBMを生成するMassive MIMO(Multiple-Input Multiple-Output)、複数のコンポーネントキャリア(CC)を束ねて用いるキャリアアグリゲーション(CA)、及びUEと2つのNG-RAN Nodeそれぞれとの間において同時に通信を行うデュアルコネクティビティ(DC)などに対応することができる。
【0022】
また、無線通信システム10は、複数の周波数レンジ(FR)に対応する。図2は、無線通信システム10において用いられる周波数レンジを示す。
【0023】
図2に示すように、無線通信システム10は、FR1及びFR2に対応する。各FRの周波数帯は、次のとおりである。
【0024】
・FR1:410 MHz~7.125 GHz
・FR2:24.25 GHz~52.6 GHz
FR1では、15, 30または60kHzのSub-Carrier Spacing(SCS)が用いられ、5~100MHzの帯域幅(BW)が用いられる。FR2は、FR1よりも高周波数であり、60,または120kHz(240kHzが含まれてもよい)のSCSが用いられ、50~400MHzの帯域幅(BW)が用いられる。
【0025】
なお、SCSは、numerologyと解釈されてもよい。numerologyは、3GPP TS38.300において定義されており、周波数ドメインにおける一つのサブキャリアスペーシングと対応する。
【0026】
さらに、無線通信システム10は、FR2の周波数帯域よりも高周波数帯域にも対応する。具体的には、無線通信システム10は、52.6GHzを超え、114.25GHzまでの周波数帯域に対応する。ここでは、このような高周波数帯域を、便宜上「FR4」と呼ぶ。FR4は、いわゆるEHF(extremely high frequency、ミリ波とも呼ばれる)に属する。なお、FR4は仮称であり、別の名称で呼ばれても構わない。
【0027】
また、FR4は、さらに区分されても構わない。例えば、FR4は、70GHz以下の周波数レンジと、70GHz以上の周波数レンジとに区分されてもよい。或いは、FR4は、さらに多くの周波数レンジに区分されてもよいし、70GHz以外の周波数において区分されてもよい。
【0028】
また、ここでは、FR1とFR2との間の周波数帯は、便宜上「FR3」と呼ぶ。FR3は、7.125 GHzを超え、24.25 GHz未満の周波数帯である。
【0029】
本実施形態では、FR3及びFR4は、FR1及びFR2を含む周波数帯域と異なっており、異周波数帯域と呼ぶ。
【0030】
特に、FR4のような高周波数帯域では、上述したように、キャリア間の位相雑音の増大が問題となる。このため、より大きな(広い)SCS、またはシングルキャリア波形の適用が必要となり得る。
【0031】
また、伝搬損失が大きくなるため、より狭いビーム(すなわち、より多数のビーム)が必要となり得る。さらに、PAPR及びパワーアンプの非線形性に対してより敏感となるため、より大きな(広い)SCS(及び/または、より少ない数のFFTポイント)、PAPR低減メカニズム、またはシングルキャリア波形が必要となり得る。
【0032】
このような問題を解決するため、本実施形態では、52.6GHzを超える帯域を用いる場合、より大きなSub-Carrier Spacing(SCS)を有するCyclic Prefix-Orthogonal Frequency Division Multiplexing(CP-OFDM)/Discrete Fourier Transform - Spread(DFT-S-OFDM)を適用しえる。
【0033】
しかしながら、SCSが大きい程、シンボル/CP(Cyclic Prefix)期間及びスロット期間が短くなる(14シンボル/スロットの構成が維持される場合)。
【0034】
図3は、無線通信システム10において用いられる無線フレーム、サブフレーム及びスロットの構成例を示す。また、表1は、SCSとシンボル期間との関係を示す。
【0035】
【表1】
【0036】
表1に示すように、14シンボル/スロットの構成が維持される場合、SCSが大きく(広く)なる程、シンボル期間(及びスロット期間)は短くなる。また、SS/PBCH Block(SSB)のタイムドメイン期間も同様に短くなる。
【0037】
図4は、SSBバーストの構成例を示す。SSBは、SS (Synchronization Signal),PBCH (Physical Broadcast CHannel)から構成される同期信号/報知チャネルのブロックである。主に、UE200が通信開始時にセルIDや受信タイミング検出を実行するために周期的に送信される。5Gでは、SSBは、各セルの受信品質測定にも流用される。
【0038】
Release 15の場合、サービングセルのSSBの設定について、次のような内容が規定されている。具体的には、SSBの送信周期(periodicity)としては、5、10、20、40、80、160ミリ秒が規定されている。なお、初期アクセスのUE200は、20ミリ秒の送信周期と仮定する。
【0039】
ネットワーク(NG-RAN20)は、実際に送信したSSBのインデックス表示(ssb-PositionsInBurst)をシステム情報(SIB1)または無線リソース制御レイヤ(RRC)のシグナリングによってUE200に通知する。
【0040】
具体的には、FR1の場合、RRC及びSIB1の8ビットのビットマップによって通知される。また、FR2の場合、RRCの64ビットのビットマップ、及びSIB1のグループ内のSSBの8ビットのビットマップと8ビットグループビットマップによって通知される。
【0041】
また、上述したように、FR4(高周波数帯域)などに対応する場合、広い帯域幅と大きな伝搬損失とに対応するため、多数のアンテナ素子を有する大規模(massive)なアンテナを用いて、より狭いビームを生成する必要がある。すなわち、一定の地理的なエリアをカバーするためには、多数のビームが必要となる。
【0042】
Release 15 (FR2)の場合、SSB送信に用いられる最大ビーム数は64であるが、狭いビームで一定の地理的なエリアをカバーするため、最大ビーム数を拡張(例えば、256)することが好ましい。
【0043】
そこで、本実施形態では、SSB送信に用いられる最大ビーム数が256まで拡張される。このため、SSBの数も256となり、SSBを識別するインデックス(SSB index)も#64以降の値が用いられる。
【0044】
図5は、SSB数が64を超える値まで拡張した場合におけるSSBの一部配置例を示す。具体的には、図5は、図4に示したSSBバーストの構成例に、SSB indexが#64以降のSSBが追加された状態を示す。なお、さらに大きいSCSが適用された場合には、表1に示したように、シンボル期間は異なり得る。
【0045】
図5に示すように、SSB indexは、#64以降の値を有し得る。本実施形態では、SSB indexの範囲は、0~255が用いられるものとして、以下説明する。但し、SSB indexの値、及びSSB indexの範囲は、特にこのような例に限定されず、SSBの数は、256を超えてもよいし、64を超え、256未満でもよい。
【0046】
図6は、同期信号ブロック(SSB)の構成例を示す。図6に示すように、SSBは、同期信号(SS:Synchronization Signal)、及び下り物理報知チャネル(PBCH:Physical Broadcast CHannel)から構成される。
【0047】
SSは、プライマリ同期信号(PSS:Primary SS)及びセカンダリ同期信号(SSS:Secondary SS)によって構成される。
【0048】
PSSは、セルサーチ手順においてUE200が最初に検出を試みる既知の信号である。SSSは、セルサーチ手順において物理セルIDを検出するために送信される既知の信号である。
【0049】
PBCHは、は無線フレーム番号(SFN:System Frame Number)、及びハーフフレーム(5ミリ秒)内の複数のSS/PBCH Blockのシンボル位置を識別するためのインデックスなど、SS/PBCH Blockを検出した後にUE200が、gNB100が形成するNRセルとのフレーム同期を確立するために必要な情報を含む。
【0050】
また、PBCHは、システム情報(SIB)を受信するために必要となるシステムパラメータも含むことができる。さらに、SSBには、報知チャネル復調用参照信号(DMRS for PBCH)も含まれる。DMRS for PBCHは、PBCH復調のための無線チャネル状態を測定するために送信される既知の信号である。
【0051】
図7は、無線フレーム上におけるSSBの割当例とビームBMとの関係の説明図である。上述したように、SSB、具体的には、図6に示した同期信号(PSS/SSS)及びPBCHは、各無線フレームの前半もしくは後半のいずれかのハーフフレーム(5ミリ秒)内において送信される(図7は前半のハーフフレームで送信される例)。また、各SSBは、異なるビームBMと対応付けられると端末は想定する。つまり、各SSBは、送信方向(カバレッジ)の異なるビームBMと対応付けられると端末は想定する。これにより、NRセル内に在圏するUE200は、何れかのビームBMを受信し、SSBを取得して初期アクセス及びSSB検出・測定を開始できる。
【0052】
なお、SSBの送信パターンは、SCS、周波数レンジ(FR)またはその他のパラメータに応じて様々である。また、必ずしも全てのSSBが送信されなくてもよく、ネットワークの要件、状態などに応じて、少数のSSBのみを選択的に送信し、何れのSSBが送信され、何れのSSBが送信されないかが、UE200に通知されてもよい。
【0053】
SSBの送信パターンは、上述したssb-PositionsInBurstと呼ばれるRRC IE(Information Element)によってUE200に通知される。
