(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-05
(45)【発行日】2024-08-14
(54)【発明の名称】ジャーナルアラートシステム、アラートデータ送信方法およびアラートデータ送信用プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/06 20230101AFI20240806BHJP
G07G 1/00 20060101ALI20240806BHJP
G07G 1/12 20060101ALI20240806BHJP
【FI】
G06Q30/06
G07G1/00 331B
G07G1/12 341G
G07G1/12 321R
(21)【出願番号】P 2023172105
(22)【出願日】2023-10-03
【審査請求日】2023-12-21
(73)【特許権者】
【識別番号】518163150
【氏名又は名称】株式会社サードアイズ
(74)【代理人】
【識別番号】100160314
【氏名又は名称】西村 公芳
(74)【代理人】
【識別番号】100087745
【氏名又は名称】清水 善廣
(74)【代理人】
【識別番号】100118094
【氏名又は名称】殿元 基城
(74)【代理人】
【識別番号】100134038
【氏名又は名称】野田 薫央
(74)【代理人】
【識別番号】100150968
【氏名又は名称】小松 悠有子
(72)【発明者】
【氏名】北川 政知
【審査官】大野 朋也
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-198218(JP,A)
【文献】特開2014-006774(JP,A)
【文献】特開2016-146144(JP,A)
【文献】特開2007-241338(JP,A)
【文献】特開2007-241337(JP,A)
【文献】特開2007-241339(JP,A)
【文献】特開2011-118583(JP,A)
【文献】特許第6764737(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G07G 1/00
G07G 1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗のレジのレジ操作において操作ミスや不正行為が行われた場合に、当該レジのジャーナルデータに記録されることが想定されるキーワードと、アラートデータを送信するためのアカウントの情報とが記録された記録手段と、
集計された前記ジャーナルデータを受信すると共に、前記アカウント宛に前記アラートデータを送信するための通信手段と、
制御手段と
を備え、
前記制御手段は、
前記通信手段により受信された前記ジャーナルデータに、前記キーワードが記録されているかどうかを検出し、
前記キーワードが検出されたレジ操作の操作時刻を前記ジャーナルデータに記録された時刻情報より取得し、
前記ジャーナルデータより取得された前記時刻情報と、前記ジャーナルデータに記録されたレジを特定するためのレジ特定情報と、前記レジが設置された店舗を特定するための店舗特定情報とが記録された前記アラートデータを、前記キーワード毎に作成し、
前記キーワード毎に作成された前記アラートデータを、前記通信手段を用いて、前記アカウント宛てに送信すること
を特徴とするジャーナルアラートシステム。
【請求項2】
前記レジにおける前記レジ操作の様子を撮影した映像データが、撮影時刻に対応付けられて記録される映像記録手段を備え、
前記制御手段は、
前記キーワード毎に作成された前記アラートデータに対して、前記時刻情報により特定される時刻に撮影された映像データを前記映像記録手段から読み出すためのパス情報を記録し、
該パス情報が記録された前記アラートデータを、前記アカウント宛てに送信すること
を特徴とする請求項1に記載のジャーナルアラートシステム。
【請求項3】
前記キーワードの入力または選択を行うことが可能な入力手段によって、前記記録手段に記録される前記キーワードの設定または変更を行うことが可能であること
を特徴とする請求項1または請求項2に記載のジャーナルアラートシステム。
【請求項4】
店舗のレジのレジ操作において操作ミスや不正行為が行われた場合に、当該レジのジャーナルデータに記録されることが想定されるキーワードと、アラートデータを送信するためのアカウントの情報とが記録された記録手段と、
集計された前記ジャーナルデータを受信すると共に、前記アカウント宛に前記アラートデータを送信するための通信手段と、
制御手段と
を備えたジャーナルアラートシステムのアラートデータ送信用プログラムであって、
前記制御手段に、
前記通信手段により受信された前記ジャーナルデータに、前記キーワードが記録されているかどうかを検出させるキーワード検出機能と、
前記キーワード検出機能により前記キーワードが検出された場合に、当該キーワードの検出されたレジ操作の操作時刻を、前記ジャーナルデータに記録された時刻情報より取得させる時刻情報取得機能と、
前記ジャーナルデータより取得された前記時刻情報と、前記ジャーナルデータに記録されたレジを特定するためのレジ特定情報と、前記レジが設置された店舗を特定するための店舗特定情報とが記録された前記アラートデータを、前記キーワード毎に作成させるアラートデータ作成機能と、
前記アラートデータ作成機能によって前記キーワード毎に作成された前記アラートデータを、前記通信手段を用いて、前記アカウント宛てに送信させるアラートデータ送信機能と
を実現させることを特徴とするジャーナルアラートシステムのアラートデータ送信用プログラム。
【請求項5】
前記ジャーナルアラートシステムは、前記レジにおける前記レジ操作の様子を撮影した映像データが、撮影時刻に対応付けられて記録される映像記録手段を備え、
前記アラートデータ作成機能において、前記制御手段に、前記時刻情報、前記レジ特定情報、前記店舗特定情報に加えて、前記時刻情報により特定される時刻に撮影された映像データを前記映像記録手段から読み出すためのパス情報を、前記キーワード毎に前記アラートデータに記録させ、
前記アラートデータ送信機能において、前記制御手段に、前記アラートデータ作成機能により前記パス情報が記録された前記アラートデータを、前記通信手段を用いて前記アカウント宛てに送信させること
を特徴とする請求項4に記載のジャーナルアラートシステムのアラートデータ送信用プログラム。
【請求項6】
前記キーワードの入力または選択を行うことが可能な入力手段によって、前記記録手段に記録される前記キーワードの設定または変更を行うことが可能であること
を特徴とする請求項
4または請求項
5に記載のジャーナルアラートシステムのアラートデータ送信用プログラム。
【請求項7】
店舗のレジのレジ操作において操作ミスや不正行為が行われた場合に、当該レジのジャーナルデータに記録されることが想定されるキーワードと、アラートデータを送信するためのアカウントの情報とが記録された記録手段と、
