(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-05
(45)【発行日】2024-08-14
(54)【発明の名称】埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ
(51)【国際特許分類】
G02C 7/04 20060101AFI20240806BHJP
C08F 220/20 20060101ALI20240806BHJP
C08F 290/06 20060101ALI20240806BHJP
A61L 27/18 20060101ALN20240806BHJP
A61L 27/16 20060101ALN20240806BHJP
A61L 27/44 20060101ALN20240806BHJP
A61L 27/52 20060101ALN20240806BHJP
【FI】
G02C7/04
C08F220/20
C08F290/06
A61L27/18
A61L27/16
A61L27/44
A61L27/52
(21)【出願番号】P 2022555132
(86)(22)【出願日】2021-03-18
(86)【国際出願番号】 IB2021052273
(87)【国際公開番号】W WO2021186383
(87)【国際公開日】2021-09-23
【審査請求日】2022-09-30
(32)【優先日】2020-03-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520000722
【氏名又は名称】アルコン インク.
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】弁理士法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】バッサムポウル,ゼフラ
(72)【発明者】
【氏名】チェン,ジン
(72)【発明者】
【氏名】チャン,スティーブ・ユン
【審査官】吉川 陽吾
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-511823(JP,A)
【文献】特表2014-501799(JP,A)
【文献】特開2007-160706(JP,A)
【文献】国際公開第2020/049390(WO,A1)
【文献】国際公開第2020/007482(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0246049(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0259188(US,A1)
【文献】国際公開第2012/057096(WO,A1)
【文献】国際公開第2011/158321(WO,A1)
【文献】特表2019-505010(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0245248(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0280146(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02C 7/04
C08F 220/20
C08F 290/06
A61L 27/18
A61L 27/16
A61L 27/44
A61L 27/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリコーンヒドロゲル材料と、その中に埋め込まれた疎水性インサートとを含む埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズであって、
前記疎水性インサートが、少なくとも55モル%のアクリル繰り返し単位と、少なくとも6モル%の少なくとも1つのビニル系架橋剤の繰り返し単位とを含む、架橋ポリマー材料から構成され、
ここで、前記少なくとも1つのビニル系架橋剤は、少なくとも1つの第3のポリシロキサンビニル系架橋剤を含み、
前記シリコーンヒドロゲル材料が、(a)それぞれが1つのメチル置換基と、少なくとも1つのH-結合ドナーを含む1つの有機基とを有する、親水化されたシロキサン単位を含む少なくとも1つの第1のポリシロキサンビニル系架橋剤の繰り返し単位及び(b)少なくとも1つの親水性ビニル系モノマーの繰り返し単位を含み、前記少なくとも1つのH-結合ドナーの含有量が、前記少なくとも1つの第1のポリシロキサンビニル系架橋剤の分子量に対して少なくとも0.8meq/gであり、且つ
前記埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、
オートクレーブ後の顕微鏡観察において埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの範囲内で気泡が観察されず、層間剥離の影響を受けにくい、埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【請求項2】
前記少なくとも1つの第1のポリシロキサンビニル系架橋剤が、それぞれが1つのメチル置換基と、少なくとも1つのヒドロキシル基を含む1つの有機基とを有する、親水化されたシロキサン単位を含む、請求項1に記載の埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【請求項3】
前記少なくとも1つの第1のポリシロキサンビニル系架橋剤が、ジメチルシロキサン単位、及びそれぞれが1つのメチル置換基と、2~6つのヒドロキシル基を有する1つの一価C
4~C
40有機基置換基とを有する親水化されたシロキサン単位を有する、ジ-(メタ)アクリロイルオキシ末端ポリシロキサンビニル系架橋剤を含む、請求項1又は2に記載の埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【請求項4】
前記少なくとも1つの第1のポリシロキサンビニル系架橋剤が、式(G)
【化1】
(式中、
d2/d1が0.035~0.15であることを条件として、d1は30~500の整数であり、且つd2は1~75の整数であり;
X
01はO又はNR
INであり、R
INは水素又はC
1~C
10-アルキルであり;
R
I0は、水素又はメチルであり;
R
I1及びR
I2は、互いに独立して、置換若しくは無置換C
1~C
10アルキレン二価ラジカルであるか、又は-R
I4-O-R
I5-の二価ラジカルであり、R
I4及びR
I5は、互いに独立して、置換若しくは無置換C
1~C
10アルキレン二価ラジカルであり;
R
I3は、式(G-1)~(G-5)
【化2】
のいずれか1つの一価の基であり、
k1は、ゼロ又は1であり;m1は、2~4の整数であり;m2は、1~5の整数であり;m3は、3~6の整数であり;m4は、2~5の整数であり;
R
I6は、水素又はメチルであり;
R
I7は、(m2+1)の価数を有するC
2~C
6炭化水素ラジカルであり;
R
I8は、(m4+1)の価数を有するC
2~C
6炭化水素ラジカルであり;
R
I9は、エチル又はヒドロキシメチルであり;
R
I10は、メチル又はヒドロメチルであり;
R
I11は、ヒドロキシル又はメトキシであり;
X
I1は、-S-の硫黄結合又は-NR
I12-の三級アミノ結合であり、R
I12は、C
1~C
1アルキル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル又は2,3-ジヒドロキシプロピルであり;
X
I2は、
【化3】
のアミド結合であり、R
I13は、水素又はC
1~C
10アルキルである)
のビニル系架橋剤を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【請求項5】
前記少なくとも1つの親水性ビニル系モノマーが、(1)(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N-エチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド、N-プロピル(メタ)アクリルアミド、N-イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N-3-メトキシプロピル(メタ)アクリルアミド及びそれらの組合せからなる群から選択されるアルキル(メタ)アクリルアミド;(2)N-2-ヒドロキシルエチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ビス(ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N-3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N-2,3-ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N-トリ(ヒドロキシメチル)メチル(メタ)アクリルアミド、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセロールメタクリレート、ジ(エチレングリコール)(メタ)アクリレート、トリ(エチレングリコール)(メタ)アクリレート、テトラ(エチレングリコール)(メタ)アクリレート、最大1500の数平均分子量を有するポリ(エチレングリコール)(メタ)アクリレート、最大1500の数平均分子量を有するポリ(エチレングリコール)エチル(メタ)アクリルアミド及びそれらの組合せからなる群から選択されるヒドロキシル含有アクリル系モノマー;(3)2-(メタ)アクリルアミドグリコール酸、(メタ)アクリル酸、エチルアクリル酸、3-(メタ)アクリルアミドプロピオン酸、5-(メタ)アクリルアミドペンタン酸、4-(メタ)アクリルアミドブタン酸、3-(メタ)アクリルアミド-2-メチルブタン酸、3-(メタ)アクリルアミド-3-メチルブタン酸、2-(メタ)アクリルアミド-2-メチル-3,3-ジメチルブタン酸、3-(メタ)アクリルアミドヘキサン酸、4-(メタ)アクリルアミド-3,3-ジメチルヘキサン酸及びそれらの組合せからなる群から選択されるカルボキシル含有アクリル系モノマー;(4)N-2-アミノエチル(メタ)アクリルアミド、N-2-メチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N-2-エチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N-2-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N-3-アミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N-3-メチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N-3ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、2-アミノエチル(メタ)アクリレート、2-メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2-エチルアミノエチル(メタ)アクリレート、3-アミノプロピル(メタ)アクリレート、3-メチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、3-エチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、3-アミノ-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、トリメチルアンモニウム2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートヒドロクロリド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート及びそれらの組合せからなる群から選択されるアミノ含有アクリル系モノマー;(5)N-ビニルピロリドン、N-ビニル-3-メチル-2-ピロリドン、N-ビニル-4-メチル-2-ピロリドン、N-ビニル-5-メチル-2-ピロリドン、N-ビニル-6-メチル-2-ピロリドン、N-ビニル-3-エチル-2-ピロリドン、N-ビニル-4,5-ジメチル-2-ピロリドン、N-ビニル-5,5-ジメチル-2-ピロリドン、N-ビニル-3,3,5-トリメチル-2-ピロリドン、N-ビニルピペリドン、N-ビニル-3-メチル-2-ピペリドン、N-ビニル-4-メチル-2-ピペリドン、N-ビニル-5-メチル-2-ピペリドン、N-ビニル-6-メチル-2-ピペリドン、N-ビニル-6-エチル-2-ピペリドン、N-ビニル-3,5-ジメチル-2-ピペリドン、N-ビニル-4,4-ジメチル-2-ピペリドン、N-ビニルカプロラクタム、N-ビニル-3-メチル-2-カプロラクタム、N-ビニル-4-メチル-2-カプロラクタム、N-ビニル-7-メチル-2-カプロラクタム、N-ビニル-7-エチル-2-カプロラクタム、N-ビニル-3,5-ジメチル-2-カプロラクタム、N-ビニル-4,6-ジメチル-2-カプロラクタム、N-ビニル-3,5,7-トリメチル-2-カプロラクタム、N-ビニル-N-メチルアセトアミド、N-ビニルホルムアミド、N-ビニルアセトアミド、N-ビニルイソプロピルアミド、N-ビニル-N-エチルアセトアミド、N-ビニル-N-エチルホルムアミド及びそれらの混合物からなる群から選択されるN-ビニルアミドモノマー;(6)1-メチル-3-メチレン-2-ピロリドン、1-エチル-3-メチレン-2-ピロリドン、1-メチル-5-メチレン-2-ピロリドン、1-エチル-5-メチレン-2-ピロリドン、5-メチル-3-メチレン-2-ピロリドン、5-エチル-3-メチレン-2-ピロリドン、1-n-プロピル-3-メチレン-2-ピロリドン、1-n-プロピル-5-メチレン-2-ピロリドン、1-イソプロピル-3-メチレン-2-ピロリドン、1-イソプロピル-5-メチレン-2-ピロリドン、1-n-ブチル-3-メチレン-2-ピロリドン、1-tert-ブチル-3-メチレン-2-ピロリドン及びそれらの組合せからなる群から選択されるメチレン含有ピロリドンモノマー;(7)C
1~C
4アルコキシエトキシ基を有し、且つエチレングリコールメチルエーテル(メタ)アクリレート、ジ(エチレングリコール)メチルエーテル(メタ)アクリレート、トリ(エチレングリコール)メチルエーテル(メタ)アクリレート、テトラ(エチレングリコール)メチルエーテル(メタ)アクリレート、最大1500の数平均分子量を有するC
1~C
4アルコキシポリ(エチレングリコール)(メタ)アクリレート、最大1500の数平均分子量を有するメトキシポリ(エチレングリコール)エチル(メタ)アクリルアミド及びそれらの組合せからなる群から選択されるアクリル系モノマー;(8)エチレングリコールモノビニルエーテル、ジ(エチレングリコール)モノビニルエーテル、トリ(エチレングリコール)モノビニルエーテル、テトラ(エチレングリコール)モノビニルエーテル、ポリ(エチレングリコール)モノビニルエーテル、エチレングリコールメチルビニルエーテル、ジ(エチレングリコール)メチルビニルエーテル、トリ(エチレングリコール)メチルビニルエーテル、テトラ(エチレングリコール)メチルビニルエーテル、ポリ(エチレングリコール)メチルビニルエーテル及びそれらの組合せからなる群から選択されるビニルエーテルモノマー;(9)エチレングリコールモノアリルエーテル、ジ(エチレングリコール)モノアリルエーテル、トリ(エチレングリコール)モノアリルエーテル、テトラ(エチレングリコール)モノアリルエーテル、ポリ(エチレングリコール)モノアリルエーテル、エチレングリコールメチルアリルエーテル、ジ(エチレングリコール)メチルアリルエーテル、トリ(エチレングリコール)メチルアリルエーテル、テトラ(エチレングリコール)メチルアリルエーテル、ポリ(エチレングリコール)メチルアリルエーテル及びそれらの組合せからなる群から選択されるアリルエーテルモノマー;(10)(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、(メタ)アクリロイルオキシプロピルホスホリルコリン、4-((メタ)アクリロイルオキシ)ブチル-2’-(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2-[(メタ)アクリロイルアミノ]エチル-2’-(トリメチルアンモニオ)-エチルホスフェート、3-[(メタ)アクリロイルアミノ]プロピル-2’-(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、4-[(メタ)アクリロイルアミノ]ブチル-2’-(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、5-((メタ)アクリロイルオキシ)ペンチル-2’-(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、6-((メタ)アクリロイルオキシ)ヘキシル-2’-(トリメチルアンモニオ)-エチルホスフェート、2-((メタ)アクリロイルオキシ)エチル-2’-(トリエチルアンモニオ)エチルホスフェート、2-((メタ)アクリロイルオキシ)エチル-2’-(トリプロピルアンモニオ)エチルホスフェート、2-((メタ)アクリロイルオキシ)エチル-2’-(トリブチルアンモニオ)エチルホスフェート、2-((メタ)アクリロイルオキシ)プロピル-2’-(トリメチルアンモニオ)-エチルホスフェート、2-((メタ)アクリロイルオキシ)ブチル-2’-(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2-((メタ)アクリロイルオキシ)ペンチル-2’-(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2-((メタ)アクリロイルオキシ)ヘキシル-2’-(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2-(ビニルオキシ)エチル-2’-(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2-(アリルオキシ)エチル-2’-(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2-(ビニルオキシカルボニル)エチル-2’-(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2-(アリルオキシカルボニル)エチル-2’-(トリメチルアンモニオ)-エチルホスフェート、2-(ビニルカルボニルアミノ)エチル-2’-(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2-(アリルオキシカルボニルアミノ)エチル-2’-(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2-(ブテノイルオキシ)エチル-2’-(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート及びそれらの組合せからなる群から選択されるホスホリルコリン含有ビニル系モノマー;(11)アリルアルコール;(12)N-2-ヒドロキシエチルビニルカルバメート;(13)N-カルボキシビニル-β-アラニン;(14)N-カルボキシビニル-α-アラニン;(15)或いはそれらの組合せを含み、
前記シリコーンヒドロゲル材料が、ビス(トリアルキルシリルオキシ)アルキルシリル基を有するビニル系モノマー、トリス(トリアルキルシリルオキシ)シリル基を有するビニル系モノマー、ポリシロキサンビニル系モノマー、3-メタクリロキシプロピルペンタメチルジシロキサン、t-ブチルジメチル-シロキシエチルビニルカーボネート、トリメチルシリルエチルビニルカーボネート、トリメチルシリルメチルビニルカーボネート及びそれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1つのシリコーン含有ビニル系モノマーの繰り返し単位を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【請求項6】
前記少なくとも1つのビニル系架橋剤が、少なくとも1つのアクリル系架橋剤を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【請求項7】
前記少なくとも1つのアクリル系架橋剤が、エチレングリコールジメタクリレート;エチレングリコールジアクリレート;1,3-プロパンジオールジアクリレート;1,3-プロパンジオールジメタクリレート;2,3-プロパンジオールジアクリレート;2,3-プロパンジオールジメタクリレート;1,4-ブタンジオールジメタクリレート;1,4-ブタンジオールジアクリレート;1,5-ペンタンジオールジメタクリレート;1,5-ペンタンジオールジアクリレート;1,6-ヘキサンジオールジメタクリレート;1,6-ヘキサンジオールジアクリレート;ジエチレングリコールジメタクリレート;ジエチレングリコールジアクリレート;トリエチレングリコールジメタクリレート;トリエチレングリコールジアクリレート;テトラエチレングリコールジメタクリレート;テトラエチレングリコールジアクリレート;N,N’-メチレンビス(アクリルアミド);N,N’-メチレンビス(メタクリルアミド);N,N’-エチレンビス(アクリルアミド);N,N’-エチレンビス(メタクリルアミド);N,N’-ヘキサメチレンビスアクリルアミド;N,N’-ヘキサメチレンビスメタクリルアミド;ペンタエリトリトールトリアクリレート;ペンタエリトリトールトリメタクリレート;トリメチロイルプロパントリアクリレート;トリメチロイルプロパントリメタクリレート;トリ(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート;トリ(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリメタクリレート;1,3,5-トリアクリルオキシルヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジン;1,3,5-トリメタクリルオキシルヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジン;ペンタエリトリトールテトラアクリレート;ペンタエリトリトールテトラメタクリレート;ジ(トリメチロイルプロパン)テトラアクリレート;ジ(トリメチロイルプロパン)テトラメタクリレート又はそれらの組合せである、請求項6に記載の埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【請求項8】
前記少なくとも1つのビニル系架橋剤が、アリルメタクリレート、アリルアクリレート、アリールビニル系架橋剤又はそれらの組合せを含む、請求項1~
6のいずれか一項に記載の埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【請求項9】
前記アリールビニル系架橋剤が、ジビニルベンゼン、2-メチル-1,4-ジビニルベンゼン、ビス(4-ビニルフェニル)メタン、1,2-ビス(4-ビニルフェニル)エタン又はそれらの組合せである、請求項8に記載の埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【請求項10】
前記架橋ポリマー材料が、シリコーン含有アクリル系モノマー、非シリコーン疎水性アクリル系モノマー、フッ素含有アクリル系モノマー、アリールアクリル系モノマー又はそれらの組合せを含む少なくとも1つのアクリル系モノマーの繰り返し単位を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【請求項11】
前記少なくとも1つの非シリコーン疎水性アクリル系モノマーが、(メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル又はそれらの組合せであり、前記少なくとも1つのフッ素含有アクリル系モノマーが、ペルフルオロヘキシルエチル-チオ-カルボニル-アミノエチル-メタクリレート、2,2,2-トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、ヘキサフルオロ-イソ-プロピル(メタ)アクリレート、ヘキサフルオロブチル(メタ)アクリレート、ヘプタフルオロブチル(メタ)アクリレート、オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、ヘプタデカフルオロデシル(メタ)アクリレート、ペンタフルオロフェニル(メタ)アクリレート又はそれらの組合せである、請求項10に記載の埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【請求項12】
前記少なくとも
1つの第3のポリシロキサンビニル系架橋剤が、少なくとも30モル%の、それぞれが少なくとも1つのフェニル置換基を有するシロキサン単位を含む、請求項1
~11のいずれか一項に記載の埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【請求項13】
前記少なくとも1つの第3のポリシロキサンビニル系架橋剤が、少なくとも60モル%の、それぞれが少なくとも1つのフェニル置換基を有するシロキサン単位を含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【請求項14】
