(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-05
(45)【発行日】2024-08-14
(54)【発明の名称】即時の携帯型熱対流式気化器
(51)【国際特許分類】
A61M 15/06 20060101AFI20240806BHJP
A24F 40/40 20200101ALI20240806BHJP
A24F 40/51 20200101ALI20240806BHJP
【FI】
A61M15/06 A
A61M15/06 C
A24F40/40
A24F40/51
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022076598
(22)【出願日】2022-05-06
(62)【分割の表示】P 2018565763の分割
【原出願日】2017-06-16
【審査請求日】2022-06-03
(32)【優先日】2016-06-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2016-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】523071097
【氏名又は名称】ジュール・ラブズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】JUUL Labs, Inc.
【住所又は居所原語表記】1000 F Street NW, Washington DC, 20004, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】マシュー・ジェイ・タシュナー
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー・ジェイ・グールド
(72)【発明者】
【氏名】ニコラス・ジェイ・ハットン
(72)【発明者】
【氏名】エステバン・レオン・デューク
(72)【発明者】
【氏名】アリエル・アトキンス
(72)【発明者】
【氏名】ジェイムズ・モンシーズ
(72)【発明者】
【氏名】アダム・ボーウェン
(72)【発明者】
【氏名】ケビン・ロメリ
(72)【発明者】
【氏名】スティーヴン・クリステンセン
【審査官】今関 雅子
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-519850(JP,A)
【文献】国際公開第2015/177046(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/100361(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第105942582(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 15/00-15/06
A24F 40/00-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸気孔を有する
筒形状の外側ハウジングと、
筒形状の前記外側ハウジング内にはまるように構成される構造ハウジング構成要素と、
前記構造ハウジング構成要素内にある加熱器であって、前記吸気孔からの空気を加熱する加熱器と、
前記構造ハウジング構成要素内にあるオーブンチャンバであって、前記加熱器によって加熱された空気中に気化可能物質を少なくとも部分的に気化させるように構成されるオーブンチャンバと、
前記加熱器に結合され、前記加熱器をある温度まで加熱するように構成されるコントローラと、
前記構造ハウジング構成要素内にある電源と、
前記外側ハウジングの一端に直接結合され、前記オーブンチャンバ内の気化された物質をユーザに送達するように構成されるマウスピースと、
を備え、
前記構造ハウジング構成要素は、前記構造ハウジング構成要素と前記外側ハウジングとの間に内部側面チャネルが形成されるように構成されており、前記内部側面チャネルは、前記オーブンチャンバから前記マウスピースまで延びており、前記気化可能物質が前記ユーザによって吸入されるための冷却経路を提供する、
気化器。
【請求項2】
前記気化可能物質は、裁刻された葉の形態の植物物質である、請求項1に記載の気化器。
【請求項3】
前記加熱器は、平板めっき加熱器である、請求項1に記載の気化器。
【請求項4】
前記空気の空気流を検出するように構成された圧力センサをさらに備え、前記圧力センサは、前記コントローラに結合され、前記空気流を検出すると信号を前記コントローラに送信する、請求項1に記載の気化器。
【請求項5】
前記信号により、前記コントローラが前記加熱器を加熱させる、請求項4に記載の気化器。
【請求項6】
前記コントローラは、加熱器温度、流量、および時間の1つ以上の関数として前記加熱された空気の空気温度を決定するようにさらに構成されている、請求項1に記載の気化器。
【請求項7】
1つ以上の熱電対センサをさらに備え、前記1つ以上の熱電対センサは、前記加熱された空気の空気温度を検知し、前記コントローラに温度入力を提供する、請求項1に記載の気化器。
【請求項8】
前記気化可能物質は、前記オーブンチャンバ内における伝導によって加熱される、請求項1に記載の気化器。
【請求項9】
前記外側ハウジングは、長円形状の断面を有している、請求項1に記載の気化器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2016年6月16日に出願された、「電子気化装置(Electronic Vaporizer Devices)」という名称の米国特許仮出願第62/351,272号、および2016年12月30日に出願された、「即時携帯型熱対流式気化器(On-Demand Portable Convection Vaporizers)」という名称の、同第62/441,090号の利益を主張するものであり、これらの開示は、本明細書の一部を構成するものとしてその全体を本明細書に援用する。
【背景技術】
【0002】
電子式気化器または電子式気化装置を含む気化装置は、蒸気を吸入することによって1種以上の有効成分を含む蒸気の送達を可能にする。電子式気化装置は、医療における薬剤送達のための処方での使用と、たばこ、ならびに固形物(例えば、裁刻された葉(loose-leaf))、固形物/液状物質(例えば、懸濁液、液体塗布物質)、ワックス抽出物、およびそのような物質の充填済みポッド(カートリッジ、包装された容器など)を含む、大麻などの他の植物ベースの喫煙可能物質の消費と、の両方でますます人気が高まっている。特に、電子式気化装置は、携帯可能で、自己完結型であり、そして使用に便利であり得る。一般に、そのような装置は、気化器上の1つ以上のスイッチ、ボタンなど(制御装置)によって制御されるが、最近、外部コントローラ(例えば、スマートフォン)と無線通信することができる装置がいくつも入手可能になってきた。
【0003】
熱を加えることによる気化は、対流、伝導、放射、および/またはこれらの様々な組み合わせを含む他の手段によって行われ得る。主として対流によって熱を加える気化器(いわゆる熱対流式気化器)が記載されているが、それらは、典型的には熱くなるのが遅く、したがって他の気化器、例えば伝導または主に伝導の気化器よりも不便である。特に、ユーザが気化器において吸い込んだときに、気化可能物質の即座またはほぼ即座(例えば、数秒以内)の気化を提供するのに、十分に「即時(on-demand)」である携帯型/手持ち式熱対流式気化器を提供することは困難であった。現在市販されている熱対流式携帯型気化器は、そのような即時の加熱および気化を提供していない。一般に、熱対流式携帯型気化器は、装置が目的の物質を適切に気化させるためにある一定量の加熱時間を必要とし、その時間がユーザにとってしばしば不便となるのに十分に長い場合があり、また温度を下げるのにさらに時間がかかる場合がある。
【0004】
例えば、前述の熱対流式携帯型気化器は、装置をオンにする、または使用可能にするために、ユーザからのなんらかの形態の物理的選択入力を必要とする。これは、一般に、なんらかの形態の機械的スイッチまたは押しボタンを介して行われてきており、装置がオンにされると、ユーザが装置を実質的に使用して蒸気を盛んに吸うことができるようになるまでには、装置が適正な気化温度に達するのに必要な時間がいくらか(数十秒または数分程度)かかる。このような熱対流式携帯型気化器を使用すると、例えば高温での比較的長い不使用の加熱および冷却期間と、気化器の内部特徴と、のために、気化可能物質のなんらかの有効成分の一部が周囲環境に逃れる(そしてそのためにユーザが享受できない)可能性がある。加えて、そのような熱対流式気化器は、物質と接触する空気温度を厳密に制御することができない場合がある。このような空気温度制御の欠如により、ユーザによって引き起こされる空気流量の変化と相まって、生成される蒸気の質および量が著しく変化する場合がある。特に、多くのいわゆる即時または「瞬間加熱」気化器がこの問題を抱えており、加熱要素は非常に急速に加熱され得るが、空気流は適切におよび/または均一に加熱されない場合がある。これは、少なくとも部分的には、加熱器を囲む大きな熱質量、および循環する空気ではなく装置内に散逸される浪費エネルギによるものであり得る。この結果、装置がユーザの満足のために十分な量で高品質の蒸気を生成することができるまでに、ユーザが何度も「ふかし」をしたり、長時間待ったりする必要があることになり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施態様は、加熱された空気の効率的な移送、および気化可能物質のユーザへの迅速な送達を提供する、即時の携帯型熱対流式気化装置に関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の特定の実施形態による気化器は、外側ハウジングを有する気化器本体と、気化器本体内にある加熱器であって、加熱器は、空気が通過し加熱される少なくとも1つの開口部を有する、加熱器と、気化可能物質が、加熱器によって加熱された空気によって加熱され、加熱された空気中に気化可能物質を少なくとも部分的に気化させる、ように構成されて内部に保持される、オーブンチャンバと、加熱器に結合され、加熱器をある温度まで加熱するように構成される、コントローラと、加熱された空気および気化された物質を送達するように構成される、マウスピースと、を備える。
【0007】
