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特許7534371クレーン上のブームの角度についての光学的な検出及び分析
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-05
(45)【発行日】2024-08-14
(54)【発明の名称】クレーン上のブームの角度についての光学的な検出及び分析
(51)【国際特許分類】
   B66C 23/94 20060101AFI20240806BHJP
   B66C 23/90 20060101ALI20240806BHJP
【FI】
B66C23/94 D
B66C23/90 D
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2022177846
(22)【出願日】2022-11-07
(62)【分割の表示】P 2017224769の分割
【原出願日】2017-11-22
(65)【公開番号】P2023011875
(43)【公開日】2023-01-24
【審査請求日】2022-12-05
(31)【優先権主張番号】62/425,449
(32)【優先日】2016-11-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510051082
【氏名又は名称】マニタウォック クレイン カンパニーズ, エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】MANITOWOC CRANE COMPANIES, LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100175983
【弁理士】
【氏名又は名称】海老 裕介
(72)【発明者】
【氏名】ルディ, ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ソアーセン, マシュー
【審査官】須山 直紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-056665(JP,A)
【文献】特開2014-181092(JP,A)
【文献】特開2016-003520(JP,A)
【文献】特開平01-310888(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0044149(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66C 23/94
B66C 23/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下部走行体と、
前記下部走行体に連結されていて、ブーム及びカウンターウェイト組立体を有する上部構造体と、
前記ブーム上に取り付けられて前記下部走行体と前記上部構造体の画像をキャプチャーするように配置されている1つ又はそれ以上の画像キャプチャーデバイスを備える画像キャプチャー組立体、及び光学制御システムを有する、光学検出システムと、を備え、
前記光学制御システムは、
前記キャプチャーされたキャプチャー画像内で、前記下部走行体及び前記上部構造体を検出し、
前記キャプチャー画像内の検出された下部走行体及び上部構造体を分析し、
前記キャプチャー画像内の前記検出された下部走行体及び上部構造体の前記分析に基づいて前記ブームの位置を判定するように構成され、前記判定された位置は前記ブームの起上角度及び旋回角度を含んでおり
前記光学制御システムは、前記カウンターウェイト組立体上に配置されたマーカーを前記キャプチャー画像内で検出することによって前記上部構造体を検出するようにされた、クレーン。
【請求項2】
前記1つ又はそれ以上の画像キャプチャーデバイスはカメラを含んでいる、請求項1に記載のクレーン。
【請求項3】
前記光学制御システムの分析は、前記キャプチャー画像内の前記検出された下部走行体又は上部構造体を記憶画像内の既知の下部走行体又は上部構造体と比較することを含んでいる、請求項1に記載のクレーン。
【請求項4】
前記光学制御システムは、前記比較に基づいて、前記既知の下部走行体又は上部構造体に関連付けられている追加情報を取り出し、前記判定された位置は前記追加情報に基づいている、請求項3に記載のクレーン。
【請求項5】
前記追加情報は、前記既知の下部走行体又は上部構造体に対応するブームの旋回角度とブームの起上角度のうちの1つ又はそれ以上を含んでいる、請求項4に記載のクレーン。
【請求項6】
前記比較は、前記キャプチャー画像内の前記検出された下部走行体又は上部構造体の、検出された形状、外形、サイズ、固有寸法、又は配置向きのうちの1つ又はそれ以上に基づいている、請求項3に記載のクレーン。
【請求項7】
前記光学制御システムの分析は、前記キャプチャー画像内の前記検出された下部走行体又は上部構造体を前記クレーンの幾何学的に正確なモデルと比較することを含んでいる、請求項1に記載のクレーン。
【請求項8】
前記光学制御システムの分析は、アルゴリズムを実行して前記ブームの起上角度と前記ブームの旋回角度のうちの1つ又はそれ以上を計算することを含んでいる、請求項1に記載のクレーン。
【請求項9】
ブームへ動作可能に連結されていて、前記判定された位置に基づいて1つ又はそれ以上のクレーン動作を制御又は阻止するように構成されているクレーン制御システムを更に備えている、請求項1に記載のクレーン。
【請求項10】
下部走行体と、前記下部走行体上に取り付けられていてブーム及びカウンターウェイト組立体を有している上部構造体と、を有するクレーンのための光学検出システムであって、
前記ブーム上に取り付けられて、前記下部走行体及び前記上部構造体の画像をキャプチャーするように構成されている1つ又はそれ以上の画像キャプチャーデバイスを備える画像キャプチャー組立体と、
光学制御システムであって、
前記キャプチャーされたキャプチャー画像内で、前記下部走行体及び前記上部構造体を検出し、
前記キャプチャー画像内の検出された下部走行体及び上部構造体を分析し、
前記キャプチャー画像内の前記検出された下部走行体及び上部構造体の前記分析に基づいて前記ブームの位置を判定するように構成され、前記判定された位置は前記ブームの起上角度と旋回角度を含んでいる、光学制御システムと、
を備えており
前記光学制御システムは、前記カウンターウェイト組立体上に配置されたマーカーを前記キャプチャー画像内で検出することによって前記上部構造体を検出するようにされた、光学検出システム。
【請求項11】
前記光学制御システムの分析は、前記キャプチャー画像内の前記検出された下部走行体又は上部構造体を記憶画像内の既知の下部走行体又は上部構造体と比較することを含んでいる、請求項10に記載の光学検出システム。
【請求項12】
前記光学制御システムの分析は、前記キャプチャー画像内の前記検出された下部走行体又は上部構造体を前記クレーンの幾何学的に正確なモデルと比較することを含んでいる、請求項10に記載の光学検出システム。
【請求項13】
前記光学制御システムの分析は、アルゴリズムを実行して前記ブームの起上角度と前記ブームの旋回角度のうちの1つ又はそれ以上を計算することを含んでいる、請求項10に記載の光学検出システム。
【請求項14】
クレーン上のブームのステータスを判定する方法であって、
クレーン下部走行体、並びに前記クレーン下部走行体上に回転可能に取り付けられてブーム及びカウンターウェイト組立体を備えるクレーン上部構造体の画像を、前記ブーム上に配置されている画像キャプチャー組立体を用いてキャプチャーする段階と、
光学制御システムを用いて、前記キャプチャーされたキャプチャー画像内で前記クレーン下部走行体及び前記クレーン上部構造体を検出する段階と、
前記光学制御システムを用いて、前記キャプチャー画像内の前記検出されたクレーン下部走行他とクレーン上部構造体を分析する段階と、
前記光学制御システムを用いて、前記キャプチャー画像内の前記検出されたクレーン下部走行体とクレーン上部構造体の前記分析に基づいて前記ブームの位置を判定する段階と、
を備え、
前記判定される位置は、前記ブームの起上角度及び旋回角度を含
前記光学制御システムは、前記カウンターウェイト組立体上に配置されたマーカーを検出することによって前記クレーン上部構造体を検出するようにされた、方法。
【請求項15】
前記分析する段階は、前記キャプチャー画像内の前記検出されたクレーン下部走行体又はクレーン上部構造体を記憶画像内の既知のクレーン下部走行体又はクレーン上部構造体と比較する段階を更に備えている、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記分析する段階は、前記キャプチャー画像内の前記検出されたクレーン下部走行体又はクレーン上部構造体を前記クレーンの幾何学的に正確なモデルと比較する段階を更に備えている、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記分析する段階は、アルゴリズムを実行して前記ブームの起上角度と前記ブームの旋回角度のうちの1つ又はそれ以上を計算する段階を更に備えている、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、クレーン上のブームのステータスを判定するための1つ又はそれ以上のクレーン構成要素の検出及び分析に関し、詳細にはブームの旋回角度又は起上角度を判定するための光学的な検出及び分析に関する。