集計された前記ジャーナルデータを受信すると共に、前記アカウント宛に前記アラートデータを送信するための通信手段と、
制御手段と
を備えたジャーナルアラートシステムのアラートデータ送信方法であって、
前記制御手段が、
前記通信手段により受信された前記ジャーナルデータに、前記キーワードが記録されているかどうかを検出するキーワード検出ステップと、
前記キーワード検出ステップにおいて前記キーワードが検出された場合に、当該キーワードの検出されたレジ操作の操作時刻を、前記ジャーナルデータに記録された時刻情報より取得する時刻情報取得ステップと、
前記ジャーナルデータより取得された前記時刻情報と、前記ジャーナルデータに記録されたレジを特定するためのレジ特定情報と、前記レジが設置された店舗を特定するための店舗特定情報とが記録された前記アラートデータを、前記キーワード毎に作成するアラートデータ作成ステップと、
前記アラートデータ作成ステップにおいて前記キーワード毎に作成された前記アラートデータを、前記通信手段を用いて、前記アカウント宛てに送信するアラートデータ送信ステップと
を有することを特徴とするジャーナルアラートシステムのアラートデータ送信方法。
【請求項8】
前記ジャーナルアラートシステムは、前記レジにおける前記レジ操作の様子を撮影した映像データが、撮影時刻に対応付けられて記録される映像記録手段を備え、
前記制御手段は、
前記アラートデータ作成ステップにおいて、前記時刻情報、前記レジ特定情報、前記店舗特定情報に加えて、前記時刻情報により特定される時刻に撮影された映像データを前記映像記録手段から読み出すためのパス情報を、前記キーワード毎に前記アラートデータに記録し、
前記アラートデータ送信ステップにおいて、前記パス情報が記録された前記アラートデータを、前記通信手段を用いて前記アカウント宛てに送信すること
を特徴とする請求項7に記載のジャーナルアラートシステムのアラートデータ送信方法。
【請求項9】
前記キーワードの入力または選択を行うことが可能な入力手段によって、前記記録手段に記録される前記キーワードの設定または変更を行うことが可能であること
を特徴とする請求項7または請求項8に記載のジャーナルアラートシステムのアラートデータ送信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジャーナルアラートシステム、アラートデータ送信方法およびアラートデータ送信用プログラムに関し、より詳細には、アラートデータを所定のアカウント宛てに送信することが可能なジャーナルアラートシステム、アラートデータ送信方法およびアラートデータ送信用プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、コンビニエンスストアやスーパーマーケット等の店舗では、来店客が商品を購入した時刻情報、店舗番号(店舗特定情報)、端末番号(レジ番号、レジ特定情報)、商品名、商品個数、商品金額、購入合計金額等をジャーナルデータとして電子的に記録する決済端末(POS(Point of Sales)レジ、以下、「レジ」と称する)が導入されている。
【0003】
近年の店舗では、店員によるレジの操作ミスや、悪意のある店員によるレジの現金抜き取りや、不正操作による現金着服行為などの不正行為等が行われる事案が発生している。また、店員の対応等に対して客から苦情が寄せられる等の事案も生じている。これらの事案は、レジ周辺における店員の行動に起因して生じることが多いため、近時では、レジ周辺の映像を撮影するためのカメラが設置されている。
【0004】
管理者等は、カメラ映像を通じてレジ周辺の状況を事後的に確認することにより、店員による操作ミスや不正行為等、客に対する店員の具体的な対応状況を確認することできる。
【0005】
さらに、今日では、レジで記録されるジャーナルデータと、カメラ映像とを関連付けて記録し、管理者が検索装置(例えば管理者用PC)を用いてジャーナルデータを検索し、検索結果に関連付けられたカメラ画像を特定して、確認することが可能な情報処理装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
例えば、客から苦情等があった場合、引用文献1に示す情報処理装置を用いて、客のレシート等に記録される商品名や購入時刻等に基づきジャーナルデータを検索することにより、関連付けられたカメラ映像を見つけ出して、確認することが可能である。
【0008】
しかしながら、店員の操作ミスや不正行為に関しては、それらの行為が行われた時刻を特定することが難しい。このため、管理者等は、レジに残る現金等の金額とジャーナルデータにより記録された現金等の金額とが一致しなかった時間帯(例えば、レジの締めが1日に4回ある場合には、約6時間の長さの時間帯)を、レジの締め時間に基づいて判断し、該当する時間帯のカメラ映像を継続的に確認しなければ、該当するレジ操作のカメラ映像を見つけることができなかった。
【0009】
このため、管理者は、該当する時間帯のカメラ映像を長時間確認する必要が生じ、店員の操作ミスや不正行為を発見・確認することが容易ではないという問題が生じていた。
【0010】
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、店員の操作ミスや不正行為を容易に発見・確認することが可能なジャーナルアラートシステム、アラートデータ送信方法およびアラートデータ送信用プログラムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明に係るジャーナルアラートシステムは、店舗のレジのレジ操作において操作ミスや不正行為が行われた場合に、当該レジのジャーナルデータに記録されることが想定されるキーワードと、アラートデータを送信するためのアカウントの情報とが記録された記録手段と、集計された前記ジャーナルデータを受信すると共に、前記アカウント宛に前記アラートデータを送信するための通信手段と、制御手段とを備え、前記制御手段は、前記通信手段により受信された前記ジャーナルデータに、前記キーワードが記録されているかどうかを検出し、前記キーワードが検出されたレジ操作の操作時刻を前記ジャーナルデータに記録された時刻情報より取得し、前記ジャーナルデータより取得された前記時刻情報と、前記ジャーナルデータに記録されたレジを特定するためのレジ特定情報と、前記レジが設置された店舗を特定するための店舗特定情報とが記録された前記アラートデータを、前記キーワード毎に作成し、前記キーワード毎に作成された前記アラートデータを、前記通信手段を用いて、前記アカウント宛てに送信することを特徴とする。
【0012】
上述したジャーナルアラートシステムは、前記レジにおける前記レジ操作の様子を撮影した映像データが、撮影時刻に対応付けられて記録される映像記録手段を備え、前記制御手段は、前記キーワード毎に作成された前記アラートデータに対して、前記時刻情報により特定される時刻に撮影された映像データを前記映像記録手段から読み出すためのパス情報を記録し、該パス情報が記録された前記アラートデータを、前記アカウント宛てに送信するものであってもよい。
