(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-05
(45)【発行日】2024-08-14
(54)【発明の名称】直径が低減されたU字形屈曲構造を有する整形外科用スクリューエクステンダ
(51)【国際特許分類】
A61B 17/70 20060101AFI20240806BHJP
A61B 17/88 20060101ALI20240806BHJP
【FI】
A61B17/70
A61B17/88
(21)【出願番号】P 2022530191
(86)(22)【出願日】2020-12-09
(86)【国際出願番号】 IB2020061698
(87)【国際公開番号】W WO2021116937
(87)【国際公開日】2021-06-17
【審査請求日】2023-09-27
(31)【優先権主張番号】PCT/IB2019/060665
(32)【優先日】2019-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IB
(73)【特許権者】
【識別番号】515314867
【氏名又は名称】ネオ・メディカル・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ベイヤー, モーテン
【審査官】木村 立人
(56)【参考文献】
【文献】特表2011-500267(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0235677(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0343558(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0256212(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第110169815(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/70
A61B 17/88―17/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スクリューを保持するための遠位側と近位側とを有する、
インプラントシステム用のスクリューエクステンダであって、前記スクリューエクステンダが、
互いに対向
し、互いに接続された2つの側壁であって、接続要素によって前記近位側で互いに接続された2つの側壁を備え、
前記2つの側壁の互いに対向する部分の内面が、ねじ山を含み、
前記ねじ山が、複数のフランクを含み、各フランクが、他方の側壁に向かって内側に曲げられたタブと、前記フランクを画成する、対応する側壁の壁横断開口部とを含む、
スクリューエクステンダ。
【請求項2】
前記壁横断開口部が、曲げられた前記タブの周りにU字形を成している、請求項1に記載のスクリューエクステンダ。
【請求項3】
各壁の前記遠位側が、椎弓根スクリューを保持するための第1の係合機構を含み、前記第1の係合機構が、少なくとも1つの突出リッジと、前記リッジの両側のスリット状の壁横断開口部とによって形成されている、請求項1に記載のスクリューエクステンダ。
【請求項4】
各壁の前記近位側が、ハンドルを保持するための第2の係合機構を含み、前記第2の係合機構が、少なくとも1つの突出リッジと、前記リッジの両側に形成されたスリット状の壁横断開口部とによって形成されている、請求項1に記載のスクリューエクステンダ。
【請求項5】
前記2つの側壁が接続要素によって前記近位側で互いに接続されており、前記2つの側壁および前
記接続要素が、1つの材料ストリップから形成されており、前記材料ストリップが、2つの位置で90度に曲げられており、前
記接続要素が、曲げられた前記2つの位置の間に位置している、請求項1に記載のスクリューエクステンダ。
【請求項6】
前記2つの側壁および前
記接続要素が、互いに接続されてU字形を成す別個の要素である、請求項1に記載のスクリューエクステンダ。
【請求項7】
前記第1の係合機構の前記リッジが、前記2つの側壁の長手方向延長軸線に平行になるように配置されている、請求項3に記載のスクリューエクステンダ。
【請求項8】
前記2つの側壁の前記ねじ山を有する部分の少なくとも前記内面が、前記2つの側壁の長手方向延長軸線の方向に見たときに弓形を成すように曲げられている、請求項1に記載のスクリューエクステンダ。
【請求項9】
前記2つの側壁のうちの少なくとも1つが、対応する側壁の長辺に沿って曲げられた折り曲げ部を含み、曲げられた前記折り曲げ部が、前記スクリューエクステンダを補強するために、スクリューエクステンダの長手方向延長軸線CAに平行である曲げ線に沿って曲げられている、請求項1に記載のスクリューエクステンダ。
【請求項10】
整形外科用インプラントキット用のスクリューエクステンダを製造する方法であって、
金属材料ストリップをカットして壁横断開口部の2つのセットを形成するステップであって、壁横断開口部の前記セットが、互いに軸線対称になるように配置されており、前記壁横断開口部が、タブを画成しており、前記金属材料ストリップが、長手方向延長軸線CAを有する、ステップと、
前記材料ストリップを前記長手方向
延長軸線を中心に曲げて、曲げ半径を有する湾曲した断面を有するようにするステップと、
前記材料ストリップを第1の位置で折り曲げて90°の角度を形成し、第2の位置で折り曲げて別の90°の角度を形成して、平行に配置された2つの壁を有するU字形構造を設けるステップであって、壁横断開口部の前記セットが、互いに対向するように配置されている、ステップと、
前記タブを反対側の壁に向かって内側に曲げて、雌ねじ山のフランクを形成するステップと
を含む、スクリューエクステンダを製造する方法。
【請求項11】
壁横断開口部がスリットを含み、前記スリットが、前記長手方向延長軸線CAに垂直な軸線に対して斜めであるねじ山角度で配置されている、請求項10に記載のスクリューエクステンダを製造する方法。
【請求項12】
平行に配置された前記2つの壁の縁を折り曲げて折り曲げ部を形成するステップをさらに含む、請求項10に記載のスクリューエクステンダを製造する方法。
【請求項13】
前記金属材料ストリップをカットして中央孔を形成するステップをさらに含む、請求項10に記載のスクリューエクステンダを製造する方法。
【請求項14】
前記金属材料ストリップを2つの端部においてカットして、平行に配置された2つの壁横断スリットを形成するステップであって、前記スリットが、前記長手方向延長軸線CAの方向に平行に延びている、ステップをさらに含む、請求項10に記載のスクリューエクステンダを製造する方法。
【請求項15】
