(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-05
(45)【発行日】2024-08-14
(54)【発明の名称】液体サンプル中の分析対象物質を検出する装置
(51)【国際特許分類】
G01N 1/00 20060101AFI20240806BHJP
G01N 1/10 20060101ALI20240806BHJP
【FI】
G01N1/00 101G
G01N1/10 V
(21)【出願番号】P 2022119126
(22)【出願日】2022-07-26
【審査請求日】2022-07-26
(31)【優先権主張番号】202210377142.4
(32)【優先日】2022-04-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202210254433.4
(32)【優先日】2022-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(32)【優先日】2022-04-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-04-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】521107987
【氏名又は名称】浙江東方基因生物制品股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Zhejiang Orient Gene Biotech Co.,Ltd
(74)【代理人】
【識別番号】100146374
【氏名又は名称】有馬 百子
(74)【代理人】
【識別番号】100205936
【氏名又は名称】崔 海龍
(72)【発明者】
【氏名】雷 似愚
(72)【発明者】
【氏名】方 剣秋
【審査官】佐々木 崇
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2010/0172797(US,A1)
【文献】特開2010-271040(JP,A)
【文献】特開2006-038857(JP,A)
【文献】特開2014-098595(JP,A)
【文献】特開2020-204586(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2022/0065847(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 1/00- 1/44
33/48-33/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
試験素子を受け入れるキャビティを含む、サンプル中の分析対象物質を検出する装置であって、前記キャビティ内に、
前記試験素子は第1位置と第2位置とを有し、
前記試験素子は、第1位置にある場合、流体サンプルと接触せず、
前記試験素子は、第2位置にある場合、流体サンプルと接触する
装置であり、
前記キャビティに更に流体サンプル収集器が接続され、該収集器はキャビティの一端に設置され、
前記試験素子が第1位置にある場合、前記試験素子と前記キャビティはロック状態にあり、
前記試験素子が第2位置にある場合、試験素子の一部はキャビティから突出し、
前記キャビティは、前記試験素子を支持するための支持体を更に含み、前記支持体は第1位置と第2位置とを有し、前記支持体は、前記試験素子が第1位置と第2位置との間に変位若しくは移動するように動かし、
前記支持体は、ロック構造を介して前記キャビティに接続され、前記支持体は、ロックした第1位置にある場合、キャビティに対して移動せず、ロック構造がアンロックする場合、前記支持体は、キャビティに対して第1位置から第2位置へ移動することができ、
前記支持体が第1位置にある場合、前記支持体全体はキャビティ中にあり、前記支持体が第2位置にある場合、前記支持体の一部はキャビティから突出して液体サンプルと接触する、
ことを特徴とする、装置。
【請求項2】
前記装置は、可動素子を更に含み、前記可動素子は支持体に接続され、前記可動素子は、支持体が第1位置から第2位置へ移動するように動かすことができる、請求項
1に記載の装置。
【請求項3】
前記可動素子は、第1スライドレールと第2スライドレールとを含み、前記支持体は前記第2スライドレールに固定して接続される、請求項
2に記載の装置。
【請求項4】
前記キャビティは、可動素子の第1スライドレールに適合する第1スライド溝と、可動素子の第2スライドレールに適合する第2スライド溝とを含み、前記第2スライド溝はキャビティの側壁を貫通し、第1スライド溝はキャビティの外面に位置する、請求項
3に記載の装置。
【請求項5】
前記可動素子は、ロック構造の一部を含み、キャビティは、ロック構造の他の部分を含み、前記可動素子は、ロック構造を介してキャビティに固定される、請求項
3に記載の装置。
【請求項6】
前記支持体は、吊り下げ構造を含み、前記支持体は、前記吊り下げ構造を介して第2スライドレールに固定して接続される、請求項
3に記載の装置。
【請求項7】
前記ロック構造は、突起構造とノッチ構造とを含み、前記可動素子は前記突起構造を含み、前記キャビティの外壁はノッチ構造を含む、請求項
5に記載の装置。
【請求項8】
前記ノッチ構造は、キャビティの側壁のシート状構造に位置し、前記シート状構造はキャビティの側壁の一部であり、また、前記シート状構造は弾性を有する、請求項
7に記載の装置。
【請求項9】
前記可動素子は、キャビティの外面に嵌合され、前記支持体及び第2スライドレールは、試験素子を受け入れる前記キャビティ内に位置し、前記第1スライドレールは、キャビティの外面に位置し、且つキャビティの表面の第1スライド溝に適合する、請求項
2に記載の装置。
【請求項10】
前記キャビティは位置制限構造を含み、前記位置制限構造は縁を含み、前記支持体は曲面構造であり、前記支持体の凹面は位置制限構造の縁と接触し、ここで、前記支持体は
背骨構造を含む、請求項
9に記載の装置。
【請求項11】
試験素子を受け入れる前記キャビティは、第1キャビティの側壁と、第2キャビティの側壁とを含み、ここで、前記第1キャビティの側壁は、支持体の凹面に面し、第2キャビティの側壁は
前記支持体の
前記背骨構造に面する、請求項
10に記載の装置。
【請求項12】
前記装置は、収容装置を更に含み、前記収容装置は、前記収集器及び
前記試験素子の一部を収容するために使用される、請求項
1に記載の装置。
【請求項13】
前記試験素子の一部は、サンプル塗布領域の一部を含む、請求項
12に記載の装置。
【請求項14】
前記サンプルは、唾液、痰、尿、及び鼻分泌物のうちの1種であり、前記分析対象物質は、コロナウイルスを含む、請求項1に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(相互参照)
本願は、2022年4月11日に出願された中国特許出願第2022103771424号、2022年03月15日に出願された中国特許出願第2022102544334号、2022年4月21日に出願された米国特許仮出願第63/333,299号、2022年4月4日に出願された米国特許仮出願第63/327,048号に基づく優先権を主張し、明細書、図面及び特許請求の範囲を含むそれらの内容は全体的に本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、液体サンプルを収集する装置及び検出装置、特に快速診断分野において、液体サンプル中の分析対象物質を収集及び検出する装置、例えば、尿、唾液を収集及び検出する装置に関するものである。
【背景技術】
【0003】
以下の背景技術の紹介は、いくつかの背景常識の紹介に過ぎず、本発明を限定するものではない。
【0004】
目前、サンプルには分析対象物質が含まれるかどうかを検出するための検出装置は、病院又は家に広く使用され、これらの快速診断用検出装置は、妊娠早期検出、薬物乱用などの1種以上の検出用試薬ストリップを含む。これらの快速診断用検出装置は非常に便利であり、検出結果は、検出用試薬ストリップで1分間、又は最大約10分間で取得できる。
【0005】
麻薬検出は広く使用され、常に麻薬管制部門、警察署、麻薬中毒患者治療所、健康診断センター、全国徴兵健康診断センターなどの機関に使用される。麻薬検出は、種類が多様であり、頻繁である。いいくつかはサンプルを収集する必要があり、次に専門検出機構又は試験所で検出する必要がある。リアルタイムに試験を完了するために、路傍などの現場試験が必要な場合もあり、例えば、麻薬を吸った運転者(麻薬等運転と略称する)は現場で検出し、リアルタイムに検出結果を得る必要がある。例えば、唾液サンプルへの検出は、サンプルを収集しやすいために、検出機構又は作業者にとって徐々に人気になっている。いくつかの文献では、臨床用又は家庭用のサンプル収集及び試験装置を取得又は説明する。例えば、米国特許出願のUS 5,376,337は、唾液採取装置を開示し、そのうちの一枚の濾過紙は、検出対象の口から唾液を収集し、且つ唾液を指示薬に送るために使用される。米国特許出願のUS 5,576,009及びUS 5,352,410は、それぞれ注射器型流体採取装置を開示する。
【0006】
また、近年、伝染病、特にコロナウイルスの伝播につれて、家庭検出は主流になり、それは、サンプリングしやすく、操作しやすく、サンプリングによる環境汚染を防止する。そのため、家庭検出製品への要件はより高い。
【0007】
いくつかの上記従来製品の技術的問題に対して、それらを改善し、別の手段で従来技術の不足を補い、体外診断の要件、特に家庭検出の要件を満たす。
【発明の概要】
【0008】
上記状況に対して、従来技術の不足を補うために、本発明は、液体サンプル中の分析対象物質を検出する装置、及び検出装置に適合して検出装置を受け入れるための受け入れ装置を提供することを目的とする。該受け入れ装置はキャビティを含み、該キャビティは、液体を収容する液体キャビティと、試験素子が挿入するように受け入れる挿入キャビティとを含む。受け入れ装置の「受け入れ」は、該装置の具体的な用途に制限されず、液体の処理及び混合装置、液体サンプルの輸送及び転送装置と呼ばれ、従って、装置と言う。
本発明の一態様では、サンプル中の分析対象物質を検出する装置は、試験素子を受け入れるためのキャビティを含み、キャビティ内に、試験素子は第1位置と第2位置とを有し、試験素子は、第1位置にある場合、流体サンプルと接触せず、試験素子は、第2位置にある場合、流体サンプルと接触する。
【0009】
いくつかの具体的な実施形態では、試験素子を受け入れる前記キャビティに流体サンプルを収集するための収集器が設置され、該収集器はキャビティの一端に設置される。いくつかの実施形態では、サンプル収集器とキャビティは取り外し可能に組み合わせされる。いくつかの実施形態では、サンプル収集器は、流体サンプルを収集するためのスポンジ綿棒又は植毛綿棒である。いくつかの実施形態では、収集器で収集したサンプルは試験素子に直接流れることではない。いくつかの実施形態では、キャビティにある溶液で収集器を処理、混合又は溶出し、試験素子の一部を受け入れ装置に入れて溶液と接触させ、検出を完了させる。いくつかの実施形態では、前記試験素子の一部は、試験素子のサンプル受け入れ領域とサンプル塗布パッドとを含む。
