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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-05
(45)【発行日】2024-08-14
(54)【発明の名称】腰掛け、及び腰掛け用アセンブリ
(51)【国際特許分類】
   A47C 9/10 20060101AFI20240806BHJP
   A47C 4/28 20060101ALI20240806BHJP
【FI】
A47C9/10 Z
A47C4/28 Z
【請求項の数】 27
(21)【出願番号】P 2021559279
(86)(22)【出願日】2020-04-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-16
(86)【国際出願番号】 CA2020050501
(87)【国際公開番号】W WO2020210903
(87)【国際公開日】2020-10-22
【審査請求日】2023-04-14
(31)【優先権主張番号】62/834,556
(32)【優先日】2019-04-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521161680
【氏名又は名称】ヒルサウンド イクィップメント インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カン、チャン スン
【審査官】松江 雅人
(56)【参考文献】
【文献】特表2001-520064(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0228780(US,A1)
【文献】実公昭55-030339(JP,Y2)
【文献】実開昭60-008664(JP,U)
【文献】実開昭53-120212(JP,U)
【文献】登録実用新案第3046457(JP,U)
【文献】国際公開第2015/147734(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 9/10,4/00-4/54,5/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の回転軸を画定するピボットハブと、
前記ピボットハブに取り付けるための変位モジュールと、
前記ピボットハブに回転可能に連結するための複数の脚であって、前記脚のうちの少なくとも1つは伸長可能であり、前記脚は、1つ又は複数のロックデバイスを有し、前記ロックデバイスは、伸長された前記少なくとも1つの伸長可能な脚が引っ込むことを可能にするロック解除位置と、伸長された前記少なくとも1つの伸長可能な脚が引っ込むのを妨げるロック位置との間で可動である、複数の脚と
を有する腰掛け用アセンブリであって、
前記脚は、前記ピボットハブに回転可能に連結されたとき、前記回転軸を中心として中間位置と展開位置との間で回転可能であり、また
前記少なくとも1つの伸長可能な脚が伸長され且つ前記変位モジュールが前記ピボットハブに取り付けられているとき、
前記中間位置において、前記変位モジュールは前記1つ又は複数のロックデバイスに係合し、それにより前記1つ又は複数のロックデバイスを前記ロック位置から前記ロック解除位置へ動かせ、また
前記脚を前記中間位置から前記展開位置まで回転させると、前記変位モジュールが前記1つ又は複数のロックデバイスと非接触となる、腰掛け用アセンブリ。
【請求項2】
前記ピボットハブは、第1の整合フィーチャを有し、
前記脚は、前記第1の整合フィーチャとの位置合わせのための第2の整合フィーチャをさらに有し、
前記第1の整合フィーチャが前記第2の整合フィーチャと位置合わせされたとき、前記脚は、前記ピボットハブに連結され得るように、前記ピボットハブに対して且つ前記回転軸に沿って平行移動可能となり、また
前記脚が前記ピボットハブに連結され、且つ前記第1の整合フィーチャが前記第2の整合フィーチャと位置合わせされていないとき、前記脚は、前記第1の整合フィーチャと前記第2の整合フィーチャの係合によって、前記ピボットハブからの分離を妨げられる、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
前記第1の整合フィーチャは、オス整合フィーチャ及びメス整合フィーチャの一方を有し、前記第2の整合フィーチャは、オス整合フィーチャ及びメス整合フィーチャの他方を有する、請求項2に記載のアセンブリ。
【請求項4】
前記ピボットハブは、前記ピボットハブの中央部分から延びる複数のアームをさらに有し、前記アームは、前記回転軸のそれぞれ1つを画定する、請求項1から3までのいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項5】
前記アームは、前記アームの端部に前記第1の整合フィーチャを有する、請求項4に記載のアセンブリ。
【請求項6】
前記第1の整合フィーチャは、前記アームの前記端部から延びる歯部を有する、請求項5に記載のアセンブリ。
【請求項7】
前記少なくとも1つの伸長可能な脚は、
少なくとも1つの外側脚部分に対して平行移動するように配された少なくとも1つの内側脚部分と、
1つ又は複数の前記第2の整合フィーチャを有する脚ホルダであって、前記少なくとも1つの内側脚部分又は前記少なくとも1つの外側脚部分に固定された脚ホルダと
を有する、請求項1から6までのいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項8】
