(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-05
(45)【発行日】2024-08-14
(54)【発明の名称】静脈内カテーテル組立体内の器具の案内を改善するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
A61M 25/06 20060101AFI20240806BHJP
A61M 39/24 20060101ALI20240806BHJP
【FI】
A61M25/06 500
A61M39/24
A61M25/06 510
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022187333
(22)【出願日】2022-11-24
(62)【分割の表示】P 2020502637の分割
【原出願日】2018-07-18
【審査請求日】2022-12-22
(32)【優先日】2017-07-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-07-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジョナサン カール バークホルツ
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン ビールマイアー
(72)【発明者】
【氏名】ショーン ステイリー
【審査官】川上 佳
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2012/133428(WO,A1)
【文献】国際公開第2013/047205(WO,A1)
【文献】特開2016-005807(JP,A)
【文献】特開平09-103492(JP,A)
【文献】国際公開第2011/115048(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 25/06
A61M 39/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
導入要素であって、
遠位開口部を含み、カテーテルアダプター内に挿入するように構成されたブラントチューブ(blunt tube)であって、前記ブラントチューブが第1の外側直径を有するもの、
前記カテーテルアダプター内に挿入するように構成されたベースであって、前記ベースが、略円筒状であり、前記第1の外側直径より大きな第2の外側直径を含み、前記ブラントチューブは、階段状表面が前記ブラントチューブと前記ベースの間に形成されるように前記ベースから遠位方向に伸びるもの、
前記ベースと前記遠位開口部を通って伸びる通路
、
前記通路内に配置され、第1の液体シールとなり、前記通路を通って液体が流れるのを防止するバルブ、
前記チューブの頂部上に配置され、第2の液体シールとなり、液体が前記チューブの遠位開口部に入り込むのを防止する弾性カバーであって、前記弾性カバーの一部が前記階段状表面に接触する弾性カバー、
を含む導入要素、
遠位端及び近位端を含む圧縮可能なスリーブ、
グリップであって、前記圧縮可能なスリーブの遠位端が前記導入要素の近位端に連結され、前記圧縮可能なスリーブの近位端が前記グリップに連結されるグリップ、及び
遠位開口部を含み、前記導入要素及び前記カテーテルアダプターを通って挿入するように構成されたカテーテルであって、前記圧縮可能なスリーブの遠位方向での圧縮に応じて、前記カテーテルの遠位開口部が、前記圧縮可能なスリーブの遠位端の近くの第1の位置から、導入要素に対して遠位にある第2の位置まで進む、カテーテル
を含む導入器であり、
前記導入要素の近位端は、前記ベースに連結されたコネクターを含み、前記カテーテルアダプターへ前記導入器を連結するように構成され
る、
導入器。
【請求項2】
前記液体シールは抗微生物剤を含む、請求項1に記載の導入器。
【請求項3】
前記ブラントチューブの前記遠位開口部の内側表面は遠位方向に内側に先細っており、前記内側表面が前記ブラントチューブを通って遠位側に、前記カテーテルを前記カテーテルアダプター内に案内するように構成される、請求項1に記載の導入器。
【請求項4】
前記
弾性カバーはスリットを含み、前記
第2の液体シールは前記スリットにより貫通されうる、請求項1に記載の導入器。
【請求項5】
前記コネクターは、前記カテーテルアダプターのポートに連結されるように構成される、請求項1に記載の導入器。
【請求項6】
前記カテーテルの前記遠位開口部は、前記スリーブ内に配置される、請求項1に記載の導入器。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
カテーテルは、一般に、種々の注入治療に使用される。例えば、カテーテルは、生理食塩水溶液、種々の医薬及び完全静脈栄養などの液体を患者に注入するのに使用されうる。カテーテルはまた、患者から血液を採取するのにも使用されうる。
【0002】
カテーテルの一般的なタイプは、内針付き(over-the-needle)抹消静脈内(「IV」)カテーテルである。この名前が意味する通り、内針付きカテーテルが、鋭利な遠位先端部を有する導入針を覆って取付られうる。カテーテル及び導入針は、患者の皮膚から離れて針の傾斜面を上に向けながら、導入針の遠位先端部がカテーテルの遠位先端部を越えて伸びるように組み立てられ得る。カテーテル及び導入針は、一般に、皮膚を通して浅い角度で患者の血管系に挿入される。
【0003】