タブを反対側の壁に向かって内側に曲げるステップであって、前記タブが、リッジを形成するために、平行に配置された前記2つの壁横断スリットの間に配置されている、ステップをさらに含む、請求項14に記載のスクリューエクステンダを製造する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001]本発明は、2019年12月11日に出願された国際特許出願第PCT/IB2019/060665号明細書の優先権を主張し、その全内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
発明の分野
[0002]本発明は整形外科学に関し、より詳細には、椎弓根スクリュー、ロッドおよび対応するセットスクリューを保持し、これらと共に動作するためのスクリューエクステンダを含む整形外科用器具およびシステムに関する。本発明はまた、これらの要素を操作するために使用される器具、および椎弓根スクリューをスクリューエクステンダに保持するためにこれらの要素を使用する方法、ならびにスクリューエクステンダを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]整形外科手術、より具体的には脊柱の脊椎固定術のための整形外科およびインプラントのツールおよびシステムの分野では、椎弓根スクリューが使用されて、患者の背中の切開位置を通して骨アンカーによって椎骨に取り付けられる。いくつかの椎弓根スクリューが異なる椎骨に取り付けられた後、これらの椎弓根スクリューのヘッドはロッド型またはバー型デバイスを介して互いに接続され、脊椎ロッドとも呼ばれるロッド型またはバー型デバイスは、セットスクリューで椎弓根スクリューのヘッドに取り付けられる。一例として、椎骨固定のためのいくつかの隣接する椎骨について、椎骨ごとに、椎弓根スクリューが椎弓根スクリューの骨アンカーによって椎骨にねじ式に取り付けられ、その後、これらの椎弓根スクリューは、椎弓根スクリューヘッドによって形成された溝またはU字形の開口部内に配置された脊椎ロッドを使用して、互いに向かって機械的に締結され、脊椎に沿って椎弓根スクリューの列を形成する。これにより、患者または生物における脊椎固定のための脊椎安定化に必要な機械的支持を提供することが可能になる。
【0004】
[0004]切開位置によりよく到達し、椎弓根スクリューを椎骨にねじ式に取り付けるために、椎弓根スクリュー、具体的には椎弓根スクリューのヘッドは、通常、スクリューエクステンダに取り外し可能に取り付けられる。スクリューエクステンダは、椎弓根スクリューのヘッドにさらなる長さを追加してオペレータまたは外科医が外科的切開部の外側で動くことを可能にし、外科的切開を開いたままにするだけでなく、異なるツールおよび脊椎ロッドを椎弓根スクリューのヘッドに案内するのを助ける目的を有する。椎弓根スクリューを保持するように構成されたスクリューエクステンダは、通常、椎弓根スクリューのヘッドよりもかなり大きい管状の長手方向デバイスであり、それ自体はその側面に沿って長手方向形状のスロットを有する。椎弓根スクリューヘッドがスクリューエクステンダに接続されると、長手方向形状のスロットは、椎弓根スクリューのスクリューヘッド内のU字形の開口部と一致し、したがって、長手方向形状のスロットを通ってU字形の開口部内に脊椎ロッドを案内することを可能にする。スクリューエクステンダの長手方向形状のスロット内の脊椎ロッドを椎弓根スクリューのヘッドに向かってその内部に押し下げるプロセスは、ロッド縮小とも呼ばれる。
【0005】
[0005]例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第10,058,355号明細書は、椎弓根スクリューと、対応するセットスクリューと、ロッドと、椎弓根スクリューを保持するためのスクリューエクステンダ、および椎弓根スクリューのスクリューヘッドに対してセットスクリューをねじ式に締結するためのセットスクリュードライバを含む、これらを動作させるためのツールとを提供する整形外科用インプラントキットを説明している。参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第7,160,300号明細書は、ロッド縮小方法を説明しており、ここでは、中間ガイドツールが骨スクリューに取り付けられ、中間ガイドツールは、ロッドをガイドツールからそれに取り付けられた骨スクリューに案内することができる長手方向形状のチャネルを有する管状形状を有する。別の例として、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる参照文献の米国特許第8,795,283号明細書は、ロッドを受け入れるためのヘッドを有する椎弓根スクリューと、外科的介入に必要なツールとを含む、脊椎安定化のための外科的介入のための別の種類のキットの整形外科手術システムを説明している。スクリューエクステンダは、管形を成すことができるように保持リングによって一緒に保持された2つの分離可能なハーフシェルを有するチューブで作製される。さらに別の例では、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる参照文献の米国特許第8,262,662号明細書は、脊柱内に脊椎コネクタ脊椎アンカー部位を送達するためのシステムおよび方法を提供する。1つの実施形態では、U字形の受け入れ部材と、骨係合部材と、延長部材と、脊椎ロッドと、セットスクリューとを含む脊椎インプラントおよびアクセス装置が、提供される。延長部材は、管形状を有する。
【0006】
[0006]セットスクリューを介してロッドを椎弓根スクリューに取り付けるための同様の整形外科的脊椎手術の概念、ツールおよびデバイスは、上記で論じられたように提案されており、例えば、米国特許第5,129,388号明細書、米国特許第5,520,689号明細書、米国特許第5,536,268号明細書、米国特許第5,720,751号明細書、米国特許第5,984,923号明細書、米国特許第6,056,753号明細書、米国特許第6,183,472号明細書、米国特許第6,258,090号明細書、米国特許第6,454,768号明細書、米国特許第6,648,888号明細書、米国特許第6,740,086号明細書、米国特許第7,618,442号明細書、米国特許第8,308,782号明細書、米国特許第8,876,868号明細書、米国特許出願公開第2006/0025771号明細書、および米国特許出願公開第2018/0289397号明細書であり、これらの参考文献はすべて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0007】
