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特許7534401車両スケジューリング方法、装置、およびシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-05
(45)【発行日】2024-08-14
(54)【発明の名称】車両スケジューリング方法、装置、およびシステム
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/34 20060101AFI20240806BHJP
   G08G 1/01 20060101ALI20240806BHJP
   G08G 1/04 20060101ALI20240806BHJP
   G08G 1/0968 20060101ALI20240806BHJP
【FI】
G01C21/34
G08G1/01 E
G08G1/04 C
G08G1/0968 B
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022525867
(86)(22)【出願日】2020-08-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-18
(86)【国際出願番号】 CN2020109839
(87)【国際公開番号】W WO2021088461
(87)【国際公開日】2021-05-14
【審査請求日】2023-05-24
(31)【優先権主張番号】201911066406.9
(32)【優先日】2019-11-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520208203
【氏名又は名称】ベイジン・ジンドン・チアンシ・テクノロジー・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】孔 培▲靈▼
【審査官】秋山 誠
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-060019(JP,A)
【文献】特開2011-094983(JP,A)
【文献】特表2018-536236(JP,A)
【文献】特開2016-188788(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/34
G08G 1/01
G08G 1/04
G08G 1/0968
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両スケジューリング方法であって、
各エリアの画像情報を取得するステップと、
前記画像情報に従って、各エリアにおける車両密度情報を決定するステップと、
各エリアにおける前記車両密度情報に従って、各エリアの経路に対応する第1の経路コストを構成するステップと、
各ターゲット位置の優先度を取得するステップと、
各ターゲット位置の前記優先度に従って、各ターゲット位置に到達する経路に対して第2の経路コストを設定するステップと、
各エリアの前記経路に対して構成された前記第1の経路コストおよび各ターゲット位置に到達する前記経路に対して設定された前記第2の経路コストに従って、ターゲット車両に対する開始位置から複数のターゲット位置までの複数の計画経路のうちの各計画経路に対応する経路値を計算するステップと、
最小経路値をターゲットと見なすことによって前記ターゲット車両の最適計画経路を決定するステップとを含むことを特徴とする、車両スケジューリング方法。
【請求項2】
前記画像情報に従って各エリアにおける車両密度情報を前記決定するステップが、
前記画像情報に従って各車両を認識するステップと、
各エリアにおいて車両数をカウントするステップと、
各エリアにおける前記車両数に従って、各エリアにおける前記車両密度情報を決定するステップとを含むことを特徴とする、請求項1に記載の車両スケジューリング方法。
【請求項3】
サンプル画像を取得するステップと、
前記サンプル画像中の車両をラベル付けするステップと、
訓練された車両認識モデルに従って前記画像情報中の前記車両を認識するために、前記ラベル付けされた画像を使用することによって前記車両認識モデルを訓練するステップとをさらに含むことを特徴とする、請求項2に記載の車両スケジューリング方法。
【請求項4】
車両密度が大きくなればなるほど、対応するエリアの前記経路に対して構成される前記第1の経路コストが大きくなることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の車両スケジューリング方法。
【請求項5】
前記優先度が高くなればなるほど、前記対応するターゲット位置に到達する前記経路に対して構成される前記第2の経路コストが小さくなることを特徴とする、請求項1に記載の車両スケジューリング方法。