前記脚ホルダは、前記少なくとも1つの外側脚部分に固定されている、請求項7に記載のアセンブリ。
【請求項9】
前記脚ホルダに第1の開口が形成され、前記少なくとも1つの内側脚部分及び/又は前記少なくとも1つの外側脚部分に第2の開口が形成され、前記少なくとも1つの外側脚部分に対して前記少なくとも1つの内側脚部分を平行移動させると前記第1及び第2の開口が位置合わせされるように前記第1及び第2の開口が位置付けられている、請求項7又は8に記載のアセンブリ。
【請求項10】
前記少なくとも1つの伸長可能な脚は、前記脚ホルダに対する前記少なくとも1つの内側脚部分又は前記少なくとも1つの外側脚部分の回転を妨げるための1つ又は複数の部分を有している、請求項7から9までのいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項11】
前記1つ又は複数の部分は、前記脚ホルダの1つ又は複数の平坦部分と、前記少なくとも1つの内側脚部分の1つ又は複数の平坦部分とを有する、請求項10に記載のアセンブリ。
【請求項12】
前記1つ又は複数のロックデバイスは、1つ又は複数の弾性の偏倚部材を有する、請求項1から11までのいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項13】
前記1つ又は複数の弾性の偏倚部材は、1つ又は複数のバネ足部を備えた1つ又は複数のバネを有し、前記1つ又は複数のバネは、前記1つ又は複数のバネ足部を偏倚するように配置され、それにより、前記ロック位置において、且つ前記少なくとも1つの伸長可能な脚が前記展開位置にあるとき、前記1つ又は複数のバネ足部が、前記少なくとも1つの伸長可能な脚に形成された1つ又は複数の脚開口を通して延びる、請求項12に記載のアセンブリ。
【請求項14】
前記1つ又は複数のバネは、前記1つ又は複数のバネ足部を偏倚するようにさらに配置され、それにより、前記ロック位置において、且つ前記少なくとも1つの伸長可能な脚が前記展開位置にあるとき、前記1つ又は複数のバネ足部が、前記少なくとも1つの伸長可能な脚に固定された脚ホルダに形成された1つ又は複数の脚ホルダ開口をさらに通して延びる、請求項13に記載のアセンブリ。
【請求項15】
前記1つ又は複数の脚開口は、前記少なくとも1つの伸長可能な脚の少なくとも1つの内側脚部分に形成され、前記少なくとも1つの内側脚部分は、前記少なくとも1つの伸長可能な脚の少なくとも1つの外側脚部分に対して平行移動するように配置されている、請求項13又は14に記載のアセンブリ。
【請求項16】
前記少なくとも1つの伸長可能な脚が伸長され、且つ前記中間位置にあるとき、且つ前記変位モジュールが前記ピボットハブに取り付けられているとき、前記変位モジュールは、前記1つ又は複数のバネ足部に係合するような、且つ前記1つ又は複数のバネ足部が前記1つ又は複数の脚開口を通して延びることを妨げるような形状とされており、それにより前記少なくとも1つの伸長可能な脚が引っ込むことを可能にする、請求項13から15までのいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項17】
前記1つ又は複数のバネ足部は、1つ又は複数のテーパ部分をさらに有し、前記少なくとも1つの伸長可能な脚が伸長され、且つ前記中間位置にあるとき、且つ前記変位モジュールが前記ピボットハブに取り付けられているとき、前記変位モジュールは、前記1つ又は複数のバネ足部に係合するような、且つ前記1つ又は複数のバネ足部が前記1つ又は複数の脚ホルダ開口から外へ延びることを妨げるような形状とされており、また前記1つ又は複数のテーパ部分は、前記少なくとも1つの伸長可能な脚が引っ込むのを容易にする、請求項13から15までのいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項18】
前記脚の上端に取り付けるための腰掛けカバーをさらに有する、請求項1から17までのいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項19】
前記腰掛けカバーは、前記脚の前記上端に形成された開口との位置合わせのためのカバー開口を有し、前記アセンブリは、前記腰掛けカバーを前記脚の前記上端に取り付けるために前記カバー開口及び前記脚の前記上端の前記開口の中へ挿入するための留め具をさらに有する、請求項18に記載のアセンブリ。
【請求項20】
前記留め具は取り外し可能である、請求項19に記載のアセンブリ。
【請求項21】
前記脚は、その下端に足部を有し、前記足部は、第1の足部部材と、前記第1の足部部材より長い第2の足部部材とを有し、前記脚は、前記第1の足部部材が前記第2の足部部材に接する場所で前記足部に接している、請求項1から20までのいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項22】
前記第1及び第2の整合フィーチャは、前記脚が前記ピボットハブに対して完全に1回転するごとに前記第1の整合フィーチャが前記第2の整合フィーチャと位置合わせされるような形状になされている、請求項2から21までのいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項23】
前記中間位置から前記展開位置まで前記脚が前記ピボットハブに対して回転する間、前記第1の整合フィーチャ及び前記第2の整合フィーチャは相互に位置合わせされず、また、前記展開位置において、前記脚は、前記脚の上端に形成された開口に腰掛けカバーの開口が位置合わせされるのに必要な程度まで回転されている、請求項2から22までのいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項24】
