(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-05
(45)【発行日】2024-08-14
(54)【発明の名称】1-(4-ブロモ-5-(1-エチル-7-(メチルアミノ)-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,6-ナフチリジン-3-イル)-2-フルオロフェニル)-3-フェニル尿素の組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 31/4375 20060101AFI20240806BHJP
A61K 9/16 20060101ALI20240806BHJP
A61K 9/20 20060101ALI20240806BHJP
A61K 47/38 20060101ALI20240806BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20240806BHJP
【FI】
A61K31/4375
A61K9/16
A61K9/20
A61K47/38
A61P35/00
(21)【出願番号】P 2022540357
(86)(22)【出願日】2020-12-30
(86)【国際出願番号】 US2020067560
(87)【国際公開番号】W WO2021138485
(87)【国際公開日】2021-07-08
【審査請求日】2023-12-28
(32)【優先日】2020-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519425235
【氏名又は名称】デシフェラ・ファーマシューティカルズ,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100135415
【氏名又は名称】中濱 明子
(72)【発明者】
【氏名】カウフマン,マイケル・ディー
(72)【発明者】
【氏名】ボーン,スコット
(72)【発明者】
【氏名】ブルーム,コーリー
(72)【発明者】
【氏名】ジョーダン,フレッド
【審査官】金子 亜希
(56)【参考文献】
【文献】特表2010-506948(JP,A)
【文献】特表2015-520186(JP,A)
【文献】特表2019-515884(JP,A)
【文献】米国特許第08461179(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/00-31/80
A61K 9/00- 9/72
A61K 47/00-47/69
A61P 1/00-43/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)によって表現される化合物、
【化36】
および酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースである薬学的に許容可能なポリマーを含む固体分散体であって、固体分散体中に存在する前記式(I)の化合物の重量に基づいて、それぞれ約3.0重量%以下の量で一つ以上のアニリン系物質を各々含む、固体分散体。
【請求項2】
前記一つ以上のアニリン系物質がアニリンである、請求項1に記載の固体分散体。
【請求項3】
前記一つ以上のアニリン系物質が、式(II):
【化37】
によって表現される化合物であり、固体分散体中に存在する前記式(I)の化合物の前記重量に基づいて約1重量%未満の量で前記固体分散体中に存在する、請求項1に記載の固体分散体。
【請求項4】
固体分散体中に存在する前記式(I)の化合物の重量に基づき、約10重量%未満の式(III):
【化40】
で表現される化合物をさらに含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の固体分散体。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載の固体分散体と、一つ以上の薬学的に許容可能な担体、賦形剤、または希釈剤と、を含む、医薬組成物。
【請求項6】
治療を必要とする患者において、消化管間質腫瘍(GIST)、NF-1-欠乏性消化管間質腫瘍、コハク酸デヒドロゲナーゼ(SDH)欠乏性胃腸間質腫瘍、KIT駆動型消化管間質腫瘍、PDGFRA駆動型消化管間質腫瘍、黒色腫、急性骨髄性白血病、精上皮腫または未分化胚細胞腫の胚細胞性腫瘍、肥満細胞症、肥満細胞白血病、肺腺癌、肺扁平上皮癌、グリア芽細胞腫、神経膠腫、小児神経膠腫、星細胞腫、肉腫、悪性末梢神経鞘肉腫、内膜肉腫、好酸球増多症候群、特発性好酸球増多症候群、慢性好酸球性白血病、好酸球性急性骨髄性白血病、リンパ芽球性T細胞リンパ腫、および非小細胞肺癌から構成される群から選択される疾患を治療する方法に使用するための請求項5で定義された組成物であって、前記方法は治療有効量の当該組成物を患者に投与することを含む、組成物。
【請求項7】
前記疾患が、消化管間質腫瘍(GIST)である、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
請求項1~4のいずれか一項に記載の固体分散体の調製のための方法であって、
(a)前記式(I)の化合物、溶媒、ポリマー、および水を混合して、懸濁液を得ることと、
(b)随意に、約10~約25℃の温度を維持しながら、前記懸濁液を撹拌および/または混合することと、
(c)前記懸濁液を加熱して、前記懸濁した粒子を噴霧乾燥機の中へと導入する前に溶解させることと、
(d)前記懸濁液を噴霧乾燥して、噴霧乾燥分散体を得ることと、
(e)前記噴霧乾燥分散体を乾燥し、それによって前記固体分散体を得ることと、
を含む、方法。
【請求項9】
加熱が、前記懸濁液をインライン熱交換器に通過させることを含む、請求項8に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2019年12月30日に出願されたU.S.S.N.62/955,073、2019年12月30日に出願されたU.S.S.N.62/955,062、2020年1月31日に出願されたU.S.S.N.62/968,695、および2020年1月31日に出願されたU.S.S.N.62/968,724の優先権を主張するものであり、それらのそれぞれの内容は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
c-KIT(KIT、CD117、および幹細胞因子受容体としても知られる)は、III型受容体として作用する145kDaの膜貫通型チロシンキナーゼタンパク質である。染色体4q11-21に位置するc-KIT癌原遺伝子は、c-KIT受容体をコードし、そのリガンドは幹細胞因子(SCF)、造血幹細胞因子、kitリガンド、肥満細胞増殖因子)である。受容体はチロシンプロテインキナーゼ活性を有し、リガンドSCFの結合は、c-KITの自己リン酸化、およびホスファチジルイノシトール3-キナーゼ(PI3K)などの基質とのその会合を導く。タンパク質チロシンキナーゼによるチロシンリン酸化は、細胞シグナル伝達において特に重要であり、増殖、生存、分化、アポトーシス、付着、侵襲および遊走などの主要な細胞内プロセスのためのシグナルを媒介することができる。c-KITの欠損は、メラニン形成細胞を欠いている白色の皮膚および毛髪の先天性パッチによって特徴付けられる、色素沈着の常染色体優性遺伝発生異常である、限局性白皮症の原因である。c-KIT遺伝子の機能獲得変異および恒常的にリン酸化されたc-KITの発現は、ほとんどの消化管間質腫瘍(GIST)および肥満細胞症で見出される。さらに、ほぼすべての性腺セミノーマ/未分化胚細胞腫がc-KIT膜染色を呈し、いくつかの報告では、一部(10~25%)はc-KIT遺伝子突然変異を有することが明確にされた。c-KIT欠損はまた、胚細胞性腫瘍(GCT)および精巣胚細胞腫瘍(TGCT)を含む精巣腫瘍とも関連付けられてきた。C-KIT突然変異はまた、皮膚黒色腫または肢端黒色腫の亜群と関連している。
【0003】
PDGFRαキナーゼの発癌性のゲノム変化、またはPDGFRαキナーゼの過剰発現は、ヒトの癌の原因となることが示されている。PDGFRαキナーゼのミスセンス突然変異は、GIST亜群の原因となることも示されている。PDGFRαの突然変異はおよそ8~10%のGISTで発癌の誘導要因となっている。PDGFRαの優性突然変異はエクソン18 D842Vであるが、D846Y、N848K、およびY849Kを含む他のエクソン18の突然変異、ならびにRD841-842KI、DI842-843-IM、およびHDSN845-848Pを含むエクソン18の挿入欠失突然変異(インデル)も報告されている。さらに、PDGFRαのエクソン12および14には稀な突然変異も報告されている。GISTにおいてPDGFRαのエクソン18の欠失突然変異であるΔD842-H845およびΔI843-D846が報告されている。PDGRFαの増幅または突然変異は、悪性末梢神経鞘腫瘍(MPNST)のヒト組織にも報告されている。PDGFRαの増幅は、未分化型多形性肉腫の複数の皮膚病変および内膜肉腫で報告されている。PDGFRαの増幅は、肺癌患者のサブセットとリンクしている。PDGFRα遺伝子座を含む4q12は、肺腺癌の3~7%、肺扁平上皮癌の8~10%で増幅される。PDGFRα増幅は、小児および成人の高グレード星状細胞腫に普遍的であり、IDH1変異グリア芽細胞腫において予後不良群を特定する。PDGFRα増幅は小児(29.3%)および成人(20.9%)の腫瘍において頻出していた。PDGFRα増幅は、IDH1変異デノボGBMにおいてグレードの上昇、そして特に、不良な予後と関連づけられることが報告されている。このPDGFRα増幅グリオーマ中のPDGFRα遺伝子座は、PDGFRαのエクソン8、9の遺伝子内欠失再構成を提示することが実証されている。この遺伝子内欠失は普遍的であり、PDGFRα増幅を呈する多形性グリア芽細胞腫(GBM)の40%に存在する。この再構成を有する腫瘍は、乏突起膠腫の組織学的特性を呈し、PDGFRαエクソン8、9の遺伝子内欠失は、構造的なチロシンキナーゼ活性の上昇を示した。FIP1L1-PDGFRA融合タンパク質は、好酸球増多症候群を有する患者亜群において発癌性がある。FIP1L1-PDGFRα融合は、好酸球性急性骨髄性白血病、およびリンパ芽球性T細胞リンパ腫でも特定されている。
【0004】
こうした広域スペクトルのc-KIT阻害剤およびその製剤は、難治性のGIST患者およびその他の障害を患う患者の治療において高い治療的な価値を有するものとなることになる。著しく安定した製品を患者に提供する経口製剤に対するニーズがある。PDGFRα遺伝子の突然変異、欠失、再構成および増幅は、多くの固形癌および血液癌と関連づけられている。PDGFRα遺伝子の複雑な機能と、様々な固形癌と血液癌の治療におけるPDGFRα阻害剤の潜在的な有用性を鑑みれば、良好な治療性能を有する阻害剤の経口製剤のニーズが存在する。
【発明の概要】
【0005】
本明細書で部分的に提供するのは、医薬調製物について考慮されるべき純度および安全性の態様を有する式(I)の化合物を含む組成物である。本明細書に記述されるような式(I)の化合物は、以下の構造を有する。
【化1】
【0006】
本明細書で部分的に提供するのは、式(I)の化合物と、
【化2】
一つ以上の薬学的に許容可能な担体、賦形剤または希釈剤とを含む医薬組成物であり、医薬組成物は、一つ以上のアニリン系物質を、式(I)の化合物の重量に基づいて3.0重量%以下の量で各々含む。
【0007】
本明細書で部分的に提供するのは、式(I)の化合物と、
【化3】
一つ以上の薬学的に許容可能な担体、賦形剤または希釈剤とを含む医薬組成物であり、医薬組成物は、一つ以上のアニリン系物質および式(III)で表現される化合物、
【化4】
を、式(I)の化合物の重量に基づいて、3.0重量%以下の量で各々含む。
【0008】
一部の実施形態では、本明細書には、式(I)の化合物およびポリマーを含む固体分散体が提供されており、医薬組成物は、一つ以上のアニリン系物質を、式(I)の化合物の重量に基づいて3.0重量%以下の量で各々含む。
【0009】
一部の実施形態では、本明細書には、式(I)の化合物および薬学的に許容可能な担体を含む医薬組成物が提供されており、組成物は、3%w/w未満の3-(5-アミノ-2-ブロモ-4-フルオロフェニル)-1-エチル-7-(メチルアミノ)-1,6-ナフチリジン-2(1H)-オン(式(II)の化合物)、アニリン、およびジフェニル尿素の各々を有する。
【0010】
一実施形態では、本明細書には、式(I)の化合物および薬学的に許容可能な担体を含む医薬組成物が提供されており、組成物は、3%w/w未満の3-(5-アミノ-2-ブロモ-4-フルオロフェニル)-1-エチル-7-(メチルアミノ)-1,6-ナフチリジン-2(1H)-オン(式(II)の化合物)、式(III)で表現される化合物、
【化5】
アニリン、およびジフェニル尿素の各々を有する。
【0011】
一実施形態では、本明細書には、式(II)の化合物、アニリン、およびそれらの組み合わせから成る群から選択される、約3.0重量%未満の不純物を有す、式(I)によって表現される実質的に精製された化合物が記述されている。一部の実施形態では、化合物は、不純物の0.5%未満を含む。
【0012】
一実施形態では、本明細書には、式(II)の化合物、式(III)の化合物、およびそれらの組み合わせから成る群から選択される、約3.0重量%未満の不純物を有する、式(I)によって表現される実質的に精製された化合物が記述されている。一部の実施形態では、化合物は、不純物の0.5%未満を含む。
【0013】
一実施形態では、本明細書には、約3.0%未満のアニリン系物質不純物を有する式(I)の化合物によって表現される高純度化合物が記述されている。一部の実施形態では、化合物は、0.5%未満の一つ以上のアニリン系物質の各々を含む。
【0014】
別の実施形態では、本明細書には、約0.05%未満のジフェニル尿素不純物を有する式(I)の化合物によって表現される高純度化合物が提供されている。
【0015】
一実施形態では、本明細書には、式(I)と、一つ以上の薬学的に許容可能な担体、賦形剤、または希釈剤とを含む医薬組成物が提供されており、医薬組成物は、約0.05%未満のジフェニル尿素を有する。
【0016】
一実施形態では、本明細書には、式(I)と、一つ以上の薬学的に許容可能な担体、賦形剤、または希釈剤とを含む医薬組成物が記述されており、医薬組成物は、HPLCによって検出される場合、約0.05%未満のジフェニル尿素を有する。
【0017】
一実施形態では、本明細書には、a)式(I)によって表現される化合物、
【化6】
またはその薬学的に許容可能な塩を含む固体分散体、および薬学的に許容可能なポリマーと、b)一つ以上の薬学的に許容可能な担体と、を含む医薬組成物が記載されており、アニリン系物質は、約3.0重量%以下の量でしか存在しない。
【0018】
一実施形態では、本明細書には、a)非晶質形態の式(I)によって表現される化合物、
【化7】
および薬学的に許容可能なポリマーを含む固体分散体と、b)一つ以上の薬学的に許容可能な担体であって、式(II)によって表現される化合物、
【化8】
アニリン、およびジフェニル尿素の各々が、組成物の総重量に基づいて、約1.5重量%以下の量で存在する担体と、を含む医薬組成物が記述されている。
【0019】
一実施形態では、本明細書には、a)非晶質形態の式(I)によって表現される化合物、
【化9】
および薬学的に許容可能なポリマーを含む固体分散体と、b)一つ以上の薬学的に許容可能な担体が記述されており、ジフェニル尿素が、組成物の総重量に基づいて約0.5重量%以下の量で存在する担体と、を含む医薬組成物である。
【0020】
一実施形態では、本明細書には、顆粒内ブレンドであって、顆粒内ブレンドが、50mgの化合物
【化10】
を有する固体分散体であって、化合物が非晶質形態で存在する、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、増量剤および/または充填剤、ならびに潤滑剤および/または滑剤を含む、顆粒内ブレンドと、滑剤および/または潤滑剤を含む顆粒外ブレンドと、を含み、ジフェニル尿素が、組成物の総重量に基づいて約0.5重量%以下の量で存在すること、によって表現される化合物の50mgの単一用量単位に対する、薬学的に許容可能な組成物が記述されている。
【0021】
一実施形態では、本明細書には、50mgの非晶質形態で存在する化合物
【化11】
を有する固体分散体と、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースと、増量剤と、充填剤と、潤滑剤および/または滑剤と、を含み、ジフェニル尿素が組成物の総重量に基づいて約0.5%以下の量で存在することによって表現される、50mgの化合物を患者に経口的に送達するための薬学的に許容可能な組成物が記述されている。
【0022】
一実施形態では、本明細書には、50mgの化合物
【化12】
を有する固体分散体であって、化合物が非晶質形態で存在する固体分散体と、ポリマーと、医薬組成物の総量に基づき約25~45重量%の増量剤と、医薬組成物の総量に基づき約25~45%重量の充填剤と、滑剤および/または潤滑剤と、を含み、1か月、3か月、または6か月の間25℃で60%の相対湿度に曝露された時、組成物が、約1.5%(w/w)を越えない3-(5-アミノ-2-ブロモ-4-フルオロフェニル)-1-エチル-7-(メチルアミノ)-1,6-ナフチリジン-2(1H)-オンを有することによって表現される50mgの化合物を経口的に送達するための薬学的に許容可能な組成物が記述されている。
【0023】
一実施形態では、本明細書には、錠剤が、50mgの化合物
【化13】
を有する固体分散体であって、化合物が非晶質形態で存在する、固体分散体と、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースと、錠剤の総重量に基づいて約25~35%重量の微結晶性セルロースと、医薬組成物の総量に基づき約25~35%重量%のラクトースまたはその水和物と、を含むことであって、ジフェニル尿素が、組成物の総重量に基づいて約0.5重量%以下の量で存在すること、によって表現される50mgの化合物を有する薬学的に許容可能な錠剤が記述されている。
【0024】
一実施形態では、本明細書には、(a)顆粒内ブレンドであって、(i)式(I)によって表現される化合物を含む固体分散体であって、医薬組成物が、各々、式(I)の化合物の重量に基づいて3.0重量%以下の量の一つ以上のアニリン系物質、および薬学的に許容可能なポリマーを含む固体分散体、(ii)一つ以上の充填剤、(iii)崩壊剤、(iv)滑剤、ならびに(v)潤滑剤を含む顆粒内ブレンドと、(b)顆粒外ブレンドであって、(i)滑剤および(ii)潤滑剤を含む顆粒外ブレンドと、を含む医薬組成物が提供されている。一部の実施形態では、各アニリン系物質は、式(I)の化合物の重量に基づいて、約5.0重量%以下の量で存在する。一部の実施形態では、各アニリン系物質は、式(I)の化合物の重量に基づいて、約4.0重量%以下の量で存在する。一部の実施形態では、各アニリン系物質は、式(I)の化合物の重量に基づいて、約2.0重量%以下の量で存在する。一部の実施形態では、各アニリン系物質は、式(I)の化合物の重量に基づいて、約1.0重量%以下の量で存在する。一部の実施形態では、各アニリン系物質は、式(I)の化合物の重量に基づいて、約0.7重量%以下の量で存在する。一部の実施形態では、各アニリン系物質は、式(I)の化合物の重量に基づいて、約0.5重量%以下の量で存在する。一部の実施形態では、各アニリン系物質は、式(I)の化合物の重量に基づいて、約0.3重量%以下の量で存在する。
【0025】
一実施形態では、本開示は、(a)顆粒内ブレンドであって、(i)組成物の総重量に基づいて、約33%重量の固体分散体であって、式(I)によって表現される化合物および酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースを含み、固体分散体の総重量に基づいて、約25重量%の式(I)によって表現される化合物を含む、固体分散体、(ii)組成物の総量に基づいて、約30重量%の微結晶性セルロース、(iii)組成物の総量に基づいて、約30重量%のラクトース一水和物、(iv)前記組成物の総量に基づいて、約5重量%のクロスポビドン、(v)組成物の総量に基づいて約0.5重量%の二酸化ケイ素、および(vi)組成物の総量に基づいて、約0.5重量%のステアリン酸マグネシウムを含む顆粒内ブレンドと、(b)顆粒外ブレンドであって、(i)組成物の総量に基づいて約0.5重量%の二酸化ケイ素、および(ii)組成物の総量に基づいて約0.5重量%のステアリン酸マグネシウムを含む顆粒外ブレンドと、を含む、医薬組成物を提供する。
【0026】
一実施形態では、本明細書には、(a)顆粒内ブレンドであって、(i)式(I)によって表現される化合物を含む約200mgの固体分散体であって、各々、式(I)の化合物の重量に基づいて3.0重量%以下の量の一つ以上のアニリン系物質、および酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースを含み、式(I)によって表現される約50mgの化合物を含む固体分散体、(ii)約179mgの微結晶性セルロース、(iii)約179mgのラクトース一水和物、(iv)約30mgのクロスポビドン、(v)約3mgの二酸化ケイ素、ならびに(vi)約3mgのステアリン酸マグネシウムを含む顆粒内ブレンドと、(b)顆粒外ブレンドであって、(i)約3mgの二酸化ケイ素、および(ii)約3mgのステアリン酸マグネシウムを含む顆粒外ブレンドと、含む医薬組成物が提供されている。一部の実施形態では、各アニリン系物質は、式(I)の化合物の重量に基づいて、約5.0重量%以下の量で存在する。一部の実施形態では、各アニリン系物質は、式(I)の化合物の重量に基づいて、約4.0重量%以下の量で存在する。一部の実施形態では、各アニリン系物質は、式(I)の化合物の重量に基づいて、約2.0重量%以下の量で存在する。一部の実施形態では、各アニリン系物質は、式(I)の化合物の重量に基づいて、約1.0重量%以下の量で存在する。一部の実施形態では、各アニリン系物質は、式(I)の化合物の重量に基づいて、約0.7重量%以下の量で存在する。一部の実施形態では、各アニリン系物質は、式(I)の化合物の重量に基づいて、約0.5重量%以下の量で存在する。一部の実施形態では、各アニリン系物質は、式(I)の化合物の重量に基づいて、約0.3重量%以下の量で存在する。
【0027】
一実施形態では、本明細書には、約50mgの式(I)によって表現される化合物を提供する錠剤が提供されており、錠剤は、一つ以上のアニリン系物質不純物を、式(I)の化合物の重量に基づいて3.0重量%以下の量で各々含み、錠剤は、(a)顆粒内ブレンドであって、(i)約50mgの化合物および酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む、約195mg~約205mgの固体分散体、(ii)約177mg~約181mgの微結晶性セルロース、(iii)約177mg~約181mgのラクトース一水和物、ならびに(iv)約28mg~約32mgのクロスポビドンを含む顆粒内ブレンドと、(b)顆粒外ブレンドであって、(i)約2mg~約4mgの二酸化ケイ素、および(ii)約2mg~約4mgのステアリン酸マグネシウムを含む顆粒外ブレンドとを含む。一部の実施形態では、各アニリン系物質は、式(I)の化合物の重量に基づいて、約5.0重量%以下の量で存在する。一部の実施形態では、各アニリン系物質は、式(I)の化合物の重量に基づいて、約4.0重量%以下の量で存在する。一部の実施形態では、各アニリン系物質は、式(I)の化合物の重量に基づいて、約2.0重量%以下の量で存在する。一部の実施形態では、各アニリン系物質は、式(I)の化合物の重量に基づいて、約1.0重量%以下の量で存在する。一部の実施形態では、各アニリン系物質は、式(I)の化合物の重量に基づいて、約0.7重量%以下の量で存在する。一部の実施形態では、各アニリン系物質は、式(I)の化合物の重量に基づいて、約0.5重量%以下の量で存在する。一部の実施形態では、各アニリン系物質は、式(I)の化合物の重量に基づいて、約0.3重量%以下の量で存在する。
【0028】
一実施形態では、本明細書で提供には、c-KITまたはPDGFRAのキナーゼ活性およびその発癌性形態によって引き起こされる疾患を治療するための方法が提供されており、疾患は、消化管間質腫瘍(GIST)、KIT駆動型消化管間質腫瘍、PDGFRA駆動型消化管間質腫瘍、黒色腫(例えば、皮膚黒色腫、非皮膚性黒色腫、KIT駆動型黒色腫またはPGDFR駆動型黒色腫)、急性骨髄性白血病、精上皮腫または未分化胚細胞腫の胚細胞性腫瘍、肥満細胞症、肥満細胞白血病、肺腺癌、肺扁平上皮癌、グリア芽細胞腫、神経膠腫、小児神経膠腫、星細胞腫、肉腫、悪性末梢神経鞘肉腫、内膜肉腫、好酸球増多症候群、特発性好酸球増多症候群、慢性好酸球性白血病、好酸球性急性骨髄性白血病、リンパ芽球性T細胞リンパ腫、または非小細胞肺癌である。一部の実施形態では、黒色腫は、皮膚黒色腫または非皮膚黒色腫である。一部の実施形態では、黒色腫は、皮膚黒色腫である。一部の実施形態では、皮膚黒色腫は、表在拡大型黒色腫、結節型黒色腫、末端黒子型黒色腫、または無色素性および線維形成性黒色腫である。一部の実施形態では、黒色腫は、非皮膚(皮膚以外の)黒色腫である。一部の実施形態では、黒色腫は、皮膚黒色腫または非皮膚黒色腫は、眼内黒色腫または粘膜黒色腫である。