【0054】
図8は、CORESET、SSB及びPDSCHの設定例を示す。具体的には、図8は、SSBと、CORESET(RMSI CORESET或いはCORESET#0と呼ばれてもよい)とのMultiplexing patternとして、「1」~「3」(図中の"Pattern")が選択された場合における時間方向(時間領域と呼んでもよい)及び周波数方向(周波数領域と呼んでもよい)のRMSI CORESET、SSB及びPDSCH(Physical Downlink Shared Channel)の設定例を示す。
【0055】
なお、本実施形態では、SSBとCORESET(RMSI CORESET或いはCORESET#0)とがマッピングされるものとして主に説明するが、SSBは、実質的にType 0 PDCCH MOとマッピングされると解釈してもよい。つまり、SSBは、CORESETとマッピングされ得るし、Type 0 PDCCH MOともマッピングされ得る。また、マッピングの用語は、対応付ける、関連付けるなど、他の同義の用語に置き換えられても構わない。
【0056】
UE200は、3GPP TS38.213 v15/13章(つまり、3GPPのRelease 15)に記載されているTable 13-1~13-10に示されているように、マスタ情報ブロック(MIB:Master Information Block)に含まれるpdcch-ConfigSIB1の4つの最上位ビット(controlResourceSetZero)からRMSI CORESETの連続するリソースブロック(RB)数及び連続するシンボル数などを決定し、MIBに含まれるpdcch-ConfigSIB1の4つの最下位ビット(searchSpaceZero)からPDCCH(Type 0 PDCCHを含む)のモニタリング機会(MO)の周期やタイミングなどを決定する。なお、pdcch-ConfigSIB1は、RMSI-PDCCH-Configなどと呼ばれてもよい。
【0057】
より具体的には、UE200は、Type0-PDCCH CSS set用のCORESETが存在すると決定した場合、当該CORESET用の幾つかの連続したリソースブロック(RB)及びシンボルを決定する。
【0058】
例えば、pdcch-ConfigSIB1が「0」であり、最上位ビット(MSB)4ビット及び最下位ビット(LSB)4ビットが「0」である。また、サブキャリアスペーシング(SCS)は、15kHzと仮定する。この場合、表1に従って、次のようなパラメータを得ることができる。
【0059】
・RB=24, シンボル=2, オフセット=0, Multiplexing pattern=1
【0060】
【表2】
【0061】
さらに、表2に従って、SSBに関して、次のようなパラメータを得ることができる。
【0062】
・O=0, M=1, 最初のシンボルインデックス=0, スロット毎のCSSセット数=1
【0063】
【表3】
【0064】
表1及び表2は、3GPP TS38.213のTable 13-1及び13-11の再掲である。なお、「O」は、Type 0 PDCCHの送信基準位置からのオフセット量を示す。また、「M」は、SSB indexに応じて対応するType0-PDCCH MOが含まれるスロットを決定するためのパラメータを示す。
【0065】
このように、SSBとCORESETとのMultiplexing pattern、及びType 0 PDCCH MOが決定される。
【0066】
なお、図8には、Multiplexing pattern=1以外に、Multiplexing pattern=2, 3の場合の設定例についても示されている。図8に示すように、CORESET、SSB及びPDSCHの設定には、時分割多重(TDM)のみの場合(Multiplexing pattern=1)、TDM及び周波数分割多重(FDM)の場合(Multiplexing pattern=2)、及びFDMのみの場合(Multiplexing pattern=3)がある。
【0067】
図9は、Type 0 PDCCH MOの構成例を示す。具体的には、図9は、上述した設定例に沿ったType 0 PDCCH MOの構成例示している。SCSが15kHzの場合、SSB indexは、0, 1, 2, 3となり、3GPP TS38.213の13章において規定されるように、UE200は、無線フレーム(SFN)内のスロットのインデックスn0=0, 1, 2, 3と決定する。
【0068】
すなわち、UE200は、n0=0, 1, 2, 3から始まる2つの連続するスロットにおいて、PDCCH(Type 0 PDCCH)を監視する。
【0069】
(2)無線通信システムの機能ブロック構成
次に、無線通信システム10の機能ブロック構成について説明する。具体的には、UE200の機能ブロック構成について説明する。
【0070】
図10は、UE200の機能ブロック構成図である。図10に示すように、UE200は、無線信号送受信部210、アンプ部220、変復調部230、制御信号・参照信号処理部240、符号化/復号部250、データ送受信部260及び制御部270を備える。
【0071】
無線信号送受信部210は、NRに従った無線信号を送受信する。無線信号送受信部210は、Massive MIMO、複数のCCを束ねて用いるCA、及びUEと2つのNG-RAN Nodeそれぞれとの間において同時に通信を行うDCなどに対応する。
【0072】
また、無線信号送受信部210は、FR1またFR2を用いる場合よりもシンボル数が多くなったスロットを用いて無線信号を送受信してもよい。なお、シンボル数とは、具体的には、図3に示すスロットを構成するOFDMシンボルの数である。
【0073】
例えば、無線信号送受信部210は、28シンボル/スロット構成のスロットを用いて無線信号を送受信することができる。
【0074】
また、本実施形態では、無線信号送受信部210は、一つまたは複数の周波数レンジ、具体的には、FR1, FR2を含む周波数帯域と異なる異周波数帯域、つまり、FR3, FR4において、同期信号ブロック、具体的には、SSB(SS/PBCH Block)を受信することができる。
【0075】
具体的には、無線信号送受信部210は、ネットワークから同一の時間位置または同一の周波数位置を用いて送信され、SSBを識別するインデックスが異なる複数のSSBの少なくとも何れかを受信することができる。
【0076】
なお、SSBを識別するインデックスが異なるとは、擬似コロケーション(QCL:Quasi-Colocation)想定が異なると解釈されてもよい。つまり、無線信号送受信部210(UE200)は、QCL想定が異なる複数のSSBの少なくとも何れかを受信することができる。
【0077】
QCLとは、例えば、一方のアンテナポート上のシンボルが搬送されるチャネルの特性が、他方のアンテナポート上のシンボルが搬送されるチャネルから推測できる場合、2つのアンテナポートは擬似的に同じ場所にあるとするものである。
【0078】
また、同じSSB indexのSSB間はQCLであると想定し、それ以外のSSB間(すなわち、異なるSSB index)はQCLを想定してはいけないと解釈できる。なお、QCLは、準コロケーションと呼ばれてもよい。
【0079】
本実施形態では、最大SSB数(L)は、256まで拡張され、後述するように、ネットワーク(gNB100)は、複数のSSBを同一の時間位置(時間リソース、時間領域などと読み替えてもよい)、または同一の周波数位置(周波数リソース、周波数帯、周波数領域などと読み替えてもよい)において送信できる。
【0080】
無線信号送受信部210は、これら同一の時間位置または周波数位置において送信された複数のSSBの少なくともに何れか(つまり、複数受信してもよい)を受信できる。
【0081】
また、後述するように、ネットワークから送信される複数のSSBは、同期信号ブロックセット(SSBセット)を複数構成し得る。また、同一の時間位置において送信される複数の同期信号ブロックセットは、時間方向において互いに同期しており、同一のタイミングで送信され得る。
【0082】
無線信号送受信部210は、複数の同期信号ブロックセットの少なくとも何れか、または複数の同期信号ブロックセットを受信できる。
【0083】
また、本実施形態では、無線信号送受信部210は、FR4(またはFR3)などの異周波数帯域において、SSBを受信する第1受信部を構成する。さらに、無線信号送受信部210は、SSBと関連付けられているCORESET(制御リソースセット)を用いてシステム情報ブロックを受信する第2受信部を構成する。
【0084】
システム情報ブロックとは、gNB100(無線基地局)からUE200に向けて一斉同報される報知情報の一種である。システム情報ブロックは、複数のブロックに分割されていてもよく、システム情報ブロックは、複数のブロックの何れかまたは全てであってもよい。本実施形態では、システム情報ブロックには、SIB1が含まれる。UE200がランダムアクセスを実行するためには、上りリンクキャリア情報、ランダムアクセス信号構成情報などが必要であり、これらを含む初期アクセス時に必要となる情報は、SIB1としてセル内の端末に向けて報知される。
【0085】
無線信号送受信部210(第1受信部)は、ネットワークから同一の時間位置または同一の周波数位置を用いて送信され、QCL想定が異なる複数のSSBの少なくとも何れかを受信することができる。
【0086】
また、無線信号送受信部210(第2受信部)は、同一の時間位置または同一の周波数位置を用いて送信され、QCL想定が異なる複数のCORESETの少なくとも何れかを用いることができる。つまり、無線信号送受信部210は、同一の時間位置または同一の周波数位置を用いて送信され、QCL想定が異なる複数のCORESETの少なくとも何れかを用いて、システム情報ブロックを受信できる。