前記複数の脚は、少なくとも3つの脚を有する、請求項1から23までのいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項25】
前記脚ホルダは、前記脚を前記展開位置から前記中間位置まで回転方向に回転させるとき、前記中間位置において、前記脚ホルダが相互に係合して、前記脚のさらなる前記回転方向への回転を妨げるような寸法とされている、請求項7に記載のアセンブリ。
【請求項26】
複数の回転軸を画定するピボットハブと、
前記ピボットハブに取り付けられた変位モジュールと、
前記ピボットハブに回転可能に連結された複数の脚であって、前記脚のうちの少なくとも1つは伸長可能であり、前記脚は、1つ又は複数のロックデバイスを有し、前記ロックデバイスは、伸長された前記少なくとも1つの伸長可能な脚が引っ込むことを可能にするロック解除位置と、伸長された前記少なくとも1つの伸長可能な脚が引っ込むのを妨げるロック位置との間で可動である、複数の脚と
を有する腰掛け用アセンブリであって、
前記脚は、前記回転軸を中心として中間位置と展開位置との間で回転可能であり、また
前記少なくとも1つの伸長可能な脚が伸長されたとき、
前記中間位置において、前記変位モジュールは前記1つ又は複数のロックデバイスに係合し、それにより前記1つ又は複数のロックデバイスを前記ロック位置から前記ロック解除位置まで動かせ、
前記脚を前記中間位置から前記展開位置まで回転させると、前記変位モジュールが前記1つ又は複数のロックデバイスと非接触となる、腰掛け用アセンブリ。
【請求項27】
腰掛けの脚に回転可能に連結するためのアセンブリであって、
ピボットハブであって、前記ピボットハブの中央部分から延びるアームを有し、前記アームは、前記アームの端部から延びる歯部を有する、ピボットハブと、
前記中央部分に取り付けるための変位モジュールと
を有するアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、腰掛け(seat)、及び腰掛け用アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
キャンプ用スツールは、キャンプ及び類似の野外活動のために使用される可搬式の腰掛けである。そのような活動において、そのような腰掛けが占める空間を最小にする一般的要求により、キャンプ用スツールは、1本又は複数本の伸長可能な脚を備えることが好ましい。スツールの脚は、使用しないときには、格納され(すなわち引っ込められ)、又は折り畳まれて、スツールの寸法を小さくすることができる。
【0003】
しかしながら、そのようなスツールは一般に、脚を伸長位置に固定するための非効率的なロック機構(係止機構)に依存している。例えば、ユーザが脚のロック解除のため押しボタンを手動で動作させることが必要な場合があり、さもなければ、係止クランプを使用することが必要な場合がある。スツール又は類似の腰掛けが、伸長可能な脚のロック及びロック解除を可能とする、より簡易且つより効率的な手段を備えることができれば有利であろう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これに関連して、本開示は改良された腰掛け、及び腰掛け用の改良されたアセンブリを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1の態様(aspect)によれば、腰掛け用アセンブリであって、複数の回転軸を画定するピボットハブと、ピボットハブに取り付けるための変位モジュールと、ピボットハブに回転可能に連結するための脚であって、脚の少なくとも1本は伸長可能であり、少なくとも1本の伸長可能な脚が伸長されたときに格納可能となるロック解除位置と、少なくとも1本の伸長可能な脚が伸長されたときに格納が防止されるロック位置との間で移動可能な1つ又は複数のロックデバイスを有する脚とを有し、脚は、ピボットハブに回転可能に連結されたときに回転軸に対して中間位置と展開位置との間で回転可能となり、少なくとも1本の伸長可能な脚が伸長され且つ変位モジュールがピボットハブに取り付けられているときに、中間位置では、変位モジュールが1つ又は複数のロックデバイスに係合して1つ又は複数のロックデバイスをロック位置からロック解除位置まで移動させ、脚を中間位置から展開位置まで回転させると、変位モジュールが1つ又は複数のロックデバイスと非接触となる、腰掛け用アセンブリが提供される。
【0006】
ピボットハブは第1の整合フィーチャ(alignment feature)を有してもよい。脚は、第1の整合フィーチャとの位置合わせのための第2の整合フィーチャをさらに有してもよい。第1の整合フィーチャが第2の整合フィーチャと位置合わせされているとき、脚がピボットハブに連結され得るように脚はピボットハブに対し回転軸に沿って平行移動可能となってもよい。脚がピボットハブに連結され、第1の整合フィーチャが第2の整合フィーチャと位置合わせされていないとき、第1の整合フィーチャと第2の整合フィーチャとの係合により、ピボットハブからの脚の分離を防止してもよい。
【0007】
第1の整合フィーチャはオス及びメスの整合フィーチャの一方を有してもよく、第2の整合フィーチャはオス及びメスの整合フィーチャの他方を有してもよい。
【0008】