【0029】
別の実施形態ではまた、本明細書には、治療を必要とする患者において、消化管間質腫瘍(GIST)、NF-1-欠乏性消化管間質腫瘍、コハク酸デヒドロゲナーゼ(SDH)欠乏性胃腸間質腫瘍、KIT駆動型消化管間質腫瘍、PDGFRA駆動型消化管間質腫瘍、黒色腫、急性骨髄性白血病、精上皮腫または未分化胚細胞腫の胚細胞性腫瘍、肥満細胞症、肥満細胞白血病、肺腺癌、肺扁平上皮癌、グリア芽細胞腫、神経膠腫、小児神経膠腫、星細胞腫、肉腫、悪性末梢神経鞘肉腫、内膜肉腫、好酸球増多症候群、特発性好酸球増多症候群、慢性好酸球性白血病、好酸球性急性骨髄性白血病、リンパ芽球性T細胞リンパ腫、および非小細胞肺癌から構成される群から選択される疾患を治療する方法が提供されており、患者に治療有効量の本明細書に記述される組成物を投与することを含む。
【0030】
また、別の実施形態では、本明細書には、それを必要とする患者において、消化管間質腫瘍(GIST)、KIT駆動型消化管間質腫瘍、PDGFRA駆動型消化管間質腫瘍、肺癌、グリア芽細胞腫、神経膠腫、悪性末梢神経鞘肉腫、および好酸球増多症候群からからなる群から選択される疾患を治療する方法が提供されており、治療有効量の本明細書に記述される組成物を患者に投与することを含む。
【0031】
また、別の実施形態では、本明細書には、それを必要とする患者において、KIT駆動型胚細胞腫瘍(例えば、精巣胚細胞)、KIT駆動型皮膚癌、またはKIT駆動型腎細胞癌からなる群から選択される疾患を治療する方法が提供されており、治療有効量の本明細書に記述される組成物を患者に投与することを含む。
【0032】
また、別の実施形態では、本明細書には、それを必要とする患者において、陰茎癌、PDGFRA駆動型陰茎癌、前立腺癌、PDGFRA駆動型前立腺癌、PDGFRA駆動型非黒色腫皮膚癌、PDGFRA駆動型神経膠腫、PDGFRA駆動型肉腫、PDGFRA駆動型神経グリア芽細胞腫、またはPDGFRA駆動型膵癌からなる群から選択される疾患を治療する方法が提供されており、治療有効量の本明細書に記述される組成物または一つ以上の錠剤を患者に投与することを含む。
【0033】
また、別の実施形態では、本明細書には、それを必要とする患者において、腟癌、前立腺癌、陰茎癌、非黒色腫皮膚癌、黒色腫、または乳腺肉腫からなる群から選択されるPDGFRB突然変異を含む疾患を治療する方法が提供されており、治療有効量の本明細書に記述される組成物を患者に投与することを含む。
【0034】
一部の実施形態では、本明細書には、それを必要とする患者において、KIT突然変異およびPDGFRA突然変異による疾患を治療するための方法が提供されており、治療有効量の本明細書に記述される組成物または一つ以上の錠剤を患者に投与することを含む。一部の実施形態では、本明細書には、それを必要とする患者において、KIT突然変異およびPDGFRA突然変異による疾患を治療するための方法が提供されており、治療有効量の本明細書に記述される組成物または一つ以上の錠剤を患者に投与することを含む。一部の実施形態では、本明細書には、それを必要とする患者において、パッセンジャーPDGFRB突然変異を含むKIT突然変異またはPDGFRA突然変異による疾患を治療するための方法が提供されており、治療有効量の本明細書に記述される組成物または一つ以上の錠剤を患者に投与することを含む。一部の実施形態では、本明細書には、治療を必要とする患者において、胃腸間質腫瘍(GIST)、KIT駆動型消化管間質腫瘍、PDGFRA駆動型消化管間質腫瘍、黒色腫(例えば、KIT主導の黒色腫またはPGDFRA主導の黒色腫またはPGDFR主導の黒色腫)、急性骨髄性白血病、精上皮腫または未分化胚細胞腫の胚細胞性腫瘍、肥満細胞症、肥満細胞白血病、肺腺癌、肺扁平上皮癌、グリア芽細胞腫、神経膠腫、小児神経膠腫、星細胞腫、肉腫、悪性末梢神経鞘肉腫、内膜肉腫、好酸球増多症候群、特発性好酸球増多症候群、慢性好酸球性白血病、好酸球性急性骨髄性白血病、リンパ芽球性T細胞リンパ腫、非小細胞肺癌からなる群から選択される疾患を治療する方法が提供されており、治療有効量の組成物または本明細書に記載の一つ以上の錠剤を患者に投与することを含む。一部の実施形態では、黒色腫は、皮膚黒色腫または非皮膚黒色腫である。一部の実施形態では、黒色腫は、皮膚黒色腫である。一部の実施形態では、皮膚黒色腫は、表在拡大型黒色腫、結節型黒色腫、末端黒子型黒色腫、または無色素性および線維形成性黒色腫である。一部の実施形態では、黒色腫は、非皮膚(皮膚以外の)黒色腫である。一部の実施形態では、黒色腫は、非皮膚性黒色腫は、眼内黒色腫または粘膜黒色腫である。一部の実施形態では、疾患は、c-KITおよび/またはPDGFRA、ならびに/またはその発癌性形態のキナーゼ活性によって引き起こされる。一部の実施形態では、疾患は、KIT駆動型胚細胞腫瘍(例えば、精巣胚細胞)、KIT駆動型皮膚癌(例えば、KIT駆動型扁平上皮癌、KIT駆動型メルケル細胞癌、ブドウ膜黒色腫、非黒色腫皮膚癌)、またはKIT駆動型腎細胞癌(例えば、腎細胞癌、嫌色素性腎細胞癌)からなる群から選択される。一部の実施形態では、疾患は、陰茎癌、PDGFRA駆動型陰茎癌、前立腺癌、PDGFRA駆動型前立腺癌、PDGFRA駆動型非黒色腫皮膚癌、PDGFRA駆動型神経膠腫、PDGFRA駆動型肉腫、PDGFRA駆動型神経グリア芽細胞腫、またはPDGFRA駆動型膵癌からなる群から選択される。一部の実施形態では、PDGFRB突然変異を含む疾患は、腟癌、前立腺癌、陰茎癌、非黒色腫皮膚癌、黒色腫、または乳腺肉腫からなる群から選択される。
【0035】
別の実施形態ではまた、本明細書には、消化管間質腫瘍(GIST)、KIT駆動型消化管間質腫瘍、PDGFRA駆動型消化管間質腫瘍、黒色腫、急性骨髄性白血病、精上皮腫または未分化胚細胞腫の胚細胞性腫瘍、肥満細胞症、肥満細胞白血病、肺腺癌、肺扁平上皮癌、グリア芽細胞腫、神経膠腫、小児神経膠腫、星細胞腫、肉腫、悪性末梢神経鞘肉腫、内膜肉腫、好酸球増多症候群、特発性好酸球増多症候群、慢性好酸球性白血病、好酸球性急性骨髄性白血病、リンパ芽球性T細胞リンパ腫、非小細胞肺癌からなる群から選択される疾患を治療するための薬剤を調製する本明細書に記載の組成または錠剤の使用が提供されている。
【0036】
別の実施形態では、本明細書には、式(I)の化合物を含む固体分散体の調製のためのプロセスが記載されており、
【化14】
例えば、本明細書に記載する固体分散体であって、プロセスは、(a)式(I)の化合物、溶剤、ポリマーおよび水を混合して、懸濁液を得ることと、(b)温度を約10~約25oCに維持しながら、任意に、懸濁液を撹拌および/または混合することと、(c)懸濁液を加熱して、懸濁した粒子を溶解させてから、噴霧乾燥機に導入することと、(d)懸濁液を噴霧乾燥して、噴霧乾燥分散体を得ることと、(e)噴霧乾燥分散体を乾燥させて、それによって、固体分散体を得ることと、を含む。一部の実施形態では、一般式(I)の化合物を含む固体分散体は、
【化15】
例えば、本明細書に記述される固体分散体は、前記プロセスによって生成される。
【発明を実施するための形態】
【0037】
次に、本開示の特徴および他の詳細を、より具体的に記述する。明細書、実施例および添付の特許請求の範囲に採用される特定の用語を、ここにまとめる。これらの定義は、本開示の残りの部分に照らして、当業者によって理解されるように読み取られるべきである。別段に定義しない限り、本明細書において使用されるすべての技術用語および科学用語は、当業者によって一般的に理解される意味と同じ意味を有する。
【0038】
定義
本明細書で使用される場合、「賦形剤」という用語は、活性薬剤を有する組成物内に含まれることが有益である場合がある物質を指す。「賦形剤」という用語は、不活性物質だけでなく、組成物の有益な特性をもたらす場合がある機能的賦形剤も含む。例示的な賦形剤としては、ポリマー、滑剤、糖、潤滑剤、塩、緩衝剤、脂肪、充填剤、崩壊剤、結合剤、界面活性剤、高表面積基質、風味剤、担体、基質材料などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0039】
本明細書で使用される場合、「アニリン系不純物A」、「不純物A」、および化合物2という用語は各々、化合物3-(5-アミノ-2-ブロモ-4-フルオロフェニル)-1-エチル-7-(メチルアミノ)-1,6-ナフチリジン-2(1H)-オンを指し、その構造は式(II)の化合物である。
【化16】
一部の実施形態では、アニリン系物質は不純物Aであってもよい。
【0040】
本明細書で使用される場合、「アニリン系不純物B」、「不純物B」という用語はアニリンを指す。一部の実施形態では、アニリン系物質は不純物Bであってもよい。
【0041】
本明細書で使用される場合、「アニリン系物質」、「アニリン系物質不純物」、「アニリン系物質不純物」という用語は、単独、または一緒であり、3-(5-アミノ-2-ブロモ-4-フルオロフェニル)-1-エチル-7-(メチルアミノ)-1,6-ナフチリジン-2(1H)-オン(式(II)の化合物)またはアニリンが挙げられる場合があるが、これらに限定されない。
【0042】
本明細書で使用される場合、「アニリン系不純物(複数)」、「アニリン系不純物(単数)」、「アニリン系物質不純物(単数)」「アニリン系物質不純物(複数)」という用語は、単独、または一緒であり、3-(5-アミノ-2-ブロモ-4-フルオロフェニル)-1-エチル-7-(メチルアミノ)-1,6-ナフチリジン-2(1H)-オン(式(II)の化合物)またはアニリンが挙げられる場合があるが、これらに限定されない。
【0043】
本明細書で使用される場合、「個体」、「患者」、または「対象」という用語は、本明細書において互換的に使用され、哺乳類、好ましくはマウス、ラット、他のげっ歯類、ウサギ、イヌ、ネコ、ブタ、ウシ、ヒツジ、ウマ、または霊長類、および最も好ましくはヒトを含む、任意の動物を含む。本明細書において記載される化合物は、ヒトなどの哺乳類に投与することができるが、獣医処置を必要とする動物、例えば、愛玩動物(例えば、イヌ、ネコなど)、家畜(例えば、ウシ、ヒツジ、ブタ、ウマなど)および実験動物(例えば、ラット、マウス、モルモットなど)などの他の哺乳類に投与することができる。
【0044】
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容可能な」または「薬理学的に許容可能な」という用語は、動物またはヒトに適宜投与された時に有害反応、アレルギー性反応、または他の有害な反応を生じさせない分子実体および組成物を含む。ヒトへの投与については、製剤は、FDAの生物製剤局の基準(FDA Office of Biologics standards)で要求される無菌性、発熱性、および一般的な安全性と純度の基準を満たす必要がある。
【0045】
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容可能な担体」または「薬学的に許容可能な賦形剤」という用語は、薬学的投与と適合性のある、全ての溶媒、分散媒体、コーティング、等張および吸収遅延剤などを指す。薬学的に活性な物質のためのこのような媒体および薬剤の使用は、当技術分野で周知である。組成物はまた、補足的、追加的、または強化された治療機能を提供する他の活性化合物を含んでもよい。
【0046】
本明細書で使用される場合、「医薬組成物」という用語は、一つ以上の薬学的に許容可能な担体、賦形剤、または希釈剤と一緒に製剤化される、本明細書に開示されるような少なくとも一つの化合物を含む組成物を指す。
【0047】
本明細書で使用される場合、「治療有効量」という用語は、研究者、獣医師、医師、または他の臨床医により求められる、組織、系、または動物(例えば、哺乳類もしくはヒト)の生物学的応答または医学的応答を引き出す対象化合物の量を意味する。本明細書に記載される化合物は、障害を治療するために治療有効量で投与される。
【0048】
本明細書で使用される場合、「治療すること」という用語は、任意の効果、例えば、状態、疾患、障害などの改善をもたらす、減弱、低減、調節、または除去を含む。
【0049】
本明細書で使用される場合、「活性薬剤」という用語は、薬剤、医薬、調剤、治療薬、例えば、本明細書に記述されるような式(I)の化合物を意味する。
【0050】
本明細書で使用される場合、「経口製剤」という用語は、本明細書で使用される場合、本明細書に開示されるような化合物(例えば、式(I)の化合物)を、それを必要とする対象に経口投与によって投与するために使用される組成物または媒体を指す。典型的に、経口製剤は口を介して投与されるが、本明細書で使用される場合「経口製剤」は、対象に投与され、そして、例えば、口、食道、胃、小腸、大腸、および結腸を含む、消化管の膜、例えば、粘膜にわたって吸収される任意の物質を網羅することが意図される。一実施形態では、経口製剤は、固体経口製剤である。一実施形態では、経口製剤は、それを必要とする対象に口を介して投与される固体経口製剤である。
【0051】
「併用療法」は、二つ以上の治療剤、例えば、式Iの化合物およびMAPKAP経路阻害剤の患者への投与を含む治療である。二つ以上の治療薬は、同時に、例えば、別個の医薬組成物中でまたは同じ医薬組成物中で、送達されてもよく、または二つ以上の治療薬は、異なる時点で送達されてもよい。例えば、二つ以上の治療薬は同時にまたは重複する時間の間に送達されてもよく、および/または、一つの治療薬を、その他の治療薬の前または後に送達してもよい。併用療法による治療は、両方の薬剤での同時治療の期間が先行する、または当該期間がその後に続く、いずれかの単剤での治療を含んでいてもよい。しかしながら、一部の期間中に、有効量の二つ以上の治療薬が患者の体内に存在することが意図される。
【0052】
本明細書に列挙したすべての範囲は、二つの値の「間の」範囲を列挙するものを含む、端点を含む。「実質的に」および「約」という用語は、それが絶対的にならないように用語または値を修飾するものとして解釈される。これは、最低でも、値を測定するために使用される所与の技法に対する、予想される実験的誤差、技法の誤差、および機器の誤差の程度を含む。
【0053】
プロセス
一態様では、本明細書には、一つ以上のアニリン系物質を、式(I)の化合物の3重量%以下の量で各々有する、式(I)の化合物
【化17】
を含む組成物を調製するプロセスが提供されており、
(a)式(I)の化合物、溶媒、ポリマー、および水を秤量および分注することと、
(b)式(I)の化合物を装填および懸濁することと、
(c)随意に、約10~25℃の温度に維持しながら、最終的な懸濁液を撹拌および混合することと、
(d)噴霧乾燥機の中へと導入する前に、結果として得られた懸濁液をインライン熱交換器を通過させて、懸濁粒子を溶解させることと、
(e)随意に、噴霧乾燥した式(I)の化合物を乾燥することと、を含む。
(f)別の実施形態では、本明細書には、式(I)の化合物を含む固体分散体の調製のためのプロセスが記載されており、
【化18】
例えば、本明細書に記載する固体分散体であって、プロセスは、(a)式(I)の化合物、溶剤、ポリマーおよび水を混合して、懸濁液を得ることと、(b)温度を約10~約25oCに維持しながら、任意に、懸濁液を撹拌および/または混合することと、(c)懸濁液を加熱して、懸濁した粒子を溶解させてから、噴霧乾燥機に導入することと、(d)懸濁液を噴霧乾燥して、噴霧乾燥分散体を得ることと、(e)噴霧乾燥分散体を乾燥させて、それによって、固体分散体を得ることと、を含む。一部の実施形態では、加熱は、懸濁液をインライン熱交換器に通すことを含む。一部の実施形態では、一般式(I)の化合物を含む固体分散体は、
【化19】
例えば、本明細書に記述される固体分散体は、前記プロセスによって生成される。
【0054】
本明細書に記述される目的に対しては、本明細書に記述されるように、アニリン系物質は、組成物、医薬組成物、および固体分散体中では不純物と考えられることを、当業者は理解するであろう。本明細書に記述される組成物、医薬組成物、または固体分散体中の不純物の濃度は、式(I)の化合物の濃度に依存する。例えば、本明細書に記述される発明の組成物、医薬組成物、または固体分散体中のアニリン系物質の濃度は、一部の実施形態では、各アニリン系物質は、本明細書に記述されるような組成物、医薬組成物、または固体分散体中に存在する式(I)の化合物の重量に基づいて、約5.0重量%以下の量で存在することが、予想されることになる。一部の実施形態では、各アニリン系物質は、式(I)の化合物の重量に基づいて、約4.0重量%以下の量で存在する。一部の実施形態では、各アニリン系物質は、式(I)の化合物の重量に基づいて、約2.0重量%以下の量で存在する。一部の実施形態では、各アニリン系物質は、式(I)の化合物の重量に基づいて、約1.0重量%以下の量で存在する。一部の実施形態では、各アニリン系物質は、式(I)の化合物の重量に基づいて、約0.7重量%以下の量で存在する。一部の実施形態では、各アニリン系物質は、式(I)の化合物の重量に基づいて、約0.5重量%以下の量で存在する。一部の実施形態では、各アニリン系物質は、式(I)の化合物の重量に基づいて、約0.3重量%以下の量で存在する。
【0055】
一部の実施形態では、式(I)の化合物、溶媒、ポリマー、および水が組み合わされ、混合物が攪拌され、懸濁液に混合される。一部の実施形態では、溶媒、水、およびポリマーは、式(I)の化合物の添加前に組み合わせられ、攪拌される。一部の実施形態では、溶媒および水は、式(I)のポリマーおよび化合物の添加前に組み合わせられ、攪拌される。一部の実施形態では、溶媒および水を組み合わせて攪拌し、続いてポリマーを添加し、続いて式(I)の化合物が添加される。
【0056】
一部の実施形態では、溶媒:水比は約95:5であってもよく、その後にポリマーの添加および溶解が続く。一部の実施形態では、溶媒:水比は約90:10であってもよく、その後にポリマーの添加および溶解が続く。一部の実施形態では、溶媒:水比は約85:15であってもよく、その後にポリマーの添加および溶解が続く。一部の実施形態では、溶媒:水比は約80:20であってもよく、その後にポリマーの添加および溶解が続く。一部の実施形態では、溶媒:水比は約75:25であってもよく、その後にポリマーの添加および溶解が続く。一部の実施形態では、溶媒:水比は約70:30であってもよく、その後にポリマーの添加および溶解が続く。一部の実施形態では、溶媒:水比は約65:35であってもよく、その後にポリマーの添加および溶解が続く。一部の実施形態では、溶媒:水比は約60:40であってもよく、その後にポリマーの添加および溶解が続く。一部の実施形態では、溶媒:水比は約55:45であってもよく、その後にポリマーの添加および溶解が続く。一部の実施形態では、溶媒:水比は約50:50であってもよく、その後にポリマーの添加および溶解が続く。
【0057】
一部の実施形態では、溶媒は、活性薬剤とポリマーとが相互に可溶性である有機化合物である。一部の実施形態では、溶媒は、アルコール、ケトン、エーテル、エステル、ハロゲン化アルカン、アミド、スルホン、酸、またはニトロ化合物である。一部の実施形態では、溶媒は、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、またはブタノールである。一部の実施形態では、溶媒は、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、またはメチルイソブチルケトン(MIBK)である。一部の実施形態では、溶媒は、酢酸メチル、酢酸エチル、または酢酸プロピルである。一部の実施形態では、溶媒は、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、2-メチルTHF、2,5-ジメチルTHF、または2,2,5,5-テトラメチルTHFである。一部の実施形態では、溶媒は、アセトニトリル、塩化メチレン、トルエン、1,1,1-トリクロロエタン、ジメチルアセトアミド(DMA)、ニトロメタン、酢酸、またはジメチルスルホキシド(DMSO)である。溶媒および水の混合物は、ポリマーおよび式(I)の化合物が、噴霧乾燥プロセスを実用的なものとするのに十分に可溶性である限り、好適である。一部の実施形態では、水:溶媒混合物は、水:アセトンである。一部の実施形態では、水:溶媒混合物は、水:THFである。一部の実施形態では、水:溶媒混合物は、水:メタノールである。一部の実施形態では、水:溶媒混合物は、水:エタノールである。一部の実施形態では、水:溶媒混合物は、水:メチルエチルケトンである。一部の実施形態では、水:溶媒混合物は、水:酢酸エチルである。一部の実施形態では、水:溶媒混合物は、水:塩化メチレンである。一部の実施形態では、溶媒の混合物は、ポリマーおよび式(I)の化合物が、噴霧乾燥プロセスを実用的なものとするのに十分に可溶性である限り、好適である。一部の実施形態では、溶媒:溶媒混合物は、メタノール:酢酸エチルである。一部の実施形態では、溶媒:溶媒混合物は、エタノール:酢酸エチルである。一部の実施形態では、溶媒:溶媒混合物は、メタノール:ジクロロメタンである。一部の実施形態では、溶媒:溶媒混合物エタノール:ジクロロメタンである。
【0058】
一部の実施形態では、最終懸濁液の攪拌および混合の温度範囲は、約0~25℃である。一部の実施形態では、最終懸濁液の攪拌および混合の温度範囲は、約5~25℃である。一部の実施形態では、最終懸濁液の攪拌および混合の温度範囲は、約10~25℃である。一部の実施形態では、最終懸濁液の攪拌および混合の温度範囲は、約15~25℃である。一部の実施形態では、最終懸濁液の攪拌および混合の温度範囲は、約15~24℃である。一部の実施形態では、最終懸濁液の攪拌および混合の温度範囲は、約15~23℃である。一部の実施形態では、最終懸濁液の攪拌および混合の温度範囲は、約15~22℃である。一部の実施形態では、最終懸濁液の攪拌および混合の温度範囲は、約15~21℃である。一部の実施形態では、最終懸濁液の攪拌および混合の温度範囲は、約15~20℃である。一部の実施形態では、最終懸濁液の攪拌および混合の温度範囲は、約17~25℃である。一部の実施形態では、最終懸濁液の攪拌および混合の温度範囲は、約17~24℃である。一部の実施形態では、最終懸濁液の攪拌および混合の温度範囲は、約17~23℃である。一部の実施形態では、最終懸濁液の攪拌および混合の温度範囲は、約17~22℃である。一部の実施形態では、最終懸濁液の攪拌および混合の温度範囲は、約17~21℃である。一部の実施形態では、最終懸濁液の攪拌および混合の温度範囲は、約17~20℃である。一部の実施形態では、最終懸濁液の攪拌および混合の温度範囲は、約18~25℃である。一部の実施形態では、最終懸濁液の攪拌および混合の温度範囲は、約18~24℃である。一部の実施形態では、最終懸濁液の攪拌および混合の温度範囲は、約18~23℃である。一部の実施形態では、最終懸濁液の攪拌および混合の温度範囲は、約18~22℃である。一部の実施形態では、最終懸濁液の攪拌および混合の温度範囲は、約18~21℃である。一部の実施形態では、最終懸濁液の攪拌および混合の温度範囲は、約18~20℃である。
【0059】
一部の実施形態では、インライン熱交換器動作範囲を通る懸濁液流量は、約5~100kg/時であってもよい。一部の実施形態では、インライン熱交換器動作範囲を通る懸濁液流量は、約5~30kg/時であってもよい。一部の実施形態では、インライン熱交換器動作範囲を通る懸濁液流量は、約5-25kg/時であってもよい。一部の実施形態では、インライン熱交換器動作範囲を通る懸濁液流量は、約5~20kg/時であってもよい。一部の実施形態では、インライン熱交換器動作範囲を通る懸濁液流量は、約5~15kg/時であってもよい。一部の実施形態では、インライン熱交換器動作範囲を通る懸濁液流量は、約5~10kg/時でありうる。一部の実施形態では、インライン熱交換器動作範囲を通る懸濁液流量は、約30~50kg/時であってもよい。一部の実施形態では、懸濁液流量は、約35~45kg/時である。一部の実施形態では、懸濁液流量は、約35~40kg/時である。一部の実施形態では、懸濁液流量は、約40~45kg/時である。一部の実施形態では、懸濁液流量は、約42~48kg/時である。一部の実施形態では、懸濁液流量は、約45~50kg/時である。一部の実施形態では、インライン熱交換器動作範囲を通る懸濁液流量は、約50~100kg/時であってもよい。一部の実施形態では、懸濁液流量は、約50~90kg/時である。一部の実施形態では、懸濁液流量は、約50~80kg/時である。一部の実施形態では、懸濁液流量は、約50~70kg/時である。一部の実施形態では、懸濁液流量は、約50~60kg/時である。
【0060】
一部の実施形態では、噴霧乾燥機のノズルの近くまたはノズルでの溶液温度は、約110~130℃、好ましくは約115~125℃、最も好ましくは約116℃、約117℃、約118℃、約119℃、約120℃、約121℃、約122℃、約123℃、約124℃、約125℃でもよい。一部の実施形態では、噴霧乾燥機のノズルの近くまたはノズルでの溶液温度は、約15~25℃であってもよい。一部の実施形態では、噴霧乾燥機のノズルの近くまたはノズルでの溶液温度は、約20~25℃であってもよい。一部の実施形態では、噴霧乾燥機のノズルの近くまたはノズルでの溶液温度は、約10~100℃であってもよい。一部の実施形態では、噴霧乾燥機のノズルの近くまたはノズルでの溶液温度は、約20~90℃であってもよい。一部の実施形態では、噴霧乾燥機のノズルの近くまたはノズルでの溶液温度は、約20~80℃であってもよい。一部の実施形態では、噴霧乾燥機のノズルの近くまたはノズルでの溶液温度は、約20~70℃であってもよい。一部の実施形態では、噴霧乾燥機のノズルの近くまたはノズルでの溶液温度は、約20~60℃であってもよい。一部の実施形態では、噴霧乾燥機のノズルの近くまたはノズルでの溶液温度は、約20~50℃であってもよい。一部の実施形態では、噴霧乾燥機のノズルの近くまたはノズルでの溶液温度は、約20~40℃であってもよい。一部の実施形態では、噴霧乾燥機のノズルの近くまたはノズルでの溶液温度は、約20~30℃であってもよい。