【請求項6】
車両スケジューリング装置であって、
各エリアの画像情報を取得するように構成された画像取得ユニットと、
前記画像情報に従って各エリアにおける車両密度情報を決定するように構成された車両密度決定ユニットと、
各エリアにおける前記車両密度情報に従って各エリアの経路に対応する第1の経路コストを構成し、各ターゲット位置の優先度を取得し、各ターゲット位置の前記優先度に従って、各ターゲット位置に到達する経路に対する第2の経路コストを設定するように構成された経路コスト設定ユニットと、
各エリアの前記経路に対して構成された前記第1の経路コストおよび各ターゲット位置に到達する前記経路に対して設定された前記第2の経路コストに従って、ターゲット車両に対する開始位置から複数のターゲット位置までの複数の計画経路のうちの各計画経路に対応する経路値を計算するように構成された計画経路値決定ユニットと、
最小経路値をターゲットと見なすことによって前記ターゲット車両の最適計画経路を決定するように構成された最適経路決定ユニットとを含むことを特徴とする、車両スケジューリング装置。
【請求項7】
車両スケジューリング装置であって、
メモリと、
前記メモリに結合され、前記メモリに記憶された命令に基づいて、請求項1から5のいずれか一項に記載の車両スケジューリング方法を実行するように構成された、プロセッサとを含むことを特徴とする、車両スケジューリング装置。
【請求項8】
車両スケジューリングシステムであって、
請求項6に記載の車両スケジューリング装置と、
各エリアの画像情報を取得するように構成された画像取得デバイスとを含むことを特徴とする、車両スケジューリングシステム。
【請求項9】
プロセッサによって実行されると、請求項1から5のいずれか一項に記載の車両スケジューリング方法を実施するコンピュータプログラム命令を記憶することを特徴とする、コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、その開示がこれによって全体として本出願に組み込まれる、2019年11月4日に出願された中国特許出願第201911066406.9号に基づいており、その優先権を主張する。
【0002】
本開示は、スケジューリングの分野に関し、詳細には、車両スケジューリング方法、装置、およびシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
現在の倉庫物流では、倉庫渡しの仕分け(ex-warehouse sorting)が、効率向上のために最も重要となっている。労働コストのみならず、労働者の疲労などに起因する仕分け誤り率が減少するように、手動の仕分けの代わりに無人の仕分け車両が適用される。
【0004】
単に経路計画アルゴリズム、経路発見アルゴリズムなどに基づく、関係する仕分け車両スケジューリングは、最短経路を計算することによって車両のために経路発行およびスケジューリング(path issuing and scheduling)を行う。作業場が小さく、車両が少ない適用シナリオでは、この解決策は、仕分け効率に大きな影響を与えることはない。しかし、非常に多くのスケジューリング車両があるシナリオでは、この解決策は、仕分け効率に大きな影響を与えることになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示によって解決される1つの技術的問題は、仕分け効率を向上させることができる車両スケジューリング方法、装置、およびシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様によれば、車両スケジューリング方法が提供され、この方法は、各エリアの画像情報を取得するステップと、画像情報に従って各エリアにおける車両密度情報を決定するステップと、各エリアにおける車両密度情報に従って各エリアの経路に対応する第1の経路コストを構成するステップと、各エリアの経路に対して構成された第1の経路コストに従って、ターゲット車両に対する開始位置から少なくとも1つのターゲット位置までの複数の計画経路のうちの各計画経路に対応する経路値を計算するステップと、最小経路値をターゲットと見なすことによってターゲット車両の最適計画経路を決定するステップとを含む。
【0007】
いくつかの実施形態では、画像情報に従って各エリアにおける車両密度情報を決定するステップは、画像情報に従って各車両を認識するステップと、各エリアにおける車両数をカウントするステップと、各エリアにおける車両数に従って各エリアにおける車両密度情報を決定するステップとを含む。
【0008】
いくつかの実施形態では、サンプル画像が取得され、サンプル画像中の車両がラベル付けされ、訓練された車両認識モデルに従って画像情報中の車両を認識するために、車両認識モデルが、ラベル付けされた画像を使用することによって訓練される。