【0087】
或いは、無線信号送受信部210(第2受信部)は、ネットワークから時分割多重(TDM)によって送信され、QCL想定が異なる複数のCORESETの少なくとも何れかを用いることもできる。つまり、無線信号送受信部210は、ネットワークから時分割多重(TDM)によって送信され、QCL想定が異なる複数のCORESETの少なくとも何れかを用いて、システム情報ブロックを受信できる。
【0088】
より具体的には、当該複数のCORESET(RMSI CORESET)は、同一の時間位置(時間領域でもよい)または周波数位置(周波数領域でもよい)を用いて送信される。例えば、RMSI CORESET #0とRMSI CORESET #1とが、同一の時間位置または周波数位置を用いて送信されてよい。
【0089】
この場合、無線信号送受信部210(第2受信部)は、システム情報ブロック(SIB1)よりも先にネットワークから送信されるマスタ情報ブロック(MIB)を受信してもよい。当該MIBには、ネットワークから送信されるSSBの情報が含まれる。さらに、この場合、1つのSSBは、複数のCORESETと対応付けられていてもよいし、または複数のSSBは、1つの制御リソースセットと対応付けられていてもよい。
【0090】
また、無線信号送受信部210(第1受信部)は、FR1, FR2を含む周波数帯域を用いる場合、Release 15において規定されているように、SSBと関連付けられているCORESETを用いてシステム情報ブロック(SIB1)を受信できる。
【0091】
アンプ部220は、PA (Power Amplifier)/LNA (Low Noise Amplifier)などによって構成される。アンプ部220は、変復調部230から出力された信号を所定の電力レベルに増幅する。また、アンプ部220は、無線信号送受信部210から出力されたRF信号を増幅する。
【0092】
変復調部230は、所定の通信先(gNB100または他のgNB)毎に、データ変調/復調、送信電力設定及びリソースブロック割当などを実行する。
【0093】
上述したように、本実施形態では、CP-OFDM及びDFT-S-OFDMを適用し得る。また、本実施形態では、DFT-S-OFDMは、上りリンク(UL)だけでなく、下りリンク(DL)にも用い得る。
【0094】
制御信号・参照信号処理部240は、UE200が送受信する各種の制御信号に関する処理、及びUE200が送受信する各種の参照信号に関する処理を実行する。
【0095】
具体的には、制御信号・参照信号処理部240は、gNB100から所定の制御チャネルを介して送信される各種の制御信号、例えば、無線リソース制御レイヤ(RRC)の制御信号を受信する。また、制御信号・参照信号処理部240は、gNB100に向けて、所定の制御チャネルを介して各種の制御信号を送信する。
【0096】
また、制御信号・参照信号処理部240は、Demodulation reference signal(DMRS)、及びPhase Tracking Reference Signal (PTRS)などの参照信号(RS)を用いた処理を実行する。
【0097】
DMRSは、データ復調に用いるフェージングチャネルを推定するための端末個別の基地局~端末間において既知の参照信号(パイロット信号)である。PTRSは、高い周波数帯で課題となる位相雑音の推定を目的した端末個別の参照信号である。
【0098】
なお、参照信号には、DMRS及びPTRS以外に、Channel State Information-Reference Signal(CSI-RS)及びSounding Reference Signal(SRS)も含まれる。
また、チャネルには、制御チャネルとデータチャネルとが含まれる。制御チャネルには、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)、PUCCH(Physical Uplink Control Channel)、RACH(Random Access Channel、Random Access Radio Network Temporary Identifier(RA-RNTI)を含むDownlink Control Information (DCI))、及びPhysical Broadcast Channel(PBCH)などが含まれる。
【0099】
また、データチャネルには、PDSCH(Physical Downlink Shared Channel)、及びPUSCH(Physical Downlink Shared Channel)などが含まれる。データとは、データチャネルを介して送信されるデータを意味する。
【0100】
符号化/復号部250は、所定の通信先(gNB100または他のgNB)毎に、データの分割/連結及びチャネルコーディング/復号などを実行する。
【0101】
具体的には、符号化/復号部250は、データ送受信部260から出力されたデータを所定のサイズに分割し、分割されたデータに対してチャネルコーディングを実行する。また、符号化/復号部250は、変復調部230から出力されたデータを復号し、復号したデータを連結する。
【0102】
データ送受信部260は、Protocol Data Unit (PDU)ならびにService Data Unit (SDU)の送受信を実行する。具体的には、データ送受信部260は、複数のレイヤ(媒体アクセス制御レイヤ(MAC)、無線リンク制御レイヤ(RLC)、及びパケット・データ・コンバージェンス・プロトコル・レイヤ(PDCP)など)におけるPDU/SDUの組み立て/分解などを実行する。また、データ送受信部260は、ハイブリッドARQ(Hybrid automatic repeat request)に基づいて、データの誤り訂正及び再送制御を実行する。
【0103】
制御部270は、UE200を構成する各機能ブロックを制御する。本実施形態では、制御部270は、同期信号ブロック(SSB)、制御リソースセット(CORESET)及びシステム情報ブロックに関する制御を実行する。
【0104】
特に、制御部270は、ネットワークが非スタンドアローン運用であり、FR3, FR4などの異周波数帯域を用いる場合、システム情報ブロック(SIB1)を使用しないと判定してもよい。
【0105】
非スタンドアローン運用(Non-SA, NSA)とは、例えば、NR FR1及び/またはFR2とNR FR3またはFR4とのインターワーキング(CA、DC)や、LTEとNR FR3またはFR4とのインターワーキング、具体的には、E-UTRA-NR Dual Connectivity(EN-DC)など、NR FR3またはFR4単独での運用ではないことを意味する。
【0106】
(3)無線通信システムの動作
次に、無線通信システム10の動作について説明する。具体的には、gNB100による同期信号ブロック(SSB)の送信、及びUE200による当該同期信号ブロックの受信動作について説明する。さらに、UE200による制御リソースセット(CORESET)の決定動作について説明する。
【0107】
(3.1)動作例1
本動作例では、ネットワーク(gNB100)は、複数のSSBを同時に送信することができる。具体的には、ネットワークは、複数のSSBを含む同期信号ブロックセット(SSBセット)を時間方向または周波数方向における同一位置において送信する。
【0108】
図11は、256のSSBを同時送信せずに順次送信する場合におけるSSBバーストの構成例を示す。図12は、動作例1に従って複数のSSBを同時送信する場合におけるSSBバーストの構成例を示す。
【0109】
図11に示す構成例は、256のSSB、つまり、256のビームBMを時分割(TDM)のビームスイーピングによって送信する場合のイメージを示す。256のSSBのうち、どのSSBを検出したのかを識別するため、SSB indexとしては、8ビット(28)が必要である。
【0110】
図12に示す構成例は、SSBセット内の最大SSB数(M)を64とし、SSBセット数(N)を4とした場合である。具体的には、SSB indexには、0~255が用いられ、SSBセットのインデックスには、0~3が用いられてもよい。
【0111】
このように、SSBバースト内のSSB(最大数:L)は、異なるSSBセットに分類することができる。なお、SSBセットは、SSBグループなど、別の名称で呼ばれてもよい。
【0112】
図12に示すように、SSBセット内において異なるSSB indexを有する複数のSSBは、時間方向または周波数方向における異なる位置において送信されてもよい。また、異なるSSBセットに含まれる複数のSSBは、時間方向または周波数方向における同一位置において送信されてもよい。
【0113】
図12に示す例では、SSBセット0には、SSB indexが0~63のSSBが含まれる。同様に、SSBセット1には、SSB indexが64~127のSSB、SSBセット2には、SSB indexが128~191のSSB、SSBセット3には、SSB indexが192~255のSSBが含まれる。つまり、SSBセットの各々に含まれるSSB indexの値は、SSBセット毎に異なってもよい。
【0114】
例えば、SSB index=0, 64, 128, 192のSSBは、当該同一位置において送信できる。当該SSB indexを有するSSBと対応付けられたビームBMは、図12に示すように、NRセルの全方位をカバーできるように送信方向が異なっていることが好ましい。
【0115】
例えば、各SSBセットは、ビームBMを形成するアンテナパネルと対応するイメージである。複数のアンテナパネルを異なるSSBセットの送信に用いることで、複数のSSBを異なるビームBMによって同時に送信することができる。本動作例は、Release 15において規定されているようなアナログのビームフォーミングにも適用可能である。