血管内への導入針及び/又はカテーテルの正しい配置を確認するために、臨床医は、一般に、カテーテル組立体のフラッシュバックチャンバー内に血液の「フラッシュバック」があることを確認する。針の配置が確認されたら、臨床医は、血管系の流れを一時的に遮り、針を取り除き、将来の採血又は液体注入のために同じ場所にカテーテルを残す。
【0004】
抹消IVカテーテルを用いた採血は、幾つかの理由、特にカテーテルの留置時間が1日を超える場合に困難となりうる。例えば、カテーテルを長期間患者に挿入したままにしておくと、カテーテルは、デブリ(例えば、フィブリン又は血小板凝集塊)による狭小化、つぶれ、ねじれ、閉塞、及び、血管へのカテーテルの先端の癒着をより受け易くなりうる。このため、カテーテルは、しばしばカテーテルの配置のときに血液サンプルを採取するために使用されるが、カテーテルの留置期間に血液サンプルを採取するために使用されることは非常にまれである。従って、血液サンプルが必要な場合は、追加の針刺しが、血液収集のための静脈アクセスを提供するのに必要となり、この追加の針刺しは、患者にとって痛みを伴い、材料費をより高くする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、例えばカテーテルなどの血液サンプル用器具及びプローブ器具の配置を、追加の針刺しをすることなく、患者の血管系に容易に行うカテーテルシステム及び方法の必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(本発明の概要)
本出願は、一般に、カテーテルシステム内の器具案内であって、抹消IVカテーテルシステムを含みうるものに関する。幾つかの実施形態では、カテーテルシステムはカテーテル組立体を含みうる。幾つかの実施形態では、以下のもの:カテーテル組立体は、カテーテル、カテーテルアダプター、隔壁ハウジング、及び隔壁の1つ以上を含みうる。
【0008】
幾つかの実施形態では、カテーテルアダプターは遠位端、近位端及びこれらの間に延びる管腔を含みうる。幾つかの実施形態では、隔壁はカテーテルアダプターの管腔内に配置されうる。幾つかの実施形態では、隔壁は、隔壁ハウジング内に少なくとも一部分が配置されうる。幾つかの実施形態では、隔壁ハウジングは、隔壁の移動又は動揺を防止し、それによってカテーテルアダプターの管腔からの液体の漏れを防止する。
【0009】
幾つかの実施形態では、カテーテル組立体は、密閉型IVカテーテルシステムの一部又は一体化された延長チューブを備えたカテーテルシステム、例えば、ベクトンディッキンソンのNEXIVA(商標)密閉型カテーテルシステム、ベクトンディッキンソンのNEXIVA(商標)DIFFUSICS(商標)密閉型IVカテーテルシステム、又は、ベクトンディッキンソンのPEGASUS(商標)安全密閉型IVカテーテルシステムなどでありうる。これらの及び他の実施形態では、カテーテルアダプターの近位端は、第1のポートと第2のポートを含みうる。これらの及び他の実施形態では、カテーテルアダプターの管腔は、第1の管腔及び/又は第2の管腔を含みうる。幾つかの実施形態では、第1のポートは第1の管腔を形成でき、及び/又は第2のポートは第2の管腔を形成できる。幾つかの実施形態では、第1及び第2の管腔は共通の管腔で結合されうる。幾つかの実施形態では、第1の管腔は、一般に、共通の管腔と整列され得、及び/又は第2のポートはサイドポートを含みうる。幾つかの実施形態では、隔壁及び/又は隔壁ハウジングは、第1の管腔に配置されうる。
【0010】
密閉型IVカテーテルシステムでは、導入針は、患者の血管系にカテーテルを挿入した後、カテーテルアダプターを通して引き抜かれうる。密閉型IVカテーテルシステムでは、導入針がカテーテルアダプターから引き抜かれると、「ニードルチャネル」に対応する第1の管腔が、隔壁によってカテーテルアダプターの周りの外部環境から遮断される。従って、隔壁は、少なくとも実質的に第1のポートを密封し、第1のポートを通して液体がカテーテルアダプターから出ることを防止する。幾つかの実施形態では、液体の注入及び/又は採血の間のカテーテル組立体の液体通路は、第2のポートを通って広がり、第1のポートには広がらない。
【0011】
幾つかの実施形態では、カテーテルアダプターの第2の管腔は、カテーテルアダプターの第2のポートから延びる延長チューブを介して採血又は注入手段に接続可能でありうる。幾つかの実施形態では、隔壁及び/又は隔壁ハウジングは、カテーテルアダプターの第2のポートに近接して配置されうる。幾つかの実施形態では、カテーテル組立体は、例えば非統合型カテーテルシステム又は統合された延長チューブを持たないカテーテルシステムなどの他のタイプのカテーテルシステムの一部でありうる。
【0012】
幾つかの実施形態では、器具は別のカテーテル又はプローブを含みうる。幾つかの実施形態では、器具は、器具の長さに沿って様々な直径を含みうる。幾つかの実施形態では、器具は、例えば1以上の先細の表面などのカテーテルシステムの1以上の特徴部分(feature)によって案内され、器具がカテーテル組立体の液体通路及び/又は患者の血管系にアクセスすることを可能にする。幾つかの実施形態では、カテーテルシステムの1以上の特徴部分は、隔壁を通して器具を案内し、液体通路にアクセスする。幾つかの実施形態では、隔壁を通って液体通路及び/又は血管系にアクセスすることによって、一体型の延長セットの長く曲がりくねった通路を通る器具の挿入を避けることができる。
【0013】
