(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-05
(45)【発行日】2024-08-14
(54)【発明の名称】PDSCH送信方法および装置
(51)【国際特許分類】
H04W 72/1273 20230101AFI20240806BHJP
H04W 72/232 20230101ALI20240806BHJP
H04W 72/0446 20230101ALI20240806BHJP
H04W 72/0453 20230101ALI20240806BHJP
H04W 72/231 20230101ALI20240806BHJP
H04L 27/26 20060101ALI20240806BHJP
【FI】
H04W72/1273
H04W72/232
H04W72/0446
H04W72/0453
H04W72/231
H04L27/26 114
H04L27/26 113
(21)【出願番号】P 2022569185
(86)(22)【出願日】2021-05-13
(86)【国際出願番号】 CN2021093528
(87)【国際公開番号】W WO2021228182
(87)【国際公開日】2021-11-18
【審査請求日】2022-12-22
(31)【優先権主張番号】202010414782.9
(32)【優先日】2020-05-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133569
【氏名又は名称】野村 進
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 永平
(72)【発明者】
【氏名】▲馮▼ 淑▲蘭▼
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ ▲曉▼晴
(72)【発明者】
【氏名】李 ▲鉄▼
【審査官】三枝 保裕
(56)【参考文献】
【文献】Huawei, HiSilicon,Rate matching for multi-TRP transmission for eMBB,3GPP TSG RAN WG1 #97 R1-1907529,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_97/Docs/R1-1907529.zip>,2019年05月17日
【文献】Moderator (OPPO),Summary of email thread [100b-e-NR-eMIMO-multiTRP-02],3GPP TSG RAN WG1 #100b_e R1-2002946,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_100b_e/Docs/R1-2002946.zip>,2020年04月30日
【文献】Huawei, HiSilicon,Rate matching for multi-TRP transmission for eMBB[online],3GPP TSG RAN WG1 #97 R1-1907529,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_97/Docs/R1-1907529.zip>,2019年05月17日
【文献】Moderator (OPPO),Summary of email thread [100b-e-NR-eMIMO-multiTRP-02][online],3GPP TSG RAN WG1 #100b_e R1-2002946,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_100b_e/Docs/R1-2002946.zip>,2020年04月30日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
H04L 27/26
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)送信方法であって、
端末デバイスによって、第1のダウンリンク制御情報(DCI)と第2のDCIを受信するステップであって、前記第1のDCIが第1の制御リソースセット(CORESET)に関連付けられ、前記第2のDCIが第2のCORESETに関連付けられ、前記第1のDCIが第1のPDSCHをスケジュールするために使用され、前記第2のDCIが第2のPDSCHをスケジュールするために使用され、前記第1のPDSCHと前記第2のPDSCHが完全に重複する時間周波数リソースを有する、ステップと、
前記端末デバイスによって、第1の指示情報に基づいて、前記第1のDCIと前記第2のDCIからターゲットDCIを決定するステップ
であって、前記第1のDCIと前記第2のDCIが前記第1の指示情報をそれぞれ含み、前記第1のDCI内の前記第1の指示情報が前記第2のDCI内のものと異なる場合、前記第1のDCIおよび前記第2のDCIのうちの、既定の条件を満たすDCIが前記ターゲットDCIとして決定される、ステップとを含み、
前記第1のDCIと前記第2のDCIのうちの少なくともいずれか一方は前記第1の指示情報を有し、前記第1のDCI
と前記第2のDCI
のうちの少なくともいずれか一方に含まれる前記第1の指示情報は、前記第1のPDSCHおよび前記第2のPDSCH内の1つ以上の時間周波数リソースグループが利用可能であるかどうかを指示し、前記時間周波数リソースグループは1つ以上のリソースセットを含み、前記時間周波数リソースグループは無線リソース制御(RRC)シグナリングを使用して構成され、前記第1のCORESETの構成情報は第1の識別情報を含み、前記第2のCORESETの構成情報は第2の識別情報を含み、前記第1の識別情報と前記第2の識別情報は異なる値を有する、PDSCH送信方法。
【請求項2】
前記第1のDCIが前記第1の指示情報を有するが、前記第2のDCIが前記第1の指示情報を有さない場合は、前記第1の指示情報を有する1つのDCIが前記第1のDCIであり、または
前記第1のDCIが前記第1の指示情報を有さないが、前記第2のDCIが前記第1の指示情報を有する場合は、前記第1の指示情報を有する1つのDCIが前記第2のDCIである、請求項1に記載のPDSCH送信方法。
【請求項3】
前記第1のDCIと前記第2のDCIが前記第1の指示情報をそれぞれ有する場合、前記第1の指示情報を有する1つのDCIは、前記第1のDCIおよび前記第2のDCIのうちの、既定の条件を満たすDCIである、請求項1に記載のPDSCH送信方法。
【請求項4】
前記第1のDCI内の前記第1の指示情報が前記第2のDCI内のものと同じである場合、前記既定の条件を満たす前記DCIは、前記第1のDCIまたは前記第2のDCIのいずれかである、請求項3に記載のPDSCH送信方法。
【請求項5】
物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)送信方法であって、
ネットワークデバイスによって、第1の制御リソースセットにおいて第1のダウンリンク制御情報(DCI)を送信し、第2のCORESETにおいて第2のDCIを送信するステップであって、前記第1のDCIが、第1のPDSCHをスケジュールするために使用され、前記第2のDCIが、第2のPDSCHをスケジュールするために使用され、前記第1のPDSCHと前記第2のPDSCHが、完全に重複する時間周波数リソースを有する、ステップを含み、
前記第1のDCIと前記第2のDCIのうちの少なくともいずれか一方は第1の指示情報を有し、前記第1の指示情報に基づいて、前記第1のDCIと前記第2のDCIからターゲットDCIが決定され、
前記第1のDCIと前記第2のDCIが前記第1の指示情報をそれぞれ含み、かつ前記第1のDCI内の前記第1の指示情報が前記第2のDCI内のものと異なる場合は、前記第1のDCIおよび前記第2のDCIのうちの、既定の条件を満たすDCIが前記ターゲットDCIとして決定され、前記第1のDCI
と前記第2のDCI
のうちの少なくともいずれか一方に含まれる前記第1の指示情報は、前記第1のPDSCHおよび前記第2のPDSCH内の1つ以上の時間周波数リソースグループが利用可能であるかどうかを指示し、前記時間周波数リソースグループは1つ以上のリソースセットを含み、前記時間周波数リソースグループはRRCシグナリングを使用して構成され、前記第1のCORESETの構成情報は第1の識別情報を含み、前記第2のCORESETの構成情報は第2の識別情報を含み、前記第1の識別情報と前記第2の識別情報は異なる値を有する、PDSCH送信方法。
【請求項6】
前記第1のDCIおよび前記第2のDCIのうちの1つのDCIは、前記第1の指示情報を有し、前記DCIは、既定の条件を満たすDCIである、請求項5に記載のPDSCH送信方法。
【請求項7】
前記第1のDCIと前記第2のDCIは、同じ第1の指示情報を有し、
前記第1の指示情報を有する1つのDCIは、前記第1のDCIまたは前記第2のDCIのいずれかである、請求項5に記載のPDSCH送信方法。
【請求項8】
前記第1のDCIと前記第2のDCIは、異なる第1の指示情報を有し、
前記第1の指示情報を有する1つのDCIは、前記第1のDCIおよび前記第2のDCIのうちの、既定の条件を満たすDCIである、請求項5に記載のPDSCH送信方法。
【請求項9】
通信ユニットと処理ユニットとを含む端末デバイスであって、
前記処理ユニットは、第1のダウンリンク制御情報(DCI)と第2のDCIを受信することを前記通信ユニットに指示するように構成され、前記第1のDCIが第1の制御リソースセット(CORESET)に関連付けられ、前記第2のDCIが第2のCORESETに関連付けられ、前記第1のDCIが第1のPDSCHをスケジュールするために使用され、前記第2のDCIが第2のPDSCHをスケジュールするために使用され、前記第1のPDSCHと前記第2のPDSCHが完全に重複する時間周波数リソースを有し、
前記処理ユニットは、第1の指示情報に基づいて、前記第1のDCIと前記第2のDCIからターゲットDCIを決定
し、前記第1のDCIと前記第2のDCIが前記第1の指示情報をそれぞれ含み、前記第1のDCI内の前記第1の指示情報が前記第2のDCI内のものと異なる場合、前記第1のDCIおよび前記第2のDCIのうちの、既定の条件を満たすDCIを前記ターゲットDCIとして決定するように構成され、
前記第1のDCIと前記第2のDCIのうちの少なくともいずれか一方は前記第1の指示情報を有し、前記第1のDCI
と前記第2のDCI
のうちの少なくともいずれか一方に含まれる前記第1の指示情報は、前記第1のPDSCHおよび前記第2のPDSCH内の1つ以上の時間周波数リソースグループが利用可能であるかどうかを指示し、前記時間周波数リソースグループは1つ以上のリソースセットを含み、前記時間周波数リソースグループは無線リソース制御(RRC)シグナリングを使用して構成され、前記第1のCORESETの構成情報は第1の識別情報を含み、前記第2のCORESETの構成情報は第2の識別情報を含み、前記第1の識別情報と前記第2の識別情報は異なる値を有する、端末デバイス。
【請求項10】
前記第1のDCIが前記第1の指示情報を有するが、前記第2のDCIが前記第1の指示情報を有さない場合は、前記第1の指示情報を有する1つのDCIが前記第1のDCIであり、または
前記第1のDCIが前記第1の指示情報を有さないが、前記第2のDCIが前記第1の指示情報を有する場合は、前記第1の指示情報を有する1つのDCIが前記第2のDCIである、請求項9に記載の端末デバイス。
【請求項11】
前記第1のDCIと前記第2のDCIが前記第1の指示情報をそれぞれ有する場合、前記第1の指示情報を有する1つのDCIは、前記第1のDCIおよび前記第2のDCIのうちの、既定の条件を満たすDCIである、請求項9に記載の端末デバイス。
【請求項12】
前記第1のDCI内の前記第1の指示情報が前記第2のDCI内のものと同じである場合、前記既定の条件を満たす前記DCIは、前記第1のDCIまたは前記第2のDCIのいずれかである、請求項11に記載の端末デバイス。
【請求項13】
通信ユニットと処理ユニットとを含むネットワークデバイスであって、
前記処理ユニットは、第1の制御リソースセットにおいて第1のダウンリンク制御情報(DCI)を送信し、かつ第2のCORESETにおいて第2のDCIを送信することを前記通信ユニットに指示するように構成され、前記第1のDCIが、第1のPDSCHをスケジュールするために使用され、前記第2のDCIが、第2のPDSCHをスケジュールするために使用され、前記第1のPDSCHと前記第2のPDSCHが、完全に重複する時間周波数リソースを有し、
前記第1のDCIと前記第2のDCIのうちの少なくともいずれか一方は第1の指示情報を有し、前記第1の指示情報に基づいて、前記第1のDCIと前記第2のDCIからターゲットDCIが決定され、
前記第1のDCIと前記第2のDCIが前記第1の指示情報をそれぞれ含み、かつ前記第1のDCI内の前記第1の指示情報が前記第2のDCI内のものと異なる場合は、前記第1のDCIおよび前記第2のDCIのうちの、既定の条件を満たすDCIが前記ターゲットDCIとして決定され、前記第1のDCI
と前記第2のDCI
のうちの少なくともいずれか一方に含まれる前記第1の指示情報は、前記第1のPDSCHおよび前記第2のPDSCH内の1つ以上の時間周波数リソースグループが利用可能であるかどうかを指示し、前記時間周波数リソースグループは1つ以上のリソースセットを含み、前記時間周波数リソースグループはRRCシグナリングを使用して構成され、前記第1のCORESETの構成情報は第1の識別情報を含み、前記第2のCORESETの構成情報は第2の識別情報を含み、前記第1の識別情報と前記第2の識別情報は異なる値を有する、ネットワークデバイス。
【請求項14】
前記第1のDCIおよび前記第2のDCIのうちの1つのDCIは、前記第1の指示情報を有し、前記DCIは、既定の条件を満たすDCIである、請求項13に記載のネットワークデバイス。
【請求項15】
前記第1のDCIと前記第2のDCIは、同じ第1の指示情報を有し、
前記第1の指示情報を有する1つのDCIは、前記第1のDCIまたは前記第2のDCIのいずれかである、請求項13に記載のネットワークデバイス。
【請求項16】
前記第1のDCIと前記第2のDCIは、異なる第1の指示情報を有し、
前記第1の指示情報を有する1つのDCIは、前記第1のDCIおよび前記第2のDCIのうちの、既定の条件を満たすDCIである、請求項13に記載のネットワークデバイス。
【請求項17】
通信装置であって、前記通信装置はプロセッサと記憶媒体とを含み、前記記憶媒体は命令を含み、前記命令が前記プロセッサによって実行されるとき、前記通信装置は、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法を実行することが可能にされる、通信装置。
【請求項18】
コンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータ可読記憶媒体は命令を記憶し、前記命令がコンピュータにおいて実行されるとき、前記コンピュータは、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法を実行することが可能にされる、コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年5月15日に中国国家知識産権局に提出された、発明の名称を「PDSCH送信方法および装置」とする中国特許出願第202010414782.9号の優先権を主張し、これは参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。
【0002】
本出願は、通信技術分野に関し、特に、物理ダウンリンク共有チャネル(physical downlink shared channel、PDSCH)送信方法および装置に関する。
【背景技術】
【0003】
マルチ送受信ポイント(transmission reception point、TRP)技術のマルチダウンリンク制御情報(downlink control information、DCI)送信モードでは、2つのTRP(第1のTRPと第2のTRPと表記する)において、第1のTRPは第1のPDSCHをスケジュールするために第1のDCIを送信し、第2のTRPは第2のPDSCHをスケジュールするために第2のDCIを送信する。第1のPDSCHと第2のPDSCHとの間には重複する時間周波数リソース(第1の時間周波数リソースと表記する)が存在し得る。第1のPDSCHと第2のPDSCHが第1の時間周波数リソースにおいて送信されるときには、互いに強い干渉が引き起こされる。第1の時間周波数リソースには、レートマッチングのために構成された時間周波数リソース(第2の時間周波数リソースと表記する)が存在し得る。第2の時間周波数リソースがレートマッチングに使用できる(有効化される)ことをDCIが指示する場合、DCIを使用してスケジュールされるPDSCHは、第2の時間周波数リソースにおいて送信できない。第2の時間周波数リソースがレートマッチングに使用できない(有効化されない)ことをDCIが指示する場合、DCIを使用してスケジュールされるPDSCHは、第2の時間周波数リソースにおいて送信できる。
【0004】
この場合、第2の時間周波数リソースが利用可能であるかどうかについて第1のDCIと第2のDCIが異なるケースを指示する場合は、例えば、第2の時間周波数リソースが利用可能であることを第1のDCIが指示し、第2の時間周波数リソースが利用不可であることを第2のDCIが指示する場合は、第1のPDSCHは、第2の時間周波数リソースにおいて送信されず、第2のPDSCHは、第2の時間周波数リソースにおいて送信される。第2の時間周波数リソースにおいて、第1のPDSCHが第2のPDSCHに対して弱い干渉を引き起こす。第2の時間周波数リソース以外の第1の時間周波数リソースにおいて、第1のPDSCHが第2のPDSCHに対して強い干渉を引き起こす。この場合、第2のPDSCHは、2つのケースを、すなわち強い干渉と弱い干渉とを、含む。端末デバイスは、第2のPDSCHのスクランブル解除を完了するために、2つのスクランブル解除方式を使用して第2のPDSCHにおいて強い干渉部分と弱い干渉部分とを別々にスクランブル解除する必要がある。この場合、端末デバイスは、第1のPDSCHと第2のPDSCHを別々に受信する必要がある。端末デバイスは、2つの方式を使用してPDSCHをスクランブル解除し、第1のPDSCHと第2のPDSCHを別々に受信する。これは、端末デバイスによるPDSCH処理の複雑さを増大させる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本出願は、端末デバイスによってPDSCHを処理するプロセスが複雑すぎるという従来技術の課題を解決するために、PDSCH送信方法および装置を提供する。
【0006】
前述の課題を解決するため、本出願では以下の技術的解決策が使用される。
【0007】