【0010】
いくつかの実施形態では、試験素子を受け入れる前記キャビティは、試験素子を支持するための支持体を更に含み、キャビティ内に、前記支持体は、第1位置と第2位置とを有し、支持体は、試験素子が第1位置と第2位置との間に変位又は移動するように動かす。
【0011】
いくつかの実施形態では、前記装置はスライド素子を更に含み、前記スライド素子は、ロック機構を介して試験素子を受け入れるキャビティに接続される。本明細書で使用される「接続」は、比較的固定する位置の接続を指し、ロック状態にある場合、スライド素子は、キャビティの比較的固定する位置に固定され、アンロックする場合、スライド素子は、キャビティに移動又はスライドすることができる。スライド方式は、第1位置から第2位置へスライドできることである。いくつかの実施形態では、スライド素子は支持体に接続され、スライド素子がロック位置にある場合、支持体は、試験素子を受け入れるキャビティに対して移動することではない。他のいくつかの実施形態では、ロック機構をアンロックする場合、スライド素子は、試験素子を受け入れるキャビティに対して移動することができ、それにより、支持体が移動するように動かす。いくつかの実施形態では、支持体は、第1位置にある場合、ロック機構を介して試験素子を受け入れるキャビティ上又はキャビティ中に固定され、アンロックした後、ロック構造を移動させることによって支持体を第1位置から第2位置へ移動させる。いくつかの実施形態では、支持体が第1位置にある場合、スライド素子は、ロック機構を介して試験素子を受け入れるキャビティ上又はキャビティ中に固定され、アンロックした後、スライド素子を移動させることによって支持体を第1位置から第2位置へ移動させる。
【0012】
いくつかの実施形態では、支持体が第1位置にある場合、支持体における試験素子は流体サンプルと接触せず、支持体が第2位置にある場合、支持体は流体サンプルと接触し、それにより、試験素子は流体サンプルと接触する。このように、流体は試験素子に移動し、それにより、試験素子の検出領域に試験結果を読み取ることができる。
【0013】
いくつかの実施形態では、ロック構造は、1つ以上のプラグ構造を含み、試験素子を受け入れるキャビティは、プラグを受け入れる1つ以上のノッチ構造を含み、ロック状態にある場合、前記プラグがノッチに挿入され、それによって固定又はロックされる。いくつかの実施形態では、スライド素子は、ロック構造のプラグを有し、試験素子を受け入れるキャビティはプラグを受け入れるノッチを有し、スライド素子はロック構造及びキャビティを介して固定する第1位置にあり、また、アンロックした後にスライド素子はキャビティに対してスライドすることができる。
【0014】
いくつかの実施形態では、前記スライド素子は、支持体に一体して接続される接続部品とロック構造の一部とを含む。いくつかの実施形態では、前記スライド素子はキャビティのスライド溝にスライドすることができる。いくつかの実施形態では、前記スライドは、支持体が第1位置から第2位置へスライド又は移動するように動かすことができる。
【0015】
いわゆる「ロックする構造」は、ロック機能及びアンロック機能という少なくとも2つの機能を含み、ロック機能によって支持体は試験素子を受け入れるキャビティに対して直接又は間接的に固定され、アンロックした後、支持体は試験素子を受け入れるキャビティに対して直接又は間接的に固定されず、即ち、相互に移動し又は相対的移動することができる。スライド素子を有する場合、スライド素子はロック構造の一部を含むが、試験素子を受け入れるキャビティはロック構造の他の部分を含み、2つの部分が係合することでロック状態又はアンロック状態を実現する。
【0016】
いくつかの実施形態では、スライド構造は突起構造を含むが、試験素子を受け入れるキャビティは突起を受け入れるノッチ構造を有し、突起構造とノッチ構造が係合することでロック構造の機能を有する。いくつかの実施形態では、ノッチ構造は弾性を有するが、突起構造は弾性がない。ノッチ構造と突起構造は本発明の具体滴な実施形態中のロック構造を組み合わせる。突起構造がノッチ構造に受け入れられる場合、又は突起構造がノッチ構造と噛み合い若しくは係合する場合、スライド素子と試験素子を受け入れるキャビティはロック状態にあり、突起構造はノッチ構造から離脱する場合、アンロック状態にある。いくつかの実施形態では、試験素子を受け入れるキャビティは側壁を含み、ノッチ構造は、キャビティに位置し、且つキャビティの側壁の一部である。いくつかの実施形態では、ノッチ構造の一端は、試験素子を受け入れるキャビティの側壁に接続され、他の3つの辺は試験素子を受け入れるキャビティの側壁に接続されず、それによってノッチ構造は一定の弾性を有する。本明細書で使用される「弾性」は比較概念であり、突起構造に対して、突起構造がノッチ構造に沿ってスライドする場合、突起構造はノッチ構造を押し、それによってノッチ構造は弾性変形が発生し、突起構造がノッチ構造に入る場合、弾性によってスライド素子はキャビティにロックされる。同時に、スライド素子を移動させる必要がある場合、突起構造はノッチ構造から離脱し、スライド素子をアンロック状態にさせる。
【0017】
いくつかの実施形態では、装置は、位置制限構造を更に含み、試験素子を受け入れるキャビティにスライド素子がスライドする距離を一定の距離にさせる。即ち、スライド素子は第1ロック状態から第2位置へ移動する距離は一定である。いくつかの実施形態では、前記位置制限構造は、試験素子を受け入れるキャビティにおけるスライド溝構造である。いくつかの実施形態では、前記スライド溝は、試験素子を受け入れるキャビティに位置し、スライド素子にスライドレールが設置される。スライドレールはスライド溝中にスライドする。いくつかの実施形態では、前記スライド構造は、底面付きのスライドレール、又は底面なしで口を開けてキャビティの側壁を貫通するスライド溝を含む。本明細書で使用される「受け入れる」は、キャビティの機能を表し、キャビティには試験素子を有することを表してあってもよく、キャビティには試験素子がないことを表してあってもよく、キャビティの具体的な用途を表す。
【0018】
いくつかの実施形態では、試験素子を受け入れるキャビティは、側壁から内向きに突起する位置制限構造を含み、該位置制限構造は支持体を唯一の方向にキャビティに挿入させる。試験素子を受け入れる前記キャビティは円柱構造であり、支持体は曲面又は円弧状構造であり、支持体は、試験素子を支持するための第1面と、位置制限構造と接触する第2面とを有する。いくつかの実施形態では、前記円弧状支持体は、試験素子を受け入れる凹溝を有し、支持体は、試験素子を保護する保護構造を更に含み、前記保護構造は、凹溝の側壁に位置する。
【0019】
いくつかの実施形態では、キャビティの側壁はスライド素子の内部を通過する。いくつかの実施形態では、スライド素子は、スライドするためのキャビティと呼ばれるキャビティ構造を含み、スライドするためのキャビティ内部の側壁に第1スライドレール及び第2スライドレールが設置され、前記第1スライドレールは底面付きのスライド溝にスライドするために使用され、第2スライドレールは、試験素子を受け入れるキャビティの側壁を貫通するスライド溝にスライドするために使用される。他のいくつかの実施形態では、前記第2スライドレールは支持体に接続される。このように、スライド素子がスライドする場合、スライドレールを介してキャビティにスライドし、支持体をキャビティに移動させる。いくつかの実施形態では、貫通型口開けを呈するスライド溝によって試験素子を受け入れるキャビティを第1キャビティの側壁と第2キャビティの側壁に分け、試験素子を受け入れる第1キャビティの側壁及び試験素子を受け入れる第2キャビティの側壁はそれぞれ第2スライドレールの両側に分布し、スライド素子のキャビティ内部を通過する。このように、スライド素子は、試験素子を受け入れるキャビティの外側にスライドし、且つ試験素子を受け入れるキャビティ内の支持体がキャビティ中に移動するように動かすことができ、このように、試験素子を受け入れるキャビティは、実際、スライド素子を貫通してスライド素子に対して移動する。いくつかの実施形態では、可動素子は、対称に分布する第1スライドレール及び第3スライドレール、並びに第2スライドレール及び第4スライドレールを含み、第1スライドレール及び第3スライドレールは、底面付きのスライド溝中に移動し、第2スライドレール及び第4スライドレールは受け入れキャビティの口開けスライド溝中に移動する。
【0020】
いくつかの実施形態では、曲面支持体における試験素子は、検出領域と、サンプルと接触するサンプル塗布領域とを含む。いくつかの実施形態では、検出領域はキャビティの一端又はスライド素子に近づき、サンプル塗布領域はキャビティの他端に近づく。いくつかの実施形態では、試験素子を受け入れる前記キャビティの他端は、収容キャビティに適合し、又は収容キャビティ中に挿入される。このように、スライド素子によって支持体が第1位置から第2位置へ移動する場合、支持体の一端は収容キャビティに挿入され又は入り、このように、支持体における試験素子のサンプル塗布領域は収容キャビティ内の液体サンプルなどの液体、又は処理液体と液体サンプルとの混合物、又は流体サンプルと接触し、従って、液体は、試験素子の毛管作用により、サンプル塗布領域から検出領域へ流れ、サンプルには分析対象物質が含まれるかどうかを検出する。
【0021】
いくつかの実施形態では、受け入れキャビティはサンプルを処理する溶液試薬を含む。いくつかの実施形態では、サンプル収集器を受け入れキャビティに入れ、次に支持体の一部を受け入れキャビティに入れる。
【0022】
いくつかの実施形態では、該装置は、収集器が挿入するように受け入れるための受け入れキャビティを更に含み、該受け入れキャビティと試験素子を収容するキャビティは別個である。いくつかの実施形態では、収集器を受け入れるための前記キャビティは、試験素子の一部を受け入れるために使用され得る。いくつかの実施形態では、収集キャビティを受け入れるための前記キャビティは更に試験素子のサンプル塗布領域を受け入れるために使用され得る。いくつかの実施形態では、前記受け入れキャビティは流体サンプルを処理する試薬を含む。いくつかの実施形態では、試験素子は、第2位置にある場合、挿入され若しくは入り、又はすでに受け入れキャビティに位置した。いくつかの実施形態では、前記受け入れキャビティに溶液試薬が事前に密封される。いくつかの実施形態では、前記試験素子のサンプル塗布領域は支持体に位置し、支持体が第2位置にある場合、支持体に位置するサンプル塗布領域は受け入れキャビティに入って流体サンプルと接触する。
【0023】
