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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-05
(45)【発行日】2024-08-14
(54)【発明の名称】組織浸潤を検出するためのセンサー
(51)【国際特許分類】
   A61B 10/00 20060101AFI20240806BHJP
   A61B 5/06 20060101ALI20240806BHJP
【FI】
A61B10/00 A
A61B5/06
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2022522635
(86)(22)【出願日】2020-10-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-19
(86)【国際出願番号】 US2020054627
(87)【国際公開番号】W WO2021076374
(87)【国際公開日】2021-04-22
【審査請求日】2023-08-17
(31)【優先権主張番号】62/914,874
(32)【優先日】2019-10-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/063,228
(32)【優先日】2020-10-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジー ミン ジミー ヨン
【審査官】小野 健二
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/187027(WO,A1)
【文献】米国特許第04213463(US,A)
【文献】米国特許第06432074(US,B1)
【文献】国際公開第2018/162728(WO,A2)
【文献】国際公開第2019/136559(WO,A1)
【文献】特表2002-506680(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 10/00
A61B 5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者のカテーテル注入部位における流体浸潤を検出するためのセンサアセンブリであって、前記センサアセンブリは、
前記カテーテル注入部位に近接する第1の位置で患者に結合するように構成された第1の細長いセンサー部材と、
前記カテーテル注入部位に近接する第2の位置で患者に結合するように構成された第2の細長いセンサー部材であって、エンベロープを含み、
前記エンベロープは下部細長い部材及び上部細長い部材であって、前記下部細長い部材と前記上部細長い部材との中間の内部空間を画定しながら、前記下部細長い部材に結合される上部細長い部材とを含み、
前記エンベロープの内部空間は、その中に前記第1の細長いセンサー部材を受容するように構成され、
前記エンベロープの開放端は、前記第1の細長いセンサー部材の第1の端部が前記エンベロープの開放端から突出することを可能にするように構成される第2の細長いセンサー部材と、
前記第1の細長いセンサー部材に結合される第1のマーキングと、
前記第2の細長いセンサー部材の前記上部細長い部材に結合される第2のマーキングと、
を含み、
前記第1の細長いセンサー部材は、前記第1の細長いセンサー部材及び前記第2の細長いセンサー部材が互いに対して並進可能であるように、前記第2の細長いセンサー部材内に摺動可能に結合され、
前記第1のマーキング及び前記第2のマーキングは、前記第1の細長いセンサー部材及び前記第2の細長いセンサー部材が互いに対して並進するときに、前記第1の細長いセンサー部材及び前記第2の細長いセンサー部材間の相対位置の範囲を示すように構成され、
前記第1の細長いセンサー部材と前記第2の細長いセンサー部材との間の相対位置の範囲内の少なくとも1つの相対位置は、カテーテル注入部位における浸潤を示す、センサアセンブリ。
【請求項2】
前記第1のマーキングは、第1の色及び第1のサイズを有する第1の形状を含み、前記第2のマーキングは、第2の色及び第2のサイズを有する第2の形状を含む、請求項1に記載のセンサアセンブリ。
【請求項3】
前記第1の形状及び前記第2の形状ならびに前記第1のサイズ及び第2のサイズは、互いに実質的に類似し、前記第1の色及び前記第2の色は互いに異なり、
第1の位置では、前記第2のマーキングは、前記第1のマーキングを視覚的に遮断し、第2の位置では、カテーテル注入部位での浸潤が発生したことを示すために、前記第2のマーキングは、前記第1のマーキングの少なくとも一部を視覚的に遮断しない、請求項2に記載のセンサアセンブリ。
【請求項4】
前記第1の色及び前記第2の色のうちの少なくとも1つを検出するように構成された光センサーをさらに含む、請求項2に記載のセンサアセンブリ。
【請求項5】
前記第1の細長いセンサー部材を前記カテーテル注入部位に近接する前記第1の位置で前記患者に結合するように構成された第1の接着部材と、
前記第2の細長いセンサー部材の前記下部細長い部材を前記カテーテル注入部位に近接する前記第2の位置で前記患者に結合するように構成された第2の接着部材と、をさらに含む請求項1に記載のセンサアセンブリ。
【請求項6】
前記第1の接着部材及び前記第2の接着部材を保護するように構成された取り外し可能な下部カバーと、