前記少なくとも
1つの第3のポリシロキサンビニル系架橋剤が、(i)それぞれが少なくとも1つのフェニル置換基及び1つのビニル置換基を有する、3つ以上のビニルフェニルシロキサン単位;(ii)3つ以上のフェニルメチルシロキサン単位;(iii)3つ以上のジフェニルシロキサン単位;又は(iv)それらの組合せを含む、請求項12又は13に記載の埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【請求項15】
前記少なくとも
1つの第3のポリシロキサンビニル系架橋剤が、1つ又はそれ以上のビニル末端ポリフェニルメチルシロキサン、1つ又はそれ以上のビニルフェニルメチル末端フェニルメチル-ビニルフェニルシロキサンコポリマー、1つ又はそれ以上のビニル末端ジフェニルシロキサン-ジメチルシロキサンコポリマー又はそれらの組合せを含む、請求項12~14のいずれか一項に記載の埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【請求項16】
前記架橋ポリマー材料が、少なくとも1つの式(I)又は(II)
【化4】
{式中、A
1はH又はCH
3であり;B
1は(CH
2)
m1又は[O(CH
2)
2]
Z1(m1は2~6であり、且つz1は1~10である)であり;Y
1は、直接結合、O、S又はNR’[R’はH、CH
3、C
n’H
2n’+1(n’=1~10である)、イソ-OC
3H
7、C
6H
5又はCH
2C
6H
5である]であり;R
a、R
b、R
c、R
d、R
e、R
f、R
g、R
h及びR
iは、互いに独立して、H、C
1~C
12アルキル又はC
1~C
12アルコキシであり;m1+w1≦8であることを条件として、w1は0~6であり;w2は1~3の整数であり;且つD
1はH、Cl、Br、C
1~C
4アルキル、C
1~C
4アルコキシ、C
6H
5又はCH
2C
6H
5である}のアリールアクリル系モノマーの繰り返し単位を含む、請求項1~15のいずれか一項に記載の埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【請求項17】
前記疎水性インサートが硬質である、請求項1~16のいずれか一項に記載の埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【請求項18】
前記シリコーンヒドロゲル材料が、式(M1)又は(M2):
【化5】
(式中、a
M1はゼロ又は1であり;R
M0はH又はメチルであり;X
M0はO又はNR
M1であり;L
M1はC
2~C
8アルキレン二価基であるか、又は
【化6】
の二価基であり;L
M1’は、0又は1つのヒドロキシル基を有するC
2~C
8アルキレン二価基であり;L
M1”は、0又は1つのヒドロキシル基を有するC
3~C
8アルキレン二価基であり;X
M1は、O、NR
M1、NHCOO、OCONH、CONR
M1又はNR
M1COであり;R
M1は、Hであるか、又は0~2つのヒドロキシル基を有するC
1~C
4アルキルであり;R
t1及びR
t2は、互いに独立して、C
1~C
6アルキルであり;X
M1’は、O又はNR
1であり;v1は、1~30の整数であり;m2は、0~30の整数であり;n1は、3~40の整数であり;r1は、2又は3の整数である)
の少なくとも1つのシリコーン含有ビニル系モノマーの繰り返し単位を含む、請求項1~17のいずれか一項に記載の埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【請求項19】
前記シリコーンヒドロゲル材料が、(1)1つの単独のポリジオルガノシロキサンセグメントと、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリロイルアミノ基、ビニルカーボネート基、ビニルカルバメート基からなる群から選択される2つの末端エチレン系不飽和基とを含むビニル系架橋剤;並びに/或いは(2)少なくとも2つのポリジオルガノシロキサンセグメント、及びポリジオルガノシロキサンセグメントと、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリロイルアミノ基、ビニルカーボネート基、ビニルカルバメート基からなる群から選択される2つの末端エチレン系不飽和基とのそれぞれの対の間の共有結合リンカーを含む鎖延長ポリシロキサンビニル系架橋剤を含む、少なくとも1つの第2のポリシロキサンビニル系架橋剤の繰り返し単位を含む、請求項1~18のいずれか一項に記載の埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【請求項20】
前記シリコーンヒドロゲル材料が、(i)少なくとも1つの非シリコーン系ビニル系架橋剤の繰り返し単位;(ii)少なくとも1つのブレンドビニル系モノマーの繰り返し単位;(iii)UV吸収ビニル系モノマー、UV/HEVL吸収ビニル系モノマー、フォトクロミックビニル系モノマー、重合性染料及びそれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1つの重合性材料の繰り返し単位;又は(iv)それらの組合せを含む、請求項1~19のいずれか一項に記載の埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【請求項21】
前記シリコーンヒドロゲル材料が、20重量%~70重量%の平衡含水量、少なくとも40barrerの酸素透過率、及び1.5MPa以下の弾性率を有する、請求項1~20のいずれか一項に記載の埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、疎水性の硬質インサートを含み、且つ層間剥離に影響されにくい、埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズに関する。加えて、本発明は、本発明の埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの製造方法を提供する。
【背景技術】
【0002】
近年、種々の目的のため、例えば、角膜の健康、視力矯正、診断などのために、種々のインサートをヒドロゲルコンタクトレンズ中に組み込むことができることが提案されている。例えば、米国特許第4268132号明細書、同第4401371号明細書、同第5098546号明細書、同第5156726号明細書、同第6851805号明細書、同第7490936号明細書、同第7883207号明細書、同第8154804号明細書、同第8215770号明細書、同第8348424号明細書、同第8874182号明細書、同第9176332号明細書、同第9618773号明細書、同第10203521号明細書及び同第10209534号明細書、並びに米国特許出願公開第20040141150号明細書、同第20040212779号明細書、同第2008/0208335号明細書、同第2009/0091818号明細書、同第20090244477号明細書、同第2010/0072643号明細書、同第2010/0076553号明細書、同第20110157544号明細書、同第2012/0120365号明細書、同第2012/0140167号明細書、同第2012/0234453号明細書、同第2014/0276481号明細書及び同第2015/0145155号明細書を参照のこと。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
インサートは、水を吸収することができない、非水膨潤性材料である非ヒドロゲル材料から典型的に製造される。インサートの1つの特別な種類は、硬質ガス透過性コンタクトレンズ(RGP)のような乱視をマスキングするための硬質センターオプティクスとして硬質材料(すなわち、高度に架橋されたポリマー材料)から製造される硬質インサートである。そのようなインサートに関して、インサート材料と、インサートが埋め込まれたシリコーンヒドロゲルレンズ材料との間の機械特性、特に水膨潤度に大きな差があることが予期される。そのような大きな差のために、埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、その中にインサートが埋め込まれた状態でのヒドロゲルコンタクトレンズの水和の間、並びに埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの取り扱い及び着用の間に、レンズ歪、特に層間剥離の影響を受けやすい。硬質疎水性インサートをその中の備えており、且つ層間剥離の影響を受けにくい埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一態様において、本発明は、シリコーンヒドロゲル材料と、その中に埋め込まれた疎水性インサートを含む、埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズであって、インサートが、少なくとも約60モル%のアクリル系繰り返し単位と、少なくとも約6モル%の少なくとも1つのビニル系架橋剤の繰り返し単位とを含む、架橋ポリマー材料から構成され、シリコーンヒドロゲル材料が、それぞれが1つのメチル置換基と、少なくとも1つのH-結合ドナーを含む1つの有機基とを有する、親水化されたシロキサン単位を含む少なくとも1つの第1のポリシロキサンビニル系架橋剤の繰り返し単位を含み、前記少なくとも1つのH-結合ドナーの含有量が、前記少なくとも1つのポリシロキサンビニル系架橋剤の分子量に対して少なくとも約0.8meq/gであり、埋込式シリコーンヒドロゲルが層間剥離の影響を受けにくい、埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを提供する。
【0005】
本発明は、別の態様において、本発明の埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの製造方法を提供する。
【0006】
本発明のこれら及び他の態様は、現時点で好ましい実施形態の以降の説明から明らかになるであろう。以下の詳細な説明は、本質的に単なる実例にすぎず、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲及びその均等物を限定するものではない。当業者に明らかであるように、本開示の新規な概念の趣旨及び範囲から逸脱することなく、本発明の多くの変形形態及び修正形態が実施され得る。
【発明を実施するための形態】
【0007】
特に定義しない限り、本明細書で用いられる全ての技術的及び科学的用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。一般に、本明細書で用いられる命名法及び実験手順は、周知であり、当技術分野において一般的に用いられている。当技術分野及び様々な一般参考文献において提供されるものなどの、従来法が、これらの手順のために用いられる。用語が単数で与えられている場合、本発明者らは、その用語の複数形をも想定している。本明細書で用いられる命名法及び以下で記載される実験手順は、当技術分野において公知であり、一般的に用いられているものである。
【0008】
本出願において、本明細書で使用される「約」という用語は、「約」として言及された数が、記載されている数プラス又はマイナス記載されている数の1~10%を含むことを意味する。
【0009】
「コンタクトレンズ」とは、装着者の目上又は内に配置することができる構造体を指す。コンタクトレンズは、使用者の視力を矯正、改善又は変更することができるものの、そうである必要はない。コンタクトレンズは、当技術分野で公知の又は後に開発されるいずれかの適切な材料のものであることが可能であり、それらは、ソフトレンズ、ハードレンズ、又は埋込式レンズであることが可能である。
【0010】
「ヒドロゲルコンタクトレンズ」は、ヒドロゲルバルク(コア)材料を含むコンタクトレンズを指す。ヒドロゲルバルク材料は、非シリコーンヒドロゲル材料、又は好ましくはシリコーンヒドロゲル材料であることが可能である。「シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ」は、シリコーンヒドロゲルバルク(コア)材料を含むコンタクトレンズを指す。
【0011】
「ヒドロゲル」又は「ヒドロゲル系材料」は、三次元ポリマーネットワーク(すなわちポリマーマトリックス)を有し、水に不溶性であるが、完全に水和(又は平衡化)された時にそのポリマーマトリックス中に少なくとも10重量%の水を保持することができる架橋ポリマー系材料を指す。
【0012】
「シリコーンヒドロゲル」又は「SiHy」は、少なくとも1つのシリコーン含有モノマー又は少なくとも1つのシリコーン含有マクロマー又は少なくとも1つの架橋性シリコーン含有プレポリマーを含む重合性組成物の共重合によって得られるシリコーン含有ヒドロゲルを指す。
【0013】
シロキサンは、しばしばシリコーンとも呼ばれ、少なくとも1つの-Si-O-Si-の部位を有する分子を指し、各Si原子は置換基として2つの有機基を有する。
【0014】
本出願で使用される「非シリコーンヒドロゲル」という用語は、理論上、ケイ素を含まないヒドロゲルを指す。
【0015】
「埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ」は、非ヒドロゲル材料から製造されて、コンタクトレンズの主要レンズ材料としてのシリコーンヒドロゲル材料内に埋め込まれる少なくとも1つのインサートを含むシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを指す。
【0016】
「インサート」は、非ヒドロゲル材料から製造されて、少なくとも5ミクロンの寸法を有するが、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ中に埋め込まれるために十分寸法がより小さい、いずれかの三次元物品を指す。本発明によると、非ヒドロゲル材料は、完全に水和された時に5重量%未満(好ましくは約4重量%以下、より好ましくは約3重量%以下、さらに好ましくは約2重量%以下)の水を吸収するいずれの材料であることも可能である。
【0017】
本発明によると、本発明のインサートは、インサートが埋め込まれる領域における埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのいずれの厚さ未満の厚さを有する。インサートは、いずれの幾何学的形状を有する物体を有することができ、そしていずれの所望の機能も有し得る。好ましいインサートの例には、限定されないが、硬質ガス透過性(RGP)コンタクトレンズのような乱視をマスキングするための硬質センターオプティクスを提供するための薄型硬質インサート、マルチフォーカルレンズインサート、フォトクロミックインサート、その上に色パターンが印刷されたコスメティックインサートなどが含まれる。
【0018】
本明細書で使用される「親水性」は、脂質よりも水と会合し易い材料又はその一部を表す。
【0019】
「疎水性」は、インサート材料又はインサートに関して、5%未満(好ましくは約4%以下、より好ましくは約3%以下、さらにより好ましくは2%以下)の平衡含水量(すなわち、完全に水和した状態の含水量)を有することである。
【0020】
「室温」という用語は、約22℃~約26℃の温度を指す。
【0021】
溶媒中における化合物又は物質に関して「可溶性」という用語は、化合物又は物質が溶媒に溶解して、室温(即ち約22℃~約26℃の温度)で少なくとも約0.5重量%の濃度を有する溶液をもたらすことができることを意味する。
【0022】
溶媒中における化合物又は物質に関して「不溶性」という用語は、化合物又は物質が溶媒に溶解して、室温(上に定義)で約0.01重量%未満の濃度を有する溶液をもたらすことができることを意味する。
【0023】
「ビニル系モノマー」は、1つの単独のエチレン系不飽和基を有し、溶媒に可溶であり、化学的又は熱的に重合することができる化合物を指す。
【0024】
本出願で使用される「エチレン系不飽和基」という用語は、本明細書では、広い意味で用いられ、少なくとも1つの>C=C<基を含む任意の基を包含することが意図されている。例示的なエチレン系不飽和基としては、限定されないが、(メタ)アクリロイル
【化1】
、アリル、ビニル、スチレニル又は他のC=C含有基が含まれる。
【0025】
「アクリル系モノマー」という用語は、1つの単独の(メタ)アクリロイル基を有するビニル系モノマーを指す。アクリル系モノマーの例としては、(メタ)アクリルオキシ[又は(メタ)アクリロイルオキシ]モノマー及び(メタ)アクリルアミドモノマーが含まれる。
【0026】
「(メタ)アクリルオキシモノマー」又は「(メタ)アクリロイルオキシモノマー」は、
【化2】
の1つの単独の基を有するビニル系モノマーを指す。
【0027】
「(メタ)アクリルアミドモノマー」は、
【化3】
(式中、R
oはH又はC
1~C
4アルキルである)の1つの単独の基を有するビニル系モノマーを指す。
【0028】
「アリールアクリル系モノマー」という用語は、少なくとも1つの芳香環を有するアクリル系モノマーを指す。
【0029】
「(メタ)アクリルオキシモノマー」又は「(メタ)アクリロイルオキシモノマー」は、
【化4】
の1つの単独の基を有するビニル系モノマーを指す。
【0030】
「(メタ)アクリルアミドモノマー」は、
【化5】
(式中、R
oはH又はC
1~C
4アルキルである)の1つの単独の基を有するビニル系モノマーを指す。
【0031】
「(メタ)アクリルアミド」という用語は、メタクリルアミド及び/又はアクリルアミドを指す。
【0032】
「(メタ)アクリレート」という用語は、メタクリレート及び/又はアクリレートを指す。
【0033】
「N-ビニルアミドモノマー」とは、アミド基の窒素原子に直接結合しているビニル基(-CH=CH2)を有するアミド化合物を指す。
【0034】
「エンモノマー」は、1つの単独のエン基を有するビニル系モノマーを指す。
【0035】
「親水性ビニル系モノマー」、「親水性アクリル系モノマー」、「親水性(メタ)アクリルオキシモノマー」又は「親水性(メタ)アクリルアミドモノマー」は、本明細書で使用される場合、それぞれ、水溶性であるか、又は少なくとも10重量パーセントの水を吸収することができるホモポリマーを典型的に生じるビニル系モノマー、アクリル系モノマー、(メタ)アクリルオキシモノマー又は(メタ)アクリルアミドモノマーを指す。
【0036】
「疎水性ビニル系モノマー」、「疎水性アクリル系モノマー」、「疎水性(メタ)アクリルオキシモノマー」又は「疎水性(メタ)アクリルアミドモノマー」は、本明細書で使用される場合、それぞれ、非水溶性であり、10重量%未満の水を吸収することができるホモポリマーを典型的に生じるビニル系モノマー、アクリル系モノマー、(メタ)アクリルオキシモノマー又は(メタ)アクリルアミドモノマー)を指す。
【0037】
本出願において使用される「ビニル系架橋剤」という用語は、少なくとも2つのエチレン系不飽和基を有する有機化合物を指す。「ビニル系架橋剤」は、700ダルトン以下の分子量を有するビニル系架橋剤を指す。
【0038】
「アクリル系架橋剤」という用語は、少なくとも2つの(メタ)アクリロイル基を有するビニル系架橋剤を指す。
【0039】
「アクリル系繰り返し単位」という用語は、それぞれがポリマー材料を形成するためのフリーラジカル重合でアクリル系モノマー又は架橋剤から誘導されるポリマー材料の繰り返し単位を指す。
【0040】
「末端(メタ)アクリロイル基」という用語は、当業者に知られているように、有機化合物の主鎖(又は骨格)の2つの末端のうちの1つにある1つの(メタ)アクリロイル基を指す。
【0041】
本明細書で使用される、重合性組成物、プレポリマー又は材料の硬化、架橋又は重合に関する「化学的に」とは、硬化(例えば、架橋及び/又は重合)が例えばUV/可視照射、電離放射線(例えば、ガンマ線又はX線照射)、マイクロ波照射などの化学線照射によって行われることを意味する。熱硬化又は化学硬化の方法は、当業者に周知である。
【0042】
本出願において使用される場合、「ポリマー」という用語は、1つ若しくはそれ以上のモノマー、又はマクロマー、又はプレポリマー、又はそれらの組み合わせを重合/架橋させることにより形成される物質を意味する。
【0043】
「マクロマー」又は「プレポリマー」は、エチレン系不飽和基を含み、且つ700ダルトンを超える数平均分子量を有する化合物又はポリマーを指す。
【0044】
本出願において使用されるポリマー系材料(モノマー系材料又はマクロマー系材料を含む)の「分子量」という用語は、別段の明記がない限り又は別の試験条件が示されていない限り、数平均分子量を指す。当業者は、公知の方法、例えば、屈折率検出器、低角レーザー光散乱検出器、マルチアングルレーザー光散乱検出器、示差粘度測定検出器、UV検出器、及び赤外線(IR)検出器のうちの1つ又はそれ以上備えたGPC(ゲル浸透クロマトグラフィー);MALDI-TOF MS(マトリックス支援脱離/イオン化飛行時間型質量分析);1H NMR(プロトン核磁気共鳴)分光法などに従ってポリマーの分子量を決定する方法を認識している。
【0045】
「ポリシロキサンセグメント」又は「ポリジオルガノシロキサンセグメント」は、交換可能に、
【化6】
(式中、SNは3以上の整数であり、且つR
S1及びR
S2のそれぞれは、互いに独立して、C
1~C
10アルキル;フェニル;C
1~C
4-アルキル置換フェニル;C
1~C
4-アルコキシ置換フェニル;フェニル-C
1~C
6-アルキル;C
1~C
10フルオロアルキル;C
1~C
10フルオロエーテル;アリール;アリールC
1~C
18アルキル;-alk-(OC
2H
4)
γ1-OR
o(式中、alkはC
1~C
6アルキレンジラジカルであり、R
oはH又はC
1~C
4アルキルであり、且つγ1は1~10の整数である);ヒドロキシル基(-OH)、カルボキシル基(-COOH)、アミノ基(-NR
N1R
N1’)、-NR
N1-のアミノ結合、-CONR
N1-のアミド結合、-CONR
N1R
N1’のアミド、-OCONH-のウレタン結合及びC
1~C
4アルコキシ基、又は直鎖状親水性ポリマー鎖からなる群から選択される少なくとも1つの官能基を有するC
2~C
40有機基(式中、R
N1及びR
N1’は、互いに独立して、水素又はC
1~C
15アルキルである);並びにフォトクロミック基を有するフォトクロミック有機基からなる群から選択される)のポリマー鎖セグメント(すなわち、二価の基)を指す。
【0046】
「ポリシロキサンビニル系モノマー」は、少なくとも1つのポリシロキサンセグメントと、1つの単独のエチレン系不飽和基とを含む化合物を指す。
【0047】
「ポリジオルガノシロキサンビニル系架橋剤」又は「ポリシロキサンビニル系架橋剤」は、交換可能に、少なくとも1つのポリシロキサンセグメントと、少なくとも2つのエチレン系不飽和基とを含む化合物を指す。
【0048】
「直鎖ポリジオルガノシロキサンビニル系架橋剤」又は「直鎖ポリシロキサンビニル系架橋剤」は、交換可能に、少なくとも1つのポリシロキサンセグメントを含み、主鎖の2つの末端のそれぞれで1つのエチレン系不飽和基で終端する主鎖を含む化合物を指す。
【0049】
「鎖延長ポリジオルガノシロキサンビニル系架橋剤」又は「鎖延長ポリシロキサンビニル系架橋剤」は、交換可能に、少なくとも2つのエチレン系不飽和基と、少なくとも2つのポリシロキサンセグメントとを含み、そのそれぞれの対が1つの二価ラジカルによって連結されている化合物を指す。
【0050】
本明細書で使用される「流体」という用語は、材料が液体のように流れ得ることを表す。
【0051】
本出願で使用される、重合性組成物に関する「透明」という用語は、重合性組成物が透明な溶液又は液体混合物である(すなわち400~700nmの範囲で85%以上、好ましくは90%以上の光透過率を有する)ことを意味する。
【0052】
「一価の基」という用語は、有機化合物から水素原子を除去することによって得られ、且つ有機化合物中の1つの他の基と1つの結合を形成する有機基を指す。例としては、限定されないが、アルキル(アルカンからの水素原子の除去による)、アルコキシ(又はアルコキシル)(アルキルアルコールのヒドロキシル基からの1つの水素原子の除去による)、チイル(アルキルチオールのチオール基からの1つの水素原子の除去による)、シクロアルキル(シクロアルカンからの水素原子の除去による)、シクロヘテロアルキル(シクロヘテロアルカンからの水素原子の除去による)、アリール(芳香族炭化水素の芳香環からの水素原子の除去による)、ヘテロアリール(いずれかの環原子からの水素原子の除去による)、アミノ(アミンからの1つのヒドロゲル原子の除去による)などが含まれる。
【0053】
「二価の基」という用語は、有機化合物から2つの水素原子を除去することによって得られ、且つ有機化合物中の他の2つの基と2つの結合を形成する有機基を指す。例えば、アルキレン二価基(すなわち、アルキレニル)はアルカンからの2つの水素原子の除去によって得られ、シクロアルキレン二価基(すなわち、シクロルキレニル)は環式環からの2つの水素原子の除去によって得られる。
【0054】
本出願において、アルキル又はアルキルレニルに関する「置換された」という用語は、アルキル又はアルキレニルが、アルキル又はアルキレニルの1つの水素原子を置き換える少なくとも1つの置換基を含み、且つヒドロキシ(-OH)、カルボキシ(-COOH)、-NH2、スルフヒドリル(-SH)、C1~C4アルキル、C1~C4アルコキシ、C1~C4アルキルチオ(アルキルスルフィド)、C1~C4アシルアミノ、C1~C4アルキルアミノ、ジ-C1~C4アルキルアミノ、及びそれらの組合せからなる群から選択されることを意味する。