いくつかの実施形態では、支持体は、第2位置にあった後、第1位置に戻り且つ第1位置に固定することができる。第1位置に戻った場合、試験素子の試験結果を読み取ることができる。又は試験素子若しくは支持体が第2位置にある場合、検出領域の試験結果を読み取る。いくつかの実施形態では、試験素子を受け入れるキャビティは、試験結果を読み取るためのウィンドウを含み、試験素子が第1位置から第2位置へ移動する場合、前記試験領域がウィンドウの下方にある。
【0024】
いくつかの実施形態では、前記サンプルは、唾液、鼻粘液、喉の粘液である。いくつかの実施形態では、前記分析対象物質はウイルス、細菌又は薬物小分子である。
【0025】
他の態様では、本発明は、サンプル中の分析対象物質を検出する方法を提供し、該方法は、
【0026】
試験素子を収容するためのキャビティを提供するステップであって、キャビティに、試験素子はロックした第1位置とロックしない第2位置とを有し、試験素子は第1位置から第2位置に移動することができるステップを含み、
【0027】
ここで、試験素子は、第1位置にある場合、流体サンプルと接触せず、試験素子は、第2位置にある場合、流体サンプルと接触する。
【0028】
いくつかの実施形態では、試験素子を収容する前記キャビティは流体サンプルを収集するための収集器を更に含む。
【0029】
いくつかの実施形態では、収容キャビティを提供し、試験素子を収容するキャビティ構造に結合され又は接合され、それによって収集器を収容キャビティに挿入する。いくつかの実施形態では、収集器は収容キャビティに挿入され、次に試験素子は第1位置から第2位置へ移動し、試験素子の一部は収容キャビティに挿入され若しくは入り、又はサンプル塗布領域は収容キャビティに挿入され又は入る。収容キャビティに入ってサンプルと接触し、分析対象物質の検出又は試験を開始する。
【0030】
いくつかの実施形態では、収集器は収容キャビティに挿入され、収容キャビティ中の処理液体は収集器と接触し、収集器におけるサンプルを溶解し、分解し、溶出し、それによってサンプルは処理液と混合する。
【0031】
いくつかの実施形態では、収集器は収容キャビティに挿入される前、収容キャビティ内に処理液が密封される。いくつかの実施形態では、収集器が収容キャビティに挿入される前、収集器で流体サンプルを収集し、例えば、唾液、汗、尿、痰又は鼻分泌物を収集する。
【0032】
いくつかの実施形態では、試験素子は、第1位置にロックされ、第2位置にロックされず、それにより、試験素子は、第2位置から最初の第1位置へ移動し且つロックされる。
【0033】
いくつかの実施形態では、前記装置はスライド素子を更に含み、スライド素子は試験素子が第1ロック位置から第2位置へ移動するように動かす。いくつかの実施形態では、試験素子は支持体に設置され、スライド素子は支持体が第1位置から第2位置へ移動するように動かす。スライド素子と試験素子を収容するキャビティは第1ロック位置と、第2位置とを有し、スライド素子は試験素子を収容するキャビティにおいて第1ロック位置と第2位置とを有する。いくつかの実施形態では、第2位置はロック位置であってもよく、ロック位置ではなくてもよい。
【0034】
いくつかの実施形態では、スライド素子が第1位置から第2位置へ移動することは一定である。いくつかの実施形態では、前記スライド蘇飛は試験素子を収容するキャビティの外に嵌められ、試験素子又は支持体は試験素子を収容するキャビティに位置する。
【0035】
いくつかの実施形態では、スライド素子は、試験素子を収容するキャビティとロックするロックラッチと、試験素子を収容するキャビティにスライドするスライドレールとを含み、前記ロックラッチとキャビティ又は試験キャビティはロック状態であってもよい。
【発明の効果】
【0036】
上記構造を用い、家庭検出を実現でき、操作しやすく、エラーが発生しにくい、環境汚染及び操作者への傷害を低減する。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】本発明の1つの具体的な実施形態における組み立て構造の斜視図(検出装置と収容装置を組み立てる)である。
【
図2】本発明の1つの具体的な実施形態における試験装置の分解図(検出装置と収容装置が分離する)である。
【
図3】本発明の1つの具体的な実施形態における検出装置の分解斜視図である。
【
図4】本発明の1つの具体的な実施形態における試験素子を収容するための収容キャビティ及び収集器の分解図である。
【
図5】本発明の1つの具体的な実施形態におけるカバーの構造概略図である。
【
図6】1つの具体的な実施形態における支持体を収容するキャビティの斜視図である。
【
図7】1つの具体的な実施形態における支持体を収容するキャビティがAとしてマークされる場合の拡大図である。
【
図8】1つの具体的な実施形態における支持体を収容するキャビティの局所的断面図である。
【
図9】1つの具体的な実施形態における支持体の構造概略図である。
【
図10】1つの具体的な実施形態における支持体の構造概略図である。
【
図11】1つの具体的な実施形態における支持体の構造概略図である。
【
図14】スライド素子と支持体との接続の構造概略図である。
【
図15】スライド素子とキャビティ及び支持体の柱状構造概略図である。
【
図16】1つの実施形態におけるスライド素子が第1ロック位置にある構造概略図である。
【
図17】1つの的な実施形態におけるスライド素子が第2位置にある構造概略図である。
【
図18】他の1つの実施形態におけるカバーの収納キャビティの開口部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、本発明による構造又はそれらが使用する技術的用語を更に説明し、特に明記しない限り、当技術分野で一般的に使用される一般的な用語に従って理解及び解釈する。
【0039】
<検出>
「検出」は、ある物質又は材料の有無について化学検査をし、又はある物質又は材料の有無を試験することを指し、例えば、化学物質、有機化合物、無機化合物、新陳代謝産物、薬物又は薬物代謝物、有機組織又は有機組織の代謝物、核酸、タンパク質又はポリマを含むが、それらに限定されない。また、「検出」は、物質又は材料の量を試験すること指す。更に、「化学検査」は、免疫検出、化学検出、酵素検出などを指す。
【0040】
<サンプル>
本発明の検出装置が検出できるサンプル又は収集器が収集できるサンプル又は試料は、生物学的液体(例えば、症例の液体又は臨床サンプル)を含む。それは、任意の液体サンプル又は流体サンプルであり得、排泄物、生物学的組織、食品サンプルなど、固体又は半固体のサンプルから採取できる。任意の適切な方法で固体又は半固体のサンプルを液体サンプルに変換することができ、それは、例えば、混合、スタンプ粉砕、浸軟、培養、溶解、又は適切な溶液(例えば、リン酸塩溶液又は他の緩衝液)に酵素分解作用で固体サンプルを消化することである。「生物学的サンプル」は、動物、植物及び食品サンプルを含み、例えば、ヒト又は動物の尿、唾液、血液及びその成分、脊髄液、膣分泌物、精子、糞便、汗、分泌物、組織、臓器、腫瘍、組織及び臓器培養物、細胞培養物及び媒体を含む。好ましい生物学的サンプルは尿であり、好ましくは、生物学的サンプルは、唾液、痰、鼻分泌物などである。「食品サンプル」は、食品加工用の物質、完成品、チーズ、酒、牛乳及び飲み水を含む。「植物サンプル」は、任意の植物、植物組織、植物細胞培養物及び媒体を含む。「環境サンプル」は、環境から採取されるもの(例えば、湖や他の水体からの液体サンプル、汚水サンプル、土壌サンプル、地下水、海水及び廃液サンプル)である。「環境サンプル」は、汚水又は他の廃水を含み得る。
【0041】
本発明の適切な検出素子又は試験素子を利用し、任意の分析対象物を検出することができる。好ましくは、本発明を利用して唾液、尿中の薬物小分子を検出する。好ましくは、唾液、喉又は鼻の流体におけるウイルス、細菌などの小分子物質を検出できる。本発明の収集器201を利用し、液体又は液体サンプルが吸収素子によって吸収され得る限り、最初は固体であろうと液体であろうと、上記の任意形態のサンプルを収集ことができ、吸収素子2022は、一般的に収集器に位置する。本明細書で使用される吸収素子2022は一般的に吸水性材料で製造され、最初は乾燥し、吸収素子の材料の毛管又は他の特性により、液体サンプル又は流体サンプルを吸収でき、それによって流体サンプルを吸収素子に保持する。吸収材料は、液体を吸収できる任意の材料、例えば、スポンジ、濾過紙、ポリエステル繊維、ゲル、不織布、綿、ポリエステル薄膜、糸、植毛などであり得る。植毛綿棒を用いる場合、US 8,114,027、US 8,317,728、US 8,979,784、US 9,011,358、US 9,173,779、US 10,327,741、AU2004226798、JP4579902、ZL200610099310.9に記載の植毛綿棒を用いて流体サンプルを本発明の一部として収集することができる。いくつかの実施形態では、該吸収素子2022は乾燥する場合で硬質であり、それは例えば、スポンジであり、湿潤の場合で柔軟になり、柔軟になった後に圧縮され、それによって液体を放出し、当然ながら、疎らなスポンジの場合、例えば、スポンジ綿棒の場合、液体サンプルを吸収でき、これらの液体サンプルの吸収量は非常に少なく、それは、例えば5~100μlであり、例えば、2022年1月19日に出願された米国仮特許出願第63/300,811号に記載のスポンジ綿棒は、収集器の1つの具体的な実施例として本発明に使用され得る。
【0042】
当然ながら、吸収性材料は吸水性を有する材料で製造されなくてもよく、非吸水性材料で製造されてもよいが、吸収素子は孔、ねじ山、穴を有し、これらの構造でサンプルを収集することができ、これらのサンプルは一般的に固体又は半固体サンプルであり、これらのサンプルは、ねじ山の間、穴又は孔に充填され、サンプルを収集する。当然ながら、選択可能では、吸収素子は、いくつかの非吸水性繊維、毛髪で構成され、これらの材料で固体、半固体又は液体サンプルを掻取する場合、これらのサンプルを吸収素子に保持することができる。
【0043】
<下流及び上流>
下流及び上流は液体の流れ方向に応じて分けられ、一般的に、液体又は流体は上流から下流領域まで流れる。下流領域に位置して上流領域からの液体を受け、液体も上流領域に沿って下流領域まで流れることができる。ここで、一般的に、液体の流れ方向に応じて分けられ、例えば、毛管力を利用して液体の流れを促進するいくつかの材料に、液体は重力を克服して重力の反対方向へ流れることができ、この場合、液体の流れ方向に応じて上流及び下流を分ける。例えば、
図10に示すように、本発明によって提供された試験素子18は、サンプル塗布領域183、マーカー領域182、試験領域181及び吸収領域184を有し、サンプル塗布領域183はマーカー領域182の上流に位置し、試験領域181はマーカー領域182の下流に位置し、吸収領域は試験領域の下流に位置し、一般的に、流体が試験素子に沿って流れる方向は上流から下流までである。本発明の具体的な実施形態では、試験装置が垂直になった場合、