前記第1の細長いセンサー部材及び前記第2の細長いセンサー部材の間の相対位置を維持するように構成された取り外し可能な上部カバーと、をさらに含む請求項5に記載のセンサアセンブリ。
【請求項7】
前記第1の細長いセンサー部材と前記第2の細長いセンサー部材との間の摩擦を低減するように構成された静電気防止要素をさらに含む請求項1に記載のセンサアセンブリ。
【請求項8】
カテーテル注入部位における浸潤を検出するためのセンサーであって、
カテーテル注入部位に近接する第1の位置で患者に結合するように構成された第1の細長いセンサー部材と、
前記カテーテル注入部位に近接する第2の位置で前記患者に結合するように構成された第2の細長いセンサー部材と、
前記第1の細長いセンサー部材に結合された少なくとも1つの第1のマーキングと、
前記第2の細長いセンサー部材に結合された少なくとも1つの第2のマーキングと、を含み、
前記第1の細長いセンサー部材は、前記第1の細長いセンサー部材及び前記第2の細長いセンサー部材が互いに対して並進可能であるように、前記第2の細長いセンサー部材に対して摺動可能に結合され、
前記第1のマーキング及び前記第2のマーキングの少なくとも1つは、前記第1の細長いセンサー部材及び前記第2の細長いセンサー部材が互いに並進するときに、前記第1の細長いセンサー部材及び前記第2の細長いセンサー部材間の相対位置の範囲を示すように構成され、
前記第1の細長いセンサー部材と前記第2の細長いセンサー部材との間の相対位置の範囲内の少なくとも1つの相対位置は、前記カテーテル注入部位における浸潤を示すセンサー。
【請求項9】
少なくとも1つの前記第1のマーキングは、第1の色及び第1のサイズを有する第1の形状を含み、少なくとも1つの前記第2のマーキングは、第2の色及び第2のサイズを有する第2の形状を含む、請求項8に記載のセンサー。
【請求項10】
前記第1の形状及び前記第2の形状ならびに前記第1のサイズ及び前記第2のサイズは、互いに実質的に類似し、前記第1の色及び第2の色は互いに異なり、
第1の位置では、前記少なくとも1つの第2のマーキングは、前記少なくとも1つの第1のマーキングを視覚的に遮断し、
第2の位置では、カテーテル注入部位での浸潤事象が発生したことを示すために、前記少なくとも1つの第2のマーキングは、前記少なくとも1つの第1のマーキングの少なくとも一部を視覚的に遮断しない、請求項9に記載のセンサー。
【請求項11】
前記第2の細長いセンサー部材は、エンベロープを含み、前記エンベロープは、
下部細長い部材と、
上部細長い部材であって、前記下部細長い部材と前記上部細長い部材との間の内部空間を画定するために前記下部細長い部材に結合された上部細長い部材とを含み、
前記エンベロープの内部空間は、その中に前記第1の細長いセンサー部材を受容するように構成さ、
前記エンベロープの開放端は、前記第1の細長いセンサー部材の第1の端部が前記エンベロープの開放端から突出することを可能にするように構成される、請求項8に記載のセンサー。
【請求項12】
前記第1の細長いセンサー部材を前記カテーテル注入部位に近接する前記第1の位置で前記患者に結合するように構成された第1の接着部材と、
前記第2の細長いセンサー部材を前記カテーテル注入部位に近接する前記第2の位置で前記患者に結合するように構成された第2の接着部材と、をさらに含む請求項11に記載のセンサー。
【請求項13】
前記第1の接着部材及び前記第2の接着部材を保護するように構成された取り外し可能な下部カバーと、
前記第1の細長いセンサー部材及び前記第2の細長いセンサー部材の間の相対位置を維持するように構成された取り外し可能な上部カバーと、をさらに含む請求項12に記載のセンサー。
【請求項14】
前記第1の細長いセンサー部材と前記第2の細長いセンサー部材との間の摩擦を低減するように構成された静電気防止要素をさらに含む、請求項8に記載のセンサー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、患者のカテーテル注入部位における流体浸潤を検出するための センサー及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
カテーテルは、一般的にさまざまな輸液治療に用いられる。例えば、カテーテルは、生理食塩水、薬剤、全非経口栄養などの流体を患者に注入するために使用され得る。また、カテーテルは、患者から血液を採取するためにも使用し得る。
【0003】
カテーテルの一般的なタイプは、オーバーザニードル式末梢静脈カテーテル(「PIVC」)である。その名前が示すように、オーバーザニードル式PIVCは、鋭利な遠位先端を有する導入針をおおって取り付けられ得る。PIVCおよび導入針は、導入針の遠位先端が針の斜面が患者の皮膚とは反対側を向く状態でPIVCの遠位先端を越えて延在するように、組み立てられることができる。PIVCおよび導入針は、一般に、皮膚を通して、動脈、静脈、または患者の他の血管系などの患者の血管に浅い角度で挿入される。PIVCが血管内に適切に配置されると、導入針は引き抜かれ、カテーテルアダプタ( PIVCと結合)を包帯で患者の皮膚に固定することによって、PIVCを血管内に固定することができる。他の一般的なタイプのカテーテルには、限定されないが、末梢に挿入された中心カテーテル(「PICC」)、中心静脈カテーテル(「CVC」)などが含まれる。
【0004】