【0055】
フリーラジカル開始剤は、光開始剤又は熱開始剤のいずれであることも可能である。「光開始剤」は、光を使用することによりフリーラジカル架橋/重合反応を開始する化学物質を指す。「熱開始剤」は、熱エネルギーを使用することによりフリーラジカル架橋/重合反応を開始する化学物質を指す。
【0056】
材料の固有の「酸素透過率」Dkiは、酸素が材料を通過する割合である。酸素透過率は、通常、barrerの単位で表され、「barrer」は、[(cm3酸素)(mm)/(cm2)(秒)(mmHg)]×10-10として定義される。酸素透過率は、実施例1に記載の手順に従って測定することができる。
【0057】
インサート又は材料の「酸素透過率」Dk/tは、測定される領域全体で平均厚さt[mm単位]の特定のインサート又は材料を酸素が通過する割合である。酸素透過率は、通常、barrer/mmの単位で表され、「barrer/mm」は、[(cm3酸素)/(cm2)(秒)(mmHg)]×10-9として定義される。酸素透過率は、実施例1に記載の手順に従って測定することができる。
【0058】
コンタクトレンズ又は物質に関して「弾性率(modulus)」又は「弾性係数(elastic modulus)」という用語は、引張弾性率、すなわち、ヤング率を意味し、これは、コンタクトレンズ又は物質の埋込の尺度である。弾性率は、実施例1に記載の手順に従って測定することができる。
【0059】
「未加工の状態」は、鋳型中での重合性組成物の注型成形によって得られ、抽出及び/又は水和ポスト成形プロセスを受けていない(すなわち、成形後に水又はいずれかの有機溶媒又はいずれかの液体と接触していない)インサートを指す。
【0060】
一般に、本発明は、ソフトシリコーンヒドロゲル材料(1.5MPa未満の弾性率を有する)と、その中の埋め込まれた疎水性の架橋ポリマー材料から構成される硬質インサートとを含み、且つ層間剥離の影響を受けにくい埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズに関する。
【0061】
本発明は、部分的に、それぞれが1つのメチル置換基と、少なくとも1つの親水化されたポリシロキサンビニル系架橋剤の分子量に対して少なくとも0.8meq/gの量の少なくとも1つのH-結合ドナー(例えば、ヒドロキシル基)を含む1つの有機基とを有する、親水化されたシロキサン単位を含む少なくとも1つの親水化されたポリシロキサンビニル系架橋剤を含む、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを製造するための重合性組成物(すなわち、シリコーンヒドロゲルレンズ配合物又はSiHyレンズ配合物)は、少なくとも約40モル%のアクリル系繰り返し単位を含む疎水性の架橋ポリマー材料から製造された非ヒドロゲルインサートをそれぞれが有する埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの注型成形において使用可能であるという知見に基づく。得られる埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、オートクレーブ及び貯蔵の間に層間剥離の影響を受けにくい。
【0062】
硬化の前にSiHyレンズ配合物がレンズ鋳型中で非ヒドロゲルインサートと接触している時に、少量の1つ又はそれ以上のビニル系モノマー(かさ高い基を含まない)が非ヒドロゲルインサートの表面中に部分的に浸透することができるであろうと考えられる。SiHyレンズ配合物中の適切な量の親水化されたポリシロキサンビニル系架橋剤が非ヒドロゲルインサートの表面上で吸着されることができるであろうことも考えられる。おそらく、親水化されたポリシロキサンビニル系架橋剤の親水化されたシロキサン単位の有機置換基のH-結合ドナーが、非ヒドロゲルインサートのアクリル系繰り返し単位のH-結合受容体と水素結合(すなわち、エステル及び/又はアミド結合)を形成するために十分に非ヒドロゲルインサート中に浸透することができるため、そのような吸着が起こる。フリーラジカル開始剤であるH-受容体を含み、そして非ヒドロゲルインサートの表面上で吸着された親水化されたポリシロキサンビニル系架橋剤によって非ヒドロゲルインサートの表面にもたらされることが可能であることがさらに考えられる。シリコーンヒドロゲル材料を形成するためのレンズ鋳型中での非ヒドロゲルインサートがその中に浸漬されたSiHyレンズ配合物の硬化において、非ヒドロゲルインサートの表面上のビニル系モノマー及び非ヒドロゲルインサートの表面の親水化されたポリシロキサンビニル系架橋剤は架橋及び/又は重合して、その表面上に非ヒドロゲルインサートのポリマーマトリックスがインターカレートされた架橋ポリマー鎖を形成することができる。シリコーンヒドロゲル材料及び表面インサート材料(すなわち、非ヒドロゲルインサートの表面上で)のそのようなインターカレートポリマーネットワークの形成によって、得られる埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、層間剥離(すなわち、非ヒドロゲルインサートからのシリコーンヒドロゲル材料の完全な又は部分的な分離)の影響を受けにくい。
【0063】
本発明は、一態様において、シリコーンヒドロゲル材料と、その中に埋め込まれた疎水性インサートとを含む埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズであって、インサートが、少なくとも約40モル%(好ましくは少なくとも約45モル%、より好ましくは少なくとも約50モル%、さらにより好ましくは少なくとも約55モル%)のアクリル繰り返し単位と、少なくとも約6モル%(好ましくは少なくとも約8モル%、より好ましくは少なくとも約10モル%、さらにより好ましくは少なくとも約12モル%)の少なくとも1つのビニル系架橋剤の繰り返し単位とを含む、架橋ポリマー材料から構成され、シリコーンヒドロゲル材料が、(a)それぞれが1つのメチル置換基と、少なくとも1つのH-結合ドナー(好ましくはヒドロキシル基)を含む1つの有機基とを有する、親水化されたシロキサン単位を含む少なくとも1つの第1のポリシロキサンビニル系架橋剤の繰り返し単位及び(b)少なくとも1つの親水性ビニル系モノマーの繰り返し単位を含み、前記少なくとも1つのH-結合ドナーの含有量が、前記少なくとも1つの第1のポリシロキサンビニル系架橋剤の分子量に対して少なくとも約0.8meq/g(好ましくは少なくとも約1.0meq/g、より好ましくは少なくとも約1.2meq/g、さらにより好ましくは少なくとも約1.4meq/g)であり、埋込式シリコーンヒドロゲルが層間剥離の影響を受けにくい、埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを提供する。好ましくは、インサートは硬質である。
【0064】
本発明によると、オートクレーブ(詳細については実施例1を参照のこと)後の顕微鏡観察において埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの範囲内で気泡が観察されない場合、埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、層間剥離の影響を受けにくい。
【0065】
本発明によると、それらがそれぞれが1つのメチル置換基と、少なくとも1つのH-結合ドナー(好ましくはヒドロキシル基)を有する1つの有機基とを有する親水化されたシロキサン単位を含む限り、いずれのポリシロキサンビニル系架橋剤も本発明において第1のポリシロキサンビニル系架橋剤として使用可能である。好ましいポリシロキサンビニル系架橋剤の例は、ジメチルシロキサン単位と、1つのメチル置換基と2~6つのヒドロキシル基を有する1つの一価C4~C40有機ラジカル置換基とをそれぞれ有する親水化シロキサン単位と、を有するジ-(メタ)アクリロイルオキシ末端ポリシロキサンビニル系架橋剤、より好ましくは式(G)のポリシロキサンビニル系架橋剤であり、これらは、本出願で後に記載される。それらは、米国特許第10081697号明細書に開示されている手順に従って調製することができる。
【0066】
本発明によると、埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのシリコーンヒドロゲル材料は、少なくとも1つの親水性ビニル系モノマーの繰り返し単位を含む。
【0067】
本発明では、いずれの親水性ビニル系モノマーを使用することもできる。好ましい親水性ビニル系モノマーの例は、アルキル(メタ)アクリルアミド(本出願で後述)、ヒドロキシル含有アクリル系モノマー(本出願で後述)、アミノ含有アクリル系モノマー(本出願で後述)、カルボキシル含有アクリル系モノマー(本出願で後述)、N-ビニルアミドモノマー(本出願で後述)、メチレン含有ピロリドンモノマー(すなわち3-又は5-位でピロリドン環に連結したメチレン基をそれぞれ有するピロリドン誘導体)(本出願で後述)、C1~C4アルコキシエトキシ基を有するアクリル系モノマー(本出願で後述)、ビニルエーテルモノマー(本出願で後述)、アリルエーテルモノマー(本出願で後述)、ホスホリルコリン含有ビニル系モノマー(本出願で後述)、N-2-ヒドロキシエチルビニルカルバメート、N-カルボキシビニル-β-アラニン(VINAL)、N-カルボキシビニル-α-アラニン及びそれらの組合せである。
【0068】
本発明によると、埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのシリコーンヒドロゲル材料は、シリコーン含有ビニル系モノマー及び/又は(第1のポリシロキサンビニル系架橋剤以外の)第2のポリシロキサンビニル系架橋剤の繰り返し単位をさらに含むことができる。
【0069】
本発明によれば、シリコーン含有ビニル系モノマーは、当業者に公知のいずれのシリコーン含有ビニル系モノマーであることも可能である。好ましいシリコーン含有ビニル系モノマーの例としては、限定されないが、それぞれビス(トリアルキルシリルオキシ)アルキルシリル基又はトリス(トリアルキルシリルオキシ)シリル基を有するビニル系モノマー、ポリシロキサンビニル系モノマー、3-メタクリロキシプロピルペンタメチルジシロキサン、t-ブチルジメチル-シロキシエチルビニルカーボネート、トリメチルシリルエチルビニルカーボネート及びトリメチルシリルメチルビニルカーボネート並びにそれらの組合せが含まれる。
【0070】
式(M1)のものを含む好ましいポリシロキサンビニル系モノマーは、本出願で後に記載されており、また商業的供給元(例えば、信越、Gelestなど)から入手することができ、また例えば米国特許第5070215号明細書、同第6166236号明細書、同第6867245号明細書、同第8415405号明細書、同第8475529号明細書、同第8614261号明細書及び同第9217813号明細書に記載の手順に従って調製することができ;ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート又は(メタ)アクリルアミド又は(メタ)アクリルオキシポリエチレングリコールをモノエポキシプロピルオキシプロピル末端ポリジメチルシロキサンと反応させることによって調製することができ;グリシジル(メタ)アクリレートをモノカルビノール末端ポリジメチルシロキサン、モノアミノプロピル末端ポリジメチルシロキサン又はモノエチルアミノプロピル末端ポリジメチルシロキサンと反応させることによって調製することができるか;又は当業者に周知のカップリング反応に従い、イソシアナトエチル(メタ)アクリレートをモノカルビノール末端ポリジメチルシロキサンと反応させることによって調製することができる。
【0071】
式(M2)のものを含む、ビス(トリアルキルシリルオキシ)アルキルシリル基又はトリス(トリアルキルシリルオキシ)シリル基をそれぞれ有する好ましいシリコーン含有ビニル系モノマーは、本出願で後に記載されており、また商業的供給元(例えば、信越、Gelestなど)から入手することができ、又は例えば米国特許第5070215号明細書、同第6166236号明細書、同第7214809号明細書、同第8475529号明細書、同第8658748号明細書、同第9097840号明細書、同第9103965号明細書及び同第9475827号明細書に記載の手順に従って調製することができる。
【0072】
本発明において、いずれの適切なポリシロキサンビニル系架橋剤も第2のポリシロキサンビニル系架橋剤として使用することができる。第2のポリシロキサンビニル系架橋剤として好ましいポリシロキサンビニル系架橋剤の例は、ジ-(メタ)アクリロイル末端ポリジメチルシロキサン;ジビニルカーボネート末端ポリジメチルシロキサン;ジビニルカルバメート末端ポリジメチルシロキサン;N,N,N’,N’-テトラキス(3-メタクリロキシ-2-ヒドロキシプロピル)-アルファ,オメガ-ビス-3-アミノプロピル-ポリジメチルシロキサン;米国特許第5,760,100号明細書に記載されているマクロマーA、マクロマーB、マクロマーC及びマクロマーDからなる群から選択されるポリシロキサン含有マクロマー;米国特許第4136250号明細書、同第4153641号明細書、同第4182822号明細書、同第4189546号明細書、同第4343927号明細書、同第4254248号明細書、同第4355147号明細書、同第4276402号明細書、同第4327203号明細書、同第4341889号明細書、同第4486577号明細書、同第4543398号明細書、同第4605712号明細書、同第4661575号明細書、同第4684538号明細書、同第4703097号明細書、同第4833218号明細書、同第4837289号明細書、同第4954586号明細書、同第4954587号明細書、同第5010141号明細書、同第5034461号明細書、同第5070170号明細書、同第5079319号明細書、同第5039761号明細書、同第5346946号明細書、同第5358995号明細書、同第5387632号明細書、同第5416132号明細書、同第5451617号明細書、同第5486579号明細書、同第5962548号明細書、同第5981675号明細書、同第6039913号明細書及び同6762264号明細書に開示されているポリシロキサン含有マクロマー;米国特許第4259467号明細書、同第4260725号明細書及び同第4261875号明細書に記載されているポリシロキサン含有マクロマーである。
【0073】
第2のポリシロキサンビニル系架橋剤として好ましいポリシロキサンビニル系架橋剤の1つの分類は、ジメチルシロキサン単位と、1つのメチル置換基と2~6つのヒドロキシル基を有する1つの一価C4~C40有機ラジカル置換基とをそれぞれ有する親水化シロキサン単位と、を有するジ-(メタ)アクリロイルオキシ末端ポリシロキサンビニル系架橋剤、より好ましくは式(G)のポリシロキサンビニル系架橋剤であり、これらは、本出願で後に記載されており、また米国特許第10081697号明細書に開示されている手順に従って調製することができる。
【0074】
第2のポリシロキサンビニル系架橋剤として好ましいポリシロキサンビニル系架橋剤の別の分類は、それぞれが1つの単独のポリジオルガノシロキサンセグメントと、2つの末端(メタ)アクリロイル基を含むビニル系架橋剤であり、これは、本出願で後に記載されており、また商業的供給元から入手することができ;またグリシジル(メタ)アクリレート(メタ)アクリロイルクロリドをジアミノ末端ポリジメチルシロキサン又はジヒドロキシル末端ポリジメチルシロキサンと反応させることによって調整することができ;イソシアナトエチル(メタ)アクリレートをジヒドロキシル末端ポリジメチルシロキサンと反応させることにより調製することができ、カップリング剤(カルボジイミド)の存在下でアミノ含有アクリル系モノマーをジカルボキシル末端ポリジメチルシロキサンと反応させることにより調製することができ;カップリング剤(カルボジイミド)の存在下でカルボキシル含有アクリル系モノマーをジアミノ末端ポリジメチルシロキサンと反応させることにより調製することができるか;又はジイソシアネート又はジエポキシカップリング剤の存在下でヒドロキシル含有アクリル系モノマーをジヒドロキシ末端ポリジシロキサンと反応させることによって調製することができる。
【0075】
第2のポリシロキサンビニル系架橋剤としての好ましいポリシロキサンビニル系架橋剤の他の分類は、ポリジオルガノシロキサンセグメント及び2つの末端エチレン系不飽和基のそれぞれの対の間で連結基によって連結された少なくとも2つのポリジオルガノシロキサンセグメントをそれぞれが有する鎖延長ポリシロキサンビニル系架橋剤であり、これは、米国特許第5034461号明細書、同第5416132号明細書、同第5449729号明細書、同第5760100号明細書、同第7423074号明細書、同第8529057号明細書、同第8835525号明細書、同第8993651号明細書、同第10301451号明細書及び同第10465047号明細書に記載の手順に従って調製することができる。
【0076】
本発明によると、シリコーンヒドロゲル材料は、1つ又はそれ以上の疎水性非シリコーンビニル系モノマーの繰り返し単位を含むこともできる。好ましい疎水性非シリコーンビニル系モノマーの例は、非シリコーン疎水性アクリル系モノマー(下記のメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリルなど)、フッ素含有アクリル系モノマー(例えば、ペルフルオロヘキシルエチル-チオ-カルボニル-アミノエチル-メタクリレート、ペルフルオロ-置換-C2~C12アルキル(メタ)アクリレートなど)、ビニルアルカノエート(例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、吉草酸ビニルなど)、ビニルオキシアルカン(例えば、ビニルエチルエーテル、プロピルビニルエーテル、n-ブチルビニルエーテル、イソプチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、t-ブチルビニルエーテルなど)、スチレン、ビニルトルエン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、1-ブテン並びにそれらの組合せであることが可能である。
【0077】
いずれの適切なペルフルオロ-置換-C2~C12アルキル(メタ)アクリレートも本発明において使用することができる。ペルフルオロ-置換-C2~C12アルキル(メタ)アクリレートの例としては、限定されないが、2,2,2-トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、ヘキサフルオロ-イソ-プロピル(メタ)アクリレート、ヘキサフルオロブチル(メタ)アクリレート、ヘプタフルオロブチル(メタ)アクリレート、オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、ヘプタデカフルオロデシル(メタ)アクリレート、ペンタフルオロフェニル(メタ)アクリレート及びそれらの組合せが含まれる。
【0078】
本発明によると、シリコーンヒドロゲル材料は、1つ又はそれ以上の非シリコーンビニル系架橋剤の繰り返し単位を含むこともできる。好ましい非シリコーン系ビニル系架橋剤の例は、本出願で後に記載されている。
【0079】
本発明によると、シリコーンヒドロゲル材料は、当業者に既知のUV吸収ビニル系モノマー、UV/高エネルギー紫光線(「HEVL」)吸収ビニル系モノマー、重合性フォトクロミック化合物、重合性着色剤(重合性染料)又はそれらの組合せなどの他の重合性材料の繰り返し単位も含むことができる。
【0080】
本発明の予形成SiHyコンタクトレンズを調製するために、いずれの適切なUV吸収ビニル系モノマー及びUV/HEVL吸収ビニル系モノマーも重合性組成物中に使用することができる。好ましいUV吸収及びUV/HEVL吸収ビニル系モノマーの例としては、限定されないが、2-(2-ヒドロキシ-5-ビニルフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール、2(2-ヒドロキシ-5-アクリロイルオキシフェニル)-2Hベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-3-メタクリルアミドメチル-5-tert-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-5’-メタクリルアミドフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-5’-メタクリルアミドフェニル)-5-メトキシベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-5’-グリシドオキシプロピル-3’-t-ブチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-5’-メタクリルオキシプロピルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-ヒドロキシ-5-メトキシ-3-(5-(トリフルオロメチル)-2H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾル-2-イル)ベンジルメタクリレート(WL-1)、2-ヒドロキシ-5-メトキシ-3-(5-メトキシ-2H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾル-2-イル)ベンジルメタクリレート(WL-5)、3-(5-フルオロ-2H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾル-2-イル)-2-ヒドロキシ-5-メトキシベンジルメタクリレート(WL-2)、3-(2Hベンゾ[d][1,2,3]トリアゾル-2-イル)-2-ヒドロキシ-5-メトキシベンジルメタクリレート(WL-3)、3-(5-クロロ-2H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾル-2-イル)-2-ヒドロキシ-5-メトキシベンジルメタクリレート(WL-4)、2-ヒドロキシ-5-メトキシ-3-(5-メチル-2H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾル-2-イル)ベンジルメタクリレート(WL-6)、2-ヒドロキシ-5-メチル-3-(5-(トリフルオロメチル)-2H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾル-2-イル)ベンジルメタクリレート(WL-7)、4-アリル-2-(5-クロロ-2H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾル-2-イル)-6-メトキシフェノール(WL-8)、2{2’-ヒドロキシ-3’-tert-5[3”-(4”-ビニルベンジルオキシ)プロポキシ]フェニル}-5-メトキシ-2H-ベンゾトリアゾール、フェノール、2-(5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾル-2-イル)-6-(1,1ジメチルエチル)-4-エテニル-(UVAM)、2-[2’-ヒドロキシ-5’-(2-メタクリルオキシエチル)フェニル)]-2H-ベンゾトリアゾール(2-プロペン酸、2-メチル-、2-[3-(2H-ベンゾトリアゾル-2-イル)-4-ヒドロキシフェニル]エチルエステル、Norbloc)、2{2’-ヒドロキシ-3’-tert-ブチル-5’-[3’-メタクリロイルオキシプロポキシ]フェニル}-2H-ベンゾトリアゾール、2{2’-ヒドロキシ-3’-tert-ブチル-5’-[3’-メタクリロイルオキシプロポキシ]フェニル}-5-メトキシ-2H-ベンゾトリアゾール(UV13)、2-{2’-ヒドロキシ-3’-tert-ブチル-5’-[3’-メタクリロイルオキシプロポキシ]フェニル}-5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾール(UV28)、2[2’-ヒドロキシ-3’-tert-ブチル-5’-(3’-アクリロイルオキシプロポキシ)フェニル]-5-トリフルオロメチル-2H-ベンゾトリアゾール(UV23)、2-(2’-ヒドロキシ-5-メタクリルアミドフェニル)-5-メトキシベンゾトリアゾール(UV6)、2-(3-アリル-2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール(UV9)、2-(2-ヒドロキシ-3-メタリル-5-メチルフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール(UV12)、2-3’-t-ブチル-2’-ヒドロキシ-5’-(3”-ジメチルビニルシリルプロポキシ)-2’-ヒドロキシフェニル)-5-メトキシベンゾトリアゾール(UV15)、2-(2’-ヒドロキシ-5’-メタクリロイルプロピル-3’-tert-ブチルフェニル)-5-メトキシ-2H-ベンゾトリアゾール(UV16)、2-(2’-ヒドロキシ-5’-アクリロイルプロピル-3’-tert-ブチルフェニル)-5-メトキシ-2H-ベンゾトリアゾール(UV16A)、2-メチルアクリル酸3-[3-tert-ブチル-5-(5-クロロベンゾトリアゾル-2-イル)-4-ヒドロキシフェニル]-プロピルエステル(16-100、CAS#96478-15-8)、2-(3-(tert-ブチル)-4-ヒドロキシ-5-(5-メトキシ-2H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾル-2-イル)フェノキシ)エチルメタクリレート(16-102);フェノール、2-(5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾル-2-イル)-6-メトキシ-4-(2-プロペン-1-イル)(CAS#1260141-20-5);2-[2-ヒドロキシ-5-[3-(メタクリロイルオキシ)プロピル]-3-tert-ブチルフェニル]-5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾール;フェノール、2-(5-エテニル-2H-ベンゾトリアゾル-2-イル)-4-メチル-、ホモポリマー(9CI)(CAS#83063-87-0)が含まれる。本発明によると、重合性組成物は、重合性組成物中の全重合性成分の量に対して約0.1重量%~約3.0重量%、好ましくは約0.2重量%~約2.5重量%、より好ましくは約0.3重量%~約2.0重量%の1つ又はそれ以上のUV吸収ビニル系モノマーを含む。