図1に示すように、流体サンプルがサンプル塗布領域183と接触する場合、毛管作用力によって液体がサンプルの重力を克服して下から上へ流れ、即ち、上流から下流へ流れ、このように、液体サンプルはマーカー領域182を流れ、次に検出領域181に流れ、最後に吸水領域に流れる。
【0044】
当然ながら、本明細書で使用される上流及び下流は物体の移動軌跡又は方向であり得、液体流動方向ではない。例えば、操作過程において、吸収器が処理試薬を含有するキャビティ14に挿入された後、この場合、該キャビティは試験素子付きのキャビティに結合され、
図1に示すように、該容器中の処理溶液が収集器のサンプリング素子201と接触し、サンプルに対して溶解、分解、溶出などの処理を行い、この場合、キャビティに位置する試験素子は初期位置にある。検出の必要がある場合、サンロックし、試験素子18又は試験素子を支持する支持体16はキャビティにスライドし、第1位置から第2位置へ移動することができ、第2位置にある場合、試験素子は収容キャビティ13の一端から突出し(
図17)、例えば、サンプル塗布領域を有するキャビティから突出し、処理試薬を含有するキャビティ101に入って液体又は液体サンプルの混合物質と接触し、試験又は検出を完了させる。
【0045】
<気体連通又は液体連通>
気体連通又は液体連通は、液体又は気体が1つの場所から他の1つの場所へ流れることができ、流れ過程においてガイド作用を果たす物理的構造を経ることを指す。いわゆる「物理的構造を経る」は、これらの物理的構造の表面、又はこれらの構造の内部空間を経て他の1つの場所に受動又は主動にガイドされることを指し、ここで、受動は、一般的に、毛管作用での流れ、気圧作用などの外力による流れである。本明細書で使用される「流れ」は、液体又は気体が自身の作用(重力又は圧力)であてもよく、受動の流れであってもよく、気圧作用の流体は、順方向の流れであってもよく、逆方向の流れであってもよく、気圧作用で流体が1つの位置から他の1つの位置へ流れるように促すことであってもよい。本明細書で使用される「連通」は、液体及び気体の存在を意味することではなく、場合によっては2つの物体間の接続関係又は状態を示すだけであり、液体が存在する場合、1つの物体から他の1つの物体へ流れることができる。本明細書では、2つの物体の接続状態を指し、逆に、2つの物体の間には気体連通又は液体連通状態がなく、液体が1つの物体中又はその上にある場合、液体は他の1つの物体中又はその上に流れることができず、この状態は非連通、非液体又は気体連通状態である。
【0046】
<取り外し可能な組み合わせ>
取り外し可能な組み合わせは、2つの部材の間の接続関係がいくつかの異なる状態又は位置関係にあることを指し、例えば、2つの物理的な部材である場合、最初は、分けるものであり、適切な第1状況にある場合で共に接続され又は組み合わせされ、適切な第2状況にある場合で、部材を分け、この分けは物理的に空間的に分けて接触しないことである。又は、2つの部材は、最初に組み合わせされ、適切な状況で、2つの部材を物理的に空間的に分けることができる。更に、2つの物体は最初に分けるものであり、必要な場合で共に組み合わせされてある機能を実現し、次に分けられ、その後、ある目的のため、再度組み合わせされる。要するに、両者が共に組み合わせされ又は両者を分けることは容易に行われる場合、この組み合わせ又は分けは繰り返して行うことができ、当然ながら、一回の組み合わせ又は分けであってもよい。なお、2つの部材の間の取り外し可能な組み合わせであってもよく、三者又は三者以上の部材の間の2つずつの組み合わせであってもよい。例えば、第1部材、第2部材及び第3部材を有し、第1部材と第2部材は取り外し可能な組み合わせであり、第2部材と第3部材は取り外し可能な組み合わせであり得、第1部材と第3部材は取り外し可能な組み合わせ又は分けであり得る。更に、組み合わせ方式は、2つの物体自身は取り外し可能であり得、更に物体の間接な組み合わせによって取り外し可能であり得る。本明細書では、吸収素子201は、試験素子18を収容するためのキャビティ13と取り外し可能に組み合わせることができ、このような取り外し可能な組み合わせ直接であってもよく、間接であってもよく、以下、詳細に説明する。試験素子を有する支持体16と試験素子18を収容するキャビティ13も取り外し可能な組み合わせであってもよく、このように、それらを共に組み合わせる場合、検出装置を形成するが、取り外した後、それぞれは異なる機能を有することができる。本発明において、吸収素子201と試験素子を分けた後、吸収素子は、高温、X線、放射線滅菌などの手段で独立して殺菌することができ、試験素子と共に組み合わせる。このように、吸収素子と試験素子は流体連通を形成し、それによって吸収素子から液体は吸収素子から試験素子へ流れることができる。いくつかの実施形態では、吸収素子201は試験素子を収容するキャビティ13に固定して設置され、それは、例えば一端(
図4)であり、この場合、キャビティ13に試験素子が組み立てられず、殺菌した後、試験素子18又は試験素子を有する支持体16をキャビティ13中に挿入し、且つロック構造をキャビティ13に固定する。
【0047】
<試験素子>
いわゆる「試験素子」は、サンプル又は試料には興味のある分析対象物質が含まれるかどうかを検出するための素子を指し、この検出は、免疫学、化学、電気学、光学、分子、核酸、物理学などの任意の技術的原理を基とすることができる。試験素子は、ラテラルフローの検出用試験紙を選択でき、それは数種の分析対象物質を検出できる。もちろん、他の適切な試験素子も本発明で使用することができる。
【0048】
各種の試験素子を組み合わせて本発明で使用することができる。1つの形態は、試験紙又はラテラルフロー用試験紙である。サンプル中の分析対象物(例えば、違法薬物又は病状を示す代謝物)を分析するための検出用試験紙は、免疫測定又は化学分析などの各種の形態であり得る。検出用試験紙は、非競合モード又は競合モードで分析できる。一般的に、検出用試験紙は、サンプル塗布領域を備えた吸水性材料、試薬領域及び試験領域を含む。流体又は液体サンプルをサンプル塗布領域に塗布し、毛管作用で試薬領域に流れ込む。試薬領域において、分析対象物質がある場合、サンプルは試薬に結合する。次に、サンプルは、試験領域に流れ込む。分析対象物に特異的に結合する分子などの他の試薬は、検出領域に固定化される。これらの試薬は、サンプル中の分析対象物(存在する場合)と反応して該領域の分析対象物に結合するか、試薬領域の試薬の1つに結合する。検出シグナルを表示するためのマーカーは、試薬領域又は別のマーカー領域に存在する。
【0049】
典型的な非競合分析モードでは、サンプルには分析対象物が含まれる場合、シグナルを生成し、分析対象物が含まれない場合、シグナルを生成しない。競合モードでは、サンプルには分析対象物が含まれない場合、シグナルを生成し、分析物が含まれる場合、シグナルを生成しない。
【0050】
試験素子は、検出用試験紙であってもよく、吸水性又は非吸水性材料を選択することができる。検出用試験紙は、液体サンプルを輸送するための数種の材料を含み得る。そのうち1種の検出用試験紙の材料は、別の種類の材料に被覆することができ、例えば、濾過紙はニトロセルロースフィルター膜に被覆することができる。検出用試験紙の1つの領域は、1種以上の材料を選択することができ、他の1つの領域は、他の異なる1種以上の材料を選択することができる。検出用試験紙をつまむ強度を向上させるために、検出用試験紙をある支持物又は硬い表面に粘着させることができる。
【0051】
シグナル生成システムによって分析対象物を検出し、例えば、本分析対象物と特異反応が発生する1種以上の酵素、前述するように特異的結合物質を検出用試験紙に固定化する方法を利用し、1種以上のシグナル生成システムの合わせ物を検出用試験紙の分析対象物の検出領域に固定化する。シグナルを生成する物質は、サンプル塗布領域、試薬領域、若しくは検出領域、又は検出用試験紙全体にあることができ、該物質は、検出用試験紙の1種以上の材料に十分に流れ込むことができる。シグナル物質を含有する溶液を試験紙の表面に添加し、又は試験紙の1種以上の材料をシグナル物質を含有する溶液に浸す。シグナル物質を含有する溶液が添加された試験紙を乾燥させる。
【0052】
検出用試験紙の各領域は、サンプル塗布領域、試薬領域、検出領域、制御領域、サンプル不純化の検査領域、液体サンプル吸収領域という順序に応じて並べられる。制御領域は、検出領域の後に位置する。全ての領域は、1種の材料のみを使用する1つの試験紙に配置されてもよい。異なる領域は異なる材料を使用してもよい。各領域は液体サンプルに直接接触することができ、又は異なる領域は液体サンプルの流れ方向に応じて並べられ、各領域の末端と他の1つの領域の前端を接続し且つ重ねる。使用した材料は、濾過紙、ガラス繊維、ニトロセルロースフィルター膜など、吸水性に優れた材料であってもよい。検出用試験紙は他の形態を使用することができる。
【0053】
一般的に、通常の試薬ストリップは、ニトロセルロースフィルター膜の試薬ストリップであり、即ち、検出領域はニトロセルロースフィルター膜(NC)を含み、ニトロセルロースフィルター膜に特異的結合分子を固定化することによって検出結果を示し、また、セルロースアセテート膜又はナイロン膜などであってもよい。例えば、以下の特許出願は試薬ストリップ又は試薬ストリップを備えた装置を説明する。US 4857453、US 5073484、US 5119831、US 5185127、US 5275785、US 5416000、US 5504013、US 5602040、US 5622871、US 5654162、US 5656503、US 5686315、US 5766961、US 5770460、US 5916815、US 5976895、US 6248598、US 6140136、US 6187269、US 6187598、US 6228660、US 6235241、US 6306642、US 6352862、US 6372515、US 6379620及びUS 6403383。以上の特許出願によって開示された試験ストリップ及び試験ストリップを備えた同様の装置は、サンプル中の分析対象物質の検出などの分析対象物質の検出を行うために、いずれも本発明の試験素子に適用できる。
【0054】
本発明が使用した検出用試薬ストリップは、通常のラテラルフロー用試薬ストリップ(Lateral flow test strip)であってもよく、これらの検出用試薬ストリップの具体的な構造及び検出原理は、従来技術の当業者によく知られている。通常の検出用試薬ストリップ18(