第1の態様によると、PDSCH送信方法が提供される。本方法は、端末デバイスが第1のDCIと第2のDCIを受信するステップを含む。第1のDCIは、第1の制御リソースセット(control resource set、CORESET)に関連付けられる。第2のDCIは、第2のCORESETに関連付けられる。第1のDCIは、第1のPDSCHをスケジュールするために使用される。第2のDCIは、第2のPDSCHをスケジュールするために使用される。第1のPDSCHと第2のPDSCHは、完全に重複する時間周波数リソースを有する。第1のDCIと第2のDCIは第1の指示情報をそれぞれ有し、第1のDCI内の第1の指示情報は第2のDCI内のものと同じである。第1のDCIおよび第2のDCIに含まれる第1の指示情報は、第1のPDSCHおよび第2のPDSCH内の1つ以上の時間周波数リソースグループが利用可能であるかどうかを指示する。時間周波数リソースグループは1つ以上のリソースセットを含み、時間周波数リソースグループは無線リソース制御(radio resource control、RRC)シグナリングを使用して構成される。第1のCORESETの構成情報は、第1の識別情報を含む。第2のCORESETの構成情報は、第2の識別情報を含む。第1の識別情報と第2の識別情報は異なる値を有する。
【0008】
上記の技術的解決策に基づくと、マルチTRPマルチDCI送信では、ネットワークデバイスによって送信される第1のDCIおよび第2のDCIのうちの1つのDCI内の第1の指示情報は、第1のPDSCHおよび第2のPDSCH内の1つ以上の時間周波数リソースグループが利用可能であるかどうかを指示する。第1のPDSCHおよび第2のPDSCH内の1つ以上の時間周波数リソースグループが利用可能である場合は、第1のPDSCHも第2のPDSCHも、1つ以上の時間周波数リソースグループに対してレートマッチングを実行しない。換言すると、第1のPDSCHと第2のPDSCHの両方は、1つ以上の時間周波数リソースグループにおいて送信されてよい。このように、第1のPDSCHと第2のPDSCHとの間の重複する時間周波数リソースでは、第1のPDSCHと第2のPDSCHとの間に常に強い干渉がある。第1のPDSCHおよび第2のPDSCH内の1つ以上の時間周波数リソースグループが利用可能でない場合は、第1のPDSCHと第2のPDSCHの両方は、1つ以上の時間周波数リソースグループに対してレートマッチングを実行する。換言すると、第1のPDSCHも第2のPDSCHも、1つ以上の時間周波数リソースグループにおいて送信されない。このように、第1のPDSCHも第2のPDSCHも1つ以上の時間周波数リソースグループにおいて送信されず、したがって、第1のPDSCHと第2のPDSCHは互いに干渉しない。1つ以上の時間周波数リソースグループ以外の重複する時間周波数リソースでは、第1のPDSCHと第2のPDSCHとの間に常に強い干渉がある。
【0009】
このように、本出願の本実施形態において、1つのDCI内の第1の指示情報は、第1のPDSCHおよび第2のPDSCH内の1つ以上の時間周波数リソースグループが利用可能であるかどうかを指示する。このように、重複する時間周波数リソースにおいて第1のPDSCHと第2のPDSCHとの間に強い干渉しかなく、弱い干渉はない。これに基づくと、端末デバイスは、強い干渉のスクランブル解除方式を使用するだけでPDSCHをスクランブル解除できる。加えて、このシナリオでは、端末デバイスは、第1のPDSCHと第2のPDSCHの両方を受信でき、第1のPDSCHと第2のPDSCHを別々に受信する必要がない。これは、端末デバイスによるPDSCH処理の複雑さを軽減する。
【0010】
第1の態様を参照し、可能な一設計において、第1の指示情報は、レートマッチング指示(Rate matching indicator)フィールドおよびゼロパワーチャネル状態情報-基準信号トリガ(ZP CSI-RS trigger)フィールドのうちの少なくともいずれか1つである。
【0011】
第1の態様を参照し、可能な一設計において、第1のDCIが第1の指示情報を有し、第2のDCIが第1の指示情報を有さない場合は、第1の指示情報を有する1つのDCIが第1のDCIである。換言すると、第1のDCIに含まれる第1の指示情報が、第1のPDSCHおよび第2のPDSCH内の1つ以上の時間周波数リソースグループが利用可能であるかどうかを指示する。
【0012】
第1の態様を参照し、可能な一設計において、第1のDCIが第1の指示情報を有さないが、第2のDCIが第1の指示情報を有する場合は、第1の指示情報を有する1つのDCIが第2のDCIである。換言すると、第2のDCIに含まれる第1の指示情報が、第1のPDSCHおよび第2のPDSCH内の1つ以上の時間周波数リソースグループが利用可能であるかどうかを指示する。
【0013】
これに基づくと、第1のDCIおよび第2のDCI内のただ1つのDCIが第1の指示情報を有するシナリオでは、端末デバイスは、第1のDCIと第2のDCIから、第1の指示情報を有する1つのDCIを正確に決定できる。
【0014】
第1の態様を参照し、可能な一設計において、第1のDCIと第2のDCIが第1の指示情報をそれぞれ有する場合、第1の指示情報を有する1つのDCIは、第1のDCIおよび第2のDCIのうちの、既定の条件を満たすDCIである。換言すると、第1のDCIおよび第2のDCIのうちの、既定の条件を満たすDCIに含まれる第1の指示情報が、第1のPDSCHおよび第2のPDSCH内の1つ以上の時間周波数リソースグループが利用可能であるかどうかを指示する。
【0015】
これに基づくと、第1のDCIと第2のDCIが第1の指示情報をそれぞれ有するシナリオでは、端末デバイスは、第1のDCIと第2のDCIから、第1の指示情報を有する1つのDCIを正確に決定できる。
【0016】
第1の態様を参照し、可能な一設計において、第1のDCI内の第1の指示情報が第2のDCI内のものと同じである場合、既定の条件を満たすDCIは、第1のDCIまたは第2のDCIのいずれかである。換言すると、第1のDCIまたは第2のDCIのいずれかに含まれる第1の指示情報が、第1のPDSCHおよび第2のPDSCH内の1つ以上の時間周波数リソースグループが利用可能であるかどうかを指示する。これに基づくと、第1のDCI内の第1の指示情報が第2のDCI内のものと同じであるシナリオでは、端末デバイスは、第1のDCIと第2のDCIから、第1の指示情報を有する1つのDCIを正確に決定できる。
【0017】
第1の態様を参照し、可能な一設計において、第1のDCI内の第1の指示情報が第2のDCI内のものと異なる場合、既定の条件を満たすDCIは、以下のうちのいずれか1つである。
【0018】
制御リソースセットプールインデックスCORESETPoolIndexが0であるCORESETに関連付けられたDCI、CORESETPoolIndexが1であるCORESETに関連付けられたDCI、最大のCORESET識別子(identity、ID)を有するCORESETに関連付けられたDCI、最小のCORESET-IDを有するCORESETに関連付けられたDCI、開始シンボル位置が1位にランク付けされたCORESETに関連付けられたDCI、開始シンボル位置が同じであり、終了シンボル位置が1位にランク付けされたCORESETに関連付けられたDCI、端末デバイスによって最初にブラインド検出されるCORESETに関連付けられたDCI、端末デバイスによって最後にブラインド検出されるCORESETに関連付けられたDCI、および端末デバイスによって最後に受信されたDCI。これに基づくと、端末デバイスは、第1のDCIおよび第2のDCIのうちの、既定の条件を満たすDCIを正確に決定できる。
【0019】
第1の態様を参照し、可能な一設計において、端末デバイスは、ネットワークデバイスへ第2の指示情報を送信する。第2の指示情報は、端末デバイスがN個のDCIの受信をサポートするかどうかを指示し、N≧2である。N個のDCIに関連付けられた複数のCORESETのCORESETPoolIndexは2つの異なる値を有し、N個のDCIに含まれる第1の指示情報の値は異なる。N個のDCIによってスケジュールされるN個のPDSCHは、重複する時間周波数リソースを有する。これに基づくと、端末デバイスがPDSCHをスケジュールするために使用されるN個のDCIを同時に受信できる場合、これは、端末デバイスが異なる干渉強度を有する複数のPDSCHを同時に処理する機能を有することを意味する。この場合、ネットワークデバイスは、端末デバイスの機能に基づいて端末デバイスのDCI指示方式を柔軟に選択できる。これは、解決策の適用可能なシナリオとネットワークデバイスの構成の柔軟性を改善する。
【0020】
第1の態様を参照し、可能な一設計において、端末デバイスは、ネットワークデバイスによって構成される複数のCORESETが2つの異なるCORESETPoolIndex値を有するかどうか決定する。ネットワークデバイスによって構成される複数のCORESETが2つの異なるCORESETPoolIndex値を有する場合、端末デバイスは、端末デバイスが第1のPDSCHを処理する期間が第1の期間であると決定する。ネットワークデバイスによって構成される複数のCORESETが2つの異なるCORESETPoolIndex値を有さない場合、端末デバイスは、端末デバイスが第1のPDSCHを処理する期間が第2の期間であると決定する。第1の期間は、第2の期間と既定の遅延との和である。
【0021】
これに基づくと、端末デバイスは、CORESETが2つの異なるCORESETPoolIndex値を有するかどうかに基づいて、端末デバイスのためにネットワークデバイスによってスケジュールされるPDSCHの数を決定できる。ネットワークデバイスが端末デバイスのために2つのPDSCHをスケジュールするときに、端末デバイスによってPDSCHを処理するための第1の期間は、端末デバイスがすべてのCORESETでブラインド検出を完了するための待機時間を含み、その結果、端末デバイスがPDSCHを処理するのに十分な時間が確保される。このように、デバイスの複雑さを増大させることなく、端末デバイスはPDSCHを処理できる。
【0022】
第2の態様によると、PDSCH送信方法が提供される。本方法は、ネットワークデバイスが、第1のCORESETにおいて第1のDCIを送信し、第2のCORESETにおいて第2のDCIを送信するステップを含む。第1のDCIは、第1のPDSCHをスケジュールするために使用される。第2のDCIは、第2のPDSCHをスケジュールするために使用される。第1のPDSCHと第2のPDSCHは、完全に重複する時間周波数リソースを有する。第1のDCIと第2のDCIは第1の指示情報をそれぞれ有し、第1のDCI内の第1の指示情報は第2のDCI内のものと同じである。第1のDCIおよび第2のDCIに含まれる第1の指示情報は、第1のPDSCHおよび第2のPDSCH内の1つ以上の時間周波数リソースグループが利用可能であるかどうかを指示する。時間周波数リソースグループは1つ以上のリソースセットを含み、時間周波数リソースグループはRRCシグナリングを使用して構成される。第1のCORESETの構成情報は、第1の識別情報を含む。第2のCORESETの構成情報は、第2の識別情報を含む。第1の識別情報と第2の識別情報は異なる値を有する。
【0023】
第1の態様を参照し、可能な一設計において、第1の指示情報は、レートマッチング指示(Rate matching indicator)フィールドおよびゼロパワーチャネル状態情報-基準信号トリガ(ZP CSI-RS trigger)フィールドのうちの少なくともいずれか1つである。
【0024】
第2の態様を参照し、可能な一設計において、第1のDCIおよび第2のDCIのうちの1つのDCIは、第1の指示情報を有する。該DCIは、既定の条件を満たすDCIであり、第1の指示情報を有する1つのDCIが該DCIである。換言すると、該DCIに含まれる第1の指示情報が、第1のPDSCHおよび第2のPDSCH内の1つ以上の時間周波数リソースグループが利用可能であるかどうかを指示する。
【0025】
第2の態様を参照し、可能な一設計において、第1のDCIと第2のDCIは、同じ第1の指示情報を有する。第1の指示情報を有する1つのDCIは、第1のDCIまたは第2のDCIのいずれかである。換言すると、第1のDCIまたは第2のDCIのいずれかに含まれる第1の指示情報が、第1のPDSCHおよび第2のPDSCH内の1つ以上の時間周波数リソースグループが利用可能であるかどうかを指示する。
【0026】
第2の態様を参照し、可能な一設計において、第1のDCIと第2のDCIは、異なる第1の指示情報を有する。第1の指示情報を有する1つのDCIは、第1のDCIおよび第2のDCIのうちの、既定の条件を満たすDCIである。換言すると、第1のDCIおよび第2のDCIのうちの、既定の条件を満たすDCIに含まれる第1の指示情報が、第1のPDSCHおよび第2のPDSCH内の1つ以上の時間周波数リソースグループが利用可能であるかどうかを指示する。
【0027】
第2の態様を参照し、可能な一設計において、既定の条件を満たすDCIは、以下のうちのいずれか1つである。
【0028】
制御リソースセットプールインデックスCORESETPoolIndexが0であるCORESETに関連付けられたDCI、CORESETPoolIndexが1であるCORESETに関連付けられたDCI、最大のCORESET-IDを有するCORESETに関連付けられたDCI、最小のCORESET-IDを有するCORESETに関連付けられたDCI、開始シンボル位置が1位にランク付けされたCORESETに関連付けられたDCI、開始シンボル位置が同じであり、終了シンボル位置が1位にランク付けされたCORESETに関連付けられたDCI、端末デバイスによって最初にブラインド検出されるCORESETに関連付けられたDCI、端末デバイスによって最後にブラインド検出されるCORESETに関連付けられたDCI、および端末デバイスによって最後に受信されたDCI。
【0029】
第2の態様を参照し、可能な一設計において、ネットワークデバイスは、端末デバイスから第2の指示情報を受信する。第2の指示情報は、端末デバイスがN個のDCIの受信をサポートするかどうかを指示し、N≧2である。N個のDCIに関連付けられた複数のCORESETのCORESETPoolIndexは2つの異なる値を有し、N個のDCIに含まれる第1の指示情報の値は異なる。N個のDCIによってスケジュールされるN個のPDSCHは、重複する時間周波数リソースを有する。
【0030】
第3の態様によると、PDSCH送信方法が提供される。本方法は、端末デバイスが、ネットワークデバイスによって構成される複数のCORESETが2つの異なるCORESETPoolIndex値を有するかどうか決定するステップを含む。ネットワークデバイスによって構成される複数のCORESETが2つの異なるCORESETPoolIndex値を有する場合、端末デバイスは、端末デバイスが第1のPDSCHを処理する期間が第1の期間であると決定する。ネットワークデバイスによって構成される複数のCORESETが2つの異なるCORESETPoolIndex値を有さない場合、端末デバイスは、端末デバイスが第1のPDSCHを処理する期間が第2の期間であると決定する。第1の期間は、第2の期間と既定の遅延との和である。
【0031】
第3の態様を参照し、可能な一設計において、既定の遅延は、端末デバイスが或る1つのCORESETでブラインド検出を完了した後に、端末デバイスが別のCORESETでブラインド検出を完了するために確保される待機時間である。
【0032】
第3の態様を参照し、可能な一設計において、端末デバイスは、既定の遅延を決定し、端末デバイスは、ネットワークデバイスに既定の遅延を報告する。
【0033】
第4の態様によると、端末デバイスが提供される。端末デバイスは、通信ユニットと処理ユニットとを含む。
【0034】
処理ユニットは、第1のDCIと第2のDCIを受信することを通信ユニットに指示するように構成される。第1のDCIは、第1のCORESETに関連付けられる。第2のDCIは、第2のCORESETに関連付けられる。第1のDCIは、第1のPDSCHをスケジュールするために使用される。第2のDCIは、第2のPDSCHをスケジュールするために使用される。第1のPDSCHと第2のPDSCHは、完全に重複する時間周波数リソースを有する。第1のDCIと第2のDCIは第1の指示情報をそれぞれ有し、第1のDCI内の第1の指示情報は第2のDCI内のものと同じである。第1のDCIおよび第2のDCIに含まれる第1の指示情報は、第1のPDSCHおよび第2のPDSCH内の1つ以上の時間周波数リソースグループが利用可能であるかどうかを指示する。時間周波数リソースグループは1つ以上のリソースセットを含み、時間周波数リソースグループはRRCシグナリングを使用して構成される。第1のCORESETの構成情報は、第1の識別情報を含む。第2のCORESETの構成情報は、第2の識別情報を含む。第1の識別情報と第2の識別情報は異なる値を有する。
【0035】
第4の態様を参照し、可能な一設計において、第1のDCIが第1の指示情報を有するが、第2のDCIが第1の指示情報を有さない場合は、第1の指示情報を有する1つのDCIが第1のDCIである。
【0036】
第4の態様を参照し、可能な一設計において、第1のDCIが第1の指示情報を有さないが、第2のDCIが第1の指示情報を有する場合は、第1の指示情報を有する1つのDCIが第2のDCIである。
【0037】
第4の態様を参照し、可能な一設計において、第1のDCIと第2のDCIが第1の指示情報をそれぞれ有する場合、第1の指示情報を有する1つのDCIは、第1のDCIおよび第2のDCIのうちの、既定の条件を満たすDCIである。
【0038】
第4の態様を参照し、可能な一設計において、第1のDCI内の第1の指示情報が第2のDCI内のものと同じである場合、既定の条件を満たすDCIは、第1のDCIまたは第2のDCIのいずれかである。
【0039】
第4の態様を参照し、可能な一設計において、第1のDCI内の第1の指示情報が第2のDCI内のものと異なる場合、既定の条件を満たすDCIは、以下のうちのいずれか1つである。
【0040】
制御リソースセットプールインデックスCORESETPoolIndexが0であるCORESETに関連付けられたDCI、CORESETPoolIndexが1であるCORESETに関連付けられたDCI、最大のCORESET-IDを有するCORESETに関連付けられたDCI、最小のCORESET-IDを有するCORESETに関連付けられたDCI、開始シンボル位置が1位にランク付けされたCORESETに関連付けられたDCI、開始シンボル位置が同じであり、終了シンボル位置が1位にランク付けされたCORESETに関連付けられたDCI、端末デバイスによって最初にブラインド検出されるCORESETに関連付けられたDCI、端末デバイスによって最後にブラインド検出されるCORESETに関連付けられたDCI、および端末デバイスによって最後に受信されたDCI。
【0041】