【0013】
また、上述したジャーナルアラートシステムは、前記キーワードの入力または選択を行うことが可能な入力手段によって、前記記録手段に記録される前記キーワードの設定または変更を行うことが可能なものであってもよい。
【0014】
本発明に係るジャーナルアラートシステムのアラートデータ送信用プログラムは、店舗のレジのレジ操作において操作ミスや不正行為が行われた場合に、当該レジのジャーナルデータに記録されることが想定されるキーワードと、アラートデータを送信するためのアカウントの情報とが記録された記録手段と、集計された前記ジャーナルデータを受信すると共に、前記アカウント宛に前記アラートデータを送信するための通信手段と、制御手段とを備えたジャーナルアラートシステムのアラートデータ送信用プログラムであって、前記制御手段に、前記通信手段により受信された前記ジャーナルデータに、前記キーワードが記録されているかどうかを検出させるキーワード検出機能と、前記キーワード検出機能により前記キーワードが検出された場合に、当該キーワードの検出されたレジ操作の操作時刻を、前記ジャーナルデータに記録された時刻情報より取得させる時刻情報取得機能と、前記ジャーナルデータより取得された前記時刻情報と、前記ジャーナルデータに記録されたレジを特定するためのレジ特定情報と、前記レジが設置された店舗を特定するための店舗特定情報とが記録された前記アラートデータを、前記キーワード毎に作成させるアラートデータ作成機能と、前記アラートデータ作成機能によって前記キーワード毎に作成された前記アラートデータを、前記通信手段を用いて、前記アカウント宛てに送信させるアラートデータ送信機能とを実現させるプログラムであることを特徴とする。
【0015】
上述したジャーナルアラートシステムのアラートデータ送信用プログラムにおいて、前記ジャーナルアラートシステムは、前記レジにおける前記レジ操作の様子を撮影した映像データが、撮影時刻に対応付けられて記録される映像記録手段を備え、前記アラートデータ作成機能において、前記制御手段に、前記時刻情報、前記レジ特定情報、前記店舗特定情報に加えて、前記時刻情報により特定される時刻に撮影された映像データを前記映像記録手段から読み出すためのパス情報を、前記キーワード毎に前記アラートデータに記録させ、前記アラートデータ送信機能において、前記制御手段に、前記アラートデータ作成機能により前記パス情報が記録された前記アラートデータを、前記通信手段を用いて前記アカウント宛てに送信させることを実現させるプログラムであってもよい。
【0016】
また、上述したジャーナルアラートシステムのアラートデータ送信用プログラムは、キーワードの入力または選択を行うことが可能な入力手段によって、前記記録手段に記録される前記キーワードの設定または変更を行うことが可能なものであってもよい。
【0017】
本発明に係るジャーナルアラートシステムのアラートデータ送信方法は、店舗のレジのレジ操作において操作ミスや不正行為が行われた場合に、当該レジのジャーナルデータに記録されることが想定されるキーワードと、アラートデータを送信するためのアカウントの情報とが記録された記録手段と、集計された前記ジャーナルデータを受信すると共に、前記アカウント宛に前記アラートデータを送信するための通信手段と、制御手段とを備えたジャーナルアラートシステムのアラートデータ送信方法であって、前記制御手段が、前記通信手段により受信された前記ジャーナルデータに、前記キーワードが記録されているかどうかを検出するキーワード検出ステップと、前記キーワード検出ステップにおいて前記キーワードが検出された場合に、当該キーワードの検出されたレジ操作の操作時刻を、前記ジャーナルデータに記録された時刻情報より取得する時刻情報取得ステップと、前記ジャーナルデータより取得された前記時刻情報と、前記ジャーナルデータに記録されたレジを特定するためのレジ特定情報と、前記レジが設置された店舗を特定するための店舗特定情報とが記録された前記アラートデータを、前記キーワード毎に作成するアラートデータ作成ステップと、前記アラートデータ作成ステップにおいて前記キーワード毎に作成された前記アラートデータを、前記通信手段を用いて、前記アカウント宛てに送信するアラートデータ送信ステップとを有することを特徴とする。
【0018】
上述したジャーナルアラートシステムのアラートデータ送信方法において、前記ジャーナルアラートシステムは、前記レジにおける前記レジ操作の様子を撮影した映像データが、撮影時刻に対応付けられて記録される映像記録手段を備え、前記制御手段は、前記アラートデータ作成ステップにおいて、前記時刻情報、前記レジ特定情報、前記店舗特定情報に加えて、前記時刻情報により特定される時刻に撮影された映像データを前記映像記録手段から読み出すためのパス情報を、前記キーワード毎に前記アラートデータに記録し、前記アラートデータ送信ステップにおいて、前記パス情報が記録された前記アラートデータを、前記通信手段を用いて前記アカウント宛てに送信するものであってもよい。
【0019】
また、上述したジャーナルアラートシステムのアラートデータ送信方法は、キーワードの入力または選択を行うことが可能な入力手段によって、前記記録手段に記録される前記キーワードの設定または変更を行うことが可能なものであってもよい。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係るジャーナルアラートシステム、アラートデータ送信方法およびアラートデータ送信用プログラムによれば、店員の操作ミスや不正行為を容易に発見・確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】実施の形態に係るジャーナルアラートシステムの概略構成を示したブロック図である。
【
図2】実施の形態に係る店舗システムの概略構成を示したブロック図である。
【
図3】実施の形態に係る店舗用PCの概略構成を示したブロック図である。
【
図4】実施の形態に係るWEBサーバの概略構成を示したブロック図である。
【
図5】実施の形態に係る店舗用CPUが実行する映像データの記録処理を示したフローチャートである。
【
図6】実施の形態に係る店舗用CPUが実行するジャーナルデータの集計処理を示したフローチャートである。
【
図7】実施の形態に係るサーバ用CPUが実行する検出結果情報の作成処理およびメールの送信処理を示したフローチャートである。
【
図8】実施の形態に係るCSVデータの一例を示したものである
【
図9】実施の形態に係るジャーナルアラートシステムの他の概略構成を示したブロック図であり、(a)は、クラウド型の概略構成を示し、(b)は、LAN型の概略構成を示している。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明に係るジャーナルアラートシステムについて一例を示し、図面を用いて詳細に説明する。
図1は、実施の形態に係るジャーナルアラートシステムの概略構成を示したブロック図である。
【0023】