ピボットハブは、ピボットハブの中央部分から延びるアームをさらに有してもよく、アームは、回転軸のそれぞれ1つを画定してもよい。アームは、アームの端部に第1の整合フィーチャを有してもよい。第1の整合フィーチャは、アームの端部から延びる歯部を有してもよい。
【0009】
少なくとも1本の伸長可能な脚は、少なくとも1つの外側脚部分に対して平行移動するように配された少なくとも1つの内側脚部分と、第2の整合フィーチャの1つ又は複数を有し、少なくとも1つの内側脚部分又は少なくとも1つの外側脚部分に固定された脚ホルダとを有してもよい。
【0010】
脚ホルダは少なくとも1つの外側脚部分に固定されてもよい。
【0011】
脚ホルダには第1の開口が形成されていてもよい。少なくとも1つの内側脚部分及び/又は少なくとも1つの外側脚部分には第2の開口が形成されていてもよい。少なくとも1つの外側脚部分に対して少なくとも1つの内側脚部分を平行移動させると第1及び第2の開口が位置合わせされるように第1及び第2の開口が位置していてもよい。
【0012】
少なくとも1本の伸長可能な脚は、脚ホルダに対する少なくとも1つの内側脚部分又は少なくとも1つの外側脚部分の回転を防止するための1つ又は複数の部分を有してもよい。1つ又は複数の部分は、脚ホルダの1つ又は複数の平坦部分と、少なくとも1つの内側脚部分の1つ又は複数の平坦部分とを有してもよい。
【0013】
1つ又は複数のロックデバイスは1つ又は複数の弾性の偏倚部材(biasing member)を有してもよい。1つ又は複数の弾性の偏倚部材は、1つ又は複数のバネ足部を備えた1つ又は複数のバネを有してもよい。ロック位置において、且つ、少なくとも1本の伸長可能な脚が展開位置にあるときに、1つ又は複数のバネ足部が、少なくとも1本の伸長可能な脚に形成された1つ又は複数の脚開口を貫通して延びるように、1つ又は複数のバネが1つ又は複数のバネ足部を偏倚するように配されてもよい。ロック位置において、且つ、少なくとも1本の伸長可能な脚が展開位置にあるときに、1つ又は複数のバネ足部が、少なくとも1本の伸長可能な脚に固定された脚ホルダに形成された1つ又は複数の脚ホルダ開口をさらに貫通して延びるように、1つ又は複数のバネが1つ又は複数のバネ足部を偏倚するようにさらに配されてもよい。
【0014】
1つ又は複数の脚開口は、少なくとも1本の伸長可能な脚の少なくとも1つの内側脚部分に形成されてもよい。少なくとも1つの内側脚部分は、少なくとも1本の伸長可能な脚の少なくとも1つの外側脚部分に対し平行移動するように配されてもよい。
【0015】
少なくとも1本の伸長可能な脚が伸長されて中間位置にあるとき、且つ、変位モジュールがピボットハブに取り付けられているときに、変位モジュールは、1つ又は複数のバネ足部に係合し、且つ、1つ又は複数のバネ足部が1つ又は複数の脚開口を貫通して延びることを防止するような形状を備えて、少なくとも1本の伸長可能な脚の格納を可能としてもよい。
【0016】
1つ又は複数のバネ足部は1つ又は複数のテーパ部分をさらに有してもよい。少なくとも1本の伸長可能な脚が伸長されて中間位置にあるとき、且つ、変位モジュールがピボットハブに取り付けられているときに、変位モジュールは、1つ又は複数のバネ足部に係合し、且つ、1つ又は複数のバネ足部が1つ又は複数の脚ホルダ開口から外へ延びることを防止するような形状を備えてもよい。1つ又は複数のテーパ部分により、少なくとも1本の伸長可能な脚の格納を促進してもよい。
【0017】
アセンブリは、脚の上端に取り付けるための腰掛けカバーをさらに有してもよい。腰掛けカバーは、脚の上端に形成された開口との位置合わせのためのカバー開口を有してもよい。アセンブリは、腰掛けカバーを脚の上端に取り付けるためにカバー開口及び脚の上端の開口の中へ挿入するための留め具をさらに有してもよい。留め具は取り外し可能であってもよい。
【0018】
脚は、その下端に足部を有してもよい。足部は、第1の足部部材と、第1の足部部材より長い第2の足部部材とを有してもよい。第1の部分が第2の部分に接する場所で脚が足部に接してもよい。
【0019】
第1及び第2の整合フィーチャは、脚がピボットハブに対して完全に1回転するごとに第1の整合フィーチャが第2の整合フィーチャと位置合わせされるような形状を備えてもよい。
【0020】
中間位置から展開位置まで脚がピボットハブに対して回転する間、第1の整合フィーチャ及び第2の整合フィーチャは相互に位置合わせされなくてもよい。展開位置において、脚の上端内に形成された開口に腰掛けカバーの開口が位置合わせされるのに必要な程度まで脚が回転していてもよい。
【0021】
脚は少なくとも3本の脚を有してもよい。
【0022】
脚ホルダは、展開位置から中間位置まで、回転方向に脚を回転させると、中間位置において、脚ホルダが相互に係合して、回転方向への脚のさらなる回転を防止するような寸法を備えてもよい。
【0023】
本開示のさらなる態様によれば、腰掛け用アセンブリであって、複数の回転軸を画定するピボットハブと、ピボットハブに取り付けられた変位モジュールと、ピボットハブに回転可能に連結された脚であって、脚の少なくとも1本は伸長可能であり、少なくとも1本の伸長可能な脚が伸長されたときに格納可能となるロック解除位置と、少なくとも1本の伸長可能な脚が伸長されたときに格納が防止されるロック位置との間で移動可能な1つ又は複数のロックデバイスを有する脚とを有し、脚は回転軸に対して中間位置と展開位置との間で回転可能であり、少なくとも1本の伸長可能な脚が伸長されたときに、中間位置では、変位モジュールが1つ又は複数のロックデバイスに係合して1つ又は複数のロックデバイスをロック位置からロック解除位置まで移動させ、脚を中間位置から展開位置まで回転させると、変位モジュールが1つ又は複数のロックデバイスと非接触となる、腰掛け用アセンブリが提供される。