第4の態様を参照し、可能な一設計において、処理ユニットは、ネットワークデバイスへ第2の指示情報を送信することを通信ユニットに指示するようにさらに構成される。第2の指示情報は、端末デバイスがN個のDCIの受信をサポートするかどうかを指示し、N≧2である。N個のDCIに関連付けられた複数のCORESETのCORESETPoolIndexは2つの異なる値を有し、N個のDCIに含まれる第1の指示情報の値は異なる。N個のDCIによってスケジュールされるN個のPDSCHは、重複する時間周波数リソースを有する。
【0042】
第4の態様を参照し、可能な一設計において、処理ユニットは、ネットワークデバイスによって構成される複数のCORESETが2つの異なるCORESETPoolIndex値を有するかどうか決定するようにさらに構成される。ネットワークデバイスによって構成される複数のCORESETが2つの異なるCORESETPoolIndex値を有する場合は、端末デバイスが第1のPDSCHを処理する期間が第1の期間であると決定される。ネットワークデバイスによって構成される複数のCORESETが2つの異なるCORESETPoolIndex値を有さない場合は、端末デバイスが第1のPDSCHを処理する期間が第2の期間であると決定される。第1の期間は、第2の期間と既定の遅延との和である。
【0043】
第5の態様によると、ネットワークデバイスが提供される。ネットワークデバイスは、通信ユニットと処理ユニットとを含む。処理ユニットは、第1のCORESETにおいて第1のDCIを送信し、かつ第2のCORESETにおいて第2のDCIを送信することを通信ユニットに指示するように構成される。第1のDCIは、第1のPDSCHをスケジュールするために使用される。第2のDCIは、第2のPDSCHをスケジュールするために使用される。第1のPDSCHと第2のPDSCHは、完全に重複する時間周波数リソースを有する。第1のDCIと第2のDCIは第1の指示情報をそれぞれ有し、第1のDCI内の第1の指示情報は第2のDCI内のものと同じである。第1のDCIおよび第2のDCIに含まれる第1の指示情報は、第1のPDSCHおよび第2のPDSCH内の1つ以上の時間周波数リソースグループが利用可能であるかどうかを指示する。時間周波数リソースグループは1つ以上のリソースセットを含み、時間周波数リソースグループはRRCシグナリングを使用して構成される。第1のCORESETの構成情報は、第1の識別情報を含む。第2のCORESETの構成情報は、第2の識別情報を含む。第1の識別情報と第2の識別情報は異なる値を有する。
【0044】
第5の態様を参照し、可能な一設計において、第1のDCIおよび第2のDCIのうちの1つのDCIは、第1の指示情報を有する。該DCIは、既定の条件を満たすDCIである。
【0045】
第5の態様を参照し、可能な一設計において、第1のDCIと第2のDCIは、同じ第1の指示情報を有する。第1の指示情報を有する1つのDCIは、第1のDCIまたは第2のDCIのいずれかである。
【0046】
第5の態様を参照し、可能な一設計において、第1のDCIと第2のDCIは、異なる第1の指示情報を有する。第1の指示情報を有する1つのDCIは、第1のDCIおよび第2のDCIのうちの、既定の条件を満たすDCIである。
【0047】
第5の態様を参照し、可能な一設計において、既定の条件を満たすDCIは、以下のうちのいずれか1つである。
【0048】
制御リソースセットプールインデックスCORESETPoolIndexが0であるCORESETに関連付けられたDCI、CORESETPoolIndexが1であるCORESETに関連付けられたDCI、最大のCORESET-IDを有するCORESETに関連付けられたDCI、最小のCORESET-IDを有するCORESETに関連付けられたDCI、開始シンボル位置が1位にランク付けされたCORESETに関連付けられたDCI、開始シンボル位置が同じであり、終了シンボル位置が1位にランク付けされたCORESETに関連付けられたDCI、端末デバイスによって最初にブラインド検出されるCORESETに関連付けられたDCI、端末デバイスによって最後にブラインド検出されるCORESETに関連付けられたDCI、および端末デバイスによって最後に受信されたDCI。
【0049】
第5の態様を参照し、可能な一設計において、処理ユニットは、端末デバイスから第2の指示情報を受信することを通信ユニットに指示するようにさらに構成される。第2の指示情報は、端末デバイスがN個のDCIの受信をサポートするかどうかを指示し、N≧2である。N個のDCIに関連付けられた複数のCORESETのCORESETPoolIndexは2つの異なる値を有し、N個のDCIに含まれる第1の指示情報の値は異なる。N個のDCIによってスケジュールされるN個のPDSCHは、重複する時間周波数リソースを有する。
【0050】
第6の態様によると、端末デバイスが提供される。端末デバイスは、処理ユニットと通信ユニットとを含む。
【0051】
処理ユニットは、ネットワークデバイスによって構成される複数のCORESETが2つの異なるCORESETPoolIndex値を有するかどうかを決定するように構成される。ネットワークデバイスによって構成される複数のCORESETが2つの異なるCORESETPoolIndex値を有する場合は、端末デバイスが第1のPDSCHを処理する期間が第1の期間であると決定される。ネットワークデバイスによって構成される複数のCORESETが2つの異なるCORESETPoolIndex値を有さない場合は、端末デバイスが第1のPDSCHを処理する期間が第2の期間であると決定される。第1の期間は、第2の期間と既定の遅延との和である。処理ユニットは、通信ユニットを使用して別のネットワークエンティティと通信できる。
【0052】
第6の態様を参照し、可能な一設計において、既定の遅延は、端末デバイスが或る1つのCORESETでブラインド検出を完了した後に、端末デバイスが別のCORESETでブラインド検出を完了するために確保される待機時間である。
【0053】
第6の態様を参照し、可能な一設計において、処理ユニットは、既定の遅延を決定するように構成され、通信ユニットは、ネットワークデバイスに既定の遅延を報告するように構成される。
【0054】
第7の態様によると、本出願は、プロセッサと記憶媒体とを含む通信装置を提供する。記憶媒体は命令を含み、プロセッサは、第1の態様または第1の態様の可能な実装のいずれか1つに記載の方法を実施するために、命令を実行するように構成される。本通信装置は、端末デバイスであってよく、または端末デバイス内のチップであってもよい。
【0055】
第8の態様によると、本出願は、プロセッサと記憶媒体とを含む通信装置を提供する。記憶媒体は命令を含み、プロセッサは、第2の態様または第2の態様の可能な実装のいずれか1つに記載の方法を実施するために、命令を実行するように構成される。本通信装置は、ネットワークデバイスであってよく、またはネットワークデバイス内のチップであってもよい。
【0056】
第9の態様によると、本出願は、プロセッサと記憶媒体とを含む通信装置を提供する。記憶媒体は命令を含み、プロセッサは、第3の態様または第3の態様の可能な実装のいずれか1つに記載の方法を実施するために、命令を実行するように構成される。本通信装置は、端末デバイスであってよく、または端末デバイス内のチップであってもよい。
【0057】
第10の態様によると、本出願は、コンピュータ可読記憶媒体を提供する。本コンピュータ可読記憶媒体は命令を記憶し、命令が端末デバイスにおいて実行されるとき、端末デバイスは、第1の態様または第1の態様の可能な実装のいずれか1つに記載の方法を実行することが可能にされる。
【0058】
第11の態様によると、本出願は、コンピュータ可読記憶媒体を提供する。本コンピュータ可読記憶媒体は命令を記憶する。命令がネットワークデバイスにおいて実行されるとき、ネットワークデバイスは、第2の態様または第2の態様の可能な実装のいずれか1つに記載の方法を実行することが可能にされる。
【0059】
第12の態様によると、本出願は、コンピュータ可読記憶媒体を提供する。本コンピュータ可読記憶媒体は命令を記憶する。命令が端末デバイスにおいて実行されるとき、端末デバイスは、第3の態様または第3の態様の可能な実装のいずれか1つに記載の方法を実行することが可能にされる。
【0060】
第13の態様によると、本出願は、命令を含むコンピュータプログラム製品を提供する。本コンピュータプログラム製品が端末デバイスにおいて動作するとき、端末デバイスは、第1の態様または第1の態様の可能な実装のいずれか1つに記載の方法を実行することが可能にされる。
【0061】
第14の態様によると、本出願は、命令を含むコンピュータプログラム製品を提供する。本コンピュータプログラム製品がネットワークデバイスにおいて動作するとき、ネットワークデバイスは、第2の態様または第2の態様の可能な実装のいずれか1つに記載の方法を実行することが可能にされる。
【0062】
第15の態様によると、本出願は、命令を含むコンピュータプログラム製品を提供する。本コンピュータプログラム製品が端末デバイスにおいて動作するとき、端末デバイスは、第3の態様または第3の態様の可能な実装のいずれか1つに記載の方法を実行することが可能にされる。
【0063】
第16の態様によると、本出願は、端末デバイスと、端末デバイスと通信するネットワークデバイスとを含む通信システムを提供する。端末デバイスは、第1の態様または第1の態様の可能な実装のいずれか1つに記載の方法を実行するように構成され、または、第3の態様または第3の態様の可能な実装のいずれか1つに記載の方法を実行するように構成される。ネットワークデバイスは、第2の態様または第2の態様の可能な実装のいずれか1つに記載の方法を実行するように構成される。
【0064】
本出願における技術的特徴、技術的解決策、有益な効果、または同様の言葉の説明が、すべての特徴および利点がいずれかの個々の実施形態で実現され得ることを示唆するものではないことを理解されたい。逆に、特徴または有益な効果の説明が、少なくとも1つの実施形態が特定の技術的特徴、技術的解決策、または有益な効果を含むことを意味することは理解されよう。したがって、本明細書における技術的特徴、技術的解決策、または有益な効果の説明は、必ずしも同じ実施形態に特有のものではない場合がある。さらに、実施形態で説明されている技術的特徴、技術的解決策、および有益な効果は、任意の適切な方式で組み合わせることができる。当業者なら、特定の実施形態で1つ以上の特定の技術的特徴、技術的解決策、または有益な効果がなくとも、実施形態を実現できることを理解できる。他の実施形態では、すべての実施形態は反映しない特定の実施形態において、追加の技術的特徴および有益な効果がさらに識別され得る。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【
図1】本出願の一実施形態による通信システムのシステムアーキテクチャの図である。
【
図2】本出願の一実施形態によるマルチTRPマルチDCI送信システムのシステムアーキテクチャの図である。
【
図3】本出願の一実施形態によるマルチTRPシングルDCI送信システムのシステムアーキテクチャの図である。
【
図4】本出願の一実施形態によるPDSCH送信方法の概略フローチャートである。
【
図5】本出願の一実施形態による別のPDSCH送信方法の概略フローチャートである。
【
図6】本出願の一実施形態による別のPDSCH送信方法の概略フローチャートである。
【
図7】本出願の一実施形態による別のPDSCH送信方法の概略フローチャートである。
【
図8】本出願の一実施形態による通信装置の構造の概略図である。
【
図9】本出願の一実施形態による通信装置のハードウェア構造の概略図である。
【
図10】本出願の一実施形態による別の通信装置のハードウェア構造の概略図である。
【
図11】本出願の一実施形態による端末デバイスのハードウェア構造の概略図である。
【
図12】本出願の一実施形態によるネットワークデバイスのハードウェア構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0066】
本出願の説明では、特に明記しない限り、「/」は「または」を意味する。例えば、A/Bは、AまたはBを表すことができる。本明細書における「および/または」という用語は、関連する対象を記述するために関連関係のみを記述し、3つの関係が存在し得ることを表す。例えば、Aおよび/またはBは、3つの場合を、すなわち、Aのみが存在する場合と、AとBの両方が存在する場合と、Bのみが存在する場合とを、表すことができる。加えて、「少なくとも1つ」は1以上を意味し、「複数の」は2以上を意味する。「第1」および「第2」などの用語は、数量や実行順序を限定するものではなく、「第1」および「第2」などの用語は、明確な違いを示すものではない。
【0067】
本出願で「例」または「例えば」などの語が、例、図、または説明を与えることを表すために使用されることに注意されたい。本出願で「例」または「例えば」として説明される実施形態または設計方式は、別の実施形態または設計方式より多くの利点を有するものとして、説明されるべきではない。厳密に述べると、「例」や「例えば」などの語の使用は、相対的な概念を特定の方式で提示することを意図している。
【0068】
本出願の一実施形態で提供されるPDSCH送信方法は、
図1に示されている通信システム100に適用される。
図1に示されているように、通信システム100は、ネットワークデバイス10と端末デバイス20とを含む。複数のネットワークデバイス10が存在し得る。例えば、ネットワークデバイス10は2つのネットワークデバイス、すなわち、第1のネットワークデバイスと第2のネットワークデバイスである。第1のネットワークデバイスと第2のネットワークデバイスは、端末デバイス20のためにデータ送信サービスを同時に提供できる。
【0069】
第1のネットワークデバイスと第2のネットワークデバイスの両方が端末デバイスのためにデータ送信サービスを提供するときに、第1のネットワークデバイスは端末デバイスへ第1のDCIを送信し、第1のDCIは、第1のPDSCHをスケジュールするために使用され、第2のネットワークデバイスは端末デバイスへ第2のDCIを送信し、第2のDCIは、第2のPDSCHをスケジュールするために使用される。
【0070】
一例において、ネットワークデバイスはTRPであってよい。例えば、第1のネットワークデバイスは第1のTRPであり、第2のネットワークデバイスは第2のTRPである。
【0071】
本出願の実施形態における通信システムは、ロングタームエボリューション(long term evolution、LTE)システム、第5世代(5th-generation、5G)システム、新しい無線(new radio、NR)システム、無線ローカルエリアネットワーク(wireless local area networks、WLAN)システム、将来の進化型システム、または複数の通信技術を統合したシステムを含み、ただしこれらに限定されない。例えば、本出願の実施形態で提供される方法は、具体的には、進化型汎用地上無線アクセスネットワーク(evolved-universal terrestrial radio access network、E-UTRAN)システムおよび次世代無線アクセスネットワーク(next generation-radio access network、NG-RAN)システムに適用できる。
【0072】
本出願の実施形態におけるネットワークデバイスは、信号を送信し、信号を受信し、または信号を送信しかつ信号を受信するように構成されたネットワーク側エンティティである。ネットワークデバイスは、無線アクセスネットワーク(radio access network、RAN)に配備され、端末デバイスのために無線通信機能を提供する装置であってよく、例えば、TRP、基地局(例えば、進化型NodeB(evolved NodeB、eNBまたはeNodeB)、次世代基地局ノード(next generation node base station、gNB)、次世代eNB(next generation eNB、ng-eNB))、様々な形態の制御ノード(例えば、ネットワークコントローラ、無線コントローラ(例えば、クラウド無線アクセスネットワーク(cloud radio access network、CRAN)シナリオにおける無線コントローラ))、または路側機(road side unit、RSU)であってよい。具体的に述べると、ネットワークデバイスは、様々な形態のマクロ基地局、マイクロ基地局(スモールセルとも呼ばれる)、中継局、アクセスポイント(access point、AP)などであってよく、または基地局のアンテナパネルであってよい。制御ノードは、複数の基地局に接続でき、複数の基地局のカバレッジに含まれる複数の端末デバイスのためにリソースを構成できる。異なる無線アクセス技術(radio access technology、RAT)を用いるシステムでは、基地局機能を有するデバイスの名称が異なる場合がある。例えば、基地局は、LTEシステムではeNBまたはeNodeBと呼ばれることがあり、5GシステムまたはNRシステムではgNBと呼ばれることがある。基地局の具体的な名称は、本出願で限定されない。ネットワークデバイスは、代わりに、将来の進化型公共陸上移動体ネットワーク(public land mobile network、PLMN)などにおけるネットワークデバイスであってもよい。
【0073】