本発明の特定の実施形態による気化器は、外側ハウジングと外側ハウジング内に収容され空洞を画定する内部構造ハウジングとを有する、気化器本体と、外側ハウジングの一部分を通って内部構造ハウジングの空洞内に延びる、空気入口であって、空気入口を通って空気が空洞内に入る、空気入口と、内部構造ハウジングの空洞内に懸架された加熱器であって、加熱器は、空気が通過する1つ以上の開口部を有し、加熱器および複数の開口部は、空気が加熱のために加熱器の上を通過したときに空気に乱流を生成する、加熱器と、内部構造ハウジングの空洞内にあり、気化可能物質が、加熱器によって加熱された空気によって加熱され、加熱された空気中に気化可能物質を気化させる、ように構成されて内部に保持される、オーブンチャンバと、加熱器に結合され、加熱器への空気流が検出されると、加熱器を所定の温度まで加熱するように構成される、コントローラと、加熱された空気および気化された物質を送達するように構成される、マウスピースと、を備える。
【0008】
本発明の特定の実施形態による方法は、気化器のマウスピースにおける吸い込みを検知するステップと、気化器の加熱器にエネルギを与えるステップと、加熱器からの加熱された空気の空気温度を監視するステップと、加熱器に与えられるエネルギを変更することによって、気化器のオーブンチャンバのオーブン温度を制限するステップと、加熱器の抵抗の変化に応じて加熱器温度を制御するように、加熱器の加熱器温度を調整するステップと、を含む。
【0009】
本発明の特定の実施形態による気化器は、外側ハウジングを備える気化器本体と、気化器本体内にある加熱器であって、加熱器は、加熱器の領域内を流れる空気の流れを乱し、加熱器の領域内を流れる空気を加熱するように構成される、加熱器と、加熱器に流体接続し、気化可能物質が、加熱器によって加熱された空気によって加熱され、加熱された空気中に気化可能物質を気化させる、ように構成されて内部に保持される、オーブンチャンバと、加熱された空気および気化された物質を送達するように構成される、マウスピースと、を備える。
【0010】
本明細書で説明される主題の1つ以上の変形例の詳細は、添付の図面および以下の「発明を実施するための形態」において説明される。本明細書で説明される主題の他の特徴および利点は、「発明を実施するための形態」および図面から、そして特許請求の範囲から明らかになるはずである。本開示の主題の特定の特徴は、気化装置に関して例示目的で記載されているが、そのような特徴は限定されることを意図されていないことが容易に理解されよう。本開示に続く特許請求の範囲は、保護される主題の範囲を定義することが意図されている。
【0011】
本明細書に組み込まれ、その一部を構成する添付の図面は、本明細書に開示された主題の特定の実施態様を示し、「発明を実施するための形態」と共に、開示された実施形態に関連する原理の一部を説明するのを助ける。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1A】
図1Aは、本発明の実施形態による例示的な気化装置の外観特徴を示す図である。
【
図1B】
図1Bは、本発明の実施形態による例示的な気化装置の外観特徴を示す図である。
【
図1C】
図1Cは、本発明の実施形態による例示的な気化装置の外観特徴を示す図である。
【
図1D】
図1Dは、本発明の実施形態による例示的な気化装置の外観特徴を示す図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施形態による例示的な気化装置の特徴を示す分解図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施形態による例示的な気化装置の特徴を示す断面図である。
【
図5A】
図5Aは、本発明の実施形態による追加的な例示的な気化装置の様々な特徴を示す図である。
【
図5B】
図5Bは、本発明の実施形態による追加的な例示的な気化装置の様々な特徴を示す図である。
【
図5C】
図5Cは、本発明の実施形態による追加的な例示的な気化装置の様々な特徴を示す図である。
【
図5D】
図5Dは、本発明の実施形態による追加的な例示的な気化装置の様々な特徴を示す図である。
【
図5E】
図5Eは、本発明の実施形態による追加的な例示的な気化装置の様々な特徴を示す図である。
【
図6】
図6は、本発明の実施形態による気化装置の温度を調整するように適合させることができるコントローラの特徴を示す図である。
【
図7】
図7は、本発明の実施形態による気化装置の温度を調整するための制御回路の特徴を示す図である。
【
図8】
図8は、本発明の実施形態による気化装置内の空気の温度プロファイルを示すグラフである。
【
図9】
図9は、
図8のグラフの一部分を拡大して示すグラフである。
【
図10】
図10は、本発明の実施形態による例示的な気化装置と共に使用するための例示的な加熱器の特徴を示す図である。
【
図11】
図11は、本発明の実施形態による気化装置内の気化可能物質に加えられる空気温度を調整する(regulatingおよびadjusting)方法の特徴を説明するプロセスフローチャートである。
【0013】
実用上、同じ符号は、同様の構造、特徴または要素を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施形態は、ユーザによる吸入のための1つ以上の物質の気化に関する方法および装置を含む。「気化器」という用語は、以下の説明において一般的に使用され、気化装置を指す。本発明の実施形態による気化器の例としては、電子式気化器、電子たばこ(electronic cigarettes、e-cigarettes)などが挙げられる。一般に、このような気化器は、吸入可能な量の物質を供給するために気化可能物質を加熱する、携帯型の、しばしば手持ち式の装置であることが多い。
【0015】
本発明の特定の実施形態による気化器は、加熱された空気の効率的な移送と気化可能物質のユーザへの迅速な送達とを提供するために、主に対流によって動作する手持ち式装置である。
【0016】
本発明の特定の実施形態による気化器は、オーブンチャンバ内の気化可能物質(例えば、裁刻された葉の形態の植物物質など)を目標気化温度に加熱するために、オーブンチャンバを通って引き込まれる空気を極めて急速に(例えば、3秒以内、2秒以内、1秒以内など)加熱することを可能にするように構成される。オーブンチャンバは、(オーブン内の物質のさらなる加熱および気化を可能にするために)熱伝導性とすることもできるし、(オーブンへ熱が伝達されないように、その結果、熱が気化可能物質のみに伝達されるように)断熱性とすることもできる。オーブンチャンバは、近位側のマウスピースとは反対側にある、気化器の遠位端部に存在してもよい。あるいは、オーブンチャンバは、マウスピースに隣接または密接して配置されてもよく、例えば、気化器のマウスピース部分の下または気化器のマウスピース部分に隣接して配置されてもよい。
【0017】
オーブンチャンバは、1つ以上の接点を介して、(例えば、気化器のフレームまたは骨格に接続された)気化器の遠位端部付近に接続することができるが、オーブンチャンバから気化器の他の部分への熱伝達を抑制するために、オーブンチャンバの一部または大部分を空隙(または他の断熱手段、例えば断熱材料)で取り囲むこともできる。オーブンチャンバは、蓋を備えてもよい。オーブンチャンバは、深絞り成形されたオーブンとして製造することができ、例えば、ある深さ、ある縦幅(width)、およびある横幅(breadth)を有することができ、ここで、オーブンチャンバの深さ(蓋の内側から底部、例えばスクリーンまでの距離)は、例えば、オーブンチャンバの縦幅の0.3倍~2倍とすることができ、横幅は、縦幅の0.1倍~1倍とすることができる。一般に、オーブンチャンバは、オーブンチャンバが収容される気化器の意図された使用のために寸法決めされてもよく、および/またはオーブンチャンバは製造上の考慮事項に基づいて寸法決めされてもよい。オーブンチャンバは、気化させる物質を合理的に収容するように構成された中実の壁、有孔壁、バスケット織構造、または中実領域および開放領域のなんらかの他の構成、あるいはこれらの組み合わせを有することができる。オーブンチャンバは、気化可能な液体またはワックスなどを収容することができるさらなる内部容器(図示せず)を受け入れるように構成することができる。
【0018】
加熱器(例えば、抵抗加熱要素)は、空気経路内に配置され、加熱器の周りを通る、および/または加熱器を通過する空気を急速に加熱するように構成されてもよい。加熱器は、加熱器を通るおよび/または加熱器の周りを空気が通過するための1つ以上の開口部、通路、チャネル、スロット、スリットなどを含むことができ、そのような空気通路のうちの1つ以上は、不規則な、ギザギザの、フラクタルの、突出した縁部などを有することができ、これは、加熱器の構成と一緒におよび/または別々に、加熱器を通るまたはその周りの乱気流を増加させ、空気が加熱器を通るまたは加熱器の周りを通過するときに空気への熱伝達を増加させる。一実施形態では、加熱器は、長軸に沿って延びる細長いチューブであってもよく、チューブは、その長さ全体に沿って1つ以上の切り欠き領域を有して、チューブの長軸を横断するおよび/またはそれに沿って通る空気に乱流を生成する。一部の変形例では、加熱器は、空気が通過する複数のスロット、スリット、または切り欠き領域を有する1つ以上の薄層またはシート状の物質を含むことができ、これらのシートは折り畳まれ、しわくちゃにされ、層状にされるなどしてもよく、あるいは、一部の変形例では、シートは平坦である。他の変形例では、加熱器は、コイルまたはひも状の抵抗物質とすることができ、これは、表面積を増大させるために表面変動、凹凸、ベーンなどを有することができ、それによって加熱器の周囲を通って流れる空気への熱伝達を改善することができる。
【0019】
本発明の特定の実施形態では、加熱器は、4端子入力を含む加熱器制御回路によって制御されてもよく、第1の1対の入力は、加熱器電力リード線/入力に対応してよく、第2の1対のリード線/入力は、加熱器電力リード線/入力からずらされてよく(また一部の変形例では、加熱器電力リード線/入力間に位置決めされる)、加熱要素の領域にわたる電圧降下を検知するように構成されてもよい。4端子測定制御は、比較的細かい分解能(例えば、±5℃以内、±4℃以内、±3℃以内、±2℃以内など)で抵抗加熱器の温度を判定するために使用することができる。あるいは、2端子温度検知システムを使用することができ、この場合も、加熱器電力電流を与えるために使用されるのと同じリード線がより小さな電流を与えて、リード線にわたる電圧降下を測定し、それにより、加熱器電流が与えられている時とは異なる時に加熱器温度を測定することができる。
【0020】