【背景技術】
【0002】
移動式クレーンの様なクレーンは、典型的には、下部構造又は下部走行体と下部構造上に取り付けられている上部構造又は上部構造体を含んでいる。下部構造は、例えば、フレームと、フレームへ取り付けられているサスペンションと、サスペンションへ取り付けられているタイヤと、1つ又はそれ以上のアウトリガーであって実質的に水平方向に選択的に伸展及び収縮可能であるアーム及びアームに連結されている実質的に垂直方向に選択的に伸展及び収縮可能であるジャッキをそれぞれが有しているアウトリガーと、を含んでいる。上部構造は、垂直軸周りに回転するように下部構造上に回転可能に取り付けられていることもある。上部構造は、例えば、ブームと、操作者運転室と、カウンターウェイト組立体と、ロープを巻き取ったり巻き戻したりするためのホイストと、を含んでいるであろう。上部構造は、更に、上記構成要素が取り付けられている回転台を含んでいる。
【0003】
クレーンは数多くの運動を遂行できる。例えば、上部構造はブームを含め、左又は右に揺動又は旋回する(即ち、垂直軸を中心に反時計回り又は時計回りに回転する)ことができ、ブームは起きる又は伏せる(即ち、水平軸に対する角度を増加又は減少させる)ことができ、ブームは伸縮自在に伸展又は収縮することができる。
【0004】
上述のものを含め、様々なクレーン構成要素は、クレーン構成要素のステータスを判定するために監視されることがある。クレーン構成要素を検出するには、典型的に、近接センサ、ロードセル、RFIDセンサ、など、の様なセンサを使用することができる。例えば、近接センサが、アウトリガーが完全伸展状態又は完全収縮状態にあるかどうかや、カウンターウェイトが適正に位置決めされているかどうか、を検出していることもある。一部のクレーン構成要素は例えば操作者又は監視者によって目視で検出されていることもある。
【0005】
監視が必要とされる或る特定のクレーン構成要素はブームである。特にブームの位置は監視されることがある。ブームの位置とは、ブームの旋回角度、ブームの起上角度、ブームの長さ、又はそれらの組合せ、をいうこともある。上述の様に、ブームは典型的には、旋回角度を変えるために垂直軸を中心に回転可能であり、起上角度を変えるために水平軸を中心に回転可能であり、長さを変えるために長手方向軸に沿って伸展及び収縮可能である。ブームの位置の変化、即ち、ブームの旋回角度、起上角度、又は長さの変化は、クレーンの荷重容量に対する変化を生じさせることになる。従って、操作者がブームの位置を把握していることが有利である。
【0006】
ブームの位置は、操作者又は監視者によって目視で監視されているか、又は1つ又はそれ以上のセンサを用いて監視されているのが現状である。その様なセンサには、近接センサ、リミットスイッチ、回転センサ、磁気センサ、など、が含められる。しかしながら、ブームの位置の手作業又は目視による検査は、時間を消費したり、不正確であったりする。そのうえセンサは時間が経つと通常の摩耗のせいで失陥したり信頼性が乏しくなったりする可能性もある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
以上より、ブームの位置、特にブームの旋回角度と起上角度のうちの1つ又はそれ以上、を判定するための画像ベースの検出及び分析システムを提供するのが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0008】
1つの態様によれば、クレーンが、下部走行体と、下部走行体に連結されていてブームを含んでいる上部構造体と、光学検出システムと、を含んでいる。光学検出システムは、下部走行体と上部構造体のうちの1つ又はそれ以上の画像をキャプチャーするように構成されている1つ又はそれ以上の画像キャプチャーデバイスを有する画像キャプチャー組立体と、光学制御システムと、を含んでいる。光学制御システムは、キャプチャー画像内に、下部走行体、上部構造体、及びマーカー、から選択されている1つ又はそれ以上の物体を検出し、当該1つ又はそれ以上の検出された物体を分析して、当該1つ又はそれ以上の検出された物体の分析に基づいてブームのステータスを判定するように構成されている。
【0009】
別の態様によれば、下部走行体と、下部走行体上に取り付けられていてブームを有している上部構造体と、を有するクレーンのための光学検出システムが提供されている。システムは、下部走行体、上部構造体、又はそれら両方、の画像をキャプチャーするように構成されている1つ又はそれ以上の画像キャプチャーデバイスを有する画像キャプチャー組立体と、光学制御システムと、を含んでいる。光学制御システムは、キャプチャー画像内に、下部走行体、上部構造体、及びマーカー、から選択されている1つ又はそれ以上の物体を検出し、当該1つ又はそれ以上の検出された物体を分析して、当該1つ又はそれ以上の検出された物体の分析に基づいてブームのステータスを判定するように構成されている。
【0010】
別の態様によれば、クレーン上のブームのステータスを判定する方法が、画像キャプチャー組立体を用いて、クレーン下部走行体、クレーン上部構造体、又はそれら両方、の画像をキャプチャーする段階と、光学制御システムを用いて、キャプチャー画像内に1つ又はそれ以上の物体を検出する段階において、当該1つ又はそれ以上の物体は、クレーン下部走行体、クレーン上部構造体、及びマーカー、のうちの1つ又はそれ以上を含んでいる、検出する段階と、光学制御システムを用いて、当該検出された物体を分析する段階と、光学制御システムを用いて、当該検出された物体の分析に基づいてブームのステータスを判定する段階と、を含んでいる。
【0011】
本開示の他の目的、特徴、及び利点は、次に続く説明を添付図面と関連付けて考察することから自明となるものであり、図面中、同様の符号は同様の部分、要素、構成要素、段階、及びプロセスを表す。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】一実施形態によるクレーンの側面図である。
図2図1のクレーンの上面図である。
図3】一実施形態によるクレーン制御システムのブロック線図である。
図4】一実施形態による光学検出システムのブロック線図である。
図5】一実施形態による、ブーム上の異なる位置に設置されている画像キャプチャー組立体を有するクレーンの側面図である。
図6】一実施形態による、ブームが第1の旋回角度にある場合に図5のブームの下面に位置決めされている画像キャプチャー組立体によってキャプチャーされた画像の略図である。
図7】一実施形態による、ブームが第2の旋回角度にある場合に図5のブームの下面に位置決めされている画像キャプチャー組立体によってキャプチャーされた画像の略図である。
図8】一実施形態による、ブームが第3の旋回角度にある場合に図5のブームの下面に位置決めされている画像キャプチャー組立体によってキャプチャーされた画像の略図である。
図9】一実施形態による、ブームが第1の旋回角度にある場合に図5のブームの上面に位置決めされている画像キャプチャー組立体によってキャプチャーされた画像の略図である。
図10】一実施形態による、ブームが第2の旋回角度にある場合に図5のブームの上面に位置決めされている画像キャプチャー組立体によってキャプチャーされた画像の略図である。
図11】一実施形態による、ブームが第3の旋回角度にある場合に図5のブームの上面に位置決めされている画像キャプチャー組立体によってキャプチャーされた画像の略図である。
図12】一実施形態による、ブームが第1の起上角度にある場合に図5のブームの下面に位置決めされている画像キャプチャー組立体によってキャプチャーされた画像の略図である。
図13】一実施形態による、ブームが第2の起上角度にある場合に図5のブームの下面に位置決めされている画像キャプチャー組立体によってキャプチャーされた画像の略図である。
図14】一実施形態による、ブームが第1の起上角度にある場合に図5のブームの上面に位置決めされている画像キャプチャー組立体によってキャプチャーされた画像の略図である。
図15】一実施形態による、ブームが第2の起上角度にある場合に図5のブームの上面に位置決めされている画像キャプチャー組立体によってキャプチャーされた画像の略図である。
図16】一実施形態による、光学検出システムを有するクレーンの上面図を示す図である。
図17】一実施形態による、第1の起上角度に位置決めされているブームから見たクレーン上のマーカーの一例を示している。
図18】一実施形態による、第2の起上角度に位置決めされているブームから見たクレーン上のマーカーの一例を示している。
図19】一実施形態による、第3の起上角度に位置決めされているブームから見たクレーン上のマーカーの一例を示している。
図20】一実施形態による、クレーン上のブームのステータスを判定する方法を示すブロック線図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本開示は様々な形態での具現化の余地があるとはいえ、図面には1つ又はそれ以上の実施形態が示されており以下ではそれら実施形態を説明してゆくが、ついては本開示は単に例示と見なされるべきであって本開示を説明され又は描かれている何れかの特定の実施形態に限定しようとするものではないことを理解しておきたい。
【0014】