【0081】
好ましいフォトクロミックビニル系モノマーの例としては、重合性ナフトピラン、重合性ベンゾピラン、重合性インデノナフトピラン、重合性フェナントロピラン、重合性スピロ(ベンズインドリン)-ナフトピラン、重合性スピロ(インドリン)ベンゾピラン、重合性スピロ(インドリン)-ナフトピラン、重合性スピロ(インドリン)キノプラン、重合性スピロ(インドリン)-ピラン、重合性ナフトキサジン、重合性スピロベンゾピラン;重合性スピロベンゾピラン、重合性スピロベンゾチオピラン、重合性ナフタセンジオン、重合性スピロオキサジン、重合性スピロ(インドリン)ナフトキサジン、重合性スピロ(インドリン)ピリドベンゾキサジン、重合性スピロ(ベンズインドリン)ピリドベンゾキサジン、重合性スピロ(ベンズインドリン)ナフトキサジン、重合性スピロ(インドリン)-ベンゾオキサジン、重合性ジアリールエテン及びそれらの組合せが含まれる。これらは米国特許第4929693号明細書、同第5166345号明細書、同第6017121号明細書、同第7556750号明細書、同第7584630号明細書、同第7999989号明細書、同第8158037号明細書、同第8697770号明細書、同第8741188号明細書、同第9052438号明細書、同第9097916号明細書、同第9465234号明細書、同第9904074号明細書、同第10197707号明細書、同第6019914号明細書、同第6113814号明細書、同第6149841号明細書、同第6296785号明細書及び同第6348604号明細書に開示される通りである。
【0082】
好ましい実施形態において、シリコーンヒドロゲル材料は、少なくとも約5重量%(好ましくは少なくとも約10重量%、より好ましくは少なくとも約15重量%、さらにより好ましくは少なくとも約20重量%、最も好ましくは少なくとも約25重量%)の第1のポリシロキサンビニル系架橋剤を含む。本発明のシリコーンヒドロゲル材料の成分のそれぞれの重量パーセントは、シリコーンヒドロゲル材料(又はコンタクトレンズ)を製造するための重合性組成物中のその相当する重合性成分(材料)の重量パーセントに基づいて得ることができることは理解される。
【0083】
本発明によると、埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのシリコーンヒドロゲル材料は、約20重量%~約70重量%(好ましくは約20重量%~約65重量%、より好ましくは約25重量%~約65重量%、さらにより好ましくは約30重量%~約60重量%)の平衡含水量(すなわち、完全に水和した状態又は完全に水和している時)、少なくとも約40barrer(好ましくは少なくとも約60barrer、より好ましくは少なくとも約80barrer、より好ましくは少なくとも約100barrer)の酸素透過率、及び約1.5MPa以下(好ましくは約0.2MPa~約1.2MPa、より好ましくは約0.3MPa~約1.1MPa、さらにより好ましくは約0.4MPa~約1.0MPa)の弾性率(すなわち、ヤング率)を有する。
【0084】
本発明によると、疎水性インサートは、それが5重量%未満の平衡水含有量を有し、且つ少なくとも40モル%の1つ又はそれ以上のアクリル系モノマー及び/又は1つ又はそれ以上のアクリル系架橋剤の繰り返し単位と、少なくとも約6モル%の少なくとも1つのビニル系架橋剤の繰り返し単位とを含む限り、いずれの架橋ポリマー材料からも製造可能である。埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの硬質疎水性インサートの架橋ポリマー系材料にH-結合アクセプター(エステル及び/又はアミド結合)を提供するためにアクリル系モノマー及び/又は架橋剤が必要とされることは理解される。
【0085】
本発明の硬質疎水性インサートを形成する際に、いずれの疎水性アクリル系モノマーも使用することができる。疎水性アクリル系モノマーの例としては、シリコーン含有アクリル系モノマー(本出願で上記されるもののいずれか1つ)、非シリコーン疎水性アクリル系モノマー(本出願で上記されるもののいずれか1つ)、フッ素含有アクリル系モノマー(本出願で上記されるもののいずれか1つ)、下記のアリールアクリル系モノマー及びそれらの組合せが含まれる。
【0086】
本発明の好ましい実施形態によると、硬質疎水性インサートの架橋ポリマー材料は、式(I)又は(II)
【化7】
{式中、A
1はH又はCH
3(好ましくはH)であり;B
1は(CH
2)
m1又は[O(CH
2)
2]
Z1(m1は2~6であり、且つz1は1~10である)であり;Y
1は、直接結合、O、S又はNR’[R’はH、CH
3、C
n’H
2n’+1(n’=1~10である)、イソ-OC
3H
7、C
6H
5又はCH
2C
6H
5である]であり;R
a、R
b、R
c、R
d、R
e、R
f、R
g、R
h及びR
iは、互いに独立して、H、C
1~C
12アルキル又はC
1~C
12アルコキシであり(好ましくは全てHであり);m1+w1≦8であることを条件として、w1は0~6であり;w2は1~3の整数であり;且つD
1はH、Cl、Br、C
1~C
4アルキル、C
1~C
4アルコキシ、C
6H
5又はCH
2C
6H
5である}のアリールビニル系モノマーを含む。
【0087】
式(I)のアリールアクリル系モノマーの例としては、限定されないが、2-エチルフェノキシアクリレート;2-エチルフェノキシメタクリレート;フェニルアクリレート;フェニルメタクリレート;ベンジルアクリレート;ベンジルメタクリレート;2-フェニルエチルアクリレート;2-フェニルエチルメタクリレート;3-フェニルプロピルアクリレート;3-フェニルプロピルメタクリレート;4-フェニルブチルアクリレート;4-フェニルブチルメタクリレート;4-メチルフェニルアクリレート;4-メチルフェニルメタクリレート;4-メチルベンジルアクリレート;4-メチルベンジルメタクリレート;2-(2-メチルフェニル)エチルアクリレート;2-(2-メチルフェニル)エチルメタクリレート;2-(3-メチルフェニル)エチルアクリレート;2-(3-メチルフェニル)エチルメタクリレート;2-(4-メチルフェニル)エチルアクリレート;2-(4-メチルフェニル)エチルメタクリレート;2-(4-プロピルフェニル)エチルアクリレート;2-(4-プロピルフェニル)エチルメタクリレート;2-(4-(1-メチルエチル)フェニル)エチルアクリレート;2-(4-(1-メチルエチル)フェニル)エチルメタクリレート;2-(4-メトキシフェニル)エチルアクリレート;2-(4-メトキシフェニル)エチルメタクリレート;2-(4-シクロヘキシルフェニル)エチルアクリレート;2-(4-シクロヘキシルフェニル)エチルメタクリレート;2-(2-クロロフェニル)エチルアクリレート;2-(2-クロロフェニル)エチルメタクリレート;2-(3-クロロフェニル)エチルアクリレート;2-(3-クロロフェニル)エチルメタクリレート;2-(4-クロロフェニル)エチルアクリレート;2-(4-クロロフェニル)エチルメタクリレート;2-(4-ブロモフェニル)エチルアクリレート;2-(4-ブロモフェニル)エチルメタクリレート;2-(3-フェニルフェニル)エチルアクリレート;2-(3-フェニルフェニル)エチルメタクリレート;2-(4-フェニルフェニル)エチルアクリレート;2-(4-フェニルフェニル)エチルメタクリレート;2-(4-ベンジルフェニル)エチルアクリレート;2-(4-ベンジルフェニル)エチルメタクリレート;2-(フェニルチオ)エチルアクリレート;2-(フェニルチオ)エチルメタクリレート;2-ベンジルオキシエチルアクリレート;3-ベンジルオキシプロピルアクリレート;2-ベンジルオキシエチルメタクリレート;3-ベンジルオキシプロピルメタクリレート;2-[2-(ベンジルオキシ)エトキシ]エチルアクリレート;2-[2-(ベンジルオキシ)エトキシ]エチルメタクリレート;又はそれらの組合せが含まれる。上記の列挙された式(I)のアリールアクリル系モノマーは、商業的供給源から得ることができるか、又は当該技術で既知の方法によって調製することができる。
【0088】
好ましい式(I)のアリールアクリル系モノマーは、B1がOCH2CH2、(OCH2CH2)2、(OCH2CH2)3又は(CH2)m1であり、m1が2~5であり、Y1が直接結合又はOであり、w1が0又は1であり、且つD1がHであるものである。2-フェニルエチルアクリレート;3-フェニルプロピルアクリレート;4-フェニルブチルアクリレート;5-フェニルペンチルアクリレート;2-ベンジルオキシエチルアクリレート;3-ベンジルオキシプロピルアクリレート;2-[2-(ベンジルオキシ)エトキシ]エチルアクリレート;及びそれらの相当するメタクリレートが最も好ましい。
【0089】
式(II)のアリールアクリル系モノマーは、単官能性ポリフェニルエーテル(すなわち、ヒドロキシル基、アミノ又はカルボキシル基などの1つの官能性基を有するもの)から調製することができる。一般に、単官能性OH末端ポリ(フェニルエーテル)は、当業者に既知のカップリング反応条件下で(メタ)アクリル酸誘導体(例えば、アクリロイルクロリド、メタクリロイルクロリド、メタクリル酸無水物又はイソシアネトアルキルアクリレート若しくはメタクリレート)と反応する。モノアミン及びモノカルボン酸末端ポリフェニルエーテルは、適切な(メタ)アクリル酸誘導体を使用して、同様の様式で官能化される。単官能基末端ポリフェニルエーテルは、文献に記載される手順によって調製することができる(J.Org.Chem.,1960,25(9),pp1590-1595)。式(II)のアリールアクリル系モノマーを調製するための実験手順は、米国特許第10064977号明細書で見ることができる。
【0090】
それがエステル結合、アミド結合、カーボネート結合、カルバメート塩結合、エーテル結合又はそれらの組合せなどの少なくとも1つのH-結合アクセプターを含む限り、いずれの疎水性ビニル系モノマーも疎水性アクリル系モノマーの代替物として使用することができることは理解される。そのような疎水性モノマーの例としては、ビニルアルカノエート(本出願で上記されるもののいずれか1つ)、ビニルオキシアルカン(本出願で上記されるもののいずれか1つ)及びそれらの組合せが含まれる。
【0091】
本発明のインサートの架橋ポリマー材料の成分のそれぞれのモルパーセントは、インサートを製造するための重合性組成物中のその相当する重合性成分(材料)のモルパーセントに基づいて得ることができることは理解される。
【0092】
本発明によると、硬質疎水性インサートの架橋ポリマー材料は、少なくとも1つのビニル系架橋剤の繰り返し単位を含む。いずれの適切なビニル系架橋剤も本発明で使用することができる。好ましいビニル系架橋剤の例としては、限定されないが、下記のアクリル系架橋剤(架橋剤)、アリルメタクリレート、アリルアクリレート、アリール架橋剤(例えば、ジビニルベンゼン、2-メチル-1,4-ジビニルベンゼン、ビス(4-ビニルフェニル)メタン、1,2-ビス(4-ビニルフェニル)エタンなど)又はそれらの組合せが含まれる。ビニル系架橋剤は、硬質疎水性インサートの架橋ポリマー材料に所望の剛性を与えるために必要とされることは理解される。
【0093】
アクリル系架橋剤の例としては、限定されないが、エチレングリコールジメタクリレート;エチレングリコールジアクリレート;1,3-プロパンジオールジアクリレート;1,3-プロパンジオールジメタクリレート;2,3-プロパンジオールジアクリレート;2,3-プロパンジオールジメタクリレート;1,4-ブタンジオールジメタクリレート;1,4-ブタンジオールジアクリレート;1,5-ペンタンジオールジメタクリレート;1,5-ペンタンジオールジアクリレート;1,6-ヘキサンジオールジメタクリレート;1,6-ヘキサンジオールジアクリレート;ジエチレングリコールジメタクリレート;ジエチレングリコールジアクリレート;トリエチレングリコールジメタクリレート;トリエチレングリコールジアクリレート;テトラエチレングリコールジメタクリレート;テトラエチレングリコールジアクリレート;N,N’-メチレンビス(アクリルアミド);N,N’-メチレンビス(メタクリルアミド);N,N’-エチレンビス(アクリルアミド);N,N’-エチレンビス(メタクリルアミド);N,N’-ヘキサメチレンビスアクリルアミド;N,N’-ヘキサメチレンビスメタクリルアミド;ペンタエリトリトールトリアクリレート;ペンタエリトリトールトリメタクリレート;トリメチロイルプロパントリアクリレート;トリメチロイルプロパントリメタクリレート;トリ(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート;トリ(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリメタクリレート;1,3,5-トリアクリルオキシルヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジン;1,3,5-トリメタクリルオキシルヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジン;ペンタエリトリトールテトラアクリレート;ペンタエリトリトールテトラメタクリレート;ジ(トリメチロイルプロパン)テトラアクリレート;ジ(トリメチロイルプロパン)テトラメタクリレート;アリルメタクリレート;アリルアクリレート;又はそれらの組合せが含まれる。
【0094】
好ましい実施形態において、硬質疎水性インサートの架橋ポリマー材料は、少なくとも1つのアクリル系架橋剤(上記されるもののいずれか1つ)の繰り返し単位を含む。
【0095】
別の好ましい実施形態において、硬質疎水性インサートの架橋ポリマー材料は、少なくとも1つのアリール架橋剤(上記されるもののいずれか1つ)の繰り返し単位を含む。
【0096】
別の好ましい実施形態において、硬質疎水性インサートの架橋ポリマー材料は、それぞれが1つのケイ素原子に直接結合した少なくとも2つのビニル基を含み、シロキサン単位の少なくとも15モル%が少なくとも1つのフェニル置換基を有する、少なくとも1つのビニル官能性ポリシロキサンの繰り返し単位を含む。
【0097】
そのようなビニル官能性ポリシロキサンの例としては、限定されないが、ビニル末端ポリフェニルメチルシロキサン(例えばGelestからのPMV9925)、ビニルフェニルメチル末端フェニルメチル-ビニルフェニルシロキサンコポリマー(例えばGelestからのPVV-3522)、ビニル末端ジフェニルシロキサン-ジメチルシロキサンコポリマー(例えばGelestからのPDV-1625)又はそれらの組合せが含まれる。好ましくは、ビニル官能性ポリシロキサンは、ビニル末端ポリフェニルメチルシロキサン(例えばGelestからのPMV9925)、ビニルフェニルメチル末端フェニルメチル-ビニルフェニルシロキサンコポリマー(例えばGelestからのPVV-3522)又はそれらの組合せである。
【0098】
硬質疎水性インサートは、好ましくは、当業者に周知の従来の注型成形法によって調製することができる。従来の注型成形法は、典型的に、重合性組成物を鋳型で硬化すること、鋳型を開放すること、成形されたインサートを鋳型から取り外すこと、成形されたインサートにポスト成形プロセス(例えば、抽出、表面処理など)を受けさせることを含む。
【0099】
硬質疎水性インサートを製造するための重合性組成物は、本出願で後述される非反応性有機溶媒(すなわち、非反応性希釈剤)の存在下、又は好ましくは不在下で、1つ又はそれ以上の重合開始剤と一緒に、所望の割合で上記の全ての重合性材料を混合することによって調製することができる。次いで、重合性組成物を所望の形状の鋳型に導入し、そして重合開始剤を活性化するために熱的に(すなわち、加熱することによって)又は光化学的に(すなわち、化学線、例えば、UV放射線及び/又は可視放射線によって)重合を実行する。
【0100】
本発明では、いずれの熱重合開始剤も使用することができる。適切な熱重合開始剤は、当業者に公知であり、例えばペルオキシド、ヒドロペルオキシド、アゾ-ビス(アルキル-又はシクロアルキルニトリル)、過硫酸塩、過炭酸塩又はそれらの混合物を含む。好ましい熱重合開始剤の例としては、限定されないが、ベンゾイルペルオキシド、t-ブチルペルオキシド、t-アミルペルオキシベンゾエート、2,2-ビス(tert-ブチルペルオキシ)ブタン、1,1-ビス(tert-ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、2,5-ビス(tert-ブチルペルオキシ)-2,5-ジメチルヘキサン、2,5-ビス(tert-ブチルペルオキシ)-2,5-ジメチル-3-ヘキシン、ビス(1-(tert-ブチルペルオキシ)-1-メチルエチル)ベンゼン、1,1-ビス(tert-ブチルペルオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、ジ-t-ブチル-ジペロキシフタレート、t-ブチルヒドロペルオキシド、t-ブチルペルアセテート、t-ブチルペルオキシベンゾエート、t-ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、アセチルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、デカノイルペルオキシド、ジセチルペルオキシジカーボネート、ジ(4-t-ブチルシクロヘキシル)ペルオキシジカーボネート(Perkadox 16S)、ジ(2-エチルヘキシル)ペルオキシジカーボネート、t-ブチルペルオキシピバレート(Lupersol 11);t-ブチルペルオキシ-2-エチルヘキサノエート(Trigonox 21-C50)、2,4-ペンタンジオンペルオキシド、ジクミルペルオキシド、過酢酸、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、2,2’-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)(VAZO33)、2,2’-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]二塩酸塩(VAZO44)、2,2’-アゾビス(2-アミジノプロパン)二塩酸塩(VAZO50)、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)(VAZO52)、2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)(VAZO64又はAIBN)、2,2’-アゾビス-2-メチルブチロニトリル(VAZO67)、1,1-アゾビス(1-シクロヘキサンカルボニトリル)(VAZO88);2,2’-アゾビス(2-シクロプロピルプロピオニトリル)、2,2’-アゾビス(メチルイソブチレート)、4,4’-アゾビス(4-シアノ吉草酸)、及びそれらの組合せが含まれる。好ましくは、熱開始剤は、2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN又はVAZO64)である。
【0101】
適切な光開始剤は、ベンゾインメチルエーテル、ジエトキシアセトフェノン、ベンゾイルホスフィンオキシド、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン並びにDarocur及びIrgacurタイプ、好ましくはDarocur 1173(登録商標)及びDarocur 2959(登録商標)、ゲルマニウム系のNorrish Type I光開始剤(例えば、米国特許第7,605,190号明細書に記載されているもの)である。ベンゾイルホスフィン開始剤の例としては、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド;ビス-(2,6-ジクロロベンゾイル)-4-N-プロピルフェニルホスフィンオキシド;及びビス-(2,6-ジクロロベンゾイル)-4-N-ブチルフェニルホスフィンオキシドが含まれる。例えば、マクロマーに組み込むことができる反応性光開始剤又は特殊なモノマーとして使用することができる反応性光開始剤も適している。反応性光開始剤の例は、欧州特許第632329号明細書に開示されているものである。
【0102】
インサートを製造するための重合性組成物を2段階で硬化することができることは理解される:フリーラジカル連鎖重合(すなわち、100℃以下の温度において100℃以下の10h半減期温度を有する熱開始剤によって開始されるか、又は光重合開始剤によって開始される)と、それに続く、ペルオキシド活性化硬化である。
【0103】
本発明のインサート材料が硬化したら、可能な限り多くの材料の未反応成分を除去するために(下記の)適切な溶媒中に抽出する。
【0104】
適切な溶媒の例としては、アセトン、メタノール、シクロヘキサン、テトラヒドロフラン、トリプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールn-ブチルエーテル、ケトン(例えば、アセトン、メチルエチルケトンなど)、ジエチレングリコールn-ブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールn-プロピルエーテル、ジプロピレングリコールn-プロピルエーテル、トリプロピレングリコールn-ブチルエーテル、プロピレングリコールn-ブチルエーテル、ジプロピレングリコールn-ブチルエーテル、トリプロピレングリコールn-ブチルエーテル、プロピレングリコールフェニルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸i-プロピル、塩化メチレン、2-ブタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、メントール、シクロヘキサノール、シクロペンタノール及びエキソノルボルネオール、2-ペンタノール、3-ペンタノール、2-ヘキサノール、3-ヘキサノール、3-メチル-2-ブタノール、2-ヘプタノール、2-オクタノール、2-ノナノール、2-デカノール、3-オクタノール、ノルボルネオール、tert-ブタノール、tert-アミルアルコール、2-メチル-2-ペンタノール、2,3-ジメチル-2-ブタノール、3-メチル-3-ペンタノール、1-メチルシクロヘキサノール、2-メチル-2-ヘキサノール、3,7-ジメチル-3-オクタノール、1-クロロ-2-メチル-2-プロパノール、2-メチル-2-ヘプタノール、2-メチル-2-オクタノール、2-2-メチル-2-ノナノール、2-メチル-2-デカノール、3-メチル-3-ヘキサノール、3-メチル-3-ヘプタノール、4-メチル-4-ヘプタノール、3-メチル-3-オクタノール、4-メチル-4-オクタノール、3-メチル-3-ノナノール、4-メチル-4-ノナノール、3-メチル-3-オクタノール、3-エチル-3-ヘキサノール、3-メチル-3-ヘプタノール、4-エチル-4-ヘプタノール、4-プロピル-4-ヘプタノール、4-イソプロピル-4-ヘプタノール、2,4-ジメチル-2-ペンタノール、1-メチルシクロペンタノール、1-エチルシクロペンタノール、1-エチルシクロペンタノール、3-ヒドロキシ-3-メチル-1-ブテン、4-ヒドロキシ-4-メチル-1-シクロペンタノール、2-フェニル-2-プロパノール、2-メトキシ-2-メチル-2-プロパノール、2,3,4-トリメチル-3-ペンタノール、3,7-ジメチル-3-オクタノール、2-フェニル-2-ブタノール、2-メチル-1-フェニル-2-プロパノール及び3-エチル-3-ペンタノール、1-エトキシ-2-プロパノール、1-メチル-2-プロパノール、t-アミルアルコール、イソプロパノール、1-メチル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルプロピオンアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルプロピオンアミド、N-メチルピロリドン、並びにこれらの混合物が含まれる。より好ましい有機溶媒としては、限定されないが、メタノール、エタノール、1-プロパノール、イソプロパノール、sec-ブタノール、tert-ブチルアルコール、tert-アミルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルプロピルケトン、酢酸エチル、ヘプタン、メチルヘキサン(種々の異性体)、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロペンタン(種々の異性体)、2,2,4-トリメチルペンタン及びその混合物が含まれる。