ジャーナルアラートシステム100は、管理者がカメラ映像を確認するための管理者用PC(パーソナルコンピュータ)200と、各店舗に設置される店舗システム300と、クラウド700で管理されるWEBサーバ400とにより概略構成されている。管理者用PC200と店舗システム300とは、LAN(Local Area Network)800(
図1では、一例として、インターネット環境を利用して仮想プライベートネットワーク(VPN:Virtual Private Network)により実現されるネットワークを示している)で接続されており、管理者用PC200から、店舗システム300の後述する録画サーバ350にアクセスすることが可能になっている。
【0024】
また、WEBサーバ400は、クラウド700で管理されているため、LAN800の外部に設置されることになるが、ID情報およびパスワード等を用いることにより、管理者用PC200および店舗システム300の後述する店舗用PC330からWEBサーバ400に接続(アクセス)することが可能になっている。なお、WEBサーバ400における認証は、ID情報およびパスワードを用いるベーシック認証やDigest認証だけには限定されず、セッションベース認証、トークンベース認証、ワンタイムパスワードを利用する認証等の様々な認証方法を用いることが可能である。
【0025】
管理者用PC200は、一般的なパーソナルコンピュータにより構成されている。管理者は、管理者用PC200のキーボードやマウス等の入力部(入力手段)230を操作することにより、WEBサーバ400に対する様々な設定・変更等を行うことが可能になっている。また、管理者用PC200には、液晶ディスプレイ等からなる一般的な表示部240が接続されている。管理者用PC200では、店舗システム300の録画サーバ350に記録されるカメラ映像(映像データ)を読み込んで、表示部240に表示することが可能になっている。
【0026】
図2は、店舗システム300の概略構成を示したブロック図である。店舗システム300は、スーパーやコンビニエンスストア等の小売店の各店舗に設置されている。店舗システム300は、複数のレジ310と、各レジ310における店員の操作内容(レジ操作の様子)を撮影できるように設置された複数のカメラ320と、レジ310において集計されたジャーナルデータの受信および記録を行う店舗用PC330と、カメラ320により撮影された映像データ(フレームデータ)を記録する録画サーバ(映像記録手段)350とにより概略構成されている。各レジ310と、各カメラ320と、録画サーバ350とは、店舗内LAN900を介して店舗用PC330に接続されている。
【0027】
店舗用PC330は、店舗内LAN900を介して、一定時間毎に、或いは、所定のタイミング(例えば、各レジ310における客の会計処理が完了するタイミング)に、各レジ310からジャーナルデータを取得する。また、店舗用PC330は、店舗内LAN900を介して、各カメラ320の映像データ(フレームデータ、画像データ)を常時、或いは所定時間毎に、各カメラ320より受信する。なお、複数のレジ310と複数のカメラ320とには、それぞれ個別の識別情報(レジ特定情報、カメラ特定情報)が予め設定されており、各レジ310のジャーナルデータと各カメラ320の映像データ(フレームデータ、画像データ)とには、それぞれの識別情報(レジ特定情報、カメラ特定情報)と、会計時および撮影時の時刻情報とがそれぞれ記録されている。
【0028】
図3は、店舗用PC330の概略構成を示したブロック図である。店舗用PC330は、店舗用PC本体331と、キーボードおよびマウスからなる入力部338と、液晶ディスプレイ等からなる表示部339とを有している。店舗用PC本体331は、店舗用CPU(Central Processing Unit)332と、ROM(Read Only Memory)333と、RAM(Random Access Memory)334と、記録部335と、通信用I/F(インターフェイス)336と、入出力I/F337とを備えている。
【0029】
店舗用CPU332は、ジャーナルデータおよびカメラ320の映像データ(フレームデータ、画像データ)等を受信して記録部335に記録する処理を行う。また、店舗用CPU332は、記録部335に記録されたジャーナルデータをまとめて、例えば1日1回の頻度で、WEBサーバ400に出力する処理を行う。ROM333には、店舗用CPU332の処理内容を示したプログラム(後述する
図5および
図6に示したフローチャートに関するプログラム)等が記録されている。店舗用CPU332は、ROM333からプログラムを読み込むことにより処理を実行する。RAM334は、店舗用CPU332により実行される処理のワークエリアとして利用される。
【0030】
記録部335には、店舗用CPU332が各レジ310より取得したジャーナルデータと、各カメラ320より取得した映像データとが記録される。より詳細には、各カメラ320により撮影された各時間のフレームデータ(画像データ)が、継続的に店舗用PC330に送信されている。店舗用PC本体331の店舗用CPU332は、継続的に受信するカメラ320のフレームデータ(画像データ)を時系列的に記録することにより、映像データを生成する。実施の形態に係る店舗用CPU332では、受信したフレームデータ(画像データ)を繋げた5分長の映像データを、1つのファイルとして生成し、生成された映像データを記録部335に記録する。従って、記録部335には、各カメラ320で撮影された5分長の映像データが、複数記録されることになる。
【0031】
また、各カメラ320より送信されるフレームデータ(画像データ)には、上述したように、各カメラ320の識別番号と撮影時の時刻情報とが記録されている。店舗用CPU332は、これらの情報に基づいて、記録部335のフォルダ構成を階層構造にし、フォルダ名として各カメラ320の識別番号を付したり、ファイル名としてカメラ320の識別番号や撮影時の時刻情報が含まれるようにしたりする。これにより、どの映像データが、どのカメラ320によって撮影された、どの時刻の映像データであるかを検索できる状態にして、記録部335に映像データを記録することができる。
【0032】
なお、記録部335は、店舗用PC本体331の内部に設けられる構成には限定されず、店舗用PC本体331の外部に増設されるもの(例えば、外付けハードディスク等)であってもよく、或いは、店舗内LAN900に設置されるNAS(Network Attached Storage)等からなる映像データの記録手段であってもよい。
【0033】
図4は、WEBサーバ400の概略構成を示したブロック図である。WEBサーバ400は、サーバ用CPU(制御手段)410と、ROM420と、RAM430と、記録部(記録手段)440と、通信用I/F(インターフェイス、通信手段)450とを備えている。
【0034】