図1は、ここに説明されている一実施形態によるクレーン10の側面図であり、図2は、図1のクレーン10の上面図である。図1及び図2を参照して、クレーン10は、限定するわけではないが、ラフテレーンクレーン、オールテレーンクレーン、トラック搭載型クレーン、又は産業用クレーン、の様な移動式クレーンとすることができる。クレーン10は、概して、下部走行体又は下部構造12と上部構造体又は上部構造14のようなクレーン構成要素を含んでいる。一実施形態では、下部走行体12は、様々なクレーン構成要素、例えばフレーム16、複数のタイヤの様な地面係合要素18、及びフレーム16と地面係合要素18の間に相互接続されているサスペンション(図示せず)など、を含むことができる。下部走行体12は、更に、1つ又はそれ以上のアウトリガー組立体20の様な他のクレーン構成要素を含んでいてもよい。一実施形態では、各アウトリガー組立体20は、地面又は他の支持面に係合するように及び係合解除するように概ね垂直方向に可動であるジャッキ22を含んでいる。各アウトリガー組立体20は、更に、フレーム16に向かって及びフレーム16から離れて伸展するように概ね水平方向に可動であるアーム24を含んでいてもよい。一実施形態では、アーム24は、アウトリガーボックスの様な固定部と固定部に対して可動である1つ又はそれ以上の伸縮部とを有する伸縮式アームである。各ジャッキ22はそれぞれのアーム24へ取り付けられていてもよい。
【0015】
上部構造体14は下部走行体12に連結されている。一実施形態では、上部構造体14は下部走行体12へ回転可能に連結されていて下部走行体12に対して垂直軸「A」(図1を見られたし)周りに回転するように構成されている。一実施形態では、上部構造体14は、更に、クレーン構成要素、例えば、回転台26、操作者運転室28、カウンターウェイト組立体30、ブーム32、ロープ36を巻き取ったり巻き戻したりするためのホイスト34、及びロープ36へ接続されているフックブロック37、を含むことができる。別の実施形態では、カウンターウェイト組立体30は下部走行体12へ取り付けられている。
【0016】
一実施形態では、ブーム32は、油圧伸縮式ブームの様な伸縮式ブームとすることができる。ブーム32は、基部38と、基部38に対して伸縮自在に伸展及び収縮するように構成されている1つ又はそれ以上の入れ子になった伸縮部40と、を含むことができる。1つ又はそれ以上の伸縮部40は、例えば、線形アクチュエータ(図示せず)によって駆動されていてもよい。ロープ36は、ホイスト34から概ねブーム32に沿って延び、更にブーム先端33から延びることができる。ロープ36には、ホイスト34と反対側のロープ36の遠位端にフックブロック37が接続されている。
【0017】
本開示は以上に説明されている型式の移動式クレーンに限定されるものではないと理解している。例えば、クレーン10は、クローラークレーン、タワークレーン、又は、旋回方向又は起上方向のうちの1つ又はそれ以上の方向において可動であるブームを有する他の吊り上げ装置であってもよい。例えば、タワークレーンでは、下部構造又は下部走行体はタワーの形態をしているし、上部構造又は上部構造体はタワーの頂部に連結されているだろう。ブームは上部構造体上にジブとして形成されていてもよい。
【0018】
図3を参照して、クレーン10は更にクレーン制御システム300を含むことができる。クレーン制御システム300は、操作者からの入力を受信するように構成されている、操作ノブ、レバー、スイッチ、ボタン、ジョイスティック、タッチスクリーン入力、タッチパッド、キーボード、キーパッド、など、の様な1つ又はそれ以上の入力デバイス310を含んでいてもよい。1つ又はそれ以上の入力デバイス310は、入力デバイス310にて受信される入力に応じてクレーン構成要素の運動を制御するように構成されているアクチュエータ(図示せず)へ動作可能に接続されている。例えば、1つ又はそれ以上の入力デバイス310は、ブーム32及び回転台26の旋回運動、ブーム32の起上運動、ブーム32の伸縮運動(伸展/収縮)、ホイスト34へのロープ36の巻き取り又は巻き取り、又はアウトリガー組立体20の運動、を制御するための入力を受信するようになっていてもよい。入力を受信したことに応じて、アクチュエータ(図示せず)は、ブーム32、ホイスト34、アウトリガー20、又は他のクレーン構成要素の運動を所望の方式で制御するように作動されることになる。アクチュエータは、例えば、線形アクチュエータ、回転式アクチュエータ、駆動モータ、及び当業者に知られている他の適したアクチュエータとすることができる。
【0019】
一実施形態では、クレーン制御システム300は、コンピュータプロセッサ314、コンピュータ可読記憶媒体316、1つ又はそれ以上の入力デバイス310を含んでいるユーザーインターフェース318、及び通信インターフェース320、を含むことができる。クレーン制御システム300は、運転室28内に配置されていてもよいし、又は運転室28から遠隔に配置されていてもよい。一部の実施形態では、クレーン制御システム300の構成要素は、クレーン10の異なる部分内に分散されていてもよいし、クレーン10から遠隔のデバイス上に分散されていてもよい。コンピュータ可読記憶媒体316は、それがコンピュータプロセッサ314と通信することができるようにコンピュータプロセッサ314へ動作可能に連結されている。コンピュータ可読記憶媒体316は、コンピュータプロセッサ314によって実行されると当該コンピュータプロセッサ314に諸機能を実施又は遂行するための1つ又はそれ以上の信号を生成させる命令322を記憶している。コンピュータ可読記憶媒体316は、更に、クレーン10の動作に関係する情報を記憶していてもよい。ユーザーインターフェース318は、操作者がコンピュータプロセッサ314と対話することができるように、コンピュータプロセッサ314へ動作可能に連結されている。例えば、ユーザーインターフェース318を通して、操作者はクレーン10の動作に関係する情報を得ることができ、またコンピュータプロセッサ314に或る機能を実施するための1つ又はそれ以上の信号を生成させることができる。操作者は、更に、情報をユーザーインターフェース314へ又は1つ又はそれ以上の入力デバイス310へ入力してコンピュータプロセッサ314に制御信号を生成させ、それを通信インターフェース320を介してアクチュエータ(図示せず)の1つ又はそれ以上へ送信させて、クレーン構成要素の運動を制御又は阻止させるようにすることもできる。一実施形態では、コンピュータ可読記憶媒体316に記憶されている命令322がユーザーインターフェース318からの入力情報の受信に応じてコンピュータプロセッサ314によって実行され、或る機能がコンピュータプロセッサ314によって実施されて入力情報を制御信号に変換するようになっていてもよい。
【0020】
図4を参照して、クレーン10は、更に、光学検出システム400を含んでいる。一実施形態では、光学検出システム400は、1つ又はそれ以上の画像キャプチャー組立体410と、当該1つ又はそれ以上の画像キャプチャー組立体410へ動作可能に且つ通信可能に接続されている光学制御システム402と、を含んでいる。光学制御システム402は、以上にクレーン制御システム300に関して説明されているものに類似した、コンピュータプロセッサ412、コンピュータ可読記憶媒体414、及び通信インターフェース416を含んでいる。光学制御システム402が同じくユーザーインターフェース418を含むのは随意である。コンピュータ可読記憶媒体414は命令420を記憶しており、命令420は、コンピュータプロセッサ412によって実行されたときに、1つ又はそれ以上の機能を実施するための1つ又はそれ以上の信号をコンピュータプロセッサ412に生成させる。代替的又は追加的に、光学検出システム400は、光学検出システム400とクレーン制御システム300が共通のコンピュータプロセッサ、コンピュータ可読記憶媒体、ユーザーインターフェース、及び通信インターフェース、のうちの1つ又はそれ以上を共有するような具合に、クレーン制御システム300へ動作可能に且つ通信可能に連結されていてもよい。一実施形態では、光学制御システム402とクレーン制御システム300は同一物であってもよい。一実施形態では、光学検出システム400の構成要素は、個別の画像キャプチャー組立体410と同じ場所に配置されていてもよいし、中央集中的な場所に配置されていてそれら画像キャプチャー組立体410へ従来の通信インターフェース経由で通信可能に接続されていてもよいし、又は両者のうちで分散されていてもよい。
【0021】
ここに説明されている特定のプロセス、方法、分析、計算、及び/又は判定はクレーン制御システム300又は光学検出システム400(光学制御システム402を含む)の一方にて実施されるものとして言及されているかもしれないが、本実施形態はこれらの構成に限定されないものと理解している。つまり、ここに説明されているプロセス、方法、分析、計算、及び/又は判定は、一部の実施形態では、クレーン制御システム300と光学検出システム400の間で互換可能に実施することができ、即ち、クレーン制御システム300と光学検出システムのどちらか一方によって実施されてもよいし又はそれら両方によって実施されてもよいわけであり、たとえ或る固有のプロセス、方法、分析、計算、又は判定がここでその様に明示的に記述されていなくても、それはクレーン制御システム300と光学検出システム400の間で互換可能に実施され得る、ということである。同様に、構成要素の仕様、センサデータ、などの様な情報もクレーン制御システム300か又は光学検出システム400のどちらにも互換可能に入力され得るものと理解している。
【0022】