加えて、温度センサ(例えば、熱電対、赤外線センサなど)を、加熱器の下流の空気流経路内(例えば、加熱器とオーブンチャンバとの間、オーブンチャンバ内など)に配備して、オーブンチャンバに流れ込む、オーブンチャンバを通る、またはオーブンチャンバの周りを流れ、オーブンチャンバ内の物質を気化させる、空気の温度を検知することができる。本明細書で説明されている変形例のいずれにおいても、温度制御回路は、加熱器から入力(例えば、2端子または4端子測定による抵抗、したがって加熱器の温度)を受信することができ、また下流の空気流温度センサ(複数可)(例えば、オーブンチャンバへの加熱された空気流のための入口にある1つ以上のサーミスタ)から入力を受信することができる。温度制御回路は、ユーザがマウスピースにおいて吸い込むことによる負圧を検知するとすぐに、第1の周波数/デューティサイクルで高められた電力(電流)を加熱器に送達するように構成されてもよい。この高められた電力は、加熱器の温度をほぼ直ちに上昇させることができる(例えば、500℃より高く)が、安全限界(例えば、700℃)未満または有用な温度範囲内に留まるように制御回路によって制限され得る。制御回路は、(例えば、1つ以上のサーミスタを介して)オーブンチャンバに入る前に加熱器の上を通過した加熱された空気の温度をさらに監視することができ、制御ループの一部として、(例えば、加熱器に与えられる電力および/または加熱器に与えられる電力の周波数/デューティサイクルを変更することによって)オーブンチャンバの温度を制限することができる。よって、オーブンチャンバ内で物質を気化させるために加えられる空気の温度に対応する気化温度は、所望の目標温度、または所望もしくは有用な温度範囲内に維持され得る。
【0021】
目標温度は、予め決定されていてもよく(例えば、装置上で事前設定されていてもよい)、および/またはユーザにより選択またはユーザにより変更されてもよい。目標温度は、単一の温度もしくは温度プロファイル(例えば、経時的な複数の温度)を含む複数の温度、または許容可能な温度範囲であってもよい。ユーザは、絶対的な温度(例えば、摂氏温度または華氏温度)を入力してもよいし、所定の温度を(上方または下方に)変更してもよい。
【0022】
一般に、本発明の一部の実施形態による気化器は、裁刻された葉、または液体もしくはワックスあるいは他の気化可能物質と共に使用するために構成され得る。これらの気化器のいずれも、ユーザによって制御される装置を含む1つ以上の装置に無線で接続して、気化器の動作を変更するように構成することができる。例えば、本明細書で説明される気化器は、投薬制御(用量モニタリング、用量設定、用量制限、ユーザ追跡など)、位置情報(例えば、他のユーザの位置、小売業者/販売場所の位置、蒸気を吸った位置など)、気化器のカスタマイズ(例えば、気化器の命名、気化器のロック/パスワード保護、ペアレンタルコントロール、気化器とユーザグループとの関連付け、気化器の登録など)、および他のユーザとの社会活動への参加(ゲーム、グループなど)を可能にするユーザインターフェースと無線通信し得る。
【0023】
本発明の実施形態による気化器は、回路基板とバッテリと他の構成要素との積み重ね配置を含むことができる。オーブンチャンバは、気化装置の全体のサイズと比較して比較的大きいにもかかわらず比較的小さい熱質量を有することができ、そのため、物質の気化温度(例えば、たばこでは、100℃~300℃)まで急速に(例えば、1秒以内に)加熱され得る。よって、オーブンチャンバの相対的なサイズ/比は、他の気化器と比較した場合、より大きくなり得る。気化器全体は薄くて小さくすることができる。気化器は気化のために急速に(1秒以内に)熱くなることができ、また対流加熱経路の周りの熱質量によるエネルギ損失を比較的低く保つことができるため、ひとふかしする(または気化器が唇を検知して作動される場合)ユーザ(または代替的に、オンにする(例えば、ボタンなどを選択または押下する)ユーザ)は、3~4秒間ふかすだけでほぼ瞬時に十分な量の蒸気を得ることができ、従来の燃焼式紙巻たばこ、葉巻、パイプなどの効果を効果的に再現し、ユーザの満足度を高める。
【0024】
本発明の一部の実施形態によれば、気化器は、多数、またはさらには無制限の数のカスタマイズ可能な温度設定を有することができる。1回の充電当たりのセッション数および1回の充電当たりにユーザがふかす数、ならびに気化器の充電時間は、使用されるバッテリのサイズに基づき得る。
【0025】
図1A~
図1Dを参照すると、本発明の実施形態による例示的な
気化器100の外観特徴が示されている。図示のように、気化器100は、2つの対向する端部の長さが2つの対向する側部よりも短い、細長い形状または略長方形の形状を有することができる。しかしながら、本発明の実施形態による例示的な気化器のサイズおよび形状の変形が可能である。例えば、気化器100は、本質的に正方形、管状、球形、切子面を有する形、卵形、もしくは他の形状、またはそれらの組み合わせを有することができる。
図1Bに示すように、本発明の実施形態による気化器は、小型であり、ユーザの手の中に容易に収まるように寸法決めされ得る。気化器100は、外側ハウジング114と、頂部(または近位)端部120にあるマウスピース122と、底部(または遠位)端部130にある蓋110と、を有する。
図1Dに示されているように、吸気孔160が、外側ハウジング114上に設けられ、それを貫通して延びている。ユニバーサルシリアルバス(USB)充電ポート170も、外側ハウジング114を貫通して延びて設けられている。
【0026】
図2は、分解図により、
気化器100の特徴のいくつかを示している。外側ハウジング114の内部には構造ハウジング構成要素212がある。1つ以上の側面空気チャネル215(
図2には1つが示されている)が、構造ハウジング構成要素212の1つ以上のそれぞれの側面に形成され得る。本発明の一部の実施形態によれば
、構造ハウジング構成要素212は、セラミック材料、他の絶縁材料、または加熱器から断熱された他の材料(金属など)から作られてもよい。バッテリ240とプリント回路基板(PCB)216とは重ねられ、構造ハウジング構成要素212内に収容される。周囲のハウジング213を有するオーブンチャンバ201の一部もまた、気化器
100の端部130の近くの構造ハウジング構成要素212内に収容される。電気リード線205は、
周囲のハウジング213内から延びて示されている。蓋110は、オーブンチャンバ201の開放部分を覆う。マウスピース122は、気化器
100の端部120にある。
【0027】
図3は、断面図により、
気化器300のいくつかの特徴を示している。
図3に示されているように、気化器300は、底部端部330の近くに(例えば、ほぼ隣接または隣接して)、周囲のオーブンハウジング313を有する内部オーブンチャンバ301を備える。蓋310は、底部端部330で外側ハウジング314に嵌合する、または他の仕方で取り付けられる。マウスピース322は、頂部端部320で外側ハウジング314に嵌合する、または他の仕方で取り付けられる。外側ハウジング314の内部には構造ハウジング構成要素312がある。1つ以上の内部側面スロットまたはチャネル309が、構造ハウジング構成要素312の外側壁と外側ハウジング314の内側壁との間に形成され、それらの長さに沿って延びる。内部側面チャネル309は、オーブンチャンバ301からマウスピース322まで延びており、気化可能物質がユーザによって吸入されるための冷却経路を提供する。
【0028】
加熱器302は、急速加熱を可能にし得る平板めっき加熱器であり、誘電体の融点によって駆動され、高ワット密度(例えば、約60W/in2)が可能であり、高い(約700℃)動作温度限界を有することができる。
【0029】
図4A~
図4Eは、
図3の例示的な
気化器300の様々な特徴を示している。
図4Aは、断面図により、本発明の一部の実施形態によるオーブンチャンバ301および加熱器302の特徴を示し、
図4Bおよび
図4Cは、これらのオーブンチャンバ301および加熱器302を通る空気流を示している。図示のように、加熱された空気は、加熱器302から気化可能物質を収容するオーブンチャンバ301を通って上に流れ、オーブンチャンバ301の縁部を越えて戻る。電力リード線305は、加熱器302に接続されて示されている。
【0030】
本発明の一部の実施形態では、
図4Aに示すように、熱伝導経路が、オーブンチャンバ301のフランジを通っており、オーブンチャンバ301は複数の穿孔された底部(例えば、スクリーン315)を有することができる。底部を通る開口部は、加熱された空気を均一に分配するようなパターンで、例えば、内部領域よりも外部領域の方で大きい、孔の密度パターンを有して、または等しいもしくはほぼ等しい熱分配のための他の変形を有して、配置され得る。オーブン
チャンバ301からのあらゆる熱を回収するために、吸気経路がオーブン
チャンバ301の外側を循環してもよい。加熱器302は、深絞り部品の2つの底部(例えば、別の深絞り部品を溶接されている深絞りSSオーブン)の間に機械的に捕捉されてもよい。加熱器302は、オーブンチャンバ301に溶接および/またはろう付けされてもよいし、場合により機械的に捕捉されてもよい。本発明の一部の実施形態では、加熱器302は、最も冷たい点でのみ固定される「厚膜加熱器」を含み得る。
【0031】
図4A~
図4Eはまた、オーブンチャンバ301の一部の追加的な特徴、ならびに外側ハウジング314、構造ハウジング構成要素312、および蓋310などの
気化器300の周囲の領域を示している。また、2つのばね付きの電力リード線305と吸気孔360とが示されている。
【0032】
図4Bおよび
図4Cを参照すると、スクリーン315は、気化可能物質が平坦めっき加熱器302と接触するのを防止するように、オーブンチャンバ301内に設置することができる。加熱器302は、スクリーン315の下約1mm(例えば、0.5mm~5mm、0.5mm~3mmなど)に配置することができる。スクリーン315と加熱器302とは、周辺溶接部または他の手段によって拘束されてもよい。
図4Bおよび
図4Cは、
吸気孔360から加熱器
302への空気経路を示しており、加熱器
302の下方から内部を経て上方へ循環し、そしてその上のオーブンチャンバ
301内へと循環する。
【0033】
加熱器302は、低質量の複合的構造とすることができる。
図4Dは例示的な加熱器構造の拡大図を示し、