サーバ用CPU410は、店舗用PC330より1日1回送信されてくる集計済のジャーナルデータを、通信用I/F450を介して受信し、記録部440に記録する処理を行う。また、サーバ用CPU410は、管理者用PC200によって設定される情報(後述する抽出用キーワード(キーワード)の設定情報、メール送信先の設定情報(アカウントの情報、メールアドレス)等を記録部440に記録する処理を行う。さらに、サーバ用PC410は、抽出用キーワードに基づいて抽出されたジャーナルデータの情報と映像データのリンク情報(後述する録画URLの情報、パス情報)とが記載される検出結果情報(実施の形態に係るジャーナルアラートシステム100では、検出結果情報としてCSV(Comma Separated Values)形式のデータを用いる。アラートデータ)を、通信用I/F450を介して、設定されたメールアドレス宛に送信する処理を行う。ここで、リンク情報(パス情報)とは、管理者用PC200において、録画サーバ350に記録された映像データを読み出して再生するために必要とされる、映像データのLAN800におけるファイルやフォルダの場所と名前を示した情報である。また、サーバ用CPU410における具体的な処理は後述する。
【0035】
ROM420には、サーバ用CPU410における処理内容を示したプログラム(後述する
図7に示したフローチャートに関するプログラム)等が記録されている。サーバ用CPU410は、ROM420からプログラムを読み込むことにより上述した処理を実行する。なお、プログラムは、ROM420に記録される構成には限定されず、記録部440に記録されるものであってもよい。RAM430は、サーバ用CPU410によって実行される処理のワークエリアとして利用される。通信用I/F450は、ネットワーク回線を通じて、管理者用PC200および店舗用PC330とデータの送受信を行うためのインターフェイスである。WEBサーバ400はクラウド700に構築されているため、サーバ用CPU410は、通信用I/F450を用いることによりインターネット回線およびLAN800を介して、管理者用PC200および店舗用PC330とデータの送受信処理を行う。
【0036】
記録部440には、店舗用PC330によって1日1回送信される集計済のジャーナルデータが記録されている。店舗が複数ある場合、各店舗の集計済のジャーナルデータが、受信日毎に整理された状態で、記録部440に記録される。集計済のジャーナルデータは、各店舗の各レジ310において記録された1日分のジャーナルデータを集計したデータであって、その内容をサーバ用CPU410で検出可能なデータ形式にして記録したものである。
【0037】
また、記録部440には、管理者用PC200によって設定される抽出用キーワードの情報と、メールアドレス情報(アカウントの情報)とが記録されている。管理者等は、管理者用PC200を用いてWEBサーバ400にアクセスすることによって、抽出用キーワードの情報と、メールアドレス情報との設定・変更を行うことができる。例えば、管理者は、管理者用PC200にインストールされているインターネットブラウザ(WEBブラウザ、一般的に「ブラウザ」と称される)を用いて、WEBサーバ400で開設される抽出用キーワードの設定ページ(WEBページ)のURLや、メールアドレスの設定ページ(WEBページ)のURLにアクセスし、ユーザIDとパスワードとを、入力部338を用いて入力することにより、各設定ページにログインすることが可能になる。
【0038】
管理者は、管理者用PC200に表示される抽出用キーワードの設定ページにおいて、ジャーナルデータの検出処理を行うための条件・キーワードを設定することができる。具体的には、検出対象とする店舗名、具体的なキーワード、キーワードの検出間隔、キーワードの検出回数等を、それぞれ設定することができる。
【0039】
管理者は、具体的なキーワードとして、任意のワード(文字情報、キーワード)を設定することができる。例えば、「VOID」、「指定取消」、「チャージ」、「クーポン」、「割引」、「万券」、「優待券」などを設定することができる。
【0040】
「VOID」とは、「戻し会計の処理」を意味している。店員がレジの操作によって戻し会計の処理を行うと、ジャーナルデータに「VOID」という文字情報が記録される。悪意ある店員が、レジから現金の抜き取りを行う場合に、「戻し会計の処理」(VOID)を利用する場合がある。客に対して会計の払い戻しを実際には行っていないのに、悪意のある店員がレジ310で虚偽の「戻し会計の処理」を行い、払い戻し金額分の現金を横領することが考えられる。また同様に、店員が「戻し会計の処理」において、払い戻すべき金額を間違えて、客に現金の払い戻しを行ってしまい、レジに残る現金とジャーナルデータに記録される金額とが不一致になるおそれもある。
【0041】
従って、ジャーナルデータに「VOID」というワードが記録される場合、店員によるレジの操作ミスが発生した可能性や、不正行為が行われた可能性があると判断できる。なお、ジャーナルデータにおいて「VOID」というワードでなく「戻し会計」というワードが記載されるレジを用いる場合には、「VOID」に代えて「戻し会計」を抽出用キーワードに設定することが望ましい。
【0042】
「指定取消」は、レジ310で読み取られた商品のデータの取消処理を意味している。店員がスキャンされた商品を指定して、レジ310で取消処理を行った場合、ジャーナルデータには、「指定取消」という文字情報が記録される。例えば、同じ商品のバーコードを間違って2回スキャンしてしまった場合に、店員は、レジ310の「指定取消」ボタンを押下して、1回分のスキャンデータを選択してデータの取消処理を行う。悪意ある店員が、レジ310から現金の抜き取りを行う場合、客が同じ商品を2点購入して、2点分の会計(支払い)処理を一旦行い、その後「指定取消」ボタンを押下して、商品1点分が取り消されたようにジャーナルデータに会計金額を記録させ、指定取消した商品の金額分の現金を横領する可能性がある。また、店員によるレジの操作ミスによって、本来「指定取消」ボタンを押下して、商品1点分の取消処理を行う必要があったのに、取消処理を行うことなく客に対して間違った金額を請求してしまう場合もあり得る。
【0043】
「チャージ」は、ICチップ等を内蔵したカードやスマートフォンにインストールされている会計アプリ(ソフトウェア)に対して、予め所定の金額を入金しておく処理(現金等によって入金を行う処理)を意味している。例えば、客が自分のカードに入金処理を行う場合、レジ310で店員に対し、カードにチャージを行う旨を依頼し、カードと現金を渡してレジ310でチャージ処理を行ってもらう。店員は、レジ310の「チャージ」ボタン等を押下してカード情報を読み取った後に、渡された現金の金額だけチャージ処理を行う。この場合、ジャーナルデータには、「チャージ」という文字情報と、チャージされた金額等が記録される。客からチャージの依頼を受けた場合に、悪意ある店員が、チャージ処理をするふりをして(実際にはチャージ処理を行わないで)、渡された現金を横領することが考えられる。また、店員の操作ミスにより、チャージすべき金額を間違えたり、「チャージ」ボタンを押下し忘れて、チャージ処理が行われることなく、現金だけを受け取ってしまう場合なども考えられる。