図9)は、サンプル採取領域又はサンプル塗布領域183、マーカー領域182、検出領域181及び吸水領域184を含み、サンプル収集領域は、サンプル受取パッドを含み、マーカー領域はマーカーパッドを含み、吸水領域は吸水パッドを含み、ここで、検出領域は、免疫試薬や酵素化学試薬など、分析対象物質が含まれるかどうかを検出するための必要な化学物質を含む。一般的に、通常の検出用試薬ストリップは、ニトロセルロースフィルター膜の試薬ストリップであり、即ち、検出領域181はニトロセルロースフィルター膜と、ニトロセルロースフィルター膜に特異的結合分子を固定化することによって検出結果を示す領域1811とを含み、また、セルロースアセテート膜又はナイロン膜などであってもよく、当然ながら、検出領域の下流は検出結果制御領域1812を更に含み、通常、制御領域及び検出領域に現れた横線は、検出線又は制御線である。このような検出用試薬ストリップは、従来の試薬ストリップであり、当然ながら、毛管作用を利用して検出する別の種類の試薬ストリップであってもよい。また、一般的な検出用試薬ストリップには、固定化された抗体や他の試薬などの乾燥した化学試薬成分を有し、液体があれば、液体は毛管作用で試薬ストリップに沿って流れ、その流れで、乾燥した試薬成分が液体に溶解し、従って、該領域における乾燥した試薬の反応を次の領域で処理し、必要な検出を行う。液体の流れは主に毛管作用で行われる。ここでは、それらはいずれも、本発明の検出装置に適用でき、又は液体サンプルと接触するための検出キャビティに配置され、又は検出キャビティに入った液体サンプル中の分析対象物質の有無又はその量を検出するために使用される。
【0055】
上記の試験ストリップ又はラテラルフロー用試験ストリップ自体を使用して液体サンプルに接触させ、液体サンプルには分析物が含まれるかどうかを試験することを除いて、本発明の試験素子自体は、サンプル中の分析対象物質を検出するための検出装置として使用することができるので、ここでの検出装置自体は、試験素子と同等である。例えば、流体サンプルと処理液を混合した後、試験素子で直接検出する。以下の具体的な説明では、受取装置が流体サンプルを処理する場合、試験素子は検出に独立して使用できる。
【0056】
<分析対象物質>
本発明による分析対象物質の例は、いくつかの小分子物質を含み、これらの小分子は、違法薬物(例えば、薬物乱用)を含む。「薬物乱用(DOA)」は、非医療目的での薬物の使用を指す(通常、神経を麻痺させるように作用する)。これらの薬物の乱用は、身体的及び精神的な損傷、強迫的な使用、依存症、及び/又は死につながる可能性がある。薬物乱用の例は、コカイン、アンフェタミンAMP(例えば、黒美人、白いアンフェタミン錠剤、右旋性アンフェタミン、デキストロアンフェタミン錠剤、Beans)、メタンフェタミンMET(crank、ヒロポン、crystal、speed)、バルビツール酸塩BAR(例えば、Valium、Roche Pharmaceuticals、Nutley、New Jersey)、鎮静薬(睡眠薬として利用される)、リゼルグ酸ジエチルアミド(LSD)、抑制剤(downers、goofballs、barbs、blue devils、yellow jackets、メタカロン)、三環系抗うつ薬(TCA、即ち、イミプラミン、アミトリプチリン、ドクサピン)、3,4-メチレンジオキシメタンフェタミンMDMA、フェンサイクリジン(PCP)、テトラヒドロカンナビノール(THC、pot、dope、hash、weedなど)、アヘン剤(即ち、モルヒネMOP、又はアヘン、コカインCOC、ヘロイン、オキシコドン)、抗不安薬及び鎮静催眠薬を含み、抗不安薬は、主に不安、緊張、恐怖を軽減し、感情を安定させ、催眠及び鎮静効果を果たす薬物で、ベンゾジアゼピンBZO(benzodiazepines)、非定型BZ系薬、融合ジアゼピンNB23C系薬、ベンゾジアゼピン系薬、BZ受容体のリガンド系薬、開環BZ系薬、ジフェニルメタン誘導体、ピペラジンカルボキシレート系薬、ピペリジンカルボキシレート系薬、キナゾリノン系薬、チアジン及びチアゾール誘導体、他のヘテロ環系薬、イミダゾール系の鎮静・鎮痛剤(例えば、オキシコドンOXY、メタドンMTD)、プロピレングリコール誘導体(ウレタン系薬)、脂肪族化合物、アントラセン誘導体を含む。本発明の検出装置は、三環系抗うつ薬(イミプラミン又は類似物)及びアセトアミノフェンなど、医療用途に属するが服用しやすい薬物の過剰摂取の検出にも使用できる。これらの薬物は、人体に吸収された後、代謝されて小分子物質になり、これらの小分子物質は、血液、尿、唾液、汗などの体液に含まれ、又は一部の体液に上記小分子物質が含まれる。
【0057】
例えば、本発明で検出された分析対象物は、クレアチニン、ビリルビン、亜硝酸塩、タンパク質(非特異的)、ホルモン(例えば、ヒト絨毛性ゴナドトロピン、プロゲステロン、卵胞成熟ホルモンなど)、血液、白血球、糖、重金属又は毒素、細菌物質(例えば、特異的細菌に対するタンパク質及び糖質など、大腸菌0157:H7、ブドウ状球菌、サルモネラ菌、クロストリジウム属、カンピロバクター属、L.monocytogenes、ビブリオ属、又はセレウス菌)、及び尿サンプル中のpHや比重などの生理学的特性に関連する物質を含むが、それらに限定されない。他の任意の臨床的尿化学分析は、いずれもラテラルフロー検出手段と本発明の装置との組み合わせによって検出することができる。いくつかの実施形態では、受け入れ装置に収容された処理液は分析対象物質を含まない。
【0058】
<検出装置>
検出装置は、サンプルには分析対象物質が含まれるかどうかを検出するための装置を指す。受け入れ装置は、検出装置の一部を受け入れ又は検出装置を受け入れ装置に挿入し、サンプルの混合又は処理、吸収素子201の溶出及び液体若しくは液体サンプルの処理を行う。受け入れ装置は特に検出装置を受け入れるためのものではなく、それは独立して存在し、独立して流体サンプルを処理する機能を有することができる。検出装置は試験機能を有する試験素子、又は試験素子を有する支持体を含み得、試験素子を収容するキャビティ13などの支持体13の収容素子を更に含み得る。検出装置は、サンプルを収集するための吸収素子201を含み得、又は接続ロッドを有する吸収素子(収集器)を含み得る。サンプルを収集する吸収素子2022を有するものは、収集装置又は収集器と呼ばれ、従って、収集装置は、検出装置を含み得、又は収集器と検出装置は取り外し可能であり、検出の場合、収集装置と検出装置を組み合わせ、従って、検出を完了させ、検出装置は収集装置を含み得る。また、収集装置と検出装置は一体化装置であり得、液体を収集した後、すぐに検出し、試験結果を取得することができる。本明細書で使用される「検出装置」又は試験素子の意味は交換可能である。
【0059】
本明細書で使用される「受け入れ装置」は、説明の便宜のためだけのものであり、具体的な実施形態では、受け入れ装置14は、吸収素子2022のなどの収集器の一部を受け入れ、又は吸収素子を有する検出装置の一部を受け入れる。受け入れ装置は、受け入れ機能のためではない場合、サンプル処理装置、サンプル混合装置と呼ばれ、サンプル処理を行う場合、検出装置を受け入れなくでもよく、吸収素子だけを受け入れることで独立して完了することができる(以下、詳細に説明する)。要するに、本明細書で使用される「受け入れる」は、装置の範囲を限定するものではなく、更に特許法の主張の意味で制限的な役割を果たすこともできず、説明の便宜のための名称に過ぎない。
【0060】
いくつかの具体的な実施形態では、本発明の検出装置は、試験素子を収容するためのキャビティ13を含み、キャビティに、試験素子18は第1位置と第2位置とを有し、試験素子は、第1位置にある場合、キャビティ13上又はキャビティ13中にロックされる。いくつかの実施形態では、前記検出装置はスライド素子11を含み、キャビティ13に、前記スライド素子は、第1位置と第2位置とを有し、第1位置から第2位置へ移動することができる。いくつかの実施形態では、スライド素子は、第1位置にある場合、キャビティ13とロック位置又はロック状態にあり、アンロックの場合又はアンロック後、スライド素子は、第1位置から第2位置へ移動することができる。いくつかの実施形態では、スライド素子11は、試験素子が第1位置から第2位置へ移動するように動かすことができる。
【0061】
いくつかの実施形態では、試験素子を受け入れる前記キャビティの立体構造は
図4、6~8に示され、該キャビティは、試験素子を受け入れ、試験素子の支持体を支持するために使用され、支持体とキャビティは第1位置にロック状態にあり、アンロックの場合、第1位置から第2位置へ移動することができる。いくつかの実施形態では、第2位置にある場合、試験素子の一部は液体サンプルと接触し、従って、検出し始める。いくつかの実施形態では、第1位置にある場合、試験素子はキャビティ中に位置するが、露出せず、第2位置にある場合、試験素子又は試験素子の一部はキャビティから突出し(
図17)、キャビティ13から突出した試験素子の一部は液体サンプルと接触する。いくつかの実施形態では、液体サンプルは、液体サンプルを処理するキャビティ(処理キャビティ14)中に位置し、例えば、
図1に示すように、該処理キャビティ14には液体サンプルが含まれ、試験サンプルを収容するキャビティ13を処理キャビティ14に挿入した後、試験素子又は試験素子を支持する支持体を第1位置のロック状態からアンロックし、第1位置から第2位置へ移動し、試験素子の一部は処理キャビティ14中に伸びて液体サンプルと接触し、液体サンプルの吸着を完了させる。
【0062】
なお、キャビティ13に、試験素子18又は試験素子を支持する支持体16は、2つの状態又は2つの位置状態にある。いくつかの実施形態では、キャビティ13は円柱であり、一端103に口を開け、他端1032にも口を開け、且つ他端は、収集器201と取り外し可能に組み合わせる構造を有し、該構造156は、挿入穴191であってもよく、収集器201の一端2023は、孔191中に挿入することができ、又はねじ山の手段によってキャビティ13に固定され、収集器として組み立てられ、収集器は、棒状体2024及び吸収押し2022を有する。いくつかの実施形態では、試験素子又は支持体、又はスライド素子とキャビティのロック状態は、ロック機構を介してキャビティに固定されることである。該ロック構造は、ロック及びアンロックという2つの状態を有し、ロック状態にある場合、キャビティ13に固定される素子は移動できず又は移動しにくく、アンロックの場合、キャビティに固定される素子は、キャビティに移動又はスライドすることができる。いくつかの実施形態では、キャビティは、試験素子18又は支持体16のロック機能用のロック構造の一部を含み、そのため、試験素子又は支持体は、キャビティ13に対してロックのような固定状態にある。ロック構造の一部は
図6及び7に示され、前記ロック構造の一部は、シート状
構造135を含み、該シート状構造は、キャビティの側壁の一部であり、該シート状構造はノッチ151を有し、ノッチは上下の2つの突起、突起に類似した2つのプラスチックストリップ149及び150の中間に形成されたノッチを含む。外形から見ると、該ノッチの位置とキャビティの外側壁は同じ位置にあり、2つのプラスチックストリップ149、150はキャビティの外側壁から少し突出する。いくつかの実施形態では、前記シート状構造は弾性を有する。ノッチを有する構造は弾性を有し、従って、キャビティの側壁には2つの中空構造147、152を有し、シート状構造は側壁に吊り下げ、大体に側壁と同じ平面に保持し、いくつかの実施形態では、一端のみがキャビティ13の壁に接続され、シート状構造135の他の3つの綿はキャビティに接続されず、中空構造を有する。このように、スライド素子11の突起構造118はシート状構造を経る場合、突起構造はノッチ構造に収容され、嵌合され、噛み合われ、又は咬合され、それによってスライド素子はキャビティ13にロックされる。スライド素子における突起構造はシート状構造と接触し、ノッチ構造に入らない場合、それにつれて移動し、シート状構造がキャビティに向かって少し湾曲して変形するように強制し、突起18がノッチ中に移動する場合、弾性が消え、又は反発し、それによって突起構造がノッチと噛み合い、固定状態を完了させる。いくつかの実施形態では、スライド素子11もキャビティ1120を有し(