本出願の実施形態における端末デバイスは、信号を受信し、信号を送信し、または信号を受信しかつ信号を送信するように構成されたユーザ側エンティティである。端末デバイスは、ユーザのために音声サービスおよびデータ接続サービスのうちのいずれか1つ以上を提供するように構成される。端末デバイスは、ユーザ機器(user equipment、UE)、端末、アクセス端末、加入者ユニット、加入者ステーション、モバイルステーション、リモートステーション、リモート端末、モバイルデバイス、ユーザ端末、無線通信デバイス、ユーザエージェント、またはユーザ装置と呼ばれることもある。端末デバイスは、車両対すべてのもの(vehicle to everything、V2X)デバイスであってもよく、例えば、スマートカー(smart carまたはintelligent car)、デジタルカー(digital car)、無人車(unmanned car、driverless car、pilotless car、またはautomobile)、自動運転車(self-driving carまたはautonomous car)、純粋な電気自動車(pure EVまたはBattery EV)、ハイブリッド電気自動車(hybrid electric vehicle、HEV)、レンジ拡張電気自動車(range extended EV、REEV)、プラグインハイブリッド電気自動車(plug-in HEV、PHEV)、新エネルギー自動車(new energy vehicle)であってもよい。あるいは、端末デバイスは、デバイス対デバイス(device to device、D2D)デバイスであってもよく、例えば、電気メータまたは水道メータであってもよい。あるいは、端末デバイスは、モバイルステーション(mobile station、MS)、加入者ユニット(subscriber unit)、無人航空機、モノのインターネット(internet of things、IoT)デバイス、WLAN内のステーション(station、ST)、携帯電話機(cellular phone)、スマートフォン(smart phone)、コードレス電話機、無線データカード、タブレットコンピュータ、セッション開始プロトコル(session initiation protocol、SIP)電話機、無線ローカルループ(wireless local loop、WLL)ステーション、パーソナルデジタルアシスタント(personal digital assistant、PDA)デバイス、ラップトップコンピュータ(laptop computer)、マシンタイプ通信(machine type communication、MTC)端末、無線通信機能を有するハンドヘルドデバイス、無線モデムに接続されたコンピューティングデバイスもしくは他の処理デバイス、車載デバイス、またはウェアラブルデバイス(ウェアラブルインテリジェントデバイスと呼ばれることもある)であってもよい。端末デバイスは、代わりに、次世代通信システムの端末デバイスであってもよく、例えば、5Gシステムの端末デバイス、将来の進化型PLMNの端末デバイス、またはNRシステムの端末デバイスであってもよい。
【0074】
本出願をより明確にするため、本出願のいくつかの概念を最初に簡単に説明する。
【0075】
1.マルチTRP送信
第5世代無線アクセスシステム規格のRelease-16バージョン、すなわち新しい無線(new radio、NR)では、マルチTRP送信技術が提供されている。マルチTRP送信技術は、複数のTRPが端末デバイスのためにデータ送信サービスを同時に提供する技術である。例えば、2つのTRPが端末デバイスのためにデータ送信サービスを同時に提供する。
【0076】
マルチTRP送信技術は、2つの送信モードに、すなわち、マルチDCI送信を伴う送信モード1と、シングルDCI送信を伴う送信モード2とに、さらに分類できる。以下では、複数のTRPが2つのTRPである、すなわち第1のTRPと第2のTRPである、一例を用いて、2つの送信モードを詳しく説明する。
【0077】
送信モード1:マルチDCI送信
マルチDCI送信は、端末デバイスのために複数のPDSCHをスケジュールするために、複数のTRPが複数のDCIを別々に送信することを意味する。TRP、DCI、およびPDSCHは、1対1に対応する。換言すると、1つのTRPは、端末デバイスのために1つのPDSCHをスケジュールするために1つのDCIを送信する。
【0078】
例えば、
図2に示されているように、第1のTRPは、端末デバイスへ第1のDCIを送信する。第1のDCIは、第1のPDSCHをスケジュールするために使用される。第2のTRPは、端末デバイスへ第2のDCIを送信する。第2のDCIは、第2のPDSCHをスケジュールするために使用される。このように、第1のTRPと第2のTRPは、端末デバイスのためにデータ送信サービスを同時に提供するために、端末デバイスへPDSCHを別々に送信する。
【0079】
送信モード2:シングルDCI送信
シングルDCI送信は、複数のTRPのうちの1つのみが端末デバイスへDCIを送信し、このDCIがただ1つのPDSCHをスケジュールするために使用されることを意味する。PDSCHのレイヤの一部または復調基準信号(demodulation reference signal、DMRS)ポートは、該TRP以外の複数のTRPのうちのTRPにマッピングされる。PDSCHのレイヤの他の部分またはDMRSポートは、別のTRPにおいて送信される。
【0080】
例えば、
図3に示されているように、第1のTRPは、端末デバイスへ第1のDCIを送信する。第1のDCIは、第1のPDSCHをスケジュールするために使用される。第1のPDSCHの1つの部分は第1のTRPによって送信され、第1のPDSCHの他の部分は第2のTRPによって送信される。
【0081】
2.DCI
NRシステムでは、PDSCHをスケジュールするために使用される物理ダウンリンク制御チャネル(physical downlink control channel、PDCCH)がDCIを搬送する。DCIは、周波数領域リソース割り当て(frequency domain resource assignment)情報フィールド、時間領域リソース割り当て(time domain resource assignment)情報フィールド、およびレートマッチング指示フィールドなどのフィールドを含む。
【0082】
周波数領域リソース割り当て(frequency domain resource assignment)情報フィールドは、周波数領域リソースの位置を指示する。時間領域リソース割り当て(time domain resource assignment)情報フィールドは、時間領域におけるリソース割り当てを指示する。端末デバイスは、周波数領域リソース割り当て(frequency domain resource assignment)情報と時間領域リソース割り当て(time domain resource assignment)情報とに基づいて、PDSCHおよび該PDSCHのDMRSを送信するために使用される時間周波数リソースブロックを決定し、DCIを使用してスケジュールされるPDSCHのマッピングタイプとPDSCHのDMRSの位置を知ることができる。PDSCHのマッピングタイプの関連する説明については、以下の実施形態の内容を参照されたい。ここでは詳細を再度説明しない。
【0083】
本出願の実施形態におけるシンボル(symbol)が時間領域シンボルと呼ばれることもあることに注意されたい。シンボルは、例えば、ロングタームエボリューション(long term evolution、LTE)システムまたはNRシステムにおける直交周波数分割多重(orthogonal frequency division multiplexing)シンボル、または将来のシステムにおける別のシンボルであってよい。ここでは説明が一律に提供され、以下では詳細を再度説明しない。
【0084】
3.レートマッチング(Rate matching)
レートマッチングとは、送信チャネル(PDSCHなど)におけるビットが反復(repeated)またはパンクチャ(punctured)されて、物理チャネルの搬送能力と一致し、チャネルマッピング中に送信フォーマットによって要求されるビットレートに達することを意味する。
【0085】
ネットワークデバイスによって送信されて、PDSCHをスケジュールするために使用されるDCIは、レートマッチングに使用される時間周波数リソースをトリガするために、レートマッチング指示フィールド(Rate matching indicator)および/またはゼロパワーチャネル状態情報基準信号トリガ(ZP CSI-RS trigger)フィールドを含み得る。具体的な実装を以下で説明する。
【0086】
端末デバイスのために時間周波数リソースを構成するときに、ネットワークデバイスは、端末デバイスのために対応するレートマッチングパターングループ(ここで、rate match pattern groupは上位レイヤパラメータrateMatchPatternGroup1およびrateMatchPatternGroup2に対応する)を構成する。レートマッチングパターングループは、1以上のレートマッチングパターン(ここで、rate match patternは上位レイヤパラメータRateMatchPatternに対応する)を含む。各レートマッチングパターンは、レートマッチングを実行するために、周波数領域の粒度として1つのリソースブロックを使用し、時間領域の粒度として1つのシンボルを使用するリソースのグループを指示する。時間周波数リソースを構成した後に、ネットワークデバイスは、RRCを使用して端末デバイスへ時間周波数リソースを配信する。
【0087】
ネットワークデバイスによって構成されるレートマッチングパターングループが、リソースブロック(resource block、RB)およびシンボルレベルリソースセットインデックスのリストを含むことに注意されたい。リソースブロックおよびシンボルレベルリソースセットインデックスのリストは、PDSCHをスケジュールするために使用されるDCI format 1_1(すなわち、PDSCHをスケジュールするために使用されるDCI)のレートマッチング指示フィールドの関連ビットが1に等しい場合に、PDSCH送信に利用できないと動的に指示されるリソースセットの組み合わせを形成する。
【0088】
ネットワークデバイスによって構成されるレートマッチングパターンの一部が、いかなるレートマッチングパターングループにも含まれなくてよいことに注意されたい。これらのレートマッチングパターンは、レートマッチングに確実に使用される。これらのレートマッチングパターンは、DCIで指示されなくてよい。これらのレートマッチングパターンはまた、RBとシンボルレベルリソースセットとの組み合わせに関連するリソース要素を含む。
【0089】
ネットワークデバイスによって送信されて、PDSCHをスケジュールするために使用されるDCIは、レートマッチング指示(Rate matching indicator)フィールドを含み得る。レートマッチング指示フィールドは、レートマッチングパターングループが利用可能であるかどうかを指示する。
【0090】
レートマッチング指示フィールドによって占められるビットの数は、レートマッチングパターングループの数に関係する。例えば、2つのレートマッチングパターングループがある場合は、レートマッチング指示フィールドが2ビットを占め、1つのレートマッチングパターングループがある場合は、レートマッチング指示フィールドが1ビットを占め、または、レートマッチングパターングループがない場合は、レートマッチング指示フィールドが0ビットを占める。
【0091】
前述のビットは、レートマッチングパターングループと1対1に対応する。ネットワークデバイスは、ビットの値に基づいて、ビットに対応するレートマッチングパターングループが利用可能(有効)であるかどうかを指示する。
【0092】
例えば、DCI内にあってレートマッチングパターングループ1を指示するビットの値が1であるなら、レートマッチングパターングループ1は利用可能であり、または、DCI内にあってレートマッチングパターングループ1を指示するビットの値が0であるなら、レートマッチングパターングループ1は利用不可である。
【0093】
一実装において、2つのレートマッチングパターングループがある場合、レートマッチング指示フィールドで最上位ビット(most significant bit、MSB)を占めるビットは、レートマッチングパターングループ1を指示する。最下位ビット(least significant、LSB)を占めるビットは、レートマッチングパターングループ2を指示する。
【0094】
加えて、ネットワークデバイスは、PDSCH構成において端末デバイスのために非周期ゼロパワーチャネル状態情報基準信号リソースセット(ZP CSI-RS resource set)リスト(上位レイヤパラメータaperiodic-ZP-CSI-RS-ResourceSetsToAddModListに対応)を構成する。それぞれの非周期ZP CSI-RS resource setは、1つ以上のゼロパワーCSI-RSリソースZP CSI-RS resource(上位レイヤパラメータZP-CSI-RS-Resourceに対応)を含む。対応する非周期ゼロパワーチャネル状態情報基準信号リソースセットがトリガされると、aperiodic-ZP-CSI-RS-ResourceSetsToAddModListによって指示される1つ以上のリソース要素(resource element、RE)がPDSCHに利用できないと宣言され、レートマッチングに使用される。ZP CSI-RS resource setによって指示される時間周波数リソースを構成した後に、ネットワークデバイスは、RRCを使用して端末デバイスへ時間周波数リソースを配信する。
【0095】
ネットワークデバイスによって送信されて、PDSCHをスケジュールするために使用されるDCIは、ゼロパワーチャネル状態情報基準信号トリガ(ZP CSI-RS trigger)フィールドを含み得る。ゼロパワーチャネル状態情報基準信号トリガフィールドは、AP ZP CSI-RS resource setがトリガされるかどうかを指示する。
【0096】
DCI内のZP CSI-RS triggerフィールドのビット長は、構成された非周期ZP CSI-RS resource setの数に左右される(最大2ビット)。非周期ZP CSI-RS resource set ID(ZP-CSI-RS-ResourceSetIds)の指示を指示することによって、DCI format 1_1の各ZP CSI-RS triggerの非ゼロビットは、aperiodic-ZP-CSI-RS-ResourceSetsToAddModListリスト内の非周期ZP CSI-RS resource setをトリガする。
【0097】
例えば、DCIビット「01」は、ZP-CSI-RS-ResourceSetIds=1のリソースセットをトリガし、DCIビット「10」は、ZP-CSI-RS-ResourceSetIds=2のリソースセットをトリガし、DCIビット「11」は、ZP-CSI-RS-ResourceSetIds=3のリソースセットをトリガする。DCIビット「00」のトリガは、非周期ZP CSI-RSをトリガしないものとして予約されている。
【0098】
4.PDSCHの時間領域マッピング方式
NRシステムにおいて、PDSCHには2つのマッピングタイプが、すなわちマッピングタイプA(mapping type A)とマッピングタイプB(mapping type A)とが、ある。1つのスロット(slot)内のi番目(iは0以上12以下の整数)のシンボルをシンボルiと表記する場合、開始シンボル(シンボルSと表記する)と2タイプのPDSCHの連続するシンボルの数Lは異なり、DMRSの位置も異なる。表1は、2つのmapping type間でのSおよびLの違いを示す。
【0099】
【0100】
通常サイクリックプレフィックス(normal cyclic prefix、NCP)が使用される場合は、以下の通りであることが表1から分かる(拡張サイクリックプレフィックス(expanded cyclic prefix、ECP)も同様)。
【0101】
第一に、type Aの開始シンボルは、最初の4シンボル、すなわちS={0,1,2,3}のシンボルであってよく、type Bの開始シンボルは、最初の13シンボル、すなわちS={0,...,12}のシンボルであってよい。
【0102】
第二に、type Aの連続するシンボルの数は{3,...,14}であってよく、type Bの連続するシンボルの数は{2,4,7}であってよい。
【0103】
マッピングタイプAを一例として使用する。開始シンボルがシンボル2であり、連続するシンボルの数が11であると仮定すると、PDSCHはシンボル{2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12}にマッピングされ得る。
【0104】
あるいは、マッピングタイプBを一例として使用する。開始シンボルがシンボル4であり、連続するシンボルの数が2であると仮定すると、PDSCHはシンボル{4,5}にマッピングされ得る。
【0105】
あるいは、マッピングタイプBを一例として使用する。開始シンボルがシンボル8であり、連続するシンボルの数が4であると仮定すると、PDSCHはシンボル{8,9,10,11}にマッピングされ得る。
【0106】
加えて、マッピングタイプAの場合は、第1のDMRSのシンボルの位置が、上位レイヤパラメータdmrs-TypeA-Positionに基づいて決定されてよく、シンボル2またはシンボル3内にあってよいことに注意されたい。マッピングタイプBの場合、第1のDMRSのシンボルはPDSCHの第1のシンボルにある。加えて、2つのマッピングタイプのスケジューリングのために、追加のDMRSシンボルがスケジュールされてよい。ここでは説明が一律に提供され、以下では詳細を再度説明しない。
【0107】
従来技術では、マルチTRP送信技術のマルチDCI送信モード(マルチTRPマルチDCI送信と表記する)とレートマッチングが組み合わされる。第1のTRPが第1のPDSCHのスケジューリングのために端末デバイスへ第1のDCIを送信し、第2のTRPが第2のPDSCHのスケジューリングのために端末デバイスへ第2のDCIを送信するときに、レートマッチングパターングループが有効化されるかどうかを第1のDCIが指示するケースは、レートマッチングパターングループが有効化されるかどうかを第2のDCIが指示するケースと異なり得る。その結果、第1のPDSCHと第2のPDSCHとの間には強い干渉と弱い干渉の両方がある。この場合、端末デバイスは、2つの異なるケースで干渉を別々に処理する必要があり、端末デバイスは、これらの異なるケースで異なる方式を用いて干渉を処理する必要がある。この場合、端末デバイスは空間領域で第1のPDSCHと第2のPDSCHとを別々に受信する必要がある。このため、端末デバイスによるPDSCH処理の複雑さが増大する。
【0108】
この技術的課題を解決するため、本出願の一実施形態はPDSCH送信方法を提供する。
図4に示されているように、本方法は以下のステップを含む。
【0109】
S401:ネットワークデバイスは、第1のCORESETにおいて第1のDCIを送信し、第2のCORESETにおいて第2のDCIを送信する。
【0110】
第1のDCIは、第1のPDSCHをスケジュールするために使用される。第2のDCIは、第2のPDSCHをスケジュールするために使用される。第1のPDSCHと第2のPDSCHは、重複する時間周波数リソースを有する。第1のPDSCHと第2のPDSCHが重複する時間周波数リソースを有することが、第1のPDSCHと第2のPDSCHが時間領域と周波数領域において部分的または完全に重複することを意味することに注意されたい。
【0111】
第1のDCIと第2のDCIのうちの少なくともいずれか一方は、第1の指示情報を有する(第1の指示情報は、レートマッチング指示(Rate matching indicator)フィールドおよびゼロパワーチャネル状態情報基準信号トリガ(ZP CSI-RS trigger)フィールドのうちの少なくともいずれか一方を含む)。第1のCORESETの構成情報は、第1の識別情報を含む。第2のCORESETの構成情報は、第2の識別情報を含む。第1の識別情報と第2の識別情報は異なる値を有する。
【0112】