図13は、SSBバーストの他の構成例を示す図である。図13に示すように、SSBセットの各々に含まれるSSBのインデックス(同時に送信されるSSBのSSB index)は、SSBセット間において共通である。
【0116】
具体的には、動作例1などと比較すると、各SSBセットにおいて、SSB index=0~63が繰り返される。
【0117】
一方、SSBセットを識別するSet indexとして、2ビット、具体的には、00, 01, 10, 11が用いられる。
【0118】
(3.2)動作例2
上述した動作例1のように、SSB indexが255まで拡張され、複数のSSBは、時間方向または周波数方向における同一位置において送信される場合に、次のような点に留意する必要がある。
【0119】
具体的には、Release 15のFR2では、SSBからType 0 PDCCH MOへのマッピングは、1対1であり、QCL想定が異なるSSBが時分割多重(TDM)されることが規定されている。このため、QCL想定が異なる複数のSSBが同時に送信される場合、UE200は、RMSI CORESETがどのようにマッピングされているかを認識する必要がある。
【0120】
以下では、このような場合でも、UE200が正しくRMSI CORESETを認識し得る幾つかの動作例について説明する。
【0121】
(3.2.1)動作例2-1
本動作例では、時間方向または周波数方向における同一位置において送信されるSSB、
つまり、同時に送信されるSSBに関連付けられるRMSI CORESETには、異なるQCLを有するが、同一の時間方向及び周波数方向のリソース(T/Fリソース)が用いられる。
【0122】
異なるSSBセット(PBCH)間において、pdcch-ConfigSIB1(RMSI-PDCCH-Config)の内容は、同じであることが好ましい。
【0123】
具体的には、SSBを識別するインデックス(SSB indexまたはSSBセットを識別するSet index、以下同)が64以上となる場合、つまり、controlResourceSetZero及びsearchSpaceZeroのT/Fリソースは、SSB x(x<M)と、SSB yとにおいて同じ(y mod M=x, M:セット内最大SSB数)にしてよい。但し、当該SSBのQCLは、異なっていることが好ましい。例えば、同一のT/Fリソースにマッピングされる複数のRMSI CORESETにおいて、PDCCHのDMRSのQCLソースとして想定するRSは、異なるSSB indexと対応付けられてよい。なお、Set indexが定義される場合、SSBを識別するインデックスが64以上とは、Set indexと、SSB自体のインデックス(SSB index)との組み合わせによって識別し得るSSBのインデックスが、64以上となる場合を含む。
【0124】
また、SSBを識別するインデックスの最大値が63、つまり、最大SSB数(M)が64の場合であり、SSBセットを識別するSet indexを有する場合、異なるSSBセット間において、controlResourceSetZero及びsearchSpaceZeroのT/Fリソースは、SSB x(x<M)において同じにしてよい。但し、当該SSBのQCLは、異なっていることが好ましい。例えば、同一のT/Fリソースにマッピングされる複数のRMSI CORESETにおいて、PDCCHのDMRSのQCLソースとして想定するRSは、Set indexとSSB indexとの組み合わせに対応付けられてよい。
【0125】
なお、SSB indexまたはSet indexを除くPBCHの内容は、同一の中心周波数に設定されたSSBバースト内の全てのSSBにおいて同じであることが好ましい。当該SSBバースト内のSSBに関連付けられている全てのRMSI CORESETは、QCLプロパティ及び時間領域の位置に関連するプロパティを除いて、同じ設定(期間を含む)を有することが好ましい。
【0126】
本動作例では、UE200は、CORESET内のPDCCH受信に関連するDM-RSアンテナポートが、対応するSSBとほぼ同じ場所に配置されている、つまり、擬似コロケーションであると想定する。また、本動作例は、SSBとCORESETとのMultiplexing pattern=1, 2, 3の何れにも適用し得る。
【0127】
図14は、動作例2-1におけるSSBとCORESETとの関連付けの例(その1)を示す。具体的には、図14は、図12に示したSSBバーストの構成例と対応する。つまり、図14は、SSBセット内の最大SSB数(M)を64とし、SSBセット数(N)を4とした場合におけるSSBとCORESETとの関連付けの例を示す。図14では、0~255のSSB indexが用いられる、MSBの追加XビットがSSB indexの表示にも用いられる。
【0128】
図14に示すように、同時に送信されたSSBと関連付けられるCORESET(RMSI CORESET, CORESET#0)には、同一のT/Fリソースに割り当てられる。但し、当該複数のRMSI CORESET間において、QCL及びTransmission Configuration Indication(TCI)は、異なっている。
【0129】
図15は、動作例2-1におけるSSBとCORESETとの関連付けの例(その2)を示す。具体的には、図15は、図13に示したSSBバーストの構成例と対応する。つまり、図15は、各SSBセットにおいて、SSB index=0~63が繰り返され、SSBセットを識別するSet indexとして、2ビット、具体的には、00, 01, 10, 11が用いられる場合におけるSSBとCORESETとの関連付けの例を示す。
【0130】
図15に示すように、同時に送信されたSSBと関連付けられるCORESET(RMSI CORESET, CORESET#0)には、同一のT/Fリソースに割り当てられる(図14と同様である)。なお、無線フレーム(SFN)内のスロットのインデックス(n0)の計算には、i=0~63(i mod M)を用い得る。
【0131】
具体的には、Multiplexing pattern=1(表2及び図8参照)の場合、UE200は、スロットn0から始まる2つの連続したスロットに亘って設定されたTType 0 PDCCH CSS内のPDCCHを監視する。「i」は、SSB(SS/PBCHブロック)のインデックスを示す。
【0132】
(3.2.2)動作例2-2
本動作例では、同時に送信されるSSBに関連付けられるRMSI CORESETは、異なるQCLを有し、ネットワークから時分割多重(TDM)によって送信される。
【0133】
本動作例では、動作例2-1と同様に、異なるSSBセット(PBCH)間において、pdcch-ConfigSIB1(RMSI-PDCCH-Config)の内容は、同じであることが好ましい。また、UE200は、CORESET内のPDCCH受信に関連するDM-RSアンテナポートが、対応するSSBとほぼ同じ場所に配置されている、つまり、擬似コロケーションであると想定する。また、本動作例は、SSBとCORESETとのMultiplexing pattern=1のみに適用し得る。
【0134】
図16は、動作例2-2におけるSSBとCORESETとの関連付けの例を示す。具体的には、図16は、図13に示したSSBバーストの構成例と対応する。つまり、図16は、各SSBセットにおいて、SSB index=0~63が繰り返され、SSBセットを識別するSet indexとして、2ビット、具体的には、00, 01, 10, 11が用いられる場合におけるSSBとCORESETとの関連付けの例を示す。
【0135】
図16に示す例では、最初にSet index=00に含まれるSSB(SSB index=0~63)と関連付けられるCORESETが割り当てられ、次いで、Set index=01, 10, 11と関連付けられるCORESETが割り当てられる。
【0136】
本動作例では、無線フレーム(SFN)内のスロットのインデックス(n0)の計算には、i=0~255(i mod M + Set index*M)を用い得る。
【0137】
(3.2.2.1)動作例2-2-1
上述した動作例2-2の場合、MIBには、実際に送信されたSSBのインデックス(SSB index, Set index)の情報は含まれないため、Type 0 PDCCH MO(RMSI PDCCH MOと呼ばれてもよい)は、全てのインデックスを対象として、定義、想定される。例えば、SSB index=0, 4のみが用いられる場合であっても、SSB indexは、0, 1, 2, 3, 4…を対象として、定義される。従って、SSB index=0, 4のSSBと対応するType 0 PDCCH MOを含むスロットは、分離されることとなる。
【0138】
また、Release 15のMultiplexing pattern 1の場合、Type 0 PDCCH MOは、連続したスロットにギャップなしに配置される(図9参照)。但し、時間方向において隣接するSSBは、ギャップを設けて配置される(図4など参照)。従って、Type 0 PDCCH MOのマッピングは、長時間に亘るスケジューリング(ビーム)の制限を引き起こし得る。
【0139】
本動作例では、このような問題を解決すべく、FR4のような高周波数帯域を用いる場合、MIBは、実際に送信されるSSBに関する情報(例えばグループビットマップ)を含むことができる。UE200は、このような、実際に送信されるSSBに関する情報に基づいて、Type 0 PDCCH MOを定義、想定する。
【0140】
例えば、MIBによって示されていないSSB(グループ)に対するType 0 PDCCH MOは定義されない、すなわちスキップされてよい。
【0141】