幾つかの実施形態では、隔壁は近位表面を含むことができ、この近位表面は遠位方向に内側に先細っており、この近位表面が隔壁を通して遠位に器具を案内するように構成される。幾つかの実施形態では、隔壁は空洞を含んでいてもよい。幾つかの実施形態では、空洞の遠位端は環状突出部を含むことができ、これは隔壁の近位表面を形成しうる。幾つかの実施形態では、隔壁は、環状突出部の中心若しくは当該中心の近傍又は環状突出部内に配置されたスリットを含みうる。幾つかの実施形態では、隔壁の近位表面は隔壁の内側表面、又は隔壁のスリットに向けて配置された隔壁の表面を含みうる。
【0014】
幾つかの実施形態では、隔壁ハウジングは近位表面を含むことができ、この近位表面は遠位方向で内側に先細っており、隔壁ハウジングの遠位表面が隔壁を通って遠位側に器具を案内するように構成される。幾つかの実施形態では、隔壁ハウジングは遠位端と近位端を含みうる。幾つかの実施形態では、隔壁は隔壁ハウジングの遠位端内に少なくとも部分的に配置されうる。幾つかの実施形態では、隔壁ハウジングの遠位端は、隔壁ハウジングの遠位表面を含みうる。幾つかの実施形態では、隔壁ハウジングはキャニスターを含んでいてもよい。
【0015】
幾つかの実施形態では、カテーテルシステムは、カテーテル組立体に器具を導入するように構成された延長部又は導入器を含みうる。幾つかの実施形態では、導入器はカテーテルアダプターの近位端に連結されうる導入要素を含みうる。幾つかの実施形態では、導入要素の近位端は開口部を含むことができ、この開口部は近位表面及び/又は内表面によって少なくとも部分的に形成されている。幾つかの実施形態では、内表面は遠位方向で内側に先細っており、この内表面は、導入要素を通って、且つカテーテルアダプターの近位端の中へ器具を遠位側に案内するように構成される。
【0016】
幾つかの実施形態では、導入要素の近位端は連結機構を含んでいてもよい。幾つかの実施形態では、導入要素の遠位端はチューブ又はチューブ要素を含んでいてもよい。幾つかの実施形態では、導入器が連結機構を介してカテーテルアダプターに連結されるのに対応して、チューブが、隔壁を貫通し及び/又は隔壁の近位表面の近傍に伸び、カテーテル組立体内に器具を案内するのを助けることができる。幾つかの実施形態では、チューブの遠位端は鈍くなっており、隔壁が損傷するのを防止することができる。
【0017】
幾つかの実施形態では、導入器は、先端に配置されたカバー、又は、チューブを少なくとも部分的に覆うカバーを含むことができる。幾つかの実施形態では、カバーは隔壁の近位表面に接触しうる。幾つかの実施形態では、カバーは弾性でありうる。幾つかの実施形態では、カバーはスリットを含むことができ、器具によるカバーの貫通を容易にしうる。幾つかの実施形態では、カバーのスリットは、隔壁のスリットに整列されうる。幾つかの実施形態では、カバーは、1以上の抗菌剤を含んでいてもよい。幾つかの実施形態では、カバーは、隔壁を閉じたとき隔壁を通した任意の液体の漏れから導入器を密封するように構成される。
【0018】
幾つかの実施形態では、導入器は鞘又はスリーブを含んでいてもよく、これらは導入要素に連結されうる。幾つかの実施形態では、スリーブは器具を囲み、導入器の周りの外部環境から器具を保護することができる。幾つかの実施形態では、器具はスリーブ内に少なくとも部分的に配置されうる。幾つかの実施形態では、器具は、スリーブが遠位方向に圧縮されるか又はつぶされると、スリーブの遠位端を越えた位置に前進しうる。幾つかの実施形態では、導入器はグリップを含むことができ、このグリップはスリーブの近位端に連結されうる。幾つかの実施形態では、臨床医は、遠位方向へスリーブを圧縮し又はつぶして遠位側にグリップを移動し、スリーブの遠位端を越えた位置に器具を前進させることができる。幾つかの実施形態では、連結機構はカテーテルアダプターの個々のポートに連結されうる。幾つかの実施形態では、隔壁によって、個々のポートを介して液体がカテーテルアダプターから出ていくのを防止できる。幾つかの実施形態では、スリーブは、更に詳細に説明するように、ハウジングに少なくとも部分的に配置される。
【0019】
本発明の上記の特徴及び他の特徴、並びに本発明の利点を得る様式を容易に理解するために、手短に上で説明した本発明のより特定の説明が、添付の図面に例示されたそれらの具体的な実施形態を参照して与えられる。これらの図面は、本発明の典型的な実施形態のみを記述し、従って、本発明の範囲を制限するものと理解すべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1A】
図1Aは、幾つかの実施形態に従った、例示的なカテーテル組立体の水平断面図である。
【
図1B】
図1Bは、幾つかの実施形態に従った、
図1Aのカテーテル組立体の部分分解組立図である。
【
図1C】
図1Cは、幾つかの実施形態に従った、
図1Aのカテーテル組立体に連結されるように構成された例示的なニードルハブの上面斜視図である。
【
図2A】
図2Aは、幾つかの実施形態に従った、案内機構(guidance feature)を含む例示的隔壁の断面図である。
【
図2B】
図2Bは、幾つかの実施形態に従った、
図2Aの案内の特徴及び別の案内機構を含む他の例示的隔壁の断面図である。
【
図2C】
図2Cは、幾つかの実施形態に従った、他の例示的案内機構を有する隔壁ハウジングの断面図である。
【
図3A】
図3Aは、幾つかの実施形態に従った、別の例示的カテーテル組立体に連結された例示的導入器であって、第1の位置に導入器を描いたものの断面図である。
【
図3B】
図3Bは、幾つかの実施形態に従った、
図3Aの導入器であって、第2の位置に導入器を描いたものの断面図である。
【
図3C】
図3Cは、幾つかの実施形態に従った、別の例示的な導入器であって、第2の位置に導入器を描いたものの断面図である。
【
図3D】