【0024】
本開示のさらなる態様によれば、腰掛けの脚に回転可能に連結するためのアセンブリであって、ピボットハブであって、ピボットハブの中央部分から延びるアームを有し、アームはアームの端部から延びる歯部を有するピボットハブと、中央部分に取り付けるための変位モジュールとを有するアセンブリが提供される。
【0025】
本開示のさらなる態様によれば、少なくとも1つの外側管に対して平行移動するように配された少なくとも1つの内側管であって、開口が形成された少なくとも1つの内側管と、少なくとも1つの内側管内に少なくとも部分的に配置され、バネ足部を備えるバネであって、バネは開口の方向にバネ足部を偏倚するように配され、少なくとも1つの外側管が開口と重ならないように少なくとも1つの内側管が少なくとも1つの外側管から外へ少なくとも部分的に平行移動するとき、バネ足部は開口から外へ延びて、少なくとも1つの内側管が少なくとも1つの外側管内へ平行移動して戻ることを防止するようになっているバネとを有する、腰掛け用の伸長可能な脚が提供される。
【0026】
本開示の実施例を附属図面と併せて詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本開示の実施例による、脚を伸長させた中間位置にある、腰掛け用のベース構造を示す図である。
図2】本開示の実施例による、脚を伸長させた展開位置にある、図1のベース構造を示す図である。
図3】本開示の実施例による、脚を格納した保管位置にある腰掛けを示す図である。
図4A】本開示の実施例によるピボットハブを示す図である。
図4B】本開示の実施例によるピボットハブを示す図である。
図5A】本開示の実施例による変位モジュールを示す図である。
図5B】本開示の実施例による変位モジュールを示す図である。
図6】本開示の実施例による、図4A及び図4Bのピボットハブに接続された図5A及び図5Bの変位モジュールを示す図である。
図7】本開示の実施例による脚ホルダを示す図である。
図8】本開示の実施例による図7の脚ホルダの横断面を示す図である。
図9】本開示の実施例によるバネを示す図である。
図10】本開示の実施例による、図1のベース構造の脚の内側脚部分を示す図である。
図11】本開示の実施例による、図10の内側脚部分、外側脚部分、図7の脚ホルダ、及び図9のバネの相互接続を示す図である。
図12】本開示の実施例による脚足部を示す図である。
図13】本開示の実施例による脚キャップを示す図である。
図14】本開示の実施例によるキャップピンを示す図である。
図15】本開示の実施例による、脚に取り付けられている腰掛けカバーを示す図である。
図16】本開示の実施例による、脚を伸長させた展開位置にある腰掛けを示す図である。
図17A】本開示の実施例による、図7の脚ホルダの溝付き開口に対する図4A及び図4Bのピボットハブの歯部の、異なる向きを示す図である。
図17B】本開示の実施例による、図7の脚ホルダの溝付き開口に対する図4A及び図4Bのピボットハブの歯部の、異なる向きを示す図である。
図17C】本開示の実施例による、図7の脚ホルダの溝付き開口に対する図4A及び図4Bのピボットハブの歯部の、異なる向きを示す図である。
図18A】本開示の実施例による、脚ホルダから外へ延びるバネ足部を示す図である。
図18B】本開示の実施例による、中間位置にあるとき、内側脚部分内へ図18Aのバネ足部を偏倚する変位モジュールを示す図である。
図19】本開示の実施例による、中間位置にある図1のベース構造の横断面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本開示は改良された腰掛け、及び腰掛け用の改良されたアセンブリを提供しようとするものである。本開示の様々な実施例を以下で説明するが、本開示はこれらの実施例に限定されず、これらの実施例の変型も、附属する特許請求の範囲によってのみ限定される本開示の範囲内に含まれ得る。
【0029】
単語「ある(「a」又は「an」)」は、特許請求の範囲及び/又は明細書中の用語「有する(「comprising」)」又は「備える(「including」)」と共に用いたときに「1つの(「one」)」を意味する場合があるが、別段の記述が内容において明確になされない限り、「1つ又は複数の(「one or more」)」、「少なくとも1つ(「at least one」)」、及び「1つ又は1つより多い(「one or more than one」)」の意味と矛盾しない。同様に、単語「別の(「another」)」は、別段の記述が内容において明確になされない限り、少なくとも2つめ以降を意味する場合がある。
【0030】
本明細書で用いられる用語「連結された(「coupled」)」、「連結する(「coupling」)」又は「接続された(「connected」)」は、これらの用語が用いられる文脈により、いくつかの異なる意味を持つ場合がある。例えば、用語「連結された」、「連結する」又は「接続された」は、機械的又は電気的な含意を持つ場合がある。例えば、本明細書で用いられる用語「連結された」、「連結する」又は「接続された」は、特定の状況に応じて、2つの要素又は装置が直接相互に接続されるか、又は、ある電気的要素、電気信号、若しくは機械的要素を介して1つ又は複数の中間的要素又は装置により相互に接続されることを示す場合がある。本明細書における用語「及び/又は(「and/or」)」は、項目のリストに関連して用いられたときに、そのリストを含む項目のいずれか1つ又は複数を意味する。