第1のDCIおよび第2のDCIのうちの、第1の指示情報を有する1つのDCIに含まれる第1の指示情報は、第1のPDSCHおよび第2のPDSCH内の1つ以上の時間周波数リソースグループが利用可能であるかどうかを指示する(または、端末デバイスが第1のPDSCHと第2のPDSCHを受信するときに1つ以上の時間周波数リソースグループを取得することができるかどうかを第1の指示情報が指示することは理解されよう)。時間周波数リソースグループは1つ以上のリソースセットを含み、時間周波数リソースグループはRRCシグナリングを使用して構成される。本出願の本実施形態では、説明を容易にするために、第1のPDSCHおよび第2のPDSCH内の1つ以上の時間周波数リソースグループが利用可能であるかどうかを指示する前述のDCIをターゲットDCIと表記する。ターゲットDCIは、第1のDCIおよび第2のDCIのうちの、第1の指示情報を有する1つのDCIである。
【0113】
S402:端末デバイスは、ネットワークデバイスからの第1のDCIと第2のDCIを受信する。
【0114】
第1のDCIは第1のCORESETに関連付けられ、第2のDCIは第2のCORESETに関連付けられる。
【0115】
第1のDCIが第1のCORESETに関連付けられることは、ネットワークデバイスが第1のCORESETにおいて第1のDCIを送信することとして理解することもできる。第2のDCIが第2のCORESETに関連付けられることは、ネットワークデバイスが第2のCORESETにおいて第2のDCIを送信することとして理解することもできる。
【0116】
ターゲットDCIが、第1のDCIと第2のDCIからネットワークデバイスによって決定されるDCIであり得ることに注意されたい。ネットワークデバイスは、ターゲットDCIを決定した後に、識別子を使用してDCIをターゲットDCIとしてマークし、または、追加の第1の指示情報を使用して、DCIがターゲットDCIであることを指示する。
【0117】
あるいは、ターゲットDCIは、端末デバイスが第1のDCIと第2のDCIを受信した後に、第1のDCIと第2のDCIとに基づいて端末デバイスによって決定されるターゲットDCIであってもよい。
【0118】
あるいは、ターゲットDCIは、プロトコルで指定されるDCIであってもよい。第1のDCIと第2のDCIを生成するときに、ネットワークデバイスが、プロトコルに基づいて第1のDCIと第2のDCIからターゲットDCIを決定する。あるいは、第1のDCIと第2のDCIを受信した後に、端末デバイスが、プロトコルに基づいて第1のDCIと第2のDCIからターゲットDCIを決定する。
【0119】
上記の技術的解決策に基づくと、マルチTRPマルチDCI送信では、ネットワークデバイスによって送信される第1のDCIおよび第2のDCI内のターゲットDCI内の第1の指示情報は、第1のPDSCHおよび第2のPDSCH内の1つ以上の時間周波数リソースグループが利用可能であるかどうかを指示する。
【0120】
第1のPDSCHおよび第2のPDSCH内の1つ以上の時間周波数リソースグループが利用可能である場合は、第1のPDSCHも第2のPDSCHも、1つ以上の時間周波数リソースグループに対してレートマッチングを実行しない。換言すると、第1のPDSCHと第2のPDSCHの両方は、1つ以上の時間周波数リソースグループにおいて送信されてよい。このように、第1のPDSCHと第2のPDSCHとの間の重複する時間周波数リソースでは、第1のPDSCHと第2のPDSCHとの間に常に強い干渉がある。
【0121】
第1のPDSCHおよび第2のPDSCH内の1つ以上の時間周波数リソースグループが利用可能でない場合は、第1のPDSCHと第2のPDSCHの両方は、1つ以上の時間周波数リソースグループに対してレートマッチングを実行する。換言すると、第1のPDSCHも第2のPDSCHも、1つ以上の時間周波数リソースグループにおいて送信されない。このように、第1のPDSCHも第2のPDSCHも1つ以上の時間周波数リソースグループにおいて送信されず、したがって、第1のPDSCHと第2のPDSCHは互いに干渉しない。1つ以上の時間周波数リソースグループ以外の重複する時間周波数リソースでは、第1のPDSCHと第2のPDSCHとの間に常に強い干渉がある。
【0122】
このように、本出願の本実施形態において、ターゲットDCI内の第1の指示情報は、第1のPDSCHおよび第2のPDSCH内の1つ以上の時間周波数リソースグループが利用可能であるかどうかを指示する。このように、重複する時間周波数リソースにおいて第1のPDSCHと第2のPDSCHとの間に強い干渉しかなく、弱い干渉はない。これに基づくと、端末デバイスは、強い干渉のスクランブル解除方式を使用するだけでPDSCHをスクランブル解除できる。このように、端末デバイスは、空間領域において第1のPDSCHと第2のPDSCHの両方を受信できる。これは、端末デバイスによるPDSCH処理の複雑さを軽減する。
【0123】
可能な一実装において、
図4を参照し、本出願の本実施形態で提供されるPDSCH送信方法は、
図5に示されているように、S401の前に、S403をさらに含む。
【0124】
S403:第1のネットワークデバイスは端末デバイスのために複数のCORESETを構成する。
【0125】
第1のネットワークデバイスは基地局であってよく、複数のCORESETは第1のCORESETと第2のCORESETとを含む。
【0126】
ネットワークデバイスによって構成されたCORESETにおいて、それぞれのCORESETに対応する構成情報は、CORESET Poolインデックス(CORESETPoolIndex)を含む場合と含まない場合とがある。含まれる場合、別々のCORESETの構成情報に含まれるCORESETPoolIndexの値は、CORESETPoolIndex_1またはCORESETPoolIndex_2のいずれかであってよい。
【0127】
CORESETPoolIndex_1とCORESETPoolIndex_2は、特定の値を使用して識別されてよい。例えば、CORESETPoolIndex_1は0であってよく、CORESETPoolIndex_2は1であってよい。
【0128】
ネットワークデバイスは、別々のCORESETにおいて対応するDCIを送信する。例えば、前述の実施形態を参照すると、ネットワークデバイスは、第1のCORESETにおいて第1のDCIを送信し、第2のCORESETにおいて第2のDCIを送信する。
【0129】
本出願の本実施形態において、第1のCORESETと第2のCORESETとに対応するCORESETPoolIndexの値は異なる。
【0130】
例えば、第1のCORESETの構成情報は、値がCORESETPoolIndex_1であるCORESETPoolIndexを含み、第2のCORESETの構成情報は、値がCORESETPoolIndex_2であるCORESETPoolIndexを含む。換言すると、第1のCORESETはCORESETPoolIndex_1に対応し、第2のCORESETはCORESETPoolIndex_2に対応する。
【0131】
あるいは、第1のCORESETの構成情報は、値がCORESETPoolIndex_2であるCORESETPoolIndexを含み、第2のCORESETの構成情報は、値がCORESETPoolIndex_1であるCORESETPoolIndexを含む。換言すると、第1のCORESETはCORESETPoolIndex_2に対応し、第2のCORESETはCORESETPoolIndex_1に対応する。
【0132】
以下では、第1のCORESETがCORESETPoolIndex_1に対応し、第2のCORESETがCORESETPoolIndex_2に対応する一例を説明に使用する。
【0133】
前述の技術的解決策に基づくと、ネットワークデバイスは端末デバイスのために複数のCORESETを構成し、端末デバイスは異なるCORESETで異なるDCIを端末デバイスへ送信できる。
【0134】
本出願の本実施形態の可能な一実装において、ネットワーク側は、マルチTRP送信モードで2つのDCI(第1のDCIと第2のDCIとを含む)を端末デバイスへ送信できる。この場合、S401に記載されているネットワークデバイスは、2つの異なるTRPを含み得る。
【0135】
この場合は、
図4に基づき、
図5に示されているように、ネットワークデバイスが第1のTRPと第2のTRPとを含む一例を使用して、本出願の本実施形態で提供されるPDSCH送信方法をさらに説明する。
図5に示されているように、S401は、具体的には、S401a、S401b、およびS401cを使用して実施されてよく、S402は、S402a、S402b、およびS402cを使用して実施されてよい。
【0136】
S401a:第1のTRPは、第1のCORESETにおいて端末デバイスへ第1のDCIを送信する。
【0137】
可能な一実装において、第1のネットワークデバイスは、端末デバイスのために複数のCORESETを構成した後に、端末デバイスのために送信データを提供する第1のTRPと第2のTRPとを決定する。
【0138】
第1のネットワークデバイスは、RRCメッセージを使用して端末デバイスへ複数のCORESETの構成情報を配信する。複数のCORESETのうちのいずれか1つ以上の構成情報は、CORESETPoolIndexを含み、値がCORESETPoolIndex_1であるCORESETは、第1のCORESETである。1つ以上のCORESETの構成情報は、CORESETPoolIndexを含み、値がCORESETPoolIndex_2であるCORESETは、第2のCORESETである。第1のTRPは、第1のCORESETにおいて第1のDCIを端末デバイスへ送信する。
【0139】
S401b:第2のTRPは、第2のCORESETにおいて端末デバイスへ第2のDCIを送信する。
【0140】
S401bの具体的な実装については、S401aを参照されたい。ここでは詳細を再度説明しない。
【0141】
S401c:第1のTRPと第2のTRPは、第1のDCIと第2のDCIからターゲットDCIを決定する。
【0142】
ターゲットDCIは、第1のDCIおよび第2のDCIのうちの、第1の指示情報を有する1つのDCIである。ターゲットDCI内の第1の指示情報は、第1のPDSCHおよび第2のPDSCH内の1つ以上の時間周波数リソースグループが利用可能であるかどうかを指示する。
【0143】
S401cの一実装において、第1のTRPと第2のTRPが第1のDCIと第2のDCIからターゲットDCIを決定することは、以下の3つのシナリオを含む。シナリオ1:第1のDCIおよび第2のDCIのうちの1つのDCIが第1の指示情報を有する。シナリオ2:第1のDCIと第2のDCIが同じ第1の指示情報を有する。シナリオ3:ネットワークデバイスは第1のDCIと第2のDCIが異なる第1の指示情報を有すると決定する。以下、説明を別々に提供する。
【0144】
シナリオ1:第1のDCIおよび第2のDCIのうちの1つのDCIが第1の指示情報を有する。
【0145】
このシナリオにおいて、第1のTRPと第2のTRPは、ターゲットDCIが第1の指示情報を有するDCIであると決定する。
【0146】
第1の指示情報を有するDCIは、第1のDCIおよび第2のDCIのうちの、既定の条件を満たすDCIである。
【0147】
可能な一実装において、第1のTRPと第2のTRPがDCIを生成する過程では、第1のTRPと第2のTRPは、第1のTRPと第2のTRPによって生成されるDCIが既定の条件を満たすかどうかを決定する。既定の条件が満たされる場合、TRPは、TRPによって生成されるDCIで第1の指示情報を構成する。既定の条件が満たされない場合、TRPは、TRPによって生成されるDCIで第1の指示情報を構成しない。
【0148】
例えば、第1のTRPは、第1のTRPによって生成される第1のDCIが既定の条件を満たすと決定し、第2のTRPは、第2のTRPによって生成される第2のDCIが既定の条件を満たさないと決定する。この場合、第1のTRPは第1のDCIで第1の指示情報を構成する。第2のTRPは第2のDCIで第1の指示情報を構成しない。この場合、第1のTRPと第2のTRPは、第1のDCIをターゲットDCIとして決定する。
【0149】
シナリオ2:第1のDCIと第2のDCIが同じ第1の指示情報を有する。
【0150】
このシナリオにおいて、第1のTRPと第2のTRPは、ターゲットDCIが第1のDCIまたは第2のDCIのいずれかであると決定する。
【0151】
このシナリオにおいて、第1のTRPと第2のTRPが第1のDCIと第2のDCIに対して構成される第1の指示情報を取り決め、その結果、構成される第1のDCIと第2のDCIが同じ第1の指示情報を有することに注意されたい。次いで、第1のTRPと第2のTRPは、取り決めの結果に基づいて第1のDCIと第2のDCIを生成し、第1のDCIと第2のDCIで同じ第1の指示情報を構成する。
【0152】
シナリオ3:ネットワークデバイスは第1のDCIと第2のDCIが異なる第1の指示情報を有すると決定する。
【0153】
このシナリオにおいて、第1のTRPと第2のTRPは、ターゲットDCIが第1のDCIおよび第2のDCIのうちの、既定の条件を満たすDCIであると決定する。
【0154】
このシナリオにおいて、第1のTRPと第2のTRPが対応するDCIをそれぞれ生成することに注意されたい。次いで、第1のTRPと第2のTRPは、第1のDCI内の第1の指示情報が第2のDCI内のものと同じであるかどうかを決定する。第1のDCI内の第1の指示情報が第2のDCI内のものと同じである場合、第1のTRPと第2のTRPは、シナリオ2に記載されている方法を用いてターゲットDCIを決定する。第1のDCI内の第1の指示情報が第2のDCI内のものと異なる場合、第1のTRPと第2のTRPは、第1のDCIおよび第2のDCIのうちの、既定の条件を満たすDCIをターゲットDCIとして決定する。
【0155】
シナリオ1とシナリオ3で使用される既定の条件が、同じ既定の条件であってよいことに注意されたい。これに対応して、既定の条件を満たすDCIは、以下のうちのいずれか1つであり得る。
【0156】
1.CORESETPoolIndexが0であるCORESETに関連付けられたDCI、2.CORESETPoolIndexが1であるCORESETに関連付けられたDCI、3.最大のCORESET-IDを有するCORESETに関連付けられたDCI、4.最小のCORESET-IDを有するCORESETに関連付けられたDCI、5.開始シンボル位置が1位にランク付けされたCORESETに関連付けられたDCI、6.開始シンボル位置が同じであり、終了シンボル位置が1位にランク付けされたCORESETに関連付けられたDCI、7.端末デバイスによって最初にブラインド検出されるCORESETに関連付けられたDCI、8.端末デバイスによって最後にブラインド検出されるCORESETに関連付けられたDCI、および9.端末デバイスによって最後に受信されたDCI。
【0157】
既定の条件を満たす前述のDCIが説明のための一例にすぎず、本出願の本実施形態で説明される既定の条件を満たすDCIを限定しないことに注意されたい。
【0158】
S402a:端末デバイスは、第1のCORESETにおいて第1のDCIを受信する。
【0159】
可能な一実装において、端末デバイスは、第1のDCIを取得するために、第1のCORESETによって指示される時間周波数リソースにおいてPDCCHをブラインド検出する。このプロセスは、具体的には以下の通りである。
【0160】
端末デバイスは、時間周波数リソースにおいて第1のTRPによって送信されるPDCCHを取得するために、1つ以上の探索空間に基づいて、第1のCORESETによって指示される時間周波数リソースにおいてブラインド検出を実行する。端末デバイスは、PDCCHにおいてDCIの受信を試みる。PDCCHにおいて送信されるDCIは、既定のパリティビットを含む。端末デバイスは、PDCCHにおいてDCIを受信した後に、DCIを解析して、DCI内の既定のパリティビットを取得する。端末デバイスは、DCIを解析することによって取得された既定のパリティビットを、第1のネットワークデバイスによって配信されてDCIが生成されるときに使用されるパリティビットと、比較する。2つのパリティビットが一致する場合、これはDCIが正しく受信されたことを意味する。2つのパリティビットが一致しない場合、これはDCIが正しく受信されていないことを意味し、端末デバイスは正しく受信されていないDCIを破棄する。
【0161】
S402b:端末デバイスは、第2のCORESETにおいて第2のDCIを受信する。
【0162】
S402bの具体的な実装については、S402aを参照されたい。ここでは詳細を再度説明しない。
【0163】
端末デバイスは、第1のDCIと第2のDCIを受信した後に、第1のDCIが位置する第1のCORSETの構成情報CORESETPoolIndex(CORESETPoolIndex_1)と第2のDCIが位置する第2のCORESETの構成情報CORESETPoolIndex(CORESETPoolIndex_2)とに基づいて、第1のDCIと第2のDCIが別々のTRPからのものであると決定できる。
【0164】
S402c:端末デバイスは、第1のDCIと第2のDCIからターゲットDCIを決定する。
【0165】
ターゲットDCIは、第1のDCIおよび第2のDCIのうちの、第1の指示情報を有する1つのDCIである。ターゲットDCI内の第1の指示情報は、第1のPDSCHおよび第2のPDSCH内の1つ以上の時間周波数リソースグループが利用可能であるかどうかを指示する。
【0166】
第1のPDSCHおよび第2のPDSCH内の1つ以上の時間周波数リソースグループが利用可能であるかどうかは、端末デバイスが1つ以上の時間周波数リソースグループにおいて第1のPDSCHと第2のPDSCHを受信するかどうかを意味することに注意されたい。
【0167】
端末デバイスが第1のPDSCHと第2のPDSCHを受信するときに1つ以上の時間周波数リソースグループを取得することができることをDCI内の第1の指示情報が指示する場合、端末デバイスは、1つ以上の時間周波数リソースグループにおいて第1のPDSCHと第2のPDSCHを受信する。
【0168】
端末デバイスが第1のPDSCHと第2のPDSCHを受信するときに1つ以上の時間周波数リソースグループを取得することができないことをDCI内の第1の指示情報が指示する場合、端末デバイスは、1つ以上の時間周波数リソースグループにおいて第1のPDSCHと第2のPDSCHを受信しない。
【0169】
S402cの可能な一実装において、第1のDCIと第2のDCIの少なくともいずれか一方は第1の指示情報を有するため、第1のDCIと第2のDCIが第1の指示情報を有することは、以下の4つのケースを含む。ケース1:第1のDCIのみが第1の指示情報を含む。ケース2:第2のDCIのみが第1の指示情報を含む。ケース3:第1のDCIと第2のDCIが第1の指示情報をそれぞれ含み、第1のDCI内の第1の指示情報が第2のDCI内のものと同じである。ケース4:第1のDCIと第2のDCIが第1の指示情報をそれぞれ含み、第1のDCI内の第1の指示情報が第2のDCI内のものと異なる。以下では、4つのケースを別々に詳しく説明する。