図3Dは、幾つかの実施形態に従った、例示的な導入要素に配置される例示的なカバーの断面図である。
【
図4A】
図4Aは、幾つかの実施形態に従った、別の例示的な導入器の断面図である。
【
図5】
図5は、幾つかの実施形態に従った、
図4Aの導入器の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の現在の好ましい実施形態は図面を参照して理解することができ、同様の参照番号は、同じ要素又は機能的に同様な要素を示す。一般的に説明され、本出願の図に例示された本発明のコンポーネントは、様々な異なる構成にアレンジ及び設計することができる。従って、図に表される以下のより詳細な説明は、特許請求の範囲に記載された発明の範囲を制限することを意図するものではなく、本発明の現在の好ましい実施形態の単なる代表例である。更に、各図は単純化された図であるか、又は部分図を示しており、図中の要素の大きさは誇張されているか、さもなければ明確性のために釣り合いをとっていない。
【0022】
本開示で使用される場合、用語「近位」及び「遠位」は、それぞれ、カテーテルシステムを患者に接触して配置する臨床医に近い方向及び臨床医から離れた方向をいう。従って、例えば患者の身体に最初に触れるカテーテルシステムの端が遠位端であり、カテーテルシステムの反対の端(例えば、臨床医によって操作される装置の端)はカテーテルシステムの近位端である。
【0023】
本出願は、一般に、抹消IVカテーテルシステムを含みうるカテーテルシステム内の器具の案内に関する。
図1A~1Cを参照すると、幾つかの実施形態では、カテーテルシステムは、カテーテル組立体10を含みうる。幾つかの実施形態では、カテーテル組立体は、以下の1つ以上:カテーテル12、カテーテルアダプター14、隔壁ハウジング16、及び隔壁18を含むことができる。
【0024】
幾つかの実施形態では、カテーテルアダプター14は、遠位端、近位端、及びこれらの間位に広がる管腔20を含みうる。幾つかの実施形態では、隔壁18は、カテーテルアダプター14の管腔20内に配置されうる。幾つかの実施形態では、隔壁18は隔壁ハウジング16内に少なくとも部分的に配置されうる。幾つかの実施形態では、隔壁ハウジング16は、隔壁18の移動又は動揺を防止し、これによって、カテーテルアダプター14からの液体の漏れを防止する。幾つかの実施形態では、隔壁18及び隔壁ハウジング16は、それぞれ、他の図のいずれかに描写されるように、複数の隔壁18及び隔壁ハウジングのいずれかを含むか、又はこれらに対応する。
【0025】
幾つかの実施形態では、カテーテル組立体10は、密閉型IVカテーテルシステム又は一体化した延長チューブを備えたカテーテルシステム、例えば、ベクトンディッキンソン(BD)NEXIVA(商標)密閉型カテーテルシステム、ベクトンディッキンソン(BD)NEXIVA(商標)DIFFUSICS(商標)密閉型IVカテーテルシステム、又は、ベクトンディッキンソン(BD)PEGASUS(商標)安全密閉型IVカテーテルシステムなどの一部でありうる。これらの及び他の実施形態では、カテーテル14の近位端は、第1のポート22及び第2のポート24を含みうる。これらの及び他の実施形態では、カテーテルアダプター14の管腔20は、第1の管腔20a及び/又は第2の管腔20bを含む。幾つかの実施形態では、第1のポート22は第1の管腔20aを形成でき、及び/又は第2のポート24は第2の管腔20bを形成できる。幾つかの実施形態では、第1及び第2の管腔20a、20bは、共通の管腔20cに結合されうる。幾つかの実施形態では、第1の管腔20aは、一般に、共通の管腔20cと整列され、及び/又は第2のポート24はサイドポートを含むことができる。幾つかの実施形態では、隔壁18及び/又は隔壁ハウジング16は、第1の管腔20aに配置されうる。幾つかの実施形態では、隔壁18は、カテーテルアダプター14の第1の管腔20aを、少なくとも実質的に密封するように構成されうる。
【0026】
一体型又は密閉型IVカテーテルシステムでは、導入針26は、患者の血管系にカテーテルを挿入した後、カテーテルアダプター14を通して引き抜かれうる。一体型又は密閉型IVカテーテルシステムでは、導入針26がカテーテルアダプター14から引き抜かれたとき、「ニードルチャネル」に対応する第1の管腔20aは、隔壁18によってカテーテルアダプター14の周りの環境から遮断される。従って、隔壁18は、液体が第1のポート20aを通ってカテーテルアダプター14から出ていくのを防止することができる。幾つかの実施形態では、液体の注入及び/又は採血の間のカテーテル組立体10の液体通路は、第2のポート20bを通って伸び、第1のポート20a及び隔壁18を通って伸びることはない。
【0027】
幾つかの実施形態では、カテーテルアダプター14の第2の管腔20bは、カテーテルアダプター14の第2のポート20bから延びる延長チューブ28を介して採血手段又は注入手段に接続可能である。幾つかの実施形態では、隔壁18及び/又は隔壁ハウジング16は、カテーテルアダプター14の第2のポート20bに隣接して配置されうる。
【0028】
カテーテル組立体10は、様々なポートを含みうることが理解される。例えば、カテーテル組立体10は、単一のポートを含むことができ、これには、隔壁18及び/又は隔壁ハウジング16が配置されうる。幾つかの実施形態では、カテーテル組立体10は、第1のポート20a、第2のポート20b、及び1以上の追加のポートを含むことができる。幾つかの実施形態では、隔壁18によって、隔壁18が配置された個々のポートを通してカテーテルアダプター14から液体が出ていくのを防止することができる。幾つかの実施形態では、カテーテル組立体10は、別のタイプのカテーテルシステム、例えば一体型でないカテーテルシステムなどの一部であってもよい。幾つかの実施形態では、延長チューブ28及び/又は第2のポート20bはなくてもよい。これらの及び/又は他の実施形態では、カテーテルアダプター14の液体通路は、隔壁18を通って伸びていてよい。