【0009】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのターゲット位置が複数のターゲット位置を含む場合、ターゲット車両に対応する各ターゲット位置の複数の計画経路のうちの各計画経路に対応する経路値が決定され、ターゲット車両の最適ターゲット位置が、最小経路値をターゲットと見なすことによって決定される。
【0010】
いくつかの実施形態では、各ターゲット位置の優先度が取得され、各ターゲット位置の優先度に従って、各ターゲット位置に到達する経路に対して第2の経路コストが設定され、各計画経路に対応する経路値が、各エリアの経路に対して構成された第1の経路コストおよび各ターゲット位置の経路に対して設定された第2の経路コストに従って計算される。
【0011】
いくつかの実施形態では、車両密度が大きくなればなるほど、対応するエリアの経路に対して構成される第1の経路コストが大きくなり、かつ/または優先度が高くなればなるほど、対応するターゲット位置の経路に対して構成される第2の経路コストが小さくなる。
【0012】
本開示の別の態様によれば、車両スケジューリング装置もまた提供され、この装置は、各エリアの画像情報を取得するように構成された画像取得ユニットと、画像情報に従って各エリアにおける車両密度情報を決定するように構成された車両密度決定ユニットと、各エリアにおける車両密度情報に従って各エリアの経路に対応する第1の経路コストを構成するように構成された経路コスト設定ユニットと、各エリアの経路に対して構成された第1の経路コストに従って、ターゲット車両に対する開始位置から少なくとも1つのターゲット位置までの複数の計画経路のうちの各計画経路に対応する経路値を計算するように構成された計画経路値決定ユニットと、最小経路値をターゲットと見なすことによってターゲット車両の最適計画経路を決定するように構成された最適経路決定ユニットとを含む。
【0013】
本開示のさらに別の態様によれば、車両スケジューリング装置もまた提供され、この装置は、メモリと、メモリに結合されたプロセッサとを含み、プロセッサは、メモリに記憶された命令に基づいて、上記で説明した車両スケジューリング方法を実行するように構成される。
【0014】
本開示のさらに別の態様によれば、車両スケジューリングシステムもまた提供され、このシステムは、上記で説明した車両スケジューリング装置と、各エリアの画像情報を取得するように構成された画像取得デバイスとを含む。
【0015】
本開示のさらに別の態様によれば、プロセッサによって実行されると、上記で説明した車両スケジューリング方法を実施する命令を記憶したコンピュータ可読記憶媒体もまた提供される。
【0016】
本開示の実施形態によれば、各エリアにおける車両密度情報に従って各エリアの経路に対応する、第1の経路コストが構成され、各計画経路に対応する経路値は、各エリアの経路に対して構成された第1の経路コストに従って計算され、ターゲット車両の最適計画経路は、最小経路値をターゲットと見なすことによって決定される。多くの車両が渋滞を引き起こすとき、渋滞を解消するために非常に多くの時間を必要とする関連技術と比較して、仕分け効率が向上するように、本実施形態では渋滞ルートを合理的に回避することができる
【0017】
本開示のさらなる特徴およびその利点は、添付の図面を参照しながら進める、それの例示的な実施形態の以下の詳細な説明から明らかとなろう。
【0018】
本明細書の一部を構成する添付の図面は、本開示の実施形態を示し、説明と併せて、本開示の原理を説明するのに役立つ。
【0019】
本開示は、添付の図面を参照しながら行う以下の詳細な説明から、より明確に理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本開示のいくつかの実施形態による車両スケジューリング方法の概略流れ図である。
図2】本開示の他の実施形態による車両スケジューリング方法の概略流れ図である。
図3】本開示のいくつかの実施形態による車両スケジューリング装置の概略構造図である。
図4】本開示の他の実施形態による車両スケジューリング装置の概略構造図である。
図5】本開示の他の実施形態による車両スケジューリング装置の概略構造図である。
図6】本開示のいくつかの実施形態による車両スケジューリングシステムの概略構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
次に、添付の図面を参照しながら、本開示の様々な例示的な実施形態について説明する。これらの実施形態において示す構成要素およびステップの相対的な配置、数式および数値は、別段に明記されていない限り、本開示の範囲を限定しないことに留意されたい。