図12~13)、キャビティ内壁は突起構造118を有し、突起構造はプラスチックリブと類似してスライド素子の内壁から突出する。いくつかの実施形態では、スライド素子の内壁に凹溝116が開けられ、凹溝は突起構造118を有する。一般的に、突起構造は、スライド素子の横方向に平行であり、キャビティ13における外壁のノッチも横方向であり、このように、スライド素子は上から下へ移動し、スライド素子11とキャビティとのロック状態を実現する。いくつかの実施形態では、凹溝116の深さは、突起構造118の高さであり、即ち、凹溝において、突起構造118のみは凹溝の他の位置に対して最も高い。
【0063】
それは、例えば、
図12~13に示すスライド素子の断面図である。該突起したプラスチックリブ118は、スライド素子の第1スライドレール111及び第3スライドレール114のそば又は付近に位置し、このように、スライドレールがスライドする場合、スライド素子の上から下への経路の一貫性を限定し、また、スライド素子の回転性能を限定し、ほとんど回転できず、上下にスライドするだけであり、このように、回転できない場合、スライド素子の側壁における突起はキャビティ13におけるノッチ素子に適合し、それによってロック作用を果たす。また、第1スライドレール又は/及び第2スライドレールがスライド素子11の内壁から突出する高さはそばの突起構造118より大きい。スライド素子11内の第1スライドレール及び第3スライドレールはキャビティ13の外壁のスライド溝140又は/及び1400と接触し、従って、いくつかの実施形態では、キャビティ13の外部のスライド溝の深さはスライド素子11の内壁のスライドレールの高さより小さく、このように、スライド素子11はキャビティに嵌合される場合、キャビティ13の外壁とスライド素子11の内壁との間には1~3ミリメートルの隙間を有するため、キャビティの外壁は、スライド素子の内壁と大面積で接触せず、このように、スライド素子がキャビティ13の外壁にスライドする場合、実質的にスライドレールがスライド溝でのスライドにより、摩擦力を低減し、スライドしやすい。ここで、キャビティの外面のスライド溝140と可動素子の内部のスライドレール111との高さの差を実現するために、最適な手段は、スライド溝が底面を有するものであり、それによって高さの差を実現し、摩擦力を低減し、それはキャビティの他のスライドレール131、132と実質的に異なり、以下、詳細に説明する。
【0064】
また、キャビティの外面のノッチ151は上下の2つの突起ストリップ149、105の間に形成され、突起ストップはキャビティ13の外面より高い場合、スライド素子11の内面とキャビティ13の外面は一定の幅の隙間を有するため、2つの突起ストリップ149、150は可動素子11の内部面と実質的に接触することではなく、可動素子がキャビティ11の外面に嵌合される抵抗力を低減する。可動素子11がノッチ151の位置までスライドする場合、可動素子11の位置する突起ストリップ118はノッチ151と咬合され、係止される。当然ながら、以上はロック構造の1つの具体的な実施形態に過ぎず、いくつかの実施形態では、キャビティ13の外面のシート状構造135に1つの突起ストリップ149のみが設置され、ノッチ151がなく、他の突起ストリップ150もなく、スライド素子とキャビティとのロックを実現することができる。スライド素子のスライドレール111のそばの凹溝116内の突起ストリップ118は依然として変わらず、スライド素子11がキャビティ13の外面に嵌合される場合、可動素子11の突起ストリップ118がキャビティ13の外面のシート状構造135における突起ストリップ149と接触して可動素子がスライドし続けることを阻止し、可動素子11とキャビティ13とのロック状態も実現する。本明細書で使用される「ロック」の1つの意味は、可動素子11がキャビティ13での位置は一定であることを指す。本明細書では、可動素子11はキャビティ13において下向きに移動して固定位置にあることではない。従って、いくつかの実施形態では、スライド素子は試験素子を収容するキャビティ13のある固定位置にロックされ、本明細書では、第1位置又は第1初期位置と呼ばれる。スライド素子11自身は軽く、いくつかの実施形態では試験素子又は試験素子を支持する支持体を有しても、比較的軽く、ノッチ151及び突起リブ118をシンプルに設計することができ、それと係合できるだけで済む。いくつかの実施形態では、ノッチを有する前記シート状構造は、キャビティにおける底面付きのスライド溝140のそばに位置し、且つキャビティの上端に近い。上記ロック構造の以外、プラグ、挿入孔、係合などの他の可能なロック構造を更に有し、比較的シンプルに設計すると言えば、本発明において詳細に説明したロック構造は最も便利で、実現しやすい。
【0065】
いくつかの実施形態では、対称のスライド溝132、131によって試験素子を収容するためのキャビティを2つの部分103、104に分け、該スライ溝の長さはスライド素子11がキャビティ13でスライドする距離を制限し、また、キャビティ13における底面付きのスライド溝140もスライド素子のスライド距離を制限する。例えば、
図8に示すように、側壁を貫通するスライド溝132、131の他の作用は、スライド素子11のスライドレール112、115のスライド軌跡及び距離をガイドし、他の1つの重要な作用は、支持体素子16を有すると、スライド素子11は支持体素子16が一緒に移動するように動かす場合、キャビティにおける支持体素子の状態をはっきりして識別することができ、同時に、スライド素子が第1位置にある場合、支持体の一部がキャビティ13にあり、且つスライド溝132、131の隙間を一杯にし、それが依然として一体化構造のように見えることである。いくつかの実施形態では、支持体とスライド素子は固定して接続され、以下、具体的な接続手段を詳細に説明する。従って、可動素子11に更に設置されるスライドレール112、115の1つの作用は、キャビティにスライドすることができ、他の1つの重要な作用は、支持体と可動素子を一緒に接続することであり、可動素子11は、スライドする場合、支持体16が第1位置から第2位置へ移動するように動かす。また、キャビティ13に開けられた、側壁を貫通する2つのスライドレール131、132も支持体と接触を低減し、キャビティ13の内壁と支持体との摩擦力を低減し、それにより、支持体16が容易にキャビティ内に自由にスライド又は自由に移動して摩擦力の抵抗を低減し、それは、キャビティ13の側壁を貫通するスライド溝131、132の他の利点又は作用を表す。キャビティ13の内径を大きくさせるが、試験素子がコンパクトで、操作しやすいために、支持体16の横方向のサイズとキャビティ13のサイズは基本的に最も優れた適応性を保持することができる。試験素子のサイズが非常に大きい場合、操作が不便である。コンパクトのように設計するために、摩擦力などのコンパクト構造の難問を解決しなければならず、ロック機構の必要があり、内部に移動する必要がある場合、スムーズに移動して抵抗力を低減することを期待し、従って、上記設計は、これらの機能的問題を解決することができる。
【0066】
<支持体素子>
いくつかの実施形態では、試験素子はいくつかの支持体素子に設置されてもよく、このような支持体素子は試験素子を含み、流体サンプル中の分析対象物質の検出及び化学検査を完了させる。従って、いくつかの実施形態では、検出装置は、支持体16を含み、支持体に試験素子18が設置される。いくつかの実施形態では、支持体は、試験素子を収容するためのキャビティ13中に位置し、キャビティに、支持体は、第1ロック位置と第2位置とを有し、第2位置はロック状態ではない。
図9~11に示すように、例えば、いくつかの支持体16において、一般的に、支持体は1つ以上の凹溝1617を有し、試験素子18は凹溝161中に位置し、支持体は、一般的に、正面と裏面164とを有し、試験素子18は、支持体の正面に位置し、又は正面の凹溝161中に位置する。凹溝の数を限定せず、一般的に、1つの試験素子は1つの凹溝中に位置し、通常、1つの試験素子はサンプル中の1つの分析対象物質を検出することができ、当然ながら、1つの試験素子は同時に1つ以上、又は1種以上の分析対象物質を検出することができる。
【0067】
いくつかの実施形態では、支持体16は2つの部分を含み、そのうちの1つは溝構造161であり、該溝構造は試験素子を収容するために使用され、一般的に、溝構造は、試験素子の検出領域又はマーカー領域を収容するために使用され、このような設計を用い、試験結果の正確さ及び信頼性を確保でき、支持体は、スライド素子11に接続された領域を更に含み、該領域の構造はスライド素子に固定して適合するように設計される。いくつかの実施形態では、試験素子を収容するためのキャビティは円形である場合、支持体自身も曲面の設計であり、従って、支持体において試験素子を収容する溝も曲面に分布する。具体的には、全体として、支持体は、規則的な曲面であり、曲面の中間にはスパイン(背骨構造)1691を有し、それは支持体を2つの部分に分け、スパイン1691で分けられた2つの領域において、各領域に試薬ストリップを収容する凹溝が設置され、試験素子は該凹溝161中に位置する。スパインに横方向に延在する領域1612、1611が設置され、スパインにおいて、該延在領域は凹溝の上に分布し、このように、試験素子18が凹溝中に設置され、該延在する領域は試験ストリップが悪くないように保護する。主に、支持体がキャビティ13において変位し、移動過程において試験素子が悪くないことを確保する必要があり、同時に溝における試験素子の位置が変わらないことを確保し、固定して移動しない必要がある。そうでなければ、試験素子自身の変位は、試験の最終結果の正確さに影響を与える。例えば、家で操作する場合、操作者自身は、十分な専門知識を持たず、操作のランダム性が比較的大きいため、各部材が変位しないことを確保する必要があり、同時に操作の利便さを確保する必要もある。
【0068】
また、凹溝中の試験素子が変位せず、凹溝から外れるようにさせるために、支持体の末端にストッパ1692(
図9)が設置され、該ストッパは、試験素子の末端と接触する(図示せず)平面1561(