これにより、FR4のような高周波数帯域を用いる場合において、Multiplexing pattern 1でもType 0 PDCCH MOを含むスロットは、実際に送信されるSSBに対応するもののみを集約して配置できる。
【0142】
また、FR4のような高周波数帯域を用いる場合、Multiplexing pattern 1でもType 0 PDCCH MOを含むスロットは連続したスロットにSSB indexに応じて順に配置されるのではなく、途中にType 0 PDCCH MOを含まないスロットを挿入し、非連続のスロットにType 0 PDCCH MOが含まれるように定義されてもよい。これにより、Type 0 PDCCH MOを含まないスロットを任意のビームを用いて利用し、スケジューリング(ビーム)の制限を緩和できる。
【0143】
(3.2.2.2)動作例2-2-2
上述したように、FR4のような高周波数帯域を用いる場合、SSB及びPDCCHの送信に用いられるビームは、かなり狭くなる。このため、UE200がSSBを検出したとしても、UE200が少しでも移動したり、回転したりすると、対応するPDCCHを検出できない可能性がある。
【0144】
本動作例では、このような問題を解決すべく、SSBとType 0 PDCCH MOとの関連付けを、一対多(1:N)とすることができる。当該関連付けに関するファクタNは、MIBによって示すことができる。
【0145】
図17は、動作例2-2-2におけるSSBとCORESETとの関連付けの例を示す。具体的には、図17は、図13に示したSSBバーストの構成例と対応する。つまり、図17は、各SSBセットにおいて、SSB index=0~63が繰り返され、SSBセットを識別するSet indexとして、2ビット、具体的には、00, 01, 10, 11が用いられる場合におけるSSBとCORESETとの関連付けの例を示す。
【0146】
図17に示す例では、1つのSSBに対して複数のRMSI CORESET、つまり、複数のType 0 PDCCH MOが関連付けられている。
【0147】
より具体的には、次のようなオプションを適用し得る。
【0148】
・(オプション1): N個のSSB index毎にグループ化され、例えば、SSB index #A(Aは仮の識別、以下同)を検出する端末は、SSB index #Aを含むグループを構成するSSB indexと関連付けられているType 0 PDCCH MOを監視する。
【0149】
例えば、N=8であり、端末がSSB index=10を検出した場合、当該端末は、SSB index=8~15に関連付けられているType 0 PDCCH MOを監視する。
【0150】
・(オプション2): SSB index #Aを検出する端末は、(SSB index #A-N/2)から(SSB index #A+N/2-1)に該当する範囲のSSB indexと関連付けられているType 0 PDCCH MOを監視する。
【0151】
例えば、N=8であり、端末がSSB index=10を検出した場合、当該端末は、SSB index=6~13(SSB index #10-8/2=6, SSB index #10+8/2-1=13)に関連付けられているType 0 PDCCH MOを監視する。
【0152】
(3.2.2.3)動作例2-2-3
上述した動作例2-2の場合、多数のCORESETが時分割多重されるため、Type 0 PDCCH MOのマッピングは、長時間に亘るスケジュール(ビーム)の制限を引き起こし得る。
【0153】
本動作例では、このような問題を解決すべく、SSBとType 0 PDCCH MOとの関連付けを、多対一(N:1)とすることができる。このような動作は、動作例2-2-2(1:N)と逆のパターンである。当該関連付けに関するファクタNは、MIBによって示すことができる。
【0154】
図18は、動作例2-2-3におけるSSBとCORESETとの関連付けの例を示す。具体的には、図18は、図13に示したSSBバーストの構成例と対応する。つまり、図18は、各SSBセットにおいて、SSB index=0~63が繰り返され、SSBセットを識別するSet indexとして、2ビット、具体的には、00, 01, 10, 11が用いられる場合におけるSSBとCORESETとの関連付けの例を示す。
【0155】
図18に示す例では、複数ののSSBに対して1つのRMSI CORESET、つまり、1つのType 0 PDCCH MOが関連付けられている。
【0156】
具体的には、Type 0 PDCCH MOは、N SSB index(例えば、0, N, 2N,…)毎にのみ定義、想定される。例えば、SSB index #Aを検出する端末は、SSB index i*N(ここで、i=floor (A/N))と関連付けられているType 0 PDCCH MOを監視する。
【0157】
例えば、N=8であり、端末がSSB index=10を検出した場合、当該端末は、SSB index=8(floor (10/8)=2)に関連付けられているType 0 PDCCH MOを監視する。
【0158】
また、異なる期間におけるType 0 PDCCHの送信には、ビームサイクリングを適用してもよい。例えば、図18に示すように、ビーム毎(#0~(N-1))に、上述したSSBとRMSI CORESETとの関連付けが繰り返されてもよい。
【0159】
なお、上述した動作例2-2-1~2-2-3は、複数のSSBが同時送信される場合だけでなく、複数のSSBがTDMによって送信される場合にも適用し得る。
【0160】
(3.2.3)動作例2-3
FR3, FR4などの異周波数帯域を用いる場合、ネットワークが非スタンドアローン運用であることを前提とし、システム情報ブロック(SIB)、SIB1を不要としてもよい。つまり、SIB1は、無線通信システム10が、NR FR3またはFR4のスタンドアローン運用の場合のみ用いられるようにしてもよい。
【0161】
非スタンドアローン運用の場合、Type 0 PDCCH(RMSI PDCCHと呼ばれてもよい)の設定に用いられるビット、具体的には、pdcch-ConfigSIB1の8ビットは、他の目的に用いられてもよい。
【0162】
例えば、当該ビットは、SSB indexの一部、またはSet indexのために使用されてもよいし、MIBのサイズを小さくするために、特に用いられなくてもよい。
【0163】
(4)作用・効果
上述した実施形態によれば、以下の作用効果が得られる。具体的には、UE200は、同一の時間位置または同一の周波数位置を用いて送信され、QCL想定が異なる複数のRMSI CORESETの少なくとも何れかを用いることができる。このため、UE200は、QCL想定が異なる複数のSSBが同時に送信される場合でも、当該SSBとマッピングされるRMSI CORESETを正しく認識できる。
【0164】
また、UE200は、ネットワークから時分割多重(TDM)によって送信され、QCL想定が異なる複数のRMSI CORESETの少なくとも何れかを用いることができる。このため、QCL想定が異なる複数のSSBが多数TDMによって送信される場合でも、当該SSBとマッピングされるRMSI CORESETを正しく認識できる。
【0165】
この場合、MIBは、ネットワークから送信されるSSBの情報を含んでもよい。このため、UE200は、ネットワークからTDMによって送信されるSSBに対応するRMSI CORESETの情報を柔軟に設定できる。また、Type 0 PDCCH MOを含むスロットが非連続となるように想定されてもよい。このため、Release 15のMultiplexing pattern 1のようにType 0 PDCCH MOが連続したスロットにギャップなしに配置されることに起因する長時間に亘るスケジュール(ビーム)の制限を緩和し得る。
【0166】
また、1つのSSBは、複数のRMSI CORESETと対応付けられている(1:N)、または複数のSSBは、1つのRMSI CORESETと対応付けられていてもよい(N:1)。
【0167】
SSB:RMSI CORESET=1:Nが適用される場合、UE200がSSBを検出したとしても、UE200が少しでも移動したり、回転したりすると、対応するPDCCHを検出できない可能性を低減できる。また、SSB:RMSI CORESET=N:1が適用される場合、Type 0 PDCCH MOのマッピングによる長時間に亘るスケジュール(ビーム)の制限を緩和し得る。
【0168】
さらに、UE200は、ネットワークが非スタンドアローン運用(NSA)であり、FR3, FR4のような異周波数帯域を用いる場合、システム情報ブロック、具体的には、SIB1を使用しないと判定できる。
【0169】
このため、QCL想定が異なる複数のSSBが送信される場合でも、非スタンドアローン運用(NSA)の場合には、他のノード(NR FR1/FR2やLTEなど)を介して制御情報を正しく認識できる。
【0170】
(5)その他の実施形態
以上、実施例に沿って本発明の内容を説明したが、本発明はこれらの記載に限定されるものではなく、種々の変形及び改良が可能であることは、当業者には自明である。
【0171】
例えば、上述した実施形態では、FR4のような高周波数帯域、つまり、52.6GHzを超える周波数帯域を例として説明したが、上述した動作例の少なくとも何れかは、FR3など、他の周波数レンジに適用されても構わない。
【0172】
さらに上述したように、FR4は、70GHz以下の周波数レンジと、70GHz以上の周波数レンジとに区分されてもよく、70GHz以上の周波数レンジに(提案1)~(提案3)が適用され、70GHz以下の周波数レンジに当該提案が部分的に適用されるなど、当該提案と、周波数レンジとの対応は、適宜変更されてもよい。
【0173】