図4Eは空気流路を示している。加熱器302の基板450は、例えば、0.003インチの430ステンレス鋼とすることができる。加熱器基板450の各面は、約0.002~0.003インチのガラス誘電体452の薄層で被覆することができる。加熱器302の底部層は、厚さ約0.001インチの銀パラジウム合金から構成され得る抵抗加熱要素454である。ガラス誘電体の薄層(図示せず)はまた、酸化による損傷を軽減するために、抵抗要素上に付着され得る。これらのガラス層および抵抗層は、例えばスクリーン印刷プロセスを用いてペーストとして塗布することができる。
【0034】
一実施形態では、加熱器302は、ガラス誘電体層を有するステンレス鋼(SS)基板と、全厚約0.010インチのスクリーン印刷された抵抗線と、を備えることができる。
【0035】
図3~
図4Eに示す気化器300の動作において、ユーザは、蓋310を取り外し、気化させる物質をオーブンチャンバ
301に装填し、蓋310を元の位置に戻し、マウスピース
322が配置されている、
気化器300のオーブン
チャンバ301とは反対側で
気化器300から一服することができる。ユーザがマウスピース
322において吸い込むと、周囲空気が、外側ハウジング314の
吸気孔360を通って
気化器に入り、オーブンチャンバ301および他の内部構成要素を構造的に支持する構
造ハウジング
構成要素312(例えば、骨格)を通過し、
電力リード線305用の切り欠き332をまわってオーブンチャンバ301に入り、圧力センサ(図示せず)によって測定することができる圧力降下を装置内に生じさせる。この圧力降下が検出されると、加熱器302は、
電力リード線305
のばね付き部335を介して加熱器302に電流を流すことによって電力を供給され、加熱器302の抵抗要素の温度を急速に上昇させる。オーブンチャンバ301内に引き込まれる空気は、加熱器302の下から、加熱器302の中央孔337を通るとき、およびスクリーン315の孔のない領域によって加熱器
302の上方で向きを変えられるときに加熱される。スクリーン315の残りの部分は、高温の空気がオーブンチャンバ301の上部を出て、フレーム(骨格)の側面チャネル309を下ってユーザまで流れる前に、高温の空気がオーブンチャンバ301内の物質を容易に通過するように、穿孔されている。加熱器302の下部を横切って、その中央の孔
337(または任意の数の他の孔
)を通り、次いでその上面を通り、次いでスクリーン315の上を通るオーブンチャンバ301への空気流を含む、
気化器300の構造によって生成される増大空気乱流は、加熱器302から空気へ、また気化可能物質への効率的な熱伝達を可能にし、効率および気化までの時間を増大させる。
【0036】
加熱器302からのエネルギ損失を最小にするために、オーブン
チャンバ301は極めて低質量(0.25mm未満の壁)としてもよく、断熱されてもよい。
図4Aに示すように、オーブンチャンバ301と構造ハウジング
構成要素312との間に断熱として作用するわずかな空隙304があってもよく、これは加熱器302から外側ハウジング314への熱シンク(伝達)の防止を助ける。このようにして、加熱器302からの熱の形態のエネルギの多くは、
気化器300の本体ではなく気化される物質を通過し、またはオーブンチャンバ301自体に伝達され、これも(伝導加熱により)気化を助ける。
【0037】
図3~
図4Eの例では、熱電対は示されていないが、加熱器302の中央孔337内もしくは上に、またはオーブンチャンバ301内のどこかに、1つ以上の熱電対が懸架され得る。これにより、空気温度の閉ループ制御が提供され得る。必須ではないが、加熱器302を最初はより高い温度で稼働し、次に熱電対が所望の気化空気温度を示したならば下げることができるため、熱電対はより速い蒸気発生を可能にする。
【0038】
本発明の実施形態による気化器は、2つの端子(例えば、電力リード線305)を通る電流で電力を供給される抵抗加熱要素(例えば、加熱器302)を備えてもよい。精密抵抗測定回路を使用して、加熱していないときおよび加熱しているときの加熱器302の抵抗を追跡して、加熱器の物質の抵抗の変化に基づいて加熱器302の温度を制御することができる。
【0039】
本発明の一部の実施形態では、気化器300は「オン」/アクティブモードを有するが、理想的には、加熱器302は、圧力/流量センサをトリガすることによって、容量式の唇検知によって、または使用のためにユーザがボタンを押すことなどによってのみ点火される。
【0040】
図5A~
図5Eは、様々な図を介して、本発明の一部の実施形態による別の例示的な
気化器500の特徴を示している。
図5Aおよび
図5Bは、
気化器500の正面から見た断面図であり、
図1~
図4Eに示される気化器実施形
態に示されている加熱器およびオーブン
チャンバと置き換えることができる、加熱器アセンブリおよびオーブンアセンブリを示している。本発明の実施形態による
気化器500は、即時の熱対流式気化器として構成されている。
図5Cは、例示的な
ノッチ付きチューブ加熱器502を示している。
図5Dは、
気化器500の上面斜視図を示し、オーブンチャンバ501の詳細を示している。
図5Eは、
気化器500を通る空気流を示している。
【0041】
気化器500は、気化可能物質を保持することができる
周囲のオーブンハウジング513を有するオーブンチャンバ501を備え、この物質は、オーブンチャンバ501内に詰め込まれてもよいし、他の仕方で挿入されてもよい。オーブンチャンバ(またはオーブン)501は、順送成形プロセスによって形成されてもよい。気化可能物質(裁刻された葉の形態の気化可能物質を含む)は、気化のためにオーブンチャンバ501内に格納することができる。
気化器500はまた、オーブンチャンバ501の装填側を覆い、囲い、および/または密閉することができるオーブン蓋510を備えてもよい。
オーブン蓋510は、摩擦嵌め、磁気取り付け、機械的取り付け、またはそれらのなんらかの組み合わせなどを含む様々な機構によって、オーブンチャンバ501のアクセス可能な部分の上に取り付けられてもよい。
気化器500はまた、オーブンチャンバ501に直接またはほぼ隣接して(例えば、
図5Aおよび
図5Bの下に)配置されてよく、かつ
気化器500の細長い平坦な本体内の開けたチャンバまたは空洞507内に存在してよい加熱要素を含む、ノッチ付きチューブ加熱器502(例えば、加熱アセンブリ、熱対流式加熱アセンブリ)を備える。ノッチ付きチューブ加熱器502は、レーザエッチングなどのプロセスによりノッチ付きまたはスロット付きの一種の抵抗性金属合金から作られたチューブであってもよい。ノッチ付き領域
555は、(例えば、ユーザによって吸い込まれた)空気が気化可能物質と接触する前に比較的大きな乱流でスロットを通過するように、チューブの残りの部分よりも高い電気抵抗を提供することができる。ノッチ付きチューブ加熱器502は、空気経路内に保持され、熱伝達を最小限に抑えるために、少数の接点、または断熱もしくは絶縁の結合、絶縁ライニングなどによって
気化器500の
空洞507に結合されてもよい。
【0042】
動作時には、オーブン蓋510を取り外してオーブンチャンバ501に所望の気化可能物質を装填することによって、
気化器500に気化可能物質を装填することができる。次いで、ユーザは、オーブン蓋
510を元の位置に戻し、マウスピース(例えば、
図2に示されているマウスピース122)が配置されている、オーブン
チャンバ501の反対側で
気化器500から一服することができる。ユーザがマウスピースにおいて吸い込むと、周囲空気が、シェルまたは他の押出成形品(アルミニウム押出成形品を含む)であり得る
気化器500の(
図1の
吸気孔160および
図4Aの
吸気孔360と同じ種類の
吸気孔を通して)
外側ハウジング514に入り、外側ハウジング514(これは、ノッチ付きチューブ加熱器502およびオーブンチャンバ/加熱器ハウジング517のための構造的支持を提供し得る)内の支持ハウジング(例えば、支持固定具または骨格)512を通過して、空洞507に入り、圧力センサ508によって検出される圧力降下を生じ得る。この圧力降下が検出されると、ノッチ付きチューブ加熱器502は、電力リード線505を介してノッチ付きチューブ加熱器502に電流を流すことによって電力を供給され、
ノッチ付きチューブ加熱器502のノッチ付きまたはスロット付き領域
555の温度を急速に上昇させ得る。空洞507内に引き込まれた空気は、
ノッチ付きチューブ加熱器502のチューブ
構造内に流れ込み、チューブ延長部およびノッチ付き領域555を通過するにつれて温度が上昇し得る。空気が
ノッチ付きチューブ加熱器502のノッチ付き領域555を通過すると、空気はオーブンチャンバ501の底部にあるスクリーン515の近くに懸架されている熱電対センサ503を越えて上に流れ始める。スクリーン515は、熱い空気がオーブンの頂部を出て、
支持ハウジング512(例えば支持フレームまたは骨格)によって形成された側面スロット509を下ってユーザによる吸入のために反対側の端部にあるマウスピースまで流れる前に、熱い空気がオーブンチャンバ501内の物質を容易に通過できるように、穿孔されている。
【0043】
ノッチ付きチューブ加熱器502からのエネルギ損失を最小化するために、
ノッチ付きチューブ加熱器502およびオーブンチャンバ501は、ジルコニアなどの低熱伝導性物質に収容されてもよい。オーブンチャンバ/加熱器ハウジング517の壁は、物質に関連する熱質量の量を減らすために比較的薄くてもよい。
図5Aからわかるように、オーブンチャンバ501と
オーブンチャンバ/加熱器ハウジング517との間には、断熱材として作用し得る(または断熱材料を含み得る)わずかな空隙504があり、
オーブンチャンバ/加熱器ハウジング517内への熱シンク(伝達)の防止を助ける。このようにして、熱の形態のエネルギの大部分は、
気化器500の本体(例えば、外側ハウジング514)ではなく、気化される物質を通過する。
【0044】
ノッチ付きチューブ加熱器502は、ノッチ付きチューブ加熱器502が取り付けられている2つの電力リード線505の間を流れる電流によって加熱される抵抗加熱要素であり得る。ノッチ付きチューブ加熱器502は、中空の細長い(円形、楕円形、長方形、正方形などを含む任意の適切な断面形状を有する)チューブとすることができ、チューブは、直線、湾曲、屈曲(それ自体を折り返すことを含む)していてもよく、細長いチューブの側面に、空気が引き込まれ得る1つ以上の切り込みまたは開口部を含んでもよい。ノッチ付きチューブ加熱器502のチューブは、マウスピースから空気を吸い込むことによって切り込みまたは開口部を通して空気を引き込み、空気を加熱し、かつノッチ付きチューブ加熱器502を通る乱気流を生じさせるように、気化器500の空気経路をほぼ横切って配置されており、これにより、局所的なホットスポット/コールドスポットを防ぐために加熱された空気を混ぜることができる。