【0022】
一方、図面に示す様々な部分のサイズは、説明しやすくするために、実際の縮尺で描かれていないことを理解されたい。
【0023】
少なくとも1つの例示的な実施形態の以下の説明は、事実上単に例示的なものであって、決して本開示およびその適用または使用を限定することを目的とするものではない。
【0024】
関連技術の当業者に知られている技法、方法、およびデバイスについては、詳細に説明しない場合があるが、それらは該当する場合、与えられる明細書の一部として見なされるべきである。
【0025】
本明細書で示し、説明するすべての例では、どんな特定値も限定としてではなく、例にすぎないものとして解釈されるべきである。したがって、例示的な実施形態の他の例は、異なる値を有することがある。
【0026】
以下の図面において同様の参照番号および文字は同様の項目を指し、したがって1つの図面において、ある項目が定義されると、後続の図面において、さらに説明される必要はないことに留意されたい。
【0027】
本開示の目的、技術的解決策、および利点をより明らかにするために、特定の実施形態および添付の図面を参照しながら以下で本開示をさらに詳細に説明する。
【0028】
図1は、本開示のいくつかの実施形態による車両スケジューリング方法の概略流れ図である。
【0029】
ステップ110において、各エリアの画像情報が取得される。
【0030】
いくつかの実施形態では、仕分けエリア全体が、複数の小エリアに分割され得る。各エリアの画像情報を取得するために、1つまたは複数のカメラが、仕分けエリアに配置される。
【0031】
ステップ120において、画像情報に従って、各エリアにおける車両密度情報が決定される。
【0032】
いくつかの実施形態では、各車両が、画像情報に従って認識され、各エリアにおける車両数がカウントされ、各エリアにおける車両数に従って、各エリアにおける車両密度情報が決定される。たとえば、第1のエリアでは20台の車両が動作し、第2のエリアでは10台の車両が動作している場合、第1のエリアの車両密度は、第2のエリアの車両密度よりも大きい。
【0033】
いくつかの実施形態では、車両認識モデルを最初に訓練することができ、訓練された車両認識モデルに従って、画像中の車両を認識することができる。たとえば、最初にサンプル画像が取得され、サンプル画像中の車両がラベル付けされ、車両認識モデルは、ラベル付けされた画像を使用することによって訓練される。車両認識モデルは、たとえば、ニューラルネットワークモデルなどである。
【0034】
ステップは、動的計算プロセスであり、たとえば、最初の10秒には、あるエリアに5台の車両があり、これが1つの車両密度に対応し、10秒後にそのエリアには2台の車両があり、これが他の1つの車両密度に対応し、すなわち作業場の道路状態が、リアルタイムで分析される。
【0035】
ステップ130において、各エリアにおける車両密度情報に従って各エリアの経路に対応する、第1の経路コストが構成される。車両密度が大きくなればなるほど、対応するエリアの経路に対して構成される第1の経路コストが大きくなる。たとえば、エリアA、B、およびCの車両密度が連続的に減少する場合、エリアAを通る経路のコストが5増加し、エリアBを通る経路のコストが3増加し、エリアCを通る経路のコストが0増加する。
【0036】
ステップ140において、ターゲット車両に対する開始位置から少なくとも1つのターゲット位置までの複数の計画経路のうちの各計画経路に対応する経路値が、各エリアの経路に対して構成された第1の経路コストに従って計算される。
【0037】
たとえば、あるターゲット車両が、エリアAからターゲット位置に到達することがあり、またはエリアBもしくはCからターゲット位置に到達することがある。エリアAにおけるルートは、ルート1、2、3、および4を含み、エリアBにおけるルートは、ルート5、6、および7を含み、エリアCにおけるルートは、ルート8、9、および10を含む。これらのルートに従って、複数の計画経路が形成され得る。各計画経路コストに基づいて、各計画経路に対応する経路値を獲得するために、対応するエリアを通る第1の経路コストが追加される。元の計画経路が計算されるとき、ダイクストラ(Dijkstra)経路計画アルゴリズムなどが採用され得る。
【0038】
ステップ150において、ターゲット車両の最適計画経路が、最小経路値をターゲットと見なすことによって決定される。
【0039】
上記の実施形態では、第1の経路コストは、各エリアにおける車両密度情報に従って各エリアの経路に対して構成され、各計画経路に対応する経路値は、各エリアの経路に対して構成された第1の経路コストに従って計算され、ターゲット車両の最適計画経路は、最小経路値をターゲットと見なすことによって決定される。多くの車両が渋滞を引き起こすとき、渋滞を解消するために非常に多くの時間を必要とする関連技術と比較して、仕分け効率が向上するように、本実施形態では渋滞ルートを合理的に回避することができる