図10)を有するため、試験ストリップが凹溝から外れることを防止する。その後の移動過程において、支持体は、キャビティ13内部から突出し、突出した部分を液体に浸漬し、それによって試験素子が凹溝から外れないことを保証する。同時に、支持体の末端には試験ストリップの末端の半分を包むリング1698を有し、その主な作用は、試験ストリップの末端を保護することである。支持体16は、試験ストリップ18がキャビティの一端から突出するように動かす場合、突出した部分は収容キャビティ14のキャビティ104中に挿入されて液体サンプルと接触し、この場合、収集器は収容キャビティのキャビティ104中に位置し、それによって試験素子が悪くないように終始に試験ストリップの末端を保護する。他のいくつかの実施例において、凹溝に孔1693、1694、1695が開けられ、それらは凹溝の異なる位置に分布する。なお、そのうち1つの孔は、ストッパ1692の平面1561に設置され、平面と連通する。試験素子の末端がストッパの表面1561と接触する場合、領域の一部は孔1695を貫通して試験素子の一部が露出し、特に試験素子の一部のサンプル塗布領域が露出する。このように、支持体がキャビティ13から突出し且つ収集装置のキャビティ中に入る場合、収集装置のキャビティ中の液体サンプルと接触し、サンプルは孔1695を貫通して試験素子のサンプル領域と接触する。他の1つの孔1694が凹溝の中間位置に設置されるのは、液体サンプルが試験素子の裏面と凹溝の底面との間に形成された毛管のような隙間を貫通して試験ストップを事前に湿らし、正常の反応に影響を与えることを防止するからであり、該孔は遮断作用を果たす。通常、試験ストリップ自身の毛管力によって液体の流れ速度が毛管のような隙間の液体の流れ速度よりはるか低く、このように、検出領域などの試験素子の他の領域を事前に湿らし、このように、分析対象物質を有する液体サンプルが検出領域に流れる場合、試験が完了しないのは、事前に達した液体が試験領域を湿らし、該領域の毛管作用が消え、液体サンプルの流れに影響を与えるからである。
【0069】
いくつかの実施形態では、支持体の他端、即ち試験素子の吸水領域184に近い一端に可動素子11に固定される構造が設置される。該構造を介して可動素子に固定され、このように、可動素子は移動し、支持体が移動するように動かし、支持体は、試験素子が移動するように動かし、同時に試験素子が悪くないように保護する。いくつかの実施形態では、スライド素子11は、中空構造であり、内部空間1120を有し、中空の内部側壁には第2スライドレール112と第4スライドレール115とを有し、該スライドレールの1つの作用は、キャビティ11のスライド溝132、131中に設置され、支持体がキャビティ中にスライドするように動かすことであり、他の1つの作用は、支持体とスライド素子を共に固定することである。第2スライドレール112及び第4スライドレール115は対称に分布し、中空の側壁から中心位置へ突出するシート状構造は、一定の厚さ(
図10)を有し、支持体16に吊り下げ構造が設置される。それは吊り下げ構造を介して可動素子のスライドレールに接続される。具体的には、該吊り下げ構造は、交差して分布する3つのストリップ状構造167、166、1671(
図11、9)を含み、ここで、第1ストリップ状物166と第2ストリップ状物167は支持体の末端に分布し、両者の間は隙間800又は所定の距離を有し、該隙間の幅はスライド素子の第4スライドレール115と一致し、それによって第4スライドレール115を隙間中に挿入することができる。第3ストリップ状物1671は、第1ストリップ状物及び第2ストリップ状物の下に位置し、L字形を呈し、平面を有する。組み立てる場合、支持体の吊り下げ構造は、スライド素子の内部空間から上向きに移動し、第4スライドレール115を隙間800を介して吊り下げ構造中に挿入し、第3ストリップ状物1671は、L字形を呈するため、隙間800中の第2スライドレールの挿入の深さを限定する。同様に、類似する吊り下げ構造はそれぞれ支持体の両側に設置され、具体的には、該吊り下げ構造は、交差して分布する3つのストリップ状構造162、1600、1621(
図11、9)を含み、ここで、第1ストリップ状物162と第2ストリップ状物1600は支持体の末端に分布し、両者の間は隙間900を有し、該隙間の幅はスライド素子の第2スライドレール112と一致する。第3ストリップ状物1621は、第1ストリップ状物及び第2ストリップ状物の下に位置し、L字形を呈し、第3ストリップ状物は平面1606を有するため、第2スライドレール112の挿入の深さを限定する。組み立てる場合、支持体の吊り下げ構造は、スライド素子の内部空間から上向きに移動し、第2スライドレール112を隙間900を介して吊り下げ構造中に挿入し、第3ストリップ状物1671は、L字形を呈するため、隙間900中の第2スライドレールの挿入の深さを限定する。スライド素子と支持体を組み立てた後の構造は
図15に示され、この場合、支持体のスパイン構造1691は基本的に第3スライドレール111に面し、曲面の凹んだ面164は第3スライドレールが面する第1スライドレール114に面する。この場合、第3スライドレール111とスパイン機構1691との間には一定の距離を更に有し(
図14において、湾曲した両方向矢印202に示される)、曲面支持体の凹んだ面164と第1スライドレール114との間には所定の距離を有する(
図14において、湾曲した両方向矢印201に示される)。支持体は、中空のスライド素子11の中心位置に類似して吊り下げ、スライド素子のスライドレールのみを介して、第2スライドレール及び第4スライドレールはスライド素子に接続され、他のものは中空のスライド素子の内壁と接触しない。これらの距離は以下のように設定され、キャビティ13の側壁はこれらの所定の距離を経てスライド素子に嵌合される場合、可動素子11は支持体素子がキャビティ13中に移動するように動かすことができる。キャリと可動素子11はスライドレール112、115を介して接続されるため、キャビティ13においてスライドレール115及び112のスライド溝が貫通の形態(131、132)であり、キャビティにおける他のスライド溝140のように設計することができず、そうでなければ、支持体がキャビティ13中に移動するように動かすことができない。この場合、スライド素子はキャビティ13の外壁の外面に設置され、2つの異なる形態のスライドレールを介してキャビティ13における異なる形態のスライド溝に適合して移動し、支持体は、スライド素子11に接続されるようにキャビティ13中に設置され、外部によって可動素子11が移動するように動かし、それによって支持体がキャビティ13内部に移動する。なお、上記具体的な実施形態では、可動素子に2対のスライドレールが設置され、理解すべきものとして、任意の1対のスライドレールがない場合、可動素子11は、試験素子18又は支持体素子16がキャビティ13中にロックした第1位置から第2位置へ移動するように動かすことを実現する。
【0070】
支持体素子を有するスライド素子はキャビティ13に組み立てられる場合、例えば、
図15に示すように、キャビティ13は口開けのスライド溝132、131を有し、スライド溝によってキャビティを2つの部分103、104に分け、同時にキャビティの一部に位置制限構造を設置し、該位置制限構造によって支持体がキャビティ13中に入る場合で唯一の方向だけから入る。具体的には、位置制限構造は対称に設置された2つの翼のようなシート状構造138、137と類似する。縁1381、1371において、2つのシート状構造は接近し、全体として「八」字形のように設置され、キャビティ13の内壁からキャビティの中心位置へ延在する。該製品を組み立てる必要がある場合、支持体を有する可動素子はキャビティ13の一端から挿入され、挿入方向は支持体の凹んだ曲面が位置制限構造137、137と接触し且つ位置制限構造の縁1371、1381と接触してキャビティ13中にスライドして入るものである。本明細書では、位置制限構造の機能は、支持体の入り方向を限定し、支持体の凹んだ曲面は位置制限構造の縁のみでキャビティ13中に入り、また、位置制限構造の縁と凹面の表面との接触により、支持体が移動するようにガイドする作用を果たす。この場合、第2スライドレール112及び第4スライドレール115はそれぞれキャビティのスライド溝131、132中に入り、翼のようなシート状構造138、137の縁1371、1381は曲面の凹面と接触し、キャビティ13の側壁131の一部は曲面の凹面164とスライド素子11のキャビティの側壁との間を貫通し、キャビティ13の側壁104はスライド素子の第3スライドレール111と曲面の支持体のスパイン構造1691との間の隙間を貫通する。このように、スライド素子に位置する第3スライドレール111及び第1スライドレール114は、キャビティ11の外壁の表面に位置するスライド溝140及び1400に適合する。可動素子11がキャビティ13の外面に移動する場合、可動素子11のスライドレールとキャビティ13のスライド溝、及び位置制限構造の縁により、キャビティ13中の支持体のスライド位置は縦方向に一致し、且つその方向と経路が安定して外れず、偏移しない。このように、支持体を収容するキャビティ13の一部の側壁103は支持体16の凹面164とスライド素子の側壁との間に位置し(両方向矢印に示される)、支持体を収容するキャビティ13の他の一部の側壁104は支持体16のスパイン構造1691とスライド素子の他の一部の側壁との間に位置する。
【0071】
例えば、
図15は、スライド素子がキャビティ11の一端に取り付けられ、ロック位置にある場合の斜視図である。
図15から分かるように、曲面の凹面164は翼のようなシート状構造138、137の縁と接触せず、方向を変更する場合、曲面支持体のスパイン構造1691は翼のような構造に面し、支持体16はキャビティ13中に正確に入ることができない。それは、組み立てやすく、エラーがないためである。このように、よりコンパクトな構造になり、同時にキャビティ13における支持体の移動を干渉又は阻止しない。
【0072】
組み立てる場合、第1スライドレールのそばに位置する突起構造はキャビティにおけるノッチ構造に適合し、スライド素子をキャビティ13にロックし、この場合、支持体及び支持体における試験素子をキャビティにおける比較的固定する位置に間接的ロックする。更に、この場合、支持体全体及び支持体における試験ストリップはキャビティ13に囲まれ、検出装置の外は露出した収集器のみがあり、このように、操作者がそのような構造を見ると、当然、収集器でサンプルを収集すべきであると考える。サンプルを収集した後、収集器を収容装置14のキャビティ中に挿入し、この場合、収容装置をテーブルに垂直に置き、収容装置の口開けの内壁はキャビティ13の他端の外縁109に適合し、外縁109を収容キャビティの開口部に挿入し、該開口部を密封し、操作中、サンプルの漏れを回避する。例えば、収集器の収集素子2022で唾液、尿、痰又は鼻分泌物を吸収する場合、収集が完了し、次にそれを収容装置14中に挿入し、この場合、外縁109の開口部を密封し、この場合、可動素子はロックした第1位置にあり、試験素子18又は支持体はキャビティ13中にある。試験する必要がある場合、可動素子はアンロック状態にあり、アンロック後、ロックした第1位置から第2位置へ移動し、この移動は、可動素子のスライドレールとキャビティ13におけるスライド溝を介して移動することであり、それによって支持体が移動するように動かし、支持体の一部がキャビティ13から突出し、突出した部分が収容装置14のキャビティ中に入り、このように、試験素子のサンプル塗布領域の一部は液体サンプルと接触し、液体サンプルは、試験素子の吸水材料の毛管作用により、試験素子の上流から下流のマーカー領域、検出領域まで流れ、それによってサンプル中の分析対象物質の検出又は化学検査を完了させる。この場合、変位のため、試験素子の検出領域はキャビティ13における試験結果を読み取るウィンドウ143の下に位置し、このように試験領域における試験結果を読み取ることができる。試験結果の読み取りが完了した後、検出装置全体を捨てることができる。収容装置14は、収集器及び支持体の一部を収容する収容キャビティ141を含み、また、収容装置がテーブルに垂直に置かれるように2つの支持壁143、142を有する。