【0029】
幾つかの実施形態では、隔壁18はスリット40を含んでいてもよい。より詳細には、幾つかの実施形態では、隔壁18は、隔壁18を通る導入針26の導入の前の予備スリットであってよく、又は、スリット40は、導入針26が隔壁18を通って挿入されるときに形成されてもよい。幾つかの実施形態では、導入針26はニードルハブ27に連結でき、ニードルハブは針安全機構を含んでいてもよい。
【0030】
図2A~2Cを参照すると、幾つかの実施形態では、器具は別のカテーテル及び/又はプローブ30を含んでいてもよい。プローブ30の例が
図2A~2Cに示されている。しかし、プローブ30は他のカテーテルと置き換えることができ、その例が
図3A~3Bに示されている。幾つかの実施形態では、器具は、プローブ30及び他のカテーテルの両方として機能しうる。幾つかの実施形態では、器具は、以下の1つ以上、即ち診断、血液のサンプリング、モニタリング、及び他の1つ以上の目的に使用できる。
【0031】
幾つかの実施形態では、器具はカテーテルシステムの1以上の特徴部分、例えば、1以上の先細りの表面などによって案内され、器具がカテーテル組立体10の液体通路、及び/又は患者の血管系へアクセスするのを可能にする。幾つかの実施形態では、カテーテルシステムの1以上の特徴部分は、引き込み機構(lead-in features)を含むことができ、隔壁18を通して器具を案内し、カテーテル組立体10の液体通路にアクセスすることができる。幾つかの実施形態では、隔壁18を通して液体通路及び/又は血管系へアクセスすることによって、一体化された延長セットの長く曲がりくねった通路を通って器具を挿入するのを避けることができる。
【0032】
幾つかの実施形態では、他のカテーテルは置換カテーテルを含むことができ、これは針を含んでいなくてもよい。幾つかの実施形態では、プローブ30は1以上の開口部31及び/又は1以上のセンサー32を含んでいてもよい。幾つかの実施形態では、開口部31及び/又はセンサー32は、プローブの遠位先端部の方に配置されうる。幾つかの実施形態では、開口部31は、液体の入口及び/又は出口として機能しうる。幾つかの実施形態では、センサー32は、例えば、診断、情報、血液化学、圧力、流速、薬物の同定、微生物、移植可能なステントの配置、静脈内カテーテルチップ安定化機構(stabilization feature)、又は他の機器などに関連した1以上のパラメータを測定でき、及び/又はこれらに関連した1以上の要素を検出できる。幾つかの実施形態では、この1以上の特徴部分はカテーテル組立体10の液体通路及び/又は患者の血管系内に、センサーを含むプローブ30の部分の配置を容易にする。
【0033】
幾つかの実施形態では、隔壁18は、隔壁18を通る器具の摩擦を低減するように設計された低抵抗隔壁であり、器具が隔壁18を貫くのを助けることができる。幾つかの実施形態では、隔壁18は、カテーテル組立体10内の高圧力に耐えるように構成されうる。幾つかの実施形態では、隔壁ハウジング16及び/又は隔壁18は、様々な方法で、カテーテルアダプター14内にしっかりと固定されうる。幾つかの実施形態では、隔壁ハウジング16は1以上の突出部34を含むことができる。幾つかの実施形態では、1以上の突出部34は縁を含むことができる。幾つかの実施形態では、隔壁ハウジング16は、以下の少なくとも1つ:1以上の突出部34と内壁との間の締りばめ、1以上の突出部34と内壁のスナップ止め(snap fit)、1以上の突出部34と内壁の間の結合、及び1以上の突出部34と内壁の間のねじによる固定(threading securing)、によってカテーテルアダプター14の内壁にしっかりと固定される。幾つかの実施形態では、内壁は溝又は開口部を含むことができる。
【0034】
幾つかの実施形態では、隔壁ハウジング16は、弾力を有していてもよく、1以上の突出部34が溝又は開口部と整列するのに対応して、隔壁ハウジング16は、外側に弾性的に移動し、スナップ止めで溝又は開口部内に1以上の突出部34を保持する。更に詳細には、幾つかの実施形態では、隔壁ハウジング16がカテーテルアダプター14の近位端に挿入されるのに対応して、1以上の突出部34は内側に偏り、及び/又は1以上の突出部が近位端に更に挿入され、溝又は開口部と配列するのに対応して、1以上の突出部34は、1以上の突出部34が溝又は開口部に保持されるように、弾性的に外側に移動することができる。
【0035】
幾つかの実施形態では、隔壁ハウジング16と内壁の間、及び/又は隔壁18と内壁との間の結合は、内壁の様々な場所に配置されうる。幾つかの実施形態では、以下の1つ以上、即ち接着結合、化学結合、超音波溶接、及びレーザー溶接が、接触する内壁及び/又は隔壁18の全て若しくは幾つかの表面に施されうる。追加して又は代替的に、以下の1つ以上、即ち接着結合、化学結合、超音波溶接、及びレーザー溶接が、接触する内壁及び/又は隔壁ハウジング16の全て若しくは幾つかの表面に施されうる。
【0036】