【0045】
気化器500はまた、室温から気化温度までの要素の抵抗の変化に基づいてノッチ付きチューブ加熱器502の温度を制御するために、加熱しないときおよび/または加熱するときにノッチ付きチューブ加熱器502の抵抗を追跡するための精密抵抗測定回路を備えてもよい。この測定回路は、試験電流(例えば、小さいが既知の一定電流)が試験リード線506を介して与えられるときに、例えば試験リード線506を使用して、ノッチ付きチューブ加熱器502の領域にわたる、例えばノッチ付きチューブ加熱器502のノッチ付き領域555にわたる電圧降下を検知する、多端子(例えば、4端子)検知システムとすることができる。この与えられる試験電流は、電力リード線505を介してノッチ付きチューブ加熱器502を高温に加熱するために使用される加熱電流とは異なってもよく、加熱の間に測定を行うときにノッチ付きチューブ加熱器502に与えられてもよい。
【0046】
例示的な気化器500では、測定回路は、4端子抵抗測定を提供するように構成されてもよく、この回路は、特定の場合では、2端子抵抗検知回路よりも正確な抵抗測定を提供し得る。4端子測定回路は、電力リード線が熱伝導(電力リード線が加熱器チューブに溶接されるとき)および大電流による電気加熱から受ける抵抗の変化を回避することができる。一部の構成では、2端子抵抗測定回路は、電力リード線の抵抗の変化を正確に補償せず、計算された温度に対して歪んだ結果をもたらす場合がある。
【0047】
図6は、本発明の実施形態による気化装置の温度を調整するように適合させることができるコントローラの特徴を示している。ブロック
図600は、抵抗加熱器(例えば、
ノッチ付きチューブ加熱器502)の抵抗を測定し、マイクロコントローラ610にアナログ信号を供給することができる、測定
(例えば、制御)回路620を含む。
熱電対センサ503からマイクロコントローラ610に入力され得る装置温度、およびセンサ(例えば、圧力センサ508、ボタン、またはその他のセンサ)からの入力は、マイクロコントローラ610によって使用されて、
ノッチ付きチューブ加熱器502を作動させるべきとき、例えば、ユーザが
気化器500を吸っているとき、または装置がより高い温度(例えば、スタンバイ温度)に設定されるようにスケジューリングされているときを判定し得る。
図6では、その一例が
図7に示されている測定回路620からの信号は、マイクロコントローラ610に直接進む。
【0048】
本発明の実施形態による
図6の例は、気化器500の一部分であり得る電源から
ノッチ付きチューブ加熱器502への電気エネルギの送達を提供する。加えて、追加的な入力は、ユーザによって決定および入力され、マイクロコントローラ610によって以下に説明されるように使用される、所望の温度入力630であり得る。所望の温度入力が、ユーザによって入力されるのではなく、予め確立され、マイクロコントローラ610に入力されてもよい。
【0049】
図7は、本発明の実施形態による気化装置の温度を調整するための
測定回路620の特徴を示している。
【0050】
加熱中に抵抗要素の温度を正確に制御するためには、抵抗測定の分解能が比較的正確であることが有用であり得る。加熱要素に使用される金属合金の抵抗温度係数(TCR)に基づくと、わずか数ミリオーム(mΩ)の変化が100℃を超える変化を表し得る。そのような温度変化の高分解能測定を実現するために、スケーラブル抵抗測定回路(例えば、4端子抵抗測定回路)を使用することができる。
図7は、4端子抵抗測定回路として構成された抵抗測定回路の回路図の一例を示している。
図7に示すように、電源720が設けられている。動作中、回路は、電流源U2 706からの小さな電流が(より大きい加熱電流を流すために、
図5Aの電力リード線505を介して端子HI+およびHI-によって回路に別々に接続されている)加熱要素702を通過することを可能にする
金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET
) Q10 704をイネーブルにでき、ここで、(
図5Aおよび
図5Bに示す
試験リード線506を介して)HV+ 708およびHV- 708’のリード線を介して加熱要素における電圧降下を検出することができる。このわずかな(数十ミリボルトの)電圧降下は、単位利得を有する差動増幅器として構成することができる1段目の増幅回路(U12A)710により検知される。2段目の増幅回路(U12B)712をスケーリングすることによって、抵抗測定のための高分解能が達成される。選択可能なスケーリングファクタ714は、MOSFET Q5~Q9の特定の組み合わせを(マイクロ
コントローラ610の制御下で)選択的に切り替えて、固定利得を有する非反転増幅器として設定することができる2段目の増幅器への入力をスケーリングすることができ、加熱器の抵抗の測定をより高い分解能にすることを可能にする。増幅回路の1段目ではなく2段目をスケーリングすることにより、差動増幅器の閉ループ利得にスケーリング抵抗R10~R14の影響がほとんどまたはまったくないことが確保される。このことは、差動段が、加熱要素上の差動電圧を正確に測定するために対称のままであることが好ましいために望ましい。また、この回路には、2つの異種金属が異なる温度にあるときに生じる熱電効果、またはゼーベック効果、を測定する能力がある。これにより、気化器がゼーベック効果を補償することが可能になる。例えば、マイクロコントローラのアナログデジタル変換器(ADC)を使用して、2段目の増幅器の出力電圧をサンプリングしてバイナリ表現に変換し、それをルックアップテーブルで使用してこれらの読み値を抵抗に変換できる。ルックアップテーブルは、理論的に(例えば、回路の解析から)決定されてもよく、また、部品の許容誤差から生じるなんらかの固定オフセットとともに、ゼーベック効果のために取られた測定値で補正されてもよい。
【0051】
本発明の一部の実施形態による気化器は、気化可能物質に加えられる空気温度を調整する(regulateおよびadjust)ことができる。本明細書で説明される変形例のいずれにおいても、気化装置は、ユーザが、(例えば、装置上のボタンもしくは他の制御入力によって、または無線で、例えば気化器と通信しているスマートフォンなどの遠隔装置上のユーザインターフェースを介して)目的の物質を気化させるために異なる空気温度(所望の温度入力630)を選択できるように構成されてもよい。気化器制御回路(例えば、
図6のブロック
図600)は、全体的な温度選択を調整するための1つ以上のコントローラを備えてもよい。
【0052】
特に、マイクロコントローラ610は、第1のコントローラ回路(制御則)を使用してノッチ付きチューブ加熱器502(抵抗加熱器)の温度を調整して、抵抗加熱器を制御し急速に加熱し、抵抗加熱器のTCRに基づいてその温度を推定することができ、第2のコントローラ回路(制御則)は、ユーザによって選択された、または所定の気化温度(例えば、200℃~500℃)に基づいて、空気流路(例えば、抵抗加熱器の下流側および/または抵抗加熱器とオーブンチャンバとの間)にある1つ以上の熱電対センサ503によって検知され得る抵抗加熱器をさらに調整してもよい。これら2つのコントローラ回路は、加熱器に与えられるエネルギのデューティサイクルを変調することによって、加熱温度または加熱の上昇率を調整するために互いに協働し得る。
【0053】
例えば、比例・積分・微分コントローラ(PIDコントローラ)は、
ノッチ付きチューブ加熱器502の上方の熱電対センサ503を監視し、これを空気温度コントローラ用のフィードバック機構として使用するマイクロコントローラ610上に実装されてもよい。別個に、別の第2のPIDコントローラを使用して、(抵抗加熱器の)金属合金のTCRを使用して
ノッチ付きチューブ加熱器502の温度を調整して、安全動作点を超えないように
ノッチ付きチューブ加熱器
502の目標抵抗セットポイントを決定することができる。これらの2つのPIDコントローラは、例えば128Hzで、同時に稼働させることができ、制御ロジックを使用して、任意の所与の点でどのPIDコントローラ(空気温度または加熱器温度)出力を使用するかを判定することができる。両方のPIDコントローラの出力は、パワーMOSFET 701(例えば、
図7の回路図のQ2)に入力される
パルス幅変調(PWM
)信号のデューティサイクルで、トランジスタを制御するために一度に1つの出力だけで、交番させることができる。ユーザが一服開始したことは圧力センサなどのセンサ(例えば、
図5Aの508参照)から(またはユーザによって押されたボタンから)判定でき、ユーザが一服開始したことを
気化器が検出した場合、TCR感知加熱器温度PIDコントローラが最初に起動され得る。これは、入ってくる空気をできるだけ速く加熱するために、加熱要素の温度がその最大動作温度まで急速に上昇することを確実にすることができる。上述のように、熱電対
センサ503の温度が監視され、これが所定の閾値を超えた場合には、空気温度PIDコントローラの出力が適用される。例えば、ユーザが気化温度を350℃に設定し、
気化器において吸い込み始めた場合(一服開始のために圧力センサの閾値を外す)、これによりマイクロコントローラは、加熱器温度PIDコントローラからのデューティサイクルを使用してパワーMOSFETをパルス駆動し始めて、加熱要素の温度を最大許容値700℃に調整する。入ってくる空気が加熱されると、空気温度PIDコントローラは、検出された空気温度が設定された閾値(例えば、300℃の温度に対応する)を超えると、与えられる加熱器電流を制御する。次いで、加熱要素は、空気温度を350℃に調整するために空気温度PIDコントローラを介して制御されるが、加熱器温度PIDコントローラは、加熱要素の温度が700℃のカットオフを超えないようにする。加熱要素が最大許容安全動作温度に達することができるほど空気流が少ない場合、システムは2つのPIDコントローラを交番させることができる。つまり、空気流が多すぎる場合、加熱器が最高温度に到達できない場合がある。
【0054】
セッション中に熱電対からのデータを記録しながら、加熱要素およびオーブンを通過する4L/分の空気流を使用して、上記の実施形態を試験した。それぞれ
図8および
図9のグラフ800およびグラフ900に見られるように、熱電対は約1秒で気化温度に達する(
図9は、
図8から3~7秒における、加熱時間を示すより詳細なプロットを示している)。この
気化器で実現されている制御則は、加熱要素の抵抗測定値を使用して、加熱要素が安全な動作温度(例えば、700℃)を絶対に超えないことを確保している。