【0044】
「クーポン」および「割引」は、会計合計金額からクーポン券や割引券(割引シール)に対応する金額を減額して会計を行う場合に、利用されるものである。客が会計時にクーポン券等を利用した場合には、クーポン券に規定された金額だけ合計金額から料金を割り引いて会計処理が行われる。客がクーポン券を利用した場合には、ジャーナルデータに「クーポン」の文字情報が記録され、割引券(割引シール)を利用した場合には、ジャーナルデータに「割引」の文字情報が記録される。例えば、客がクーポン券や割引券を提示せずに会計したにも関わらず、悪意ある店員がクーポン券や割引券が適用されたようにレジ操作を行うことにより、クーポン券や割引券の使用により減額される金額分を横領することが考えられる。また、客がクーポン券を提示したにも関わらず、店員の操作ミスにより、クーポン処理が行われなかったり、間違った金額の割引処理を行ってしまったりするおそれがある。
【0045】
「万券」は、客が会計時に1万円札を用いて支払いを行った場合に、ジャーナルデータに記録される文字情報である。具体的には、1万円札(高額紙幣)による支払いが行われた場合、店員はレジの「万券」ボタンを押下すると共に、管理者等に1万円札を渡し、その代わりに管理者等から1000円札や5000円札に両替された1万円分の現金を受け取って、釣り銭の払い戻し処理を行う。管理者等は、受け取った1万円札を、バックヤードの金庫等に保管する。店員がレジ310の「万券」ボタンを押下等することにより、1万円札による支払いがあったこと(その時の時刻情報等)がジャーナルデータに記録される。例えば、管理者等から1000円札や5000円札に両替された1万円分の現金を受け取った際に、悪意ある店員がその一部を抜き取って残りの紙幣をレジに入れることにより、1万円札による会計が行われる毎に、現金を抜き取る横領を行うことが考えられる。また、店員の確認ミスにより、両替した1000円札や5000円札の合計が1万円分の金額ではないのに気づかず、そのまま会計処理を行うおそれがある。
【0046】
このように管理者は、店舗において店員によるレジの操作ミスや不正行為が行われる可能性のある処理に関連するキーワードを、抽出用キーワードとして設定することにより、ジャーナルデータに記録される内容から、操作ミスや不正行為が行われる可能性のある時刻を特定することができる。
【0047】
また、管理者は、抽出用キーワードの設定ページにおいて、キーワードの検出間隔および検出回数を設定することができる。例えば、近時ではスマートフォン用の店舗専用アプリを導入することによって、会員に対してクーポン等を頻繁に発行している。また、客も店舗専用アプリ等によって提供されるクーポンを積極的に利用して支払いを行うことが多い。したがって、ジャーナルデータに多数記録され得る「クーポン」の文字情報を、ジャーナルデータから全て抽出すると、「クーポン」という文字情報が数多く抽出・検出されてしまい、抽出・検出された内容を確認するための負担が増えてしまうおそれがある。
【0048】
一方で、悪意ある店員が不正行為を行う場合、その店員がレジ310を担当する時間帯だけ、「クーポン」等の文字情報がジャーナルデータに頻繁に記録される可能性があり得る。同様に、店員による操作ミスが多く発生する場合、特定の店員がレジ310を担当する時間帯だけ、「クーポン」等の文字情報がジャーナルデータに頻繁に記録される可能性があり得る。このため、管理者用PC200の抽出用キーワードの設定ページにおいて、管理者が、例えば「クーポン」という抽出用キーワードの検出間隔を90分に設定し、検出回数を5回に設定することにより、サーバ用PC410において、90分以内に5回以上「クーポン」という文字情報がジャーナルデータに記録される場合にだけ、「クーポン」と記録されたときの時刻情報を抽出するように設定をすることができる。
【0049】
このような条件を設定した上で、「クーポン」と記録されたときの時刻情報が抽出されるときには、特定の時間帯だけ「クーポン」という文字情報が頻繁に記録されていると判断することができる。このため、レジ310に残る現金の金額がジャーナルデータに記録される金額と一致しない場合等において、抽出された時刻情報の時間帯にレジ操作を行った店員が、レジの操作ミスや不正行為を行ったのではないかと推定することができる。なお、「クーポン」以外のワードを抽出用キーワードとして用いる場合も、抽出用キーワードの設定ページにおいて、キーワード毎に、検出間隔と検出回数とを設定することが可能である。
【0050】
また、抽出用キーワードの設定ページにおいて、管理者は、検出対象とするジャーナルデータの店舗情報を、キーワード毎に個別に設定・選択することが可能になっている。例えば、特定の店舗だけ、レジ310に残る現金の金額とジャーナルデータに記録される金額とが不一致となる頻度が高い場合もある。この場合には、該当する店舗のジャーナルデータだけをキーワード抽出の対象とし、その店舗のジャーナルデータだけを用いて、抽出用キーワードの抽出処理を行うようにすることもできる。
【0051】
また、管理者は、管理者用PC200に表示されるメールアドレスの設定ページにおいて、既に説明した検出結果情報(CSV形式のデータ、アラートデータ)を添付して送信するためのメールアドレスを設定・変更することができる。メールアドレスの設定・変更は1つのメールアドレスには限定されず、複数のメールアドレスを設定・変更することも可能である。
【0052】
図5は、店舗用PC330の店舗用CPU332が実行する映像データの記録処理を示したフローチャートである。店舗用CPU332は、各カメラ320よりフレームデータ(画像データ)を受信して(S.01)、一時的に記録部335に記録させる(S.02)。なお、一時的に記録されるフレームデータ(画像データ)は、必ずしも記録部335に記録される構成には限定されない。5分長の映像データを記録することが可能な容量のフレームバッファを別途用意して、このフレームバッファにフレームデータ(画像データ)を記録させる構成にしてもよい。
【0053】
店舗用CPU332は、5分長の映像データとすることが可能なデータ量だけ、フレームデータ(画像データ)が記録部335に記録されたかどうかの判断を行う(S.03)。5分長の映像データとすることが可能なデータ量だけ記録された場合(S.03でYes)、店舗用CPU332は、記録されたフレームデータ(画像データ)に基づいて、5分長の映像データを作成する(S.04)。
【0054】
そして、店舗用CPU332は、映像データの作成に利用されたフレームデータより、カメラ320の識別番号情報(カメラ特定情報)と撮影時の時刻情報とを読み出して(S.05)、カメラ320の識別番号がわかるようにカメラ320の識別番号に対応するフォルダを作成し(S.06)、映像データのファイル名を、カメラ320の識別番号情報と時刻情報とを含むファイル名に決定して(S.07)、該当するカメラ320の識別番号からなるフォルダに、作成された5分長の映像データを記録させる(S.08)。