【0105】
本発明は、(1)(a)それぞれが1つのメチル置換基と、少なくとも1つのH-結合ドナー(好ましくはヒドロキシル基)を含む1つの有機基とを有する、親水化されたシロキサン単位を含む少なくとも1つの第1のポリシロキサンビニル系架橋剤、及び(b)少なくとも1つの親水性ビニル系モノマーを含み、前記少なくとも1つのH-結合ドナーの含有量が、前記少なくとも1つの第1のポリシロキサンビニル系架橋剤の分子量に対して少なくとも約0.8meq/g(好ましくは少なくとも約1.0meq/g、より好ましくは少なくとも約1.2meq/g、さらにより好ましくは少なくとも約1.4meq/g)である、シリコーン-ヒドロゲル-レンズ形成組成物(すなわち、シリコーンヒドロゲルレンズ配合物又はシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを形成するための重合性組成物)を得るステップと;(2)少なくとも約40モル%(好ましくは少なくとも約45モル%、より好ましくは少なくとも約50モル%、さらにより好ましくは少なくとも約55モル%)のアクリル系繰り返し単位を含む架橋ポリマー材料から構成される硬質疎水性インサートを得るステップと;(3)鋳型が密閉された時に第1及び第2の成形表面の間に鋳型キャビティが形成されるように互いを受け取るように構成される、第1の成形表面を有する雄型半分部及び第2の成形表面を有する雌型半分部を有するレンズ鋳型を得るステップと;(4)特に決まった順序ではなく、レンズ鋳型の明記された位置に上記の本発明のインサートを配置し、そしてレンズ鋳型中にシリコーン-ヒドロゲル-レンズ形成組成物を導入し、インサートをレンズ鋳型中のシリコーン-ヒドロゲル-レンズ形成組成物中に浸漬させるステップと;(5)レンズ鋳型中でシリコーン-ヒドロゲル-レンズ形成組成物を硬化させ、未加工の埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを形成するステップと;(6)未加工の埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズが、雄及び雌型半分部の一方であるレンズ接着型半分部上で接着された状態で、ステップ(5)で得られるレンズ鋳型を雄及び雌型半分部に分離するステップと;(7)未加工の埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズが水又はいずれかの液体と接触する前に、レンズ接着型半分部から未加工の埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを除去するステップと;(8)未加工の埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズに、水和プロセス、並びに抽出、表面処理、パッケージング、滅菌及びそれらの組合せからなる群から選択される1つ又はそれ以上の他のプロセスを含むポスト成形プロセスを受けさせるステップとを含む、埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの製造方法も提供する。
【0106】
第1のポリシロキサンビニル系架橋剤及び親水性ビニル系モノマーの好ましい実施形態を含む種々の実施形態が本出願において上記され、本発明の本態様において使用することができる。
【0107】
シリコーン-ヒドロゲル-レンズ形成組成物は、少なくとも1つのシリコーン含有ビニル系モノマー(本出願で上記されるもののいずれか1つ)、少なくとも1つの第2のポリシロキサンビニル系架橋剤(本出願で上記されるもののいずれか1つ)、少なくとも1つの疎水性非シリコーンビニル系モノマー(本出願で上記されるもののいずれか1つ)、少なくとも1つの非シリコーンビニル系架橋剤(本出願で上記されるもののいずれか1つ)、UV吸収ビニル系モノマー(本出願で上記されるもののいずれか1つ)、UV/HEVL吸収ビニル系モノマー(本出願で上記されるもののいずれか1つ)、重合性フォトクロミック化合物(本出願で上記されるもののいずれか1つ)、重合性着色剤(重合性染料)及びそれらの組合せからなる群から選択される1つ又はそれ以上の重合性成分(材料)をさらに含むことができる。
【0108】
シリコーン-ヒドロゲル-レンズ形成組成物は、例えば、当業者に既知のフリーラジカル開始剤(例えば、熱重合開始剤、光重合開始剤)(本出願で上記されるものなど)、抗微生物剤(例えば、好ましくは銀ナノ粒子)、生理活性剤、溶出性ポリマー湿潤剤(例えば、非重合性親水性ポリマーなど)、溶出性引裂安定化剤(例えば、リン脂質、モノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリド、糖脂質、グリセロ糖脂質、スフィンゴ脂質、スフィンゴ糖脂質など)、及びその混合物、などの当業者に既知の他の必要な成分も含むこともできる。
【0109】
シリコーン-ヒドロゲル-レンズ形成組成物(SiHyレンズ配合物)は、当業者に知られているように、全ての重合性成分(若しくは材料)と他の必要な成分(若しくは材料)とを混合することによって調製される無溶媒の透明な液体であることが可能であるか、或いは水と水混和性の1つ若しくはそれ以上の溶媒との混合物、有機溶媒又は1つ若しくはそれ以上の有機溶媒の混合物などのいずれかの適切な溶媒中に所望の成分(若しくは材料)の全てを溶解することによって調製される溶液であることが可能である。「溶媒」という用語は、フリーラジカル重合反応に関与することができない化学物質(本出願において上記された溶媒のいずれか)を指す。
【0110】
無溶媒のレンズSiHyレンズ配合物(シリコーン-ヒドロゲル-レンズ形成組成物)は、典型的には、無溶媒のSiHyレンズ配合物の他の全ての重合性成分を溶解するための反応性溶媒として少なくとも1つのブレンドビニル系モノマーを含む。好ましいブレンドビニル系モノマーの例は、本出願で後に記載されている。好ましくは、無溶媒のSiHyレンズ配合物の調製におけるブレンドビニル系モノマーとしてメチルメタクリレートが使用される。
【0111】
多数のSiHyレンズ配合物(シリコーン-ヒドロゲル-レンズ形成組成物)が、本出願の出願日までに公開された多数の特許及び特許出願に記載されており、市販のSiHyコンタクトレンズの製造において使用されてきた。市販のSiHyコンタクトレンズの例としては、限定されないが、アスモフィルコンA、バラフィルコンA、コンフィルコンA、デレフィルコンA、エフロフィルコンA、エンフィルコンA、ファンフィルコンA、ガリフィルコンA、ロトラフィルコンA、ロトラフィルコンB、ナラフィルコンA、ナラフィルコンB、セノフィルコンA、セノフィルコンB、セノフィルコンC、スマフィルコンA、ソモフィルコンA及びステンフィルコンAが含まれる。
【0112】
シリコーン-ヒドロゲル-レンズ形成組成物(SiHyレンズ配合物)は、いずれかの既知の技術による、全ての既知の成分(材料)、及び任意選択的に1つ又はそれ以上の有機溶媒(上記)の溶解/ブレンドによって調製することができる。
【0113】
SiHyコンタクトレンズなどのコンタクトレンズを製造するためのレンズ鋳型は当業者に周知であり、例えば注型成形又はスピンキャストに利用される。例えば、鋳型(注型成形用)は、通常、少なくとも2つの鋳型セクション(又は部分)又は鋳型半分部、すなわち、第1及び第2の鋳型半分部を含む。第1の鋳型半分部は、第1の成形(又は光学)表面を画定し、第2の鋳型半分部は、第2の成形(又は光学)表面を画定する。第1及び第2の鋳型半分部は、第1の成形表面と第2の成形表面との間にレンズ形成キャビティが形成されるように、互いを受け取るように構成される。鋳型半分部の成形表面は、鋳型のキャビティ形成表面であり、重合性組成物と直接接触する。
【0114】
コンタクトレンズを注型成形するための鋳型セクションを製造する方法は、一般的に当業者に周知である。本発明の方法は、鋳型を形成する特定の方法に限定されない。実際、本発明では、鋳型を形成するためのいずれの方法も使用することができる。第1及び第2の鋳型半分部は、射出成形又は旋盤などの様々な手法により成形することができる。鋳型半体を形成するための適切なプロセスの例は、米国特許第4444711号明細書;同第4460534号明細書;同第5843346号明細書;及び同第5894002号明細書に記載されている。
【0115】
コンタクトレンズを作製するための鋳型を製造するために、鋳型を製造するための当技術分野で知られている事実上全ての材料を使用することができる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、PMMA、Topas(登録商標)COCグレード8007-S10(Frankfurt,Germany及びSummit,New JerseyのTicona GmbHのエチレンとノルボルネンとの透明なアモルファスコポリマー)などのポリマー系材料を使用することができる。石英ガラス及びサファイアなど、UV光の透過を可能にする他の材料を使用することもできる。
【0116】
本発明によると、当業者に既知のいずれかの技術によって、インサートを鋳型中に配置し、そして鋳型によって形成されたキャビティ中にシリコーン-ヒドロゲル-レンズ形成組成物を導入する(分配する)ことができる。好ましい実施形態において、明記された位置において雌型半分部の成形表面上にインサートを配置し、次いで、分配デバイスによって、特定の量のシリコーン-ヒドロゲル-レンズ形成組成物を、その上にインサートがある雌型半分部に分配し、次いで、雄型半分部を配置し、そして鋳型を密閉する。鋳型が閉鎖すると、いずれの過剰量の未重合レンズ形成材料も雌型半分部上(又は雄型半分部上)に提供されたオーバフロー中に圧入され、そしてインサートは鋳型中でシリコーン-ヒドロゲル-レンズ形成組成物中に浸漬される。
【0117】
本発明のインサートを鋳型中に配置し、シリコーン-ヒドロゲル-レンズ形成組成物を鋳型中に投与した後、シリコーン-ヒドロゲル-レンズ形成組成物を含有する密閉鋳型を、その後、熱的に又は化学線的に(好ましくは熱的に開始される)硬化(すなわち、重合)し、未加工の埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを形成する。
【0118】
鋳型中のシリコーン-ヒドロゲル-レンズ形成組成物の化学線による重合は、当業者に既知のいずれかの技術によって、UV又は可視光によって、その中にシリコーン-ヒドロゲル-レンズ形成組成物を有する密閉鋳型を照射することによって実行することができる。
【0119】
鋳型中のシリコーン-ヒドロゲル-レンズ形成組成物の熱重合は、当業者に周知であるように、25~120℃、好ましくは40~100℃の温度でオーブン中で都合よく実行することができる。反応時間は広範囲の限度内で変更可能であるが、例えば1~24時間、又は好ましくは2~12時間が都合がよい。シリコーン-ヒドロゲル-レンズ形成組成物を事前に脱気し、不活性雰囲気下、例えばN2又はAr雰囲気下で前記共重合反応を実行することは有利である。
【0120】
好ましい実施形態において、オーブン中の鋳型中のシリコーン-ヒドロゲル-レンズ形成組成物が硬化し、未加工の埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズが形成された後、オーブンの温度を約105℃以上(好ましくは少なくとも約110℃、より好ましくは少なくとも約115℃、さらにより好ましくは少なくとも約120℃)のポスト硬化温度に増加させ、そしてオーブンを通過する窒素ガスのフロー速度を、第1のフロー速度の少なくとも約1.5倍(好ましくは少なくとも約2.0倍、より好ましくは少なくとも約3.0倍、さらにより好ましくは少なくとも約4.0倍)の第2のフロー速度まで増加させる。
【0121】
その中に未加工の埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを有するレンズ鋳型を、オーブン中、ポスト硬化温度において、第2のフロー速度においてオーブンを通過する窒素ガスフロー下、少なくとも約30分(好ましくは少なくとも約60分、より好ましくは少なくとも約90分、さらにより好ましくは少なくとも約120分)、ポスト硬化処理ステップを実行する。
【0122】
硬化ステップ及び任意選択的なポスト硬化ステップの後、鋳型を開放する(すなわち、未加工の埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズが雄及び雌型半分部の一方の上に付着している状態で雄型半分部を雌型半分部から切り離す)ステップ、並びにレンズを取り出す(すなわち、レンズが接着した型半分部から未加工の埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを取り外す)のステップが実行される。
【0123】
未加工の埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを取り出した後、それを当業者に周知である抽出媒体によって典型的に抽出する。抽出液体媒体は、未加工の埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ中の希釈剤、未重合の重合性材料及びオリゴマーを溶解することができる全ての溶媒である。水、当業者に既知のいずれの有機溶媒又はその混合物も本発明において使用することができる。好ましくは、抽出液体媒体に使用される有機溶媒は、水、緩衝食塩水、C1~C3アルキルアルコール、1,2-プロピレングリコール、約400ダルトン以下の数平均分子量を有するポリエチレングリコール、C1~C6アルキルアルコール又はそれらの組合せである。
【0124】
次いで、当業者に既知のいずれかの方法によって、抽出された埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを水和させることができる。
【0125】
水和された埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、例えば表面処理、当業者に周知であるパッケージング溶液を用いたレンズパッケージ中でのパッケージング、少なくとも約30分間、118~124℃のオートクレーブなどの滅菌などのさらなるプロセスをさらに受けさせることができる。
【0126】
レンズパッケージ(又は容器)は、ソフトコンタクトレンズをオートクレーブ処理及び保管するための当業者に周知である。本発明において、いずれのレンズパッケージも使用することができる。好ましくは、レンズパッケージは、ベースとカバーとを含むブリスターパッケージであり、カバーは、ベースに取り外し可能に密封され、ベースは、滅菌パッケージング溶液とコンタクトレンズとを受け入れるためのキャビティを含む。
【0127】
レンズは、個別のパッケージにパッケージングされ、密封され、使用者に分配される前に滅菌される(例えば、約120℃以上のオートクレーブにより、加圧下で少なくとも30分間)。当業者は、レンズパッケージの密封及び滅菌の方法をよく理解するであろう。
【0128】
本発明のこれらの2つの態様において、重合性組成物、シリコーン含有ビニル系モノマー、シリコーン含有ビニル系架橋剤、親水性ビニル系モノマー、非シリコーンビニル系架橋剤、疎水性ビニル系モノマー、UV/HEVL吸収ビニル系モノマー、ブレンドビニル系モノマー、インサート、RGPディスク、ポリマー系非反応性希釈剤、未加工の埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの水膨潤度、及び埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの平衡含水量の好ましい実施形態を含む全ての種々の実施形態を組み込むことができる。
【0129】
特定の用語、デバイス、及び方法を使用して本発明の種々の実施形態が記載されたが、そのような記載は、例証目的のみのためのものである。使用される用語は、限定する意味よりも、むしろ説明のための用語である。当業者に明らかなように、本開示の新規な概念の趣旨及び範囲から逸脱することなく、当業者によって本発明の多くの変形形態及び修正形態がなされ得る。加えて、以下に示すように、本発明の様々な実施形態の態様は、全体的又は部分的に交換され得るか、又はいずれかの様式で組み合わされ得、且つ/又は一緒に使用され得ることが理解されるべきである。
【0130】
1.シリコーンヒドロゲル材料と、その中に埋め込まれた疎水性インサートとを含む埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズであって、
疎水性インサートが、少なくとも約40モル%のアクリル繰り返し単位と、少なくとも約6モル%の少なくとも1つのビニル系架橋剤の繰り返し単位とを含む、架橋ポリマー材料から構成され、
シリコーンヒドロゲル材料が、(a)それぞれが1つのメチル置換基と、少なくとも1つのH-結合ドナーを含む1つの有機基とを有する、親水化されたシロキサン単位を含む少なくとも1つの第1のポリシロキサンビニル系架橋剤の繰り返し単位及び(b)少なくとも1つの親水性ビニル系モノマーの繰り返し単位を含み、前記少なくとも1つのH-結合ドナーの含有量が、前記少なくとも1つの第1のポリシロキサンビニル系架橋剤の分子量に対して少なくとも約0.8meq/gであり、且つ
埋込式シリコーンヒドロゲルが層間剥離の影響を受けにくい、埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【0131】
2.前記少なくとも1つの第1のポリシロキサンビニル系架橋剤が、それぞれが1つのメチル置換基と、少なくとも1つのヒドロキシル基を含む1つの有機基とを有する、親水化されたシロキサン単位を含む、実施形態1の埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【0132】
3.前記少なくとも1つのH-結合ドナーの含有量が、前記少なくとも1つの第1のポリシロキサンビニル系架橋剤の分子量に対して少なくとも約1.0meq/gである、実施形態1又は2の埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【0133】
4.前記少なくとも1つのH-結合ドナーの含有量が、前記少なくとも1つの第1のポリシロキサンビニル系架橋剤の分子量に対して少なくとも約1.2meq/gである、実施形態1又は2の埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【0134】
5.前記少なくとも1つのH-結合ドナーの含有量が、前記少なくとも1つの第1のポリシロキサンビニル系架橋剤の分子量に対して少なくとも約1.4meq/gである、実施形態1又は2の埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【0135】
6.前記少なくとも1つの第1のポリシロキサンビニル系架橋剤が、ジメチルシロキサン単位、及びそれぞれが1つのメチル置換基と、2~6つのヒドロキシル基を有する1つの一価C4~C40有機基とを有する親水化されたシロキサン単位を有する、ジ-(メタ)アクリロイルオキシ末端ポリシロキサンビニル系架橋剤を含む、実施形態1~5のいずれか1つの埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【0136】
7.前記少なくとも1つの第1のポリシロキサンビニル系架橋剤が、式(G)
【化8】
(式中、
d2/d1が約0.035~約0.15であることを条件として、d1は30~500の整数であり、且つd2は1~75の整数であり;
X
01はO又はNR
INであり、R
INは水素又はC
1~C
10-アルキルであり;
R
I0は、水素又はメチルであり;
R
I1及びR
I2は、互いに独立して、置換若しくは無置換C
1~C
10アルキレン二価ラジカルであるか、又は-R
I4-O-R
I5-の二価ラジカルであり、R
I4及びR
I5は、互いに独立して、置換若しくは無置換C
1~C
10アルキレン二価ラジカルであり;
R
I3は、式(G-1)~(G-5)
【化9】
のいずれか1つの一価の基であり、
k1は、ゼロ又は1であり;m1は、2~4の整数であり;m2は、1~5の整数であり;m3は、3~6の整数であり;m4は、2~5の整数であり;
R
I6は、水素又はメチルであり;
R
I7は、(m2+1)の価数を有するC
2~C
6炭化水素基であり;
R
I8は、(m4+1)の価数を有するC
2~C
6炭化水素基であり;
R
I9は、エチル又はヒドロキシメチルであり;
R
I10は、メチル又はヒドロメチルであり;
R
I11は、ヒドロキシル又はメトキシであり;
X
I1は、-S-の硫黄結合又は-NR
I12-の三級アミノ結合であり、R
I12は、C
1~C
1アルキル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル又は2,3-ジヒドロキシプロピルであり;
X
I2は、
【化10】
のアミド結合であり、R
I13は、水素又はC
1~C
10アルキルである)
のビニル系架橋剤を含む、実施形態1~5のいずれか1つの埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【0137】
8.式(G)中、d2/d1が約0.040~約0.12である、実施形態7の埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【0138】
9.式(G)中、d2/d1が約0.045~約0.10である、実施形態7の埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【0139】
10.式(G)中、RI3が式(G-1)の一価の基である、実施形態7~9のいずれか1つの埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【0140】
11.式(G)中、RI3が式(G-2)の一価の基である、実施形態7~9のいずれか1つの埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【0141】
12.式(G)中、RI3が式(G-3)の一価の基である、実施形態7~9のいずれか1つの埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【0142】
13.式(G)中、RI3が式(G-4)の一価の基である、実施形態7~9のいずれか1つの埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【0143】
14.式(G)中、RI3が式(G-5)の一価の基である、実施形態7~9のいずれか1つの埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【0144】