【0031】
本明細書で用いられる「約(「about」)」若しくは「およそ(「approximately」)」の数、又は、ある数に「実質的に(「substantially」)」等しいことへの言及は、その数の+/-10%以内であることを意味する。
【0032】
一般に、本開示の実施例によれば、腰掛け、例えばスツールが記述される。この腰掛けは、複数本の伸長可能な脚にそれぞれの回転軸に対して回転可能に連結されたピボットハブを有する支持ベース構造を備える。各脚は、脚内に配置され、且つ、脚を伸長位置でロックするように構成されたバネを有するロックデバイスを備えている。特に、脚の内側部分(すなわち内側脚部分)が脚の外側部分(すなわち外側脚部分)の外へ平行移動すると、バネ足部が内側脚部分内に形成された開口の外へ延びるように付勢される。このような位置では、バネ足部により、内側脚部分が外側脚部分内へ平行移動して戻ることが阻止又は防止され、その結果、脚がその伸長位置でロックされる。
【0033】
脚は、脚が相互に位置合わせされていない展開位置まで回転させることができる。脚の上端に腰掛けカバーを取り付け、ユーザが座るために使用してもよい。展開位置からは、伸長した脚が相互に平行又は位置合わせされた中間位置まで、伸長した脚を回転させることができる。展開位置から中間位置まで脚を回転させることにより、内側脚部分に形成された孔から突出するバネ足部が、ピボットハブに接続された変位モジュールに当接する。変位モジュールにより、バネ足部が内側脚部分内へ戻るように付勢され、その結果、脚がその伸長位置からロック解除される。このとき、内側脚部分を外側脚部分内へ挿入して戻し、脚を格納して、腰掛けを中間位置から、腰掛けの全体寸法が(例えば、腰掛けの保管が容易になるように)低減した保管位置まで移行させることができる。
【0034】
図1を参照すると、腰掛け100のための支持ベース構造10が示されている。ベース構造10は、3本の伸長可能且つ格納可能な脚12を有している。各脚12は、相互に対して平行移動可能な外側脚部分13及び内側脚部分11を備えている。図1には示さないが、脚12は、以下でより詳細に説明するピボットハブ20に回転可能に連結されている。特に、各脚12は、外側脚部分13が取り付けられる脚ホルダ40をさらに備え、脚ホルダ40はピボットハブ20に回転可能に連結されている。脚12の上端には、脚キャップ15が設けられている。図1には示さない腰掛けカバー90は、以下でより詳細に説明するように、キャップピン16を用いて脚キャップ15に固定してもよい。脚12の下端には、脚足部17が設けられている。
【0035】
図1は、中間位置にあるベース構造10を示しており、脚12が相互に実質的に位置合わせされるか、又は平行に置かれていること、また、脚12が伸長位置にある、すなわち、内側脚部分11が外側脚部分13から外へ伸長していることを意味している。内側脚部分11が外側脚部分13内に格納されて、脚12が位置合わせされているとき、ベース構造10は保管位置にあると言う。そのような保管位置は図3に示されており、また図3は、脚12に取り付けられた腰掛けカバー90を有する腰掛け100を示している。
【0036】
脚12は、各々が単一の外側脚部分13と単一の内側脚部分11とを備えるものとして説明且つ図示されているが、脚12は、相互に対し嵌り込むか、他の方式で平行移動するように配された2つより多くの脚部分、例えば、3つの脚部分を有してもよい。
【0037】
図2は、展開位置にあるベース構造10を示している。図1の中間位置から始まって展開位置に達するためには、脚12を相互に位置合わせ解除して図2に示す位置とするように脚12をピボットハブ20に対して回転させる。図2の展開位置から始めると、脚12を回転させて図1の中間位置まで戻すことができる。展開位置とは、脚12が相互に位置合わせ解除され、且つ、以下でさらに詳細に説明するように、腰掛けカバー90を脚12の上端にもはや取り付けられない程度までは脚12が伸長されていない脚12の任意の位置を指すことができる。
【0038】
図4A及び図4Bを参照すると、ピボットハブ20が、より詳細に示されている。ピボットハブ20は、複数のアーム23が延びている中央部分21を有している。開口22は、アーム23の延伸方向に垂直な方向に中央部分21を貫通して延びている。アーム23は、それぞれの回転軸R(そのうち1つを図4Aに示す)を画定する。アーム23の端部は、複数の第1の整合フィーチャ又は歯部24を有する。歯部24は図17Aから図17Cにおいて、より詳細に見ることができる。歯部24は、アーム23により画定される回転軸Rに概ね垂直な方向に延びている。ピボットハブ20は3本のアーム23を備えるように図示されているが、他の実施例では、腰掛け100を形成する脚12の本数に応じて、より多数又はより少数のアーム23を設けてもよい。
【0039】
図5A及び図5Bは、変位モジュール30を示している。変位モジュール30は、略円形の変位部分32と、変位部分32に対し中央に位置し、且つ、変位部分32から離れるように延びるコネクタ34とを有する。コネクタ32は、ピボットハブ20の開口22内に挿入され、且つ、変位モジュール30をピボットハブ20に固定して連結するように構成されている。図6は、ピボットハブ20に連結されるか、又は他の方式で接続され、且つ、ピボットハブ20から下方に延びる変位モジュール30を示している。
【0040】