残念ながら、カテーテルを介して患者に送達される流体は、カテーテル注入部位の周囲の組織に漏出することがある。これらの組織への流体の浸潤は、(1)カテーテルの初期配置が不十分であること、(2)その後の血管内からのカテーテルの剥離、(3)血管から周囲の組織へのカテーテル流体の浸潤などによって引き起こされ得る。
【0005】
したがって、カテーテル注入部位における流体浸潤を検出するための改善されたセンサー及び方法が望ましい。例えば、流体浸潤を検出するための改善されたセンサー及び方法は、浸潤事象がいつ発生したかを迅速に識別するのに役立ち得る。次いで、臨床医は、(1)さらなる浸潤が起こらないようにすること、(2)腫脹を軽減するのに役立つように浸潤部位を上昇させること、(3)腫脹および/または不快感を軽減するのに役立つように(流体に応じて)浸潤部位に暖かいまたは冷たい圧迫を適用すること、(4)必要とされる可能性のある任意の適切な薬物(複数可)で患者を治療することなどの、浸潤事象を治療するための即時の是正措置を講じることができる。
【0006】
本明細書で特許請求される主題は、任意の不利益を解決する実施形態、または上記で説明されるもののような所定の環境でのみ動作する実施形態に限定されない。むしろ、この背景技術は、本明細書で記載された具体化したもののいくつかを実施し得る技術領域の一例を示すために適用されるにすぎない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本開示は、概して、患者のカテーテル注入部位における流体浸潤を検出するための センサー及び方法に関する。本開示の様々なセンサー及び方法は、当業者の現状に応答して、特に、患者のカテーテル注入部位における流体浸潤を検出するための現在利用可能なセンサー及び方法によってまだ完全に解決されていない当業者の問題及びニーズに応答して開発されている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
いくつかの実施形態では、患者のカテーテル注入部位における流体浸潤を検出するためのセンサアセンブリは、概して、第1の細長いセンサー、第2の細長いセンサー、第1のマーキング、及び第2のマーキングを含んでもよい。第1の細長いセンサー部材は、カテーテル注入部位に近接する第1の位置で患者に結合するように構成され得る。第2の細長いセンサー部材は、カテーテル注入部位に近接する第2の位置で患者に結合するように構成され得る。第2の細長いセンサー部材は、下部細長い部材及び上部細長い部材を含むエンベロープを含んでよい。上部細長い部材は、下部細長い部材と上部細長い部材との中間の内部空間を画定しながら、下部細長い部材に結合されてもよい。エンベロープの内部空間は、その中に第1の細長いセンサー部材を受容するように構成され得、エンベロープの開放端は、第1の細長いセンサー部材の第1の端部がエンベロープの開放端から突出することを可能にするように構成され得る。第1のマーキングは、第1の細長いセンサー部材に結合され得、第2のマーキングは、第2の細長いセンサー部材の上部細長い部材に結合され得る。第1の細長いセンサー部材は、第1の細長いセンサー部材及び第2の細長いセンサー部材が互いに対して並進可能であるように、第2の細長いセンサー部材内に摺動可能に結合され得る。第1のマーキング及び第2のマーキングは、第1及び第2の細長いセンサー部材が互いに対して並進するときに、第1の細長いセンサー部材及び第2の細長いセンサー部材間の相対位置の範囲を示すように構成され得る。第1の細長いセンサー部材と第2の細長いセンサー部材との間の相対位置の範囲内の少なくとも1つの相対位置は、カテーテル注入部位における浸潤を示し得る。
【0009】
センサアセンブリのいくつかの実施形態 では、第1のマーキングは、第1の色及び第1のサイズを有する第1の形状を含み得、第2のマーキングは、第2の色及び第2のサイズを有する第2の形状を含み得る。
【0010】
センサアセンブリのいくつかの実施形態では、第1及び第2の形状ならびに第1及び第2のサイズは、互いに実質的に類似してもよく、第1及び第2の色は互いに異なってもよい。したがって、第1の位置では、第1のマーキングは、第2のマーキングを視覚的に遮断し得、第2の位置では、カテーテル注入部位での浸潤が発生したことを示すために、第1のマーキングは、第2のマーキングの少なくとも一部を視覚的に遮断し得ない。
【0011】
いくつかの実施形態では、センサアセンブリはまた、第1の色及び第2の色のうちの少なくとも1つを検出するように構成された光センサーを含んでもよい。
【0012】
センサアセンブリのいくつかの実施形態では、第1の接着部材は、第1の細長いセンサー部材をカテーテル注入部位に近接する第1の位置で患者に結合するように構成され得、第2の接着部材は、第2の細長いセンサー部材の下部細長い部材をカテーテル注入部位に近接する第2の位置で患者に結合するように構成され得る。
【0013】
センサアセンブリのいくつかの実施形態では、取り外し可能な下部カバーが、第1及び第2の接着部材を保護するように構成され得、 取り外し可能な上部カバーが、第1の細長いセンサー部材及び第2の細長いセンサー部材の間の相対位置を維持するように構成され得る。
【0014】
いくつかの実施形態では、センサアセンブリはまた、第1の細長いセンサー部材と第2の細長いセンサー部材との間の摩擦を低減するように構成された静電気防止要素であってもよい。
【0015】