【0061】
一部の実施形態では、噴霧乾燥ノズル鞘ガス圧力は、約50~100psigであってもよい。一部の実施形態では、噴霧乾燥機のバルク乾燥ガス流量は、約400~500kg/時であってもよい。一部の実施形態では、噴霧乾燥機チャンバの出口温度は約45~75℃であってもよい。一部の実施形態では、噴霧乾燥機凝縮器の温度は、約-5℃~約-20℃であってもよい。
【0062】
噴霧乾燥が完了した後、噴霧乾燥された中間体は、攪拌真空乾燥機内で随意に二次的な噴霧乾燥がされる。一部の実施形態では、乾燥温度は、約30~60℃、好ましくは約35~55℃、最も好ましくは約40~50℃とし得る。一部の実施形態では、乾燥持続時間は、約3時間未満、好ましくは約6時間未満、約7時間未満、約8時間未満、約9時間未満であってはならない。一部の実施形態では、チャンバ圧力は、約30~60mbar、好ましくは約35~55mbar、最も好ましくは約40~50mbarであってもよい。
【0063】
一部の実施形態では、ポリマーはイオン性であってもよい。一部の実施形態では、ポリマーは非イオン性であってもよい。一部の実施形態では、薬学的に許容可能なポリマーは、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール、ポリ(ビニルピロリドン-co-酢酸ビニル)、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンブロック共重合体、グラフト共重合体(ポリエチレングリコール、ポリビニルカプロラクタムおよびポリ酢酸ビニルからなる)、ポリメタクリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリカプロラクタム、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ(乳-グリコール)酸、脂質、セルロース、プルラン、デキストラン、マルトデキストリン、ヒアルロン酸、ポリシアル酸、コンドロイチン硫酸、ヘパリン、フコイダン、多硫酸ペントサン、スピルラン、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、プロピオン酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、酢酸トリメリット酸セルロース、酢酸フタル酸メチルセルロース、酢酸フタル酸ヒドロキシプロピルセルロース、酢酸テレフタル酸セルロース、酢酸イソフタル酸セルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、プロピオン酸フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸トリメリト酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、プロピオン酸トリメリット酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸コハク酸セルロース、酢酸コハク酸メチルセルロース、デキストラン、デキストラン酢酸塩、デキストランプロピオン酸塩、デキストランコハク酸塩、デキストラン酢酸プロピオン酸塩、デキストラン酢酸コハク酸塩、デキストランプロピオン酸コハク酸塩、デキストラン酢酸プロピオン酸コハク酸塩、ポリ(メタクリル酸-co-メタクリル酸メチル) 1:1、ポリ(メタクリル酸-co-メタクリル酸メチル) 1:2、ポリ(メタクリル酸-co-アクリル酸エチル) 1:1、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロース、ポリメタクリル酸-アクリル酸エチル、ポリメタクリル酸-メタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル-アクリル酸エチル、ポリトリメチルアンモニオエチルメタクリル酸塩化メチルメタクリル酸-アクリル酸エチルおよびポリ(メタクリル酸ブチル-co-(2-ジメチルアミノエチル)メタクリル酸-co-メタクリル酸メチル)、およびそれらの混合物からなる群から選択される、薬学的に許容可能なポリマーである。一部の実施形態では、薬学的に許容可能なポリマーは、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール、ポリ(ビニルピロリドン-co-酢酸ビニル)、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンブロック共重合体、グラフト共重合体(ポリエチレングリコール、ポリビニルカプロラクタムおよびポリ酢酸ビニルからなる)、ポリメタクリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリカプロラクタム、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ(乳-グリコール)酸、脂質、セルロース、プルラン、デキストラン、マルトデキストリン、ヒアルロン酸、ポリシアル酸、コンドロイチン硫酸、ヘパリン、フコイダン、多硫酸ペントサン、スピルラン、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、プロピオン酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、酢酸トリメリット酸セルロース、酢酸フタル酸メチルセルロース、酢酸フタル酸ヒドロキシプロピルセルロース、酢酸テレフタル酸セルロース、酢酸イソフタル酸セルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、プロピオン酸フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸トリメリト酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、プロピオン酸トリメリット酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸コハク酸セルロース、酢酸コハク酸メチルセルロース、デキストラン、デキストラン酢酸塩、デキストランプロピオン酸塩、デキストランコハク酸塩、デキストラン酢酸プロピオン酸塩、デキストラン酢酸コハク酸塩、デキストランプロピオン酸コハク酸塩、デキストラン酢酸プロピオン酸コハク酸塩、ポリ(メタクリル酸-co-メタクリル酸メチル) 1:1、ポリ(メタクリル酸-co-メタクリル酸メチル) 1:2、ポリ(メタクリル酸-co-アクリル酸エチル) 1:1、およびそれらの混合物からなる群から選択される。一部の実施形態では、ポリマーは、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、酢酸フタル酸セルロース、酢酸トリメリット酸セルロース、加水分解された形態でそれらの繰り返し単位のうちの少なくとも一部分を有するポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポロキサマー、またはそれらのブレンドである。一部の実施形態では、薬学的に許容可能なポリマーは、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースである。
【0064】
一部の実施形態では、式(I)の化合物を含む結果として得られる組成物は、一つ以上のアニリン系物質を含み、式(I)の化合物の重量に基づいて3.0重量%以下の量で各々含む。ジフェニル尿素を含んでもよいその他の不純物は、式(I)の重量に基づいて0.3重量%以下である。
【0065】
不純物の特定
式(I)の化合物の純度は、一般的に、不純物が薬学的な使用のために好適なレベルで存在するかどうかを決定するために、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、ガスクロマトグラフィー(GC)、または薄層クロマトグラフィー(TLC)などの方法によって分析されてもよい。一般的に、不純物は分光的に特定され、そしてクロマトグラム上のクロマトグラフィーピーク、またはTLCパネル上のスポットとして提供される。
【0066】
ピーク位置が特定の不純物と関連付けられると、その不純物を、クロマトグラム内でその位置に基づいて試料中で特定することができ、ここで、クロマトグラム内の位置は、カラム内の試料の注入と、検出器を通した不純物の溶出との間の分単位で測定される。クロマトグラム内の位置は、保持時間として知られ、また保持時間の間の比は、相対保持時間として知られている。
【0067】
比較的純粋な化合物を、参照基準として使用してもよい。参照基準は参照マーカーと類似しているが、後者は、不純物を検出するためだけでなく、試料中に存在する不純物の量を定量化するためにも使用することができることが異なる。
【0068】
一部の実施形態では、アニリン系不純物は、一緒に、または別個に、式(I)の化合物の重量に基づいて、約5重量%以下の量で各々存在する。一部の実施形態では、アニリン系不純物は、一緒に、または別個に、式(I)の化合物の重量に基づいて、約4重量%以下の量で各々存在する。一部の実施形態では、アニリン系不純物は、一緒に、または別個に、式(I)の化合物の重量に基づいて、約3重量%以下の量で各々存在する。一部の実施形態では、アニリン系不純物は、一緒に、または別個に、式(I)の化合物の重量に基づいて、約2重量%以下の量で各々存在する。一部の実施形態では、アニリン系不純物は、一緒に、または別個に、式(I)の化合物の重量に基づいて、約1重量%以下の量で存在各々する。一部の実施形態では、アニリン系不純物は、一緒に、または別個に、式(I)の化合物の重量に基づいて、約0.75重量%以下の量で各々存在する。一部の実施形態では、アニリン系不純物は、一緒に、または別個に、式(I)の化合物の重量に基づいて、約1重量%以下の量で存在各々する。一部の実施形態では、アニリン系不純物は、一緒に、または別個に、式(I)の化合物の重量に基づいて、約0.75重量%以下の量で各々存在する。一部の実施形態では、アニリン系不純物は、一緒に、または別個に、式(I)の化合物の重量に基づいて、約0.70重量%以下の量で各々存在する。一部の実施形態では、アニリン系不純物は、一緒に、または別個に、式(I)の化合物の重量に基づいて、約0.65重量%以下の量で各々存在する。一部の実施形態では、アニリン系不純物は、一緒に、または別個に、式(I)の化合物の重量に基づいて、約0.60重量%以下の量で各々存在する。一部の実施形態では、アニリン系不純物は、一緒に、または別個に、式(I)の化合物の重量に基づいて、約0.55重量%以下の量で各々存在する。一部の実施形態では、アニリン系不純物は、一緒に、または別個に、式(I)の化合物の重量に基づいて、約0.50重量%以下の量で各々存在する。一部の実施形態では、アニリン系不純物は、一緒に、または別個に、式(I)の化合物の重量に基づいて、約0.45重量%以下の量で各々存在する。一部の実施形態では、アニリン系不純物は、一緒に、または別個に、式(I)の化合物の重量に基づいて、約0.40重量%以下の量で各々存在する。一部の実施形態では、アニリン系不純物は、一緒に、または別個に、式(I)の化合物の重量に基づいて、約0.35重量%以下の量で各々存在する。一部の実施形態では、アニリン系不純物は、一緒に、または別個に、式(I)の化合物の重量に基づいて、約0.30重量%以下の量で各々存在する。一部の実施形態では、アニリン系不純物は、一緒に、または別個に、式(I)の化合物の重量に基づいて、約0.25重量%以下の量で各々存在する。一部の実施形態では、アニリン系不純物は、一緒に、または別個に、式(I)の化合物の重量に基づいて、約0.20重量%以下の量で各々存在する。一部の実施形態では、アニリン系不純物は、一緒に、または別個に、式(I)の化合物の重量に基づいて、約0.15重量%以下の量で各々存在する。一部の実施形態では、アニリン系不純物は、一緒に、または別個に、式(I)の化合物の重量に基づいて、約0.1重量%以下の量で各々存在する。一部の実施形態では、アニリン系不純物は、3-(5-アミノ-2-ブロモ-4-フルオロフェニル)-1-エチル-7-(メチルアミノ)-1,6-ナフチリジン-2(1H)-オン、アニリン、およびそれらの組み合わせから選択される一つ以上のアニリン系不純物によって表現される。
【0069】
一部の実施形態では、ジフェニル尿素不純物は、式(I)の化合物の重量に基づいて約0.30重量%以下の量で存在し、これは約0.0001%~最大約0.30%を意味する。一部の実施形態では、ジフェニル尿素不純物は、式(I)の化合物の重量に基づいて約0.20重量%以下の量で存在し、これは約0.0001%~最大約0.20%を意味する。一部の実施形態では、ジフェニル尿素不純物は、式(I)の化合物の重量に基づいて約0.10重量%以下の量で存在し、これは約0.0001%~最大約0.10%を意味する。一部の実施形態では、ジフェニル尿素不純物は、式(I)の化合物の重量に基づいて約0.075重量%以下の量で存在し、これは約0.0001%~最大約0.075%を意味する。一部の実施形態では、ジフェニル尿素不純物は、式(I)の化合物の重量に基づいて約0.05重量%以下の量で存在し、これは約0.0001%~最大約0.05%を意味する。一部の実施形態では、ジフェニル尿素不純物は、式(I)の化合物の重量に基づいて約0.04重量%以下の量で存在し、これは約0.0001%~最大約0.04%を意味する。一部の実施形態では、ジフェニル尿素不純物は、式(I)の化合物の重量に基づいて約0.03重量%以下の量で存在し、これは約0.0001%~最大約0.03%を意味する。一部の実施形態では、ジフェニル尿素不純物は、式(I)の化合物の重量に基づいて約0.02重量%以下の量で存在し、これは約0.0001%~最大約0.02%を意味する。一部の実施形態では、ジフェニル尿素不純物は、式(I)の化合物の重量に基づいて約0.01重量%以下の量で存在し、これは約0.0001%~最大約0.01%を意味する。
【0070】
別の一般的な態様では、本明細書には、約95%超のHPLCによる純度を有する式(I)の化合物を含む医薬組成物が提供されている。一部の実施形態では、HPLCによる純度は、約96%よりも大きい。一部の実施形態では、HPLCによる純度は、約97%よりも大きい。一部の実施形態では、HPLCによる純度は、約98%よりも大きい。一部の実施形態では、HPLCによる純度は、約99%よりも大きい。一部の実施形態では、HPLCによる純度は、約99.5%よりも大きい。一部の実施形態では、HPLCによる純度は、約99.8%よりも大きい。一部の実施形態では、HPLCによる純度は、約99.9%よりも大きい。一部の実施形態では、HPLCによる純度は、約90%よりも大きい。一部の実施形態では、HPLCによる純度は、約92%よりも大きい。一部の実施形態では、HPLCによる純度は、約94%よりも大きい。
【0071】
本明細書に記述されるように、活性薬剤および薬学的に許容可能なポリマーの分散は、噴霧乾燥プロセスによってなされてもよい。本明細書で使用される場合、「噴霧乾燥分散体」または「噴霧乾燥粉末分散体」という用語は、噴霧乾燥プロセスの生成物を意味し、生成物は、少なくとも一つの活性薬剤およびポリマーなどの少なくとも一つの賦形剤の分散体を含む。
【0072】
噴霧乾燥プロセスでは、活性薬剤および一つ以上のポリマーは共通の溶媒に溶解される。ここで「共通の」とは、化合物の混合物とすることができる溶媒が、活性薬剤およびポリマー(複数可)の両方を溶解することを意味する。活性薬剤およびポリマーの両方が溶解された後、溶媒は噴霧乾燥装置内の蒸発によって急速に除去され、実質的に均一な固体分散体の形成をもたらす。こうした分散体では、活性薬剤はポリマー全体を通して可能な限り均一に分散され、またポリマー(複数可)中に分散された活性薬剤の固溶体とみなすことができる。
【0073】
溶媒は、噴霧乾燥プロセスによって除去される。「噴霧乾燥」という用語は、慣習的に使用され、かつ広く、液体混合物を小さい液滴へと分解し(霧化)、そして液滴からの溶媒の蒸発のための強力な駆動力がある噴霧乾燥装置において混合物から溶媒を急速に除去することが関与するプロセスを指す。噴霧乾燥プロセスおよび噴霧乾燥機器は、概して、Perry’s Chemical Engineers’ Handbook, pages 20-54 to 20-57 (Sixth Edition 1984)に記述されている。噴霧乾燥プロセスおよび装置の詳細については、Marshall, “Atomization and Spray-Drying,” 50 Chem. Eng. Prog. Monogr. Series 2 (1954), and Masters, Spray Drying Handbook (Fourth Edition 1985)によってレビューされている。さらに、追加的なプロセスならびに噴霧乾燥技法および機器は、概して米国特許第8.343.550号および米国特許第7,780,988号に記述されている。溶媒蒸発のための強い駆動力は、一般的に、噴霧乾燥装置内の溶媒の分圧を、乾燥液滴の温度において溶媒の蒸気圧をはるかに下回って維持することによって提供される。これは、(1)噴霧乾燥装置における圧力を部分真空(例えば、0.01~0.50気圧)で維持すること、もしくは(2)液滴を温かい乾燥ガスと混合すること、または(3)(1)および(2)の両方によって達成される。加えて、溶媒の蒸発のために必要とされる熱の一部分は、噴霧溶液を加熱することによって提供されてもよい。
【0074】
乾燥ガスは、事実上いかなるガスであってもよいが、可燃性蒸気の点火による火災または爆発のリスクを最小化し、活性薬剤、濃度を高めるポリマー、または分散体中の他の材料の望ましくない酸化を最小化するために、窒素、窒素富化空気、またはアルゴンなどの不活性ガスが利用される。装置のガス入口における乾燥ガスの温度は、典型的に約60℃~約300℃である。収集コーンの出口または遠位端における生成物粒子、乾燥ガス、および蒸発溶媒の温度は、典型的に、約0℃~約100℃の範囲である。
【0075】
噴霧乾燥プロセスのために好適な溶媒は、活性薬剤とポリマーとが相互に可溶性である任意の有機化合物とすることができる。溶媒は比較的毒性が低く、国際調和委員会(ICH)のガイドラインに従って許容可能なレベルまで分散液から除去されるべきである。このレベルまでの溶媒の除去は、トレイ乾燥または二次乾燥などの後続の処理工程を必要とする場合がある。一部の実施形態では、溶媒は、アルコール、ケトン、エーテル、エステル、ハロゲン化アルカン、アミド、スルホン、酸、またはニトロ化合物である。一部の実施形態では、溶媒は、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、またはブタノールである。一部の実施形態では、溶媒は、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、またはメチルイソブチルケトン(MIBK)である。一部の実施形態では、溶媒は、酢酸メチル、酢酸エチル、または酢酸プロピルである。一部の実施形態では、溶媒は、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、2-メチルTHF、2,5-ジメチルTHF、または2,2,5,5-テトラメチルTHFである。一部の実施形態では、溶媒は、アセトニトリル、塩化メチレン、トルエン、1,1,1-トリクロロエタン、ジメチルアセトアミド(DMA)、ニトロメタン、酢酸、またはジメチルスルホキシド(DMSO)である。溶媒および水の混合物は、ポリマーおよび式(I)の化合物が、噴霧乾燥プロセスを実用的なものとするのに十分に可溶性である限り、好適である。一部の実施形態では、水:溶媒混合物は、水:アセトンである。一部の実施形態では、水:溶媒混合物は、水:THFである。一部の実施形態では、水:溶媒混合物は、水:メタノールである。一部の実施形態では、水:溶媒混合物は、水:エタノールである。一部の実施形態では、水:溶媒混合物は、水:メチルエチルケトンである。一部の実施形態では、水:溶媒混合物は、水:酢酸エチルである。一部の実施形態では、水:溶媒混合物は、水:塩化メチレンである。一部の実施形態では、溶媒の混合物は、ポリマーおよび式(I)の化合物が、噴霧乾燥プロセスを実用的なものとするのに十分に可溶性である限り、好適である。一部の実施形態では、溶媒:溶媒混合物は、メタノール:酢酸エチルである。一部の実施形態では、溶媒:溶媒混合物エタノール:酢酸エチルである。一部の実施形態では、溶媒:溶媒混合物は、メタノール:ジクロロメタンである。一部の実施形態では、溶媒:溶媒混合物エタノール:ジクロロメタンである。
【0076】
溶媒担持フィードの組成は、分散液中の活性薬剤対ポリマーの望ましい比、および溶媒中の活性薬剤およびポリマーの溶解度に依存する。一般的に、活性薬剤およびポリマーが、固体非晶質分散体を形成するために除去する必要がある溶媒の総量を低減させるために、プロセスの温度範囲で溶媒中に溶解されることを条件として、溶媒担持フィード中で組み合わされた活性薬剤とポリマー濃度を可能な限り高くすることが望ましい。一部の実施形態では、溶媒担持フィードは、少なくとも約0.01重量%~少なくとも約20重量%の組み合わされた活性薬剤とポリマー濃度を有する。一部の実施形態では、溶媒担持フィードは、少なくとも約0.01重量%の組み合わされた活性薬剤とポリマー濃度を有する。一部の実施形態では、溶媒担持フィードは、少なくとも約0.1重量%の組み合わされた活性薬剤とポリマー濃度を有する。一部の実施形態では、溶媒担持フィードは、少なくとも約0.5重量%の組み合わされた活性薬剤とポリマー濃度を有する。一部の実施形態では、溶媒担持フィードは、少なくとも約1.0重量%の組み合わされた活性薬剤とポリマー濃度を有する。一部の実施形態では、溶媒担持フィードは、少なくとも約2.0重量%の組み合わされた活性薬剤とポリマー濃度を有する。一部の実施形態では、溶媒担持フィードは、少なくとも約3.0重量%の組み合わされた活性薬剤とポリマー濃度を有する。一部の実施形態では、溶媒担持フィードは、少なくとも約4.0重量%の組み合わされた活性薬剤とポリマー濃度を有する。一部の実施形態では、溶媒担持フィードは、少なくとも約5.0重量%の組み合わされた活性薬剤とポリマー濃度を有する。一部の実施形態では、溶媒担持フィードは、少なくとも約6.0重量%の組み合わされた活性薬剤とポリマー濃度を有する。一部の実施形態では、溶媒担持フィードは、少なくとも約7.0重量%の組み合わされた活性薬剤とポリマー濃度を有する。一部の実施形態では、溶媒担持フィードは、少なくとも約8.0重量%の組み合わされた活性薬剤とポリマー濃度を有する。一部の実施形態では、溶媒担持フィードは、少なくとも約9.0重量%の組み合わされた活性薬剤とポリマー濃度を有する。一部の実施形態では、溶媒担持フィードは、少なくとも約10.0重量%の組み合わされた活性薬剤とポリマー濃度を有する。
【0077】
乾燥チャンバ内の粒子の平均滞留時間は、少なくとも10秒、好ましくは少なくとも20秒であるべきである。典型的には、固化後、形成された粉末は、約5~60秒間、噴霧乾燥チャンバに留まり、溶媒のさらなる蒸発を引き起こす。乾燥機から出る際の固体分散体の最終的な溶媒含有量は、分散体中の活性薬剤分子の可動性を低減し、それによってその安定性を改善するため、低くすべきである。一般的に、分散液が噴霧乾燥チャンバを離れる際の分散液の溶媒含有量は、約10重量%未満であるべきである。一部の実施形態では、分散液が噴霧乾燥チャンバを離れる際の分散液の溶媒含有量は、約9重量%未満である。一部の実施形態では、分散液が噴霧乾燥チャンバを離れる際の分散液の溶媒含有量は、約8重量%未満である。一部の実施形態では、分散液が噴霧乾燥チャンバを離れる際の分散液の溶媒含有量は、約7重量%未満である。一部の実施形態では、分散液が噴霧乾燥チャンバを離れる際の分散液の溶媒含有量は、約6重量%未満である。一部の実施形態では、分散液が噴霧乾燥チャンバを離れる際の分散液の溶媒含有量は、約5重量%未満である。一部の実施形態では、分散液が噴霧乾燥チャンバを離れる際の分散液の溶媒含有量は、約4重量%未満である。一部の実施形態では、分散液が噴霧乾燥チャンバを離れる際の分散液の溶媒含有量は、約3重量%未満である。一部の実施形態では、分散液が噴霧乾燥チャンバを離れる際の分散液の溶媒含有量は、約2重量%未満である。一部の実施形態では、分散液が噴霧乾燥チャンバを離れる際の分散液の溶媒含有量は、約1重量%未満である。一部の実施形態では、分散液が噴霧乾燥チャンバを離れる際の分散液のアセトン含有量は、約0.5重量%未満である。一部の実施形態では、分散液が噴霧乾燥チャンバを離れる際の分散液のアセトン含有量は、約0.3重量%未満である。一部の実施形態では、分散体が噴霧乾燥チャンバを離れる際の分散体のアセトン含有量は、約0.1重量%未満である。溶媒をこのレベルに除去するために、トレイ乾燥などの後続の処理工程を使用してもよい。
【0078】
医薬組成物および製剤