【0073】
<カバー構造>
図5及び
図18に示すように、いくつかの実施形態では、本発明の検出装置は、カバー素子12を更に含み、該カバー素子はキャビティ13の一端に適合し、該一端の開口部は可動素子11が嵌め込むために使用されるものである。該カバーは、カバー本体124とカバー延在部125とを含み、カバーは対称に設置されたスライドレールを有し、該スライドレールはキャビティのスライド溝131、132に適合し、キャビティ13のキャビティ内に位置する。このように、カバーをキャビティ13の開口部のある一端に安定して挿入することができる。このように、キャビティ13の開口部のある一端は、密閉状態にある。カバーのスライドレールは、中空管路キャビティ121及び両側に分布する翼のような弾性押圧シート122、123を有する。カバーをキャビティ13の開口部に挿入する場合、弾性押圧シートはキャビティ13の内壁と接触し、それによってカバーは容易に外れることではない。カバーをキャビティ13にしっかりして固定するために、キャビティ13の開口部のある一端に1つ以上の吊り下げ構造が設置され、吊り下げ構造はフックのような構造であり、
図7に示すように、吊り下げ構造133は、フック本体154とフックのハンドル153とを含み、このような構造は一対として設計され得、それは例えば、
図7の133、134の構造であり、これらの構造もキャビティの側壁の一部であり、カバーは、吊り下げ用フックに適合するフック構造、
図19に示されたカバーの縁108の一部及びプラットフォーム構造128を有し、カバー12をキャビティ13にする場合、内部のスライドレールをスライド溝の内部に挿入するが、キャビティ13の外面の吊り下げ用フックはカバーの対応する構造に適合し、それによってカバーをキャビティ13の開口部のある一端にしっかりして固定する。
【0074】
以下の具体的な解決手段も本発明の一部である。
1.験素子を受け入れるキャビティを含む、サンプル中の分析対象物質を検出する装置であって、前記キャビティ内に、試験素子は第1位置と第2位置とを有し、試験素子は、第1位置にある場合、流体サンプルと接触せず、試験素子は、第2位置にある場合、流体サンプルと接触する、装置。
【0075】
2.前記キャビティに更に流体サンプル収集器が接続され、該収集器はキャビティの一端に設置される、上記1に記載の装置。
【0076】
3.前記試験素子が第11位置にある場合、前記試験素子と前記キャビティはロック状態にある、上記1~2のいずれか一項に記載の装置。
【0077】
4.前記試験素子が第2位置にある場合、試験素子の一部はキャビティから突出する、上記1~3のいずれか一項に記載の装置。
【0078】
5.前記キャビティは、試験素子を支持するための支持体を更に含み、キャビティにおいて、前記支持体は第11位置と第2位置とを有し、支持体は、試験素子が第1位置と第2位置との間に変位若しくは移動するように動かし、又は、支持体は、前記試験素子が第1位置から第2位置へ移動するように動かす、上記1~4のいずれか一項に記載の装置。
【0079】
6.前記支持体は、ロック構造を介してキャビティに接続され、支持体は、ロックした第1位置にある場合、キャビティに対して移動することではなく、又は、ロック構造がアンロックする場合、支持体は、キャビティに対して第1位置から第2位置へ移動することができる、上記1~5のいずれか一項に記載の装置。
【0080】
7.支持体が第1位置にある場合、支持体全体はキャビティ中にあり、支持体が第2位置にある場合、支持体の一部はキャビティから突出して液体サンプルと接触する、上記1~6のいずれか一項に記載の装置。
【0081】
8.前記装置は、可動素子を更に含み、前記可動素子は支持体に接続され、前記可動素子は、支持体が第1位置から第2位置へ移動するように動かすことができる、上記1~7のいずれか一項に記載の装置。
【0082】
9.前記可動素子は、第1スライドレールと第2スライドレールとを含み、前記支持体は前記第2スライドレールに固定して接続される、上記1~8のいずれか一項に記載の装置。
【0083】
10.前記キャビティは、可動素子の第1スライドレールに適合する第1スライド溝と、可動素子の第2スライドレールに適合する第2スライド溝とを含み、前記第2スライド溝はキャビティの側壁を貫通し、第1スライド溝はキャビティの外面に位置する、上記1~9のいずれか一項に記載の装置。
【0084】
11.前記可動素子は、ロック構造の一部を含み、キャビティは、ロック構造の他の部分を含み、前記可動素子は、ロック構造を介してキャビティに固定される、上記1~10のいずれか一項に記載の装置。
【0085】
12.前記支持体は、吊り下げ構造を含み、前記支持体は、前記吊り下げ構造を介して第2スライドレールに固定して接続される、上記1~11のいずれか一項に記載の装置。
【0086】
13.前記ロック構造は、突起構造とノッチ構造とを含み、前記可動素子は前記突起構造を含み、前記キャビティ外壁はノッチ構造を含む、上記1~12のいずれか一項に記載の装置。
【0087】
14.前記ノッチ構造は、キャビティの側壁のシート状構造に位置し、前記シート状構造はキャビティの側壁の一部であり、また、前記シート状構造は弾性を有する、上記1~13のいずれか一項に記載の装置。
【0088】
15.前記可動素子は、キャビティの外面に嵌合され、前記支持体及び第2スライドレールは、試験素子を受け入れる前記キャビティ内に位置し、前記第1スライドレールは、キャビティの外面に位置し、且つキャビティの表面の第1スライド溝に適合する、上記1~14のいずれか一項に記載の装置。
【0089】
16.前記キャビティは位置制限構造を含み、前記位置制限構造は縁を含み、前記支持体は曲面構造であり、前記支持体の凹面は位置制限構造の縁と接触し、ここで、前記支持体はスパイン構造を含む、上記1~15のいずれか一項に記載の装置。
【0090】
17.試験素子を受け入れる前記キャビティは、第1キャビティ側壁と、第2キャビティ側壁とを含み、ここで、前記第1キャビティ側壁は、支持体の凹面に面し、第2キャビティ側壁はスパイン構造に面する、上記1~16のいずれか一項に記載の装置。
【0091】
18.前記装置は、収容装置を更に含み、前記収容装置は、前記収集器及び試験素子の一部を収容するために使用される、上記1~17のいずれか一項に記載の装置。
【0092】
19.前記試験素子の一部は、サンプル塗布領域の一部を含む、上記1~18のいずれか一項に記載の装置。
【0093】
20.前記サンプルは、唾液、痰、尿、鼻分泌物のうちの1種であり、前記分析対象物質は、コロナウイルスを含む、上記1~19のいずれか一項に記載の装置。
【0094】
21.サンプル中の分析対象物質を検出する方法であって、検出装置を提供するステップであって、該装置は、試験素子を収容する支持体を含み、前記支持体はキャビティ中に位置し、前記支持体はキャビティにおける可動素子に固定して接続されるステップと、可動素子にキャビティにおいてロックした第1位置と第2位置とを有させるステップとを含む、方法。
【0095】
22.可動素子は、ロック構造を介してキャビティに固定される、上記21に記載の方法。
【0096】
23.可動素子は、第1位置にアンロックした後、第1位置から第2位置へ移動し、それによって支持体が第1位置から第2位置へ移動するように動かす、上記21に記載の方法。
【0097】
24.可動素子が第1位置にある場合、支持体が露出しないようにキャビティ中に位置し、可動素子が第2位置にある場合、支持体がキャビティから露出して液体サンプルと接触する、上記21に記載の方法。
【0098】
25.収容装置を提供し、前記収容装置は、収集器を収容するために使用され、ここで、収集器を収容装置に挿入し、次に可動素子は、第1位置から第2位置へ移動する、上記24に記載の方法。
【0099】
26.前記収集器は検出装置に設置され、前記収集器は収容装置に挿入されると同時に、検出装置の一部は収容キャビティ中に入り且つ収容キャビティを収容する、上記24に記載の方法。
【0100】
27.可動素子、スライド溝とスライドレールとの協働により、第1位置から第2位置へ移動する、上記23に記載の方法。
【0101】
28.可動素子のキャビティ内にスライドレールが設置され、支持体を収容するキャビティの外壁にスライド溝が設置される、上記27に記載の方法。
【0102】
29.前記ロック構造は、可動素子に位置する突起と、キャビティにおいて突起を受け入れるためのノッチ構造とを含む、上記22に記載の方法。
【0103】
30.可動素子がロック位置にある場合、前記突起構造はノッチ構造に位置し、可動素子がアンロック状態にある場合、前記突起構造はノッチ構造から外れる、上記29に記載の方法。
【0104】
本発明の明細書に記載の全ての特許出願及び出版物はいずれも、これらが本技術分野に開示の技術であり、本発明が使用できることを示す。各出版物が具体的に独立して参照して引用されると同様に、本明細書に引用された全ての特許出願及び出版物は同様に参考文献に挙げられる。ここで説明する本発明は、1つ以上の要素、1つ以上の制限がない場合に実現でき、この制限はここでは具体的には説明されない。例えば、本明細書の各実施例の用語「含む」、「実質的に……で構成される」及び「……で構成される」のそれぞれは、それらの3つのうち残りの2つの用語に置き換えることができる。本明細書において、いわゆる「1つ」は、「1」を意味するだけであるが、1つしか含まないことは除外されず、2つ以上を含むことも示すことができる。本明細書で使用される用語及び表現は、説明を目的としたものであり、限定するものではなく、また、本明細書で説明されるこれらの用語と解釈が同等の特徴を除外することを示す意図もなく、しかし、本発明及び特許請求の範囲内で、任意の適切な変更又は修正を行うことができることが分かっている。なお、本発明によって説明された実施例は、好ましい実施例及び特徴であるため、当業者は、本発明の説明の本質に従って、いくつかの修正及び変更を行うことができ、また、それらの修正及び変更はまた、本発明の範囲内であり、独立請求項及び従属請求項によって限定されると見なされる。