[0007]しかし、現況技術の整形外科用ツールおよびスクリューエクステンダは、スクリューエクステンダの製造、使用、および操作性に関して依然として特定の問題を呈する。例えば、スクリューエクステンダは、機械加工された金属または成形プラスチック、例えばステンレス鋼またはチタン系材料の単一の管状片から形成され得るため、嵩高く、製造するのに比較的高価であり得る。また、比較的大きな直径の側壁を有する管状構造を考えると、それらは、多くの材料を必要とし、比較的剛性となり得る。別の欠点は、特に1回使用の手術に使用される場合、これらのスクリューエクステンダのリサイクル性が低いことである。これらの理由および他の理由により、スクリューエクステンダの製造は比較的非効率的で費用効果が低くなる。したがって、現況技術の関連する脊椎手術ツールおよび対応するスクリューエクステンダで現在提案されている解決策があるにもかかわらず、大幅に改善されたスクリューエクステンダ、インプラントキット、およびスクリューエクステンダの製造方法が、望まれている。
【発明の概要】
【0008】
[0008]本発明の1つの態様によれば、整形外科用インプラントキット用のスクリューエクステンダが、提供される。好ましくは、スクリューエクステンダは、互いに対向する2つの側壁を含み、2つの側壁は、接続要素によって近位側で互いに接続され、2つの側壁の互いに対向する部分の内面は、ねじ山を含み、ねじ山は、複数のフランクを含み、各フランクは、他方の側壁に向かって内側に曲げられたタブと、フランクを画成する、対応する側壁の壁横断開口部とを含む。
【0009】
[0009]本発明の別の態様によれば、整形外科用インプラントキット用のスクリューエクステンダを製造する方法が、提供される。好ましくは、本方法は、金属材料ストリップをカットして壁横断開口部の2つのセットを形成するステップであって、壁横断開口部のセットは、互いに軸対称になるように配置され、壁横断開口部はタブを画成する、ステップと、材料ストリップを軸に関して曲げて曲げ半径を有する湾曲した断面を有するようにするステップと、材料ストリップを第1の位置で折り曲げて90°の角度を形成し、第2の位置で折り曲げて別の90°の角度を形成して、平行に配置された2つの壁を有するU字形構造を設けるステップであって、壁横断開口部のセットは、互いに対向するように配置される、ステップと、タブを内側に曲げて雌ねじ山のフランクを形成するステップとを含む。
【0010】
[0010]本発明のさらに別の態様によれば、雌ねじ山を金属材料に製造する方法が、提供される。本方法は、好ましくは、金属材料の2つのプレートをカットして、壁横断開口部の2つのセットを形成するステップであって、一方のセットは、2つのストリップの一方に配置され、他方のセットは、2つのストリップの他方に配置され、壁横断開口部はタブを画成する、ステップと、材料ストリップを2つの材料ストリップの長手方向延長軸線を中心に曲げて、曲げ半径を有する湾曲した断面を有するようにするステップと、曲げられた材料ストリップによって画定される円筒状表面の凹面側にタブを曲げて、雌ねじ山のフランクを形成するステップとを含む。
【0011】
[0011]本発明のいくつかの好ましい実施形態を示す添付の図面を参照して以下の説明を検討することにより、本発明の上記および他の目的、特徴および利点ならびにそれらを実現する方法は、より明らかになり、本発明自体は、最適に理解されるであろう。
【0012】
[0012]本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付の図面は、本発明の現在好ましい実施形態を示し、上記で与えられた一般的な説明および以下の詳細な説明と共に、本発明の特徴を説明する役割を果たす。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1Aは、椎弓根スクリューを保持するためのねじ山構造、中央孔、リッジまたは溝を含む異なる特徴が内部に形成された、例えばステンレス鋼ストリップまたはバーなどのスクリューエクステンダ100を形成するように曲げるか、または成形することができる材料ストリップもしくはバー90の例示的な上面図であり、
図1Bは、スクリューエクステンダ100に取り付けるためのスクリューヘッドを有する例示的な椎弓根スクリュー5の側部図であり、
図1Cは、例えば、対応するリッジと係合する長手方向に延びるスロットもしくは溝、または対応するスロットもしくは溝と係合する長手方向延びるリッジなどの、椎弓根スクリュー1を保持するための係合機構によって椎弓根スクリュー5に取り付けられた、材料ストリップまたはバー90から作製された、U字形のスクリューエクステンダ100の例示的な側部図であり、
図1Dは、側壁10、20の円筒形内面の2つの半円形または断面および各端部の折り曲げ部を示す、スクリューエクステンダ100の例示的な断面図である。
【
図2A】スクリューエクステンダ100の別の実施形態の前部または近位端部の斜視図である。
【
図2B】スクリューエクステンダ100の別の実施形態の、前部または近位端部の別の斜視図である。
【
図2C】スクリューエクステンダ100の別の実施形態の係合機構40を示す前部または近位図である。
【
図2D】スクリューエクステンダ100の別の実施形態の係合機構40を示す後部または遠位図である。
【
図2E】スクリューエクステンダ100の別の実施形態の後部または遠位端部の部分斜視図である。
【
図2F】スクリューエクステンダ100の別の実施形態の前部または近位端部の部分斜視図である。
【
図2G】スクリューエクステンダ100の別の実施形態の後部または遠位端部の斜視図である。
【
図2H】スクリューエクステンダ100の別の実施形態の後部または遠位端部の別の斜視図である。
【
図2I】スクリューエクステンダ100の別の実施形態の一角度からの側部図である。
【
図2J】スクリューエクステンダ100の別の実施形態の別の角度からの側部図である。
【
図2K】スクリューエクステンダ100の別の実施形態の別の角度からの側部図である。
【
図2L】スクリューエクステンダ100の別の実施形態の、一位置におけるスクリューエクステンダ100の長手方向延長軸線または主軸線に垂直な切断面による、断面を視覚化するためのスクリューエクステンダ100の断面切断図である。
【
図2M】スクリューエクステンダ100の別の実施形態の、異なる位置におけるスクリューエクステンダ100の長手方向延長軸線または主軸線に垂直な切断面による、異なる断面を視覚化するためのスクリューエクステンダ100の断面切断図である。
【
図3】スクリューエクステンダ100の別の実施形態の断面図であり、スクリューエクステンダ100は、概して正方形または長方形の断面形状を有し、折り曲げ部180が互いに平行に配置されている。