例えば、こうした組成物または医薬組成物は、錠剤、カプセル、ピル、粉末、液体、懸濁液、乳濁液、顆粒、徐放性製剤、溶液、および懸濁液などの形態であってもよい。医薬組成物は、正確な用量の単回投与に適した経口製剤であってもよい。
【0079】
本明細書に記述されるような式(I)の化合物は、完成した剤形へと形成されてもよい。最終剤形は、投与経路に応じて、液体、固体、または半固体剤形のうちの一つ以上を含む。
【0080】
医薬組成物に採用される賦形剤は、圧縮される材料に良好な粉末流動および圧縮特性を付与することができる。賦形剤の望ましい特性には、低圧縮力で強力な錠剤を作製することができるような高圧縮性、組成物中の他の賦形剤の粉末流動を改善することができる良好な粉末流動特性、および例えば、加工、出荷、および取り扱い中に錠剤が砕けるのを防止するための粘着性が含まれ得る。こうした特性は、医薬組成物の乾式造粒法(例えば、ローラー圧縮、スラッギングによる)、湿式造粒法、噴霧乾燥球形化(例えば、噴霧乾燥分散体、固体ナノ分散体)、または結晶化(例えば、塩形態)などの前処理ステップを介して、これらの賦形剤に付与される。それらは、最終錠剤における役割に従って分類されてもよい。完成錠に物理的特性を与える他の賦形剤は、着色剤および香味剤(例えば、咀嚼錠の場合)である。賦形剤の実施例は、例えば、Handbook of Pharmaceutical Excipients (5th edition)に記載されている(Raymond C. Rowe、Paul J. Sheskey、およびSian C. Owenにより編集、出版者:Pharmaceutical Press.)。
【0081】
本明細書に記載されるように、医薬組成物はまた、薬学的に許容可能なポリマーを含み得る。薬学的に許容可能なポリマーは、イオン性または非イオン性であってもよい。例示的な薬学的に許容可能なポリマーとしては、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール、ポリ(ビニルピロリドン-co-酢酸ビニル)、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンブロック共重合体、ポリエチレングリコールからなるグラフト共重合体であって、ポリビニルカプロラクタムおよびポリ酢酸ビニル、ポリメタクリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリカプロラクタム、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ(乳-グリコール)酸、脂質、セルロース、プルラン、デキストラン、マルトデキストリン、ヒアルロン酸、ポリシアル酸、コンドロイチン硫酸、ヘパリン、フコイダン、多硫酸ペントサン、スピルラン、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、プロピオン酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、酢酸トリメリット酸セルロース、酢酸フタル酸メチルセルロース、酢酸フタル酸ヒドロキシプロピルセルロース、酢酸テレフタル酸セルロース、酢酸イソフタル酸セルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、プロピオン酸フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸トリメリト酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、プロピオン酸トリメリット酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸コハク酸セルロース、酢酸コハク酸メチルセルロース、デキストラン、デキストラン酢酸塩、デキストランプロピオン酸塩、デキストランコハク酸塩、デキストラン酢酸プロピオン酸塩、デキストラン酢酸コハク酸塩、デキストランプロピオン酸コハク酸塩、デキストラン酢酸プロピオン酸コハク酸塩、ポリ(メタクリル酸-co-メタクリル酸メチル) 1:1、ポリ(メタクリル酸-co-メタクリル酸メチル) 1:2、ポリ(メタクリル酸-co-アクリル酸エチル) 1:1、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロース、ポリメタクリル酸-アクリル酸エチル、ポリメタクリル酸-メタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル-アクリル酸エチル、ポリトリメチルアンモニオエチルメタクリル酸塩化メチルメタクリル酸-アクリル酸エチルおよびポリ(メタクリル酸ブチル-co-(2-ジメチルアミノエチル)メタクリル酸-co-メタクリル酸メチル)、またはそれらの混合物が含まれる。一部の実施形態では、薬学的に許容可能なポリマーは、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール、ポリ(ビニルピロリドン-co-酢酸ビニル)、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンブロック共重合体、グラフト共重合体(ポリエチレングリコール、ポリビニルカプロラクタムおよびポリ酢酸ビニルからなる)、ポリメタクリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリカプロラクタム、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ(乳-グリコール)酸、脂質、セルロース、プルラン、デキストラン、マルトデキストリン、ヒアルロン酸、ポリシアル酸、コンドロイチン硫酸、ヘパリン、フコイダン、多硫酸ペントサン、スピルラン、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、プロピオン酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、酢酸トリメリット酸セルロース、酢酸フタル酸メチルセルロース、酢酸フタル酸ヒドロキシプロピルセルロース、酢酸テレフタル酸セルロース、酢酸イソフタル酸セルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、プロピオン酸フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸トリメリト酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、プロピオン酸トリメリット酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸コハク酸セルロース、酢酸コハク酸メチルセルロース、デキストラン、デキストラン酢酸塩、デキストランプロピオン酸塩、デキストランコハク酸塩、デキストラン酢酸プロピオン酸塩、デキストラン酢酸コハク酸塩、デキストランプロピオン酸コハク酸塩、デキストラン酢酸プロピオン酸コハク酸塩、ポリ(メタクリル酸-co-メタクリル酸メチル) 1:1、ポリ(メタクリル酸-co-メタクリル酸メチル) 1:2、ポリ(メタクリル酸-co-アクリル酸エチル) 1:1、およびそれらの混合物からなる群から選択される。一部の実施形態では、薬学的に許容可能なポリマーは、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースである。
【0082】
本明細書に提供される医薬組成物は、例えば、圧縮のための実用的なサイズをもたらすブレンドのバルク重量を増加させるために添加される、一つ以上の充填剤を含むことができる。使用されてもよい充填剤としては、第二リン酸カルシウムなどのカルシウム塩、およびラクトース、スクロース、デキストロース、微結晶性セルロース、マンニトール、およびマルトデキストリンなどの糖のうちの一つ以上が挙げられる。薬学的に許容可能な充填剤および薬学的に許容可能な希釈剤の例としては、粉砂糖、圧縮糖、デキストレート、デキストリン、デキストロース、ラクトース、マンニトール、微結晶性セルロース、粉末セルロース、ソルビトール、スクロース、およびタルクが挙げられるが、これらに限定されない。一部の実施形態では、充填剤は、アルファセルロースの制御された加水分解によって製造することができる微結晶性セルロースである。好適な微結晶性セルロースは、約20nm~約200nmの平均粒子サイズを有することになる。好適な微結晶性セルロースとしては、例えば、FMC Corporationにより製造された、Avicel PH 101、Avicel PH 102、Avicel PH 103、Avicel PH 105、およびAvicel PH 200が挙げられる。一部の実施形態では、充填剤はラクトースである。
【0083】
医薬組成物はまた、潤滑剤を含み得る。本明細書で使用される場合、「潤滑剤」という用語は、典型的には、打錠材料が抜き型にくっつくのを防止し、錠剤圧縮中の摩擦を最小化し、かつ圧縮された錠剤の金型からの取り外しを可能にするために、添加されるものである。潤滑剤の例としては、コロイダルシリカ、三ケイ酸マグネシウム、タルク、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、グリセリルベハプテート(glycerylbehaptate)、ポリエチレングリコール、酸化エチレンポリマー(例えば、Carowax)、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、ステアリン酸、ステアリン酸ラウリルマグネシウム、およびステアリン酸マグネシウムとラウリル硫酸ナトリウムとの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。例示的な潤滑剤には、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、およびフマル酸ステアリルナトリウムが含まれる。一部の実施形態では、潤滑剤はステアリン酸マグネシウムである。
【0084】
本明細書に提供される医薬組成物はまた、滑剤を含んでもよい。本明細書で使用される場合、「滑剤」という用語は、粒子間摩擦を低減することによってなど、その流動性を向上させることができる粉末に添加される物質である。例示的な滑剤としては、コロイダルシリカ、コロイド状二酸化ケイ素、ヒュームドシリカ、CAB-O-SIL(登録商標)M-5P、AEROSIL(登録商標)、タルク、Syloid(登録商標)、デンプン、およびケイ酸アルミニウムマグネシウムが挙げられるが、これらに限定されない。一部の実施形態では、滑剤は二酸化ケイ素である。賦形剤は、複数の機能を果たし得ることが注目されるべきである。一部の実施形態では、潤滑剤、例えばステアリン酸マグネシウムも、滑剤として機能し得る。
【0085】
崩壊剤は、溶解を早める(例えば、錠剤の分解速度を増加させる)ために必要な量で存在する場合がある。本明細書で使用される場合、「崩壊剤」という用語は、経口製剤が水性の環境に置かれた時に、錠剤またはカプセル中の粒子結合の物理的力に対抗することができる賦形剤を指す。崩壊剤としては、デンプン誘導体およびカルボキシメチルセルロースの塩が挙げられる。薬学的に許容可能な崩壊剤の例としては、デンプン、例えば、グリコール酸デンプンナトリウム、アルファ化デンプン、粘土、セルロース、アルギン酸塩、ガム、架橋ポリマー、例えば、架橋ポリビニルピロリドン(例えば、ポリプラスドン(商標)、ポリビニルポリピロリドン、クロスポビドン、架橋カルシウムカルボキシメチルセルロース、および架橋ナトリウムカルボキシメチルセルロース(クロスカルメロースナトリウム)、ならびに多糖類が挙げられるが、これらに限定されない 一部の実施形態では、崩壊剤は、クロスポビドン(例えば、PVP-XL)である。
【0086】
一部の実施形態では、本明細書には、式(I)によって表現される化合物、および一つ以上の薬学的に許容可能な担体、賦形剤、または希釈剤を含む医薬組成物が記述されており、医薬組成物は、式(I)の化合物の重量に基づいて約3.0重量%以下の量で一つ以上のアニリン系物質を各々含む。一部の実施形態では、一つ以上のアニリン系物質は、式(II)の化合物であり、また式(I)の化合物の重量に基づいて約1重量%未満の量で組成物中に存在する。一部の実施形態では、一つ以上のアニリン系物質は、式(II)の化合物であり、また式(I)の化合物の重量に基づいて約0.1重量%未満~約0.5重量%の量で組成物中に存在する。一部の実施形態では、一つ以上のアニリン系物質は、式(II)の化合物であり、また式(I)の化合物の重量に基づいて約0.01重量%未満~約0.1重量%の量で組成物中に存在する。一部の実施形態では、組成物は、約1%(w/w)未満の3-(5-アミノ-2-ブロモ-4-フルオロフェニル)-1-エチル-7-(メチルアミノ)-1,6-ナフチリジン-2(1H)-オンを含む。一部の実施形態では、組成物は、約0.1%(w/w)~約0.5%(w/w)の3-(5-アミノ-2-ブロモ-4-フルオロフェニル)-1-エチル-7-(メチルアミノ)-1,6-ナフチリジン-2(1H)-オンを含む。一部の実施形態では、組成物は、約0.01%(w/w)~約0.1%(w/w)の3-(5-アミノ-2-ブロモ-4-フルオロフェニル)-1-エチル-7-(メチルアミノ)-1,6-ナフチリジン-2(1H)-オンを含む。
【0087】
一部の実施形態では、組成物は、式(I)の化合物の重量に基づいて、10重量%未満の式(III)で表現される化合物をさらに含む。
【化20】
【0088】
一部の実施形態では、組成物は、式(I)の化合物の重量に基づいて、3重量%未満の式(III)で表現される化合物をさらに含む。
【化21】
【0089】
一部の実施形態では、組成物は、式(I)の化合物の重量に基づいて、1重量%未満の式(III)で表現される化合物をさらに含む。
【化22】
【0090】
一部の実施形態では、組成物は、式(I)の化合物の重量に基づいて、約0.1重量%未満~約0.5重量%の式(III)で表現される化合物をさらに含む。
【化23】
【0091】
一部の実施形態では、組成物は、式(I)の化合物の重量に基づいて、約0.01重量%未満~約0.1重量%の式(III)で表現される化合物をさらに含む。
【化24】
【0092】
一部の実施形態では、本明細書には、式(I)によって表現される化合物、および一つ以上の薬学的に許容可能な担体、賦形剤、または希釈剤を含む医薬組成物が記述されており、医薬組成物は、式(I)の化合物の重量に基づいて、約10重量%未満の式(III)で表現される化合物を含む。一部の実施形態では、本明細書には、式(I)によって表現される化合物、および一つ以上の薬学的に許容可能な担体、賦形剤、または希釈剤を含む医薬組成物が記述されており、医薬組成物は、式(I)の化合物の重量に基づいて、約7重量%未満の式(III)で表現される化合物を含む。一部の実施形態では、本明細書には、式(I)によって表現される化合物、および一つ以上の薬学的に許容可能な担体、賦形剤、または希釈剤を含む医薬組成物が記述されており、医薬組成物は、式(I)の化合物の重量に基づいて、約5重量%未満の式(III)で表現される化合物を含む。一部の実施形態では、本明細書には、式(I)によって表現される化合物、および一つ以上の薬学的に許容可能な担体、賦形剤、または希釈剤を含む医薬組成物が記述されており、医薬組成物は、式(I)の化合物の重量に基づいて、約3重量%未満の式(III)で表現される化合物を含む。一部の実施形態では、本明細書には、式(I)によって表現される化合物、および一つ以上の薬学的に許容可能な担体、賦形剤、または希釈剤を含む医薬組成物が記述されており、医薬組成物は、式(I)の化合物の重量に基づいて、約1重量%未満の式(III)で表現される化合物を含む。一部の実施形態では、本明細書には、式(I)によって表現される化合物、および一つ以上の薬学的に許容可能な担体、賦形剤、または希釈剤を含む医薬組成物が記述されており、医薬組成物は、式(I)の化合物の重量に基づいて、約0.1重量%未満の式(III)で表現される化合物を含む。一部の実施形態では、本明細書には、式(I)によって表現される化合物、および一つ以上の薬学的に許容可能な担体、賦形剤、または希釈剤を含む医薬組成物が記述されており、医薬組成物は、式(I)の化合物の重量に基づいて、約0.01重量%未満の式(III)で表現される化合物を含む。
【0093】
別の実施形態では、本明細書には、式(I)の化合物と、一つ以上の薬学的に許容可能な担体、賦形剤、または希釈剤とを含む医薬組成物が記述されており、医薬組成物は、一つ以上のアニリン系物質と、式(III)で表現される化合物:
【化25】
を、式(I)の化合物の重量に基づいて、3.0重量%以下の量で各々含む。
【0094】
一部の実施形態では、組成物は、式(I)の化合物の重量に基づいて、約0.5重量%以下の一つ以上のアニリン系物質を有する。一部の実施形態では、組成物は、式(I)の化合物の重量に基づいて、約0.3重量%以下のアニリン系物質を有する。一部の実施形態では、一つ以上のアニリン系物質は、式(II):
【化26】
によって表現される化合物、アニリン、およびそれらの組み合わせから成る群から選択される。一部の実施形態では、一つ以上のアニリン系物質は、式(II):
【化27】
によって表現される化合物であり、また式(I)の化合物の重量に基づいて約1重量%未満の量で組成物中に存在する。一部の実施形態では、一つ以上のアニリン系物質は、式(II):
【化28】
によって表現される化合物であり、また式(I)の化合物の重量に基づいて約0.1重量%未満~約0.5重量%の量で組成物中に存在する。一部の実施形態では、一つ以上のアニリン系物質は、式(II):
【化29】
によって表現される化合物であり、また式(I)の化合物の重量に基づいて約0.01重量%未満~約0.1重量%の量で組成物中に存在する。一部の実施形態では、式(III)の化合物は、式(I)の化合物の重量に基づいて約1重量%未満の量で組成物中に存在する。一部の実施形態では、式(III)の化合物は、式(I)の化合物の重量に基づいて、約0.1重量%未満~約0.5重量%の量で組成物中に存在する。一部の実施形態では、式(III)の化合物は、式(I)の化合物の重量に基づいて、約0.01重量%未満~約0.1重量%の量で組成物中に存在する。
【0095】
一部の実施形態では、本明細書で記述するのは、式(I)によって表現される化合物、および一つ以上の薬学的に許容可能な担体、賦形剤、または希釈剤を含む固体分散体であり、固体分散体は、式(I)の化合物の重量に基づいて約3.0重量%以下の量で一つ以上のアニリン系物質を各々含む。一部の実施形態では、一つ以上のアニリン系物質は、式(II)の化合物であり、また式(I)の化合物の重量に基づいて約1重量%未満の量で組成物中に存在する。一部の実施形態では、一つ以上のアニリン系物質は、式(II)の化合物であり、また式(I)の化合物の重量に基づいて約0.1重量%未満~約0.5重量%の量で組成物中に存在する。一部の実施形態では、一つ以上のアニリン系物質は、式(II)の化合物であり、また式(I)の化合物の重量に基づいて約0.01重量%未満~約0.1重量%の量で組成物中に存在する。一部の実施形態では、固体分散体は、約1%(w/w)未満の3-(5-アミノ-2-ブロモ-4-フルオロフェニル)-1-エチル-7-(メチルアミノ)-1,6-ナフチリジン-2(1H)-オン(式(II)の化合物)を含む。一部の実施形態では、固体分散体は、約0.1%(w/w)~約0.5%(w/w)の3-(5-アミノ-2-ブロモ-4-フルオロフェニル)-1-エチル-7-(メチルアミノ)-1,6-ナフチリジン-2(1H)-オン(式(II)の化合物)を含む。一部の実施形態では、固体分散体は、約0.01%(w/w)~約0.1%(w/w)の3-(5-アミノ-2-ブロモ-4-フルオロフェニル)-1-エチル-7-(メチルアミノ)-1,6-ナフチリジン-2(1H)-オン(式(II)の化合物)を含む。
【0096】
一部の実施形態では、固体分散体は、式(I)の化合物の重量に基づいて、10重量%未満の式(III)で表現される化合物をさらに含む。
【化30】
【0097】
一部の実施形態では、固体分散体は、式(I)の化合物の重量に基づいて3重量%未満の式(III)で表現される化合物をさらに含む。
【化31】
【0098】
一部の実施形態では、固体分散体は、式(I)の化合物の重量に基づいて1重量%未満の式(III)で表現される化合物を含む。
【化32】
【0099】
一部の実施形態では、固体分散体は、式(I)の化合物の重量に基づいて約0.1重量%未満~約0.5重量%の式(III)で表現される化合物を含む。
【化33】
【0100】
一部の実施形態では、固体分散体は、式(I)の化合物の重量に基づいて約0.01重量%~約0.1重量%の式(III)で表現される化合物を含む。
【化34】
【0101】
一部の実施形態では、本明細書で記述するのは、ポリマー、式(I)によって表現される化合物、および薬学的に許容可能なポリマーを含む固体分散体であり、固体分散体は、式(I)の化合物の重量に基づいて約0.50重量%以下の量で、一つ以上のアニリン系物質を各々含む。一部の実施形態では、一つ以上のアニリン系物質は、式(II)の化合物であり、また式(I)の化合物の重量に基づいて約0.1%未満の量で組成物中に存在する。一部の実施形態では、一つ以上のアニリン系物質は、式(II)の化合物であり、また式(I)の化合物の重量に基づいて約0.01重量%未満~約0.1重量%の量で組成物中に存在する。一部の実施形態では、固体分散体は、約0.1%(w/w)~約0.5%(w/w)の3-(5-アミノ-2-ブロモ-4-フルオロフェニル)-1-エチル-7-(メチルアミノ)-1,6-ナフチリジン-2(1H)-オン(式(II)の化合物)を含む。一部の実施形態では、固体分散体は、約0.01%(w/w)~約0.1%(w/w)の3-(5-アミノ-2-ブロモ-4-フルオロフェニル)-1-エチル-7-(メチルアミノ)-1,6-ナフチリジン-2(1H)-オン(式(II)の化合物)を含む。
【0102】
一部の実施形態では、固体分散体は、約0.1重量%~約0.5重量%未満の式(III)で表現される化合物をさらに含む。
【化35】
【0103】
一部の実施形態では、固体分散体は、式(I)の化合物の重量に基づいて約0.01重量%~約0.1重量%の式(III)で表現される化合物をさらに含む。
【化36】
【0104】
一部の実施形態では、固体分散体は、固体分散体の総重量に基づいて、約10重量%~約50重量%、または約10重量%~約30重量%、または約20重量%~約30重量%の式(I)によって表現される化合物を含む。一部の実施形態では、医薬組成物は、固体分散体の総重量に基づいて約25重量%の、式(I)によって表現される化合物を含んでもよい。
【0105】