【0170】
ケース1:第1のDCIのみが第1の指示情報を含む。
【0171】
この場合、端末デバイスは、第1のDCIをターゲットDCIとして決定する。端末デバイスは、第1のDCI内の第1の指示情報に基づいて、第1のPDSCHおよび第2のPDSCH内の1つ以上の時間周波数リソースグループが利用可能であるかどうかを決定する。
【0172】
端末デバイスが第1のPDSCHと第2のPDSCHを受信するときに1つ以上の時間周波数リソースグループを取得することができることを第1のDCI内の第1の指示情報が指示する場合、端末デバイスは、第1のPDSCHと第2のPDSCHを受信するときに1つ以上の時間周波数リソースグループを取得する。
【0173】
端末デバイスが第1のPDSCHと第2のPDSCHを受信するときに1つ以上の時間周波数リソースグループを取得することができないことを第1のDCI内の第1の指示情報が指示する場合、端末デバイスは、第1のPDSCHと第2のPDSCHを受信するときに1つ以上の時間周波数リソースグループを取得しない。
【0174】
ケース2:第2のDCIのみが第1の指示情報を含む。
【0175】
この場合、端末デバイスは、第2のDCIをターゲットDCIとして決定する。
【0176】
ケース2の具体的な実装については、ケース1を参照されたい。ここでは詳細を再度説明しない。
【0177】
ケース3:第1のDCIと第2のDCIが第1の指示情報をそれぞれ含み、第1のDCI内の第1の指示情報が第2のDCI内のものと同じである。
【0178】
この場合、端末デバイスは、第1のDCIまたは第2のDCI内の第1の指示情報に基づいて、第1のPDSCHおよび第2のPDSCH内の1つ以上の時間周波数リソースグループが利用可能であるかどうかを決定できる。
【0179】
ケース4:第1のDCIと第2のDCIが第1の指示情報をそれぞれ含み、第1のDCI内の第1の指示情報が第2のDCI内のものと異なる。
【0180】
この場合、端末デバイスは、第1のDCIおよび第2のDCIのうちの、既定の条件を満たすDCIをターゲットDCIとして決定する。既定の条件を満たすDCIは、1.CORESETPoolIndexが0であるCORESETに関連付けられたDCI、2.CORESETPoolIndexが1であるCORESETに関連付けられたDCI、3.最大のCORESET-IDを有するCORESETに関連付けられたDCI、4.最小のCORESET-IDを有するCORESETに関連付けられたDCI、5.開始シンボル位置が1位にランク付けされたCORESETに関連付けられたDCI、6.開始シンボル位置が同じであり、終了シンボル位置が1位にランク付けされたCORESETに関連付けられたDCI、7.端末デバイスによって最初にブラインド検出されるCORESETに関連付けられたDCI、8.端末デバイスによって最後にブラインド検出されるCORESETに関連付けられたDCI、および9.端末デバイスによって最後に受信されたDCI、のうちのいずれか1つであり得る。
【0181】
既定の条件を満たす前述のDCIが説明のための一例にすぎず、本出願の本実施形態で説明される既定の条件を満たすDCIを限定しないことに注意されたい。
【0182】
前述の技術的解決策に基づくと、マルチTRPマルチDCI送信シナリオでは、第1のTRPと第2のTRPが第1のCORESETと第2のCORESETにそれぞれ関連付けられ、第1のDCIと第2のDCIは別々のCORESETにおいてそれぞれ送信される。第1のPDSCHと第2のPDSCHがレートマッチングとして構成された1つ以上の時間周波数リソースグループにおいて送信されるかどうかを決定するため、端末デバイスおよび/またはネットワークデバイスは、既定のルールに基づいて、第1のDCIと第2のDCIからターゲットDCIを決定できる。これに基づくと、本出願の実施形態で提供される技術的解決策は、マルチTRPおよびマルチDCI送信の送信モードに適用可能である。
【0183】
本出願の本実施形態の一実装において、
図4を参照し、本出願の本実施形態で提供されるPDSCH送信方法は、
図6に示されているように、S402の後に、S404をさらに含む。
【0184】
S404:端末デバイスは、ターゲットDCIに基づいて、第1のPDSCHと第2のPDSCHを受信するときに1つ以上の時間周波数リソースグループが利用可能であるかどうかを決定する。
【0185】
1つ以上の時間周波数リソースグループが、レートマッチングに使用できる予め構成された時間周波数リソースであることに注意されたい。
【0186】
ネットワークデバイスは、DCIを使用することによって、端末デバイスが第1のPDSCHと第2のPDSCHを受信するときに1つ以上の時間周波数リソースグループを取得することができることを指示することがある。これは、第1のPDSCHと第2のPDSCHを送信するために1つ以上の時間周波数リソースグループが使用できることを意味する。換言すると、1つ以上の時間周波数リソースグループは、レートマッチングに使用されない。
【0187】
ネットワークデバイスは、DCIを使用することによって、端末デバイスが第1のPDSCHと第2のPDSCHを受信するときに1つ以上の時間周波数リソースグループを取得することができないことを指示することがある。これは、第1のPDSCHと第2のPDSCHを送信するために1つ以上の時間周波数リソースグループを使用できないことを意味する。換言すると、1つ以上の時間周波数リソースグループは、レートマッチングに使用される。
【0188】
これに対応して、端末デバイスは、DCI内の第1の指示情報に基づいて、1つ以上の時間周波数リソースグループにおいて第1のPDSCHと第2のPDSCHを受信するかどうかを決定する。
【0189】
第1のPDSCHと第2のPDSCHが受信されるときに1つ以上の時間周波数リソースグループを取得することができることをターゲットDCIが指示する場合、端末デバイスは、1つ以上の時間周波数リソースグループにおいて第1のPDSCHと第2のPDSCHを受信する。
【0190】
第1のPDSCHと第2のPDSCHが受信されるときに1つ以上の時間周波数リソースグループを取得することができないことをターゲットDCIが指示する場合、端末デバイスは、1つ以上の時間周波数リソースグループにおいて第1のPDSCHと第2のPDSCHを受信しない。
【0191】
前述の技術的解決策に基づくと、端末デバイスは、第1のPDSCHと第2のPDSCHを受信するときに、1つ以上の時間周波数リソースグループにおいて第1のPDSCHと第2のPDSCHの両方を受信するか、または受信しない。これは、第1のPDSCHと第2のPDSCHが1つ以上の時間周波数リソースグループにおいて弱い干渉を発生させるのを防ぐことができる。
【0192】
本出願の本実施形態の一実装において、本出願の本実施形態で提供されるPDSCH送信方法は、
図6に示されているように、S401およびS402の前に、S405をさらに含む。
【0193】
S405:端末デバイスは、ネットワークデバイスに第2の指示情報を報告する。
【0194】
第2の指示情報は、端末デバイスが以下の3つの条件のすべてをサポートするかどうかを指示する。条件1:N個のDCIが受信され、N≧2であり、N個のDCIに別々に関連付けられたN個のCORESET内のCORESETPoolIndexが2つの異なる値を有する。条件2:N個のDCIに含まれる第1の指示情報の値が異なる。条件3:N個のDCIによってスケジュールされるN個のPDSCHが重複する時間周波数リソースを有する。
【0195】
N個のPDSCHが重複する時間周波数リソースを有することは、N個のPDSCHが時間領域および周波数領域において部分的または完全に重複することを意味する。
【0196】
端末デバイスが前述の3つの条件を同時にサポートできないことを第2の指示情報が指示する場合、端末デバイスとネットワークデバイスは、前述の実施形態で説明されている方式を参照してDCIを使用することによって、第1のPDSCHと第2のPDSCHがレートマッチングパターングループで利用可能であるかどうかを指示できる。
【0197】
端末デバイスが前述の3つの条件を同時にサポートできることを第2の指示情報が指示する場合、端末デバイスとネットワークデバイスは、従来技術の方式を参照してDCIを使用することによって、第1のPDSCHと第2のPDSCHがレートマッチングパターングループで利用可能であるかどうかを指示できる。
【0198】
前述の技術的解決策に基づくと、ネットワークデバイスは、端末デバイスが前述の3つの条件を同時にサポートするかどうかに基づいて、端末デバイスのためにDCI指示方式を柔軟に選択できる。これは、解決策の適用可能なシナリオとネットワークデバイスの構成の柔軟性を改善する。
【0199】
現在の通信方式では、端末デバイスは、第1のDCIと第2のDCIをブラインド検出した後に、第1のDCIに基づいて第1のPDSCHで時間周波数リソースを決定する。端末デバイスは、第1のDCIによって指示される第1のPDSCHの時間周波数リソース位置で第1のPDSCHを復号する(処理するとも呼ばれる)。端末デバイスは、第2のDCIに基づいて第2のPDSCHで時間周波数リソースを決定する。端末デバイスは、第2のDCIによって指示される第2のPDSCHの時間周波数リソース位置で第2のPDSCHを復号する。
【0200】
この過程で、端末デバイスは、PDSCHでデータ情報を取得するために、PDSCHを復号するための特定の時間を確保する必要がある。PDSCHが正しく受信されたかどうか決定するため、端末デバイスは、PDSCHを復号した後に、物理アップリンク制御チャネル(physical downlink control channel、PUCCH)でハイブリッド自動再送要求(hybrid automatic repeat request、HARQ)情報をネットワークデバイスへ送信できる。PDSCHが正しく受信される場合、端末デバイスはネットワークデバイスへHARQ-肯定応答(acknowledgement、ACK)情報を送信する。PDSCHが正しく受信されない場合、端末デバイスはネットワークデバイスへHARQ-否定応答(negative acknowledgement、NACK)情報を送信する。ネットワークデバイスは、端末デバイスのHARQ-NACK情報を受信した後に、端末デバイスへPDSCHを再送する。
【0201】
従来技術では、端末デバイスがPDSCHを復号するための時間N1が値μに関係すると規定されている。
【0202】
値μは、値Tproc,1を最大化する(μPDCCH、μPDSCH、μUL)のうちのいずれか1つに対応する。μPDCCHは、PDSCHをスケジュールするためのPDCCHのサブキャリア間隔に対応し、μPDSCHは、スケジュールされたPDSCHのサブキャリア間隔に対応し、μULは、HARQ-ACKを送信するためのアップリンクチャネルのサブキャリア間隔に対応する。Tproc,1を具体的に理解するには、以下の式1を参照されたい。
【0203】
端末デバイスの現在のPDSCH処理能力は通常、PDSCH処理能力1とPDSCH処理能力2とを含む。
【0204】
表2は、PDSCH処理能力1におけるμの可能な値、および値μと時間N1との対応関係を示す。
【0205】
【0206】
dmrs-AdditionalPosition=pos(位置)0は、DMRSの追加位置がpos0にあることを指示する。N1,0は、PDSCHのDMRSの追加位置に基づいて決定される。DMRSの追加位置が12に等しい場合、N1,0の値は14である。そうではない場合、N1,0の値は13である。
【0207】
DMRS-DownlinkConfig in both of dmrs-DownlinkForPDSCH-MappingTypeA,dmrs-DownlinkForPDSCH-MappingTypeBは、ダウンリンクPDSCHのマッピングタイプAとダウンリンクPDSCHのマッピングタイプBの両方でDMRSのダウンリンク構成パラメータが構成されることを指示する。
【0208】
dmrs-AdditionalPosition≠pos0は、DMRSの追加位置がpos0にないことを指示する。DMRS-DownlinkConfig in either of dmrs-DownlinkForPDSCH-MappingTypeA,dmrs-DownlinkForPDSCH-MappingTypeB,or if the higher layer parameter is not configuredは、DMRSのダウンリンク構成パラメータが、ダウンリンクPDSCHのマッピングタイプAまたはダウンリンクPDSCHのマッピングタイプBのいずれかで構成されるか、または上位レイヤプロトコルで構成されないことを指示する。
【0209】
表3は、PDSCH処理能力2におけるμの可能な値、および値μと時間N1との対応関係を示す。
【0210】
【0211】
9 for frequency range 1は、周波数範囲が1であるときに、N1の値が9であることを指示する。
【0212】
現在のプロトコルによると、HARQ-ACK情報を搬送するPUCCHの第1のアップリンクシンボルの開始時間は、L1より早くすることはできない。L1は、次のアップリンクシンボルとして定義され、L1のサイクリックプレフィックス(cyclic prefix、CP)は、トランスポートブロック(Transport block、TB)を搬送するPDSCHの最後のシンボルの終了後の時間Tproc,1より後に始まる。Tproc,1は、以下の式1に従って決定される。
【0213】
Tproc,1=(N1+d1,1)(2048+144)・κ2-μ・Tc 式1
d1,1は、スロットにおけるPDSCHの最後のシンボルの位置に基づいて決定され、詳細は以下の通りである。
【0214】
PDSCHのマッピングタイプAにおいて、i<7である場合は、d1,1=7-iであり、そうでない場合は、d1,1=0である。iは、PDSCHの最後のシンボルを表し、スロットにおいてi番目のシンボルである。
【0215】
PDSCHのマッピングタイプBにおいて、d1,1の値は、端末デバイスのPDSCH処理能力に関係する。以下では、端末デバイスのPDSCH処理能力1およびPDSCH処理能力2におけるd1,1の値を別々に説明する。
【0216】
1.PDSCH処理能力1
割り当てられたPDSCHシンボルの数がL≧7である場合、d1,1=0である。
【0217】
割り当てられたPDSCHシンボルの数がL≧4かつL≦6である場合、d1,1=7-Lである。
【0218】
割り当てられたPDSCHシンボルの数がL=3である場合、d1,1=3+min(d,l)であり、ここで、dは、PDSCHをスケジュールするために使用されるPDCCHと該PDSCHとの間で重複するシンボルの数である。
【0219】
割り当てられたPDSCHシンボルの数がL=2である場合、d1,1=3+dである。
【0220】
2.PDSCH処理能力2
割り当てられたPDSCHシンボルの数がL≧7である場合、d1,1=0である。
【0221】
割り当てられたPDSCHシンボルの数がL≧3かつL≦6である場合、d1,1=dである。
【0222】
割り当てられたPDSCHシンボルの数が2であり、以下の条件aが満たされる場合、d1,1=3である。
【0223】
条件aは、PDSCHをスケジュールするために使用されるPDCCHが3シンボルのCORESET内にあり、CORESETの開始シンボルがPDSCHのものと同じであることである。
【0224】
割り当てられたPDSCHシンボルの数が2であり、条件aが満たされない場合、d1,1=dである。
【0225】
κ=Ts/Tcであり、ここで、TcとTsはいずれも時間単位であり、Tcは、NRで規定されている基本時間単位である。Tc=1/(Δfmax×Nf)であり、ここで、Δfmaxはサブキャリア間隔であり、Δfmaxの値はΔfmax=480×103 HZであり、Nfはサンプリングポイントの数であり、Nfの値はNf=4096である。Tsは、LTEで規定されている基本時間単位である。Ts=1/(Δfref×Nf,ref)であり、ここで、Δfmaxはサブキャリア間隔であり、Δfmaxの値はΔfmax=480×103 HZであり、Nfはサンプリングポイントの数であり、Nfの値はNf,ref=2048である。
【0226】
換言すると、PUCCHの最初のアップリンクシンボルの開始時間は、TBを搬送するPDSCHの最後のシンボルの終了後の時間Tproc,1より遅い。
【0227】
マルチTRPマルチDCI送信では、第1のPDSCHと第2のPDSCHとの間に干渉があるため、端末デバイスは、第1のTRPに対応する第1のCORESETと第2のTRPに対応する第2のCORESETでブラインド検出を完了した後に、異なるDCIによって指示されるDMRSポートにおけるリソース割り当て状態と完全なチャネル情報と基づいて第1のPDSCHと第2のPDSCHを復調する必要がある。
【0228】
この場合、端末デバイスは、最初に第1のCORESETでブラインド検出を完了するが、第2のCORESETでブラインド検出を完了しない場合に、第2のCORESETでブラインド検出を完了するために一定期間待つ必要があり、第1のPDSCHと第2のPDSCHを復調する。
【0229】
しかしながら、従来技術では、PDSCHを処理するために端末デバイスによって確保される時間は、すべてのTRPのCORESETでブラインド検出を完了するための待機時間を含まない。その結果、端末デバイスがブラインド検出を完了するための待機時間が、端末デバイスによってPDSCHを処理するための時間を占め、端末デバイスによってPDSCHを処理するための時間が短縮される。この場合は、端末デバイスの複雑さを増大させる必要があり、これにより、端末デバイスによってPDSCHを処理する要件は満たすことができる。
【0230】
可能な一実装では、端末デバイスによってPDSCHを処理するための期間を増加させるため、端末デバイスによってPDSCHを処理するための時間T
proc,1に時間変数Δが導入されてよい。時間変数Δが導入された後、端末デバイスによってPDSCHを処理するための時間は
【数1】
である。
【数2】
【0231】
Δの値は、PDSCHのマッピングタイプ、期間におけるPDSCH、PDSCHと別のPDSCHとの重複度、および、PDSCHと、マッピングタイプBのシナリオでPDSCHをスケジュールするためのDCIが属するPDCCHとの重複度に基づいて決定される。
【0232】