いくつかの実施形態では、カテーテル注入部位における浸潤を検出するためのセンサーは、カテーテル注入部位に近接する第1の位置で患者に結合するように構成された第1の細長いセンサー部材と、カテーテル注入部位に近接する第2の位置で患者に結合するように構成された第2の細長いセンサー部材と、第1の細長いセンサー部材に結合された少なくとも1つの第1のマーキングと、第2の細長いセンサー部材に結合された少なくとも1つの第2のマーキングとを含んでもよい。第1の細長いセンサー部材は、第1の細長いセンサー部材及び第2の細長いセンサー部材が互いに対して並進可能であるように、第2の細長いセンサー部材に対して摺動可能に結合され得る。第1のマーキング及び第2のマーキングの少なくとも1つは、第1の細長いセンサー部材及び第2の細長いセンサー部材が互いに並進するときに、第1の細長いセンサー部材及び第2の細長いセンサー部材間の相対位置の範囲を示すように構成され得る。第1の細長いセンサー部材と第2の細長いセンサー部材との間の相対位置の範囲内の少なくとも1つの相対位置は、カテーテル注入部位における浸潤を示し得る。
【0016】
センサーのいくつかの実施形態では、少なくとも1つの第1のマーキングは、第1の色及び第1のサイズを有する第1の形状を含み得、少なくとも1つの第2のマーキングは、第2の色及び第2のサイズを有する第2の形状を含み得る。
【0017】
センサーのいくつかの実施形態では、第1及び第2の形状ならびに第1及び第2のサイズは、互いに実質的に類似してもよく、第1及び第2の色は互いに異なってもよい。したがって、第1の位置では、少なくとも1つの第1のマーキングは、少なくとも1つの第2のマーキングを視覚的に遮断し得、第2の位置では、カテーテル注入部位での浸潤事象が発生したことを示すために、少なくとも1つの第1のマーキングは、少なくとも1つの第2のマーキングの少なくとも一部を視覚的に遮断し得ない。
【0018】
センサーのいくつかの実施形態では、第2の細長いセンサー部材は、エンベロープを含み得る。エンベロープは、下部細長い部材と、下部細長い部材と上部細長い部材との間の内部空間を画定するために下部細長い部材に結合された上部細長い部材とを含み得る。エンベロープの内部空間は、その中に第1の細長いセンサー部材を受容するように構成され得る。エンベロープの開放端は、第1の細長いセンサー部材の第1の端部がエンベロープの開放端から突出することを可能にするように構成され得る。
【0019】
センサーのいくつかの実施形態では、第1の接着部材は、第1の細長いセンサー部材をカテーテル注入部位に近接する第1の位置で患者に結合するように構成され得、第2の接着部材は、第2の細長いセンサー部材をカテーテル注入部位に近接する第2の位置で患者に結合するように構成され得る。
【0020】
センサーのいくつかの実施形態では、取り外し可能な下部カバーが、第1の接着部材及び第2の接着部材を保護するように構成され得、取り外し可能な上部カバーが、第1の細長いセンサー部材及び第2の細長いセンサー部材の間の相対位置を維持するように構成され得る。
【0021】
いくつかの実施形態では、センサーはまた、第1の細長いセンサー部材と第2の細長いセンサー部材との間の摩擦を低減するように構成された静電気防止要素を含んでもよい。
【0022】
いくつかの実施形態では、センサーを有する患者のカテーテル注入部位における流体浸潤を検出するための方法は、第1の細長いセンサー部材をカテーテル注入部位に近接する第1の位置に適用することと、第2の細長いセンサー部材をカテーテル注入部位に近接する第2の位置に適用することとを含み得る。方法はまた、第1の細長いセンサー部材の第1のマーキングが第2の細長いセンサー部材の第2のマーキングによって遮断されることを確実にするために、センサーが患者に適用された後にセンサーを検査することを含み得る。この方法はまた、患者のカテーテル注入部位で後続の浸潤を検出するためにセンサーを監視することを含んでもよい。第1の細長いセンサー部材は、第1の細長いセンサー部材及び第2の細長いセンサー部材が互いに対して並進可能であるように、第2の細長いセンサー部材に対して摺動可能に結合され得る。第1のマーキング及び第2のマーキングは、第1の細長いセンサー部材及び第2の細長いセンサー部材が互いに並進するときに、第1の細長いセンサー部材及び第2の細長いセンサー部材間の相対位置の範囲を示すように構成され得る。第1の細長いセンサー部材と第2の細長いセンサー部材との間の相対位置の範囲内の少なくとも1つの相対位置は、カテーテル注入部位における浸潤を示し得る。
【0023】
本方法のいくつかの実施形態では、センサーは、第1の接着部材及び第2の接着部材をさらに含んでもよい。患者のカテーテル注入部位でセンサーを適用することは、第1の細長いセンサー部材を第1の位置で患者に結合するために第1の接着部材に圧力を加えること、および第2の細長いセンサー部材を第2の位置で患者に結合するために第2の接着部材に圧力を加えることを、さらに含んでもよい。
【0024】
いくつかの実施形態では、方法はまた、センサーの第1の接着部材及び第2の接着部材を保護するように構成された取り外し可能な下部カバーを取り外すことと、センサーを患者のカテーテル注入部位に適用することと、ならびに、第1の細長いセンサー部材及び第2の細長いセンサー部材が互いに対して並進することを可能にするために、取り外し可能な上部カバーをセンサーから取り外すこととを含み得る。
【0025】
本方法のいくつかの実施形態では、カテーテル注入部位で後続の浸潤を検出するようにセンサーを監視することは、第1のマーキング及び第2のマーキングのうちの少なくとも1つに関連付けられた色を視覚的に検出することを含み得る。