また、上述した実施形態の説明に用いたブロック構成図(図10)は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的または論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的または論理的に分離した2つ以上の装置を直接的または間接的に(例えば、有線、無線などを用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置または上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
【0174】
機能には、判断、決定、判定、計算、算出、処理、導出、調査、探索、確認、受信、送信、出力、アクセス、解決、選択、選定、確立、比較、想定、期待、見做し、報知(broadcasting)、通知(notifying)、通信(communicating)、転送(forwarding)、構成(configuring)、再構成(reconfiguring)、割り当て(allocating、mapping)、割り振り(assigning)などがあるが、これらに限られない。例えば、送信を機能させる機能ブロック(構成部)は、送信部(transmitting unit)や送信機(transmitter)と呼称される。何れも、上述したとおり、実現方法は特に限定されない。
【0175】
さらに、上述したUE200は、本開示の無線通信方法の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。図19は、UE200のハードウェア構成の一例を示す図である。図19に示すように、UE200は、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006及びバス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
【0176】
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。当該装置のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つまたは複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
【0177】
UE200の各機能ブロック(図10参照)は、当該コンピュータ装置の何れかのハードウェア要素、または当該ハードウェア要素の組み合わせによって実現される。
【0178】
また、UE200における各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信を制御したり、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。
【0179】
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインタフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU)によって構成されてもよい。
【0180】
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール、データなどを、ストレージ1003及び通信装置1004の少なくとも一方からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態において説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。さらに、上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001によって実行されてもよいし、2つ以上のプロセッサ1001により同時または逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップによって実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されてもよい。
【0181】
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、Read Only Memory(ROM)、Erasable Programmable ROM(EPROM)、Electrically Erasable Programmable ROM(EEPROM)、Random Access Memory(RAM)などの少なくとも1つによって構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本開示の一実施形態に係る方法を実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
【0182】
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、Compact Disc ROM(CD-ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つによって構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記録媒体は、例えば、メモリ1002及びストレージ1003の少なくとも一方を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
【0183】
通信装置1004は、有線ネットワーク及び無線ネットワークの少なくとも一方を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。
【0184】
通信装置1004は、例えば周波数分割複信(Frequency Division Duplex:FDD)及び時分割複信(Time Division Duplex:TDD)の少なくとも一方を実現するために、高周波スイッチ、デュプレクサ、フィルタ、周波数シンセサイザなどを含んで構成されてもよい。
【0185】
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
【0186】
また、プロセッサ1001及びメモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007で接続される。バス1007は、単一のバスを用いて構成されてもよいし、装置間ごとに異なるバスを用いて構成されてもよい。
【0187】
さらに、当該装置は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(Digital Signal Processor: DSP)、Application Specific Integrated Circuit(ASIC)、Programmable Logic Device(PLD)、Field Programmable Gate Array(FPGA)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部または全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つを用いて実装されてもよい。
【0188】
また、情報の通知は、本開示において説明した態様/実施形態に限られず、他の方法を用いて行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、Downlink Control Information(DCI)、Uplink Control Information(UCI)、上位レイヤシグナリング(例えば、RRCシグナリング、Medium Access Control(MAC)シグナリング、報知情報(Master Information Block(MIB)、System Information Block(SIB))、その他の信号またはこれらの組み合わせによって実施されてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRC Connection Setup)メッセージ、RRC接続再構成(RRC Connection Reconfiguration)メッセージなどであってもよい。
【0189】
本開示において説明した各態様/実施形態は、Long Term Evolution(LTE)、LTE-Advanced(LTE-A)、SUPER 3G、IMT-Advanced、4th generation mobile communication system(4G)、5th generation mobile communication system(5G)、Future Radio Access(FRA)、New Radio(NR)、W-CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、Ultra Mobile Broadband(UMB)、IEEE 802.11(Wi-Fi(登録商標))、IEEE 802.16(WiMAX(登録商標))、IEEE 802.20、Ultra-WideBand(UWB)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及びこれらに基づいて拡張された次世代システムの少なくとも一つに適用されてもよい。また、複数のシステムが組み合わされて(例えば、LTE及びLTE-Aの少なくとも一方と5Gとの組み合わせなど)適用されてもよい。
【0190】
本開示において説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0191】