【
図4A】ねじ山構造16、26のフランクの一実施形態の、ねじ山構造16、26を有する側壁を示す例示的な上面図である。
【
図4B】ねじ山構造6、26のフランクの一実施形態の、ねじ山フランクを形成する曲げられたタブ、リッジまたはレッジ168を示す例示的な側部図である。
【
図4C】ねじ山構造16、26のフランクの一実施形態の、ねじ山フランクを形成する曲げられたタブ、リッジまたはレッジ168および壁横断開口部164を示す、線CCに沿った例示的な側部断面図である。
【
図4D】ねじ山構造16、26のフランクの一実施形態の、曲げる前のタブ168および開口部164を示す、線CCに沿った例示的な側部断面図である。
【
図5A】ハンドル取り付け機構60またはスクリューヘッド取り付け機構55を示す実施形態の、リッジ268、368(あるいは、スリューヘッド取り付け機構を形成するリッジ52)を示す、壁10、20の近位側の例示的な上面図である。
【
図5B】ハンドル取り付け機構60またはスクリューヘッド取り付け機構55を示す実施形態の、壁10、20によって形成された平面から離れるように曲げられる前のリッジ268、368、および曲げられた後のリッジ268、368を示す、上から見た、DDに沿った例示的な側部断面図である。
【
図5C】ハンドル取り付け機構60またはスクリューヘッド取り付け機構55を示す実施形態の、スリット264、364の間でタブを曲げることによって形成された、線DDに垂直な切断線に沿ったリッジ268、368の例示的な断面図である。
【
図6A】リッジ268、368またはタブ168を壁10、20の延長面から離れるように曲げるための曲げ型620、630の、形成されるスクリューエクステンダ100の長手方向延長軸線CAに垂直な断面図である。
【
図6B】リッジ268、368またはタブ168を壁10、20の延長面から離れるように曲げるための曲げ型620、630の、長手方向延長軸線CAの方向の断面図である。
【
図7】壁10、20の2つの相補的な切断セクションまたは開口部464、564を使用することによって互いに相互接続することができる壁10、20による2つの別個の部分から作製された、スクリューエクステンダ100の近位側を示す、本発明の別の態様を示す図である。
【
図8】例えばロッド縮小ツール、セットスクリュードライバ、スクリュードライバ、またはねじ解放器具などのねじ式デバイス105が内部に配置されたスクリューエクステンダ100の軸線CAに沿った側部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[0024]本明細書では、可能であれば、図に共通する同一の要素を示すために同一の参照番号が使用される。また、画像は、例示目的のために簡略化されており、縮尺通りに描かれていない場合がある。
【0015】
[0025]本発明の1つの態様によれば、
図1A、
図1C、および
図1Dに例示されるように、椎弓根スクリュー5に取り外し可能に取り付けられるように構成された、整形外科用インプラントキット用のスクリューエクステンダ100が、提供される。スクリューエクステンダ100は、好ましくは互いに略平行に配置された、互いに対向する2つの側壁10、20または脚部を含む。2つの側壁10、20の上端部または近位端部12、22において、2つの側壁10、20は、中央接続要素30によって互いに接続または締結される。上部または近位端部は、椎弓根スクリュー5と共に動作するときに、スクリューエクステンダ100の使用中に外科医、オペレータ、またはユーザに面する端部であるように定義される。この点において、スクリューエクステンダ100はU字形を成すか、またはU字形状を有し、中央接続要素30はU字形の底部を形成する。U字形は、脊椎ロッド、例えば、長手方向溝35を通ってスクリューエクステンダ100を垂直方向に横切る脊椎ロッドを内部に収容するための、スクリューエクステンダに沿った長手方向溝35を提供し、また、セットスクリュードライバ、ロッド縮小デバイス、スクリュードライバ、トルク制御ドライバなどのツールを、中央接続要素30に配置された中心孔またはボア33から挿入されたときに、中心軸線CAに沿って長手方向溝35内に収容することもできる。これは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第10,058,355号明細書に示されている。U字形の開口部は、以下でさらに説明するように、椎弓根スクリューのスクリューヘッドを保持するように構成される。2つの側壁10、20の内側面14、24は、雌ねじ山の一部を形成するねじ山構造16、26をそれぞれ含む。
【0016】
[0026]
図1Aは、内側面14、24およびねじ山構造16、26が露出した状態の、スクリューエクステンダ100を形成する、広げられたまたは平坦な材料ストリップまたはバー90を示す。曲げ線も示されており、これは、材料ストリップ90を曲げるか、または折り曲げてスクリューエクステンダ100を形成することができる位置である。ねじ山構造16、26は、対応する雄ねじ山を有するねじまたはねじ式ロッド105のための雌ねじ山を形成するように形成され、雄ねじ山は、スクリューまたはねじ式ロッド105が中心軸線CA(
図8)に沿って2つの側壁10、20の長手方向延長部に平行に2つの側壁10、20の内面に係合するときに、ねじ山構造16、26とねじ係合する。これは、側壁10、20が、中央接続要素30の長さによって規定される、互いに対して所定の距離に配置され、また互いに略平行になるように配置されることを必要とする。側壁10、20および中央接続要素30は、例えば1mm~3mmの範囲、いくつかの変形例では1mm未満でもある例示的な厚さを有する、例えばステンレス鋼材料などの単一の材料ストリップまたはバー90からの単一の要素で作製することができる。スクリューエクステンダ100の全直径に関して、外径は、15mm未満、好ましくは12mmから14mmの間の範囲とすることができる。一般的に使用される整形外科手術用のスクリューエクステンダは、直径が20mm以上である。
【0017】
[0027]この説明の文脈では、整形外科手術用のスクリューエクステンダ100の一部を形成する2つの平行に配置された壁10、20内に形成されたねじ山構造16、26について説明する。しかし、本明細書に説明する構造的配置およびねじ山構造16、26を製造する方法は、互いに対向する、平行に配置された2つの壁10、20で作製され、金属で作製される任意の他のデバイス、例えば、それだけに限定しないが、他のタイプの外科用ツール、自動車部品、機械、ロボット、一般的なツール、自転車用の構成要素に使用することができる。例えば、壁10、20は、追加の部分によって保持されたねじ山構造16、26を有する雌ねじ山を形成するために互いに平行に配置することができる2つの別個の要素、例えば金属プレート、ブロック、または部分とすることができる。別の例として、壁10、20、および中央接続要素30は、壁10、20が互いに平行に配置されたU字形を成すように配置することができる3つの別個の要素であり、追加の機械的締結または保持デバイスによって互いに取り外し可能または取り外し不能に相互接続されるか、または一緒に溶接もしくははんだ付けされるか、または例えば接着剤などの他の手段によって互いに取り付けられる。