幾つかの実施形態では、隔壁18及び/又は隔壁ハウジング16は、隔壁ハウジング16との機械的接合又は締めによる接合を必要とせずにカテーテルアダプター14内に保持されうる。例えば、カテーテルアダプター14の近位端は、隔壁18及び/又は隔壁ハウジング16の近位面の表面領域の一部に近接し、その部分を越えて伸び、これによって、カテーテルアダプター14内に隔壁18及び/又は隔壁ハウジング16を保持することができる。このように、カテーテルアダプター14は、隣接してこれによりカテーテルアダプター14の近位端を部分的にブロックするカテーテルアダプター14の近位端の壁により、隔壁18及び/又は隔壁ハウジング16がカテーテルアダプター14内において近接側で移動するのを防止する。
【0037】
図2A~2Bを参照すると、幾つかの実施形態では、隔壁18は隔壁18を通って遠位に器具を案内するのを容易にしうる1以上の案内機構を含むことができる。例として、幾つかの実施形態では、隔壁18は近位表面を含み、この近位表面は遠位方向に内側に先細っており、これによって、隔壁18の近位表面が隔壁18を通って遠位側に器具を案内するように構成される。一実施形態では、隔壁18の近位表面は漏斗形状又は円錐形状でありうる。幾つかの実施形態では、隔壁18は空洞36を含んでいてもよい。幾つかの実施形態では、空洞36の遠位端は隔壁18の近位表面を含むことができる。幾つかの実施形態では、隔壁18のスリット40は、近位表面の中心に又はその近傍に配置されうる。幾つかの実施形態では、空洞36の遠位端は環状の突出部38を含むことができ、この突出部は隔壁18の近位表面を形成しうる。幾つかの実施形態では、スリット40は、環状の突出部38の中心に又はその近傍に配置されうる。幾つかの実施形態では、隔壁18の1以上の案内機構は、リブ、突出部、溝、又は器具の方向付けを容易にしうる他の案内機構を含んでいてもよい。幾つかの実施形態では、隔壁18の近位表面は、1以上の案内機構を含むことができる。幾つかの実施形態では、器具を案内することには、1以上の案内機構を接触させることを含みうる。
【0038】
幾つかの実施形態では、隔壁18の1以上の案内機構は、隔壁18の近位端に配置されうる。例えば、隔壁18の近位表面は隔壁18の近位端に配置されうる。
図2Bは、例えば、隔壁の近位端に配置された近位表面で、且つ漏斗形状41としての近位表面を示す。
【0039】
図2C~2Dを参照すると、幾つかの実施形態では、隔壁ハウジング16は、隔壁18及び/又は隔壁ハウジング16を通して遠位側に器具を案内するのを容易にできる1以上の案内機構を含みうる。例として、幾つかの実施形態では、隔壁ハウジング16は近位表面39を含むことができ、この遠位表面は遠位方向で内側に先細っており、これにより遠位表面39が隔壁18を通って遠位側に器具を案内するように構成される。幾つかの実施形態では、近位表面39は漏斗形状又は円錐形状でありうる。幾つかの実施形態では、隔壁ハウジング16は、遠位端及び近位端を含むことができる。幾つかの実施形態では、隔壁18は隔壁ハウジング16の遠位端内に少なくとも部分的に配置されうる。幾つかの実施形態では、隔壁ハウジング16の近位端は近位表面39を含みうる。幾つかの実施形態では、隔壁ハウジング16は、例えば
図2Dに例示されているようなキャニスターを含みうる。
【0040】
幾つかの実施形態では、隔壁ハウジング16の1以上の案内機構は、リブ、突出部、溝、又は器具の方向付けを容易にする他の案内機構を含みうる。幾つかの実施形態では、隔壁ハウジング16の近位表面は、案内機構を含んでいてもよい。
図2Cに例示された隔壁18の近位表面は、例示的な近位表面としての漏斗形状41を示す。幾つかの実施形態では、カテーテルアダプター14の個々のポートは、隔壁ハウジング16の1以上の案内機構を含んでいてもよく、及び/又は、隔壁ハウジング16は、カテーテルアダプター14の個々のポートと共に一体に形成されていてもよい。
【0041】
図3A~3Bを参照すると、幾つかの実施形態では、カテーテルシステムは導入器42を含んでいてもよく、この導入器は、カテーテル組立体10に器具を導入するように構成されうる。幾つかの実施形態では、器具は、例えば
図3A~3Bに例示されるような別のカテーテル46を含みうる。しかし、カテーテル46は、例が
図2A~2Cに示されているプローブ30で置き換えることができる。幾つかの実施例では、器具は、プローブ30及び他のカテーテル46の要素を含むプローブ30及び他のカテーテル46の両方として機能しうる。
【0042】
幾つかの実施形態では、導入器42は、導入要素44を含むことができ、これはカテーテルアダプター14の近位端と連結されうる。幾つかの実施形態では、導入要素44は、隔壁を通して遠位側に器具を案内するのを容易にできる1以上の案内機構を含みうる。例として、幾つかの実施形態では、導入要素44の近位端は、近位表面及び/又は内表面57によって少なくとも部分的に形成される開口部48を含むことができ、この開口部は、遠位方向に内側に先細っており、内表面57が導入要素44及び隔壁18のスリット40を通って遠位側に器具を案内するように構成されうる。幾つかの実施形態では、内表面57は、例えば
図3Aに例示されるような円錐形状又は漏斗形状でありうる。幾つかの実施形態では、内表面57は、リブ、突出部、溝、又は器具の方向付けを容易にしうる他の案内機構の1以上を含むことができる。
【0043】
幾つかの実施形態では、導入要素44は、カテーテルアダプター14の近位端と導入要素44との間を連結するのを容易にできる1以上の連結機構を含むことができ、器具がカテーテル組立体14内に挿入されたときに、液体漏れ及び/又は液体通路の汚染を防止することができる。より詳細には、幾つかの実施形態では、導入要素44は、様々な方法式で、例えばスナップ止め、ねじ止め、圧入、締まりばめ、又は別の適切な手段などで、カテーテルアダプター14の近位端と連結されうる。幾つかの実施形態では、導入要素44の個々の連結機構は、カテーテルアダプターの個々のポートに連結されうる。