この実装において、端末デバイスは、PDSCHを処理するための時間に時間変数Δを導入する。しかしながら、時間変数Δは、PDSCHのマッピングタイプ、期間におけるPDSCH、PDSCHと別のPDSCHとの重複度、および、PDSCHと、マッピングタイプBのシナリオでスケジュールされるPDCCHとの重複度によって決まる。端末デバイスがすべてのTRPのCORESETでブラインド検出を完了するための待機時間は考慮されない。このように、時間変数Δは、端末デバイスによってPDSCHを処理するための時間を延長できるが、端末デバイスがPDSCHを処理するときに、すべてのTRPのCORESETでブラインド検出を完了するための端末デバイスの待機によってPDSCHを処理するための時間が短くなるという従来技術の課題は、完全には解決できない。加えて、端末デバイスのために複数のTRPが構成されるが、1つのTRPのみがDCIを送信するシナリオでは、または複数のTRPが複数のDCIを送信し、複数のPDSCHをスケジュールするが、PDSCHが重複しないシナリオでは、時間変数Δは、端末デバイスによってPDSCHを処理するための時間に作用しない。したがって、この実装の適用シナリオも制限される。
【0233】
これを考慮し、本出願の一実施形態はPDSCH送信方法を提供する。
図7に示されているように、本方法は以下のステップを含む。
【0234】
S701:端末デバイスは、ネットワークデバイスによって構成される複数のCORESETが2つの異なるCORESETPoolIndex値を有するかどうか決定する。
【0235】
マルチTRPマルチDCI送信プロセスでは、CORESETPoolIndex値が異なる2つのCORESETに第1のTRPと第2のTRPが別々に関連付けられ、第1のPDSCHと第2のPDSCHを別々にスケジュールするために、CORESETPoolIndex値が異なる2つのCORESETにおいてDCIが送信されることに注意されたい。
【0236】
したがって、端末デバイスが、ネットワークデバイスによって構成される複数のCORESETに2つの異なるCORESETPoolIndex値があると決定した場合、これは、端末デバイスのためにデータ送信サービスを提供する2つのTRPがあり、端末デバイスのために2つのPDSCHをスケジュールするために、2つのTRPが2つのCORESETにおいて2つのDCIを送信することを意味する。この場合、端末デバイスは、すべてのTRPのCORESETでブラインド検出を完了し、次いでPDSCHの処理を開始する必要があり得る。
【0237】
端末デバイスが、ネットワークデバイスによって構成される複数のCORESETに2つの異なるCORESETPoolIndex値がないと決定した場合、これは、マルチTRPマルチDCI送信が行われないこと、または端末デバイスのために1つのPDSCHをスケジュールするために、複数のTRPが1つのCORESETにおいてただ1つのDCIを送信することを意味する。
【0238】
異なるケースで端末デバイスによってPDSCHを処理するための時間が異なるという要件を満たすため、2つの異なるケースでは端末デバイスが異なるステップを実行し得る。
【0239】
具体的に述べると、複数のCORESETに2つの異なるCORESETPoolIndex値がない場合は、端末デバイスがS702を実行する。複数のCORESETに2つの異なるCORESETPoolIndex値がある場合は、端末デバイスがS703を実行する。
【0240】
S702:端末デバイスは、端末デバイスが第1のPDSCHを処理する期間が第2の期間であると決定する。
【0241】
この場合、第2の期間の値は値Tproc,1である。
【0242】
換言すると、ネットワークデバイスが端末デバイスのために1つのPDSCHをスケジュールするために端末デバイスへただ1つのDCIを送信するときに、端末デバイスは、PDSCHを処理するために、ブラインド検出を完了して1つのDCIを取得するだけでよい。したがって、この場合、端末デバイスは、すべてのTRPに関連付けられたCORESETで端末デバイスがブラインド検出を完了するのを待つために、PDSCHを処理するための時間をさらに延長する必要はない。この場合、端末デバイスは、端末デバイスが第1のPDSCHを処理する期間が第2の期間であると、すなわち、従来技術でPDSCHを処理するために端末デバイスによって確保される期間であると、決定する。
【0243】
S703:端末デバイスは、端末デバイスが第1のPDSCHを処理する期間が第1の期間であると決定する。
【0244】
第1の期間は、第2の期間と既定の遅延との和である。既定の遅延は、CORESETでブラインド検出を実行する端末デバイスの能力に基づいて決定される。例えば、CORESETでブラインド検出を行う強い能力を有する端末デバイスに対応する既定の遅延は、CORESETでブラインド検出を行う弱い能力を有する端末デバイスに対応する既定の遅延に満たない。具体的に述べると、既定の遅延は、端末デバイスが1つのCORESETでブラインド検出を実行し、第1のDCIを取得した後に、端末デバイスが別のTRPに関連付けられたCORESETでブラインド検出を完了するために確保される待機遅延である。
【0245】
換言すると、第1のTRPと第2のTRPが端末デバイスに対して2つのPDSCHを別々にスケジュールする場合、端末デバイスによって決定される第1のPDSCHを処理するための期間は、従来技術における端末デバイスによってPDSCHを処理するための期間と、1つのCORESETでブラインド検出が完了した後に、端末デバイスが別のTRPのCORESETでブラインド検出を完了するために確保される待機遅延との和である。
【0246】
第1のPDSCHを処理するための期間を決定する方法が、S702およびS703に記載されていることに注意されたい。実際のプロセスでは、端末デバイスによって別のPDSCHを処理するための期間は、方法に基づいて、例えば、端末デバイスが第2のPDSCHを処理する期間に基づいて、さらに決定されてよい。その実装は、S702およびS703で第1のPDSCHを処理するための期間を決定する方法と同じである。本出願では詳細を再度説明しない。
【0247】
一例において、既定の遅延はdμに関係し、dμも値μに関係する。
【0248】
表4は、PDSCH処理能力1におけるμの可能な値、および値μとN1との対応関係を示す。
【0249】
【0250】
表5は、PDSCH処理能力2におけるμの可能な値、および値μとN1との対応関係を示す。
【0251】
【0252】
本出願の本実施形態の一実装において、既定の遅延の値は、端末デバイスによって報告されてよく(シナリオ1と表記する)、またはプロトコルで予め設定されてもよい(シナリオ2と表記する)。以下で個別に説明する。
【0253】
シナリオ1:端末デバイスが既定の遅延の値を報告する。
【0254】
具体的に述べると、端末デバイスは、端末デバイスのPDSCH処理能力に基づいて、端末デバイスに対応する既定の遅延の値を決定する。その後、端末デバイスは、既定の遅延の値をネットワークデバイスに報告し、その結果、ネットワークデバイスは、既定の遅延の値に基づいて、端末デバイスがHARQ情報を含むPUCCHを報告できる時間を決定する。
【0255】
シナリオ2:既定の遅延の値がプロトコルで予め設定される。
【0256】
具体的に述べると、プロトコルでは、異なるタイプの端末デバイスに対して既定の遅延の異なる値が構成されてよい。端末デバイスがネットワークデバイスにアクセスした後に、ネットワークデバイスは、端末デバイスのタイプと、プロトコルでこのタイプの端末デバイスに対して設定される既定の遅延の値とに基づいて、端末デバイスがHARQ情報を含むPUCCHを報告できる時間を決定する。同様に、端末デバイスは、端末デバイスのタイプと、プロトコルでこのタイプの端末デバイスに対して設定される既定の遅延の値とに基づいて、PDSCHを処理するために確保される時間と、HARQ情報を含むPUCCHを報告する可能な時間とを決定する。
【0257】
これに基づくと、端末デバイスは、CORESETが2つの異なるCORESETPoolIndex値を有するかどうかに基づいて、端末デバイスのためにネットワークデバイスによってスケジュールされるPDSCHの数を決定できる。ネットワークデバイスが端末デバイスのために2つのPDSCHをスケジュールするときに、端末デバイスによってPDSCHを処理するための第1の期間は、端末デバイスがすべてのCORESETでブラインド検出を完了するための待機時間を含み、その結果、端末デバイスがPDSCHを処理するのに十分な時間が確保される。このように、デバイスの複雑さを増大させることなく、端末デバイスはPDSCHを処理できる。加えて、ネットワークデバイスが端末デバイスのために1つのPDSCHをスケジュールするときに、PDSCHを処理するために端末デバイスによって確保される時間は、従来技術のものと同じである。このように、このシナリオで端末デバイスがPDSCHを処理するための時間は短縮できる。
【0258】
本出願の前述の実施形態の解決策は、矛盾がない場合に組み合わせることができる。
【0259】
上記では主に、ネットワークエレメント間の相互作用の観点から本出願の実施形態の解決策を説明している。前述の機能を実現するため、ネットワークデバイスや端末デバイスなどのネットワークエレメントが、機能を実行する対応するハードウェア構造およびソフトウェアモジュールのうちの少なくともいずれか1つを含むことは理解されよう。当業者なら、本明細書で開示されている実施形態で説明されている例のユニットおよびアルゴリズムのステップと併せて、本出願がハードウェアまたはハードウェアとコンピュータソフトウェアとの組み合わせによって実装され得ることに容易に気付くはずである。機能がハードウェアによって実行されるか、またはコンピュータソフトウェアによって駆動されるハードウェアによって実行されるかは、技術的解決策の具体的な用途と設計上の制約しだいで決まる。当業者なら、具体的な用途ごとに様々な方法を用いて説明されている機能を実装できるが、その実装が本出願の範囲を超えると考えるべきではない。
【0260】
本出願の実施形態において、ネットワークデバイスと端末デバイスは、方法の例に基づいて機能ユニットに分割されてよい。例えば、各機能ユニットは、対応する各機能に基づく分割によって得られてよく、または2つ以上の機能が1つの処理ユニットに統合されてもよい。統合ユニットは、ハードウェアの形態で実装されてよく、またはソフトウェア機能ユニットの形態で実装されてもよい。本出願の本実施形態において、ユニットへの分割が一例であり、論理的な機能分割にすぎないことに注意されたい。実際の実装では、別の分割方式が使用されてもよい。
【0261】
統合ユニットが使用される場合、
図8は、前述の実施形態における通信装置(通信装置80と表記する)の可能な構造の概略図である。通信装置80は、処理ユニット801と通信ユニット802とを含み、記憶ユニット803をさらに含んでもよい。
図8に示されている構造の概略図は、前述の実施形態のネットワークデバイスおよび端末デバイスの構造を示すために使用されてよい。
【0262】
図8に示されている構造の概略図が前述の実施形態の端末デバイスの構造を示すために使用される場合、処理ユニット801は、端末デバイスの動作を制御および管理するように、例えば、
図4のS402、
図5のS402a、S402b、S402c、およびS403、
図6のS402、S404、およびS405、ならびに
図7のS701、S702、およびS703、ならびに/または本出願の実施形態で説明されている別のプロセスで端末デバイスによって実行される動作を実行するように端末デバイスを制御するように、構成される。処理ユニット801は、通信ユニット802を使用して別のネットワークエンティティと通信でき、例えば、
図1に示されているネットワークデバイスと通信できる。記憶ユニット803は、端末デバイスのプログラムコードおよびデータを記憶するように構成される。
【0263】
図8に示されている構造の概略図が前述の実施形態の端末デバイスの構造を示すために使用される場合、通信装置80は、端末デバイスであってよく、または端末デバイス内のチップであってもよい。
【0264】
図8に示されている構造の概略図が前述の実施形態のネットワークデバイスの構造を示すために使用される場合、処理ユニット801は、ネットワークデバイスの動作を制御および管理するように、例えば、
図4のS401、
図5のS401a、S401b、S401c、およびS403、ならびに
図6のS401およびS405、ならびに/または本出願の実施形態で説明されている別のプロセスで端末デバイスによって実行される動作を実行するようにネットワークデバイスを制御するように、構成される。処理ユニット801は、通信ユニット802を使用して別のネットワークエンティティと通信でき、例えば、
図1に示されているネットワークデバイスと通信できる。記憶ユニット803は、端末デバイスのプログラムコードおよびデータを記憶するように構成される。
【0265】
図8に示されている構造の概略図が前述の実施形態のネットワークデバイスの構造を示すために使用される場合、通信装置80は、ネットワークデバイスであってよく、またはネットワークデバイス内のチップであってもよい。
【0266】
通信装置80が端末デバイスまたはネットワークデバイスである場合、処理ユニット801は、プロセッサまたはコントローラであってよく、通信ユニット802は、通信インターフェイス、トランシーバ、トランシーバデバイス、トランシーバ回路、トランシーバ装置などであってよい。通信インターフェイスは総称であり、1つ以上のインターフェイスを含み得る。記憶ユニット803は、メモリであってよい。通信装置80が端末デバイスまたはネットワークデバイス内のチップである場合、処理ユニット801は、プロセッサまたはコントローラであってよく、通信ユニット802は、入力インターフェイスおよび/または出力インターフェイス、ピン、回路などであってよい。記憶ユニット803は、チップ内の記憶ユニット(例えば、レジスタまたはキャッシュ)であってよく、または端末デバイスもしくはネットワークデバイス内にあってチップの外部に位置する記憶ユニット(例えば、読み取り専用メモリ(read-only memory、略してROM)もしくはランダムアクセスメモリ(random access memory、略してRAM))であってもよい。
【0267】
通信ユニットは、トランシーバユニットと呼ばれることもある。通信装置80内の送受信機能を有するアンテナおよび制御回路は、通信装置80の通信ユニット802とみなすことができ、処理機能を有するプロセッサは、通信装置80の処理ユニット801とみなすことができる。任意に選べることとして、通信ユニット802内の受信機能を実現するように構成されたコンポーネントは、受信ユニットとみなすことができる。受信ユニットは、本出願の実施形態で受信ステップを実行するように構成される。受信ユニットは、受信デバイス、受信器、受信器回路などであってよい。通信ユニット802内の送信機能を実現するように構成されたコンポーネントは、送信ユニットとみなすことができる。送信ユニットは、本出願の実施形態で送信ステップを実行するように構成される。送信ユニットは、送信デバイス、送信器、送信回路などであってよい。
【0268】
図8の統合ユニットがソフトウェア機能モジュールの形態で実装され、独立した製品として販売または使用される場合、統合ユニットはコンピュータ可読記憶媒体に記憶されてよい。そのような理解に基づくと、本質的に本出願の実施形態の技術的解決策、または従来技術に寄与する部分、または技術的解決策の全部または一部は、ソフトウェア製品の形態で実装されてよい。コンピュータソフトウェア製品は、記憶媒体に記憶され、本出願の実施形態で説明されている方法のステップの全部または一部を実行することをコンピュータデバイス(パーソナルコンピュータ、サーバ、またはネットワークデバイスであってよい)またはプロセッサ(processor)に命令するいくつかの命令を含む。コンピュータソフトウェア製品を記憶する記憶媒体は、USBフラッシュドライブ、リムーバブルハードディスク、読み取り専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、磁気ディスク、または光ディスクなど、プログラムコードを記憶できるいずれかの媒体を含む。
【0269】
図8のユニットは、代わりに、モジュールと呼ばれてもよい。例えば、処理ユニットは処理モジュールと呼ばれてもよい。
【0270】
本出願の一実施形態は、通信装置(通信装置90と表記する)のハードウェア構造の概略図をさらに提供する。
図9または
図10を参照すると、通信装置90はプロセッサ901を含む。任意に選べることとして、通信装置90は、プロセッサ901に接続されたメモリ902をさらに含み得る。
【0271】
第1の可能な実装において、
図9を参照すると、通信装置90はトランシーバ903をさらに含む。プロセッサ901、メモリ902、およびトランシーバ903は、バスを通じて接続される。トランシーバ903は、別のデバイスまたは通信ネットワークと通信するように構成される。任意に選べることとして、トランシーバ903は、送信デバイスと受信デバイスとを含み得る。トランシーバ903内の受信機能を実現するように構成されたコンポーネントは、受信デバイスとみなすことができる。受信デバイスは、本出願の実施形態で受信ステップを実行するように構成される。トランシーバ903内の送信機能を実現するように構成されたコンポーネントは、送信デバイスとみなすことができる。送信デバイスは、本出願の実施形態で送信ステップを実行するように構成される。
【0272】
第1の可能な実装に基づくと、
図9に示されている構造の概略図は、前述の実施形態のネットワークデバイスまたは端末デバイスの構造を示すために使用されてよい。
【0273】
図9に示されている構造の概略図が前述の実施形態の端末デバイスの構造を示すために使用される場合、プロセッサ901は、端末デバイスの動作を制御および管理するように構成される。例えば、プロセッサ901は、
図4のS402、
図5のS402a、S402b、S402c、およびS403、
図6のS402、S404、およびS405、ならびに
図7のS701、S702、およびS703、ならびに/または本出願の実施形態で説明されている別のプロセスで端末デバイスによって実行される動作を実行するにあたって端末デバイスを支援するように構成される。プロセッサ901は、トランシーバ903を使用して別のネットワークエンティティと通信でき、例えば、
図1に示されているネットワークデバイスと通信できる。メモリ902は、端末デバイスのプログラムコードおよびデータを記憶するように構成される。
【0274】
図9に示されている構造の概略図が前述の実施形態のネットワークデバイスの構造を示すために使用される場合、プロセッサ901は、ネットワークデバイスの動作を制御および管理するように構成される。例えば、プロセッサ901は、
図4のS401、
図5のS401a、S401b、S401c、およびS403、ならびに
図6のS401およびS405、ならびに/または本出願の実施形態で説明されている別のプロセスでネットワークデバイスによって実行される動作を実行するにあたってネットワークデバイスを支援するように構成される。プロセッサ901は、トランシーバ903を使用して別のネットワークエンティティと通信でき、例えば、
図1に示されている端末デバイスと通信できる。メモリ902は、ネットワークデバイスのプログラムコードおよびデータを記憶するように構成される。
【0275】