【0026】
本方法のいくつかの実施形態では、カテーテル注入部位で後続の浸潤を検出するようにセンサーを監視することは、光センサーを介して第1のマーキング及び第2のマーキングのうちの少なくとも1つに関連付けられた色を電子的に検出することを含み得る。
【0027】
本方法のいくつかの実施形態では、カテーテル注入部位で後続の浸潤を検出するようにセンサーを監視することは、第1のマーキングと第2のマーキングとの間の距離を測定することを含み得る。
【0028】
上述の概略的な説明と、以下の詳細な説明は共に例示であり、説明のためのものであり、特許請求された本開示の実施形態を制限するものではないことが理解される。本開示の様々な実施形態は、図面に示される配置および手段に限定されないことを理解されたい。また、実施形態は、組み合わされてよいこと、又は、他の実施形態が用いられてよいこと、及び、そのように特許請求されていない限り、本発明の様々な実施形態の範囲から逸脱することなく構造変更がなされてよいことが理解されるべきである。従って、以下の詳細な説明は、限定的な意味で解釈されてはならない。
【図面の簡単な説明】
【0029】
例示的な実施形態が、添付の図面を用いて、追加の特性および詳細とともに記載され、説明される。
図1】いくつかの実施形態による、患者のカテーテル注入部位における流体浸潤を検出するように構成されたセンサーの分解図で ある。
図2】浸潤事象が発生する前に、患者の カテーテル注入部位に近接して組み立てられ、適用された図1のセンサーを示す 。
図3】浸潤事象が発生した後の 図2のセンサーを示す。
図4】患者のカテーテル注入部位における流体浸潤を検出するための方法のフローチャートである。
【0030】
これらの図は、本開示の概念を説明するためのものであり、原寸に比例して描かれていない場合があることを理解されたい。さらに、図は例示的な実施形態を示しており、本開示の範囲に対する制限を表すものではない。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本願の例示的な実施形態は、図を参照することによって最もよく理解され、図全体を通して、同様の部品は同様の数字によって指定される。本願の図に一般的に説明および図示されている本開示の構成要素は、多種多様な異なる構成で配置および設計できることは容易に理解されよう。したがって、図に示されるような装置およびシステムの実施形態の以下のより詳細な説明は、本出願または本出願に優先権を主張する他の出願で主張されるように、本開示の範囲を限定することを意図するものではなく、本開示の例示的な実施形態の単なる代表である。
【0032】
図1~3は、いくつかの実施形態による、患者のカテーテル注入部位210における流体浸潤を検出するためのセンサアセンブリ(またはセンサー100 )の様々な図を図示する。具体的には、図1は、センサー100の分解図を示す。図2は、カテーテル注入部位210で浸潤事象が発生する前に、一緒に組み立てられ、カテーテル注入部位210に近接して患者に結合されたセンサー100を示す。図3は、カテーテル注入部位210で浸潤事象が発生した後のセンサー100を示す。例えば、どのように患者の手200が、流体が患者の手200に浸潤することに起因して、図3においてわずかに拡大または「膨らみ」として示されるかということに留意されたい。これが発生すると、患者の手200上の2つの固定点間の表面距離は、カテーテル注入部位に近接して大きくなる。本明細書に開示されるセンサー(複数可)は、そのような表面距離の増加を感知し、示すように設計される。患者のカテーテル注入部位210(例えば、患者の手200上)は、本開示でのみ説明する目的のために、患者の1つの例示的なカテーテル注入部位として選択されたに過ぎない。したがって、本明細書に記載のセンサー(複数可)及び/または方法(複数可)のいずれかが、患者の任意の所望のカテーテル注入部位で利用され得ることが理解されるであろう。
【0033】
一般に、センサー100は、第1の細長いセンサー部材110、第2の細長いセンサー部材120、第1のマーキング131、及び第2のマーキング132を含み得る。
【0034】
いくつかの実施形態では、第1の細長いセンサー部材110は、カテーテル注入部位210に近接する第1の位置201において患者に結合するように構成されてもよい(例えば、図2及び3を参照されたい)。少なくとも一実施形態では、第1の接着部材141は、第1の細長いセンサー部材110をカテーテル注入部位210に近接する第1の位置201で患者に結合するために利用され得る。同様に、第2の細長いセンサー部材120は、カテーテル注入部位210に近接する第2の位置202で患者に結合するように構成され得る。少なくとも一実施形態では、第2の接着部材142は、第2の細長いセンサー部材120をカテーテル注入部位210に近接する第2の位置202で患者に結合するために利用され得る。本明細書に記載の接着部材のいずれも、両面接着部材及び/又は片面接着部材であってよい。
【0035】