図3A~3Bに例示されるように、幾つかの実施形態では、1以上の突出部でカテーテルアダプター14の1以上の凹所に嵌合させることができる。
【0044】
幾つかの実施形態では、カテーテルアダプター14及び/又は導入要素44は、1ピースとして継ぎ目なく形成されうる。幾つかの実施形態では、器具は、導入要素44と連結されうる。幾つかの実施形態では、器具は導入要素44と連結されなくてもよい。
【0045】
幾つかの実施形態では、導入器42は鞘又はスリーブ50を含むことができ、導入要素44に連結されうる。幾つかの実施形態では、スリーブ50は、器具を取り囲むことができる。これらの及び他の実施形態では、スリーブ50は、汚染から器具を保護し、及び/又はカテーテル組立体10の液体通路にアクセスした後、器具に残存するどのような血液又は他の液体も隔離することができる。これらの及び他の実施形態では、スリーブ50は、導入器42を取り巻く外部環境から器具を保護することができる。
【0046】
幾つかの実施形態では、器具はスリーブ50内に少なくとも部分的に配置される。幾つかの実施形態では、スリーブ50は、可撓性及び/又は柔軟な材料で構成される。幾つかの実施形態では、スリーブ50は、軸に沿って潰れるか、又は軸に沿って圧縮可能である。更に詳細には、幾つかの実施形態では、器具は、スリーブが遠位方向に潰されるか又は圧縮されると、スリープ50の遠位端を超えた位置に前進させうる。幾つかの実施形態では、導入器42は、ハンドル又はグリップ52を含むことができ、これはスリーブの近位端と連結されうる。幾つかの実施形態では、臨床医は、グリップ52を遠位側に移動して、スリーブ50を遠位方向に潰すか又は圧縮し、スリーブ50の遠位端を超えた位置に器具を前進させることができる。
【0047】
幾つかの実施形態では、種々のタイプのスリーブ50が使用できる。幾つかの実施形態では、導入器42は、ハウジング(図示せず)を含むことができ、これは導入要素44と連結されうる。幾つかの実施形態では、ハウジングは、例えば同心の円筒部などの1位上のコンポーネントを含みうる。幾つかの実施形態では、ハウジングの少なくとも一部は、軸に沿って潰れるか又は軸に沿って圧縮されうる。例えば、第1の同心の円筒部は、第2の同心の円筒部内に進むことができる。
【0048】
幾つかの実施形態では、スリーブ50はハウジング内に少なくとも部分的に配置され、固定又は半固定化されうる。例示的なハウジングは、2017年7月19日に出願され、「延長ハウジング、プローブ又は血管内カテーテル」と題した米国特許仮出願第62/534,552(特許文献1)(その全体を参照により本出願に取り込む)に記載されている。幾つかの実施形態では、ハウジングはスロットを含んでいてもよい。幾つかの実施形態では、タブ又はアダプターが、器具の近位端又は器具の近位端近傍に連結されうる。幾つかの実施形態では、タブ又はアダプターは、近位位置から遠位位置にスロットに沿って移動するように構成されうる。幾つかの実施形態では、近位位置から遠位位置へのアダプターの移動に対応して、器具がスリーブ50及び/又はハウジングの遠位端を超えて進むことができる。幾つかの実施形態では、アダプターは、シリンジ又は血液採集管を受けるように構成された空洞、及び/又は、シリンジ及び/又は血液採集管の隔壁を貫くように構成されたカニューレを含むことができる。例示的なスロット及び例示的なアダプターは、2017年7月19日に出願され、「延長ハウジング、プローブ又は血管内カテーテル」と題した米国特許仮出願第62/534,552(特許文献1)に記載されている。
【0049】
上述したとおり、幾つかの実施形態では、ハウジングの少なくとも一部は、軸に沿って潰れるか又は軸に沿って圧縮される。ハウジングは、1以上の潰れる筒及び/又は入れ子型の筒を含みうる。追加的に又は代替として、ハウジングはスロットを含んでいてもよい。幾つかの実施形態では、第1の同心円筒部及び/又は第2の同心円筒部の少なくとも一部が潰されうる。
【0050】
幾つかの実施形態では、導入器42は、スリーブ50及び/又はグリップ52を含まなくてもよい。これらの及び他の実施形態では、導入要素44は延長部分(extended length)を有し、これによって、導入要素44の一部が、カテーテル12の挿入部位を覆うために使用されるドレス部分(dressing)を下から突出し、隔壁18への容易なアクセスを促進し、及び/又は器具を支持することができる。
【0051】
幾つかの実施形態では、導入要素44、グリップ52又は導入器42の別の部分は、ルーアー固定具、ベクトンディッキンソンLUER-LOK(商標)Access Device、又は血液収集及び/又はモニタリングのための別の装置に接続される。幾つかの実施形態では、導入器42の液体通路は、グリップ52を通って伸びることができる。幾つかの実施形態では、導入要素44、グリップ52、又は導入器42の別の部分は、モニタリングインターフェース及び/又はモニタリング機器に接続される。
【0052】