一貫性と理解を図るうえで、様々な方法、プロセス、分析、計算、又は判定、並びに様々なデータ又は情報の入力は、光学検出システム400若しくは光学制御システム402によって実施される、又は光学検出システム400若しくは光学制御システム402へ入力されるものとしてここに説明されているかもしれない。しかしながら、以上に詳述されている様に、光学検出システム400とクレーン制御システム300は、リソース又は構成要素を共有していてもよいし、又は互換可能に動作していてもよいし、又は同一物であってもよいわけである。従って、方法、プロセス、分析、計算、判定が、データ又は情報の入力を含め、光学検出システム400若しくは光学制御システム402によって実施される、又は光学検出システム400若しくは光学制御システム402へ入力されるというここでの記述は、その様なプロセス、方法、分析、計算、判定、若しくはデータ又は情報の入力が同じくクレーン制御システム300によって実施される、又はクレーン制御システム300へ入力されるということ含むものと理解される。
【0023】
一実施形態では、1つ又はそれ以上の画像キャプチャー組立体410は、例えば、上部構造体14側に、下部走行体12側に、又は両方に取り付けられていてもよい。上部構造体14上の1つ又はそれ以上の画像キャプチャー組立体410を取り付けるのに適した場所は、限定するわけではないが、回転台26、運転室28、ブーム32、カウンターウェイト30、又はこれらの構成要素の間の他の中間構造又は接続構造を含む。一実施形態では、画像キャプチャー組立体410はジンバル又は類似の装置へ取り付けられている。各画像キャプチャー組立体410は、所望視野にわたる画像をキャプチャーするように構成されている1つ又はそれ以上の画像キャプチャーデバイス422を含むことができる。一実施形態では、画像キャプチャーデバイス422は、デジタルカメラ、ビデオカメラ、ステレオカメラの様なカメラ、LiDARセンサ、可視光カメラ、赤外線(IR)カメラ、紫外線(UV)カメラ、及び物体認識のために画像をキャプチャーすることのできる他の適したデバイス、とすることができる。例えば、一実施形態では、画像キャプチャー組立体410は、広角カメラの様な単一のカメラであってもよいし、又は代わりに、ある視野にわたる単数又は複数の画像をキャプチャーするために互いと連携して動作するカメラの組合せであってもよい。
【0024】
光学検出システム400は、1つ又はそれ以上の物体の画像をキャプチャーするように、画像内にキャプチャーされた1つ又はそれ以上の物体を検出し、検出された物体を分析して、クレーン構成要素、クレーンシステム、クレーン、又は一連のクレーンのステータスを例えば該分析に基づいて判定するように構成されている。そして、クレーン制御システム300は、操作者や他の従業員に判定されたステータスに対する注意を喚起し、及び/又は判定されたステータスに応じてクレーン制御機能を実施することができる。注意喚起は、例えば、操作者への音声、視覚、又は触覚(振動を含む)による信号又は警報として提供されていてもよい。代替的又は追加的に、クレーン制御機能を実施するためにクレーン制御システム300は判定されたステータスに基づいてアクチュエータを、ひいては所望のクレーン構成要素の運動(始動及び停止を含む)を、制御する制御信号を生成するようになっていてもよい。
【0025】
前記ステータスは、例えば、クレーン構成要素の絶対位置、相対位置、運動、存在、速さ、加速度、寸法、及び、伸展長さ又は収縮長さ、とすることができるだろう。他のステータスには、例えば、構成要素の型式及び構成要素の物理的構成を含めることができる。また、ステータスは、クレーン構成要素の実働状態としてもよく、そうするとそれには、例えば、摩耗、損傷、又は構成要素の整備、補修、又は取換えの必要性、の指示が含まれるだろう。これらの例は網羅的ではなく、他のステータスの判定も想定されるものと理解している。
【0026】
光学検出システム400は、キャプチャー画像内の物体を検出することができ、一部の実施形態では、限定するわけではないが当業者に知られていて理解されているような技法を含む1つ又はそれ以上の物体認識技術を含め、1つ又はそれ以上の検出方法を使用してクレーン構成要素のステータスを判定することもできる。一部の実施形態では、光学検出システム400は、画像キャプチャー組立体410によってキャプチャーされた画像を分析し、明るさの不連続性を使用する稜線検出の様な光学的認識アルゴリズムを使用して物体を光学的に検出することができる。光学的認識アルゴリズムは、メモリ414に記憶されていてもよく、及び/又はコンピュータプロセッサ412によって、例えば光学検出システム400の光学制御システム402にて、実行されるようになっていてもよい。光学検出システム400は、物体の稜線又は端を上記稜線検出を使用して検出し、次いで、ステータスを判定するために、構成要素の検出された稜線又は端のピクセル位置に基づいて構成要素の位置をルックアップすることができる。例えば、画像にキャプチャーされた視野内で、光学制御システム402を較正してキャプチャー画像中の1つ又はそれ以上のピクセルに位置又は距離を割り当てるようにしてもよい。そうすると物体の検出された稜線又は端と関連付けられるピクセルをそれらピクセルに割り当てられた位置又は距離と比較して、物体の検出された稜線又は端の位置又は距離を求めることができる。
【0027】
代替的又は追加的に、コンピュータ可読記憶媒体414には1つ又はそれ以上の記憶画像を記憶させておいてもよい。記憶画像は、画像キャプチャー組立体400からのキャプチャー画像と同じ視野内でキャプチャーされていて視野内に識別される既知の物体を有していてもよい。そうすると、キャプチャー画像を記憶画像と比較して、例えば或る特定の構成要素の存在又は不在を検出することができる。クレーン構成要素を以上に説明されている方式で検出することもできる。そして、光学検出システム400は、キャプチャー画像を、例えばキャプチャー画像と記憶画像の中の検出された物体の相対位置を比較することによって、又はキャプチャー画像と記憶画像の中の検出された物体の相対的な状態若しくは外観を比較することによって分析することができる。次いで光学検出システム400は、当該比較に基づいて、クレーン構成要素である検出された物体のステータスを判定することができる。その様な実施形態では、画像キャプチャー組立体410は、記憶画像が撮られた視点に密接に対応する視点にて物体の画像をキャプチャーするように位置決めされてもよい。そうすれば記憶画像とキャプチャー画像の間で精確な比較を行うことができる。
【0028】
他の実施形態では、物体の端又は稜線の場所を、画像キャプチャー組立体410の視野内の検出されたピクセル位置に基づいてリアルタイムで計算することができる。例えば物体の端又は稜線が画像キャプチャー組立体410の中心線に対して或る特定の角度にあると判定された場合、表が当該特定の角度に対応している延長を与えるようになっていてもよい。他の実施形態では、検出された端又は稜線は、或る特定のピクセル位置にあったとすると、その場所がシステム400によってチャート上でルックアップされて当該特定のピクセル位置に対応している延長が与えられるようになっていてもよい。他の実施形態では、物体の端又は稜線の相対場所が検出され次第、物体の物理的長さが三角法又は幾何学の様な一般的に知られている技法を使用して計算されるようになっていてもよい。
【0029】
代替的又は追加的に、光学検出システム400は、或る物体上に配置されている視認可能なターゲット又はマーカー42(図5及び図6を見られたし)の様な物体を検出することもできる。その様な検出を通して、光学検出システム400はマーカー42を分析してマーカー42を識別し、クレーン構成要素のステータス、例えば、クレーン構成要素の位置、クレーン構成要素の運動、及び/又はクレーン構成要素の存在、を判定することができる。一実施形態では、マーカー42は水平な線であってもよいが、同様に他のパターンが使用されていてもよい。他の実施形態では、マーカー42は、下部走行体12の様な物体上の色被覆であってもよい。光学検出システム400は、マーカー42を、従来のパターン認識アルゴリズムを使用して検出することができる。パターン認識アルゴリズムは、メモリに記憶されていてもよく、及び/又は、光学検出システム400の光学制御システム402のプロセッサによって及び/又は個別画像キャプチャー組立体410にて実行されるようになっていてもよい。一実施形態では、複数の既知のマーカーがコンピュータ可読記憶媒体414に記憶されていて、画像内のキャプチャーされたマーカー42が既知のマーカーと比較されるようになっていてもよい。検出されたマーカー42が既知のマーカーと一致していると判明した場合、光学検出システム400は検出されたマーカー42を既知のマーカーに対応しているとして識別することができる。
【0030】
光学検出システム400は、既知のマーカーと関連付けられている追加情報424を、例えばコンピュータ可読記憶媒体414に記憶させていてもよい。そうすると、検出されるマーカー42を分析するとき、光学検出システム400は、検出されたマーカー42を既知のマーカーに対応しているとして識別すると、既知のマーカーと関連付けられている追加情報424を取り出し、取り出された追加情報を検出されたマーカー42と関連付けることができる。追加情報424は、例えば、位置情報又は構成要素固有情報、例えば、マーカー42が配置されているクレーン構成要素又は物体の型式、物体の識別情報、製品仕様書、識別情報、など、を含んでいてもよい。逆に、光学検出システム400は、以前に検出された又は検出されると予想されるマーカー42の不在を検出するかもしれず、そうすると検出されたマーカー42の不在に基づいてステータスを判定することになる。