いくつかの実施形態では、第2の細長いセンサー部材120は、エンベロープを含んでもよい。エンベロープは、下部細長い部材122及び上部細長い部材124を含んでもよい。下部細長い部材122及び上部細長い部材124は、下部細長い部材122及び上部細長い部材124の中間の内部空間を画定するために、それらの長さに沿って互いに結合されてもよい。下部細長い部材122及び上部細長い部材124の中間の内部空間は、第1の細長いセンサー部材110を中に摺動可能に受容するように構成されてもよい。しかしながら、下部細長い部材122及び上部細長い部材124の遠位端の一方(または両方)は、エンベロープ内に1つ以上の開放端を作製するために互いに結合されない場合がある。このようにして、エンベロープの開放端は、第1の細長いセンサー部材110の第1の端部111がエンベロープの開放端から突出することを可能にすることができる。
【0036】
いくつかの実施形態では、第1のマーキング131は、第1の細長いセンサー部材110に結合され得、第2のマーキング132は、第2の細長いセンサー部材120の上部細長い部材124に結合され得る。
【0037】
いくつかの実施形態では、第1のマーキング131及び第2のマーキングのうちの少なくとも1つは、複数のマーキングを含んでもよい。
【0038】
いくつかの実施形態では、第1のマーキングは、第1の色(例えば、赤、黒など)及び第1のサイズを有する第1の形状(例えば、円、正方形など)を含み得、第2のマーキングは、第2の色(例えば、赤、黒など)及び第2のサイズを有する第2の形状(例えば、円、正方形など)を含み得る。
【0039】
いくつかの実施形態では、第1及び第2の形状ならびに第1及び第2のサイズは互いに実質的に類似してもよく、第1及び第2の色は互いに異なってもよい(例えば、1つの非限定的な例では、第1のマーキングは赤い円であってもよく、第2のマーキングは実質的に類似したサイズを有する黒い円であってもよい)。
【0040】
いくつかの実施形態では、第1の細長いセンサー部材110は、第1の細長いセンサー部材110及び第2の細長いセンサー部材120が互いに対して並進可能であるように、第2の細長いセンサー部材120内に摺動可能に結合され得る。第1のマーキング 131及び第2のマーキング132は、第1の細長いセンサー部材110及び第2の細長いセンサー部材120が互いに並進するときに、第1の細長いセンサー部材110及び第2の細長いセンサー部材120間の相対位置の範囲を示すように構成され得る。第1の細長いセンサー部材110と第2の細長いセンサー部材120との間の相対位置の範囲内の少なくとも1つの相対位置は、カテーテル注入部位における浸潤を示し得る。例えば、センサー100の第1の位置において(例えば、浸潤事象が発生する前に)、第1のマーキング131は、第1のマーキング131の真上に配置された第2のマーキング132によって視覚的に塞がれ得る(例えば、図2を参照されたい)。しかしながら、センサー100の第2の位置(例えば、浸潤事象が発生した後)では、第2のマーキング132は、カテーテル注入部位210での浸潤事象が発生したことを示すために、第1のマーキング131の少なくとも一部を視覚的に塞がない(例えば、図3を参照されたい)。
【0041】
いくつかの実施形態では、浸潤事象の検出は、第1のマーキング131及び第2のマーキング132のうちの少なくとも1つに関連付けられた色(または色変化)を視覚的に検出することによって達成され得る。
【0042】
いくつかの実施形態では、浸潤事象の検出は、第1のマーキング131及び第2のマーキング132のうちの少なくとも1つに関連付けられた色(または色変化)を電子的に検出することによって達成され得る。これは、LEDおよび/または光センサー(図示せず)で達成され得る。次いで、光センサーによって生成された信号を使用して、当技術分野で既知の任意の方法を介して(例えば、電話へのブルートゥース(登録商標)の信号を介して、さらなるカテーテル注入を停止するためにポンプへの電子信号を介して)アラームを引き起こすことができる。
【0043】
いくつかの実施形態では、浸潤事象の検出は、第1のマーキング131と第2のマーキング132との間の距離を視覚的にまたは電子的に(例えば、図示せずに線形エンコーダを介して)測定することによって達成され得る。
【0044】
要約すると、第1の細長いセンサー部材110と第2の細長いセンサー部材120との間の並進を検出及び/または測定して、浸潤事象がいつ発生したかを識別するための任意の数の異なる方法があり、これらの方法のそれぞれは、本開示の精神及び範囲に従って、本明細書に企図され、組み込まれる。
【0045】
いくつかの実施形態では、センサー100はまた、取り外し可能な下部カバー152を含んでもよい。取り外し可能な下部カバー152は、使用前のセンサー100の保管及び輸送中に第1の接着部材141及び第2の接着部材142を保護するように構成されてよい。このようにして、臨床医は、取り外し可能な下部カバー152をセンサー100から取り外し、すぐにセンサー100をカテーテル注入部で患者に結合して、第1の接着部材141及び第2の接着部材142の「粘着性」を最大化するのに役立てることができる。
【0046】