第2の可能な実装において、プロセッサ901は、論理回路と、入力インターフェイスおよび出力インターフェイスのうちの少なくとも一方とを含む。出力インターフェイスは、対応する方法で送信動作を実行するように構成され、入力インターフェイスは、対応する方法で受信動作を実行するように構成される。
【0276】
第2の可能な実装に基づき、
図10を参照すると、
図10に示されている構造の概略図は、前述の実施形態のネットワークデバイスまたは端末デバイスの構造を示すために使用されてよい。
【0277】
図10に示されている構造の概略図が前述の実施形態の端末デバイスの構造を示すために使用される場合、プロセッサ1001は、端末デバイスの動作を制御および管理するように構成される。例えば、プロセッサ1001は、
図4のS402、
図5のS402a、S402b、S402c、およびS403、ならびに
図6のS402、S404、およびS405、ならびに/または本出願の実施形態で説明されている別のプロセスで端末デバイスによって実行される動作を実行するにあたって端末デバイスを支援するように構成される。プロセッサ1001は、入力インターフェイスおよび出力インターフェイスのうちの少なくとも一方を使用して別のネットワークエンティティと通信でき、例えば、
図1に示されているネットワークデバイスと通信できる。メモリ1002は、端末デバイスのプログラムコードおよびデータを記憶するように構成される。
【0278】
図10に示されている構造の概略図が前述の実施形態のネットワークデバイスの構造を示すために使用される場合、プロセッサ1001は、ネットワークデバイスの動作を制御および管理するように構成される。例えば、プロセッサ1001は、
図4のS401、
図5のS401a、S401b、S401c、およびS403、ならびに
図6のS401およびS405、ならびに/または本出願の実施形態で説明されている別のプロセスでネットワークデバイスによって実行される動作を実行するにあたってネットワークデバイスを支援するように構成される。プロセッサ1001は、入力インターフェイスおよび出力インターフェイスのうちの少なくとも一方を使用して別のネットワークエンティティと通信でき、例えば、
図1に示されている端末デバイスと通信できる。メモリ1002は、ネットワークデバイスのプログラムコードおよびデータを記憶するように構成される。
【0279】
図9および
図10は、代わりに、ネットワークデバイス内のシステムチップを示してもよい。この場合、ネットワークデバイスによって実行される動作は、システムチップによって実現されてよい。実行される具体的な動作については、前述の説明を参照されたい。ここでは詳細を再度説明しない。
図9および
図10は、代わりに、端末デバイス内のシステムチップを示してもよい。この場合、端末デバイスによって実行される動作は、システムチップによって実現されてよい。実行される具体的な動作については、前述の説明を参照されたい。ここでは詳細を再度説明しない。
【0280】
加えて、本出願の一実施形態は、端末デバイス(端末デバイス110と表記する)およびネットワークデバイス(ネットワークデバイス120と表記する)のハードウェア構造の概略図をさらに提供する。詳細については、
図11および
図12をそれぞれ参照されたい。
【0281】
図11は、端末デバイス110のハードウェア構成の概略図である。説明を容易にするため、
図11は、端末デバイスの主要なコンポーネントのみを示している。
図11に示されているように、端末デバイス110は、プロセッサと、メモリと、制御回路と、アンテナと、入力/出力装置とを含む。
【0282】
プロセッサは主に、通信プロトコルと通信データを処理し、端末デバイス全体を制御し、ソフトウェアプログラムを実行し、ソフトウェアプログラムのデータを処理し、例えば、
図4のS402、
図5のS402a、S402b、S402c、およびS403、ならびに
図6のS402、S404、およびS405、ならびに/または本出願の実施形態で説明されている別のプロセスで端末デバイスによって実行される動作を実行するように端末デバイスを制御するように構成される。メモリは主に、ソフトウェアプログラムとデータを記憶するように構成される。制御回路(無線周波数回路とも呼ばれる)は主に、ベースバンド信号と無線周波数信号との変換を実行し、無線周波数信号を処理するように構成される。制御回路およびアンテナはともにトランシーバと呼ばれることもあり、主に、電磁波の形をとる無線周波数信号を送受信するように構成される。タッチスクリーン、ディスプレイ、またはキーボードなどの入力/出力装置は主に、ユーザによって入力されるデータを受け取り、ユーザに向けてデータを出力するように構成される。
【0283】
プロセッサは、端末デバイスの電源が投入された後に、メモリ内のソフトウェアプログラムを読み取り、ソフトウェアプログラムの命令を解釈して実行し、ソフトウェアプログラムのデータを処理することができる。プロセッサがアンテナを通じてデータを送信する必要があるときには、送信されるべきデータに対してベースバンド処理を実行した後に、プロセッサは、制御回路内の制御回路にベースバンド信号を出力する。制御回路は、ベースバンド信号に対して無線周波数処理を実行し、次いで、アンテナを通じて無線周波数信号を電磁波の形で外部へ送信する。データが端末デバイスへ送信されると、制御回路は、アンテナを通じて無線周波数信号を受信し、無線周波数信号をベースバンド信号に変換し、ベースバンド信号をプロセッサに出力する。プロセッサは、ベースバンド信号をデータに変換し、データを処理する。
【0284】
当業者なら、説明を容易にするために、
図11が1つのメモリと1つのプロセッサのみを示していることを理解できる。実際の端末デバイスは、複数のプロセッサとメモリを含み得る。メモリは、記憶媒体、記憶装置などと呼ばれることもある。これは本出願の本実施形態で限定されない。
【0285】
任意選択の実装において、プロセッサは、ベースバンドプロセッサと中央処理装置とを含み得る。ベースバンドプロセッサは主に、通信プロトコルと通信データを処理するように構成される。中央処理装置は主に、端末デバイス全体を制御し、ソフトウェアプログラムを実行し、ソフトウェアプログラムのデータを処理するように構成される。
図11のプロセッサは、ベースバンドプロセッサおよび中央処理装置の機能と統合されている。当業者なら、ベースバンドプロセッサと中央処理装置が独立したプロセッサであってもよく、バスなどの技術を使用して相互接続されることを理解できる。当業者なら、様々なネットワーク規格に適応するために端末デバイスが複数のベースバンドプロセッサを含み得、端末デバイスの処理能力を高めるために端末デバイスが複数の中央処理装置を含み得、端末デバイスのコンポーネントが様々なバスを通じて接続され得ることを理解できる。ベースバンドプロセッサは、代わりに、ベースバンド処理回路またはベースバンド処理チップと表現されてもよい。中央処理装置は、代わりに、中央処理回路または中央処理チップと表現されてもよい。通信プロトコルと通信データを処理する機能は、プロセッサに内蔵されていてもよく、またはソフトウェアプログラムの形態でメモリに記憶されてもよい。プロセッサは、ソフトウェアプログラムを実行してベースバンド処理機能を実現する。
【0286】
図12は、ネットワークデバイス120のハードウェア構造の概略図である。ネットワークデバイス120は、リモート無線ユニット(remote radio unit、略してRRU)1201などの1つ以上の無線周波数ユニットと、1つ以上のベースバンドユニット(baseband unit、略してBBU)(これはデジタルユニット(digital unit、略してDU)と呼ばれることもある)1202とを含み得る。
【0287】
RRU 1201は、トランシーバユニット、トランシーバデバイス、トランシーバ回路、トランシーバなどと呼ばれることがあり、少なくとも1つのアンテナ1211と無線周波数ユニット1212とを含み得る。RRU 1201は主に、無線周波数信号を送受信し、無線周波数信号とベースバンド信号との変換を実行するように構成される。RRU 1201とBBU 1202は、物理的に一緒に配置されてよく、または物理的に別々に配置されてもよく、例えば分散型基地局であってもよい。
【0288】
BBU 1202は、ネットワークデバイスの制御センターであり、処理ユニットと呼ばれることもあり、主に、チャネル符号化、多重化、変調、およびスペクトル拡散などのベースバンド処理機能を完了するように構成される。
【0289】
一実施形態において、BBU 1202は、1つ以上の基板を含み得る。複数の基板は、単一のアクセス規格の無線アクセスネットワーク(LTEネットワークなど)を共同でサポートでき、または様々なアクセス規格の無線アクセスネットワーク(LTEネットワーク、5Gネットワーク、または別のネットワークなど)を別々にサポートすることもできる。BBU 1202は、メモリ1221とプロセッサ1222とをさらに含む。メモリ1221は、必要な命令およびデータを記憶するように構成される。プロセッサ1222は、必要な動作を実行するようにネットワークデバイスを制御するように構成される。メモリ1221とプロセッサ1222は、1つ以上の基板にサービスを提供できる。すなわち、メモリとプロセッサは、各基板に個別に配置されてよい。あるいは、複数の基板が同一のメモリと同一のプロセッサを共有してもよい。加えて、必要な回路が各基板にさらに配置されてもよい。
【0290】
図12に示されているネットワークデバイス120が、
図4のS401、
図5のS401a、S401b、S401c、およびS403、ならびに
図6のS401およびS405、ならびに/または本出願の実施形態で説明されている別のプロセスでネットワークデバイスによって実行される動作を実行できることを理解されたい。ネットワークデバイス120内のモジュールの動作、機能、または動作および機能は、前述の方法の実施形態で対応する手順を実施するように別々に設定される。詳細については、前述の方法の実施形態の説明を参照されたい。繰り返しを避けるため、ここでは詳細な説明を適切に省略する。
【0291】
実施過程において、実施形態の方法のステップは、プロセッサ内のハードウェア集積論理回路を使用することによって、またはソフトウェアの形をとる命令を使用することによって、完了できる。本出願の実施形態を参照して開示されている方法のステップは、ハードウェアプロセッサによって直接実行および完了されてよく、またはプロセッサ内のハードウェアおよびソフトウェアモジュールの組み合わせを使用して実行および完了されてもよい。
【0292】
本出願におけるプロセッサは、ソフトウェアを実行する以下のコンピューティングデバイス、すなわち、中央処理装置(central processing unit、CPU)、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、マイクロコントローラユニット(microcontroller unit、MCU)、または人工知能プロセッサのうちの少なくともいずれか1つを含み得、ただしこれらに限定されない。それぞれのコンピューティングデバイスは、ソフトウェア命令を実行することによって動作または処理を実行するように構成された1つ以上のコアを含み得る。プロセッサは、独立した半導体チップであってよく、または別の回路と統合されて半導体チップを形成してもよく、例えば、別の回路(例えば、コーデック回路、ハードウェア加速回路、または様々なバスおよびインターフェイス回路)とともにSoC(システム・オン・チップ)を形成してもよく、またはASICの組み込みプロセッサとしてASICに統合されてもよい。プロセッサと統合されたASICは、独立してパッケージされてもよく、または他の回路とともにパッケージされてもよい。ソフトウェア命令を実行することによって動作または処理を実行するように構成されたコアに加えて、プロセッサは、必要なハードウェアアクセラレータを、例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field programmable gate array、FPGA)、PLD(プログラマブル論理デバイス)、または特化された論理動作を実施する論理回路を、さらに含み得る。
【0293】
本出願の実施形態におけるメモリは、以下のタイプ、すなわち、読み取り専用メモリ(read-only memory、ROM)もしくは静的情報および命令を記憶できる別のタイプの静的記憶装置、またはランダムアクセスメモリ(random access memory、RAM)もしくは情報および命令を記憶できる別のタイプの動的記憶装置のうちの少なくともいずれか1つを含み得、または電気的消去可能プログラム可能読み取り専用メモリ(Electrically erasable programmabler-only memory、EEPROM)であってもよい。いくつかのシナリオにおいて、メモリは、代わりに、コンパクトディスク読み取り専用メモリ(compact disc read-only memory、CD-ROM)もしくは別のコンパクトディスクストレージ、光ディスクストレージ(コンパクト光ディスク、レーザーディスク(登録商標)、光ディスク、デジタル多用途ディスク、ブルーレイディスクなどを含む)、磁気ディスク記憶媒体もしくは別の磁気記憶装置、または命令もしくはデータ構造の形で期待されるプログラムコードを保持もしくは記憶するために使用でき、コンピュータからアクセスできる他の何らかの媒体であってもよい。しかしながら、メモリはこれらに限定されない。
【0294】
本出願の一実施形態は、命令を含むコンピュータ可読記憶媒体をさらに提供する。命令がコンピュータにおいて実行されるとき、コンピュータは前述の方法のいずれか1つを実行することが可能にされる。
【0295】
本出願の一実施形態は、命令を含むコンピュータプログラム製品をさらに提供する。コンピュータプログラム製品がコンピュータにおいて動作するとき、コンピュータは前述の方法のいずれか1つを実行することが可能にされる。
【0296】
本出願の一実施形態は、前述のネットワークデバイスと前述の端末デバイスとを含む通信システムをさらに提供する。
【0297】
本出願の一実施形態はチップをさらに提供する。チップは、プロセッサとインターフェイス回路とを含む。インターフェイス回路はプロセッサに結合される。プロセッサは、前述の方法を実施するために、コンピュータプログラムまたは命令を実行するように構成される。インターフェイス回路は、チップの外部の他のモジュールと通信するために使用される。
【0298】
前述の実施形態の全部または一部は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組み合わせによって実装されてよい。実施形態を実装するためにソフトウェアプログラムが使用される場合は、実施形態の全部または一部がコンピュータプログラム製品の形態で実装されてよい。コンピュータプログラム製品は、1つ以上のコンピュータ命令を含む。コンピュータプログラム命令がコンピュータに読み込まれて実行されるとき、本出願の実施形態による手順または機能がすべてまたは部分的に生成される。コンピュータは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、コンピュータネットワーク、または他のプログラム可能な装置であってよい。コンピュータ命令は、コンピュータ可読記憶媒体に記憶されてよく、または或るコンピュータ可読記憶媒体から別のコンピュータ可読記憶媒体へ送信されてもよい。例えば、コンピュータ命令は、或るウェブサイト、コンピュータ、サーバ、またはデータセンターから別のウェブサイト、コンピュータ、サーバ、またはデータセンターへ、有線方式(例えば、同軸ケーブル、光ファイバ、またはデジタル加入者線(digital subscriber line、略してDSL))で、または無線方式(例えば、赤外線、無線、またはマイクロ波)で、送信されてよい。コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータによってアクセス可能な何らかの使用可能な媒体であってよく、または1つ以上の使用可能な媒体を統合したサーバまたはデータセンターなどのデータ記憶装置であってよい。使用可能な媒体は、磁気媒体(例えば、フロッピーディスク、ハードディスク、または磁気テープ)、光媒体(例えば、DVD)、半導体媒体(例えば、ソリッドステートドライブ(solid state disk、略してSSD))などであってよい。
【0299】
実施形態を参照して本出願が説明されているが、保護を主張する本出願を実装する過程で、当業者なら、添付の図面、開示されている内容、および添付の特許請求の範囲を見ることによって、開示されている実施形態の他の変形を理解し実装することができる。特許請求の範囲において、「含む」(comprising)という用語は、別のコンポーネントまたは別のステップを排除するものではなく、「a」または「one」という用語は、複数の場合を排除するものではない。単一のプロセッサまたは別のユニットが、特許請求の範囲に列挙されているいくつかの機能を実現できる。いくつかの手段が互いに異なる従属クレームに記述されているが、これは、これらの手段を組み合わせてより良い効果を生み出すことができないことを意味するものではない。
【0300】
本出願は、その具体的な特徴および実施形態を参照して説明されているが、本出願の範囲から逸脱することなく、それらに対して様々な修正や組み合わせを行うことができることは明らかである。これに対応して、本明細書と添付の図面は、添付の特許請求の範囲によって規定される本出願の例示的な説明にすぎず、本出願の範囲をカバーする修正、変形、組み合わせ、または等価物のいずれかまたはすべてとみなされる。当業者が、本出願の精神および範囲から逸脱することなく、本出願に対して様々な修正や変形を行うことができることは明らかである。この場合、本出願は、本出願のこれらの修正および変形が以下の特許請求の範囲とそれらの同等の技術とによって規定される保護の範囲内に入るならば、これらの修正および変形をカバーすることを意図している。
【0301】
前述の説明は、本出願の特定の実装にすぎず、本出願の保護範囲を限定することを意図するものではない。本出願で開示されている技術的範囲内で当業者によって容易に考え出されるいかなる変形または置換も、本出願の保護範囲内に入るものとする。したがって、本出願の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲に従うものとする。
【符号の説明】
【0302】
10 ネットワークデバイス
20 端末デバイス
80 通信装置
90 通信装置
100 通信システム
110 端末デバイス
120 ネットワークデバイス
801 処理ユニット
802 通信ユニット
803 記憶ユニット
901 プロセッサ
902 メモリ
903 トランシーバ
1001 プロセッサ
1002 メモリ
1201 リモート無線ユニット(RRU)
1202 ベースバンドユニット(BBU)
1211 アンテナ
1212 無線周波数ユニット
1221 メモリ
1222 プロセッサ