【0031】
従って、以上の実施形態では、光学検出システム400はキャプチャー画像内で1つ又はそれ以上の物体を検出するように構成されている。これらの実施形態の各々では、キャプチャー画像内の物体を検出するとき、光学検出システム400は物体を画像内の背景から差別化するように構成されている。一部の実施形態では、検出される物体はクレーン構成要素又はクレーン構成要素上のマーカーであってもよく、マーカーは、当該クレーン構成要素を背景から差別化するのに助けとなる特別な色及び/又はパターンで被覆されている構成要素の一区分であってもよい。例えば、蛍光マーカー、反射マーカー、又はクレーン構成要素の背景に対するコントラストを増加させる他の視認性の高いマーカー、を使用することができる。従って、ここに説明されている技法を使用して、光学検出システム400は物体検出時にキャプチャー画像内で、例えば、形状、外形、サイズ、固有寸法、配置向き、色、パターン、又はそれらの組合せを検出することができる。更に、検出された物体間の間隔又は検出された物体の部分間の間隔を検出することもできる。
【0032】
一実施形態では、マーカー42の視認可能部分を1つ又はそれ以上の画像キャプチャー組立体410によって画像内にキャプチャーさせることができる。光学制御システム402は、次いで、キャプチャーされたマーカー画像42を画像の視認可能部分を表すコードへ変換することができる。例えば、マーカー42が、画像キャプチャー組立体410にとって視認可能である線を5本含んでいてそれらの線が画像キャプチャー組立体410によってキャプチャーされたとすると、光学制御システム402は、画像(即ちマーカー42のキャプチャー画像)を5という数字コードへ変換するようになっていてもよい。パターンは、或る計測値に直接対応していて例えば各線が1フィート(30.48センチメートル)ずつ間隔を空けられているというのでもよいし、又は他の既定の計測単位だけ間隔を空けられていてもよく、そうすると数字コードが直接的な計測値となる。一部の実施形態では、数字コードはマーカー42と関連付けられている情報をルックアップするための表と比較されてもよい。別の実施形態では、マーカー42は、物体の定性的又は定量的な位置に対応している物体上の場所に配置させることができる。例えば、マーカー42がクレーン構成要素上に配置されていて画像キャプチャー組立体410の視野の中へ入ってゆくと、マーカー42は光学検出システム400によって検出され、例えば以上に詳述されている様に記憶されているマーカーとの比較によって識別されることになる。検出されたマーカー42が記憶されている既知のマーカーに一致すれば、光学制御システム402は次いで既知のマーカー42と関連付けられている何らかの追加情報424を識別し、取り出し、当該追加情報を検出されたマーカー42と関連付けことができる。
【0033】
上記検出方法の各々を掲示されている他の方法と組み合わせて、クレーン構成要素のステータスを判定する代わりの又は冗長的な方法を支援する、バックアップする、及び/又は与えることもできる。例えば、マーカー42は概して計測のために使用し、そのうえで当該計測を検証するためにクレーン構成要素の端又は稜線検出を使用することもできる。一実施形態では、マーカー42が隠れていて画像キャプチャー組立体410がマーカー42の一部分を見失った場合に、クレーン構成要素の検出される稜線又は端は、キャプチャー又は検出されているマーカー42と矛盾する読み取りを与えるかもしれず、すると光学検出システム400は起こり得る問題に対する注意を操作者に喚起する、ということを想定している。
【0034】
而して、一実施形態では、光学検出システム400、具体的には光学制御システム402は、物体認識ソフトウェアを使用してキャプチャー画像内のクレーン構成要素及び/又はマーカー42の様な様々な物体を検出し、検出された物体を分析し、検出された物体の分析に基づいてクレーン又はクレーン構成要素のステータスを判定することができる。ステータスを判定されるクレーン構成要素は、キャプチャー画像内で物体として検出されたクレーン構成要素であってもよいし別個のクレーン構成要素であってもよい。
【0035】
物体認識ソフトウェアはコンピュータ可読記憶媒体414に記憶されていてもよい。一実施形態では、物体認識ソフトウェアは、キャプチャーされた画像又は映像内の物体を検出する又は差別化するうえで当業者に理解されている従来の方法を使用している従来式である。本開示はここに説明されている物体認識技術に限定されるものでなく他の既知の物体認識技術又はアルゴリズムを使用することもできるものと理解している。
【0036】
一実施形態では、光学制御システム402は、キャプチャー画像内の物体を検出するように構成されており、検出される物体は、下部走行体12、上部構造体14、又はマーカー42のうちの1つ又はそれ以上とすることができる。一実施形態では、光学制御システム402は、検出された物体を、例えば検出された物体を有するキャプチャー画像を既知の物体を有する記憶画像と比較することによって、分析することができる。検出された物体そのものを同様に既知の物体の記憶画像と比較することもできるものと想定している。別の実施形態では、光学制御システム402は、検出された物体を有するキャプチャー画像をクレーン10の記憶された幾何学的に正確なモデルと比較することによって、検出された物体を分析することができる。別の実施形態では、光学検出システム402は、例えば1つ又はそれ以上の検出された物体の相対的な位置を判定するためのアルゴリズムを実行することによって、検出された物体を分析することができる。記憶画像及び記憶された幾何学的に正確なモデルは、クレーン制御システム300又は光学検出システム400のコンピュータ可読記憶媒体316、414にそれぞれ記憶されていてもよい。
【0037】
記憶されている既知の物体は、それと関連付けられている追加情報を有していてもよい。従って、光学制御システム402が検出された物体を既知の物体と一致するとして識別すると、光学制御システム402は次いで当該追加情報を検出された物体と関連付けることができる。追加情報は、例えば、ブームについての旋回及び起上の角度情報を含む位置情報であってもよい。
【0038】
光学制御システム402は、クレーン構成要素のステータスを、1つ又はそれ以上の検出された物体の分析に基づいて判定することができる。一実施形態では、クレーン構成要素はブーム32であり、ステータスは例えばブーム32の位置である。判定されるブーム32の位置は、ブーム32の旋回角度及びブーム32の起上角度のうちの1つ又はそれ以上を含んでいてもよい。
【0039】
図5は、一実施形態によるクレーン10の側面図である。以上に説明されている様に、光学検出システム400は、クレーン10上の異なる場所に配置されている1つ又はそれ以上の画像キャプチャー組立体410を含むことができる。例えば、一実施形態では、画像キャプチャー組立体410は、ブーム32の下面52又はブーム32の上面54に位置決めされている。ブーム32の下面52に位置決めされた画像キャプチャー組立体410は、ある方向に例えば下部走行体12に向かって方向決めされている視線L1を有し、ブーム32の上面54に位置決めされた画像キャプチャー組立体410は、別の方向に例えば上部構造体14に向かって又は上部構造体14に沿って方向決めされている視線L2を有している。一実施形態では、単一の画像キャプチャー組立体410がブーム上に位置決めされている。但し、複数の画像キャプチャー組立体410が同様にブーム32上に位置決めされていてもよいものと想定している。
【0040】
図6図8は、ブーム32が異なる旋回角度に位置決めされている場合の、ブーム32の下面52に位置決めされている画像キャプチャー組立体410からのキャプチャー画像の略図の例である。一実施形態では、画像キャプチャー組立体410は、下部走行体12がキャプチャー画像内でブーム32の全旋回範囲にわたって映るように十分に広い視野を有している。
【0041】
一実施形態によれば、光学制御システム402は、例えば以上に説明されている物体認識技術のうちの1つを使用して、キャプチャー画像内に下部走行体12を検出することができる。例えば、一実施形態では、下部走行体12の視認可能な部分の形状、外形、サイズ、固有寸法、配置向き、色、パターン、など、のうちの1つ又はそれ以上がキャプチャー画像内で検出される。下部走行体12の実際の形状、外形、及び/又はサイズの様な、幾つかの特性は一定のままであるが、検出された下部走行体12の検出される形状、外形、及び/又はサイズは、例えば図6図8に示されている様に、旋回角度が変化するにつれてキャプチャー画像内で変わってゆくものと理解される。下部走行体12の固有寸法は、例えばキャプチャー画像内で下部走行体12の検出された稜線の様な2つの基準点間のピクセルを数えることによって、検出することができる。
【0042】
光学制御システム402は、キャプチャー画像内の検出された下部走行体12を、コンピュータ可読記憶媒体316又は414に記憶されている記憶画像内の既知の下部走行体と比較することができる。一実施形態では、光学制御システム402は、検出された下部走行体12を既知の下部走行体の複数の記憶画像と比較して、例えば検出された下部走行体12に対応している既知の下部走行体を識別することができる。一実施形態では、既知の下部走行体の記憶画像は較正プロセスを通して取得されるようになっていてもよく、当該較正プロセスでは、上部構造体14が下部走行体12に対して既知の旋回角度に回転され、画像が画像キャプチャー組立体410によってキャプチャーされ、較正中に撮られたキャプチャー画像は対応する旋回角度と共にメモリ316又は414に記憶される。