本開示において基地局によって行われるとした特定動作は、場合によってはその上位ノード(upper node)によって行われることもある。基地局を有する1つまたは複数のネットワークノード(network nodes)からなるネットワークにおいて、端末との通信のために行われる様々な動作は、基地局及び基地局以外の他のネットワークノード(例えば、MMEまたはS-GWなどが考えられるが、これらに限られない)の少なくとも1つによって行われ得ることは明らかである。上記において基地局以外の他のネットワークノードが1つである場合を例示したが、複数の他のネットワークノードの組み合わせ(例えば、MME及びS-GW)であってもよい。
【0192】
情報、信号(情報等)は、上位レイヤ(または下位レイヤ)から下位レイヤ(または上位レイヤ)へ出力され得る。複数のネットワークノードを介して入出力されてもよい。
【0193】
入出力された情報は、特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報は、上書き、更新、または追記され得る。出力された情報は削除されてもよい。入力された情報は他の装置へ送信されてもよい。
【0194】
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:trueまたはfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0195】
本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
【0196】
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
【0197】
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(Digital Subscriber Line:DSL)など)及び無線技術(赤外線、マイクロ波など)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、または他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0198】
本開示において説明した情報、信号などは、様々な異なる技術の何れかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、またはこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0199】
なお、本開示において説明した用語及び本開示の理解に必要な用語については、同一のまたは類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。例えば、チャネル及びシンボルの少なくとも一方は信号(シグナリング)であってもよい。また、信号はメッセージであってもよい。また、コンポーネントキャリア(Component Carrier:CC)は、キャリア周波数、セル、周波数キャリアなどと呼ばれてもよい。
【0200】
本開示において使用する「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
【0201】
また、本開示において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。例えば、無線リソースはインデックスによって指示されるものであってもよい。
【0202】
上述したパラメータに使用する名称はいかなる点においても限定的な名称ではない。さらに、これらのパラメータを使用する数式等は、本開示で明示的に開示したものと異なる場合もある。様々なチャネル(例えば、PUCCH、PDCCHなど)及び情報要素は、あらゆる好適な名称によって識別できるため、これらの様々なチャネル及び情報要素に割り当てている様々な名称は、いかなる点においても限定的な名称ではない。
【0203】
本開示においては、「基地局(Base Station:BS)」、「無線基地局」、「固定局(fixed station)」、「NodeB」、「eNodeB(eNB)」、「gNodeB(gNB)」、「アクセスポイント(access point)」、「送信ポイント(transmission point)」、「受信ポイント(reception point)、「送受信ポイント(transmission/reception point)」、「セル」、「セクタ」、「セルグループ」、「キャリア」、「コンポーネントキャリア」などの用語は、互換的に使用され得る。基地局は、マクロセル、スモールセル、フェムトセル、ピコセルなどの用語で呼ばれる場合もある。
【0204】
基地局は、1つまたは複数(例えば、3つ)のセル(セクタとも呼ばれる)を収容することができる。基地局が複数のセルを収容する場合、基地局のカバレッジエリア全体は複数のより小さいエリアに区分でき、各々のより小さいエリアは、基地局サブシステム(例えば、屋内用の小型基地局(Remote Radio Head:RRH)によって通信サービスを提供することもできる。
【0205】
「セル」または「セクタ」という用語は、このカバレッジにおいて通信サービスを行う基地局、及び基地局サブシステムの少なくとも一方のカバレッジエリアの一部または全体を指す。
【0206】
本開示においては、「移動局(Mobile Station:MS)」、「ユーザ端末(user terminal)」、「ユーザ装置(User Equipment:UE)」、「端末」などの用語は、互換的に使用され得る。
【0207】
移動局は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、またはいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
【0208】
基地局及び移動局の少なくとも一方は、送信装置、受信装置、通信装置などと呼ばれてもよい。なお、基地局及び移動局の少なくとも一方は、移動体に搭載されたデバイス、移動体自体などであってもよい。当該移動体は、乗り物(例えば、車、飛行機など)であってもよいし、無人で動く移動体(例えば、ドローン、自動運転車など)であってもよいし、ロボット(有人型または無人型)であってもよい。なお、基地局及び移動局の少なくとも一方は、必ずしも通信動作時に移動しない装置も含む。例えば、基地局及び移動局の少なくとも一方は、センサなどのInternet of Things(IoT)機器であってもよい。
【0209】
また、本開示における基地局は、移動局(ユーザ端末、以下同)として読み替えてもよい。例えば、基地局及び移動局間の通信を、複数の移動局間の通信(例えば、Device-to-Device(D2D)、Vehicle-to-Everything(V2X)などと呼ばれてもよい)に置き換えた構成について、本開示の各態様/実施形態を適用してもよい。この場合、基地局が有する機能を移動局が有する構成としてもよい。また、「上り」及び「下り」などの文言は、端末間通信に対応する文言(例えば、「サイド(side)」)で読み替えられてもよい。例えば、上りチャネル、下りチャネルなどは、サイドチャネルで読み替えられてもよい。
【0210】
同様に、本開示における移動局は、基地局として読み替えてもよい。この場合、移動局が有する機能を基地局が有する構成としてもよい。
無線フレームは時間領域において1つまたは複数のフレームによって構成されてもよい。時間領域において1つまたは複数の各フレームはサブフレームと呼ばれてもよい。
サブフレームはさらに時間領域において1つまたは複数のスロットによって構成されてもよい。サブフレームは、ニューメロロジー(numerology)に依存しない固定の時間長(例えば、1ms)であってもよい。
【0211】
ニューメロロジーは、ある信号またはチャネルの送信及び受信の少なくとも一方に適用される通信パラメータであってもよい。ニューメロロジーは、例えば、サブキャリア間隔(SubCarrier Spacing:SCS)、帯域幅、シンボル長、サイクリックプレフィックス長、送信時間間隔(Transmission Time Interval:TTI)、TTIあたりのシンボル数、無線フレーム構成、送受信機が周波数領域において行う特定のフィルタリング処理、送受信機が時間領域において行う特定のウィンドウイング処理などの少なくとも1つを示してもよい。
【0212】
スロットは、時間領域において1つまたは複数のシンボル(Orthogonal Frequency Division Multiplexing(OFDM))シンボル、Single Carrier Frequency Division Multiple Access(SC-FDMA)シンボルなど)で構成されてもよい。スロットは、ニューメロロジーに基づく時間単位であってもよい。
【0213】
スロットは、複数のミニスロットを含んでもよい。各ミニスロットは、時間領域において1つまたは複数のシンボルによって構成されてもよい。また、ミニスロットは、サブスロットと呼ばれてもよい。ミニスロットは、スロットよりも少ない数のシンボルによって構成されてもよい。ミニスロットより大きい時間単位で送信されるPDSCH(またはPUSCH)は、PDSCH(またはPUSCH)マッピングタイプAと呼ばれてもよい。ミニスロットを用いて送信されるPDSCH(またはPUSCH)は、PDSCH(またはPUSCH)マッピングタイプBと呼ばれてもよい。
【0214】
無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット及びシンボルは、何れも信号を伝送する際の時間単位を表す。無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット及びシンボルは、それぞれに対応する別の呼称が用いられてもよい。
【0215】