【0040】
本開示の別の実施形態では、ターゲット車両が複数のターゲット位置に対応する場合、ターゲット車両に対応する各ターゲット位置の複数の計画経路のうちの各計画経路に対応する経路値が決定される必要があり、ターゲット車両の最適ターゲット位置が、最小経路値をターゲットと見なすことによって決定される。
【0041】
たとえば、ターゲット車両は、複数の荷下ろし地点、駐車場、充電場所などに対応する。荷下ろし地点を例にとると、関連技術では、優先度に従ってエリア分割が行われ、最も高い優先度の荷下ろし地点が空いているとき、途中に渋滞があるかどうかにかかわらず、この地点は最適位置として車両に発行されることになる。低い優先度の位置に到達するルートがより円滑であったとしても、最も高い優先度の荷下ろし地点が最適荷下ろし地点と見なされ、高い優先度の荷下ろし地点が長時間占有され、低い優先度の荷下ろし地点があまり利用されないようになる。この解決策の使用によって、各エリアの車両密度は、渋滞ルートを自動的に回避するために考慮され、より正確な最適位置が推奨され得るようになる。
【0042】
図2は、本開示の他の実施形態による車両スケジューリング方法の概略流れ図である。
【0043】
ステップ210において、各エリアの画像情報が取得される。
【0044】
ステップ220において、画像情報に従って、各エリアにおける車両密度情報が決定される。
【0045】
ステップ230において、各エリアにおける車両密度情報に従って、各エリアの経路に対して第1の経路コストが構成される。
【0046】
ステップ240において、各ターゲット位置の優先度が取得される。
【0047】
ステップ250において、各ターゲット位置の優先度に従って、各ターゲット位置に到達する経路に対して第2の経路コストが設定される。優先度が高くなればなるほど、ターゲット位置に対応する経路に対して構成される第2の経路コストが小さくなる。
【0048】
ステップ210およびステップ240は、同時にまたは順不同に行うことができる。
【0049】
ステップ260において、ターゲット車両の複数の計画経路が、ターゲット車両の開始位置および複数のターゲット位置に従って決定される。
【0050】
ステップ270において、各計画経路に対応する経路値が、各エリアの経路に対して構成された第1の経路コストおよび各ターゲット位置の経路に対して設定された第2の経路コストに従って計算される。
【0051】
ステップ280において、ターゲット車両の最適計画経路が、最小経路値をターゲットと見なすことによって決定される。
【0052】
上記の実施形態では、最適計画経路が決定されるとき、仕分け効率が向上するように、網羅的計算によって最小経路値を有する最適計画経路を獲得するために、途中の渋滞状態とターゲット位置の優先条件との両方が考慮される。
【0053】
図3は、本開示のいくつかの実施形態による車両スケジューリング装置の概略構造図である。車両スケジューリング装置は、画像取得ユニット310と、車両密度決定ユニット320と、経路コスト設定ユニット330と、計画経路値決定ユニット340と、最適経路決定ユニット350とを含む。
【0054】
画像取得ユニット310は、各エリアの画像情報を取得するように構成される。
【0055】
車両密度決定ユニット320は、画像情報に従って各エリアにおける車両密度情報を決定するように構成される。
【0056】
いくつかの実施形態では、各車両が、画像情報に従って認識され、各エリアにおける車両数がカウントされ、各エリアにおける車両数に従って、各エリアにおける車両密度情報が決定される。
【0057】
経路コスト設定ユニット330は、各エリアにおける車両密度情報に従って各エリアの経路に対して第1の経路コストを構成するように構成される。車両密度が大きくなればなるほど、対応するエリアの経路に対して構成される第1の経路コストが大きくなる。
【0058】
計画経路値決定ユニット340は、各エリアの経路に対して構成された第1の経路コストに従って、ターゲット車両に対する開始位置から少なくとも1つのターゲット位置までの複数の計画経路のうちの各計画経路に対応する経路値を計算するように構成される。
【0059】
各計画経路値に基づいて、各計画経路に対応する経路値を獲得するために、対応するエリアを通る第1の経路コストが追加される。
【0060】
最適経路決定ユニット350は、最小経路値をターゲットと見なすことによってターゲット車両の最適計画経路を決定するように構成される。
【0061】