【0018】
[0028]さらに、2つの側壁10、20の遠位端部または部分18、28は、係合機構40を含み、係合機構は、椎弓根スクリュー5のスクリューヘッド50を、スクリューヘッド50上の、係合機構40に相補的な構造的特徴を有する相補的な取り付け機構55を介して取り外し可能に取り付けるためのものである。遠位端部または底端部は、外科的切開に面する側壁10、20の端部、または椎弓根スクリュー5の取り付けのために椎骨に面する端部として定義される。
図1Cは、係合機構40および椎弓根スクリュー5の取り付け機構55を介してスクリューエクステンダ100に取り付けられた例示的な椎弓根スクリュー5を示す。図の変形例では、例えば、係合機構40は、スクリューヘッド50の外側側壁に配置された相補的なリッジまたは溝52を有する取り付け機構55を有する、2つの側壁10、20の遠位端部18、28の内面に配置された少なくとも1つの溝またはリッジ42で作製することができる。この係合機構40、ひいては第1の側壁10と第2の側壁20との間の距離は、スクリュー5とスクリューエクステンダ100との間の圧入接続を可能にするように構成され、スクリュー5は、漸進的な挿入については、中心軸線CAに沿ってスクリューエクステンダ100に向かってスクリュー5を押すことによって挿入することができ、漸進的な分離については、側壁10、20の遠位端部から離れるように下方向にスクリュー5を押すことによってスクリューエクステンダ100から分離することができる。
【0019】
[0029]さらに、
図1Aおよび
図1Dに例示的に示すように、スクリューエクステンダ100を形成する単一の材料ストリップ90は、ハンドルまたは他のタイプの保持デバイスの取り外し可能な取り付けのために側壁10、20の表面を別の形で構造化して、ハンドル取り付け機構60を形成することができる。例えば、ハンドル取り付け機構60は、側壁10、20の中間部分と中央接続要素30との間の領域に、中心軸線CAと平行に配置された追加のリッジまたは溝68を含むことができる。リッジまたは溝68は、材料にプレスまたは打ち抜くことができ、または例えばCNC機械もしくはレーザアブレーション、または他の材料除去プロセスによって、単一の材料ストリップ90から材料を機械加工して除去することによって形成することができる。これらのリッジまたは溝68は、ハンドル用の取り付け機構を追加する役割を果たし、それにより、米国特許第10,058,355号明細書に例示的に示されるように、ハンドルをスクリューエクステンダ100に対して垂直に置いて、ユーザ、オペレータ、または外科医がスクリューエクステンダ100を保持することを可能にすることができる。リッジまたは溝68は、中央接続要素30に近くの、スクリューエクステンダ100の上部または近位領域に
図1Cに示されている。
【0020】
[0030]一変形形態では、スクリューエクステンダ100に対して規定または制御された剛性を提供し、また、長手方向溝35の所望の幅、例えばスクリューエクステンダ100の溝35内に収容される対応する脊椎ロッドよりも幾分広い幅を提供するために、側壁10、20の中間部分では、側壁10、20の長辺に沿って縁部を曲げて折り曲げ部またはフレア80を形成することができる。例えば、曲げられた折り曲げ部またはフレア80は、プレスによる追加の曲げステップを用いて、スクリューエクステンダ100の長手方向延長軸線CAに平行な曲げ線に沿って側壁10、20の長辺に沿って一部を曲げることによって形成することができる。これは、1Aおよび1Dに例示的に示されている。これらの折り曲げ部80は、スクリューエクステンダ100の剛性を高めることを可能にし、例えば中心軸線CAから離れる、特に溝または開口部35に沿った曲がりを低減すると同時に、ストリップ90に比較的薄い材料、例えば3mm未満、好ましくは約1mm、さらには1mm未満の厚さを有する材料を使用することを可能にする。加えて、折り曲げ部またはフレア80は、ユーザまたはオペレータによって保持されたときにスクリューエクステンダ100のグリップを向上させることができる。曲げ線におけるスクリューエクステンダ100の円筒状または湾曲した壁10、20における接線平面に対するフレア80の曲げ角度に関して、
図1Dに示すように、角度は、垂直または90°、または60°~120°の間の範囲とすることができる。したがって、従来の管ベースの解決策と比較してより薄い壁材料を使用して、スクリューエクステンダ100に使用される材料の全容積も低減することができる。一変形形態では、折り曲げ部またはフレア80は、例えば、4つすべてのフレアを互いに平行になるように配置し、溝35の内側の脊椎ロッドの長手方向延長軸線に対して略平行に配置し、それによって壁10、20からそれぞれ90°未満離れるようにフレア80を曲げることによって、スクリューエクステンダ100によって形成されたU字形の長手方向溝35内に位置することになる、通常はスクリューエクステンダ100の長手方向延長軸線CAに垂直になるように配置される脊髄ロッドのための追加の案内構造を設けるように配置することができる。
【0021】
[0031]単一の材料バーまたはストリップ90で作製された本明細書に説明するスクリューエクステンダ100の利点は、背景技術の従来の管ベースのスクリューエクステンダよりも多様であることである。例えば、そのようなスクリューエクステンダでは、使用される材料の量を最小限に低減することが可能であり、単純で費用効果の高い解決策を提供する。この点で、スクリューエクステンダ100は、一度だけ使用されるツールセットにとって重要な目的を果たし、廃棄されると他の製品を製造するためにリサイクルすることができる。これは、必要な材料を最小限に抑え、それによって重量を低減する。また、本明細書に説明するスクリューエクステンダ100は、曲げ材料ストリップを使用してスクリューエクステンダ100の壁10、20の脚部を形成することにより、既存のものよりも狭くすることができる。多くの背景技術のスクリューエクステンダは合成材料で作られているが、このスクリューエクステンダは、単一の金属材料片、例えばステンレス鋼ストリップから製造することができ、次いで、すべての特徴を有するその最終的なU字形を有するように打ち抜き、カットし、機械加工し、曲げることができる。