いくつかの実施形態では、センサー100はまた、取り外し可能な上部カバー154および/または第3の接着部材143を含んでもよい。取り外し可能な上部カバー154及び/または第3の接着部材143は、使用前のセンサー100の保管及び輸送中に、第1の細長いセンサー部材110と第2の細長いセンサー部材120との間の相対位置を維持するように構成され得る。例えば、センサー100が製造及び組み立てられるにつれて、第1のマーキング131は、第2のマーキング132の直下に(例えば、センサー100のための第1の位置または「開始」位置に)配置され得、次いで、第3の接着部材143及び/または取り外し可能な上部カバー154は、使用前のセンサー100の保管及び輸送中にこの第1の位置/開始位置を維持するためにセンサー100に適用され得る。このようにして、臨床医は、取り外し可能な下部カバー152をセンサー100から取り外し、センサーを患者のカテーテル注入部位に適用し、次いで、第1の細長いセンサー部材110及び第2の細長いセンサー部材120がセンサーが患者に結合された後に互いに並進することを可能にするために、取り外し可能な上部カバー154(及び/または第3の接着部材143)をセンサー100から取り外してもよい。次いで、センサー100は、拡張し、可能な浸潤事象についてカテーテル注入部位を監視するプロセスを開始することができる。
【0047】
いくつかの実施形態では、センサー100はまた、静電気防止 要素(図示せず)を含んでもよい。静電気防止要素は、第1の細長いセンサー部材110と第2の細長いセンサー部材120との間の摩擦を低減し、第1の細長いセンサー部材110と第2の細長いセンサー部材120とが互いに自由に並進することを確実にするように構成され得る。静電気防止要素は、これらに限定されないが、(1)静電気を低減するために第1の細長いセンサー部材110及び第2の細長いセンサー部材120の一方または両方に形成されるへこみ、窪み、隆起、パターンなど;(2)静電気を低減するために第1の細長いセンサー部材110及び第2の細長いセンサー部材120の一方または両方に塗布される潤滑剤;(3)静電気 を低減するために第1の細長いセンサー部材110及び第2の細長いセンサー部材120の一方または両方に組み込まれる1つ以上の材料、を含んでもよい。
【0048】
いくつかの実施形態では、センサー100の構成要素の少なくともいくつかは、センサー100のカテーテル注入部位210への適合を容易にするために、及び/または 第2の細長いセンサー部材120を通る第1のマーキング131の視覚的検出を容易にするために、可撓性透明プラスチック材料から作製されてもよい。しかしながら、センサー100の構成要素のいずれかは、任意の適切な材料であってもよいことが理解されるであろう。
【0049】
図4は、センサーを有する患者のカテーテル注入部位における流体浸潤を検出するための方法400のフローチャートを図示する。方法400は、取り外し可能な下部カバーがセンサーから取り外され得るステップ410から開始し得る。いくつかの実施形態では、取り外し可能な下部カバーは、センサーの第1の接着部材及び第2の接着部材を保護するように構成され得る。
【0050】
取り外し可能な下部カバーがセンサーから取り外されると、方法400は、センサーが患者のカテーテル注入部位に適用され得るステップ420に進み得る。
【0051】
いくつかの実施形態では、センサーは、第1の細長いセンサー部材をカテーテル注入部位に近接する第1の位置に適用し(ステップ430で)、第2の細長いセンサー部材をカテーテル注入部位に近接する第2の位置に適用することによって(ステップ440で)、患者のカテーテル注入部位に適用され得る。特定の実施形態では、第1の細長いセンサー部材を第1の位置で患者に結合するために第1の接着部材に圧力を加え、第2の細長いセンサー部材を第2の位置で患者に結合するために第2の接着部材に圧力を加えて、センサーを患者のカテーテル注入部位に適用することができる(ステップ450で)。
【0052】
センサーが患者のカテーテル注入部位に適用されると、方法400は、センサーが(患者に適用された後に)検査されて、第1の細長いセンサー部材の第1のマーキングが第2の細長いセンサー部材の第2のマーキングによって閉塞されることを確実にし得るステップ460に進み得る。これは、カテーテル注入部位でまだ浸潤事象が発生していないことを示す「第1の位置」または「開始位置」と称され得る。
【0053】
第1の細長いセンサー部材の第1のマーキングが第2の細長いセンサー部材の第2のマーキングによって遮断されることを確実にするためにセンサーが検査されると、方法400は、取り外し可能な上部カバーがセンサーから取り外されて、第1の細長いセンサー部材と第2の細長いセンサー部材が互いに対して並進することを可能にするステップ470に進み得る。
【0054】
取り外し可能な上部カバーがセンサーから取り外され、第1の細長いセンサー部材及び第2の細長いセンサー部材が互いに並進することを可能にすると、方法400は、患者のカテーテル注入部位で後続の浸潤を検出するようにセンサーが監視されるステップ480に進み得る。浸潤検出は、以下を与えられたセンサーによって促進されてもよい。(1)第1の細長いセンサー部材と第2の細長いセンサー部材とが互いに並進可能であるように、第1の細長いセンサー部材を第2の細長いセンサー部材に摺動可能に結合され得ること;(2)第1の細長いセンサー部材と第2の細長いセンサー部材とが互いに並進するときに、第1の細長いセンサー部材と第2の細長いセンサー部材との間の相対位置の範囲を示すように第1のマーキングと第2のマーキングとが構成され得ること;(3)第1の細長いセンサー部材と第2の細長いセンサー部材との間の相対位置の範囲内の少なくとも1つの相対位置が、カテーテル注入部位での浸潤を示すことができること。
【0055】
本明細書に開示される任意の方法は、記載された方法を実行するための1つまたは複数のステップまたはアクションを含む。1つまたは複数の方法ステップおよび/または作用は、本明細書に開示される方法から省略され得る。さらに、任意の方法のステップおよび/または作用は、互いに交換され得る。換言すれば、実施形態の適切な動作のために特定のステップまたは作用の順序が必要でない限り、特定のステップおよび/または作用の順序および/または使用を変更することができる。