15.前記少なくとも1つの親水性ビニル系モノマーが、(1)(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N-エチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド、N-プロピル(メタ)アクリルアミド、N-イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N-3-メトキシプロピル(メタ)アクリルアミド及びそれらの組合せからなる群から選択されるアルキル(メタ)アクリルアミド;(2)N-2-ヒドロキシルエチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ビス(ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N-3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N-2,3-ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N-トリ(ヒドロキシメチル)メチル(メタ)アクリルアミド、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセロールメタクリレート(GMA)、ジ(エチレングリコール)(メタ)アクリレート、トリ(エチレングリコール)(メタ)アクリレート、テトラ(エチレングリコール)(メタ)アクリレート、最大1500の数平均分子量を有するポリ(エチレングリコール)(メタ)アクリレート、最大1500の数平均分子量を有するポリ(エチレングリコール)エチル(メタ)アクリルアミド及びそれらの組合せからなる群から選択されるヒドロキシル含有アクリル系モノマー;(3)2-(メタ)アクリルアミドグリコール酸、(メタ)アクリル酸、エチルアクリル酸、3-(メタ)アクリルアミドプロピオン酸、5-(メタ)アクリルアミドペンタン酸、4-(メタ)アクリルアミドブタン酸、3-(メタ)アクリルアミド-2-メチルブタン酸、3-(メタ)アクリルアミド-3-メチルブタン酸、2-(メタ)アクリルアミド-2-メチル-3,3-ジメチルブタン酸、3-(メタ)アクリルアミドヘキサン酸、4-(メタ)アクリルアミド-3,3-ジメチルヘキサン酸及びそれらの組合せからなる群から選択されるカルボキシル含有アクリル系モノマー;(4)N-2-アミノエチル(メタ)アクリルアミド、N-2-メチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N-2-エチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N-2-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N-3-アミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N-3-メチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N-3ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、2-アミノエチル(メタ)アクリレート、2-メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2-エチルアミノエチル(メタ)アクリレート、3-アミノプロピル(メタ)アクリレート、3-メチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、3-エチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、3-アミノ-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、トリメチルアンモニウム2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートヒドロクロリド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート及びそれらの組合せからなる群から選択されるアミノ含有アクリル系モノマー;(5)N-ビニルピロリドン(別名、N-ビニル-2-ピロリドン)、N-ビニル-3-メチル-2-ピロリドン、N-ビニル-4-メチル-2-ピロリドン、N-ビニル-5-メチル-2-ピロリドン、N-ビニル-6-メチル-2-ピロリドン、N-ビニル-3-エチル-2-ピロリドン、N-ビニル-4,5-ジメチル-2-ピロリドン、N-ビニル-5,5-ジメチル-2-ピロリドン、N-ビニル-3,3,5-トリメチル-2-ピロリドン、N-ビニルピペリドン(別名、N-ビニル-2-ピペリドン)、N-ビニル-3-メチル-2-ピペリドン、N-ビニル-4-メチル-2-ピペリドン、N-ビニル-5-メチル-2-ピペリドン、N-ビニル-6-メチル-2-ピペリドン、N-ビニル-6-エチル-2-ピペリドン、N-ビニル-3,5-ジメチル-2-ピペリドン、N-ビニル-4,4-ジメチル-2-ピペリドン、N-ビニルカプロラクタム(別名、N-ビニル-2-カプロラクタム)、N-ビニル-3-メチル-2-カプロラクタム、N-ビニル-4-メチル-2-カプロラクタム、N-ビニル-7-メチル-2-カプロラクタム、N-ビニル-7-エチル-2-カプロラクタム、N-ビニル-3,5-ジメチル-2-カプロラクタム、N-ビニル-4,6-ジメチル-2-カプロラクタム、N-ビニル-3,5,7-トリメチル-2-カプロラクタム、N-ビニル-N-メチルアセトアミド、N-ビニルホルムアミド、N-ビニルアセトアミド、N-ビニルイソプロピルアミド、N-ビニル-N-エチルアセトアミド、N-ビニル-N-エチルホルムアミド及びそれらの組合せからなる群から選択されるN-ビニルアミドモノマー;(6)1-メチル-3-メチレン-2-ピロリドン、1-エチル-3-メチレン-2-ピロリドン、1-メチル-5-メチレン-2-ピロリドン、1-エチル-5-メチレン-2-ピロリドン、5-メチル-3-メチレン-2-ピロリドン、5-エチル-3-メチレン-2-ピロリドン、1-n-プロピル-3-メチレン-2-ピロリドン、1-n-プロピル-5-メチレン-2-ピロリドン、1-イソプロピル-3-メチレン-2-ピロリドン、1-イソプロピル-5-メチレン-2-ピロリドン、1-n-ブチル-3-メチレン-2-ピロリドン、1-tert-ブチル-3-メチレン-2-ピロリドン及びそれらの組合せからなる群から選択されるメチレン含有ピロリドンモノマー;(7)C1~C4アルコキシエトキシ基を有し、且つエチレングリコールメチルエーテル(メタ)アクリレート、ジ(エチレングリコール)メチルエーテル(メタ)アクリレート、トリ(エチレングリコール)メチルエーテル(メタ)アクリレート、テトラ(エチレングリコール)メチルエーテル(メタ)アクリレート、最大1500の数平均分子量を有するC1~C4-アルコキシポリ(エチレングリコール)(メタ)アクリレート、最大1500の数平均分子量を有するメトキシ-ポリ(エチレングリコール)エチル(メタ)アクリルアミド及びそれらの組合せからなる群から選択されるアクリル系モノマー;(8)エチレングリコールモノビニルエーテル、ジ(エチレングリコール)モノビニルエーテル、トリ(エチレングリコール)モノビニルエーテル、テトラ(エチレングリコール)モノビニルエーテル、ポリ(エチレングリコール)モノビニルエーテル、エチレングリコールメチルビニルエーテル、ジ(エチレングリコール)メチルビニルエーテル、トリ(エチレングリコール)メチルビニルエーテル、テトラ(エチレングリコール)メチルビニルエーテル、ポリ(エチレングリコール)メチルビニルエーテル及びそれらの組合せからなる群から選択されるビニルエーテルモノマー;(9)エチレングリコールモノアリルエーテル、ジ(エチレングリコール)モノアリルエーテル、トリ(エチレングリコール)モノアリルエーテル、テトラ(エチレングリコール)モノアリルエーテル、ポリ(エチレングリコール)モノアリルエーテル、エチレングリコールメチルアリルエーテル、ジ(エチレングリコール)メチルアリルエーテル、トリ(エチレングリコール)メチルアリルエーテル、テトラ(エチレングリコール)メチルアリルエーテル、ポリ(エチレングリコール)メチルアリルエーテル及びそれらの組合せからなる群から選択されるアリルエーテルモノマー;(10)(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、(メタ)アクリロイルオキシプロピルホスホリルコリン、4-((メタ)アクリロイルオキシ)ブチル-2’-(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2-[(メタ)アクリロイルアミノ]エチル-2’-(トリメチルアンモニオ)-エチルホスフェート、3-[(メタ)アクリロイルアミノ]プロピル-2’-(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、4-[(メタ)アクリロイルアミノ]ブチル-2’-(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、5-((メタ)アクリロイルオキシ)ペンチル-2’-(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、6-((メタ)アクリロイルオキシ)ヘキシル-2’-(トリメチルアンモニオ)-エチルホスフェート、2-((メタ)アクリロイルオキシ)エチル-2’-(トリエチルアンモニオ)エチルホスフェート、2-((メタ)アクリロイルオキシ)エチル-2’-(トリプロピルアンモニオ)エチルホスフェート、2-((メタ)アクリロイルオキシ)エチル-2’-(トリブチルアンモニオ)エチルホスフェート、2-((メタ)アクリロイルオキシ)プロピル-2’-(トリメチルアンモニオ)-エチルホスフェート、2-((メタ)アクリロイルオキシ)ブチル-2’-(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2-((メタ)アクリロイルオキシ)ペンチル-2’-(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2-((メタ)アクリロイルオキシ)ヘキシル-2’-(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2-(ビニルオキシ)エチル-2’-(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2-(アリルオキシ)エチル-2’-(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2-(ビニルオキシカルボニル)エチル-2’-(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2-(アリルオキシカルボニル)エチル-2’-(トリメチルアンモニオ)-エチルホスフェート、2-(ビニルカルボニルアミノ)エチル-2’-(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2-(アリルオキシカルボニルアミノ)エチル-2’-(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2-(ブテノイルオキシ)エチル-2’-(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート及びそれらの組合せからなる群から選択されるホスホリルコリン含有ビニル系モノマー;(11)アリルアルコール;(12)N-2-ヒドロキシエチルビニルカルバメート;(13)N-カルボキシビニル-β-アラニン(VINAL);(14)N-カルボキシビニル-α-アラニン;(15)或いはそれらの組合せを含む、実施形態1~14のいずれか1つの埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【0145】
16.前記少なくとも1つの親水性ビニル系モノマーが、N-ビニルピロリドン、N-ビニル-N-メチルアセトアミド又はそれらの組合せを含む、実施形態1~15のいずれか1つの埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【0146】
17.前記少なくとも1つの親水性ビニル系モノマーが、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミドを含む、実施形態1~16のいずれか1つの埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【0147】
18.前記少なくとも1つの親水性ビニル系モノマーが、N-2-ヒドロキシルエチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ビス(ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N-3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N-2,3-ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N-トリス(ヒドロキシメチル)メチル(メタ)アクリルアミド、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセロールメタクリレート(GMA)、ジ(エチレングリコール)(メタ)アクリレート、トリ(エチレングリコール)(メタ)アクリレート、テトラ(エチレングリコール)(メタ)アクリレート、最大1500の数平均分子量を有するポリ(エチレングリコール)(メタ)アクリレート、最大1500の数平均分子量を有するポリ(エチレングリコール)エチル(メタ)アクリルアミド又はそれらの組合せを含む、実施形態1~17のいずれか1つの埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【0148】
19.シリコーンヒドロゲル材料が、ビス(トリアルキルシリルオキシ)アルキルシリル基を有するビニル系モノマー、トリス(トリアルキルシリルオキシ)シリル基を有するビニル系モノマー、ポリシロキサンビニル系モノマー、3-メタクリロキシプロピルペンタメチルジシロキサン、t-ブチルジメチル-シロキシエチルビニルカーボネート、トリメチルシリルエチルビニルカーボネート、トリメチルシリルメチルビニルカーボネート及びそれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1つのシリコーン含有ビニル系モノマーの繰り返し単位を含む、実施形態1~18のいずれか1つの埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【0149】
20.シリコーンヒドロゲル材料が、式(M1)又は(M2)
【化11】
(式中、a
M1はゼロ又は1であり;R
M0はH又はメチルであり;X
M0はO又はNR
M1であり;L
M1はC
2~C
8アルキレン二価基であるか、又は
【化12】
の二価基であり;L
M1’は、0又は1つのヒドロキシル基を有するC
2~C
8アルキレン二価基であり;L
M1”は、0又は1つのヒドロキシル基を有するC
3~C
8アルキレン二価基であり;X
M1は、O、NR
M1、NHCOO、OCONH、CONR
M1又はNR
M1COであり;R
M1は、Hであるか、又は0~2つのヒドロキシル基を有するC
1~C
4アルキルであり;R
t1及びR
t2は、互いに独立して、C
1~C
6アルキルであり;X
M1’は、O又はNR
1であり;v1は、1~30の整数であり;m2は、0~30の整数であり;n1は、3~40の整数であり;r1は、2又は3の整数である)
の少なくとも1つのシリコーン含有ビニル系モノマーの繰り返し単位を含む、実施形態1~18のいずれか1つの埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【0150】
21.シリコーンヒドロゲル材料が、トリス(トリメチルシリルオキシ)シリルプロピル(メタ)アクリレート、[3-(メタ)アクリルオキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシ]プロピルビス(トリメチルシロキシ)メチルシラン、[3-(メタ)アクリルオキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシ]プロピルビス(トリメチルシロキシ)ブチルシラン、3-(メタ)アクリルオキシ-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-プロピルオキシ)プロピルビス(トリメチルシロキシ)メチルシラン、3-(メタ)アクリルオキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシ)プロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン、N-[トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピル]-(メタ)アクリルアミド、N-(2-ヒドロキシ-3-(3-(ビス(トリメチルシリルオキシ)メチルシリル)プロピルオキシ)プロピル)-2-メチル(メタ)アクリルアミド、N-(2-ヒドロキシ-3-(3-(ビス(トリメチルシリルオキシ)メチルシリル)プロピルオキシ)-プロピル)(メタ)アクリルアミド、N-(2-ヒドロキシ-3-(3-(トリス(トリメチルシリルオキシ)シリル)プロピルオキシ)プロピル)-2-メチルアクリルアミド、N-(2-ヒドロキシ-3-(3-(トリス(トリメチルシリルオキシ)シリル)プロピルオキシ)プロピル)(メタ)アクリルアミド、N-[トリス(ジメチルプロピルシロキシ)シリルプロピル]-(メタ)アクリルアミド、N-[トリス(ジメチルフェニルシロキシ)シリルプロピル](メタ)アクリルアミド、N-[トリス(ジメチルエチルシロキシ)-シリルプロピル](メタ)アクリルアミド、N,N-ビス[2-ヒドロキシ-3-(3-(ビス(トリメチルシリルオキシ)メチルシリル)-プロピルオキシ)プロピル]-2-メチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ビス[2-ヒドロキシ-3-(3-(ビス(トリメチルシリルオキシ)メチルシリル)プロピルオキシ)プロピル](メタ)アクリルアミド、N,N-ビス[2-ヒドロキシ-3-(3-(トリス(トリメチルシリルオキシ)シリル)プロピルオキシ)プロピル]-2-メチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ビス[2-ヒドロキシ-3-(3-(トリス(トリメチルシリルオキシ)シリル)プロピルオキシ)プロピル](メタ)アクリルアミド、N-[2-ヒドロキシ-3-(3-(t-ブチルジメチルシリル)プロピルオキシ)プロピル]-2-メチル(メタ)アクリルアミド、N-[2-ヒドロキシ-3-(3-(t-ブチルジメチルシリル)プロピルオキシ)プロピル](メタ)アクリルアミド、N,N-ビス[2-ヒドロキシ-3-(3-(t-ブチルジメチルシリル)プロピルオキシ)プロピル]-2-メチル(メタ)アクリルアミド、N-2-(メタ)アクリルオキシエチル-O-(メチル-ビス-トリメチルシロキシ-3-プロピル)シリルカルバメート、3-(トリメチルシリル)プロピルビニルカーボネート、3-(ビニルオキシカルボニルチオ)プロピル-トリス(トリメチル-シロキシ)シラン、3-[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピルビニルカルバメート、3-[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピルアリルカルバメート、3-[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピルビニルカーボネート又はそれらの組合せを含む、実施形態1~18のいずれか1つの埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【0151】
22.シリコーンヒドロゲル材料が、α-(メタ)アクリルオキシプロピル末端ω-C1~C4-アルキル末端ポリジメチルシロキサン、α-(メタ)アクリルオキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシプロピル末端ω-C1~C4-アルキル末端ポリジメチルシロキサン、α-(2-ヒドロキシル-メタクリロキシプロピルオキシプロピル)-ω-C1~C4-アルキル-デカメチルペンタシロキサン、α-[3-(メタ)アクリルオキシエトキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシプロピル]-末端ω-C1~C4-アルキル末端ポリジメチルシロキサン、α-[3-(メタ)アクリルオキシ-プロピルオキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシプロピル]-末端ω-C1~C4-アルキル末端ポリジメチルシロキサン、α-[3-(メタ)アクリルオキシイソプロピルオキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシプロピル]-末端ω-C1~C4-アルキル末端ポリジメチルシロキサン、α-[3-(メタ)アクリルオキシブチルオキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシプロピル]-末端ω-C1~C4-アルキル末端ポリジメチルシロキサン、α-[3-(メタ)アクリルオキシエチルアミノ-2-ヒドロキシプロピルオキシプロピル]-末端ω-C1~C4-アルキル末端ポリジメチルシロキサン、α-[3-(メタ)アクリルオキシプロピルアミノ-2-ヒドロキシプロピルオキシプロピル]-末端ω-C1~C4-アルキル末端ポリジメチルシロキサン、α-[3-(メタ)アクリロキシ-ブチルアミノ-2-ヒドロキシプロピルオキシプロピル]-末端ω-C1~C4-アルキル末端ポリジメチルシロキサン、α-(メタ)アクリロキシ(ポリエチレンオキシ)-2-ヒドロキシプロピルオキシプロピル]-末端ω-C1~C4-アルキル末端ポリジメチルシロキサン、α-[(メタ)アクリルオキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシ-エトキシプロピル]-末端ω-C1~C4-アルキル末端ポリジメチルシロキサン、α-[(メタ)アクリルオキシ-2-ヒドロキシプロピル-N-エチルアミノプロピル]-末端ω-C1~C4-アルキル末端ポリジメチルシロキサン、α-[(メタ)アクリルオキシ-2-ヒドロキシプロピル-アミノプロピル]-末端ω-C1~C4-アルキル末端ポリジメチルシロキサン、α-[(メタ)アクリロキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシ-(ポリエチレンオキシ)プロピル]-末端ω-C1~C4-アルキル末端ポリジメチルシロキサン、α-(メタ)アクリロイルアミドプロピルオキシプロピル末端ω-C1~C4-アルキル末端ポリジメチルシロキサン、α-N-メチル-(メタ)アクリロイルアミドプロピルオキシプロピル末端ω-C1~C4-アルキル末端ポリジメチルシロキサン、α-[3-(メタ)アクリルアミドエトキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシ-プロピル]-末端ω-C1~C4-アルキルポリジメチルシロキサン、α-[3-(メタ)アクリルアミドプロピルオキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシプロピル]-末端ω-C1~C4-アルキル末端ポリジメチルシロキサン、α-[3-(メタ)アクリルアミドイソプロピルオキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシプロピル]-末端ω-C1~C4-アルキル末端ポリジメチルシロキサン、α-[3-(メタ)アクリルアミドブチルオキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシプロピル]-末端ω-C1~C4-アルキル末端ポリジメチルシロキサン、α-[3-(メタ)アクリロイルアミド-2-ヒドロキシプロピルオキシプロピル]-末端ω-C1~C4-アルキルポリジメチルシロキサン、α-[3-[N-メチル-(メタ)アクリロイルアミド]-2-ヒドロキシプロピルオキシプロピル]-末端ω-C1~C4-アルキル末端ポリジメチルシロキサン、N-メチル-N’-(プロピルテトラ(ジメチルシロキシ)ジメチルブチルシラン)(メタ)アクリルアミド、N-(2,3-ジヒドロキシプロパン)-N’-(プロピルテトラ(ジメチルシロキシ)ジメチルブチルシラン)(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルアミドプロピルテトラ(ジメチルシロキシ)ジメチルブチルシラン、α-ビニルカーボネート-末端ω-C1~C4-アルキル末端ポリジメチルシロキサン、α-ビニルカルバメート末端ω-C1~C4-アルキル末端ポリジメチルシロキサン又はこれらの混合物を含む、実施形態1~21のいずれか1つの埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【0152】
23.シリコーンヒドロゲル材料が、少なくとも1つの第2のポリシロキサンビニル系架橋剤の繰り返し単位を含む、実施形態1~22のいずれか1つの埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【0153】
24.前記少なくとも1つの第2のポリシロキサンビニル系架橋剤が、ジ-(メタ)アクリロイル末端ポリジメチルシロキサン、ジビニルカーボネート末端ポリジメチルシロキサン、ジビニルカルバメート末端ポリジメチルシロキサン;N,N,N’,N’-テトラキス(3-メタクリロキシ-2-ヒドロキシプロピル)-アルファ,オメガ-ビス-3-アミノプロピル-ポリジメチルシロキサン又はそれらの組合せを含む、実施形態23の埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【0154】
25.前記少なくとも1つの第2のポリシロキサンビニル系架橋剤が、(1)1つの単独のポリジオルガノシロキサンセグメントと、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリロイルアミノ基、ビニルカーボネート基、ビニルカルバメート基からなる群から選択される2つの末端エチレン系不飽和基とを含むビニル系架橋剤;並びに/或いは(2)少なくとも2つのポリジオルガノシロキサンセグメント、及びポリジオルガノシロキサンセグメントと、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリロイルアミノ基、ビニルカーボネート基、ビニルカルバメート基からなる群から選択される2つの末端エチレン系不飽和基とのそれぞれの対の間の共有結合リンカーを含む鎖延長ポリシロキサンビニル系架橋剤を含む、実施形態23の埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【0155】