上記の実施形態では、第1の経路コストは、各エリアにおける車両密度情報に従って各エリアの経路に対して構成され、各計画経路に対応する経路値は、各エリアの経路に対して構成された第1の経路コストに従って計算され、ターゲット車両の最適計画経路は、最小経路値をターゲットと見なすことによって決定され、渋滞ルートを合理的に回避することができ、仕分け効率が向上するようになる。
【0062】
いくつかの実施形態では、画像取得ユニット310および車両密度決定ユニット320は、ビデオ監視モジュールに統合され得る。経路コスト設定ユニット330、計画経路値決定ユニット340、および最適経路決定ユニット350は、スケジューリングモジュールに統合され得る。すなわち、ビデオ監視モジュールは、スケジューリングモジュールを支援するために、作業場の道路状態および位置を非同期的にプッシュする。スケジューリングモジュールは、専用の任務を有し、すなわち、スケジューリング効率を向上させるために経路計算および戦略を特別に担う。
【0063】
本開示の他の実施形態では、ターゲット車両が複数のターゲット位置に対応する場合、計画経路値決定ユニット340は、ターゲット車両に対応する各ターゲット位置の複数の計画経路のうちの各計画経路に対応する経路値を決定するようにさらに構成され、最適経路決定ユニット350は、最小経路値をターゲットと見なすことによってターゲット車両の最適ターゲット位置を決定するようにさらに構成される。
【0064】
本開示の他の実施形態では、経路コスト設定ユニット330は、各ターゲット位置の優先度を取得し、各ターゲット位置の優先度に従って、各ターゲット位置に到達する経路に対して第2の経路コストを設定するようにさらに構成され、計画経路値決定ユニット340は、各エリアの経路に対して構成された第1の経路コストおよび各ターゲット位置の経路に対して設定された第2の経路コストに従って、各計画経路に対応する経路値を計算するようにさらに構成される。最適経路決定ユニット350は、最小経路値をターゲットと見なすことによってターゲット車両の最適計画経路を決定するように構成される。
【0065】
上記の実施形態では、最適計画経路が決定されるとき、仕分け効率が向上するように、網羅的計算によって最小経路値を有する最適計画経路を獲得するために、途中の渋滞状態とターゲット位置の優先条件との両方が考慮される。
【0066】
図4は、本開示の他の実施形態による車両スケジューリング装置の概略構造図である。装置は、メモリ410と、プロセッサ420とを含み、メモリ410は、磁気ディスク、フラッシュメモリ、または他の任意の不揮発性記憶媒体とすることもできる。メモリは、図1から図2に対応する実施形態における命令を記憶するように構成される。メモリ410に結合されたプロセッサ420は、マイクロプロセッサまたはマイクロコントローラなど、1つまたは複数の集積回路として実装され得る。プロセッサ420は、メモリに記憶された命令を実行するように構成される。
【0067】
図5にも示すように、いくつかの実施形態では、装置500は、メモリ510と、プロセッサ520とを含む。プロセッサ520は、バス530によってメモリ510に結合される。装置500は、外部データを呼び出すためにストレージインターフェース540によって外部ストレージデバイス550にも接続でき、本明細書では詳細に説明しないが、ネットワークインターフェース560によってネットワークまたは別のコンピュータシステム(図示せず)にも接続できる。
【0068】
この実施形態では、仕分け効率が向上するように、データ命令は、メモリに記憶され、次いでプロセッサによって処理される。
【0069】
図6は、本開示のいくつかの実施形態による車両スケジューリングシステムの概略構造図である。このシステムは、上述の車両スケジューリング装置610と、画像取得デバイス620とを含む。
【0070】
画像取得デバイス610は、各エリアの画像情報を取得し、画像情報を車両スケジューリング装置610に送るように構成される。車両スケジューリング装置610は、経路計画によって最適計画経路を決定し、最適計画経路を対応するターゲット車両630に送る。
【0071】
他の実施形態では、システムは、タスクセンターモジュール640と、ワークステーションモジュール650とをさらに含むことができる。
【0072】
タスクセンターモジュール640は、上流システムによって発行されたタスクに一元管理を行う。
【0073】
ワークステーションモジュール650は、上流タスクにビジネスロジック処理を行うことおよびタスク発行時のルーティングを担う。たとえば、仕分けタスク、駐車タスク、および充電タスクなど、異なるタスクタイプに対応して処理が行われ、たとえば、タスクセンターモジュール640は、仕分けタスクを発行し、ワークステーションモジュール650は、仕分けタスクタイプに従って処理を行い、積み込みのためにどのパッケージ供給プラットフォームに到達するべきであるか、次いで荷下ろしのためにどの荷下ろし地点に到達するべきであるかなどを、すなわちターゲット車両の開始位置およびターゲット位置を決定するために、分析する。