【0043】
既知の下部走行体は、それと関連付けられている追加情報をコンピュータ可読記憶媒体316又は414に有していてもよい。追加情報は、例えば、既知の下部走行体に対応しているブーム旋回角度を含んでいてもよい。つまり、各既知の下部走行体はそれと関連付けられている固有ブーム旋回角度を有していてもよい。従って、光学制御システム402が検出された下部走行体12を記憶画像内の既知の下部走行体に対応しているとして識別すれば、光学制御システム402は、ブーム旋回角度を含む追加情報を検出された下部走行体12に関連付けることができる。この方式では、光学制御システム402はブーム32の旋回角度を判定することができる。
【0044】
一実施形態では、光学制御システム402によって実施される比較は、例えば検出された下部走行体12のキャプチャー画像を既知の下部走行体の記憶画像の上に重ね合わせて、例えば検出された下部走行体12と実質的に同じ形状、外形、サイズ、配置向き、固有寸法、パターン、色、など、又はそれらの何らかの組合せ、を有している既知の下部走行体を見つけることによって実施されてもよい。代替的又は追加的に、比較は、検出された下部走行体12の形状、外形、サイズ、配置向き、固有寸法、パターン、色、などを、既知の下部走行体のそれらと比較することであってもよく、例えばキャプチャー画像内の検出された下部走行体と記憶画像内の既知の下部走行体それぞれのピクセル位置を比較することによるものでもよい。
【0045】
別の実施形態では、光学制御システム402は、キャプチャー画像内の検出された下部走行体12をコンピュータ可読記憶媒体316又は414に記憶されているクレーン10の幾何学的に正確なモデルと比較することができる。光学制御システム402が検出された下部走行体12をクレーンの幾何学的に正確なモデルの下部走行体に対応しているとして識別すれば、光学制御システム402はブーム旋回角度を含む追加情報を検出された下部走行体12と関連付けることができる。この方式では、光学制御システム402はブーム32の旋回角度を判定することができる。
【0046】
更に別の実施形態では、光学制御システム402は、コンピュータ可読記憶媒体316又は414に記憶されているアルゴリズムを実行してブーム32の旋回角度を判定することができる。更に図6図8を参照して、例えば、光学制御システム402は画像内でブーム32の配置向きに対応している固定軸FAを提供するようになっていてもよい。固定軸FAは、旋回角度が変化していってもキャプチャー画像内で固定方向に延びている。光学制御システム402はキャプチャー画像内に検出された軸DAも提供することができる。検出された軸DAは、例えば検出された下部走行体12の軸として検出されていてもよい。すると光学制御システム402は固定軸FAと検出された軸DAの間の角度a1を判定することによってブーム32の旋回角度を判定することができる。
【0047】
固定軸FA及び検出された軸DAは、表示デバイス上にキャプチャー画像と共に表示されてもよいし、又は代わりに、コンピュータ可読記憶媒体316又は414内に提供されて、表示されること無しにクレーン制御システム300又は光学制御システム402で分析されてもよいと理解される。加えて、図6図8は概して固定軸FAを運転室28の軸として示している。但し、本開示はそれに制限されない。例えば、固定軸FAは、ブーム32の長手方向軸であってもよいし、又は上部構造体14の軸であってもよい。
【0048】
図9図11は、ブーム32が異なる旋回角度に位置決めされている場合の、ブーム32の上面54に位置決めされている画像キャプチャー組立体410からキャプチャーされた画像の略図の例である。一実施形態では、画像キャプチャー組立体410は、上部構造体12がキャプチャー画像内にブーム32の全旋回範囲にわたって映るように十分に広い視野を有している。
【0049】
一実施形態によれば、光学制御システム402は、例えば以上に説明されている物体認識技術のうちの1つを使用して、キャプチャー画像内で上部構造体14を検出することができる。例えば、一実施形態では、上部構造体14の視認可能な部分の形状、外形、サイズ、配置向き、固有寸法、パターン、色、など、がキャプチャー画像内で検出されることになる。随意的に、光学制御システム402は、更に、運転室28、カウンターウェイト組立体30、及びブーム32の様な、上部構造体14の個別クレーン構成要素を検出することもできる。更にまた、下部走行体12の上部構造体14に対する配置向きに加え下部走行体12の視認可能部分を検出することもできる。以上に説明されている様に、下部走行体12の視認可能部分の検出された形状、外形、サイズ、配置向き、寸法、パターン、色、などは、旋回角度が変化してゆくとキャプチャー画像内で変化することになる。つまり、ブーム32の旋回角度及び位置に依存して、下部走行体12の認識がキャプチャー画像内で変化する。
【0050】
光学制御システム402は、キャプチャー画像内の検出された上部構造体14、又は下部走行体12と上部構造体14との相対的配置向きを、コンピュータ可読記憶媒体316又は414に記憶されている記憶画像内の既知の上部構造体14、又は下部走行体と上部構造体との既知の相対的配置向きと比較することができる。一実施形態では、光学制御システム402は、検出された上部構造体14又は検出された相対的配置向きを既知の上部構造体の複数の記憶画像又は相対的配置向きと比較して、例えば、検出された上部構造体14、又は下部走行体12と上部構造体14との検出された相対的配置向きに対応している既知の上部構造体、又は相対的配置向きを識別することができる。
【0051】
既知の上部構造体、又は下部走行体と上部構造体との既知の相対的配置向きは、それと関連付けられている追加情報をコンピュータ可読記憶媒体316又は414に有していてもよい。追加情報は、例えば、既知の上部構造体又は相対的配置向きに対応しているブーム旋回角度を含んでいてもよい。つまり、各既知の上部構造体又は相対的配置向きは、それと関連付けられている固有ブーム旋回角度を有していてもよい。従って、光学制御システム402が検出された上部構造体14又は下部走行体12と上部構造体14との相対的配置向きを、記憶画像内の既知の上部構造体14又は相対的配置向きに対応するとして識別すれば、光学制御システム402は、ブーム旋回角度を含む追加情報を検出された上部構造体14へ関連付けることができる。この方式では、光学制御システム402はブーム32の旋回角度を判定することができる。
【0052】
一実施形態では、光学制御システム402によって実施される比較は、例えば上部構造体14のキャプチャー画像又は下部走行体12と上部構造体14との相対的配置向きを既知の上部構造体又は相対的配置向きの上に重ね合わせて、例えば検出された上部走行体14又は下部走行体12と上部構造体14との検出された相対的配置向きと実質的に同じ形状、外形、サイズ、配置向き、固有寸法、パターン、色、など、又はそれらの何らかの組合せ、を有している既知の上部構造体又は相対的配置向きを見つけることによって実施されてもよい。代替的又は追加的に、比較は、検出された上部構造体14の形状、外形、サイズ、配置向き、固有寸法、パターン、色、などを、既知の上部構造体のそれら又は相対的配置向きと比較することであってもよく、例えばキャプチャー画像内の検出された上部構造体及び相対配置向きと記憶画像内の既知の上部構造体及び相対的配置向きそれぞれのピクセル位置を比較することによるものでもよい。
【0053】
別の実施形態では、光学制御システム402は、キャプチャー画像内の検出された上部構造体14又は下部走行体と上部構造体の検出された相対的配置向きを、コンピュータ可読記憶媒体316又は414に記憶されているクレーンの幾何学的に正確なモデルと比較することができる。光学制御システム402が検出された上部構造体14又は検出された相対的配置向きをクレーンの幾何学的に正確なモデルの上部構造体又は相対的配置向きに対応しているとして識別すれば、光学制御システム402はブーム旋回角度を含む追加情報を検出された上部構造体14又は下部走行体12と上部構造体14の相対的配置向きと関連付けることができる。この方式では、光学制御システム402はブーム32の旋回角度を判定することができる。
【0054】
更に別の実施形態では、光学制御システム402は、コンピュータ可読記憶媒体316又は414に記憶されているアルゴリズムを実行してブーム32の旋回角度を判定することができる。更に図9図11を参照して、例えば、光学制御システム402は、キャプチャー画像内に、ブーム32の配置向きに対応している固定軸FAを提供することができる。固定軸FAは、旋回角度が変化していってもキャプチャー画像内で固定方向に延びる。光学制御システム402は、更に、キャプチャー画像内に検出された軸DAを提供することができる。検出された軸DAは、例えば検出された下部走行体12の軸として検出される。光学制御システム402は固定軸FAと検出された軸DAの間の角度を測定することによってブーム32の旋回角度を判定することができる。
【0055】