26.前記少なくとも1つの第2のポリシロキサンビニル系架橋剤が、α,ω-ビス[3-(メタ)アクリルアミドプロピル]-末端ポリジメチルシロキサン、α,ω-ビス[3-(メタ)アクリルオキシプロピル]-末端ポリジメチルシロキサン、α,ω-ビス[3-(メタ)アクリルオキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシプロピル]-末端ポリジメチルシロキサン、α,ω-ビス[3-(メタ)アクリルオキシエトキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシプロピル]-末端ポリジメチルシロキサン、α,ω-ビス[3-(メタ)アクリルオキシプロピルオキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシプロピル]-末端ポリジメチルシロキサン、α,ω-ビス[3-(メタ)アクリルオキシ-イソプロピルオキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシプロピル]-末端ポリジメチルシロキサン、α,ω-ビス[3-(メタ)アクリルオキシブチルオキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシプロピル]-末端ポリジメチルシロキサン、α,ω-ビス[3-(メタ)アクリルアミドエトキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシプロピル]-末端ポリジメチルシロキサン、α,ω-ビス[3-(メタ)アクリルアミドプロピルオキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシプロピル]-末端ポリジメチルシロキサン、α,ω-ビス[3-(メタ)アクリルアミドイソプロピルオキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシプロピル]-末端ポリジメチルシロキサン、α,ω-ビス[3-(メタ)アクリルアミドブチルオキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシプロピル]-末端ポリジメチルシロキサン、α,ω-ビス[3-(メタ)アクリルオキシエチルアミノ-2-ヒドロキシプロピルオキシプロピル]-末端ポリジメチルシロキサン、α,ω-ビス[3-(メタ)アクリルオキシプロピルアミノ-2-ヒドロキシプロピルオキシプロピル]-末端ポリジメチルシロキサン、α,ω-ビス[3-(メタ)アクリルオキシブチルアミノ-2-ヒドロキシプロピルオキシプロピル]-末端ポリジメチルシロキサン、α,ω-ビス[(メタ)アクリルアミドエチルアミノ-2-ヒドロキシプロピルオキシ-プロピル]-末端ポリジメチルシロキサン、α,ω-ビス[3-(メタ)アクリルアミドプロピルアミノ-2-ヒドロキシプロピルオキシプロピル]-末端ポリジメチルシロキサン、α,ω-ビス[3-(メタ)アクリルアミド-ブチルアミノ-2-ヒドロキシプロピルオキシプロピル]-末端ポリジメチルシロキサン、α,ω-ビス[(メタ)アクリルオキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシ-エトキシプロピル]-末端ポリジメチルシロキサン、α,ω-ビス[(メタ)アクリルオキシ-2-ヒドロキシプロピル-N-エチルアミノプロピル]-末端ポリジメチルシロキサン、α,ω-ビス[(メタ)アクリルオキシ-2-ヒドロキシプロピル-アミノプロピル]-ポリジメチルシロキサン、α,ω-ビス[(メタ)アクリルオキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシ-(ポリエチレンオキシ)プロピル]-末端ポリジメチルシロキサン、α,ω-ビス[(メタ)アクリルオキシエチルアミノ-カルボニルオキシ-エトキシプロピル]-末端ポリジメチルシロキサン、α,ω-ビス[(メタ)アクリルオキシエチルアミノ-カルボニルオキシ-(ポリエチレンオキシ)プロピル]-末端ポリジメチルシロキサン又はこれらの組合せを含む、実施形態23の埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【0156】
27.シリコーンヒドロゲル材料が、少なくとも1つの非シリコーン系ビニル系架橋剤の繰り返し単位を含む、実施形態1~26のいずれか1つの埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【0157】
28.前記少なくとも1つの非シリコーン系ビニル系架橋剤が、エチレングリコールジ-(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ-(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ-(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ-(メタ)アクリレート、グリセロールジ-(メタ)アクリレート、1,3-プロパンジオールジ-(メタ)アクリレート、1,3-ブタンジオールジ-(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ-(メタ)アクリレート、グリセロール1,3-ジグリセロレートジ-(メタ)アクリレート、エチレンビス[オキシ(2-ヒドロキシプロパン-1,3-ジイル)]ジ-(メタ)アクリレート、ビス[2-(メタ)アクリルオキシエチル]ホスフェート、トリメチロールプロパンジ-(メタ)アクリレート及び3,4-ビス[(メタ)アクリロイル]テトラヒドロフラン、ジアクリルアミド、ジメタクリルアミド、N,N-ジ(メタ)アクリロイル-N-メチルアミン、N,N-ジ(メタ)アクリロイル-N-エチルアミン、N,N’-メチレンビス(メタ)アクリルアミド、N,N’-エチレンビス(メタ)アクリルアミド、N,N’-ジヒドロキシエチレンビス(メタ)アクリルアミド、N,N’-プロピレンビス(メタ)アクリルアミド、N,N’-2-ヒドロキシプロピレンビス(メタ)アクリルアミド、N,N’-2,3-ジヒドロキシブチレンビス(メタ)アクリルアミド、1,3-ビス(メタ)アクリルアミドプロパン-2-イルリン酸二水素塩、ピペラジンジアクリルアミド、テトラエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、トリメチロプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ビスフェノールAジメタクリレート、アリルメタクリレート、アリルアクリレート、N-アリル-メタアクリルアミド、N-アリル-アクリルアミド又はそれらの組合せを含む、実施形態27の埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【0158】
29.シリコーンヒドロゲル材料が、少なくとも1つのブレンドビニル系モノマーの繰り返し単位を含む、実施形態1~28のいずれか1つの埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【0159】
30.前記少なくとも1つのブレンドビニル系モノマーが、C1~C10アルキル(メタ)アクリレート、シクロペンチルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、スチレン、4,6-トリメチルスチレン(TMS)、t-ブチルスチレン(TBS)、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、ヘキサフルオロ-イソプロピル(メタ)アクリレート、ヘキサフルオロブチル(メタ)アクリレート又はそれらの組合せを含む、実施形態29の埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【0160】
31.シリコーンヒドロゲル材料が、UV吸収ビニル系モノマー、UV/HEVL吸収ビニル系モノマー、フォトクロミックビニル系モノマー、重合性染料及びそれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1つの重合性材料の繰り返し単位を含む、実施形態1~30のいずれか1つの埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【0161】
32.シリコーンヒドロゲル材料が、少なくとも約5重量%の第1のポリシロキサンビニル系架橋剤を含む、実施形態1~31のいずれか1つの埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【0162】
33.シリコーンヒドロゲル材料が、少なくとも約10重量%の第1のポリシロキサンビニル系架橋剤を含む、実施形態1~31のいずれか1つの埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【0163】
34.シリコーンヒドロゲル材料が、少なくとも約15重量%の第1のポリシロキサンビニル系架橋剤を含む、実施形態1~31のいずれか1つの埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【0164】
35.シリコーンヒドロゲル材料が、少なくとも約20重量%の第1のポリシロキサンビニル系架橋剤を含む、実施形態1~31のいずれか1つの埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【0165】
36.シリコーンヒドロゲル材料が、少なくとも約25重量%の第1のポリシロキサンビニル系架橋剤を含む、実施形態1~31のいずれか1つの埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【0166】
37.シリコーンヒドロゲル材料が、約20重量%~約70重量%の平衡含水量(すなわち、完全に水和した状態又は完全に水和している時)、少なくとも約40barrerの酸素透過率、及び約1.5MPa以下の弾性率(すなわち、ヤング率)を有する、実施形態1~36のいずれか1つの埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【0167】
38.シリコーンヒドロゲル材料が、約20重量%~約65重量%の平衡含水量(すなわち、完全に水和した状態又は完全に水和している時)を有する、実施形態1~36のいずれか1つの埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【0168】
39.シリコーンヒドロゲル材料が、約25重量%~約65重量%の平衡含水量(すなわち、完全に水和した状態又は完全に水和している時)を有する、実施形態1~36のいずれか1つの埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【0169】
40.シリコーンヒドロゲル材料が、約30重量%~約60重量%の平衡含水量(すなわち、完全に水和した状態又は完全に水和している時)を有する、実施形態1~36のいずれか1つの埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【0170】
41.シリコーンヒドロゲル材料が、少なくとも約60barrerの酸素透過率を有する、実施形態1~40のいずれか1つの埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【0171】
42.シリコーンヒドロゲル材料が、少なくとも約80barrerの酸素透過率を有する、実施形態1~40のいずれか1つの埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【0172】
43.シリコーンヒドロゲル材料が、少なくとも約100barrerの酸素透過性を有する、実施形態1~40のいずれか1つの埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【0173】
44.シリコーンヒドロゲル材料が、約0.2MPa~約1.2MPaの弾性率(すなわち、ヤング率)を有する、実施形態1~43のいずれか1つの埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【0174】
45.シリコーンヒドロゲル材料が、約0.3MPa~約1.1MPaの弾性率(すなわち、ヤング率)を有する、実施形態1~43のいずれか1つの埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【0175】
46.シリコーンヒドロゲル材料が、約0.4MPa~約1.0MPaの弾性率(すなわち、ヤング率)を有する、実施形態1~43のいずれか1つの埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【0176】
47.架橋ポリマー材料が、少なくとも約45モル%の、1つ又はそれ以上のアクリル系モノマー及び/又は1つ又はそれ以上のアクリル系架橋剤のアクリル系繰り返し単位を含む、実施形態1~46のいずれか1つの埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【0177】
48.架橋ポリマー材料が、少なくとも約50モル%の、1つ又はそれ以上のアクリル系モノマー及び/又は1つ又はそれ以上のアクリル系架橋剤のアクリル系繰り返し単位を含む、実施形態1~46のいずれか1つの埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【0178】
49.架橋ポリマー材料が、少なくとも約55モル%の、1つ又はそれ以上のアクリル系モノマー及び/又は1つ又はそれ以上のアクリル系架橋剤のアクリル系繰り返し単位を含む、実施形態1~46のいずれか1つの埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【0179】
50.架橋ポリマー材料が、少なくとも約8モル%の少なくとも1つのビニル系架橋剤を含む、実施形態1~49のいずれか1つの埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【0180】
51.架橋ポリマー材料が、少なくとも約10モル%の少なくとも1つのビニル系架橋剤を含む、実施形態1~49のいずれか1つの埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【0181】
52.架橋ポリマー材料が、少なくとも約12モル%の少なくとも1つのビニル系架橋剤を含む、実施形態1~49のいずれか1つの埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【0182】
53.前記少なくとも1つのビニル系架橋剤が、少なくとも1つのアクリル系架橋剤を含む、実施形態1~52のいずれか1つの埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【0183】
54.前記少なくとも1つのアクリル系架橋剤が、エチレングリコールジメタクリレート;エチレングリコールジアクリレート;1,3-プロパンジオールジアクリレート;1,3-プロパンジオールジメタクリレート;2,3-プロパンジオールジアクリレート;2,3-プロパンジオールジメタクリレート;1,4-ブタンジオールジメタクリレート;1,4-ブタンジオールジアクリレート;1,5-ペンタンジオールジメタクリレート;1,5-ペンタンジオールジアクリレート;1,6-ヘキサンジオールジメタクリレート;1,6-ヘキサンジオールジアクリレート;ジエチレングリコールジメタクリレート;ジエチレングリコールジアクリレート;トリエチレングリコールジメタクリレート;トリエチレングリコールジアクリレート;テトラエチレングリコールジメタクリレート;テトラエチレングリコールジアクリレート;N,N’-メチレンビス(アクリルアミド);N,N’-メチレンビス(メタクリルアミド);N,N’-エチレンビス(アクリルアミド);N,N’-エチレンビス(メタクリルアミド);N,N’-ヘキサメチレンビスアクリルアミド;N,N’-ヘキサメチレンビスメタクリルアミド;ペンタエリトリトールトリアクリレート;ペンタエリトリトールトリメタクリレート;トリメチロイルプロパントリアクリレート;トリメチロイルプロパントリメタクリレート;トリ(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート;トリ(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリメタクリレート;1,3,5-トリアクリルオキシルヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジン;1,3,5-トリメタクリルオキシルヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジン;ペンタエリトリトールテトラアクリレート;ペンタエリトリトールテトラメタクリレート;ジ(トリメチロイルプロパン)テトラアクリレート;ジ(トリメチロイルプロパン)テトラメタクリレート又はそれらの組合せである、実施形態53の埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【0184】
55.前記少なくとも1つのビニル系架橋剤が、アリルメタクリレート、アリルアクリレート、アリールビニル系架橋剤又はそれらの組合せを含む、実施形態1~54のいずれか1つの埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【0185】
56.アリールビニル系架橋剤が、ジビニルベンゼン、2-メチル-1,4-ジビニルベンゼン、ビス(4-ビニルフェニル)メタン、1,2-ビス(4-ビニルフェニル)エタン又はそれらの組合せである、実施形態55の埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【0186】
57.架橋ポリマー材料が、シリコーン含有アクリル系モノマー、非シリコーン疎水性アクリル系モノマー、フッ素含有アクリル系モノマー、アリールアクリル系モノマー又はそれらの組合せを含む少なくとも1つのアクリル系モノマーの繰り返し単位を含む、実施形態1~56のいずれか1つの埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【0187】
58.架橋ポリマー材料が、少なくとも1つの非シリコーン疎水性アクリル系モノマーの繰り返し単位を含む、実施形態1~56のいずれか1つの埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【0188】
59.前記少なくとも1つの非シリコーン疎水性アクリル系モノマーが、(メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル又はそれらの組合せである、実施形態58の埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【0189】
60.架橋ポリマー材料が、少なくとも1つのフッ素含有アクリル系モノマーの繰り返し単位を含む、実施形態1~59のいずれか1つの埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【0190】
61.前記少なくとも1つのフッ素含有アクリル系モノマーが、ペルフルオロヘキシルエチル-チオ-カルボニル-アミノエチル-メタクリレート、2,2,2-トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、ヘキサフルオロ-イソ-プロピル(メタ)アクリレート、ヘキサフルオロブチル(メタ)アクリレート、ヘプタフルオロブチル(メタ)アクリレート、オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、ヘプタデカフルオロデシル(メタ)アクリレート、ペンタフルオロフェニル(メタ)アクリレート又はそれらの組合せである、実施形態60の埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【0191】
62.架橋ポリマー材料が、少なくとも1つのシリコーン含有アクリル系モノマーの繰り返し単位を含む、実施形態1~61のいずれか1つの埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【0192】
63.架橋ポリマー材料が、少なくとも1つのポリシロキサンビニル系架橋剤の繰り返し単位を含む、実施形態1~62のいずれか1つの埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【0193】
64.前記少なくともポリシロキサンビニル系架橋剤が、少なくとも30モル%の、それぞれが少なくとも1つのフェニル置換基を有するシロキサン単位を含む、実施形態63の埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【0194】
65.前記少なくともポリシロキサンビニル系架橋剤が、少なくとも60モル%の、それぞれが少なくとも1つのフェニル置換基を有するシロキサン単位を含む、実施形態63の埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【0195】
66.前記少なくともポリシロキサンビニル系架橋剤が、少なくとも90モル%の、それぞれが少なくとも1つのフェニル置換基を有するシロキサン単位を含む、実施形態63の埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【0196】
67.前記少なくともポリシロキサンビニル系架橋剤が、それぞれが少なくとも1つのフェニル置換基及び1つのビニル置換基を有する、3つ以上のビニルフェニルシロキサン単位を含む、実施形態63の埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【0197】
68.前記少なくともポリシロキサンビニル系架橋剤が、3つ以上のフェニルメチルシロキサン単位を含む、実施形態63の埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【0198】
69.前記少なくともポリシロキサンビニル系架橋剤が、3つ以上のジフェニルシロキサン単位を含む、実施形態63の埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【0199】
70.前記少なくともポリシロキサンビニル系架橋剤が、1つ又はそれ以上のビニル末端ポリフェニルメチルシロキサン、1つ又はそれ以上のビニルフェニルメチル末端フェニルメチル-ビニルフェニルシロキサンコポリマー、1つ又はそれ以上のビニル末端ジフェニルシロキサン-ジメチルシロキサンコポリマー又はそれらの組合せを含む、実施形態63の埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【0200】
71.前記少なくともポリシロキサンビニル系架橋剤が、1つ又はそれ以上のビニル末端ポリフェニルメチルシロキサンを含む、実施形態63の埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【0201】
72.前記少なくともポリシロキサンビニル系架橋剤が、1つ又はそれ以上のビニルフェニルメチル末端フェニルメチル-ビニルフェニルシロキサンコポリマーを含む、実施形態63の埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【0202】
73.架橋ポリマー材料が、少なくとも1つの式(I)又は(II)
【化13】
{式中、A
1はH又はCH
3(好ましくはH)であり;B
1は(CH
2)
m1又は[O(CH
2)
2]
Z1(m1は2~6であり、且つz1は1~10である)であり;Y
1は、直接結合、O、S又はNR’[R’はH、CH
3、C
n’H
2n’+1(n’=1~10である)、イソ-OC
3H
7、C
6H
5又はCH
2C
6H
5である]であり;R
a、R
b、R
c、R
d、R
e、R
f、R
g、R
h及びR
iは、互いに独立して、H、C
1~C
12アルキル又はC
1~C
12アルコキシであり(好ましくは全てHであり);m1+w1≦8であることを条件として、w1は0~6であり;w2は1~3の整数であり;且つD
1はH、Cl、Br、C
1~C
4アルキル、C
1~C
4アルコキシ、C
6H
5又はCH
2C
6H
5である}のアリールアクリル系モノマーの繰り返し単位を含む、実施形態1~72のいずれか1つの埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【0203】