【0074】
上記の実施形態では、車両密度は、ビデオ監視を使用することによってカウントされ、次いで、車両スケジューリングのための最適計画経路を見つけ出すために、動的渋滞エリア分割および経路コスト追加が行われる。本出願は、作業場がより大きく、車両がより多い適用シナリオにおいてより明らかな利点を有する。
【0075】
他の実施形態では、コンピュータ可読記憶媒体がその上に、プロセッサによって実行されると、図1から図2に対応する実施形態の方法のステップを実施するコンピュータプログラム命令を記憶している。本開示の実施形態は、方法、装置、またはコンピュータプログラム製品として提供され得ることを、当業者には諒解されたい。したがって、本開示は、完全なハードウェア実施形態、完全なソフトウェア実施形態、またはソフトウェア態様とハードウェア態様を組み合わせた実施形態の形をとることがある。さらに、本開示は、コンピュータ利用可能プログラムコードがその中に具体化される1つまたは複数のコンピュータ利用可能非一時的記憶媒体(限定はしないが、ディスクメモリ、CD-ROM、光メモリなどを含む)に実装されるコンピュータプログラム製品の形をとることがある。
【0076】
本開示について、本開示の実施形態による、方法、装置(システム)、およびコンピュータプログラム製品の流れ図および/またはブロック図を参照しながら説明する。流れ図および/またはブロック図の各流れおよび/またはブロック、ならびに流れ図および/またはブロック図中の流れおよび/またはブロックの組合せは、コンピュータプログラム命令によって実施できることを理解されたい。これらのコンピュータプログラム命令は、機械を作り出すために、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、組込みプロセッサ、または他のプログラム可能データ処理デバイスのプロセッサに提供されることがあり、コンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサによって実行される命令が、流れ図の1つもしくは複数の流れおよび/またはブロック図の1つもしくは複数のブロックにおいて指定される機能を実施するための手段を生み出すようになる。
【0077】
これらのコンピュータプログラム命令は、特定の方法で動作するようにコンピュータまたは他のプログラム可能データ処理デバイスを導くことができるコンピュータ可読メモリに記憶されることもあり、コンピュータ可読メモリに記憶された命令が、流れ図の1つもしくは複数の流れおよび/またはブロック図の1つもしくは複数のブロックにおいて指定される機能を実施する命令手段を含む製造品を作り出すようになる。
【0078】
これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータまたは他のプログラム可能データ処理装置にロードされることもあり、コンピュータ実装処理を作り出すためにコンピュータまたは他のプログラム可能デバイス上で一連の動作ステップが実行され、したがってコンピュータまたは他のプログラム可能デバイス上で実行される命令が、流れ図の1つもしくは複数の流れおよび/またはブロック図の1つもしくは複数のブロックにおいて指定される機能を実施するためのステップを提供するようになる。
【0079】
これまで、本開示について詳細に説明した。当技術分野でよく知られているいくつかの詳細については、本開示の概念を不明瞭にすることを避けるために説明していない。上記の説明を考慮すれば、本明細書で開示する解決策を実施する方法を当業者は今は十分に諒解することができる。
【0080】
本開示のいくつかの特定の実施形態について、例として詳細に説明したが、上記の説明は例示にすぎず、本開示の範囲を限定するよう意図していないことを当業者には理解されたい。本開示の範囲および趣旨から逸脱することなく、上記の実施形態に対して変更形態が作成され得ることを当業者には諒解されたい。本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲によって定義される。
【符号の説明】
【0081】
310 画像取得ユニット
320 車両密度決定ユニット
330 経路コスト設定ユニット
340 計画経路値決定ユニット
350 最適経路決定ユニット
410 メモリ
420 プロセッサ
500 装置
510 メモリ
520 プロセッサ
530 バス
540 ストレージインターフェース
550 外部ストレージデバイス
560 ネットワークインターフェース
610 車両スケジューリング装置
620 画像取得デバイス
630 ターゲット車両
640 タスクセンターモジュール
650 ワークステーションモジュール
図1
図2
図3
図4
図5
図6