一部の実施形態では、本明細書に提供される固体分散体は、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール、ポリ(ビニルピロリドン-co-酢酸ビニル)、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンブロック共重合体、グラフト共重合体(ポリエチレングリコール、ポリビニルカプロラクタムおよびポリ酢酸ビニルからなる)、ポリメタクリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリカプロラクタム、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ(乳-グリコール)酸、脂質、セルロース、プルラン、デキストラン、マルトデキストリン、ヒアルロン酸、ポリシアル酸、コンドロイチン硫酸、ヘパリン、フコイダン、多硫酸ペントサン、スピルラン、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、プロピオン酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、酢酸トリメリット酸セルロース、酢酸フタル酸メチルセルロース、酢酸フタル酸ヒドロキシプロピルセルロース、酢酸テレフタル酸セルロース、酢酸イソフタル酸セルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、プロピオン酸フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸トリメリト酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、プロピオン酸トリメリット酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸コハク酸セルロース、酢酸コハク酸メチルセルロース、デキストラン、デキストラン酢酸塩、デキストランプロピオン酸塩、デキストランコハク酸塩、デキストラン酢酸プロピオン酸塩、デキストラン酢酸コハク酸塩、デキストランプロピオン酸コハク酸塩、デキストラン酢酸プロピオン酸コハク酸塩、ポリ(メタクリル酸-co-メタクリル酸メチル) 1:1、ポリ(メタクリル酸-co-メタクリル酸メチル) 1:2、ポリ(メタクリル酸-co-アクリル酸エチル) 1:1、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロース、ポリメタクリル酸-アクリル酸エチル、ポリメタクリル酸-メタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル-アクリル酸エチル、ポリトリメチルアンモニオエチルメタクリル酸塩化メチルメタクリル酸-アクリル酸エチルおよびポリ(メタクリル酸ブチル-co-(2-ジメチルアミノエチル)メタクリル酸-co-メタクリル酸メチル)、およびそれらの混合物からなる群から選択される、薬学的に許容可能なポリマーを含む。一部の実施形態では、本明細書に提供される固体分散体は、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール、ポリ(ビニルピロリドン-co-酢酸ビニル)、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンブロック共重合体、グラフト共重合体(ポリエチレングリコール、ポリビニルカプロラクタムおよびポリ酢酸ビニルからなる)、ポリメタクリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリカプロラクタム、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ(乳-グリコール)酸、脂質、セルロース、プルラン、デキストラン、マルトデキストリン、ヒアルロン酸、ポリシアル酸、コンドロイチン硫酸、ヘパリン、フコイダン、多硫酸ペントサン、スピルラン、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、プロピオン酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、酢酸トリメリット酸セルロース、酢酸フタル酸メチルセルロース、酢酸フタル酸ヒドロキシプロピルセルロース、酢酸テレフタル酸セルロース、酢酸イソフタル酸セルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、プロピオン酸フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸トリメリト酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、プロピオン酸トリメリット酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸コハク酸セルロース、酢酸コハク酸メチルセルロース、デキストラン、デキストラン酢酸塩、デキストランプロピオン酸塩、デキストランコハク酸塩、デキストラン酢酸プロピオン酸塩、デキストラン酢酸コハク酸塩、デキストランプロピオン酸コハク酸塩、デキストラン酢酸プロピオン酸コハク酸塩、ポリ(メタクリル酸-co-メタクリル酸メチル) 1:1、ポリ(メタクリル酸-co-メタクリル酸メチル) 1:2、ポリ(メタクリル酸-co-アクリル酸エチル) 1:1、およびそれらの混合物からなる群から選択される、薬学的に許容可能なポリマーを含む。例えば、本明細書に提供される製剤中の薬学的に許容可能なポリマーは、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースである。
【0106】
一部の実施形態では、固体分散体は、式(I)によって表現される化合物と、薬学的に許容可能なポリマーとを、約40:60~約10:90、または約30:70~約20:80の比で含む。一部の実施形態では、式(I)によって表現される化合物および薬学的に許容可能なポリマーは、約25:75の比率であってもよい。
【0107】
また、本明細書には、(a)顆粒内ブレンドであって、(i)式(I)によって表現される化合物を含む固体噴霧乾燥分散体、および薬学的に許容可能なポリマー、(ii)一つ以上の充填剤、(iii)崩壊剤、(iv)滑剤、および(v)潤滑剤、を含む顆粒内ブレンドと、(b)顆粒外ブレンドであって、(i)滑剤、および(ii)潤滑剤、を含む顆粒外ブレンドと、を含む薬剤の組成が提供されている。
【0108】
一部の実施形態では、内部および顆粒外ブレンドのブレンドは、約90:10~約99.5:0.5の比である。例えば、内部および顆粒外ブレンドのブレンドは、約99:1の比であってもよい。
【0109】
一部の実施形態では、顆粒内ブレンドの固体分散体は、固体噴霧乾燥分散体の総重量に基づいて、約10重量%~約50重量%、または約10重量%~約30重量%、または約20重量%~約30重量%の式(I)によって表現される化合物を含む。一部の実施形態では、固体噴霧乾燥分散体は、固体噴霧乾燥分散体の総重量に基づいて約25重量%の、式(I)によって表現される化合物を含んでもよい。
【0110】
一部の実施形態では、医薬組成物は、ポリマーは、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール、ポリ(ビニルピロリドン-co-酢酸ビニル)、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンブロック共重合体、グラフト共重合体(ポリエチレングリコール、ポリビニルカプロラクタムおよびポリ酢酸ビニルからなる)、ポリメタクリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリカプロラクタム、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ(乳-グリコール)酸、脂質、セルロース、プルラン、デキストラン、マルトデキストリン、ヒアルロン酸、ポリシアル酸、コンドロイチン硫酸、ヘパリン、フコイダン、多硫酸ペントサン、スピルラン、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、プロピオン酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、酢酸トリメリット酸セルロース、酢酸フタル酸メチルセルロース、酢酸フタル酸ヒドロキシプロピルセルロース、酢酸テレフタル酸セルロース、酢酸イソフタル酸セルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、プロピオン酸フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸トリメリト酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、プロピオン酸トリメリット酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸コハク酸セルロース、酢酸コハク酸メチルセルロース、デキストラン、デキストラン酢酸塩、デキストランプロピオン酸塩、デキストランコハク酸塩、デキストラン酢酸プロピオン酸塩、デキストラン酢酸コハク酸塩、デキストランプロピオン酸コハク酸塩、デキストラン酢酸プロピオン酸コハク酸塩、ポリ(メタクリル酸-co-メタクリル酸メチル) 1:1、ポリ(メタクリル酸-co-メタクリル酸メチル) 1:2、ポリ(メタクリル酸-co-アクリル酸エチル) 1:1、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロース、ポリメタクリル酸-アクリル酸エチル、ポリメタクリル酸-メタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル-アクリル酸エチル、ポリトリメチルアンモニオエチルメタクリル酸塩化メチルメタクリル酸-アクリル酸エチルおよびポリ(メタクリル酸ブチル-co-(2-ジメチルアミノエチル)メタクリル酸-co-メタクリル酸メチル)、およびそれらの混合物からなる群から選択される、薬学的に許容可能なポリマーを含む。一部の実施形態では、医薬組成物は、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール、ポリ(ビニルピロリドン-co-酢酸ビニル)、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンブロック共重合体、グラフト共重合体(ポリエチレングリコール、ポリビニルカプロラクタムおよびポリ酢酸ビニルからなる)、ポリメタクリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリカプロラクタム、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ(乳-グリコール)酸、脂質、セルロース、プルラン、デキストラン、マルトデキストリン、ヒアルロン酸、ポリシアル酸、コンドロイチン硫酸、ヘパリン、フコイダン、多硫酸ペントサン、スピルラン、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、プロピオン酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、酢酸トリメリット酸セルロース、酢酸フタル酸メチルセルロース、酢酸フタル酸ヒドロキシプロピルセルロース、酢酸テレフタル酸セルロース、酢酸イソフタル酸セルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、プロピオン酸フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸トリメリト酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、プロピオン酸トリメリット酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸コハク酸セルロース、酢酸コハク酸メチルセルロース、デキストラン、デキストラン酢酸塩、デキストランプロピオン酸塩、デキストランコハク酸塩、デキストラン酢酸プロピオン酸塩、デキストラン酢酸コハク酸塩、デキストランプロピオン酸コハク酸塩、デキストラン酢酸プロピオン酸コハク酸塩、ポリ(メタクリル酸-co-メタクリル酸メチル) 1:1、ポリ(メタクリル酸-co-メタクリル酸メチル) 1:2、ポリ(メタクリル酸-co-アクリル酸エチル) 1:1、およびそれらの混合物からなる群から選択される、薬学的に許容可能なポリマーを含む。例えば、薬学的に許容可能なポリマーは、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースである。
【0111】
一部の実施形態では、医薬組成物は、式(I)によって表現される化合物と、薬学的に許容可能なポリマーとを、約40:60~約10:90、または約30:70~約20:80の比で含む。一部の実施形態では、式(I)によって表現される化合物および薬学的に許容可能なポリマーは、約25:75の比率であってもよい。
【0112】
一部の実施形態では、医薬組成物の顆粒内ブレンドは、一つ以上の充填剤を含み、一つ以上の充填剤の総量は、医薬組成物の総重量に基づいて約40重量%~約80重量%である。一つ以上の充填剤は、ラクトース、マルトデキストリン、マンニトール、微結晶性セルロース、アルファ化デンプン、ショ糖エステル、またはその水和物である。一部の実施形態では、顆粒内ブレンドは、二つの充填剤を含む。顆粒内ブレンドが二つの充填剤を含む場合、各充填剤は、独立して医薬組成物の総重量に基づいて、約20重量%~約40重量%、例えば約33重量%の量で存在してもよい。一部の実施形態では、一方の充填剤が微結晶性セルロースであってもよく、他方の充填剤がラクトース一水和物であってもよい。
【0113】
一部の実施形態では、医薬組成物の顆粒内ブレンドは、医薬組成物の総重量に基づいて、約1重量%~約10重量%、例えば、約5重量%の崩壊剤を含む。崩壊剤は、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム、グリコール酸デンプンナトリウム、微結晶性セルロース、またはアルファ化デンプンである。一部の実施形態では、顆粒内ブレンド中の崩壊剤は、クロスポビドンであってもよい。
【0114】
一部の実施形態では、顆粒内ブレンドの滑剤は、医薬組成物の総重量に基づいて、約0.1%~約1%、例えば約0.5%の量で存在する。例えば、顆粒内ブレンドの滑剤は二酸化ケイ素であってもよい。
【0115】
一部の実施形態では、顆粒外ブレンドの滑剤は、医薬組成物の総重量に基づいて、約0.1%~約1%、例えば約0.5%の量で存在する。一部の実施形態では、顆粒外ブレンドの滑剤は、二酸化ケイ素であってもよい。
【0116】
一部の実施形態では、顆粒内ブレンドの潤滑剤は、医薬組成物の総重量に基づいて、約0.1%~約1%、例えば約0.5%の量で存在する。一部の実施形態では、顆粒内ブレンドの潤滑剤は、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、モノステアリン酸グリセリル、水素化ひまし油、ラウリル硫酸ナトリウム、フマル酸ステアリルナトリウム、ステアリン酸、ステアリン酸亜鉛、タルク、微結晶性セルロース、またはショ糖エステルである。例えば、顆粒内ブレンドの潤滑剤はステアリン酸マグネシウムであってもよい。
【0117】
一部の実施形態では、顆粒外ブレンドの潤滑剤は、医薬組成物の総重量に基づいて、約0.1%~約1%、例えば約0.5%の量で存在する。一部の実施形態では、顆粒外ブレンドの潤滑剤は、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、モノステアリン酸グリセリル、水素化ひまし油、ラウリル硫酸ナトリウム、フマル酸ステアリルナトリウム、ステアリン酸、ステアリン酸亜鉛、タルク、微結晶性セルロース、またはショ糖エステルである。一例として、顆粒外ブレンドの潤滑剤はステアリン酸マグネシウムであってもよい。
【0118】
一部の実施形態では、組成物は、式(I)の化合物の重量に基づいて、約10重量%以下の一つ以上のアニリン系物質を含む。一部の実施形態では、組成物は、式(I)の化合物の重量に基づいて、約7重量%以下の一つ以上のアニリン系物質を含む。一部の実施形態では、組成物は、式(I)の化合物の重量に基づいて、約5重量%以下の一つ以上のアニリン系物質を含む。一部の実施形態では、組成物は、式(I)の化合物の重量に基づいて、約3重量%以下の一つ以上のアニリン系物質を含む。一部の実施形態では、組成物は、式(I)の化合物の重量に基づいて、約10重量%未満の3-(5-アミノ-2-ブロモ-4-フルオロフェニル)-1-エチル-7-(メチルアミノ)-1,6-ナフチリジン-2(1H)-オン(式(II)の化合物)を含む。一部の実施形態では、組成物は、式(I)の化合物の重量に基づいて、約7重量%未満の3-(5-アミノ-2-ブロモ-4-フルオロフェニル)-1-エチル-7-(メチルアミノ)-1,6-ナフチリジン-2(1H)-オン(式(II)の化合物)を含む。一部の実施形態では、組成物は、式(I)の化合物の重量に基づいて、約5重量%未満の3-(5-アミノ-2-ブロモ-4-フルオロフェニル)-1-エチル-7-(メチルアミノ)-1,6-ナフチリジン-2(1H)-オン(式(II)の化合物)を含む。一部の実施形態では、組成物は、式(I)の化合物の重量に基づいて、約3重量%未満の3-(5-アミノ-2-ブロモ-4-フルオロフェニル)-1-エチル-7-(メチルアミノ)-1,6-ナフチリジン-2(1H)-オン(式(II)の化合物)を含む。一部の実施形態では、組成物は、式(I)の化合物の重量に基づいて、約2重量%未満の3-(5-アミノ-2-ブロモ-4-フルオロフェニル)-1-エチル-7-(メチルアミノ)-1,6-ナフチリジン-2(1H)-オン(式(II)の化合物)を含む。一部の実施形態では、組成物は、式(I)の化合物の重量に基づいて、約1重量%未満の3-(5-アミノ-2-ブロモ-4-フルオロフェニル)-1-エチル-7-(メチルアミノ)-1,6-ナフチリジン-2(1H)-オン(式(II)の化合物)を含む。一部の実施形態では、組成物は、式(I)の化合物の重量に基づいて、約0.1重量%~約0.5重量%の3-(5-アミノ-2-ブロモ-4-フルオロフェニル)-1-エチル-7-(メチルアミノ)-1,6-ナフチリジン-2(1H)-オン(式(II)の化合物)を含む。一部の実施形態では、組成物は、式(I)の化合物の重量に基づいて、約0.01重量%~約0.1重量%の3-(5-アミノ-2-ブロモ-4-フルオロフェニル)-1-エチル-7-(メチルアミノ)-1,6-ナフチリジン-2(1H)-オン(式(II)の化合物)を含む。
【0119】
一部の実施形態では、組成物は、式(I)の化合物の重量に基づいて10重量%未満の式(III)で表現される化合物を含む。
【化37】
【0120】
一部の実施形態では、組成物は、式(I)の化合物の重量に基づいて7重量%未満の式(III)で表現される化合物を含む。
【化38】
【0121】
一部の実施形態では、組成物は、式(I)の化合物の重量に基づいて5重量%未満の式(III)で表現される化合物を含む。
【化39】
【0122】
一部の実施形態では、組成物は、式(I)の化合物の重量に基づいて3重量%未満の式(III)で表現される化合物を含む。
【化40】
【0123】
一部の実施形態では、組成物は、式(I)の化合物の重量に基づいて1重量%未満の式(III)で表現される化合物を含む。
【化41】
【0124】
一部の実施形態では、組成物は、式(I)の化合物の重量に基づいて、約0.1重量%未満~約0.5重量%の式(III)で表現される化合物を含む。
【化42】
【0125】
一部の実施形態では、組成物は、式(I)の化合物の重量に基づいて、約0.01重量%未満~約0.1重量%の式(III)で表現される化合物を含む。
【化43】
【0126】
一部の実施形態では、本明細書で提供するのは、(a)顆粒内ブレンドであって、(i)医薬組成物の総重量に基づいて、約33%重量の固体噴霧乾燥分散体であって、固体噴霧乾燥分散体が、95%超のHPLCによる純度を有する式(I)によって表現される化合物および酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む固体噴霧乾燥分散体を含み、固体噴霧乾燥分散体が、固体噴霧乾燥分散体の総重量に基づいて、約25重量%の式(I)によって表現される化合物を含む、固体噴霧乾燥分散体、(ii)医薬組成物の総量に基づき、約30重量%の微結晶性セルロース、(iii)医薬組成物の総量に基づき、約30重量%のラクトース一水和物、(iv)医薬組成物の総量に基づき、約5重量%のクロスポビドン、(v)医薬組成物の総量に基づき、約0.5重量%の二酸化ケイ素、および(vi)医薬組成物の総量に基づき、約0.5重量%のステアリン酸マグネシウムを含む、顆粒内ブレンドと、
(b)顆粒外ブレンドであって、(i)医薬組成物の総量に基づき、約0.5重量%の二酸化ケイ素、および(ii)医薬組成物の総量に基づき約0.5重量%のステアリン酸マグネシウムを含む顆粒外ブレンドと、を含む医薬組成物である。
【0127】
一部の実施形態では、本明細書で提供するのは、(a)顆粒内ブレンドであって、(i)式(I)によって表現される化合物および酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む、約200mgの固体噴霧乾燥分散体であって、固体噴霧乾燥分散体が、約50mgの式(I)によって表現される化合物を含む、固体噴霧乾燥分散体、(ii)約179mgの微結晶性セルロース、(iii)約179mgのラクトース一水和物、(iv)約30mgのクロスポビドン、(v)約3mgの二酸化ケイ素、および(vi)約3mgのステアリン酸マグネシウムを含む顆粒内ブレンドと、(b)顆粒外ブレンドであって、(i)約3mgの二酸化ケイ素、および(ii)約3mgのステアリン酸マグネシウムを含む、顆粒外ブレンドとを含む、医薬組成物である。
【0128】
一実施形態では、本明細書には、a)式(I)
【化44】
によって表現される化合物またはその薬学的に許容可能な塩、および薬学的に許容可能なポリマーを含む固体分散体、と、b)一つ以上の薬学的に許容可能な担体と、を含む医薬組成物が記載されており、アニリン系物質は、約3.0重量%以下の量でしか存在しない。
【0129】
一部の実施形態では、アニリン系物質は、組成物中に存在する式(I)の化合物の総重量に基づいて、約0.5重量%以下の量で存在する。
【0130】
一部の実施形態では、アニリン系物質は、組成物中に存在する式(I)の化合物の総重量に基づいて、約0.3重量%以下の量で存在する。
【0131】
一部の実施形態では、アニリン系物質は、式(II)
【化45】
の化合物、アニリン、またはそれらの組み合わせのうちの一つである。
【0132】
一部の実施形態では、化合物は、実質的に非晶質形態の遊離塩基として固体分散体中に存在する。
【0133】
一実施形態では、本明細書には、a)非晶質形態の式(I)によって表現される化合物、
【化46】
および薬学的に許容可能なポリマーを含む固体分散体と、b)一つ以上の薬学的に許容可能な担体であって、式(II)によって表現される化合物、
【化47】
アニリン、およびジフェニル尿素の各々が、組成物の総重量に基づいて、約1.5重量%以下の量で存在する担体と、を含む医薬組成物が記述されている。
【0134】
一実施形態では、本明細書には、a)非晶質形態の式(I)によって表現される化合物、
【化48】
および薬学的に許容可能なポリマーを含む固体分散体と、b)一つ以上の薬学的に許容可能な担体が記述されており、ジフェニル尿素が、組成物の総重量に基づいて約0.5重量%以下の量で存在する担体と、を含む医薬組成物である。
【0135】
一実施形態では、本明細書には、顆粒内ブレンドであって、顆粒内ブレンドが、50mgの化合物を有する固体分散体であって、化合物が非晶質形態で存在する、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、増量剤および/または充填剤、ならびに潤滑剤および/または滑剤を含む、顆粒内ブレンドと、滑剤および/または潤滑剤を含む顆粒外ブレンドと、を含み、ジフェニル尿素が、組成物の総重量に基づいて約0.5重量%以下の量で存在すること、によって表現される化合物
【化49】
の50mgの単一用量単位に対する、薬学的に許容可能な組成物が記述されている。
【0136】
一実施形態では、本明細書には、50mgの非晶質形態で存在する化合物を有する固体分散体と、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースと、増量剤と、充填剤と、潤滑剤および/または滑剤と、を含み、ジフェニル尿素が組成物の総重量に基づいて約0.5%以下の量で存在することによって表現される、50mgの化合物
【化50】
を患者に経口的に送達するための薬学的に許容可能な組成物が記述されている。
【0137】
一実施形態では、本明細書には、50mgの化合物
【化51】
を有する固体分散体であって、化合物が非晶質形態で存在する固体分散体と、ポリマーと、医薬組成物の総量に基づき約25~45重量%の増量剤と、医薬組成物の総量に基づき約25~45%重量の充填剤と、滑剤および/または潤滑剤と、を含み、1か月、3か月、または6か月の間25℃で60%の相対湿度に曝露された時、組成物が、約1.5%(w/w)を越えない3-(5-アミノ-2-ブロモ-4-フルオロフェニル)-1-エチル-7-(メチルアミノ)-1,6-ナフチリジン-2(1H)-オンを有することによって表現される50mgの化合物を経口的に送達するための薬学的に許容可能な組成物が記述されている。
【0138】
一部の実施形態では、ポリマーは、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースである。
【0139】
一部の実施形態では、増量剤は、微結晶性セルロースである。
【0140】
一部の実施形態では、充填剤は、ラクトースまたはその水和物である。
【0141】
一部の実施形態では、組成物は錠剤の形態にある。
【0142】
一部の実施形態では、組成物は、式(I)の化合物の重量に基づいて10重量%未満の式(III)で表現される化合物を含む。
【化52】
【0143】
一部の実施形態では、組成物は、式(I)の化合物の重量に基づいて7重量%未満の式(III)で表現される化合物を含む。
【化53】
【0144】
一部の実施形態では、組成物は、式(I)の化合物の重量に基づいて5重量%未満の式(III)で表現される化合物を含む。
【化54】
【0145】
一部の実施形態では、組成物は、式(I)の化合物の重量に基づいて3重量%未満の式(III)で表現される化合物を含む。
【化55】
【0146】
一部の実施形態では、組成物は、式(I)の化合物の重量に基づいて1重量%未満の式(III)で表現される化合物を含む。
【化56】
【0147】
一部の実施形態では、組成物は、式(I)の化合物の重量に基づいて、約0.1重量%未満~約0.5重量%の式(III)で表現される化合物を含む。
【化57】
【0148】
一部の実施形態では、組成物は、式(I)の化合物の重量に基づいて、約0.01重量%未満~約0.1重量%の式(III)で表現される化合物を含む。
【化58】
【0149】
医薬組成物はまた、錠剤として提供されてもよい。錠剤は、未コーティング、フィルム、もしくは糖コーティング分割、型押し、プレーン、層状、または徐放性であってもよい。様々なサイズ、形状、および色で作製することができる。錠剤は、嚥下、咀嚼、または口腔内もしくは舌下で溶解されうる。
【0150】