【0055】
映像データをフォルダに記録(S.08)した後、或いは、5分長の映像データとすることが可能なデータ量が記録部335に記録されていない場合(S.03でNo)、店舗用CPU332は、処理をS.01に移行して、上述した処理を、店舗の営業時間が終了するまで繰り返し実行する。
【0056】
図6は、店舗用PC330の店舗用CPU332が実行するジャーナルデータの集計処理を示したフローチャートである。店舗用CPU332は、各レジ310において会計処理が終了する毎(客が会計処理を完了する毎)に、それぞれのレジ310からジャーナルデータを取得し(S.11)、取得したジャーナルデータを記録部335に記録する(S.12)。ジャーナルデータには、レジの識別番号情報(レジ特定情報)とレジ操作時の時刻情報とが記載されているため、時刻情報とレジの識別番号情報とに基づいて、そのレジの周辺を撮影したカメラ320の映像データを、記録部335から特定すること(映像データが記録されるフォルダ階層およびファイル名を特定すること)が可能となっている。
【0057】
そして、店舗用CPU332は、店舗の営業時間が終了したかどうかの判断を行う(S.13)。店舗の営業時間が終了したかどうかの判断は、そのときの時刻に基づいて判断してもよく、あるいは、各レジ310でのレジの締め作業が完了した旨のデータを全てのレジ310から受信したことを条件として判断してもよい。店舗の営業時間が終了したと判断した場合(S.13でYes)、店舗用CPU332は、記録部335に記録される1日分の全てのレジ310の全てのジャーナルデータを集計(S.14)し、集計したジャーナルデータ(集計済のジャーナルデータ)をWEBサーバ400に送信して(S.15)、処理を終了する。店舗の営業時間が終了していないと判断した場合(S.13でNo)、店舗用CPU332は、処理をS.11に移行して、上述した処理を再度実行する。
【0058】
図7は、WEBサーバ400のサーバ用CPU410が実行する検出結果情報(CSVデータ)の作成処理およびメールの送信処理を示したフローチャートである。
図7に示す処理は、1日に1回の頻度で、主に夜間に実行される処理である。基本的には、各店舗用PC330において、全てのレジ310のレジ締め作業が完了した後に、処理が実行される。また、WEBサーバ400の記録部440には、既に説明したように、管理者用PC200によって設定される抽出用キーワードの情報と、メールアドレス情報(アカウントの情報)とが記録されている。
【0059】
WEBサーバ400のサーバ用CPU410は、集計済のジャーナルデータを、店舗用PC330から受信(S.21)して、WEBサーバ400の記録部440に記録する(S.22)。ここで、サーバ用CPU410は、集計済のジャーナルデータを記録部440に単純に記録するのでははく、データベース化して記録(データベース形式で登録)させる処理を行う。データベース化して記録部440に記録させることにより、次述する抽出用キーワードを用いた抽出処理が容易になる。
【0060】
サーバ用CPU410は、記録部440から抽出用キーワードを読み出し、記録部440に記録された(データベースとして登録された)集計済のジャーナルデータに、抽出用キーワードが存在するかどうかの確認処理を行う(S.23、キーワード検出ステップ、キーワード検出機能)。既に説明したように、抽出用キーワードの設定ページにおいて、管理者は、抽出用キーワードの他に、キーワード毎に検出間隔と検出回数とを設定することができる。このため、サーバ用CPU410は、S.23に示す抽出用キーワードの有無の確認処理において、集計済のジャーナルデータに抽出用キーワードが存在する場合には、抽出された抽出用キーワードの記録時刻をそれぞれ検出し、抽出された抽出用キーワードの検出回数と、それぞれの抽出用キーワードの記録時刻との関係から、設定された検出間隔において設定された検出回数だけ、抽出用キーワードが検出されたかどうかの判断を行う。
【0061】
設定された検出間隔で設定された検出回数だけ抽出用キーワードが検出された場合(S.23においてYesの場合)、サーバ用CPU410は、抽出用キーワードが検出されたレジ操作の操作時刻を、ジャーナルデータに記録された時刻情報より取得する(S.24、時刻情報取得ステップ、時刻情報取得機能)。そして、サーバ用CPU410は、抽出した抽出用キーワード毎に、検出結果情報を示したCSV形式のデータ(CSVデータ、アラートデータ)を作成(S.25、アラートデータ作成ステップ、アラートデータ作成機能)する。その後、サーバ用CPU410は、抽出用キーワード毎に作成したCSVデータ(アラートデータ)を、記録部440に記録されたメールアドレス(複数登録されている場合には、登録された全てのメールアドレス)に添付して、一斉に送信する処理を行い(S.26、アラートデータ送信ステップ、アラートデータ送信機能)、処理を終了する。設定された検出間隔で、設定された検出回数だけ抽出用キーワードが検出されなかった場合(S.23においてNoの場合)、サーバ用CPU410は、条件を満たす抽出用キーワードが検出されなかった(存在しなかった)旨のメールを、記録部440に記録された全てのメールアドレスに対して一斉に送信する処理を行い(S.27)、処理を終了する。
【0062】
図8は、検出結果情報を示したCSVデータの一例を示したものである。CSVデータには、抽出用キーワードが検出されたジャーナルデータの店舗名D01、カメラ名(カメラ特定情報)D02、レジ番号(POS番号、レジ特定情報)D03、レシート番号D04、ジャーナルデータより取得した時刻情報(レシート時刻)D05、該当するレシート(時刻)のジャーナルデータの情報(ジャーナル情報)D06、ジャーナルデータより取得した時刻情報から求められる映像データの開始と終了の時刻(録画ファイルの開始と終了の時刻)D07(この映像データの長さは5分長)、映像データが記録される録画サーバ350にアクセスするための録画URL D08(LAN800を介して該当する映像データにアクセスするためのパス情報)が記録されている。
【0063】
管理者は、自身のメールアドレス宛に送信されたメールに添付されるCSVデータの内容を確認することにより、店員が操作ミスを起こしやすいレジの処理内容を示す抽出用キーワードが記録された時刻(時刻情報)や、店員が不正行為を行う可能性のある処理内容を示す抽出用キーワードが記録された時刻(時刻情報)を知ることができ、さらに、録画URL D08(パス情報)によって、該当する時刻の映像データを簡単に確認(再生)することが可能になる。
【0064】
このため、管理者は、全てのジャーナルデータを自ら確認作業することなく、店員が操作ミスを行ったと推定され得る時刻と、そのときのレジの操作状況とを知ることができ、同様に、店員が不正行為等行ったと推定され得る時刻と、そのときのレジの操作状況とを知ることができる。このため、従来のようにジャーナルデータを全て確認する必要がなくなり、操作ミスや不正行為に対する確認作業を軽減することが可能になる。