図7を参照すると、脚ホルダ40の1つが、より詳細に示されている。脚ホルダ40は形状が略円筒形であり、カラー44に取り付けられた本体部分42を含んでいる。本体部分42には、第2の整合フィーチャ又は溝付き開口46が形成されている。溝付き開口46の近傍には、本体部分42内に形成されたロック孔42が配置されている。中央孔41は、カラー44及び本体部分42の双方を貫通して延びている。中央孔41は、脚12の1本の外側脚部分13及び内側脚部分11を受容するような形状を備えている。
【0041】
図8は、脚ホルダ40の横断面を示している。孔41の内側側壁は形状が略円形である。中央孔41の内側側壁の一部分43は平坦であり、ロック孔48が形成されている。
【0042】
図9を参照すると、脚12の1本をその伸長位置にロックするために用いられるロックデバイス又はバネ50が示されている。バネ50は、第2の細長いバネ部材54に、ピボット56に関して枢動可能に接続された第1の細長いバネ部材52を有する。第2のバネ部材54は、ピボット56の反対側の第2のバネ部材54の端部に止め具53を有する。第1のバネ部材52は、ピボット56の反対側の第1のバネ部材52の端部にバネ足部58を有する。バネ足部58は、以下でさらに詳細に説明するように、内側脚部分11内のバネ足部58の格納を促進するためのテーパ部分51を含んでいる。
【0043】
図10は、内側脚部分11の1つを、より詳細に示している。内側脚部分11は、内側脚部分11の長さに沿って延びる平坦部分14を除くと、形状が略管状である。平坦部分14内には、ロック孔17が形成されている。ロック孔17は、内側脚部分11の第2の端部よりも内側脚部分11の第1の端部の近くに配置されている。
【0044】
図11は、脚12の伸長位置における、バネ50、内側脚部分11、外側脚部分13、及び脚ホルダ40の相互接続を示している。特に、内側脚部分11は、内側脚部分11の平坦部分14が脚ホルダ40の平坦部分43と位置合わせされるように部分的に脚ホルダ40内に配置される。さらに、内側脚部分11のロック孔17は脚ホルダ40のロック孔48と位置合わせされる。外側脚部分13も、部分的に脚ホルダ40内に配置される。内側脚部分11は、外側脚部分13に対して外側脚部分13内で摺動可能に平行移動するように配される。バネ50は内側脚部分11の内部に固定される。バネ50の(部分的に透明に図示する)第1のバネ部材52は、バネ足部58が内側脚部分11のロック孔17及び脚ホルダ40のロック孔48を貫通して延びるように位置する。従って、このような位置では、バネ足部58により、内側脚部分11が外側脚部分13に対して平行移動することが防止される。
【0045】
図12は、脚足部17の1つを、より詳細に示している。脚足部17は、湾曲ベース61と、脚足部17を内側脚部分11の下端に取り付けるための、湾曲ベース61から上方に離れるように延びるコネクタ62とを有する。特に、コネクタ62は、脚足部17を内側脚部分11に装着するために、内側脚部分11の開口した下端内に挿入してもよい。湾曲ベース61は、第1の部分63と、相対的により長い第2の部分64とを有し、コネクタ62が湾曲ベース61と接する点が、湾曲ベース61を第1の部分63と、相対的により長い第2の部分64とに分割している。
【0046】
図13は、脚キャップ15の1つを、より詳細に示している。脚キャップ15は、外側脚部分13の1つの開口した上端を覆って配置してもよい。脚キャップ15は、その上面内に形成された開口65を備える。
【0047】
図14は、キャップピン16の1つを、より詳細に示している。キャップピン16は、キャップピン頭部66から下方に延びるコネクタ67を有する。
【0048】
図15は、コネクタ67が腰掛けカバー90の開口69を貫通して挿入されているキャップピン16を示している。このとき、コネクタ67は脚キャップ15の開口65内に着脱可能に挿入されてもよい。図16は、脚12が伸長され、カバー90がキャップピン16を用いて脚12に取り付けられた、展開位置にある腰掛け100を示している。キャップピン16は、腰掛けカバー90を脚12から解放するため、又は、例えば、破損したキャップピン16を交換するために、脚キャップ15から取り外すことができる。
【0049】
本開示の実施例に従い、腰掛け100及びベース構造10の組み立て及び展開について、より詳細に説明する。
【0050】
ユーザは、まず脚12(外側脚部分13、内側脚部分11、及び脚ホルダ40を有する)をピボットハブ20に以下の方式で連結する。そうするために、脚ホルダ40の1つの溝付き開口46がピボットハブ20のアーム23の1本の対応する歯部24と位置合わせされる。歯部24は溝付き開口46の溝の形状と相補的な形状を備えている。溝付き開口46が歯部24と位置合わせされると、脚12がピボットハブ20に向けて平行移動させられる。脚12をピボットハブ20に向けて十分に移動させることにより、歯部24が溝付き開口46を通って脚ホルダ40の中央孔41内へ移動させられる。この位置において、歯部24は溝付き開口46から係合解除され、その結果、脚12がピボットハブ20に対して回転することが可能になる。歯部24及び溝付き開口46の溝のそれぞれの形状は、脚12がピボットハブ20に対して完全に1回転するごとに歯部24が溝付き開口46と位置合わせされるようになっている。このプロセスは他の脚12の各々ごとに繰り返される。
【0051】