気化器は、熱電対を継続的に監視し、空気温度を設定値(この例では350℃)に調整する。加熱の際にオーバーシュートが見られるが、これは気化可能物質をできるだけ速やかに気化温度まで上昇させるための意図的なものであり得る。下側のデータの分解能が粗いのは、装置で使用されている熱電対モニタの最小サンプル時間に起因する。しかしながら、この分解能は、空気温度を少なくとも±5℃以内に制御するのに十分である。より高分解能の制御システムもまた本発明の範囲内である。
【0055】
本明細書で説明される即時熱対流式気化器の一部の変形例では、抵抗加熱器(抵抗加熱要素)は、ステンレス鋼316、ステンレス鋼309、ニクロム、またはその他の抵抗性金属合金などの1種以上の異なる種類の金属合金から形成されてもよい。代替的または追加的に、抵抗加熱要素およびオーブンのためのハウジングは、アルミニウムまたはステンレス鋼の薄片などの金属または合金から作られてもよい。加熱要素は、テフロン(登録商標)または同様の材料から作られたスリーブまたはブッシングによってハウジングから断熱されていてもよい。
【0056】
本明細書で説明される変形例のいずれにおいても、気化器は、加熱器と熱的に連絡している熱交換器を備えることができ、このことにより、より良い効率を達成することができる。これは、加熱要素のチューブの各側部に挿入され、ノッチ付き領域555などのノッチ付き領域の近くに取り付けられ得る円形タイプの金属バッフルまたはディスクを含み得る。ノッチ付き領域から離れてチューブを伝って伝導されている熱のいくらかはまた、これらの熱交換器に伝導され得る。空気がチューブの端部を通って引き込まれると、これらの提案されている別の熱交換器は、チューブの端部を伝って伝導されるいくらかの損失熱を利用し、この本来「損失」されるエネルギを引き込まれた空気に戻す。このようなディスクまたはバッフルと同様の別の方法は、チューブの中心に向かって突出する加熱器チューブの隆起部分、またはフィンを含む。これらのフィンは、熱を空気経路に戻すのを助けるための別のスタイルの熱交換器を提供することができる。
【0057】
本発明の一部の実施形態によれば、熱電対センサ503を気化器500に組み込むのではなく、熱電対を気化器に組み込んでもよい。一例では、熱電対を用いて空気温度測定を行う代わりに、スクリーン515の温度を測定することができる。例えば、スクリーン515がオーブンチャンバ501から絶縁されている場合、スクリーン515をサーミスタとして使用することができる。長軸に沿って両端から出ているリード線を含めることによって、それを介して抵抗を測定することができる。この手法は、マイクロコントローラ610がスクリーン515の平均温度を計算することを可能にし、これは、高度に相関があるはずであるため、空気温度測定の代替として使用されてもよい。別の例として、スクリーン515がオーブンチャンバ501に電気的に接続されたままである場合、異種物質の単一のリード線をスクリーン515から引き出し、臨時の熱電対を作り出すことができる。オーブンチャンバ/スクリーン構造と異種物質のリード線との間の電圧を測定することによって、2つの物質の間の接合部における温度をマイクロコントローラ610によって計算することができる。または、オーブンチャンバ内またはその近くの赤外線センサが、物質を気化させる空気の温度を同様に測定することができる。あるいは、下流空気温度センサを完全に除去し、アルゴリズムを使用して、加熱器温度、流量、および/または時間の関数として下流空気温度を予測することができる。
【0058】
本発明の一部の実施形態によれば、気化器のオーブンチャンバとマウスピースとは、気化器の反対側にある各端部にある必要はない。例えば、マウスピースは、オーブンチャンバに隣接していてもほぼ隣接していてもよい。このような構成では、マウスピースに接続されたオーブンチャンバから蒸気が通過する1つ以上の空気経路は、マウスピースを介してユーザに提供される前に蒸気が十分に冷え得るように構成することができる。例えば、オーブンチャンバの後の空気流のための乱流経路を設けて、十分な冷却を可能にすることができる。そのような乱流経路は、ジグザグ経路、様々なバンプおよび/もしくは突起を有する経路、または加熱蒸気からの比較的迅速な熱交換を可能にするための他の構成または方法を含み得る。
【0059】
図10は、加熱器要素1000の別の変形例を示しており、ここで、加熱器は、例えば抵抗性金属合金から作られた薄い蛇行設計を有する平板加熱器である。この設計は、
図3~
図4Eに示されている加熱器302と置き換えることができる。この設計では、平らな加熱要素は、オーブンチャンバの下の空気経路内に直接配置することができる。
図5Aおよび
図5Bを参照して上述したような、チューブを通過し、ノッチ付き領域からチューブを出るために方向を変える空気経路の代わりに、
図10では、空気経路はもっと直接的であり得る。空気は、
蛇行加熱器要素1000の下から装置に入り、オーブンチャンバに入る前に加熱器
要素1000のスロット1005を通過してもよい。
図5Aに示すように、熱電対
センサを加熱器
要素1000とオーブンチャンバとの間に取り付けて、気化可能物質に接触する、またはその他の仕方で加熱する前に空気温度を測定および制御してもよい。一部の変形例では、加熱器(抵抗加熱要素)は、急速加熱のために、空気が抵抗加熱器の上を通って流れることを可能にするための、適切な数(例えば、1、2、3、5など)のチャネル、スリット、スロットなどを有する、コイル状、屈曲、またはその他の仕方で3D構造に配置された薄膜抵抗加熱要素であり得る。これらの変形例のいずれにおいても、
加熱器要素1000は、空気経路内に保持され、熱伝達を最小限に抑えるために少数の接点1010によって装置の内部チャンバに結合されてもよく、あるいは、加熱器
要素1000は、断熱および/または絶縁する結合によって接続されてもよい。これらの変形例のいずれにおいても、加熱器のチャネル、スリットなど、または表面領域は、空気への熱伝達をさらに高めるために、フラクタル、ギザギザ、フィン付き、または他の特徴を有することができる。
【0060】
図11を参照すると、プロセスフローチャート1100は、方法の特徴を示し、方法は、任意選択により以下のうちの一部またはすべてを含み得る。1110において、気化器のユーザによるマウスピースにおける吸い込みが検出される(または代替的に、ボタンまたは他の開始指示装置がユーザによって選択され得る)。この検出は、気化器の空洞に入る周囲空気の空気流路にある圧力センサを介してもよい。1120において、エネルギが気化器の加熱器に与えられ、これにより、入ってくる周囲空気を急速に加熱するために加熱器を高温または最高動作温度まで急速に増加させるプロセスが開始される。1130において、加熱器からの加熱された空気の空気温度が監視される。この監視は、気化器の加熱器とオーブンチャンバとの間の1つ以上の熱電対センサを介して、加熱器を出る空気の温度を判定することであり得る。1140において、気化器のオーブンチャンバのオーブン温度は、加熱器に与えられるエネルギを変更することによって制限される。これにより、加熱器が所定の閾値を超えないようにすることが確保され得る。1150において、加熱器の抵抗の変化に応じて加熱器温度を制御するように加熱器の加熱器温度が調整される。
【0061】
上述したように、本発明の実施形態は、ユーザが吸入することができるように物質を気化させるための方法および装置を含む。本明細書で説明される装置は、気化装置、および気化装置を備えるシステムを含む。特に、ユーザによる制御および動作のために構成され得る、即時熱対流式気化装置(apparatuses)(装置(devices)およびシステム)が本明細書で説明される。例示的な実施形態の以下の説明は、本発明の一部であり得る様々な特徴の例示のために提供される。これらは限定することを意図するものではない。
【0062】
例えば、即時の手持ち式熱対流式気化装置は、外殻を有する細長い本体と、細長い本体上にあるマウスピースと、マウスピースを介する吸い込みを検出するためのセンサと、細長い本体内にあるオーブンチャンバであって、オーブンチャンバの側壁が空隙によって囲まれている、オーブンチャンバと、細長い本体内にある熱対流式加熱器であって、熱対流式加熱器は、熱対流式加熱器の上に空気を通し、空気が熱対流式加熱器の上を通る、および/または通過するときに混合乱流を生成するように構成される、複数のスロットおよび/または開口部を有する、熱対流式加熱器と、加熱器制御回路であって、加熱器制御回路は、マウスピースを介する吸い込みを検出すると、熱対流式加熱器を500℃を超える温度に加熱するように構成される、加熱器制御回路と、を備えることができ、さらに、加熱器制御回路は加熱器を最高温度に制限し、さらに、加熱器からオーブンチャンバに流入する空気が目標気化温度に加熱される。
【0063】
即時の手持ち式熱対流式気化装置は、外殻を有する細長い本体と、細長い本体の近位端部にあるマウスピースと、マウスピースを介する吸い込みを検出するためのセンサと、細長い本体の遠位端部にあるオーブンチャンバであって、オーブンチャンバの側壁の80%超が空隙によって囲まれている、オーブンチャンバと、細長い本体内にある熱対流式加熱器であって、熱対流式加熱器は、熱対流式加熱器の上に空気を通し、空気が熱対流式加熱器の上を通る、および/または通過するときに混合乱流を生成するように構成される、複数のスロットおよび/または開口部を有する、熱対流式加熱器と、加熱器制御回路であって、加熱器制御回路は、マウスピースを介する吸い込みを検出すると、熱対流式加熱器を500℃を超える温度に加熱するように構成される、加熱器制御回路と、を備えることができ、さらに、加熱器制御回路は加熱器を最高温度に制限し、加熱器からオーブンチャンバに流入する空気が、マウスピースを介する吸い込みの検出から4秒以内に、200℃超の目標気化温度に加熱される。
【0064】
これらの気化器のいずれも、長軸に沿って延びる細長いチューブなどの管状の熱対流式加熱器を使用することができ、チューブは、それを通過する空気に乱流を生成するために、その長さ全体に沿って複数の切り欠き領域を有する。例えば、即時の手持ち式熱対流式気化装置であって、外殻を有する細長い本体と、細長い本体の近位端部にあるマウスピースと、マウスピースを介する吸い込みを検出するためのセンサと、細長い本体の遠位端部にあるオーブンチャンバであって、オーブンチャンバの側壁の80%超が空隙によって囲まれている、オーブンチャンバと、長軸に延びる細長いチューブを備える熱対流式加熱器であって、チューブは、通過する空気に乱流を生成するようにチューブの長さ全体に沿って複数の切り欠き領域を有する、熱対流式加熱器と、加熱器制御回路であって、加熱器制御回路は、マウスピースを介する吸い込みを検出すると、熱対流式加熱器を500℃を超える温度に加熱するように構成される、加熱器制御回路と、を備えることができ、さらに、加熱器制御回路は加熱器を最高温度に制限し、加熱器からオーブンチャンバに流入する空気が、200度超の目標気化温度に加熱される、即時の手持ち式熱対流式気化装置が本明細書で説明されている。