図12及び図13は、ブームが異なる起上角度に位置決めされている場合の、ブーム32の下面52上に位置決めされている画像キャプチャー組立体410からのキャプチャー画像の略図の例である。
【0056】
図12及び図13を参照して、光学制御システム402はキャプチャー画像内で下部走行体12を検出するように構成されている。ブーム32の起上角度が変化するにつれて、検出される下部走行体12の認知される寸法又はサイズが変化する。例えば、図12を参照すると、ブーム32が第1の起上角度にある場合、下部搬送体12はキャプチャー画像内に第1の幅W1を有しているものとして検出されている。図13を参照すると、ブーム32が第1の起上角度より大きい第2の起上角度にある場合、下部走行体12はキャプチャー画像内に第1の幅W1より小さい第2の幅W2を有しているものとして検出されている。
【0057】
一実施形態では、光学制御システム402は、キャプチャー画像内の検出された下部走行体12をコンピュータ可読記憶媒体316又は414に記憶されている記憶画像内の既知の下部走行体と比較することによって当該検出された下部走行体12を分析する。一実施形態では、光学制御システム402は、検出された下部走行体12を既知の下部走行体の複数の記憶画像と比較して、例えば検出された下部走行体12に対応している既知の下部走行体を識別することができる。
【0058】
既知の下部走行体は、それと関連付けられている追加情報をコンピュータ可読記憶媒体316又は414に有していてもよい。追加情報は、例えば、既知の下部走行体画像に対応しているブームの起上角度を含んでいてもよい。つまり、記憶画像内の各既知の下部走行体は、それと関連付けられている固有ブーム起上角度を有していてもよい。従って、光学制御システム402が検出された下部走行体12を記憶画像内の既知の下部走行体に対応しているとして識別すれば、光学制御システム402はブーム起上角度を含む追加情報を検出された下部走行体12へ関連付けることができる。この方式では、光学制御システム402はブーム32の起上角度を判定することができる。
【0059】
一実施形態では、光学制御システム402によって実施される比較は、例えば検出された下部走行体12のキャプチャー画像を既知の下部走行体12の記憶画像の上に重ね合わせて、例えば検出された下部走行体12と実質的に同じ形状、外形、サイズ、配置向き、固有寸法、パターン、色、など、又はそれらの何らかの組合せ、を有している既知の下部走行体を見つけることによって実施されてもよい。代替的又は追加的に、比較は、検出された下部走行体12の形状、外形、サイズ、配置向き、固有寸法、パターン、色、などを、既知の下部走行体のそれらと比較することであってもよく、例えばキャプチャー画像内の検出された下部走行体と記憶画像内の既知の下部走行体それぞれのピクセル位置を比較することによるものでもよい。
【0060】
別の実施形態では、光学制御システム402は、下部走行体12が検出されているキャプチャー画像をクレーン10の幾何学的に正確なモデルと比較することができる。光学制御システム402が検出された下部走行体12をクレーンの幾何学的に正確なモデルの下部走行体に対応しているとして識別すれば、光学制御システム402はブーム起上角度を含む追加情報を検出された下部走行体12と関連付けることができる。この方式では、光学制御システム402はブーム32の起上角度を判定することができる。
【0061】
更に別の実施形態では、光学制御システム402は、コンピュータ可読記憶媒体316又は414に記憶されているアルゴリズムを実行してブーム32の起上角度を判定することができる。例えば、図12及び13を参照して、一実施形態では、検出された下部走行体12の検出されるサイズ(及び寸法)は、ブーム32の起上角度の変化と共に変化する。光学制御システム402は、例えば検出されるサイズ又は寸法の変化を、キャプチャー画像内の検出された下部走行体12の部分であるピクセル数の変化を数えることによって計測することができる。ピクセル数の変化がブーム角度の変化に相関付けられるようになっていてもよい。その様な関係性は、例えばコンピュータ可読記憶媒体316又は414内の表に記憶されていてもよい。従って、初期ブーム角度が既知でありピクセル数とブーム起上角度の間の関係性が既知である場合、光学制御システム402は検出された下部走行体12と関連付けられるピクセル数の変化に基づいてブーム起上角度を判定することができる。一実施形態では、ピクセル数の変化は、キャプチャー画像内の下部走行体12の幅W1、W2の様な既定寸法に亘っていてもよい。
【0062】
図14及び15は、ブーム32が異なる起上角度に位置決めされている場合の、ブーム32の上面54上に位置決めされている画像キャプチャー組立体410からのキャプチャー画像の略図の例である。
【0063】
図14及び15を参照して、光学制御システム402はキャプチャー画像内で上部構造体14を検出するように構成されている。一実施形態では、運転室28、カウンターウェイト組立体30、及びブーム32の様な、上部構造体14の個別クレーン構成要素も同様に検出することができる。ブーム32の起上角度が変化するにつれて、キャプチャー画像内の検出された上部構造体14の認知される又は検出される寸法又はサイズが変化する。例えば、図14を参照すると、ブーム32が第1の起上角度にある場合、上部構造体14はキャプチャー画像内に第1の高さH1を有するもとして検出されている。図15を参照すると、ブーム32が第1の起上角度より大きい第2の起上角度にある場合、上部構造体14はキャプチャー画像内に第1の高さH1とは異なる第2の高さH2を有しているものとして検出されている。上部構造体14の他の検出されるサイズ又は寸法も同様に起上角度の変化と共に変わってゆくであろう。
【0064】
一実施形態では、光学制御システム402はキャプチャー画像内の検出された上部構造体14をコンピュータ可読記憶媒体316又は414に記憶されている記憶画像内の既知の上部構造体と比較することによって、当該検出された上部構造体14を分析する。一実施形態では、光学制御システム402は、検出された上部構造体14を既知の下部走行体の複数の記憶画像と比較して、例えば検出された上部構造体14に対応している既知の上部構造体を識別することができる。
【0065】
既知の上部構造体は、それと関連付けられている追加情報をコンピュータ可読記憶媒体316又は414内に有していてもよい。追加情報は、例えば既知の上部構造体画像に対応しているブームの起上角度を含んでいてもよい。つまり、記憶画像内の各既知の上部構造体はそれと関連付けられている固有ブーム起上角度を有していてもよい。従って、光学制御システム402が検出された上部構造体14を記憶画像内の既知の上部構造体に対応しているとして識別すれば、光学制御システム402は、ブーム起上角度を含む追加情報を検出された上部構造体14へ関連付けることができる。この方式では光学制御システム402はブーム32の起上角度を判定することができる。
【0066】
一実施形態では、光学制御システム402によって実施される比較は、例えば検出された上部構造体14のキャプチャー画像を既知の上部構造体14の記憶画像の上に重ね合わせて、例えば検出された上部構造体14と実質的に同じ形状、外形、サイズ、配置向き、固有寸法、パターン、色、など、又はそれらの何らかの組合せ、を有している既知の上部構造体を見つけることによって実施されてもよい。代替的又は追加的に、比較は、検出された上部構造体14の形状、外形、サイズ、配置向き、固有寸法、パターン、色、などを、既知の下部走行体のそれらと比較することであってもよく、例えばキャプチャー画像内の検出された上部構造体と記憶画像内の既知の上部構造体それぞれのピクセル位置を比較することによるものでもよい。
【0067】
別の実施形態では、光学制御システム402は、上部構造体14が検出されているキャプチャー画像をクレーン10の幾何学的に正確なモデルと比較することができる。光学制御システム402が検出された上部構造体14をクレーンの幾何学的に正確なモデルの上部構造体に対応しているとして識別すれば、光学制御システム402は、ブーム起上角度を含む追加情報を検出された上部構造体14と関連付けることができる。この方式では、光学制御システム402はブーム32の起上角度を判定することができる。
【0068】
更に別の実施形態では、光学制御システム402は、コンピュータ可読記憶媒体316又は414に記憶されているアルゴリズムを実行してブーム32の起上角度を判定することができる。例えば、図14及び15を参照して、一実施形態では、検出された上部構造体14の検出されるサイズ(及び寸法)は、ブーム32の起上角度の変化と共に変化する。光学制御システム402は、例えば、検出されるサイズ又は寸法の変化を、キャプチャー画像内の検出された上部構造体14の部分であるピクセル数の変化を数えることによって計測することができる。ピクセル数の変化がブーム角度の変化に相関付けられるようになっていてもよい。その様な関係性は、例えばコンピュータ可読記憶媒体316又は414内の表に記憶されていてもよい。従って、初期ブーム角度が既知でありピクセル数とブーム起上角度の間の関係性が既知である場合、光学制御システム402は検出された上部構造体14と関連付けられるピクセル数の変化に基づいてブーム起上角度を判定することができる。一実施形態では、ピクセル数の変化は、キャプチャー画像内の上部構造体14の高さH1、H2の様な既定寸法に亘っていてもよい。
【0069】