例えば、1サブフレームは送信時間間隔(TTI)と呼ばれてもよいし、複数の連続したサブフレームがTTIと呼ばれてよいし、1スロットまたは1ミニスロットがTTIと呼ばれてもよい。つまり、サブフレーム及びTTIの少なくとも一方は、既存のLTEにおけるサブフレーム(1ms)であってもよいし、1msより短い期間(例えば、1-13シンボル)であってもよいし、1msより長い期間であってもよい。なお、TTIを表す単位は、サブフレームではなくスロット、ミニスロットなどと呼ばれてもよい。
【0216】
ここで、TTIは、例えば、無線通信におけるスケジューリングの最小時間単位のことをいう。例えば、LTEシステムでは、基地局が各ユーザ端末に対して、無線リソース(各ユーザ端末において使用することが可能な周波数帯域幅、送信電力など)を、TTI単位で割り当てるスケジューリングを行う。なお、TTIの定義はこれに限られない。
【0217】
TTIは、チャネル符号化されたデータパケット(トランスポートブロック)、コードブロック、コードワードなどの送信時間単位であってもよいし、スケジューリング、リンクアダプテーションなどの処理単位となってもよい。なお、TTIが与えられたとき、実際にトランスポートブロック、コードブロック、コードワードなどがマッピングされる時間区間(例えば、シンボル数)は、当該TTIよりも短くてもよい。
【0218】
なお、1スロットまたは1ミニスロットがTTIと呼ばれる場合、1以上のTTI(すなわち、1以上のスロットまたは1以上のミニスロット)が、スケジューリングの最小時間単位となってもよい。また、当該スケジューリングの最小時間単位を構成するスロット数(ミニスロット数)は制御されてもよい。
【0219】
1msの時間長を有するTTIは、通常TTI(LTE Rel.8-12におけるTTI)、ノーマルTTI、ロングTTI、通常サブフレーム、ノーマルサブフレーム、ロングサブフレーム、スロットなどと呼ばれてもよい。通常TTIより短いTTIは、短縮TTI、ショートTTI、部分TTI(partialまたはfractional TTI)、短縮サブフレーム、ショートサブフレーム、ミニスロット、サブスロット、スロットなどと呼ばれてもよい。
【0220】
なお、ロングTTI(例えば、通常TTI、サブフレームなど)は、1msを超える時間長を有するTTIで読み替えてもよいし、ショートTTI(例えば、短縮TTIなど)は、ロングTTIのTTI長未満かつ1ms以上のTTI長を有するTTIで読み替えてもよい。
【0221】
リソースブロック(RB)は、時間領域及び周波数領域のリソース割当単位であり、周波数領域において、1つまたは複数個の連続した副搬送波(subcarrier)を含んでもよい。RBに含まれるサブキャリアの数は、ニューメロロジーに関わらず同じであってもよく、例えば12であってもよい。RBに含まれるサブキャリアの数は、ニューメロロジーに基づいて決定されてもよい。
【0222】
また、RBの時間領域は、1つまたは複数個のシンボルを含んでもよく、1スロット、1ミニスロット、1サブフレーム、または1TTIの長さであってもよい。1TTI、1サブフレームなどは、それぞれ1つまたは複数のリソースブロックで構成されてもよい。
【0223】
なお、1つまたは複数のRBは、物理リソースブロック(Physical RB:PRB)、サブキャリアグループ(Sub-Carrier Group:SCG)、リソースエレメントグループ(Resource Element Group:REG)、PRBペア、RBペアなどと呼ばれてもよい。
【0224】
また、リソースブロックは、1つまたは複数のリソースエレメント(Resource Element:RE)によって構成されてもよい。例えば、1REは、1サブキャリア及び1シンボルの無線リソース領域であってもよい。
【0225】
帯域幅部分(Bandwidth Part:BWP)(部分帯域幅などと呼ばれてもよい)は、あるキャリアにおいて、あるニューメロロジー用の連続する共通RB(common resource blocks)のサブセットのことを表してもよい。ここで、共通RBは、当該キャリアの共通参照ポイントを基準としたRBのインデックスによって特定されてもよい。PRBは、あるBWPで定義され、当該BWP内で番号付けされてもよい。
【0226】
BWPには、UL用のBWP(UL BWP)と、DL用のBWP(DL BWP)とが含まれてもよい。UEに対して、1キャリア内に1つまたは複数のBWPが設定されてもよい。
【0227】
設定されたBWPの少なくとも1つがアクティブであってもよく、UEは、アクティブなBWPの外で所定の信号/チャネルを送受信することを想定しなくてもよい。なお、本開示における「セル」、「キャリア」などは、「BWP」で読み替えられてもよい。
【0228】
上述した無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット及びシンボルなどの構造は例示に過ぎない。例えば、無線フレームに含まれるサブフレームの数、サブフレームまたは無線フレームあたりのスロットの数、スロット内に含まれるミニスロットの数、スロットまたはミニスロットに含まれるシンボル及びRBの数、RBに含まれるサブキャリアの数、並びにTTI内のシンボル数、シンボル長、サイクリックプレフィックス(Cyclic Prefix:CP)長などの構成は、様々に変更することができる。
【0229】
「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、またはこれらのあらゆる変形は、2またはそれ以上の要素間の直接的または間接的なあらゆる接続または結合を意味し、互いに「接続」または「結合」された2つの要素間に1またはそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合または接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。例えば、「接続」は「アクセス」で読み替えられてもよい。本開示で使用する場合、2つの要素は、1またはそれ以上の電線、ケーブル及びプリント電気接続の少なくとも一つを用いて、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどを用いて、互いに「接続」または「結合」されると考えることができる。
【0230】
参照信号は、Reference Signal(RS)と略称することもでき、適用される標準によってパイロット(Pilot)と呼ばれてもよい。
【0231】
本開示において使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0232】
上記の各装置の構成における「手段」を、「部」、「回路」、「デバイス」等に置き換えてもよい。
【0233】
本開示において使用する「第1」、「第2」などの呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量または順序を全般的に限定しない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本開示において使用され得る。したがって、第1及び第2の要素への参照は、2つの要素のみがそこで採用され得ること、または何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
【0234】
本開示において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本開示において使用されている用語「または(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0235】
本開示において、例えば、英語でのa, an及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
【0236】
本開示で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up、search、inquiry)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。また、「判断(決定)」は、「想定する(assuming)」、「期待する(expecting)」、「みなす(considering)」などで読み替えられてもよい。
【0237】
本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBがそれぞれCと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」などの用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。
【0238】
以上、本開示について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示が本開示中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本開示は、請求の範囲の記載により定まる本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とするものであり、本開示に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【符号の説明】
【0239】
10 無線通信システム
20 NG-RAN
100 gNB
200 UE
210 無線信号送受信部
220 アンプ部
230 変復調部
240 制御信号・参照信号処理部
250 符号化/復号部
260 データ送受信部
270 制御部
1001 プロセッサ
1002 メモリ
1003 ストレージ
1004 通信装置
1005 入力装置
1006 出力装置
1007 バス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19