【0065】
本発明の実施形態による気化器および/または方法のいずれも、4端子測定回路を備える加熱器制御回路を含む、または利用することができる。例えば、即時の手持ち式熱対流式気化装置は、外殻を有する細長い本体と、細長い本体の近位端部にあるマウスピースと、マウスピースを介する吸い込みを検出するためのセンサと、細長い本体の遠位端部にあるオーブンチャンバであって、オーブンチャンバの側壁が空隙によって囲まれている、オーブンチャンバと、通過する空気に乱流を生成するように自身の長さ全体に沿って複数のスロットおよび/または開口部を有する、熱対流式加熱器と、加熱器制御回路であって、加熱器制御回路は、熱対流式加熱器に結合された4本のリード線を有する4端子測定回路を備え、リード線のうちの2本が加熱要素の領域にわたる電圧降下を検知するように構成され、さらに加熱器制御回路は、マウスピースからの吸い込みを検出すると、熱対流式加熱器を500℃を超える温度に加熱し、加熱器を最大温度に制限するように構成される、加熱器制御回路と、を備えることができ、熱対流式加熱器からオーブンチャンバに流入する空気は、目標気化温度に加熱される。
【0066】
よって、一般に、装置が熱対流式加熱器に結合された4本のリード線を有する4端子測定回路を備える場合、リード線のうちの2本は、加熱要素の領域にわたる電圧降下を検知するように構成され、これらのリード線は、2本の外側のリード線の間にあり得る。2本の外側のリード線は、熱対流式加熱器に電力を供給することができる。例えば、加熱器制御回路の4本のリード線のうちの第1のリード線および第2のリード線は、熱対流式加熱器を加熱するために電力を供給するように構成されてもよい。電圧降下を検知するように構成された2本のリード線は、供給される高レベルの電力による温度上昇が電圧検知リード線の抵抗/導電率に影響を及ぼさないように、電力供給リード線から離間させることができる。
【0067】
本発明の実施形態による気化器のいずれも、熱対流式加熱器とオーブンチャンバの内側との間に温度センサを備えることができ、温度センサは、加熱器制御回路に空気温度入力を提供する。
【0068】
一般に、加熱器制御回路は、熱対流式加熱器の温度に基づいて、また熱対流式加熱器とオーブンチャンバとの間の空気の温度に基づいて、熱対流式加熱器に与えられるエネルギを制御するように構成され得る。
【0069】
これらの装置のいずれにおいても、マウスピースは、細長い本体の近位端部にあってもよく、オーブンチャンバは、細長い本体の遠位端部内にあってもよい。
【0070】
本発明の実施形態による装置は、オーブンチャンバ内の物質を気化させるために空気を即座またはほぼ即座に加熱するように構成されてもよい。例えば、加熱器からオーブンチャンバ内に流入する空気は、マウスピースを介する吸い込みの検出から4秒以内(例えば、3秒以内、2秒以内、1秒以内など)に200℃を超える目標気化温度に加熱されてもよい。
【0071】
チャンバの側壁(例えば、オーブンチャンバの底部に対して垂直な側壁)が空隙によって少なくとも50%が囲まれるように(例えば、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも95%が囲まれるなど)、チャンバの側壁は空隙によって囲まれてもよい。
【0072】
本明細書で説明される装置のいずれかを動作させる方法は、物質を気化させる方法を含み得る。例えば、即時の手持ち式熱対流式気化器を動作させる方法は、気化器のマウスピースにおける引き込みを検知するステップと、気化器の導電性加熱器にエネルギを与えるステップと、導電性加熱器に接続された第1の1対のリード線に対応する第1の1対の入力と、導電性加熱器に接続された第2の1対のリード線に対応する第2の1対の入力と、を含む4端子測定に基づいて、導電性加熱器に与えられるエネルギを調整するステップであって、第2の1対のリード線が第1の1対のリード線からずらされている、ステップと、気化器のオーブンチャンバ内で気化可能物質を気化させるステップと、などの特徴を含むことができる。
【0073】
気化器の導電性加熱器にエネルギを与えるステップは、約1秒以内に温度を200度を超えて上昇させるステップ、および/または第1の1対のリード線からエネルギを与えるステップを含み得る。第2の1対のリード線は、第1の1対のリード線の間に配置されてもよい。
【0074】
これらの方法のいずれもまた、4端子測定から導電性加熱器の温度を判定するステップを含み得る。
【0075】
4端子測定に基づいて導電性加熱器に与えられるエネルギを調整するステップは、導電性加熱器に与えられるエネルギの周波数および/またはデューティサイクルを調整するステップを含み得る。
【0076】
これらの方法のいずれもまた、気化器の熱対流式加熱器とオーブンチャンバとの間の空気の温度に基づいて導電性加熱器に与えられるエネルギを調整するステップ、および/または気化器の熱対流式加熱器とオーブンチャンバとの間の空気の温度を検知するステップを含み得る。
【0077】
これらの方法のいずれもまた、導電性加熱器の温度が最大閾値(例えば、500℃、550℃、600℃、650℃、700℃、750℃など)を超えないように、導電性加熱器に与えられるエネルギを制限するステップを含み得る。
【0078】
例えば、即時の手持ち式熱対流式気化器を動作させる方法は、気化器のマウスピースにおける吸い込みを検知するステップと、約1秒以内に200度を超えて温度を上昇させるために、第1の1対のリード線から気化器の導電性加熱器にエネルギを与えるステップと、第1の1対のリード線に対応する第1の1対の入力と、導電性加熱器に接続された第2の1対のリード線に対応する第2の1対の入力と、を含む4端子測定に基づいて、導電性加熱器に与えられるエネルギを調整するステップであって、第2の1対のリード線が第1の1対のリード線の間に配置されている、ステップと、気化器の熱対流式加熱器とオーブンチャンバとの間の空気の温度に基づいて、導電性加熱器に与えられるエネルギを調整するステップと、気化器のオーブンチャンバ内で気化可能物質を気化させるステップと、を含むことができる。
【0079】
本明細書において、ある特徴または要素は、これが別の特徴または要素の「上に(on)」あると記載された場合、他方の特徴または要素の上に直接設けることもできるし、中間的な特徴および/または要素がさらに存在してもよい。対照的に、ある特徴または要素が別の特徴または要素の「直接的に上に(directly on)」あると記載された場合、中間的な特徴または要素は存在しない。ある特徴または要素は、これが別の特徴または要素に「接続され(connected)」、「取り付けられ(attached)」、または「結合され(coupled)」ると記載された場合、他方の特徴または要素に直接接続され、取り付けられ、または結合される場合もあるし、中間的な他の特徴または要素が存在してもよいことも理解されたい。対照的に、ある特徴または要素が別の特徴または要素に「直接接続され(directly connected)」、「直接取り付けられ(directly attached)」、または「直接結合され(directly coupled)」ると記載された場合、中間的な特徴または要素は存在しない。
【0080】
1つの実施形態において説明または図示されていても、そのように説明または図示された特徴または要素は、他の実施形態に適用することができる。当業者には理解されるように、別の特徴または要素に「隣接する(adjacent)」構造または特徴に言及する場合、隣接する特徴に重なる、または下にある部分を有してもよい。
【0081】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態および実装を説明するためだけのものであり、限定することを意図するものではない。例えば、本明細書で使用する場合、単数形の「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、文脈上、明らかに他を意味するのでない限り、複数形も包含することが意図されている。「備える、含む(comprises)」および/または「備えている、含んでいる(comprising)」という用語は、本明細書で使用される場合、記載された特徴、ステップ、動作、要素、および/または構成部品の存在を特定するものであるが、1つまたはそれ以上の他の特徴、ステップ、動作、要素、構成部品、および/またはこれらのグループの存在または追加を排除するものではないことがさらに理解されよう。本明細書で使用される場合、「および/または(and/or)」の用語は、列挙された関連事項のうちの1つ以上のありとあらゆる組み合わせを含み、「/」のように省略されることもある。
【0082】
上記説明および特許請求の範囲において、「のうちの少なくとも1つ(at least one of)」または「のうちの1つ以上(one or more of)」などの語句の後には、接続詞を伴った複数の要素または特徴が続く。「および/または(and/or)」という用語はまた、2つ以上の要素または特徴の間に置かれる。使用される文脈上、黙示的または明示的に否定されない限り、そのような語句は、列挙された要素もしくは特徴の個々のいずれか、または列挙された要素もしくは特徴のいずれかと他の列挙された要素もしくは特徴のいずれかとの組み合わせを意味することが意図されている。例えば、「AおよびBのうちの少なくとも1つ(at least one of A and B)」、「AおよびBのうちの1つ以上(one or more of A and B)」、および「Aおよび/またはB(A and/or B)」はそれぞれ、「Aのみ、Bのみ、またはAとBとを一緒に(A alone, B alone, or A and B together)」を意味することが意図されている。3つ以上の項目を含むリストについても、同様の解釈が意図されている。例えば、「A、B、およびCのうちの少なくとも1つ(at least one of A, B, and C)」、「A、B、およびCのうちの1つ以上(one or more of A, B, and C)」および「A、B、および/またはC(A, B, and/or C)」という語句は、それぞれ「Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBとを一緒に、AとCとを一緒に、BとCとを一緒に、またはAとBとCとを一緒に(A alone, B alone, C alone, A and B together, A and C together, B and C together, or A and B and C together)」を意味することが意図されている。上記および特許請求の範囲における「に基づく(based on)」という用語の使用は、記載されていない特徴または要素も許容されるように、「少なくとも部分的に基づく(based at least in part on)」ことを意味することが意図されている。