一部の実施形態では、本明細書で提供するのは、約50mgの式(I)によって表現される化合物提供する錠剤であり、錠剤は、(a)顆粒内ブレンドであって、(i)約50mgの化合物および酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む、約195mg~約205mgの固体噴霧乾燥分散体、(ii)約177mg~約181mgの微結晶性セルロース、(iii)約177mg~約181mgのラクトース一水和物、および(iv)約28mg~約32mgのクロスポビドンを含む顆粒内ブレンドと、(b)顆粒外ブレンドであって、(i)約2mg~約4mgの二酸化ケイ素、および(ii)約2mg~約4mgのステアリン酸マグネシウムを含む顆粒外ブレンドとを含む。
【0151】
一実施形態では、本明細書には、錠剤が、50mgの化合物を有する固体分散体であって、化合物が非晶質形態で存在する、固体分散体と、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースと、錠剤の総重量に基づいて約25~35%重量の微結晶性セルロースと、医薬組成物の総量に基づき約25~35%重量%のラクトースまたはその水和物と、を含むことであって、ジフェニル尿素が、組成物の総重量に基づいて約0.5重量%以下の量で存在すること、によって表現される50mgの化合物
【化59】
を有する薬学的に許容可能な錠剤が記述されている。一部の実施形態では、錠剤は、ステアリン酸マグネシウム、クロスポビドン、および二酸化ケイ素のうちの少なくとも一つをさらに含む。
【0152】
一部の実施形態では、錠剤は、式(I)の化合物の重量に基づいて、約10重量%以下の一つ以上のアニリン系物質を含む。一部の実施形態では、錠剤は、式(I)の化合物の重量に基づいて、約7重量%以下の一つ以上のアニリン系物質を含む。一部の実施形態では、錠剤は、式(I)の化合物の重量に基づいて、約5重量%以下の一つ以上のアニリン系物質を含む。一部の実施形態では、錠剤は、式(I)の化合物の重量に基づいて、約3重量%以下の一つ以上のアニリン系物質を含む。一部の実施形態では、錠剤は、式(I)の化合物の重量に基づいて、約10重量%未満の3-(5-アミノ-2-ブロモ-4-フルオロフェニル)-1-エチル-7-(メチルアミノ)-1,6-ナフチリジン-2(1H)-オン(式(II)の化合物)を含む。一部の実施形態では、錠剤は、式(I)の化合物の重量に基づいて、約7重量%未満の3-(5-アミノ-2-ブロモ-4-フルオロフェニル)-1-エチル-7-(メチルアミノ)-1,6-ナフチリジン-2(1H)-オン(式(II)の化合物)を含む。一部の実施形態では、錠剤は、式(I)の化合物の重量に基づいて、約5重量%未満の3-(5-アミノ-2-ブロモ-4-フルオロフェニル)-1-エチル-7-(メチルアミノ)-1,6-ナフチリジン-2(1H)-オン(式(II)の化合物)を含む。一部の実施形態では、錠剤は、式(I)の化合物の重量に基づいて、約3重量%未満の3-(5-アミノ-2-ブロモ-4-フルオロフェニル)-1-エチル-7-(メチルアミノ)-1,6-ナフチリジン-2(1H)-オン(式(II)の化合物)を含む。一部の実施形態では、錠剤は、式(I)の化合物の重量に基づいて、約2重量%未満の3-(5-アミノ-2-ブロモ-4-フルオロフェニル)-1-エチル-7-(メチルアミノ)-1,6-ナフチリジン-2(1H)-オン(式(II)の化合物)を含む。一部の実施形態では、錠剤は、式(I)の化合物の重量に基づいて、約1重量%未満の3-(5-アミノ-2-ブロモ-4-フルオロフェニル)-1-エチル-7-(メチルアミノ)-1,6-ナフチリジン-2(1H)-オン(式(II)の化合物)を含む。一部の実施形態では、錠剤は、式(I)の化合物の重量に基づいて、約0.1重量%~約0.5重量%の3-(5-アミノ-2-ブロモ-4-フルオロフェニル)-1-エチル-7-(メチルアミノ)-1,6-ナフチリジン-2(1H)-オン(式(II)の化合物)を含む。一部の実施形態では、錠剤は、式(I)の化合物の重量に基づいて、約0.01重量%~約0.1重量%の3-(5-アミノ-2-ブロモ-4-フルオロフェニル)-1-エチル-7-(メチルアミノ)-1,6-ナフチリジン-2(1H)-オン(式(II)の化合物)を含む。
【0153】
一部の実施形態では、錠剤は、式(I)の化合物の重量に基づいて10重量%未満の式(III)で表現される化合物を含む。
【化60】
【0154】
一部の実施形態では、錠剤は、式(I)の化合物の重量に基づいて7重量%未満の式(III)で表現される化合物を含む。
【化61】
【0155】
一部の実施形態では、錠剤は、式(I)の化合物の重量に基づいて5重量%未満の式(III)で表現される化合物を含む。
【化62】
【0156】
一部の実施形態では、錠剤は、式(I)の化合物の重量に基づいて3重量%未満の式(III)で表現される化合物を含む。
【化63】
【0157】
一部の実施形態では、錠剤は、式(I)の化合物の重量に基づいて1重量%未満の式(III)で表現される化合物を含む。
【化64】
【0158】
一部の実施形態では、錠剤は、式(I)の化合物の重量に基づいて、約0.1重量%未満~約0.5重量%の式(III)で表現される化合物を含む。
【化65】
【0159】
一部の実施形態では、錠剤は、式(I)の化合物の重量に基づいて、約0.01重量%~約0.1重量%の式(III)で表現される化合物を含む。
【化66】
【0160】
治療方法
式(I)の化合物、および一つ以上の薬学的に許容可能な担体、賦形剤、または希釈剤を含む医薬組成物であって、本明細書に記述されるように式(I)の化合物の重量に基づいて約3.0重量%以下の量で各々存在する一つ以上のアニリン系物質を含む医薬組成物は、c-KITの広域スペクトル阻害剤である。
【0161】
式(I)の化合物によって治療され得る障害は、消化管間質腫瘍(GIST)、NF-1-欠乏性消化管間質腫瘍、コハク酸デヒドロゲナーゼ(SDH)欠乏性胃腸間質腫瘍、KIT駆動型消化管間質腫瘍、PDGFRA駆動型消化管間質腫瘍、黒色腫、急性骨髄性白血病、精上皮腫または未分化胚細胞腫の胚細胞性腫瘍、肥満細胞症、肥満細胞白血病、肺腺癌、肺扁平上皮癌、グリア芽細胞腫、神経膠腫、小児神経膠腫、星細胞腫、肉腫、悪性末梢神経鞘肉腫、内膜肉腫、好酸球増多症候群、特発性好酸球増多症候群、慢性好酸球性白血病、好酸球性急性骨髄性白血病、リンパ芽球性T細胞リンパ腫、非小細胞肺癌、肺癌、グリア芽細胞腫、神経膠腫、悪性末梢神経鞘肉腫、好酸球増多症候群、KIT駆動型胚細胞腫瘍(例えば、精巣胚細胞)、KIT駆動型皮膚癌、KIT駆動型腎細胞癌、陰茎癌、PDGFRA駆動型陰茎癌、前立腺癌、PDGFRA駆動型前立腺癌、PDGFRA駆動型非黒色腫皮膚癌、PDGFRA駆動型グリア芽細胞腫、PDGFRA駆動型肉腫、PDGFRA駆動型神経グリア芽細胞腫、PDGFRA駆動型膵癌、または 腟癌、前立腺癌、陰茎癌、非黒色腫皮膚癌、黒色腫、または胸部肉腫(例えば、腟癌、前立腺癌、陰茎癌、非黒色腫皮膚癌、黒色腫、またはPDGFRB変異を含む胸部肉腫を含む)を含むが、これらに限定されない。
【0162】
したがって、別の実施形態では、本明細書には、治療を必要とする患者において、消化管間質腫瘍(GIST)、KIT駆動型消化管間質腫瘍、PDGFRA駆動型消化管間質腫瘍、黒色腫、急性骨髄性白血病、精上皮腫または未分化胚細胞腫の胚細胞性腫瘍、肥満細胞症、肥満細胞白血病、肺腺癌、肺扁平上皮癌、グリア芽細胞腫、神経膠腫、小児神経膠腫、星細胞腫、肉腫、悪性末梢神経鞘肉腫、内膜肉腫、好酸球増多症候群、特発性好酸球増多症候群、慢性好酸球性白血病、好酸球性急性骨髄性白血病、リンパ芽球性T細胞リンパ腫、非小細胞肺癌からなる群から選択される疾患を治療する方法が提供されており、治療有効量の本明細書に記載の組成物を患者に投与することを含む。
【0163】
また、別の実施形態では、本明細書には、それを必要とする患者において、消化管間質腫瘍(GIST)、KIT駆動型消化管間質腫瘍、PDGFRA駆動型消化管間質腫瘍、肺癌、グリア芽細胞腫、神経膠腫、悪性末梢神経鞘肉腫、および好酸球増多症候群からからなる群から選択される疾患を治療する方法が提供されており、治療有効量の本明細書に記述される組成物を患者に投与することを含む。一部の実施形態では、疾患は消化管間質腫瘍(GIST)である。
【0164】
また、別の実施形態では、本明細書には、それを必要とする患者において、KIT駆動型胚細胞腫瘍(例えば、精巣胚細胞)、KIT駆動型皮膚癌、またはKIT駆動型腎細胞癌からなる群から選択される疾患を治療する方法が提供されており、治療有効量の本明細書に記述される組成物を患者に投与することを含む。
【0165】
また、別の実施形態では、本明細書には、それを必要とする患者において、陰茎癌、PDGFRA駆動型陰茎癌、前立腺癌、PDGFRA駆動型前立腺癌、PDGFRA駆動型非黒色腫皮膚癌、PDGFRA駆動型神経膠腫、PDGFRA駆動型肉腫、PDGFRA駆動型神経グリア芽細胞腫、またはPDGFRA駆動型膵癌からなる群から選択される疾患を治療する方法が提供されており、治療有効量の本明細書に記述される組成物を患者に投与することを含む。
【0166】
また、別の実施形態では、本明細書には、それを必要とする患者において、腟癌、前立腺癌、陰茎癌、非黒色腫皮膚癌、黒色腫、または乳腺肉腫からなる群から選択されるPDGFRB突然変異を含む疾患を治療する方法が提供されており、治療有効量の本明細書に記述される組成物を患者に投与することを含む。
【0167】
一部の実施形態では、本明細書で提供するのは、それを必要とする患者において、KIT突然変異またはPDGFRA突然変異による疾患を治療するための方法であり、治療有効量の本明細書に記述される組成物または一つ以上の錠剤を患者に投与することを含む。一部の実施形態では、本明細書で提供するのは、それを必要とする患者において、KIT突然変異およびPDGFRA突然変異による疾患を治療するための方法であり、治療有効量の本明細書に記述される組成物または一つ以上の錠剤を患者に投与することを含む。一部の実施形態では、本明細書で提供するのは、それを必要とする患者において、パッセンジャーPDGFRB突然変異を含むKIT突然変異またはPDGFRA突然変異による疾患を治療するための方法であり、治療有効量の本明細書に記述される組成物を患者に投与することを含む。
【0168】
一部の実施形態では、本明細書には、治療を必要とする患者において、胃腸間質腫瘍(GIST)、KIT駆動型消化管間質腫瘍、PDGFRA駆動型消化管間質腫瘍、黒色腫(例えば、KIT主導の黒色腫またはPGDFRA主導の黒色腫またはPGDFR主導の黒色腫)、急性骨髄性白血病、精上皮腫または未分化胚細胞腫の胚細胞性腫瘍、肥満細胞症、肥満細胞白血病、肺腺癌、肺扁平上皮癌、グリア芽細胞腫、神経膠腫、小児神経膠腫、星細胞腫、肉腫、悪性末梢神経鞘肉腫、内膜肉腫、好酸球増多症候群、特発性好酸球増多症候群、慢性好酸球性白血病、好酸球性急性骨髄性白血病、リンパ芽球性T細胞リンパ腫、非小細胞肺癌からなる群から選択される疾患を治療する方法が提供されており、治療有効量の組成物または本明細書に記載の一つ以上の錠剤を患者に投与することを含む。一部の実施形態では、黒色腫は、皮膚黒色腫または非皮膚黒色腫である。一部の実施形態では、黒色腫は、皮膚黒色腫である。一部の実施形態では、皮膚黒色腫は、表在拡大型黒色腫、結節型黒色腫、末端黒子型黒色腫、または無色素性および線維形成性黒色腫である。一部の実施形態では、黒色腫は、非皮膚(皮膚以外の)黒色腫である。一部の実施形態では、黒色腫は、非皮膚性黒色腫は、眼内黒色腫または粘膜黒色腫である。一部の実施形態では、疾患は、c-KITおよび/またはPDGFRA、ならびに/またはその発癌性形態のキナーゼ活性によって引き起こされる。一部の実施形態では、疾患は、KIT駆動型胚細胞腫瘍(例えば、精巣胚細胞)、KIT駆動型皮膚癌(例えば、KIT駆動型扁平上皮癌、KIT駆動型メルケル細胞癌、ブドウ膜黒色腫、非黒色腫皮膚癌)、またはKIT駆動型腎細胞癌(例えば、腎細胞癌、嫌色素性腎細胞癌)からなる群から選択される。一部の実施形態では、疾患は、陰茎癌、PDGFRA駆動型陰茎癌、前立腺癌、PDGFRA駆動型前立腺癌、PDGFRA駆動型非黒色腫皮膚癌、PDGFRA駆動型神経膠腫、PDGFRA駆動型肉腫、PDGFRA駆動型神経グリア芽細胞腫、またはPDGFRA駆動型膵癌からなる群から選択される。一部の実施形態では、PDGFRB突然変異を含む疾患は、腟癌、前立腺癌、陰茎癌、非黒色腫皮膚癌、黒色腫、または乳腺肉腫からなる群から選択される。
【0169】
別の実施形態ではまた、本明細書には、消化管間質腫瘍(GIST)、KIT駆動型消化管間質腫瘍、PDGFRA駆動型消化管間質腫瘍、黒色腫、急性骨髄性白血病、精上皮腫または未分化胚細胞腫の胚細胞性腫瘍、肥満細胞症、肥満細胞白血病、肺腺癌、肺扁平上皮癌、グリア芽細胞腫、神経膠腫、小児神経膠腫、星細胞腫、肉腫、悪性末梢神経鞘肉腫、内膜肉腫、好酸球増多症候群、特発性好酸球増多症候群、慢性好酸球性白血病、好酸球性急性骨髄性白血病、リンパ芽球性T細胞リンパ腫、非小細胞肺癌からなる群から選択される疾患を治療するための薬剤を調製する本明細書に記載の組成物の使用が提供されている。一部の実施形態では、消化管間質腫瘍(GIST)、KIT駆動型消化管間質腫瘍、PDGFRA駆動型消化管間質腫瘍、肺癌、グリア芽細胞腫、神経膠腫、悪性末梢神経鞘肉腫、および好酸球増多症候群からなる群から選択される疾患の治療のための薬剤の調製。
【0170】
一部の実施形態では、本明細書には、消化管間質腫瘍(GIST)、KIT駆動型消化管間質腫瘍、PDGFRA駆動型消化管間質腫瘍、黒色腫(例えば、皮膚黒色腫、非皮膚性黒色腫、KIT駆動型黒色腫またはPGDFRA駆動型黒色腫またはPGDFR駆動型黒色腫)、急性骨髄性白血病、精上皮腫または未分化胚細胞腫の胚細胞性腫瘍、肥満細胞症、肥満細胞白血病、肺腺癌、肺扁平上皮癌、グリア芽細胞腫、神経膠腫、小児神経膠腫、星細胞腫、肉腫、悪性末梢神経鞘肉腫、内膜肉腫、好酸球増多症候群、特発性好酸球増多症候群、慢性好酸球性白血病、好酸球性急性骨髄性白血病、リンパ芽球性T細胞リンパ腫、非小細胞肺癌からなる群から選択される疾患を治療する方法が提供されており、治療有効量の、式(I)の化合物および一つ以上の薬学的に許容可能な担体、賦形剤、または希釈剤を含む医薬組成物を、それを必要とする患者に投与することを含み、医薬組成物は、式(I)の化合物の重量に基づいて約3.0重量%以下の量で各々存在する、一つ以上のアニリン系物質を含む。一部の実施形態では、疾患は、c-KITおよび/またはPDGFRA、ならびに/またはその発癌性形態のキナーゼ活性によって引き起こされる。一部の実施形態では、疾患は消化管間質腫瘍(GIST)である。一部の実施形態では、疾患は、KIT駆動型消化管間質腫瘍である。一部の実施形態では、疾患は、PDGFRA駆動型消化管間質腫瘍である。一部の実施形態では、疾患は、肺癌である。一部の実施形態では、疾患は、グリア芽細胞腫である。一部の実施形態では、疾患は、神経膠腫である。一部の実施形態では、疾患は、悪性末梢神経鞘肉腫である。一部の実施形態では、疾患は、好酸球増多症候群である。一部の実施形態では、本明細書で提供するのは、それを必要とする患者に、治療有効量の、式(I)の化合物および一つ以上の薬学的に許容可能な担体、賦形剤、または希釈剤を含む医薬組成物を投与することを含む、腫瘍進行のPDGFRキナーゼ媒介腫瘍増殖を治療または予防する方法であり、医薬組成物は、式(I)の化合物の重量に基づいて約3.0重量%以下の量で各々存在する一つ以上のアニリン系物質を含む。一部の実施形態では、腫瘍成長または腫瘍進行は、PDGFRαキナーゼの過剰発現、発癌性のPDGFRαのミスセンス突然変異、発癌性のPDGFRαの欠失突然変異、PDGFRα融合タンパク質を生じさせる発癌性のPDGFRα遺伝子の再構成、PDGFRαの遺伝子内インフレーム欠失、および/または発癌性のPDGFRαの遺伝子増幅により引き起こされる。一部の実施形態では、式(I)の化合物および一つ以上の薬学的に許容可能な担体、賦形剤、または希釈剤を含む医薬組成物であって、医薬組成物が、式(I)の化合物の重量に基づいて約3.0重量%以下の量で各々存在する一つ以上のアニリン系物質を含む、医薬組成物は、癌患者に投与され、ここで癌は、PDGFRA駆動型消化管間質腫瘍、肺腺癌、肺扁平上皮癌、グリア芽細胞腫、神経膠腫、小児神経膠腫、星状細胞腫、肉腫、消化管間質腫瘍、悪性末梢神経鞘肉腫、内膜肉腫、好酸球増多症候群、特発性好酸球増多症候群、慢性好酸球性白血病、好酸球性急性骨髄性白血病、またはリンパ芽球性T細胞リンパ腫である。一部の実施形態では、疾患は、PDGFRA駆動型消化管間質腫瘍(GIST)である。一部の実施形態では、疾患は、肺癌である。一部の実施形態では、疾患は、グリア芽細胞腫である。一部の実施形態では、疾患は、神経膠腫である。一部の実施形態では、疾患は、悪性末梢神経鞘肉腫である。一部の実施形態では、疾患は、好酸球増多症候群である。一部の実施形態では、式(I)の化合物および一つ以上の薬学的に許容可能な担体、賦形剤、または希釈剤を含む医薬組成物であって、医薬組成物が、式(I)の化合物の重量に基づいて約3.0重量%以下の量で各々存在する一つ以上のアニリン系物質を含む、医薬組成物は、単一の薬剤として、または他の癌標的治療薬、癌標的生物製剤、免疫チェックポイント阻害剤、もしくは化学療法剤と組み合わせて投与される。
【0171】
一部の実施形態では、本明細書に記述される治療の方法は、外科手術の前に(ネオアジュバント療法として)、本明細書に記述される式(I)の化合物の組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む。一部の実施形態では、本明細書に記載の治療方法は、外科手術の後に(アジュバント療法として)、本明細書に記述される式(I)の化合物の組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む。
【0172】
式(I)の化合物および薬学的に許容可能なポリマーを含む固体分散体であって、医薬組成物が、本明細書に記述されるような式(I)の化合物の重量に基づいて約3.0重量%以下の量で各々存在する一つ以上のアニリン系物質を含む、固体分散体は、c-KITの広域スペクトル阻害剤である。一部の実施形態では、本明細書には、消化管間質腫瘍(GIST)、KIT駆動型消化管間質腫瘍、PDGFRA駆動型消化管間質腫瘍、黒色腫(例えば、皮膚黒色腫、非皮膚性黒色腫、KIT駆動型黒色腫またはPGDFRA駆動型黒色腫またはPGDFR駆動型黒色腫)、急性骨髄性白血病、精上皮腫または未分化胚細胞腫の胚細胞性腫瘍、肥満細胞症、肥満細胞白血病、肺腺癌、肺扁平上皮癌、グリア芽細胞腫、神経膠腫、小児神経膠腫、星細胞腫、肉腫、悪性末梢神経鞘肉腫、内膜肉腫、好酸球増多症候群、特発性好酸球増多症候群、慢性好酸球性白血病、好酸球性急性骨髄性白血病、リンパ芽球性T細胞リンパ腫、非小細胞肺癌からなる群から選択される疾患を治療する方法が提供されており、治療有効量の、式(I)の化合物および一つ以上の薬学的に許容可能なポリマーを含む固体分散剤を、それを必要とする患者に投与することを含み、医薬組成物は、式(I)の化合物の重量に基づいて約3.0重量%以下の量で各々存在する、一つ以上のアニリン系物質を含む。一部の実施形態では、疾患は、c-KITおよび/またはPDGFRA、ならびに/またはその発癌性形態のキナーゼ活性によって引き起こされる。一部の実施形態では、疾患は消化管間質腫瘍(GIST)である。一部の実施形態では、疾患は、KIT駆動型消化管間質腫瘍である。一部の実施形態では、疾患は、PDGFRA駆動型消化管間質腫瘍である。一部の実施形態では、疾患は、肺癌である。一部の実施形態では、疾患は、グリア芽細胞腫である。一部の実施形態では、疾患は、神経膠腫である。一部の実施形態では、疾患は、悪性末梢神経鞘肉腫である。一部の実施形態では、疾患は、好酸球増多症候群である。一部の実施形態では、本明細書には、それを必要とする患者に、治療有効量の、式(I)の化合物および一つ以上の薬学的に許容可能なポリマーを含む固体分散体を投与することを含む、腫瘍進行のPDGFRキナーゼ媒介腫瘍増殖を治療または予防する方法が提供されており、医薬組成物は、式(I)の化合物の重量に基づいて約3.0重量%以下の量で各々存在する一つ以上のアニリン系物質を含む。一部の実施形態では、腫瘍成長または腫瘍進行は、PDGFRαキナーゼの過剰発現、発癌性のPDGFRαのミスセンス突然変異、発癌性のPDGFRαの欠失突然変異、PDGFRα融合タンパク質を生じさせる発癌性のPDGFRα遺伝子の再構成、PDGFRαの遺伝子内インフレーム欠失、および/または発癌性のPDGFRαの遺伝子増幅により引き起こされる。一部の実施形態では、式(I)の化合物および一つ以上の薬学的に許容可能なポリマーを含む固体分散体であって、医薬組成物が、式(I)の化合物の重量に基づいて約3.0重量%以下の量で各々存在する一つ以上のアニリン系物質を含む、固体分散体は、癌患者に投与され、ここで癌は、PDGFRA駆動型消化管間質腫瘍、肺腺癌、肺扁平上皮癌、グリア芽細胞腫、神経膠腫、小児神経膠腫、星状細胞腫、肉腫、消化管間質腫瘍、悪性末梢神経鞘肉腫、内膜肉腫、好酸球増多症候群、特発性好酸球増多症候群、慢性好酸球性白血病、好酸球性急性骨髄性白血病、またはリンパ芽球性T細胞リンパ腫である。一部の実施形態では、疾患は、PDGFRA駆動型消化管間質腫瘍(GIST)である。一部の実施形態では、疾患は、肺癌である。一部の実施形態では、疾患は、グリア芽細胞腫である。一部の実施形態では、疾患は、神経膠腫である。一部の実施形態では、疾患は、悪性末梢神経鞘肉腫である。一部の実施形態では、疾患は、好酸球増多症候群である。一部の実施形態では、式(I)の化合物および薬学的に許容可能なポリマーを含む固体分散体であって、医薬組成物が、式(I)の化合物の重量に基づいて約3.0重量%以下の量で各々存在する一つ以上のアニリン系物質を含む、固体分散体は、単一の薬剤として、または他の癌標的治療薬、癌標的生物製剤、免疫チェックポイント阻害剤、もしくは化学療法剤と組み合わせて投与される。
【0173】
本明細書に記述されるような約95%超のHPLCによる純度を有する、式(I)の化合物および薬学的に許容可能なポリマーを含む固体分散体は、c-KITの広域スペクトル阻害剤である。一部の実施形態では、本明細書には、消化管間質腫瘍(GIST)、KIT駆動型消化管間質腫瘍、PDGFRA駆動型消化管間質腫瘍、黒色腫(例えば、皮膚黒色腫、非皮膚性黒色腫、KIT駆動型黒色腫またはPGDFRA駆動型黒色腫)、急性骨髄性白血病、精上皮腫または未分化胚細胞腫の胚細胞性腫瘍、肥満細胞症、肥満細胞白血病、肺腺癌、肺扁平上皮癌、グリア芽細胞腫、神経膠腫、小児神経膠腫、星細胞腫、肉腫、悪性末梢神経鞘肉腫、内膜肉腫、好酸球増多症候群、特発性好酸球増多症候群、慢性好酸球性白血病、好酸球性急性骨髄性白血病、リンパ芽球性T細胞リンパ腫、非小細胞肺癌からなる群から選択される疾患を治療する方法が提供されており、治療有効量の、約95%超のHPLCによる純度を有する、式(I)の化合物および薬学的に許容可能なポリマーを含む固体分散体を、それを必要とする患者に投与することを含む。一部の実施形態では、疾患は、c-KITおよび/またはPDGFRA、ならびに/またはその発癌性形態のキナーゼ活性によって引き起こされる。一部の実施形態では、疾患は消化管間質腫瘍(GIST)である。一部の実施形態では、疾患は、KIT駆動型消化管間質腫瘍である。一部の実施形態では、疾患は、PDGFRA駆動型消化管間質腫瘍である。一部の実施形態では、疾患は、肺癌である。一部の実施形態では、疾患は、グリア芽細胞腫である。一部の実施形態では、疾患は、神経膠腫である。一部の実施形態では、疾患は、悪性末梢神経鞘肉腫である。一部の実施形態では、疾患は、好酸球増多症候群である。一部の実施形態では、本明細書には、それを必要とする患者に、治療有効量の、約95%超のHPLCによる純度を有する、式(I)の化合物および薬学的に許容可能なポリマーを含む固体分散体を投与することを含む、腫瘍進行のPDGFRキナーゼ媒介腫瘍増殖を治療または予防する方法が提供されている。一部の実施形態では、腫瘍成長または腫瘍進行は、PDGFRαキナーゼの過剰発現、発癌性のPDGFRαのミスセンス突然変異、発癌性のPDGFRαの欠失突然変異、PDGFRα融合タンパク質を生じさせる発癌性のPDGFRα遺伝子の再構成、PDGFRαの遺伝子内インフレーム欠失、および/または発癌性のPDGFRαの遺伝子増幅により引き起こされる。一部の実施形態では、約95%超のHPLCによる純度を有する、式(I)の化合物および薬学的に許容可能なポリマーを含む固体分散体は、癌患者に投与され、ここで癌は、PDGFRA駆動型消化管間質腫瘍、肺腺癌、肺扁平上皮癌、グリア芽細胞腫、神経膠腫、小児神経膠腫、星状細胞腫、肉腫、消化管間質腫瘍、悪性末梢神経鞘肉腫、内膜肉腫、好酸球増多症候群、特発性好酸球増多症候群、慢性好酸球性白血病、好酸球性急性骨髄性白血病、またはリンパ芽球性T細胞リンパ腫である。一部の実施形態では、疾患は、PDGFRA駆動型消化管間質腫瘍(GIST)である。一部の実施形態では、疾患は、肺癌である。一部の実施形態では、疾患は、グリア芽細胞腫である。一部の実施形態では、疾患は、神経膠腫である。一部の実施形態では、疾患は、悪性末梢神経鞘肉腫である。一部の実施形態では、疾患は、好酸球増多症候群である。一部の実施形態では、約95%超のHPLCによる純度を有する、式(I)の化合物および薬学的に許容可能なポリマーを含む固体分散体であって、固体分散体は、単一の薬剤として、または他の癌標的治療薬、癌標的生物製剤、免疫チェックポイント阻害剤、もしくは化学療法薬と組み合わせて投与される。
【0174】