【0022】
[0032]本発明の別の態様によれば、単一の材料片、例えば金属ストリップ90からスクリューエクステンダ100を製造する方法が提供される。まず、
図1Aに示すように、概略の輪郭を形成するように金属シートを打ち抜きまたはカットすることができる。これは、中心孔33の形成を含むことができ、中心孔33は、ツール1005の雄ねじ山の大径または半径の直径または半径を超える直径または半径を有することができる。次に、輪郭をプレスに通すことによって、または除去もしくは付加的処理によって、リッジもしくは溝60、リッジもしくは溝42を有する係合機構40を含む、材料ストリップ90の突出したまたは窪んだ特徴を形成することができる。次にまたは最後のステップの前に、ねじ山構造16、26を材料ストリップ90内に機械加工することができる。折り曲げ部80は、曲げまたは打ち抜きによって形成することができる。その後、スクリューエクステンダ100は、中央接続部分30の曲げ線で、U字形構造を形成するように90°で2回曲げることによって形成することができる。
【0023】
[0033]
図2A~
図2Mは、スクリューエクステンダ100の別の実施形態の異なる図を示し、スクリューエクステンダ100は、追加の溝37を有し、この溝は、スクリューエクステンダ100の上側セクション内に延び、脊椎ロッド(図示せず)を収容することができるはるかに広い溝または開口部35と接続する。溝35全体に沿って、補強目的のために、両方の側壁10、20の各4つの縁部に折り曲げ部80が形成される。図から分かるように、
図2C、
図2D、および
図2Lに示すように、折り曲げ部80は、壁10、20から90°の角度で外に突出するように示されており、すなわち、壁10、20の湾曲した部分に対して垂直である(
図1Dも参照)。さらに、2つの側壁10、20の遠位端部または部分18、28は、椎弓根スクリュー5のヘッドを収容するために、溝35のところの壁10、20の直径よりも大きい半径または直径を有する弓形部分を有するように示されている。
【0024】
[0034]
図2Lおよび
図2Mの断面図によって示すように、要素10、20によって形成されたスクリューエクステンダ100の壁は比較的薄く、円筒形の一部である弓形または湾曲した形状を有するように示されている。しかし、壁は、
図3に示すように、正方形または長方形の断面形状を有することも可能である。この変形形態では、壁110、120は、各2つの折り曲げ部180を有するように曲げられるか、または別の形で形成され、これら折り曲げ部は、中心軸線CAの方向に見たときに側壁110、120に対して垂直に配置された側壁110、120の外部分を形成する。これはまた、側壁110、120を有するチャネル、溝、または開口部135を提供することを可能にし、ここでは、これらの側壁110、120の少なくとも一部は、互いに平行であり、脊椎ロッドのより良好な案内のために、溝135内に配置された脊椎ロッドの長手方向延長方向に延びる。また、スクリュードライバツールを収容するため、および軸線CAの方向に見たときに壁110、120の中央に配置された互いに対向するねじ山116および126を有するために、湾曲した、または弓形のセクションが依然として必要である。したがって、そのようなスクリューエクステンダの全体的な外観は、主に長方形であることができ、軸線CA方向に見たときに略正方形の断面を有し、スクリュードライバまたは他のツールを案内し、ねじ山116、126を提供するために、溝135の内側に内部断面円筒構造を有する。
【0025】
[0035]さらに、
図1および
図2に示す変形形態では、2つの側壁10、20は、中央接続要素30によって一緒に保持されるが、側壁10、20用の2つの別個の要素を有することも可能であり、これら要素は、中央接続要素、例えば、近位部分12、22でねじ山と係合するロックナット、以下でさらに論じるような、
図7に示す2つの要素のインターロック特徴を一例とするロッククランプを用いて一緒にロックされるか、または別の形で相互接続することができる。
【0026】
[0036]
図4A~
図4Dは、ねじ山構造16、26を形成するフランクの一実施形態の異なる例示的な図を示しており、例示的には、ねじ山構造16、26の3つのフランクが、1つの側壁10または20に対して示されており、視覚化の目的のためにフランクの数は少なく選択されている。
図4Aの上面図では、壁横断開口部162、164が壁10、20を形成する材料に切り込まれ、これらの開口部162、164は、壁10、20内にタブ168を画成または画定することが分かる。図示の変形形態では、壁横断開口部162、164は、より長いスリット164および2つのより短いスリット162を有するように、U字形に配置された3つのスリットまたはカット部を形成し、それにより、タブ168は、エッジ166を有して形成される。タブ168は、曲げられた状態において、ねじ山構造16、26のフランクを形成する。スリット162、164の幅は、1mm未満とすることができる。より長いスリット164およびエッジ166は、軸線CAに垂直な軸線に対して角度αで配置されるように形成され、斜角を形成し、5mmから10mmの間であることができる長さを有する。角度αは、ねじ山構造16、26と係合する対応するツールのねじのねじれ角に対応し、好ましくは15°より小さい。さらに、タブ168間の距離は、ねじのピッチPに対応する。壁横断開口部162、164は、異なる方法ステップ、例えばそれだけに限定されないが、壁材料のレーザアブレーション、壁材料のレーザ切断、CNC機または他のタイプの金属加工除去技術を用いた除去的機械加工によって、対応する型およびプレスブレーキを用いた打ち抜きなどによって形成することができる。壁10、20を円形または弓形の断面形状に曲げるか、またはプレスした後、プレスを使用してタブ168を壁10、20から外向きに曲げることができる。
【0027】
[0037]次に、
図4Bでは、雌ねじ山のねじ山フランクを形成している曲げられたタブ、リッジまたはレッジ168の側部図が示されており、これらは、壁10、20によって形成される円筒面または円筒平面からわずかに突出するように曲がり、ねじの深さよりわずかに小さい突出深さTDを形成する。エッジ166およびタブ168の表面は、スクリューエクステンダの壁10、20に一体化されたねじのフランクを形成する。
図4Bでは、壁10、20は平坦であるように見えるが、好ましくは、壁10、20は、
図6Bに示すように、軸線CA方向に、断面図において予め湾曲した、または弓形の形状に曲げられている。