74.前記少なくとも1つのアリールアクリル系モノマーが、2-エチルフェノキシアクリレート;2-エチルフェノキシメタクリレート;フェニルアクリレート;フェニルメタクリレート;ベンジルアクリレート;ベンジルメタクリレート;2-フェニルエチルアクリレート;2-フェニルエチルメタクリレート;3-フェニルプロピルアクリレート;3-フェニルプロピルメタクリレート;4-フェニルブチルアクリレート;4-フェニルブチルメタクリレート;4-メチルフェニルアクリレート;4-メチルフェニルメタクリレート;4-メチルベンジルアクリレート;4-メチルベンジルメタクリレート;2-(2-メチルフェニル)エチルアクリレート;2-(2-メチルフェニル)エチルメタクリレート;2-(3-メチルフェニル)エチルアクリレート;2-(3-メチルフェニル)エチルメタクリレート;2-(4-メチルフェニル)エチルアクリレート;2-(4-メチルフェニル)エチルメタクリレート;2-(4-プロピルフェニル)エチルアクリレート;2-(4-プロピルフェニル)エチルメタクリレート;2-(4-(1-メチルエチル)フェニル)エチルアクリレート;2-(4-(1-メチルエチル)フェニル)エチルメタクリレート;2-(4-メトキシフェニル)エチルアクリレート;2-(4-メトキシフェニル)エチルメタクリレート;2-(4-シクロヘキシルフェニル)エチルアクリレート;2-(4-シクロヘキシルフェニル)エチルメタクリレート;2-(2-クロロフェニル)エチルアクリレート;2-(2-クロロフェニル)エチルメタクリレート;2-(3-クロロフェニル)エチルアクリレート;2-(3-クロロフェニル)エチルメタクリレート;2-(4-クロロフェニル)エチルアクリレート;2-(4-クロロフェニル)エチルメタクリレート;2-(4-ブロモフェニル)エチルアクリレート;2-(4-ブロモフェニル)エチルメタクリレート;2-(3-フェニルフェニル)エチルアクリレート;2-(3-フェニルフェニル)エチルメタクリレート;2-(4-フェニルフェニル)エチルアクリレート;2-(4-フェニルフェニル)エチルメタクリレート;2-(4-ベンジルフェニル)エチルアクリレート;2-(4-ベンジルフェニル)エチルメタクリレート;2-(フェニルチオ)エチルアクリレート;2-(フェニルチオ)エチルメタクリレート;2-ベンジルオキシエチルアクリレート;3-ベンジルオキシプロピルアクリレート;2-ベンジルオキシエチルメタクリレート;3-ベンジルオキシプロピルメタクリレート;2-[2-(ベンジルオキシ)エトキシ]エチルアクリレート;2-[2-(ベンジルオキシ)エトキシ]エチルメタクリレート及びそれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1つのビニル系モノマーを含む、実施形態73の埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【0204】
75.前記少なくとも1つのアリールアクリル系モノマーが、2-フェニルエチルアクリレート;3-フェニルプロピルアクリレート;4-フェニルブチルアクリレート;5-フェニルペンチルアクリレート;2-ベンジルオキシエチルアクリレート;3-ベンジルオキシプロピルアクリレート;2-[2-(ベンジルオキシ)エトキシ]エチルアクリレート;2-フェニルエチルメタクリレート;3-フェニルプロピルメタクリレート;4-フェニルブチルメタクリレート;5-フェニルペンチルメタクリレート;2-ベンジルオキシエチルメタクリレート;3-ベンジルオキシプロピルメタクリレート;2-[2-(ベンジルオキシ)エトキシ]エチルメタクリレート又はそれらの組合せを含む、実施形態73の埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【0205】
76.架橋ポリマー材料が、ビニルアルカノエート、ビニルオキシアルカン、スチレン、ビニルトルエン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、1-ブテン及びそれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1つの親水性ビニル系モノマーの繰り返し単位を含む、実施形態1~75のいずれか1つの埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【0206】
77.疎水性インサートは硬質である、実施形態1~76のいずれか1つの埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【0207】
78.以下のステップ:
(1)実施形態1~77のいずれか1つに記載のシリコーンヒドロゲル材料を形成するためのシリコーン-ヒドロゲル-レンズ形成組成物を得るステップと;
(2)実施形態1~77のいずれか1つに記載の疎水性インサートを得るステップと;
(3)鋳型が密閉された時に第1及び第2の成形表面の間に鋳型キャビティが形成されるように互いを受け取るように構成される、第1の成形表面を有する雄型半分部及び第2の成形表面を有する雌型半分部を有するレンズ鋳型を得るステップと;
(4)特に決まった順序ではなく、レンズ鋳型の明記された位置にインサートを配置し、そしてレンズ鋳型中にシリコーン-ヒドロゲル-レンズ形成組成物を導入し、インサートをレンズ鋳型中のシリコーン-ヒドロゲル-レンズ形成組成物中に浸漬させるステップと;
(5)レンズ鋳型中でシリコーン-ヒドロゲル-レンズ形成組成物を硬化させ、シリコーンヒドロゲル材料と、シリコーンヒドロゲル材料内に埋め込まれたインサートとを含む、未加工の埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを形成するステップと;
(6)未加工の埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズが、雄及び雌型半分部の一方であるレンズ接着型半分部上で接着された状態で、ステップ(5)で得られるレンズ鋳型を雄及び雌型半分部に分離するステップと;
(7)未加工の埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズが水又はいずれかの液体と接触する前に、レンズ接着型半分部から未加工の埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを除去するステップと;
(8)未加工の埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズに、水和プロセス、並びに抽出、表面処理、パッケージング、滅菌及びそれらの組合せからなる群から選択される1つ又はそれ以上の他のプロセスを含むポスト成形プロセスを受けさせるステップと
を含む、実施形態1~77のいずれか1つの埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの製造方法。
【0208】
上記本開示により、当業者が本発明を実施することが可能となる。本明細書に記載される種々の実施形態に対する種々の修正形態、変更形態及び組み合わせがなされ得る。読者が特定の実施形態及びその利点を理解することをよりよく可能にするために、以下の実施例の参照が提案される。本明細書及び実施例は、例示的であると考えられることが意図される。
【実施例】
【0209】
実施例1
酸素透過率の測定
指定がない限り、酸素透過率(Dk/t)、インサート及びインサート材料の固有の(又はエッジ補正された)酸素透過性(Dki又はDkc)は、ISO 18369-4に記載の手順に従って決定する。
【0210】
平衡含水量
コンタクトレンズの平衡含水量(EWC)は、以下の通りに決定する。
【0211】
生理食塩水で完全に平衡化された水和ヒドロゲルコンタクトレンズ中に存在する水の量(重量パーセントで表される)を室温で測定する。レンズを迅速に積み重ね、レンズを布で拭った後、レンズのスタックを分析天びんのアルミパンに移す。各サンプルパンのレンズの数は、典型的には、5つである。パン+レンズの水和重量を記録する。パンをアルミニウムホイルで被う。パンを100±2℃の実験室用オーブンに入れ、16~18時間乾燥させる。パン+レンズをオーブンから取り出し、デシケーター内で少なくとも30分間冷却する。デシケーターから1つのパンを取り出し、アルミニウムホイルを捨てる。分析天びんでパン+乾燥レンズサンプルを秤量する。全てのパンについて繰り返す。レンズサンプルの湿潤重量及び乾燥重量は、空の秤量パンの重量を差し引くことで計算することができる。
【0212】
屈折率
インサートの屈折率(RI)は、25℃においてAbbe透過型実験室用屈折計Reichert Abbe Mark IIIによって決定される。測定の前にインサートをPBS食塩水中で完全に平衡化する。
【0213】
弾性係数
インサートの貯蔵弾性率(ヤング率)は、TA RSA-G2 DMA(動的機械分析装置(Dynamic Mechanical Analyzer))を使用して決定される。Precision Conceptの乾燥レンズカッターを使用して、インサートを幅3.08mmのストリップに切断する。6.5mm以内のゲージ長で5つの厚さの値を測定する。金属グリップを用いてストリップを機器に取り付ける。2℃/分で10℃~50℃の直線状昇温速度を用いた振動温度昇温試験をインサートに適用し、1Hzの一定振動数、0.5%ゆがみの一定振幅及び10.0pts/sのサンプリング速度において温度増加に対する材料の応答を監視する。貯蔵弾性率(E’)、損失弾性率(E”)及びtanδデータを、TRIOSソフトウェアによって算出する。
【0214】
シリコーンヒドロゲル材料又はコンタクトレンズの弾性係数は、MTSインサイト装置を使用して決定する。コンタクトレンズを、最初にPrecision Conceptの2ステージカッターを使用して幅3.12mmのストリップに切断する。6.5mm以内のゲージ長で5つの厚さの値を測定する。ストリップを装置のグリップに取り付け、21±2℃に制御された温度でPBS(リン酸緩衝生理食塩水)中に沈める。典型的には、5Nのロードセルが試験に使用される。サンプルが破損するまで、一定の力及び速度をサンプルに加える。力及び変位のデータをTestWorksソフトウェアによって収集する。弾性係数の値は、TestWorksソフトウェアによって計算され、これは、弾性変形領域における、ゼロの伸び近傍での応力対ひずみ曲線の傾き又は接線である。
【0215】
ガラス転移温度
インサートのガラス転移温度(Tg)は、上記の動的温度昇温試験からのtanδのピークとして定義される。
【0216】
層間剥離
Optimec機器又は光干渉断層撮影(Optical Coherence Tomography)(OCT)を用いて、層間剥離の可能性に関して埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを試験する。
【0217】
評価方法に関係なく、オートクレーブ実行の後及び層間剥離研究の前に、室温で最小12時間、コンタクトレンズをステージングする。
【0218】
必要とされるステージング時間を満たした後、完全に水和されたコンタクトレンズをOptimec機器の「V」グラチクルアセンブリに配置する(モデルJCF;OPTIMEC England)。コンタクトレンズを重力の影響下に設定した後、コンタクトレンズの正面を円形パターンのいずれの徴候に関しても慎重に調査する。層間剥離は、Optimecイメージの円形パターンとして示される。
【0219】
層間剥離を研究するためにOCT(スペクトル領域光干渉断層撮影(Spectral Domain Optical Coherence Tomography);Telesto-II;Thorlabs)も利用することができる。OCTによって、高解像度断面像を得るためのコンタクトレンズの非侵襲性画像処理が可能である。この目的のために、最小ステージング必要条件を満たした後、コンタクトレンズをそのブリスターから取り出し、平衡になるまで最小30分間PBS溶液中に浸漬する。次いで、「V」ブロック特徴を有するキュベットの約3/4に新しいPBS溶液を充填し、そしてQ-チップを使用してコンタクトレンズをキュベットに移す。レンズはキュベットの底部で「V」形に自由に漂うことができ、そしてコンタクトレンズ全体を10度の増加でスキャンする。層間剥離は、OCT像においてインサート及びキャリアの間隔表面のエアポケットとして現れる。
【0220】
化学物質
以下の実施例において、以下の略語が使用される:PEMAは、フェニルエチルメタクリレートを表し;PEAは、フェニルエチルアクリレートを表し;BzAは、ベンジルアクリレートを表し;BzMAは、ベンジルメタクリレートを表し;PVVは、ビニルフェニルメチル末端フェニルメチルシロキサン-ビニルフェニルシロキサンコポリマー(GelestからのPVV-3522、800~1500ダルトン)を表し;PMVは、ビニル末端ポリフェニルメチルシロキサン(GelestからのPMV-9925、2000~3000ダルトン)を表し;TBECは、tert-ブチルペルオキシ2-エチルヘキシルカーボネートを表し;PETAは、ペンタエリトリトールテトラアクリレートを表し;TrisMAは、3-[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピルメタクリレートを表し;HFIPMAは、ヘキサフルオロイソプロピルメタクリレートを表し;NPGDMAは、ネオペンチルグリコールジメタクリレートを表し;TrisAmは、N-[トリ(トリメチルシロキシ)-シリルプロピル]アクリルアミドを表し;D6は、モノブチル末端モノメタクリルオキシプロピル末端ポリジメチルシロキサン(M.W.600~800g/mol、Gelestから)を表し;D9は、モノブチル末端モノメタクリルオキシプロピル末端ポリジメチルシロキサン(Mw約984g/mol、信越化学工業から)を表し;Betaconは、PDMS及びPFPEセグメントの間のジウレタン結合を介して1つのペルフルオロポリエーテル(PFPE)によって分離された2つのポリジメチルシロキサン(PDMS)セグメント、並びにそれぞれが1つの末端メタクリレート基及び1つのPDMSセグメントの間に位置する2つのウレタン結合を有し、米国特許第5760100号明細書の実施例B-1に記載の方法と同様の方法に従って調製される、ジメタクリレート末端鎖延長ポリジメチルシロキサン(Mn約5000g/mol)を表し;BDDAは、1,4-ブタンジオールジアクリレートを表し;NVPは、N-ビニルピロリドンを表し;DMAは、N,N-ジメチルアクリルアミドを表し;MMAは、メチルメタクリレートを表し;TEGDMAは、トリエチレングリコールジメタクリレートを表し;EGDMAは、エチレングリコールメチルエーテルメタクリレートを表し;AMAは、アリルメタクリレートを表し;AIBNは、2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)を表し;Vazo-64は、2,2’-ジメチル-2,2’アゾジプロピオノニトリルを表し;V88は、88℃の10時間半減期温度を有する1,1’-アゾビス(シアノシクロヘキサン)を表し;Noblocは、Aldrichからの2-[3-(2H-ベンゾトリアゾル-2-イル)-4-ヒドロキシフェニル]エチルメタクリレートであり;RB247は、Reactive Blue 247であり;TAAは、tert-アミルアルコールを表し;PrOHは、1-プロパノールを表し;IPAは、イソプロパノールを表し;PPGは、ポリ(プロピレングリコール)を表し;EGBEは、エチレングリコールブチルエーテルを表し;PBSは、25℃において7.2±0.2のpHを有し、約0.044重量%のNaH
2PO
4・H
2O、約0.388重量%のNa
2HPO
4・2H
2O及び約0.79重量%のNaClを含有するリン酸緩衝生理食塩水を表し;wt.%は、重量パーセントを表し;「H4」マクロマーは、以下に示される式(A)のジ-メタクリロイルオキシプロピル末端ポリシロキサン(Mn約11.3K~12.3Kg/モル、OH含有量約1.82~2.01meq/g)を表し;「H1」マクロマーは、以下に示される式(A)のジ-メタクリロイルオキシプロピル末端ポリシロキサン(Mn約8,000g/モル、OH含有量約1.8~2.0meq/g)を表す。
【化14】
【0221】
実施例2
インサートの調製
硬質疎水性インサートを製造するための重合性組成物(すなわち、インサート配合物)は、表1に示される組成を有するように、それらの所望の量(重量部単位)で全ての成分(材料)をブレンドすることによって、空気中、室温で調製される。
【0222】
【0223】
上記で調製された重合性組成物を、室温で30~35分間、窒素でパージする。N2パージされた重合性組成物をポリプロピレン鋳型中に導入し、そして鋳型を密閉し、オーブン中に配置する。オーブンは以下の通りに構成される:オーブンを通過する窒素のフロー速度を制御することができる高フロー容量制御装置を通して窒素供給をオーブンに接続し;オーブンの排出ラインにおいて、オーブンの差圧を制御するために真空ポンプを接続する。
【0224】
鋳型中の重合性組成物を以下の条件でオーブン中で熱硬化する:約7℃/分の昇温速度で室温から55℃まで昇温;55℃で約30~40分間保持;約7℃/分の昇温速度で55℃から80℃まで昇温;55℃で約30~40分間保持;約7℃/分の昇温速度で80℃から100℃まで昇温;100℃で約30~40分間保持。鋳型を開放し、成形されたインサートを鋳型から取り出す。
【0225】
任意選択的に、以下の通りにインサートを抽出及び水和することができる。最初に、インサートを約3時間、PrOHによって抽出し、約10分間、脱イオン水によって2回すすぎ、そして試験前に少なくとも1時間、PBSに浸漬する。インサートの抽出が必要ではないことが発見される。
【0226】
埋込式SiHyコンタクトレンズの調製
SiHyレンズ配合物は、表2~4に示される組成を有するように、それらの所望の量(重量部単位)で全ての成分(材料)をブレンドすることによって、空気中、室温で調製される。PPGは、約425ダルトンのMnを有する。CE-PDMSは、約10.5KダルトンのMnを有する。
【0227】
【0228】
【0229】
【0230】
注型成形されたコンタクトレンズを以下の通りに調製する。上記で調製されたインサートを、好ましくは、成形表面上でインサートの位置を固定するためにインサートに収容するために十分な直径を有する円形に分布した3つ以上のスパイクを有する(ポリプロピレン製の)雌型半分部の成形表面の中央領域に配置し、上記で調製されたSiHyレンズ配合物の量を雌型半分部中に投入し、インサートを浸漬させ、次いで、ポリプロピレン雄型半分部を雌型半分部の上部に配置し、そして鋳型を確実に密閉する。
【0231】
その中でSiHyレンズ配合物中に浸漬されたインサートを有する密閉された鋳型を、以下の条件下でオーブン中で熱硬化する:約7℃/分の昇温速度で室温から55℃まで昇温;55℃で約30~40分間保持;約7℃/分の昇温速度で55℃から80℃まで昇温;55℃で約30~40分間保持;約7℃/分の昇温速度で80℃から100℃まで昇温;100℃で約30~40分間保持。鋳型を開放し、成形されたインサートを鋳型から取り出す。
【0232】
それぞれがその中に成形された未加工のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを有するレンズ鋳型を機械的に開放する。成形された未加工の埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、雄型半分部又は雌型半分部に付着している。雄型半分部に付着した成形された未加工の埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、超音波装置を使用して取り外され;雌型半分部に付着した成形された未加工の埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、レンズが付着した雌型半分部から手で取り外される。
【0233】
取り外された未加工の埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、プロピレングリコール:水の50:50混合物を用いて抽出されることができる。好ましくは、取り外された未加工の埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、以下の抽出/水和、コーティング、オートクレーブプロセスを受ける。未加工の埋込式シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを、約60分間、脱イオン水又はTween 80(500PPM)の水溶液を含有する浴中に、次いで、約120分間、40℃において約0.1重量%の濃度のポリアクリル酸(PAA、Mw450K)の水溶液を含有する浴中に、次いで、約60分間、室温でPBS溶液を含有する浴中で浸漬し;米国特許第8480227号明細書の実施例19に記載の手順に従って調製された0.65mLのイン-パッケージ-コーティングパッケージング生理食塩水を有するポリプロピレンレンズパッケージングシェル(又はブリスター)(1つのシェルあたり1つのレンズ)中に包装/密閉し;そして最後に121℃において約45分間、オートクレーブ処理する。得られた埋込式SiHyコンタクトレンズは、それぞれ、その上にヒドロゲルコーティングを有し、実施例1に記載される手順に従って層間剥離に関して試験される。結果を表5に報告する。
【0234】
【0235】
この結果は、それぞれがヒドロキシル含有置換基を有する親水化されたシロキサン単位を有するポリシロキサンビニル系架橋剤を含むSiHyレンズ配合物から製造された埋込式SiHyレンズが層間剥離の影響を受けにくいことを示す。対照的に、それぞれがヒドロキシル含有置換基を有するいずれの親水化されたシロキサン単位も含まないポリシロキサンビニル系架橋剤を含むSiHyレンズ配合物から製造された埋込式SiHyレンズは、ポリシロキサンビニル系架橋剤がその主鎖に6H-結合アクセプター(ウレタン結合)を含む場合であっても、層間剥離の影響得受けやすい。
【0236】
実施例3
インサートの調製
硬質又は軟質疎水性インサートを製造するための重合性組成物(すなわち、インサート配合物)は、以下に示される組成を有するように、それらの所望の量(重量部単位)で全ての成分(材料)をブレンドすることによって、空気中、室温で調製される。
【0237】
インサート配合物5(硬質):62重量部単位のPEMA;27重量部単位のD6;10重量部単位のBDDA;1重量部単位のVAZO-64。
【0238】
インサート配合物6(半硬質):89重量部単位のBzA;10重量部単位のBDDA;1重量部単位のVAZO-64。
【0239】
インサート配合物7(軟質):29重量部単位のBetacon;17重量部単位のトリス-MA;28重量部単位のDMA;25重量部単位のEGBE;及び0.5重量部単位のVAZO-64。
【0240】
鋳型中、上記で調製されたインサート配合物の注型成形によってインサートを調製し、次いで、実施例2に記載される手順に従って処理する。
【0241】
インサートの特性を表6に報告する。
【0242】
【0243】
埋込式SiHyコンタクトレンズの調製
実施例2において調製されたSiHyレンズ配合物#7を本実施例において使用する。3つの追加的なSiHyレンズ配合物は、以下に示される組成を有するように、それらの所望の量(重量部単位)で全ての成分(材料)をブレンドすることによって、空気中、室温で調製される。
【0244】
SiHyレンズ配合物8:55重量部単位のH1;24重量部単位のDMA;25重量部単位のEGBE;1重量部単位のVAZO-64。
【0245】
SiHyレンズ配合物9:57重量部単位のH1;22重量部単位のDMA;30重量部単位のEGBE;1重量部単位のVAZO-64。
【0246】
SiHyレンズ配合物10:40重量部単位のH1;15重量部単位のMMA;20重量部単位のDMA、28重量部単位のEGBE;1重量部単位のVAZO-64。
【0247】
埋込式SiHyコンタクトレンズは注型成形によって調製され、次いで、実施例2に記載の手順に従って処理される。得られた埋込式SiHyコンタクトレンズは、それぞれ、その上にヒドロゲルコーティングを有し、実施例1に記載される手順に従って層間剥離に関して試験される。結果を表7に報告する。
【0248】
【0249】
実施例4
インサートの調製
疎水性インサートを製造するための重合性組成物(すなわち、インサート配合物)は、表8に示される組成を有するように、それらの所望の量(重量部単位)で全ての成分(材料)をブレンドすることによって、空気中、室温で調製される。
【0250】
【0251】
インサート配合物(重合性組成物)を、室温で30~35分間窒素でパージする。N2パージされた重合性組成物をポリプロピレン鋳型中に導入し、そして鋳型を密閉し、オーブン中に配置する。オーブンは以下の通りに構成される:オーブンを通過する窒素のフロー速度を制御することができる高フロー容量制御装置を通して窒素供給をオーブンに接続し;オーブンの排出ラインにおいて、オーブンの差圧を制御するために真空ポンプを接続する。
【0252】
鋳型中のインサート配合物(重合性組成物)を、以下の条件下でオーブン中で熱硬化する:約7℃/分の昇温速度で室温から55℃まで昇温;55℃で約30分間保持;約7℃/分の昇温速度で55℃から80℃まで昇温;55℃で約30分間保持;約7℃/分の昇温速度で80℃から100℃まで昇温;100℃で約30分間保持;約7℃/分の昇温速度で100℃から120℃まで昇温;120℃で約30分間保持。鋳型を開放し、成形されたインサートを鋳型から取り出す。
【0253】
次いで、以下の通りにインサートを抽出及び水和する。最初に、インサートを約3時間、PrOHによって抽出し、約10分間、脱イオン水によって2回すすぎ、20分間、100ppmのTween 80を含むDI水に浸漬し、5分間、脱イオン水ですすぎ、そして試験前に少なくとも1時間、PBSに浸漬する。
【0254】
試験の結果を表9に報告する。
【0255】
【0256】
埋込式SiHyコンタクトレンズの調製
本実施例において、実施例2において調製されたSiHyレンズ配合物#7並びに実施例3において調製されたSiHyレンズ配合物#8及び#10も使用する。
【0257】
埋込式SiHyコンタクトレンズは注型成形によって調製され、次いで、実施例2に記載の手順に従って処理される。得られた埋込式SiHyコンタクトレンズは、それぞれ、その上にヒドロゲルコーティングを有し、実施例1に記載される手順に従って層間剥離に関して試験される。結果を表10に報告する。
【0258】
【0259】
本出願において上記に引用された刊行物、特許及び特許出願の刊行物の全ては、その全体が参考として本明細書に組み込まれる。