【0083】
本明細書では、「下(under)」、「下方(below)」、「下側(lower)」、「上方(over)」、および「上側(upper)」などの空間的な相対関係を示す用語は、図面に表された1つの要素または特徴と別の要素(複数可)または特徴(複数可)との関係を説明しやすくするために使用される場合がある。空間的な相対関係を示す用語は、使用時または動作時の装置の図面で示された向きに加えて、異なる向きを含むことが意図されていることが理解されよう。例えば、他の要素または特徴の「下(under)」または「下(beneath)」として説明される要素は、図面に示す装置を反転させたとき、その他方の要素または特徴の「上方(over)」に配置される。このように、例示的な「下(under)」の用語は、上方と下との両方の向きを包含し得る。装置は、その他の向きに向けられる(90度回転される、または別の角度に回転される)場合もあり、本明細書で使用される空間的な相対関係を示す記述子はそれに応じて解釈される。同様に、本明細書では、特に指定されない限り、説明する目的のためだけに、「上方へ(upwardly)」、「下方へ(downwardly)」、「垂直方向に(vertical)」、または「水平方向に(horizontal)」などが使用されている。
【0084】
本明細書では、様々な特徴/要素(ステップを含む)を説明するために、「第1の(first)」および「第2の(second)」の用語を使用する場合があるが、文脈上、他を意味するのでない限り、これらの特徴/要素は、上記用語により限定されるものではない。これらの用語は、ある特徴/要素を別の特徴/要素と区別するために使用され得る。よって、本明細書で提示される教示から逸脱することなく、後述の第1の特徴/要素が第2の特徴/要素と記載される場合があり、同様に、後述の第2の特徴/要素が第1の特徴/要素と記載される場合がある。
【0085】
本明細書および特許請求の範囲において本明細書で使用される場合、実施例において使用される場合を含み、明確に指定されない限り、すべての数字は、「約(aboutまたはapproximately)」の用語が数字の前に明示的に記載されていなくても、記載されたかのように解釈され得る。「約(aboutまたはapproximately)」の用語は、大きさおよび/または位置を記述する場合に、記載されている値および/または位置が合理的に予想される値および/または位置の範囲に含まれることを示すために使用され得る。例えば、数値は、記述された値の±0.1%の値(または値の範囲)、記述された値の±1%の値(または値の範囲)、記述された値の±2%の値(または値の範囲)、記述された値の±5%の値(または値の範囲)、記述された値の±10%の値(または値の範囲)などである値を有し得る。本明細書に示されるあらゆる数値は、文脈上、他を意味するのでない限り、約(aboutまたはapproximately)その値を含むことも理解されたい。例えば、値「10」が開示されている場合、「約10」も開示されている。本明細書で列挙されたあらゆる数の範囲は、そこに含められたすべてのサブレンジを含むことが意図されている。当業者によって適切に理解されるように、ある値が開示される場合、「その値以下(less than or equal to)」、「その値以上(greater than or equal to the value)」および値間の可能な範囲もまた開示されていることも理解されよう。例えば、値「X」(例えば、Xが数値である場合)が開示されている場合、「X以下」および「X以上」も開示されている。本出願を通して、データはいくつかの異なるフォーマットで提供され、そしてこのデータは終点および開始点を表し、そしてデータ点の任意の組み合わせにわたる範囲にあることもまた理解されたい。例えば、特定のデータポイント「10」および特定のデータポイント「15」が開示されている場合、10及び15の間だけでなく、10より大きく且つ15より大きく、10以上且つ15以上、10未満且つ15未満、10以下且つ15以下、および10と等しく且つ15と等しいことが、開示されていると理解されたい。2つの特定の単位間の各単位もまた開示されていることも理解されたい。例えば、10と15とが開示されている場合、11、12、13、および14も開示されている。
【0086】
様々な例示的な実施形態を上述したが、本明細書の教示から逸脱することなく、任意のいくつかの変更を様々な実施形態に対して行うことができる。例えば、様々な説明された方法ステップが行われる順序は、代替的な実施形態においてしばしば変更されてもよく、他の代替的な実施形態では、1つ以上の方法ステップがすべてまとめてスキップされてもよい。様々な装置およびシステム実施形態の任意選択の特徴は、一部の実施形態に含まれ、他の実施形態に含まれなくてもよい。したがって、上記の説明は、主として例示の目的のために提供され、特許請求の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【0087】
本明細書で説明される主題の1つ以上の実施態様または特徴は、デジタル電子回路、集積回路、特別に設計された特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、コンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、および/またはそれらの組み合わせで実現できる。これらの様々な実施態様または特徴は、データおよび命令を送受信するために記憶システムに結合された、特殊目的または汎用目的であり得る少なくとも1つのプログラマブルプロセッサ、少なくとも1つの入力装置、および少なくとも1つの出力装置を含む、プログラマブルシステム上で実行可能および/または解釈可能な1つ以上のコンピュータプログラムにおける実装を含み得る。プログラマブルシステムまたはコンピューティングシステムは、クライアントおよびサーバを含み得る。クライアントとサーバとは、一般に、互いに遠隔にあり、典型的には、通信ネットワークを介して相互作用する。クライアントとサーバとの関係は、それぞれのコンピュータ上で実行され、互いにクライアント-サーバ関係を有するコンピュータプログラムのおかげで生じる。
【0088】
プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、アプリケーション、コンポーネント、またはコードとも呼ばれ得るこれらのコンピュータプログラムは、プログラマブルプロセッサ用の機械命令を含み、高水準手続型言語、オブジェクト指向プログラミング言語、関数型プログラミング言語、論理型プログラミング言語、および/またはアセンブリ/機械語で実装することができる。本明細書で使用される場合、「機械可読媒体」という用語は、例えば、機械命令を機械可読信号として受信する機械可読媒体を含む、プログラマブルプロセッサに機械命令および/またはデータを提供するために使用される、磁気ディスク、光ディスク、メモリ、およびプログラマブルロジック装置(PLD)などの、任意のコンピュータプログラム製品、装置(apparatus)および/または装置(device)を指す。「機械可読信号」という用語は、機械命令および/またはデータをプログラマブルプロセッサに提供するために使用される任意の信号を指す。機械可読媒体は、例えば非一時的ソリッドステートメモリまたは磁気ハードドライブまたは任意の均等な記憶媒体のように、そのような機械命令を非一時的に記憶することができる。機械可読媒体は、代替的または追加的に、例えばプロセッサキャッシュまたは1つ以上の物理プロセッサコアに関連する他のランダムアクセスメモリがするように、一時的にそのような機械命令を記憶することができる。
【0089】
ユーザとの対話を可能にするために、本明細書で説明される主題の1つ以上の実施態様または特徴は、例えばユーザに情報を表示するための陰極線管(CRT)または液晶ディスプレイ(LCD)または発光ダイオード(LED)モニタなどの表示装置と、キーボードと、ユーザがコンピュータに入力を提供することができる例えばマウスまたはトラックボールなどのポインティング装置と、を有するコンピュータ上に実装することができる。他の種類の装置を使用して、ユーザとの対話を提供することもできる。例えば、ユーザに提供されるフィードバックは、例えば視覚的フィードバック、聴覚的フィードバック、または触覚的フィードバックなどの任意の形態の感覚的フィードバックとすることができ、ユーザからの入力は、音響、音声、または触覚入力を含むがこれらに限定されない、任意の形式で受信されてもよい。他の可能な入力装置としては、単一または複数点抵抗または容量トラックパッドなどのタッチスクリーンまたは他のタッチ感知式装置、音声認識ハードウェアおよびソフトウェア、光学スキャナ、光学ポインタ、デジタル画像撮像装置および関連する解釈ソフトウェアが挙げられるが、限定されるものではない。
【0090】
本明細書に含まれる例および図面は、限定ではなく説明として、発明の主題が実施され得る具体的な実施形態を示している。上述のように、構造的および論理的な置換および変更が本開示の範囲から逸脱することなく行われ得るように、他の実施形態が利用され、そこから導出されてもよい。本発明の主題のこうした実施形態は、単に便宜のために、また2つ以上が実際に開示される場合、本出願の範囲をいかなる単一の発明または発明概念にも自発的に限定することを意図することなく、本明細書において「発明」という用語で個別に呼ばれ得る、または総称され得る。このように、本明細書では特定の実施形態を図示および説明してきたが、同じ目的を達成するように計算された任意の構成によって、示した特定の実施形態を置き換えることもできる。本開示は、様々な実施形態のありとあらゆる適合または変形を包含することが意図されている。上記の実施形態、および本明細書で具体的に説明していない他の実施形態の組み合わせは、上記の説明を検討すれば、当業者には明らかになるはずである。