図4Cは、ねじ山フランクおよび壁横断開口部164を形成する曲げられたタブ、リッジまたはレッジ168を示す線CCに沿った側部断面図を示す。壁10、20の厚さDは、比較的薄く、例えば、好ましくは1mmを超え3mm未満であるように選択され、好ましくは、手術に使用することができる金属材料、例えばステンレス鋼で作製される。これにより、プラスチックまたは他のタイプの複合材料で作製された従来のスクリューエクステンダと比較して、大幅に縮小した全体直径を有するスクリューエクステンダ100を製造することが可能になる。
図4Dは、ねじ山構造16、26のフランクを形成するためにタブ168を曲げる前のタブ168および開口部164を示す線CCに沿った側部断面図を示す。
【0028】
[0038]
図4Cに例示的に視覚化されるように、ねじ山構造16、26のためのエッジ166を形成する曲げられたタブ168により、従来のねじと比較して、追加の好適な特徴を提供することが可能である。例えば、スクリューエクステンダ100のねじ山構造16、26と係合するねじ式デバイス105は、(
図8の視覚化では、軸線CAに沿って左に向かう)曲げられたタブ168によって形成された傾斜部に対して相対的な回転なしに押され、または引っ張られて、タブを一時的に半径方向外側に曲げ、これは、特定の閾値の引張力または押圧力を必要とする。このようにして、ねじ式デバイス105は、ねじ込み作用および壁10、20のねじ山構造16、26間の回転、およびねじ式デバイス105のねじ込みを必要とせずに、スクリューエクステンダ100に対して左に向かって移動することができ、これは、ねじ山のフランクをタブ168に押し付けることによって、タブ168は軸線CAから離れるように半径方向に撓むためである。次に、ねじ式デバイス105のフランクがエッジ166に当接することによって曲げられたタブ168が後方に撓むことができないために(
図8の視覚化では、軸線CAに沿って右に向かって)他方の側に押されまたは引っ張られる場合、ねじ式デバイス105をスクリューエクステンダ100に対してさらに右に移動させるには、ねじ式デバイス105とスクリューエクステンダ100との間のねじ係合および回転が、必要である。これにより、ねじ山構造16、26とねじ式デバイス105との間にラチェット効果を提供することが可能である。
【0029】
[0039]
図5A、
図5Bおよび
図5Cは、壁10、20の一部を曲げることによって形成されるハンドル取り付け機構60またはスクリューヘッド取り付け機構55の実施形態の異なる例示的な図を示し、
図5Aは、壁横断開口部を形成する2つの平行なスリット264、364によって間に形成されるリッジ268、368を示す、壁10、20の近位側の上面図を示しており、スリット264、364の長さは、リッジ268、368を画定または画成する。スクリューヘッド取り付け機構55を形成するリッジ52も同様に作製することができる。図示する変形形態では、スリット264、364は、5mmから20mmの間の範囲の例示的な長さを有することができ、スリット162、164に関して上述したのと同様に形成することができる。平行なスリット264、364を形成した後、
図5Bおよび
図5Cの断面図に示すように、壁10、20を弓形または湾曲した形状に曲げることができ、その後、スリット264、364間のタブを、壁10、20を形成する平面または表面から離れるように曲げて、リッジ268、368を形成することができる。例えば、リッジ268、368は、壁10、20の外面から離れるように突出するリッジ268、368を形成するために、スリット264、364の間のタブまたはバーを中心軸線CAから離れる半径方向に外向きに曲げることによって形成される。突出高さTDは、用途に基づいて、例えば0.5mmから3mmの間の範囲で選択することができる。
【0030】
[0040]
図6Aおよび
図6Bは、壁10、20の延長面から離れるようにリッジ268、368またはタブ168を曲げることを可能にするプレスブレーキ用の曲げ型620、630を示す。好ましくは、押圧側の曲げ型630は、リッジ/タブ168、268、368の幅よりも幾分小さい幅を有する突出した曲げ歯または突出部638を有し、傾斜した鋸歯状の断面を有することもできる。加えて、保持側620の曲げ型は、開口部またはキャビティ610を有するように形成することができ、この開口部またはキャビティは、リッジ/タブ168、268、368を曲げてキャビティ610によって形成された空間内に突出させることを可能にする。さらに、曲げ型620、630の表面は、曲げられた壁10、20の弓形状の曲率半径と一致する接触面を有する。
図6Aは、スクリューエクステンダ100の長手方向延長軸線CAに垂直な断面図を示し、曲げ半径を有する壁10、20の弓形または湾曲した形状を示し、
図6Bは、長手方向延長軸線CAの方向の断面図を示す。
【0031】
[0041]
図7は、本発明の別の態様を示す図であり、壁10、20による2つの別個の部分で作製されスクリューエクステンダ100の近位側を示しており、これらの別個の部分は、壁10、20の2つの相補的な切断セクションまたは開口部464、564を使用することによって互いに相互接続することができる。例えば、各壁縁は、対応するキャビティまたは開口部464、564と圧入係合することができる歯468、568とを含むことができる。開口部464、564または歯468、568は、例えば壁10、20をそれらの弓形状に曲げるステップの前に、打ち抜き、レーザ切断、機械加工によって形成することができる。これにより、別の取り付け機構を必要とせずに、例えば壁10、20を一緒に保持するためのねじ式ナットまたは他のデバイスを必要とせずに、互いに接続することができる壁10、20を有する2つのシェルを作成することが可能になる。
【0032】
[0042]本発明のさらに別の態様には、高価な事前製造された金型、例えば、スクリューエクステンダを形成するためのプラスチックまたは複合材料射出用の金型を必要とする、時間がかかり、費用効果の低いCNC機械加工または成形を行う必要なしに、スクリューエクステンダ100を製造することを可能にする方法が、提供される。より全般的には、本発明の一態様は、雌ねじ山を2片の平坦な金属板またはストリップ内に製造する方法である。例えば、方法は、材料バーまたはストリップ90、例えば金属ストリップ、より具体的にはステンレス鋼ストリップを準備するステップと、材料ストリップ90を切断プロセスによってカットして、例えばレーザ切断または切断スタンプによってカット部162、164を材料ストリップ90に形成するステップとを含むことができる。壁横断カット部162、164は、雌ねじ山のフランクを形成するタブ168を画成または画定し、材料ストリップの2つの位置にそれぞれタブ168の2つのセットとして配置され、中間軸線MA(