式(I)の化合物であって、化合物が、本明細書に記述されるような式(I)の化合物の重量に基づいて約3.0重量%以下の量で各々存在する一つ以上のアニリン系物質を含む、化合物は、c-KITの広域スペクトル阻害剤である。一部の実施形態では、本明細書には、消化管間質腫瘍(GIST)、KIT駆動型消化管間質腫瘍、PDGFRA駆動型消化管間質腫瘍、黒色腫(例えば、皮膚黒色腫、非皮膚性黒色腫、KIT駆動型黒色腫またはPGDFRA駆動型黒色腫またはPGDFR駆動型黒色腫)、急性骨髄性白血病、精上皮腫または未分化胚細胞腫の胚細胞性腫瘍、肥満細胞症、肥満細胞白血病、肺腺癌、肺扁平上皮癌、グリア芽細胞腫、神経膠腫、小児神経膠腫、星細胞腫、肉腫、悪性末梢神経鞘肉腫、内膜肉腫、好酸球増多症候群、特発性好酸球増多症候群、慢性好酸球性白血病、好酸球性急性骨髄性白血病、リンパ芽球性T細胞リンパ腫、非小細胞肺癌からなる群から選択される疾患を治療する方法が提供されており、治療有効量の、式(I)の化合物を、それを必要とする患者に投与することを含み、化合物は、式(I)の化合物の重量に基づいて約3.0重量%以下の量で各々存在する、一つ以上のアニリン系物質を含む。一部の実施形態では、疾患は、c-KITおよび/またはPDGFRA、ならびに/またはその発癌性形態のキナーゼ活性によって引き起こされる。一部の実施形態では、疾患は消化管間質腫瘍(GIST)である。一部の実施形態では、疾患は、KIT駆動型消化管間質腫瘍である。一部の実施形態では、疾患は、PDGFRA駆動型消化管間質腫瘍である。一部の実施形態では、疾患は、肺癌である。一部の実施形態では、疾患は、グリア芽細胞腫である。一部の実施形態では、疾患は、神経膠腫である。一部の実施形態では、疾患は、悪性末梢神経鞘肉腫である。一部の実施形態では、疾患は、好酸球増多症候群である。一部の実施形態では、本明細書には、それを必要とする患者に、治療有効量の、式(I)の化合物を投与することを含む、腫瘍進行のPDGFRキナーゼ媒介腫瘍増殖を治療または予防する方法が提供されており、化合物は、式(I)の化合物の重量に基づいて約3.0重量%以下の量で各々存在する一つ以上のアニリン系物質を含む。一部の実施形態では、腫瘍成長または腫瘍進行は、PDGFRαキナーゼの過剰発現、発癌性のPDGFRαのミスセンス突然変異、発癌性のPDGFRαの欠失突然変異、PDGFRα融合タンパク質を生じさせる発癌性のPDGFRα遺伝子の再構成、PDGFRαの遺伝子内インフレーム欠失、および/または発癌性のPDGFRαの遺伝子増幅により引き起こされる。一部の実施形態では、式(I)の化合物であって、化合物が、式(I)の化合物の重量に基づいて約3.0重量%以下の量で各々存在する一つ以上のアニリン系物質を含む、化合物は、癌患者に投与され、ここで癌は、PDGFRA駆動型消化管間質腫瘍、肺腺癌、肺扁平上皮癌、グリア芽細胞腫、神経膠腫、小児神経膠腫、星状細胞腫、肉腫、消化管間質腫瘍、悪性末梢神経鞘肉腫、内膜肉腫、好酸球増多症候群、特発性好酸球増多症候群、慢性好酸球性白血病、好酸球性急性骨髄性白血病、またはリンパ芽球性T細胞リンパ腫である。一部の実施形態では、疾患は、PDGFRA駆動型消化管間質腫瘍(GIST)である。一部の実施形態では、疾患は、肺癌である。一部の実施形態では、疾患は、グリア芽細胞腫である。一部の実施形態では、疾患は、神経膠腫である。一部の実施形態では、疾患は、悪性末梢神経鞘肉腫である。一部の実施形態では、疾患は、好酸球増多症候群である。一部の実施形態では、式(I)の化合物であって、化合物が、式(I)の化合物の重量に基づいて約3.0重量%以下の量で各々存在する一つ以上のアニリン系物質を含む、化合物は、単一の薬剤として、または他の癌標的治療薬、癌標的生物製剤、免疫チェックポイント阻害剤、もしくは化学療法剤と組み合わせて投与される。
【0175】
一部の実施形態では、式(I)の化合物および一つ以上の薬学的に許容可能な担体、賦形剤、または希釈剤を含む医薬組成物であって、医薬組成物が、本明細書に記述されるような式(I)の化合物の重量に基づいて約3.0重量%以下の量で各々存在する一つ以上のアニリン系物質を含む、医薬組成物は、消化管間質腫瘍(GIST)、KIT駆動型消化管間質腫瘍、PDGFRA駆動型消化管間質腫瘍、黒色腫(例えば、皮膚黒色腫、非皮膚性黒色腫、KIT駆動型黒色腫またはPGDFRA駆動型黒色腫またはPGDFR駆動型黒色腫)、急性骨髄性白血病、精上皮腫または未分化胚細胞腫の胚細胞性腫瘍、肥満細胞症、肥満細胞白血病、肺腺癌、肺扁平上皮癌、グリア芽細胞腫、神経膠腫、小児神経膠腫、星細胞腫、肉腫、悪性末梢神経鞘肉腫、内膜肉腫、好酸球増多症候群、特発性好酸球増多症候群、慢性好酸球性白血病、好酸球性急性骨髄性白血病、リンパ芽球性T細胞リンパ腫、非小細胞肺癌からなる群から選択される疾患を治療のための薬剤の調製において使用される。一部の実施形態では、疾患は、c-KITおよび/またはPDGFRA、ならびに/またはその発癌性形態のキナーゼ活性によって引き起こされる。一部の実施形態では、疾患は消化管間質腫瘍(GIST)である。一部の実施形態では、疾患は、KIT駆動型消化管間質腫瘍である。一部の実施形態では、疾患は、PDGFRA駆動型消化管間質腫瘍である。一部の実施形態では、疾患は、肺癌である。一部の実施形態では、疾患は、グリア芽細胞腫である。一部の実施形態では、疾患は、神経膠腫である。一部の実施形態では、疾患は、悪性末梢神経鞘肉腫である。一部の実施形態では、疾患は、好酸球増多症候群である。一部の実施形態では、式(I)の化合物、および一つ以上の薬学的に許容可能な担体、賦形剤、または希釈剤を含む医薬組成物であって、医薬組成物が、式(I)の化合物の重量に基づいて約3.0重量%以下の量で各々存在する一つ以上のアニリン系物質を含む、医薬組成物は、腫瘍のPDGFRキナーゼ媒介腫瘍増殖を治療または予防するための薬剤の調製において使用される。一部の実施形態では、腫瘍成長または腫瘍進行は、PDGFRαキナーゼの過剰発現、発癌性のPDGFRαのミスセンス突然変異、発癌性のPDGFRαの欠失突然変異、PDGFRα融合タンパク質を生じさせる発癌性のPDGFRα遺伝子の再構成、PDGFRαの遺伝子内インフレーム欠失、および/または発癌性のPDGFRαの遺伝子増幅により引き起こされる。一部の実施形態では、式(I)の化合物および一つ以上の薬学的に許容可能な担体、賦形剤、または希釈剤を含む医薬組成物であって、医薬組成物が、式(I)の化合物の重量に基づいて約3.0重量%以下の量で各々存在する一つ以上のアニリン系物質を含む、医薬組成物は、疾患の治療のための薬剤の調製において使用され、疾患は、PDGFRA駆動型消化管間質腫瘍、肺腺癌、肺扁平上皮癌、グリア芽細胞腫、神経膠腫、小児神経膠腫、星状細胞腫、肉腫、消化管間質腫瘍、悪性末梢神経鞘肉腫、内膜肉腫、好酸球増多症候群、特発性好酸球増多症候群、慢性好酸球性白血病、好酸球性急性骨髄性白血病、またはリンパ芽球性T細胞リンパ腫である。一部の実施形態では、疾患は、PDGFRA駆動型消化管間質腫瘍(GIST)である。一部の実施形態では、疾患は、肺癌である。一部の実施形態では、疾患は、グリア芽細胞腫である。一部の実施形態では、疾患は、神経膠腫である。一部の実施形態では、疾患は、悪性末梢神経鞘肉腫である。一部の実施形態では、疾患は、好酸球増多症候群である。
【0176】
一部の実施形態では、式(I)の化合物および薬学的に許容可能なポリマーを含む固体分散体であって、固体分散体が、本明細書に記述されるような式(I)の化合物の重量に基づいて約3.0重量%以下の量で各々存在する一つ以上のアニリン系物質を含む、固体分散体は、消化管間質腫瘍(GIST)、KIT駆動型消化管間質腫瘍、PDGFRA駆動型消化管間質腫瘍、黒色腫(例えば、皮膚黒色腫、非皮膚性黒色腫、KIT駆動型黒色腫またはPGDFRA駆動型黒色腫またはPGDFR駆動型黒色腫)、急性骨髄性白血病、精上皮腫または未分化胚細胞腫の胚細胞性腫瘍、肥満細胞症、肥満細胞白血病、肺腺癌、肺扁平上皮癌、グリア芽細胞腫、神経膠腫、小児神経膠腫、星細胞腫、肉腫、悪性末梢神経鞘肉腫、内膜肉腫、好酸球増多症候群、特発性好酸球増多症候群、慢性好酸球性白血病、好酸球性急性骨髄性白血病、リンパ芽球性T細胞リンパ腫、非小細胞肺癌からなる群から選択される疾患を治療のための薬剤の調製において使用される。一部の実施形態では、疾患は、c-KITおよび/またはPDGFRA、ならびに/またはその発癌性形態のキナーゼ活性によって引き起こされる。一部の実施形態では、疾患は消化管間質腫瘍(GIST)である。一部の実施形態では、疾患は、KIT駆動型消化管間質腫瘍である。一部の実施形態では、疾患は、PDGFRA駆動型消化管間質腫瘍である。一部の実施形態では、疾患は、肺癌である。一部の実施形態では、疾患は、グリア芽細胞腫である。一部の実施形態では、疾患は、神経膠腫である。一部の実施形態では、疾患は、悪性末梢神経鞘肉腫である。一部の実施形態では、疾患は、好酸球増多症候群である。一部の実施形態では、式(I)の化合物、および薬学的に許容可能なポリマーを含む固体分散体であって、固体分散体が、式(I)の化合物の重量に基づいて約3.0重量%以下の量で各々存在する一つ以上のアニリン系物質を含む、固体分散体は、腫瘍のPDGFRキナーゼ媒介腫瘍増殖を治療または予防するための薬剤の調製において使用される。一部の実施形態では、腫瘍成長または腫瘍進行は、PDGFRαキナーゼの過剰発現、発癌性のPDGFRαのミスセンス突然変異、発癌性のPDGFRαの欠失突然変異、PDGFRα融合タンパク質を生じさせる発癌性のPDGFRα遺伝子の再構成、PDGFRαの遺伝子内インフレーム欠失、および/または発癌性のPDGFRαの遺伝子増幅により引き起こされる。一部の実施形態では、式(I)の化合物および薬学的に許容可能なポリマーを含む固体分散体であって、固体分散体が、式(I)の化合物の重量に基づいて約3.0重量%以下の量で各々存在する一つ以上のアニリン系物質を含む、固体分散体は、疾患の治療のための薬剤の調製において使用され、疾患は、PDGFRA駆動型消化管間質腫瘍、肺腺癌、肺扁平上皮癌、グリア芽細胞腫、神経膠腫、小児神経膠腫、星状細胞腫、肉腫、消化管間質腫瘍、悪性末梢神経鞘肉腫、内膜肉腫、好酸球増多症候群、特発性好酸球増多症候群、慢性好酸球性白血病、好酸球性急性骨髄性白血病、またはリンパ芽球性T細胞リンパ腫である。一部の実施形態では、疾患は、PDGFRA駆動型消化管間質腫瘍(GIST)である。一部の実施形態では、疾患は、肺癌である。一部の実施形態では、疾患は、グリア芽細胞腫である。一部の実施形態では、疾患は、神経膠腫である。一部の実施形態では、疾患は、悪性末梢神経鞘肉腫である。一部の実施形態では、疾患は、好酸球増多症候群である。
【0177】
一部の実施形態では、約95%超のHPLCによる純度を有する、式(I)の化合物および薬学的に許容可能なポリマーを含む固体分散体は、消化管間質腫瘍(GIST)、KIT駆動型消化管間質腫瘍、PDGFRA駆動型消化管間質腫瘍、黒色腫(例えば、皮膚黒色腫、非皮膚性黒色腫、KIT駆動型黒色腫またはPGDFRA駆動型黒色腫)、急性骨髄性白血病、精上皮腫または未分化胚細胞腫の胚細胞性腫瘍、肥満細胞症、肥満細胞白血病、肺腺癌、肺扁平上皮癌、グリア芽細胞腫、神経膠腫、小児神経膠腫、星細胞腫、肉腫、悪性末梢神経鞘肉腫、内膜肉腫、好酸球増多症候群、特発性好酸球増多症候群、慢性好酸球性白血病、好酸球性急性骨髄性白血病、リンパ芽球性T細胞リンパ腫、非小細胞肺癌からなる群から選択される疾患を治療するための薬剤の調製において使用される。一部の実施形態では、疾患は、c-KITおよび/またはPDGFRA、ならびに/またはその発癌性形態のキナーゼ活性によって引き起こされる。一部の実施形態では、疾患は消化管間質腫瘍(GIST)である。一部の実施形態では、疾患は、KIT駆動型消化管間質腫瘍である。一部の実施形態では、疾患は、PDGFRA駆動型消化管間質腫瘍である。一部の実施形態では、疾患は、肺癌である。一部の実施形態では、疾患は、グリア芽細胞腫である。一部の実施形態では、疾患は、神経膠腫である。一部の実施形態では、疾患は、悪性末梢神経鞘肉腫である。一部の実施形態では、疾患は、好酸球増多症候群である。一部の実施形態では、約95%超のHPLCによる純度を有する、式(I)の化合物および薬学的に許容可能なポリマーを含む、固体分散体は、腫瘍のPDGFRキナーゼ媒介腫瘍増殖を治療または予防するための薬剤の調製において使用される。一部の実施形態では、腫瘍成長または腫瘍進行は、PDGFRαキナーゼの過剰発現、発癌性のPDGFRαのミスセンス突然変異、発癌性のPDGFRαの欠失突然変異、PDGFRα融合タンパク質を生じさせる発癌性のPDGFRα遺伝子の再構成、PDGFRαの遺伝子内インフレーム欠失、および/または発癌性のPDGFRαの遺伝子増幅により引き起こされる。一部の実施形態では、約95%超のHPLCによる純度を有する、式(I)の化合物および薬学的に許容可能なポリマーを含む固体分散体は、疾患の治療のための薬剤の調製において使用され、疾患は、PDGFRA駆動型消化管間質腫瘍、肺腺癌、肺扁平上皮癌、グリア芽細胞腫、神経膠腫、小児神経膠腫、星細胞腫、肉腫、消化管間質腫瘍、悪性末梢神経鞘肉腫、内膜肉腫、好酸球増多症候群、特発性好酸球増多症候群、慢性好酸球性白血病、好酸球性急性骨髄性白血病、またはリンパ芽球性T細胞リンパ腫である。一部の実施形態では、疾患は、PDGFRA駆動型消化管間質腫瘍(GIST)である。一部の実施形態では、疾患は、肺癌である。一部の実施形態では、疾患は、グリア芽細胞腫である。一部の実施形態では、疾患は、神経膠腫である。一部の実施形態では、疾患は、悪性末梢神経鞘肉腫である。一部の実施形態では、疾患は、好酸球増多症候群である。
【0178】
一部の実施形態では、各アニリン系物質は、式(I)の化合物の重量に基づいて、約5.0重量%以下の量で存在する。一部の実施形態では、各アニリン系物質は、式(I)の化合物の重量に基づいて、約4.0重量%以下の量で存在する。一部の実施形態では、各アニリン系物質は、式(I)の化合物の重量に基づいて、約2.0重量%以下の量で存在する。一部の実施形態では、各アニリン系物質は、式(I)の化合物の重量に基づいて、約1.0重量%以下の量で存在する。一部の実施形態では、各アニリン系物質は、式(I)の化合物の重量に基づいて、約0.7重量%以下の量で存在する。一部の実施形態では、各アニリン系物質は、式(I)の化合物の重量に基づいて、約0.5重量%以下の量で存在する。一部の実施形態では、各アニリン系物質は、式(I)の化合物の重量に基づいて、約0.3重量%以下の量で存在する。
【0179】
一部の実施形態では、ジフェニル尿素不純物は、式(I)の化合物の重量に基づいて約0.30重量%以下の量で存在し、これは約0.0001%~最大約0.30%を意味する。一部の実施形態では、ジフェニル尿素不純物は、式(I)の化合物の重量に基づいて約0.20重量%以下の量で存在し、これは約0.0001%~最大約0.20%を意味する。一部の実施形態では、ジフェニル尿素不純物は、式(I)の化合物の重量に基づいて約0.10重量%以下の量で存在し、これは約0.0001%~最大約0.10%を意味する。一部の実施形態では、ジフェニル尿素不純物は、式(I)の化合物の重量に基づいて約0.075重量%以下の量で存在し、これは約0.0001%~最大約0.075%を意味する。一部の実施形態では、ジフェニル尿素不純物は、式(I)の化合物の重量に基づいて約0.05重量%以下の量で存在し、これは約0.0001%~最大約0.05%を意味する。一部の実施形態では、ジフェニル尿素不純物は、式(I)の化合物の重量に基づいて約0.04重量%以下の量で存在し、これは約0.0001%~最大約0.04%を意味する。一部の実施形態では、ジフェニル尿素不純物は、式(I)の化合物の重量に基づいて約0.03重量%以下の量で存在し、これは約0.0001%~最大約0.03%を意味する。一部の実施形態では、ジフェニル尿素不純物は、式(I)の化合物の重量に基づいて約0.02重量%以下の量で存在し、これは約0.0001%~最大約0.02%を意味する。一部の実施形態では、ジフェニル尿素不純物は、式(I)の化合物の重量に基づいて約0.01重量%以下の量で存在し、これは約0.0001%~最大約0.01%を意味する。
【0180】
本明細書に記述される医薬組成物は、こうした治療を必要とする患者(動物およびヒト)に、最適な薬学的な有効性を提供することになる用量で投与されてもよい。任意の特定の用途での使用に必要な用量は、選択される特定の化合物または組成物だけでなく、投与経路、治療される状態の性質、患者の年齢と状態、その後患者が従う併用投薬または特別食、および当業者が認識するであろう他の要因によっても、患者ごとに異なり、適切な用量は、最終的に担当医師の裁量に委ねられることが理解されよう。
【0181】
治療は、望ましい限り長時間、または短期間継続することができる。組成物は、例えば、1日1~4回以上のレジメンで投与されてもよい。好適な治療期間は、例えば、少なくとも約1週間、少なくとも約2週間、少なくとも約1ヶ月、少なくとも約6ヶ月、少なくとも約1年、または無期限とすることができる。治療期間は、所望の結果が達成された時に終了することができる。
【0182】
併用療法
本開示は、式(I)の化合物もしくはその薬学的に許容可能な塩、または本明細書に記述される式(I)の化合物もしくはその薬学的に許容可能な塩を含む組成物、ならびに一つ以上の治療薬の投与を伴う併用療法を記述する。本明細書に記載される併用療法は、それそのものによって、または1または複数の追加的治療薬(例えば、以下に記載する1または複数の追加的治療薬)とさらに組み合わせて、使用することができる。例えば、式(I)の化合物もしくはその薬学的に許容可能な塩、または本明細書に記述される式(I)の化合物もしくはその薬学的に許容可能な塩を含む組成物は、癌標的治療薬、癌標的生物製剤、免疫チェックポイント阻害剤、または化学療法剤と一緒に投与することができる。治療薬は、併用療法において本明細書に記載される別の治療薬と一緒に、または当該治療薬と連続して投与することができる。
【0183】
併用療法は、二つ以上の治療剤を投与することにより達成することができ、その各々は、別々に製剤化され、投与される。一実施形態では、本明細書に記述される式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を含む組成物は、一つ以上の追加的な治療薬、例えば、本明細書に記述される一つ以上の追加的な治療薬を含む製剤とは別個の製剤で投与される。あるいは、併用療法は、単一の製剤において二つ以上の治療薬を投与することによって達成することができる。
【0184】
他の併用もまた、併用療法に包含される。併用療法における二つ以上の薬剤は同時に投与されることができるが、必須ではない。例えば、第一の薬剤(または薬剤の併用)の投与は、数分、数時間、数日、または数週間だけ、第二の薬剤(または薬剤の併用)の投与に先行することができる。ゆえに二つ以上の薬剤は、互いに数分以内に投与されるか、または互いに1、2、3、6、9、12、15、18、または24時間以内に投与されるか、または互いに1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、14日以内に投与されるか、または互いに2、3、4、5、6、7、8、9週間以内もしくはそれ以上の週以内に投与することができる。一部の場合においては、さらに長い間隔も可能である。多くの場合には、併用療法で使用される二つ以上の薬剤は、同時に患者の身体内に存在することが望ましいが、必須ではない。
【0185】
併用療法は、異なる順序での構成薬剤を使用した併用で使用される一つ以上の薬剤の2回以上の投与を含むこともできる。例えば薬剤Xと薬剤Yとを併用で使用する場合には、それらを任意の組み合せで1回以上、連続的に投与することができ、例えばX-Y-X、X-X-Y、Y-X-Y、Y-Y-X、X-X-Y-Yなどの順序である。
【0186】
一部の実施形態では、本開示に従って投与されうる追加的治療薬には、細胞毒性薬剤,シスプラチン、ドキソルビシン、エトポシド、イリノテカン、トポテカン、パクリタキセル、ドセタキセル、エポチロン、タモキシフェン、5-フルオロウラシル、メトトレキサート、テモゾロミド、シクロホスファミド、ロナファリブ、チピファルニブ、4-((5-((4-(3-クロロフェニル)-3-オキソピペラジン-1-イル)メチル)-1H-イミダゾール-1-イル)メチル)ベンゾニトリル塩酸塩、(R)-1-((1H-イミダゾール-5-イル)メチル)-3-ベンジル-4-(チオフェン-2-イルスルホニル)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾジアゼピン-7-カルボニトリル、セツキシマブ、イマチニブ、インターフェロンアルファ-2b、ペグ化インターフェロンアルファ‐2b、アロマターゼ配合薬、ゲムシタビン、ウラシルマスタード、クロルメチン、イホスファミド、メルファラン、クロラムブシル、ピポブロマン、トリエチレンメラミン、トリエチレンチオホスホラミン、ブスルファン、カルムスチン、ロムスチン、ストレプトゾシン、ダカルバジン、フロクスウリジン、シタラビン、6-メルカプトプリン、6-チオグアニン、リン酸フルダラビン、ロイコボリン、オキサリプラチン、ペントスタチン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ブレオマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、エピルビシン、イダルビシン、ミトラマイシン、デオキシコホルマイシン、マイトマイシン-C、L-アスパラギナーゼ、テニポシド17α-エチニルエストラジオール、ジエチルスチルベストロール、テストステロン、プレドニゾン、フルオキシメステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン、テストラクトン、酢酸メゲストロール、メチルプレドニゾロン、メチルテストステロン、プレドニゾロン、トリアムシノロン、クロロトリアニセン、17α-ヒドロキシプロゲステロン、アミノグルテチミド、エストラムスチン、酢酸メドロキシプロゲステロン、酢酸ロイプロリド、フルタミド、クエン酸トレミフェン、酢酸ゴセレリン、カルボプラチン、ヒドロキシ尿素、アムサクリン、プロカルバジン、ミトタン、ミトキサントロン、レバミゾール、ビノレルビン、アナストラゾール、レトロゾール、カペシタビン、ラロキシフェン、ドロロキサフィン(droloxafine)、ヘキサメチルメラミン、ベバシズマブ、トラスツズマブ、トシツモマブ、ボルテゾミブ、イブリツモマブチウキセタン、三酸化ヒ素、ポルフィマーナトリウム、セツキシマブ、チオテパ、アルトレタミン、フルベストラント、エキセメスタン、リツキシマブ、アレムツズマブ、デキサメタゾン、ビカルタミド、クロラムブシル、およびバルルビシンが含まれるが、これに限定されない。
【0187】
一部の実施形態では、投与可能な追加的治療薬には、AKT阻害剤、アルキル化剤、オールトランス-レチノイン酸、抗アンドロゲン、アザシチジン、BCL2阻害剤、BCL-XL阻害剤、BCR-ABL阻害剤、BTK阻害剤、BTK/LCK/LYN阻害剤、CDK1/2/4/6/7/9阻害剤、CDK4/6阻害剤、CDK9阻害剤、CBP/p300阻害剤、EGFR阻害剤、エンドセリン受容体遮断薬、RAF阻害剤、MEK阻害剤、ERK阻害剤、ファルネシル基転移酵素阻害剤、FLT3阻害剤、グルココルチコイド受容体作動薬、HDM2阻害剤、ヒストン脱アセチル化酵素阻害薬、IKKβ阻害剤、免疫調節薬(IMiD)、インゲノール、Itk阻害剤、JAK1/JAK2/JAK3/TYK2阻害剤、MTOR阻害剤、PI3キナーゼ阻害剤、デュアルPI3キナーゼ/MTOR阻害剤、プロテアソーム阻害剤、タンパク質キナーゼC作動薬、SUV39H1阻害剤、TRAIL、VEGFR2阻害剤、Wnt/β-カテニンシグナル伝達阻害剤、デシタビン、および抗CD20モノクローナル抗体が含まれるが、これらに限定されない。
【0188】
特定の実施形態では、追加的治療薬は、CTLA4阻害剤(イピリムマブおよびトレメリムマブなどであるがこれに限定されない)、PD1阻害剤(ペムブロリズマブおよびニボルマブなどであるがこれに限定されない)、PDL1阻害剤(アテゾリズマブ(以前のMPDL3280A)、デュルバルマブ(以前のMEDI4736)、アベルマブ、PDR001などであるがこれに限定されない)、4 1BBまたは4 1BBリガンド阻害剤(ウレルマブおよびPF-05082566などであるがこれに限定されない)、OX40リガンド作動薬(MEDI6469などであるがこれに限定されない)、GITR剤(TRX518などであるがこれに限定されない)、CD27阻害剤(バルリルマブなどであるがこれに限定されない)、TNFRSF25またはTL1A阻害剤、CD40作動薬(CP-870893などであるがこれに限定されない)、HVEMまたはLIGHTまたはLTAまたはBTLAまたはCD160阻害剤、LAG3阻害剤(BMS-986016などであるがこれに限定されない)、TIM3阻害剤、Siglecs阻害剤、ICOSまたはICOSリガンド作動薬、B7 H3阻害剤(MGA271などであるがこれに限定されない)、B7 H4阻害剤、VISTA阻害剤、HHLA2またはTMIGD2阻害剤、ブチロフィリン阻害剤(BTNL2阻害剤を含む)、CD244またはCD48阻害剤、TIGITおよびPVRファミリー構成要素の阻害剤、KIR阻害剤(リリルマブなどであるがこれに限定されない)、ILTおよびLIRの阻害剤、NKG2DおよびNKG2A阻害剤(IPH2201などであるがこれに限定されない)、MICAおよびMICBの阻害剤、CD244阻害剤、CSF1R阻害剤(エマクツツマブ、カビラリツマブ、ペキシダルチニブ、ARRY382、BLZ945などであるがこれに限定されない)、IDO阻害剤(INCB024360などであるがこれに限定されない)、サリドマイド、レナリドミド、TGFβ阻害剤(ガルニセルチブなどであるがこれに限定されない)、アデノシンまたはCD39またはCD73阻害剤、CXCR4またはCXCL12阻害剤(ウロクプルマブおよび(3S,6S,9S,12R,17R,20S,23S,26S,29S,34aS)-N-((S)-1-アミノ-5-グアニジノ-1-オキソペンタン-2-イル)-26,29-ビス(4-アミノブチル)-17-((S)-2-((S)-2-((S)-2-(4-フルオロベンズアミド)-5-グアニジノペンタンアミド)-5-グアニジノペンタンアミド)-3-(ナフタレン-2-イル)プロパンアミド)-6-(3-グアニジノプロピル)-3,20-ビス(4-ヒドロキシベンジル)-1,4,7,10,18,21,24,27,30-ノナオキソ-9,23-ビス(3-ウレイドプロピル)トリアコンタヒドロ-1H,16H-ピロール[2,1-p][1,2]ジチア[5,8,11,14,17,20,23,26,29]ノナアザシクロドトリアコンチン-12-カルボキサミドBKT140などであるがこれに限定されない)、ホスファチジルセリン阻害剤(バビツキシマブなどであるがこれに限定されない)、SIRPAまたはCD47阻害剤(CC-90002などであるがこれに限定されない)、VEGF阻害剤(ベバシズマブなどであるがこれに限定されない)、および、ニューロピリン阻害剤(MNRP1685Aなどであるがこれに限定されない)から構成される群から選択される免疫調整薬である。