図3Cを参照すると、幾つかの実施形態では、導入要素44は、連結機構を含みうる。幾つかの実施形態では、導入要素44の近位端は連結要素を含みうる。幾つかの実施形態では、導入要素44の遠位端はチューブ54を含みうる。幾つかの実施形態では、連結機構はチューブ54に隣接して配置される。幾つかの実施形態では、導入器42が導入要素44の連結機構を介してカテーテルアダプター14に連結されるのに対応して、チューブ54が、空洞36内に、及び/又は隔壁18の近位表面に隣接して、配置されうる。これらの及び他の実施形態では、チューブ54は隔壁18を貫通しなくてもよい。これらの及び他の実施形態では、チューブ54は、スリット40に隣接して隔壁18の近位表面に接触してもよい。幾つかの実施形態では、隔壁18は空洞36を含まなくてもよく、及び/又は空洞36を形成する近位側に伸びた第1及び第2のアームを含まなくてもよいが、近位表面は空洞36内に配置されうる。幾つかの実施形態では、チューブ54の幅は、空洞36の幅とほぼ等しいものであってよい。幾つかの実施形態では、チューブ54の遠位端は、隔壁へ害を及ぼさない鈍端でありうる。幾つかの実施形態では、チューブ54は、導入要素44の基部56の部分から伸びていてもよい。
図3Cは、プローブ30を例示しており、これは、先に既述したように、他のカテーテル46と置き換えることができる。
【0053】
図3Dを参照すると、幾つかの実施形態では、導入要素44は液体シールを含むことができ、これはチューブ54の遠位開口部からの液体の流入を防止することができる。例えば、導入要素44はカバー58を含むことができ、このカバーは、器具によって貫通され、且つ隔壁18と導入要素44の間を密封するように構成することができる。幾つかの実施形態では、カバー58は、頂部上に配置されるか、又はチューブ54を少なくとも部分的に覆う。幾つかの実施形態では、カバー58は、チューブ54の遠位開口部を覆うことができる。幾つかの実施形態では、カバー58は、弾性又は柔軟でありうる。幾つかの実施形態では、カバー58は、スリット60を含むことができ、このスリットは、器具がカバー58を貫通するのを容易にする。幾つかの実施形態では、カバー58は、1以上の抗菌剤を含むことができる。幾つかの実施形態では、カバー58は、隔壁18の近位表面に対して液体の密封性を高める。
【0054】
幾つかの実施形態では、導入器42は、少なくとも1つのバルブ59を含むことができ、これは器具によって貫通されるシールを提供しうる。幾つかの実施形態では、バルブ59はスリットを含みうる。導入器42のバルブ59は、様々な位置に配置でき、カテーテル組立体10からの液体が、導入器42の全体又は一部に入り込み、及び/又は導入器の近位端を出ていくのを防止する。例示的なバルブ59が、
図3Dに示される。幾つかの実施形態では、導入器42はバルブ59及び/又はカバー58を含むことができる。幾つかの実施形態では、導入器42が、例えば
図3Cのように隔壁18を貫通しない場合、導入器42はバルブ59及び/又はカバー58を含んでいなくてもよい。
【0055】
幾つかの実施形態では、例えば、導入器42の任意のコンポーネント及び/又はカテーテルア組立体10の任意のコンポーネントを含むカテーテルシステムの何れかのコンポーネントは、例えば抗菌のコーティング、抗菌の潤滑剤等などの1以上の抗菌剤を含みうる。幾つかの実施形態では、抗菌剤は、カテーテルシステムの液体通路の汚染のリスクを低減しうる。
【0056】
図4A~4Bを参照すると、幾つかの実施形態では、導入器42が導入要素44の連結機構を介してカテーテルアダプター14に連結されるのに対応して、チューブ54が隔壁18を貫通する。これらの及び他の実施形態では、隔壁18の空洞36内の液体が減少され得、及び/又は器具への軸方向の圧縮負荷が、器具自身が隔壁18を開くときと比べて減少しうる。幾つかの実施形態では、チューブ54の遠位端は、隔壁18に害を及ぼさない鈍端でありうる。幾つかの実施形態では、
図4A~4Bの導入器42は、スリーブ50、ブリップ52、及び
図1~3に関連して議論した1以上の他のコンポーネントの1以上を含みうる。
図4は、幾つかの実施形態による、導入器44内に挿入される前のカテーテル46を例示する。
【0057】
バルブ59の別の例が
図4Bに示される。幾つかの実施形態では、バルブ59は無針のコネクター内に配置されうる。幾つかの実施形態では、無針のコネクターは、導入要素44の近位端を形成しうる。幾つかの実施形態では、バルブ59は、隔壁18に対して遠い側でカテーテルアダプター14の範囲内に配置されうる。これらの実施形態では、チューブ54は、器具によって貫通されうるバルブ59ではなく、隔壁18を貫通しうる。幾つかの実施形態では、バルブ59は、隔壁18よりも器具に対する抵抗が低くてもよい。
【0058】
図5を参照すると、先に説明したように、幾つかの実施形態では、導入要素44は様々な連結機構を介してカテーテルアダプター14の近位端と連結されうる。例えば、導入要素44は、スナップ止め、ねじ止め、圧入、締まりばめなどを介してカテーテルアダプターの近位端と連結されうる。幾つかの実施形態では、導入器44はコネクター62を含むことができ、このコネクターは、
図5に例示されるような、例えばねじ止めなどの1以上の連結機構を含むことができる。幾つかの実施形態では、コネクター62は、導入要素44及び/又はカテーテルアダプター14から取り外しできる。他の実施形態では、コネクター62は、導入要素44及び/又はカテーテルアダプター14から除去できなくてもよく、又はこれらに常に連結されていてもよい。
図5は、幾つかの実施形態に従ったスリーブ50に連結された導入要素44を例示する。
【0059】
本発明は、その構造、方法、又は、本明細書に広範囲に記載され、以下の特許請求の範囲に記載された他の基本的特徴から逸脱することなく、他の具体的な形態を包含する。記載した実施形態は、全ての点で、例示としてのみみなされるべきであり、制限とみなされるべきでない。従って、本発明の範囲は、上記の説明によるよりも、むしろ添付の特許請求の範囲によって示される。特許請求の範囲の意味及び等価な範囲内の全ての変更は、これらの範囲に包含される。