図1Aを参照)に対して略軸対称になるように配置される。さらに、この方法は、材料ストリップ90を切断プロセスによってカットしてスリット264、364を材料ストリップ90に形成して、ハンドル取り付け機構60のためのリッジまたはスクリューヘッド取り付け機構55のためのリッジ、またはその両方を形成するステップを含む。切断ステップは、例えば
図1Aに示すように材料ストリップ90の輪郭をカットするために同時に実行され、レーザ切断または打ち抜きステップによってスリットまたはカット部162、164、264、364および開口部33を同時にカットすることが可能である。
【0033】
[0043]さらに、方法は、2つ以上の曲げるステップ、例えば、壁10、20が、例えば対応する曲げ型と共にプレスブレーキを使用することによって円筒面のセクションを実質的に形成するように、材料ストリップ90を弓形または湾曲した形状に曲げて曲げ半径Rを有するようにするための、切断ステップの後に実行される第1の曲げるステップと、材料ストリップ90を2つの異なる位置L1およびL2で90°曲げるか、または折り曲げてU字形を成し、壁10、20を形成する、ステップとを含むことができる。好ましくは、曲げ半径Rは、ねじ山構造16、26とねじ係合する必要があるデバイス105の雄ねじ山の主半径よりもわずかに大きくなるように選択される。U字形を得るために2つの90°曲げ部を形成するためにこのステップにおいて曲げるまたは折り曲げ位置L1およびL2は、ねじ山構造16、26のピッチが互いに定義された幾何学的関係で配置されることを確実にするために、第1に、形成された壁10、20間の距離が必要なねじ山構造16、26の雌ねじ山の主直径と一致することを確実にするために、また、第2に、対向するねじ山構造16、26のねじピッチのオフセットが、対応する外側ねじ山を有するデバイス105、例えばロッドまたはシリンダのねじ係合に適合することを確実にするために、正しい定義を必要とする。材料ストリップ90をU字形に曲げるステップの前に、任意の1つまたは複数の曲げるステップを実行して、材料ストリップ90の側縁を曲げて折り曲げ部80、例えば、対で互いに対向して位置する4つの折り曲げ部80、180を形成し、
図2Lおよび
図3の断面図に示すように、スクリューエクステンダ100の追加の補強を提供することができる。材料ストリップ90の曲げはまた、プレスブレーキの専用の型の対を用いて湾曲したまたは弓形の形状および折り曲げ部80、180を同時に曲げることができる。このステップはまた、他の曲げ動作、例えば、スクリューヘッドを収容するための拡大空間を作り出し、スクリュー取り付け機構55の正しい幅または直径を作り出すために遠位端部を拡大すること、またはハンドル取り付け機構60に合わせた正しい直径を形成するために近位端部を拡大または縮小することなどを含むこともできる。壁10、20を湾曲形状または弓形形状に曲げた後、および折り曲げ部80、180を曲げた後に、別の曲げるステップを実行して、タブ168を反対側の壁10、20に向かって内側に曲げることができ、また、例えば
図6Aおよび6Bで説明したような専用の型の対によって、タブを中心軸線CAから離れるように径方向に外方向に曲げてリッジ268、368を形成する曲げステップ、およびリッジ52を形成するようにタブを内側に曲げるステップも実行することができる。型の対の相補的な型は、スクリューエクステンダ100のフレア部分または拡大された部分、例えばスクリュー取り付け機構を打ち抜くために使用することができる。
【0034】
[0044]外科手術に使用することができる金属ストリップ、例えばステンレス鋼ストリップ90からスクリューエクステンダ100を製造すること、ならびに単純な打ち抜き、カット、および曲げステップの使用における重要な利点は、スクリューエクステンダが主に射出成形金型から作製されるか、または材料片から機械加工される現況技術を上回る実質的な利点を提供する。第1に、材料ストリップ90を適切なサイズにカットすることができ、比較的薄くなるように、例えば1mm以下になるように選択することができ、それによってコストを削減することができるため、使用される材料は非常に少ない。第2に、スクリューエクステンダ100の想定される1回使用がリサイクル不可能な廃棄物を生じさせないように、材料を容易にリサイクル可能であるように選択することができる。第3に、製造は、時間と費用がかかるCNC機械加工または他の材料除去技術が不要であるため、比較的高速であり得る。加えて、薄い材料を使用できるという事実と併せて、スクリューエクステンダ100の全体の直径を12mm以下に縮小することができ、外科的切開に必要な空間をより小さくすることができる。
【0035】
[0045]
図8は、例えばロッド縮小ルール、セットスクリュードライバ、スクリュードライバ、またはスクリュー解放器具などの、壁10、20間に位置するねじ式デバイス105を備えたスクリューエクステンダ100の軸線CAに沿った側部断面図を示しており、ここでは、それぞれ壁10、20のためのねじ山構造16、26を形成する曲げられたタブ168が示されており、ねじ式デバイス105は、ねじ山構造16、26と係合するための対応する雄ねじ山を有する。さらに、ハンドル取り付け機構60を形成するために、スクリューエクステンダ100の近位側にリッジ268、368が形成される。リッジ268、368は、リッジ268、368を形成するタブを中心軸線CAから離れる半径方向に、言い換えれば壁10、20によって形成された円筒状表面の凸面側に向かって突き出すか、または曲げることによって、形成されている。さらに、スクリューヘッド取り付け機構55を形成するリッジ52が、形成されており、リッジ52を形成するタブを中心軸線CAに向かって半径方向に、言い換えれば壁10、20によって形成された円筒面の凹面側に突き出すか、または曲げることによって形成されている。この変形形態では、2つのリッジ268、368または2つのリッジ52のみが形成されるが、
図2Cに例示的に示すように、3つ以上、例えば4つ以上が存在することができる。スクリューエクステンダ100の前部または遠位部分はまた、スクリューヘッドの幅(
図2A~
図2Cも参照されたい)を収容するためのフレア状または拡大された端部を示す。この拡大された端部は、例えばリッジ268、368、52またはタブ168を曲げるときに同時に、プレスする、または曲げるステップによって形成することもできる。
【0036】
[0046]本発明は、特定の好ましい実施形態を参照して開示されているが、本発明の領域および範囲から逸脱することなく、説明する実施形態に対して多数の改変、変形、および変更、ならびにその均等物が、可能である。したがって、本発明は、説明する実施形態に限定されず、添付の特許請求の範囲の文言に従って最も広い合理的な解釈が与えられることが意図される。