【0189】
一部の実施形態では、追加の治療剤は、抗チュブリン剤(パクリタキセル、注射用懸濁液(nab-パクリタキセル、エリブリン、ドセタキセル、イキサベピロン、ビンクリスチン)用パクリタキセルタンパク質結合粒子)、ビノレルビン、DNAアルキル化剤(シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、シクロホスファミド、イホスファミド、テモゾロミドを含む)、DNA挿入剤(ドキソルビシン、ペグ化リポソームドキソルビシン、ダウノルビシン、イダルビシン、およびエピルビシンを含む)、5-フルオロウラシル、カペシタビン、シタラビン、デシタビン、5-アザシタジン、ゲムシタビンおよびメトトレキサート、を含むがこれに限定されない化学療法薬から構成される群から選択される化学療法薬である。
【0190】
一部の実施形態では、追加の治療薬は、パクリタキセル、注射用懸濁液用パクリタキセルタンパク質結合粒子、エリブリン、ドセタキセル、イキサベピロン、ビンクリスチン、ビノレルビン、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、シクロホスファミド、イホスファミド、テモゾロミド、ドキソルビシン、ペグ化リポソームドキソルビシン、ダウノルビシン、イダルビシン、エピルビシン、5-フルオロウラシル、カペシタビン、シタラビン、デシタビン、5-アザシタジン、ゲムシタビン、メトトレキサート、エルロチニブ、ゲフィチニブ、ラパチニブ、エベロリムス、テムシロリムス、LY2835219、LEE011、PD 0332991、クリゾチニブ、カボザンチニブ、スニチニブ、パゾパニブ、ソラフェニブ、レゴラフェニブ、アキシチニブ、ダサチニブ、イマチニブ、ニロチニブ、ベムラフェニブ、ダブラフェニブ、トラメチニブ、イデラシブ、キザルチニブ、タモキシフェン、フルベストラント、アナストロゾール、レトロゾール、エキセメスタン、酢酸アビラテロン、エンザルタミド、ニルタミド、ビカルタミド、フルタミド、酢酸シプロテロン、プレドニゾン、デキサメタゾン、イリノテカン、カンプトテシン、トポテカン、エトポシド、リン酸エトポシド、ミトキサントロン、ボリノスタット、ロミデプシン、パノビノスタット、バルプロ酸、ベリノスタット、DZNep 5-アザ-2’-デオキシシチジン、ボルテゾミブ、カルフィルゾミブ、サリドマイド、レナリドミド、ポマリドミド、トラスツズマブ、ペルツズマブ、セツキシマブ、パニツムマブ、イピリムマブ、ラブロリズマブ、ニボルマブ、MPDL3280A、ベバシズマブ、アフリベルセプト、ブレンツキシマブベドチン、ado-トラスツズマブエムタンシン、放射線療法、およびシプロイセルTからなる群から選択される。
【0191】
一部の実施形態では、追加の治療薬は、エルロチニブ、ゲフィチニブ、ラパタニブ、エベロリムス、テムシロリムス、LY2835219、LEE011、PD 0332991、クリゾチニブ、カボザンチニブ、スニチニブ、パゾパニブ、ソラフェニブ、レゴラフェニブ、アキシチニブ、ダサチニブ、イマチニブ、ニロチニブ、ベムラフェニブ、ダブラフェニブ、トラメチニブ、イデラリシブ、およびキザルチニブからなる群から選択されるキナーゼ阻害剤である。
【0192】
一部の実施形態では、追加の治療剤は、抗PD1治療剤である。式(I)の化合物もしくはその薬学的に許容可能な塩、または式(I)の化合物もしくはその薬学的に許容可能な塩を含む組成物と組み合わせて投与され得る抗PD1治療薬の例としては、ニボルマブ、ピジリズマブ、セミプリマブ、チスリーズマブ、AMP-224、AMP-514、およびペムブロリズマブが含まれるがこれに限定されない。
【0193】
一部の実施形態では、追加の治療剤は、アテゾリズマブ、デュルバルマブ、BMS-936559、およびアベルマブを含む抗-PD-L1治療薬、TSR-022およびMBG453を含む抗-TIM3治療薬、レラトリマブ、LAG525、およびTSR-033を含む抗-LAG3治療薬、SGN-40、CP-870,893およびRO7009789を含むCD40作動薬治療薬、Hu5F9-G4を含む抗-CD47治療薬、抗-CD20治療薬、抗-CD38治療薬、またはサリドマイド、レナリドミド、ポマリドミド、プレドニゾン、およびデキサメタゾンを含む他の免疫調節治療薬を含むが、これらに限定されない免疫調整薬から構成される群から選択される。一部の実施形態では、追加の治療薬は、アベルマブである。
【0194】
一部の実施形態では、追加の治療剤は、抗チュブリン剤(例えば、パクリタキセル、注射可能な懸濁液用パクリタキセルタンパク質結合粒子、エリブリン、アブラキサン、ドセタキセル、イキサベピロン、タキシテレム、ビンクリスチンまたはビノレルビン)、LHRH拮抗薬(ロイプロリド、ゴセレリン、トリプトレリン、またはヒストレリンを含むがこれに限定されない)、抗血管新生剤(アビラテロン、フルタミド、ビカルタミド、ニルタミド、酢酸シプロテロン、エンザルタミド、およびアパルタミドを含むがこれに限定されない)、抗エストロゲン剤(タモキシフェン、フルベストラント、アナストロゾール、レトロゾール、およびエキセメスタンを含むがこれに限定されない)、DNAアルキル化剤(シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、シクロホスファミド、イホスファミド、およびテモゾロミドを含む)、DNA挿入剤(ドキソルビシン、ペグ化リポソームドキソルビシン、ダウノルビシン、イダルビシン、およびエピルビシンを含む)、5-フルオロウラシル、カペシタビン、シタラビン、デシタビン、5-アザシチジン、ゲムシタビンメトトレキサート、ボルテゾミブ、ならびにカルフィルゾミブから構成される群から選択される化学療法薬である。
【0195】
一部の実施形態では、追加の治療剤は、標的化治療剤(キナーゼ阻害剤エルロチニブ、ゲフィチニブ、ラパタニブ、エベロリムス、テムシロリムス、アベマシクリブ、LEE011、パルボシクリブ、クリゾチニブ、カボザンチニブ、スニチニブ、パゾパニブ、ソラフェニブ、レゴラフェニブ、アキシチニブ、ダサチニブ、イマチニブ、ニロチニブ、ベムラフェニブ、ダブラフェニブ、トラメチニブ、コビメチニブ、ビニメチニブ、イデラリシブ、キザルチニブ、アバプリチニブ、BLU-667、BLU-263、Loxo292、ラトロレクチニブ、およびキザルチニブを含む)、抗エストロゲン剤(タモキシフェン、フルベストラント、アナストロゾール、レトロゾール、およびエキセメスタンを含むがこれに限定されない)、抗アンドロゲン剤(酢酸アビラテロン、エンザルタミド、ニルタミド、ビカルタミド、フルタミド、酢酸シプロテロンを含むがこれに限定されない)、ステロイド剤(プレドニゾンおよびデキサメタゾンを含むがこれに限定されない)、PARP阻害剤(ネラパリブ、オラパリブ、およびルカパリブを含むがこれに限定されない)、トポイソメラーゼI阻害剤(イリノテカン、カンプトテシン、およびトポテカンを含むがこれに限定されない)、トポイソメラーゼII阻害剤(エトポシド、リン酸エトポシド、およびミトキサントロンを含むがこれに限定されない)ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)阻害剤(ボリノスタット、ロミデプシン、パノビノスタット、バルプロ酸、およびベリノスタットを含むがこれに限定されない)、DNAメチル化阻害剤(DZNepおよび5-アザ-2′-デオキシシチジンを含むがこれに限定されない)、プロテアソーム阻害剤(ボルテゾミブおよびカルフィルゾミブを含むがこれに限定されない)、生物学的薬剤(サリドマイド、レナリドミド、ポマリドミド、トラスツズマブ、ado-トラスツズマブ、ペルツズマブ、セツキシマブ、パニツムマブ、イピリムマブ、トレメリムマブを含むがこれに限定されない)、ワクチン(シプロイセル-Tを含むがこれに限定されない)、ならびに放射線療法から構成される群から選択される。
【0196】
一部の実施形態では、追加の治療薬は、レバスチニブまたはARRY-614を含むTIE2免疫キナーゼの阻害剤からなる群から選択される。
【0197】
一部の実施形態では、追加の治療薬は、レバスチニブまたはARRY-614を含むTIE2免疫キナーゼの阻害剤、および抗PD1治療薬からなる群から選択される。
【0198】
一部の実施形態では、追加の治療薬は、AMG386、ベバシズマブおよびアフリベルセプトを含む血管形成阻害薬、ならびにブレンツキシマブベドチン、トラスツズマブエムタンシン、および、ペイロード(カンプトセシンの誘導体、ピロロベンゾジアゼピン二量体(PBD)、インドリノベンゾジアゼピン二量体(IGN)、DM1、DM4、MMAE、またはMMAFなど)を含むADCを含む抗体-薬剤-共役体(ADC)、からなる群から選択される。
【0199】
一部の実施形態では、追加の治療剤は、ゴセレリンおよびロイプロリドを含む黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)類似体から選択される。
【0200】
一部の実施形態では、追加の治療剤は、エベロリムス、トラベクテジン、アブラキサン、TLK 286、AV-299、DN-101、パゾパニブ、GSK690693、RTA 744、ON 0910.Na、AZD 6244 (ARRY-142886)、AMN-107、TKI-258、GSK461364、AZD 1152、エンザスタウリン、バンデタニブ、ARQ-197、MK-0457、MLN8054、PHA-739358、R-763、AT-9263、ペメトレキセド、エルロチニブ、ダサタニブ、ニロチニブ、デカタニブ、パニツムマブ、アムルビシン、オレゴボマブ、Lep-etu、ノラトレキセド、azd2171、バタブリン、アツムツナブ、ザノリムマブ、エドテカリン、テトランドリン、ルビテカン、テスミフェン、オブリメルセン、チシリムマブ、イピリムマブ、ゴシポール、Bio 111、131-I-TM-601、ALT-110、BIO 140、CC 8490、シレンギチド、ジャイマテカン、IL13-PE38QQR、INO 1001、IPdR1 KRX-0402、ルカントン、LY 317615、ニューラジアブ、ビテスパン、Rta 744、Sdx 102、タランパネル、アトラセンタン、Xr 311、ロミデプシン、ADS-100380、スニチニブ、5-フルオロウラシル、ボリノスタット、エトポシド、ゲムシタビン、ドキソルビシン、イリノテカン、リポソーマルドキソルビシン、5’-デオキシ-5-フルオロウリジン、ビンクリスチン、テモゾロミド、ZK-304709、セリシクリブ; PD0325901、AZD-6244、カペシタビン、L-グルタミン酸、N-[4-[2-(2-アミノ-4,7-ジヒドロ-4-オキソ-1H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-イル)- エチル]ベンゾイル]-、二ナトリウム塩、七水和物、カンプトテシン、PEG標識イリノテカン、タモキシフェン、トレミフェンシトレート、アナストロゾール、エキセメスタン、レトロゾール、DES(ジエチルスチルベストロール)、エストラジオール、エストロゲン、コンジュゲートしたエストロゲン、ベバシズマブ、IMC-1C11、CHIR-258); 3-[5-(メチルスルホニルピペラジンメチル)-インドリル]-キノロン、バタラニブ、AG-013736、AVE-0005、[D-Ser(Bu t) 6、Azgly 10]の酢酸塩塩(パイロ-Glu-His-Trp-Ser-Tyr-D-Ser(Bu t)-Leu-Arg-Pro-Azgly-NH2アセテート[C59H84N18Oi4-(C2H4O2)x(式中、x=1~2.4)]、酢酸ゴセレリン、酢酸ロイプロリド、トリプトレリンパモ酸塩、酢酸メドロキシプロゲステロン、カプロン酸ヒドロキシプロゲステロン、酢酸メゲストロール、ラロキシフェン、ビカルタミド、フルタニド、ニルタミド、酢酸メゲストロール、CP-724714; TAK-165、HKI-272、エルロチニブ、ラパタニブ、カネルチニブ、ABX-EGF抗体、アービタックス、EKB-569、PKI-166、GW-572016、イオナファルニブ、BMS-214662、ティピファニブ;アミホスチン、NVP-LAQ824、スベロイルアニリドヒドロキサム酸、バルプロ酸、トリコスタチンA、FK-228、SU11248、ソラフェニブ、KRN951、アミノグルテチミド、アムサクリン、アナグレリド、L-アスパラギナーゼ、無菌化ウシ型結核菌(BCG)ワクチン、ブレオマイシン、ブセレリン、ブスルファン、カルボプラチン、カルムスチン、クロラムブシル、シスプラチン、クラドリビン、クロドロネート、シプロテロン、シタラビン、ダカルバジン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ジエチルスチルベストロール、エピルビシン、フルダラビン、フルドロコルチゾン、フルオキシメステロン、フルタミド、ゲムシタビン、グリベック、ヒドロキシウレア、イダルビシン、イホスファミド、イマチニブ、ロイプロリド、レバミソール、ロムスチン、メクロレタミン、メルファラン、6-メルカプトプリン、メスナ、メトトレキサート、マイトマイシン、ミトタン、ミトキサントロン、ニルタミド、オクトレオチド、オキサリプラチン、パミドロネート、ペントスタチン、プリカマイシン、ポルフィマー、プロカルバジン、ラルチトレキセド、リツキシマブ、ストレプトゾシン、テニポシド、テストステロン、サリドマイド、チオグアニン、チオテパ、トレチノイン、ビンデシン、13-シス-レチノイン酸、フェニルアラニンマスタード、ウラシルマスタード、エストラムスチン、アルトレタミン、フロクスウリジン、5-デオキシウリジン、シトシンアラビノシド、6-メカプトプリン、デオキシコホルマイシン、カルシトリオール、バルルビシン、ミスラマイシン、ビンブラスチン、ビノレルビン、トポテカン、ラゾキシン、マリマスタット、COL-3、ネオバスタット、BMS-275291、スクアラミン、エンドスタチン、SU5416、SU6668、EMD121974、インターロイキン-12、IM862、アンジオスタチン、バイタクシン、ドロロキシフェン、イドキシフェン、スピロノラクトン、フィナステリド、シミチジン、トラスツズマブ、デニロイキンジフチトクス、ゲフィチニブ、ボルテジミブ、イリノテカン、トポテカン、ドキソルビシン、ドセタキセル、ビノレルビン、ベバシズマブ(モノクローナル抗体)およびアービタックス、クレモフォールフリーのパクリタキセル、エピチロンB、BMS-247550、BMS-310705、ドロロキシフェン、4-ヒドロキシタモキシフェン、ピペンドキシフェン、ERA-923、アルゾキシフェン、フルベストラント、アコルビフェン、ラソフォキシフェン、イドキシフェン、TSE-424、HMR-3339、ZK186619、PTK787/ZK 222584、VX-745、PD 184352、ラパマイシン、40-O-(2-ヒドロキシエチル)-ラパマイシン、テムシロリムス、AP-23573、RAD001、ABT-578、BC-210、LY294002、LY292223、LY292696、LY293684、LY293646、ワートマニン、ZM336372、L-779,450、PEG-フィルグラスチム、ダルベポエチン、エリトロポエチン、顆粒球コロニー刺激因子、ゾレンドロネート、プレドニゾン、セツキシマブ、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子、ヒストレリン、ペグ化インターフェロンアルファ-2a、インターフェロンアルファ-2a、ペグ化インターフェロンアルファ-2b、インターフェロンアルファ-2b、アザシチジン、PEG-L-アスパラギナーゼ、レナリドミド、ゲムツズマブ、ヒドロコルチゾン、インターロイキン-11、デクスラゾキサン、アレムツズマブ、全トランス型レチノイン酸、ケトコナゾール、インターロイキン-2、メゲストロール、免疫グロブリン、ナイトロジェンマスタード、メチルプレドニゾロン、イブリツモマブチウキセタン、アンドロゲン、デシタビン、ヘキサメチルメラミン、ベキサロテン、トシツモマブ、三酸化ヒ素、コルチゾン、エジトロネート、ミトタン、シクロスポリン、リポソーマルダウノルビシン、エドウィーナ-アスパラギナーゼ、ストロンチウム89、カソピタント、ネツピタント、NK1受容体遮断薬、パロノセトロン、アプレピタント、ジフェンヒドラミン、ヒドロキシジン、メトクロプラミド、ロラゼパム、アルプラゾラム、ハロペリドール、ドロペリドール、ドロナビノール、デキサメタゾン、メチルプレドニゾロン、プロクロルペラジン、グラニセトロン、オンダンセトロン、ドラセトロン、トロピセトロン、ペグフィルグラスチム、エリトロポエチン、エポエチンアルファおよびダルベポエチンアルファ、イピルムマブ、ベムラフェニブ、ならびにその混合物から構成される群から選択される。
【0201】
一部の実施形態では、追加の治療薬は、HSP90阻害剤(例えば、AT13387)である。一部の実施形態では、追加の治療薬は、シクロホスファミドである。一部の実施形態では、追加の治療薬は、AKT阻害剤(例えば、ペリホシン)である。一部の実施形態では、追加の治療薬は、BCR-ABL阻害剤(例えば、ニロチニブ)である。一部の実施形態では、追加の治療薬は、mTOR阻害剤(例えば、RAD001)である。一部の実施形態では、追加の治療薬は、FGFR阻害剤(例えば、エルダフィチニブ、KO947、またはBGJ398)である。一部の実施形態では、追加の治療剤は、抗PDL1治療剤である。一部の実施形態では、追加の治療薬は、Bcl2阻害剤(例えば、ベネトクラクス)である。一部の実施形態では、追加の治療薬は、オートファジー阻害剤(例えば、ヒドロキシクロロキン)である。一部の実施形態では、追加の治療薬は、MET阻害剤である。
【0202】
実施例
[0202]本開示は、本開示のいくつかの態様の例証として意図される実施例に開示されている特定の実施形態によって範囲が限定されるものではなく、機能的に同等な任意の実施形態は、本開示の範囲内である。実際に、本明細書に示され記載されているものに加えて、様々な変更が当業者にとって明らかとなり、添付の特許請求の範囲内に入ることが意図される。
【0203】
[0203]以下の実施例では、以下の略語が使用される。「HPMCAS-HG」は、ヒドロキシメチルプロピル酢酸コハク酸セルロース(高PH溶解度)を指し、「SDD」は噴霧乾燥分散体を指し、また「PVP-XL」は架橋ポリビニルピロリドンを指す。「化合物1」は、本明細書に記述される式(I)の化合物を指す。「化合物2」は、構造:
【化67】
を有する化合物3-(5-アミノ-2-ブロモ-4-フルオロフェニル)-1-エチル-7-(メチルアミノ)-1,6-ナフチリジン-2(1H)-オンを指す。
【0204】
[0204]別段の記載がない限り、以下に記述される固体分散体中の式(I)の化合物の百分率の量は、固体分散体の総重量に対する式(I)の化合物の重量百分率を示す。
【0205】
[0205]以下の実施例1で使用される場合、「w/w懸濁液割合」は、重量パーセントとして、懸濁液中の化合物1の量に基づいて噴霧乾燥分散体を調製するために使用される懸濁液の成分の割合である。
【実施例1】
【0206】
[0206]実施例1 化合物1およびHPMCAS-HGを含む噴霧乾燥分散体の調製。
【0207】
[0207]懸濁液の調製。HPMCAS-HGを精製水およびアセトン溶液に加え、ポリマーの溶解を確保するために混合する。化合物1を溶液に添加し、そして懸濁液を15~25℃の温度で混合する。残りの噴霧乾燥プロセスの間、混合を続ける。
【0208】
[0208]開始/停止溶媒の調製および使用。精製水とアセトンを混合する。開始溶媒および停止溶媒は、噴霧乾燥サイクルの開始および終了時に噴霧される。
【0209】
[0209]噴霧乾燥。懸濁液は、インライン熱交換器(流量38~51kg/時間)を通過し、懸濁液を112~124℃の温度範囲に加熱して、噴霧乾燥前に懸濁粒子を溶解する。次いで、65~85psigの窒素シースガス圧力で補助されたキャピラリーノズルを備えた医薬用噴霧乾燥機(PSD-2または同等物)で、400~500kg/時のバルク乾燥ガス、50~70℃のチャンバ出口温度、および-10℃の凝縮器温度を使用して、溶液を噴霧乾燥する。
【0210】
[0210]二次乾燥。上述の調製物から生じる部分的に湿性の噴霧乾燥中間体を乾燥させて、攪拌真空乾燥機を40~50℃の温度範囲および40~50mbarのチャンバ圧力で使用して、化合物1およびHPMCAS-HGを含むSDDを提供する。
式(I)の化合物(化合物1)中の不純物の量を決定するための分析方法。
【表A】
【表B】
【表C】
【実施例2】
【0211】
実施例2 化合物1およびHPMCAS-HGを含む噴霧乾燥分散体の調製。
【0212】
[0211]溶液の調製。化合物1を、精製水およびTHF溶液に添加し、混合して、化合物を確実に溶解させる。HPMCAS-HGを溶液に加え、ポリマーが溶解するまで周囲温度で混合する。
開始/停止溶媒の調製および使用。精製水とTHFを混合する。開始溶媒および停止溶媒は、噴霧乾燥サイクルの開始および終了時に噴霧される。
【0213】
[0212]噴霧乾燥。次に溶液を、医薬用噴霧乾燥機中で、175~205g/分の噴霧速度で、1550~2150g/分のバルク乾燥ガス流量、および40~50℃のチャンバ出口温度を使用して噴霧乾燥する。
【0214】
[0213]二次乾燥。上述の調製物から生じる部分的に湿性の噴霧乾燥中間体を乾燥させて、箱形乾燥器を15~45℃の温度範囲で使用して、化合物1およびHPMCAS-HGを含むSDDを提供する。
【実施例3】
【0215】
実施例3 式(I)の化合物の固体分散体の純度研究。
【0216】
[0214]式(I)の化合物の固体分散体の試料(ロット1、ロット2、ロット3、およびロット4)に対する純度の研究を、HPLCを使用して実施した。各ロットは、実施例1で概説したプロセスに従って調製した。研究の結果を以下の表1に示す。
【表1】
【実施例4】
【0217】
実施例4 式(III)の化合物の参照基準の調製。
【0218】
[0215]3-(5-アミノ-2-ブロモ-4-フルオロフェニル)-1-エチル-7-(メチルアミノ)-1,6-ナフチリジン-2(1H)-オン(40g)、イソシアン酸フェニル(30g、2.7当量)、ピリジン(3当量)およびメタンスルホン酸(1当量)を、1-メチル-2-ピロリジノン(10体積)およびテトラヒドロフラン(5体積)から成る溶媒中で組み合わせた。混合物を、追加の0.1~0.2当量のイソシアン酸フェニル(0.1~0.2当量)を時折添加して、50℃で7日間攪拌して、粗製の1-(3-(2-ブロモ-4-フルオロ-5-(3-フェニルウレイド)フェニル)-1-エチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,6-ナフチリジン-7-イル)-1-メチル-3-フェニルウレア湿性固形物を得た。粗製の湿性固形物を、1-メチル-2-ピロリジノン(4体積)およびメタノール(8体積)から結晶化し、57gの1-(3-(2-ブロモ-4-フルオロ-5-(3-フェニルウレイド)フェニル)-1-エチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,6-ナフチリジン-7-イル)-1-メチル-3-フェニルウレアを得た。MS m/z: 629(M+1)。1H NMR(400 MHz,DMSO-d6):δ 11.44 (s,1 H),9.12 (s,1 H),8.84 (s,1 H),8.74(s,1 H),8.29および8.27(d,1 H),8.02(s,1 H),7.72および7.70(d,1 H),7.59および7.57(d,2 H),7.45および7.43(d,2 H),7.34-7.26(m,4 H),7.24(s,1 H),7.06-6.97(m,2 H),4.35-4.28(m,2 H),3.53 (s,3 H),1.27-1.23(t,3 H)。
【0219】
均等物
[0216]当業者であれば、本明細書に具体的に記載される特定の実施形態に対する多数の均等物を、通例の実験程度のものを使用して、認識することができるか、または確認することができるであろう。かかる均等物は、以下の特許請求の範囲の範疇に包含されるように意図される。