別の実施形態では、マーカー42がクレーン10上に配置されていて光学制御システム402によってキャプチャー画像内に検出されるようにすることができる。検出されたマーカー42を分析することによってブーム32の起上角度を判定することができる。
【0070】
図16は、クレーン10の上面図を表している略図である。一実施形態では、画像キャプチャー組立体410はブーム32上に位置決めされていて上部構造体14に沿った視線L2を有することができる。画像キャプチャー組立体410の視野はブーム32の全起上角度範囲を通して上部構造体14の一部分を含むことができる。一実施形態では、マーカー42は起上角度の範囲全体を通して画像キャプチャー組立体410の視野内に配置されている。一実施形態では、マーカー42はブーム32の裏に配置されている。
【0071】
図17図19は、ブーム32が異なる起上角度にある場合に、画像キャプチャー組立体410によって撮られる画像内にマーカー42がどの様にキャプチャーされるかを表している、視野内のマーカー42の例である。一実施形態では、マーカー42は目盛り56を含んでいてもよい。起上角度が変化してゆく際、マーカー42が画像キャプチャー組立体410によって視認されると、画像にキャプチャーされ、同様に変化してゆく。例えば、検出される目盛り56間距離S1、S2、S3又は検出されるマーカー42の高さH1、H2、H3は、異なるブーム起上角度で撮られるキャプチャー画像内で変化するであろう。一実施形態では、キャプチャー画像内に検出されている目盛り56間距離又はマーカー42の高さの増加はブーム起上角度の増加に対応している。但し本開示はその様な構成に限定されるものではなく、キャプチャー画像内の検出されている目盛り56間距離又はマーカー42の高さがブーム起上角度の増加と共に減少するような具合に、マーカー42が異なった配列の目盛りを有しているか又は画像キャプチャー組立体410に対して異なった位置決めをされていてもよいものと理解している。一実施形態では、起上角度が変化してゆくにつれマーカー42の諸部分が隠れてしまう又は露出してしまうようになっていてもよい。
【0072】
一実施形態では、光学制御システム402は、キャプチャー画像内の検出されたマーカー42をコンピュータ可読記憶媒体316又は414に記憶されている記憶画像内の既知のマーカーと比較することによって、当該検出されたマーカー42を分析する。一実施形態では、光学制御システム402は、検出されたマーカー42を既知のマーカー42の複数の記憶画像と比較して、例えば検出されたマーカー42に対応している既知のマーカー42を識別することができる。
【0073】
既知のマーカーは、それと関連付けられている追加情報をコンピュータ可読記憶媒体316又は414に有していてもよい。追加情報は、例えば、既知のマーカー画像に対応しているブーム32の起上角度を含んでいてもよい。つまり記憶画像内の各既知のマーカーは、それと関連付けられている固有ブームの起上角度を有していてもよい。従って、光学制御システム402が検出されたマーカー42を記憶画像内の既知のマーカーに対応しているとして識別すれば、光学制御システム402はブーム起上角度を含む追加情報を検出されたマーカー42へ関連付けることができる。この方式では、光学制御システム402はブーム32の起上角度を判定することができる。
【0074】
一実施形態では、光学制御システム402によって実施される比較は、例えば検出されたマーカー42のキャプチャー画像を既知のマーカーの記憶画像の上に重ね合わせて、例えば検出されたマーカー42と実質的に同じ形状、外形、サイズ、配置向き、固有寸法、パターン、色、など、又はそれらの何らかの組合せ、を有している既知のマーカーを見つけることによって実施されてもよい。代替的又は追加的に、比較は、検出されたマーカー42の形状、外形、サイズ、配置向き、固有寸法、パターン、色、などを、既知のマーカーのそれらと比較することであってもよく、例えばキャプチャー画像内の検出されたマーカーと記憶画像内の既知のマーカーそれぞれのピクセル位置を比較することによるものでもよい。
【0075】
図20は、一実施形態による、クレーン上のブームのステータスを判定する方法500を示すブロック線図である。方法は、画像キャプチャー組立体410を用いて、クレーン下部走行体12、クレーン上部構造体14、又はそれら両方、の画像をキャプチャーする段階510と、光学制御システム402を用いて、キャプチャー画像内の1つ又はそれ以上の物体を検出する段階520と、を含んでおり、当該1つ又はそれ以上の物体は、クレーン下部走行体12、クレーン上部構造体14、及びマーカー42、のうちの1つ又はそれ以上を含んでいる。当該方法は、更に、光学制御システム402を用いて、検出された物体を分析する段階530と、光学制御システム402を用いて、検出された物体の分析に基づいてブーム32のステータスを判定する段階540と、を含んでいる。
【0076】
従って、以上の実施形態では、画像キャプチャー組立体がクレーン構成要素又はマーカーの様な物体の一画像又は一連の画像をキャプチャーし、すると画像は光学検出システム400によって分析されてクレーン構成要素のステータス又は状態が判定されることになる。ステータスを判定されるクレーン構成要素は、キャプチャー画像からの検出されたクレーン構成要素であってもよいし、又は別体のクレーン構成要素であってもよい。一部の実施形態では、操作者はステータスに対する注意を喚起され、判定されたステータスに応じてブーム運動の様なクレーン動作の制御又は阻止又はそれら両方がクレーン制御システム300によって行われることになる。一実施形態では、光学検出システム400は、下部走行体、上部構造体、及びマーカーのうちの1つ又はそれ以上のキャプチャー画像を用いて、ブーム32の位置に関係するステータスを判定することができる。例えば、キャプチャー画像内に下部走行体及び/又は上部構造体を検出することによって、ブーム32の旋回角度及び起上角度を判定することができる。別の実施形態では、キャプチャー画像内にマーカー42を検出することによってブーム32の起上角度を判定することができる。
【0077】
以上の実施形態では、光学検出システム400は、近接センサの様なセンサの使用無しに、旋回角度及び起上角度を含むブーム32の位置を判定することができる。別の実施形態では、光学検出システム400はブーム32の旋回角度及び起上角度を判定するように様々な既知のセンサと連携して動作することができる。例えば、光学検出システム400がブーム位置に関係するセンサデータを確証するようになっていてもよいし、又はその逆であってもよい。
【0078】
ここに参照されている全ての特許は、本開示の本文内で明確に指示されていようがいまいが、これによりここにその全体を参考文献と援用する。
【0079】
本開示では、原文の冠詞「a」又は「an」の対訳である「一」、「或る」という語は単数形及び複数形のどちらも含むものと捉えられたい。逆に、複数物品への何らかの言及は、該当する場合には、単数形を含むものとする。加えて、以上の実施形態のうちの何れかの実施形態の特徴は適切であればここに説明されている他の実施形態の特徴と併せて使用されてもよいし、当該他の実施形態に実施されてもよいし、又は当該他の実施形態の特徴に置き換えられてもよいと理解している。
【0080】
上記からは、本発明の新規性のある概念の真髄及び範囲から逸脱することなく数多くの修正型及び変形型が達成され得るということが観取されるであろう。示されている特定の実施形態に関しては何らの限定も意図されず、また推察されてもならない、ということを理解しておきたい。本開示は、付随の特許請求の範囲によって、当該特許請求の範囲の範囲内に入る全てのその様な修正型を網羅するものとする。
【符号の説明】
【0081】
10 クレーン
12 下部走行体
14 上部構造体
16 フレーム
18 地面係合要素
20 アウトリガー組立体
22 ジャッキ
24 アーム
26 回転台
28 操作者運転室
30 カウンターウェイト組立体
32 ブーム
33 ブーム先端
34 ホイスト
36 ロープ
37 フックブロック
38 基部部分
40 伸縮部分
42 マーカー
52 ブームの下面
54 ブームの上面
56 目盛り
300 クレーン制御システム
310 入力デバイス
314 コンピュータプロセッサ
316 コンピュータ可読記憶媒体
318 ユーザーインターフェース
320 通信インターフェース
322 命令
400 光学検出システム
402 光学制御システム
410 画像キャプチャー組立体
412 コンピュータプロセッサ
414 コンピュータ可読記憶媒体
416 通信インターフェース
418 ユーザーインターフェース
420 命令
422 画像キャプチャーデバイス
424 追加情報
500 クレーン上のブームのステータスを判定する方法
510 画像キャプチャー組立体用いて、クレーン下部走行体、クレーン上部構造体、又はそれら両方、の画像をキャプチャーする
520 光学制御システムを用いて、キャプチャー画像内の1つ又はそれ以上の物体を検出する
530 光学制御システムを用いて、検出された物体を分析する
540 光学制御システム402を用いて、検出された物体の分析に基づいてブーム32のステータスを判定する
A 垂直軸
L1、L2 視線
FA 固定軸
DA 検出された軸
a1 固定軸FAと検出された軸DAの間の角度
W1、W2 下部走行体の幅
H1、H2 上部構造体の高さ
S1、S2、S3 目盛り間距離
H1、H2、H3 マーカーの高さ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20