【0065】
また、管理者は、全てのカメラ320の全ての映像データを確認しなくても、操作ミスや不正行為が行われる可能性の高い時刻の5分単位の映像データを簡易に確認することができるため、カメラ320の映像データを確認する時間を短縮化することが可能になる。
【0066】
さらに、操作ミスや不正行為等が行われる可能性の高い時刻の映像データは、CSVデータによって録画URL(パス情報)としてリンク表示されている。管理者は、CSVデータのリンクをクリックすることにより簡単に映像データを確認することができ、録画サーバ350のフォルダを階層に従って探す必要がなく、映像データの確認作業を軽減させることが可能となる。
【0067】
以上、本発明に係るジャーナルアラートシステム、アラートデータ送信方法およびアラートデータ送信用プログラムについて一例を示し、図面を用いて詳細に説明したが、本発明に係るジャーナルアラートシステム、アラートデータ送信方法およびアラートデータ送信用プログラムは、実施の形態に示したものには限定されない。例えば、ジャーナルアラートシステム100では、
図1に示すように、管理者用PC200と店舗システム300(録画サーバ350含む)とが、LAN800を介して接続されており、WEBサーバ400がクラウド700に設けられる構成(
図1に示す構成を、「クラウド型」と称する。)について説明した。しかしながら、ジャーナルアラートシステム100の構成は、
図1に示すものには限定されない。
【0068】
例えば、ジャーナルアラートシステム100を、
図9(a)に示すように構成することも可能である。
図9(a)に示すジャーナルアラートシステム100では、クラウド700にWEBサーバ400だけでなく、録画サーバ350も設けられており(
図9(a)では、WEBサーバ400と録画サーバ350とをまとめて一台のサーバとして図示している)、クラウド700上に集計済のジャーナルデータと映像データとが保存される構成(
図9(a)に示す構成を、「オールクラウド型」と称する。)となっている。
【0069】
また、ジャーナルアラートシステム100を、
図9(b)に示すように構成することも可能である。
図9(b)に示すジャーナルアラートシステム100では、WEBサーバ400がクラウド700上に構築されておらず、管理者用PC200と同じネットワーク環境(VPNにより構築されるLANであってもよい)に接続されている。管理者がCSVデータに基づいて映像データの録画URLをクリックした場合に、同じネットワーク環境(管理者用LAN)に設置されるWEBサーバ400から映像データを読み出すことが可能な構成となっている。
図9(b)に示す構成を、「LAN(VPN)型」と称する。
【0070】
図1および
図9(a)(b)に示すように、映像データが記録される録画サーバ350や、ジャーナルデータが記録されるWEBサーバ400が、管理者用PC200や、店舗用PC330に対してどのように接続される構成であっても、WEBサーバ400(あるいはWEBサーバ400の機能を実現する他のPC等)がCSVデータ(アラートデータ)を生成してメールで送信する処理を行い、管理者が、CSVデータのリンク(録画URL、パス情報)に従って、所定の時刻の映像データを確認(再生)することができれば、本発明特有の効果を奏することが可能になる。
【0071】
また、実施の形態に係るジャーナルアラートシステム100では、検出結果情報を示したデータ(アラートデータ)として、CSV形式のデータを作成する場合を一例として示して説明を行った。しかしながら、ジャーナルアラートシステム100において作成される検出結果情報のデータ形式はCSV形式のデータには限定されない。検出結果情報として、店舗名D01や、レジ番号(POS番号)D03や、時刻情報(レシート時刻)D05や、録画URL D08(パス情報)等の情報を記録することができ、管理者用PC200においてその内容を確認することが可能であれば、他のデータ形式で記録されるデータであってもよい。
【0072】
さらに、実施の形態に係るジャーナルアラートシステム100では、CSVデータ(アラートデータ)をメールアドレス宛にメールで送信する場合を一例として示して説明した。しかしながらCSVデータ(アラートデータ)の送信方法は、メールによる送信には限定されない。たとえば、管理者用PC200に特定のアプリケーションプログラム(以下、「アプリ」と称する)をインストールし、アプリを介してCSVデータの送受信を行って、CSVデータを取得した場合に自動的にアプリ上でアラートを表示させるような構成とすることも可能である。
【0073】
また、実施の形態に係るジャーナルアラートシステム100では、管理者用PC200や店舗用PC330(店舗用PC本体331)のように、パーソナルコンピュータを用いてLAN800やクラウド700に接続し、データの送受信を行う構成について説明した。しかしながら、管理者用PC200や店舗用PC330(店舗用PC本体331)等のパーソナルコンピュータに代えて、スマートフォンやタブレット等の一般的な情報通信端末を用いることも可能である。
【符号の説明】
【0074】
100 …ジャーナルアラートシステム
200 …管理者用PC
230 …(管理者用PCの)入力部(入力手段)
240 …(管理者用PCの)表示部
300 …店舗システム
310 …レジ
320 …カメラ
330 …店舗用PC
331 …店舗用PC本体
332 …(店舗用PC本体の)店舗用CPU
333 …(店舗用PC本体の)ROM
334 …(店舗用PC本体の)RAM
335 …(店舗用PC本体の)記録部
336 …(店舗用PC本体の)通信用I/F
337 …(店舗用PC本体の)入出力I/F
338 …(店舗用PCの)入力部
339 …(店舗用PCの)表示部
350 …録画サーバ(映像記録手段)
400 …WEBサーバ
410 …サーバ用CPU(制御手段)
420 …(WEBサーバの)ROM
430 …(WEBサーバの)RAM
440 …(WEBサーバの)記録部(記録手段)
450 …(WEBサーバの)通信用I/F(通信手段)
700 …クラウド
800 …LAN
900 …店舗内LAN
【要約】
【課題】店員の操作ミスや不正行為を容易に発見・確認すること。
【解決手段】ジャーナルアラートシステムは、店舗のレジのレジ操作において操作ミスや不正行為が行われた場合に、ジャーナルデータに記録されることが想定されるキーワードと、アカウントの情報とが記録された記録手段440と、ジャーナルデータの受信およびアラートデータの送信を行う通信手段450と、制御手段410とを備える。制御手段410は、ジャーナルデータにキーワードが記録されているかを検出し、キーワードが検出されたレジ操作の操作時刻をジャーナルデータの時刻情報より取得し、取得された時刻情報と、レジを特定するためのレジ特定情報と、店舗を特定するための店舗特定情報とが記録されたアラートデータをキーワード毎に作成して、通信手段450を用いてアカウント宛てに送信する。
【選択図】
図4