図17Aから図17Cは、本開示のいくつかの実施例による、歯部24及び溝付き開口46の様々な向きを示している。図17Aは、溝付き開口46と位置合わせされた歯部24を示しており、図17B及び図17Cは、溝付き開口46と位置合わせされていない歯部24を示している。脚12のピボットハブ20からの偶発的分離を防止するために、歯部24が溝付き開口46と位置合わせされる向きは、展開位置(図2)と中間位置(図1)との間のピボットハブ20に対する脚12のいかなる向きにも含まれない。例えば、歯部24が溝付き開口46と位置合わせされる向きは、脚12の下端が上方を向き、脚12の上端が下方を向くように脚12の方向が逆になる場合を除いて図1における脚12の向きと一致させることができる。
【0052】
次に、腰掛けカバー90が、上記のように脚キャップ15及びキャップピン16を用いて脚12の上端に取り付けられる。腰掛けカバー90が脚12に取り付けられると、腰掛けカバー90が、中間位置から離れる脚のさらなる回転を防止することによって、脚12が図16に示す位置を越えて回転することが防止される。
【0053】
ピボットハブ20に対する脚12の特定の向きに関係なく、脚12をその格納された状態と、その伸長した状態との間で動かすことができる。例えば、脚12を伸長させるために、ユーザは内側脚部分11をそれぞれの外側脚部分13から引き出すことができる。例えば、ユーザは脚足部17を引っ張り、対応する内側脚部分11をそれぞれの外側脚部分13から引き出すことができる。脚12の伸長の間、内側脚部分11の平坦部分14及び脚ホルダ40の平坦部分43によって、内側脚部分11と脚ホルダ40との相対的回転が防止される。従って、外側脚部分13からの内側脚部分11の十分な引き出しを前提として、内側脚部分11のロック孔17が脚ホルダ40のロック孔48と位置合わせされる。内側脚部分11のロック孔17が脚ホルダ40のロック孔48と位置合わせされると、バネ50により偏倚されたバネ足部58がロック孔17及びロック孔48を貫通するように付勢され、図18Aで見ることができるように、バネ足部58がロック孔17及びロック孔48を貫通して延びるようになっている。バネ足部58がロック孔17及びロック孔48を貫通して延びている状態では、内側脚部分11は外側脚部分13に対してさらに平行移動することが防止される。従って、脚12は伸長位置でロックされる。
【0054】
ユーザが(例えば保管のため腰掛け100を折り畳むために)脚12を格納したいときには、伸長した脚12を展開位置(図2)から中間位置(図1)まで回転させる。中間位置では、脚12が相互に位置合わせされる。脚12を相互に位置合わせすることにより、変位モジュール30の変位部分32がバネ足部58と当接して、バネ足部58をそれぞれの内側脚部分11内に戻すように付勢する。特に、図18Bにおいて見ることができるように、変位部分32によってバネ足部58が内側脚部分11内に実質的に戻るよう付勢されるか、又は他の方式で動かされている。バネ足部58は内側脚部分11内に完全には格納されないが、バネ足部58のテーパ部分51によって、ユーザがバネ足部58を内側脚部分11内に付勢することが容易になる。バネ足部58が内側脚部分11内に完全に押し戻されると、ユーザは内側脚部分11を外側脚部分13内に押し戻すことによって脚12を格納し、その結果、腰掛け100を保管位置(図3)とすることができる。
【0055】
脚12は、中間位置及び展開位置のいずれか又は両方において伸長/格納を行なうことができる。例えば、脚12が図3に示すように最初に位置合わせされると、次に脚12を部分的又は完全に伸長させることができる。次に、脚12を展開位置まで回転させ、(展開位置では、変位モジュール30は、バネ足部58が脚12をその伸長位置にロックすることを妨げないので)最終的に、脚12を完全に伸長させ、その結果、その伸長位置にロックさせ、腰掛け100を図16に示す位置とすることができる。
【0056】
脚12が中間位置にあるときのカラー44の横断面を示す図19において見ることができるように、カラー44は中間位置において相互に接するように構成されている。従って、展開位置から中間位置まで脚12を回転させると、中間位置を越える脚のさらなる回転がカラー44によって防止される。さらに、カラー44は、カラー44を相互に係合するように動かすとバネ足部58が変位モジュール30による変位のために必要な位置となるような寸法を備えている。
【0057】
本開示を具体的な実施例に関して説明してきたが、本開示はこれらの実施例に限定されず、且つ、これらの実施例の変更、変型、及び変化も本開示の範囲から逸脱することなく当業者により実施可能であることを了解すべきである。
【0058】
例えば、第1及び第2の整合フィーチャを歯部及び溝付き開口に関連して説明してきたが、本開示は、相互に対する相対的な向きに応じて位置合わせ及び解除が可能なフィーチャのいかなる他の適切な形状又は構成にも及ぶものである。例えば、第1及び第2の整合フィーチャは、任意の適切な形状のオス及び/又はメスの整合フィーチャを有してもよい。
【0059】
さらなる例として、変位モジュールを例えば図5A及び図5Bに示す装置に関連して説明してきたが、脚のロックデバイスをロック位置からロック解除位置まで動かすように構成されたいかなる装置又は構成も使用可能であるものと了解すべきである。
【0060】
また本明細書で論じたいかなる態様又は実施例のいかなる部分も、本明細書で論じたいかなる他の態様又は実施例のいかなる部分とも共に実施又は組み合わせ可能であると考えられる。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17A
図17B
図17C
図18A
図18B
図19