【0056】
本明細書全体を通して「実施形態(an embodiment)」または「その実施形態(the embodiment)」への言及は、その実施形態に関連して説明された特定の機能、構造または特性が少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。従って、本明細書全体で列挙される引用句またはその変形は、必ずしもすべてが同じ実施形態を指しているわけではない。本開示の実施形態のいずれか、または本開示の実施形態のいずれかの任意の部分は、任意の数の異なる方法で一緒に組み合わせることができることを理解されたい。
【0057】
同様に、実施形態の上記の説明では、開示を合理化する目的で、様々な特徴が単一の実施形態、図、またはその説明に一緒にグループ化される場合があることを理解されたい。しかしながら、この開示形式は、いかなる請求項もその請求項に明示的に列挙されたものよりも多くの特徴を必要とするという意図を反映するものとして解釈されるべきではない。むしろ、以下の請求の範囲が示すように、発明の態様は、上述した単一の開示された特徴事項のすべてより少ない特徴事項の組み合わせにある。したがって、この実施形態の説明に続く請求項は、これにより、この実施形態の説明に明示的に組み込まれ、各請求項は、別個の実施形態としてそれ自体で成り立つ。本開示には、独立請求項とその従属請求項のすべての順列が含まれる。
【0058】
特徴または要素に関する、請求の範囲における用語”第1”という記載は、必ずしも第2または追加のそのような特徴または要素の存在を意味するものではない。ミーンズプラスファンクション形式で記載された要素は、米国特許法第112条第6項に従って解釈されることを意図している。本明細書に記載される基本的な原理から逸脱することなく、上記の実施形態の詳細に変更を加えることができることは、当業者には明らかであろう。
【0059】
この明細書では、標準的な医療の方向性、参照面、および説明的な用語が採用されている。例えば、前方(anterior)とは体の正面に向かうことを意味する。後部(Posterior)とは、体の後ろに向かうことを意味する。上部(Superior)とは、頭に向かうことを意味する。下部(Inferior)とは、足に向かうことを意味する。内側(Medial)とは、体の正中線に向かうことを意味する。外側(Lateral )とは、体の正中線から離れることを意味する。軸方向(アキシャル)とは、体の中心軸に向かうことを意味する。背軸(Abaxial)とは、体の中心軸から離れることを意味する。同側とは、体に関して同じ側を意味する。対側とは、体に関して反対側を意味する。矢状面によって、体が左右の部分に分割される。正中矢状面(midsagittal plane)は、体を左右対称の右半分と左半分に分割する。冠状面によって、体が前部と後部に分割される。横断面によって、体が上部と下部に分割される。これらの説明的な用語は、生物または無生物の体に適用され得る。
【0060】
「接続される(connected to)」、「結合される(coupled to)」、「係合する(engaged with)」および「連通する(in communication within)」という語句は、機械的、電気的、磁気的、電磁気的、流体的、および熱的相互作用を含む、2つまたはそれ以上の実体間の任意の形態の相互作用を指している。2つの構成要素は、相互に直接接触していなくても、機能的に互いに結合され得る。「隣接する」という用語は、互いに直接物理的に接触している物を指すが、物は必ずしも一緒に取り付けられるものとは限らない。「流体連通」という語句は、一方の機構内の流体が他方の機構に流れ込むことができるように接続されている2つの機構を指す。
【0061】
用語「例示的な」は、本明細書では「例、実例、または例示として機能を果たす」ことを意味するように用いられる。「例示的な」として本明細書で説明されるいずれの実施形態も、他の実施形態に対して必ずしも好ましいまたは有利なものとして解釈されるわけではない。実施形態の様々な態様が図に提示されているが、特に示されていない限り、図は必ずしも正確な縮尺で描かれているわけではない。
【0062】
本明細書で定義されるように、「実質的に等しい」とは、「等しい」、または互いに約+10%または-10%の相対分散内を意味する。
【0063】
本開示の特定の実施形態および用途を例示し説明してきたが、添付の特許請求の範囲は、本明細書に開示された正確な構成および構成要素に限定されないことを理解されたい。本明細書に開示された装置およびシステムの構成、動作、および詳細において、当業者には明らかであろう様々な修正、変更、および変形を行うことができる。
【0064】
本明細書で記載されるすべての例および条件付き文言は、読者が本発明および技術を促進するために本発明者によって提供される概念を理解することの助けとなるような教育的目的を意図しており、その具体的に列挙されている例および条件に限定されないものとして解釈されるべきである。本開示の実施形態は詳細に説明されているが、開示された実施形態の精神および範囲から逸脱することなく、本明細書に対する、さまざまな変更、置換、および改変がなされ得ることを理解されたい。
図1
図2
図3
図4